以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態の概要を示す図である。図1に示すネットワーク構成管理装置1は、ネットワークの構成変化の前後におけるネットワーク構成の変化を管理する。ネットワーク構成管理装置1は、算出手段1a、決定手段1b、生成手段1c、出力手段1d、比較元構成情報記憶手段1eおよび比較先構成情報記憶手段1fを有する。ネットワーク構成管理装置1は、ネットワーク構成管理プログラムにより、コンピュータが以下のように機能するものである。
算出手段1aは、比較元構成情報記憶手段1eに記憶されている比較元構成情報と比較先構成情報記憶手段1fに記憶されている比較先構成情報とに基づいて、構成変化の前におけるネットワークが有するノードと構成変化の後におけるネットワークが有するノードとの類似度を算出する。
ノード同士の類似度は、構成変化の前のネットワークが有するノードのうちのあるノードおよび構成変化の後のネットワークが有するノードのうちのあるノードが、対応ノードであるか否かの決定に用いられる。
対応ノードは、構成変化の前後においてネットワーク構成上対応するノードであり、例えば、構成変化の前後において同一の機器である同一ノード、構成変化の前後において属性や接続状況の一部が同一であり他の部分が異なる変更ノードが該当する。この変更ノードは、例えば、構成変化の前後において、機器の交換または設定変更などにより機器は異なるが同一または類似の役割を有するノード、または同一の機器であるが設定、アドレス、接続されているノードが変更されたノードなどがある。
決定手段1bは、類似度に基づいて、構成変化の前後においてネットワークが有するノードのうちの1つのノードと対応するノードである対応ノードを決定する。
生成手段1cは、対応ノードに基づいて、構成変化の前後におけるノードの対応関係を示す構成比較結果情報を生成する。
出力手段1dは、構成比較結果情報を出力する。出力手段1dから出力された構成比較結果情報に基づいて、ネットワーク構成の比較結果を示す構成比較結果情報が図示しない表示手段に表示される。この表示手段は、ネットワーク構成管理装置1が有するものであってもよく、ネットワーク構成管理装置1とは別に設けられたものであってもよい。
また、出力手段1dから出力された構成比較結果情報は、図示しないコンピュータまたは記憶装置等に記憶されてもよい。この場合、記憶された構成比較結果情報は、必要に応じて読み出されおよび表示される。
比較元構成情報記憶手段1eは、構成変化の前のネットワークの構成を示す比較元構成情報を記憶する。比較元構成情報は、構成変化の前のネットワークの構成を示す情報である。ここで、ネットワークの構成を示す情報には、具体的には、ノードの機器のIPアドレス、MACアドレス、ホスト名、ポート数、機器の種類などの機器に固有の情報、接続されている隣接ノード数隣接ノードなどの接続状況を示す情報などがある。
比較先構成情報記憶手段1fは、構成変化の後のネットワークの構成を示す比較先構成情報を記憶する。比較先構成情報は、構成変化の後のネットワークの構成を示す情報である。
このようなネットワーク構成管理装置1によれば、比較元構成情報記憶手段1eにより、比較元構成情報が記憶されている。比較先構成情報記憶手段1fにより、比較先構成情報が記憶されている。算出手段1aにより、比較元構成情報と比較先構成情報とに基づいて、ノード同士の類似度が算出される。決定手段1bにより、類似度に基づいて対応ノードが決定される。生成手段1cにより、対応ノードに基づいて構成比較結果情報が生成される。出力手段1dにより、構成比較結果情報が出力される。
これによって、比較元構成情報と比較先構成情報とに基づいて算出されたノード同士の類似度から対応ノードが決定され、対応ノードに基づいて構成比較結果情報が生成されるので、構成変化の前後において構成情報が完全には一致しないネットワーク機器について類似度を用いることでネットワークの構成情報を管理することが可能になる。
以下、本実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図2は、本実施の形態のネットワークシステムの構成例を示す図である。図2では、例として、管理サーバ100、サーバ21,22およびクライアント31〜34が、スイッチ41〜43およびルータ50を介して相互に接続されることによって構成されたLAN(Local Area Network)10によるシステムを示している。管理サーバ100、サーバ21,22は、それぞれスイッチ41を介してルータ50に接続され、これらの機器により1つのセグメントが構成されている。クライアント31,32は、スイッチ42を介してルータ50に接続され、クライアント33,34は、スイッチ43を介してルータ50に接続されており、これらの機器により1つのセグメントが構成されている。各機器の間は、1つ以上の物理リンク(例えば、ネットワークケーブル)で接続されている。
スイッチ41〜43は、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルのネットワーク層でパケットの送信先を判断して転送するL3(Layer 3)スイッチである。なお、これに限らずスイッチ41〜43は、OSI参照モデルのデータリンク層でパケットの送信先を判断して転送するL2(Layer 2)スイッチであってもよい。
ルータ50は、セグメント間で送受信されるパケットを中継し、その中継時には、パケットのヘッダに付加された送信側セグメント上のIPアドレスを、受信側セグメント上のIPアドレスに変換する。
このネットワークシステムにおいて、ネットワーク構成管理機能は管理サーバ100に実装されている。なお、同様なネットワーク構成管理機能を、他のサーバやクライアント、ネットワーク外部のコンピュータ等その他のコンピュータに実装させてもよい。
図3は、管理サーバのハードウェア構成を示す図である。図3に示す管理サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス107を介してRAM(Random Access Memory)102、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105および通信インタフェース106が接続されている。
RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。HDD103には、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
グラフィック処理装置104には、モニタ11が接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ11の画面に表示させる。入力インタフェース105には、キーボード12とマウス13とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード12やマウス13から送られてくる信号を、バス107を介してCPU101に送信する。
通信インタフェース106は、LAN10等のネットワークに接続されている。通信インタフェース106は、これらのネットワークを介して、他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う。
なお、サーバ21,22、クライアント31〜34も、管理サーバ100と同様のハードウェア構成によって実現される。
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。
図4は、管理サーバの構成を示すブロック図である。図4に示す管理サーバ100は、ネットワークの構成変化の前後におけるLAN10(図2において前述)などのネットワークの構成情報を管理する。管理サーバ100は、算出部111、決定部112、生成部113、出力部114、重み情報記憶部131、比較元構成情報記憶部141、比較先構成情報記憶部151、類似度算出情報記憶部161および類似度一覧情報記憶部171を有する。管理サーバ100は、ネットワーク構成管理プログラムにより以下のように機能するものである。
算出部111は、比較元構成情報記憶部141に記憶されている比較元構成情報と比較先構成情報記憶部151に記憶されている比較先構成情報とに基づいて、構成変化の前におけるネットワークが有するノードである比較元ノードと、構成変化の後におけるネットワークが有するノードである比較先ノードとの類似度を算出する。
ノード同士の類似度は、構成変化の前のネットワークが有するノードのうちのあるノードおよび構成変化の後のネットワークが有するノードのうちのあるノードが、対応ノードであるか否かの決定に用いられる。
対応ノードは、構成変化の前後においてネットワーク構成上対応するノードであり、例えば、構成変化の前後において同一の機器である同一ノード、構成変化の前後においてノードの機器固有の属性(ノード固有属性)や接続状況の一部が同一であり他の部分が異なる変更ノードが該当する。この変更ノードは、例えば、構成変化の前後において、機器の交換または設定変更などにより機器は異なるが同一または類似の役割を有するノード、または同一の機器であるが設定、アドレス、接続されているノードが変更されたノードなどがある。
また、算出部111は、構成変化の前のネットワークが有するノードに隣接する他のノード数と構成変化の後のネットワークが有するノードに隣接する他のノード数とが一致する場合には、類似度が高くなるように算出する。
また、算出部111は、比較元隣接情報と比較先隣接情報とに基づいて、構成変化の前後におけるネットワークが有するノードに隣接する他のノードの一致の程度を示す隣接評価値を算出する。さらに算出部111は、類似度を隣接評価値が示す一致の程度が高いほど高くなるように算出する。
隣接評価値は、例えば、構成変化の前のネットワークが有するノードに隣接する他のノード数と構成変化の後のネットワークが有するノードに隣接する他のノード数とのうち大きい方の値を隣接係数とし、変化の前後におけるノードに隣接するノードの一致数と隣接係数との積として算出される。
このとき算出部111は、比較元ノードの比較元構成情報と比較先ノードの比較先構成情報との類似度の算出の際に、詳しくは図8において後述する類似度算出情報を生成し、生成した類似度算出情報を一旦、類似度算出情報記憶部161に記憶させる。次に算出部111は、類似度算出情報記憶部161に記憶された類似度算出情報を読み出して類似度を算出し、算出した類似度を類似度算出情報に追加して類似度算出情報記憶部161に記憶させる。算出部111は、これらの処理を各ノード同士の組み合わせについて繰り返す。その後、算出部111は、各ノード同士の組み合わせについて算出した類似度に基づいて類似度一覧情報を生成し、類似度一覧情報記憶部171に記憶させる。
決定部112は、類似度一覧情報記憶部171に記憶されている類似度一覧情報に基づいて、ノードが構成変化の前後において対応するノードである対応ノードを決定する。このとき決定部112は、構成変化の前後におけるネットワークが有するノード同士のうち類似度が最も高いノード同士の組み合わせを対応ノードに決定する。これにより、このときの組み合わせの比較元ノードの対応ノードは、その組み合わせの比較先ノードに決定される。また、このときの組み合わせの比較先ノードの対応ノードは、その組み合わせの比較元ノードに決定される。
また、決定部112は、類似度一覧情報に基づいて対応ノードを決定した後、新たな対応ノードの決定に基づいて、比較先構成情報を更新する。算出部111により、更新された比較先構成情報に基づいて類似度が算出される。さらに決定部112により、新たに算出された類似度に基づいて対応ノードが決定される。詳しくは図10〜図27において後述するが、以後、算出部111および決定部112によるこれらの処理が繰り返されることにより、構成変化の前後のネットワークにおけるすべての対応ノードが決定されていく。
また、決定部112は、類似度が閾値未満であるノード同士は対応ノードでないと決定する。これにより、比較元ノード集合および比較先ノード集合に類似度が閾値未満のノード同士しか残っていない場合には、対応ノードの決定が終了される。このため、類似度が低いノード同士は、対応ノードでない「異なるノード」として扱うことができる。
生成部113は、対応ノードの決定が終了すると、決定された対応ノードに基づいて、構成変化の前後におけるノードの対応関係を示す構成比較結果情報を生成する。このとき生成部113は、構成比較結果情報を、比較元構成情報と比較先構成情報とに基づいて、対応ノードのうち構成変化の前後においてネットワークにおける状態が変化した変更ノードを示すように生成する。また、生成部113は、構成比較結果情報を、比較元構成情報と比較先構成情報とに基づいて、対応ノードのうち構成変化の前後において接続が変化したリンクを示すように生成する。
出力部114は、構成比較結果情報を出力する。出力部114から出力された構成比較結果情報に基づいて、ネットワーク構成の比較結果を示す構成比較結果情報が例えば管理サーバ100に接続されたモニタ11(図2において前述)などの表示装置に表示される。なお表示装置は、管理サーバ100とは別に設けられたものであってもよい。この比較結果を示す表示は、詳しくは図28〜図33において後述する。
また、出力部114から出力された構成比較結果情報は、図示しないコンピュータまたは記憶装置等に記憶されてもよい。この場合、記憶された構成比較結果情報は、必要に応じて読み出されおよび表示される。
重み情報記憶部131は、比較判定処理においてネットワーク構成変化の前後のノード同士の類似度を判定する際の重みを定義する重み情報を記憶している。重み情報については、詳しくは図5において後述する。
比較元構成情報記憶部141は、構成変化の前のネットワークの構成を示す比較元構成情報を記憶する。比較元構成情報は、構成変化の前のネットワークの構成を示す情報であり、構成変化の前のネットワークが有するノードの属性を示す比較元属性情報および構成変化の前のネットワークが有するノードの接続状況を示す比較元接続情報を有する。また、比較元接続情報は、構成変化の前のネットワークが有するノードと接続されている他のノードを示す比較元隣接情報を有する。比較元接続情報については、詳しくは図6において後述する。
ここで、ネットワークの構成を示す情報には、具体的には、ノードの機器のIPアドレス、MACアドレス、ホスト名、ポート数、機器の種類などのノードの機器に固有のノード固有属性を示す情報、接続されている隣接ノード数隣接ノードなどの接続状況を示す接続関係を示す情報などがある。
比較先構成情報記憶部151は、構成変化の後のネットワークの構成を示す比較先構成情報を記憶する。比較先構成情報は、構成変化の後のネットワークの構成を示す情報である。構成変化の後のネットワークが有するノードの属性を示す比較先属性情報および構成変化の後のネットワークが有するノードの接続状況を示す比較先接続情報を有する。また、比較先接続情報は、構成変化の後のネットワークが有するノードと接続されている他のノードを示す比較先隣接情報を有する。比較先接続情報については、詳しくは図7において後述する。
類似度一覧情報記憶部171は、ネットワークの構成変化の前後におけるネットワークが有する各ノード同士の類似度を示す類似度一覧情報を記憶する。算出部111によって各ノード同士について類似度が算出されると、算出された各ノード同士の類似度に基づいて類似度一覧情報が生成される。類似度一覧情報については、詳しくは図9において後述する。
本実施の形態では、レイヤ2構成情報をネットワーク構成情報としてノード同士の類似度を算出して対応ノードを決定する。
ここで、レイヤ2構成情報とは、特定のLANの範囲に接続された機器のIPアドレスやMACアドレス、ホスト名等の機器情報と、それらの機器がどのように結線されているかという結線情報の一部またはすべてを含む情報で、ネットワークの構成を管理するための情報である。
レイヤ2レベルのネットワーク構成は、論理的にツリー構造となっている。一般的にツリー構造の分岐点または端点は「ノード」と呼ばれ、レイヤ2レベルのネットワーク構成ではルータやスイッチ、コンピュータ等のネットワーク機器がノードに対応し、ネットワーク機器のIPアドレスやMACアドレス等の情報はノードの「属性」に対応する。
また、ツリー構造のノード間の接続は「リンク」と呼ばれる。レイヤ2レベルのネットワーク構成では、ネットワーク機器間の結線(LANケーブルに相当)がリンクに対応する。
2つのレイヤ2構成情報を比較して構成の変化の前後のする代表的な目的は、「設計したネットワークの構成」と「実際の構成」とを比較してネットワークが正しく構築できたことを確認する、「ネットワーク管理者が管理している構成」と「実際の構成」とを比較して管理対象外の装置が接続されたことや、無許可での装置の移設を確認する、ネットワーク機器(スイッチ等)を交換または移設する際にその前後の構成を比較して正しく交換あるいは移設できたことを確認する等である。
レイヤ2構成情報では、ネットワーク機器が「ノード」に対応し、ネットワーク機器に対応する各種の情報はノードの「属性」に、またネットワーク機器間の結線は「リンク」にそれぞれ対応する。
具体的には、ネットワーク機器の設定(IPアドレスやホスト名等)を変更した場合はノードの属性値が変化したことに対応する。また、ネットワーク機器の結線を変更した場合はノード間のリンク関係が変化したことに対応する。
すなわちレイヤ2構成情報の比較とは、2つのレイヤ2構成情報において、ノードの属性値の不一致やノード間のリンク関係の不一致を検出する仕組みであるということができる。
このとき特定の属性(例えばMACアドレス)をキーにすることで、2つのレイヤ2構成情報中に存在する同一のノード(同一の機器)を決定することにより、ノードの属性値の不一致や、リンク関係の不一致、ノード数の不一致を検出することができる。
本実施の形態ではレイヤ2構成情報を例に記載するが、構成情報は「ツリー構造」に限らず、「メッシュ構造」であるようなレイヤ3構成情報であってもよい。
ここで、レイヤ3構成情報とは、特定のLANまたはWANの範囲に接続された機器のIPアドレスやMACアドレス、ホスト名等の機器情報と、それらの機器がどのように結線されているかという結線情報の一部またはすべてを含む情報で、ネットワークの構成を管理するための情報である。
レイヤ3レベルのネットワーク構成は論理的にメッシュ構造となっている。一般的にメッシュ構造(無向グラフ)の分岐点または終点は「ノード」と呼ばれ、レイヤ2レベルのネットワーク構成と同様にルータ等のネットワーク機器に相当する。またノード間の接続は「エッジ」と呼ばれるが、レイヤ2レベルのネットワーク構成と同様にネットワーク機器間の結線に対応するため、本実施の形態では「リンク」と表現する。
レイヤ2構成情報とレイヤ3構成情報の主要な違いは「ツリー構造」であるか「メッシュ構造」であるかの違いである。つまり「ツリー構造」であるレイヤ2構成情報は特定の2ノード間を結ぶルートが唯一であるのに対して、「メッシュ構造」であるレイヤ3構成情報は特定の2ノード間を結ぶルートが複数存在する可能性があることが主要な相違点である。
次に、本実施の形態で使用されるデータのデータ構造例について説明する。
図5は、重みテーブルの構成例を示す図である。図5に示す重みテーブル131aは、管理サーバ100(図2において前述)によって作成および管理されている。重みテーブル131aは、比較判定処理においてネットワーク構成変化の前後のノード同士の類似度を判定する際の重みを定義する重み情報を格納するテーブルである。
重みテーブル131aには、構成比較処理(図12参照)において、ノードの類似度を判定する際の、重みを示す以下の項目とともに閾値を示す項目である“閾値”が設けられている。
重みを示す項目は、ノードの機器に固有の属性であるノード固有属性に付与される重みを示す項目および他のノードとの接続状態である接続関係に付与される重みを示す項目に分類される。各項目の縦方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、重み情報を構成する。
ノード固有属性は、ノードの機器に割り当てられているIPアドレスを示す“IPアドレス”、ノードの機器が有するMACアドレスを示す“MACアドレス”、ノードの機器を識別するための名称である“ホスト名”、ノードの機器が有する通信ポート数を示す“ポート数”、ノードの機器の種類を示す“装置種別”を有する。接続関係は、ノードに隣接するノードの数を示す“隣接ノード数”、ノードに隣接するノードの同一性を評価する値を示す“隣接ノード評価値”を有する。
ここで、上記各ノード固有属性は、構成変化の前後において一致しており変化がなければ、その項目の重みの値がそのノードの比較の類似度に付与される。この類似度は、図11において後述するように、ノード同士の比較の組み合わせごとに設けられる値である。構成比較処理では、類似度が高い組み合わせから順に、同一のノードであると判定されて除外されていく。同一である類似度が閾値以上である組み合わせがなくなった場合には、構成比較処理は終了する。
例えば、構成変化の前後においてあるノードのIPアドレスに変化がなければ、そのノードの比較の類似度に対して重みテーブルのIPアドレスに示された値である“15”が付与される。同様に構成変化の前後においてそのノードのMACアドレスに変化がなければ、そのノードの比較の類似度に対して重みテーブルのMACアドレスに示された値である“25”がさらに付与される。これによりそのノードの比較の類似度は合計して40になる。一方、ノード固有属性の値が構成変化の前後において変化している項目については、そのノードの類似度に対してその項目の値は付与されない。例えば、構成変化の前後においてあるノードのホスト名が変化していれば、そのノードの比較の類似度に対して重みテーブルのホスト名に示された値である“10”は付与されない。
隣接ノード数は、上記各ノード固有属性の項目と同様、構成変化の前後において一致しており変化がなければ、その項目の重みの値がそのノードの比較の類似度に付与される。
隣接ノード評価値は、隣接ノードの同一性を評価する値であり、ノードに隣接するノードが構成変化の前後において同一である場合に、同一であるノード1つにつき所定の値(例えば、30÷α)がそのノードの比較の類似度に付与される。
ここで、αは構成変化の前における比較元ノードの隣接ノード数および構成変化の後における比較先ノードの隣接ノード数うちの大きい方の隣接ノード数の値である。例えば、後述する図11に示すノード203aおよび後述する図20に示すノード303dを比較する場合、ノード203aはノード201a,205a,206aと隣接しているので、隣接ノード数は3である。同様にノード303dはノード201d,304d,305d,206dと隣接しているので、隣接ノード数は4である。したがって、この場合のαは、大きい方の隣接ノード数の値である4となる。
構成変化の前後において、比較されているノードに隣接する同一のノード1つにつきαがノードの類似度に対して付与される。例えば上記ノード203aおよびノード303dを比較する場合の例では、それぞれに隣接するノードのうちの同一のノードは、この時点では、ノード201(ノード201a,ノード201d)およびノード206(ノード206aおよびノード206d)の2つであるため、(30÷α)×2=(30÷4)×2=15がノード203およびノード303の比較において類似度として付与される。
なお、αは、比較元ノードおよび比較先ノードの比較においてそれぞれの隣接ノードのすべてが完全に一致した場合に、本項目によって類似度に付与される値(重み)が、閾値の値である“30”となるように、隣接しているノード数に応じて重み付け値を調整する目的で定めた値であるが、これに限らず必要に応じて定めることができる。また、隣接ノードの同一性については、αを用いることなく適切に評価してもよい。
本実施の形態では、重み情報は、ネットワークの管理者による管理サーバ100への入力および管理サーバ100によるLAN10からの自動的な情報収集等によって作成され、管理サーバ100のHDD103(図3において前述)に格納される。
図6は、比較元構成テーブルの構成例を示す図である。図6に示す比較元構成テーブル141aは、管理サーバ100(図2において前述)によって作成および管理されている。比較元構成テーブル141aは、構成変化前におけるLAN10(図2において前述)を構成する各ノードの機器固有の属性および接続状況を示す比較元構成情報を格納するテーブルである。
比較元構成テーブル141aには、構成変化前のLAN10を構成するノードを示す項目である“ノード”、そのノードに隣接しているノードを示す項目である“隣接ノード”の他、そのノードの属性を示す項目であり、図5において前述した重みテーブル131aに含まれている“ノード”、“IPアドレス”、“MACアドレス”、“ホスト名”、“ポート数”、“装置種別”、“隣接ノード数”が設けられている。各項目の縦方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、比較元構成情報を構成する。
本実施の形態では、比較元構成情報は、ネットワークの管理者による管理サーバ100への入力および管理サーバ100によるLAN10からの自動的な情報収集等によって作成され、管理サーバ100のHDD103(図3において前述)に格納される。
なお、本実施の形態では、装置種別において、サーバと通常の端末装置とを区別せずにPCとして同一の区分に分類するが、これに限らず、これらを区別して管理してもよい。
図7は、比較先構成テーブルの構成例を示す図である。図7に示す比較先構成テーブル151aは、管理サーバ100(図2において前述)によって作成および管理されている。比較先構成テーブル151aは、構成変化後におけるLAN10(図2において前述)を構成する各ノードの機器固有の属性および接続状況を示す比較先構成情報を格納するテーブルである。
比較先構成テーブル151aには、構成変化後のLAN10を構成するノードを示す項目である“ノード”の他、比較元構成テーブル141a(図6において前述)と同様、“IPアドレス”、“MACアドレス”、“ホスト名”、“ポート数”、“装置種別”、“隣接ノード数”、“隣接ノード”が設けられている。各項目の縦方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、比較先構成情報を構成する。この比較先構成情報は、変更前のLAN10の構成を示す比較元構成情報(図6において前述)よりも新しい構成情報である。
本実施の形態では、比較先構成情報は、ネットワークの管理者による管理サーバ100への入力および管理サーバ100によるLAN10からの自動的な情報収集等によって作成され、管理サーバ100のHDD103(図3において前述)に格納される。
図8は、類似度算出テーブルの構成例を示す図である。図8に示す類似度算出テーブル161aは、管理サーバ100(図2において前述)によって作成および管理されている。類似度算出テーブル161aは、構成比較処理(図10参照)における構成変化の前後のノード同士の類似度を算出するためのテーブルである。類似度算出テーブル161aは、構成変化の前後のノードにおいて比較される組み合わせごとに作成される。
類似度算出テーブル161aには、類似度を示す項目である“類似度”の他、“IPアドレス”、“MACアドレス”、“ホスト名”、“ポート数”、“装置種別”、“隣接ノード数”、“隣接ノード評価値”が設けられている。
類似度算出テーブル161aには、“値”の列には、重みテーブル131a(図5において前述)で定義されている重みの値が格納される。また、類似度算出テーブル161aには、類似度の算出のために選択された構成変化前のノード(例えば、ノード201)の比較元構成情報(図6において前述)および構成変化後のノード(例えば、ノード301)の比較先構成情報(図7において前述)、構成変化前後のノートの構成情報の比較結果が格納される。ここで、隣接ノード評価値の構成変化前後の各ノードに対応する項目には、各比較ノードの隣接ノードが格納される。
この比較結果は、類似度算出テーブル161aの項目ごとに構成変化前後のノードについて比較され、その結果が比較結果に格納される。具体的には、比較された構成変化の前後のノードの構成情報の項目の示す内容が一致していれば、その項目に対応する重みの値がその項目の比較結果に格納される。一方、比較された構成変化の前後のノードの構成情報の項目の示す内容が一致していなければ、その項目の比較結果には0が格納される。
例えば、図8の例では、ノード201およびノード301のIPアドレスが一致しているので、IPアドレスの比較結果には、IPアドレスの重みの値である15が格納される。一方、隣接ノード評価値の項目に示されているノード201およびノード301の隣接するノードが一致していないので、隣接ノード評価値の比較結果には、0が格納される。
このようにして項目ごとの比較結果が決定されると、これらの比較結果の合計値が、比較されたノード同士の類似度として格納される。
本実施の形態では、各ノード同士の類似度は、管理サーバ100による構成比較処理の実行によって作成され、管理サーバ100のHDD103(図3において前述)に格納される。
なお、本実施の形態では、類似度の算出に類似度算出テーブル161aを用いるが、これに限らず、重みテーブル131a、比較元構成テーブル141a、比較先構成テーブル151aを参照して直接算出し、算出した値のみを格納してもよい。
図9は、類似度一覧テーブルの構成例を示す図である。図9に示す類似度一覧テーブル171aは、管理サーバ100(図2において前述)によって作成および管理されている。類似度一覧テーブル171aは、構成比較処理(図10参照)において算出されたノード同士の組み合わせの類似度を示す類似度一覧情報を格納するテーブルである。
類似度一覧テーブル171aには、類似度算出テーブル161a(図8において前述)に格納されている、構成比較処理によって算出されたノードの各組み合わせの類似度が格納される。構成比較処理では、これらの類似度に基づいて、対応ノードが決定される。この類似度は、後述する比較元ノード集合の要素であるノードおよび比較先ノード集合の要素であるノードのすべての組み合わせについて算出され、類似度算出テーブル161aに格納される。
本実施の形態では、各ノード同士の類似度は、管理サーバ100により類似度算出テーブル161aを参照して作成され、管理サーバ100のHDD103(図3において前述)に格納される。
次に、本実施の形態で実行される処理について説明する。
図10は、構成比較処理の手順を示すフローチャートである。図10に示す構成比較処理は、管理サーバ100が構成変化の前後のノード同士の組み合わせの類似度を算出し、算出した類似度に基づいて対応ノードを決定する処理であり、ネットワークの管理者等による構成比較機能の呼び出しによって実行される。
[ステップS11]管理サーバ100のCPU101は、構成変化の前および後のそれぞれにおけるLAN10の構成情報を取得し、構成情報に含まれる各ノードを識別するために、各ノードにノードIDを付与する。
これは、比較元ノードと比較先ノードの対応付けをするための、一意のノードIDを設定する処理である。この時点では比較元ノードと比較先ノードとの対応関係は不明であるため、すべてのノードに対して全体として一意のノードIDを設定する。またこの処理によって、対応ノードが決定されていない比較元ノードからなる比較元ノード集合にすべての比較元ノードを格納し、対応ノードが決定されていない比較先ノードからなる比較先ノード集合にすべての比較先ノードを格納する。
[ステップS12]CPU101は、すべてのノードについて対応ノードが決定されることにより、比較するノードがなくなったか否かを判定する。比較するノードがない場合には、CPU101は、ステップS18に処理を進める。一方、比較するノードが残っている場合には、CPU101は、ステップS13に処理を進める。
これは、比較対象がなくなったこと(ノードの対応付けが完了したこと)を確認するための処理である。
[ステップS13]CPU101は、比較元ノード集合の要素および比較先ノード集合の要素のすべての組み合わせについて比較することにより、それぞれの組み合わせの類似度を算出する。例えば、図6の例では、比較元ノード集合の初期値は、{201,202,203,204,205,206}となる。図7の例では、比較先ノード集合の初期値は、{301,302,303,304,305,306}となる。
これにより、比較元ノードと比較先ノードのすべての組合せに対して類似度が求められる。このとき既に対応ノードと判断されているノード同士の組み合わせは、ステップS15において同一のノードIDが付与される。これに基づいて、ノードIDが変化したノードに接続されているノードは、接続関係の類似度が前回の類似度の算出時から変化する。
[ステップS14]CPU101は、ステップS13で算出した類似度の最大値が、重みテーブル131aに格納されている重み情報が有する閾値以上であるか否かを判定する。類似度の最大値が閾値以上であれば、CPU101は、ステップS15に処理を進める。一方、類似度の最大値が閾値未満であれば、CPU101は、ステップS18に処理を進める。
これは、比較元ノード集合および比較先ノード集合の中に対応ノードとなりうる組み合せが無くなったこと(ノードの対応付けが完了したこと)を確認するための処理である。
[ステップS15]CPU101は、ステップS13で算出した類似度が最大値である組み合わせのノードを互いに対応ノードとして決定する。また、CPU101は、比較先ノードのノードIDを対応ノードである比較元ノードのノードIDと同一に書き換える。
これは、類似度が最も高い組み合わせのノード同士を対応ノードに決定する処理である。このとき、類似度が最大値であるノードの組み合わせが複数存在する場合には、類似度が最大値である組み合わせのうちの1つの組み合わせを任意(例えば、比較元ノードのノードIDのキャラクタコード順の小さい方等)に選択し、選択された組み合わせを対応ノードに決定してよい。
[ステップS16]CPU101は、ステップS15で決定した対応ノードにおける比較先ノードのノードIDを、比較元ノードのノードIDに変更する。
[ステップS17]CPU101は、ステップS15で決定した対応ノードにおける比較元ノードを比較元ノード集合から除外し、対応ノードにおける比較先ノードを比較先ノード集合から除外する。
[ステップS18]CPU101は、ステップS15によって決定された対応ノードに基づいて、構成変化の前後におけるネットワーク構成の比較結果を出力する。これに基づいて、例えばモニタ11等に、ネットワーク構成の比較結果が表示される。その後、CPU101は、処理を終了する。
次に、本実施の形態で実行される上記構成比較処理の動作を、以下の具体例に基づいて説明する。
図11は、比較元ネットワークの例を示す図である。図12は、比較先ネットワークの例を示す図である。図11に示す比較元ネットワークは、あるネットワーク(例えば、LAN10)構成変化前におけるネットワーク構成の一例を示したものである。図12に示す比較先ネットワークは、そのネットワークの構成変化後におけるネットワーク構成の一例を示したものである。
図11の比較元ネットワークにおいて楕円で示されたノード201a〜206aは、比較元ネットワークのノードを示している。ノード201a〜206aにおいて楕円の中に示された番号は、構成比較処理(図10において前述)で付与されたノードIDを示している。図11の比較元ネットワークは、ノード201a〜206aを有している。
また、各ノード同士を結ぶ直線は、ノード同士の結線状態を示している。すなわち、比較元ネットワークにおいて直線で結ばれているノード同士は、物理的リンクによって接続されている。
図12の比較先ネットワークも同様に、楕円で示されたノード301a〜306aは、比較先ネットワークのノードを示している。ノード301a〜306aにおいて楕円の中に示された番号は、構成比較処理(図10において前述)で付与されたノードIDを示している。また、各ノード同士を結ぶ直線は、ノード同士の結線状態を示している。
比較元ネットワークにより、構成変化前のネットワーク構成を示すことができる。また、比較先ネットワークにより、構成変化後のネットワーク構成を示すことができる。これらを対比することにより、構成変化の前後のネットワーク構成を示すこともできるが、この時点では変化の前後のノード同士の対応関係が不明である。この変化の前後のノード同士の対応関係は、詳しくは図13〜図27において後述するが、構成比較処理によって決定される。
次に、本実施の構成比較処理における対比ノードの決定について、前述の図5〜図9、図11、図12に示された具体例を用いて、図13〜図27に沿って説明する。
ここでは、図11の比較元ネットワークが構成変化前のネットワーク構成を示しているものとし、図12の比較先ネットワークが構成変化後のネットワーク構成を示しているものとする。
また、図6において前述した比較元構成テーブル141aには、図11の比較元ネットワークの構成を示した比較元構成情報が格納されているものとする。同様に、図7において前述した比較先構成テーブル151aには、図12の比較先ネットワークの構成を示した比較先構成情報が格納されているものとする。
前述したように、構成比較処理のステップS13(図10において前述)では、これらの比較元ネットワークの比較元構成情報および比較先ネットワークの比較先構成情報が、各ノード同士の組み合わせについて比較される。次に、その比較の結果にしたがい、図5において前述した重みテーブル131aに格納されている重み情報に基づき、図8において前述した類似度算出テーブル161aのように算出される。この類似度は、対応ノードが決定されていないすべてのノードの組み合わせについて算出される。次に、算出されたすべてのノード同士の組み合わせの類似度が、図9において前述した類似度一覧テーブル171aに格納される。
ステップS13で算出された類似度に基づいて、ステップS15により類似度が最大値の組み合わせが互いに対応ノードとして決定される。すなわち、このときの比較元ノードの対応ノードは、このときの比較先ノードに決定される。また、このときの比較先ノードの対応ノードは、このときの比較元ノードに決定される。
構成比較処理では、すべての比較元ノードおよび比較先ノードについて対応ノードが決定されるかまたは閾値以上の類似度を持つ組み合わせがなくなるまでこれらの処理が繰り返されることにより、対応ノードが決定されていく。
次に、ステップS14により類似度の最大値が閾値と比較される。比較の結果、類似度の最大値が閾値以上であれば、処理が継続され、類似度の最大値が閾値未満であれば、処理が終了する。
図9の類似度一覧テーブル171aの例では、比較元ノードであるノード201と比較先ノードであるノード301との組み合わせの類似度、ノード204とノード302との組み合わせの類似度およびノード206とノード306との組み合わせの類似度が、ともに70で最大値となっている。これに対して、本実施の形態の閾値は、図5に示したように30である。したがって、類似度の最大値は閾値以上であるため、処理は継続される。
次に、ステップS15により、対応ノードの組み合わせが決定される。前述したように類似度が最大値であるノードの組み合わせが複数存在する場合には、対応ノードを任意に決定することができるので、ここでは、比較元ノードがノード201であり、比較先ノードがノード301である組み合わせが1組目の対応ノードとして決定される。
次に、ステップS16により、対応ノードに決定された比較先ノードのノードIDが対応する比較先ノードのノードIDに書き換えられる。これは、詳しくは図13において後述する。
また、ステップS17により、対応ノードとして決定された、ノード201が比較元ノード集合から除外されるとともにノード301が比較先ノード集合から除外される。これにより、比較元ノード集合は、{202,203,204,205,206}となる。比較先ノード集合は、{302,303,304,305,306}となる。
以上のようにして構成比較処理により1組目の対応ノードが決定された後の動作について、以下に図13〜図15を用いて説明する。
図13は、1組目の対応ノードが決定された後の比較先構成テーブルを示す図である。図14は、1組目の対応ノードが決定された後の比較先ネットワークを示す図である。図15は、1組目の対応ノードが決定された後の類似度一覧テーブルを示す図である。
図13に示す比較先構成テーブル151bでは、前述したように比較先ノードであるノード201とノード301とが1組目の対応ノードとして決定されたことにより、項目“ノード”においてノード301を示すノードID“301”が、対応する比較元ノードのノードIDである“201”に書き換えられている。また、項目“隣接ノード”においても、ノード301を示す“301”が“201”に書き換えられている。
ここで、図13において書き換えられたノード201には下線が引かれているが、これは新たに対応ノードが決定されたことによって情報が更新されたことを示している。以下同様とする。
このように、対応ノードが決定されるにしたがって、項目“隣接ノード”の値も比較元ノードのノードIDを含むように変化する。この隣接ノードの値の変化にしたがい、比較先ノードの隣接ノードの値が、図6に示した比較元ノードの比較元構成情報の隣接ノードの値に近づいていく。このことから、構成比較処理が進むにつれて類似度が増加していくことになる。
また、ノード201およびノード301の対応関係が決定されたことにより、比較先ネットワークおよび類似度も変化する。
図14に示す比較先ネットワークでは、図12の比較先ネットワークと比較すると、ノード201bに示すように、対応ノードが決定されたノード301が対応するノード201に書き換えられている。一方、ノード302b〜306bについては、図12の比較先ネットワークに示されたノード302a〜306aからの変更はない。
図15に示す類似度一覧テーブル171bは、比較元ノード集合の要素であるノードおよび比較先ノード集合の要素であるノードのすべての組み合わせの類似度を格納する。したがって、類似度一覧テーブル171bには、前述した現時点の比較元ノード集合{202,203,204,205,206}および比較先ノード集合{302,303,304,305,306}のすべての組み合わせの類似度が格納されている。
また、類似度一覧テーブル171bでは、図13の比較先構成テーブル151bに示すように隣接ノードが変化したことによって、図9に示した類似度一覧テーブル171aと比較して下線で示した組み合わせの類似度が変化している。具体的には、図13において隣接ノードに含まれるノード301がノード201に書き換えられた比較先ノードであるノード302,303について、図15では類似度が増加している。
これは、隣接ノードに含まれるノード301がノード201に変化したことによって、ノード302,303の比較先構成情報の隣接ノードにおいて、比較元構成情報(図6において前述)の隣接ノードに初期状態から含まれていたノード201が含まれるようになったため、両者の間に同一のノードが生じて図8に示す隣接ノード評価値が増加したことによる。
次に、図15の類似度一覧テーブル171bに示された類似度に基づいて、ステップS14により類似度の最大値が閾値と比較されるが、類似度が最大値である比較元ノードがノード204であり比較先ノードがノード302である組み合わせおよびノード206とノード306の組み合わせの類似度が70であって、閾値である30以上であるため、処理は継続される。
次に、ステップS15により類似度が最大値の組み合わせが、2組目の対応ノードとして決定される。ここで、類似度一覧テーブル171bでは、類似度が最大値である組み合わせが、類似度70であるノード204とノード302の組み合わせおよびノード206とノード306の組み合わせの2組存在するが、ここではノード204およびノード302の組み合わせを対応ノードとして決定するものとする。
次に、ステップS16により、対応ノードに決定された比較先ノードのノードIDが対応する比較先ノードのノードIDに書き換えられる。これは、詳しくは図16において後述する。
また、ステップS17により、対応ノードとして決定された、ノード204が比較元ノード集合から除外されるとともにノード302が比較先ノード集合から除外される。これにより、比較元ノード集合は、{202,203,205,206}となる。比較先ノード集合は、{303,304,305,306}となる。
次に、以上のようにして構成比較処理により2組目の対応ノードが決定された後の動作について、以下に図16〜図18を用いて説明する。
図16は、2組目の対応ノードが決定された後の比較先構成テーブルを示す図である。図17は、2組目の対応ノードが決定された後の比較先ネットワークを示す図である。図18は、2組目の対応ノードが決定された後の類似度一覧テーブルを示す図である。
図16に示す比較先構成テーブル151cでは、前述したように比較先ノードであるノード204とノード302とが2組目の対応ノードとして決定されたことにより、項目“ノード”においてノード302を示すノードID“302”が、対応する比較元ノードのノードIDである“204”に書き換えられている。また、項目“隣接ノード”においても、ノード301を示す“302”が“204”に書き換えられている。
図17に示す比較先ネットワークでは、図14の比較先ネットワークと比較すると、ノード204cに示すように、対応ノードが決定されたノード302が対応するノード204に書き換えられている。一方、ノード201c,303c〜306cについては、図14の比較先ネットワークに示されたノード201b,303b〜306bからの変更はない。
図18に示す類似度一覧テーブル171cには、前述した現時点の比較元ノード集合{202,203,205,206}および比較先ノード集合{303,304,305,306}のすべての組み合わせの類似度が格納されている。
また、類似度一覧テーブル171cでは、図16の比較先構成テーブル151cに示すように隣接ノードは変化したが、図15に示した類似度一覧テーブル171bと比較して組み合わせの類似度は変化していない。これは、図16において隣接ノードに含まれるノード302がノード204に書き換えられた比較先ノードであるノード201は、既に対応関係が決定されているので除外されており、その他の比較先ノードについては隣接ノードにノード204が含まれていないことから、比較先ノードであるノード303〜306の類似度が変化しないためである。
次に、図18の類似度一覧テーブル171cに示された類似度に基づいて、ステップS14により類似度の最大値が閾値と比較されるが、類似度が最大値である比較元ノードがノード206であり、比較先ノードがノード306である組み合わせの類似度が70であって閾値以上であるため、処理は継続される。
次に、ステップS15により類似度が最大値の組み合わせである、比較元ノードがノード206であり、比較先ノードがノード306である組み合わせが、3組目の対応ノードとして決定される。
次に、ステップS16により、対応ノードに決定された比較先ノードのノードIDが対応する比較先ノードのノードIDに書き換えられる。これは、詳しくは図19において後述する。
また、ステップS17により、対応ノードとして決定された、ノード206が比較元ノード集合から除外されるとともにノード306が比較先ノード集合から除外される。これにより、比較元ノード集合は、{202,203,205}となる。比較先ノード集合は、{303,304,305}となる。
次に、以上のようにして構成比較処理により3組目の対応ノードが決定された後の動作について、以下に図19〜図21を用いて説明する。
図19は、3組目の対応ノードが決定された後の比較先構成テーブルを示す図である。図20は、3組目の対応ノードが決定された後の比較先ネットワークを示す図である。図21は、3組目の対応ノードが決定された後の類似度一覧テーブルを示す図である。
図19に示す比較先構成テーブル151dでは、前述したように比較先ノードであるノード206とノード306とが3組目の対応ノードとして決定されたことにより、項目“ノード”においてノード306を示すノードID“306”が、対応する比較元ノードのノードIDである“206”に書き換えられている。また、項目「隣接ノード」においても、ノード306を示す“306”が“206”に書き換えられている。
図20に示す比較先ネットワークでは、図17の比較先ネットワークと比較すると、ノード206dに示すように、対応ノードが決定されたノード306が対応するノード206に書き換えられている。一方、ノード201d,204d,303d〜305dについては、図17の比較先ネットワークに示されたノード201c,204c,303c〜305cからの変更はない。
図21に示す類似度一覧テーブル171dには、前述した現時点の比較元ノード集合{202,203,205}および比較先ノード集合{303,304,305}のすべての組み合わせの類似度が格納されている。
また、類似度一覧テーブル171dでは、図19の比較先構成テーブル151dに示すように隣接ノードが変化したことによって、図18に示した類似度一覧テーブル171cと比較して下線で示した組み合わせの類似度が変化している。具体的には、図19において隣接ノードに含まれるノード306がノード206に書き換えられた比較先ノードであるノード303について、図21ではノード203との組み合わせにおいて類似度が増加している。
次に、図21の類似度一覧テーブル171dに示された類似度に基づいて、ステップS14により類似度の最大値が閾値と比較されるが、類似度が最大値である比較元ノードがノード205であり、比較先ノードがノード305である組み合わせの類似度が60であって閾値以上であるため、処理は継続される。
次に、ステップS15により類似度が最大値の組み合わせである、比較元ノードがノード205であり、比較先ノードがノード305である組み合わせが、4組目の対応ノードとして決定される。
次に、ステップS16により、対応ノードに決定された比較先ノードのノードIDが対応する比較先ノードのノードIDに書き換えられる。これは、詳しくは図22において後述する。
また、ステップS17により、対応ノードとして決定された、ノード205が比較元ノード集合から除外されるとともにノード305が比較先ノード集合から除外される。これにより、比較元ノード集合は、{202,203}となる。比較先ノード集合は、{303,304}となる。
次に、以上のようにして構成比較処理により4組目の対応ノードが決定された後の動作について、以下に図22〜図24を用いて説明する。
図22は、4組目の対応ノードが決定された後の比較先構成テーブルを示す図である。図23は、4組目の対応ノードが決定された後の比較先ネットワークを示す図である。図24は、4組目の対応ノードが決定された後の類似度一覧テーブルを示す図である。
図22に示す比較先構成テーブル151eでは、前述したように比較先ノードであるノード205とノード305とが4組目の対応ノードとして決定されたことにより、項目“ノード”においてノード305を示すノードID“305”が、対応する比較元ノードのノードIDである“205”に書き換えられている。また、項目“隣接ノード”においても、ノード305を示す“305”が“205”に書き換えられている。
図23に示す比較先ネットワークでは、図20の比較先ネットワークと比較すると、ノード205eに示すように、対応ノードが決定されたノード305が対応するノード205に書き換えられている。一方、ノード201e,204e,206e,303e,304eについては、図20の比較先ネットワークに示されたノード201d,204d,206d,303d,304dからの変更はない。
図24に示す類似度一覧テーブル171eには、前述した現時点の比較元ノード集合{202,203}および比較先ノード集合{303,304}のすべての組み合わせの類似度が格納されている。
また、類似度一覧テーブル171eでは、図22の比較先構成テーブル151eに示すように隣接ノードが変化したことによって、図21に示した類似度一覧テーブル171dと比較して下線で示した組み合わせの類似度が変化している。具体的には、図22において隣接ノードに含まれるノード305がノード205に書き換えられた比較先ノードであるノード303について、図24ではノード203との組み合わせにおいて類似度が増加している。
次に、図24の類似度一覧テーブル171eに示された類似度に基づいて、ステップS14により類似度の最大値が閾値と比較されるが、類似度が最大値である比較元ノードがノード203であり、比較先ノードがノード303である組み合わせの類似度が37.5であって閾値以上であるため、処理は継続される。
次に、ステップS15により類似度が最大値の組み合わせである、比較元ノードがノード203であり、比較先ノードがノード303である組み合わせが、5組目の対応ノードとして決定される。
次に、ステップS16により、対応ノードに決定された比較先ノードのノードIDが対応する比較先ノードのノードIDに書き換えられる。これは、詳しくは図25において後述する。
また、ステップS17により、対応ノードとして決定された、ノード203が比較元ノード集合から除外されるとともにノード303が比較先ノード集合から除外される。これにより、比較元ノード集合は、{202}となる。比較先ノード集合は、{304}となる。
次に、以上のようにして構成比較処理により5組目の対応ノードが決定された後の動作について、以下に図25〜図27を用いて説明する。
図25は、5組目の対応ノードが決定された後の比較先構成テーブルを示す図である。図26は、5組目の対応ノードが決定された後の比較先ネットワークを示す図である。図27は、5組目の対応ノードが決定された後の類似度一覧テーブルを示す図である。
図25に示す比較先構成テーブル151fでは、前述したように比較先ノードであるノード203とノード303とが5組目の対応ノードとして決定されたことにより、項目“ノード”においてノード303を示すノードID“303”が、対応する比較元ノードのノードIDである“203”に書き換えられている。また、項目“隣接ノード”においても、ノード303を示す“303”が“203”に書き換えられている。
図26に示す比較先ネットワークでは、図23の比較先ネットワークと比較すると、ノード203fに示すように、対応ノードが決定されたノード303が対応するノード203に書き換えられている。一方、ノード201f,204f,205f,206f,304fについては、図23の比較先ネットワークに示されたノード201d,204d,205d,206d,304dからの変更はない。
図27に示す類似度一覧テーブル171fには、前述した現時点の比較元ノード集合{202}および比較先ノード集合{304}の組み合わせの類似度が格納されている。
また、類似度一覧テーブル171fでは、図25の比較先構成テーブル151fに示すように隣接ノードは変化したが、図24に示した類似度一覧テーブル171eに格納されているノード202とノード304の組み合わせの類似度と比較して組み合わせの類似度は変化していない。これは、図25において唯一残っている比較先ノードであるノード304の隣接ノードに含まれるノード303が“ノード203”に書き換えられているが、唯一残っている比較元ノードであるノード202の図6に示された比較元構成情報の隣接ノードがノード201およびノード204であるため、隣接ノードが一致しないので、隣接ノード評価値が増加しなかったためである。
ここで、唯一残っている比較元ノードがノード202であり比較先ノードがノード304である組み合わせの類似度が0であり、類似度の最大値は閾値の30未満である。
したがって、図27の類似度一覧テーブル171fに示された類似度に基づいて、ステップS14により、類似度の最大値が閾値未満であると判定されることになる。これにより、その後、例えば管理サーバ100に接続されたモニタ11(図2において前述)に表示する等、ネットワーク構成の比較結果を出力した後、構成比較処理は終了される。
また、このときの比較先構成テーブル151fの項目“ノード”が、構成比較処理の実行の結果得られた各比較先ノードに対するそれぞれの対応ノードに書き換えられている。また、構成変化の前のネットワーク構成は、図5において前述した比較元構成テーブル141aに記憶されている。これらにより、構成変化の前後のノードの対応ノードが示されているので、構成変化の前後におけるネットワークの構成のノードの変化を示すことが可能になる。構成変化の前後におけるノードの対応関係を示す構成比較情報は、比較元構成テーブル141aおよび比較先構成テーブル151fから必要な情報(例えば、構成変化の前後における対応ノードを示す情報および隣接ノードを示す情報)が抽出されて作成される。
ネットワーク構成の比較結果は、構成比較情報に含まれており、前述の例では、前述の比較元ノード集合に構成比較処理が終了するまで残っていたノード202は、変更前のネットワーク構成には含まれているが変更後のネットワーク構成には含まれていない「削除されたノード」として出力される。また、前述の比較先ノード集合に構成比較処理が終了するまで残っていたノード304は、変更前のネットワーク構成には含まれていないが変更後のネットワーク構成に含まれている「追加されたノード」として出力される。
また、例えば、ノード201、ノード206のように、対応ノードと決定された比較元ノードと比較先ノードとの間で、構成変化の前後で比較元構成情報および比較先構成情報の内容が変化していない場合には、構成変化の前後における「同一ノード」として比較結果が出力される。
また、対応ノードと決定された比較元ノードと比較先ノードとの間で、構成変化の前後で比較元構成情報および/または比較先構成情報の内容が変化している場合には、構成変化の前後において「変更されたノード」として比較結果が出力される。
例えば、ノード203は、構成変化の前後でIPアドレス、MACアドレス、ホスト名が変化している。ノード204は、構成変化前はノード202に接続されていたが、構成変化後はノード204から削除され、ノード201に追加するように接続関係が変化している。ノード205は、構成変化の前後でホスト名が、“host15”から“host25”に変化している。構成変化前後の対応ノードにおけるこれらの変化が比較結果に含まれて出力される。
次に、本実施の形態で表示される表示画面について説明する。
図28は、ネットワーク構成の変化を左右に対比して表示した比較例を示す図である。図29は、本実施の形態におけるネットワーク構成の変化を左右に対比して表示した表示例を示す図である。
図28では、本実施の形態と比較するために、構成比較処理を用いずに得られたネットワーク構成の比較結果のネットワーク構成の変化の前後の状態を左右に対比して表示している。図28(A)では、本実施の形態の構成比較処理を用いずに得られた比較結果に基づいて作成された構成変化前のネットワーク構成を左右に対比して表示している。図28(B)では、本実施の形態の構成比較処理を用いずに得られた比較結果に基づいて構成変化後のネットワーク構成を左右に対比して表示している。
図28(A)、図28(B)では、破線の楕円は削除されたノードを示す。太線の楕円は追加されたノードを示す。2重線の楕円はノード固有属性が変化したノードを示す。通常の線のノードは変化の前後において変更がない同一ノードを示す。また、太線は接続関係に変化があったリンクを示す。波線は削除されたリンクを示す。以下同様とする。
この図28に示した比較例では、ネットワーク構成に含まれているノードについて、IPアドレス、MACアドレス、ホスト名、ポート数、装置種別を含むノードのノード固有属性を用いてネットワークを構成するノードの変化の有無を判定するものとする。
この場合、図6および図7を比較しても判るように、ノード201およびノード301の組み合わせならびにノード206およびノード306の組み合わせについては、それぞれ両者の間でノード固有属性に全く変化がないため、同一ノードであると判定することができる。
また、ノード205およびノード305の組み合わせについては、ノード固有属性において、ホスト名は変化しているがそれ以外の情報は同一である。したがって、ノード205およびノード306の組み合わせについては、これらの情報を適切に評価することにより、対応ノードであると判定することが可能であると考えられる。
一方、ノード203およびノード303の組み合わせについては、ノード固有属性が全く異なるため、対応ノードではないと判定される。これに基づいて、図28に示す比較例では、ノード203およびノード303の組み合わせは対応ノードではなく異なるノードとして表示されている。
図28(A)および図28(B)に示すネットワーク構成図により、例えばネットワークの構成が比較的小規模である場合等に、左右に並べて表示することで、構成変化を直観的に提示することができる。
図29では、構成比較処理を用いて得られたネットワーク構成の比較結果に基づいて作成されたネットワーク構成の変化の前後の状態を左右に対比して表示している。図29(A)は、構成比較処理を用いて得られた構成比較結果情報に基づいて作成された構成変化前のネットワーク構成を示す図である。図29(B)は、本実施の形態の構成比較処理を用いて得られた比較結果に基づいて作成された構成変化後のネットワーク構成を示す図である。
この図29に示した表示例では、ネットワーク構成に含まれているノードについて、IPアドレス、MACアドレス、ホスト名、ポート数、装置種別を含むノードのノード固有属性に加えて、隣接するノードとの接続状態を用いてネットワークを構成するノードの変化の有無を判定するものとする。
本実施の形態では、ノード固有属性が全く異なるノード203およびノード303の組み合わせについて、本実施の形態における構成比較処理によって算出される類似度に、隣接するノードの結線状態を含めて評価して、対応ノードであるか否かを判定することができる。
これにより、本実施の形態によって作成された図29(A)および図29(B)に示すネットワーク構成図では、図28(A)および図28(B)に加え、ノード固有属性が全く異なるノード203およびノード303の組み合わせについて、隣接するノードの結線状態を含めて評価された結果、対応ノードとして判定されたため、対応ノードとして表示されている。
図30は、ネットワーク構成の変化を同一の図に表示した比較例を示す図である。図31は、本実施の形態におけるネットワーク構成の変化を同一の図に表示した表示例を示す図である。
図30では、本実施の形態と比較するために、構成比較処理を用いずに得られたネットワーク構成の比較結果のネットワーク構成の変化の前後の状態を同一の図に表示している。
この図30に示した比較例では、図28と同様に、ネットワーク構成に含まれているノードについて、IPアドレス、MACアドレス、ホスト名、ポート数、装置種別を含むノードのノード固有属性を用いてネットワークを構成するノードの変化の有無を判定するものとする。
これにより、図28と同様に、ノードのノード固有属性に基づいてのみ対応ノードを決定することができる。
図30に示すネットワーク構成図により、例えばネットワークの構成が比較的大規模であってモニタ11(図2において前述)等の表示画面を分割して複数の図を表示できない場合等に、1つの図において構成変化を直観的に提示することができる。
図31では、構成比較処理を用いて得られた構成比較結果情報に基づいて作成されたネットワーク構成の変化の前後の状態を同一の図に対比して表示している。図31では、構成比較処理を用いて得られた比較結果に基づいて作成された構成変化前のネットワーク構成を同一の図に示している。
この図31に示した表示例では、図29と同様に、ネットワーク構成に含まれているノードについて、IPアドレス、MACアドレス、ホスト名、ポート数、装置種別を含むノードのノード固有属性に加えて、隣接するノードとの接続状態を用いてネットワークを構成するノードの変化の有無を判定するものとする。
前述したように、本実施の形態では、ノード固有属性が全く異なるノード203およびノード303の組み合わせについて、本実施の形態における構成比較処理によって算出される類似度に、隣接するノードの結線状態を含めて評価して、対応ノードであるか否かを判定することができる。
これにより、図29と同様に、本実施の形態によって作成された図31に示すネットワーク構成図では、図31に加え、ノード固有属性が全く異なるノード203およびノード303の組み合わせについて、隣接するノードの結線状態を含めて評価された結果、対応ノードとして判定されたため、対応ノードとして表示されている。
図32は、ネットワーク構成の変化を一覧表示した比較例である一覧表示比較例を示す図である。図33は、本実施の形態におけるネットワーク構成の変化を一覧表示した表示例である一覧表示例を示す図である。
図32に示す一覧表示比較例は、ネットワーク構成全体を表示する必要がない場合に、構成変化の差分のみを表示するものである。
一覧表示比較例では、比較元ノード集合にノードが残っている場合、このノードを「削除されたノード」として表示する。また、比較先ノード集合にノードが残っている場合、このノードを「追加されたノード」として表示する。また、比較元と比較先において対応ノードと判定したノードのうち、1種類以上のノード固有属性の値または親ノードとの接続関係が変化しているノードを「変更されたノード」として表示する。また、比較元と比較先において対応ノードと判定したノードのうち、ノード固有属性の値および親ノードとの接続関係が変化していない同一ノードについては、表示しない。
この図32に示した比較例では、ネットワーク構成に含まれているノードについて、IPアドレス、MACアドレス、ホスト名、ポート数、装置種別を含むノードのノード固有属性を用いてネットワークを構成するノードの変化の有無を判定するものとする。
これにより、図32では図28と同様に、ノード203とノード303は別のノードとして判定される。このため、ノード203と接続された子ノードであるノード205とノード206は、親ノードであるノード203からノード303に変化したと判断されることによって、ノードの接続先がノード203からノード303に変化したように表示されている。
図33に示す一覧表示例は、構成比較結果情報に基づいて作成された、ネットワーク構成の変化の前後の状態の表示例であり、ネットワーク構成全体を表示する必要がない場合に、構成変化の差分のみを表示するものである。
一覧表示例では、図32の一覧表示比較例と同様に、比較元ノード集合にノードが残っている場合、このノードを「削除されたノード」として表示する。また、比較先ノード集合にノードが残っている場合、このノードを「追加されたノード」として表示する。また、比較元と比較先において対応ノードと判定したノードのうち、1種類以上のノード固有属性の値または親ノードとの接続関係が変化しているノードを「変更されたノード」として表示する。また、比較元と比較先において対応ノードと判定したノードのうち、ノード固有属性の値および親ノードとの接続関係が変化していない同一ノードについては、表示しない。
この図33に示した表示例では、図29と同様に、ネットワーク構成に含まれているノードについて、IPアドレス、MACアドレス、ホスト名、ポート数、装置種別を含むノードのノード固有属性に加えて、隣接するノードとの接続状態を用いてネットワークを構成するノードの変化の有無を判定するものとする。
これにより、図32では異なるノードとして表示されていたノード203およびノード303が、本実施の形態では「対応ノード」と判定されることにより、変化があったノードおよび変化があった結線関係のみを的確に表示することができる。
また、構成変化の前後において比較例では異なるノードと判定されるノード同士(例えば、ノードAおよびノードB)に関し、本実施の形態では対応ノードと判定されることで、比較例では例えば、構成変化前の“ノードAが削除”、構成変化後に“ノードBが追加”と表示されていたものについて、両ノードが対応付けられるとともに“ノードAの属性が変化”と表示される。これにより、対応ノードが1組あるごとに、出力項目を1項目削減することができる。
また、ノードAおよびノードBに共通した子ノードに関し、比較例では“ノードAから削除”、“ノードBに追加”と表示されていたものについて、本実施形態では親ノードが同一ノードであると判定されることで、子ノードの接続状況は変化がないものと判断されることから、子ノードに関して構成変化の差分に表示されなくなる。これによって、対応ノードの子ノードが1個あるごとに、出力項目を2項目削減することができる。
また、ネットワークのスイッチが交換された場合には、交換前の装置と交換後の装置とが「対応ノード」に相当する。これにより、ネットワークの管理者にとってネットワークの構成変化の把握が容易になる。
例えば、通常ネットワークスイッチは4〜20個程度の接続先を持っている。このため、例えば接続先が10個あるネットワークスイッチを1個交換した場合、22項目の差分が表示されることになるが、本実施の形態によれば、スイッチの属性が変化したことを示す1項目のみ表示すれば足りるようになる。
以上のように、本実施の形態によれば、構成変化の前後において構成情報が完全には一致しないネットワーク機器について類似度を用いることでネットワークの構成情報を管理することが可能になる。
また、ネットワーク構成の中間にあるスイッチを交換した場合においても、「結線の変化」ではなく「装置の交換」であることが容易に把握できるようになる。
比較される構成変化の前後の一方の構成情報にのみ存在するノードは、比較結果として「追加」あるいは「削除」として出力されるが、本実施の形態では構成情報が完全に一致しなくても類似度の高いノード同士を対応付けて対応関係を特定することにより「一方にのみ存在するノード」と判定されるノードが減少することができるので、差分表示の出力量を少なくすることができる。
また、類似度の重み付けを設定する際に、例えばMACアドレス等の同一ノードを識別するためのキーとして使用していた属性に対して100%の重み付けを設定し、本実施の形態固有の属性の重み付けを0%と設定することで、他の方式と同一の比較結果を得ることができるため、必要に応じて他の方式を包含した互換性を持っている。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、管理サーバ100が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体には、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記録装置には、HDD、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ(MT)等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto - Optical disk)等がある。
上記プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータに格納しておき、ネットワークを通じて、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
上記プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムまたはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
以上、開示のネットワーク構成管理プログラム、ネットワーク構成管理装置およびネットワーク構成管理方法を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、開示の技術に他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。また、開示の技術は前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成を組み合わせたものであってもよい。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
(付記1) コンピュータを、
構成変化の前のネットワークの構成を示す比較元構成情報を記憶する比較元構成情報記憶手段、
前記構成変化の後の前記ネットワークの構成を示す比較先構成情報を記憶する比較先構成情報記憶手段、
前記比較元構成情報と前記比較先構成情報とに基づいて、前記構成変化の前における前記ネットワークが有するノードと前記構成変化の後における前記ネットワークが有するノードとの類似度を算出する算出手段、
前記類似度に基づいて、前記構成変化の前後において前記ノードと対応するノードである対応ノードを決定する決定手段、
前記対応ノードに基づいて、前記構成変化の前後における前記ノードの対応関係を示す構成比較結果情報を生成する生成手段、
前記構成比較結果情報を出力する出力手段、
として機能させることを特徴とするネットワーク構成管理プログラム。
(付記2) 前記構成変化の前後における前記ネットワークが有する各前記ノード同士の類似度を示す類似度情報を記憶する類似度情報記憶手段を有し、
前記決定手段は、前記類似度情報に基づいて前記対応ノードを決定することを特徴とする付記1記載のネットワーク構成管理プログラム。
(付記3) 前記比較元構成情報は、前記構成変化の前の前記ネットワークが有する前記ノードの属性を示す比較元属性情報を有し、
前記比較先構成情報は、前記構成変化の後の前記ネットワークが有する前記ノードの属性を示す比較先属性情報を有し、
前記算出手段は、前記比較元属性情報と前記比較先属性情報とに基づいて、前記構成変化の前後における前記ネットワークが有する前記ノード同士の前記類似度を算出することを特徴とする付記1記載のネットワーク構成管理プログラム。
(付記4) 前記比較元構成情報は、前記構成変化の前の前記ネットワークが有する前記ノードの接続状況を示す比較元接続情報を有し、
前記比較先構成情報は、前記構成変化の後の前記ネットワークが有する前記ノードの接続状況を示す比較先接続情報を有し、
前記算出手段は、前記比較元接続情報と前記比較先接続情報とに基づいて、前記構成変化の前後における前記ネットワークが有する前記ノード同士の前記類似度を算出することを特徴とする付記1記載のネットワーク構成管理プログラム。
(付記5) 前記比較元接続情報は、前記構成変化の前の前記ネットワークが有する前記ノードと接続されている他のノードを示す比較元隣接情報を有し、
前記比較先接続情報は、前記構成変化の後の前記ネットワークが有する前記ノードと接続されている他のノードを示す比較先隣接情報を有し、
前記算出手段は、前記比較元隣接情報と前記比較先隣接情報とに基づいて、前記構成変化の前後における前記ネットワークが有する前記ノードに隣接する他の前記ノードの一致の程度を示す隣接評価値を算出し、前記類似度を前記隣接評価値が示す前記一致の程度が高いほど高くなるように算出することを特徴とする付記4記載のネットワーク構成管理プログラム。
(付記6) 前記隣接評価値は、前記構成変化の前の前記ネットワークが有する前記ノードに隣接する他のノード数と前記構成変化の後の前記ネットワークが有する前記ノードに隣接する他のノード数とのうち大きい方の値を隣接係数とし、前記変化の前後における前記ノードに隣接する前記ノードの一致数と前記隣接係数との積として算出されることを特徴とする付記5記載のネットワーク構成管理プログラム。
(付記7) 前記生成手段は、前記構成比較結果情報を、前記比較元構成情報と前記比較先構成情報とに基づいて、前記対応ノードのうち前記構成変化の前後において前記ネットワークにおける状態が変化した変更ノードを示すように生成することを特徴とする付記1記載のネットワーク構成管理プログラム。
(付記8) 前記生成手段は、前記構成比較結果情報を、前記比較元構成情報と前記比較先構成情報とに基づいて、前記対応ノードのうち前記構成変化の前後において変化した接続状況を示すように生成することを特徴とする付記1記載のネットワーク構成管理プログラム。
(付記9) 前記算出手段は、前記構成変化の前の前記ネットワークが有する前記ノードに隣接する他のノード数と前記構成変化の後の前記ネットワークが有する前記ノードに隣接する他のノード数とが一致する場合には、前記類似度が高くなるように算出することを特徴とする付記4記載のネットワーク構成管理プログラム。
(付記10) 前記決定手段は、前記構成変化の前後における前記ネットワークが有する前記ノード同士のうち前記類似度が最も高い前記ノード同士を前記対応ノードに決定することを特徴とする付記1記載のネットワーク構成管理プログラム。
(付記11) 前記決定手段は、前記類似度が閾値未満であるノード同士は前記対応ノードでないと決定することを特徴とする付記1記載のネットワーク構成管理プログラム。
(付記12) 構成変化の前のネットワークの構成を示す比較元構成情報を記憶する比較元構成情報記憶手段と、
前記構成変化の後の前記ネットワークの構成を示す比較先構成情報を記憶する比較先構成情報記憶手段と、
前記比較元構成情報と前記比較先構成情報とに基づいて、前記構成変化の前における前記ネットワークが有するノードと前記構成変化の後における前記ネットワークが有するノードとの類似度を算出する算出手段と、
前記類似度に基づいて、前記構成変化の前後において前記ノードと対応するノードである対応ノードを決定する決定手段と、
前記対応ノードに基づいて、前記構成変化の前後における前記ノードの対応関係を示す構成比較結果情報を生成する生成手段と、
前記構成比較結果情報を出力する出力手段と、
を有することを特徴とするネットワーク構成管理装置。
(付記13) 算出手段が、比較元構成情報記憶手段に記憶されている構成変化の前のネットワークの構成を示す比較元構成情報と比較先構成情報記憶手段に記憶されている前記構成変化の後の前記ネットワークの構成を示す比較先構成情報とに基づいて、前記構成変化の前における前記ネットワークが有するノードと前記構成変化の後における前記ネットワークが有するノードとの類似度を算出し、
決定手段が、前記類似度に基づいて、前記構成変化の前後において前記ノードと対応するノードである対応ノードを決定し、
生成手段が、前記対応ノードに基づいて、前記構成変化の前後における前記ノードの対応関係を示す構成比較結果情報を生成し、
出力手段が、前記構成比較結果情報を出力することを特徴とするネットワーク構成管理方法。