JP4980967B2 - 健康用紐草履 - Google Patents

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Description

本発明は室内で履かれる健康用紐草履に関する。
従来、紐草履としては、合成樹脂製の紐や細長い裁断布片を用いて編み上げたものが多く知られている。特に健康用紐草履としては、特開2007−236891が提案されている。これは細長い裁断片を用いて編み上げた草鞋状の健康履物の底部(草履本体)最前縁に、足の各指間にそれぞれ挟まれる4本の鼻緒を設けたものであり、更に草履本体の上で刺激を与えたい部位に、単一或いは複数の直方体、球体、楕円体、樽状体、円柱体、円錐体又はこれらの一部の形状を持つ突起物を結わい付け或いは縫い付けたものであった。この目的は、複数の足指間に鼻緒を設けることで、歩行時に足指と足裏のつぼに刺激を与え、足裏と草鞋の相対関係を一定に保ち、併せて指間を清潔に保つことが可能な4本の鼻緒を持つ草鞋状の健康履物の提供であった。
しかしながら特開2007−236891は、草履本体の前部から足指が出て床面に接触しながら刺激を得るものであるため、歩行中に家具や物体に足指がぶつかって傷や打撲を受け易いと共に足指に床面の汚れが付着してしまう結果となっていた。更に草履本体上部の突起物は健康サンダル等に見られる凹凸部の役目以外の効果はなかった。
特開2007−236891号公報
本発明は足指の血行が良くなり、その足指の筋力強化が図れると共に土踏まずを刺激し、且つ全身の筋肉のバランスが整えられる健康用紐草履を提供することを目的とする。
また本発明の他の目的は、布紐の剛性を高めて足に対する刺激を高めると共に足の甲側も刺激して、骨格の矯正が可能となる健康用紐草履を提供するにある。
本発明は上記現状に鑑み成されたものであり、つまり、先端部の角度を鋭角にすると共に後端部を土踏まず付近まで短くした草履本体と、該草履本体の土踏まず部の下方に設けた凸部とから少なくとも構成させる。また前記草履本体を、土台用の合成樹脂製の芯縄と、該芯縄の間に編み込むための布紐とから成すと共に、該布紐として、合成樹脂製の芯縄を中に入れた布紐にするのが好ましい。又、前記草履本体の鼻緒をきつく取付け、前記凸部を草履本体の土踏まず部の下方から先端部の下方に渡って設けると良い。尚、本発明で言う「後端部を土踏まず付近まで短く」とは、踵が後端部に少し乗る状態だけを示すのではなく、後端部が踵からずれて土踏まずに掛かる状態も含まれるものとする。
請求項1のように草履本体(1)の先端部(11)の角度(θ)を鋭角にすることにより、足指がはみ出し、足指が先端部(11)をつかんで力が入り易くなるため、血行が良くなる。また草履本体(1)の後端部(12)を土踏まず付近まで短くすることにより、常につま先で立つ状態となるため、足指の筋力強化が図れる。更に草履本体(1)の土踏まず部(13)の下方に凸部(3)を設けることにより、履いた時に土踏まずの高さを強制的に保って踵が落ちなくなると共に土踏まずを刺激するものとなり、且つ、履いた時に凸部(3)だけが床面に接触するので不安定になるが、その不安定を矯正するために全身の筋肉が反応し、筋肉のバランスが整えられる役目を果す効果が得られる。
請求項2のように草履本体(1)を、土台用の合成樹脂製の芯縄(4)と、該芯縄(4)を中に入れた布紐(5)とで編み上げることにより、草履本体(1)の剛性が高められ、且つ布だけの紐よりも足に対する刺激が高められると共に芯縄(4)だけで編まれたものよりも感触が良く、程よい刺激が得られる。
請求項3に示すように草履本体(1)に付けた鼻緒(2)をきつく取付けることにより、足の甲側が刺激され、骨格の矯正が行えるものとなると共に履いた時に草履全体が足にフィットするものとなる。
請求項4に示すように凸部(3)を草履本体(1)の土踏まず部(13)の下方から先端部(11)の下方に渡って設けることにより、土踏まずだけでなくそれよりも前側の足の裏も刺激するものとなると共に履いた時にアイススケート靴を履いた状態の如く不安定になるため、全身の筋肉のバランスが整えられると共に姿勢も良くなる。
図1〜図3は本発明の実施形態を示す図であり、この図に基づいて説明する。(1)は先端部(11)の角度(θ)を鋭角にすると共に後端部(12)を土踏まず付近まで短くした草履本体であり、該草履本体(1)は土台用の合成樹脂製の芯縄(4)と布紐(5)とによって編み上げられている。前記角度(θ)としては、先端部(11)から足指が出てその先端部(11)を強く捕まえられる角度であれば良い。また後端部(12)は踵がはみ出る位置程度とするのが良い。尚、前記芯縄(4)にポリプロピレンロープなどを用い、前記布紐(5)には、芯縄(4)を芯とし、その周囲に綿布で被覆したものを用いると良い。
(2)は草履本体(1)にきつく取付けられた鼻緒であり、該鼻緒(2)は綿組紐(6)を編んで用いる。(3)は草履本体(1)の土踏まず部(13)の下方に設けた凸部であり、該凸部(3)は布紐(5)或いは綿組紐(6)又は両方で編み込んで設ける。この時、図4に示すように凸部(3)を、土踏まず部(13)の下方から先端部(11)の下方に渡って設けたものとしても良い。
次に本発明の編み上げ方法を図5に基づいて説明する。予めハサミと鈎針及びクリップを用意する。また土台用の芯縄(4)として、太さ8mmのポリプロピレンロープを2mに切ったものを用意し、該芯縄(4)の周囲に綿布で被覆した布紐(5)を4.3mに切ったものを用意し、鼻緒用の綿組紐(6)として、赤や青などの鮮やかなものを1.3mに切ったものを用意すると共に前つぼ用の綿組紐(6)として、0.4mに切ったものを2本用意しておく。
先ず始めに土台用の芯縄(4)を(a)に示すようにその両端に結び目を作る。それを図示しない治具にセットして草履本体(1)の先端部(11)から後端部(12)に向って編み上げて行く。この時、先ず布紐(5)の7〜8cmの位置を芯縄(4)の中心から、左側に下から上に折返す。折返した布紐(5)は短い方の後ろを通って前に出す。前に出てきた布紐(5)は折返し、短い方の前を通り、左側に渡す。これで短い方の前後を一往復させたことになる。結び目を作った2本の芯縄(4)を持って来て(b)に示すように一緒に編む。この時、芯縄(4)の両端を一緒に握ると作業が行い易くなる。次に真ん中の芯縄(4)を一緒に編む作業を1往復する。そして芯縄(4)が(c)のように1本ずつに分けられ、布紐(5)を前記芯縄(4)の上下、上下の順に通して編み込んで行く。芯縄(4)の間に指を入れ、網目をしっかり押えて目を編む。尚、この時、6段目辺りから幅が狭くならないように注意しながら8cm幅を維持して編み上げる。17段(13cm)まで編み込み、端を(d)に示すようにクリップで止めて中断する。
次に鼻緒(2)を付ける作業を行う。先ず始に綿組紐(6)を右端の芯縄(4)に掛けると共に内側を50cmの長さとし、2つに折った綿組紐(6)を片方ずつ左右に回転させるように持ち替えて、両方の綿組紐(6)を組合せて行く。この時、右手も左手も同じ方向に同じだけひねって(e)のように撚りを掛けて行く。21cmまで撚りを掛ける。撚りを掛けた綿組紐(6)の端部を左側に持って行く。この時、短い方は外側へ、長い方は内側に置いておく。次に外側にある短い方を指でしっかり押えながら芯縄(4)と長い方の綿組紐(6)の後ろを通して前に出す。前に出した綿組紐(6)をきつく巻付けると共に8の字を書くように綿組紐(6)を左端の芯縄(4)に巻付ける。短い方の綿組紐(6)は左から2番の芯縄(4)まで編んで中断する。長い方の綿組紐(6)は順に左から2本目の芯縄(4)の下に、左から3本目の芯縄(4)の上に、4本目の芯縄(4)の下にして順次編み、4本目の芯縄(4)に来たらきつく巻き、鼻緒(2)に巻付けたら4本目の芯縄(4)の上を通し、上下に通して編み込む。そして右側まで持って来たら、布紐(5)と4本目の芯縄(4)を一緒に巻付け、後ろに綿組紐(6)を出してそのままにしておく。布紐(5)は左から3本目と4本目の芯縄(4)の下を通り、左から2本目の芯縄(4)の上を通して(f)に示す如くそのまま編み上げて行く。
その後、草履本体(1)の踵側である後端部(12)を仕上げる。先ず布紐(5)を4段目まで上下に編み込み、布紐(5)を左まで持って行く。次に左から1本目の芯縄(4)に布紐(5)を(g)に示すように1回巻付ける。更に左から1本目と2本目の芯縄(4)を一緒にして布紐(5)を2回巻付け、巻付けた芯縄(4)を治具から外して引張る。この時、完全に引張らずに少し余裕を残しておく。もう一方の布紐(5)を引張って芯縄(4)に1回巻付け、(h)のように形を整え、最後にしっかり布紐(5)を引くことにより、後端部(12)は仕上げられるのである。残った芯縄(4)は後で処理する。
次に前つぼを付ける。予め40cmの綿組紐(6)を半分にして鼻緒側の綿組紐(6)にくぐらせる。つま先から1cm程度の所の中心に図示しない鈎針を使って入れる。後ろに来た前つぼの綿組紐(6)は一度結ぶ。後ろに出ている芯縄(4),布紐(5),綿組紐(6)は、それぞれ鈎針を使って網目にくぐらせて、凸部(3)を設ける。編み上げた後、不要な芯縄(4),布紐(5),綿組紐(6)を切り落として完成する。この結果、長さ18cm、後端部(12)側の幅8cm、鼻緒(2)の後端位置が後端部(12)縁から5cmである本発明品が完成された。尚、本発明品の編み上げ方法は上記に限定されるものではない。
次に本発明の作用について説明する。先ず本発明品を履くと、踵が図1に示すように草履本体(1)の後端部(12)からはみ出るが、土踏まず部(13)の下方に設けた凸部(3)によって、土踏まずの高さが強制的に保たれるため、踵が落ちる恐れがなくなる。この時、前かがみになって不安定になる。しかしながら、草履本体(1)の先端部(11)の角度(θ)が鋭角としたことによって、足指が先端部(11)からはみ出し、足の重心が指側になり、足指が草履本体(1)の先端部(11)の上縁をより強く捕まえて踏ん張ることができ、常につま先で立つ状態となる。この結果、足指の筋力強化が図れるものとなる。しかも不安定な状態を矯正するために全身の筋肉が反応し、筋肉のバランスが整えられ、且つ、土踏まずを刺激して血行が良くなると共に足指が床面に接触しにくくなり、足指の裏が汚れにくいものとなる。更に凸部(3)を草履本体(1)の土踏まず部(13)の下方から先端部(11)の下方まで設ければ、足裏の略全体が刺激されるものとなる。又、先端部(11)の下方だけに凸部(3)を設けると、該凸部(3)によって足指が広がり、各指が先端部(11)の縁につかみ易くなる。
本発明の実施形態を示す説明図である。 本実施形態の平面図である。 本実施形態の裏面図である。 本実施形態の凸部が土踏まず部から先端部に設けられた裏面図である。 本発明品の編み上げ工程を示す説明図である。
符号の説明
1 草履本体
11 先端部
12 後端部
13 土踏まず部
2 鼻緒
3 凸部
4 芯縄
5 布紐
θ 角度

Claims (4)

  1. 先端部(11)の角度(θ)を鋭角にすると共に後端部(12)を土踏まず付近まで短くした草履本体(1)と、該草履本体(1)の土踏まず部(13)の下方に設けた凸部(3)とから少なくとも構成させたことを特徴とする健康用紐草履。
  2. 前記草履本体(1)が、土台用の合成樹脂製の芯縄(4)と、該芯縄(4)の間に編み込むための布紐(5)とから成されると共に、該布紐(5)が前記芯縄(4)を中に入れた布製である請求項1記載の健康用紐草履。
  3. 前記草履本体(1)に付けた鼻緒(2)が、きつく取付けられた請求項1又は2記載の健康用紐草履。
  4. 前記凸部(3)が、前記草履本体(1)の土踏まず部(13)の下方から先端部(11)の下方に渡って設けられた請求項1記載の健康用紐草履。
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