JP5001202B2 - 環境浄化剤の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、陽イオン・陰イオンの双方の吸着乃至イオン交換性能を備えた適応範囲の広く、土壌浄化や水質浄化に好適な新規な環境浄化剤の製造方法に関する。
ヒ素は、特に火山地帯の地殻に多く含有される元素であり、環境中に広範に存在している。
自然由来のヒ素汚染としては岩石の風化や火山活動等が挙げられ、北海道、中国地方、九州地方などに多く確認されている。また、人為的な汚染として鉱山、精錬所、ヒ素を使用する工場からの排出、また過去にはヒ素を含む農薬の使用等が挙げられる。
このため、ヒ素汚染は多くの地域で進行している可能性がある。さらに、土壌から地下水への汚染の危険性も危惧されている。したがって、人体に対し非常に有害なヒ素を処理する必要性は高く、ヒ素吸着剤の需要は高まっている。
また、土壌汚染、水質汚染等に関しては、汚染物質が単独であることは極めて稀である。
通常、複合的な汚染が進行しており、その汚染物質が陽イオンと陰イオンが混在しているケースのほうが多い。
現在では、人工ゼオライトによる重金属(通常陽イオン)の陽イオン交換による吸着除去法や、活性アルミナ、キレート樹脂、セリウム等による陰イオンの吸着による除去法等がある。
しかし、それら単独では陰イオン、陽イオン単独しか除去することができず(一度に除去することができない。)、コスト面、効率性等からも多くの問題を抱えている。
なお、両イオン吸着(収着)能を有する吸着剤乃至イオン交換剤として、特許文献1に、ゼオライトからなるコアとシェルの被覆構造を有する金属水酸化物/ゼオライト複合体及びその製造方法が記載されている(段落0001参照)。しかし、特許文献1において使用するゼオライトは合成ゼオライト(定形粒子構造:立方晶系)であり(段落0022〜0024)、かつ、製造条件も、金属水酸化物の生成に適したアルカリ(例えば、pH10:段落0036)に調整して、通常、高温で長時間、熟成・反応させるものである(100℃×24h:段落0032)。
これに対して、本発明の人工ゼオライトを基体とする環境浄化剤は、人工ゼオライトをpH約1.0〜5.0の酸性水溶液下で、通常、微温下で機械的な分散処理(例えば、40〜45℃×30min)後、1h程度静置して得るものである。
従って、特許文献1と本発明における人工ゼオライトを基体とする環境浄化剤は、製造方法は勿論、構造も異質なものと推定される。
なお、ヒ素を含む汚染土壌や汚染水の浄化に関連する公知文献としては特許文献2〜5等を挙げることができるが、いずれも、シュベルトマナイトを使用するものであり、本発明の特許性に影響を与えるものではない。
特許文献2:低結晶性鉄化合物であるシュベルトマナイト等の汚染物の吸着材(吸着剤)を有効利用した汚染水の浄化システム。
特許文献3:ヒ素又は重金属を含む汚染土壌に、シュベルトマナイト等の鉄化合物を添加して、汚染土壌中のヒ素又は重金属を鉄化合物に収着させ、不動態化させることにより、汚染土壌を浄化する方法。
特許文献4:ヒ素又は重金属を含む汚染土壌に、鉄酸化細菌の培養液を添加し、シュベルトマナイト等の鉄化合物を生成させるととともに、汚染土壌中のヒ素又は重金属を鉄化合物に収着させ、不動態化させることにより、汚染土壌を浄化する方法。
特許文献5:シュベルトマナイトを安定化させて得られる新規化合物を汚染水若しくは汚染土に添加し、汚染水若しくは汚染土に含まれるヒ素、リン酸、セレン若しくはクロムを新規化合物で吸着する汚染水若しくは汚染土の浄化方法。
特開2005−272170号公報 特開2005−161231号公報(要約等) 特開2003−112162号公報(特許請求の範囲) 特開2003−112163号公報(特許請求の範囲) 特許第3828887号公報(請求項5)
本発明は、陽イオンとともに陰イオンに対しても吸着(収着)乃至イオン交換除去可能であり、様々なイオンに対して除去効果が高く、更に、原料コスト及び製造コストも、既存法に比して格段に低減できる環境浄化剤の製造方法を提供し、さらには、該環境浄化剤により土壌浄化や水質浄化を低コストで施工可能とすることを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意開発する過程で、下記方法により製造すれば、環境浄化剤を短時間で簡単に製造でき、しかも、少量の土壌等への添加により、人工ゼオライトの本来的機能である陽イオン(鉛、カドミニウム等)とともに、陰イオン(特に、ヒ素酸アニオン等)を効率よく除去できることを知見して、下記構成の環境浄化剤の製造方法に想到した。
人工ゼオライトの粉体を、調整pH:約1.0〜5.0(望ましくは2.0未満)の範囲内に維持した酸性水溶液中で、約30〜55℃(液温)×20〜60min(望ましくは約40〜50℃(液温)×25〜50min)の条件の機械的な分散処理を経た後、静置させてゲル体(海綿状固形物)として得ることを特徴とする。
上記範囲外では、ヒ素酸アニオン等の陰イオンの収着(吸着)能を得難く、また、生産性が低下する。
すなわち、酸性水溶液中で人工ゼオライトを投入して機械的な分散処理を行うことにより、人工ゼオライトの微粒子化(コロイド化)に伴うゾル(スラリー)化が進行するとともに、人工ゼオライトの表面電荷の一部が、下記の如く、プラスに変換されて陰イオン吸着が可能となる。
人工ゼオライトの主成分であるがアルミナ(酸化アルミニウム)が表面ではAlO3 3-等のマイナスイオンとして存在することが多い。そして、本発明の如く、人工ゼオライトを、アルミナの等電点(pH9)より大きく酸性側に位置するpHの酸性水溶液中で機械分散(攪拌)することにより、人工ゼオライトの表面のマイナスイオンであるAlO3 3-の一部がAl3+に変換されて、陰イオン吸着が可能となると同時に、人工ゼオライトの表面非晶化によりイオン吸着能も増大する。更に、pHを2未満とした場合は、同様にシリカ(二酸化ケイ素)も表面ではSiO4 4-等のマイナスイオンとして存在することが多い。このため、上記酸性水溶液のpHをシリカの等電点(pH2)より酸性側に維持調整することにより、人工ゼオライトの表面電荷が更にプラス変換され易くなるとともに人工ゼオライトの表面が非晶化され易く、陰イオン吸着能の更なる増大が期待できる。
そして、該ゾルは、機械的な分散処理を停止して温度が低下するとゲル体(海綿状固形物)となる。
pHが高すぎると、上記人工ゼオライトの表面電荷の一部をプラス側への移行及び非晶化を発生させ難い。pHが低すぎると、人工ゼオライトが強酸に起因して構造崩壊や溶解するおそれがある。土壌に添加した場合、土壌を酸性化させるおそれがあり、人工ゼオライトの本来有する圃場等の土壌改良の効果を減殺するおそれがある。
前記ゲル体(海綿状固形物)は、そのまま乾燥しても、海綿状であるため、水質浄化槽等に投入してそのまま使用できる。
しかし、通常、上記海綿状固形物を、乾燥粉砕して粉粒状とし、適宜、篩分けして、環境浄化剤とする。
粉粒状とした場合は、取り扱い性(保管、運搬、土壌散布、土壌混合等に際して)に優れ、土壌浄化剤として好適に使用できるとともに、水質浄化槽の充てん材等としても使用可能となる。
上記各構成において、人工ゼオライトとして、アルカリイオンの全部又は一部が鉄イオン(Fe2+及び/又はFe3+;以下同じ。)で陽イオン交換されたものとしたり、第4周期遷移金属イオン(特に、鉄イオン)を含む酸性水溶液としたりすることが望ましい。これらの構成は、二者択一ではなく、双方を含んでいてもよい。
当該構成とした場合は、理由は不明であるが、酸性水溶液中での人工ゼオライトのゾル化後の、ゲル(海綿状固形物)化が促進されて、生産性が向上するとともにヒ素吸着能も増大する。
鉄イオンを含む、遷移金属イオンの多くが触媒的作用ないし錯体形成能を有するためと推定される。
上記各構成の製造方法で製造した環境浄化剤を、適宜スラリー状として土壌に添加混合して汚染された土壌の浄化に使用できる。
上記各方法で得た環境浄化剤は、鉛、カドミウム及びクロムの群から選択される陽イオン群、ヒ酸又はセレン酸、フッ素の陰イオン群の双方を吸着乃至イオン交換可能なものである。
人工ゼオライトは陽イオンにのみ吸着効果を示し、適応可能な吸着質の種類が限られている。
また、汚染対象物に陰イオンが含有されていた場合、別途の設備、施工、資材が必要となり、コスト、敷地、時間等が別途必要となっていた。
本発明の方法で酸性処理して得た環境浄化剤は、陽イオンとともに陰イオンに対しても吸着効果を示すことが可能となり適応可能な吸着イオン種類を増やすことが可能となる。環境や人体に悪影響のある鉛(Pb2+)、カドミウム(Cd2+)等の陽イオンだけでなく、ヒ酸(AsO4 3-)やセレン酸(SeO4 2-)等の陰イオンを1種類で対応できることとなり、環境浄化が複雑な工程を経ずに可能となる。
すなわち、粉状の人工ゼオライトを特定の調整pHに維持した酸性水溶液中で特定条件の分散処理を施すことにより、人工ゼオライトが従来もつ陽イオン吸着サイトに加えて陰イオン吸着サイトを独立して生成させることが可能となる。したがって、こうして調製した人工ゼオライトベースの環境浄化剤は、様々な被吸着質(鉛、カドミウム、セレン酸、砒酸など)が複数存在している状態でも、それらの被吸着質に対し同時に吸着活性を示すものとなる。
その理由は、酸性水溶液中で処理することにより、前述の如く、人工ゼオライト表面のマイナス電荷の一部がプラス電荷に変換すると同時にアモルファス化(非晶化)するためと推定される。
本発明者らは、X線回折測定により、攪拌処理前後の人工ゼオライトの表面部の結晶度が変化していることを確認している。
そして、本発明の環境浄化剤は、土壌汚染の浄化処理は勿論、汚染された土壌からの二次汚染(地下水への浸透など)に対する浄化処理、更には、汚染された水質の浄化処理にも適用できるものである。さらには、大気の浄化処理(特に有害ガス発生部位)への適用も期待できるものである。
以下、本発明の望ましい形態について説明する。
本発明では、環境浄化剤の資材(原料)として、人工ゼオライトを使用することを第一の特徴的要件とする。
一般的にゼオライトは、シリカとアルミナから構成される結晶性アルミノシリケートに属し、そのアルミノシリケートは基本的にSiO4とAlO4の四面体が酸素原子を共有して交差結合している3次元骨格構造からなっている。ゼオライトには、天然、合成及び人工ゼオライトがある。
ここで、天然ゼオライトは価格的には安価であるが、産地により品質がばらつき、一般的には本発明のような成形材料には使用できない。また、合成ゼオライトは品質的には安定しているが、価格的に高価であり、得られる成形材料も割高になり、好ましくない。
人工ゼオライトは、石炭灰、製紙スラッジ、アルミドロス残灰、スラグ、真珠岩、パーライト鉱石、鋳物廃砂、火山灰、シラス等の火山灰堆積物及びRDF焼却灰等の廃棄物又は工業製品の副生物等を主原料として、アルカリ水熱合成処理することによって得られるケイ酸・アルミン酸の金属塩であり、吸水性および陽イオン交換特性を有しており、品質的にも安定している。
このため、本発明においては、吸着剤原料として人工ゼオライトを採用する。
人工ゼオライトとは、石炭火力発電所で発生するフライアッシュ及びボトムアッシュ等の石炭灰(非晶質)と水酸化アルカリ金属(例えば苛性ソーダ)とを混合し、水熱合成して、石炭灰の表面にゼオライト結晶を生成させたアルカリ金属型および該アルカリ金属イオンの一部または全部を他のイオンで交換してなるものをいう。
例えば、「シーキュラス」登録商標名(登録4846846)で上市されているものを好適に使用できる。それらの内で、特に、鉄族イオンやアルカリ土類金属イオンで交換したものを好適に使用できる。砒素酸(オキソ酸アニオン)等の陰イオン吸着能に優れたものを得やすい。
例えば、アルカリイオンの全部又は一部が鉄イオンで陽イオン交換された人工ゼオライトを5倍水で溶出させた場合、通常、pH6〜9を示すようになっている。
ここで、アルカリ金属とは、周期表1(IA)族で示されるリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムなどであり、好ましくはナトリウム、カリウムである。また、アルカリ土類金属とは、周期表2(IIA)族で示されるベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムなどであり、好ましくはマグネシウム、カルシウムである。鉄族金属とは、周期表4周期8〜10(VIII)族で代表されるもので、好ましくは鉄(II、III)である。
なお、人工ゼオライトの粒径は、特に限定されない。上市されている粒径範囲(0.01〜500μm)の範囲から適宜選定できる。酸性水溶液中での分散処理のし易さ、及び/又は、環境浄化剤に要求される取り扱い性の見地からは、1〜100μmのものを通常使用する。
人工ゼオライトを、酸性水溶液に投入して微温下で攪拌処理することにより、ゼオライト表面電荷の一部がプラス側に変換されると同時に、ゼオライト結晶の一部が非晶(アモルファス)化して、ヒ素酸等のオキソ酸アニオン(陰イオン)の吸着サイトが形成される。
そして、攪拌処理前の人工ゼオライトは、高い比表面積を有する(例えば、平均粒子径10〜50μmの場合、30〜100m2-1:BET法)ため、表面部の一部の非晶化であっても、陰イオン吸着サイトが多数形成される。
ここで、使用する酸性水溶液としては、通常、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸を使用できるが、適宜、水溶性の第4周期遷移金属塩を含むもので調製してもよい。
そして、これらの酸性水溶液は、人工ゼオライト投入前では、調整pHが1.0未満になることが多い。このため、pH調製剤(例えば、アルカリ金属類乃至アルカリ土類金属類の水酸化物乃至酸化物)を用いて、pH約1.0〜5.0(望ましくは2.0未満)に調整する。
ここで、機械的な分散処理(反応)条件は、前述の通常、30〜55℃×20〜60min、望ましくは40〜50℃×25〜50minとする。機械的な分散処理の態様は、回転ドラム、振とう等の容器運動式でもよいが、通常、攪拌(スターラー、プロペラ形)、スクリュー混練等の容器固定式とする。攪拌装置を使用する場合の回転数は、通常、120〜1300min-1の範囲で適宜選定する。
そして、分散処理に先立つ、酸性水溶液への人工ゼオライトの投入は、通常、低速(回転速度400〜600min-1)で攪拌しながら、連続的又は間欠的に少量ずつに分けて行う。分散処理を円滑に行うためである。また、分散処理の温度までの加温も、急激に行うのではなく、緩やかに昇温させる。例えば、3〜10℃min-1の範囲で行う。急激に昇温させると、温度制御が困難となるとともに、酸性水溶液中の第四周期遷移金属イオンの電荷を増大させるおそれがある。
そして、酸性水溶液中で、微温下(30〜55℃)で分散処理をしてゾル化させた人工ゼオライトは、攪拌(機械的分散)を止め静置させて常温に戻すと、ゲル化して海綿状固形物が生成する。その生成時間は、酸性水溶液のpH及び/又は原料人工ゼオライトの種類、更には、雰囲気温度により異なるが、通常、0.5〜2hとする。
そして、海綿状固形物は、分散槽から取り出し又は分散槽に保持させた状態で、常温ないし微温(50℃以下)で静置乾燥させた後、粉砕して、所要粒径の粉粒状(通常、0.1〜1000μm、望ましくは1〜100μm)とする。
ここで、粉砕手段は、特に限定されないが、通常、微粉砕機を使用する。微粉砕機としては、ボールミル、チューブミル、ロッドミル、振動ボールミル、ハイスイングボールミル、リングローラミル、ボールローラーミル、アトリクションミル等を挙げることができる。そして、適宜、振動篩等で所定粒径(例えば、100μmアンダー)に揃える。
こうして製造した粉粒状の環境浄化剤は、土壌に散布して適宜打ち込み、更には、水でスラリー状として、土壌に散布して使用する。
このときの散布量は、土壌の汚染度にもよるが、0.1〜5wt%とする。すなわち、土壌1tに対して1〜50kg添加する。
以下、本発明を実施例に基づいて、更に、詳細に説明する。
<環境浄化剤の調製>
1)粉状環境浄化剤の調製:
硫酸ベースでpH約1.5に調整した酸性水溶液500mLを、1Lビーカーに準備をする。
該1Lビーカーに人工ゼオライト(「Fe型シーキュラス」平均粒径:40μm)300gを、液温を20℃に保持して、スターラーを回転(回転速度:1000min-1)させながら約15分で連続投入する(投入速度:約20g/min)。
人工ゼオライト投入完了後、攪拌装置の回転を継続しながら、液温を45℃まで約5分で昇温させる(昇温速度5℃min-1)。更に、液温を45℃に保持しながら30min、スターラーの回転を継続する(回転速度:約1000min-1)。
攪拌終了後、常温(20〜30℃)で1h程度静置した。すると、スポンジ(海綿)状固形物が生成した。ここまでの合計時間は、1時間50分である。
そして、1Lビーカーから該海綿状固形物を取り出した後、恒温槽を用いて35℃×22hの条件で乾燥処理をする。
該乾燥処理物を、乳鉢で粉砕して、振動篩い機を用いて、100μm超のものを除去して、実験用の環境浄化剤を調製した。
<模擬汚染土壌を用いた吸着効果の確認>
1)模擬汚染土壌の調製
所定量のヒ酸水素二ナトリウム七水和物(Na2HAsO4・7H2O)を純水に溶解させAs(V)溶液(ヒ素酸溶液)を調製し、山砂に添加混合したものを模擬汚染土壌とした。
2)ヒ素吸着試験
模擬汚染土壌に環境浄化剤を重量比で1wt%添加し均一に混合した後、24h静置させたものを実施例試料とし、環境浄化剤無添加のものを対照例試料とした。
そして、各試料について、環境省告示第46号溶出試験に記載の下記方法でヒ素溶出濃度を測定した。
「1)試料液の調製
試料(単位g)と溶媒(純水に塩酸を加え、水素イオン濃度指数が5.8以上6.3以下となるようにしたもの)(単位mL)とを重量体積比10%の割合で混合し、かつ、その混合液500mL以上となるようにする。
2)溶出
調製した試料液を常温(おおむね20℃)常圧(おおむね1気圧:101.325kPa)で振とう機(あらかじめ振とう回数を毎分約200回に、振とう幅を4cm以上5cm以下に調整したもの)を用いて、6時間連続浸透する。
3)検液の作成
上記2)で得られた試料液を10分から30分程度静置後、毎分約3000回転で20分間遠心分離した後の上澄液を孔径0.45μmのメンブランフィルター(ろ過膜)でろ過してろ液を取り、定量に必要な量を正確に計りとって、これを検液とする。」
3)測定結果及び考察
ヒ素溶出濃度において、対照例試料(環境浄化剤無添加):5.04mg/Lであったのに対し、実施例試料(本発明の環境浄化剤添加)で0.00954mg/Lとなった。すなわち、土壌に対して1wt%の添加で、上記環境省告示第46号のヒ素環境基準:0.01mg/Lを満足することが確認できた。

Claims (8)

  1. 人工ゼオライトの粉体を、調整pH:1.0〜5.0の範囲内に維持した酸性水溶液中で、30〜55℃(液温)×20〜60minの条件の機械的な分散処理を経てゾル化後、静置させて海綿状固形物として得ることを特徴とする環境浄化剤の製造方法。
  2. 前記海綿状固形物を、乾燥粉砕して粉粒状とし、篩分けすることを特徴とする請求項1記載の環境浄化剤の製造方法。
  3. 前記人工ゼオライトが、アルカリイオンの全部又は一部が鉄イオン(Fe2+及び/又はFe3+)で陽イオン交換されたものであることを特徴とする請求項1記載の環境浄化剤の製造方法。
  4. 前記酸性水溶液が、第4周期遷移金属イオンを含むものであることを特徴とする請求項1記載の環境浄化剤の製造方法。
  5. 前記第4周期遷移金属イオンが、鉄イオン(Fe2+及び/又はFe3+)であることを特徴とする請求項4記載の環境浄化剤の製造方法。
  6. 前記酸性水溶液の調整pH:2.0未満であり、前記分散処理の条件が、40〜50℃(液温)×25〜50minであることを特徴とする請求項1記載の環境浄化剤の製造方法。
  7. 請求項2記載の製造方法で得た粉粒状の環境浄化剤を、スラリー状として土壌に添加混合して汚染された土壌の浄化をすることを特徴とする土壌の浄化方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか一記載の請求項の製造方法で製造した環境浄化剤であって、該環境浄化剤が、鉛、カドミウム及びクロムの群から選択される陽イオン群、ヒ酸又はセレン酸、フッ素の陰イオン群の双方を吸着乃至イオン交換可能なものであることを特徴とする環境浄化剤。
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