JP4996025B2 - Manufacturing method of solar cell - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池の製造方法に係り、特に、半導体表面における不純物高濃度領域を除去することにより、発電効率の高いシステムを実現する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電力用太陽電池の主流は、シリコンで構成したシリコン太陽電池になってきているが、その普及には製品コストの低減が必要となっている。太陽電池の発電効率を向上させることは、製品価格を下げる手段と言える。また、発電効率の高い太陽電池デバイスを用いることにより、設置面積を小さくできるという付加的なメリットもある。
【0003】
図5、6は従来の一般的に行われている太陽電池の製造工程を示す図である。図5において、101はp型Si基板であり、102はp型Si基板101上に形成されたn型拡散層である。102aはn型拡散層102表面部分に形成されたリンガラスであり、103はn型拡散層102上に形成された反射防止膜として機能する絶縁膜である。
【0004】
図6において、104はn型拡散層102と接続するように形成された表電極であり、105はp型Si基板101の裏面に形成された裏電極である。106は表電極104を覆うように形成されたEVA(Ethylene VinylAcetate)などからなる充填材膜であり、107は充填材膜106上に形成されたガラス板である。
【0005】
まず、図5(A)に示すp型Si基板101を用い、図5(B)に示すように、例えばリンをp型Si基板101表面部分中に熱的に拡散させることにより、導電型を反転させたリン含有シリコンからなるn型拡散層102を、p型Si基板101表面部分に形成する。この時、n型拡散層102がSi基板101の全面に形成されるとともに、リンと酸素を含む化合物若しくは拡散源の一部からなるリンガラス102aがn型拡散層102表面部分に生じる。
【0006】
なお、特に写真技術、選択的成膜技術などの工夫の無い場合、n型拡散層102は、p型Si基板101の全面に形成される。次いで、図5(C)に示すように、弗化水素酸水溶液に浸漬させることにより、n型拡散層102表面部分に生じたリンガラス102aをエッチング除去する。次いで、図5(D)に示すように、p型Si基板101の一主面のみにn型拡散層102を残すようにn型拡散層102を選択的にエッチング除去する。
【0007】
次に、図6(A)に示すように、n型拡散層102上に反射防止膜として機能する絶縁膜103を形成する。この絶縁膜103は、反射防止膜として機能するので、太陽電池デバイスの性能を向上させる。この後、図6(B)に示すように、絶縁膜103上に銀ペーストなどを塗布し、印刷技術により銀ペーストを所定のパターン形状に形成した後、その銀パターンを焼成して表電極104を形成する。この表電極104は、焼成により絶縁膜103を貫通してn型拡散層102と接続される。
【0008】
また、図6(B)に示すように、p型Si基板101裏面に銀アルミあるいはアルミペーストなどを塗布し、印刷技術により所定のパターン形状に形成した後、その金属パターンを焼成して、p型Si基板101裏面に裏電極105を形成する。そして、表電極104を覆うようにEVAなどの充填材膜106、ガラス板107を順次形成することにより、図6(C)に示すような構造の太陽電池デバイスを得ることができる。
【0009】
従来の太陽電池デバイスにおけるn型拡散層102の形成は、気体、液体、固体の何れかを基板101表面に付着させ、熱的に拡散する方法が一般的である。この場合、n型拡散層102は、表面部分のリンの不純物濃度が高く、内部に向かってリンの不純物濃度が減少していく分布を呈する。
【0010】
このように、シリコン太陽電池のpn接合を形成する際に、拡散層102表面部分にリンの不純物高濃度領域が生じていると、太陽電池のデバイス性能を低下させてしまう。このため、この拡散層102表面部分に生じたリンの不純物高濃度領域を取り除くことにより、太陽電池デバイスの性能を向上させることができる。
【0011】
従来、このリンの不純物高濃度領域を取り除く手法としては、プラズマによるエッチング、弗化水素酸(HF)と硝酸(HNO3)を混合させた水溶液によるエッチング、表面に形成させた酸化膜等を弗化水素酸(HF)水溶液等で除去する方法が挙げられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したような従来の太陽電池の製造方法では、太陽電池デバイスの性能を向上させるために、n型拡散層102表面部分の不純物高濃度領域を除去するのを、プラズマによるエッチング、弗化水素酸(HF)と硝酸(HNO3)を混合させた水溶液によるエッチング、表面に形成させた酸化膜等を弗化水素酸(HF)水溶液で除去する方法を採っていた。
【0013】
プラズマエッチングは、物理的に基板をエッチングするため、基板表面にダメージを与え易い。また、弗化水素酸(HF)と硝酸(HNO3)を混合させた水溶液によるエッチングは、薬液作成時、エッチング時に発熱反応を伴い、基板のエッチングレートが加速され易い。このため、pn接合形成に必要なn型拡散層102全体をエッチングし易く、基板表面にダメージを与え易く、良好なデバイス特性を得る点で問題を残していた。
【0014】
また、従来の太陽電池の製造方法では、前述したように、薬液作成時、エッチング時に発熱反応を伴うなど、水溶液の安定性、製造工程の煩雑さから、量産への適用が難しかった。従って、この拡散層102の表面部分の高濃度領域は、エッチングを行わずに残存されたままであることが多く、太陽電池性能を改善させ難いという問題があった。
【0015】
そこで、本発明は、拡散層表面部分の高濃度領域のみを、容易にエッチングして拡散層全体をエッチングされないようにすることができ、基板表面へのダメージを生じ難くして、良好なデバイス特性を得ることができる太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る太陽電池の製造方法は、第1の導電型の半導体基板表面部分に不純物を導入して拡散させて第2の導電型の拡散層を形成する工程と、前記第2の導電型の拡散層を、弗化水素酸と過酸化水素水を混合させた水溶液で浸漬処理する工程とを含むものである。
【0017】
上記太陽電池の製造方法において、前記水溶液の弗化水素濃度は、0.01乃至5重量%であるものである。
【0018】
上記太陽電池の製造方法において、前記水溶液の過酸化水素濃度は、前記水溶液の弗化水素酸の濃度より高いものである。
【0019】
上記太陽電池の製造方法において、前記水溶液の温度は、5乃至35℃であるものである。
【0020】
上記太陽電池の製造方法において、前記水溶液に浸漬する処理時間は、10分以内であるものである。
【0021】
上記太陽電池の製造方法において、前記拡散層のシート抵抗は、30乃至100Ω/□であるものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1、2は本発明に係る実施の形態1における太陽電池の製造方法を示す図である。図1、2において、1はp型Si基板であり、2はp型Si基板1上に形成されたn型拡散層である。2aはn型拡散層2表面部分に形成されたリンガラスであり、3はn型拡散層2上に形成された反射防止膜として機能する窒化シリコンなどからなる絶縁膜である。
【0023】
4はn型拡散層2と接続するように形成された銀などからなる表電極であり、5はp型Si基板1の裏面に形成された銀アルミあるいはアルミなどからなる裏電極である。6は表電極4を覆うように形成されたEVA(Ethylene Vinyl Acetate)などからなる充填材膜であり、7は充填材膜6上に形成されたガラス板である。
【0024】
基板1には通常、例えば、引き上げ法により製造される単結晶シリコン基板あるいはキャスト法により製造される多結晶シリコン基板が用いられる。本実施の形態における太陽電池には、多結晶シリコンからなる基板1を用い、インゴットからスライスされたままの基板1を用いる。導電型はp型のものを用いるが、n型のものを用いてもよい。
【0025】
このスライス工程で生じたp型Si基板1表面の機械加工変質層および汚れを取り除くために、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液あるいは弗酸と硝酸の混合液などを用いて、およそ5〜20μm程度、基板1表面をエッチングする(図1(A))。更に、基板1表面に付着した鉄などの重金属類を除去するために、塩酸と過酸化水素の混合液で洗浄する工程を付加しても良い。
【0026】
次に、図1(A)に示す洗浄し終わったp型Si基板を用い、図1(B)に示すように、pn接合を形成するために、例えばオキシ塩化リン(POCl3)による熱拡散により、リンをp型Si基板表面部分中に熱的に拡散させることにより、導電型を反転させたリン含有シリコンからなるn型拡散層を、p型Si基板表面部分に形成する。
【0027】
この時、n型拡散層がp型Si基板の全面に形成されるとともに、リンと酸素を含む化合物若しくは拡散源の一部からなるリンガラス2aがn型拡散層表面部分に生じる。本実施の形態では、使用する基板1をp型で構成したので、pn接合を形成するためにp型Si基板1表面にn型拡散層2を形成している。
【0028】
n型拡散層2の形成方法としては、オキシ塩化リン(POCl3)による熱拡散を用いたが、その他の方法としては、例えば、SOD(Spin-On-Dopant)、PSG(Phospho-Slicate-Glass)、リン酸(H3PO4)、亜リン酸(H3PO3)、次亜リン酸(H3PO2)、メタリン酸(HPO3)などのリン酸系水溶液、あるいはフィルム拡散源などを拡散供給源として、通常行われている適切な拡散条件でp型Si基板1表面にリンを含む不純物を付着させ熱的に拡散させることにより、p型Si基板1表面にn型拡散層2を形成してもよい。
【0029】
基板1表面にリンを含む不純物を付着させる方法としては、ガス(気体)、スピンコート、スプレー方式、ロールコート、浸漬など何れの方法を使用してもよい。何れにせよ、上記のようなp型Si基板1表面に拡散源を付着させて熱的な拡散を行う場合、p型Si基板1表面に形成されるn型拡散層2は、その表面部分のリン濃度が高く、その表面部分からの距離が進むに連れてリン濃度が低下する分布となる。n型拡散層2のシート抵抗は、30Ω/□よりも小さくすると、光電流などが低下するなど、セル効率が低下して好ましくない。
【0030】
また、n型拡散層2のシート抵抗は、100Ω/□よりも大きくすると、接合深さが浅くなり、FF(曲線因子)などが低下するなど、表電極4とのコンタクト(オーミック接触)が取り難くなり好ましくない。そこで、n型拡散層2のシート抵抗は、30乃至100Ω/□で構成することにより、良好なセル効率にすることができるとともに、表電極4との良好なコンタクトを取り易くすることができる。
【0031】
次に、図1(C)に示すように、リン拡散後にn型拡散層2上に生じたリンガラス2aを、弗化水素酸水溶液によりエッチング除去するとともに、リン含有シリコンからなるn型拡散層2を露出させる。弗化水素酸水溶液は、リンガラス2aをエッチングするが、シリコンをエッチングしないので、リンガラス2aのみを選択的にエッチングすることができる。リンガラス2aは、リンと酸素を含む化合物もしくは拡散源の残存物質からなる。
【0032】
なお、ここでは、リンガラス2aは、弗化水素酸水溶液でエッチング除去する場合について説明したが、次の工程で説明する弗化水素酸と過酸化水素水を混合させた水溶液を用いて、リンガラス2aをエッチング除去するように構成してもよい。この方法によれば、図1(C)で説明した弗化水素酸水溶液によるエッチング工程を省略する事ができる。
【0033】
次に、図1(C)に示すように、表面部分にn型拡散層2が形成されたp型Si基板1を、弗化水素酸と過酸化水素水を混合させた水溶液に浸漬処理することにより、リン濃度が高いn型拡散層2の表面部分の高濃度不純物領域をエッチング除去する。この工程は、エッチバック処理と言われる。このエッチバック処理は、図3の拡散層2におけるエッチバック処理の化学反応を示す図のように、過酸化水素水によるシリコンの酸化処理と、弗化水素酸によるシリコン酸化膜のエッチング処理との2段階の処理から構成される。
【0034】
このシリコンの酸化処理とシリコン酸化膜のエッチング処理との2段階の処理から構成されるエッチバック処理により、リン含有シリコンからなるn型拡散層2を、ゆっくりとエッチングすることができる。このため、n型拡散層2全体を一気にエッチングしてしまうのではなく、n型拡散層2のリンの高濃度領域である表面部分のみを容易にエッチングすることができる。従って、pn接合形成に必要なn型拡散層2全体をエッチングされないようにすることができ、良好なデバイス特性を得ることができる。
【0035】
例えば、シート抵抗が30乃至100Ω/□に相当するn型拡散層2の場合は、拡散層2の表面部分のリンの高濃度不純物領域をそのままエッチングせずに残したままでいると、拡散層2表面のリン濃度が1E+20cm-3以上と高くなり、キャリア再結合速度の増加ならびに入射光量の減少を引き起こして、太陽電池デバイスの性能低下を招く。本実施の形態によれば、このn型拡散層2の表面部分の高濃度不純物領域のみを除去することができるので、太陽電池デバイスの性能向上を図ることができる。
【0036】
また、弗化水素酸と過酸化水素水を混合させた水溶液の薬液は、発熱反応を伴わないので、薬液作成時やエッチング時に、温度上昇変化がない。このため、温度上昇変化に伴うエッチングレートの上昇がなく、安定したエッチングを行うことができる。また、本実施の形態におけるエッチバック処理は、加温の必要がなく、室温で実現できるので、加温設備など必要なく、装置コストを低減することができる。
【0037】
また、上記のエッチバック処理は、低濃度の薬液でも短時間の処理で実現することがきるので、製造スループットも高く、製造コストを低減することができる。また、上記のエッチバック処理は、ゆっくりとエッチングを進行させることができるので、エッチング量の制御が容易であり、太陽電池デバイスの所定のシート抵抗を実現し易い。このため、電極材料ならびに電極パターン設計において自由度を増大させることができる。
【0038】
弗化水素酸と過酸化水素水を混合させた水溶液によりエッチバックするとき、水溶液の弗化水素濃度は、0.01重量%より小さくすると、エッチング時間がかかり過ぎるなど、量産性を加味すると、エッチング時間と薬液寿命の点で好ましくない。また、水溶液の弗化水素濃度は、5重量%より大きくすると、拡散層2(基板1)のエッチングレートが速くなり、拡散層2へのダメージの点で好ましくない。そこで、水溶液の弗化水素濃度は、0.01乃至5重量%で構成することにより、拡散層2へのダメージを起こすことなく、量産性に優れた拡散層エッチングを実現することができ好ましい。
【0039】
また、エッチバックするとき、水溶液の過酸化水素濃度は、水溶液の弗化水素酸の濃度より高くする。これにより、過酸化水素水によるシリコン酸化を潤沢に反応促進させることができ、弗化水素酸を変量させて適切なエッチングレートを決めることができ好ましい。水溶液の温度は、5℃よりも低温にすると、エッチングレートが小さくなって好ましくなく、また、35℃よりも高温にすると、エッチングレートが大きくなって拡散層2へのダメージの点で好ましくない。そこで、水溶液の温度は、5乃至35℃で構成することにより、適切なエッチングレートにすることができ好ましい。
【0040】
水溶液に浸漬する処理時間は、10分より長くすると、拡散層2を全てエッチングし易くなり、拡散層2へのダメージの点で好ましくない。そこで、水溶液に浸漬する処理時間は、10分以内で構成することにより、拡散層2を適切にエッチングすることができ好ましい。
【0041】
以上説明したエッチバックの好ましい条件は、拡散層2の表面に損傷を与えない条件として決定したものである。また、エッチング量の目安としては、シート抵抗の増加量を測定することが簡便な方法と言える。即ち、シート抵抗の増加量が大きくなる程、エッチング量が多く、表面のリン濃度が低下したことを意味する。これにより所望の効果が大きくなる反面、電極との良好な接触が得られなくなる不利益が生ずる。
【0042】
従って、エッチバックの各条件を選定する際、電極形成工程の技術的制約によるところが大きいものの、一般的に、拡散層2の表面に損傷を与えない範囲で、シート抵抗の増加量が0.1乃至20Ω/□となる範囲になるように適宜設定することが好ましい。
【0043】
pn接合分離は、p電極となる裏電極5とn電極となる表電極4がショートしないように実施する工程である。図1(D)に示すように、前述したスライス工程で得られた基板1表面をエッチングしたときと同様な薬液を用い、p型Si基板1の一主面のみにn型拡散層2を残すようにn型拡散層2を選択的にエッチングする。
【0044】
基板1の主面以外の不要なn型拡散層2を除去する方法としては、以上説明した方法以外に、プラズマによるエッチングやサンドブラストによる機械的方法などで行ってもよい。また、SOD等を基板1の1面のみに付着する方法に代表される拡散のように、拡散領域を選択的に形成する場合は、以上説明したpn接合分離工程を省略することができる。
【0045】
次に、図2(A)に示すように、n型拡散層2上に反射防止膜として機能する絶縁膜3を形成する。この反射防止膜となる絶縁膜3は、太陽電池の入射光に対する表面反射率を低減させるため、発生電流を増加させることができる。例えば、この反射防止膜となる絶縁膜3に窒化シリコン膜を適用する場合、その形成方法は、減圧熱CVD法やプラズマCVD法を用いて形成することができる。
【0046】
熱CVD法により窒化シリコン膜を形成する場合は、ジクロルシラン(SiCl2H2)とアンモニア(NH3)を原料ガスとして用いることが多い。この時、例えば、ガス流量比をNH3/SiCl2H2=10〜20とし、反応室内の圧力を0.2〜0.5Torrとし、成膜温度を760℃とした成膜条件で成膜を行う。
【0047】
プラズマCVD法により窒化シリコン膜を形成する場合、原料ガスとしては、SiH4とNH3の混合ガスを用いるのが一般的である。成膜条件としては、例えば、ガス流量比をNH3/SiH4=0.5〜1.5とし、反応室内の圧力を1〜2Torrとし、成膜温度を300〜550℃とする。更に、プラズマ放電に必要な高周波電源の周波数としては、数百kHz以上が適当である。
【0048】
次に、図2(B)に示すように、絶縁膜3上に銀ペーストなどを塗布し、スクリーン印刷技術により銀ペーストを所定のパターン形状に形成した後、その銀パターンを例えば650〜900℃の温度で数十秒から数分間焼成してn電極となる表電極4を形成する。この表電極4は、焼成により絶縁膜3を貫通してn型拡散層2とオーミック接続される。
【0049】
また、図2(B)に示すように、p型Si基板1裏面に銀アルミあるいはアルミペーストなどを塗布し、スクリーン印刷技術により所定のパターン形状に形成した後、その金属パターンを例えば650〜900℃の温度で数十秒から数分間焼成して、p型Si基板1裏面にp電極となる裏電極5を形成する。この裏電極5は、焼成によりp型Si基板1とオーミック接続される。
【0050】
そして、表電極を覆うようにEVAなどの充填材膜、ガラス板を順次形成することにより、図2(C)に示すような構造の太陽電池デバイスを得ることができる。ここで、図4は上述のように作成した太陽電池と、従来法(比較例)で作成した太陽電池のデバイス特性を示す図である。この図4において、Vocは開放電圧、Jscは短絡電流、FFは曲線因子、Effは発電効率である。
【0051】
比較例は、n型拡散層表面に生じたリンガラスを弗化水素酸水溶液でエッチング処理したものであり、n型拡散層の表面部分の高濃度不純物領域を除去していない太陽電池の場合である。その他の製造プロセスは、本実施の形態と同様である。なお、弗化水素酸水溶液は、シリコンをエッチングしないので、n型拡散層を除去する能力を有していない。
【0052】
本発明の太陽電池は、比較例の太陽電池よも開放電圧が増大している。本発明の太陽電池は、拡散層2のリン濃度が高い領域をエッチングすることで、キャリアの表面再結合速度が減少し、比較例の太陽電池よりも、開放電圧が増大されたものと推定される。
【0053】
本発明の太陽電池は、比較例の太陽電池よりも短絡電流が増大し、発電効率が高くなっている。本発明の太陽電池は、表面再結合速度減少に加えて、入射光量が増大したことにより、比較例の太陽電池よりも、短絡電流が増大したものと推定される。本発明の太陽電池は、比較例の太陽電池よりも発電効率が高くなっており、太陽電池のデバイス性能が向上していることが判った。従って、本発明の太陽電池によれば、製品コストを低減でき、狭い面積でも所望の電力を得ることができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、第1の導電型の半導体基板表面部分に不純物を導入して拡散させて第2の導電型の拡散層を形成した後、第2の導電型の拡散層を、弗化水素酸と過酸化水素水を混合させた水溶液で浸漬処理するように構成することにより、過酸化水素水によるシリコンの酸化と弗化水素酸によるシリコン酸化膜のエッチングの2段階の処理を行うことにより、ゆっくりエッチングすることができる。このため、拡散層の高濃度領域である表面部分のみをエッチングすることができ、基板へのダメージを著しく低減することができる。また、弗化水素酸と過酸化水素水を混合させた水溶液の薬液は、発熱反応を伴わないので、薬液作成時やエッチング時に、温度上昇変化がない。このため、温度上昇変化に伴うエッチングレートの上昇がなく、安定したエッチングを行うことができる。
【0055】
水溶液の弗化水素濃度は、0.01重量%より小さくすると、エッチング時間がかかり過ぎるなど、量産性を加味すると、エッチング時間と薬液寿命の点で好ましくない。また、水溶液の弗化水素濃度は、5重量%より大きくすると、基板のエッチングレートが速くなり、基板へのダメージの点で好ましくない。そこで、水溶液の弗化水素濃度は、0.01乃至5重量%で構成することにより、基板へのダメージを起こすことなく、量産性に優れた基板エッチングを実現することができる。
【0056】
水溶液の過酸化水素濃度は、水溶液の弗化水素酸の濃度より高くすることにより、過酸化水素水によるシリコン酸化を潤沢に反応促進することができ、フッ酸を変量させて適切なエッチングレートを決めることができる。
【0057】
水溶液の温度は、5℃よりも低温にすると、エッチングレートが小さくなって好ましくなく、また、35℃よりも高温にすると、エッチングレートが大きくなって基板へのダメージの点で好ましくない。そこで、水溶液の温度は、5乃至35℃で構成することにより、適切なエッチングレートにすることができる。
【0058】
水溶液に浸漬する処理時間は、10分より長くすると、拡散層を全てエッチングし易くなり、基板へのダメージの点で好ましくない。そこで、水溶液に浸漬する処理時間は、10分以内で構成することにより、拡散層を適切にエッチングすることができる。
【0059】
拡散層のシート抵抗は、30Ω/□よりも小さくすると、光電流などが低下するなど、セル効率が低下して好ましくない。また、拡散層のシート抵抗は、100Ω/□よりも大きくすると、FF(曲線因子)などが低下するなど、表電極とのコンタクト(オーミック接触)が取り難くなり好ましくない。そこで、拡散層のシート抵抗は、30乃至100Ω/□で構成することにより、良好なセル効率にすることができるとともに、表電極との良好なコンタクトを取り易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態1における太陽電池の製造方法を示す図である。
【図2】 本発明に係る実施の形態1における太陽電池の製造方法を示す図である。
【図3】 図1に示す拡散層におけるエッチバック処理の化学反応を示す図である。
【図4】 本発明/比較例におけるエッチバックを行ったときの特性効果を示す図である。
【図5】 従来における太陽電池の製造方法を示す図である。
【図6】 従来における太陽電池の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
1 p型Si基板、2 n型拡散層、2a リンガラス、3 反射防止膜、4表電極、5 裏電極、6 充填材膜、7 ガラス膜。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing a solar cell, and more particularly to a technique for realizing a system with high power generation efficiency by removing a high impurity concentration region on a semiconductor surface.
[0002]
[Prior art]
In recent years, the mainstream of solar cells for electric power has become silicon solar cells made of silicon, but the spread of the solar cells requires reduction of product cost. Improving the power generation efficiency of solar cells can be said to be a means of reducing product prices. Moreover, there is an additional advantage that the installation area can be reduced by using a solar cell device having high power generation efficiency.
[0003]
5 and 6 are diagrams showing a conventional and generally performed manufacturing process of a solar cell. In FIG. 5, reference numeral 101 denotes a p-type Si substrate, and reference numeral 102 denotes an n-type diffusion layer formed on the p-type Si substrate 101. Reference numeral 102 a denotes phosphorous glass formed on the surface portion of the n-type diffusion layer 102, and reference numeral 103 denotes an insulating film that functions as an antireflection film formed on the n-type diffusion layer 102.
[0004]
In FIG. 6, 104 is a front electrode formed so as to be connected to the n-type diffusion layer 102, and 105 is a back electrode formed on the back surface of the p-type Si substrate 101. Reference numeral 106 denotes a filler film made of EVA (Ethylene Vinyl Acetate) or the like formed so as to cover the front electrode 104, and 107 is a glass plate formed on the filler film 106.
[0005]
First, the p-type Si substrate 101 shown in FIG. 5A is used, and as shown in FIG. 5B, for example, phosphorus is thermally diffused into the surface portion of the p-type Si substrate 101 to thereby change the conductivity type. An n-type diffusion layer 102 made of inverted phosphorus-containing silicon is formed on the surface portion of the p-type Si substrate 101. At this time, the n-type diffusion layer 102 is formed on the entire surface of the Si substrate 101, and a phosphorus glass 102a made of a compound containing phosphorus and oxygen or a part of the diffusion source is formed on the surface portion of the n-type diffusion layer 102.
[0006]
It should be noted that the n-type diffusion layer 102 is formed on the entire surface of the p-type Si substrate 101 unless there is a particular technique such as a photographic technique or a selective film formation technique. Next, as shown in FIG. 5C, the phosphorus glass 102a generated on the surface portion of the n-type diffusion layer 102 is removed by etching by dipping in a hydrofluoric acid aqueous solution. Next, as shown in FIG. 5D, the n-type diffusion layer 102 is selectively etched away so as to leave the n-type diffusion layer 102 only on one main surface of the p-type Si substrate 101.
[0007]
Next, as illustrated in FIG. 6A, an insulating film 103 that functions as an antireflection film is formed over the n-type diffusion layer 102. Since the insulating film 103 functions as an antireflection film, the performance of the solar cell device is improved. Thereafter, as shown in FIG. 6B, a silver paste or the like is applied over the insulating film 103, and the silver paste is formed into a predetermined pattern shape by a printing technique. Form. The surface electrode 104 is connected to the n-type diffusion layer 102 through the insulating film 103 by firing.
[0008]
Further, as shown in FIG. 6B, silver aluminum or aluminum paste is applied to the back surface of the p-type Si substrate 101 and formed into a predetermined pattern shape by a printing technique, and then the metal pattern is baked to form p. A back electrode 105 is formed on the back surface of the mold Si substrate 101. Then, by sequentially forming a filler film 106 such as EVA and a glass plate 107 so as to cover the surface electrode 104, a solar cell device having a structure as shown in FIG. 6C can be obtained.
[0009]
The formation of the n-type diffusion layer 102 in a conventional solar cell device is generally performed by thermally diffusing gas, liquid, or solid on the surface of the substrate 101. In this case, the n-type diffusion layer 102 has a distribution in which the phosphorus impurity concentration in the surface portion is high and the phosphorus impurity concentration decreases toward the inside.
[0010]
Thus, when forming a pn junction of a silicon solar cell, if a high impurity concentration region of phosphorus is generated on the surface portion of the diffusion layer 102, the device performance of the solar cell is degraded. For this reason, the performance of the solar cell device can be improved by removing the high impurity concentration region of phosphorus generated on the surface portion of the diffusion layer 102.
[0011]
Conventionally, methods for removing the high impurity concentration region of phosphorus include plasma etching, etching with an aqueous solution containing hydrofluoric acid (HF) and nitric acid (HNO3), and fluorination of an oxide film formed on the surface. A method of removing with a hydrogen acid (HF) aqueous solution, etc.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional solar cell manufacturing method as described above, in order to improve the performance of the solar cell device, the high concentration impurity region on the surface of the n-type diffusion layer 102 is removed by etching or fluorination using plasma. Etching with an aqueous solution in which hydrogen acid (HF) and nitric acid (HNO3) are mixed, and an oxide film formed on the surface is removed with an aqueous hydrofluoric acid (HF) solution.
[0013]
Since plasma etching physically etches the substrate, it easily damages the substrate surface. Etching with an aqueous solution in which hydrofluoric acid (HF) and nitric acid (HNO3) are mixed is accompanied by an exothermic reaction at the time of preparing a chemical solution and etching, and the etching rate of the substrate is easily accelerated. For this reason, the entire n-type diffusion layer 102 required for forming the pn junction is easily etched, the substrate surface is easily damaged, and a problem remains in that good device characteristics are obtained.
[0014]
In addition, as described above, the conventional solar cell manufacturing method is difficult to apply to mass production due to the stability of the aqueous solution and the complicated manufacturing process, such as an exothermic reaction during chemical preparation and etching. Therefore, the high concentration region of the surface portion of the diffusion layer 102 often remains without being etched, and there is a problem that it is difficult to improve the solar cell performance.
[0015]
Therefore, the present invention makes it possible to easily etch only the high concentration region on the surface of the diffusion layer so that the entire diffusion layer is not etched, making it difficult to cause damage to the substrate surface, and good device characteristics. It is an object to provide a method for producing a solar cell capable of obtaining
[0016]
[Means for Solving the Problems]
The method of manufacturing a solar cell according to the present invention includes a step of forming a second conductive type diffusion layer by introducing an impurity into a surface portion of a first conductive type semiconductor substrate and diffusing the impurity, and the second conductive type. And a step of immersing the diffusion layer in an aqueous solution in which hydrofluoric acid and hydrogen peroxide are mixed.
[0017]
In the solar cell manufacturing method, the hydrogen fluoride concentration of the aqueous solution is 0.01 to 5% by weight.
[0018]
In the solar cell manufacturing method, the hydrogen peroxide concentration of the aqueous solution is higher than the concentration of hydrofluoric acid in the aqueous solution.
[0019]
In the solar cell manufacturing method, the temperature of the aqueous solution is 5 to 35 ° C.
[0020]
In the method for producing a solar cell, the treatment time immersed in the aqueous solution is within 10 minutes.
[0021]
In the method for manufacturing a solar cell, the diffusion layer has a sheet resistance of 30 to 100Ω / □.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
Embodiment 1 FIG.
1 and 2 are diagrams showing a method for manufacturing a solar cell according to Embodiment 1 of the present invention. 1 and 2, reference numeral 1 denotes a p-type Si substrate, and reference numeral 2 denotes an n-type diffusion layer formed on the p-type Si substrate 1. Reference numeral 2a denotes phosphorous glass formed on the surface portion of the n-type diffusion layer 2, and reference numeral 3 denotes an insulating film made of silicon nitride or the like that functions as an antireflection film formed on the n-type diffusion layer 2.
[0023]
Reference numeral 4 denotes a front electrode made of silver or the like formed so as to be connected to the n-type diffusion layer 2, and reference numeral 5 denotes a back electrode made of silver aluminum or aluminum formed on the back surface of the p-type Si substrate 1. Reference numeral 6 denotes a filler film made of EVA (Ethylene Vinyl Acetate) or the like formed so as to cover the front electrode 4, and 7 is a glass plate formed on the filler film 6.
[0024]
As the substrate 1, for example, a single crystal silicon substrate manufactured by a pulling method or a polycrystalline silicon substrate manufactured by a casting method is usually used. In the solar cell in the present embodiment, substrate 1 made of polycrystalline silicon is used, and substrate 1 that is sliced from an ingot is used. The conductivity type is p-type, but n-type may be used.
[0025]
In order to remove the mechanically altered layer and dirt on the surface of the p-type Si substrate 1 generated in this slicing step, an alkaline aqueous solution such as potassium hydroxide or aqueous sodium hydroxide solution or a mixed solution of hydrofluoric acid and nitric acid is used. The surface of the substrate 1 is etched by about 5 to 20 μm (FIG. 1A). Furthermore, in order to remove heavy metals such as iron adhering to the surface of the substrate 1, a step of washing with a mixed solution of hydrochloric acid and hydrogen peroxide may be added.
[0026]
Next, using the cleaned p-type Si substrate 1 shown in FIG. 1A, as shown in FIG. 1B, for example, thermal diffusion using phosphorus oxychloride (POCl3) to form a pn junction. Accordingly, by thermally diffusing phosphorus into the p-type Si substrate 1 surface portion, an n-type diffusion layer 2 consisting of phosphorus-containing silicon obtained by inverting the conductivity type, formed on the p-type Si substrate 1 surface portion.
[0027]
At this time, the n-type diffusion layer 2 is formed on the entire surface of the p-type Si substrate 1 , and a phosphorus glass 2a made of a compound containing phosphorus and oxygen or a part of the diffusion source is generated on the surface portion of the n-type diffusion layer 2 . In the present embodiment, since the substrate 1 to be used is configured as a p-type, the n-type diffusion layer 2 is formed on the surface of the p-type Si substrate 1 in order to form a pn junction.
[0028]
As a method of forming the n-type diffusion layer 2, thermal diffusion using phosphorus oxychloride (POCl3) was used, but other methods include, for example, SOD (Spin-On-Dopant), PSG (Phospho-Slicate-Glass). In general, phosphoric acid (H3PO4), phosphorous acid (H3PO3), hypophosphorous acid (H3PO2), phosphoric acid aqueous solutions such as metaphosphoric acid (HPO3), or film diffusion sources are used as diffusion sources. The n-type diffusion layer 2 may be formed on the surface of the p-type Si substrate 1 by attaching an impurity containing phosphorus to the surface of the p-type Si substrate 1 under appropriate diffusion conditions and thermally diffusing it.
[0029]
As a method for attaching impurities including phosphorus to the surface of the substrate 1, any method such as gas (gas), spin coating, spraying, roll coating, and immersion may be used. In any case, when thermal diffusion is performed by attaching a diffusion source to the surface of the p-type Si substrate 1 as described above, the n-type diffusion layer 2 formed on the surface of the p-type Si substrate 1 The phosphorus concentration is high, and the phosphorus concentration decreases as the distance from the surface portion increases. If the sheet resistance of the n-type diffusion layer 2 is less than 30 Ω / □, the cell efficiency is lowered, for example, the photocurrent is lowered.
[0030]
Further, when the sheet resistance of the n-type diffusion layer 2 is larger than 100Ω / □, the junction depth becomes shallower and the contact with the surface electrode 4 (ohmic contact) is reduced, such as FF (curve factor) is reduced. It becomes difficult and not preferable. Therefore, by configuring the sheet resistance of the n-type diffusion layer 2 at 30 to 100Ω / □, it is possible to achieve good cell efficiency and to easily make good contact with the surface electrode 4.
[0031]
Next, as shown in FIG. 1C, the phosphorus glass 2a formed on the n-type diffusion layer 2 after phosphorus diffusion is removed by etching with a hydrofluoric acid aqueous solution, and an n-type diffusion layer made of phosphorus-containing silicon is used. 2 is exposed. The hydrofluoric acid aqueous solution etches the phosphor glass 2a but does not etch silicon, so that only the phosphor glass 2a can be selectively etched. The phosphorus glass 2a is made of a compound containing phosphorus and oxygen or a residual material of a diffusion source.
[0032]
Here, the phosphor glass 2a is described as being etched away with a hydrofluoric acid aqueous solution. However, phosphorous glass 2a is obtained by using an aqueous solution obtained by mixing hydrofluoric acid and hydrogen peroxide water, which will be described in the next step. The glass 2a may be configured to be removed by etching. According to this method, the etching step using the hydrofluoric acid aqueous solution described in FIG. 1C can be omitted.
[0033]
Next, as shown in FIG. 1C, the p-type Si substrate 1 having the n-type diffusion layer 2 formed on the surface portion is immersed in an aqueous solution in which hydrofluoric acid and hydrogen peroxide are mixed. As a result, the high concentration impurity region in the surface portion of the n-type diffusion layer 2 having a high phosphorus concentration is removed by etching. This process is called an etch back process. This etch-back process includes a silicon oxidation process using hydrogen peroxide and a silicon oxide film etching process using hydrofluoric acid, as shown in FIG. 3 showing the chemical reaction of the etch-back process in the diffusion layer 2. It consists of two stages of processing.
[0034]
The n-type diffusion layer 2 made of phosphorus-containing silicon can be etched slowly by the etch-back process including the two stages of the silicon oxidation process and the silicon oxide film etching process. Therefore, the entire n-type diffusion layer 2 is not etched all at once, but only the surface portion of the n-type diffusion layer 2 which is a high concentration region of phosphorus can be easily etched. Therefore, the entire n-type diffusion layer 2 necessary for forming the pn junction can be prevented from being etched, and good device characteristics can be obtained.
[0035]
For example, in the case of the n-type diffusion layer 2 having a sheet resistance of 30 to 100Ω / □, if the high concentration impurity region of phosphorus on the surface portion of the diffusion layer 2 is left without being etched, the diffusion layer 2 The phosphorus concentration on the surface becomes as high as 1E + 20 cm −3 or more, causing an increase in the carrier recombination rate and a decrease in the amount of incident light, leading to a decrease in performance of the solar cell device. According to the present embodiment, since only the high-concentration impurity region on the surface portion of n-type diffusion layer 2 can be removed, the performance of the solar cell device can be improved.
[0036]
In addition, since the chemical solution of an aqueous solution in which hydrofluoric acid and hydrogen peroxide are mixed does not cause an exothermic reaction, there is no change in temperature at the time of chemical solution preparation or etching. For this reason, there is no increase in the etching rate due to a temperature increase change, and stable etching can be performed. Further, the etch-back process in the present embodiment does not require heating and can be realized at room temperature. Therefore, no heating equipment or the like is required, and the apparatus cost can be reduced.
[0037]
In addition, the above etch-back process can be realized in a short time even with a low concentration chemical solution, so that the manufacturing throughput is high and the manufacturing cost can be reduced. In addition, since the above etch-back process allows the etching to proceed slowly, the etching amount can be easily controlled, and a predetermined sheet resistance of the solar cell device can be easily realized. For this reason, a freedom degree can be increased in electrode material and an electrode pattern design.
[0038]
When etching back with an aqueous solution in which hydrofluoric acid and hydrogen peroxide are mixed, if the concentration of hydrogen fluoride in the aqueous solution is less than 0.01% by weight, taking too much etching time, etc. It is not preferable in terms of etching time and chemical life. On the other hand, when the hydrogen fluoride concentration of the aqueous solution is larger than 5% by weight, the etching rate of the diffusion layer 2 (substrate 1) is increased, which is not preferable in terms of damage to the diffusion layer 2. Therefore, it is preferable that the concentration of hydrogen fluoride in the aqueous solution is 0.01 to 5% by weight so that diffusion layer etching excellent in mass productivity can be realized without causing damage to the diffusion layer 2.
[0039]
When etching back, the concentration of hydrogen peroxide in the aqueous solution is set higher than the concentration of hydrofluoric acid in the aqueous solution. Thereby, the silicon oxidation by the hydrogen peroxide solution can be promoted sufficiently, and an appropriate etching rate can be determined by changing the hydrofluoric acid. When the temperature of the aqueous solution is lower than 5 ° C., the etching rate is undesirably reduced, and when the temperature is higher than 35 ° C., the etching rate is increased, which is not preferable in terms of damage to the diffusion layer 2. Therefore, it is preferable that the temperature of the aqueous solution is 5 to 35 ° C. because an appropriate etching rate can be obtained.
[0040]
If the treatment time immersed in the aqueous solution is longer than 10 minutes, it becomes easy to etch all of the diffusion layer 2, which is not preferable in terms of damage to the diffusion layer 2. Therefore, the treatment time immersed in the aqueous solution is preferably within 10 minutes, so that the diffusion layer 2 can be appropriately etched.
[0041]
The preferable conditions for the etch back described above are determined as conditions that do not damage the surface of the diffusion layer 2. Further, as a measure of the etching amount, it can be said that measuring the increase in sheet resistance is a simple method. That is, the greater the increase in sheet resistance, the greater the etching amount and the lower the phosphorus concentration on the surface. As a result, the desired effect is increased, but there is a disadvantage that good contact with the electrode cannot be obtained.
[0042]
Accordingly, when selecting each etch back condition, although there is a great deal of technical restrictions on the electrode forming process, the increase in sheet resistance is generally 0.1% within a range that does not damage the surface of the diffusion layer 2. It is preferable to set appropriately so as to be in the range of 20Ω / □.
[0043]
The pn junction separation is a process performed so that the back electrode 5 serving as the p electrode and the front electrode 4 serving as the n electrode do not short-circuit. As shown in FIG. 1D, the same chemical solution as that used for etching the surface of the substrate 1 obtained in the above-described slicing step is used to leave the n-type diffusion layer 2 only on one main surface of the p-type Si substrate 1. Thus, the n-type diffusion layer 2 is selectively etched.
[0044]
As a method for removing the unnecessary n-type diffusion layer 2 other than the main surface of the substrate 1, other than the method described above, etching by plasma or mechanical method by sandblasting may be used. Further, when the diffusion region is selectively formed, such as diffusion represented by a method of attaching SOD or the like only to one surface of the substrate 1, the above-described pn junction isolation step can be omitted.
[0045]
Next, as shown in FIG. 2A, an insulating film 3 functioning as an antireflection film is formed on the n-type diffusion layer 2. Since the insulating film 3 serving as the antireflection film reduces the surface reflectance with respect to the incident light of the solar cell, the generated current can be increased. For example, when a silicon nitride film is applied to the insulating film 3 serving as the antireflection film, the formation method can be formed using a low pressure thermal CVD method or a plasma CVD method.
[0046]
When a silicon nitride film is formed by a thermal CVD method, dichlorosilane (SiCl2H2) and ammonia (NH3) are often used as source gases. At this time, for example, the film formation is performed under the film formation conditions in which the gas flow ratio is NH3 / SiCl2H2 = 10 to 20, the pressure in the reaction chamber is 0.2 to 0.5 Torr, and the film formation temperature is 760 ° C.
[0047]
When a silicon nitride film is formed by plasma CVD, a mixed gas of SiH4 and NH3 is generally used as a source gas. As film formation conditions, for example, the gas flow rate ratio is NH3 / SiH4 = 0.5 to 1.5, the pressure in the reaction chamber is 1 to 2 Torr, and the film formation temperature is 300 to 550C. Further, a frequency of a high frequency power source necessary for plasma discharge is suitably several hundred kHz or more.
[0048]
Next, as shown in FIG. 2 (B), a silver paste or the like is applied onto the insulating film 3, and the silver paste is formed into a predetermined pattern shape by a screen printing technique. The surface electrode 4 to be an n-electrode is formed by baking at a temperature of several tens of seconds to several minutes. The front electrode 4 penetrates the insulating film 3 by firing and is ohmically connected to the n-type diffusion layer 2.
[0049]
Further, as shown in FIG. 2B, silver aluminum or aluminum paste is applied to the back surface of the p-type Si substrate 1 and formed into a predetermined pattern shape by a screen printing technique. Baking is performed at a temperature of 0 ° C. for several tens of seconds to several minutes to form a back electrode 5 serving as a p-electrode on the back surface of the p-type Si substrate 1. The back electrode 5 is ohmically connected to the p-type Si substrate 1 by firing.
[0050]
Then, by sequentially forming a filler film 6 such as EVA and a glass plate 7 so as to cover the surface electrode 4 , a solar cell device having a structure as shown in FIG. 2C can be obtained. Here, FIG. 4 is a diagram showing the device characteristics of the solar cell produced as described above and the solar cell produced by the conventional method (comparative example). In FIG. 4, Voc is an open circuit voltage, Jsc is a short-circuit current, FF is a fill factor, and Eff is power generation efficiency.
[0051]
The comparative example is a solar cell in which phosphorous glass generated on the surface of the n-type diffusion layer is etched with an aqueous hydrofluoric acid solution, and the high concentration impurity region on the surface portion of the n-type diffusion layer is not removed. is there. Other manufacturing processes are the same as in the present embodiment. Note that the hydrofluoric acid aqueous solution does not etch silicon and therefore does not have the ability to remove the n-type diffusion layer.
[0052]
The solar cell of the present invention has an open circuit voltage higher than that of the solar cell of the comparative example. In the solar cell of the present invention, it is presumed that the surface recombination rate of carriers is reduced by etching a region having a high phosphorus concentration in the diffusion layer 2, and the open circuit voltage is increased as compared with the solar cell of the comparative example. The
[0053]
In the solar cell of the present invention, the short-circuit current is increased and the power generation efficiency is higher than that of the solar cell of the comparative example. In the solar cell of the present invention, in addition to the decrease in the surface recombination rate, it is presumed that the short circuit current is increased as compared with the solar cell of the comparative example due to the increase in the amount of incident light. The solar cell of the present invention has higher power generation efficiency than the solar cell of the comparative example, and it has been found that the device performance of the solar cell is improved. Therefore, according to the solar cell of the present invention, the product cost can be reduced and desired power can be obtained even in a small area.
[0054]
【Effect of the invention】
According to the present invention, after the impurity is introduced into the surface portion of the first conductivity type semiconductor substrate and diffused to form the second conductivity type diffusion layer, the second conductivity type diffusion layer is then fluorinated. By performing the immersion treatment with an aqueous solution in which hydrogen acid and hydrogen peroxide are mixed, two-stage treatment of silicon oxidation with hydrogen peroxide and silicon oxide film etching with hydrofluoric acid is performed. Can be etched slowly. For this reason, only the surface part which is a high concentration area | region of a diffused layer can be etched, and the damage to a board | substrate can be reduced significantly. In addition, since the chemical solution of an aqueous solution in which hydrofluoric acid and hydrogen peroxide are mixed does not cause an exothermic reaction, there is no change in temperature at the time of chemical solution preparation or etching. For this reason, there is no increase in the etching rate due to a temperature increase change, and stable etching can be performed.
[0055]
If the concentration of hydrogen fluoride in the aqueous solution is less than 0.01% by weight, taking into account the mass productivity such as excessive etching time, it is not preferable in terms of etching time and chemical life. On the other hand, when the hydrogen fluoride concentration of the aqueous solution is larger than 5% by weight, the etching rate of the substrate is increased, which is not preferable in terms of damage to the substrate. Therefore, when the concentration of hydrogen fluoride in the aqueous solution is 0.01 to 5% by weight, substrate etching excellent in mass productivity can be realized without causing damage to the substrate.
[0056]
By making the hydrogen peroxide concentration of the aqueous solution higher than the concentration of hydrofluoric acid in the aqueous solution, the silicon oxidation by the hydrogen peroxide solution can be promoted abundantly. I can decide.
[0057]
When the temperature of the aqueous solution is lower than 5 ° C., the etching rate decreases, which is not preferable. When the temperature of the aqueous solution is higher than 35 ° C., the etching rate increases, which is not preferable in terms of damage to the substrate. Therefore, by setting the temperature of the aqueous solution at 5 to 35 ° C., an appropriate etching rate can be obtained.
[0058]
When the treatment time immersed in the aqueous solution is longer than 10 minutes, it becomes easy to etch all the diffusion layers, which is not preferable in terms of damage to the substrate. Therefore, the diffusion layer can be appropriately etched by configuring the treatment time to be immersed in the aqueous solution within 10 minutes.
[0059]
If the sheet resistance of the diffusion layer is less than 30 Ω / □, the cell efficiency is lowered, such as a decrease in photocurrent, which is not preferable. On the other hand, if the sheet resistance of the diffusion layer is larger than 100 Ω / □, it is difficult to make contact with the surface electrode (ohmic contact) because FF (curve factor) and the like are lowered. Therefore, by configuring the sheet resistance of the diffusion layer at 30 to 100Ω / □, it is possible to achieve good cell efficiency and to easily make good contact with the surface electrode.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a method for manufacturing a solar cell in a first embodiment according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing a method for manufacturing a solar cell in the first embodiment according to the present invention.
3 is a diagram showing a chemical reaction of an etch back process in the diffusion layer shown in FIG. 1. FIG.
FIG. 4 is a diagram showing a characteristic effect when etching back is performed in the present invention / comparative example.
FIG. 5 is a diagram showing a conventional method for manufacturing a solar cell.
FIG. 6 is a diagram showing a conventional method for manufacturing a solar cell.
[Explanation of symbols]
1 p-type Si substrate, 2 n-type diffusion layer, 2a phosphorous glass, 3 antireflection film, 4 surface electrode, 5 back electrode, 6 filler film, 7 glass film.

Claims (5)

第1の導電型のP型Si基板表面部分にリンを導入して拡散させて第2の導電型の拡散層を形成する第1工程と、
前記第2の導電型の拡散層の表面部分を弗化水素酸と過酸化水素水を混合させた水溶液でエッチング処理する第2工程とを含む太陽電池の製造方法であって、
前記第1工程の後に熱酸化工程を介さずに前記第2工程が行われるとともに、前記水溶液の過酸化水素濃度は、前記水溶液の弗化水素酸の濃度より高いことを特徴とする太陽電池の製造方法。
A first step of forming a second conductivity type diffusion layer by introducing and diffusing phosphorus into the surface portion of the first conductivity type P-type Si substrate;
And a second step of etching the surface portion of the diffusion layer of the second conductivity type with an aqueous solution in which hydrofluoric acid and hydrogen peroxide are mixed,
The second step is performed after the first step without a thermal oxidation step, and the concentration of hydrogen peroxide in the aqueous solution is higher than the concentration of hydrofluoric acid in the aqueous solution. Production method.
請求項1に記載の太陽電池の製造方法において、前記水溶液の弗化水素濃度は、0.01乃至5重量%であることを特徴とする太陽電池の製造方法。  2. The method for manufacturing a solar cell according to claim 1, wherein the concentration of hydrogen fluoride in the aqueous solution is 0.01 to 5% by weight. 請求項1又は2に記載の太陽電池の製造方法において、前記水溶液の温度は、5乃至35℃であることを特徴とする太陽電池の製造方法。  3. The method for manufacturing a solar cell according to claim 1, wherein the temperature of the aqueous solution is 5 to 35 ° C. 4. 請求項1乃至3の何れかに記載の太陽電池の製造方法において、前記水溶液に浸漬する処理時間は、10分以内であることを特徴とする太陽電池の製造方法。  4. The method for manufacturing a solar cell according to claim 1, wherein a treatment time immersed in the aqueous solution is within 10 minutes. 請求項1乃至4の何れかに記載の太陽電池の製造方法において、前記拡散層のシート抵抗は、30乃至100Ω/□であることを特徴とする太陽電池の製造方法。  5. The method of manufacturing a solar cell according to claim 1, wherein the diffusion layer has a sheet resistance of 30 to 100Ω / □. 6.
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