JP5013528B2 - 半導体パッケージの含水率管理方法および装置 - Google Patents

半導体パッケージの含水率管理方法および装置 Download PDF

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Description

この発明は、樹脂で気密封止した半導体パッケージの含水率を管理するための方法と、装置とに関するものである。
集積回路(IC)などの半導体素子を樹脂で気密封止した半導体パッケージが広く使用されている。この半導体パッケージは回路基板に接着剤などで仮止めし、全体を加熱することによりリフロー半田付けしたり接着樹脂が熱硬化型である場合にはこれを硬化させている。しかしこの加熱による熱ストレスがパッケージに加わるため、この時のヒートショックによりパッケージが割れる(クラックの発生)という問題が生じ得る。また、半導体パッケージに加わる熱ストレスは同時に半導体パッケージが実装される回路基板(プリント配線板)にも加わるので、プリント配線板には層間剥離という問題が生じ得る。
特に表面実装型のデバイス(SMD:Surface Mount Device)は高密度実装における優位性から広く用いられているが、SMDのパッケージについてはこの実装時の熱ストレスによるパッケージクラックが大きな問題となる。
このクラック発生の原因として、パッケージの含水率が考えられている。すなわち樹脂パッケージが水分を吸収し、内部に封止された素子(チップ)とモールド樹脂の間やリードフレームのダイパッド(チップ接着部)とモールド樹脂の界面に到達した水分が、はんだ付け時の熱により気化膨張し、チップまたはダイパッドの端面に集中した応力が樹脂強度を超えた場合にパッケージにクラックが発生すると考えるものである。また、プリント配線基板の層間剥離発生原因もプリント配線板の含水率が考えられている。すなわち、プリント配線板の内部にまで水分が吸収されていると、はんだ付け時の加熱によって内蔵された水分は急激に外部に放出されることになるが、樹脂内の深部まで入り込んだ水分はそこで気化しようとする速度が樹脂中を移動する速度を上回り、プリント配線板内部の導体と樹脂間、またはガラスクロスと樹脂間などの比較的密着性の弱い部分の界面が剥離するのである。
特開平8−250535号
特許文献1には、パッケージが実質的に除湿される加熱処理工程(例えばバーンイン、捺印キュア等)から気密包装までの間大気中で作業・保管されるため、その間に吸湿してしまうのを防ぐ1つの方法が開示されている。この方法は、加熱(バーンイン)終了後の経過時間tと、その後の各工程の作業・保管環境条件に対応する係数aとの積atを求めてこれを実効吸湿時間とし、この実効吸湿時間atを許容吸湿時間t0と比較してat>t0の時にアラームを出力させるものである。
この公知の方法では係数aの決め方に問題がある。すなわち気密包装までに行う作業・保管等の工程ごとに環境温度や湿度が異なるため係数aは単純に一定数として設定することは不可能である。このため信頼性が悪いという問題がある。
この発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、半導体パッケージのベーキング後の含水率を高精度に求めることができ、気密包装時の含水率を許容含水率以下にしてパッケージのクラック発生を確実に予防することができる半導体パッケージの含水率管理方法を提供することを第1の目的とする。またこの方法と発明の単一性の要件を満たす含水率管理装置を提供することを第2の目的とする。
この発明によれば第1の目的は、半導体素子を樹脂で気密封止した半導体パッケージを複数の工程を経て防湿包装するための半導体パッケージの含水率管理方法であって、
工程(i)に入る時の前記半導体パッケージの含水率m(x、i−1)を基準にしてこの工程(i)で時間t(i)後に到達する含水率m(x、i)を次式により求め、
m(x、i)=F{m(i)、m(x、i−1)、T(i)、t(i)}+m(x、i−1)
但しT(i)は、工程(i)の環境温度T(i)、
t(i)は、工程(i)の所要時間、
m(i)は、工程(i)の環境湿度RH(i)に対応する平衡含水率、
ここに前記の式FをF≡Δmと定義して次式により求め、
吸湿変化{m(i)≧m(x、i−1)の時}においては、
Figure 0005013528
乾燥過程{m(i)<m(x、i−1)の時}においては、同様に
Figure 0005013528
最後の工程(n)で時間t(n)経過後に到達する最終到達含水率m(x、n)を許容含水率m0と比較することによって、防湿包装・出荷の可否を判定することを特徴とする半導体パッケージの含水率管理方法、により達成される。
第2の目的は、半導体素子を樹脂で気密封止した半導体パッケージを防湿包装するための装置であって、
半導体パッケージをベーキング処理するベーキング装置と;
ベーキング処理完了時の半導体パッケージの含水率m(x、0)および許容含水率m0の入力端末装置と、
ベーキング後から保管および検査を含む防湿包装までの複数の工程iにおける開始・終了時間t(is)、t(ie)と、環境温度T(i)と、環境湿度m(i)の入力端末装置と;
前記環境温度T(i)における前記環境湿度RH(i)に対応する平衡含水率m(i)を求める平衡含水率演算部と;
各工程(i)の入力端末装置から入力されるデータに基づいて各工程(i)における半導体パッケージの含水率変化Δm(x、i)を請求項1に記載した式により算出し、それらの総和を用いて最終到達含水率m=m(x、0)+ΣΔm(i)を求める含水率演算部と;
m<m0なら気密包装後出荷を指示し、m≧m0なら再ベーキングを指示する判定部と;
を備えることを特徴とする半導体パッケージの含水率管理装置、により達成される。
この発明によれば、半導体装置の実質的な除湿(ベーキングなど)後において保管や検査などの種々の工程iごとに環境温度T(i)と環境湿度RH(i)と処理時間t(i)とにより到達含水率m(x、i)を求めているから、各工程i毎の寄与を個別に求めて最終的な到達含水率を求めることができる。このため、工程数iが複数であっても精度の高い最終到達含水率を求めることができ、防湿包装時の含水率を許容含水率以下にしてクラック発生を確実に予防することができる。
最終到達含水率m(x、n)を求める計算方法としては種々考えられる。各工程(i)ごとにその直前の工程(i−1)での到達含水率m(x、i−1)を用いる方法では、到達含水率m(x、i−1)を計算するためにはその前の到達含水率m(x、i−2)が必要になるから、結局各工程1〜nまで順に計算を行うことになる。この計算は各工程(i)における含水率の増加分Δm(x、i)を各工程(i)ごとに計算し、最後にこれらの総和により最終到達含水率m(x、n)を求めてもよい(請求項2)。
本発明の方法は次のように構成してもよい。すなわち、半導体素子を樹脂で気密封止した半導体パッケージを防湿包装するために用いる吸水率管理方法であって、
a.パッケージの許容含水率m0と、総工程数n(但しn≧2)と、ベーキング後の含水率m(b)とを設定し、m(b)=m(x、0)と置く、
b.ベーキングする、
c.工程iの所要時間t(i)と、環境温度T(i)と、環境湿度RH(i)とを設定し、
d.環境温度T(i)における環境湿度RH(i)に対応する平衡含水率m(i)を求め、
e.工程iにおける含水率の変化分Δm(i)を請求項1のΔm(x、i)の式により求め、
f.i=nになるまで工程c〜eを繰り返し、
g.各工程i〜nの含水率変化Δm(i)の総和mを次式により求め、
m=m(x、0)+Δm(1)+Δm(2)+…Δm(i)
h.m<m0ならパッケージの含水率mは許容範囲として気密包装後出荷を行い、m≧m0なら警告を発してパッケージは再びベーキングに戻すよう指示する、
以上の各工程a〜hを順に行う半導体パッケージの含水率管理方法。
この方法は各工程iごとの変化分Δmを求めてこれらの総和を最終到達含水率mとするものである。この方法に代えて、各工程iごとに到達含水率m(x、i)を求めてもよい(請求項5)。なお請求項3の工程aとbとを逆にしてもよいのは勿論である(請求項4)。なおこの演算は数式に基づいて計算してもよいが、数式に代えて数式に対応する関数パターン(グラフ)をテーブル化して記憶しておき、所望の変数値に対応する数値を求めることによって計算と実質的に同じ結果を得てもよい。
請求項の含水率管理装置において、含水率演算部は各工程(i)ごとの変化量Δm(x、i)を計算しておき、最後の全ての変化Δm(x、i)の総和を最終到達含水率m(x、n)とするものである。含水率演算部は各工程i毎に到達含水率m(x、i)を演算してもよい(請求項)。平衡含水率演算部は吸湿状態図のグラフをテーブルとして予めメモリしておき、このテーブルを用いて所望の変数値に対応する数値を読出すことによって平衡含水率m(i)を求めてもよい(請求項)。以上説明した実施の形態では含水率の管理対象は半導体パッケージに限定して説明しているが、この発明は樹脂の含水率の変化に着目したものであるから、コイル、コンデンサ、および抵抗等の受動部品で樹脂でモールドされている電子部品、例えば表面実装用のチップ型電子部品、ならびに樹脂や導体を積層して構成されるプリント配線板の含水率の管理にも使用できることはいうまでもないことである。
図1は本発明の一実施例の概念図、図2はその動作流れ図、図3は主コンピュータの構成を示す機能のブロック図、図4は平衡含水率の演算方法を説明するための吸湿状態図である。
図1において完成したICパッケージを密封包装して出荷するまでの手順すなわち処理工程を説明する。完成したICパッケージ10は最初の工程であるベーキング工程(0)において所定時間、所定の温度でベーキングされる。この結果パッケージ10の含水率はm(b)となる。この含水率m(b)は通常0とすることができる。このベーキング工程(0)の終了信号は主コンピュータ12に送られ、パッケージ10は次の工程(1)に搬送される。また主コンピュータ12にはこの時の含水率m(b)と、総工程数nと、許容含水率m0が入力される(図2、ステップS100)。ここでは含水率m(b)=mと置く。
パッケージ10が送られる次の工程(1)は、例えば保管であり、保管場所の環境湿度(相対湿度)RH(1)、環境温度T(1)は一定である。これらのデータRH(1)、T(1)と、この工程(1)に搬入した時刻t(1s)と搬出した時刻t(1e)とは、入力端末装置である端末コンピュータ14に入力され、これらは主コンピュータ12に送られる。なお時刻t(1s)、t(1e)に代えて工程(1)の処理時間t(1)=t(1e)−t(1s)を送ってもよい。
主コンピュータ12は、図3に示す機能を持つ。すなわち図4に示す吸湿状態図をマップとして記憶するマップ記憶部12A、平衡含水率演算部12B、含水率演算部12C、メモリ12D、判定部12E等を持つ。
主コンピュータ12では工程数を示す指数iをまず1に置いた後(ステップS102)、これらのデータt(1s)、t(1e)、T(1)、RH(1)を読込む(ステップS104)。そして次にこの工程(1)の平衡含水率m(1)を求める(ステップS106)。この平衡含水率m(1)は、環境温度T(1)かつ環境湿度RH(1)の中にパッケージ10を放置した時に到達し得る含水率であり、単位はパッケージの樹脂重量に対する水分重量であり、%、ppmである。
図4は、環境湿度RHと平衡含水率mとの関係を、環境温度Tをパラメータとして示した吸湿状態図(模式図)である。この図4で横軸は環境湿度(相対湿度)RH(単位は%)、縦軸は平衡含水率m(単位は%)、である。主コンピュータ12はこの図4の状態図を例えばマップ形式でマップ記憶部12Aにメモリしておき、環境湿度RH(1)、環境温度T(1)から平衡含水率m(1)を求める。
この演算は平衡含水率演算部12Bで行われる。すなわち、入力端末装置14Aから入力される工程(1)の環境温度T(1)と環境湿度RH(1)に基づき、図4のグラフから対応する平衡含水率m(1)を求めるものである。この演算部12Bは図4を用いるのに代えて所定の数式を用いて計算してもよい。この計算式については後記する。
主コンピュータ12はこの求めた平衡含水率m(1)などを用いて含水率の変化Δm(1)を次の数式、
Δm(i)=F{m(i)、m、T(i)、t(i)}
但しi=1
により求める(ステップS108)。この数式については後記する。
主コンピュータ12はこの計算結果Δm(1)を用いて、この工程(1)における時間t(1)経過後に到達する含水率(到達含水率)m(x、1)を求める(ステップS110)。この演算は含水率演算部12Cで行い、演算中に用いる工程(i)の結果は適宜にメモリ12Dにメモリしておく。ここに図2のステップ110でm(b)を加えたのは、この工程(1)に入る時の含水率がベーキング直後の含水率m(b)であることによる。
主コンピュータ12は全工程nまで終わっているか否かを判定し(ステップS112)、終わっていなければ工程(1)を工程(2)にし(i=i+1、ステップS114)、ステップS104〜112を繰り返す。図1の14B、14Cは工程(2)、(3)で用いる入力端末装置としての端末コンピュータである。i=nとなるまで全ての工程を終わると、その時の到達含水率m(x、n)が最終到達含水率mとなるから、これを許容含水率m0と比較する(ステップS116)。この比較は判定部12Eで行う。最終到達含水率m(x、n)が許容含水率m0より小さければ、パッケージ10は次の包装工程に送られ、密封包装されて(ステップS118)、出荷される(ステップS120)。m(x、n)がm0より大であればパッケージ10は含水率が大きすぎるので不良品であるとして除外すると共に警告を発し(ステップS122)、再ベーキングを指示する(ステップS124)。
前記実施例1では、含水率演算部12Cは各工程(i)における含水率の変化Δm(x、i)を求め(S108)、これを積算することによって(S110)、最終到達含水率m(x、n)=mを求めていた。この計算は他の計算方法で行ってもよい。例えば変化Δm(x、i)を用いずに直接各工程(i)ごとに到達含水率m(x、i)を求めてもよい。
図5はその場合の動作流れ図である。この実施例2では、ステップS150において次式の演算を行う。そしてi=nとなるm(x、n)を最終到達含水率mとする(ステップS152)。
m(x、i)=F{m(i)、m(x、i−1)、T(i)、t(i)}+m(x、i−1)
この方法によれば図におけるステップS110が不用になる。なお図5では図と同一ステップに同一符号を付したのでその説明は繰り返さない。
次に到達含水率m(x、i)の計算方法について説明する。すなわち図2のステップS108のΔm(x、i)=F{…}の式や、図5のステップS150のm(x、i)=F{…}+m(x、i−1)の式は、後者m(x、i)が前者Δm(x、i)の総和であることから、以下Δm(x、i)について説明する。この計算は例えば次の式I、I′により行うことができる。
Figure 0005013528
ここに、K、Nは有機樹脂材料毎および内部微細組織構造によって決まる材料常数である。この式Iは、含水率の変化Δm(x、i)を工程(i)の環境中に置いたパッケージの初期含水率m(x、i−1)と平衡含水率m(i)との差(最大の差){m(i)−m(x、i−1)}が、経過時間t(i)と比例定数Kの積の1/N乗の指数関数として近似したものである。この式I、I′については同一出願人の出願である特願2006−254135に詳細に説明されている。
Δm(x、i)は、次の式II、II′により計算してもよい。
Figure 0005013528
ここに、α0、QK、β0、QNは有機樹脂材料毎および内部微細組織構造によって決まる材料常数、kはボルツマン常数とする。
この式IIは前記式I、I′おける常数KとNを温度依存性を持つものとし、アレニウス型近似式として次の式III、IVを用いたものである。
Figure 0005013528
Figure 0005013528
α0、β0;常数、 Q;活性化エネルギー T;絶対温度 k;ボルツマン常数
次に平衡含水率m(i)の計算方法について説明する。図2、5のステップS106では図4に示す吸湿状態図をマップとしてメモリしておき、このマップからm(i)を読出す方法を用いているが、このm(i)は次の式Vを用いて計算により求めることもできる。
Figure 0005013528
ここでψは温度Tにおける湿度(0<ψ≦1.0)であり、RH(i)と同じもの。γ0、Qm0、Qm、nは有機樹脂材料毎および内部微細組織構造によって決まる材料常数とする。この式Vに代えて次の式VIを用いることもできる。
Figure 0005013528
ここで、V0、QVは飽和水蒸気圧を決定する常数、S0、QS0、nは有機樹脂材料毎および内部微細組織構造によって決まる材料常数とする。
前記式IIでは吸湿特性は2次元的な吸着現象を前提にしたものであり、板厚等材料内部構造に関する情報を常数K、Nの中に押し込めている。従って、α0、β0は内部構造を代表するパラメータの関数となっている。しかし現実の吸着特性は材料厚により変化する。
水分の移動が分子のランダムウォークによる拡散現象が支配的な場合には、拡散距離は時間の1/2乗に比例する。従って3次元的な材料内部への吸湿を考慮すると、吸湿に要する時間tは、材料厚など拡散方向の距離の2乗に反比例するはずである。従ってこの関数をα0については水分移動方向の厚みHの−δ乗に比例する次の式VIIで仮定できる。
Figure 0005013528
ここにHは水分が浸透する方向の厚み、α1、δは有機樹脂材料毎および内部微細組織構造によって決まる材料常数である。
β0については関係が明らかでないため便宜的に多項式近似である式IIXと仮定する。
Figure 0005013528
ここにβ1、β2、β3…は有機樹脂材料毎および内部微細組織構造によって決まる材料常数とする。
本発明の一実施例である概念図 同じく動作流れ図 主コンピュータの機能を示すブロック図 平衡含水率mと環境湿度RHとの関係を示す吸湿状態図 他の実施例の動作説明図
10 半導体パッケージ
12 主コンピュータ
12A マップ記憶部
12B 平衡含水率演算部
12C 含水率演算部
12D メモリ
12E 判定部
14A〜C 入力端末装置

Claims (8)

  1. 半導体素子を樹脂で気密封止した半導体パッケージを複数の工程を経て防湿包装するための半導体パッケージの含水率管理方法であって、
    工程(i)に入る時の前記半導体パッケージの含水率m(x、i−1)を基準にしてこの工程(i)で時間t(i)後に到達する含水率m(x、i)を次式により求め、
    m(x、i)=F{m(i)、m(x、i−1)、T(i)、t(i)}+m(x、i−1)
    但しT(i)は、工程(i)の環境温度T(i)、
    t(i)は、工程(i)の所要時間、
    m(i)は、工程(i)の環境湿度RH(i)に対応する平衡含水率、
    ここに前記の式FをF≡Δmと定義して次式により求め、

    吸湿変化{m(i)≧m(x、i−1)の時}においては、
    Figure 0005013528
    乾燥過程{m(i)<m(x、i−1)の時}においては、同様に
    Figure 0005013528
    最後の工程(n)で時間t(n)経過後に到達する最終到達含水率m(x、n)を許容含水率m0と比較することによって、防湿包装・出荷の可否を判定することを特徴とする半導体パッケージの含水率管理方法。
  2. 最終到達含水率m(x、n)は、各工程(i)における到達含水率m(x、i)の変化Δm(x、i)=m(x、i)−m(x、i−1)の総和により求める請求項1の半導体パッケージの含水率管理方法。
  3. 半導体素子を樹脂で気密封止した半導体パッケージを防湿包装するために用いる含水率管理方法であって、
    a.パッケージの許容含水率m0と、総工程数n(但しn≧2)と、ベーキング後の含水率m(b)とを設定し、m(b)=m(x、0)と置く、
    b.ベーキングする、
    c.工程iの所要時間t(i)と、環境温度T(i)と、環境湿度RH(i)とを設定し
    d.環境温度T(i)における環境湿度RH(i)に対応する平衡含水率m(i)を求め、
    e.工程iにおける含水率の変化分Δm(i)を前記請求項1のΔm(x、i)の式により求め、
    f.i=nになるまで工程c〜eを繰り返し、
    g.各工程1〜nの含水率変化Δm(i)の総和を用いて最終到達含水率mを次式により求め、
    m=m(x、0)+Δm(1)+Δm(2)+…Δm(n)
    h.m<m0ならパッケージの含水率mは許容範囲として防湿包装後出荷を行い、m≧m0なら警告を発してパッケージは再びベーキングに戻すよう指示する、
    以上の各工程a〜hを順に行う半導体パッケージの含水率管理方法。
  4. 工程aとbの順を逆にする請求項3の半導体パッケージの含水率管理方法。
  5. 請求項3または4において、工程e、f、gを以下の工程e′、f′、g′、
    e′.工程iにおける到達含水率m(x、i)を前記請求項3の工程gに示したmの式により求め、
    f′.i=nになるまで工程c、d、e′を繰り返し、
    g′.m(x、n)を最終到達含水率mとし、
    とした請求項3または4に記載の半導体パッケージの含水率管理方法。
  6. 半導体素子を樹脂で気密封止した半導体パッケージを防湿包装するための装置であって、
    半導体パッケージをベーキング処理するベーキング装置と;
    ベーキング処理完了時の半導体パッケージの含水率m(x、0)および許容含水率m0の入力端末装置と、
    ベーキング後から保管および検査を含む防湿包装までの複数の工程iにおける開始・終了時間t(is)、t(ie)と、環境温度T(i)と、環境湿度m(i)の入力端末装置と;
    前記環境温度T(i)における前記環境湿度RH(i)に対応する平衡含水率m(i)を求める平衡含水率演算部と;
    各工程(i)の入力端末装置から入力されるデータに基づいて各工程(i)における半導体パッケージの含水率変化Δm(x、i)を請求項1に記載した式により算出し、それらの総和を用いて最終到達含水率m=m(x、0)+ΣΔm(i)を求める含水率演算部と;
    m<m0なら気密包装後出荷を指示し、m≧m0なら再ベーキングを指示する判定部と;
    を備えることを特徴とする半導体パッケージの含水率管理装置。
  7. 請求項において、含水率演算部を、
    工程iにおける到達含水率m(x、i)を請求項1に記載された式により求め、m(x、n)を最終到達含水率mとする含水率演算部;
    とした請求項の半導体パッケージの含水率管理装置。
  8. 平衡含水率演算部は、環境温度T(i)をパラメータとして湿度RH(i)に対する含水率m(i)の変化を示す吸湿状態図をマップあるいはテーブルとして予めメモリしておき、この吸湿状態図を用いて平衡含水率m(i)を求める請求項6または7の半導体パッケージの含水率管理装置。
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