JP5019214B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の振動子でそれぞれ受信された複数の受信信号を遅延加算するタイプの超音波診断装置に関する。
この種の超音波診断装置では、図4に示すように振動子列1を形成する多数の振動子1aのそれぞれを送信用または受信用に割り当てる。そして送信用の振動子1aから連続波の超音波信号を生体に送信し、その反射波を受信用の振動子1aによりそれぞれ受信する。そして、生体内の注目する位置からの信号を感度良く捉えるために、受信用の振動子1aによりそれぞれ受信された受信信号に個別に遅延を与えたのちに加算する。受信信号に遅延を与える方法としては、遅延線を用いる方法(例えば特許文献1を参照)と、デジタル演算による方法とが知られている。
遅延線は一般に、インダクタとキャパシタとをはしご状に接続した受動回路網として構成される。このため遅延線は、遅延誤差、挿入損失、あるいは周波数特性などを持つ。遅延誤差は、遅延加算によるS/Nを劣化させる。挿入損失もS/N劣化を引き起こす。周波数特性は、特性インピーダンスや遅延時間の周波数依存性により、理想的な遅延伝送からずれてしまうことになる。超音波診断装置に適するほどに遅延誤差および挿入損失が小さく、かつ超音波診断装置に適した周波数特性を持った遅延線は実現が困難であり、実現が可能であるとしても高価であるという不具合があった。
さらに超音波診断装置では、プローブによって使われる周波数が異なったり、プローブが同じでも異なる周波数を選択して使うことが多く、その使用する周波数に応じて遅延量も柔軟に選択できることが必要である。しかし、遅延線は固定的に離散的な遅延量のタップを選択するため、これによっても遅延誤差が生じてしまう。
デジタル演算によれば、遅延線に比べて高精度な遅延が可能で、かつ遅延時間の自由度は広がるという利点がある。しかしながら、全ての受信信号を個別にA/D変換しなければならないため、受信信号をA/D変換するための処理系を受信信号の最大数分備えておく必要がある。このため、回路規模が大きくなり、装置の大型化およびコスト上昇を来すという不具合があった。また、上記の処理系のそれぞれは、振動子から出力される受信信号のS/Nを劣化させないために、ダイナミックレンジが広く低ノイズな回路である必要がある。特にADC(analog-to-digital converter)のダイナミックレンジは問題である。すなわち、NF(noise figure)劣化を気にして前段のプリアンプゲインを上げると、飽和を起こしてかえってドップラー成分が劣化する。逆に、飽和を避けるために入力レンジを広げると、消費電力の増加、デバイスサイズの増大およびコストの上昇を来す。消費電力が小さく、かつBit数が大きいADCは技術的に実現が難しいため、非常に高価になってしまう。
特開2000−308641
以上のように、デジタル演算によって受信信号に遅延を与えるほうが、遅延線を用いるよりも遅延量の自由度は増すが、高精度なADCを受信信号の最大数と同数備えることにより、消費電力の増加、サイズの増大およびコストの上昇などを来す課題があった。このため連続波送信の場合には、遅延線を用いることが一般的である。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、S/Nの劣化を最小限に抑えつつも、消費電力の減少、回路サイズの縮小またはコストの低下を図ることができる超音波診断装置を提供することにある。
本発明の第1の態様による超音波診断装置は、被検体に対して連続波の超音波信号を送信した際に前記被検体で生じる反射超音波信号をそれぞれ電気的な受信信号に変換する複数の振動子と、前記複数の受信信号をそれぞれ同じ遅延量を与える受信信号毎に複数のグループに振り分け、前記グループ毎に前記受信信号を加算して前記グループ毎のグループ加算信号を得る手段と、前記グループ加算信号のそれぞれを、各グループに振り分けられた前記受信信号の数が少ないほど大きな増幅率で増幅する第1の増幅手段と、前記第1の増幅手段によりそれぞれ増幅された前記グループ加算信号のそれぞれに対して所定の信号処理を施す手段と、前記信号処理が施された後の前記複数のグループ加算信号をそれぞれデジタル化するデジタル化手段と、前記第2の増幅手段によりそれぞれ増幅された前記グループ加算信号を各グループに応じたそれぞれ異なる遅延量で遅延させた上で加算して1本の遅延加算信号を得る遅延加算手段とを備えた。
本発明によれば、S/Nの劣化を最小限に抑えつつも、消費電力の減少、回路サイズの縮小またはコストの低下を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る超音波診断装置100の構成を示すブロック図である。なお、図1において図4と同一部分には同一符号を付して示す。
超音波診断装置100は、振動子列1、送信信号発生器2、リミッタ3、プリアンプ4、セレクタ5、信号処理部6,7、デジタル信号処理部8、スキャンコンバータ9、表示部10および制御部11を含む。
振動子列1は、多数(例えば200個)の振動子が1次元または2次元に配列されている。送信信号発生器2は、振動子列1に含まれた振動子から超音波を送信させるための送信信号を発生する。送信信号発生器2は、振動子列1に含まれた振動子のそれぞれに対応する振動子チャネルの全てまたは一部のそれぞれに対応した送信信号を個別に発生可能である。いずれの振動子チャネルに対する送信信号を発生するかは、制御部11から指示される。さらに送信信号発生器2は、連続波の送信信号を発生可能である。振動子列1は、送信信号が供給された振動子が超音波を送信し、その反射波を個々の振動子が受けて電気的な受信信号にそれぞれ変換する。各振動子チャネルの受信信号は、個別にリミッタ3に入力される。
リミッタ3は、送信信号がプリアンプ4に直接に入力されることを防止するために、入力の振幅をそれぞれ制限する。プリアンプ4は、リミッタ3を介して入力される各振動子チャネルの信号をそれぞれ増幅する。
セレクタ5は、連続波(CW)モード以外のモードのときに信号処理部6を選択し、連続波モードのときに信号処理部7を選択する。モードは、制御部11により設定される。セレクタ5は、信号処理部6に対しては、プリアンプ4から出力される全振動子チャネルの信号を与える。セレクタ5は、信号処理部7に対しては、全振動子チャネルのうちの受信用に割り当てられた振動子チャネルの信号のみを与える。信号処理部6は、連続波モード以外の周知の診断モード(例えば、Bモード、CFMモード、TDIモード、PWDモードなど)のための信号処理を行う。信号処理部7は、連続波モードのための信号処理を行う。信号処理部6または信号処理部7で得られた信号は、いずれもデジタル信号処理部8に入力される。デジタル信号処理部8は、信号処理部6または信号処理部7で処理された信号について周波数分析を行う。スキャンコンバータ9は、デジタル信号処理部8での周波数分析の結果を表したデータについて表示フォーマットに応じたスキャンコンバートすることにより、表示用の画像を生成する。表示部10は、スキャンコンバータ9により生成された画像を表示する。
図2は信号処理部7の詳細な構成を示すブロック図である。
信号処理部7は、選択加算回路7a、バンドパスフィルタ(BPF)7b、ミキサ7c、ハイパスフィルタ(HPF)7d、可変ゲインアンプ7e、ローパスフィルタ(LPF)7f、ADC7g、ミキサ、ハイパスフィルタ(HPF)7i、可変ゲインアンプ7j、ローパスフィルタ(LPF)7k、ADC7m、直交信号発生器7nおよびデジタル遅延加算器7pを含む。なお、BPF7b、ミキサ7c、HPF7d、可変ゲインアンプ7e、LPF7f、ADC7g、ミキサ7h、HPF7i、可変ゲインアンプ7j、LPF7kおよびADC7mは、複数個(n個)ずつが設けられている。
セレクタ5から信号処理部7に与えられる受信用の振動子チャネルの信号は、全て選択加算回路7aに入力される。選択加算回路7aは、これらの信号をn個の遅延グループに振り分け、当該グループ毎に信号を加算してn本のグループ加算信号を得る。
BPF7b、ミキサ7c、HPF7d、可変ゲインアンプ7e、LPF7f、ADC7g、ミキサ7h、HPF7i、可変ゲインアンプ7j、LPF7kおよびADC7mは、それぞれを1つずつ含んで1遅延グループに対応する処理系を形成している。BPF7b、ミキサ7c、HPF7d、可変ゲインアンプ7e、LPF7f、ADC7g、ミキサ7h、HPF7i、可変ゲインアンプ7j、LPF7kおよびADC7mは、n個ずつが設けられているので、これらによりn遅延グループのそれぞれに対応した処理系を形成している。n本のグループ加算信号は、n遅延グループのそれぞれに対応した処理系に入力されて、並列に処理される。
n遅延グループの処理系は、互いに同一の構成を持ち、同様な処理を行う。そこでここでは、1つの処理系についての構成のみについて説明する。
選択加算回路7aから出力されたグループ加算信号は、BPF7bに入力される。BPF7bは、グループ加算信号から受信信号として不要な周波数成分を除去する。BPF7bを通過したグループ加算信号は、ミキサ7c,7hのそれぞれに入力される。
ミキサ7cには、直交信号発生器7nから送信周波数と同じ周波数の信号をBPF7bを通過したグループ加算信号に合成する。HPF7dは、ミキサ7cの出力信号から、直流成分を除去する。グループ加算信号に混入している送信信号周波数成分はミキサ7cでの合成により直流成分となっているので、HPF7dにより送信信号周波数成分が除去される。
可変ゲインアンプ7eは、制御部11から遅延グループ毎に指定されるゲインでHPF7dの出力信号を増幅する。LPF7fは、アンチエリアシングのために可変ゲインアンプ7eの出力信号における低周波成分を抽出する。ADC7gは、LPF7fの出力信号をアナログ/デジタル変換する。
ミキサ7hには、ミキサ7cに与えられる信号とは位相が90度異なる信号が与えられる。ミキサ7hは、当該信号を直交信号発生器7nからをBPF7bを通過したグループ加算信号に合成する。HPF7iは、ミキサ7hの出力信号から、直流成分を除去する。グループ加算信号に混入している送信信号周波数成分はミキサ7hでの合成により直流成分となっているので、HPF7iにより送信信号周波数成分が除去される。
可変ゲインアンプ7jは、制御部11から遅延グループ毎に指定されるゲインでHPF7iの出力信号を増幅する。LPF7kは、アンチエリアシングのために可変ゲインアンプ7jの出力信号における低周波成分を抽出する。ADC7mは、LPF7kの出力信号をアナログ/デジタル変換する。
このようにして1遅延グループの処理系では、2本のデジタル信号が得られる。そしてn遅延グループの処理系で得られる総計2×n本のデジタル信号は、全てデジタル遅延加算器7pに入力される。デジタル遅延加算器7pは、各デジタル信号を、各遅延グループに応じたそれぞれ異なる遅延量でそれぞれ遅延させた上で加算して1本の遅延加算信号を得る。この遅延加算信号は、デジタル信号処理部8に入力される。なお遅延グループ毎の遅延量は、制御部11からデジタル遅延加算器7pに指定される。
図3は選択加算回路7aの構成例を示す回路図である。なお図3は、n=8である場合の構成例を示している。
選択加算回路7aは、プリアンプ71、抵抗素子72、クロスポイントスイッチ73、トランジスタ74および抵抗素子75を含む。プリアンプ71および抵抗素子72は、振動子チャネルと同数が備えられ、トランジスタ74および抵抗素子75は、遅延グループと同数が備えられる。
セレクタ5から信号処理部7に与えられる全振動子チャネルの信号は、同数のプリアンプ71にそれぞれ入力される。プリアンプ71は、入力された信号を増幅する。クロスポイントスイッチ73は、振動子チャネルと同数の入力端子を備えている。プリアンプ71のそれぞれから出力された信号は、同数の抵抗素子72をそれぞれ介して、クロスポイントスイッチ73が持つ同数の入力端子にそれぞれ入力される。クロスポイントスイッチ73は、遅延グループと同数の出力端子を備え、これらの出力端子と入力端子とを任意に接続できる。すなわちクロスポイントスイッチ73は、各入力端子より入力された信号を任意の出力端子へと出力できる。さらにクロスポイントスイッチ73は、複数の入力端子にそれぞれ入力された信号を1つの出力端子へと出力できる。またクロスポイントスイッチ73は、各入力端子より入力された信号をいずれの出力端子からも出力しないこともできる。
クロスポイントスイッチ73の各出力端子には、同数のトランジスタ74のエミッタにそれぞれ接続されている。トランジスタ74のそれぞれのベースは、いずれも接地されている。トランジスタ74のそれぞれのコレクタは、同数の抵抗素子75をそれぞれ介して電源線に接続されるとともに、同数のBPF7bが接続されている。
次に以上のように構成された超音波診断装置100の動作について説明する。なお、超音波診断装置100における特徴的な動作は、連続波モードにおける動作にあるので、ここではこの動作について説明する。
連続波モードにおいては、振動子チャネルの一部を送信用に、送信用とは異なる振動子チャネルの一部または全部を受信用にそれぞれ割り当てる。制御部11は、送信用の振動子チャネルに対する送信信号を連続波として発生するように送信信号発生器2を制御する。また制御部11は、信号処理部7を選択するようにセレクタ5を制御する。
制御部11による制御の下に送信信号発生器2で発生された送信信号は、送信用の振動子チャネルの振動子に供給され、これにより当該振動子から連続波の超音波信号が生体に送信される。そしてこの超音波信号の反射波が受信用の振動子チャネルの振動子によりそれぞれ受信される。受信用の振動子チャネルについての受信信号は、リミッタ3、プリアンプ4およびセレクタ5を介して信号処理部7に入力される。信号処理部7においては、生体内の注目する位置からの信号を感度良く捉えるための遅延加算が以下のようにして行われる。
一般に連続波モードでは、送信周波数の1/8波長の遅延分解能があれば良いとされており、各チャネルの受信信号に与える遅延は最低8種類の遅延時間のうちの1つとすれば良い。受信用の振動子チャネルは例えば100チャネルであるから、遅延時間の種類は受信用の振動子チャネルの数に比べて大幅に小さい数で良い。このため、複数チャネルの受信信号に同一時間の遅延を与えることになる。そこで制御部11は、同一時間の遅延を与えるべき複数チャネルの信号が同一の遅延グループに属するように、各チャネルの信号を振り分ける。8種類の遅延時間を用いる場合には、8つの遅延グループに受信用の各振動子チャネルの信号がそれぞれ振り分けられることになる。
制御部11は、同一の遅延グループに属する各信号が同一の出力端子から出力されるようにクロスポイントスイッチ73を制御する。図3には、1番目および2番目の入力端子Y0,Y1にそれぞれ入力された信号を1番目の出力端子X0から出力するようにクロスポイントスイッチ73が設定されている様子を模式的に示している。入力端子Y0,Y1にそれぞれ入力された信号は、入力端子Y0,Y1にそれぞれ接続された個別の信号線から出力端子X0に接続された信号線へといずれも出力される。このため、入力端子Y0,Y1にそれぞれ入力された信号は、出力端子X0に接続された信号線上にて加算され、この加算された信号が出力端子X0から出力される。
以上は他の出力端子に関しても同様であり、遅延グループ毎に信号の加算が行われる。
そして、クロスポイントスイッチ73の各出力端子には、トランジスタ74および抵抗素子75からなるベース接地トランジスタ回路がそれぞれ接続されており、このベース接地トランジスタ回路によってクロスポイントスイッチ73の各出力端子からの出力信号に応じたレベルを持つ加算信号が対応するBPF7bへと送られる。
このようにして選択加算回路7aでは、全振動子チャネルのうちで受信用に割り当てられた振動子チャネルについての信号を選択するとともにn個の遅延グループに振り分け、さらに当該グループ毎に信号を加算してn本のグループ加算信号が得られる。なお、ベース接地トランジスタ回路は、差動増幅器(OPAMP)の反転回路などのような他の加算回路により代替可能である。
入力端子Y0,Y1にそれぞれ入力された信号が、本来の信号成分S1,S2と、無相関なノイズ成分E0,E1とを含んでいるとする。そうすると、ノイズ成分は無相関なため、加算により2乗和の平方根、すなわち√(E02+E12)となる。信号成分S1,S2はもともと同じ遅延を与えるべき信号なので、相関が強く、加算結果はそのまま和、すなわちS1+S2になる。よって加算により、(S1+S2)/√(E02+E12)にS/Nが広がったことになる。より具体的には、信号成分S1,S2が互いに同じレベルであり、かつノイズ成分E0,E1が互いに同じノイズレベルであるとすると、加算により、ノイズ成分は√2倍にしかならないが、信号成分は2倍になる。
以上のようにして得られたn本のグループ加算信号は、各遅延グループの処理系にて処理される。すなわち、グループ加算信号は、BPF7bにより受信信号として不要な周波数成分がそれぞれ除去された後に、ミキサ7c,7hのそれぞれに入力される。ミキサ7c,7hでは、位相が互いに90度異なる信号がグループ加算信号にそれぞれ合成されることで、グループ加算信号は直交検波される。1つのグループ加算信号に対する2系統の信号は、HPF7d,7iによりそれぞれに送信信号周波数成分が除去され、可変ゲインアンプ7e,7jにより増幅され、LPF7f,7kにより低周波成分が抽出されたのちに、ADC7g,7mによってアナログ/デジタル変換される。そして、このようにしてn遅延グループの処理系で得られる総計2×n本のデジタル信号は、デジタル遅延加算器7pにて各遅延グループに応じたそれぞれ異なる遅延量でそれぞれ遅延された上で加算されて1本の遅延加算信号が得られる。
ここで、選択加算回路7aに後続するADCを含んだ全てのアナログ回路におけるノイズをEnextとすると、これは回路を構成する部品によって決まるものであるので、どのグループ加算信号に対しても同じように付加される。すなわち、図3に示す状態における出力端子X0に関しては、Enextを含めたノイズは√(E02+E12+Enext2)になるが、√(E02+E12+Enext2)/√(E02+E12)だけNFが劣化したことになる。信号成分は後段の回路を接続しても増えないので、NFが劣化することは、S/Nが劣化するのに等しい。図3に示す状態における出力端子X2に関しては、その出力信号は1チャネルの信号のみなので、そのノイズ成分をEmとするとNFは√(Em2+Enext2)/√(En2)になる。E0,E1,Enが同じような大きさであるとすると、2チャネルの信号を加算した加算信号と、1チャネルの信号のみからなる加算信号とでは、後者の方が後段の回路によるNF劣化は大きい。すなわち、加算信号数が少ないほど、後段のノイズによるNF劣化が大きくなる。そして各遅延グループは遅延量が同じなる信号同士をまとめているので、必ずしも同数の信号ずつ割り振られない。そこで、制御部11は、加算信号数の応じて、後段のノイズによるNF劣化が問題にならないよう可変ゲインアンプ7e,7jのゲインを処理系毎に個別に設定する。NFが劣化していなければ、デジタル遅延加算器7pにおいて、可変ゲインアンプ7e,7jにて与えたゲインの差を相殺するゲイン(例えば可変ゲインアンプ7e,7jにて与えたゲインの逆数に相当するゲイン)を掛けた上で遅延加算することで、S/N劣化をより小さくすることができる。
以上のように本実施形態の超音波診断装置100によれば、受信用の振動子チャネルの信号のそれぞれを複数のグループに振り分けて、同一の遅延を与えるべき信号同士をまず加算してから、これにより得られる複数のグループ加算信号にそれぞれ遅延を与えて合成する。従って、遅延を与える信号数は受信用の振動子の数よりも少なく、受信用の振動子チャネルの信号のそれぞれに個別に遅延を与える場合に比べて、信号に遅延を与えるための処理が大幅に簡易になる。本実施形態においては、グループ加算信号の遅延をデジタル遅延加算器7pにデジタル処理により行っているが、デジタル遅延加算器7pにおける信号遅延のための処理負担は小さい。
また超音波診断装置100によれば、グループ加算信号をA/D変換しているから、受信用の振動子チャネルの信号のそれぞれを個別にA/D変換する場合に比べてADC7g,7mの数は少なくて良い。
なお、前記の実施形態における可変ゲインアンプ7e,7jの配置は、ADC7g,7mのNF劣化が支配的な場合であり、回路構成によっては、その限りではない。例えば、ミキサ7c,7hでのNF劣化が大きければ、その前段に可変ゲインアンプ7e,7jを入れても良い。また、ベース接地トランジスタ回路でのNF劣化が問題となる場合は、ベース接地トランジスタ回路への入力前の各信号にゲインを与えても良い。
このほか、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
本発明の一実施形態に係る超音波診断装置100の構成を示すブロック図。 図1中の信号処理部7の詳細な構成を示すブロック図。 図2中の選択加算回路7aの構成例を示す回路図。 振動子列による超音波の送受信の様子を示す図。
符号の説明
1…振動子列、1a…振動子、2…送信信号発生器、3…リミッタ、4…プリアンプ、5…セレクタ、6,7…信号処理部、7p…デジタル遅延加算器、7a…選択加算回路、7b…バンドパスフィルタ(BPF)、7c,7h…ミキサ、7e,7j…可変ゲインアンプ、7…信号処理部、7d,7i…ハイパスフィルタ(HPF)、7e,7j…可変ゲインアンプ、7f,7k…ローパスフィルタ(LPF)、7g,7m…ADC、7n…直交信号発生器、8…デジタル信号処理部、9…スキャンコンバータ、10…表示部、11…制御部、71…プリアンプ、72,75…抵抗素子、73…クロスポイントスイッチ、74…トランジスタ、100…超音波診断装置。

Claims (1)

  1. 被検体に対して連続波の超音波信号を送信した際に前記被検体で生じる反射超音波信号をそれぞれ電気的な受信信号に変換する複数の振動子と、
    前記複数の受信信号をそれぞれ同じ遅延量を与える受信信号毎に複数のグループに振り分け、前記グループ毎に前記受信信号を加算して前記グループ毎のグループ加算信号を得る手段と、
    前記グループ加算信号のそれぞれを、各グループに振り分けられた前記受信信号の数が少ないほど大きな増幅率で増幅する第1の増幅手段と、
    前記第1の増幅手段によりそれぞれ増幅された前記グループ加算信号のそれぞれに対して所定の信号処理を施す手段と、
    前記信号処理が施された後の前記複数のグループ加算信号をそれぞれデジタル化するデジタル化手段と、
    前記デジタル化手段によりデジタル化された前記グループ加算信号のそれぞれを、前記第1の増幅手段での前記グループ毎の増幅率の差を相殺する増幅率でデジタル増幅する第2の増幅手段と、
    前記第2の増幅手段によりそれぞれ増幅された前記グループ加算信号を各グループに応じたそれぞれ異なる遅延量で遅延させた上で加算して1本の遅延加算信号を得る遅延加算手段とを具備したことを特徴とする超音波診断装置。
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