JP4996525B2 - 流体混入防止装置、雰囲気処理装置、雰囲気処理方法およびガイド部材 - Google Patents

流体混入防止装置、雰囲気処理装置、雰囲気処理方法およびガイド部材 Download PDF

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Description

本発明は、流体混入防止装置、流体混入防止装置を有する雰囲気処理装置、雰囲気処理装置を用いた雰囲気処理方法、および、流体混入防止装置に用いられるガイド部材に関する。
従来、モリブデン(Mo)等の高融点金属の長尺ワイヤーや板材や箔状の材料(以下、ワークと呼ぶ)の表面を化学処理(還元処理)する方法としては、水素ガス雰囲気による熱処理方法が採用されている。
熱処理に用いられる炉の形式としては、バッチ炉が用いられる場合もあるが、処理効率やコストを考え、連続処理が可能な炉を用いるのが望ましい。
一方、連続処理を行う場合、少なくとも出入口が開放された形状となるため、炉内の水素ガスと炉外の空気中の酸素が混合して爆発しないようにするため、炉内の2種類の流体の他方への混入を防ぐ流体混入防止装置が必要になる。
図13は従来技術による流体混入防止装置を有する連続処理式還元炉を模式的に示す図である。
図13を参照すると、還元処理炉20においては、マッフル2の周囲に長い線状のMo製のヒータ3が巻回されて設けられ、これらはチューブ状の炉体1内に収容されている。
炉体1内には第1成分流体16(例えば水素ガス)を供給する第1成分流体導入口9が設けられている。
炉体1の両端は開放されて入口7および出口8を形成している。
炉体1内には、ワークを還元する為に必要な雰囲気、及び当該還元温度におけるヒータ3の酸化を防止するために、マッフル2の内の雰囲気は全て水素ガスである。
従って、炉体1内の水素ガスと炉外の空気が混合して爆発しないようにするため、入口7および出口8には、流体混入防止装置として、窒素ガス等の不活性ガスを導入するための第3成分流体導入口4および不活性ガスを放出するための第3成分流体放出口5が設けられている。
すなわち、第3成分流体導入口4から第3成分流体放出口5に向けて不活性ガスを導入することにより、不活性ガスが流体の壁となり、空気がマッフル2内に混入するのを防ぎ、また、水素ガスがマッフル2から外部に流出するのを防ぐ。
このような構造としては、具体的には以下のような発明が知られている(特許文献1)。
一方、炉内雰囲気ガスの流出を防ぐために、出口側に二重扉構造を設け、雰囲気を制御する技術もある(特許文献2)。
特開2004−271151号公報 実開平06−787993号公報
特許文献1のような流体混入防止装置は、連続処理が可能な雰囲気処理炉における水素ガスと空気の流出入を防ぐ遮断用の装置としては有用である。
しかしながら、上記装置の場合、出入口から大量の遮断用ガスを供給しなければならず、コスト面での問題が生じていた。
さらに、大量の遮断用カーテンガスを供給すると、炉の出入口が、内部雰囲気ガス、外部雰囲気、遮断用ガスが複雑に混合される乱流状態となるため、単に遮断用ガスの流量を増加させるだけでは空気の外部雰囲気の内部への混入を完全に防ぐことは困難となる場合があった。
このため、上記装置の場合、複数のガスカーテン装置を設置する必要があり、構造が複雑になっていた。
また、特許文献2のように、出口側に二重扉構造を設けた構造では、連続的に材料の挿入、排出ができないことから、長尺材料の連続処理をすることができなかった。また装置構造が複雑であり装置製造費用を多く要した。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その技術的課題は、従来よりも低コストでかつ簡易な構造で、チューブ内の2種類の流体の他方への混入を防ぐ流体混入防止装置、それを用いた雰囲気処理装置、雰囲気処理方法およびガイド部材を提供することにある。
上記した課題を解決するために、第1の発明は、両端が開放され、第1成分流体および第2成分流体がそれぞれ反対側の端部から流入可能に構成されたチューブと、前記チューブ内に、第3成分流体を供給し、第1成分と第2成分流体を遮断することにより、前記チューブ内での前記第1成分、第2成分流体の他方への混入を防止する第3成分流体供給部と、を有する流体混入防止装置に関し、前記チューブ内壁における前記第3成分流体供給部の周囲において、少なくとも前記第1成分流体が流入する側に設けられた流体遮断壁と、前記チューブ内壁における前記第3成分流体供給部の対面に設置される第3成分流体放出口とを有することを特徴とする流体混入防止装置である。
第2の発明は、流体を用いて材料を連続的に化学処理する雰囲気処理装置であって、前記材料を搬入、搬出する開放部を備えた炉体と、前記炉体に雰囲気処理のための第1成分流体を供給する第1成分流体供給口とを有し、前記開放部には第1の発明に記載の流体混入防止装置が設けられていることを特徴とした雰囲気処理装置である。
第3の発明は、第2の発明記載の雰囲気処理装置を用い、材料を連続的に化学処理することを特徴とする雰囲気処理方法である。
第4の発明は、両端が開放され、第1成分流体および第2成分流体がそれぞれ反対側の端部から流入可能に構成されたチューブと、前記チューブ内に、第3成分流体を供給し、第1成分と第2成分流体を遮断することにより、前記チューブ内での前記第1成分、第2成分流体の他方への混入を防止する第3成分流体供給部と、前記チューブ内壁における前記第3成分流体供給部の対面に設置される第3成分流体放出口とを有する流体混入防止装置に設けられたガイド部材であって、前記チューブ内壁における前記第3成分流体供給部の周囲において、少なくとも前記第1成分流体が流入する側に設けられた流体遮断壁を有することを特徴とするガイド部材である。
本発明においては、従来よりも低コストでかつ簡易な構造で、チューブ内の2種類の流体の他方への混入を防ぐ流体混入防止装置およびそれを用いた雰囲気処理装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
まず、本発明に係る流体混入防止装置14を用いた還元処理炉(熱処理装置)20の構造について、図1を参照して説明する。
ここでは還元処理炉(熱処理装置)20として、モリブデン等の高融点金属の長尺ワイヤーや、板材、箔状等の材料からなるワーク10を水素を用いて化学処理(還元処理)する為の還元炉が例示されている。
図1に示すように、還元処理炉(熱処理装置)20は炉体1と、炉体1の内部に設けられたマッフル2と、マッフル2の周囲に設けられ、ワーク10を加熱する加熱手段としてのヒータ3と、炉体1の開放部に設けられ、水素ガスの流出と空気の流入を防ぐための流体混入防止装置14と、炉体1の両端の外側に設けられたワーク支持ガイド11を有している。
具体的には、炉体1は両端の一部が材料を搬入、搬出する開放部1a、1bとして開放されたチューブ状(管状)であり、開放部1a、1bには流体混入防止装置14が設けられている。
なお、炉体1には、第1成分流体16としての水素ガスが流入する第1成分流体導入口9が設けられている。
マッフル2は炉体1内に設けられている。
ヒータ3は線状の形状を有し、マッフル2の周囲に巻回されている。
ワーク支持ガイド11はワーク10を還元処理炉(熱処理装置)20の外側から支持し、搬送するための車輪を有している。なお、車輪自体をアクチュエータ等で回転可能とし、ワーク10を搬送してもよく、車輪自体は自由回転とし、別途図示しない移動手段によってワーク10を図1の白矢印の向きに移動可能としてもよい。
流体混入防止装置14は、チューブ15a、15bを有し、チューブ15a、15bにはそれぞれ第3成分流体18としての不活性ガスが流入する第3成分流体導入口4、不活性ガスを放出するための第3成分流体放出口5、およびガイド部材としての流体遮断壁6を有している。
チューブ15a、15bの一端は炉体1の開放部1a、1bに連結され、他端はそれぞれ入口7および出口8を形成している。なお、流体混入防止装置14の詳細は後述する。
ここで、炉体1内においては、ワーク10を還元するため、及び当該還元温度におけるヒータ3の酸化を防止するために、マッフル2の内の雰囲気は全て水素ガスである必要がある。
また、マッフル2の内の水素ガスが入口7または出口8から炉外に漏出すると、第2成分流体17としての空気と混合して爆発する恐れがある。
従って、炉体1内の水素ガスの炉体1外への流出および、炉体1外の空気の炉体1内への流入を防止するため、炉体1の両端には流体混入防止装置14が設けられている。
次に、流体混入防止装置14の構造の詳細について、図2〜図8を用いて説明する。
なお、図2〜図7では出口8側の流体混入防止装置14を例にして説明するが、入口7側の流体混入防止装置14の構造も同様である。
図2(a)および図3に示すように、チューブ15bの壁面には窒素ガス等の不活性ガスを導入するための第3成分流体導入口4が設けられている。
第3成分流体導入口4には図示しないバルブ等を介して図示しないガス貯蔵部が設けられ、図示しないガス貯蔵部には不活性ガスが貯蔵されている。
さらに、第3成分流体導入口4の対面には不活性ガスを放出するための第3成分流体放出口5が設けられている。
このように、第3成分流体導入口4から第3成分流体放出口5に向けて不活性ガスを導入することにより、不活性ガスが流体の壁(ガスカーテン)となり、空気がマッフル2内に混入するのを防ぎ、また、水素ガスが出口8から外部に流出するのを防ぐ。
例えば図2(a)においては、水素ガスと空気はチューブ15bのそれぞれ反対側の端部(水素ガスは左端、空気は右端)からそれぞれB1、B2の向きに流入するが、ガスカーテンにより混入が防止される。
なお、図2(a)の場合、水素ガスは炉外の空気よりも比重が小さいため、一部が第3成分流体放出口5から放出される。そのため、第3成分流体放出口5において一部の水素ガスは図示しない放炎機構により放炎される。
さらに、チューブ15bの内壁における、第3成分流体導入口4の周囲にはガイド部材としての流体遮断壁6が設けられ、流体遮断壁6には第3成分流体導入口4から第3成分流体放出口5に向けて孔状の第3成分流体供給孔13が複数個形成されている。
即ち、図2においては、第3成分流体導入口4から供給された不活性ガスは、第3成分流体供給孔13から第3成分流体放出口5に向けて放出される構造となっている。
なお、第3成分流体導入口4と第3成分流体供給孔13(および図示しないバルブ、ガス貯蔵部)で第3成分流体供給部を構成している。
このように、第3成分流体導入口4の周囲に流体遮断壁6を設ける構造とすることにより、不活性ガスだけでなく、流体遮断壁6も炉体1内の水素ガス(第1成分流体16)の第2成分流体(空気)側への流出および、炉外の空気(第2成分流体17)の炉内(第1成分流体側)への流入を防止する。
そのため、第3成分流体導入口4より導入される不活性ガスの量を従来よりも減少させることができる。
また、流体遮断壁6を設けることにより、流体遮断壁6はチューブ15b内の流体を整流する作用を有する。
そのため、従来よりも簡易な構造にて乱流の発生を防止することができ、第3成分流体導入口4より導入される不活性ガスの量を極力減少させることができる。
即ち、流体混入防止装置14は、従来の流体混入防止装置よりも構造が簡易で低コストである。
なお、図2(a)では第3成分流体導入口4はチューブ15bの下面に設けられ、第3成分流体放出口5はチューブ15bの上面に設けられているが、これは第1成分流体16としての水素ガスが炉外の空気よりも比重が小さいためである。
そのため、第1成分流体16の比重が第2成分流体17よりも大きい場合は、図2(b)に示すように、第3成分流体導入口4および流体遮断壁6をチューブ15bの上面に設け、第3成分流体放出口5をチューブ15bの下面に設けるのが望ましい。
このような構造とすることにより、第2成分流体17が炉体1に侵入しにくくなる。
また、第1成分流体圧力(内部流体:例えば水素)の圧力をP1とし、第2成分流体圧力(例:大気・外気)の圧力をP2とし、第3成分流体圧力(遮断流体:例えば窒素)の圧力をP3としたとき、P3>P1>P2となるように流体混入防止装置14(還元処理炉20)を構成するのが望ましい。
これは、遮断流体である第3成分流体18の圧力P3は、第1成分流体16、第2成分流体17の流体混入防止効果を得るために第1、2成分流体圧力に比較して大きくする必要があるからである。
また、チューブ15bにおいて、内側(炉体1側)となる成分流体圧力は、チューブ外(出口8側)に通じる流体が内部に混入しないように、チューブ外(出口8側)に通じる流体圧力より大きくする必要があるためである。
なお、第1〜第3成分流体は、ガス、液体のいずれでも良い。
特に第1成分流体16および第2成分流体17は流動性のある粉粒体を含んだガス、液体であってもガスを用いた場合と同様の効果が得られる。
特に第1成分流体16が水素、第2成分流体17が大気、第3成分流体18が窒素である加熱還元処理装置にてタングステンやモリブデンなどの線材材料を連続処理する場合、本願発明の流体混合防止装置を熱処理材料が通過する開放チューブ両端部、即ち挿入、排出部に設置することにより、従来の場合に比較し、窒素ガス使用量を少なくでき、材料の酸化もなく有用である。
次に、流体混入防止装置14を構成する各部材の望ましい形状、寸法について詳細に説明する。
まず、チューブ15bの形状について説明する。
チューブ15bの形状は、熱処理される材料の形状に応じて決定されるものであるが、例えば図3〜図7に示すように横断面形状は円形、矩形、三角形状または楕円形である。
なお、横断面が三角形状の場合、連続的に熱処理される材料が線材・棒材のときにはよいが、熱処理される材料が板材などの場合、他の横断面形状よりも材料の幅に制限がある。
そのため、円形、楕円形、矩形状がより好ましい。
次に、第3成分流体放出口5の形状について説明する。
第3成分流体放出口5の断面形状はどのような形状でもよいが、第3成分流体18が速やかに放出されるように流体遮断壁6の第3成分流体供給孔13の並び方を考慮した楕円形などの断面形状がより好ましい。
次に、流体遮断壁6の形状について説明する。
まず、流体遮断壁6のチューブ15bの内壁面からの高さはチューブ内径の30%以上、50%未満であるのが望ましい。
これは、内壁面からの高さが内径の30%未満の場合、流体遮断壁6により流体遮断効果が小さくなり、遮断流体である第3成分流体18の供給量を多くする必要が生じ、コスト面で不利になるからである。
一方、高さが内径の50%を超える場合、チューブ断面形状が円形、楕円形のとき、連続的に流体遮断壁部を通過させ得る材料の幅が制限されるからである。
さらに、チューブ長さ方向から見た流体遮断壁6の形状は、図3〜図7に示すように、水平を含む直線状の他、曲線状であったり、溝部を有したり、あるいはこれらを組み合わせた形状を有していても良い。
なお、流体遮断壁6の形状が曲線を有する場合、当該曲線形状は、第3成分流体放出口5側を中心としたR形状を有することが望ましい。
これは、流体遮断壁6の形状によって、ワーク10の幅が制限されないようにするためである(例えば逆側R形状の場合、連続的に材料を処理して流体遮断壁部を通過させ得る材料の幅が制限される)。
また、チューブ内壁の高さをh0、溝部または曲面部により形成される最小高さをh1とした場合 h1/h0≧0.2 を満たすことが好ましい。
これは、h1/h0が0.2未満であるとき、遮断流体である第3成分流体18の流れ性が均一でなくなったり、遮断効果が不足したりして、必要以上に第3成分流体18を供給する必要性が生じ、コスト面で不利になるからである。
一方、チューブ内ガス通過空間の断面積(第1成分流体16のあるチューブの断面積)をA0、チューブ長さ方向から見た流体遮断壁6の流体通過空間断面積をA1、第3成分流体放出口5の流体通過断面積をA2としたとき、下記式を満たすのが望ましい。
A1/A0≦0.7
0.35≦A2/A1≦1
これは、A1/A0が0.7を超える場合、流体遮断壁6がない従来技術の場合に近づき、本発明の遮断壁による第1成分流体16、第2成分流体17の遮断効果、流体混合防止効果が得られにくくなるためである。
またA2/A1が0.35未満の場合、第3成分流体18は速やかに第3成分ガス放出口5から排出されず、第1成分流体16、第2成分流体17および第3成分流体18に不必要な乱流状態を引き起こす。一方A2/A1が1.0を超える場合、チューブ外流体が第3成分ガス放出口5からチューブ内に流入する可能性があるためである。
さらに、チューブ長さ方向断面における流体遮断壁6の形状は、流体遮断壁6の最上部(凸部)からチューブ内壁壁面まで、直線またはチューブ内部側を中心としたRを描く曲線である必要がある。
これはチューブ15b内の第1成分流体16、または第1成分流体16および第2成分流体17の両方が速やかに第3成分流体18と共に第3成分流体放出口5から排出することが可能であるからであり、流体遮断壁形状は直線より曲線の方がより好ましい。
ここでチューブ15b内部の雰囲気を第1成分流体16とし、チューブ外と第2成分流体17が同じであり、チューブ15b内部の第1成分流体16中に第2成分流体17が混入することを避けように考えるとき、流体混入防止装置14は第1成分流体16の圧力が第2成分流体17の圧力より高くなるように構成される。このとき流体遮断壁6は少なくともチューブ内部側即ち第1成分流体16側には必要であり、第2成分流体17側にあればより好ましい。
なお、図2(a)(b)および図3に示すように、流体遮断壁最上部(凸部)から流体遮断壁6のチューブ内壁設置部までの鉛直方向の距離をh2、前記流体遮断壁最上部(凸部)からチューブ内壁設置部まで鉛直な方向でありかつチューブ内壁部との交点から流体遮断壁6のチューブ内壁部との交点までの距離をLとしたとき、h2/Lは1.5以上2.0以下が好ましい。Lは大きいほど第1成分流体16または第2成分流体17のチューブ15b内の流れ性は優れたものになるが、あまりに大きな場合は設置が困難になる。実用上h2/Lが1.5以上がよい。またh2/Lが2.0を超えた場合は流体遮断壁6の底部付近に滞留するガスが存在し易いことになる。
例えば、本実施例のように、還元処理炉20が第1成分が水素ガスである還元処理炉であり、連続して表面酸化物を有する長尺品を処理した場合、第1成分ガス中に水分が含まれることになる。この水分は第1成分である水素ガスより比重が重いために速やかに排出されない場合、還元炉構成部材に悪影響を及ぼす。従って、前述したような流体が滞留しやすい部位を形成しないことが好ましい。
次に、第3成分流体供給孔13の形状について説明する。
第3成分流体供給孔13は流体遮断壁6の最上部(凸部)に、複数個設けるのが望ましい。
第3成分流体供給孔13の数は多い方がよりガス遮断効果が大きくなる。第3成分流体供給孔13の直径は、各成分流体の比重などの特性により供給孔数と共に適宜決定する。
また複数の第3成分流体供給孔13からの流体供給方向は同じとした方がよい。
さらに、第3成分供給流体の流れ性を考慮して、チューブ内壁近傍の流体供給孔からの供給量は中央部と比較して少なくするように構成しても構わない。
次に、還元処理炉20を用いた材料の雰囲気処理(水素還元)の手順について、簡単に説明する。
まず、炉体1内に第1成分流体導入口9より水素ガスを供給して充満させ、次いで第3成分流体供給孔13から不活性ガスを供給してガスカーテンを設ける。
次に、ヒータ3に図示しない電源より電圧を付加してヒータ3を加熱させ、マッフル2を所望の温度に加熱する。
この状態で線材、棒材、板材、箔材の長尺材料であるワーク10を入口7、開放部1aより炉体1内に導入し、連続的に水素還元する。
このように、本実施形態によれば、流体混入防止装置14が、第3成分流体導入口4の周囲に設けられた流体遮断壁6を有し、流体遮断壁6には第3成分流体導入口4から第3成分流体放出口5に向けて孔状の第3成分流体供給孔13が複数個形成されている。
そのため、第3成分流体導入口4より導入される不活性ガスの量を従来よりも減少させることができ、また、従来よりも簡易な構造にて極力乱流の発生を防止することができ、第3成分流体導入口4より導入される不活性ガスの量を減少させることができる。
即ち、流体混入防止装置14は、従来の流体混入防止装置よりも構造が簡易で低コストである。
さらに、流体混入防止装置14を還元処理炉(雰囲気処理装置)20の両端に設けることにより、処理されるワーク(材料)が線材、棒材、板材、箔材の長尺材料おいても、長尺材料をチューブの両端にて支持しながら既存の種々の移動方法にて移動させることにより表面処理を目的とした連続雰囲気処理が可能となる。
また、炉体1内にコンベヤーを設置することにより長尺材料以外の材料の連続雰囲気処理にも利用可能である。
次に、具体的な実施例に基づき、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
図2(a)、図3に示すような流体混入防止装置14を、h1/h0を変化させたものを作製して、第3成分流体18によるガス遮断効果を確認した。
まず、円筒形の両端が開放した内径20mmの金属製パイプをチューブ15bとして用い、第3成分流体導入口4をチューブ15bの内壁下部に設置した。
さらに、楕円R形状の流体遮断壁6をチューブ15bの内壁下部(第3成分流体導入口4)に設置した。
流体遮断壁6のチューブ15b内壁設置面からの高さは、前記遮断壁の高さ方向の前記チューブ15b内径の49.9%とした。
また、第3成分流体導入口4の対面に断面が円形の第3成分流体放出口5を設置した。
第1成分流体16を水素とし、圧力10kPa、流量6×10-33/分で図2(a)におけるチューブ左端からチューブ15b内へ供給した。第2成分流体17は大気とした。圧力は大気圧であり、チューブ外雰囲気も大気とした。第3成分流体18は窒素とし、窒素供給圧力は20kPaとし、供給量は60×10-33/分以下の範囲で調節した。
第3成分流体供給孔13は流体遮断壁6の凸部に等間隔で7個設置し、第3成分流体供給孔13の形状は全て直径1.5mmの円形とした。なお、窒素ガス供給方向は第3成分流体放出口5側即ち鉛直方向とした。
チューブ内ガス通過空間の断面積A0、チューブ長さ方向から見た流体遮断壁6の流体通過空間断面積A1、第3成分流体放出口5の流体通過断面積A2、流体遮断壁6の最高部から流体遮断壁6のチューブ内壁設置部までの鉛直方向の距離h2、流体遮断壁6の最高部から前記チューブ内壁設置部まで鉛直な方向でチューブ内壁部との交点から流体遮断壁6のチューブ内壁に接する点までの距離をLの関係は、A1/A0=0.7、A2/A1=0.35、h2/L=1.7とした。
このような装置にて、流体遮断壁高さ方向のチューブ内壁間最大距離をh0、流体遮断壁6の溝部または曲面部により形成される最小高さをh1とした場合のh1/h0を変化させ、チューブ15bの第2流体側開口部にて図8に示すように水素検知器12を用いて第1成分流体16のチューブ15b右端への漏れ度合いを測定した。
なお、チューブ15bの開口部(右端)は流体遮断壁6から50mmの位置とした。
ここで水素検知器12は新コスモス電機株式会社製型式XP-311Aを用い、0.5%LELとなるときの窒素ガス供給量を調査した。なお、LELは可燃性ガスが空気と混合して着火によって爆発を起こす最低濃度を表しLower Explosion Limitの略である。水素ガスの場合4体積%が爆発限界であり、0.5%LELはこの爆発限界の0.5%の濃度を表す。
図9はh1/h0を変化させ、0.5%LELとなったときの窒素供給量QNと水素供給量(一定)QHの比QN/QHの関係を表している。これよりh1/h0の値が大きい程第3成分流体18である窒素ガスを大量に供給する必要があり、h1/h0は0.2以上の場合必要な窒素量が少なく好ましいことが分かった。
[実施例2]
実施例1と同様に、流体混入防止装置14を、A1/A0を変化させたものを作製して、第3成分流体18によるガス遮断効果を確認した。
流体遮断壁6の前記チューブ15b内壁設置面からの高さは、実施例1と同様とし、第1成分流体16の圧力、流量やチューブ15b内への供給方法は実施例1と同様とした。第2成分流体17も実施例1と同様とした。第3成分流体18および供給圧力は実施例1と同様とし、60×10-33/分以下の範囲で調節した。
第3成分流体供給孔13の数、大きさ、形状、供給方向も実施例1と同様とした。
A0、A1、A2、h2、L、h0、h1の関係は、h1/h0=0.20、A2/A1=0.35、h2/L=1.7とした。ここでA1/A0を変化させ、チューブ15bの第2流体側開口部にて実施例1と同様に水素検知器12を用いて第1成分流体16の漏れ度合いを測定した。
図10はA1/A0を変化させ、0.5%LELとなったときの窒素供給量QNと水素供給量(一定)QHの比QN/QHの関係を表している。これよりA1/A0の値が大きい程第3成分流体18である窒素ガスを大量に供給する必要があり、A1/A0は0.7以下の場合必要な窒素量が少なく好ましいことが分かった。
[実施例3]
実施例1と同様に、流体混入防止装置14を、A2/A1を変化させたものを作製して、第3成分流体18によるガス遮断効果を確認した。
流体遮断壁6の前記チューブ15b内壁設置面からの高さは、実施例1と同様とし、第1成分流体16の圧力、流量やチューブ15b内への供給方法は実施例1と同様とした。第2成分流体17も実施例1と同様とした。第3成分流体18および供給圧力は実施例1と同様とし、60×10-33/分以下の範囲で調節した。
第3成分流体供給孔13の数、大きさ、形状、供給方向も実施例1と同様とした。
A0、A1、A2、h2、L、h0、h1の関係は、h1/h0=0.2、A1/A0=0.7、h2/L=1.7とした。ここでA2/A1を変化させ、チューブ15bの第2流体側開口部にて実施例1と同様に水素検知器12を用いて第1成分流体16の漏れ度合いを測定した。
図11はA2/A1を変化させ、0.5%LELとなったときの窒素供給量QNと水素供給量(一定)QHの比QN/QHの関係を表している。これよりA2/A1の値が小さい程第3成分流体である窒素ガスを大量に供給する必要がある。その他A2がA1より極端に小さくなると、チューブ外に排出すべき成分流体が速やかに流れなくなることも分かった。A2/A1は0.35以上の場合必要な窒素量が少なく好ましいことが分かった。
[実施例4]
実施例1と同様に、流体混入防止装置14を、h2/Lを変化させたものを作製して、第3成分流体18によるガス遮断効果を確認した。
流体遮断壁6の前記チューブ15b内壁設置面からの高さは、実施例1と同様とし、第1成分流体16の圧力、流量やチューブ15b内への供給方法は実施例1と同様とした。第2成分流体17も実施例1と同様とした。第3成分流体18および供給圧力は実施例1と同様とし、60×10-33/分以下の範囲で調節した。
第3成分流体18である窒素ガスの供給孔の数、大きさ、形状、供給方向も実施例1と同様とした。
A0、A1、A2、h2、L、h0、h1の関係は、h1/h0=0.2、A1/A0=0.7、A2/A0=0.35とした。ここでh2/Lを変化させ、チューブ15bの第2流体側開口部にて実施例1と同様に水素検知器12を用いて第1成分流体16の漏れ度合いを測定した。
図12はh2/Lを変化させ、0.5%LELとなったときの窒素供給量QNと水素供給量(一定)QHの比QN/QHの関係を表している。これよりh2/Lの値が小さい程第3成分流体18である窒素ガスを大量に供給する必要があり、h2/Lは1.5〜2.0の場合必要な窒素量が少なく好ましいことが分かった。
[実施例5]
図1に示すような還元処理炉20を作製し、薄板を連続還元処理を行い、表面の酸化の有無を確認した。
まず、実施例1でh1/h0=0.3の条件のチューブ15a、15bおよび流体遮断壁6、第3成分流体放出口5を持つ流体混入防止装置14を作製し、直径300mm、長さ600mmの鋼製チューブを炉体1として用い、両端面に開放部を設け、開放部に流体混入防止装置14を設置した。
炉体1内に、内径20mm、長さ500mmのアルミナ製マッフル2を設け、マッフル2の周囲に直径2mmのMo製ヒータを巻き回して還元処理炉20を作製した。
両端炉体還元処理炉20にて幅10mm、厚さ0.2mmのMo薄板の連続熱処理(水素還元)を行った。
第1成分流体16である水素の圧力は10KPa、流量は10×10-33/分とし、第3成分流体18としては窒素を用い、供給圧力は20KPa、流量は18×10-33/分とした。第2成分流体は大気である。
還元温度800℃で加熱部に1時間滞在させるように連続還元処理を行ったMo薄板は表面の酸化なく、表面状態は良好であった。
上記した実施形態では、本発明の流体混入防止装置を、還元処理炉に適用した場合について説明したが、本発明は、何等、これに限定されることなく、チューブ内の反対側から流入する複数の流体の混入を防止する必要があるすべての装置に適用することができる。
本発明の実施形態に係る流体混入防止装置14を有する還元処理炉20を示す側面断面図である。 図2(a)は図1のチューブ15b付近の拡大図であって、図2(b)は図2(a)の変形例である。 図2(a)のA−A断面図である。 図3の変形例を示す図である。 図3の変形例を示す図である。 図3の変形例を示す図である。 図3の変形例を示す図である。 実施例1における水素検知機21と流体混入防止装置の位置関係を示す図である。 h1/h0を変化させ、0.5%LELとなったときの窒素供給量QNと水素供給量(一定)QHの比QN/QHの関係を表す図である。 A1/A0を変化させ、0.5%LELとなったときの窒素供給量QNと水素供給量(一定)QHの比QN/QHの関係を表す図である。 A2/A1を変化させ、0.5%LELとなったときの窒素供給量QNと水素供給量(一定)QHの比QN/QHの関係を表す図である。 h2/Lを変化させ、0.5%LELとなったときの窒素供給量QNと水素供給量(一定)QHの比QN/QHの関係を表す図である。 従来の流体混入防止装置を有する還元処理炉20を示す断面図である。
符号の説明
1………炉体
2………マッフル
3………ヒータ
4………第3成分流体導入口
5………第3成分流体放出口
6………流体遮断壁
7………入口
8………出口
9………第1成分流体導入口
10……熱処理材料(長尺材料)、ワーク
11……ワーク支持ガイド
12……ガス検知器
13……第3成分流体供給孔
14……流体混入防止装置
15a…チューブ
15b…チューブ
16……第1成分流体
17……第2成分流体
18……第3成分流体
19……溝
20……還元処理炉(雰囲気処理装置)

Claims (28)

  1. 両端が開放され、第1成分流体および第2成分流体がそれぞれ反対側の端部から流入可能に構成されたチューブと、
    前記チューブ内に、第3成分流体を供給し、第1成分と第2成分流体を遮断することにより、前記チューブ内での前記第1成分、第2成分流体の他方への混入を防止する第3成分流体供給部と、
    を有する流体混入防止装置に関し、
    前記チューブ内壁における前記第3成分流体供給部の周囲において、少なくとも前記第1成分流体が流入する側に設けられた流体遮断壁と、
    前記チューブ内壁における前記第3成分流体供給部の対面に設置される第3成分流体放出口と、
    を有することを特徴とする流体混入防止装置。
  2. 請求項1記載の流体混入防止装置において、
    前記流体遮断壁は、第3成分流体供給孔を有し、かつ、前記第3成分流体供給部を覆うように設けられ、
    前記第3成分流体が、前記第3成分流体供給孔から前記チューブ内に供給されるように構成したことを特徴とする流体混入防止装置。
  3. 請求項1記載の流体混入防止装置において、
    前記チューブは、横断面が円形、楕円形、矩形または三角形状であることを特徴とする流体混入防止装置。
  4. 請求項1に記載の流体混入防止装置において、
    前記第1成分流体がチューブ内部雰囲気流体、第2成分流体がチューブ外部に通じる雰囲気流体であるとき、前記第1成分流体の比重が前記第2成分流体の比重より小さいとき、
    前記流体遮断壁はチューブ内壁下面に設置され、前記第1成分流体の比重が前記第2成分流体比重より大きいとき、前記流体遮断壁はチューブ内壁上面に設置されること
    を特徴とする流体混入防止装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の流体混入防止装置において、
    前記第3成分流体供給部は、前記第3成分流体の供給圧力が、前記第1成分および第2成分流体の圧力を超えるように構成されていることを特徴とする流体混入防止装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の流体混入防止装置において、
    前記流体遮断壁の前記チューブ内壁設置面からの高さは、前記遮断壁の高さ方向の前記チューブ内径の30%以上、50%未満であることを特徴とする流体混入防止装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の流体混入防止装置において、
    前記チューブ長さ方向から見た前記流体遮断壁の凸部形状が直線状、曲線状、または溝部を有している形状もしくはこれらの組み合わせからなることを特徴とする流体混入防止装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の流体混入防止装置において、
    前記流体遮断壁高さ方向の前記チューブ内壁間最大距離をh0、前記流体遮断壁の溝部または曲面部により形成される最小高さをh1とした場合、h1/h0≧0.20を満たすことを特徴とする流体混入防止装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の流体混入防止装置において、
    前記チューブ内ガス通過空間の断面積をA0、前記チューブ長さ方向から見た前記流体遮断壁部の流体通過空間断面積をA1としたとき、A1/A0≦0.7であることを特徴とする流体混入防止装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の流体混入防止装置において、
    前記チューブ長さ方向から見た前記流体遮断壁部の流体通過空間断面積をA1、第3成分流体放出口の流体通過断面積をA2としたときとしたとき、0.35≦A2/A1≦1であることを特徴とする流体混入防止装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の流体混入防止装置において、
    前記チューブ長さ方向断面における前記流体遮断壁の形状は、
    前記第1成分流体側または第1成分流体、前記第2成分流体側の両方で、流体遮断壁の最上部からチューブ内壁壁面まで、直線、またはチューブ内部側を中心とした滑らかなRを描く曲線であることを特徴とする流体混入防止装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の流体混入防止装置において、
    前記チューブ長さ方向断面における流体遮断壁の形状は、
    前記第1成分流体側、または第1成分流体側、前記第2成分流体側の両方で、
    前記流体遮断壁の最上部から前記流体遮断壁のチューブ内壁設置部までの鉛直方向の距離をh2、前記流体遮断壁の最上部から前記チューブ内壁設置部まで鉛直な方向で前記チューブ内壁部と交差するの交点から前記流体遮断壁の前記チューブ内壁に接する点までの距離をLとしたとき、1.5≦h2/L≦2.0であることを特徴とする流体混入防止装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の流体混入防止装置において、
    前記第1、2、3成分流体がガス又は液体であることを特徴とする流体混入防止装置。
  14. 流体を用いて材料を連続的に化学処理する雰囲気処理装置であって、
    前記材料を搬入、搬出する開放部を備えた炉体と、
    前記炉体に雰囲気処理のための第1成分流体を供給する第1成分流体供給口と、
    を有し、
    前記開放部には請求項1乃至13のいずれかに記載の流体混入防止装置が設けられていることを特徴とした雰囲気処理装置。
  15. 請求項14記載の雰囲気処理装置において、
    前記炉体は、両端が開放されたチューブ状の形状を有し、
    線材、棒材、板材、箔材のうち、いずれかの前記材料を連続的に前記炉体内を移動させ、前記第1成分流体により前記材料を化学処理することを特徴とした雰囲気処理装置。
  16. 請求項15記載の雰囲気処理装置において、
    前記第1成分流体が水素、第2成分流体が大気、第3成分流体が不活性ガスを有し、
    前記炉体内には、前記材料を加熱還元処理するための加熱手段を有することを特徴とする雰囲気処理装置。
  17. 請求項14〜16のいずれかに記載の雰囲気処理装置を用い、材料を連続的に化学処理することを特徴とする雰囲気処理方法。
  18. 両端が開放され、第1成分流体および第2成分流体がそれぞれ反対側の端部から流入可能に構成されたチューブと、
    前記チューブ内に、第3成分流体を供給し、第1成分と第2成分流体を遮断することにより、前記チューブ内での前記第1成分、第2成分流体の他方への混入を防止する第3成分流体供給部と、
    前記チューブ内壁における前記第3成分流体供給部の対面に設置される第3成分流体放出口と、
    を有する流体混入防止装置に設けられたガイド部材であって、
    前記チューブ内壁における前記第3成分流体供給部の周囲において、少なくとも前記第1成分流体が流入する側に設けられた流体遮断壁を有することを特徴とするガイド部材。
  19. 請求項18記載のガイド部材において、
    前記流体遮断壁は、第3成分流体供給孔を有し、かつ、前記第3成分流体供給部を覆うように設けられ、
    前記第3成分流体は、前記第3成分流体供給孔より前記チューブ内に供給されることを特徴とするガイド部材。
  20. 請求項18乃至19のいずれかに記載のガイド部材において、
    前記流体遮断壁はチューブ内壁下面またはチューブ内壁上面に設置されることを特徴とするガイド部材。
  21. 請求項18乃至20のいずれかに記載のガイド部材において、
    前記流体遮断壁の前記チューブ内壁設置面からの高さは、前記遮断壁の高さ方向の前記チューブ内径の30%以上、50%未満であることを特徴とするガイド部材。
  22. 請求項18乃至21のいずれかに記載のガイド部材において、
    前記チューブ長さ方向から見た前記流体遮断壁の凸部形状が直線状、曲線状、または溝部を有している形状もしくはこれらの組み合わせからなることを特徴とするガイド部材。
  23. 請求項18乃至22のいずれかに記載のガイド部材において、
    前記流体遮断壁高さ方向の前記チューブ内壁間最大距離をh0、前記流体遮断壁の溝部または曲面部により形成される最小高さをh1とした場合、h1/h0≧0.20を満たすことを特徴とするガイド部材。
  24. 請求項18乃至23のいずれかに記載のガイド部材において、
    前記チューブ内ガス通過空間の断面積をA0、前記チューブ長さ方向から見た前記流体遮断壁部の流体通過空間断面積をA1としたとき、A1/A0≦0.7であることを特徴とするガイド部材。
  25. 請求項18乃至24のいずれかに記載のガイド部材において、
    前記チューブ長さ方向から見た前記流体遮断壁部の流体通過空間断面積をA1、第3成分流体放出口の流体通過断面積をA2としたときとしたとき、0.35≦A2/A1≦1であることを特徴とするガイド部材。
  26. 請求項18乃至25のいずれかに記載のガイド部材において、
    前記チューブ長さ方向断面における前記流体遮断壁の形状は、
    前記第1成分流体側または第1成分流体、前記第2成分流体側の両方で、流体遮断壁の最上部からチューブ内壁壁面まで、直線、またはチューブ内部側を中心とした滑らかなRを描く曲線であることを特徴とするガイド部材。
  27. 請求項18乃至26のいずれかに記載のガイド部材において、
    前記チューブ長さ方向断面における流体遮断壁の形状は、
    前記第1成分流体側、または第1成分流体側、前記第2成分流体側の両方で、
    前記流体遮断壁の最上部から前記流体遮断壁のチューブ内壁設置部までの鉛直方向の距離をh2、前記流体遮断壁の最上部から前記チューブ内壁設置部まで鉛直な方向で前記チューブ内壁部と交差するの交点から前記流体遮断壁の前記チューブ内壁に接する点までの距離をLとしたとき、1.5≦h2/L≦2.0であることを特徴とするガイド部材。
  28. 請求項18乃至27のいずれかに記載のガイド部材において、
    前記チューブは、横断面が円形、楕円形、矩形または三角形状であることを特徴とするガイド部材。
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