JP5006404B2 - ベクトル量子化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、信号処理技術に関し、より具体的には、ベクトル量子化方法および装置に関する。
音声信号または映像信号のディジタル圧縮符号化処理において、所定のベクトル符号化コードブックに従って、多数の入力信号サンプル値からなるベクトルに対して量子化を行なって、符号化の質を保証しながら符号化レートを下げることができる。
ベクトル量子化は、効率的なデータ圧縮技術である。この技術によって、まず、入力信号が、K個の連続するサンプル値を各々が有する1つ以上のグループへと分けられる。この組のサンプル値のグループはK(K=1,2,3…)次元のユークリッド空間内の1つのベクトルを構成している。次いで、このような各ベクトルに対して符号化処理を行なう。ベクトル量子化が複雑であることは、主に、2つの点に起因する。計算量とメモリ量である。ベクトル量子化の複雑度は、ベクトルの次元数の増加とともに指数関数的に増加する。さらに、損失の多い圧縮技術であるので、ベクトル量子化は、量子化の歪みの問題のほかに、符号化レートの問題を含み、ベクトルの次元数は符号化レートに反比例する。ネットワーク条件が劣悪な環境では、一般に、符号化レートを下げることによってネットワーク転送の際のパケット紛失を回避し、一定の符号化品質を保障する。しかしながら、このことによって、ベクトル量子化がより複雑になる。
従来の音声信号の符号化圧縮工程を例に取り、従来の音声符号化工程で採用されているベクトル量子化技術について、以下に説明する。
従来のイミタンス・スペクトル周波数(Immittance Spectral Frequency, ISF)係数からなるベクトルを量子化する技術において、通常、広帯域適応型マルチレート(Wideband Adaptive Multi Rate, AMR-WB+)音声コーデックを用いてISFベクトルを量子化する。ISF係数は、音声信号の線形予測係数(Linear Prediction Coefficient, LPC)からの変換によって得ることができる。AMR−WB+は、連合分割ベクトル量子化(Split Vector Quantization, SVQ)および複数次ベクトル量子化(Multi Stage Vector quantization, MSVQ)を組合せて用いて、ISFベクトルを量子化する。このベクトル量子化工程は、主に、以下の通りである。まず1次移動平均(Moving Average, MA)予測法を用いて第n(n=1,2,3…)フレームの現在のISF予測残差ベクトルr(n)を求め、次いで複数次コードブックを用いてr(n)を量子化する。表1は、従来のISFベクトル量子化工程のビット割り当ておよびコードブック使用の表である。
Figure 0005006404
表1に示されているように、AMR−WB+によるISFベクトル量子化工程は、以下の通りである。
ISFベクトルが16次元のベクトルであり、r(n)も16次元のベクトルであるとする。ベクトル量子化におけるコードブックのメモリ量を低減するために、r=[r1, r2, …, r16]とし、AMR−BW+は、ベクトルrに対して分割複数次ベクトル量子化(Split Multi Stage Vector Quantization, S-MSVQ)を実行する。
まず、16次元ベクトルrを1次分割し、2つのベクトルを得る。すなわち、9次元ベクトルr (1)と7次元ベクトルr (1)である。r (1)およびr (1)は8ビットを用いて量子化され、r (1)およびr (1)を量子化するためのコードブックの個数は256である。
次に、r (1)およびr (1)をそれぞれ2次分割し、計5つのベクトルを得る。
9次元のr (1)は3つのサブベクトルへと分割される。すなわち6ビットで量子化された3次元のr11 (2)(対応するコードブックのベクトルの個数は64)と、7ビットで量子化された3次元のr12 (2)(r11 (1)およびr12 (1)を量子化するためのコードブックの個数は128)と、7ビットで量子化された3次元のr13 (2)(r13 (2)を量子化するためのコードブックの個数は128)と、である。
7次元のr (1)は2つのサブベクトルへと分割される。すなわち5ビットで量子化された3次元のr21 (2)(r21 (2)を量子化するためのコードブックの個数は32)と、5ビットで量子化された3次元のr22 (2)(r22 (2)を量子化するためのコードブックの個数は32)と、である。
上記の分割工程によって、計7つのサブベクトルが得られ、46ビットがベクトルの量子化に割り当てられている。
Figure 0005006404
Eをベクトル量子化の歪み度として用いて、このサブベクトルに対応するコードブック・ベクトルの中からEを最小にするコードワードに対応するyを選択し、yをこのコードワードの索引番号とし符号化した後、復号器に送信する。復号器は、復号された索引番号に基づいて対応するコードワードを見つけ、関連する情報を復号する。
従来のAMR−WB+のベクトル量子化技術は、複数次コードブック・ベクトル量子化を採用しており、高い符号化品質を実現できるが、ベクトル量子化の複雑度が増す。ベクトル量子化の複雑度は、メモリ量および計算量に起因している。従来技術におけるコードブックのメモリ量は大きく、このため、計算量が増加し、計算の際に全てのコードブック・ベクトルを網羅する必要がある。このため、従来技術のベクトル量子化の複雑度を低減することにおいてさらなる改善が求められている。
本発明が解決する技術的問題は、複雑度が低下したベクトル量子化方法およびベクトル量子化装置を提供することである。
ベクトル量子化方法は、
量子化対象ベクトルを取得し; 基礎コードブック・ベクトルを取得することであって、前記基礎コードブック・ベクトルは1つ以上の基礎サブベクトルから構成され、前記1つ以上の基礎サブベクトルには少なくとも1つの2次元以上の前記基礎サブベクトルに対応する1つの調整量ベクトル集合があり、前記調整ベクトル集合は前記基礎サブベクトルと同次元のN個の調整ベクトルを含んでおり、少なくとも1つの前記調整ベクトル集合は、Nが該調整ベクトル集合内の全ての調整ベクトルの各次元の異なる値の全ての可能な組合せの個数より小さいことを満足することと; 前記基礎サブベクトルに対応する調整ベクトルを取得し; 前記基礎コードブック・ベクトルと異なる前記基礎サブベクトルに対応する1つ以上の前記調整ベクトルとの組合せを連合コードブック・ベクトルとして見て、前記連合コードブック・ベクトルと前記量子化対象ベクトルとの偏差に基づいて、可能な連合コードブック・ベクトルの中から量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選択し; 選択された連合コードブック・ベクトルに対応する前記基礎コードブック・ベクトルの索引および前記調整ベクトルの索引を取得する、ことを具備する。
量子化装置は、量子化対象ベクトルを取得するためのベクトル入力ユニットと; 基礎コードブック・ベクトルを提供するための基礎コードブック・ユニットであって、前記基礎コードブック・ベクトルは1つ以上の基礎サブベクトルから構成され、前記1つ以上の基礎サブベクトルには少なくとも1つの2次元以上の前記基礎サブベクトルに対応する1つの調整量ベクトル集合があり、前記調整ベクトル集合は前記基礎サブベクトルと同次元のN個の調整ベクトルを含んでおり、少なくとも1つの前記調整ベクトル集合は、Nが該調整ベクトル集合内の全ての調整ベクトルの各次元の異なる値の全ての可能な組合せの個数より小さいことを満足することと; 前記基礎コードブック・ベクトルに対応する調整ベクトルを提供するための調整ベクトル・ユニットと; 前記基礎コードブック・ユニットおよび前記調整ベクトル・ユニットから前記基礎コードブック・ベクトルおよび前記調整量を取得し、前記基礎コードブック・ベクトルと異なる前記基礎サブベクトルに対応する1つ以上の前記調整ベクトルとの組合せを連合コードブック・ベクトルとして見て、前記連合コードブック・ベクトルと前記量子化対象ベクトルとの偏差に基づいて、可能な連合コードブック・ベクトルの中から量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選択するための量子化ユニットと; 前記量子化ユニットが選択した前記連合コードブック・ベクトルに対応する前記基礎コードブック・ベクトルの索引および前記調整ベクトルの索引を取得するための量子化出力ユニットと、を具備する。
上記のベクトル量子化方法において、基礎コードブック・ベクトルとそのサブベクトルの調整ベクトルとの組合せからなる連合コードブック・ベクトルを用いて、量子化対象のベクトルを量子化する方法を用いている。調整ベクトルを用いて基礎コードブック・ベクトルを調整するので、次元間の関連性を十分に利用することができ、より個数が少ない調整ベクトルでより大きな動的調整範囲を実現し、量子化計算量が有利に減少し、演算の複雑度が低下する。
本発明は、より簡単なベクトル量子化方法を提供する。
本発明は、また、コードブックの調整量の生成方法を提供する。
本発明は、さらに、より簡単なベクトル量子化装置を提供する。
ベクトル量子化方法は、N(Nは1以上の正の整数)個のコードブック・ベクトルおよび各コードブックの調整量を用いて入力ベクトルに対して量子化処理を行ない、入力ベクトルのコードブックおよび調整量の量子化を得る、ことを具備する。
コードブックの調整量を生成する方法は、N(Nは1以上の正の整数)個のコードブック・ベクトルの平均ベクトルを計算し; 前記各コードブックから前記平均ベクトルまでの距離を計算し; 前記各コードブック・ベクトルから前記平均ベクトルまでの距離に基づいて、各コードブック・ベクトルの調整量を生成する、ことを具備する。
ベクトル量子化装置は、コードブック供給ユニットと; 調整量供給ユニットと; 量子化ユニットと、を具備し; 前記コードブック供給ユニットは、量子化対象ベクトルに対応するN(Nは1以上の正の整数)個のコードブックを前記量子化ユニットに転送するためのものであり; 前記調整量供給ユニットは、前記各コードブックの調整量を前記量子化ユニットに転送するためのものであり; 前記量子化ユニットは、前記調整量供給ユニットからの前記各コードブックの前記調整量を受け取り、前記コードブック供給ユニットから受け取り、前記N個のコードブックおよび前記各コードブックの調整量を用いて入力ベクトルに対して量子化処理を行ない、前記入力ベクトルの前記コードブックおよび前記調整量の量子化を得るためのものである。
上記のベクトル量子化方法は、N個のコードブックおよび各コードブックの調整量を用いることを通じて入力ベクトルに対して量子化処理を行なう。すなわち、本発明が提供するコードブックの調整量を入力ベクトルの量子化に関与させる。したがって、コードブックのメモリ量が有効に減少し、演算量はN個のコードブックを網羅するのに必要な計算量だけである。よって、上記のベクトル量子化方法を用いて、ベクトル量子化の複雑度を有効に低下できる。
上記のベクトル量子化装置において、量子化ユニットは、コードブック供給ユニットおよび調整量供給ユニットから転送されるN個のコードブックおよび各コードブックの調整量を用いて入力ベクトルに対して量子化処理を行なう。このため、用いられるコードブックはより少なく、演算量はN個のコードブックを網羅するのに必要な計算量だけである。よって、上記のベクトル量子化装置を用いて、ベクトル量子化の複雑度を有効に低下できる。
本発明の第1実施形態のベクトル量子化のフローチャート。 本発明の第2実施形態のベクトル量子化のフローチャート。 本発明の第3実施形態のベクトル量子化のフローチャート。 本発明の第4実施形態のベクトル量子化のフローチャート。 本発明の実施形態が提供する、ベクトル量子化方法の全体のフローチャート。 本発明の実施形態が提供する、コードブックの調整量を生成する方法のフローチャート。 本発明の実施形態においてISF残差コードブックおよびその調整量を生成する方法のフローチャート。 本発明の実施形態のベクトル量子化方法を用いたISF残差の量子化のフローチャート。 本発明の第5実施形態のベクトル量子化器の論理構造を示す図。 本発明の第5実施形態における量子化ユニットの論理構造を示す図。 本発明の第5実施形態における量子化ユニットの別の論理構造を示す図。 本発明の第6実施形態のベクトル量子化器の論理構造を示す図。 本発明の第7実施形態のベクトル量子化器の論理構造を示す図。 本発明の第8実施形態のベクトル量子化器の論理構造を示す図。 本発明のベクトル量子化装置の好ましい実施形態の構造を示す図。 本発明のベクトル量子化装置の別の好ましい実施形態の構造を示す図。 本発明のベクトル量子化装置のさらなる好ましい実施形態の構造を示す図。 図7の量子化処理ユニットの好ましい実施形態の構造を示す図。 本発明のベクトル量子化装置のさらなる好ましい実施形態の構造を示す図。
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施形態の技術的策をさらに詳細に説明する。
本発明の実施形態によって、ベクトル量子化策が提供される。本発明の実施形態において、量子化対象ベクトルの参照ベクトルに基づき、さらに参照ベクトルを調整することを用いて、参照ベクトルを量子化対象ベクトルの調整ベクトルに近づけて、量子化対象ベクトルを量子化する。したがって、一側面において、各次において分割されたサブベクトルを量子化するためのベクトル量子化の大量のコードブック・ベクトルを保存する必要がなく、コードブック・ベクトルが占めるメモリ空間が減少する。別の側面においては、適切な参照ベクトルおよび対応する調整ベクトルを選択することによって、高い符号化品質を保証する。本明細書において、参照ベクトルは、基礎コードブック・ベクトルとも称される。
以下に、本発明の実施形態の技術的策を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1を参照すると、図1は、本発明の実施形態におけるベクトル量子化方法のフローチャートである。このフローチャートは、以下のステップを含んでいる。
A1:量子化対象ベクトルを取得する。
本実施形態における量子化対象ベクトルは、ベクトル量子化工程において最初に入力された当初のベクトルであり、当初ベクトルを分割すると1つ以上のサブベクトルが得られ、当初ベクトルはあるベクトルの残差ベクトル等に相対する。
例えば、L次元ベクトルV(Lは、1以上の正の整数)について、V={v,v,…,v}である。
VをK個のサブベクトルに分解すると、
V={V,V,…,V}である。
分解された各サブベクトルV(i=1,…,K)は、相互に同じまたは異なる次元数を有している。各Vは、以下の通りである。
={v,v,…,vx1};
={vx1+1,vx1+2,…,vx2};

={vx(K−1)+1,vx(K−1)+2,…,vxK}、xK=L。
の次元数はIであり、したがって、
={vx(i−1)+1(1),vx(i−1)+2(2),…,vxi(I)}である。
のm次元の量は、vx(i−1)+m(m)である(m=1,…,I)。
量子化対象ベクトルは、1つまたは複数のサブベクトルVであるか、またはVである。本発明の実施形態において、量子化される対象はVである。
A2:基礎コードブック・ベクトルを取得する。
1つの量子化対象ベクトルに対して、参照可能な基礎コードブック・ベクトルはA(Aは1以上)個である。基礎コードブック・ベクトルの次元数は、量子化対象ベクトルの次元数と同じである。例えば、
={ua1,ua2,…,uaL}、a=1,…,Aとすると、UはK個の基礎サブベクトルに分解され得、U={Ua1,Ua2,…,UaK}となる。
各基礎サブベクトルUaj(j=1,…,K)は対応するVを有する。Uajは以下の通りである。
a1={ua1,ua2,…,ua(x1)};
a2={ua(x1+1),ua(x1+2),…,ua(x2)};

aK={ua(x(K−1)+1),ua(x(K−1)+2),…,ua(xK)}。
基礎コードブック・ベクトルは、各種のコードブック・ベクトル・トレーニングモードを通じて直接取得したコードブック・ベクトルとすることができ、また、より大きな範囲のコードブック・ベクトル内で見つけた優先コードブック・ベクトルとすることもでき、さらに、次元数がより大きいコードブック・ベクトルのうちの一部の次元数から構成されるサブ・コードブック・ベクトルとすることもでき、これによって本実施形態は限定されない。
本発明の実施形態において、各Uajに基づいてVを量子化する。このため、各基礎サブベクトルの次元数および対応するVの次元数は同じである。例えば、
aj={ux(j−1)+1(1),ux(j−1)+2(2),…,uxj(I)}
である。Ujの第m次元の量は、ux(j−1)+m(m)である。
A3:基礎コードブック・ベクトルに対応する調整ベクトルを取得する。
1つの基礎コードブック・ベクトルUaに対して、対応する調整ベクトルは、Uaの次元数と同じ1つまたは複数のベクトルとすることができる。次元数がより大きい量子化対象ベクトルについては、量子化工程は、分解によって得られた各サブベクトルに基づいて行なうのが好ましく、このため、基礎コードブック・ベクトルに対応する調整ベクトルはこれに応じて分解され得る。さらに、基礎コードブック・ベクトルが複数の基礎サブベクトルに分解されたことに基づいて、基礎コードブック・ベクトルに対応する調整ベクトルは、各基礎サブベクトルに対応する調整ベクトルと等価とすることができるが、この対応する調整ベクトルは1つまたは複数個である。例えば、基礎サブベクトルUajに対応する調整ベクトルがN(Nは正の整数)個であり、これらの調整ベクトルおよびUajの次元数は同じである。Uajに対応する調整ベクトルは、ADJafであり(f=1,…,N)、
ADJa1={adja11,adja12,…,adja1I};
ADJa2={adja21,adja22,…,adja2I};

ADJaN={adjaN1,adjaN2,…,adjaNI}である。
ADJafは1つの調整ベクトル集合ADJを構成し、この集合は1つまたは複数の調整ベクトルを含み得る。各基礎サブベクトルは、対応する調整ベクトル集合を有し得、量子化対象ベクトルを量子化する際に、基礎サブベクトルを修正する。さらに、次元数が同じ基礎サブベクトルについては、調整ベクトル集合を共用することが可能である。トレーニングによって得られた基礎コードブック・ベクトルは、通常、正確に量子化対象ベクトルを量子化するのに用いるのが難しい。このため、少なくとも調整ベクトル集合を設定して関連する基礎サブベクトルを修正する。異なる調整ベクトル内の調整ベクトルの個数は同じであっても異なっていてもよい。
調整ベクトル集合内の調整ベクトルが多次元ベクトルであるとすると、各調整ベクトル内の各次元要素は調整量と称される。そして、この調整ベクトル集合において、Nの値がこの集合内の各次元における調整量が異なる組合せからなる調整ベクトルの全ての組合せの個数(組合せ数)より小さい場合、この調整ベクトル集合は、最適調整ベクトル集合である。一方、Nの値がこの組合せ数と等しい場合、この調整ベクトル集合は非最適調整ベクトル集合である。非最適調整ベクトル集合については、各次元における調整量における変化は別の次元上の調整ベクトルと無関係である。このため、この作用は、各次元の調整量に対して別々に実行できる。
例えば、最適調整ベクトル集合が3つの2次元調整ベクトル{{−1,−1},{0,0},{1,1}}を含んでいると、この集合における全部の調整ベクトルの1次元および2次元において3つの異なる値{−1,0,1}がある。このため、2つの次元の異なる値によって要素が形成され、2次元ベクトルの組合せ方は、3×3=9種類である。この9種類の組合せは、{{−1,−1},{−1,0},{−1,1},{0,−1},{0,0},{0,1},{1,−1},{1,0},{1,1}}を含んでいる。上記の最適調整ベクトル集合{{−1,−1},{0,0},{1,1}には、全ての組み合わせ方が含まれてはいないので、最適調整ベクトル集合である。最適調整ベクトル集合に基づけば、量子化対象ベクトルを量子化する際に、必要なビットの消費量がより少なく、より良好な符号化効果を得られる。
に対してUaj分割を行なうことは、量子化対象ベクトルVの統計分析に基づいて行なうことができる。例えば、VおよびUの差分ベクトル統計は同時に変化する特性を示すものとし、同時に増加または減少する次元を1つのUajへと分割する。こうすることによって、このUajに対応する最適調整ベクトルの組み合わせを設計する際、各次元が同時に増加または減少する状況をさらに多く考慮に入れることができる。次元の間の関連を無視する調整方法に比べて、同様のダイナミック・レンジにおいて各次元の調整量の異なる値の範囲が相応し、調整の組合せの可能な個数が減少する。また、調整の組合せの可能な個数が同じであれば、調整のダイナミック・レンジを有効に拡大できる。
基礎コードブック・ベクトルおよび基礎サブベクトルの調整ベクトルを組み合わせて連合コードブック・ベクトルとすることができる。すなわち、基礎コードブック・ベクトル内の少なくとも1つの次元の要素が調整量によって修正される。
ajを修正するための調整ベクトルADJafは、関連を用いて得ることができる。例えば、複数の関係ベクトルgafを含んでいる関係ベクトル集合内で適当なgafを見つけることができる。gafは、ADJafであるか、またはADJafと間に確定した関数関係が存在する。この関数関係は以下の通りである。
(1)積関係:例えば、ADJafは、gafとある実数との積により表示可能
(2)加減関係:例えばADJafは、gafおよび参照ベクトルの和または差により表示可能
参照ベクトルは、同じ連合コードブック・ベクトルのその他のADJafの「f」の値が具体的に確定しているベクトルとすることができる。この場合、この参照ベクトルは、「参照コードブック・ベクトル」と称され、その他の調整ベクトルがある値のときに、その後に選択される調整ベクトルに行なう必要があるさらなる適合的な調整を示している。
(3)混合関係:例えばADJafは、gafとある実数との積、および参照コードブック・ベクトルの差により表示可能
af自体を得る方法には、様々な種類があり、例えば、関係ベクトル集合を保存し、含まれている各gafを直接巡っていくことが可能であり、または確定している計算方法によってUajに対応するgafを得ることが可能である。後続の実施形態において、典型的な方式について説明する。
A4:基礎コードブック・ベクトルと異なる基礎サブベクトルに対応する1つ以上の調整ベクトルとの組合せを連合コードブック・ベクトルとして見て、連合コードブック・ベクトルと量子化対象ベクトルとの偏差に基づいて、可能な連合コードブック・ベクトルの中から量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選択する。
本実施形態は、基礎コードブック・ベクトルUおよびその各Uajに対応するADJafの連合検索を用いて、量子化対象ベクトルVの量子化を行なう。
基礎コードブック・ベクトルUのK個のUajが、対応する調整ベクトル集合を有するとし、かつK個のUajに対応するADJafの個数がそれぞれN,N,…,Nであるとすると、基礎コードブック・ベクトルUと調整ベクトルADJafとの組合せからなる可能な連合ベクトルの個数は、
Total=A×N×N×…×Nである。
連合コードブック・ベクトルと量子化対象ベクトルVとの偏差に基づいて、最終的に量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選択する。当然ながら、この選択は、連合コードブック・ベクトルとVとの偏差以外のものに基づいていてもよく、さらに、連合コードブック・ベクトルおよび参照ベクトルの偏差を補助的に用いて選択してもよい。
連合コードブック・ベクトルと量子化対象ベクトルVとの偏差を計算する工程において、各種の方法を用いて連合コードブック・ベクトルを検索することが可能であり、以下の2つが含まれる(しかし、これらに限定されない)。
(1)個別計算:すなわち、各Uajに対して、各Uajに結びつく最良の調整ベクトルを計算し、次に、結び付けられた最良の調整ベクトルのUajを比較する。具体的には、以下のステップを含んでいる。
1.量子化対象ベクトルと現在の基礎コードブック・ベクトルとの差分ベクトルを計算する(差分ベクトルは1つ以上の差分サブベクトルからなり、差分サブベクトルへの分割方法と基礎サブベクトルへの分割方法とは同じである)。
VはL次元ベクトルであり、よって、VとUとの差分ベクトルRもL次元ベクトルである。Rは、Uの分割方法によって、K個の差分サブベクトルに分割される。
={Ra1,Ra2,…,RaK};
aj={raj(1),raj(2),…,raj(I)}である。
2.対応する調整ベクトル集合を有する基礎サブベクトルについて、この調整ベクトル集合内の調整ベクトルと対応する差分サブベクトルとの偏差に基づいて、現在の基礎サブベクトルの最良の調整ベクトルを選択する。
現在のUの各Uajに対して最良の調整ベクトルを選択する。当然ながら、Uajが対応する調整ベクトルを有していない場合、調整は行なわない。最良の調整ベクトルを選択する際、偏差の判断に多様な方式を用いることができ、本実施形態はこの点に関して限定を行なわない。例えば、同次元の異なる差分の絶対値を累積すること、差分の平方値を累積すること、差分の重み付け平方値を累積することを用いることができる。
I次元のUajに対応して、N個のADJjfの最適調整ベクトル集合があるとすると、Uajの最良の調整ベクトルを選択する際に用いることができる偏差の表示方法は、以下の通りである。
Figure 0005006404
ここで、w(i)およびADJjfのi次元の要素は差分の重みである。ステップA3によって、ADJjfが発見され、Δαと比較され、Uajの最良の調整ベクトルADJjf0が選出される。Uajに対応するADJjf0の「f」の値を「f0j」(1≦f0j≦N)と記し、対応する偏差をΔαj0と記す。非最適調整ベクトル集合については、各次元の要素に対してそれぞれ最良の調整量を算出し、各次元の最良の調整量からなる調整ベクトルが最良の調整ベクトルとなる。
3.各最良の調整ベクトルの偏差、および未対応の調整ベクトル集合の基礎サブベクトルと量子化対象ベクトルの相応部分との偏差を累積し、現在の基礎コードブック・ベクトルに対応する最良の連合コードブック・ベクトルの偏差とする。
のK個のUajのうち、幾つかは対応する調整ベクトル集合を有しており、幾つかは調整されないとする。調整されない基礎サブベクトルに対して、このサブベクトルと量子化対象ベクトルvの相応部分との偏差が偏差の総和に加えられる。簡略化のため、調整されないUajとVの相応部分との偏差をやはりΔαj0と記すとすると、Uに対応する最良の連合コードブック・ベクトルの偏差は以下のように表され得る。
Figure 0005006404
4.各基礎コードブック・ベクトルに対応する最良の連合コードブック・ベクトルの偏差を比較し、量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選択する。
A(A=1,2,3…)個のUのA個のΔaをそれぞれ計算および比較し、最終的に量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選出する。対応する偏差は、Δaと記す(1≦a≦A)。
(2)全体計算:すなわち、まず、連合コードブック・ベクトルを生成し、次いで、異なる連合コードブック・ベクトルとVとの偏差を直接比較する。具体的なステップは、以下を含んでいる。
1.現在の基礎コードブック・ベクトルおよび選択可能な調整ベクトル重畳し、連合コードブック・ベクトルを生成する。
のK個のUajが対応する調整ベクトルの組合せを有しているとすると、生成され得る連合コードブックは、以下のように表わされる。
Figure 0005006404
ここで、n,…,nはUajに対応するADJjfの「f」値である。各調整ベクトルの組合せの中のADJjfの個数が{N,N,…,N}であるとすると、各Uの全てに対してN×N×…×N個の連合コードブック・ベクトルが生成され、全部でA個のUがTotal=A×N×N×…×N個の連合コードブック・ベクトルを生成し得る。
2.現在の連合コードブック・ベクトルと量子化対象ベクトルとの偏差を計算する。
偏差の計算方法は、個別計算におけるADJjfとrとの偏差の計算方法と類似している。ただし、計算の範囲は、Vの全ての次元まで拡大されている。連合コードブック・ベクトルとVとの偏差は、Δ(a,n,…,n)と記される。
3.異なる連合コードブック・ベクトルと量子化対象ベクトルとの偏差を比較し、量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選択する。
ある順序に従って規則的に連合コードブック・ベクトルを生成する場合、全Total個の連合コードブック・ベクトルを生成する必要はない。例えば、まず{a,n,…,n}を固定し、ステップA3によって、Uajに対応するADJjfを見つけ出し、連合コードブック・ベクトルを生成し、比較によって最良のΔaj0を含んでいる連合コードブック・ベクトルを見つけた後、{a,n,…,n}が変化したときにnをその他の値とした連合コードブック・ベクトルを生成することなしにnを「n」に固定することができる。この方法によって、生成する必要のある連合コードブック・ベクトルの最大個数は(各調整ベクトル集合が全て網羅される状況で、調整ベクトル集合内の1つ以上の調整量が一定の範囲内で独立して変化し得るなら、全てのあり得る状況を網羅する必要なしにまず独立して変化する調整量を検索を通じて確定することができる。この最大の個数はさらに小さくてもよい)、Total=A×[N+(N−1)+…+(N−1)]=A×(N+N+…+N−K+1)である。その中から選出した最終的に量子化を行なうために用いる連合コードブック・ベクトルを選択する。対応する偏差は、Δ(a,n01,…,n0K)とする(1≦a≦A、1≦n0K≦N)。
A5:選択された連合コードブック・ベクトルに対応する基礎コードブック・ベクトルの索引および調整ベクトルの索引を取得する。
基礎コードブック・ベクトルおよび調整ベクトルの索引は、様々な方法を用いて並べることができ、本実施形態を制限しない。例えば、同様の集合内で並べられたベクトルの通し番号をこのベクトルの索引とすることができる。
ステップA4内で用いる方法(1)で選出する連合コードブック・ベクトルについて、最終的に選択した偏差Δaに基づいて、基礎コードブック・ベクトルの索引をaと確定することができる。その後、Δaに対応する各ΔaK0に基づいて、K個の調整ベクトルの索引を{n01,n02,…,n0K}と確定することができる。これによって取得した全ての量子化索引の集合は、{a,n01,n02,…,n0K}である。
ステップA4で用いる方法(2)で選出する連合コードブック・ベクトルについて、最終的に選択した偏差Δ(a,n01,…,n0K)に直接基づいて、全ての量子化索引の集合を{a,n01,n02,…,n0K}と確定する。
復号器において量子化索引集合{a,n01,n02,…,n0K}を復号した後、aに基づいて、対応する基礎コードブック・ベクトルUを見つけることができる。その後、各Uajに対応する各調整ベクトル集合において、n01,n02,…,n0Kから対応する調整ベクトルADJjf(1≦j≦K)を見つける。その後、UをK個のADJjfと組合せて元々のベクトルVの近似値を復号する。
本実施形態は、基礎コードブック・ベクトルとそのサブベクトルの調整ベクトルとの組合せからなる連合コードブック・ベクトルを用いて、量子化対象のベクトルを量子化する方法である。調整ベクトルを用いて基礎コードブック・ベクトルを調整するので、基礎コードブック・ベクトルのダイナミック・レンジが有効に拡大し、歪み度が減少し、単次の量子化の実行で複数次の量子化と同じかそれ以上の効果を得られる。また、コードブックのメモリ量および量子化計算量が有効に低下する。また、基礎コードブック・ベクトルの調整は、調整ベクトルの形式で行なわれ、量子化対象ベクトルから基礎コードブック・ベクトルを減じた後に次元間で依然存在する関連性を十分に利用して調整ベクトルを設計する。このため、より個数が少ない調整ベクトルでより大きな動的調整範囲を実現する目的を達成し、同時に次元間の関連性を利用して調整ベクトルの個数を減じ、量子化計算量が減少する。
(第2実施形態)
ベクトル量子化方法の1つであり、本実施形態および第2実施形態の違いは、基礎コードブック・ベクトルに関連する倍率を用いて調整ベクトルのダイナミック・レンジを拡大していることである。フローは、図2に示す通りであり、以下のステップを含んでいる。
B1、B2:第1実施形態のステップA1、A2を参照して実行することができる。
B3:現在の基礎コードブック・ベクトルに対応する倍率を取得する。
現在の基礎コードブック・ベクトルをU(1≦a≦A)とすると、その対応する倍率はSと記すことができる。Sを取得する方法は、対応するUを予め定められたメモリから取得することであり、統計データまたは経験による値に基づいてSを設定することができ、またはUに基づいて算出することもできる。
例示のために、以下に、Uに基づいてSを算出する方法を示す。具体的には、以下のステップを含んでいる。
(i)全A個のUの平均ベクトルを算出する。
Figure 0005006404
B4:倍率に基づいて基礎サブベクトルに対応する調整ベクトルを取得する。
本実施形態における、Uに対応する基礎サブベクトルUajの調整ベクトルADJjfは、複数の関係ベクトルgjfを含んでいる関係ベクトル集合を用いて提供する。ここで、gjfおよびADJjfは、以下の関数対応関係を有する。
ADJjf=S×gjf
本明細書において、ADJjfと上記の関数対応関係を有する関係ベクトルは、調整係数ベクトルと称され、その集合は調整係数ベクトル集合と称される。よって、上記の関数対応関係は、基礎コードブック・ベクトルの基礎サブベクトルに対応する調整ベクトル集合をこの基礎サブベクトルに対応する調整係数ベクトル集合と相応する倍率の積として表現したものとして表わされる。
例えば、基礎コードブック・ベクトルUが4次元であるとすると、最初の2次元は、第1サブベクトルu1であり、後の2次元は第2サブベクトルu2である。ここで、第1サブベクトルは、対応する調整ベクトル集合を有している。計2つの基礎コードブック・ベクトルu1およびu2が存在し、基礎コードブック・ベクトルu1に対応する倍率はs1であり、基礎コードブック・ベクトルu2に対応する倍率はs2であり、第1サブベクトルu1に対応する調整係数ベクトル集合は2個の調整係数ベクトル{{−1,−1},{1,1}}を有しているとする。すると、u1の第1サブベクトルu11に対応する調整ベクトル集合は、s1×{{−1,−1},{1,1}}={{−s1,−s1},{s1,s1}}であり、u2の第1サブベクトルu21に対応する調整ベクトル集合はs2×{{−1,−1},{1,1}}={{−s2,−s2},{s2,s2}}である。倍率と各基礎コードブック・ベクトルとが対応するので、この場合の調整ベクトルの索引は、対応する調整係数ベクトルの索引として表現することができ、復号器は、調整係数ベクトルの索引および基礎コードブック・ベクトルの索引に基づいて対応する調整ベクトルを復号することができる。
B5:基礎コードブック・ベクトルと異なる基礎サブベクトルに対応する1つ以上の調整ベクトルとの組合せを連合コードブック・ベクトルとして見て、連合コードブック・ベクトルと量子化対象ベクトルとの偏差に基づいて、可能な連合コードブック・ベクトルの中から量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選択する。
B6:選択された連合コードブック・ベクトルに対応する基礎コードブック・ベクトルの索引および調整ベクトルの索引を取得する。
上記のステップB5、B6は、第1実施形態のステップA4、A5を参照して実行することができる。ステップB6において、倍率と各基礎コードブック・ベクトルとが対応するので、さらなる符号化ビットを増加する必要がなく、この場合の調整ベクトルの索引は対応する調整係数ベクトルの索引として表現可能で、復号器が調整係数ベクトルの索引および基礎コードブック・ベクトルの索引に基づいて対応する調整ベクトルを復号することができることを理解されたい。
本実施形態は、倍率と調整係数ベクトルとの積を用いて調整ベクトルを取得する方法である。調整ベクトルが取る値および具体的なUは関連しているので、異なるUが同じ調整係数ベクトル集合から異なる調整ベクトル集合を得ることができ、調整の効果がさらに理想的になり、調整ベクトルのダイナミック・レンジが有効に拡大する。
(第3実施形態)
ベクトル量子化方法の1つであり、本実施形態は第1、第2実施形態を基礎としており、調整ベクトルを取得する具体的な方法が提供される。フローは、図3に示す通りであり、以下のステップを含んでいる。
C1:量子化対象ベクトルを取得する。
C2:基礎コードブック・ベクトルを取得する。基礎コードブック・ベクトルは、1つ以上の基礎サブベクトルから構成されている。この1つ以上の基礎サブベクトルには、少なくとも1つの2次元以上の基礎サブベクトルに対応する1つの調整ベクトル集合がある。少なくとも1つの調整ベクトル集合は、基礎サブベクトルと同次元のN個の調整ベクトルを含んでいる。少なくとも1つの調整ベクトル集合は、Nがこの調整ベクトル集合内の全ての調整ベクトルの各次元の異なる値の全ての可能な組合せの個数より小さいことを満足する。
上記のステップC1、C2は、第1実施形態のステップA1、A2を参照して実行することができる。
C3:基礎サブベクトルに対応する調整ベクトルを取得する。具体的には、以下を含んでいる。
C31:基礎サブベクトルに対応する関係ベクトル集合を捜索する。この関係ベクトル集合は、調整ベクトル集合であるか、この調整ベクトル集合と関数対応関係を有している。関係ベクトルは、第2実施形態の調整係数ベクトルとすることができる。この場合、基礎コードブック・ベクトルUを取得した後、対応する倍率Sを取得する必要がある。
関係ベクトル集合を捜索するには、具体的には、以下の方法を取ることができる。
(i)関係ベクトル集合の1つ以上の部分集合を捜索する。各部分集合が含んでいる関係ベクトルの個数は、この部分集合内の全ての関係ベクトルの各次元の異なる値の全ての組合せの個数と同じである。
(ii)各部分集合において、対応する関係ベクトルの各次元の異なる値を検索する。
各部分集合において各次元の値同士は関係性を有さないので、ここで採用される検索方法は、非最適調整ベクトル集合における検索と類似している。すなわち、独立して、各次元の値を検索する。
ajに対応する関係ベクトル集合がN個の関係ベクトル{gj,1,gj,2,…,gj,N}を含んでいるとすると、これらの関係ベクトルの各次元の要素の値の間の関係に基づいて、関係ベクトル集合は、1つ以上の部分集合から構成されていると見ることができる。各部分集合において、関係ベクトルの各次元の要素の値は、やはり相互に関係性を有さず、このため、独立して変化するものとみなせる。極端な状況の1つは、各関係ベクトルが単独で1つの部分集合を構成することである。
例えば、2次元関係ベクトルから構成される1つの関係ベクトル集合{{30,30},{30,20},{20,30},{20,20},{0,5},{−30,−20},{−30,−30}}を想定すると、3つの部分集合「過大」、「中間」、「過小」へと分割可能である。内訳は、以下の通りである。
「過大」:{{30,30},{30,20},{20,30},{20,20}}
「中間」:{{0,5}}
「過小」:{{−30,−20},{−30,−30},{−20,−30},{−20,−20}}
「過大」部分集合において、値20、30内でそれぞれ独立して関係ベクトルの1次元、2次元を検索し、「中間」部分集合において、唯一の関係ベクトルが見つかり、「過大」部分集合において、−20、−30内で関係ベクトルの1次元、2次元を検索する。
関係ベクトルの各部分集合に別々に番号を付し、部分集合内で各種の組合せを並べて各種の組合せの通し番号を取得することができる。こうすることによって、1つの関係ベクトルは、その所属する部分集合の番号および部分集合内の通し番号によって確定可能である。当然ながら、このことは、関係ベクトル集合全体の中の関係ベクトルの順序による番号付けと実質的に一致する。
C32:関係ベクトル集合の中から取得した関係ベクトルに基づいて相応する調整ベクトルを取得する。
取得した関係ベクトルは、調整ベクトルそのものである場合もあるし、第2実施形態のように倍率で乗ずる計算によって得られる調整ベクトルとすることが必要な場合もある。
C4:基礎コードブック・ベクトルと異なる基礎サブベクトルに対応する1つ以上の調整ベクトルとの組合せを連合コードブック・ベクトルとして見て、連合コードブック・ベクトルと量子化対象ベクトルとの偏差に基づいて、可能な連合コードブック・ベクトルの中から量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選択する。
C5:選択された連合コードブック・ベクトルに対応する基礎コードブック・ベクトルの索引および調整ベクトルの索引を取得する。
上記のステップC4、C5は、第1実施形態のステップA4、A5を参照して実行することができる。ステップC5において、取得した調整ベクトルの索引は、この調整ベクトルに対応する関係ベクトルの関係ベクトル集合における通し番号であることを理解されたい。関係ベクトル集合が部分集合へと分割される場合、通し番号は、関係ベクトルが所属する関係ベクトル部分集合の番号および関係ベクトル部分集合における通し番号とすることができる。
復号器における関係ベクトルの通し番号の復号後、対応する関係ベクトル集合内でこの関係ベクトルを見つけることができる。例えば、部分集合の番号を用いて関係ベクトルが所属する部分集合を見つけ、次いで部分集合内の通し番号を用いて関係ベクトルを確定し、続いて関係ベクトルと調整ベクトルとの間の関係に基づいて調整ベクトルを取得することができる。
本実施形態は、関係ベクトル集合を捜索する方法を用いて調整ベクトルを取得する。取得方法は、直接的で、費やされる計算量はより少ない。さらに、部分集合へと分割する方法を用いて関係ベクトル集合を捜索すれば、関係ベクトルは各部分集合へと分けて保存可能である。各次元の全ての値の組合せが提供されるので、各次元の異なる値を保存可能であって、組合せ方を保存する必要はなく、メモリ量を減じることができる。
(第4実施形態)
ベクトル量子化方法の1つであり、本実施形態と第3実施形態を比べると、違いは、調整ベクトルを取得する別の具体的な方法を提供していることである。フローは、図4に示す通りであり、以下のステップを含んでいる。
ステップD1、D2は、第1実施形態のステップA1、A2を参照して実行することができる。
D3:基礎サブベクトルに対応する調整ベクトルを取得する。具体的には、以下を含んでいる。
D31:基礎サブベクトルに対応する関係ベクトルの各次元の異なる値を検索する。具体的な捜索方式には、以下の2種類がある。
方式1:偏差を判断することなく異なる値の組合せを検索するだけの方式である。この場合、検索結果は、各次元の1つの組合せである。
方式2:各次元を捜索する際(基礎コードブック・ベクトルは変えずに)、その異なる値が生成する調整ベクトルに基づいて連合コードブック・ベクトルのこの次元の偏差の影響を判断し、この次元の最良の値を確定する。この場合、検索結果は各次元の最良の値である。
D32:現在取得している各次元の値の組合せが、選択可能な有効な関係ベクトルであるか否かを判断する。そうであればステップD33を実行し、そうでなければ検索が完了するまでステップD31の実行を継続する。
現在取得している各次元の値の組合せが、選択可能な有効な関係ベクトルであるか否かを判断する際、具体的には、次の方法を採用できる。現在取得している各次元の値の組み合わせにおける全ての可能な組合せの通し番号を計算し、この番号に基づいてこの値の組合せが選択可能な有効な関係ベクトルであるか否かを判断する。
例えば、関係ベクトルが4次元であり、各次元が5個の可能な異なる値を有するとすると、計625個の可能な関係ベクトルが存在する。その中の対応する調整ベクトルの有効な関係ベクトルは計256個である。625個の固定された項目を有する2つの組を設定する。
Ga[id´]=D、id´={1,…,625}、D=1または0、
Gb[id´]=n、id´={1,…,625}、1≦n≦256である。
Ga[id´]における計256個のid´値に対応するD値は1であり、256個の有効な関係ベクトルを表わしている。この256個のid´値を単に「有効id´値」と称する。Gb[id´]において有効id´値に対応するn値は、1乃至256のうちのいずれかを取り、この256個の有効id´値の通し番号とする。Gb[id´]のn値は、有効なid´値を順番に並べ、1乃至256のうちの対応する1つのn値を設定することによって、設定することができる。Gb[id´]内のその他のid´値に対応するn値は、任意の方法で設定可能である。
可能な関係ベクトル{id1,id2,id3,id4(id1乃至id4は、各次元の要素の値の通し番号である)}を見つけた際、関係ベクトルの元々の通し番号は、
id´=id1×125+id2×25+id3×5+id4
として算出される。
Ga[id´]を検索し、Ga[id´]=1の場合、この関係ベクトルが有効な関係ベクトルであると判断し、対応する調整ベクトルの取得を継続することができる。相応するGa[id´]に対応するn値は、調整ベクトルの索引である。
Ga[id´]=0の場合、この関係ベクトルは調整ベクトルに対応しないものと判断し、検索を継続する。
D31での検索方式1に関して:
1.現在取得している各次元の値の組合せが選択可能な有効な関係ベクトルではなく検索の継続が必要と判断した場合、現在の組合せを飛ばして、順次検索を継続可能である;
2.全ての値の組合せを巡ったことを確定して検索は終了するか、全ての有効な関係ベクトルを検索したことを確定して検索が終了することが可能である;
3.この場合、各有効な関係ベクトルに対応する調整ベクトルは、全て、対応する基礎サブベクトルに提供される。
D31での検索方式2に関して:
1.現在取得している各次元の値の組合せが選択可能な有効な関係ベクトルではなく検索の継続が必要と判断した場合、以下の各種の方法を用いることができる;
(i)暫定的な、数の組を生成し、これを用いて全ての有効な関係ベクトルの値の組合せを保存し、次いでこの暫定的な数の組の中で検索を実行する:
(ii)1つまたは1つ以上の次元の値を調整してみる。例えば、次元について大きな値から小さな値へと調整し、調整が有効になるまで続ける:
(iii)(ii)に類似しており、1つ以上の次元の調整を行なわない:
2.有効な関係ベクトルが見つかったと確定した場合、検索が完了したと判定することができる;
3.この場合、基礎コードブック・ベクトルUの各Uajについて、有効な関係ベクトルを1回のみ提供したことに相当する。この有効な関係ベクトルはUajの最良の調整ベクトルに対応する。
D33:現在取得している有効な関係ベクトルに基づいて調整ベクトルを取得する。
この場合、調整ベクトル集合は、全てが有効な関係ベクトルの集合か、全てが有効な関係ベクトルの集合と関数対応関係を有している。また、調整ベクトルの索引は、全てが有効な関係ベクトルにおけるこの調整ベクトルに対応する有効な関係ベクトルの通し番号として表現可能である。
D4:基礎コードブック・ベクトルと異なる基礎サブベクトルに対応する1つ以上の調整ベクトルとの組合せを連合コードブック・ベクトルとして見て、連合コードブック・ベクトルと量子化対象ベクトルとの偏差に基づいて、可能な連合コードブック・ベクトルの中から量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選択する。
D5:選択された連合コードブック・ベクトルに対応する基礎コードブック・ベクトルの索引および調整ベクトルの索引を取得する。
上記のステップD4、D5は、第1実施形態のステップA4、A5を参照して実行することができる。ステップD5において、取得した調整ベクトルの索引は、全てが有効な関係ベクトルにおけるこの調整ベクトルに対応する有効な関係ベクトルの通し番号であることを理解されたい。
復号器における関係ベクトルの通し番号nの復号後、データおよびGb[id´]に対応して設定された256個の固定された数の組を捜索することができる。
Gc[n]=id´、n={1,…,256}、1≦id´≦625である。
この関係ベクトルの元々の番号id´を復号するために、以下のようにする。
id4=id´%5; id4´=Int[id´/5];
id3=id4´%5; id3´=Int[id4´/5];
id2=id3´%5; id2´=Int[id3´/5];
id1=id2´%5;
ここで、「%」の表示は剰余数を示し、「Int」の表示は整数を示しており、各次元の要素の値の通し番号を取得し、これによって、対応する関係ベクトルを取得する。
本実施形態は、超過量検索(すなわち、検索される組合せの個数が最終的な索引の符号化の有効な組合せの個数より少ない方式)を用いて関係ベクトルを取得する。組合せに対する有効性の判断を通じて対応する調整ベクトルを取得する。実際の有効な関係ベクトルの組合せ関係を保存する必要がないので、メモリ量を減少できる。
本発明の上記の実施形態が提供するベクトルの量子化方法は、各種の類型のベクトル量子化工程を用いるために、単独でまたはその他のベクトル量子化方法と組み合わせて使用でき、また、本方法を用いてベクトルに単次量子化を行うことができ、また、本方法に基づいて単次量子化を行なった後の量子化残差または残差の一部に対して本方法に基づいて2次量子化を行なうことも可能である。本発明のベクトル量子化方法のソフトウェアは、コンピュータ読み取り可能媒体に保存することができることが理解されるべきである。このソフトウェアは、実行時、以下のステップを含んでいる。量子化対象ベクトルを取得する; 1つ以上の基礎サブベクトルから構成される基礎コードブック・ベクトルを取得する; この1つ以上の基礎サブベクトルには少なくとも1つの2次元以上の基礎サブベクトルに対応する1つの調整ベクトル集合があり、この調整ベクトル集合はこの基礎サブベクトルと同次元のN個の調整ベクトルを含んでおり、少なくとも1つの調整ベクトル集合は、Nがこの調整ベクトル集合内の全ての調整ベクトルの各次元の異なる値の全ての可能な組合せの個数より小さいことを満足している; 基礎サブベクトルに対応する調整ベクトルを取得する; 基礎コードブック・ベクトルと異なる基礎サブベクトルに対応する1つ以上の調整ベクトルとの組合せを連合コードブック・ベクトルとして見て、連合コードブック・ベクトルと量子化対象ベクトルとの偏差に基づいて、可能な連合コードブック・ベクトルの中から量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選択する; 選択された連合コードブック・ベクトルに対応する基礎コードブック・ベクトルの索引および調整ベクトルの索引を取得する。この読み取り可能媒体は、例えば、ROM/RAM、ディスク、CDなどである。
以下に、具体的な実施形態とともに、本発明の実施形態が提供する技術的策をさらに説明する。図5は、本発明の実施形態が提供するベクトル量子化方法の全体のフロー図であり、このフローは以下のステップを含んでいる。
ステップ501:N個の基礎コードブック・ベクトルおよび各基礎コードブック・ベクトルの調整ベクトルを用いて量子化対象ベクトルに対して量子化処理を行なう。
ステップ502:量子化対象ベクトルの基礎コードブック・ベクトルおよび調整ベクトルの量子化を得る。
ここで、Nは1以上の正の整数である。基礎コードブック・ベクトルの調整ベクトルは、基礎コードブック・ベクトルを調整するためのものであり、これを用いて量子化対象ベクトルの量子化結果をこの量子化対象ベクトルに近づける。
以下に、図5が示す本発明の実施形態が提供するベクトル量子化方法を詳しく説明する。
具体的な実施形態において、N個の基礎コードブック・ベクトルおよび各コードブック・ベクトルの調整ベクトルを利用した量子化対象ベクトルの量子化処理の前に、N個の基礎コードブック・ベクトルの調整ベクトルを生成する必要がある。
図6は、本発明の実施形態が提供するコードブック・ベクトルの調整ベクトルを生成する方法の1つのフローチャートである。この図において、量子化対象ベクトルの次元数をa次元とする。本フローは、以下のステップを含んでいる。
ステップ601:N個の基礎コードブック・ベクトルの平均ベクトルを計算する。
このステップにおいて、基礎コードブック・ベクトルの平均ベクトルもa次元ベクトルである。本実施形態において、N個の基礎コードブック・ベクトルの平均ベクトルを計算する方法は、以下のようにすることができる。すなわち、全N個の基礎コードブック・ベクトルの同次元の要素を全て加えて、その後Nで除することによって、平均ベクトルのこの次元の要素を取得する。j番目の基礎コードブック・ベクトルのi次元の要素をY(i)とし、平均ベクトルのi次元の要素をAV(i)とすると、AV(i)の計算式は、
Figure 0005006404
である(i=1,2,…,a)。
よって、平均ベクトルAV(a)は、これらAV(i)要素から構成されるa次元ベクトルであり、AV(a)={AV(i),i=1,2,…,a}である。
ステップ602:各基礎コードブック・ベクトルから平均ベクトルまでの距離を計算する。
本実施形態において、この計算の工程は、具体的には、以下の通りである。すなわち、j番目の基礎コードブック・ベクトルの各次元の要素と平均ベクトルの同次元の要素との間の差分を計算してa個の要素の差分を得、このa個の要素の差分の平方和を求め、この平方和をaで除して、この除算の結果の平方根を求め、j番目の基礎コードブック・ベクトルから平均ベクトルまでの距離AVS(j)
Figure 0005006404
が得られる(j=1,2,…,N)。このAVS(j)は、倍率である。
ステップ603:各基礎コードブック・ベクトルから平均ベクトルまでの距離に基づいて、各基礎コードブック・ベクトルの調整ベクトルを生成する。
本実施形態では、各基礎コードブック・ベクトルの各次元の要素の調整ベクトルを生成することによって、この基礎コードブック・ベクトルの調整ベクトルを生成する。具体的な方法は以下の通りである。この基礎コードブック・ベクトルの各次元の要素の調整量に対応する1つ以上の関係ベクトルを設定する ;この基礎コードブック・ベクトルの各次元の要素の調整量を生成する際にこのコードブック・ベクトルから平均ベクトルまでの距離をこの次元の要素の調整ベクトルに対応する各関係ベクトルとそれぞれ乗じ、得られた積の各々をこのコードブック・ベクトルのこの次元の要素に対応する調整量とする ;このコードブック・ベクトルのこの次元の要素に対応する各積を順に並べ、各積についての得られた通し番号をこの積に対応する調整量の索引番号とする。
j番目の基礎コードブック・ベクトルを例に取り、このj番目のコードブック・ベクトルのi次元の要素の調整量を生成する工程を詳細に説明する。AVS(j)をj番目のコードブック・ベクトルの調整量の基礎値とし、j番目のコードブック・ベクトルの調整量の基礎値を調整するための倍率を設定する。j番目のコードブック・ベクトルのi次元の要素Y(i)に対して関係ベクトル集合{0,A1,−A1,A2,−A2}を設定すると、Y(i)の調整量は、集合{0,AVS(j)×A1,−AVS(j)×A1,AVS(j)×A2,−AVS(j)×A2}内の要素である;A1=A2=0.3であるなら、Y(i)の調整量は、集合{0,AVS(j)×0.3,−AVS(j)×0.3}内の要素である。同時に、集合内の各要素の通し番号も調整量の索引番号に対応する。
図6が示す実施形態によって、コードブック・ベクトルの調整量を生成する方法が提供された。実際の応用の際、その他の方法によってコードブック・ベクトルの調整量を生成することが可能である。例えば、最も簡単な方法は、各コードブック・ベクトルの調整量を無作為に生成することである。ただし、この方法で得られる調整量を用いる場合、コードブック・ベクトルと量子化対象ベクトルとの間の残差ベクトルに対して量子化処理を行なって得られる符号化効果は、明らかに、図6が示す実施形態において生成する調整量がもたらす符号化効果ほど安定していない。
以下に、ISF係数が構成するISFベクトルに対する量子化を例に取り、本発明の実施形態が提供する図1が示すベクトルの量子化方法を詳細に説明する。また、本発明の実施形態のベクトル量子化方法とAMR−WB+のベクトル量子化方法との符号化効果および符号化の複雑度の比較を容易にするために、本発明の実施形態において、やはり46ビットを用いて符号化を行ない、さらに、ISFベクトルを16次元ベクトルとする。この16次元ベクトルが対応するISF残差をトレーニングすることによって得られるコードブック・ベクトルは256個である。
図6によるコードブック・ベクトルの調整量を生成する方法に基づき、図7は、本発明の実施形態におけるISF残差コードブック・ベクトルおよび各コードブック・ベクトルの調整量を生成するフロー図である。このフローは、以下のステップを含んでいる。
ステップ701:フレーム間予測を用いてISFベクトルのISF残差を計算する。
このステップは、従来のISFベクトルの量子化に用いられており、ISF残差と同じ方法で計算し、ISF残差を算出する。この計算工程を、以下に簡単に説明する。
を平均値mean_isfを減じた後の第nフレームISFベクトルisfと定義すると、予測されるISF残差はRであり、
=isf−mean_isf
Rn=Z−P
で表現される。
ここで、Pは、第nフレームの予測ISFベクトルである。
Figure 0005006404
ステップ702:トレーニングによって、16次元のISF残差の256個のコードブック・ベクトルを得る。
このステップにおいて、量子化対象ベクトルを既知の量として、LBGアルゴリズムを用いたトレーニングによって量子化対象ベクトルに対応するN個のコードブック・ベクトルを得る。ここで、LBGアルゴリズムは、公知の技術であり、コードブック・ベクトルをトレーニングするためのアルゴリズムであり、このアルゴリズムを用いてコードブック・ベクトルをトレーニングする詳細な工程については関連する文献資料を参照することができる。実際の応用の際、その他のアルゴリズムを通じてコードブック・ベクトルをトレーニングしてもよい。
トレーニングによって得られる各コードブック・ベクトルもa(aは1以上の正の整数)次元ベクトルである。
ステップ703:256個のコードブック・ベクトルの平均ベクトルを計算する。
このステップの説明については、N=256、a=16として上記のステップ502の説明を参照することができる。
ステップ704:256個のコードブック・ベクトルのうちの各コードブック・ベクトルから平均ベクトルまでの距離を計算する。
このステップの説明については、上記のステップ503の説明を参照することができる。これによりj番目のコードブック・ベクトルから平均ベクトルまでの距離AVS(j)
Figure 0005006404
が得られる(j=1,2,…,256)。
本実施形態において、1つのコードブック・ベクトルが1つの距離値AVS(j)に対応する。この距離値は、コードブック・ベクトルの調整量の基礎値とされ、実際の応用の際、1つのコードブック・ベクトルの複数の基礎値を算出してもよい。ただし、量子化処理の計算量は増加する。
ステップ705:生成した256個のコードブック・ベクトルのうちの各コードブック・ベクトルの各次元の要素の調整量を生成する。
本実施形態において、各コードブック・ベクトルの1乃至6次元の要素に対して7つの調整量を設定している。対応する倍率は、0、A1、−A1、B1、−B1、C1、−C1である。7乃至13次元の要素に対しては、5つの調整量を設定している。対応する倍率は、0、A2、−A2、B2、−B2である。14乃至16次元の要素に対しては、3つの調整量を設定している。対応する倍率は、0、A3、−A3である。こうして、j番目のコードブック・ベクトルを例とすると、ステップ705において得たAVS(j)をj番目のコードブック・ベクトルの各次元の要素の調整量の基礎値とする。得られるj番目のコードブック・ベクトルの各次元の要素の調整量V(k)の組合せの集合は以下の通りである。
1乃至6次元の要素については、k=1,2,…,7、i=1,2,…,6で、
V(i,k)={0,AVS(j)×A,−AVS(j)×A,AVS(j)×B,−AVS(j)×B,AVS(j)×C,−AVS(j)×C}である。
ここで、kは、V(i,k)集合における各要素の通し番号を表わしており、また、1乃至6次元の要素が対応する調整量の索引番号である。
7乃至13次元の要素については、k´=1,2,…,5、i=7,…,13で、
V(i,k´)={0,AVS(j)×A,−AVS(j)×A,AVS(j)×B,−AVS(j)×B}である。
ここで、kは、V(i,k´)集合における各要素の通し番号を表わしており、また、7乃至13次元の要素が対応する調整量の索引番号である。
14乃至16次元の要素については、k´´=1,2,3、i=14,…,16で、
V(i,k´´)={0,AVS(j)×A,−AVS(j)×A}である。
ここで、kは、V(i,k´´)集合における各要素の通し番号を表わしており、また、14乃至16次元の要素が対応する調整量の索引番号である。
さらに、本実施形態において、全ての倍率が1である場合、得られるコードブック・ベクトルの各次元の調整量は、V(i,k)={0,AVS(j),−AVS(j)}である(k=1,2,3、i=1,…,16)。
こうして、256個のコードブック・ベクトルおよびその調整量が得られ、この後、これらのコードブック・ベクトルおよび対応する調整ベクトルを利用して、ISF残差を量子化する。
図7による生成されるISF残差コードブック・ベクトルおよび各コードブック・ベクトルの調整量に基づき、図8は、本発明の実施形態のベクトル量子化方法を用いてISF残差を量子化するフローチャートである。図8において、N個のコードブック・ベクトルおよび各コードブック・ベクトルの調整量を用いて量子化対象ベクトルに対して量子化処理を行なって、量子化対象ベクトルのコードブック・ベクトルおよび調整量の量子化を得るフローは、以下のステップを含んでいる。
ステップ801:量子化対象ベクトルと256個のコードブック・ベクトルのうちの各コードブック・ベクトルおよびこのコードブック・ベクトルの調整量との間の差分ベクトル、を算出する。
本実施形態において、量子化対象ベクトルはISF残差であり、量子化対象ベクトルと256個のコードブック・ベクトルのうちの各コードブック・ベクトルおよびこのコードブック・ベクトルの調整量との間の差分ベクトルを計算することは、ISF残差と256個のコードブック・ベクトルのうちの各コードブック・ベクトルとの間の残差ベクトルを計算することに相当する。
このステップにおいて得られる残差ベクトルも16次元ベクトルであり、このような残差ベクトルは256個であり、残差ベクトルはresj,iと表記される(j=1,2,…,256、i=1,2,…16)。
ステップ802:コードブック・ベクトルの調整量を設定するモードに従って、16次元の残差ベクトルを3つのサブベクトルへと分割する。
この実施形態において、ステップ705で説明した、コードブック・ベクトルの1乃至6次元の要素に対応する調整量、7乃至13次元の要素に対応する調整量、14乃至16次元の要素に対応する調整量に従って、j番目のコードブック・ベクトルに対応する16次元の残差ベクトルを3つのサブベクトルへと分割する。3つのサブベクトルは、
resj,i(i=1,2,…,6); resj,i(i=7,…,13); resj,i(i=14,…,16)
である。
ステップ803:各コードブック・ベクトルの調整量を用いて、残差ベクトルに対して量子化処理を行なう。
本実施形態では、N個のコードブック・ベクトルおよび各コードブック・ベクトルの調整量を用いて量子化対象ベクトルに対して量子化処理を行なうことは、以下を含んでいる。すなわち、各コードブック・ベクトルの調整量を用いて量子化対象ベクトルとこのコードブック・ベクトルとの間の残差ベクトルに対して量子化処理を行なう。残差ベクトルに対する量子化工程は、残差ベクトルの各次元の要素と対応するコードブック・ベクトルの同次元の要素の各調整量との間の差分の絶対値を算出することである; 残差ベクトルの各次元の要素に対応する最小の差分絶対値および対応する調整量の索引番号を選出する。resj,i(i=1,2,…,6)を例に取ると、この量子化工程は、具体的には、以下の通りである。
resj,iの1次元要素とV(i,k)中のi=1、k=1,2,…,7の集合内の各要素との間の差分絶対値は、
1,k=|resj,i−V(i,k)|
V(i,k)={0,AVS(j)×A,−AVS(j)×A,AVS(j)×B,−AVS(j)×B,AVS(j)×C,−AVS(j)×C}である。
である。7個の差分絶対値E1,kが得られる。その中の最小の差分絶対値minE1,kを選出し、対応するk値を記録しておく。
上記の量子化工程に従って、resj,iの中から、1乃至6次元の最小差分絶対値minE1,k(i=1,2,…,6)、7乃至13次元の最小差分絶対値minE1,k´(i=7,…,13)、14乃至16次元の最小差分絶対値minE1,k´´(i=14,…,16)を求める。
ステップ804:各残差ベクトルと最小差分絶対値に対応する調整量との間の歪み度を算出し、N個の歪み度を得る。
本実施形態では、各残差ベクトルと最小差分絶対値に対応する調整量との間の歪み度を計算する工程は、256個の残差ベクトルのうちの各残差ベクトルに対して、まずこの残差ベクトルの各次元の要素に対応する最小差分絶対値の平方値を求め、各次元の要素に対応する最小差分絶対値の平方値を合計し、得られた合計結果を同じコードブック・ベクトルに対応する残差ベクトルと調整量との間の歪み度とする(残差ベクトルと歪み度とは1対1で対応する)。得られる歪み度はN個である。resj,i(i=1,2,…,16)と調整量との間の歪み度Eの計算を例に取ると、この計算の式は、
Figure 0005006404
である(j=1,2,…,256)。得られる歪み度は256個である。
Figure 0005006404
重み付け後の歪み度は、
=E1+E2/α+E3/β
である。ここで、αおよびβは重み付け係数であり、実数である。
ステップ805:256個の歪み度の中から最小の歪み度を選出し、この最小歪み度に対応するコードブック・ベクトルおよび調整量を量子化対象ベクトルのコードブック・ベクトルおよび調整量とする。
本実施形態では、E=E1+E2/α+E3/βが最小歪み度であるとすると、j番目のコードブック・ベクトルが量子化対象ベクトルのコードブック・ベクトルであり、最良のコードブック・ベクトルである。E1内の1番目のminE1,kに対応するkが2であるとすると、残差ベクトルの1次元の量子化調整量はAVS(j)×Aであり、この残差ベクトルの1次元の最良の調整量である。類推によって、E1に基づいて、残差ベクトルの1乃至6次元の最良の調整量が得られる。E2に基づいて、残差ベクトルの7乃至13次元要素の最良の調整量が得られる。E3に基づいて、残差ベクトルの14乃至16次元の最良の調整量が得られ、得られたE2及びE3に基づいてその中の残差ベクトルの1乃至6次元要素に対応する最良の調整量および対応するk値が得られ、量子化調整量および対応するk´値が得られ、14乃至16次元の量子化調整量および対応するk´´が得られる。
ステップ806:この最良歪み度に対応する調整量の索引番号およびコードブック・ベクトル索引番号を出力する。
この実施形態において、Eを得た後、これに相応して、Eに対応するj番目のコードブック・ベクトルが最良のコードブック・ベクトルであり、その索引番号はjである。ステップ805の説明において述べたように、残差ベクトルの1次元の量子化調整量の索引番号は、E1に基づいて得られた1番目のminE1,kが対応するk=2である。類推によって、得られた残差ベクトルの各次元の要素の最良の調整量に対応する索引番号が得られる。
ここにおいて、本発明のベクトル量子化方法を用いてISF残差を量子化する工程が終了する。この後、最終的に得られた索引番号は符号化結果とされ、復号器に転送される。符号化・複号プロトコルによって、復号器は、索引番号に基づいて量子化対象ベクトルに対応する量子化ベクトルを見つけ、復元された音声信号を得る。
ステップ801を具体的に実行する際、各コードブック・ベクトルの各次元の要素およびこの要素に対応する各調整量の総和を別々に先に求め、次いで量子化対象ベクトルの同次元の要素と各和との間の差分絶対値を算出することが可能である。こうすることによって、ステップ803の説明における差分絶対値を直接得ることができ、ステップ803以降の操作を継続することが可能である。
画像/映像信号を符号化する際に信号を標本化して信号シーケンスを得てからこのシーケンスに基づいてベクトルを生成することができるので、本発明の実施形態が提供する上記のベクトル量子化方法は、画像/映像信号の符号化プロセスに対しても適用できる。
以下に、本発明の実施形態に対するベクトル量子化器について詳細に説明する。
量子化器10は、図9に示すように、以下を含んでいる:
量子化対象ベクトルを取得するためのベクトル入力ユニット11;
1つ以上の基礎サブベクトルから構成された基礎コードブック・ベクトルを提供するための基礎コードブック・ユニット12。この1つ以上の基礎サブベクトルには、少なくとも1つの2次元以上の基礎サブベクトルに対応する1つの調整ベクトル集合があり、この調整ベクトル集合はこの基礎サブベクトルと同次元のN個の調整ベクトルを含んでおり、少なくとも1つの調整ベクトル集合はNがこの調整ベクトル集合内の全ての調整ベクトルの各次元の異なる値の全ての可能な組合せ数より小さいことを満足している;
基礎コードブック・ベクトル12が提供する基礎コードブック・ベクトル内の基礎サブベクトルに対応する調整ベクトルを提供するための調整ベクトル・ユニット13;
基礎コードブック・ユニット12および調整ベクトル・ユニット13から基礎コードブック・ベクトルおよび調整ベクトルを取得し、基礎コードブック・ベクトルと異なる基礎サブベクトルに対応する1つ以上の調整ベクトルとの組合せを連合コードブック・ベクトルとして見て、連合コードブック・ベクトルとベクトル入力ユニット11が取得した量子化対象ベクトルとの偏差に基づいて、可能な連合コードブック・ベクトルの中から量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選択するための量子化ユニット14;
量子化ユニット14が選択した連合コードブック・ベクトルに対応する基礎コードブック・ベクトルの索引および調整ベクトルの索引を取得するための量子化出力ユニット15。
第1実施形態における連合コードブック・ベクトルを検索する方法(1)に対応して、本実施形態における量子化ユニットは、具体的には、図10に示す構造を用いており、以下を含んでいる:
量子化対象ベクトルと基礎コードブック・ユニットから取得した現在の基礎コードブック・ベクトルとの差分ベクトルを計算するための残差計算ユニット1411。この差分ベクトルは、1つ以上の差分サブベクトルから構成されており、差分サブベクトルへの分割方法と基礎サブベクトルへの分割方法とは同じである;
対応する調整ベクトルを有する基礎サブベクトルについて、調整ベクトル・ユニットが提供する調整ベクトル集合のうちのこの調整ベクトルに対応する残差計算ユニット1411が得た差分サブベクトルとの偏差に基づいて、現在の基礎サブベクトルの最良の調整ベクトルを選択するための残差量子化ユニット1412;
残差量子化ユニット1412が得た各最良の調整ベクトルの偏差および未対応の調整ベクトル集合の基礎サブベクトルと量子化対象ベクトルの相応部分との偏差を累積し、現在の基礎コードブック・ベクトルに対応する最良の連合コードブック・ベクトルの偏差とするための偏差累積ユニット1413;
偏差累積ユニット1413が得た各基礎コードブック・ベクトルに対応する最良の連合コードブック・ベクトルの偏差を比較し、量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選択するための量子化選択ユニット1414。
第1実施形態における連合コードブック・ベクトルを検索する方法(2)に対応して、本実施形態における量子化ユニットは、具体的には、図11に示す構造を用いており、以下を含んでいる:
基礎コードブック・ユニットから取得した現在の基礎コードブック・ベクトルおよび調整ベクトル・ユニットから取得した調整ベクトルを重畳し、連合コードブック・ベクトルを生成するための連合ベクトル・ユニット1421;
連合ベクトル・ユニット1421が現在生成している連合コードブック・ベクトルと量子化対象ベクトルとの偏差を計算するための偏差計算ユニット1422;
偏差計算ユニット1422が得た異なる連合コードブック・ベクトルと量子化対象ベクトルとの偏差を比較し、量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選択するための比較選択ユニット1423。
本実施形態のベクトル量子化器は、第1実施形態で説明したベクトル量子化方法を実行するのに用いることができる。
(第6実施形態)
量子化器20は、図12に示すように、以下を含んでいる:
量子化対象ベクトルを取得するためのベクトル入力ユニット21;
1つ以上の基礎サブベクトルから構成された基礎コードブック・ベクトルを提供するための基礎コードブック・ユニット22。この1つ以上の基礎サブベクトルには、少なくとも1つの2次元以上の基礎サブベクトルに対応する1つの調整ベクトル集合があり、この調整ベクトル集合はこの基礎サブベクトルと同次元のN個の調整ベクトルを含んでおり、少なくとも1つの調整ベクトル集合はNがこの調整ベクトル集合内の全ての調整ベクトルの各次元の異なる値の全ての可能な組合せ数より小さいことを満足している;
基礎コードブック・ユニット22が現在提供している基礎コードブック・ベクトルに対応する倍率を提供するための倍率ユニット23;
基礎コードブック・ユニット22が提供する基礎コードブック・ベクトル内の基礎サブベクトルに対応する調整ベクトルを提供するための調整ベクトル・ユニット24。この調整ベクトルは基礎サブベクトルに対応する調整係数ベクトルと倍率ユニットが提供する倍率の積である;
基礎コードブック・ユニット22および調整ベクトル・ユニット24から基礎コードブック・ベクトルおよび調整ベクトルを取得し、基礎コードブック・ベクトルと異なる基礎サブベクトルに対応する1つ以上の調整ベクトルとの組合せを連合コードブック・ベクトルとして見て、連合コードブック・ベクトルと量子化対象ベクトルとの偏差に基づいて、可能な連合コードブック・ベクトルの中から量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選択するための量子化ユニット25;
量子化ユニット24が選択した連合コードブック・ベクトルに対応する基礎コードブック・ベクトルの索引および調整ベクトルの索引を取得するための量子化出力ユニット25。
本実施形態のベクトル量子化器は、第2実施形態で説明したベクトル量子化方法を実行するのに用いることができる。
(第7実施形態)
量子化器30は、図13に示すように、以下を含んでいる:
量子化対象ベクトルを取得するためのベクトル入力ユニット31;
1つ以上の基礎サブベクトルから構成された基礎コードブック・ベクトルを提供するための基礎コードブック・ユニット32。この1つ以上の基礎サブベクトルには、少なくとも1つの2次元以上の基礎サブベクトルに対応する1つの調整ベクトル集合があり、この調整ベクトル集合はこの基礎サブベクトルと同次元のN個の調整ベクトルを含んでおり、少なくとも1つの調整ベクトル集合はNがこの調整ベクトル集合内の全ての調整ベクトルの各次元の異なる値の全ての可能な組合せ数より小さいことを満足している;
調整ベクトル・ユニット33。調整ベクトル・ユニット33は、以下を含んでいる:
基礎コードブック・ユニット32が提供する基礎サブベクトルに対応する関係ベクトル集合(この関係ベクトル集合は、この調整ベクトル集合であるかこの調整ベクトル集合と関数対応関係を有している)を提供するための集合供給ユニット331、
集合供給ユニット331が提供した関係ベクトル集合を捜索し、この関係ベクトル集合の中から取得した関係ベクトルに基づいて相応する調整ベクトルを得るための調整生成ユニット332;
基礎コードブック・ユニット32および調整ベクトル・ユニット33から基礎コードブック・ベクトルおよび調整ベクトルを取得し、基礎コードブック・ベクトルと異なる基礎サブベクトルに対応する1つ以上の調整ベクトルとの組合せを連合コードブック・ベクトルとして見て、連合コードブック・ベクトルと量子化対象ベクトルとの偏差に基づいて、可能な連合コードブック・ベクトルの中から量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選択するための量子化ユニット34;
量子化ユニット34が選択した連合コードブック・ベクトルに対応する基礎コードブック・ベクトルの索引および調整ベクトルの索引を取得するための量子化出力ユニット35。この索引はこの調整ベクトルに対応する関係ベクトルの関係ベクトル集合における通し番号である。
本実施形態のベクトル量子化器は、第3実施形態で説明したベクトル量子化方法を実行するのに用いることができる。
(第8実施形態)
量子化器40は、図14に示すように、以下を含んでいる:
量子化対象ベクトルを取得するためのベクトル入力ユニット41;
1つ以上の基礎サブベクトルから構成された基礎コードブック・ベクトルを提供するための基礎コードブック・ユニット42。この1つ以上の基礎サブベクトルには、少なくとも1つの2次元以上の基礎サブベクトルに対応する1つの調整ベクトル集合があり、この調整ベクトル集合はこの基礎サブベクトルと同次元のN個の調整ベクトルを含んでおり、少なくとも1つの調整ベクトル集合はNがこの調整ベクトル集合内の全ての調整ベクトルの各次元の異なる値の全ての可能な組合せ数より小さいことを満足している;
調整ベクトル・ユニット43。調整ベクトル・ユニット43は、以下を含んでいる:
基礎コードブック・ユニット42が提供する基礎サブベクトルに対応する関係ベクトルの各次元の異なる値の全ての可能な組合せを検索するための超過量検索ユニット431、
超過量検索ユニット432が現在取得している各次元の値の組合せが選択可能な有効な関係ベクトルであるか否かを判断し、そうである場合に現在取得している有効な関係ベクトルに基づいて調整ベクトルを取得し、そうでない場合に超過量検索ユニット431が検索の完了まで検索を継続するように制御するベクトル選択ユニット432;
基礎コードブック・ユニット42および調整ベクトル・ユニット43から基礎コードブック・ベクトルおよび調整ベクトルを取得し、基礎コードブック・ベクトルと異なる基礎サブベクトルに対応する1つ以上の調整ベクトルとの組合せを連合コードブック・ベクトルとして見て、連合コードブック・ベクトルと量子化対象ベクトルとの偏差に基づいて、可能な連合コードブック・ベクトルの中から量子化に用いる連合コードブック・ベクトルを選択するための量子化ユニット44;
量子化ユニット44が選択した連合コードブック・ベクトルに対応する基礎コードブック・ベクトルの索引および調整ベクトルの索引を取得するための量子化出力ユニット45。この索引はこの調整ベクトルに対応する有効な関係ベクトルの全ての有効な関係ベクトルにおける通し番号である。
本実施形態のベクトル量子化器は、第4実施形態で説明したベクトル量子化方法を実行するのに用いることができる。
上記の第7実施形態および第8実施形態における調整ベクトル・ユニットの具体的な構造は、第5実施形態および第6実施形態に適用してもよい。
上記の実施形態から以下のことが分かる。すなわち、本発明の実施形態は、基礎コードブック・ベクトルとそのサブベクトルの調整ベクトルとの組合せからなる連合コードブック・ベクトルを用いて、量子化対象のベクトルを量子化する方法である。調整ベクトルを用いて基礎コードブック・ベクトルを調整するので、基礎コードブック・ベクトルのダイナミック・レンジが有効に拡大し、歪み度が減少し、単次の量子化の実行で複数次の量子化と同じかそれ以上の効果を得られる。また、コードブックのメモリ量および量子化計算量が有効に低下する。また、基礎コードブック・ベクトルの調整は、調整ベクトルの形式で行なわれ、量子化対象ベクトルから基礎コードブック・ベクトルを減じた後に次元間で依然存在する関連性を十分に利用して調整ベクトルを設計する。このため、より個数が少ない調整ベクトルでより大きな動的調整範囲を実現する目的を達成し、同時に次元間の関連性を利用して調整ベクトルの個数を減じ、量子化計算量が減少する。さらに、倍率と調整係数ベクトルとの積によって調整ベクトルを取得する方法を用いる場合、調整ベクトルが取る値および具体的なUは関連しているので、異なるUが同じ調整係数ベクトル集合から異なる調整ベクトル集合を得ることができ、調整の効果がさらに理想的になり、調整ベクトルのダイナミック・レンジが有効に拡大する。さらに、関係ベクトル集合を捜索する方法を用いて調整ベクトルを取得する場合、取得方法は、直接的で、費やされる計算量はより少ない。さらに、部分集合へと分割する方法を用いて関係ベクトル集合を捜索すれば、関係ベクトルは各部分集合へと分けて保存可能である。各次元の全ての値の組合せが提供されるので、各次元の異なる値を保存可能であって、組合せ方を保存する必要はなく、メモリ量を減じることができる。さらに、超過量検索を用いて関係ベクトルを取得する場合、組合せに対する有効性の判断を通じて対応する調整ベクトルを取得する。実際の有効な関係ベクトルの組合せ関係を保存する必要がないので、メモリ量を減少できる。
本発明の実施形態の利点を具体的に説明するために、以下に、広帯域非音声信号(Unvoiced)の16次元のISFベクトルを量子化する際の、本方法とITU−T G.VBRベースライン符号化器の方法の各種の性能パラメータを比較する(ITU−T G.VBRベースライン符号化器が広帯域非音声信号に対して採用しているベクトル量子化方法は、AMR−WB+におけるMSVQに類似している。ただし、複数次の量子化工程においてベクトル分割は行なわない。)。その中の「量子化効果」項目は、非音声の計405336フレームのISF係数を量子化し、NTTが提供する25種の音声および2112個の音声素材に対して包括的統計を行なった結果である。
(1)ITU−T G.VBRベースライン符号化器の方法
基本設定
1.8次量子化を行なう。
2.1次量子化において、重み付け平均平方誤差に基づいて、64個の16次元の1次コードブックを用いて、1次コードブックの中から5個の好ましいコードブックを選択する。
3.好ましいコードブックの各々に対して、2乃至8次コードブック・ベクトルを用いてより高次の量子化の残差を量子化し、最後に、5組の結果の中から最終的な量子化結果を選択する。2乃至8次で用いる16次元コードブックの個数は、32、16、64、64、32、32、8である。
パフォーマンス・パラメータ:
1.符号化ビット数:6+5+4+6+6+5+5+3=40ビット。
2.メモリ量:16×(64+32+16+64+64+32+32+8)=4992個の浮動小数点。
3.計算量:約21000回の加減算、約42000回の乗算。
4.量子化効果:平均スペクトル歪みは0.975dB、2.0乃至4.0dBが全体の0.919%を占め、4.0dBを超えるものが0.00715%を占める。
(2)本発明の実施形態の方法
基本設定
1.計57個の16次元の基礎コードブック・ベクトル(5個の基礎サブベクトルに分割されている)を用いる。
2.各基礎コードブック・ベクトルは、1つの倍率に対応する。
3.1つ目の基礎サブベクトルは、1乃至2次元を含み、各次元は7個の独立に変化する調整量を有する。
4.2つ目乃至5つ目の基礎サブベクトルは、それぞれ、3乃至5次元、6乃至8次元、9乃至12次元、13乃至16次元を含んでおり、2つ目乃至5つ目の基礎サブベクトルは、各々、1つの調整ベクトル集合と対応している。各調整ベクトル集合は、3つの部分集合に分割され、各部分集合において各次元の3つの独立に変化する調整量がある。
性能パラメータ
1.符号化ビット数:40ビットである。計57×7×7×(3×3×3×3)×(3×3×3×3)×(3×3×3×3×3)×(3×3×3×3×3)=1082065425777種の組合せを用い、40ビットでは2^40=1099511627776種の組合せが得られるので、40ビットを用いて符号化を実行することができる。
2.メモリ量:16×57+57+7×2+14×3×3=1109個の浮動小数点。
3.計算量:約25000回の加減算、約7500回の乗算。
4.量子化効果::平均スペクトル歪みは0.943dB、2.0乃至4.0dBが全体の1.031%を占め、4.0dBを超えるものが0.0054%を占める。
2つの方法の性能パラメータを比較すると、同じ符号化ビット数の下で、本方法は、保存量、計算の複雑度は言うまでもなく、量子化効果もITU−T G.VBRベースライン符号化器の方法より優れている。
本発明の実施形態は、さらに、上記の本発明の実施形態が提供する1つのベクトル量子化方法に基づいて、ベクトル量子化装置も提供する。図15は、このような装置の好ましい実施形態の構造を示す図である。この装置は、コードブック供給ユニット、調整量供給ユニット、量子化ユニットを含んでいる。
コードブック供給ユニットは、量子化対象ベクトルに対応するN(Nは1以上の正の整数)個のコードブック・ベクトルを量子化ユニットに転送するためのものである。
調整量供給ユニットは、各コードブック・ベクトルの調整量を量子化ユニットに転送するためのものである。
量子化ユニットは、調整量供給ユニットからの各コードブック・ベクトルの調整量を受け取り、またコードブック供給ユニットから受け取り、N個のコードブック・ベクトルおよび各コードブック・ベクトルの調整量を用いて量子化対象ベクトルに対して量子化処理を行ない、量子化対象ベクトルのコードブック・ベクトルおよび調整量の量子化を得る。
N個のコードブック・ベクトルおよび各コードブック・ベクトルの調整量は、ベクトル量子化の前に生成することができるので、ベクトル量子化を行う際、コードブック・ベクトル供給ユニット501および調整量供給ユニット502を通じて、ベクトル量子化に必要なコードブック・ベクトルおよび調整量は、量子化ユニット503に転送することが可能である。
図16は、本発明のベクトル量子化装置の別の好ましい実施形態である。この装置は、さらに、調整量生成ユニットを含んでいる。調整量生成ユニットは、N(Nは1以上の正の整数)個のコードブック・ベクトルの平均ベクトルを計算し、各コードブック・ベクトルから平均ベクトルまでの距離を計算し、各コードブック・ベクトルから平均ベクトルまでの距離に基づいて各コードブック・ベクトルの1つ以上の調整量を生成し、生成した各コードブック・ベクトルの調整量を調整量供給ユニットに転送するためのものである。
図17は、本発明のベクトル量子化装置のさらに別の好ましい実施形態の構造を示す図である。この装置は、図16の装置からさらに、残差ベクトル計算ユニットを含んでいる。残差ベクトル計算ユニットは、量子化対象ベクトルとN個のコードブック・ベクトルのうちの各コードブック・ベクトルとの間の残差ベクトルを計算し、各コードブック・ベクトルの間の残差ベクトルを量子化ユニットに転送するためのものである。
図18は、図17の量子化ユニットの好ましい実施形態であり、量子化ユニットは、量子化サブユニット、計算サブユニット、選択サブユニットを含んでいる。
量子化サブユニットは、調整量供給ユニットからの各コードブック・ベクトルの調整量を受け取り、また、残差ベクトル計算ユニットからの残差ベクトルを受け取り、各残差ベクトルの各次元の要素と対応するコードブック・ベクトルの同次元の要素の各調整量との間の差分絶対値を計算し、残差ベクトルの各次元の要素に対応する最小の差分絶対値を選出し、残差ベクトルの各次元の要素に対応する最小差分絶対値の計算結果を計算サブユニットに転送するためのものである。
計算サブユニットは、量子化ユニットからの各残差ベクトルの各次元の要素に対応する最小差分絶対値の計算結果を受け取り、この残差ベクトルの各次元の要素に対応する最小差分絶対値の平方値を計算し、さらに各次元の要素に対応する最小差分絶対値の平方値を合計し、得られた合計結果をこの残差ベクトルと調整量との間の歪み度とし、N個の残差ベクトルのN個の歪み度を算出し、N個の歪み度を選択サブユニットに転送するためのものである。
選択サブユニットは、計算サブユニットからのN個の歪み度を受け取り、最小の歪み度および最小歪み度に対応するコードブック・ベクトルおよび調整量を選出し、最小歪み度に対応するコードブック・ベクトルおよび調整量を出力するためのものである。
図19は、ベクトル量子化装置のさらに別の好ましい実施形態の構造を示す図である。この装置は、図17からさらに、出力ユニットを含んでいる。出力ユニットは、選択サブユニットからの最小歪み度に対応するコードブック・ベクトルおよび調整量を受け取り、最小歪み度に対応するコードブック・ベクトルの索引番号および最小歪み度に対応する調整量の索引番号を出力するためのものである。
本発明の実施形態による図5に示すベクトル量子化方法の性能をさらに検査するために、AMR−WB+および本発明の方法に対して音声品質の客観評価を行なった。評価ソフトウェアは、国際電気通信連合・電気通信標準化部門(ITU−T)のP.682客観評価基準の広帯の音声品質の知覚的評価(WideBand Perceptual Evaluation of Speech Quality, WB-PESQ)であり、さらに平均スペクトル歪みもある。検査シーケンスは、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)が提供するAMR−WB+のシーケンスおよび高度映像符号化規格(Advanced Video Coding Standard, AVS)が提供する検査シーケンスであり、71個の検査シーケンスから構成される。それらには、音声、音楽、音声をバックグラウンドに持つ音楽、音楽を背景に持つ音声等が含まれる。検査結果は、次の通りである。
1.音声品質の知覚的評価(PESQ)の平均点数は、AMR−WB+Bは3.801で、本発明は3.874であった。71個の検査シーケンスの中に2個の符号化レート(10.4kbpsおよび24kbps)があって計142個の検査項目のうち、AMR−WB+Bが獲得した最高の(PESQ平均得点が最高であった)項目は47項目であり、本方法の最高項目は95項目であった。
2.平均スペクトル歪みは、AMR−WB+Bの平均スペクトル歪みが0.960156であった。そのうち、2乃至4dBが3.84%を占め、4dBを超えるものが0.095%を占めていた。本発明の平均スペクトル歪みは、0.878902であり、そのうち、2乃至4dBが0.963%を占め、4dBを超えるものが0.00158%を占めていた。
表1に示すように、AMR−WB+Bのベクトル量子化方法の1次量子化は、256、256個のコードブック・ベクトルを用い、メモリ量は256×(9+7)=4096個の浮動小数点である。2次量子化は、64、128、128、32、32個のコードブック・ベクトルを用い、メモリ量は64×3+128×3+128×3+32×3+32×4=1184個の浮動小数点であり、総保存量は4096+1184=5280個の浮動小数点である。対応する乗算計算量は、1次量子化は256個のコードブック・ベクトルを捜索し、その中から4個の最良の1次コードブック・ベクトルを見つけ出し、次いで2次コードブック・ベクトルを検索する。2次コードブック・ベクトルを検索する工程においては4個の最良の1次コードブック・ベクトルおよび2次量子化の64、128、128、32、32個のコードブック・ベクトルを巡る必要がある。
AMR−WB+Bのベクトル量子化方法と比べると、本発明のベクトル量子化方法を用いてISF残差を量子化する際、256個のコードブック・ベクトルに対して8ビットを用いて符号化を行ない、コードブック・ベクトルの調整量に対して38ビットを用いて符号化を行なう。メモリ量の面においては、本発明の実施形態において、必要なメモリ量は、256個のコードブック・ベクトルのメモリ量であり、従って計256×16=4352個の浮動小数点であり、さらに256個の調整量基準値を加えて、メモリ量は計4096+256=4352個の浮動小数点である。計算は、乗法計算であり、256個のコードブック・ベクトルを巡るのに必要な計算量である。
理解されるように、本発明の実施形態が提供する技術的策は、符号化品質およびベクトル量子化複雑度が明らかに優れている。
まとめると、本発明の実施形態が提供する上記の技術的策は、量子化対象ベクトルに対応するコードブック・ベクトルおよびこれらのコードブック・ベクトルの調整量を用いて、量子化対象ベクトルに対して量子化処理を行ない、連合計算を用いて、最良の調整量を見つけると同時にこの最良の調整量に対応する最良のコードブック・ベクトルを見つけ、量子化工程全体の歪み度を最小にし、より高い符号化品質を保証する。その中で、最良の調整量は最小歪み度に対応する調整量であり、最良のコードブック・ベクトルはこの調整量に対応するコードブック・ベクトルである。同時に、本発明の実施形態が提供する技術的策は、コードブック・ベクトルの調整量を用いてコードブック・ベクトルと量子化対象ベクトルとの間の残差ベクトルに対して量子化処理を行ない、従来技術の多数次のコードブック・ベクトルを用いて残差ベクトルを量子化する方法と異なる。このため、コードブック・ベクトルのメモリ量を減少でき、計算量は、N個のコードブック・ベクトルを巡るのに必要な計算量だけである。従来技術のN個の1次コードブック・ベクトルを巡った後にさらに複数の2次コードブック・ベクトルを巡ることと比べると、計算量が減少する。このため、本発明の実施形態が提供する技術的策は、より高い符号化品質を保証すると同時に、ベクトル量子化の複雑度を低下させる。
以上、本発明の実施形態が提供するベクトル量子化方法およびベクトル量子化器について詳細に説明した。本文において、1つ以上の具体例を用いて本発明の原理および実施方法を説明したが、上記の実施形態の説明は、本発明の方法およびその核心的な思想の理解を助けるためのものに過ぎず、同時に、当業者にとって、本発明の思想に基づいて、具体的な実施方法および応用範囲に対して変更を行なうことができる。また、本明細書の内容は、本発明を制限するものとして理解されるべきではない。

Claims (4)

  1. コードブック供給ユニットと、
    調整量供給ユニットと、
    量子化ユニットと、
    調整量生成ユニットと、
    出力ユニットと、
    を具備し、
    前記コードブック供給ユニットは、量子化対象ベクトルに対応するN(Nは1以上の正の整数)個のコードブックを前記量子化ユニットに転送するためのものであり、
    前記調整量生成ユニットは、N個のコードブックの平均ベクトルを計算し、前記各コードブックから前記平均ベクトルまでの距離を計算し、前記各コードブックから前記平均ベクトルまでの距離と各次元毎に予め定められた値とを乗算することによって、前記各コードブックの1つ以上の調整量を生成し、生成した前記各コードブックの調整量を前記調整量供給ユニットに転送するためのものであり、
    前記調整量供給ユニットは、前記各コードブックの調整量を前記量子化ユニットに転送するためのものであり、
    前記量子化ユニットは、前記調整量供給ユニットからの前記各コードブックの前記調整量を受け取り、前記コードブック供給ユニットからの前記N個のコードブックを受け取り、前記N個のコードブックおよび前記各コードブックの調整量を用いて前記量子化対象ベクトルに対して量子化処理を行ない、前記量子化対象ベクトルの量子化に関するコードブックおよび調整量を得るためのものであ
    前記出力ユニットは、得られた各コードブックの索引番号と得られた各調整量の索引番号とを求めるとともに出力するためのものである、
    ベクトル量子化装置。
  2. 残差ベクトル計算ユニットをさらに具備し、
    前記残差ベクトル計算ユニットは、前記量子化対象ベクトルと前記N個のコードブックのうちの前記各コードブックとの間の残差ベクトルを計算し、前記各コードブックの間の残差ベクトルを前記量子化ユニットに供給するためのものである、
    請求項1の装置。
  3. 前記量子化ユニットが、量子化サブユニットと、計算サブユニットと、選択サブユニットと、を具備し、
    前記量子化サブユニットは、前記調整量供給ユニットからの前記各コードブックの調整量を受け取り、前記残差ベクトル計算ユニットからの残差ベクトルを受け取り、前記各残差ベクトルの前記各次元の要素と対応する前記コードブックの同次元の要素の前記各調整量との間の差分絶対値を計算し、前記残差ベクトルに対応する各次元の要素に対応する最小差分絶対値を選出し、前記残差ベクトルの各次元の要素に対応する最小差分絶対値の計算結果を前記計算サブユニットに転送するためのものであり、
    前記計算サブユニットは、前記量子化サブユニットからの前記各残差ベクトルの各次元の要素に対応する最小差分絶対値の計算結果を受け取り、該残差ベクトルの各次元に対応する最小差分絶対値の平方を計算し、前記各次元の要素に対応する最小差分絶対値の平方を合計し、得られた合計結果を該残差ベクトルと調整量との間の歪み度とし、前記N個の残差ベクトルのN個の歪み度を算出し、前記N個の歪み度を前記選択サブユニットに転送するためのものであり、
    前記選択サブユニットは、前記計算サブユニットからの前記N個の歪み度を受け取り、最小歪み度および前記最小歪み度に対応する前記コードブックおよび前記調整量を選出し、前記最小歪み度に対応する前記コードブックおよび前記調整量を出力するためのものである、
    請求項2の装置。
  4. 前記出力ユニットは、前記選択サブユニットからの前記最小歪み度に対応する前記コードブックおよび前記調整量を受け取り、前記最小歪み度に対応する前記コードブックの索引番号および前記最小歪み度に対応する前記調整量の索引番号を出力するためのものである、
    請求項3の装置。
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