JP4978459B2 - ナット - Google Patents

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Description

本発明は、ナットに関し、さらに詳しくは、ナットにかかる引抜き力及び回転トルクに対する強度を向上させ得ると共に、圧入バリの発生を抑制することができるナットに関する。
従来のナットの固定方法として、樹脂材にナットを加熱圧入して固定する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、このように加熱圧入されるナットとしては、例えば、図6に示すように、ナット本体2Aの外周面側にアヤ目溝16Aからなるローレットを形成してなるナット1Aが一般に知られている。さらに、例えば、図7に示すように、ナット本体2Bの外周面側に、傾斜方向が異なる上下のスクリュウ溝17B,17B及び両スクリュウ溝の間に設けられる横溝18Bからなるローレットを形成してなるナット1Bが一般に知られている。
なお、樹脂材に冷間圧入されるナットとして、ナット頭部の外周面側にスクリュウ溝からなるローレットを形成してなるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−295226号公報 特開平8−291815号公報
ところで、上記従来のナットの固定方法において、ナットの圧入開始時に、ナットの圧入端側では、その熱が樹脂材に奪われ冷え易く樹脂が溶け難い状態となっており、ナットの圧入が進むにしたがって、ナットの反圧入端側では、ナット全体の熱が樹脂材に十分に伝わり樹脂が溶け易い状態となる。
しかし、上記従来のナット1A,1Bでは、ナット本体の軸心方向にわたってローレットの溝深さ及び溝幅が一様であるため、ナット本体の反圧入端側ではローレットの溝内に樹脂がある程度十分に浸入されるが、ナット本体の圧入端側ではローレットの溝内に樹脂が十分に浸入されない。その結果、ナット本体の軸心方向にわたってローレットの溝内に高密度且つ均等に樹脂が浸入されず、ナットにかかる引抜き力及び回転トルクに対する強度が低下してしまう。従って、振動等で生じる引抜き力によりナットが引抜かれたり、ボルトを螺着する際にナットが連れ回りしたりしてしまう恐れがある。さらに、樹脂材の表面側に押し出される樹脂が多く圧入バリが生じ易く、その圧入バリによりナットを適正な姿勢で固定できない恐れがある。
特に、上記従来のナット1Aでは、アヤ目溝16Aからなるローレットが形成されているため、ナットの圧入時にナットが軸心回りに回転されない。また、上記従来のナット1Bでは、傾斜方向が異なる上下のスクリュウ溝17B,17Bからなるローレットが形成されているため、ナットの圧入時にナットが軸心回りに回転され難い。その結果、上記従来のナット1A,1Bでは、ローレットの溝内への樹脂回りが悪く圧入バリが極めて生じ易い。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、ナットにかかる引抜き力及び回転トルクに対する強度を向上させ得ると共に、圧入バリの発生を抑制することができるナットを提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.樹脂材に加熱圧入されるナット本体を備えるナットであって、
前記ナット本体の外周面側には、該ナット本体の軸心に対して傾斜する所定の傾斜方向に延び且つ該ナット本体の軸心方向にわたって設けられる複数のスクリュウ溝、及び該複数のスクリュウ溝と交差し且つ該ナット本体の円周方向に延且つ該ナット本体の軸心方向に互いに離間して設けられる複数の横溝が形成されており、
前記複数の横溝のうちの前記ナット本体の圧入端側の少なくとも1つの第1横溝の溝深さ(D1)は、前記ナット本体の反圧入端側の少なくとも1つの第2横溝の溝深さ(D2)より小さく、
前記第1横溝の溝幅(W1)は、前記第2横溝の溝幅(W2)より小さく、
前記第1横溝及び前記第2横溝のそれぞれの縦断面形状はノコ刃状であることを特徴とするナット。
2.前記第1横溝の溝深さ(D1)と前記第2横溝の溝深さ(D2)との比(D1/D2)は0.3〜0.6であり、前記第1横溝の溝幅(W1)と前記第2横溝の溝幅(W2)との比(W1/W2)は0.3〜0.6である上記1.記載のナット。
3.前記スクリュウ溝の縦断面形状はノコ刃状である上記1.又は2.に記載のナット。
本発明のナットによると、複数の横溝のうちのナット本体の圧入端側の少なくとも1つの横溝の溝深さを、ナット本体の反圧入端側の少なくとも1つの横溝の溝深さより小さくしたので、ナット本体の圧入端側では、溝深さが比較的浅い横溝内に樹脂が十分に侵入されると共に、ナット本体の反圧入端側では、溝深さが比較的深い横溝内に樹脂が十分に侵入される。その結果、ナット本体の軸心方向にわたって複数の横溝内に高密度且つ均等に樹脂が浸入されて、ナットにかかる引抜き力及び回転トルクに対する強度を向上させ得ると共に、樹脂材の表面側に押し出される樹脂を低減させて圧入バリの発生を抑制することができる。また、ナット本体の外周面側には、複数のスクリュウ溝及び複数の横溝が形成されているので、スクリュウ溝によりナットの圧入時にナットが軸心回りに円滑に回転されてスクリュウ溝及び横溝内への樹脂回りが良好となり、圧入バリの発生をより確実に抑制することができる。
また、前記ナット本体の圧入端側の少なくとも1つの横溝の溝幅が、前記ナット本体の反圧入端側の少なくとも1つの横溝の溝幅より小さいので、ナット本体の圧入端側では、溝深さが比較的浅く且つ溝幅が比較的狭い横溝内に樹脂が十分に侵入されると共に、ナット本体の反圧入端側では、溝深さが比較的深く且つ溝幅が比較的広い横溝内に樹脂が十分に侵入される。従って、ナットにかかる引抜き力及び回転トルクに対する強度をさらに向上させ得ると共に、圧入バリの発生をより確実に抑制できる。
また、前記横溝の縦断面形状がノコ刃状であるので、ナットに引抜き力及び回転トルクがかかる際にノコ刃状の横溝が侵入樹脂に引っ掛かるので、引抜き力及び回転トルクに対する強度をさらに向上させることができる。
さらに、前記スクリュウ溝の縦断面形状がノコ刃状である場合は、ナットに引抜き力及び回転トルクがかかる際にノコ刃状のスクリュウ溝が浸入樹脂に引っ掛かるので、引抜き力及び回転トルクに対する強度をさらに向上させることができる。
1.ナット
本実施形態1.に係るナットは、樹脂材に加熱圧入されるナット本体を備えている。このナットは、例えば、ナット本体の反圧入端側に連なり且つナット本体より大径の頭部を更に備えることができる。
上記「ナット本体」は、その外周面側に複数のスクリュウ溝及び複数の横溝が形成されている限り、その形状、大きさ、材質等は特に問わない。このナット本体には、通常、その中心孔に雌ネジが形成されている。
上記「複数のスクリュウ溝」は、上記ナット本体の軸心に対して傾斜して延びる限り、その構造、形状、大きさ等は特に問わない。これら複数のスクリュウ溝は、例えば、ナット本体の軸心方向にわたって設けられていることができる。これにより、ナットを回転させ円滑に圧入できる。
上記スクリュウ溝の傾斜角SRは、例えば、45〜60度であることができる(図2参照)。これにより、ナット圧入時にナットをより円滑に回転させることができる。また、スクリュウ溝の傾斜方向は、例えば、ナット本体に形成された雌ネジの螺旋と同じ方向であることができる。これにより、ボルトを螺着する際のナットの連れ回りをより確実に防止できる。
なお、上記スクリュウ溝の溝深さ及び溝幅の値は、例えば、ナットの大きさ、樹脂材の種類等に応じて適宜選択することができる。このスクリュウ溝の溝深さSDは、例えば、0.2〜0.5mmであることができる(図4参照)。また、スクリュウ溝の溝幅SWは、例えば、0.2〜0.5mmであることができる(図4参照)。
上記スクリュウ溝の縦断面形状としては、例えば、ノコ刃状、山状、矩形状、台形状、円弧状、異形状等を挙げることができる。これらのうち、引抜き力及び回転トルクに対する強度をより向上させ得るといった観点から、ノコ刃状であることが好ましい。このノコ刃状は、例えば、軸方向に垂直な平面を有することができる。
上記「複数の横溝」は、上記複数のスクリュウ溝と交差し且つナット本体の円周方向に延びる限り、その構造、形状、大きさ等は特に問わない。これら複数の横溝は、例えば、ナット本体の軸心方向にわたって所定のピッチ間隔Pで設けられていることができる(図2参照)。これにより、ナット本体の軸方向にわたって引抜き力及び回転トルクを分散させることができる。
上記複数の横溝のうちのナット本体の圧入端側の少なくとも1つの横溝の溝深さD1は、ナット本体の反圧入端側の少なくとも1つの横溝の溝深さD2より小さくなっている(図2及び5参照)。この場合、例えば、上記複数の横溝の溝深さはナット本体の圧入端側に向かって順次小さくなっていることができる。この順次小さくなる形態としては、例えば、(1)複数組毎の横溝の溝深さがナット本体の圧入端側に向かって順次小さくなる形態、(2)1つ毎の横溝の溝深さがナット本体の圧入端側に向かって順次小さくなる形態等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。また、上記順次小さくなる形態では、ナット本体の軸心方向にわたって横溝内への樹脂の浸入性を高め得る限り、上記複数の横溝において、ナット本体の圧入端側の横溝の溝深さが反圧入端側の横溝の溝深さより大きくなる箇所が存在していてもよい。
上記横溝の溝深さD1及び横溝の溝深さD2の値は、ナットの大きさ、樹脂材の種類等に応じて適宜選択することができる。この横溝の溝深さD1は、例えば、0.1〜0.3mmであることができる。また、横溝の溝深さD2は、例えば、0.3〜0.6mmであることができる。さらに、上記横溝の溝深さD1と横溝の溝深さD2との比(D1/C2)は、例えば、0.1〜0.8(好ましくは0.3〜0.6)であることができる。
ここで、例えば、上記ナット本体の圧入端側の少なくとも1つの横溝の溝幅W1は、ナット本体の反圧入端側の少なくとも1つの横溝の溝幅W2より小さくなっていることができる(図2及び5参照)。この場合、例えば、上記複数の横溝の溝幅はナット本体の圧入端側に向かって順次小さくなっていることができる。この順次小さくなる形態としては、例えば、(1)複数組毎の横溝の溝幅がナット本体の圧入端側に向かって順次小さくなる形態、(2)1つ毎の横溝の溝幅がナット本体の圧入端側に向かって順次小さくなる形態等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。また、上記順次小さくなる形態では、ナット本体の軸心方向にわたって横溝内への樹脂の浸入性を高め得る限り、上記複数の横溝において、ナット本体の圧入端側の横溝の溝幅が反圧入端側の横溝の溝幅より大きくなる箇所が存在していてもよい。
上記横溝の溝幅W1及び横溝の溝幅W2の値は、ナットの大きさ、樹脂材の種類等に応じて適宜選択することができる。この横溝の溝幅W1は、例えば、0.1〜0.3mmであることができる。また、横溝の溝幅W2は、例えば、0.3〜0.6mmであることができる。また、上記横溝の溝幅W1と横溝の溝幅W2との比(W1/W2)は、例えば、0.1〜0.8(好ましくは0.3〜0.6)であることができる。さらに、横溝の溝幅W1及び横溝の溝幅W2は、例えば、上述の横溝のピッチ間隔Pの30〜70%であることができる。
上記横溝の縦断面形状としては、例えば、ノコ刃状、山状、矩形状、台形状、円弧状、異形状等を挙げることができる。これらのうち、引抜き力及び回転トルクに対する強度をより向上させ得るといった観点から、ノコ刃状であることが好ましい。このノコ刃状は、例えば、軸方向に垂直な平面を有することができる。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)ナットの構成
本実施例に係るナット1は、金属製であり、図1〜3に示すように、樹脂製のシリンダヘッドカバー6(本発明に係る「樹脂材」として例示する。図2中に仮想線で示す。)の下孔に加熱圧入されるナット本体2と、このナット本体2の反圧入端側に連なり且つナット本体2より大径の頭部3と、を備えている。このナット本体2の中心孔の内周面側には、ナット本体2の軸心方向にわたって雌ネジ4が形成されている。また、ナット本体2の圧入端側には、シリンダヘッドカバー6の下孔に案内導入されるテーパ状部5(図2参照)が形成されている。さらに、ナット本体2の外周面側には、複数のスクリュウ溝7及び複数の横溝8a〜8dが形成されている。
上記複数のスクリュウ溝7は、ナット本体2の軸心に対して傾斜して延びており、ナット本体2の軸心方向の略全長にわたって設けられている。これらのスクリュウ溝2の傾斜方向は、上記雌ネジ4の螺旋と同じ右ねじ方向となっている。
なお、本実施例では、上記スクリュウ溝7の傾斜角SR(図2参照)は50度に設定されている。また、上記スクリュウ溝7は、図4に示すように、その溝深さSDが0.3mmに設定され、その溝幅SWが0.3mmに設定されている。
また、スクリュウ溝7は、図4に示すように、ナット本体2の外周面から溝深さ方向に延びる第1平面10と、この第1平面10の最深端からナット本体2の外周面まで溝深さ方向に傾斜して延びる第2平面11と、を有している。そして、スクリュウ溝7の縦断面形状は、軸方向に垂直な上側平面を有するノコ刃状となっている。これに対して、従来一般的なスクリュウ溝は、その縦断面形状が山状となっている。
上記複数の横溝8a〜8dは、図2及び5に示すように、上記複数のスクリュウ溝7と交差し且つナット本体2の円周方向に延びている。これらの横溝8a〜8dは、ナット本体2の軸心方向の略全長にわたって等ピッチ間隔Pで設けられている。また、複数の横溝8a〜8dのうちのナット本体2の圧入端側の横溝8a,8bの溝深さD1及び溝幅W1は、ナット本体2の反圧入端側の横溝8c,8dの溝深さD2及び溝幅W2より小さな値に設定されている。
なお、本実施例では、上記ピッチ間隔Pは1.2mmに設定されている。また、横溝8a,8bは、その溝深さD1が0.2mmに設定され、その溝幅W1が0.2mmに設定されている。また、横溝8c,8dは、その溝深さD2が0.4mmに設定され、その溝幅W2が0.4mmに設定されている。従って、上記溝深さD1と溝深さD2との比(D1/C2)は0.5となっており、上記溝幅W1と溝幅W2との比(W1/W2)は0.5となっている。
さらに、上記横溝8a〜8dは、図5に示すように、ナット本体2の外周面から溝深さ方向に延びる第1平面13と、この第1平面13の最深端からナット本体2の外周面まで溝深さ方向に傾斜して延びる第2平面14と、を有している。そして、横溝8a〜8dの縦断面形状は、軸方向に垂直な上側平面を有するノコ刃状となっている。これに対して、従来一般的な横溝は、その縦断面形状が山状となっている。
(2)ナットの作用
次に、上記構成のナット1の作用について説明する。
先ず、ナット1を適宜ヒータ等によりシリンダヘッドカバー6の融点以上の高温に加熱しておく。次に、その加熱状態のナット1をシリンダヘッドカバー6の下孔に圧入させる。すると、ナット1は、スクリュウ溝7により軸心回りに回転されつつ、その熱で溶かされる樹脂が複数のスクリュウ溝7及び横溝8a〜8d内に侵入されシリンダヘッドカバー6に固定されることとなる。
ここで、上記ナット1の圧入開始時に、ナット1の圧入端側では、その熱がシリンダヘッドカバー6に奪われ冷え易く樹脂が溶け難い状態となっているが、溝深さD1が比較的浅く且つ溝幅W1が比較的狭い横溝8a,8b内に樹脂が十分に侵入される。一方、ナット1の圧入が進むにしたがって、ナット1の反圧入端側では、ナット1全体の熱がシリンダヘッドカバー6に十分に伝わり樹脂が溶け易い状態となり、溝深さD2が比較的深く且つ溝幅W2が比較的広い横溝8c,8d内に樹脂が十分に侵入される。
(3)実施例の効果
以上より、本実施例では、複数の横溝8a〜8dのうちのナット本体2の圧入端側の横溝8a,8bの溝深さD1及び溝幅W1を、ナット本体2の反圧入端側の横溝8c,8dの溝深さD2及び溝幅W2より小さな値に設定したので、ナット本体2の圧入端側では、溝深さD1が比較的浅く且つ溝幅W1が比較的狭い横溝8a,8b内に樹脂が十分に侵入されると共に、ナット本体2の反圧入端側では、溝深さD2が比較的深く且つ溝幅W2が比較的広い横溝8c,8d内に樹脂が十分に侵入される。その結果、ナット本体2の軸心方向にわたって複数の横溝8a〜8d内に高密度且つ均等に樹脂が浸入されて、ナットにかかる引抜き力及び回転トルクに対する強度を向上させることができる。従って、振動等で生じる引抜き力によりナットが引抜かれたり、ボルトを螺着する際にナットが連れ回りしたりしてしまうことを抑制できる。さらに、シリンダヘッドカバー6の表面側に押し出される樹脂を低減させて圧入バリの発生を抑制することができる。従って、圧入バリによりナットが不適正な姿勢で固定されてしまうことを抑制できる。
また、本実施例では、ナット本体2の外周面側に、複数のスクリュウ溝7及び複数の横溝8a〜8dを形成したので、スクリュウ溝7によりナットの圧入時にナット1が軸心回りに円滑に回転されてスクリュウ溝7及び横溝8a〜8d内への樹脂回りが良好となり、圧入バリの発生をより確実に抑制することができる。
また、本実施例では、横溝8a〜8dの縦断面形状をノコ刃状としたので、ナット1に引抜き力及び回転トルクがかかる際にノコ刃状の横溝8a〜8dが侵入樹脂に引っ掛かり、従来のように山状の横溝を設けるものと比べて、引抜き力及び回転トルクに対する強度をさらに向上させることができる。
また、本実施例では、スクリュウ溝7の縦断面形状をノコ刃状としたので、ナット1に引抜き力及び回転トルクがかかる際にノコ刃状のスクリュウ溝7が浸入樹脂に引っ掛かり、従来のように山状のスクリュウ溝を設けるものと比べて、引抜き力及び回転トルクに対する強度をさらに向上させることができる。
また、本実施例では、複数のスクリュウ溝7を、ナット本体2の軸心方向の略全長にわたって設けたので、ナット1圧入時にナット1をより円滑に回転させてスクリュウ溝7及び横溝8a〜8d内への樹脂回りをより良好なものとすることができる。また、複数の横溝8a〜8dを、ナット本体2の軸心方向の略全長にわたって所定の等ピッチ間隔Pで設けたので、ナット本体2の軸方向にわたって引抜き力及び回転トルクがより均等に分散され、引抜き力及び回転トルクに対する強度をさらに向上させることができる。
また、本実施例では、ナット本体2の圧入端側にテーパ状部5を設けたので、そのテーパ状部5をシリンダヘッドカバー6の下孔に容易に導入することができる。
さらに、本実施例では、スクリュウ溝7の傾斜角SRを50度に設定したので、ナット圧入時にナットをより円滑に回転させることができる。また、スクリュウ溝7の傾斜方向を、ナット本体2に形成された雌ネジ4の螺旋と同じ右ねじ方向としたので、ボルトを螺着する際のナットの連れ回りをより確実に防止できる。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例では、複数組毎の横溝8a,8b(8c,8d)の溝深さ及び/又は溝幅をナット本体2の圧入端側に向かって順次小さくなるようにしたが、これに限定されず、例えば、1つ毎の横溝の溝深さ及び/又は溝幅をナット本体の圧入端側に向かって順次小さくなるようにしてもよい。また、例えば、複数組毎の横溝の溝深さ及び/又は溝幅がナット本体の圧入端側に向かって順次小さくなる箇所と、1つ毎の横溝の溝深さ及び/又は溝幅がナット本体の圧入端側に向かって順次小さくなる箇所と、を備えるようにしてもよい。
また、上記実施例では、ナット本体2の軸心方向に沿って複数の横溝8a〜8dを等ピッチ間隔Pで設けるようにしたが、これに限定されず、例えば、ナット本体2の軸心方向に沿って複数の横溝8a〜8dを不等ピッチ間隔で設けるようにしてもよい。この場合、その不等ピッチ間隔を、ナット本体2の圧入端側に向かって順次大きくすることが好ましい。ナット本体2の軸心方向にわたって横溝8a〜8d内への樹脂の侵入性をさらに高め得るためである。
さらに、上記実施例では、金属製のナット1を例示したが、これに限定されず、例えば、樹脂材より高温の融点を有する樹脂製のナットとしてもよい。また、上記実施例では、ヒータ等によりナット1を樹脂材に加熱圧入する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、超音波振動や高周波加熱等によりナット1を樹脂材に加熱圧入するようにしてもよい。
樹脂材に加熱圧入されるナットとして広く利用される。
実施例1に係るナットを模式的に示す斜視図である。 実施例1に係るナットを模式的に示す正面図である。 図2のIII矢視図である。 図2のIV−IV線断面拡大図である。 図2のV矢視部の拡大図である。 従来のナットを示す正面図である。 その他の従来のナットを示す正面図である。
符号の説明
1;ナット、2;ナット本体、6;シリンダヘッドカバー、7;スクリュウ溝、8a〜8d;横溝、D1,D2;溝深さ、W1,W2;溝幅。

Claims (3)

  1. 樹脂材に加熱圧入されるナット本体を備えるナットであって、
    前記ナット本体の外周面側には、該ナット本体の軸心に対して傾斜する所定の傾斜方向に延び且つ該ナット本体の軸心方向にわたって設けられる複数のスクリュウ溝、及び該複数のスクリュウ溝と交差し且つ該ナット本体の円周方向に延且つ該ナット本体の軸心方向に互いに離間して設けられる複数の横溝が形成されており、
    前記複数の横溝のうちの前記ナット本体の圧入端側の少なくとも1つの第1横溝の溝深さ(D1)は、前記ナット本体の反圧入端側の少なくとも1つの第2横溝の溝深さ(D2)より小さく、
    前記第1横溝の溝幅(W1)は、前記第2横溝の溝幅(W2)より小さく、
    前記第1横溝及び前記第2横溝のそれぞれの縦断面形状はノコ刃状であることを特徴とするナット。
  2. 前記第1横溝の溝深さ(D1)と前記第2横溝の溝深さ(D2)との比(D1/D2)は0.3〜0.6であり、前記第1横溝の溝幅(W1)と前記第2横溝の溝幅(W2)との比(W1/W2)は0.3〜0.6である請求項1記載のナット。
  3. 前記スクリュウ溝の縦断面形状はノコ刃状である請求項1又は2に記載のナット。
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