JP4975643B2 - 重質残渣を含む炭化水素供給原料を分解する方法 - Google Patents

重質残渣を含む炭化水素供給原料を分解する方法 Download PDF

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Description

本発明は、供給原料、特に重質残渣を含む低品質供給原料、即ち(気化可能な限り)平均的な供給原料より高い温度で気化する1種以上の成分の比較的重質な画分を含有した供給原料を分解するための方法に関する。このような成分の例は、タール、固体粒子、重質炭化水素画分、例えば高沸点画分および蒸発残留画分である。
発明の背景
重質残渣を含む供給原料が熱で分解させる炉(熱分解炉)で分解されるとき、重質残渣は対流部、輻射部および移送ライン交換器でファウリングを通常引き起こす。このファウリングは操業時間の短縮、ひいては非経済的な操作をもたらす。
米国特許第5,580,443号明細書には、ファウリング/コークス化が減少する熱分解方法が提案されている。この文献には、供給原料が予熱されて供給材料予熱器で一部気化される方法による、オレフィン類への低品質供給原料の熱分解に関する方法が記載されている。残留液体供給原料は、ある量の過熱希釈蒸気と混合させた後、分離装置における供給材料予熱器の出口で分離される。分離される液体原料の量は、分離装置の上流および下流で混合される過熱希釈蒸気の量および/または比率により制御される。該方法では、節炭器の容量(熱の取り込み)を制御する手段を用いることなく、節炭器を利用することができる。
米国特許第4,879,020号明細書は炭化水素転炉を操作する方法に関する。節炭器の交換容量を調節することで供給材料予熱器の熱の取り込みが制御される、供給材料を熱分解するための方法は、この文献にも開示されていない。
米国特許第6,632,351号明細書では、供給材料を液体および蒸気画分へ分離する前に、分離される供給材料が少なくとも375℃の温度に加熱される熱分解方法が記載されている。
欧州特許出願公開第253633号明細書には、熱交換器を含む炭化水素分解炉が記載されている。流量と圧力降下が独立して制御されることができるように、各々がそれ自体の供給原料の供給資源を有している。供給材料予熱器の熱の取り込みと、それにより供給原料の気化温度を制御することは示唆されていない。
上記のような先行技術の方法は、プロセス条件の変化、例えば供給原料特性、分解率、蒸気希釈比および炉の吹き止めの変化に、限定された柔軟性を有しているにすぎない。これは、ある量の過熱希釈蒸気と混合することによる分離制御がたった一つの設計事例に近い条件にしか適合していない、という事実のためである。その設計事例から離れるほど、分離される液体の量は多くなりすぎるか(不適正なプロセス効率)、または少なくなりすぎることがある(不適正な分離、下流の装置でファウリングを引き起こす)。
そこで、供給原料、特に重質残渣を含む供給原料を分解するための代替方法を提供することが望まれている。
発明の具体的説明
したがって、本発明の目的は、本方法が行われる分解設備のファウリング(コークス化)を引き起こす傾向が低い、炭化水素供給材料を分解するための新規な方法を提供することである。
特に、プロセス条件の変化、例えば供給原料特性および望ましい分解率の変化、に関して良好な柔軟性を示す、炭化水素供給材料、例えば重質残渣を含む炭化水素供給材料、を分解する新規な方法を提供することが目的である。
本発明による方法を行うために適した、炭化水素供給原料を分解するための新規な設備を提供することも、更に本発明の目的である。
分解設備の対流部における煙道ガスの出口またはその付近でプロセスパラメータを制御することにより、即ち分解設備の輻射部で供給原料を分解する前に分解設備の対流部で供給原料を予熱して、(対流部から出る煙道ガスの出口付近に配置された)供給材料予熱器の熱の取り込みを制御することにより、炭化水素供給原料、特に重質残渣を含むそのような供給原料、を分解することが可能であるとわかった。そのため、対流部を出る煙道ガスの温度を望ましい低い温度に維持することが可能である。それにより、煙道ガスから高レベルの熱回収が実現される。加えて、供給材料予熱器の熱の取り込みを制御することで、供給原料気化温度の制御を行うことができる。
したがって、一態様において、本発明は、輻射部6と対流部7とを備えた分解設備で炭化水素供給材料を熱分解するための方法であって、炭化水素供給原料を、対流部7に存在する供給材料予熱器1へ供給し、供給材料予熱器1の熱の取り込みを、対流部7において供給材料予熱器1と輻射部6との間に配置された節炭器9の熱交換容量を調節することにより制御し、その後、予熱器1で加熱された供給材料を輻射部6へ導びき、該輻射部6で分解する、方法に関する。
節炭器9の熱容量を調節することにより、例えば節炭器を通して熱交換媒体の流量を調節することにより、供給材料予熱器1の熱の取り込みが制御されることができる。こうして、熱の取り込みの制御により、供給材料予熱器の出口における供給材料の液体画分対蒸気画分の比率の調節を可能とする。
好ましくは、節炭器9に加えて、予熱器1と対流部7の煙道ガスの出口との間に配置された他の節炭器8が用いられる。
この節炭器9は節炭器8と並行に流体連通して、通常操作される(例えば図1参照)。この節炭器を通して、追加の熱交換媒体(通常、ボイラー給水とも称される、水)が送られる。この配置は、スタック温度(対流部の出口における煙道ガスの温度)が節炭器8の入口で望ましい温度、特に熱交換媒体の温度より約5〜20℃高い温度に維持されることを確実にする上で役立つ。
適切な態様では、節炭器8が省かれる。特に、このような態様において、例えば図2で示されているように、通常、並行に流体連通して、節炭器9が側管を備えている。節炭器9の周辺で側管x′の設置と節炭器8の省略から、本方法により、節炭器9と供給材料予熱器で低い熱の取り込みが必要となるときは、通常、高いスタック温度となる。
別の態様において、本発明は、輻射部と対流部とを備えた設備で炭化水素供給原料を熱分解するための方法であって、出口の煙道ガス温度が約150℃以下の温度、特に約90℃〜約130℃の範囲の温度、より特に95〜130℃の範囲の温度である、方法に関する。本発明によると、望ましい範囲内にスタック温度を保ちながら、同時にプロセス条件の変化、例えば供給原料特性、分解率、希釈ガス(蒸気)比、および炉の吹き止めの変化、に高度の柔軟性を有することが可能である。
更に、本発明は、輻射部と対流部とを備えた設備で炭化水素供給原料を熱分解するための方法であって、
炭化水素供給原料を(煙道ガス出口付近で)対流部に存在する供給材料予熱器へ供給し、
供給材料予熱器の熱の取り込みを節炭器の熱交換容量を調節することにより制御し、節炭器が対流部において供給材料予熱器と輻射部との間に配置され、該節炭器が熱交換媒体(特にボイラー給水)用の側管を備えている、方法に関する。節炭器の熱の取り込みは、節炭器を通す熱交換媒体の流量を調節することにより制御できる。本方法で用いられてよい熱交換媒体の残部は側管を通され、節炭器を通った熱交換媒体と、節炭器の出口または蒸気ドラムで混合され、予熱器で加熱された供給材料がその後に輻射部で分解される。第一および第二節炭器、または節炭器および側管を用いることにより、望ましい範囲内にスタック温度を保ちながら、供給材料予熱器の熱の取り込みを制御することを可能にしている。
本発明は、更に、輻射部と対流部とを備えた、炭化水素供給原料を分解するための設備であって、
‐ 分解されるべき炭化水素供給原料を加熱するための、対流部に存在する供給材料予熱器と、
‐ 対流部において供給材料予熱器と輻射部との間に配置され、熱交換容量が制御装置により制御可能である節炭器と、
‐ 加熱供給材料を分解するための輻射部へ加熱供給材料を供給するための導管と
を備えた、設備に関する。
本発明は、特に更には、輻射部6と対流部7とを備えた、炭化水素供給原料を分解するための設備であって、該対流部において、
‐ 分解されるべき炭化水素供給原料を加熱するための供給材料予熱器1が存在し、
‐ 供給材料予熱器が第一節炭器8と第二節炭器9との間に配置され、第一節炭器8が対流部において煙道ガス出口と供給材料予熱器1との間に配置され、第二節炭器9が対流部7において供給材料予熱器1と輻射部6との間に配置され、および
‐ 加熱供給材料を分解するための輻射部へ加熱供給材料を供給するための導管g
を備えた、設備に関する。
設備における第一および第二節炭器は、それらの流導管が並行に流体連通するように通常配列される。更に、設備は、通常、節炭器で熱の取り込みを調節するための制御装置、特に節炭器を通す熱交換媒体の流量を調節するための制御装置、を備える。
本発明は、コークス形成の低い傾向を有した、方法および設備をそれぞれ提供する。
本発明は、1種以上のオレフィン類を含んでなる生成ガス、特にエチレン、プロピレン、およびブチレンからなる群より選択される少なくとも1種のオレフィンを含んでなる生成ガスを提供する上で、非常に適している。
本発明は、供給原料組成の変化に関して良好な柔軟性を示す、方法および設備をそれぞれ提供する。
米国特許第5,580,443号明細書に記載されているような、従来の設備および方法とそれぞれ比較して、本発明はより効果的に操作しうる可能性をもたらす。これは、本発明によると(存在すれば、分離装置の上流で)予熱器でプロセスの流れの熱の取り込みが広範囲に制御されうるからである。供給材料予熱器の熱の取り込みは本発明によると調整可能である。上記先行技術では熱の取り込みが固定され、上記先行技術で用いられる過熱希釈蒸気の変流量の効力が適切かつ柔軟な制御には小さすぎる。
有利な態様において、本発明は特別に制御された様式で、熱分解プロセス前に重質画分の分離を行え、それにより十分な分離が様々な分解プロセス条件(供給原料特性、分解率、蒸気希釈比、および炉の吹き止めの変化)下で行われながら、同時に高い炉熱効率が上記すべての様々な分解条件下において対流部で熱回収により維持される。
別記されないかぎり、対流部に備えられるある装置(例えば、予熱器、節炭器、過熱器など)の位置に言及している場合、該装置はそれが煙道ガスの出口に比較的近いならば上部に比較的近く、それが輻射部に比較的近いならば底部に比較的近いと言うことができる。通常、“上部に存在している”と言うモジュールは、“底部に存在している”と言うモジュールより垂直に高い位置にある。しかしながら、“上部”モジュールおよび“底部”モジュールが同一水平面にあることは除外されない。
例えば、予熱器と輻射部との間に存在する節炭器は(予熱器と比較して、輻射部に比較的近いことから)底部節炭器と称され、予熱器と対流部から出る煙道ガスの出口との間に存在する節炭器は(予熱器と比較して、煙道ガスの出口に比較的近いことから)上部節炭器と称される。
本出願の文脈において、ある装置が本発明に従い(用いられる)設備の二つの他の部分間に存在すると特定されている場合、それは設備を通る煙道ガスの流れの方向から見て上記他の部分間に存在している。そのため、二つの他の部分で通常形成される(垂直、水平、または対角)面に該部分が存在している必要はない。例えば、輻射部6と供給材料予熱器1との間に配置された希釈ガス予熱器10が輻射部6の垂直上方で予熱器1の垂直下方に存在している必要はない。
別記されないかぎり、上流および下流という用語は炭化水素供給材料の流れと比較したモジュールの位置に関して用いられている。そのため、供給材料予熱器1への入口は輻射部6(の分解コイル)から上流に存在している。
ここで用いられている“約”などの用語は、10%まで、更には特に5%までの偏差を含んでいる、と特に定義される。
供給材料予熱器の熱の取り込みは、供給材料予熱器を通して送られる供給原料により取り込まれる熱として、ここでは定義される。この用語は効力とも称される。
“高沸点画分”および“低沸点画分”という用語は、輻射部へ供給される画分(即ち、通常、分離器で気化される画分)を各々分解する前に供給材料から除去される画分(即ち、通常分離器で液相に残留する画分)を表わすために、ここでは特に用いられている。“沸点”とは“高沸点画分”および“低沸点画分”という用語で言及されているときASTM D2887のような標準試験法に通常関するが、操作圧力および希釈ガス対供給材料の比率により沸点が影響されることから、分離が生じるプロセス条件下の実際温度に必ずしも関するものではないことに留意すべきである。
炭化水素供給材料として、原則的に、熱分解させることに適した1種以上の炭化水素を含んでなる供給材料には、いかなるものが用いられてもよい。特に、供給材料は、エタン、プロパン、ブタン、ナフサ、ケロセン、大気ガス油、真空ガス油、重質留出物、水素化ガス油、ガス凝縮物、およびそれらの混合物からなる群より選択される成分を含んでもよい。適切な供給原料には、米国特許第5,580,443号明細書および米国特許第6,632,351号明細書で述べられているような供給原料がある。ASTM D‐2887に準拠して、最大70質量%が170℃で気化し、最大80質量%が200℃で気化し、最大90質量%が250℃で気化し、最大95質量%が350℃で気化し、最大99.9質量%が700℃で気化する、気化特性のうち少なくとも1つを有する供給原料が非常に適している。
特に、本発明の方法は、重質残渣を有する、即ち高沸点炭化水素、例えばタール、すなわち対策が講じられないかぎりコークス化を起こしやすい固体粒子および/または他の成分、の比較的高い含有率を有する炭化水素供給材料を分解するために、有利に用いられる。
重質残渣とは、特に、(ASTM D‐2887に準拠して)供給原料が300℃の温度に加熱されたとき、特に供給原料が400℃の温度、更には特に500℃の温度に加熱されたとき、液体画分に残留する供給原料の画分である。
本発明の方法は、供給原料中重質残渣の画分が約10質量%以下、好ましくは約1質量%以下、より好ましくは約0.2質量%以下である原料を処理する上で、特に有利である。重質残渣画分は約0.01質量%以上、特に約0.1質量%以上、更には特に約0.5質量%以上でもよい。
重質残渣を含む炭化水素供給材料の例としては、天然ガス凝縮物、例えば重質天然ガス液(HNGL)、ケロセン、大気ガス油、真空油、重質留出物、がある。
輻射部の設計は特に重要でなく、当業界で知られているような輻射部でよい。しかも、対流部の基本設計も(特定位置に、節炭器のような、ここで記載されているような装置を付加して)当業界で記載されているとおりでよい。輻射部および対流部の各例としては、ここで引用された先行技術に記載されているもの、GK6TM分解炉(Technip)および欧州出願04075364.2で記載されているような炉がある。
しかも、分解設備で用いられるような部分(例えば、供給材料予熱器、節炭器、分離器、制御装置など)も当業界で知られている設計に通常基づくものでよい。
予熱器で加熱される温度は、供給原料の正確な種類と輻射部で産出される生成物の望ましい性質とに応じて、広い範囲内で選択されてよい。
予熱器でより高い温度に供給材料を加熱することは原則的に可能であるが、200℃未満の温度に予熱器で供給材料を加熱すれば通常十分である。好ましくは予熱器を出る供給材料の温度は約170℃以下、より好ましくは約140℃以下である。好ましくは予熱器を出る供給材料の温度は少なくとも約90℃、より好ましくは少なくとも約110℃である。こうすると煙道ガス出口温度を比較的低く保て、対流部の上部部分で供給材料導管内のファウリング/コークス形成を実質的に避けられる。上記のように、本発明によると、供給材料予熱器の熱の取り込みが制御されることができる。
熱交換容量は底部節炭器(図中9)で制御されてもよい。一般的に、所望であれば、底部節炭器を通して熱交換媒体の流量を減らし、こうして底部節炭器の熱の取り込みを減少させることにより、(希釈ガス‐炭化水素混合物)予熱器2の出口および分離器3の入口それぞれにおける液体画分が減少すれば、供給材料予熱器の熱の取り込みは増加する。熱交換容量および煙道ガス出口温度は変動することのある上部節炭器の熱の取り込みに依存し、供給材料予熱器および底部節炭器の熱の取り込みに依存する。一般的に、所望であれば、底部節炭器9の熱の取り込みを増加させることにより(希釈ガス炭化水素混合物)予熱器2の出口における液体画分が減少すれば、供給材料予熱器の容量は増加する。供給材料予熱器1の上で節炭器8を設置(操作)することにより、煙道ガス出口温度を低く保つことができる。
好ましい態様において、供給材料予熱器1の熱の取り込みおよび/または煙道ガス出口温度は、中間に予熱器が配置された第一(上部)および第二(底部)節炭器を流れる熱交換媒体(通常、ボイラー給水)の流量を調節することにより制御される。特に、第一節炭器を通る流量対第二節炭器を通る流量の比率が制御されることができる。通常、(蒸気/炭化水素)予熱器2の出口と分離器3の入口それぞれにおける液体画分が増加される場合には、その比率(上部への流量/底部への流量)が減少する。
供給材料予熱器の熱の取り込みは、所望であれば、該供給材料予熱器周辺の側管を制御することにより更に減らされることができる。これは、規制量の追加の(側管でつながれる供給材料予熱器で未加熱の)供給原料を加熱供給材料と混ぜることにより行われることができる。一般的に、所望であれば、供給材料予熱器の容量が増加されて供給材料予熱器を通して全開流量で送られ、底部節炭器を通して熱交換媒体を減少させる。
供給材料予熱器の熱の取り込み(熱交換容量)は、輻射部へ送られる供給原料の組成を調節するために制御されてよい。一般的に、所望であれば、目的が低沸点対高沸点の画分の比率を減らすことであれば、供給材料予熱器の容量が増加される。供給材料予熱器の熱の取り込みは、底部節炭器を通して熱交換媒体流量を減少させる(底部節炭器の熱の取り込みを減少させる)ことにより増加されることができる。
好ましい態様において、本方法では、予熱器で加熱された原料を低沸点(蒸気)画分および高沸点(液体)画分に分離し、その後で低沸点画分が輻射部で分解される。液体画分は分解させずに処分してもよい。本方法で液体画分またはその一部を更に用いることも可能である。特に、液体画分(の一部)は供給材料予熱器1へ入る前に新たな供給原料と混合してもよく、および/または液体画分(の一部)は輻射部の下流で用い、特に分解ガスと混合してもよい。
本発明による(方法で用いられる)設備において、分離器は、両部外で、供給材料予熱器の下流で放射部の上流に通常配置される。分離器として、原則的には、異なる沸点を有した炭化水素を分離するために適したいかなる分離器も用いられてよい。適切な分離器の例はサイクロンである。適切な分離器の例は、例えば米国特許第6,376,732号明細書、米国特許第5,580,443号明細書、および米国特許第6,632,351号明細書で記載されている。
分離器へ入る前に、分解されるべき供給材料の画分が気化されて、供給材料から除去されるべき画分(高沸点画分)が液体で留まる温度に、(更に以下で記載されているように、通常希釈ガスと混合された)供給材料が第二予熱器で通常更に加熱される。
供給材料が分離器へ入る望ましい温度は、供給原料特性および/またはプロセス条件と望まれる生成ガスに依存する。375℃を超える温度に供給材料を加熱することは原則的に可能であるが、375℃未満の温度、特に約300℃以下、好ましくは約260℃以下に供給材料を加熱すれば通常十分である。望ましい温度レベルは供給原料特性に依存する。有利な量の気化画分を得るためには、供給材料が通常少なくとも約190℃の温度、好ましくは少なくとも約205℃の温度、より好ましくは約210℃以上の温度に加熱される。
互いに分離される液体画分対蒸気画分の比率は、意図した品質に応じて、広い範囲内で選択されてよい。通常、重量対重量の比は少なくとも約0.01、好ましくは約0.02以上である。実際上、その比は通常約0.7以下、好ましくは約0.35以下、より好ましくは約0.1以下、より一層好ましくは0.04未満である。
本発明による(方法で用いられる)設備は、分離器を出る蒸気の温度を記録するための入力および/または分離器を出る画分の液体流量を記録するための入力と、節炭器の熱交換媒体の流量および/または温度を調節するための出力とを備えた、供給材料予熱器の熱の取り込み制御装置を好ましくは備えている。好ましくは、該制御装置は計算器を含んでなる。
予熱器で加熱された炭化水素供給材料は、分解前に、分離器が用いられるならば、好ましくは供給材料を液体画分および蒸気画分へ分離する前に、通常、希釈ガスと混合される。希釈ガスの例は気化ナフサ、製油所オフガス、窒素、メタン、エタン、蒸気、およびそれらの混合物であり、蒸気を含んでなる希釈ガスが好ましい。
希釈ガス(蒸気)対炭化水素供給材料の(重量対重量)比は広い範囲内で、通常0.3〜1.0、好ましくは0.4〜0.8の範囲内で選択されてよい。
一般的に、本発明は、(コークス形成を避けるために)本方法に際して、希釈ガス対炭化水素供給材料比を調整する必要性なしに行える。希釈ガス対炭化水素供給材料比は、特に炭化水素供給原料品質が本質的に一定であれば、コークス形成の傾向を低く維持しながら、本質的に一定に保たれることができる。一般的に、本発明による方法は、分離器を出た後で、追加の希釈ガスを蒸気炭化水素画分と混合することなく行える。
図1は、好ましい設備と、好ましい方法のためのプロセス経路図とを表わした、本発明の好ましい態様を示している。細い(点線)矢印はデータの伝達を表わしている。太い(直線)矢印は物質(例えば、供給材料、希釈ガス、熱交換媒体)の経路を表わしている。すべての装置(例えば、示された加熱器、分離器、制御装置および他の装置)が本発明のすべての態様で必須なわけではないことに留意すべきである。それらは必要最小限であることが好ましいことがある。
供給材料経路
供給原料(通常、重質残渣を含む供給原料)は導管aを経て供給材料予熱器1へ送られ、そこで供給材料が(通常90〜170℃、特に約130℃に)予熱され、場合により部分的に気化される。
次いで、導管bを経て供給材料予熱器1の出口を出た予熱供給材料は、好ましくは(導管jからの)希釈ガス(蒸気)と混合される。希釈ガスが導管iを経て導かれる希釈ガス過熱器10で供給材料と混合される前に、好ましくは希釈ガスが対流部で加熱される。(存在すれば)希釈ガス過熱器10は、煙道ガスの温度がなお比較的高い対流部7で通常比較的低位置に、特に輻射部6と予熱器1との間に(好ましくは、存在すれば、輻射部と供給材料予熱器4および/または2との間に)配置される。
加熱された希釈ガス(蒸気)は、特に供給原料がナフサである場合に対流部外で、供給材料予熱器1から供給材料をフラッシュ気化させるために特に用いられる。
導管bで予熱供給材料にまたは導管cで希釈ガスと混合された予熱供給材料に追加の供給原料を供給するための導管a′が存在してもよい。
次いで、分解される画分が気化されて重質残渣が液体画分になお存在し、それが気化画分から除去されることができるような温度に供給材料を調整するために、(好ましくは希釈ガスと混合された)予熱供給材料が(希釈ガス/炭化水素予熱器とも称されてよい)第二予熱器2へ通常導かれる。
導管dを経て予熱器2を出る供給材料の温度は、有利には190℃〜260℃の温度、特に約210℃の温度を有するのがよい。
次いで、供給材料を高沸点画分および低沸点画分に分離するための分離器3へ導管dを経て供給材料が導かれる。
分離される重質画分が増加すれば、気化画分(低沸点画分)は減少するだろう。液体/ガス分離器3(例えばサイクロンまたはノックアウト器)は、低沸点画分(蒸気)流から高沸点(液体)炭化水素および他の高沸点成分を分離する。特にサイクロンまたはノックアウト器が用いられる場合、蒸気/液体分離は単一理論段に相当する。
したがって、特に実際量の“重質残渣”を超える量の比較的低沸点の炭化水素が液相に存在しているような態様が、高い効果的分離のためには好ましい。特に、分離器で蒸気画分から分離される原料の液体画分が、重質残渣に加えて少なくともほぼ等量の重質残渣として特定されない炭化水素(例えば低沸点炭化水素)を含んでなる場合に、有利とみなされる。分離器を出る液体画分の重量が実際の重質残渣の重量より約2〜約20倍である方法が非常に適している。
高沸点画分は分離器3から(典型的には液体として)導管hを経て除去され、処分されることもある。低沸点画分は分解される画分であり、導管e、f、およびgを経て輻射部6へ導かれる。
導管gを経て輻射部6へ(典型的には、示されていない分解コイルへ)供給される前に、低沸点画分は好ましくは(例えば、図1で示されているように、導管fを経て接続された4および5)1以上の追加供給材料予熱器で更に加熱される。このような予熱器は対流部の下部に通常配置され、そこでは煙道ガスが高部より高い温度を有している。
供給材料予熱器4は、特に予熱器1(存在すれば、および2)と輻射部との間に配置されてよい。予熱器4は、好ましくは、予熱器1(存在すれば、および2)と、存在すれば希釈ガス予熱器10との間に配置される。
供給材料予熱器5が、全予熱器、特に全供給材料予熱器の輻射部に最も近くで配置されてよい。そのため、それは好ましくは輻射部6と供給材料予熱器1(存在すれば、特に2、更には特に4)との間に存在する。希釈ガス予熱器10が対流部に備えられている場合、予熱器5が好ましくは希釈ガス予熱器10と輻射部との間に配置される。
供給材料は好ましくは最終予熱器(特に5)で約550℃〜約650℃の温度に加熱され、次いで導管gを経て輻射部へ供給される。
場合により、分解炉は一つ以上の高圧蒸気過熱器を含んでなる。図1では、これら2基(15、16)が備えられている。存在するとすれば、過熱器は好ましくは対流部で比較的低位置に、特に希釈ガス予熱器10と供給材料予熱器1、2、および4(それらが存在しているかぎりで)より輻射部の近くに存在している。
存在するとすれば、高圧蒸気過熱器は分解炉で生じた飽和蒸気を過熱するために用いられてよい。飽和蒸気は、輻射部の下流に配置された移送ライン交換器により発生される。
制御/調節
特に分離器が用いられるならば、互いに分離される画分の重量比(ひいては、分解される画分のサイズ)を定める重要な側面は、予熱器2の出口における温度である(分離器へ供給される液体画分の量を決める)。この温度は、“サンドイッチ型”供給材料予熱器設計である供給材料予熱器1の熱の取り込みを制御することにより、有利に制御されてよい。“サンドイッチ型”供給材料予熱器設計では、少なくとも2つの節炭器対流部バンク(節炭器8および9)間に供給材料予熱器1を置いている。
本発明によると、供給材料予熱器の熱の取り込みを調節することにより、特に節炭器9で熱交換媒体(通常ボイラー給水)の流量を調節することにより、重質残渣の除去を十分に制御することが可能である。
結果として、(好ましくは“サンドイッチ型”)供給材料予熱器1の入口における煙道ガス温度が調整されることができ、それによりこの供給材料予熱器1の熱の取り込み制御に関する自由度を生み出し、こうして、通常更に予熱後および過熱希釈蒸気のような希釈ガスと混合後に、所望量の重質残渣液体が下流で分離されることができる(前記参照)。
スタック温度および対応炉効率が現工業標準によるレベルで保たれうることを確実にするために、好ましくは上部節炭器8が備えられる。こうして、約94%以上の効率が達成可能であると考えられる。
特に追加の熱回収が重要または重大でないならば、上部節炭器8は省かれてよい。この場合には、特に図2で示されているように、側管を備える底部節炭器9のような単一の節炭器が用いられてよい。このような態様では、熱交換媒体が節炭器9を通して一部送られ、一部が節炭器を通すことなく蒸気ドラム12に供給される。これは通常煙道ガスから過剰な熱の回収率を低下させるが、利点として低い投資コストでやや簡便な設計を有している。
節炭器9の熱交換容量を制御することに関しては、(導管lを経て)節炭器9へ導入され(導管kを経て)節炭器から例えば蒸気ドラムへ運ばれる熱交換媒体の流量を調節することにより、容量が調整されることができる。移送ライン交換器に用いられうる熱交換媒体(ボイラー水)溜めとして蒸気ドラムは機能するが、これは飽和蒸気を発生させるために存在し、輻射部の下流で用いられてよい。導管lを通る流量は、供給材料予熱器の熱の取り込みの計算器14から受け取る入力に基づき導管lでバルブを制御する、流量制御装置FC1で有利に調節されることができる。典型的な入力パラメーターは、(分離器3を出るときの)導管eにおける気化炭化水素供給材料の温度、(分離器3で炭化水素供給材料から除去された)導管hにおける液体画分の流量である。用いられうる追加の入力としては、炉容量および蒸気対オイル比がある。
節炭器8の容量は、導管l′でバルブを制御する流量制御装置FC2で十分に調節されることができる。典型的には、入力としてFC1により制御される流動性、蒸気ドラム12レベル、および送出蒸気流量を用いる、蒸気ドラムレベル制御装置13から受け取った入力に基づき、FC2が流量を調節することができる。
導管のコークス化を引き起こす傾向が低くなる(それにより、プロセスの停止を要する整備を必要とすることなく、本方法を継続することができる期間を改善する)ように、プロセスを制御するために用いられうる他の要因は、供給材料予熱器に側管で通る供給材料の流量である。
このパラメーターは、炉への全供給材料容量“a+a′”と、オペレーターにより設定される供給材料予熱器の側管を通る供給材料容量“a′”と、FC3、FC4、およびFC5で各々モニターされるような導管a、導管a′、および導管iを通る実際の流量とに基づく入力からその出力を定める、炉容量制御装置11で特に制御されることができる。炉容量制御装置11は原料および希釈蒸気を制御するためにも用いられてよい。
図3は、分離器3からの流出液が(図1または2で示されているような)プロセスでどのように更に一部または全部用いられればよいかを示している。対流部および制御における個別の要素は示されていない。分離器を出た流出液は、導管hおよびnを経て(示されていない)供給材料予熱器1に通じる導管aへ(一部)逆導入されてよい。流出液は、給水導管が導管hおよびoで(示されていない)蒸気ドラムと通常流体連通している、典型的には一つ以上の移送ライン交換器17の下流で、分解生成ガスと(一部)混合されてよい。流出液は、導管hおよびmで本方法から(一部)除去されてもよい。
例(模擬実験)
天然ガス凝縮供給原料が、図2で示されているような設備へ通される。下部節炭器9を通るボイラー給水の流量が、両節炭器を通るボイラー給水の全流量の割合として変えられる。節炭器9を通る流量の効果が図4で示されている。
図4は、この態様において、下部節炭器の流量をボイラー給水の全流量の約10%の値に制御することにより約240℃の分離温度が達成され、約0.5質量%の液体分離度となることを証明している。下部節炭器の流量率をボイラー給水の全流量の約27%の値へ増すことにより、節炭器の熱の取り込みが増加される。結果的に、上に配置された供給材料予熱器の熱の取り込みが減少する。更なる結果として、分離温度が約219℃に低下し、液体分離度が約1.7%に増加した。
この例は、供給材料予熱器の熱の取り込み、ひいては供給原料の分離温度が、節炭器9の熱交換容量を調節することにより制御されることができることを示している。こうして、液体割合が所望通りに制御かつ調整されることができる。このことから、特に、分解される供給原料の一部から供給原料の重質残渣の効率的除去を行えるのである。
少なくとも2つの並行な節炭器(の使用)を備えた、本発明による方法を行うための設備の態様について図示する。 節炭器と並行に接続された側管の使用を含む、本発明による方法を行うための設備の態様について図示する。 分離器で分離された液体画分の少なくとも一部が本方法で更に用いられる(供給原料入口におよび/または輻射部の下流で産出物にリサイクルされる)態様について図示する。 予熱供給原料の分離温度および液体割合に及ぼす、本発明の(方法で用いられる)設備で節炭器の熱交換容量を変えた効果について示す。

Claims (20)

  1. 輻射部(6)と対流部(7)とを備えた設備で炭化水素供給材料を熱分解する方法であって、
    炭化水素供給原料を、前記対流部(7)に存在する供給材料予熱器(1)へ供給し、
    前記供給材料予熱器(1)の熱の取り込みを、前記対流部(7)において前記供給材料予熱器(1)と前記輻射部(6)との間に配置された節炭器(9)の熱交換容量を調節することにより制御し、
    前記加熱された供給材料が、前記供給材料予熱器を出た後で、分離器で蒸気画分と液体画分に分離され、前記蒸気画分の少なくとも一部が前記輻射部で分解され、
    前記設備が、供給材料予熱器の熱の取り込み制御装置を備え、該制御装置が、前記分離器を出る前記画分の液体流量を記録するための入力および/または前記分離器を出る前記蒸気の温度を記録するための入力と、前記節炭器の熱交換媒体の流量および/または温度を調節するための出力とを含んでなる、方法。
  2. 第一節炭器(8)および第二節炭器(9)が存在し、前記第一節炭器(8)が、前記対流部において前記対流部の煙道ガス出口と前記供給材料予熱器(1)との間に配置され、前記第二節炭器(9)が、前記対流部(7)において前記供給材料予熱器(1)と前記輻射部(6)との間に配置された請求項1に記載の節炭器である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記節炭器(9)が側管(x′)と流体連通している、請求項1に記載の方法。
  4. 前記供給材料予熱器の前記熱の取り込みが、前記節炭器(9)を流れる熱交換媒体の流量を調節することにより制御される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記予熱器で加熱された前記供給材料が、分離前に希釈ガスと混合される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記蒸気画分が、高沸点画分から分離された後で、更に希釈ガスで希釈されることなく分解される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記供給材料が190〜260℃の範囲の温度で前記液体画分と前記蒸気画分に分離される、請求項のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記供給材料が重質残渣を含んでなる、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記重質残渣が前記供給材料の10質量%以下を形成する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記重質残渣が前記供給材料の1質量%以下を形成する、請求項8に記載の方法。
  11. 前記重質残渣が前記供給材料の0.2質量%以下を形成する、請求項8に記載の方法。
  12. 前記供給材料が、ASTM D‐2887に準拠して、最大70質量%が170℃で気化し、最大80質量%が200℃で気化し、最大90質量%が250℃で気化し、最大95質量%が350℃で気化し、および/または最大99.9質量%が700℃で気化する、特性を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記対流部の出口における前記煙道ガスの温度が、150℃以下の範囲内の温度で保たれる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記対流部の出口における前記煙道ガスの温度が、90℃〜130℃の範囲の温度で保たれる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  15. 分解前に前記供給原料を希釈ガスで希釈することを含んでなり、供給原料対希釈ガスの比率が本質的に一定に保たれる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 輻射部と対流部とを含んでなる、炭化水素供給原料を分解する設備であって、
    ‐ 分解されるべき炭化水素供給原料を加熱するための、前記対流部に存在する供給材料予熱器と、
    前記供給原料の蒸気画分を前記供給原料の液体画分から分離するための分離器であって、前記予熱器の供給材料出口の下流で前記輻射部の上流に備えられる分離器と、
    ‐ 前記対流部において前記供給材料予熱器と前記輻射部との間に配置される節炭器であって、前記節炭器の熱交換容量を調節するための制御装置により熱交換容量が制御可能である節炭器と、
    ‐ 前記加熱供給材料を分解するための前記輻射部へ前記蒸気画分を供給するための導管と、
    を備え、
    前記設備が、供給材料予熱器の熱の取り込み制御装置を備え、該制御装置が、前記分離器を出る前記画分の液体流量を記録するための入力および/または前記分離器を出る前記蒸気の温度を記録するための入力と、前記節炭器の熱交換媒体の流量および/または温度を調節するための出力とを含んでなる、設備。
  17. 輻射部と対流部とを含んでなり、炭化水素供給原料を分解する、請求項16に記載の設備であって、前記対流部において、
    ‐ 分解されるべき炭化水素供給原料を加熱するための供給材料予熱器が存在し、
    ‐ 前記供給材料予熱器が第一および第二節炭器の間に配置され、前記第一節炭器が前記対流部において前記煙道ガス出口と前記供給材料予熱器との間に配置され、前記第二節炭器が前記対流部において前記供給材料予熱器と前記輻射部との間に配置され、および
    ‐ 前記加熱供給材料を分解するための前記輻射部へ前記加熱供給材料を供給するための導管を備えた、設備。
  18. 供給材料予熱器と輻射部との間に配置された前記節炭器が、側管と並行に流体連通している、請求項16または17に記載の設備。
  19. 前記設備が、分離器の上流で炭化水素供給材料を希釈ガスと混合するためのミキサーを備える、請求項16〜18のいずれか一項に記載の設備。
  20. 請求項16〜19のいずれか一項に記載された設備の使用を含んでなる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の、方法。
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