JP5010584B2 - 活性因子によって生物を治療する移植可能な療法システム - Google Patents

活性因子によって生物を治療する移植可能な療法システム Download PDF

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Description

本発明は、カプセル化細胞療法のためのシステム、すなわち、生物活性因子によって生物(以下、患者と称する)を治療するためのデバイスに関する。特に、本発明は、活性因子を生成することができる生体適合性外膜カプセル化細胞を有するカプセルに関し、該外膜は、活性因子の通過を許容するように構成されている。該デバイスは、遠位端においてカプセルに接続され、遠位端から軸方向反対側の近位端に向かって長手方向に延びる細長いテザーをさらに備える。
本発明の技術分野は、例えば、神経伝達物質、動脈円錐ペプチド、神経修飾物質、ホルモン、栄養素、または細胞で生成および分泌することができる成長因子またはあらゆる化合物のような、分泌物質による治療によって治すことが可能な疾病および疾患などの、脳および脊髄の疾患の治療を含む。
カプセル化細胞療法とは、局所的送達のために生物活性因子を分泌する、細胞のカプセル化という概念に基づくものである。本技術は、カプセル化細胞は再び取り外すことができるので、回収可能性と組み合わせて、生細胞によって自然位で合成された生物活性因子の局所的および徐放的送達を介した遺伝子治療の利点を有する。更なる利点は、免疫隔離性カプセルを使用することによって、受容宿主の免疫系から細胞を単離するステップを含めることが可能なことである。「免疫隔離性カプセル」とは、受容宿主への移植時に、デバイスのコア内の細胞に対する宿主の免疫系の悪影響を最小にし、宿主に対するコア内の細胞の悪影響を最小にするカプセルのことである。細胞は、微多孔質膜によって形成された移植可能なポリマーカプセル内に細胞を収容することによって、宿主から免疫隔離される。本手法は、宿主細胞と移植細胞との細胞間接触を防止し、直接表示を介した抗原認識を低減または排除する。
治療部位にカニューレを介して送達されるカプセルへの活性物質を分泌する細胞の充填を伴うマクロカプセル化は、例えば脳または脊髄内への局所的な生物活性物質の長期的な供給のための手法である。マクロカプセル化の主な利点はカプセルの回収可能性であり、特許文献1その他では、当該のカプセルを外科的に適用する、異なる方法に関係する。
一般的に、挿入部位は外科的に露出され、例えば閉塞具を備えたカニューレを挿入して、挿入部位から治療部位への経路を画定する。この時点で、閉塞具は取り外され、生物活性因子を分泌する細胞を収容したカプセルが通路を経て治療部位に位置決めされる。カプセルが配置されると、カニューレは取り外される。特許文献1は、ガイダンスニードルを治療部位に挿入して、ガイドワイヤが治療部位に入るまでガイドワイヤをニードルの内腔に導入して通過させることが可能であることを開示している。ガイドワイヤが治療部位と接触すると、ガイドワイヤが取り外されてカニューレに置き換えられる。ガイドワイヤを引き込めた後、カニューレは、所望の部位において、活性因子を生成する細胞を収容したビヒクルを位置決めするための挿入経路を提供する。ガイドワイヤは取り外され、ビヒクルはカニューレに挿入されてカニューレの経路に沿って治療部位に向かって導かれる。開示されたビヒクルは、カプセルと、カプセルから延びて、少なくとも治療部位から挿入部位の近くに到達するのに十分な長さであり、それによって挿入部位(例、頭蓋骨の外表面)でのカプセルの固定を容易にする一体テザーとを含むことが可能である。挿入部位は、その後皮膚によって覆われる。代替的な手法では、カニューレは、治療部位にカプセルを挿入する前に取り外される。
テザーを使用してカプセルを治療部位に容易に押し込められるように、例えばプッシャの小径のワイヤー部分をテザーの中空キャビティに位置決めすることによって、テザーを硬くする必要が生じる場合がある。しかし、これまで、外科手術および、例えばワイヤーのテザーへの挿入は、危険で時間のかかるものであり、カプセルが治療部位の適切な位置にあるときに、ワイヤーは、その後の取り外しのためにテザーに緩く挿入されるだけである。ワイヤーが緩く挿入されていると、デバイスを挿入するためにワイヤーの一端に圧力が加えられたときに、ワイヤーがデバイスのコアを貫通する場合があるといったリスクがある。
従来技術からの既知のテザーを備えているかどうかに関わらず、カプセルは、特許文献2に記述された種類の格納コンテナに格納されて運搬される。コンテナは、カプセルおよび/またはテザーをコンテナの底部に止着する止着手段を有する。止着手段は、カプセルと他のシステム構成要素との間の過度の接触を回避する役目をする。止着手段は、カプセル/テザーよりも小径で、複数の場所でカプセルを適所に止着する。カプセルは複数の個所およびコンテナの底部に固定されているので、カプセルを止着手段から取り外すにはある程度の操作が必要である。これは、鉗子または類似した手術機器を使用して行うことが可能である。デバイスの取り出しおよび後の処理のために、移植可能な要素と直接接触する手術機器の使用は、治療部位での移植の前に繊細な要素を損傷させて汚染するリスクを示す。
米国特許第6,179,826号明細書 米国特許第5,681,740号明細書
本発明の目的は、テザーをよりリジッドにするためにテザーに取り付けられた補剛材をさらに備えるシステムを特徴とする、前述されたデバイスを提供することによって、カプセル化細胞療法を容易にすることにある。
補剛材がテザーに取り付けられているので、テザーおよびカプセルは補剛材に触れるだけで操作することが可能であり、それによってデバイスの取り扱いが容易になる。一例として、カプセルは、細胞が充填され、無菌パッケージでパックされ、パッケージから取り外され、挿入前に取り扱われ、補剛材を保持するだけで治療部位に挿入することが可能であり、テザーおよびカプセルの汚染および過充填のリスクを軽減することができる。
補剛材は、テザーと接着接合するか、または、例えばテザーとの表面摩擦によって機械的にインターロックすることが可能である。アタッチメントは、補剛材に触れるだけでデバイスの操作を容易にするが、カプセルが治療部位に配置されたときに、補剛材を取り外すことが必要な場合がある。このため、補剛材を着脱可能とすることが可能である。一例として、補剛材は、加熱によって補剛材とテザーとの接合を脱離できるように、感熱接着剤で取り付けることが可能である。補剛材は、テザーの近位端、すなわちカプセルがテザーに取り付けられる端部の反対側に固定的に取り付けることも可能である。カプセルの治療部位への挿入後、例えばテザーを2つに切断することによって、近位端をデバイスの残りの部分から分離させて、その後に補剛材を取り外すことが可能である。補剛材に圧力が加えられたときのカプセルへの損傷を防ぐために、補剛材の遠位端とカプセルとの間にはクリアランスが少しあることが好ましい。クリアランスが無い場合、テザーの近位端に圧力が加えられたときにテザーがわずかに長手方向に圧縮されるので、当該の損傷が生じる場合がある。
挿入部位が露出され、カニューレを通る経路が確立されたとき、カプセルは、カニューレの管路を経て治療部位に配置され、カニューレは取り外される。システムは取り付けられた補剛材を備えているので、カプセルは補剛されたテザーによってより容易に操作され、管路を通るカプセルの挿入中に、カプセルは、更なる調整を行うことなく補剛されたテザーによって押し出されることができる。補剛材がテザーに取り付けられているので、補剛材の他端に面するカプセルの端部を損傷するというリスクを冒さずに、圧力を補剛材の端部に加えることが可能である。
補剛材を取り外したときに、治療システムの剛性が低減され、テザーは、例えば頭蓋骨の皮下に、より容易に配置および固定される。テザーの剛性を低減することは、より安全な移植にさらに貢献するとともに、例えば脳の可塑性が変化したときにテザーが曲がることを許容する。
システムの剛性の向上によって、製造ステップ(細胞の充填、充填後の密封、パッケージング)もより容易に行われ、治療システムを1つの統合システムとして取り扱うことができる。さらに、補剛材を挿入および取り付ける繊細なステップは、システムの殺菌前、およびカプセルに生細胞を充填する前に行うことができる。
補剛材は、基本的に直線であり得るので、デバイスの製造からデバイスの使用までの期間中にテザーをまっすぐに伸ばしやすくする。
テザーは、治療部位にあるカプセルから挿入部位の外部にある位置に到達するのに十分な長さであり、カプセルの延長部を形成することが可能である。例えば治療が終了したとき、またはカプセルを交換しなければならない場合に、組織からのカプセルの取り外しを容易にするために、カプセルとテザーとの間の移行を滑らかかついかなる種類の突出も無く行うことが可能である、または、カプセルからテザーに向かって寸法を増加させることが可能である。これは、明らかに2つの要素間にエッジを形成するが、比較的小さなカプセルが治療システムの遠位端、すなわち体に向かう端部を形成するので、カプセルを取り外す間の付加的な損傷を防ぐことが可能である。カプセルおよびテザーが円形の断面形状を有する管状である場合、カプセルの半径サイズは、したがって、テザーの半径サイズよりも小さいことが好ましい場合があり、カプセルおよびテザーが互いに共軸であるように接続されることが好ましい場合がある。
多数の実施態様におけるテザーは、カプセルの膜要素に接着接合される。テザーは、カプセルの膜要素に挿入できるように、遠位端を小径にすることも可能である。この場合、テザーはまた、カプセルの膜要素の内表面に接着接合されることが好ましい。
補剛材は、長手方向を横切る方向への屈曲またはたわみに対して、テザーをよりリジッドにして耐性を持たせるために提供される。補剛材は、それによってカプセルの体内への挿入を容易にする。この目的のために、補剛材は、テザーに取り付けられ、テザーに比べてリジッドであるか、またはテザーと組み合わせて、テザーの剛性を向上させる細長い部材とすることが可能である。一例として、補剛材は、剛性がテザーの剛性よりも大きくなるような材料で作製するか、または形状とすることが可能である。補剛材は、リジッドな金属材料から作製、および/または円形、X型またはT型の断面形状で作製することが可能である。別の例として、テザーは、長手方向を横切る第一の方向へのたわみに対して比較的リジッドであり、補剛材は、長手方向を横切る第二の方向へのたわみに対して比較的リジッドである。補剛材とテザーとを組み合わせることによって、第一および第二の両方向に対して治療システムがリジッドになる。第一の方向は、例えば第二の方向に本質的に垂直とすることが可能であり、第一および第二の方向を、例えば長手方向に本質的に垂直とすることが可能である。
一実施態様では、補剛材は、テザーの内部管路へその近位端から押し込まれる小径のワイヤー部分を備える。前記実施態様では、テザーは、テザーの内部管路の直径よりも大きな直径である大径部分をさらに備えて、この部分がテザーに挿入されないようにすることが好ましい場合がある。小径部分の長さをテザーの長さよりも短くして、テザーの全長にわたって完全に挿入されないようにすることによって、補剛材とテザーの端部に取り付けられたカプセルとの距離を確保することが好ましい場合がある。前記実施態様では、補剛材は、近位端においてテザーに取り付けられることが可能である。近位端に補剛材を取り付けるために、補剛材の外側の近位表面部分を管路の内側の近位表面部分に接着接合できるようにするか、または補剛材の近位端の寸法をテザーの近位端の内表面と合致させて、補剛材の近端とテザーとの間の締まりばめを可能にする。カプセルが治療部位に配置されたとき、テザーの遠位端からテザーの近位端を分離し、その後に補剛材を管路の外に摺動させることによって、補剛材をデバイスの挿入要素から取り外して、デバイスの挿入要素の柔軟性を増加させることが可能である。テザーおよび補剛材が管路を通っててまっすぐに切断される場合、明らかに、補剛材が2つの部分に切断され、そのうちの1つの部分がテザーの遠位端に挿入されたままになるであろう。補剛材の挿入されたままの部分をテザーから取り外すことが困難になる場合があるので、ケーブルのストリッピングに類似した方法、例えばケーブルストリッパに実質的にどういつであるツールによるか、または単純に補剛材の切断を防ぐか、若しくは少なくとも補剛材を通る切断を防ぐブレード長を有するナイフを使用した方法で、テザーが切断されることが好ましい場合がある。
別の一実施態様では、補剛材は、テザーが配置された楕円形の管路を形成する比較的リジッドな案内管を備える。
補剛材をテザーに取り付けるために、補剛材の近位端は、テザーの近位端の断面のサイズおよび形状に合致する断面のサイズおよび形状を有して、これら2つの要素の接触表面間に締まりばめをもたらすようにすることが可能である。補剛材およびテザーの接触表面には粘着剤を施すか、または表面が互いに大きな表面摩擦を有するように調整することが可能である。補剛材がテザー内部に位置する場合、補剛材は、近位端、すなわちシステムの遠位挿入端部から離れて対面する端部を有することが可能であり、近位端は、補剛材の反対側の遠位端の幅よりも断面方向において広くなる。このように、補剛材の外表面とテザーの内表面との接触が近位端において得られ、補剛材の遠位端の外表面とテザーの遠位端の内表面との間に間隔が得られる。
一実施態様では、補剛材を長手方向に引き込むことによってテザーから解放するために、アタッチメントが提供される。補剛材が管状のテザーの長手方向に延びているキャビティ内に位置する場合、補剛材がテザーよりも長手方向にさらに延びているような長さの補剛材を提供するという利点になりうる。このように、補剛材の近位端は露出されたままとなり、ユーザーは、補剛材を握持してテザーから引くことができる。
補剛材の露出した近位端は、治療システムを取り扱うために使用することも可能である。このために、補剛材の近位端は、別個のハンドル、例えば、異なる治療システムで繰り返して使用するために提供される人間工学的形状のハンドルと係合する構造的特徴を有することが可能である。ハンドルは、定位手術で使用するために、固定具またはマイクロドライブに取り付けることも可能である。一実施態様では、ハンドルは、補剛材への取り付けが可能であるが、そこから着脱することはできない。使用後、補剛材およびハンドルは、したがってアセンブルされた状態で配置され、ハンドルの不要な再利用を回避することができる。
治療システムは、カプセルの汚染を防ぐコンテナ内に送達することが可能である。コンテナからのシステムの取り外しを容易にするために、補剛材および/またはテザーをコンテナのクロージャに取り付けることが好ましい場合がある。このように、補剛材は、カプセルおよびテザーの患者への挿入を容易にするだけでなく、システムのコンテナからの取り外し、および挿入前にシステムの挿入可能要素に触れないシステムの取り扱いを容易にすることが可能である。システムの患者への挿入前に、クロージャを補剛材から取り外すか、またはクロージャを補剛材に取り付けたままで、補剛材をテザーから取り外したときに、クロージャをシステムの残りの要素から取り外すことが可能である。コンテナは、本出願に記述された種類のうちの格納デバイスとすることが可能である。
システムをクロージャに取り付けるために、テザーおよび/または補剛材のうちの少なくとも1つをクロージャの内表面に接着接合するか、またはクロージャが弾力性の材料からなる突出部を備え、テザーおよび/または補剛材の近位端周辺にぴったり嵌合するように寸法設計されたキャビティを備えることが可能である。前記実施態様では、治療システムは、キャビティと治療システムとの間の摩擦だけでクロージャに取り付けることが可能である。
システムの非汚染取り扱いをさらに容易にするために、特に患者への挿入前に、補剛材および/またはテザーの近位端は、上述したように、別個のハンドルと係合するように構成された取り扱い手段を備えることが可能である。なお、補剛材および/またはテザーがコンテナのクロージャに取り付けられている場合、クロージャは、取り扱い手段を構成して、ハンドルと係合されるように構成することが可能である。このために、クロージャの外表面は、別個のハンドルの協同する特徴とインターロックするように構成された構造的特徴を備えることが可能である。別の一実施態様では、補剛材および/またはテザーは、クロージャを通って延び、それによって、例えば治療システムをコンテナから取り外す前に別個のハンドルを連結するために、外部と直接接触することができる。
治療システムの一要素として、上述の別個のハンドルは、弾力性の材料から形成し、補剛材および/またはテザーの対応する握持手段と協同する握持手段を備えて、ハンドルを補剛材および/またはテザーに取り付けられるようにすることが可能である。
加えて、治療システムは、本願明細書に記述されているように把持要素を備えることが可能である。
第二の側面では、本発明は、移植可能な治療システムを格納するための上述の種類の格納デバイスを提供する。特に、格納デバイスは、治療システムを取り付けることができるクロージャを有するコンテナを備えることが可能である。
第三の側面では、本発明は、生物の治療部位に上述の種類の治療システムを配置する方法を提供する。
以下、本発明の好適な実施態様を図面を参照してさらに詳しく説明する。
本発明の更なる適用範囲は、以下に記述する詳細な説明から明らかになろう。詳細な説明および具体例は、例示目的のためにのみ提供されたものであり、当業者には、本発明の範囲内で種々の変更および改良が明らかであるものと理解されたい。
図面を詳細に参照する。同じ要素には同じ符号が付される。図1は移植可能な治療システム1を示す図であって、前記システムは、生物学的機能を提供する化合物を生成することができる哺乳類生細胞を備えた細胞区画をカプセル化する生体適合性半透性外膜3を有するカプセル2を備える。システムは、カプセルと接続され、軸方向反対側の近位端6に向かって遠位端5から長手方向に延びている細長いテザー4をさらに備える。補剛材7は、テザーに取り付けられてテザーをよりリジッドにするので、テザーおよびカプセルの操作を容易にする。テザーおよびカプセルは、接着剤によって、または類似した固定手段によって領域8内で接続される。カプセル1は、テザーよりも小さな半径サイズを有し(符号9で示す)、補剛材は、近位端の方向にさらに延びている(符号10で示す)。なお、補剛材は、テザーの管路に完全に挿入されていないので、カプセル3までの距離11を形成する。
図9aは、カプセルをテザーと接続するための固定手段の別の実施態様を示す図である。テザー4をカプセル3に止着するために、硬質リンカー46を挿入して2つの要素にリンクさせることが可能である。リンカーは、テザーの中央キャビティが前記テザーの遠位端まで延びるときに使用することが可能である。リンカーの第一の要素47は、カプセルの半透性膜の内側に嵌合するように構成される。嵌合は締まりばめとすることが可能であるが、リンカーを接着することによってカプセルに止着することが好ましい。この点で、リンカーの第一の要素は、カプセルのセルタイトクロージャとして機能する。リンカーの第二の要素48は、テザーの中央キャビティに嵌合するように構成され、同様に、単純な締まりばめによってテザーに止着するか、または好ましくは接着することが可能である。リンカーの第二の要素は、補剛材のカプセルへの貫通を防ぐ役目をする。第一および第二の要素に対して、嵌合は、繊細な要素に損傷を与えないために、カプセルおよびテザーのそれぞれへのリンカーの挿入に必要な力をほとんど必要としないようにしなければならない。第一および第二の要素の直径は、カプセルの半透性膜要素およびテザーの内側キャビティの内径によって決定される。
接着剤による取り付けを増強するために、第一の要素47および第二の要素48の両方は、リンカーの周囲に延びている凹部50(図9bに示す)を備えることが可能であり、それによって、リンカーとテザー/膜との間の接着強さが向上する。凹部は、ミリングによって形成することが可能である。
リンカーは、第一および第二の要素と比較して直径を増加させた、オプションの第三の中央要素を備えることが可能である。中央要素は、テザーとカプセルとの間の直接接触を防ぐ役目をすることが可能である。
リンカーは、硬質材料から作製され、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、およびポリカーボネートのような硬質ポリマーか、または金属から作製することが可能である。金属リンカーは、移植後のX線照射時に容易にその位置を見つけることができるという利点を有する。ポリマーリンカーは、MR撮影時にアーチファクトを生成しないという利点を有する。金属の場合、カプセルを受けた患者のMR撮影を行う可能性があるときには、非磁性金属であることが好ましい。好適な金属には、ステンレス鋼、チタン、金、銀、プラチナ、および合金が挙げられる。リンカーは、成形、鋳造、またはミリングによって製造することが可能である。
別の実施態様では、テザーは、テザーの遠位端の直径を縮小してカプセルの細胞区画に圧入することによってカプセルに固定される。直径の縮小は、切削、ミリング、または熱成形によって行われる。締まりばめは、テザーを適切な場所に保持するに十分なものであって良いが、さらに接着剤によって止着されることが好ましい。
カプセルおよびテザーが互いにどの程度止着されたかに関わらず、その後にカプセルとテザーとの間にシャープエッジが無いことを確認しなければならない。シャープエッジは、デバイスのアセンブリ中に、接着剤塗布49(図9aに示す)によって滑らかにすることが可能である。シャープエッジは、移植後の患者の細胞の成長に対するサポートとして機能し得、デバイスの取り外しをより困難にし、取り外し中に患者への傷害を生じさせる場合がある。
図2は、システム1の一実施態様の遠位端の詳細を示す。システムは、1つの要素が補剛材を備えるハンドルによって構成されるか、または別個のハンドルを補剛材に取り付けるための取り付け手段によって構成される取り扱い手段12を備える。取り扱い手段は、補剛材7の一部を形成するか、または取り扱い手段を例えば接着して補剛材に接続することが可能である。取り扱い手段は、その遠位端13から軸方向に延びている。すなわち、取り扱い手段は、取り扱い手段の軸方向反対側の近位端14に向かって補剛材と接続する。非柔軟要素15は、同様の方法で補剛材の一部を形成することが可能であり、ハンドルと補剛剤との間に位置することが可能である。補剛材の取り外しに関して、機器(例えば鉗子)を使用して、取り付けられた補剛材をテザーから取り外しながら、非柔軟要素を保持することができる。
図3は、補剛材7の斜視図を示し、取り扱い手段12を詳細に示す図である。補剛材は、近位端16と、遠位端17とを備える。遠位端17の直径は、近位端の直径に比較して大きくなる。直径が大きくなることで、補剛材が管状のテザーのキャビティによりリジッドに嵌合され、それによって、補剛材をテザーの遠位要素に固定する。遠位端において、補剛材は、取り扱い手段12と接続、または形成する。開示された取り扱い手段は、別個のハンドルを取り付けるために構成され、近位端18と遠位端19とを備える。案内フィン20、21は、軸方向に延びており、別個のハンドルの対応するスリットへの取り扱い手段の固定を容易にする。
図4は、補剛材の取り扱い手段12への取り付けのための別個のハンドル22を示す図である。ハンドルは、第一の楕円形の通路23と、第一の楕円形の通路よりも狭い第二の楕円形の通路24とを形成するスリットを有する細長い円筒体を備える。スリットは、ハンドルの遠位端25、すなわちテザーおよび補剛材に向かう端部から、ハンドルの軸方向反対側の近位端26に向かって延びている。構造的特徴27、28、29は、取り扱い手段の対応する構造的特徴と協同して、取り扱い手段上にハンドルを止着し、力を長手方向に伝達するように提供される。
治療システムは、格納システム内に格納されて移送される。格納システムは、格納デバイスと、さらにオプションの要素とを備える。図5は、治療システムを格納するための格納デバイスを示す図である。格納デバイスは、治療システム31を細長い状態で格納することができる細長い内部キャビティへの開口部を有する、コンテナ30を備える。開口部は、クロージャ32によって閉じられる。キャビティは壁を有するが、この壁は、流体格納媒体を通さず、パッケージング中に、治療システムが、その後の使用まで格納されて移送される媒体内に浸漬される。把持要素33は、コンテナに対して寸法設計を行い、カプセルとコンテナの内壁部分とを接触させないようにしており、それによって治療システムを保護することが可能である。把持要素を図7を参照して詳述する。一般に、本発明の治療システムは媒体格納コンテナ内に格納され、前記コンテナは、大量の液体媒体を保持し、システムを媒体格納コンテナ内に止着するための手段と、実質的に液密シールを提供するようにデザインされた媒体格納コンテナを密封するための手段とを備える。好適な実施態様では、カプセル内の細胞の生存性を保持するために、媒体交換手段と、ガス交換手段とを備える。
キャップ32は、格納コンテナ30と密封して係合されるときに、実質的に液密シールを提供する。好適な実施態様では、キャップが係合されたときに、格納デバイスは、カプセルが媒体内に潜没されたままとなって気泡と接触しないように、反転させることが可能である。これにより、移送中に、コンテナが偶然に反転しても、カプセルが乾燥しないようにする。キャップは、液密シールの形成を補助するシールまたはライナー34(例えば、シリコーンエラストマのような圧縮性材料)を有することが好ましい。
ライナーは、シリコーンの層を他の好適なポリマー(例、ポリプロピレンまたはフルオロエチレンプロピレン)の2つの層の間に配置する、階層化構成手法によって形成することが可能である。ライナーは、超音波溶接のようなあらゆる適切な手段によってキャップに固定することが可能である。ライナーが階層化構成で形成された場合、キャップと接触させるライナーの内層は、超音波溶接を容易にするために、キャップと同じ材料で形成される。外層は、低摩擦であり液密シールの形成に十分な耐久性がある、あらゆる好適な材料とすることが可能である。例えば、フッ化パーフルオロエチレンポリプロピレン(FEP)、ヘキサフルオロプロピレン、およびテトラフルオロエチレンのコポリマーは、ライナーの低摩擦層に好適な材料である。FEPは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)と非常に類似したプロパティを有するが、PTFEよりもγ線照射殺菌中に安定している。
図5に示される格納および移送装置の好適な実施態様は、ガス交換手段と、媒体交換手段とをさらに備える。
ガスを媒体と交換する能力は、カプセル内の生細胞の生存性の保持を補助する。あるいは、密封手段を係合する前に媒体を飽和状態にすることによって、または呼吸に適したライナーを使用することによって、十分な酸素をパッケージングシステム内に導入することが可能である。
ガス交換手段は、密封された格納コンテナ30とその内部との間のガスの連通を可能にする、再封可能なポートを備えることが可能である。ポートは、キャップ、プラグまたは好ましくは自己密封式の隔壁のような、あらゆる好適な方法で再封することが可能である。当該の隔壁は、既知の技術である。
媒体交換手段は、デザインにおいてガス交換手段と類似している。例えば、媒体交換手段は、媒体にアクセスするための再封可能なポートを備えることが可能である。媒体は、ニードル、管または他の好適な方法を使用して、格納コンテナ30から取り除くか、またはこれに導入することが可能である。
ガスおよび/または媒体の交換によって、本発明の治療システムの格納寿命が延長される。
格納システムは、状況に応じて、コンテナ30を囲む副コンテナを備える。副コンテナは、内側コンテナ30の交換手段にアクセスするための手段を有することが好ましい。加えて、副コンテナは、副コンテナの内部に過剰な湿気が蓄積されないように、副コンテナの内側から外気へ湿気を交換するための手段を備えることが可能である。
図6は、クロージャ32内に位置し、これに取り付けられてコンテナを密封するシール34の図である。治療システムは、シールに着脱可能に取り付けられる。このように、ユーザーは、クロージャをコンテナから取り外すだけで、治療システムをキャビティから取り外すことができる。治療システムのクロージャへの取り付けに関して、弾力性材料製の固定部材35が内表面上に提供される。固定部材は、開口部を備え、この開口部は、治療システムの一部を密に囲み、固定部材の表面と治療システムの外表面との間の摩擦を用いてシステムを保持するように寸法設計される。
図7は、把持要素33の一実施態様の拡大図であり、前記要素は、第一のアームセグメント41と第二のアームセグメント42との間の半円形の切り口によって形成された通路36を備える。通路は、通路の表面が、通常、補剛材および/またはテザーの外表面と接触して、治療システムを把持要素に固定するように形成および寸法設計される。把持要素は、弾力性材料で作製され、ユーザーがアームを互いに向かって押すとき(矢印39、40で示す)、通路の形状および/またはサイズが変化して把持が解放される。開示された把持要素は、コンテナの内表面までの距離を提供する、第三および第四のアームセグメント37、38をさらに備える。
把持要素
移植可能な治療システムの一実施態様では、把持要素が着脱可能にテザーに取り付けられる。
着脱可能に取り付けられた把持要素は、そのような把持要素を持たない従来技術の治療システムと比較して、複数の利点を提供する。把持要素は、繊細な治療システムを取り扱う間に使用するための「ハンドル」を提供し、それによって、(カプセルおよびテザーの)移植後に組織と接触する治療システムの要素との直接接触が回避される。把持要素は、治療システムに細胞が充填されたときの把持に使用することが可能であり、外科医が、移植のために治療システムをトロカールまたはカニューレに挿入するか、または治療システムを定位に止着するのに好都合なハンドルとして機能する。把持要素が着脱可能であるので、外科医は、治療システムが最終的に脳または別の体部位に挿入される前に、テザーから把持要素を容易に取り外すことができる。最後に、把持要素は、側壁までの最小距離を確保するので、移送および格納中に、治療システムのカプセル要素が格納コンテナの内壁と接触しないように保護する役目をする。
把持要素は、テザーおよび/または補剛材に着脱可能に取り付けることが可能であり、医師は、補剛材および/またはテザーの挿入可能な要素と直接接触することなく治療システムを操作することができる。把持要素は、テザーおよび/または補剛材の外表面を密に囲むか、または少なくとも部分的に囲む内表面との通路を形成し、緩和状態において、通路内にテザーおよび/または補剛材を固定するように接触することが可能である。把持要素は、弾力性材料から作製することが可能であり、通路の形状および/またはサイズを把持要素の解放たわみによって変化させて、通路内に固定したテザーおよび/または補剛材を解放することができるように形成される。解放たわみは、指圧で把持要素を圧入することによって得ることが可能であり、通路から離れるように異なる方向に延びる第一および第二のアームセグメントを提供することによってサポートすることが可能である。一実施態様では、通路は、第一および第二のアームセグメントとの間に半円形の切り口の形状を形成する。アームは、十分なサイズであり、それによって、アームに加えられた力を把持要素の中央に伝達して、単にアームを変形させるのではなく、通路を開口させることが好ましい。
好適な一実施態様では、把持要素は断面形状およびサイズを有する通路を形成し、把持要素は、通路の内表面がテザーの外表面と接触して把持要素を治療システムに接触させる緩和状態と、通路が偏向されて治療システムを把持要素から解放する緊張状態との間で切り替えることができる。
把持要素は、把持要素の外表面に力を加えることによって、緩和状態と緊張状態との間で切り替えられることが可能である。この力は、把持要素の外表面に対する解放圧力とすることが可能である。解放圧力の印加を容易にするために、把持要素は、通路から異なる方向へ延びる第一および第二のアームセグメントをさらに備えることが可能である。
上述の通路は、一実施態様では、第一と第二のアームセグメントとの間に半円形の切り口の形状を形成する。把持要素は、必要とされる数のアームセグメントを備えることが可能である。したがって、少なくとも第三のアームセグメント、少なくとも第四のアームセグメント、少なくとも第五のアームセグメント、少なくとも第六のアームセグメントをそれぞれ備えることが可能である。把持要素は、少なくとも4つのアームセグメントを備えて、治療システムの取り扱いを容易にし、また格納コンテナの内表面から離れた状態にできるようにすることが好ましい。
把持要素は、細胞の充填、培養、格納および移送中に、テザーに取り付けられたままであることが好ましい。これは、テザーおよび把持要素に高いすべり摩擦を有する材料を選択することによって達成することが可能である。特に好適な一実施態様では、そのような材料によって、把持要素はテザーの長手方向軸に沿って移動しない。
操作を容易にするために、把持要素は、指、および状況に応じて、鉗子または他の無動力の外科機器によって加えられた力を使用して着脱可能である。このように、外科医または看護師は、把持要素を容易に取り外すことができる。
把持要素は、いくつかの実施態様では、テザーおよび/または補剛材に着脱可能に取り付けることが可能である。補剛材は、好ましくはテザー内部に位置するので、把持要素は、両方に取り付けることができるといえる。なお、把持要素は、補剛材にのみ取り付けられることも考えられる。
把持要素は、移植することを意図したものではなく、カプセル化細胞とも接触する成長/格納媒体と接触する可能性があるという事実を考慮して、本目的に好適なあらゆる材料で把持要素を作製することが可能である。好適な一実施態様では、把持要素は、弾力性材料からなる。弾力性材料を使用することで、テザーを保護し、把持要素を緊張状態と解放状態との間で切り替わることができるように助力することも可能である。把持要素は、さらにリジッドな材料を含むことも可能である。剛体材料製のアームを製造して、力の伝達をより良好にする、および/または湿潤状態にあるアームの表面を滑りにくくするのに好都合となりうる。
弾力性材料には、締まりばめにおいて高い滑り摩擦を有する、シリコーン、または他の柔軟な生体適合性ポリマーが挙げられる。
把持要素は、締まりばめによってテザーおよび/または補剛材上の適所に保持するか、または、例えば把持要素とテザーおよび/または補剛材との間の表面摩擦を介して、テザーおよび/または補剛材と機械的にインターロックすることが可能である。
一実施態様では、治療システムは、カプセルの汚染を防ぐ、本出願に記述された種類のコンテナ内に収容される。このためには、把持要素は、システムのカプセル要素とコンテナの内壁との接触をコンテナが防ぐことに関連して寸法設計されることが好ましい。
更なる一実施態様では、生体適合性半透性外膜は、生物活性化合物を分泌することできる細胞をカプセル化する。カプセルが細胞を備えている場合、移植まで細胞の生存性を保持するように、コンテナ内の成長/格納媒体内に保持する必要がある。
システムの把持要素の寸法の的確な選択は、治療システム自体の寸法、特にテザーおよび移植前にシステムが格納および移送される格納コンテナの寸法に依存する。したがって、以下の寸法は単なる案内的なものであり、制限する性質のものではない。
把持要素は、一般的に、テザーの軸に対して垂直な方向に2乃至50mm伸ばすことが可能である。距離は、40mm未満であることが好ましく、30mm未満(20mmまたは10mmなど)であることがより好ましい。この距離が短くなれば、格納にはより小さなコンテナが必要となる。治療システムのカプセル要素をコンテナの壁に触れさせないようにするには、特定の最小サイズが必要である。この最小距離は、治療システムの長さおよびその柔軟性に依存する。
テザーおよび/または補剛材を本質的に囲む、または少なくとも部分的に囲む内表面を有する通路の直径または断面は、テザー/補剛材の直径に等しいか、わずかに小さいことが好ましい。わずかに小さい通路の直径を用いた場合、把持要素は、テザー/補剛材に加えられる圧力によって適所に保持される。いくつかの実施態様では、通路は、テザーの直径より少なくとも5%小さいが、少なくとも10%、少なくとも15%、または少なくとも20%小さいことが好ましい。
把持要素は、テザー/補剛材の縦軸を介して、少なくとも1つの対称面を備えることが可能である。しかし、本質的に非対称の把持要素を使用することが好都合な場合がある。把持要素の1つのより大きな要素は、したがって、外科医またはメーカーが把持しやすいハンドルとして機能することが可能であり、把持要素の二番目に小さな要素は、格納コンテナの内壁までの所望の距離を提供する役目をする。
把持要素の厚さは、一般的に、0.5mm乃至20mmとすることが可能であり、0.5乃至10mmであることが好ましく、1.5mm以上であることがより好ましい。
把持要素のサイズの寸法設計では、コンテナのサイズを考慮しなければならない。したがって、コンテナと把持要素との間のクリアランスは、少なくとも0.2mmとすることが可能であり、少なくとも0.5mmであることが好ましい。コンテナの開口部の寸法を考慮しなければならず、これは、コンテナ本体よりも小さいサイズのものとなり得る。
格納コンテナ
別の実施態様では、治療システムは格納デバイス内に格納され、該デバイスは、流体媒体内に浸漬されたシステムを格納するためのキャビティへの開口部と、開口部を閉じるためのクロージャとを備え、クロージャは、治療システムをクロージャに取り付けるための固定手段を備える。
コンテナは、いっぱいに伸ばした状態の細長いシステムを格納するための、長手方向に延びている細長いキャビティを形成することが可能である。コンテナの他の内側形状は、治療システムの寸法に基づいて考えられる。
クロージャは、弾力性材料製の固定部材を備え、システムをクロージャに取り付けるように、システムの把持部分を密に囲むように寸法設計された開口部を備える。固定部材は、コンテナとクロージャとの間に提供されるシールの一部を形成して、移植可能な治療システムの抗菌格納を容易にすることが好ましい。加えて、クロージャは、別個のハンドルをクロージャに取り付けるための固定手段を有する外表面を備えることが可能である。
カプセル化細胞療法
細胞カプセル(以下、カプセルと称する)は、成長因子ホルモン、神経伝達物質、ペプチド、抗体および補体のような分子の拡散を、それらの分子量またはサイズに基づいて制御するように調整される。カプセル化技術を使用することで、細胞は、免疫抑制薬を使用する、しないに関わらず、免疫拒絶を起こさずに宿主に移植することができる。有用な生体適合性ポリマーカプセルは、通常、コアを含み、該コアは、流体媒体内に懸架されるか、固定マトリクス内に固定された細胞と、単離細胞を含まず、生体適合性であり、コア内の細胞を有害な免疫攻撃から保護するに十分である、選択透過性マトリクスまたは膜(「ジャケット」)とを含む。カプセル化は、免疫系の要素がカプセルに侵入することを妨げ、それによって、カプセル化細胞を免疫破壊から保護する。カプセル膜の半透性の性質によって、対象となる生物活性分子は、カプセルから周囲宿主組織に容易に拡散することもでき、また、栄養分もカプセル内に用意に拡散してカプセル化細胞をサポートする。カプセルは、生体親和性材料で作製することができる。「生体親和性材料」とは、宿主への移植後に、カプセルの拒絶をもたらすか、または例えば分解によって実行不可能であることを表すに十分な、有害な宿主反応を誘発させない材料のことである。生体適合性材料は、宿主免疫系の成分のような大分子に対しては比較的に不浸透性であるが、インシュリン、成長因子、栄養素のような小分子に対しては透過性であり、一方で、代謝老廃物を取り除くことができる。本発明の構成物によって、様々な生体親和性材料が、成長因子の送達に好適である。種々の外表面モルフォロジおよび他の機械的および構造的特徴を有する、数多くの生体親和性材料が知られている。本発明のカプセルは、以下の文献に記載されたものに類似することが好ましい。WO 92/19195、またはWO 95/05452(参照することにより組み込まれる)、または米国特許第5,639,275号、第5,653,975号、第4,892,538号、第5,156,844号、第5,283,187号、または米国特許第5,550,050号(参照することにより組み込まれる)。当該のカプセルは、代謝物質、栄養分、および治療的な物質の通過を許容するが、宿主免疫系の有害な影響を最小限に抑える。生体親和性材料の構成要素は、周囲半透性膜と、内部細胞支持足場とを含むことが可能である。組み換え細胞は、足場上に接種され、選択性透過膜によってカプセル化されることが好ましい。糸状の細胞支持足場は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンポリアセトニトリル、ポリエチレンテラフタラート、ナイロン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリブテステル、絹、綿、キチン、炭素、または生体適合性金属からなる群より選択されるあらゆる生体適合性材料から作製することが可能である。また、不織構造を細胞の移植に用いることができる(米国特許第5,512,600、参照することにより組み込まれる)。生分解性ポリマーには、ポリ(乳酸)PLA、ポリ(乳酸−グリコール酸)PLGA、およびポリ(グリコール酸)PGAからなるもの、およびそれらの同等品が挙げられる。泡沫足場は、移植細胞を付着させることが可能な表面の提供に使用されている(WO 98/05304、参照することにより組み込まれる)。網組メッシュ管は、血管グラフトとして使用されている(WO 99/52573、参照することにより組み込まれる)。加えて、コアは、ヒドロゲルから形成された固定マトリクスから構成することができ、細胞の位置を安定させる。ヒドロゲルとは、実質的に水で構成された、ゲル状の架橋親水性ポリマーの三次元ネットワークである。
ジャケットは、分子量カットオフが1000kD未満であることが好ましく、50乃至700kDであることがより好ましく、70乃至300kDであることがさらに好ましく、70乃至130kDのように70乃至150kDであることがさらに好ましい。分子量カットオフは、患者の免疫系からカプセル化細胞を保護しながら、生理活性分子がカプセルから抜け出すことができるように選択しなければならない。
ジャケットの厚さは、一般的に2乃至200ミクロンであり、50乃至150ミクロンであることが好ましい。ジャケットは、カプセル化された細胞を保持するに十分な強度をカプセルに提供する厚さでなければならず、また、これを考慮して、可能な限り場所をとらないように、可能な限り薄くしなければならない。
種々のポリマーおよびポリマーブレンドは、周辺半透性膜の製造に使用することができ、これらには、ポリアクリレート(アクリル系コポリマーを含む)、ポリビニリデン、ポリ塩化ビニルコポリマー、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリアミド、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンを含む)、ポリホスファゼン、ポリアクリロニトリル、ポリ(アクリロニトリル/共塩化ビニル)、および誘導体、コポリマー、およびその混合物が挙げられる。周辺半透性膜は、生体適合性半透性中空繊維膜であることが好ましい。当該の膜および膜を作製する方法は、米国特許第5,284,761号および第5,158,881号に開示されており、参照することにより組み込まれる。周辺半透性膜は、米国特許第4,976,859号または米国特許第4,968,733号(参照することにより組み込まれる)に開示されているような、ポリエーテルサルフォン中空繊維から形成することが可能である。代替の周辺半透性膜材料には、ポリ(アクリロニトリル/共塩化ビニル)(Pan−PVC)がある。
カプセルは、生物活性の保護、および生成物または機能の提供に適したあらゆる構成とし、例えば円筒状、長方形、円盤状、パッチ上、卵形、星形または球状を含めることができる。さらに、カプセルは、コイル状またはメッシュ状またはネスト状に巻きつけたものとすることができる。カプセルを移植後に取り込む必要がある場合、受容宿主の血管内を移動するのに十分小さい球状のカプセルのような、移植部位からカプセルを移動させる傾向のある構成は好ましくない。長方形、パッチ、円盤、円筒、および平板のような特定の形状は、より大きな構造的完全性を提供し、取り出しが望ましい場合に好適である。特に好適な形状は、工業的に製造できる中空繊維から容易に生成される形状などである。
マクロカプセルを使用する場合、各デバイス内に、少なくとも10の細胞がカプセル化されることが好ましく、10乃至10の細胞がカプセル化されることがより好ましく、10乃至10の細胞がカプセル化されることがさらに好ましい。当然、各カプセル内の細胞の数は、カプセルのサイズに依存する。経験則として、泡沫を有するカプセル(下述する)において、本発明者らは、充填が、カプセルの1μLあたり10,000乃至100,000の細胞(泡沫を含む内部容積として計算した量)、より好ましくは1μLあたり25,000乃至50,000の細胞、さらに好ましくは1μLあたり30,000乃至40,000の細胞であることを見出した。また、充填される細胞の数は、細胞のサイズに依存する。
投薬量は、カプセルの寸法(長さ、直径)を変化させることによって、および/または移植するカプセルの数を増減させる(好ましくは、患者あたり1乃至10カプセル)ことによって制御することが可能である。
本コンテキスト内のマクロカプセルは、少なくとも1μLの容積(1乃至10μLなど)を有するカプセルである。
足場は、細胞外マトリックス(ECM)分子でコーティングすることが可能である。細胞外マトリックス分子の好適な例には、例えば、コラーゲン、ラミニン、およびフィブロネクチンが挙げられる。足場の表面は、プラズマ照射により帯電させて細胞の接着性を高めるように処理することによって改良することも可能である。
カプセルの封止には、ポリマー接着剤、クリンピング、節止め、および加熱封止の使用を含む、あらゆる好適な方法を使用することが可能である。加えて、米国特許第5,653,687号(参照することにより組み込まれる)に開示されているような、あらゆる好適な「ドライ」封止方法を使用することもできる。
カプセル化細胞デバイスは、既知の手法に基づいて移植される。本発明のデバイスおよび方法には、多数の移植部位が考慮される。これらの移植部位には、限定されないが、脳、脊髄(米国特許第5,106,627号、第5,156,844号、および第5,554,148号、参照することにより組み込まれる)を含む中枢神経系、および眼球の房水およびガラス体液(WO 97/34586、参照することにより組み込まれる)が挙げられる。
泡沫足場:
泡沫足場は、開放気泡を有する生体適合性泡沫、または細孔のネットワークを有するマクロ多孔性構造を形成する、あらゆる好適な材料から形成することが可能である。開放気泡を有する泡沫は、相互に連結した細孔の網状構造である。泡沫足場は、付着細胞の取り付けが可能な、非生物分解性の安定した足場材料を提供する。ポリマーの中で、本発明のデバイスのための泡沫足場の形成に有用なものは、熱可塑性プラスチックおよび熱可塑性エラストマである。
好適な泡沫足場の形成に有用な熱可塑性材料の例には、アクリル、モドアクリル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、およびポリフッ化ビニリデンが挙げられる。好適な泡沫足場の形成に有用なエラストマ材料には、ポリアミドポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアセテート、およびシリコーンが挙げられる。
ポリスルホンおよびポリエーテルスルホンで作製された熱可塑性泡沫足場、およびポリウレタンおよびポリビニルアルコールから作製された熱可塑性エラストマ泡沫足場が好ましい。
泡沫は、(必ずしも全てではないが)細胞を細孔内の壁または表面に取り付けることができる細孔サイズでなければならない。泡沫足場の細孔サイズ、細孔密度、および空隙容積は様々である。細孔形状は、円形、楕円形、または、不規則形状とすることが可能である。細孔の形状は大きく変化させることができるので、その寸法は、測定される軸によって変化する場合がある。本発明の目的上、泡沫内の少なくともいくつかの細孔は、20乃至500μm、好ましくは50乃至150μmの細孔径でなければならない。上述の寸法は、泡沫の平均細孔径を表すことが好ましい。非円形の場合、細孔は、付着細胞を細孔内の壁または表面に取り付けることができる十分なサイズであれば、様々な寸法を有することが可能である。一実施態様では、泡沫は、短軸に沿った直径が20乃至500μmであり、長軸に沿った直径が最大1500μmであるいくつかの楕円細孔を有することが考慮される。
上述の細胞許容細孔サイズに加えて、泡沫内の少なくとも一部の細孔は10μm未満でなければならないが、それでも、栄養分の移送のためのチャネルおよび生物活性分子泡沫を提供することが好ましい。
泡沫の細孔の密度(すなわち、上述のように、細胞を収容できる細孔の容積あたりの数)は、20乃至90%、好ましくは50乃至70%の間で変動しうる。
同様に、泡沫の空隙容積は、20乃至90%、好ましくは30乃至70%で変動しうる。
細孔の壁または表面は、単一または複数の細胞外マトリックス分子、または他の好適な分子でコーティングすることが可能である。前記コーティングを使用して、細孔の壁への細胞の付着を容易にし、特定の表現型で細胞を保持し、および/または細胞分化を誘導する。
泡沫の細孔内の表面に付着することができる好適な細胞外マトリックス分子(ECM)には、コラーゲン、ラミニン、ビトロネクチン、ポリオルニチン、およびフィブロネクチンが挙げられる。他の好適なECM分子には、コンドロイチン硫酸塩、ヘパリン硫酸塩、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、ケラチン硫酸塩、ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)、およびエラスチンのような、グリコサミノグリカンおよびプロテオグリカンが挙げられる。
ECMは、間葉性または星状細胞由来の細胞を含む、沈殿したECMであることが分かっている細胞を培養することによって得ることが可能である。シュワン細胞を誘導して、アスコルビン酸塩およびcAMPで処理したときにECMを合成することができる。例えば、Baron−Van Evercooren et al.,“Schwann Cell Differentiation in vitro:Extracellular Matrix Deposition and Interaction”,Dev.Neurosci.,8,pp.182−96(1986)を参照のこと。
加えて、接着性ペプチドフラグメント(例、RGD含有配列(ArgGlyAsp)、YIGSR含有配列(TyrIleGlySerArg)、およびIKVAV含有配列(IleLysValAlaVal))は、細胞付着の促進に有用であることが分かっている。いくつかのRGD含有分子は市販されている(例、PepTite−2000TM(Telios))。
本発明の泡沫足場は、デバイス内の細胞分散を促進する他の材料で処理することも可能である。例えば、泡沫の細孔は、細胞増殖またはミグレーションを阻害する非許容ヒドロゲルで充填することが可能である。当該の改良は、泡沫足場への付着細胞の付着を改善することができる。好適なヒドロゲルには、帯電によって細胞を寄せ付けないことが可能なアニオン性ヒドロゲル(例、アルギン酸塩またはカラゲナン)が挙げられる。別様には、「固体」ヒドロゲル(例、アガロースまたはポリエチレンオキシド)を使用して、細胞によって分泌される細胞外マトリックス分子の結合を防止することによって細胞増殖を阻害することも可能である。
非許容材料の領域で泡沫足場を処理することによって、ある集団を他の集団よりも成長させ過ぎずに、デバイス内の2つ以上の相異なる細胞集団をカプセル化することができる。したがって、非許容材料を泡沫足場内で使用して、カプセル化細胞の別個の集団を分離することが可能である。細胞の相異なる集団は、同一または異なる細胞タイプとすることが可能であり、また、同一または異なる生物活性分子を生成することが可能である。一実施態様では、1つの細胞集団は、他の細胞集団の成長および/または生存を増大させる物質を生成する。別の実施態様では、複数の生物活性分子を生成する複数の細胞タイプがカプセル化される。これは、治療剤の混合物または「カクテル」を受容者に提供する。
本発明のデバイスは、あらゆる好適な方法に基づいて形成することが可能である。一実施態様では、泡沫足場が予備成形され、予備作製されたジャケット(例、中空繊維膜)に離散的構成要素として挿入される。
あらゆる好適な熱可塑性または熱可塑性エラストマ泡沫足場材料は、予備作製されたジャケットへの挿入のために予備成形することが可能である。一実施態様では、泡沫足場としての使用にはポリビニルアルコール(PVA)スポンジが好ましい。いくつかのPVAスポンジは、市販されている。例えば、PVA泡沫スポンジ#D−3では、60μmの細孔サイズが好適である(Rippey社、カネボウ)。同様に、PVAスポンジは、Ivalon社(San Diego、Calif.)およびHydrofera社(Cleveland、Ohio)から市販されている。PVAスポンジは、通気したポリ(ビニルアルコール)溶液と架橋剤としてのホルムアルデヒド蒸気との反応によって形成された、水不溶性の泡沫である。PVA上の水酸基は、アルデヒド基と共有結合的に架橋してポリマーネットワークを形成する。泡沫は、湿潤時は柔軟かつ弾性的であり、乾燥時は半硬質である。
糸またはメッシュの内部足場の形成に使用したフィラメントは、あらゆる好適な生体適合性の実質的に非分解性材料で形成される。糸または網組メッシュの形成に有用な材料には、例えば、アクリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリブテステル、または綿、絹、キチンまたは炭素のような天然繊維などの、繊維に形成することができるあらゆる生体適合性ポリマーが挙げられる。繊維形成プロパティを有するあらゆる好適な熱可塑性ポリマー、熱可塑性エラストマ、または他の合成または天然材料は、予備作製された中空繊維膜、または平膜シートから形成された中空円筒に挿入することが可能である。例えば、縫合糸材料または血管グラフトの製造に使用される絹、PET、またはナイロンフィラメントは、この種の用途に非常に貢献する。他の実施態様では、金属リボンまたはワイヤーを使用して編むことが可能である。これらのフィラメント材料のそれぞれは、十分に制御された表面および幾何学的プロパティを有し、大量生産が可能であり、また移植用途に長い歴史を有するものである。特定の実施態様では、フィラメントは、細胞の突起を取り付けることが可能な粗面と「取っ手」とを提供するように「テクスチャライズ」することが可能である。フィラメントは、細胞外マトリックス分子でコーティングするか、または表面処理(例、プラズマ照射、またはNaOHまたはKOHエッチング)して、フィラメントへの細胞接着を高めることが可能である。
一実施態様では、フィラメント(非ランダムの一方向性配向で構成されることが好ましい)は、束に撚り合わされて様々な厚さおよび空隙容積の糸を形成する。空隙容積は、フィラメント間に存在する空間として定義される。糸内の空隙容積は、20乃至95%の間になければならないが、50乃至95%の間であることが好ましい。フィラメント間の好適な空隙部は、20乃至200μmの間であり、足場が糸の長さに沿って接種され、細胞をフィラメントに取り付けるに十分なものとする。糸からなるフィラメントの好適な直径は、5乃至100μmの間である。これらのフィラメントは、束に撚り合わせて糸を構成することができるように、十分な機械的強度を持たなければならない。フィラメントの断面形状は様々であってよいが、円形、長方形、楕円、三角形、および星型の断面が好ましい。
別の実施態様では、フィラメントまたは糸は、メッシュ状に編まれる。メッシュは、モノフィラメントまたはマルチフィラメントを含み、製織中に糸またはフィラメントをメッシュに供給する役目をする、ボビンに類似したキャリアを使用して編組機で製造することができる。キャリアの数は調整可能であり、同じフィラメントか、または異なる組成および構造のフィラメントを組み合わせたもので巻回することが可能である。ピックカウントによって定められる編組の角度は、キャリアの回転速度および生産速度によって制御される。一実施態様では、マンドレルを使用してメッシュの中空管を形成する。特定の実施態様では、編組は単一の層として構成され、他の実施態様では多層構造である。編組の引張強さは、個々のフィラメントの引張強さの線形合計である。
本発明に使用する好適なモノフィラメントの例は、米国特許第6,627,422号に見出される。一例に、編組に編まれたPET糸がある。このPETの編組は、1インチあたり20のピック(ppi)のピックカウントで、16のキャリアの編組機によって、外径760μmのマンドレル上に編まれた、34のストランド、44のデニールマルチフィラメント糸から構成した。PET糸は、不織ストランドで使用することも可能である。別の例に、編組に編まれたナイロンモノフィラメントがある。このナイロンの編組は、18ppiのピックカウントで、16のキャリアの編組機によって、外径760μmのマンドレル上に編まれた、ストランド数13、40のデニールマルチフィラメント糸で構成した。更なる例には、編組に編まれたステンレス鋼マルチフィラメントが挙げられる。このステンレス鋼の編組は、90ppiのピックカウントで、16のキャリアの編組機によって、外径900μmのマンドレル上に編まれた、リボンから構成した。これらのPET、ナイロン、およびステンレス鋼の編組の引張強さは、切断時にそれぞれ2.7、2.4、および3.6kgfであった。
一実施態様では、管状の編組が構成される。更なる一実施態様では、編組は、中空繊維膜に挿入される。更なる一実施態様では、細胞は、中空繊維膜上に接種される。更なる一実施態様では、細胞は、メッシュ管の壁を浸潤させて細胞付着に利用可能な表面積を最大化することができる。本実施態様では、編組は、細胞足場マトリクスとしての、およびデバイスの内側サポートとしての役目をする。編組サポートされたデバイスの引張強さは、代替的な手法におけるものよりも著しく向上する。
多種多様な細胞タイプを、本発明によるデバイスにおいてカプセル化することが可能である。これらは、既知の、好適に入手可能な、不死化した細胞株、自然に不死化した細胞株、および分割主細胞培養を含む。いくつかの実施態様の細胞株は、トランスフェクトまたは変換されるので、クローンを選択、膨張、および細胞バンクしなければならず、細胞または細胞株は、多数の細胞分割を起こせることが好ましい。
長期間の増殖能を有する細胞株は、原種および/または前駆細胞を含む多種多様な細胞から生成することが可能である。また、多分化能かつ多能な幹細胞、胚性幹細胞、神経幹細胞、造血幹細胞を含む幹細胞も好適である。
細胞株の例には、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、ベビーハムスター腎細胞(BHK)、マウス線維芽細胞−3T3細胞、アフリカミドリザル細胞株(COS−1、COS−7、BSC−1、BSC−40、BMT−10、およびVeroを含む)、ラット副腎髄質褐色細胞腫(PC12およびPC12A)、AT3、ラットグリア細胞腫瘍(C6)、成長因子膨張幹細胞、EGF反応性神経球、哺乳類のCNSに由来するbFGF反応性神経前駆幹細胞[Richards et al.,PNAS 89:8591−8595(1992);Ray et al.,PANS 90:3602−3606(1993)]、主線維芽細胞、シュワン細胞、星状細胞、β−TC細胞、Hep−G2細胞、乏枝神経膠細胞およびそれらの前駆体、マウス筋芽細胞−C2C12、ヒトのグリア由来細胞−Hs683、ヒトのグリア由来細胞−A172、豚のグリア芽細胞、ヒトの長骨から単離した軟骨芽細胞、ウサギの角膜由来の細胞(SIRC)、およびCAC細胞が挙げられる。
本発明は、同じデバイスにおける2つ以上の別々にトランスフェクションした細胞または細胞株(各細胞株は、所望の分子のうちの少なくとも1つを分泌する)のカプセル化も考慮する。別様には、別々に各分子を生成する別個のデバイスを移植することが可能である。
細胞の選択は、対象とする用途に依存する。細胞は、必然的に所望の生物活性分子を生成することが可能であるか、またはそのように遺伝子操作することが可能である。
好適な一実施態様では、ヒト受容者内の免疫反応のリスクを減じるために、細胞はヒト由来のものである。細胞が半透性膜の背後にカプセル化されていても、本質的にヒト以外の細胞株がヒト以外のタンパク質を生成し、(低レベルで分泌されるが)代謝物質はヒト宿主内で免疫反応を引き起こす場合がある。ヒト以外の哺乳類への移植の場合、細胞は、カプセルを移植すべき哺乳類と同じ種のものであることが好ましい。
最も幅広い側面では、これは、多クローン性であれ単クローン性であれ、あらゆるヒト細胞培養または細胞株を含む。より適切に特性を表すことができるので、単クローン性細胞株がより好ましい。
ヒト細胞株は、異形の不死化遺伝子の挿入によって不死化にされている場合があり、それらは自発的に不死であるか、または成長因子膨張一次細胞または幹細胞となりうる。
細胞株は、カプセル内部で区別することができる接触阻害された細胞株(例えば幹細胞)であることが好ましい。二次元培養で成長する場合に密集するまで成長し、その後実質的に分割を止める細胞株により、接触阻害された細胞株が表される。これは、限られた数の細胞が二次元層から逃れるという可能性を除外しない。接触阻害された細胞は、三次元(例、カプセル内部)で成長することも可能である。また、カプセル内部で、細胞は密集するまで成長して、その後増殖速度を著しく低減させるか、または完全に分割を止める。
特に好適なタイプの細胞には、それらの性質によって接触阻害され、培養下で安定した単層を形成する上皮細胞が挙げられる。網膜色素上皮細胞(RPE細胞)は、さらに好ましいものである。RPE細胞の源は、哺乳類の網膜からの一次細胞単離によるものである。RPE細胞を獲得するためのプロトコルは、明確に定義されており(Li and Turner,1988,Exp.Eye Res.47:911−917;Lopez et al.,1989,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci. 30:586−588)、ルーチンの方法を考慮している。RPE細胞の共移植のほとんどの報告書では、細胞は、ラットに由来するものである(Li and Turner,1988;Lopez et al.,1989)。本発明によれば、RPE細胞は、ヒトに由来するものである。単離した一次RPE細胞に加えて、培養したヒトRPE細胞株は、本発明の実行に使用することが可能である。
全ての通常のディプロイド脊椎動物細胞は、増殖する能力が限られるが、これはハイフリック限界または複製老化として知られている現象である。ヒト線維芽細胞では、この限界は、50乃至80の集団倍加後に生じ、その後細胞は、生存可能あるが、数ヶ月間非分裂の老化状態を保持する。これは、大部分の癌細胞の習性とは対照的に、増殖能を制限する制御を免れ、事実上不死である。
細胞は、一定数の細胞分裂を行うことができるので、遺伝子を組み合えることができ、膨張してカプセル化細胞治療または移植治療に十分な細胞を生成できることが好ましい。その点を考慮して、好適な細胞株は、少なくとも50回倍加、より好ましくは少なくとも60回倍加、より好ましくは少なくとも70回倍加、より好ましくは少なくとも80回倍加、より好ましくは少なくとも90回倍加、約100回倍加などを起こすことができる。
カプセル化に関して、細胞は、例えばCNS内で、低酸素分圧レベルの人体において生存および治療分子の分泌を持続できることが好ましい。本発明の細胞株は、酸素分圧が5%以下で、好ましくは2%以下で、より好ましくは1%以下で生存できることが好ましい。1%の酸素分圧は、脳内の酸素レベルに相当する。
カプセル化細胞のバイオデリバリのための細胞株は、次の特徴を可能な限り多く有する必要がある。(1)細胞は、厳しい条件下で頑健でなければならない(カプセル化細胞は、実質に中枢神経系内、心室または髄膜下の流体空間内、または眼球内、特に眼球内の環境のような、血管のおよび無血管組織のキャビティにおいて機能しなければならない)。(2)細胞は、治療分子を発現するように遺伝子を組み換えることができなければならない。(3)細胞は、比較的多数の分裂を行うことができ、比較的長寿命でなければならない(細胞は、バンク、特徴付け、操作、安全な試験、および臨床的ロットの製造に十分な子孫を生成しなければならない)。(4)細胞は、ヒト由来のものでなければならない(カプセル化細胞と宿主との適合性を増す)。(5)細胞は、デバイス内の生体内において、1ヶ月を超える期間に対して80%を超える生存性を示さなければならない(長期的な供給を確保する)。(6)カプセル化細胞は、有効な量の治療細胞を供給しなければならない(処理の有効性を確保する)。(7)カプセル化のときに、細胞は、顕著な宿主免疫反応を生じてはならない(グラフとの寿命を確保する)。(8)細胞は、非腫瘍遺伝子でなければならない(デバイスの漏出時に、宿主に更なる安全性を提供する)。
いくつかの細胞株のスクリーニングおよび特徴付けにおいて、ARPE−19細胞株(Dunn et al.,62 Exp.Eye Res. 155−69(1996);Dunn et al.,39 Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 2744−9(1998);Finnemann et al.,94 Proc.Natl. Acad. Sci. USA 12932−7(1997);Handa et al.,66 Exp. Eye. 411−9(1998);Holtkamp et al.,112 Clin.Exp. Immunol. 34−43(1998);Maidji et al.,70J. Virol. 8402−10(1996))は、カプセル化細胞ベースの供給系(米国特許第6,361,771号、Tao et al.)のための良好なプラットホームの全ての特徴を有することを見出した。ARPE−19細胞株は、試験を行った他の細胞株よりも優れていた。
ARPE−19細胞株は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC番号CRL−2302)から入手可能である。ARPE−19細胞株は、通常の網膜色素上皮(RPE)細胞に由来し、網膜色素上皮細胞固有のマーカーCRALBPおよびRPE−65を発現する。ARPE−19細胞は、安定した単層を形成し、形態的および機能的極性を示す。ARPE−19細胞は、コンプリートグロースメディウムで、すなわち細胞寄託者によって推奨される血清添加培地で培養することが可能である。コンプリートグロースメディウムは、ダルベコの修飾イーグル培地(Dulbecco’s modified Eagle’s medium)と、3mMのL−グルタミン90%、ウシ胎児血清10%を含むハムのF12培地(Ham’s F12 medium)とを1:1で混合したものか、またはダルベコの修飾イーグル培地と、ウシ胎児血清10%、56mM終末濃度の重炭酸ナトリウム、および2mMのL−グルタミンを含むHEPESバッファを有するハムのF12培地とを1:1で混合したものである。細胞は、37℃、5%のCOで培養されることが好ましい。細胞は、一般的に、ファルコン組織培養処理した6または12ウェルプレート、またはT25またはT75フラスコにプレートして成長させる。二次培養のために、培地を取り除き、好ましくはARPE−19細胞を0.05%トリプシン、0.02%EDTA(エチレンジアミン四酢酸)溶液で洗浄し、トリプシンを除去する。1乃至2mlの更なるトリプシン溶液を追加する。培養物は、室温(または37℃)でARPE−19細胞が分離するまで培養される。培養比率は、1:3乃至1:5が推奨される。
別の実施態様では、細胞株は、ヒトの不死化線維芽細胞株、ヒトの不死化間葉系幹細胞株、ヒトの不死化星状細胞株、ヒトの不死化中脳細胞株、およびヒトの不死化内皮細胞株からなる群から選択され、SV40T、vmyc、またはテロメラーゼ(TERT)の触媒サブユニットで不死化されることが好ましい。
本発明による別のタイプの好適なヒト細胞は、不死化ヒト星状細胞株である。不死化ヒト星状細胞株を生成するための方法は、上述したとおりである(Price TN,Burke JF,Mayne LV.A novel human astrocyte cell line(A735)with asrtocyte−specific neurotransmitter function.In Vitro Cell Dev Biol Anim.1999 May;35(5):279−88.)。このプロトコルを使用して、星状細胞株を生成することが可能である。
カプセル化デバイス内の細胞配布を制御する方法についても述べた。米国特許第5,795,790号を参照のこと(参照することにより組み込まれる)。細胞は、細胞増殖を阻害する、細胞分化を促進する、またはバイオ人工臓器内での成長表面に対する細胞付着性に影響を及ぼす処理を受ける。当該の処理は、(1)遺伝子的に細胞を操作するステップと、(2)増殖阻害化合物または分化誘導化合物に細胞を露出するか、または増殖促進化合物または分化抑制化合物への露出から取り除き、細胞を照射に露出するステップと、(3)細胞外マトリックス分子、細胞増殖または接着性に影響を及ぼす分子、不活性の足場、またはそれらの組み合わせを有するカプセル化デバイスの成長表面を改良するステップとを含む。これらの処理は、組み合わせて使用することが可能である。好適な処理では、細胞は、増殖促進および分化抑制化合物に露出され、次いで、半透性生体適合性膜内に細胞をカプセル化する前に、増殖促進および分化抑制化合物への露出から取り除かれる。宿主内へのカプセル化デバイスの生体内移植時に、細胞増殖が阻害され、細胞分化が促進される。
カプセル化のための細胞の遺伝子操作
細胞は、治療分子を過剰発現させるように遺伝子操作することができる。用語「遺伝子組み換え」および「遺伝子操作」とは、外因性DNAの意図的な導入による、細胞の遺伝子型の安定した、または一過性の変性のことである。DNAは、合成物、または自然由来のものとすることが可能であり、また遺伝子、遺伝子の一部、またはたの有用なDNA配列を含むことが可能である。用語「遺伝子組み換え」とは、自然ウイルス活性、自然遺伝子的な再結合などを介して生じるような、自然に生じる変性を意味するものではない。
あらゆる有用な細胞の遺伝子組み換えは、本発明の範囲内にある。例えば、細胞を改良して、神経伝達物質または成長因子などのような生物活性物質を生成すること、または生成を高めることが可能である。遺伝子組み換えは、ウイルスベクター(レトロウイルス、修飾ヘルペスウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルスなど)の感染によって、または既知の方法(リポフェクション、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストランなど)(Maniatis et al.,in Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory,N.Y.,1982)を参照のこと)を使用したトランスフェクションによって実行することができる。例えば、キメラ遺伝子の構造物は、ウイルス、例えば、レトロウイルスの末端反復配列(LTR)、シミアンウイルス40(SV40)、サイトメガロウイルス(CMV)、または哺乳類細胞固有のプロモータを含むことができる。加えて、ベクターは、大腸菌アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子のような薬剤選択マーカーを含むことができ、試験遺伝子と共感染したときに、ジェネティシン(G418)、タンパク質合成抑制剤に対する耐性を与える。
細胞は、発現ベクターによるトランスフェクションを使用して遺伝子操作することができる。「発現ベクター」は、ゲノムに組み込まれるか、または細胞質内に存在する核酸であり、ポリペプチド、タンパク質、またはウイルスベクターの発現を可能にすることができる。あるプロトコルでは、遺伝子を含むベクターDNAは、0.1xTE(1mMトリス、pH8.0、0.1mMのEDTA)で40μg/mlの濃度に希釈される。無菌の5ml使い捨てプラスチック管において、22μlのDNAを、250μlの2xHBS(280mMのNaCl、10mMのKCl、1.5mMのNaHPO、12mMのデキストロース、50mMのHEPES)に加える。31μlの2M CaClをゆっくりと加え、その混合物を30分間室温で培養する。この30分間の培養中に、細胞を、800gで5分間4℃で遠心分離機にかける。細胞は、20ボリュームの氷冷したPBSで再懸濁し、1×10細胞のアリコートに分割し、再び遠心分離機にかける。細胞の各アリコートは、1mlのDNA−CaCl懸濁液で再懸濁し、20分間室温で培養する。細胞は、次いで成長培地で希釈して、5%乃至7%のCOにおいて、6乃至24時間37℃で培養する。細胞を再び遠心分離機にかけて、PBSで洗浄して、48時間10mlの成長培地に戻す。
DNA、プラスミドポリヌクレオチド、または組み換えベクターの直接投与に好適なビヒクルには、これに限定されないが、生理食塩水、サッカロース、プロタミン、ポリブレン、ポリリシン、ポリカチオン、タンパク質、リン酸カルシウム、またはスペルミジンが挙げられる。例えば、WO 94/01139を参照のこと。
細胞は、リン酸カルシウムトランスフェクション法を使用して遺伝子操作することもできる。標準リン酸カルシウムトランスフェクションの場合、細胞は、単一の細胞懸濁液に機械的に解離され、50%密集(50,000乃至75,000細胞/cm2)で組織培養処理皿上にプレートされる。あるプロトコルでは、改良型リン酸カルシウムトランスフェクションプロシージャは、無菌のTEバッファ(10mMトリス、0.25mM EDTA、pH7.5)内のDNA(15乃至25μg)をTEで440μlに希釈し、60μlの2M CaCl(1M HEPESバッファでpH5.8にする)をDNA/TEバッファに加えることで実行される。500μlの2xHeBS(HEPESバッファード生理食塩水;275mMのNaCl、10mM KCl、1.4mMのNaHPO、mMのデキストロース、40mMのHEPESバッファパウダー、pH6.92)をこの混合物に滴下して加える。混合物は、20分間室温とすることができる。細胞は、1xHeBSで短時間洗浄し、1mlのリン酸カルシウム沈殿DNA溶液を各プレートに加え、細胞を37℃で20分間培養する。この培養の後に、10mlの「完全培地」を細胞に加えて、プレートを培養器(37℃、9.5%のCO)内にさらに3乃至6時間配置する。DNAおよび培地は、培養期間が終わったときに吸引によって取り除かれる。細胞を洗浄し、新しい培地を加えて、細胞を培養器に戻す。
別様には、WO 93/06222に記載されているように、リン酸カルシウム共沈法を使用することができる。
さらに、細胞は、遺伝子操作して、所望の分泌因子を生成することができる。所望の分泌因子は、合成または組み換えポリヌクレオチドによってコード化することができる。用語「組み換え」とは、ポリヌクレオチドを組み合わせて有用な生物学的製剤、および本技術によって生成されたポリヌクレオチドおよびペプチドを生成するための分子生物学的技術のことである。ポリヌクレオチドは、プロモータ、終結信号などのような制限要素をコード化するポリヌクレオチドの手術的制御下において、所望の分泌因子をコード化するポリヌクレチオドを含む、組み換え構造物(ベクターまたはプラスミドなど)とすることができる。「操作可能にリンクされる」とは、そのように述べられた構成要素が、ある関係においてそれらの要素の目的とする様態で機能できるようにすることである。コード配列に操作可能にリンクされた制御配列は、コード配列の発現が、制御配列との互換状態下で達成されるように結紮される。「制御配列」とは、結紮されるコードおよび非コード配列の発現を生じさせるに必要な、ポリヌクレオチド配列のことである。制御配列は、一般的に、プロモータと、リゾホーム結合部位と、転写終結配列とを含む。加えて、「制御配列」とは、コード配列内でコード化されたペプチドの処理を制御する配列のことであり、限定されないが、ペプチドの分泌、プロテアーゼ開裂、およびグリコシル化を制御する配列が挙げられる。用語「制御配列」とは、最小限、その存在が発現に影響を与えることができる成分を含み、また、その存在が、例えばリーダー配列および融合パートナー配列に好都合である、更なる構成要素を含むことができることを意図するものである。「コード化配列」とは、ポリペプチドに転写されて変換されるポリヌクレオチド配列である。2つのコード化ポリヌクレオチドは、リンケージが、三重項読み枠の変性または中断の無い、連続的に翻訳可能な配列である場合に「操作可能にリンクされる」。ポリヌクレチオドは、リンケージが、遺伝子発現要素が所望の分泌因子を発現するという適切な機能をもたらす場合に、遺伝子発現要素に操作可能にリンクされる。「変換」とは、外因性ポリヌクレオチド(すなわち「導入遺伝子」)の宿主細胞への挿入である。外因性ポリヌクレオチドは、宿主ゲノム内に組み込まれる。ポリヌクレオチドは、転写および翻訳制限情報を含むヌクレオチド配列を含む場合に、所望の分泌因子を「発現することができ」、当該の配列は、所望の分泌因子をコード化するポリヌクレチオドに「操作可能にリンクされる」。ペプチドコード化領域をコード化するポリヌクレチオドは、次いで、例えば標準作業(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Press,1989)に記載されているような従来の方法に基づいて、例えば細菌ベクターで調製することによって増幅させることができる。発現ビヒクルは、プラスミドまたは他のベクトルを含む。
所望の分泌因子をコード化するポリヌクレチオドは、化学的合成法によって、または組み換え技術によって調製することができる。ポリペプチドは、因習的に、Merrifield,85 J.Amer.Chem.Soc.2149−2154(1963)(Stemmer et al.,164 Gene 49(1995)を参照のこと)に記載されているような、化学的合成法によって調整することができる。合成遺伝子、結果的に所望の分泌因子タンパク質を生成する生体外または生体内転写および変換は、既知の技術である手法によって構成することができる(Brown et al.,68 Methods in Enzymology 109−151(1979)を参照のこと)。コード化ポリヌクレオチドは、Applide Biosystems社のModel 380Aまたは380B DNA合成機(Applide Biosystems社、850 Lincoln Center Drive、Foster City、Calif.、USAより入手可能)のようなDNA合成装置を使用して生成することができる。
所望の分泌因子をコード化するcDNAの発現に有用なポリヌクレオチド遺伝子発現要素には、限定されないが、(a)SV40早期プロモータ、Rous肉腫ウイルスLTR、およびMoloneyマウス白血病ウイルスLTRのような、ウイルス転写プロモータおよびそれらのエンハンサー要素、(b)SV40後期領域に由来するような、スプライス領域およびポリアデニル化部位、および(c)SV40にあるようなポリアデニル化部位が挙げられる。所望の分泌因子を発現できる受容細胞は、次いでトランスフェクションされる。トランスフェクションされた受容細胞は、所望の分泌因子の発現が可能な条件下で培養され、培養物から回収される。細胞は、牛痘または豚痘のようなポックスウイルスベクターとともに使用することができる。宿主の細胞へ合成遺伝子を搬送するように操作することができる非病原性のウイルスには、牛痘のようなポックスウイルス、アデノウイルス、レトロウイルスなどが挙げられる。複数の当該の非病原性のウイルスは、ヒトの遺伝子治療に、および他のワクチン薬剤のキャリアとして一般的に使用され、これらは既知であり当業者によって選択可能である。変換、培養、増幅、スクリーニング、および生成物の作製および精製のための他の好適な宿主細胞および方法の選択は、既知の手法によって当業者が行うことができる(例、Gething&Sambrook、293 Nature 620−625(1981)を参照のこと)。別の好適なシステムには、バキュロウイルス発現システムおよびベクターが挙げられる。
所望の分泌因子をコード化するポリヌクレオチドは、様々な方法で使用することができる。例えば、ポリヌクレオチドは、宿主細胞の培地において生体外で所望の分泌因子ペプチドを発現することができる。発現された所望の分泌因子は、好適な生成の後に、薬剤の試薬またはワクチンに組み込むことができる(下述する)。
用語「生物学的薬剤」とは、ウイルス、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質、炭水化物、核酸、ヌクレオチド、薬物、プロドラッグ、またはその影響が有害、有効、それ以外であるかどうかに関わらず、神経細胞へ影響を及ぼすことが可能な他の物質のような、あらゆる薬剤のことである。神経細胞に有効な生物学的薬剤は、「神経学的薬剤」であり、この用語は、CNSまたは眼細胞の増殖、分化、または機能に、または神経学的または眼科疾病または疾患の治療に潜在的に有用となりうる、あらゆる生物学的または薬学的活性物質を包含する。例えば、この用語は、特定の神経伝達物質、神経伝達物質受容体、成長因子、成長因子受容体など、およびこれらの薬剤の合成に使用される酵素を含めることが可能である。
遺伝子組み換えが生物学的薬剤の生成に対するものであるとき、物質は、CNS疾患のような所与の疾患の治療に有用であるものとなりうる。細胞は、成長因子、成長因子受容体、神経伝達物質、神経伝達物質合成遺伝子、神経ペプチド、およびクロム親和性の顆粒アミン輸送体のような、生物活性物質を発現するように遺伝子操作することができる。例えば、細胞の遺伝子組み換えが望まれる場合があるので、増殖誘導成長因子または分化誘導成長因子を分泌する。
生物学的薬剤は、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、酸性線維芽細胞成長因子、上皮細胞増殖因子、形質転換成長因子α、形質転換成長因子β、神経成長因子、インスリン様成長因子、血小板由来成長因子、グリア細胞株由来神経組織栄養因子、ニュールツリン、ペルセフィン、ニューブラスチン(アルテミン)、脳由来神経栄養因子、毛様体神経栄養因子、ホルボール 12−ミリステート 13−アセテート、tryophotin、アクチビン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、インターロイキン、骨形態形成タンパク質、マクロファージ炎症性タンパク質、ヘパリン硫酸塩、アンフィレギュリン、レチノイン酸、腫瘍壊死因子α、線維芽細胞成長因子受容体、上皮細胞増殖因子受容体、または他の薬剤は、潜在的標的組織に治療上有用な効果を呈することが予想される他の薬剤とすることができる。生物学的薬剤の例には、グリア由来神経組織栄養因子(GDNF)のような栄養素;スタウロスポリン、CGP−41251などのような成長因子活性に関連する細胞内経路の調整器;ホルモン;インターロイキンのような種々のタンパク質およびポリペプチド;ヘパリン類似の分子;および放射状グリア細胞またはCNS神経幹細胞に影響を及ぼす様々な他の分子が挙げられる。
IL−2を分泌する哺乳類細胞は、プラスミドベクターpBCMG−hygro−hIL−2(Roux et al.,159J.Cell.Physiol.101−113(1994))、ウサギβ−グロビンイントロンを含み、その後にポリ(A)配列が続くサイトメガロウイルス(CMV)プロモータの転写調節下でヒトIL−2 cDNAを含むエピソーム発現ベクター、および選択のためのハイグロマイシン耐性遺伝子によるトランスフェクションによって生成することができる。hIL−2タンパク質をコード化する発現ベクターを哺乳類の細胞株に導入するために、リン酸カルシウム沈殿法を使用することができる。pPCHILプラスミド(pBCMG−hIL−2)は、選択のためのハイグロマイシンB耐性遺伝子が続くhIL−2 cDNA配列を含む。それらのゲノムに安定的に組み込まれた外来DNAを有する細胞は、培地内にハイグロマイシンBが存在する状態で選択される。
IL−10を分泌する哺乳類細胞を作製することができる。Thによって生成され、CD細胞のサブセットであるインターロイキン−10(IL−10)は、CD4ヘルパーTリンパ球のサブセットであるThによってサイトカインの生成を抑制する。IL−10は、単球による多数の炎症誘発性サイトカインの生成も阻害する。IL−10の発現は、ヒトの悪性神経膠腫内において、また高悪性度対低悪性度の腫瘍において検出されている。これは、内因性IL−10が、脳内で抗神経膠腫免疫を抑制するように機能するという仮定をもたらした。内因性IL−10の潜在的免疫抑制および抗炎症作用にもかかわらず、操作された腫瘍細胞によって高レベルで生成された遺伝形質転換IL−10が、抗腫瘍免疫を刺激するか、または腫瘍関連の脈管形成によって、全身の腫瘍の成長を抑制することができるという根拠がもたらされている。IL−10を生成する哺乳類細胞は、プラスミドpBMGneoとのトランスフェクションによって作製することができる。Kundu et al.,88,J.Natl.Cancer Inst.536−41(1996)に類似したプロシージャを使用したリポフェクトアミン(GIBCO)の存在下のIL−10。
FGF(線維芽細胞成長因子)を分泌する哺乳類細胞を生成することができる。線維芽細胞成長因子(FGF)は、中枢神経系内の他の細胞タイプの神経保護となりうる内皮細胞分裂促進因子である。哺乳類の細胞株は、フレーム単位でFGF−1に融合したFGF−4のhst/KS3信号配列からなるキメラヒトFGF−1の遺伝子(sp−hst/KS3:FGF−1)を発現するように、遺伝子を改変することができる(Forough et al.,268J.Biol.Chem.2960−8(1993))。
哺乳類細胞を操作して、種々の神経伝達物質または、セロトニン、エルドーパ、ドーパミン、ノルエピネフリン、エピネフリン、タキキニン、P物質、エンドルフィン、エンケファリン、ヒスタミン、NメチルD−アスパラギン酸塩、グリシン、グルタミン酸塩、GABA、AChなどのようなそれらの受容体を生成することができる。有用な神経伝達物質合成遺伝子には、TH、DDC、DBH、PNMT、ガド、トリプトファンヒドロキシラーゼ、ChAT、およびヒスチジンデカルボキシラーゼが挙げられる。CNS疾患の治療に有用であることが分かっている種々の神経ペプチドをコード化する遺伝子には、P物質、神経ペプチド−Y、エンケファリン、バソプレッシン、VIP、グルカゴン、ボンベシン、コレシストキニン(CCK)、ソマトスタチン、カルシトニン遺伝子関連ペプチドなどが挙げられる。
別様には、哺乳類細胞は、欠損のある非自己伝播のウイルス粒子にアセンブルすることができる異種ポリペプチドを共発現する組み換えウイルスベクターを記述した、米国特許第5,614,404号の方法を使用して、レトロウイルスの遺伝子導入ベクターを生成することができる。遺伝子導入ベクターとして有用なウイルスにはレトロウイルスが挙げられ、ヒトの臨床試験において最も一般的に使用されるベクターである。遺伝子治療ベクターを生成するには、対象となる遺伝子を、感染後のレトロウイルスの逆転写および組み込み機能に必要な2つの長い末端反復(LTR)、プライマー結合部位、パッケージング信号、およびポリプリントラクトを含む、複製欠損のレトロウイルスのプラスミドにクローン化する。ウイルスベクターを生成するために、プラスミド形態のベクターを、粒子のアセンブリに必要なレトロウイルスの構造タンパク質であるGag、Pol、およびEnvを生成するパッケージング細胞株にトランスフェクションする。プロデューサ細胞株は、通常、選択マーカー、しばしばレトロウイルスベクターによって搬送されるG418抵抗性遺伝子を使用して生成される。結果として生じる細胞株は、カプセル化することができ、これは、標的細胞の感染に対するウイルスベクターを分泌するパッケージング生細胞を含む生体適合性カプセルと、標的細胞の好都合な伝染性に対する供給方法とを記載した、WO 97/44065に記述されている。
受容宿主内のCNSまたは眼球の細胞に対する生物学的薬剤の作用は、中枢神経細胞(ラット褐色細胞腫PC12細胞、培養中枢神経ニューロンなど)に対するモデルの細胞培養間か、または発現した表現型(ニューロン、膠細胞、神経伝達物質、または他のマーカー)の比率、細胞生存性、および遺伝子発現における変性などの基準に対する培養物の制御に対する眼細胞(IO/LD7/4細胞株、ARPE−19細胞、培養網膜色素上皮細胞など)間の有意差に基づいて、生体外で識別することができる。細胞の物理的特性は、顕微鏡検査で細胞、神経突起、および成長を観察することによって分析することができる。新しい、または濃度を増した酵素、受容体、および他の細胞表面分子のようなタンパク質、または神経伝達物質、アミノ酸、神経ペプチド、および生体アミンの発現の誘導は、当該の分子のレベルの変化を識別できる既知の手法で分析することができる。これらの手法は、当該の分子に対する抗体を使用した免疫組織化学、または生化学的分析を含む。このような生化学的分析には、タンパク質測定、タンパク質測定、酵素測定、受容体結合測定、酵素免疫吸着法(エリサ)、電気泳動分析、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)での分析、ウエスタンブロット法、および放射性免疫分析(RIA)が挙げられる。ノーザンブロットおよびPCRのような核酸分析を使用して、これらの分子に対する、またはこれらの分子を合成する酵素に対するmRNAコード化のレベルを調べることができる。また、生体内の所望の分泌因子の転写物の細胞検出は、免疫科学によって、または他の免疫学的方法によって実証することができる。
成長因子のポリマーカプセル化細胞分配の治療的有効性
中枢神経系は、慢性変性を受ける部位である。成長因子は、神経変性疾患を治療するための相当な治療可能性を有することが知られている。例えば、成長因子を分泌するように遺伝子操作されたポリマーカプセル化異種細胞は、ラット(Winn et al.,91 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 2324−8(1994))、霊長類(Emerich et al.,349J.Comp.Neurol.148−64(1994))、および高齢の霊長類(Kordower et al.,91 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 10898−902(1994))における、中枢神経系内の傷害誘導性の細胞損失から保護することができる。治療効果は、副作用の形跡を示さずに、種々の成長因子を中枢神経系内の標的部位の範囲に直接供給する、ポリマーカプセル化細胞デバイスによってもたらされる(Emerich et al.,130 Exp.Neurol.141−50(1994)、Emerich et al.,736 Brain Res. 99−110(1996)、Emerich et al.,349 J.Comp.Neurol.148−64(1994)、Hoffman et al.,122 Exp.Neurol. 100−6(1993)、Kordower et al.,72 Neuroscience 63−77(1996)、Kordower et al.,91 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 10898−902(1994)、Winn et al.,91Proc.Natl.Acad.Sci. USA 2324−8(1994))。成長因子のポリマーカプセル化細胞供給の安全性は、脳に成長因子を受容した動物において、最長で1年間副作用が見られなかった研究によって裏付けられる(Linder et al.,5 Cell Transplant.205−23(1996)、Winn et al.,140 Exp.Neurol.126−38(1996))。これらの研究では、神経毒性に極めて敏感である、学習行動の試験においても副作用が見られなかった。
材料および寸法は、1つの特定の実施態様において次のように選択することが可能である。
実施例1:カプセルの製造および細胞の充填
カプセル
デバイスは、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)、または外径が800乃至1000μmで、壁厚が約100μmである同等のポリマー中空糸膜から作製される。膜繊維のキャビティに挿入されるポリビニルアルコール(PVA)からなる多孔質足場材料は、細胞株の適切な細胞の分布および付着性を確保する。最後に、デバイス端部に固定されるポリウレタン(PU)または同等の材料から作製されるテザーは、移植後にカプセルを取り出すための手段を提供する。
(ラットにおける)臨床試験前に使用されるカプセルは、約5mmの長さである。ヒトの脳への移植を考慮したカプセルは、5乃至100mmの長さである。
細胞の充填は、テザーへの遠位端において中空繊維デバイスに取り付けられたハブセグメントおよびポートを介して行われる(図8)。単一細胞の懸濁液として調製された細胞は、ポートに注入され、ハブセグメントが取り込まれ、注入穴は接着剤で密封される。デバイスの長さ1mmごとに、約10,000の細胞が充填される(ARPE−19細胞)。ARPE−19細胞株は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC番号CRL−2302)から入手可能である。デバイスは、使用するまで媒体内に保持される。
ラットの脳への移植のためのカプセルは、以下の材料によって作製した。
膜:90kDA分子量カットオフのポリスルホン中空繊維膜(PS90/700、Minntech社、Minneapolis、Minnesota、USA)。寸法:内径700μm±50μm内径、壁厚100μm±20μm。中空繊維は、ほぼ5mmの長さに切断した。
泡沫:PVA泡沫、製品no.160LD、Hydrofera社(Cleaveland、Ohio、USA)。PVA泡沫は、中空繊維の内径に嵌合するように切断した。
充填管:パーフルオロアルコキシコポリマー、内径0.0037”±0.0005”、壁厚0.005”±0.001”。Zeus Industrial Products社製(Orangeburg、South Carolina、USA)。充填管は、一端が中空繊維に接着され、他端がハブに接着される。
ハブ:製品番号 P/N 02030200 Rev.1、Abtec社(Bristol、PA、USA)。
充填管をハブに接着するための接着剤:Dymax 201−CTH、Diatom(Hvidovre、Denmark)。
中空繊維のための接着剤:Dymax 1181−M、Diatom(Hvidovre、Denmark)。
カプセルは、制御環境においてアセンブルした。
実施例2:テザー、補剛材、およびハンドルの製造
テザー:
材料:ポリウレタン(例、Noveon社 Carbothane)または他の可撓性ポリマー管。
長さ:150±5mm
外径:1±0.125mm
内径:0.25±0.05mm
縮径:0.50±0.05mm
縮径長さ:1.5±0.1mm
補剛材:
材料:0.042”×0.032”、316シリーズ、ステンレス鋼溶接引き抜き管、0.032”×0.020”、316シリーズ、ステンレス鋼溶接引き抜き管、0.020”×0.010”、316シリーズ、ステンレス鋼溶接引き抜き管、0.009”、316シリーズ、ステンレス鋼ワイヤー、または微小寸法の機械加工に好適な他の固体材料(例、カーボン)。
長さ:テザー/膜の直前で止まるように鋼ワイヤーを切断する。
製造:EDMによって、またはレーザー切断およびレーザー溶接による相互溶接によって、仕様寸法に切断したステンレス鋼管。
別個のハンドル:
材料:0.042”×0.032”、316シリーズ、ステンレス鋼溶接引き抜き管または他の硬質可撓性材料(例、カーボン)。
製造:レーザーまたはEDMによって仕様通りに切断する。
把持要素:
材料:締まりばめにおいて高い滑り摩擦を有するシリコーンまたは他の柔軟な生体適合性ポリマー。
製造:把持要素は、カスタムデザインした型を使用して個々に鋳造される。
実施例3:治療システムの製造およびパッケージング
1.テザーおよびカプセル(ハブセグメントを有する)を紫外線硬化型接着剤を使用して接続する。
2.補剛材をテザーのキャビティに挿入する。
3.把持要素をテザーに載置する。
4.システムを好適なトレイに載置して、電子ビーム、ガス、または類似物によって殺菌する。
5.カプセルを上述のように細胞に充填して密封する。
6.補剛剤の近位端を、締まりばめによってコンテナのクロージャのシールに取り付ける。
7.コンテナを流体成長/記憶媒体で充填して、クロージャを取り付けることによって密封する。
実施例4:デバイスの移植:
1.治療システムの患者への挿入準備として、クロージャを取り外してコンテナから治療システムを引き出す。
2.システムをクロージャから取り外して、別個のハンドルに取り付ける。
3.把持要素および別個のハンドルを保持することによって、デバイスの先端を案内カニューレに挿入する。
4.把持要素を取り外して、システムをカニューレにさらに挿入する。
5.システムの先端をカニューレの先端に位置決めする。別個のハンドルによりこの操作が容易になる。
6.挿入部位を外科的に露出し、カニューレおよびシステムを移植または治療部位に挿入する。
7.別個のハンドルを使用してシステムの位置を保持しながらカニューレを引き出す。
8.補剛材を引き出す。
9.テザーは、ある長さで切断し、例えば頭蓋骨への挿入部位に固定する。
本発明によれば、医師は、カプセルまたは治療部位に挿入されるシステムの他の要素に触れずに、上述のステップの全てを実行することができ、したがって、治療システムの挿入要素を汚染するというリスクが軽減される。
図1は、本発明によるシステムを示す図である。 図2は、システムの一実施態様の遠位端の詳細を示す図である。 図3は、治療システムのための補剛材の一実施態様の斜視図である。 図4は、図3に示される補剛材と接続するように構成された別個のハンドルを示す図である。 図5は、コンテナ内に位置するシステムを示す図である。 図6は、治療システムを取り付けたコンテナのためのクロージャを示す図である。 図7は、非汚染操作を容易にするように、治療システムのテザーおよび/または補剛材に取り付けられた把持要素を示す図である。 図8は、細胞の充填前に充填管44によってハブ43上に載置されたカプセル化デバイスを示す図である。懸濁液内の細胞は、シリンジへのハブの取り付けによって、注射器から充填管を介して注入される。細胞の充填後、充填管はカプセルから引き込められ、結果として生じる開口部は接着剤で密封される。膜を符号45で示す。 図9aは、硬質リンカー46を備えたテザー4に連結されたカプセル3の概略断面図である。リンカーは、第一の要素47と第二の要素48とを備える。カプセルとテザーとの間のエッジは、接着剤49をエッジに塗布することによって滑らかにされる。 図9bは、接着剤のための凹部50を有するリンカー46の一実施態様の概略断面図である。

Claims (26)

  1. 個体に生物活性化合物を提供する移植可能な治療システムであって生物活性化合物を分泌することができる細胞をカプセル化する生体適合性半透性外膜を備えたカプセルであって、該膜は該化合物の通過を許容する、カプセルと、
    遠位端において該カプセルに接続され、該遠位端から軸方向反対側の近位端に向かって長手方向に延びている、細長いテザーと
    位端から軸方向反対側の近位端に向かって長手方向に延びている、該テザーをよりリジッドにするために該テザーに取り付けられた補剛材を備
    該補剛材は、該テザーよりも長手方向にさらに延びており、該システムを取り扱うことができる露出した近位端部分を形成し、該テザーは、その近位端から該補剛材が押し込まれる内部管路を備え、かつ、該補剛材は、少なくとも部分的に該テザーの該内部管路に位置することを特徴とする、システム。
  2. 前記カプセルは、前記長手方向に垂直な断面方向において、前記テザーよりも細くなっている、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記カプセルおよび前記テザーは、共軸であるように接続されている、請求項1または2に記載のシステム。
  4. 前記補剛材は、前記テザーのキャビティ内に少なくとも部分的に位置する、請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
  5. 前記テザーは管状であり、前記補剛材は該テザーの内部において共軸であるように延びている、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記補剛材の近位端は、前記テザーの近位端との間に締まりばめをもたらし、それによって該補剛材を該テザーに着脱可能に取り付けるために、該テザーの近位端の断面のサイズおよび形状に合致する断面のサイズおよび形状を有する、請求項4または5に記載のシステム。
  7. 前記補剛材の近位端は、前記断面方向において、該補剛材の遠位端よりも幅が広い、請求項1に記載のシステム。
  8. 前記補剛材は、実質的に前記テザーの全長にわたって延びており、該補剛材の遠位端と前記カプセルとの間にはクリアランスがあることが好ましい、請求項1から7のいずれか1項に記載のシステム。
  9. 前記補剛材は、前記テザーに接着接合されている、請求項1から8のいずれか1項に記載のシステム。
  10. 前記テザーおよび前記補剛材のうちの少なくとも1つの外表面は、該テザーおよび/または該補剛材に別個のハンドルを取り付ける取り付け手段を備える、請求項9に記載のシステム。
  11. 前記テザーおよび/または前記補剛材に着脱可能に取り付けられた把持要素をさらに備える、請求項1から10のいずれか1項に記載のシステム。
  12. 前記把持要素は断面の形状およびサイズを有する通路を形成しており、該把持要素は、該通路の内表面が前記テザーおよび/または前記補剛材の外表面と接触することにより該把持要素を前記治療システムに取り付ける緩和状態と、該通路が曲げられることにより該治療システムを該把持要素から解放する緊張状態との間で可変である、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記把持要素は、弾力性の材料で作られている、請求項12に記載のシステム。
  14. 前記把持要素は、該把持要素の外表面に解放圧力を加えることによって、前記緩和状態と前記緊張状態との間で切り替え得る、請求項12または13に記載のシステム。
  15. 前記把持要素は、前記解放圧力の印加を容易にするために、異なる方向に前記通路から延びている第一および第二のアームセグメントをさらに備える、請求項14に記載のシステム。
  16. 前記通路は、前記第一のアームセグメントと第二のアームセグメントとの間に半円形状の切り口を形成する、請求項12から15のいずれか1項に記載のシステム。
  17. 前記カプセルの汚染を防ぐコンテナ内に収容されている、請求項1から16のいずれか1項に記載のシステム。
  18. 前記把持要素は、前記コンテナに対して、前記システムと該コンテナの内壁との間の接触を防ぐように寸法設計される、請求項12または17のいずれかに記載のシステム。
  19. 前記コンテナはクロージャによって閉じられる開口を形成し、前記治療システムは、好ましくは前記補剛材を介して、該クロージャに取り付けられる、請求項17または18に記載のシステム。
  20. 前記クロージャは、弾力性の材料で作られた突出部であって、前記補剛材および前記テザーのうちの少なくとも1つのものの一部分の周囲に密着して嵌合するような寸法で作られたキャビティが与えられた突出部を備える、請求項19に記載のシステム。
  21. 前記クロージャの外表面は、別個のハンドルを該クロージャに取り付けるための取り付け手段を備える、請求項19または20に記載のシステム。
  22. 前記テザーおよび前記補剛材のうちの少なくとも1つは、前記クロージャを通って延び、前記コンテナの外部に位置する露出部分を形成する、請求項19から21のいずれか1項に記載のシステム。
  23. 前記露出部分は、別個のハンドルを前記テザーおよび/または前記補剛材に取り付けるための取り付け手段を備える、請求項22に記載のシステム。
  24. 前記テザーまたは前記補剛材の取り付け手段によって取り付けるための別個のハンドルをさらに備える、請求項1から18のいずれか1項に記載のシステム。
  25. 前記テザー、前記補剛材または前記クロージャの取り付け手段によって取り付けるための別個のハンドルをさらに備える、請求項19から23のいずれか1項に記載のシステム。
  26. 個体に挿入されるために適した、移植可能な治療システムであって、
    生物活性化合物を分泌することができる細胞をカプセル化する、生体適合性半透性外膜を有するカプセルであって、該膜は該化合物の通過を許容する、カプセルと、
    遠位端において該カプセルに接続され、該遠位端から軸方向反対側の近位端に向かって長手方向に延びている、細長いテザーと、
    遠位端から軸方向反対側の近位端に向かって長手方向に延びている、該テザーをよりリジッドにするために該テザーに取り付けられた補剛材を備え、
    該テザーは、その近位端から該補剛材が押し込まれる内部管路を備え、かつ、該補剛材は、少なくとも部分的に該テザーの該内部管路に位置することを特徴とし、
    コンテナのクロージャを取り外すことによって、該システムを該コンテナから引き出すための手段と、
    別個のハンドルを該テザーまたは該補剛材に取り付けるための手段と、
    把持要素および該別個のハンドルを保持することによって、該システムの先端をカニューレの中に挿入するための手段と、
    該把持要素を取り外して、該システムを該カニューレの中にさらに挿入するための手段と、
    該システムの先端を該カニューレの先端に位置決めするための手段と、
    該カニューレおよび該システムを、該個体の外科的に露出した挿入部位に同時に挿入するための手段と、
    該別個のハンドルを使用して該システムの該位置を保持しながら該カニューレを引き出すための手段と、
    該補剛材を該テザーから取り外して引き出すための手段と
    を備え、
    補剛材または該テザーが取り付けられたクロージャを備えるコンテナ内に格納されている、治療システム。
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