JP5016160B2 - Hydroxyapatite for calcium reinforcement and method for producing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、牛乳等の食品、医薬のカルシウム強化用あるいは懸濁重合安定化剤等に用いられるヒドロキシアパタイトで、高濃度であっても安定に分散できる分散安定性に優れたヒドロキシアパタイト粉末、及びこれを用いて調製される高濃度のヒドロキシアパタイトスラリー、及びこれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、カルシウム摂取の必要性が指摘され、このため、カルシウム含有量を増やした牛乳等のカルシウム強化食品の開発が進められている。カルシウム含有量を増やす為には、対象となる食品中に、大量のカルシウム化合物を安定に分散させる必要がある。
【0003】
また、スラリーの状態で輸送するような製品については、スラリー中のカルシウム濃度を高めることができるほど、輸送するスラリー体積を少なくすることができるので好ましい。
【0004】
一方、リン酸とカルシウムとを直接反応させても反応液の粘度が高くなりすぎて20質量%を超えるヒドロキシアパタイトスラリーを製造することはできない。このような事情から、大量のカルシウム塩を安定に分散させる方法、安定に分散させたスラリー等が種々提案されている。
【0005】
例えば、特開平6−127909号には、リン酸カルシウムの水懸濁液にHLB10以上の親水性乳化剤を添加する方法が開示されている。また、特開平8−205820号に、一次粒子及び二次粒子の平均粒子径を規定した炭酸カルシウム粒子5〜20質量%と、乳化剤と水に分散させた炭酸カルシウムエマルジョンが開示されている。さらに、特開平11−178554号に、有機酸モノグリセリドを添加したショ糖脂肪酸エステルを乳化剤として用いて粒子径0.04ミクロン未満の炭酸カルシウムを含むスラリーが提案されている。
【0006】
しかし、特開平6−127909号に開示の実施例では、ヒドロキシアパタイト100質量部をスラリー化するために乳化剤15〜25質量部という大量の乳化剤を使用しており、このように大量の乳化剤を使用しても22質量%のスラリーしか製造できていない。つまり、乳化剤の作用によるスラリーの高濃度化は20%程度が限界であると考えられる。また、乳化剤を併用する方法では乳化剤が食品の味に影響を及ぼす場合があるので、大量の乳化剤を用いることなく、できれば乳化剤を用いることなく、分散安定化できる方法が望まれる。
【0007】
乳化剤を用いないで、高濃度のカルシウム塩スラリーを調製することができるカルシウム補強剤として、特開平9−289877号に、ヒドロキシアパタイトをクエン酸緩衝液又は蛋白質またはペプチドで表面処理したカルシウム補強剤が開示されている。しかし、このカルシウム補強剤を用いてヒドロキシアパタイトの沈降を防止しているが、ヒドロキシアパタイトスラリー濃度は最大で4%であった。
【0008】
また、特開平11−292524号に、乳化剤を使用しないで分散安定化できるカルシウムスラリーとして、カルシウム成分を含むスラリーに、全通せん断処理を施しながらリン酸成分を加えて、非晶質リン酸カルシウム粒子を生成させ、最終的にpHを6〜8に調整する非晶質リン酸カルシウムスラリーが開示されている。せん断処理を施しながら調製したカルシウムスラリーは、ヒドロキシアパタイト粒子の平均粒径が0.1〜4μmとなり、沈降しにくくなるが、そのスラリー濃度は6%にすぎず、高濃度スラリーが得られるとは言いがたい。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、乳化剤を含有しなくても、分散媒中に高濃度でしかも安定に分散できるヒドロキシアパタイト粉末(カルシウム強化用ヒドロキシアパタイト)、及び高濃度のヒドロキシアパタイトスラリー、及びこれらの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトは、ヒドロキシアパタイト粒子と、該ヒドロキシアパタイト粒子表面に付着したアルカリ土類金属塩とを含む。
【0011】
前記アルカリ土類金属塩は、塩化マグネシウム、塩化カルシウム及び乳酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0012】
本発明のヒドロキシアパタイトスラリーは、乳化剤を含有しないヒドロキシアパタイトスラリーであって、ヒドロキシアパタイト濃度が20質量%超である。表面にアルカリ土類金属塩が付着したヒドロキシアパタイト粒子を含むことが好ましい。
【0013】
本発明のスラリーの製造方法は、アルカリ土類金属塩の水溶液に、ヒドロキシアパタイト粉末を添加する工程を含む。本発明のヒドロキシアパタイトスラリーは、上記本発明のカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトを分散媒に分散させることによっても調製できる。
【0014】
本発明のカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトの第1の製造方法は、アルカリ土類金属塩の水溶液に、ヒドロキシアパタイト粉末を添加して、高濃度ヒドロキシアパタイトスラリーを調製する工程;及び該高濃度ヒドロキシアパタイトスラリーを脱水乾燥して、粉末化する工程を含む。
【0015】
本発明のカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトの第2の製造方法は、20質量%未満のヒドロキシアパタイトスラリーに、アルカリ土類金属塩を添加して、アルカリ土類金属塩含有スラリーを調製する工程;及び該アルカリ土類金属塩含有スラリーを脱水乾燥して粉末化する工程を含む。
【0016】
本発明のカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトの第3の製造方法は、20質量%未満のヒドロキシアパタイトスラリーに、アルカリ土類金属含有酸化カルシウム複合塩、リン酸、及び酸を添加して、ヒドロキシアパタイト第2スラリーを調製する工程;及び前記第2スラリーを、脱水乾燥して粉末化する工程を含む。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトは、ヒドロキシアパタイト粒子(以下「核用ヒドロキシアパタイト粒子」と称して、カルシウム強化用ヒドロキシアパタイト粉末と区別する)表面に、アルカリ土類金属塩が付着したものである。
【0018】
核用ヒドロキシアパタイト粒子は、Ca10(PO4)6(OH)2で表わされる化合物の粒子で、市販のもの(例えば食品添加物として従来より使用されているリン酸三カルシウム)を使用してもよいし、リン酸と酸化カルシウム又は水酸化カルシウムから合成してもよい。
【0019】
核用ヒドロキシアパタイト粒子としては、平均粒径0.1〜7.5μmのものが好ましく用いられる。0.1μm未満では粒子の表面積が大きくなり、20質量%超のスラリーを得ることができないからである。7.5μm超では粒子の沈降が速くなり、安定な分散状態が得られないからである。
【0020】
アルカリ土類金属の塩は、アルカリ土類金属と有機酸又は無機酸とから合成される塩をいう。
【0021】
アルカリ土類金属としては、Be、Mg、Ca、Sr、Baなどが挙げられ、これらのうち、Mg及びCaが好ましく用いられる。塩を形成する酸としては、塩酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸;酢酸、グルコン酸、安息香酸、乳酸等の有機酸が挙げられる。
【0022】
これらのアルカリ土類金属と無機酸を適宜組み合せた塩、具体的には、BeCl2、Be(NO3)2、BeBr2、Be(CH3COO)2、Be(C6H11O7)2、Be(C6H5COO)2、Be(C3H5O3)2等のBe塩;CaCl2、Ca(NO3)2、CaBr2、Ca(CH3COO)2、Ca(C6H11O7)2、Ca(C6H5COO)2、Ca(C3H5O3)2等のCa塩;MgCl2、Mg(NO3)2、MgBr2、Mg(CH3COO)2、Mg(C6H11O7)2、Mg(C6H5COO)2、Mg(C3H5O3)2等のMg塩;SrCl2、Sr(NO3)2、SrBr2、Sr(CH3COO)2、Sr(C6H11O7)2、Sr(C6H5COO)2、Sr(C3H5O3)2等のSr塩等が挙げられる。カルシウム強化用ヒドロキシアパタイトを食品用に用いる場合には、食品の味を損なうことなく、また食品用添加物として認められているMgCl2、CaCl2、Ca(C3H5O3)2を用いることが好ましい。
【0023】
このようなアルカリ土類金属塩が、核用ヒドロキシアパタイト粒子の表面に付着している。付着の形態としては、核用ヒドロキシアパタイト粒子の表面の一部にアルカリ土類金属塩が単に付着しているだけでもよいし、アルカリ土類金属塩が被覆層となって核用ヒドロキシアパタイト粒子表面全体を被覆していてもよいし、核用ヒドロキシアパタイト粒子の表面にアルカリ土類金属塩を含有するヒドロキシアパタイト層(アルカリ土類金属塩リッチヒドロキシアパタイト層)が形成されていてもよい。
【0024】
本発明のカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトにおいて付着しているアルカリ土類金属塩の量は、カルシウム強化用ヒドロキシアパタイトの表層におけるアルカリ土類金属塩の付着量(質量比率)で0.02質量%以上となる量が必要であり、好ましくは0.1質量%以上となる量で、10質量%以下の量が好ましい。0.02質量%未満の量では20質量%以上のスラリーで且つ1000cp以下の安定なスラリーを得ることはできないからである。アルカリ土類金属塩の付着量が多いほど、スラリーの粘度低下効果が大きくなり、表層におけるアルカリ土類金属塩の付着量が0.1質量%以上の場合には、40質量%以上の安定なスラリーを得ることができる。一方、付着量が10.0質量%超になると、スラリー粘度の低下に対する効果が飽和して、それ以上の量を付着させても顕著な粘度低下が認められない。尚、ここで表層というのは、カルシウム強化用ヒドロキシアパタイト表面を溶解させて、元の質量に対して20質量%程度溶解させた部分をいう。
【0025】
このようなカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトの製造方法は特に限定しないが、以下のような方法により製造することが好ましい。
【0026】
第1の方法は、アルカリ土類金属塩の水溶液を調製し、これに、ヒドロキシアパタイトの粉末を徐々に添加することにより、高濃度のヒドロキシアパタイトスラリーを調製し、次にこの高濃度ヒドロキシアパタイトスラリーを脱水乾燥して粉末化する方法である。
【0027】
上記アルカリ土類金属塩水溶液としては、0.01〜10.0質量%のものを使用することが好ましい。0.01質量%未満では1000cp以下の安定なスラリーを得ることができず、10.0質量%超ではスラリーの粘度低下に対する効果が認められないからである。
【0028】
添加するヒドロキシアパタイト粉末は、核用ヒドロキシアパタイト粒子となるものであるから、上述のように平均粒径0.1〜7.5μmのヒドロキシアパタイト粉末を使用することが好ましい。
【0029】
核用ヒドロキシアパタイト粒子とアルカリ土類金属塩が均一に混合されるように、ヒドロキシアパタイト粉末を添加しながら攪拌又はディスパーミル等の一般的な乳化機を用いて分散させることが好ましい。
【0030】
脱水乾燥方法としては、調製した高濃度スラリーを直接スプレードライヤー等で脱水乾燥してもよいし、まず高濃度スラリーを濾過して、固形物だけを採取し、この固形物を乾燥してもよい。乾燥は、室温に放置しておくだけでもよいし、150〜500℃の熱風を当てることによって行ってもよい。
【0031】
第2の方法は、20質量%未満のヒドロキシアパタイトスラリーに、アルカリ土類金属塩を添加してアルカリ土類金属塩含有スラリーを調製し、このアルカリ土類金属塩含有スラリーを脱水乾燥する方法である。
【0032】
第2の方法で使用する20質量%未満のヒドロキシアパタイトスラリーは、核用ヒドロキシアパタイト粒子を含むスラリーで、市販のヒドロキシアパタイトを分散媒たる水に分散させたものであってもよいし、カルシウム塩の水溶液に、リン酸を滴下して、直接ヒドロキシアパタイトスラリーを合成してもよい。
【0033】
核用ヒドロキシアパタイトを製造するための原料として使用するカルシウム塩としては、酸化カルシウム又は生石灰、水酸化カルシウム又は消石灰、塩化カルシウム、硝酸カルシウムなどを用いることができる。生石灰等の天然物を用いる場合、原料に由来して、生成されるヒドロキシアパタイトにアルカリ土類金属塩が含まれ得るが、この場合のアルカリ土類金属塩は結晶格子内に取り込まれたもので、分散安定化に寄与しないので、本発明のカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトの核用ヒドロキシアパタイト粒子表面に付着しているアルカリ土類金属塩とは異なる。よって、純度の点からは、不純物となる他の金属の含有が少ない原料(酸化カルシウム、水酸化カルシウム)から合成されるヒドロキシアパタイトを用いることが好ましい。
【0034】
前記カルシウム塩の水溶液としては、1〜5%程度のカルシウム塩水溶液を用いることが好ましい。リン酸としては、10〜40%のリン酸水溶液を使用することが好ましく、アルカリ土類金属塩の含有率が0.1〜10.0質量%となる割合の量が好ましい。
【0035】
アルカリ土類金属塩含有スラリーを脱水乾燥する方法は、第1の方法で用いたような方法を採用できる。
【0036】
第3の方法は、20質量%未満のヒドロキシアパタイトスラリーに、アルカリ土類金属含有カルシウム複合塩、リン酸及び酸を添加して、ヒドロキシアパタイト第2スラリーを調製し、該第2スラリーを脱水乾燥して粉末化する方法である。この方法によれば、ヒドロキシアパタイト粒子表面を、アルカリ土類金属塩リッチのリン酸カルシウム層を被覆してなるカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトが得られる。
【0037】
20質量%未満のヒドロキシアパタイトスラリー(第2スラリーと区別するために「第1スラリー」ということがある)は、核用ヒドロキシアパタイト粒子を含むスラリーで、第2の方法と同様の20質量%未満のヒドロキシアパタイトスラリーを使用できる。
【0038】
アルカリ土類金属含有カルシウム複合塩としては、生石灰、消石灰、軽焼ドロマイト、ドロマイトクリンカー、消化ドロマイト、ドロマイトブラスター、苦土タンカル等の天然鉱物が挙げられる。このような天然鉱物は、石灰石の場合には、酸化カルシウムとしての含有率が56〜39質量%であり、酸化マグネシウムとしての含有率が0.2〜8質量%である。ドロマイトの場合には、酸化マグネシウムとしての含有率が10〜22質量%であり、酸化カルシウムとしての含有率が27〜37質量%である。これらのうち、マグネシウム含有カルシウム複合塩であるドロマイトが好ましく用いられる。
【0039】
リン酸は、前記アルカリ土類金属含有カルシウム複合塩と反応してヒドロキシアパタイトを合成するために添加され、10〜40%のリン酸が用いられる。このようなリン酸は、アルカリ土類金属含有カルシウム複合塩と適宜反応する量を用いればよい。
【0040】
上記酸は、アルカリ土類金属含有カルシウム複合塩に含まれるアルカリ土類金属(好ましくはカルシウムまたはマグネシウム)と反応して塩を合成するもので、リン酸以外の無機酸、有機酸を使用することができる。具体的には、塩酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸;酢酸、グルコン酸、安息香酸、乳酸等の有機酸が挙げられる。
【0041】
アルカリ土類金属含有カルシウム複合塩、リン酸、及び酸が反応して、アルカリ土類金属塩及び酸に起因する陰イオンを高含有率で含むリン酸カルシウムが、第1スラリーに含まれるヒドロキシアパタイト粒子(核用ヒドロキシアパタイト粒子)表面に付着、形成される。従って、第2スラリーには、核用ヒドロキシアパタイト粒子表面にアルカリ土類金属リッチヒドロキシアパタイト層が形成されたヒドロキシアパタイトを含んでいるので、この第2スラリーを脱水乾燥すると、核用ヒドロキシアパタイト粒子表面にアルカリ土類金属リッチヒドロキシアパタイト層が形成されたヒドロキシアパタイト粉末が得られる。
【0042】
本発明のヒドロキシアパタイトスラリーは、ヒドロキシアパタイト濃度が20質量%超の高濃度のスラリーである。
【0043】
本発明にいうスラリーとは、一般に商品として市場に流通し得るもので、分散安定化した懸濁液をさす。分散媒としては、水が好ましく用いられる。
【0044】
従来、乳化剤等を使用しても、市場に流通できるような分散安定性を確保するためには、20質量%以下が限界であった。例えば食品用途では太陽化学株式会社のリン酸カルシウム製剤「サンアクティブCa−40P」、太平化学産業株式会社の懸濁重合用安定剤「TCP10」は、いずれも乳化剤を含有していないヒドロキシアパタイトスラリーで、市販されているものであるが、いずれもヒドロキシアパタイト濃度は10質量%である。従って、本発明の20質量%超、特に40質量%という高濃度のヒドロキシアパタイトスラリーは画期的である。
【0045】
尚、同一物質を用いて水懸濁液を作成する場合、粒径の小さい粒子を用いるほど、高粘度となることが知られている。従って、比較的大径のヒドロキシアパタイトを用いて、粘度を低下させることにより高濃度のスラリーを調製することが考えられるが、粒径が大きくなりすぎる(最大でも10μm)と容易に分離して単なる混合液となり、スラリーとならない。
【0046】
このような高濃度のスラリーは、ヒドロキシアパタイト粉末とアルカリ土類金属塩の共存により達成される。具体的には、本発明のカルシウム強化用ヒドロキシアパタイト粉末を分散媒たる水に所定濃度になるように分散させることにより得られる。あるいは、本発明のカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトを合成する上記第1の方法で調製した高濃度ヒドロキシアパタイトスラリーであってもよい。
【0047】
いずれの場合も、ヒドロキシアパタイト表面に存在するアルカリ土類金属塩に基づいて、該金属塩が分散媒(水)中に溶解して存在する陽イオン、陰イオンと、ヒドロキシアパタイト表面に存在している陽イオン、陰イオンとの間でイオン交換が起こり、これにより、ヒドロキシアパタイト粉末の分散媒中での安定性が向上してスラリー粘度を下げていると考えられるからである。
【0048】
この点、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムとリン酸とからヒドロキシアパタイトを合成する場合、原料となるカルシウム塩に応じて、5〜4000ppm程度のアルカリ土類金属が含まれ得るが、ヒドロキシアパタイトの結晶内に取り込まれたアルカリ土類金属は、ヒドロキシアパタイトの安定化に寄与せず、高濃度スラリーを得ることはできない。
【0049】
【実施例】
〔測定・評価方法〕
▲1▼スラリー粘度
スラリー500gを500mlのガラスビーカーに計り取り、B型粘度計(株式会社東京計器製B8H)を用いて、以下の条件で粘度を測定した。
測定条件
粘度が400cp以下の場合はNo.1ロータを用いて20rpmで測定
粘度が400cp以上の場合は、No.2ロータを用いて20rpmで測定
測定温度23±2℃
【0050】
▲2▼ヒドロキシアパタイトの粒径の測定
島津遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3L)を用いて、測定用の懸濁液の粒度分布を測定した。
【0051】
測定用懸濁液は、0.1%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を分散溶媒として、回転羽根攪拌機で5分間分散することにより、調製した。
【0052】
▲3▼ヒドロキシアパタイトの確認
マックサイエンス社製のMXP18を用いて、銅管球、管球電流100mA、グラフィックモノクロメータ(X線波長0.154050nm)、スリットシステム1−0.3−1、ゴニオスキャンスピード4.min―1の条件で、粉末をX線分析した。
【0053】
えられたX線回折パターンを、JCPDSカードNo.9−432と比較して、ヒドロキシアパタイトのX線回折パターンを有しているか否かで判断した。
【0054】
▲4▼ヒドロキシアパタイトの表層分析
20質量%のヒドロキシアパタイトスラリーを180rpmで攪拌しながら、該スラリーに含まれるヒドロキシアパタイト粉末の半分量(例えば20%スラリーが2000gの場合にはヒドロキシアパタイト粉末含有量が400gであるから、200g)の5N塩酸を1時間30分かけて滴下することにより、ヒドロキシアパタイト粒子表面を溶解させた(溶解量は、元のヒドロキシアパタイト粉末の約20質量%である)。
【0055】
滴下が終わった後、さらに30分間攪拌した後、残液を5Cの濾紙(ADVANTEC製直径285mm)を用いて、吸引濾過(ポンプHITATI製W−71−1305)した。濾液について、以下の方法で、各元素の含有率を分析した。
【0056】
Caは、エチレンジアミン4酢酸塩によるキレート滴定法により定量した。
【0057】
Mg、Ba、Sr、Brは、島津製作所製のシーケンシャル形高周波プラズマ発光分析装置ICPS−750を用いて、発光分析により定量した。
【0058】
硝酸イオンは、ナフチルエチレンジアミンを発色液として用いた吸光光度法で定量した。
【0059】
Clは、AgClの白濁による比色法を用いて定量した。尚、塩素イオンを分析する場合には、表層を溶解する酸として、硝酸を使用した。
【0060】
酢酸、酪酸、グルコン酸、安息香酸、乳酸は、東ソー株式会社製の8020シリーズを用いて、高速液体クロマトグラフィーにより定量した。
【0061】
〔粒度とスラリー濃度との関係〕
10リットルのステンレスビーカー中のイオン交換水6000gをトルネード用攪拌羽根(SUS316製、翼径120mm)を備えた攪拌機(SIBATA製PROMIX PV‐300)を用いて150rpmで攪拌しながら、宇部マテリアルズ株式会社製生石灰555gを5分間で加え、更に30分間攪拌し続けて、水酸化カルシウム水溶液を調製した。
【0062】
この水酸化カルシウム水溶液に、東ソー会社製75%リン酸をイオン交換水で希釈した10質量%または20質量%のリン酸水溶液を、pH9になるまで、チューブポンプを用いて毎分10ml又は40mlで滴下した後、2時間熟成した。
【0063】
熟成後、濾過し、表1に示す含水量を有する固形分に、再び水を加えて、攪拌機にて予備混合し、10%又は20%の懸濁液を作成した。さらに。ディスパーミル(細川鉄工所製D−1)を用いて2分間攪拌して、スラリーを得た。
【0064】
得られたスラリーについて、ヒドロキシアパタイト粒子の粒度及びスラリーの粘度を測定した。結果を表1に示す。表1中、粘度の欄の「×」は、測定不能であったことを示す。
【0065】
【表1】
【0066】
表1より、濃度が同じ場合には、粒径が大きい方が粘度が下がることがわかる。しかしながら、粒径7.7μmでは大きくなりすぎるため、すぐにヒドロキシアパタイト粒子が沈降分離してスラリー化できなかった。
【0067】
〔第1の製造方法による高濃度ヒドロキシアパタイトスラリーの調製〕
実施例1〜15;
3リットルのステンレス製ビーカーに、表2に示す量のイオン交換水を入れ、これに、トルネード用攪拌羽根(SUS316ステンレス製翼径80mm)を備えた攪拌機(SIBATA製PROMIX PV−300)を用いて150rpmで攪拌しながら、表2に示す和光純薬株式会社製のアルカリ土類金属塩を添加して十分に溶解させた。このアルカリ土類金属塩水溶液に、ヒドロキシアパタイト粉末を表2に示す量だけ添加し、分散するまで予備混合した。予備混合した液を、ディスパーミル(細川鉄工所製D−1)により2分間攪拌してスラリーを得た。
【0068】
このスラリーの粘度を測定し、その結果を表2に示す。また、調製したスラリーのうち5gは、乾燥した後、上記表層分析方法に基づいて、ヒドロキシアパタイト粒子表面のアルカリ土類金属(M)及び陰イオン(A)の濃度を測定し、その結果を表2に示す。
【0069】
比較例1〜3;
アルカリ土類金属塩を添加しない以外は実施例と同様にして、アルカリ土類金属塩を含まないヒドロキシアパタイトスラリーを調製し、そのスラリーの粘度、及び乾燥して得たヒドロキシアパタイト粉末の表面を上記表層分析方法に基づいて分析した。結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
表2からわかるように、アルカリ土類金属塩を含有するスラリーは、含有しない同濃度のスラリーと比べて低粘度であった。そして、アルカリ土類金属塩を含有しない場合には、20質量%超のスラリーを調製することが実質的に困難であった(比較例2参照)のに対し、アルカリ土類金属塩を含有する場合には、50質量%まで安定なスラリーを調製することができた(実施例4参照)。
【0072】
また、アルカリ土類金属塩含有のスラリーを乾燥して得たヒドロキシアパタイト粉末の表層からは、いずれも添加した化合物に相当するアルカリ土類金属塩の存在及び陰イオンの存在が確認できた。
【0073】
〔第2の方法で得られたカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトを用いたスラリーの調製〕
実施例21〜29;
10リットルのステンレスビーカー中にイオン交換水6000gを入れ、トルネード用攪拌羽根(SUS316翼径120mm)を備えた攪拌機(SIBATA製PROMIX PV−300)で、150rpmで攪拌しながら、CaOとして、宇部マテリアルズ製CSQ高純度酸化カルシウム(CaO99.4%、Mg含有量5ppm)又は宇部マテリアルズ社製の生石灰(CaO:97.2%、MgO:0.6%)555gを5分間かけて加えた後、更に30分間攪拌して、水酸化カルシウム水溶液を調製した。
【0074】
この水酸化カルシウム水溶液に、東ソー株式会社製の75%リン酸をイオン交換水で20%に希釈したリン酸水溶液を、チューブポンプを用いて、pH9になるまで毎分40mlで滴下した後、1時間熟成して、ヒドロキシアパタイトスラリーを調製した(ヒドロキシアパタイト濃度10質量%)。
【0075】
このヒドロキシアパタイトスラリーの攪拌を200rpmに上げた状態で、和光純薬株式会社の塩化マグネシウム6水和物の10%水溶液を、チューブポンプを用いて、毎分3mlで表3に示す量だけ滴下した後、2時間熟成した(アルカリ土類金属塩含有ヒドロキシアパタイトスラリー)。
【0076】
得られたアルカリ土類金属塩含有ヒドロキシアパタイトスラリーを濾過し、固形分を150℃で3時間乾燥して、カルシウム強化用ヒドロキシアパタイト粉末を得た。得られた粉末について、上記化学分析の方法に基づいてCa、Pの分析をしたところ、Ca/P=1.66〜1.69であり、またX線回折パターンを調べたところ、ヒドロキシアパタイトに特有の回折パターンを示した。従って、固形分はヒドロキシアパタイトであったことを確認できた。
【0077】
合成したカルシウム強化用ヒドロキシアパタイト粉末の一部を採り、上記表層分析方法に基づいて。表面のアルカリ土類金属塩及び陰イオン濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0078】
イオン交換水に合成したカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトを添加し、ディスパーミル(細川鉄工所製D−1)で2分間攪拌して、20質量%及び40質量%のスラリーを調製した。調製した各スラリーについて粘度を測定し、その結果を表3に示す。
【0079】
比較例11,12;
上記方法においてアルカリ土類金属塩を添加せずに調製したヒドロキシアパタイト粉末(比較例11,12)を製造し、当該ヒドロキシアパタイト粉末濃度が20質量%及び40質量%となる量だけイオン交換水に添加して、上記と同様に攪拌して、スラリーを調製した。20質量%については、スラリーを得ることができたが、40質量%の場合には、攪拌すると流動性がなくなり、スラリーを得ることができなかった。20質量%のスラリーについて、粘度を測定した。
【0080】
【表3】
【0081】
20質量%スラリーについては、本発明のカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトを用いて調製した実施例のスラリーの方が、低粘度であった。また、本発明のカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトを用いた場合には、安定した40質量%の高濃度スラリーを得ることができたが、アルカリ土類金属塩を含有しないヒドロキシアパタイト粉末を用いた場合(比較例)には調製することができなかった。さらに、比較例12からわかるように、アルカリ土類金属を比較的多く含有する原料(生石灰)を用いてヒドロキシアパタイト粉末を調製しても、表面にアルカリ土類金属塩として存在しているわけではないため、スラリー粘度の低下効果が認められず、40質量%という高濃度スラリーを調製することはできなかった。また、アルカリ土類金属塩が表層に付着しているヒドロキシアパタイト粉末を用いる場合であっても、表層部に付着しているアルカリ土類金属塩の量が少なすぎると、粘度安定化効果が充分ではない。よって、40質量%スラリーを得るためには、表層部のMg含有率が0.1質量%以上となる程度の量が付着していることが必要である(実施例21及び実施例22参照)。
【0082】
尚、いずれの実施例についても、製造されたカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトの表面から、使用したアルカリ土類金属塩に該当する金属イオン、陰イオンが検出された。よって、表面に付着しているアルカリ土類金属塩が安定化、粘度の低下に寄与していると考えられる。
【0083】
〔第3の製造方法により得られたカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトを用いたスラリー〕
実施例31〜35;
10リットルのステンレスビーカーにイオン交換水6000gを入れ、トルネード用攪拌羽根(SUS316翼径120mm)を備えた攪拌機(SIBATA製PROMIX PV−300)を用いて150rpmで攪拌しながら、宇部マテリアルズ製CSQ高純度酸化カルシウム(CaO:99.4%、Mg含有量5ppm)又は宇部マテリアルズ社製生石灰(CaO:97.2%、MgO:0.6%)555gを5分間かけて加え、更に30分間攪拌し続けて、水酸化カルシウム水溶液を調製した。
【0084】
この水酸化カルシウム水溶液に、東ソー株式会社製75質量%リン酸をイオン交換水で20質量%に希釈したリン酸水溶液を、pH10になるまで、チューブポンプを用いて、毎分40mlで滴下した後、1時間熟成してヒドロキシアパタイトスラリー(第1スラリー該当)を調製した。
【0085】
この第1スラリーの攪拌を200rpmに上げた状態で、和光純薬株式会社の塩酸を希釈して調製した10%塩酸水溶液20mlを加え、続いて清水工業株式会社製ドロマイト(CaO:34.2%、MgO:11.1%)を加え、リン酸水溶液でpHを9に調整した後、2時間熟成した(第2スラリーの調製)。
【0086】
第2スラリーを濾過し、得られた固形分を150℃で3時間乾燥して、カルシウム強化用ヒドロキシアパタイト粉末を得た。
【0087】
えられたカルシウム強化用ヒドロキシアパタイト粉末について、上記表層分析方法に基づいて、表面のアルカリ土類金属塩の含有率を調べた。
【0088】
このカルシウム強化用ヒドロキシアパタイト粉末を水と混合し、ディスパーミル(細川鉄工所製D−1)を用いて2分間攪拌して、20質量%スラリー、40質量%スラリーを調製した。このスラリーについて、粘度を測定した結果を表4に示す。
【0089】
比較例21、22;
ドロマイト及び酸を添加しなかった以外は同様にして、ヒドロキシアパタイト粉末を製造し、これを用いてヒドロキシアパタイトスラリーを調製した。スラリーの粘度を測定した結果を表4に示す。
【0090】
比較例23;
酸を添加しなかった以外は、実施例と同様にしてヒドロキシアパタイト粉末を製造し、これを用いてヒドロキシアパタイトスラリーを調製した。スラリーの粘度を測定した結果を表4に示す。
【0091】
【表4】
【0092】
第3の方法で調製したカルシウム強化用ヒドロキシアパタイト粉末の表層からは、ドロマイトの添加量に比例した量のマグネシウムを検出できた。また、実施例からは、いずれも塩素イオンを検出できた。
【0093】
表4から、アルカリ土類金属塩含有カルシウム塩を用いて調製した20質量%スラリーは、当該カルシウム塩を使用しなかった20質量%スラリーと比べて低粘度であった。特に、アルカリ土類金属含有カルシウムの使用量が多いほど、粘度を低下することができたことがわかる。
【0094】
さらに比較例23から、アルカリ土類金属含有カルシウムを用いた場合であっても、酸を添加しない場合には、スラリー粘度の低減効果がなく、ヒドロキシアパタイトの分散安定化のためには、アルカリ土類金属と酸の塩がヒドロキシアパタイト表面に付着する必要があることがわかる。
【0095】
また、アルカリ土類金属塩含有カルシウムを用いた場合には、安定した40質量%のスラリーを調製することができたが、用いない場合には40質量%のスラリーを調製することができなかった。また、40質量%のスラリーを調製する場合、アルカリ土類金属含有カルシウム及び酸を添加する場合であっても、表層のアルカリ土類金属(この場合、Mg)の含有率が0.1質量%以上であるアルカリ土類金属含有カルシウムを用いることが望ましいことがわかる(実施例31及び実施例32参照)。
【0096】
〔参考例〕
尚、参考のために、上記ドロマイトを原料として、表層だけでなく、全体にアルカリ土類金属塩の含有率が高いヒドロキシアパタイトの合成を試みた。
【0097】
3リットルのステンレスビーカーに、イオン交換水1500gを入れ、トルネード用攪拌羽根(SUS316ステンレス製、翼径120mm)を備えた攪拌機(SIBATA製PROMIX PV−300)を用いて、150rpmで攪拌しながら、清水工業株式会社製ドロマイト(CaO:34.2%、MgO:11.1%)を150g加え、これにチューブポンプを用いて東ソー株式会社製75%リン酸104gをイオン交換水で20%に希釈したリン酸酸水溶液を、毎分10mlで滴下した後、1時間熟成した。濾別後、150℃で3時間乾燥して、生成物176gを得た。この生成物をX線分析したところ、ヒドロキシアパタイトではなく、(CaMg)3(PO4)2であった。
【0098】
このことから、単にアルカリ土類金属含有の材料を用いても、安定な高濃度スラリーを得ることができるヒドロキシアパタイトを製造することはできないが、核用ヒドロキシアパタイト粒子にアルカリ土類金属塩を含有するヒドロキシアパタイト層(アルカリ土類金属リッチヒドロキシアパタイト層)で被覆することによって、核用ヒドロキシアパタイト粒子の分散性を安定化できることを確認できた。
【0099】
〔ヒドロキシアパタイトスラリーの保存安定性〕
第1の製造方法で調製した20質量%、30質量%、40%質量スラリー100mlをネスラー管に入れ、7日間室内に放置した。その後、ネスラー管を転倒させて、沈殿の体積(ml)を測定した。
【0100】
比較のために、第1の製造方法においてアルカリ土類金属塩を添加しないで調製した20質量%スラリーについて、同様に保存安定性を調べた。
【0101】
結果を表5に示す。
【0102】
【表5】
【0103】
表5からわかるように、アルカリ土類金属塩を含有しないスラリーは、沈殿を生じた。一方、アルカリ土類金属塩を添加して調製した本発明のスラリーの場合、ヒドロキシアパタイト濃度20〜40質量%のいずれにおいても、沈殿を生じなかった。従って、本発明のスラリーは、高濃度であっても、安定していることがわかる。
【0104】
【発明の効果】
本発明のカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトは、高濃度であっても安定して分散媒中に分散できる。よって、高濃度のヒドロキシアパタイトスラリーを調製するのに好適である。
【0105】
本発明の高濃度ヒドロキシアパタイトスラリーは、分散安定性に優れた本発明のカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトを用いているので、乳化剤を併用する必要はない。しかも、分散安定化のために使用する化合物として、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウムといった食品添加物に使用されるようなアルカリ土類金属塩を用いることにより、食品の味等に対する影響を少なくして、食品中のカルシウム濃度を上げることができるので、食品のカルシウム強化用に最適である。
【0106】
また、本発明のカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトまたは高濃度ヒドロキシアパタイトスラリーを、懸濁重合用安定剤として用いると、カルシウム濃度が高いので、使用する安定剤量を従来よりも少なくでき、しかも粒度分布が狭いポリマービーズを得ることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is hydroxyapatite used for foods such as milk, calcium fortification of pharmaceuticals or suspension polymerization stabilizers, etc., hydroxyapatite powder excellent in dispersion stability that can be stably dispersed even at high concentrations, and The present invention relates to a high-concentration hydroxyapatite slurry prepared using the same, and a production method thereof.
[0002]
[Prior art and problems to be solved by the invention]
In recent years, the necessity of calcium intake has been pointed out, and for this reason, development of calcium-enhanced foods such as milk with increased calcium content has been promoted. In order to increase the calcium content, it is necessary to stably disperse a large amount of calcium compound in the target food.
[0003]
Moreover, about the product which is conveyed in the state of a slurry, since the slurry volume to convey can be decreased, so that the calcium concentration in a slurry can be raised, it is preferable.
[0004]
On the other hand, even if phosphoric acid and calcium are reacted directly, the viscosity of the reaction solution becomes too high to produce a hydroxyapatite slurry exceeding 20% by mass. Under such circumstances, various methods for stably dispersing a large amount of calcium salt, stably dispersed slurry, and the like have been proposed.
[0005]
For example, JP-A-6-127909 discloses a method of adding a hydrophilic emulsifier of HLB 10 or higher to an aqueous suspension of calcium phosphate. Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-205820 discloses a calcium carbonate emulsion in which 5 to 20% by mass of calcium carbonate particles defining the average particle diameter of primary particles and secondary particles and an emulsifier and water are dispersed. Further, JP-A-11-178554 proposes a slurry containing calcium carbonate having a particle size of less than 0.04 microns using a sucrose fatty acid ester added with an organic acid monoglyceride as an emulsifier.
[0006]
However, in the example disclosed in JP-A-6-127909, a large amount of an emulsifier such as 15 to 25 parts by weight of an emulsifier is used to slurry 100 parts by weight of hydroxyapatite, and thus a large amount of emulsifier is used. Even so, only 22% by mass of slurry can be produced. That is, it is considered that about 20% is the limit for increasing the concentration of the slurry by the action of the emulsifier. Moreover, since the emulsifier may affect the taste of food in the method using an emulsifier in combination, a method capable of stabilizing the dispersion without using a large amount of the emulsifier and preferably without using the emulsifier is desired.
[0007]
As a calcium reinforcing agent capable of preparing a high-concentration calcium salt slurry without using an emulsifier, JP-A-9-289877 discloses a calcium reinforcing agent obtained by surface-treating hydroxyapatite with a citrate buffer or a protein or peptide. It is disclosed. However, although this calcium reinforcing agent was used to prevent the precipitation of hydroxyapatite, the hydroxyapatite slurry concentration was 4% at the maximum.
[0008]
In addition, in JP-A-11-292524, as a calcium slurry that can be dispersed and stabilized without using an emulsifier, a phosphoric acid component is added to a slurry containing a calcium component while being subjected to a shearing treatment, and amorphous calcium phosphate particles are obtained. An amorphous calcium phosphate slurry is disclosed that is produced and finally adjusted to a pH of 6-8. The calcium slurry prepared while carrying out the shearing treatment has an average particle diameter of hydroxyapatite particles of 0.1 to 4 μm and is difficult to settle, but the slurry concentration is only 6%, and a high concentration slurry is obtained. It's hard to say.
[0009]
The present invention has been made in view of such circumstances. The purpose of the present invention is to provide a hydroxyapatite powder (calcium-reinforced) that can be stably dispersed at a high concentration in a dispersion medium without containing an emulsifier. It is intended to provide a high-concentration hydroxyapatite slurry and a production method thereof.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The hydroxyapatite for calcium reinforcement of the present invention contains hydroxyapatite particles and an alkaline earth metal salt attached to the surface of the hydroxyapatite particles.
[0011]
The alkaline earth metal salt is preferably at least one selected from the group consisting of magnesium chloride, calcium chloride and calcium lactate.
[0012]
The hydroxyapatite slurry of the present invention is a hydroxyapatite slurry containing no emulsifier, and has a hydroxyapatite concentration of more than 20% by mass. It is preferable to include hydroxyapatite particles having an alkaline earth metal salt attached to the surface.
[0013]
The slurry production method of the present invention includes a step of adding hydroxyapatite powder to an aqueous solution of an alkaline earth metal salt. The hydroxyapatite slurry of the present invention can also be prepared by dispersing the calcium reinforcing hydroxyapatite of the present invention in a dispersion medium.
[0014]
The first method for producing calcium-reinforced hydroxyapatite according to the present invention comprises a step of adding a hydroxyapatite powder to an aqueous alkaline earth metal salt solution to prepare a high concentration hydroxyapatite slurry; and the high concentration hydroxyapatite slurry. A step of dehydrating and drying the powder.
[0015]
The second method for producing calcium-reinforced hydroxyapatite according to the present invention includes the step of preparing an alkaline earth metal salt-containing slurry by adding an alkaline earth metal salt to a hydroxyapatite slurry of less than 20% by mass; and And dehydrating and drying the alkaline earth metal salt-containing slurry.
[0016]
According to the third method for producing a calcium-reinforced hydroxyapatite of the present invention, an alkaline earth metal-containing calcium oxide composite salt, phosphoric acid, and an acid are added to a hydroxyapatite slurry of less than 20% by mass to obtain hydroxyapatite second Preparing a slurry; and dehydrating and drying the second slurry to form a powder.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The hydroxyapatite for calcium reinforcement of the present invention is obtained by adhering an alkaline earth metal salt to the surface of hydroxyapatite particles (hereinafter referred to as “hydroxyapatite particles for nuclear use” and distinguished from hydroxyapatite powder for calcium reinforcement). .
[0018]
Nuclear hydroxyapatite particles are Ca Ten (PO Four ) 6 (OH) 2 The particles represented by the formula may be commercially available (eg tricalcium phosphate conventionally used as a food additive) or synthesized from phosphoric acid and calcium oxide or calcium hydroxide. Good.
[0019]
As the nuclear hydroxyapatite particles, those having an average particle size of 0.1 to 7.5 μm are preferably used. This is because if the particle size is less than 0.1 μm, the surface area of the particles increases, and a slurry exceeding 20% by mass cannot be obtained. This is because if the particle size exceeds 7.5 μm, the sedimentation of particles becomes fast and a stable dispersion state cannot be obtained.
[0020]
The alkaline earth metal salt refers to a salt synthesized from an alkaline earth metal and an organic acid or inorganic acid.
[0021]
Examples of the alkaline earth metal include Be, Mg, Ca, Sr, and Ba, and among these, Mg and Ca are preferably used. Examples of the acid that forms a salt include inorganic acids such as hydrochloric acid, nitric acid, and hydrobromic acid; and organic acids such as acetic acid, gluconic acid, benzoic acid, and lactic acid.
[0022]
Salts obtained by appropriately combining these alkaline earth metals and inorganic acids, specifically, BeCl 2 , Be (NO Three ) 2 , BeBr 2 , Be (CH Three COO) 2 , Be (C 6 H 11 O 7 ) 2 , Be (C 6 H Five COO) 2 , Be (C Three H Five O Three ) 2 Be salts such as CaCl; 2 , Ca (NO Three ) 2 , CaBr 2 , Ca (CH Three COO) 2 , Ca (C 6 H 11 O 7 ) 2 , Ca (C 6 H Five COO) 2 , Ca (C Three H Five O Three ) 2 Ca salt such as MgCl 2 , Mg (NO Three ) 2 , MgBr 2 , Mg (CH Three COO) 2 , Mg (C 6 H 11 O 7 ) 2 , Mg (C 6 H Five COO) 2 , Mg (C Three H Five O Three ) 2 Mg salt such as SrCl 2 , Sr (NO Three ) 2 , SrBr 2 , Sr (CH Three COO) 2 , Sr (C 6 H 11 O 7 ) 2 , Sr (C 6 H Five COO) 2 , Sr (C Three H Five O Three ) 2 Sr salts such as When using calcium-enriched hydroxyapatite for foods, MgCl is recognized as a food additive without impairing the taste of the food. 2 , CaCl 2 , Ca (C Three H Five O Three ) 2 Is preferably used.
[0023]
Such an alkaline earth metal salt adheres to the surface of the nuclear hydroxyapatite particles. As the form of the adhesion, the alkaline earth metal salt may be simply adhered to a part of the surface of the nuclear hydroxyapatite particle, or the surface of the nuclear hydroxyapatite particle becomes a coating layer of the alkaline earth metal salt. The whole may be covered, or a hydroxyapatite layer containing an alkaline earth metal salt (alkaline earth metal salt-rich hydroxyapatite layer) may be formed on the surface of the nuclear hydroxyapatite particles.
[0024]
The amount of the alkaline earth metal salt adhering to the calcium aforesaid hydroxyapatite of the present invention is 0.02% by mass or more in terms of the adhering amount (mass ratio) of the alkaline earth metal salt on the surface layer of the hydroxyapatite for calcium reinforcement In an amount of 0.1% by mass or more, preferably 10% by mass or less. This is because if the amount is less than 0.02% by mass, it is not possible to obtain a slurry of 20% by mass or more and a stable slurry of 1000cp or less. The greater the amount of alkaline earth metal salt deposited, the greater the effect of reducing the viscosity of the slurry. When the amount of alkaline earth metal salt deposited on the surface layer is 0.1% by mass or more, the stability is 40% by mass or more. A slurry can be obtained. On the other hand, when the adhesion amount exceeds 10.0% by mass, the effect on the decrease in the slurry viscosity is saturated, and even if an amount larger than that is adhered, no significant viscosity decrease is observed. Here, the surface layer refers to a portion in which the surface of the calcium-reinforced hydroxyapatite is dissolved and about 20% by mass is dissolved with respect to the original mass.
[0025]
Although the manufacturing method of such a calcium reinforcement | strengthening hydroxyapatite is not specifically limited, It is preferable to manufacture by the following methods.
[0026]
In the first method, an aqueous solution of alkaline earth metal salt is prepared, and a hydroxyapatite slurry is prepared by gradually adding a hydroxyapatite powder thereto, and then this high-concentration hydroxyapatite slurry is prepared. Is dehydrated and dried into powder.
[0027]
As said alkaline-earth metal salt aqueous solution, it is preferable to use the thing of 0.01-10.0 mass%. This is because if it is less than 0.01% by mass, a stable slurry of 1000 cp or less cannot be obtained, and if it exceeds 10.0% by mass, no effect on reducing the viscosity of the slurry is observed.
[0028]
Since the hydroxyapatite powder to be added becomes the hydroxyapatite particles for the nucleus, it is preferable to use the hydroxyapatite powder having an average particle size of 0.1 to 7.5 μm as described above.
[0029]
It is preferable to disperse using a general emulsifier such as stirring or disper mill while adding the hydroxyapatite powder so that the hydroxyapatite particles for nucleus and the alkaline earth metal salt are uniformly mixed.
[0030]
As the dehydration drying method, the prepared high-concentration slurry may be directly dehydrated and dried with a spray dryer or the like, or first, the high-concentration slurry may be filtered to collect only solids, and the solids may be dried. . Drying may be performed by simply leaving it at room temperature or by applying hot air of 150 to 500 ° C.
[0031]
The second method is a method of preparing an alkaline earth metal salt-containing slurry by adding an alkaline earth metal salt to a hydroxyapatite slurry of less than 20% by mass, and dehydrating and drying the alkaline earth metal salt-containing slurry. is there.
[0032]
The hydroxyapatite slurry of less than 20% by mass used in the second method is a slurry containing hydroxyapatite particles for nuclei and may be obtained by dispersing commercially available hydroxyapatite in water as a dispersion medium, or calcium salt The hydroxyapatite slurry may be directly synthesized by dropping phosphoric acid into the aqueous solution.
[0033]
Calcium oxide or quicklime, calcium hydroxide or slaked lime, calcium chloride, calcium nitrate, or the like can be used as a calcium salt used as a raw material for producing nuclear hydroxyapatite. When natural products such as quicklime are used, the hydroxyapatite that is derived from the raw material can contain an alkaline earth metal salt. In this case, the alkaline earth metal salt is incorporated into the crystal lattice. Since it does not contribute to dispersion stabilization, it is different from the alkaline earth metal salt adhering to the surface of the hydroxyapatite particle for nucleus of the hydroxyapatite for calcium reinforcement of the present invention. Therefore, from the viewpoint of purity, it is preferable to use hydroxyapatite synthesized from a raw material (calcium oxide, calcium hydroxide) containing a small amount of other metals as impurities.
[0034]
As the aqueous solution of calcium salt, it is preferable to use an aqueous calcium salt solution of about 1 to 5%. As phosphoric acid, it is preferable to use 10-40% phosphoric acid aqueous solution, and the amount of the alkaline earth metal salt content is preferably from 0.1 to 10.0% by mass.
[0035]
As a method for dehydrating and drying the alkaline earth metal salt-containing slurry, the method used in the first method can be employed.
[0036]
In the third method, an alkaline earth metal-containing calcium composite salt, phosphoric acid and acid are added to a hydroxyapatite slurry of less than 20% by mass to prepare a hydroxyapatite second slurry, and the second slurry is dehydrated and dried. And pulverizing. According to this method, hydroxyapatite for calcium reinforcement obtained by coating the hydroxyapatite particle surface with an alkaline earth metal salt-rich calcium phosphate layer can be obtained.
[0037]
Hydroxyapatite slurry of less than 20% by mass (sometimes referred to as “first slurry” to distinguish it from the second slurry) is a slurry containing hydroxyapatite particles for nucleus, and less than 20% by mass as in the second method. The hydroxyapatite slurry can be used.
[0038]
Examples of the alkaline earth metal-containing calcium composite salt include natural minerals such as quick lime, slaked lime, light-burned dolomite, dolomite clinker, digested dolomite, dolomite blaster, and bitter tanker. In the case of limestone, such a natural mineral has a content of 56 to 39% by mass as calcium oxide and a content of 0.2 to 8% by mass as magnesium oxide. In the case of dolomite, the content as magnesium oxide is 10 to 22% by mass, and the content as calcium oxide is 27 to 37% by mass. Of these, dolomite, which is a magnesium-containing calcium complex salt, is preferably used.
[0039]
Phosphoric acid is added to synthesize hydroxyapatite by reacting with the alkaline earth metal-containing calcium complex salt, and 10 to 40% phosphoric acid is used. Such phosphoric acid may be used in an amount that appropriately reacts with the alkaline earth metal-containing calcium composite salt.
[0040]
The acid is synthesized by reacting with an alkaline earth metal (preferably calcium or magnesium) contained in the alkaline earth metal-containing calcium composite salt, and an inorganic acid or organic acid other than phosphoric acid is used. Can do. Specific examples include inorganic acids such as hydrochloric acid, nitric acid and hydrobromic acid; and organic acids such as acetic acid, gluconic acid, benzoic acid and lactic acid.
[0041]
Hydroxyapatite particles in which the alkaline earth metal-containing calcium complex salt, phosphoric acid, and acid react, and calcium phosphate containing an alkaline earth metal salt and an anion derived from the acid in a high content rate are contained in the first slurry ( Nuclear hydroxyapatite particles) are attached and formed on the surface. Therefore, since the second slurry contains hydroxyapatite in which the alkaline earth metal-rich hydroxyapatite layer is formed on the surface of the nuclear hydroxyapatite particles, when the second slurry is dehydrated and dried, the surface of the nuclear hydroxyapatite particles A hydroxyapatite powder in which an alkaline earth metal-rich hydroxyapatite layer is formed is obtained.
[0042]
The hydroxyapatite slurry of the present invention is a high concentration slurry having a hydroxyapatite concentration of more than 20% by mass.
[0043]
The slurry referred to in the present invention can generally be distributed on the market as a commercial product, and refers to a dispersion-stabilized suspension. As the dispersion medium, water is preferably used.
[0044]
Conventionally, even if an emulsifier or the like is used, 20% by mass or less has been the limit in order to ensure dispersion stability that can be distributed in the market. For example, for food applications, the calcium phosphate formulation “Sunactive Ca-40P” from Taiyo Kagaku Co., Ltd. and the suspension polymerization stabilizer “TCP10” from Taihei Chemical Sangyo Co., Ltd. are both hydroxyapatite slurries containing no emulsifier and are commercially available. In any case, the hydroxyapatite concentration is 10% by mass. Therefore, the high concentration hydroxyapatite slurry of more than 20% by weight, especially 40% by weight of the present invention is epoch-making.
[0045]
In addition, when preparing a water suspension using the same substance, it is known that it will become so high that a particle | grain with a small particle size is used. Therefore, it is conceivable to prepare a high-concentration slurry by reducing the viscosity using a relatively large-diameter hydroxyapatite. However, when the particle size becomes too large (at most 10 μm), it can be easily separated and simply separated. It becomes a mixed solution and does not become a slurry.
[0046]
Such a high-concentration slurry is achieved by the coexistence of hydroxyapatite powder and an alkaline earth metal salt. Specifically, it is obtained by dispersing the calcium-reinforced hydroxyapatite powder of the present invention in water as a dispersion medium so as to have a predetermined concentration. Alternatively, it may be a high-concentration hydroxyapatite slurry prepared by the first method for synthesizing the calcium-reinforced hydroxyapatite of the present invention.
[0047]
In any case, based on the alkaline earth metal salt present on the hydroxyapatite surface, the metal salt is present in the dispersion medium (water) dissolved in the cation, anion, and the hydroxyapatite surface. This is because ion exchange occurs between the cations and anions that are present, and this is considered to improve the stability of the hydroxyapatite powder in the dispersion medium and lower the slurry viscosity.
[0048]
In this regard, when hydroxyapatite is synthesized from calcium oxide or calcium hydroxide and phosphoric acid, depending on the calcium salt used as a raw material, about 5 to 4000 ppm of alkaline earth metal may be contained. The alkaline earth metal taken in does not contribute to the stabilization of hydroxyapatite, and a high-concentration slurry cannot be obtained.
[0049]
【Example】
[Measurement and evaluation method]
(1) Slurry viscosity
500 g of the slurry was weighed into a 500 ml glass beaker, and the viscosity was measured under the following conditions using a B-type viscometer (B8H manufactured by Tokyo Keiki Co., Ltd.).
Measurement condition
When the viscosity is 400 cp or less, No. Measured at 20 rpm using one rotor
When the viscosity is 400 cp or more, No. Measured at 20 rpm using 2 rotors
Measurement temperature 23 ± 2 ℃
[0050]
(2) Measurement of hydroxyapatite particle size
The particle size distribution of the suspension for measurement was measured using a Shimadzu centrifugal sedimentation type particle size distribution measuring device (SA-CP3L).
[0051]
The suspension for measurement was prepared by dispersing for 5 minutes with a rotary blade stirrer using a 0.1% sodium hexametaphosphate aqueous solution as a dispersion solvent.
[0052]
(3) Confirmation of hydroxyapatite
3. Using MXP18 manufactured by Mac Science Co., Ltd., copper tube, tube current 100 mA, graphic monochromator (X-ray wavelength 0.154050 nm), slit system 1-0.3-1, gonio scan speed min- 1 Under these conditions, the powder was subjected to X-ray analysis.
[0053]
The obtained X-ray diffraction pattern was recorded as JCPDS card no. Compared with 9-432, it was judged by whether or not it had an X-ray diffraction pattern of hydroxyapatite.
[0054]
(4) Surface analysis of hydroxyapatite
While stirring the 20 mass% hydroxyapatite slurry at 180 rpm, half the amount of hydroxyapatite powder contained in the slurry (for example, when the 20% slurry is 2000 g, the hydroxyapatite powder content is 400 g, so 200 g). 5N hydrochloric acid was added dropwise over 1 hour and 30 minutes to dissolve the surface of the hydroxyapatite particles (dissolution amount is about 20% by mass of the original hydroxyapatite powder).
[0055]
After completion of the dropwise addition, the mixture was further stirred for 30 minutes, and the remaining liquid was subjected to suction filtration (pump HITATI W-71-1305) using 5C filter paper (ADVANTEC diameter 285 mm). About the filtrate, the content rate of each element was analyzed with the following method.
[0056]
Ca was quantified by chelate titration with ethylenediaminetetraacetate.
[0057]
Mg, Ba, Sr, and Br were quantified by emission analysis using a sequential high-frequency plasma emission analyzer ICPS-750 manufactured by Shimadzu Corporation.
[0058]
The nitrate ion was quantified by a spectrophotometric method using naphthylethylenediamine as a color developing solution.
[0059]
Cl was quantified using a colorimetric method based on white turbidity of AgCl. When analyzing chlorine ions, nitric acid was used as an acid for dissolving the surface layer.
[0060]
Acetic acid, butyric acid, gluconic acid, benzoic acid and lactic acid were quantified by high performance liquid chromatography using 8020 series manufactured by Tosoh Corporation.
[0061]
[Relationship between particle size and slurry concentration]
While stirring 6000 g of ion-exchanged water in a 10 liter stainless beaker at 150 rpm using a stirrer (SIBATA PROMIX PV-300 manufactured by SUS316, blade diameter 120 mm) with a tornado stirring blade (Ube Materials Co., Ltd.) 555 g of quicklime was added over 5 minutes, and stirring was continued for another 30 minutes to prepare an aqueous calcium hydroxide solution.
[0062]
To this calcium hydroxide aqueous solution, a 10% by mass or 20% by mass phosphoric acid aqueous solution obtained by diluting 75% phosphoric acid manufactured by Tosoh Corporation with ion-exchanged water is supplied at a rate of 10 ml or 40 ml per minute until a pH of 9 is reached. After dropping, the mixture was aged for 2 hours.
[0063]
After aging, the mixture was filtered, water was added again to the solid content having the water content shown in Table 1, and premixed with a stirrer to prepare a 10% or 20% suspension. further. The mixture was stirred for 2 minutes using a disper mill (D-1 manufactured by Hosokawa Iron Works) to obtain a slurry.
[0064]
About the obtained slurry, the particle size of the hydroxyapatite particle and the viscosity of the slurry were measured. The results are shown in Table 1. In Table 1, “X” in the viscosity column indicates that measurement was impossible.
[0065]
[Table 1]
[0066]
From Table 1, it can be seen that when the concentration is the same, the viscosity decreases as the particle size increases. However, when the particle size is 7.7 μm, the particle size becomes too large, so that the hydroxyapatite particles immediately settled and could not be slurried.
[0067]
[Preparation of high-concentration hydroxyapatite slurry by the first production method]
Examples 1-15;
Using a stirrer (SIBATA PROMIX PV-300) equipped with a tornado stirring blade (SUS316 stainless steel blade diameter 80 mm), a 3 liter stainless steel beaker was charged with the amount of ion-exchanged water shown in Table 2. While stirring at 150 rpm, an alkaline earth metal salt manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd. shown in Table 2 was added and sufficiently dissolved. To this alkaline earth metal salt aqueous solution, hydroxyapatite powder was added in the amount shown in Table 2 and premixed until dispersed. The premixed liquid was stirred for 2 minutes with a disper mill (D-1 manufactured by Hosokawa Iron Works) to obtain a slurry.
[0068]
The viscosity of this slurry was measured, and the results are shown in Table 2. In addition, 5 g of the prepared slurry was dried, and then the concentrations of the alkaline earth metal (M) and anion (A) on the surface of the hydroxyapatite particles were measured based on the above surface layer analysis method, and the results were displayed. It is shown in 2.
[0069]
Comparative Examples 1-3;
A hydroxyapatite slurry containing no alkaline earth metal salt was prepared in the same manner as in the Examples except that the alkaline earth metal salt was not added, and the viscosity of the slurry and the surface of the hydroxyapatite powder obtained by drying were described above. The analysis was based on the surface analysis method. The results are shown in Table 2.
[0070]
[Table 2]
[0071]
As can be seen from Table 2, the slurry containing the alkaline earth metal salt had a lower viscosity than the slurry of the same concentration not containing. And when it does not contain an alkaline earth metal salt, it is substantially difficult to prepare a slurry of more than 20% by mass (see Comparative Example 2), whereas it contains an alkaline earth metal salt. In some cases, a stable slurry up to 50% by weight could be prepared (see Example 4).
[0072]
Further, from the surface layer of the hydroxyapatite powder obtained by drying the slurry containing the alkaline earth metal salt, the presence of alkaline earth metal salt corresponding to the added compound and the presence of anions could be confirmed.
[0073]
[Preparation of slurry using calcium-reinforced hydroxyapatite obtained by the second method]
Examples 21-29;
6000 g of ion-exchanged water is placed in a 10-liter stainless beaker, and stirred with a stirrer (SIBATA PROMIX PV-300 manufactured by SI316 blade diameter 120 mm) for tornado at 150 rpm as Ube Materials. After adding 555 g of manufactured CSQ high purity calcium oxide (CaO 99.4%, Mg content 5 ppm) or quick lime (CaO: 97.2%, MgO: 0.6%) manufactured by Ube Materials, over 5 minutes, The mixture was further stirred for 30 minutes to prepare an aqueous calcium hydroxide solution.
[0074]
To this calcium hydroxide aqueous solution, a phosphoric acid aqueous solution obtained by diluting 75% phosphoric acid manufactured by Tosoh Corporation to 20% with ion-exchanged water was added dropwise at 40 ml per minute until a pH of 9 was reached using a tube pump. After aging for time, a hydroxyapatite slurry was prepared (hydroxyapatite concentration: 10% by mass).
[0075]
With the stirring of the hydroxyapatite slurry increased to 200 rpm, a 10% aqueous solution of magnesium chloride hexahydrate from Wako Pure Chemical Industries, Ltd. was added dropwise at a rate of 3 ml / min using a tube pump. Thereafter, it was aged for 2 hours (an alkaline earth metal salt-containing hydroxyapatite slurry).
[0076]
The obtained alkaline earth metal salt-containing hydroxyapatite slurry was filtered, and the solid content was dried at 150 ° C. for 3 hours to obtain a calcium-reinforced hydroxyapatite powder. The obtained powder was analyzed for Ca and P based on the above chemical analysis method. Ca / P = 1.66 to 1.69, and the X-ray diffraction pattern was examined. A unique diffraction pattern was shown. Therefore, it was confirmed that the solid content was hydroxyapatite.
[0077]
A portion of the synthesized calcium-reinforced hydroxyapatite powder was taken and based on the surface analysis method described above. Surface alkaline earth metal salts and anion concentrations were measured. The results are shown in Table 3.
[0078]
Hydroxyapatite for calcium reinforcement synthesized in ion-exchanged water was added and stirred for 2 minutes with a disper mill (D-1 manufactured by Hosokawa Iron Works) to prepare 20 mass% and 40 mass% slurries. The viscosity of each prepared slurry was measured, and the results are shown in Table 3.
[0079]
Comparative Examples 11 and 12;
A hydroxyapatite powder (Comparative Examples 11 and 12) prepared without adding an alkaline earth metal salt in the above method was produced, and the ion concentration of the hydroxyapatite powder was 20% by mass and 40% by mass in ion-exchanged water. The slurry was added and stirred in the same manner as described above. For 20% by mass, a slurry could be obtained, but in the case of 40% by mass, the fluidity was lost when stirring, and a slurry could not be obtained. The viscosity of the 20% by mass slurry was measured.
[0080]
[Table 3]
[0081]
About the 20 mass% slurry, the direction of the slurry of the Example prepared using the hydroxyapatite for calcium reinforcement | strengthening of this invention was a low viscosity. In addition, when the calcium-reinforced hydroxyapatite of the present invention was used, a stable high-concentration slurry of 40% by mass could be obtained, but when a hydroxyapatite powder containing no alkaline earth metal salt was used ( Comparative example) could not be prepared. Furthermore, as can be seen from Comparative Example 12, even when a hydroxyapatite powder is prepared using a raw material (quick lime) containing a relatively large amount of alkaline earth metal, it does not exist on the surface as an alkaline earth metal salt. Therefore, the effect of decreasing the slurry viscosity was not recognized, and a high concentration slurry of 40% by mass could not be prepared. Even when hydroxyapatite powder having an alkaline earth metal salt attached to the surface layer is used, if the amount of the alkaline earth metal salt attached to the surface layer is too small, the viscosity stabilizing effect is sufficient. is not. Therefore, in order to obtain a 40 mass% slurry, it is necessary that the amount of the Mg content of the surface layer portion is 0.1 mass% or more is attached (see Example 21 and Example 22). .
[0082]
In all examples, metal ions and anions corresponding to the alkaline earth metal salt used were detected from the surface of the produced calcium-reinforced hydroxyapatite. Therefore, it is considered that the alkaline earth metal salt adhering to the surface contributes to stabilization and a decrease in viscosity.
[0083]
[Slurry using hydroxyapatite for calcium reinforcement obtained by the third production method]
Examples 31-35;
6000 g of ion-exchanged water is placed in a 10 liter stainless beaker, and stirred at 150 rpm using a stirrer (SIBATA PROMIX PV-300 manufactured by SIBATA) equipped with a tornado stirring blade (SUS316 blade diameter 120 mm). Add 555 g of pure calcium oxide (CaO: 99.4%, Mg content 5 ppm) or quick lime (CaO: 97.2%, MgO: 0.6%) manufactured by Ube Materials Co., Ltd. over 5 minutes, and stir for 30 minutes. Subsequently, an aqueous calcium hydroxide solution was prepared.
[0084]
To this calcium hydroxide aqueous solution, a phosphoric acid aqueous solution obtained by diluting 75 mass% phosphoric acid manufactured by Tosoh Corporation to 20 mass% with ion-exchanged water was added dropwise at 40 ml per minute using a tube pump until pH 10 was reached. A hydroxyapatite slurry (corresponding to the first slurry) was prepared by aging for 1 hour.
[0085]
In a state where the stirring of the first slurry was increased to 200 rpm, 20 ml of a 10% hydrochloric acid aqueous solution prepared by diluting hydrochloric acid from Wako Pure Chemical Industries, Ltd. was added, followed by dolomite (CaO: 34.2% manufactured by Shimizu Corporation). MgO: 11.1%) was added, and the pH was adjusted to 9 with an aqueous phosphoric acid solution, followed by aging for 2 hours (preparation of the second slurry).
[0086]
The second slurry was filtered, and the obtained solid was dried at 150 ° C. for 3 hours to obtain a calcium-reinforced hydroxyapatite powder.
[0087]
With respect to the obtained calcium-reinforced hydroxyapatite powder, the content of the alkaline earth metal salt on the surface was examined based on the surface layer analysis method.
[0088]
This hydroxyapatite powder for calcium reinforcement was mixed with water and stirred for 2 minutes using a disper mill (D-1 manufactured by Hosokawa Iron Works) to prepare 20 mass% slurry and 40 mass% slurry. Table 4 shows the results of measuring the viscosity of this slurry.
[0089]
Comparative Examples 21 and 22;
A hydroxyapatite powder was produced in the same manner except that dolomite and acid were not added, and a hydroxyapatite slurry was prepared using this. The results of measuring the viscosity of the slurry are shown in Table 4.
[0090]
Comparative Example 23;
A hydroxyapatite powder was produced in the same manner as in Example except that no acid was added, and a hydroxyapatite slurry was prepared using this. The results of measuring the viscosity of the slurry are shown in Table 4.
[0091]
[Table 4]
[0092]
From the surface layer of the calcium-reinforced hydroxyapatite powder prepared by the third method, an amount of magnesium proportional to the amount of dolomite added could be detected. Moreover, from all the examples, chlorine ions could be detected.
[0093]
From Table 4, the 20 mass% slurry prepared using the alkaline earth metal salt-containing calcium salt had a lower viscosity than the 20 mass% slurry that did not use the calcium salt. In particular, it can be seen that the greater the amount of alkaline earth metal-containing calcium used, the lower the viscosity.
[0094]
Further, from Comparative Example 23, even when alkaline earth metal-containing calcium was used, when no acid was added, there was no effect of reducing the slurry viscosity, and in order to stabilize the dispersion of hydroxyapatite, alkaline earth It can be seen that the metal salt and acid salt need to adhere to the hydroxyapatite surface.
[0095]
Moreover, when alkaline earth metal salt-containing calcium was used, a stable 40 mass% slurry could be prepared, but when it was not used, a 40 mass% slurry could not be prepared. . Moreover, when preparing 40 mass% slurry, even if it is a case where alkaline earth metal containing calcium and an acid are added, the content rate of the alkaline earth metal (Mg in this case) of a surface layer is 0.1 mass% It turns out that it is desirable to use the alkaline earth metal containing calcium which is the above (refer Example 31 and Example 32).
[0096]
[Reference example]
For reference, an attempt was made to synthesize hydroxyapatite having a high content of alkaline earth metal salt as a whole, not only the surface layer, but using the dolomite as a raw material.
[0097]
In a 3 liter stainless steel beaker, 1500 g of ion-exchanged water was added and fresh water was stirred while stirring at 150 rpm using a stirrer (SIBATA PROMIX PV-300 made by SUS316 stainless steel, blade diameter 120 mm) with a tornado stirring blade. 150 g of dolomite manufactured by Kogyo Co., Ltd. (CaO: 34.2%, MgO: 11.1%) was added, and 104 g of 75% phosphoric acid manufactured by Tosoh Corporation was diluted to 20% with ion-exchanged water using a tube pump. An aqueous phosphoric acid solution was added dropwise at a rate of 10 ml per minute, followed by aging for 1 hour. After filtration, it was dried at 150 ° C. for 3 hours to obtain 176 g of a product. X-ray analysis of the product revealed that it was not hydroxyapatite but (CaMg) Three (PO Four ) 2 Met.
[0098]
From this, it is impossible to produce hydroxyapatite that can obtain a stable high-concentration slurry simply by using an alkaline earth metal-containing material, but the core hydroxyapatite particles contain an alkaline earth metal salt. It was confirmed that the dispersibility of the nuclear hydroxyapatite particles can be stabilized by coating with a hydroxyapatite layer (alkaline earth metal-rich hydroxyapatite layer).
[0099]
[Storage stability of hydroxyapatite slurry]
100 ml of a 20%, 30%, and 40% mass slurry prepared by the first production method was placed in a Nessler tube and allowed to stand indoors for 7 days. Thereafter, the Nessler tube was turned over to measure the volume (ml) of the precipitate.
[0100]
For comparison, the storage stability of the 20 mass% slurry prepared without adding the alkaline earth metal salt in the first production method was similarly examined.
[0101]
The results are shown in Table 5.
[0102]
[Table 5]
[0103]
As can be seen from Table 5, the slurry containing no alkaline earth metal salt caused precipitation. On the other hand, in the case of the slurry of the present invention prepared by adding an alkaline earth metal salt, precipitation did not occur at any hydroxyapatite concentration of 20 to 40% by mass. Therefore, it can be seen that the slurry of the present invention is stable even at a high concentration.
[0104]
【Effect of the invention】
The calcium-reinforced hydroxyapatite of the present invention can be stably dispersed in a dispersion medium even at a high concentration. Therefore, it is suitable for preparing a high concentration hydroxyapatite slurry.
[0105]
Since the high-concentration hydroxyapatite slurry of the present invention uses the hydroxyapatite for calcium reinforcement of the present invention having excellent dispersion stability, it is not necessary to use an emulsifier together. In addition, the use of alkaline earth metal salts such as those used for food additives such as magnesium chloride, calcium chloride, and calcium lactate as compounds used for dispersion stabilization reduces the impact on food taste and the like. Therefore, it is possible to increase the calcium concentration in the food, which is optimal for enhancing the calcium content of the food.
[0106]
In addition, when the calcium-reinforced hydroxyapatite or high-concentration hydroxyapatite slurry of the present invention is used as a stabilizer for suspension polymerization, the calcium concentration is high, so that the amount of stabilizer used can be reduced compared to the conventional one, and the particle size distribution can be reduced. Narrow polymer beads can be obtained.
Claims (3)
該ヒドロキシアパタイト粒子表面に付着したアルカリ土類金属塩と
を含み、
前記アルカリ土類金属塩が、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、及び乳酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種であるカルシウム強化用ヒドロキシアパタイト。Hydroxyapatite particles,
An alkaline earth metal salt attached to the surface of the hydroxyapatite particles,
Hydroxyapatite for calcium reinforcement, wherein the alkaline earth metal salt is at least one selected from the group consisting of magnesium chloride, calcium chloride, and calcium lactate.
該高濃度ヒドロキシアパタイトスラリーを脱水乾燥して、粉末化する工程を含むカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトの製造方法。Adding a hydroxyapatite powder to an aqueous solution of at least one alkaline earth metal salt selected from the group consisting of magnesium chloride, calcium chloride, and calcium lactate to prepare a high concentration hydroxyapatite slurry; and A method for producing calcium-reinforced hydroxyapatite, comprising a step of dehydrating and drying a high-concentration hydroxyapatite slurry to form powder.
該アルカリ土類金属塩含有スラリーを脱水乾燥して粉末化する工程
を含むカルシウム強化用ヒドロキシアパタイトの製造方法。An alkaline earth metal salt-containing slurry is prepared by adding at least one alkaline earth metal salt selected from the group consisting of magnesium chloride, calcium chloride, and calcium lactate to a hydroxyapatite slurry of less than 20% by mass. And a method for producing calcium-reinforced hydroxyapatite, comprising the step of dehydrating and drying the alkaline earth metal salt-containing slurry.
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