JP4987895B2 - Ｒｒｃ接続プロセスを改善する方法及び通信装置 - Google Patents

Description

本発明はＲＲＣ（無線リソース制御）接続プロセスを改善する方法及び通信装置に関し、特に下位層プロトコルエンティティーを正確にリセットか再確立することでＲＲＣ接続プロセスを改善する方法及び通信装置に関する。

ＬＴＥ（ｌｏｎｇ ｔｅｒｍ ｅｖｏｌｕｔｉｏｎ）無線通信システムは、第三世代移動通信システム（例えばＵＭＴＳ（汎用移動通信システム））をもとに確立されたアドバンスド高速無線通信システムである。ＬＴＥ無線通信システムはパケット交換のみサポートし、そのＲＬＣ通信プロトコル層とＭＡＣ通信プロトコル層は基地局（ノードＢ）とＲＮＣ（無線ネットワークコントローラ）に別々に設けなくてもよく、同一の通信ネットワークエンティティー（例えば基地局（ノードＢ））に統合できるので、システム構造が比較的に簡単である。なお、基地局ごとに１または複数のセルが制御されるので、ＵＥ（ユーザー端末）とネットワークの間で接続を確立するとは、ＵＥと基地局のセルとの間で接続を確立することをいう。

ＬＴＥ無線通信システムでは、ＵＥのＲＲＣ層はＲＲＣ＿ＩＤＬＥ（ＲＲＣアイドリング）とＲＲＣ＿ＣＯＮＮＥＣＴＥＤ（ＲＲＣ接続）という２種類のＲＲＣ状態のみ有する。ＲＲＣメッセージを運ぶ無線ベアラは（ＲＢ）一般にシグナリング無線ベアラ（ＳＲＢ）と称し、以下の３種類に分けられる。

１． ＳＲＢ０：共通制御チャネル（ＣＣＣＨ）を通してＲＲＣメッセージを交換・伝送する。アップリンク・ダウンリンクともＲＬＣ（無線リンク制御）層のトランスペアレントモード（ＴＭ）を利用する。
２． ＳＲＢ１：専用制御チャネル（ＤＣＣＨ）を通して上位層ＮＡＳ（ノンアクセスストラタム）の制御メッセージとＲＲＣメッセージを交換・伝送する。アップリンク・ダウンリンクともＲＬＣ層のアクノレッジモード（ＡＭ）を利用する。
３． ＳＲＢ２：ＤＣＣＨを通して上位層ＮＡＳの制御メッセージを交換・伝送する。アップリンク・ダウンリンクともＲＬＣ層のＡＭモードを利用する。

ＳＲＢを利用し、ＵＥとネットワークのＲＲＣエンティティーはＲＲＣメッセージを交換し、これに基づいて無線リソースを設定し、種々のＲＲＣプロセスを実行する。ＲＲＣアイドリング状態にあるＵＥは、ＲＲＣ接続確立（ＲＲＣ ｃｏｎｎｅｃｔｉｏｎ ｅｓｔａｂｌｉｓｈｍｅｎｔ）プロセスでネットワークとＲＲＣ接続を確立し、ＲＲＣ接続状態にあるＵＥは、ＲＲＣ接続再確立（ＲＲＣ ｃｏｎｎｅｃｔｉｏｎ ｒｅ−ｅｓｔａｂｌｉｓｈｍｅｎｔ）プロセスでネットワークとＲＲＣ接続を再確立する。
前記２種類のＲＲＣ接続プロセスでは、ＵＥのＲＲＣ層は接続リクエストメッセージ（または接続再確立メッセージ）を生成し、更に下位層（ＭＡＣ（媒体アクセス制御）層）でランダムアクセスプロセスを起動し、ＣＣＣＨを通して接続リクエストメッセージ（または接続再確立メッセージ）をネットワークに送信する。同時に、ＵＥはセルの無線信号を継続的に測定し、測定結果がセル再選択の基準に達した場合にセル再選択（ｃｅｌｌ ｒｅｓｅｌｅｃｔｉｏｎ）を行い、より良い無線信号を提供できるセルと接続を確立する。前記ＲＲＣ接続プロセスの動作について詳しくは仕様を参照すればよく、ここで説明を省略する。

現在の仕様によれば、ＲＲＣ接続プロセスを実行する間にセル再選択が発生した場合、ＵＥのＲＲＣ層は新たな接続リクエストメッセージ（または接続再確立メッセージ）を生成し、これを下位層に送って新しく選ばれたセルに送信させる。この場合、現在の仕様ではＭＡＣ層をリセットせず、ＳＲＢにマッピングされるＲＬＣ層も再確立しないので、本来のセルに対するランダムアクセスプロセスは引き続き実行され、新しいランダムアクセスプロセスは正常に動作できない。また、ＵＥがセル再選択の前に本来のセルの接続リクエストメッセージ（または接続再確立メッセージ）を送信できない場合、ＲＬＣ層の伝送バッファには２通以上の接続リクエストメッセージ（または接続再確立メッセージ）が残り、後にＲＲＣ接続プロセスは正確に実行できず、新しく選ばれたセルに不要の接続リクエストメッセージ（または接続再確立メッセージ）を送信するなどのエラーが生じうる。

本発明は無線通信システムのＵＥにおいてＲＲＣ接続プロセスを改善する方法及び関連通信装置を提供することを課題とする。

本発明では、無線通信システムのＵＥ（ユーザー端末）においてＲＲＣ（無線リソース制御）接続プロセスを改善する方法を開示する。当該方法は、ＲＲＣ接続プロセスを実行する段階と、セル再選択の発生時にＳＲＢ（シグナリング無線ベアラ）に対応する下位層プロトコルエンティティーをリセットか再確立する段階とを含む。

本発明では更に、無線通信システムのＵＥにおいてＲＲＣ接続プロセスを改善するための通信装置を開示する。当該通信装置は、プログラムを実行するＣＰＵ（中央処理装置）と、ＣＰＵに結合され、前記プログラムを記録する記憶装置とを含む。プログラムは、ＲＲＣ接続プロセスを実行する段階と、セル再選択の発生時にＳＲＢに対応する下位層プロトコルエンティティーをリセットか再確立する段階とを含む。

無線通信システムを表す説明図である。 無線通信装置のブロック図である。 図２に示すプログラムを表す説明図である。 本発明による方法のフローチャートである。

かかる方法及び装置の特徴を詳述するために、具体的な実施例を挙げ、図を参照にして以下に説明する。

図１を参照する。図１は無線通信システム１０００を表す説明図である。無線通信システム１０００は望ましくはＬＴＥシステムであり、概してネットワークと複数のＵＥ（ユーザー端末）を含む。図１に示すネットワークとＵＥは無線通信システム１０００の構造を説明するために用いるに過ぎない。実際、ネットワークは要求に応じて複数の基地局、ＲＮＣ（無線ネットワークコントローラー）を含みうる。ＵＥは携帯電話、コンピュータシステムなどの装置である。

図２を参照する。図２は無線通信装置１００のブロック図である。無線通信装置１００は図１に示すＵＥを実施するために用いられる。説明を簡素化するため、図２では無線通信装置１００の入力装置１０２、出力装置１０４、制御回路１０６、ＣＰＵ（中央処理装置）１０８、記憶装置１１０、プログラム１１２及びトランシーバー１１４のみ示している。無線通信装置１００では、制御回路１０６はＣＰＵ１０８を用いて記憶装置１１０に記録されたプログラム１１２を実行し、無線通信装置１００の動作を制御し、入力装置１０２（例えばキーボード）でユーザーが入力した信号を受信し、出力装置１０４（スクリーン、スピーカーなど）で映像、音声などの信号を出力する。無線信号を受発信するトランシーバー１１４は受信した信号を制御回路１０６に送信し、または制御回路１０６による信号を無線で出力する。言い換えれば、通信プロトコルに当てはめれば、トランシーバー１１４は第一層の一部とみなされ、制御回路１０６は第二層と第三層の機能を実施する。

図３を参照する。図３は図２に示すプログラム１１２を表す説明図である。プログラム１１２はアプリケーション層２００と、第三層インターフェイス２０２と、第二層インターフェイス２０６とを含み、第一層インターフェイス２１８に接続されている。第三層インターフェイス２０２はＲＲＣ層（無線リソース制御）インターフェイスを含み、ＲＲＣを実行する。第二層インターフェイス２０６はＲＬＣ（無線リンク制御）層インターフェイスとＭＡＣ（媒体アクセス制御）層インターフェイスを含み、リンク制御を実施する。第一層インターフェイス２１８は物理接続を実施する。なお、第三層インターフェイス２０２はＳＲＢを利用してネットワークのＲＲＣエンティティーとＲＲＣメッセージを交換し、種々のＲＲＣプロセスを実行する。

ＬＴＥ無線通信システムでは、ＵＥがＲＲＣ接続プロセスを実行するとき、第三層インターフェイス２０２は接続リクエストメッセージ（または接続再確立メッセージ）を生成し、更にＭＡＣ層でランダムアクセスプロセスを起動し、ＣＣＣＨを通して接続リクエストメッセージ（または接続再確立メッセージ）をネットワークに送信する。この場合、ＵＥでセル再選択が発生すれば、第三層インターフェイス２０２は新たな接続リクエストメッセージ（または接続再確立メッセージ）を生成し、下位層に送って新しく選ばれたセルに送信させる。それに鑑みて、本発明の実施例では下位層プロトコルエンティティーを正確にリセットか再確立し、後のＲＲＣ接続プロセスを完成させるために、プログラム１１２にＲＲＣ接続改善プログラム２２０を設ける。

図４を参照する。図４は本発明による方法４０のフローチャートである。下記方法４０は無線通信システム１０００のＵＥでＲＲＣ接続プロセスの改善に用いられる。

ステップ４００：開始。
ステップ４０２：ＲＲＣ接続プロセスを実行する。
ステップ４０４：セル再選択の発生時にＳＲＢに対応する下位層プロトコルエンティティーをリセットか再確立する。
ステップ４０６：終了。

以上のように、ＵＥでＲＲＣ接続プロセスを実行するときにセル再選択が発生すれば、本発明の実施例ではＳＲＢに対応する下位層プロトコルエンティティーをリセットか再確立する。下位層プロトコルエンティティーのリセットか再確立は、ＴＭモードのＲＬＣエンティティーの再確立と、ＭＡＣエンティティーのリセットを含む。

したがって、ＵＥでＲＲＣ接続プロセスを実行するときにセル再選択が発生すれば、本発明の実施例ではＳＲＢに対応する下位層プロトコルエンティティーをリセットか再確立し、前に生成したＲＲＣ接続メッセージを廃棄して実行中のランダムアクセスプロセスを停止する。そうすると、本発明の実施例は後のＲＲＣ接続プロセスを正確に実行することができる。また、誤った接続リクエストメッセージ（または接続再確立メッセージ）を新しく選ばれたセルに送信すること、および不正確なランダムアクセスプロセスを実行することを防ぐことができる。

望ましくは、前記ＲＲＣ接続プロセスはＲＲＣ接続確立プロセスまたはＲＲＣ接続再確立プロセスである。また、本発明の実施例では、ＴＭモードのＲＬＣエンティティーの再確立はＲＬＣエンティティーの伝送バッファの内容を消去し、伝送バッファ内すべて未送信のＰＤＵ（プロトコルデータユニット）を廃棄する段階を含む。

まとめて言えば、ＵＥでＲＲＣ接続プロセスを実行するときにセル再選択が発生すれば、本発明の実施例ではＳＲＢに対応する下位層プロトコルエンティティーをリセットか再確立することで、後のＲＲＣ接続プロセスを正確に実行し、エラーを防止することができる。

以上は本発明に好ましい実施例であって、本発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、当業者のなし得る修正、もしくは変更であって、本発明の精神の下においてなされ、本発明に対して均等の効果を有するものは、いずれも本発明の特許請求の範囲に属するものとする。

１００ 無線通信装置
１０２ 入力装置
１０４ 出力装置
１０６ 制御回路
１０８ ＣＰＵ
１１０ 記憶装置
１１２ プログラム
１１４ トランシーバー
２００ アプリケーション層
２０２ 第三層インターフェイス
２０６ 第二層インターフェイス
２１８ 第一層インターフェイス
２２０ ＲＲＣ接続改善プログラム
１０００ 無線通信システム

Claims (10)

1. 無線通信システムのＵＥ（ユーザー端末）においてＲＲＣ（無線リソース制御）接続プロセスを改善する方法であって、
   ＲＲＣ接続プロセスを実行する段階と、
   セル再選択の発生時にＳＲＢ（シグナリング無線ベアラ）に対応するＲＬＣ（無線リンク制御）エンティティーを再確立する段階と、を含み、
   前記ＲＬＣエンティティーはトランスペアレントモード（ＴＭ）を利用する、
   ＲＲＣ接続プロセスの改善方法。
2. 前記ＲＲＣ接続プロセスはＲＲＣ接続確立プロセスである、請求項１に記載のＲＲＣ接続プロセスの改善方法。
3. 前記ＲＲＣ接続プロセスはＲＲＣ接続再確立プロセスである、請求項１に記載のＲＲＣ接続プロセスの改善方法。
4. 前記ＳＲＢはＳＲＢ０である、請求項１から３の何れかに記載のＲＲＣ接続プロセスの改善方法。
5. 前記ＳＲＢに対応するＲＬＣエンティティーを再確立する段階は、前記ＲＬＣエンティティーの伝送バッファの内容を消去する段階を含む、請求項１に記載のＲＲＣ接続プロセスの改善方法。
6. 無線通信システムのＵＥにおいてＲＲＣ接続プロセスを改善するための通信装置であって、
   プログラムを実行するＣＰＵ（中央処理装置）と、
   前記ＣＰＵに結合され、前記プログラムを記録する記憶装置と、を含み、前記プログラムは、
   ＲＲＣ接続プロセスを実行するコードと、
   セル再選択の発生時にＳＲＢに対応するＲＬＣ（無線リンク制御）エンティティーを再確立するコードと、を含み、
   前記ＲＬＣエンティティーはトランスペアレントモード（ＴＭ）を利用する、
   通信装置。
7. 前記ＲＲＣ接続プロセスはＲＲＣ接続確立プロセスである、請求項６に記載の通信装置。
8. 前記ＲＲＣ接続プロセスはＲＲＣ接続再確立プロセスである、請求項６に記載の通信装置。
9. 前記ＳＲＢはＳＲＢ０である、請求項６から８の何れかに記載の通信装置。
10. 前記ＳＲＢに対応するＲＬＣエンティティーを再確立するコードは、前記ＲＬＣエンティティーの伝送バッファの内容を消去するコードを含む、請求項６に記載の通信装置。

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