JP4986505B2 - 糖尿病性血管障害および呼吸障害予防および/または治療剤 - Google Patents
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Description
足の潰よう・壊そなど糖尿病の足病変が増加し,長期の入院や足切断,QOLの低下など大きな問題となっている。足病変形成には,糖尿病の合併症としての神経障害や血管障害に加えて,持続的な高血糖状態による免疫力の低下が関係している(非特許文献1)。
糖尿病による血管障害には,糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症・糖尿病性神経障害などの細小血管障害と脳血管障害・虚血性心疾患・糖尿病性壊疽などの大血管障害がある (内海 真、"糖尿病教室 糖尿病合併症"、[online]、掲載日不明、内海内科クリニック、[平成17年2月10日検索]、<http://www.furano.ne.jp/utsumi/dm/complications.htm>)。また,糖尿病患者では,頚動脈肥厚度は高値であり,これに関連する危険因子は年齢・高血圧・脂質異常などである(非特許文献2)。
また,実験的糖尿病ラットでは,気管平滑筋の機能が低下している事が報告されており(非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5)、糖尿病による呼吸困難が懸念される。
今回,本発明者等は、式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物が糖尿病による血管あるいは気管平滑筋の機能異常を改善する事を見出し,本発明を完成させた。
〔1〕次の一般式(1)
で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物を有効成分として含有する、糖尿病性の血管障害および糖尿病性の呼吸障害のいずれか、または両方の予防および/または治療剤。
〔2〕R1がメチル基であり、Xが炭素数10〜28の直鎖状のアルキレン基である、〔1〕に記載の予防および/または治療剤。
〔3〕R2がメチル基である、〔2〕に記載の予防および/または治療剤。
〔4〕R3がメチル基である、〔2〕または〔3〕に記載の予防および/または治療剤。
〔5〕R1およびR2が水素原子である、〔1〕に記載の予防および/または治療剤。
〔6〕シクロヘキセノン長鎖アルコール化合物が、下記の化合物からなる群から選択されたいずれかの化合物である、〔1〕に記載の予防および/または治療剤;
3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(10−ヒドロキシデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(10−ヒドロキシデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(12−ヒドロキシドデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
4,4−ジメチル−3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(4,4−ジメチル−3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(12−ヒドロキシドデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(10−ヒドロキシデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(10−ヒドロキシデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン)
3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン)(TL;
3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(12−ヒドロキシドデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3-(12-ヒドロキシドデシル)-2,4,4,-トリメチル-2-シクロヘキセノン)
3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシドデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン)、および
3−(16−ヒドロキシヘキサデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(16−ヒドロキシヘキサデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン)。
〔7〕障害が、糖尿病性の血管障害である〔1〕に記載の予防および/または治療剤。
〔8〕障害が、糖尿病性の呼吸障害である〔1〕に記載の予防および/または治療剤。
〔9〕糖尿病性の呼吸障害が、睡眠時無呼吸症候群である〔8〕に記載の予防および/または治療剤。
i:前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物と薬学的に許容される担体を含む医薬組成物、および
ii:当該医薬組成物が糖尿病性の血管障害および糖尿病性の呼吸障害からなる群から選択された少なくとも1つの障害の、予防および治療のいずれか、または両方に使用できることを記載した指示書。
本発明において、Xは、炭素数10〜28の直鎖状アルキレン基が好ましく、炭素数10〜18の直鎖状アルキレン基が特に好ましい。また、R1、R2、およびR3は、それぞれ水素原子またはメチル基を示す。R1、R2、およびR3の少なくとも1個がメチル基である場合がより好ましい。更に、R1、R2、およびR3の全てがメチル基である化合物は、本発明における、より好ましい化合物である。また、別の態様において、R1およびR2が共に水素原子である場合も好ましい。前記一般式(1)で示される化合物には、各種の異性体が存在し得る。これらの異性体は本発明に含まれる。
化合物(4)とエチレングリコールとの反応は、無水パラトルエンスルホン酸などの縮合剤の存在下50〜120℃の温度で1〜10時間行うのが好ましい。
得られた化合物(6)のフェニルスルホニル基及びケタール保護基は、例えばパラトルエンスルホン酸等の酸を反応させることにより脱離させることができる。
すなわち、化合物(7)にω−ブロモアルコールを反応させて化合物(9)とし、次いでフェニルスルホニル基を脱離させて化合物(10)を得る。化合物(7)は、例えば、Synthesis, 1996, Nov. に準じて得ることができる。得られた化合物(10)のヒドロキシ基を保護して化合物(11)とした後、酸化して化合物(12)とする。更に化合物(12)のヒドロキシ保護基を脱離させることにより化合物(1a)が得られる。
本発明において、治療は予防を含む。糖尿病のような慢性疾患の患者においては、病態が継続している。したがって、治療目的として投与された薬剤の効果は、投与前から継続している病態に対しては治療効果を与える。同時に、投与の後に生じる病態に対しては予防的に作用する。すなわち本発明は、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物を有効成分として含有する、糖尿病性の血管障害および糖尿病性の呼吸障害のいずれか、または両方の予防および治療剤を提供する。あるいは本発明は、前記一般式(1)で表されるシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物を投与する工程を含む、糖尿病性の血管障害および糖尿病性の呼吸障害のいずれか、または両方の予防および治療方法に関する。
−血流障害に伴う合併症
−血液レオロジーの変化、メイラード反応生成物の蓄積
−眼障害
:糖尿病性網膜症、虚血性視神経症
−心・血管障害
:虚血性心疾患(心筋梗塞、冠動脈硬化症、狭心症)、糖尿病性心筋症
−脳血管障害
:脳梗塞、痴呆
−末梢血管障害による皮膚病変
:前脛骨部色素斑、糖尿病性水疱、播種状環状肉芽腫、リポイド類壊死症
−糖尿病性壊疽・潰瘍、動脈硬化症による皮膚病変
−虚血による糖尿病性骨症
たとえば微小血管障害は、微小血管(毛細血管)の病変を含む病態である。糖尿病の代表的な合併症である、糖尿病性の網膜症は、微小血管障害によってもたらされる病態である。したがって本発明は、糖尿病性の網膜症の予防および治療に有用である。一方、大血管障害は、動脈硬化性の血管障害である。網膜症と並ぶ糖尿病の合併症である、足の潰瘍や壊疽などの足病変には、大血管障害が密接に関連している。したがって本発明は、糖尿病に合併する足病変の予防および治療に有用である。
すなわち本発明に基づいて、糖尿病性の睡眠時無呼吸症候群患者に前記一般式(1)の構造を有するシクロヘキセノン長鎖アルコール化合物を投与する工程を含む、糖尿病性の睡眠時無呼吸症候群の治療方法が提供される。
経口用製剤を調製する場合、賦形剤、さらに必要に応じて、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により、錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、カプセル剤、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤、油性又は水性の懸濁液剤などとする。賦形剤としては、例えば、乳糖、コーンスターチ、白糖、ブドウ糖、ソルビット、結晶セルロースなどが挙げられる。結合剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、メチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
(1)ベンゼンスルフィニック酸ナトリウム10.25gをシクロヘキセノン5ml と水30ml の溶液に加えた。この溶液に1N塩酸60ml を滴下した。室温で24時間撹拌後、析出晶をろ過し、水、イソプロパノール、冷エーテルで洗浄した。イソプロパノールで再結晶し、白色結晶の3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン−1−オンを5.74g(融点83〜85℃)を得た。(収率97%)
製造例2:3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−シクロヘキセノン)(融点34〜35℃)。
製造例3:3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−シクロヘキセノン)(融点35〜36℃)。
製造例4:3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−シクロヘキセノン)(融点42〜43℃)。
製造例5:3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−シクロヘキセノン)(融点44〜45℃)。
(1)N,N−ジイソプロピルアミン7ml の20mlTHF溶液に−78℃にて、1.4Mのn−ブチルリチウム液35.4ml を滴下した。溶液を0℃で30分撹拌した。4−メチルシクロヘキサン−1−オン4ml の10mlTHF液に−78℃にて、先のLDA(lithium diisopropylamide)溶液を滴下した。−78℃で1時間撹拌後、トリメチルシリルクロライド6.5ml を滴下した。室温で1時間撹拌後、溶液を炭酸水素ナトリウム水に注ぎ、エーテルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去後、減圧蒸留によって精製し、4−メチル−1−(トリメチルシリルオキシ)−1−シクロヘキセン(薄層クロマトグラフィー/TLC:(ヘキサン-AcOEt:8-2)Rf=0.8 )5.83gを得た。(収率:96%)
製造例7:3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.21)。
製造例8:3−(12−ヒドロキシドデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.22)。
製造例9:3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.25)。
製造例10:3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.3)。
(1) ベンゼンスルフィニック酸ナトリウム5.98gを4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン3ml と水30ml の溶液に加えた。この溶液に1N塩酸40ml を滴下した。室温で24時間撹拌後、析出晶をろ過し、水、イソプロパノール、冷エーテルで洗浄した。イソプロパノールで再結晶し、白色結晶の4,4−ジメチル−3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン−1−オン(融点84〜86℃)を得た。(収率89%)
製造例12:3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.25)。
製造例13:3−(12−ヒドロキシドデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.27)。
製造例14:3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.3)。
製造例15:3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.3)。
(1)ベンゼンスルフィニック酸ナトリウム2.9gを2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン1.5gと水8ml の溶液に加えた。この溶液に1N塩酸16ml を滴下した。室温で24時間撹拌後、析出晶をろ過し、水、イソプロパノール、冷エーテルで洗浄した。イソプロパノールで再結晶し、白色結晶の2−メチル−3−(フェニルスルホニル)−シクロヘキサン−1−オン(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.25 )を得た。(収率93%)
製造例17:3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.24)。
製造例18:3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.26)。
製造例19:3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.28)。
製造例20:3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.3)。
(1)1−フェニルスルホニルメチル−2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン1g及びトリフェニルメタン4mg を含む乾燥THF(8ml )の溶液にアルゴンガス雰囲気下−78℃でn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.4M)4ml を加えた。10分間攪拌後、室温で攪拌しヘキサメチルリン酸トリアミド1.5mlを加えた。この温度で1時間30分後混合物を−78℃に冷却し、11−ブロモウンデカノール439mgをゆっくり加えた。混合物を−20℃で3時間攪拌し、飽和アンモニウムクロリド溶液40ml に加えた。得られた溶液をエーテルで抽出し、有機相を食塩水で洗浄後硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に溶媒留去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、白色固体として1−(12−ヒドロキシドデシル−1−フェニルスルホニル)−2,6,6−トリメチル−1−シクロヘキセン(TLC:(ヘキサン-AcOEt:6-4)Rf=0.43 )を622mg得た。
製造例22:3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:7-3)Rf=0.2)。
製造例23:3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:7-3)Rf=0.25)。
製造例24:3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:7-3)Rf=0.29)。
製造例25:3−(16−ヒドロキシヘキサデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(16−ヒドロキシヘキサデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン)(TLC:(ヘキサン-AcOEt:7-3)Rf=0.26)。
[試験方法]
8週齢の雄性SDラットを4群に分け、うち3群にストレプトゾトシン(以降、STZともいう)50mg/kgを腹腔内投与し糖尿病を誘発させた。この糖尿病モデルのうち、2群を被検物投与群として、2 mg/kgまたは 8mg/kgの製造例24で合成した化合物3-(15-ヒドロキシペンタデシル)-2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン(以下「化合物24」とする)を4週間1日1回連続腹腔内投与した。糖尿病モデルに「化合物24」を投与しなかったものを対照群、STZおよび「化合物24」投与をしなかったものを無処置群とした。
結果を図1、表1、表2に示す。粘膜上皮(+)標本、粘膜上皮(-)標本いずれにおいても、カルバコール誘発性気管平滑筋収縮を引き起こした場合、対照群は無処置群に比較しEmaxが増大したが、「化合物24」の投与により濃度依存的にその増大が抑えられる傾向がみられた。また、ED50についても、対照群は無処置群に比較し減少したが、「化合物24」の投与により投与量依存的にその減少が抑えられた。以上の結果から、「化合物24」は気管平滑筋収縮の改善傾向を示した。
[試験方法]
8週齢の雄性SDラットを4群に分け、うち3群にストレプトゾトシン(以降、STZともいう)50mg/kgを腹腔内投与し糖尿病を誘発させた。この糖尿病モデルのうち、2群を被検物投与群として,製造例24で合成した「化合物24」(2 mg/kgまたは 8mg/kg)を4週間1日1回連続腹腔内投与した。糖尿病モデルに「化合物24」投与しなかったものを対照群、STZおよび「化合物24」投与をしなかったものを無処置群とした。
結果を図2、表3、表4に示す。内皮(+)標本、内皮(-)標本いずれにおいても、U-46619誘発性血管平滑筋収縮を引き起こした場合、対照群は無処置群に比較しEmaxが増大したが,「化合物24」の投与により投与量依存的にその増大が抑えられた。この傾向は内皮(-)標本の方がより顕著であり、対照群は無処置群に比較して有意なEmax増大がみられた。さらに、「化合物24」を2mg/kg、8mg/kg投与した群においては対照群に比較し、有意なEmax増大の抑制が観察された。また、内皮(+)標本においても「化合物24」を8mg/kg投与した群は、対照群に比較して有意なEmax増大の抑制が観察された。一方、ED50は、群間に差異はみられなかった。以上の結果から、「化合物24」に血管平滑筋収縮を抑制する作用が見出された。
Claims (7)
- R1がメチル基であり、Xが炭素数10〜28の直鎖状のアルキレン基である、請求項1に記載の予防および/または治療剤。
- R2がメチル基である、請求項2に記載の予防および/または治療剤。
- R3がメチル基である、請求項2または3に記載の予防および/または治療剤。
- R1およびR2が水素原子である、請求項1に記載の予防および/または治療剤。
- シクロヘキセノン長鎖アルコール化合物が、下記の化合物からなる群から選択されたいずれかの化合物である、請求項1に記載の予防および/または治療剤;
3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(10−ヒドロキシデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(10−ヒドロキシデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(12−ヒドロキシドデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4−メチル−2−シクロヘキセノン);
4,4−ジメチル−3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセン−1−オン(4,4−ジメチル−3−(10−ヒドロキシデシル)−2−シクロヘキセノン);
3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(12−ヒドロキシドデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−4,4−ジメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(10−ヒドロキシデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(10−ヒドロキシデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン)
3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(11−ヒドロキシウンデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(12−ヒドロキシドデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン)(TL;
3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2−メチル−2−シクロヘキセノン);
3−(12−ヒドロキシドデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3-(12-ヒドロキシドデシル)-2,4,4,-トリメチル-2-シクロヘキセノン)
3−(13−ヒドロキシトリデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(13−ヒドロキシドデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(14−ヒドロキシテトラデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン);
3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(15−ヒドロキシペンタデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン)、および
3−(16−ヒドロキシヘキサデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン(3−(16−ヒドロキシヘキサデシル)−2,4,4−トリメチル−2−シクロヘキセノン)。 - 糖尿病性の呼吸障害が、睡眠時無呼吸症候群である請求項1〜6のいずれかに記載の予防および/または治療剤。
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