JP4974884B6 - 眼の治療のための装置 - Google Patents

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関連出願の説明:
本願は、出典を明示することによりその開示内容全体を本願明細書の一部とする2004年4月29日提出の米国仮出願第60/566,776号に基づく優先権を主張するものである。
眼は、視覚のための光学的及び神経学的プロセスを提供する様々な特殊化組織を有する複雑な器官である。医学的な治療のための眼に対するアクセスでは、その小さなサイズと、組織の傷つきやすい性質とが妨げになる。外科的アクセスは、視覚を保全するため、視軸内の組織の透明度及び整合性に影響を与えてはならない。加えて、眼は、免疫学的に特別であり、特に、眼球内の空間が病原体及び外傷の両方に見舞われた場合、深刻な感染の影響を受けやすい。
眼の組織にアクセスして治療する低侵襲手術方法は、外傷と病原体の導入とを最小限にすることが望まれる。手術中の眼の切開は、視覚に関する組織の光学的整合性に影響する可能性があり、その後の手術を更に困難にする瘢痕化を発生させる。低侵襲手術方法は、視軸内の組織の光学的整合性を変更する可能性を最小限にする点において有利である。低侵襲手術方法では、更に、小切開の使用が可能となる場合があり、これにより瘢痕化が限定され、その後の外科的処置の実行が可能となる。
低侵襲方法は、白内障を治療する眼の手術において日常的に使用されている。角膜において小切開を行い、外科用顕微鏡による角膜を介した直接的な視覚化の下で、適切なサイズのツールを導入及び使用する。ツールは、混濁した自然の水晶体を除去し、眼内レンズインプラントに置き換えるために使用される。低侵襲方法は、網膜手術にも使用され、強膜扁平部領域における小切開を介した、眼の後房へのツールの導入が伴う。角膜及び視軸を介した外科用顕微鏡による直接的視覚化により、外科医は、ツールを操作し、網膜及び斑紋を治療できる。
本発明では、脈絡膜上腔内からの眼への低侵襲外科的アクセスを可能にする微細手術ツール及び方法を説明する。脈絡膜上腔は、強膜と脈絡膜との間の仮想空間であり、眼圧による二組織の密接な並置に起因する。脈絡膜上腔は傷つきやすい性質を有し、無数の脈絡膜血管に隣接するが、本発明は、脈絡膜上腔に安全に配置し、前方の毛様体近くの領域と、後方の網膜及び視神経の区域とへ操作し得る、柔軟なカテーテル状のツールを提供する。こうしたツールは、緑内障の治療において、房水の流出を増加させるためのブドウ膜強膜排出経路の外科的な治療と、黄斑変性の治療において、斑紋及び脈絡膜血管構造の外科的な治療とに使用されると共に、黄斑変性又は視神経損傷の治療において、眼の後方組織に薬物を送給するために使用される。
本発明は、眼の脈絡膜上腔内でのアクセス及び挿入のために近端部及び遠端部を有する複合マイクロカニューレデバイスを提供し、デバイスは、約1000μmまでの外径を有し、眼の脈絡膜上腔内に適合するように構成された可撓性管状鞘と、近端部を介した材料及びツールの導入及び除去用に構成された近接組立体と、眼の内部での遠端部の位置を示し、視覚的に、或いは非侵襲性画像化により検出可能な、遠端部の信号発生ビーコンとを備える。
信号発生ビーコンは、介在組織を介して外部から見える強度で可視光線を発するように構成してよく、或いはビーコンは、超音波画像化、光干渉断層撮影、又は検眼鏡検査といった非侵襲性画像化により特定可能なマーカを備えてよい。マーカは、例えば、光造影マーカにしてよい。ビーコンは、意図した組織の治療の範囲と一致させるために、デバイスの軸線から約45乃至約135度の角度で、遠端部から照明を提供してよい。
管状鞘は、好ましくは、半径12乃至15mmの範囲で湾曲し、配置及び位置の判定を支援するために、視覚的に、或いは非侵襲性画像化により検出可能な、少なくとも一つの追加信号発生ビーコンに対応してよい。通常、鞘は、滑らかな外部被覆を備え、無外傷性の遠位先端部を有してよい。デバイスは、好ましくは、脈絡膜上腔への前部切開から眼の後方領域に達するために、約20乃至約30mmの範囲の最小長さを有する。
デバイスは、脈絡膜上腔内又は隣接する組織を画像化するために光ファイバと、脈絡膜上腔内又は隣接する血管を治療するためのエネルギ放出ソースとを備えてよい。ソースは、例えば、レーザ光、熱エネルギ、超音波、又は電気エネルギを放出可能にしてよい。好ましくは、ソースは、組織を狙うのを容易にするため、ビーコンの位置に整合させる。
デバイスは、更に、遠端部において送給可能なインプラントを備えてよい。インプラントは、空間維持材料又は薬物を備えてよい。
デバイスは、更に、遠端部において送給可能な徐放製剤を備えてよい。
別の実施形態において、デバイスは、追加として、近端部及び遠端部を有する内部材を備え、鞘及び内部材は、内部材が鞘内部に摺動して収まるようなサイズであり、鞘及び内部材の遠端部は、遠端部の一つ以上の開口部を介して、眼に対して組織の治療を提供するのに適している。内部材の遠端部は、組織の切開、切断、切除、又は除去に適したものにしてよい。内部材は、半径12乃至15mmの範囲で湾曲し、マルチルーメンチューブ及び/又は光ファイバを備えてよい。内部材は、スチール、ニッケルチタン合金、又はタングステンにより作成してよい。
別の実施形態では、眼の後方領域への流体送給用に眼の脈絡膜上腔に移植するための複合マイクロカニューレデバイスが提供され、デバイスは、約1000μmまでの外径を有し、眼の脈絡膜上腔内に適合するように構成された、近端部及び遠端部を有する可撓性管状鞘と、デバイスへの流体の注入を受領可能な自己密閉式近接取付部とを有し、鞘の遠端部は、デバイスから眼への流体の放出に適している。
デバイスは、移植中に脈絡膜上腔内での遠端部の位置を示す信号発生ビーコンを備えてよく、信号発生ビーコンは、視覚的に、或いは非侵襲性画像化により検出可能である。デバイスは、遠端部からの薬物等の流体の徐放に適したものにしてよい。
別の実施形態では、眼の脈絡膜上腔を治療する方法が提供され、方法は、
a)近端部及び遠端部と、約1000μmまでの外径と、無外傷性遠位先端部とを有する可撓性管状鞘を脈絡膜上腔に挿入するステップと、
b)鞘を脈絡膜上腔の前方領域へ挿入させるステップと、
c)房水排出用の空間を形成するために、エネルギ又は材料を遠端部から送給するステップと、を備える。
エネルギは、遠端部近くの強膜組織を治療又は除去するのに充分な、機械、熱、レーザ、又は電気エネルギを含んでよい。材料は、空間維持材料を含んでよい。
別の実施形態では、眼の後方領域を治療する方法が提供され、方法は、
a)近端部及び遠端部と、約1000μmまでの外径とを有する可撓性管状鞘を脈絡膜上腔に挿入するステップと、
b)鞘を脈絡膜上腔の後方領域へ挿入させるステップと、
c)斑紋、網膜、視神経、又は脈絡膜を治療するのに充分なエネルギ又は材料を遠端部から送給するステップと、を備える。
エネルギは、遠端部近くの組織を治療するのに充分な、機械、熱、レーザ、又は電気エネルギを含んでよい。材料は、薬物、又は薬物及びヒアルロン酸を含んでよい。薬物は、神経保護剤、抗血管形成剤、及び/又は抗炎症剤を含んでよい。代表的な抗炎症剤は、ステロイドを含む。
別の実施形態では、眼の脈絡膜上腔内又は隣接する組織を治療する方法が提供され、方法は、
a)近端部及び遠端部と、約1000μmまでの外径とを有し、無外傷性遠位先端部と、遠位先端部近くの組織の検出を提供する光ファイバとを備える、複合可撓性マイクロカニューレデバイスを脈絡膜上腔に挿入するステップと、
b)デバイスを脈絡膜上腔の後方領域へ挿入させるステップと、
c)対象組織を特定するために脈絡膜上腔の組織を検出及び特徴付けするステップと、
d)対象組織を治療するためにエネルギを遠端部から送給するステップと、を備える。
エネルギは、レーザ光、熱、超音波、又は電気エネルギを含んでよい。体表的な対象組織は、血管を含む。
本発明は、低侵襲手術を実行する目的で、或いは眼に薬物を送給するために、眼の脈絡膜上腔に外科的にアクセスするツール、材料、及び関連方法を提供する。具体的には、本発明は、上部組織の小切開を介して脈絡膜上腔内に配置し、腔内の適切な領域へ操作し、その後、デバイスの遠位先端部に隣接する組織を治療するために作動させ得る、可撓性マイクロカニューレデバイスを提供する。デバイスは、更に、デバイスの長さに沿った領域に隣接する組織を治療するための特徴を含んでもよい。本発明により達成される治療は、隣接組織の機械的修正、隣接組織へのエネルギの送給、デバイスの遠端部からの薬物又は薬物送給材料の送給、又はインプラントの送給を含む。
図1を参照すると、近端部2のコネクタと、遠位先端部3と、連絡チャネル4とを有する管状鞘の形態である可撓性の細長い要素1を備えるマイクロカニューレデバイスが図示されている。連絡チャネル4は、流体、薬物、材料、エネルギ、ガス、吸引、手術ツール、及びインプラントを、様々な作業のために、マイクロカニューレ又は近接コネクタから遠位部位へ送給するのに使用し得る。連絡チャネル4は、材料を運ぶ管状の細長い要素、光エネルギを運ぶ光ファイバ、又は電気信号を運ぶワイヤのルーメンにしてよい。本発明のマイクロカニューレは、一本以上の細長い要素を備えてよく、各要素は、一本以上の連絡チャネルを有する。一実施形態において、マイクロカニューレは、複合構造を形成するために、補強部材と共に二本以上の細長い要素で構成してよい。構成要素は、共に接着してよく、同軸上で入れ子にしてよく、或いは熱収縮チューブ等の外鞘内に配置してよい。要素の一つを材料の輸送に使用し、別の要素を光又はエネルギの輸送に使用してよいため、多機能手術ツールが提供される。
細長い各要素は、脈絡膜上腔に沿った挿入を可能とする充分な剛性の薄壁ポリマ又は金属チューブを備えてよいが、少なくとも遠端部は柔軟にするべきである。近接コネクタ2は、二次要素の取り付け及び導入のためにルアータイプ又は同様のシステムにしてよく、或いは特定の構成要素への取り付け用に設計してもよい。マイクロカニューレデバイスにより占有される脈絡膜上腔のサイズを最少化するように、適切なサイズにするべきである。デバイスは、約1000μmまでの外径が可能である。通常、マイクロカニューレデバイスは、約10乃至200μmの壁厚と共に、約50乃至1000μmの範囲の外径でサイズを定める。マイクロカニューレデバイスの断面は、脈絡膜上腔の形状に近づけるために、円形又は卵形にしてよい。
一実施形態において、眼の湾曲に近づけるために、所定の湾曲をマイクロカニューレデバイスに加えてよく、湾曲は、半径12乃至15mmの範囲となる。マイクロカニューレの長さは、前方のアクセスポイントから脈絡膜上腔の後方領域に達するのに充分な長さである約20乃至30mmとするのが好ましい。細長い要素の適切な材料は、金属、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアミド、又はポリエーテルブロックコポリアミド(Pebax)等のポリマ、ポリスルホン、フルオロポリマ、ポリプロピレン、ポリエチレン、又は同様の材料を含む。鞘の好適な材料は、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はフルオロポリマを含む。マイクロカニューレデバイスは、滑らかな被覆、或いは脈絡膜上腔内の深さを評価するための外面のマーキングといった表面処理を備えてもよい。
一実施形態において、マイクロカニューレは、細長い要素内に収まり摺動する内部材を備え、内部材は、近接端部及び遠位先端部を有する。内部材の挿入又は後退は、マイクロカニューレの遠位先端部の形状を変化させるために利用してよく、或いは代替として、組織の操作又はインプラントの送給を行う機械的動作を遠位先端部で発生させるために利用してよい。
本発明のマイクロカニューレには、脈絡膜上腔内に配置して操作することを可能にする特徴が組み込まれる。主要な特徴は、軸方向の剛性と追従性との適切な組み合わせを有することである。これを達成するためには、図2を参照すると、要素6の全体的壁厚を小さくして、連絡チャネルの断面寸法を最大化することを可能にする、細長い要素6に取り付けた補強要素5の使用が必要となり得る。補強要素は、ステンレススチール、チタン、コバルトクロム合金、タングステン、及びニッケルチタン合金を含む金属と、セラミックファイバと、高強度ポリマ複合体とのような任意の高弾性材料を含んでよい。補強要素は、ワイヤ、コイル、又は同様の構成を備えてよい。補強要素又は多数の要素は、マイクロカニューレの好適な偏向配向性を提供するように構成してもよい。補強要素は、外科医が好適な形状を設定できるように、金属等の可鍛性材料にしてもよい。
脈絡膜上腔で最適に使用するために、マイクロカニューレは、遠端部を柔軟にすることが好ましいが、近端部に向かって、より剛性の高い機械的追従性へ遷移する。繊維は、一つ以上の機械的追従性の段階、或いは、マイクロカニューレの長さに沿った追従性の勾配を含んでよい。更に、デバイスの遠位先端部を無外傷性にすることが好ましい。遠位先端部は、丸い形状を取り入れるか、或いは、可撓性の高い材料を備え、脈絡膜上腔内でのデバイスの挿入中に組織の損傷を防止する。マイクロカニューレは、外科医が脈絡膜上腔での配置中にマイクロカニューレを操作できるように、遠位先端部の形状及び配向性を指示するために、長さに沿った機械的要素を組み込んでもよい。
デバイスの重要な特徴は、外科医による誘導を可能にするために脈絡膜上腔内で視覚化される能力である。高周波超音波画像化、光干渉断層撮影(OCT)、又は間接的検眼鏡検査等、高解像度の非侵襲医学画像化を、本発明のマイクロカニューレデバイスと併せて使用してよい。患者の眼を画像化し、上部組織において、デバイスの導入に適切な無血管部位を決定してよい。更に、脈絡膜上腔を画像化し、外傷の可能性を最小限にするために、マイクロカニューレデバイスの導入又は挿入に最善の領域を決定してよい。脈絡膜上腔に直接的に、或いは被術者に対して全身的に送給される超音波又は光造影剤の使用は、画像化を容易にし得る。材料選択と、マイクロカニューレデバイスの遠端部及び長さに沿った造影マーカの使用とを利用して、デバイスに対して所望の画像特性を提供し、画像誘導を容易にしてよい。
マイクロカニューレの原位置での視覚化は、脈絡膜上腔に配置した内視鏡を介した直接的な画像化により達成してもよい。可撓性内視鏡を使用して、挿入する際にマイクロカニューレと共に追跡してよい。内視鏡は、マイクロカニューレと同様のサイズスケールで構築するべきであり、マイクロカニューレと併せて使用される別個のデバイスにしてよく、或いはマイクロカニューレの一部として製造してよい。一実施形態において、光ファイバ束又は傾斜屈折率レンズ画像化ロッド等の画像化要素は、細長い要素と共直線となるように作成され、楕円形の断面のデバイスを形成する。脈絡膜上腔の形状のため、組み合わせたデバイスの長軸の寸法は、挿入中に長軸が強膜及び脈絡膜組織の表面に対して平行を維持する限り、短軸より大幅に長くしてよい。
マイクロカニューレに組み込まれる信号発信ビーコンは、デバイスの誘導を強化する。図3を参照すると、マクロカニューレ9には、対象組織に対するマイクロカニューレ遠位先端部8の位置を特定するために、信号ビーコン7を取り付ける。信号ビーコン7は、外科的処置を誘導するのに使用される医学画像化手法に適合するものにしてよく、或いは、外科医による直接的な視覚化のために作成してもよい。例えば、ビーコン7は、超音波誘導用のエコー発生材料、光学的誘導用の光学活性材料、或いは視覚誘導用の光源を含んでよい。
一実施形態では、遠位先端部8に明るい可視光源を提供するために、プラスチック光ファイバ(POF)を組み込んでよい。POFの遠位端部は、マイクロカニューレの鞘の端部近く、或いは端部を僅かに超えて位置決めされ、放射された信号は、眼の外側の強膜組織を介して、或いは脈絡膜組織及び瞳孔径を介して、視覚的に検出し得る。こうした信号ビーコンにより、外科医は、遠端部を脈絡膜上腔に配置し、強膜を介した視覚的な誘導により挿入させ、適切な導入及び配置を確認できる。その後、マイクロカニューレは、直接的な視覚化の下で、脈絡膜上腔内において所望の組織治療領域へ挿入させ得る。眼の後方領域の治療のために、信号ビーコンは、瞳孔径を介して視覚化し、所望の領域へ方向付けし得る。POFは、方向ビーコンを提供するために、斜角付き、鏡面、又はその他の構成の先端部を備えてもよい。方向ビーコンは、デバイスの遠端部からの組織の治療の方向及び領域に整合させるために、マイクロカニューレの軸線から約45乃至約135度の範囲で構成してよい。ビーコンは、レーザ、レーザダイオード、発光ダイオード、又は水銀ハロゲンランプ等の白熱光源といった光源10により照明してよい。ビーコンは、マイクロカニューレの配向性を示して外科的な配置を助けるために、マイクロカニューレの長さに沿って延びてもよい。
マイクロカニューレデバイスは、デバイスの遠端部において手術を行うために使用してよい。デバイスの遠端部には、組織への治療的介入を可能にする要素を組み込んでよい。例えば、遠端部は、脈絡膜上腔の前方領域近くへ挿入させ、遠位先端部に隣接する組織を治療するためにデバイスを作動させてよい。組織の治療は、毛様体解離術の裂溝を形成するための組織の切断又は除去、ブドウ膜強膜排出を強化するための組織の切除、或いはブドウ膜強膜排出を増加させるためのインプラントの配置を含んでよい。遠端部は、脈絡膜、斑紋、又は網膜の治療を必要とする脈絡膜上腔の任意の領域へ挿入させてよい。組織の治療は、脈絡膜上の出血又は脈絡膜での滲出を排出するための吸引力の付与、或いは網膜静脈の閉塞を緩和する視神経鞘の治療を含んでよい。組織の治療は、更に、脈絡膜の新血管形成、メラノーマ、又は神経を治療するためのエネルギ又は手術ツールの供給を含んでもよい。適切に改変したマイクロカニューレを使用して、レーザ、無線周波超音波等の電気、熱、及び機械エネルギを含む様々な形態のエネルギの供給を達成し得る。こうした場合、デバイスは、追加として、近端部及び遠端部を有する内部材を備え、マイクロカニューレの鞘と内部材とは、内部材が鞘内部に摺動して収まるようなサイズであり、内部材の遠端部は、遠端部の一つ以上の開口部を介して、眼に対して組織の治療を提供するのに適している。内部材の遠端部は、組織の切開、切断、切除、又は除去に適したものにしてよい。内部材は、半径12乃至15mmの範囲で湾曲し、マルチルーメンチューブ及び/又は光ファイバを備えてよい。内部材は、スチール、ニッケルチタン合金、又はタングステンにより作成してよい。
本発明の一実施形態において、マイクロカニューレデバイスには、画像化要素を組み込み、外科医が脈絡膜上腔から血管を見て、特徴付け及び治療を行うことを可能にする。例えば、デバイスには、局所組織及び血管を画像化するために内視鏡を組み込んでよい。画像化には、組織の貫通を助けるために、赤外線等の不可視波長の光を取り入れてもよい。マイクロカニューレによりエネルギを送給する時、外科医が特定の組織を狙うのを容易にするために、エネルギ送給の範囲は、画像化手段の特定の範囲と一致するように整合させてよい。画像化は、治療の対象となる血管を特定するために、ドップラ血流検査法等、血流を特徴付ける要素を含んでもよい。治療方法では、光線力学療法において使用されるような感光剤による対象脈管構造の局所標識の使用を取り入れてもよい。対象血管の特徴付け及び特定の後、マイクロカニューレを使用して、レーザ光又は無線周波エネルギ等のエネルギを送給し、新血管形成又は血管の漏出を低減し得る。
マイクロカニューレは、更に、デバイスの遠端部から薬物又は薬物送給インプラントを送給するために使用し得る。図4を参照すると、マイクロカニューレ11は、外科的に形成した強膜フラップ12Bにより形成した手術入口点12Aを介して、脈絡膜上腔において後極12へ挿入させてよい。マイクロカニューレは、対象部位に薬物又は薬物送給インプラントを送給するために使用し得る。薬物又は薬物含有材料は、マイクロカニューレの格納空間から、或いは、近接コネクタ2(図1)からマイクロカニューレのルーメンを介して輸送することで、送給し得る。経時的な徐放を提供する薬物含有材料は、特に有用である。材料は、緑内障による神経損傷を治療するために視神経近くに送給してよく、或いは、黄斑変性、黄斑浮腫、網膜症、又は癌を含む脈絡膜又は網膜の疾病の治療のために脈絡膜上腔内に送給してよい。一実施形態において、マイクロカニューレは、薬物の微粒子を脈絡膜上腔へ送給し、疾患組織に対して薬物を徐放するために使用される。マイクロカニューレは、薬物微粒子の平均サイズの5乃至10倍のルーメン寸法と、微粒子による閉塞を防止する円滑な流路とにより、適切なサイズにする必要がある。微粒子により懸濁液を生成し、マイクロカニューレを介して、眼の適切な位置に注入し、非常に局所的な薬物濃度を提供し得る。代表的な製剤は、ヒアルロン酸溶液に懸濁させた薬物微粒子を含む。薬物は、微粒子、フィラメント、或いは、脈絡膜上腔内に留まるように設計された薬物放出インプラントのいずれかの形態で、固体の投薬形態として脈絡膜上腔へ送給してもよい。
図5を参照すると、マイクロカニューレ13は、脈絡膜上腔14内に留まる永久インプラントとして設計される。マイクロカニューレの遠端部15は、眼の後方領域へ継続的な期間に渡って薬物16を送給することに適している。適切な薬物放出動態を提供するために、遠端部には微小孔又は拡散障壁を組み込んでよい。マイクロカニューレの近接端部17は、脈絡膜上腔の外側へ延びるように埋め込み、強膜内又は結膜下腔内で位置決めされる。デバイスへの薬物の再充填のために、近接端部17には、注射器18によるデバイスへの反復的な注入を可能にする自己密閉式隔壁(図示なし)を組み込む。近接端部17は、アクセスを容易にするため眼の前方領域に配置してよい。遠端部15は、視神経、或いは治療対象の網膜又は斑紋の領域の近くに位置決めしてよい。デバイスは、視神経の損傷を治療する神経保護剤、黄斑変性を治療する抗血管形成剤、及び眼の後方領域での炎症を治療する抗炎症剤等の薬物の徐放を提供するために使用してよい。マイクロカニューレインプラントは、ヒアルロン酸等の空間維持材料を含んでもよい。更に、インプラントには、移植中に脈絡膜上腔内の遠端部の位置を示す信号発生ビーコンを設けてもよい。本実施形態のマイクロカニューレは、好ましくは、軟組織への移植に適した材料で構築される。こうした材料は、ポリジメチルシロキサン、ポリウレタン、テフロン(登録商標)、シリコンウレタンコポリマ、ポリエーテルブロックコポリアミド、ポリアミド、及びポリアミド等のポリマを含む。インプラントマイクロカニューレは、外科的移植を容易にするために外部又は内部マイクロカニューレ等の二次要素を利用してもよい。インプラントマイクロカニューレの外面には、組織内成長孔又は縫合固着用の特徴等、原位置での機械的固定のための特徴を組み込んでもよい。
本発明は、更に、脈絡膜上腔に外科的にアクセスすることで眼を治療する方法を提供する。以下の方法は、一例として提示されており、本明細書で説明したデバイスと共に使用し得る方法の全ての範囲を構成するものではない。第一の例において、外科医は、脈絡膜上腔にアクセスし、無外傷性遠端部を有するマイクロカニューレデバイスを腔内に配置する。内部材とビーコン信号とを有する鞘を備えるマイクロカニューレデバイスを使用し、内部材は、組織を治療又は切除するように構成された遠位先端部を有する。デバイス先端部を外科的治療に望ましい場所で位置決めするためにビーコン信号を視覚化しながら、デバイスを腔内で挿入させる。デバイスを作動させ、遠位先端部に隣接する制御された量の組織を治療する。エネルギは、遠端部近くの強膜組織を治療又は除去するのに充分な、機械、熱、レーザ、又は電気エネルギを含んでよい。外科的治療は、房水排出用の空間の形成と、脈絡膜上腔の後方領域における斑紋、網膜、視神経、又は脈絡膜の治療と、脈絡膜上腔内又は隣接する血管の治療とを含んでよい。血管を治療するために、デバイスは、好ましくは、治療を行う前に、光ファイバにより、組織の検出及び特徴付けを行い、対象血管を特定する能力を提供するのに適している。外科的治療後、デバイスを除去し、アクセス部位を任意の必要な方法により密封する。
別の実施形態では、脈絡膜上腔に外科的にアクセスし、マイクロカニューレデバイスを腔内に配置する。遠端部にビーコン信号を組み込んだ管状鞘を備えるマイクロカニューレデバイスを使用する。デバイス先端部を薬物治療に望ましい後方位置に位置決めするために、最初に強膜組織を介して、次に瞳孔径を介してビーコン信号を視覚化しながら、デバイスを脈絡膜上腔内で挿入させる。マイクロカニューレを介して、薬物、薬物含有材料、又は空間維持材料を送給する。デバイスを除去し、アクセス部位を任意の必要な方法により密封する。
処置は、必要に応じて、一つの眼につき一つより多くの部位で実行してもよい。実際には、一つ以上の部位で処置を実行し、患者を手術後にモニタしてよい。更なる治療が必要である場合には、その後の処置を実行してよい。
以下の実施例は、例示の目的で提示され、いかなる形でも本発明を限定するものではない。
実施例1
ポリイミド注入ルーメンと、ステンレススチール耐キンク性心線と、デバイス先端部でビーコン信号を形成するプラスチック光ファイバとを備えるマイクロカニューレを製造した。ポリエチレンテレフタレート(PET)の非常に薄壁な熱収縮チューブを使用して、構成要素を結合した。組み立てたマイクロカニューレは、外径約200μm、内径75μm、有効長25mmとなった。組み立て前にPET収縮チューブの端部を融点まで加熱し、無外傷性の球形遠位先端部を形成した。溶解物の表面張力により、丸い球形先端部が生じる。ステンレススチール線をルーメン内に配置し、先端部の溶解中にルーメンを維持した。近端部は、ルアー取付部に接続された注入チューブと、25mWレーザダイオード照射源に接続された光ファイバライトパイプとにより構成される。ルアー取付部は、外科用粘弾性物質(Healon GV、カリフォルニア州アーバインのAdvanced Medical Optics)を充填したインジェクタに取り付けた。
摘出した人間の死体の眼を手術用に準備した。半径方向、或いは半径方向及び横方向(十字)の切開を使用して、扁平部近くの内直筋付着部上方で、脈絡膜上腔まで強膜を切り下げた。脈絡膜上腔にアクセスした後、先端部のビーコン信号を視覚的に観察しながら、マイクロカニューレを腔内へ進めた。ビーコン先端部は、上部の強膜を介して眼の外部で観測可能であり、介在する脈絡膜組織を介して眼の内部からも観察できた。デバイスの先端部は、デバイスの遠位端部のビーコン信号を観察しながら、近端部の操作により位置決め可能となった。後方へ向けたマイクロカニューレにより、デバイスを視神経近傍に進めることができた。側方へ向けて、大きな円形のルートで、デバイスを球体の周囲で完全に周回させることができた。前方へ向けて、デバイスをシュレム管へ進め、その後、前房へ進めることができた。第二の実験では、高周波超音波画像化システムにより誘導して、マイクロカニューレを脈絡膜上腔に配置した。マイクロカニューレは、画像化により、脈絡膜上腔内部で観察及び誘導可能となった。粘弾性物質の注入は、マイクロカニューレ遠位先端部の領域における脈絡膜上腔の粘弾性切開を示す画像化システムにより部位を観察しながら行った。
実施例2
本発明のマイクロカニューレを介した注入による脈絡膜上での投与のために、製剤を準備した。トリアムシノロンアセトニド懸濁液(Kenalog40、40mg/ml、Bristol Meyers Squib)を無菌注射器に吸引した。注射器を殺菌した0.45μm注射器フィルタに取り付け、薬物懸濁液をフィルタに注入し、薬物粒子を捕獲した。補助ミキサを有する第二の注射器をフィルタに取り付け、殺菌したヒアルロン酸溶液0.6ミリリットル(Healon、10mg/ml、カリフォルニア州アーバインのAdvanced Medical Optics)を、薬物粒子を含むフィルタに導入した。次に、ヒアルロン酸及び薬物粒子を第一の注射器に吸引し、フィルタを除去した。ヒアルロン酸及び薬物粒子を二本の無菌注射器間で複数回往復させ混合した。懸濁製剤は、200mg/mlのトリアムシノロンアセトニドと、10mg/mlのヒアルロン酸とを含有した。次に、マイクロカニューレを介した注入のために、製剤を粘弾性インジェクタに移動させた。ヒアルロン酸溶液に懸濁させたトリアムシノロンアセトニドの平均粒子サイズは、コールタカウンタを用いて測定し、約4μmの平均粒子サイズを実証した。
直径0.008’’×0.0010’’の65Shore DデュロメータのPebaxチューブである連絡要素を備え、直径0.0033’’のプラスチック光ファイバと直径0.001’’のステンレススチール線とをルーメン内に含むマイクロカニューレを製造した。プラスチック光ファイバは、照明したビーコン遠位先端部を提供するために、実施例1において使用したものと同様のレーザダイオード光源に接続した。スチール線は、シャフトのキンク防止のために組み込んだ。チューブのルーメンは、より大きなプラスチックチューブに取り付け、更に、注射器又は粘弾性インジェクタを取り付けるため、近接ルアーコネクタに取り付けた。少量の高粘度紫外線硬化接着剤を付与し、硬化前に表面張力により球形の先端部を形成させることで、無外傷性遠位先端部を作成した。デバイスは、ガンマ線照射により殺菌した。
動物実験を行って、脈絡膜上腔へのアクセスと、後極への挿入とについてマイクロカニューレを評価した。実験は、若い家畜のブタを使用して実行した。各手術では、動物を麻酔し、標準の眼科手術手順により準備した。角膜縁切開を行い、結膜を後退させた。扁平部において、脈絡膜まで強膜の小切開を行った。マイクロカニューレを切開内へ挿入して、脈絡膜上腔へアクセスし、その後、後極へ戻した。瞳孔径を介した外科用顕微鏡の視覚化では、照明されたビーコン先端部を観察することで、マイクロカニューレ遠位先端部の位置が表された。マイクロカニューレは、容易に、或いは目に見える組織の外傷なく、眼の後方領域へ進めることができた。
実施例4
実施例3で使用したものと同様のマイクロカニューレを無外傷性先端部なしで作成した。デバイスは、実施例3において説明したように、ブタ動物実験中に使用した。一事例において、マイクロカニューレは、後方領域へ進めることができず、脈絡膜上腔の組織に引っ掛かったと思われた。第二の例において、マイクロカニューレは、後極へ進めることができたが、多数の位置で脈絡膜組織に引っ掛かり、血管造影による画像化時に見られた組織の不規則性を引き起こしたと思われた。残りの試験では、無外傷性の先端を有していないマイクロカニューレは、脈絡膜上腔内へ進めることができた。各事例において、無外傷性先端部を有するものに比べ、デバイスを挿入させるのが困難であることが指摘された。
実施例5
実施例3において説明したように、たマイクロカニューレを製造し、ブタ動物実験中に使用した。
粘弾性物質(Healon、カリフォルニア州アーバインのAdvanced Medical Optics)或いは実施例2において説明したステロイド/粘弾性物質(トリアムシノロンアセトニド及びHealon)製剤を、中心野の領域で脈絡膜上腔に送給した。粘弾性物質及びステロイド/粘弾性物質の送給量は、1.2乃至9.2mgの範囲とした。送給した材料は、直接的視覚化と、走査レーザ検眼鏡を使用した後方区画画像化とにより、脈絡膜上腔において観察できた。動物は、一ヶ月まで存続した。屠殺体での後方区画画像化は、網膜又は脈絡膜血流で観察可能な何らかの変化を示さず、有害組織反応は見られなかった。
実施例6
小型内視鏡を備えた可撓性マイクロカニューレを脈絡膜上腔内での使用のために製造した。脈絡膜上腔内からの強膜及び脈絡膜組織の直接的画像化におけるマイクロカニューレの使用を評価するために実験を行った。約3000本のグラスファイバからなるカスタムマイクロ内視鏡(フロリダ州ゲインスビルのNanoptics Inc.)を製造した。マイクロ内視鏡は、焦点5mmの勾配対物レンズを含む直径350μmの先端部を終端とする約250μmの外部ジャケット寸法を有する。マイクロ内視鏡は、10倍のミツトヨ製顕微鏡対物及びチューブレンズを介して、CCDビデオカメラ及びビデオモニタに結合させた。
摘出した人間の死体の眼を実験に使用した。扁平部において、脈絡膜の深さまで半径方向の切開を行った。少量の粘弾性物質(Healon GV、カリフォルニア州アーバインのAdvanced Medical Optics)を外科的切開部に注入し、マイクロ内視鏡の配置のために脈絡膜上腔を広げ、通路を潤滑化した。マイクロ内視鏡を切開部に挿入し、脈絡膜上腔において後方へ進めた。外科用顕微鏡により透光を送り、カメラ画像を飽和させることなく最善の画像が得られるように調整した。マイクロ内視鏡を挿入させ、操作を行って、腔内の様々な位置を見た。組織は容易に特定可能で、強膜は、(透光のため)白色の明るい組織として見え、脈絡膜は、脈絡膜表面の詳細が識別可能な状態で、暗い赤茶色に見えた。
実施例7
脈絡膜上腔への反復アクセスを提供する留置マイクロカニューレインプラントを製造した。マイクロカニューレは、0.010’’ID×0.012’’ODのPebaxポリマチューブを備えた。高粘度紫外線硬化接着剤をチューブ端部に付与して、丸い先端部を形成することで、無外傷性遠位先端部を形成した。チューブの端部に熱を加え、外側へ広げることで、近端部に組織接合フランジを形成した。マイクロカニューレの全長は、0.79’’とした。留置マイクロカニューレは、有効長4’’を有する実施例1のマイクロカニューレと同様の送給マイクロカニューレ上に配置した。送給マイクロカニューレは、0.008’’ODとし、照明された遠位端部を提供するためにプラスチック光ファイバを含めた。ファイバの近端部は、実施例1において説明したように、電池式レーザダイオードソースに接続した。送給マイクロカニューレは、留置マイクロカニューレ内部に丁度よく収まるサイズとした。
摘出した人間の死体の眼を実験に使用した。扁平部において、半径方向の切開を行い、強膜を通過させて切開し、脈絡膜を露出した。マイクロカニューレの配置が可能となるように、強膜から脈絡膜を充分に切り離すために、少量の粘弾性流体(Healon、カリフォルニア州アーバインのAdvanced Medical Optics)を切開部において脈絡膜上腔内へ注入した。
レーザダイオードを作動させ、送給マイクロカニューレに赤色光ビーコン先端部を提供した。組立体を脈絡膜上腔内に配置し、視覚的な誘導の下で後極に向けて挿入させた。組立体は、留置マイクロカニューレの組織フランジが強膜面と同一平面となるまで挿入させた。眼の外部の検査では、ビーコン先端部が黄斑部近くに位置することが明らかとなった。
留置マイクロカニューレを鉗子により所定の位置に保持した状態で、送給マイクロカニューレを引き出した。切開をシアノアクリレート接着剤により密封した。1cc注射器を使用し、少量のメチレンブルー染料を、留置マイクロカニューレの露出したルーメンに、31ゲージ皮下注射針により注入した。注入完了後、マイクロカニューレの遠位端部近くの黄斑部において、強膜を介して小切開を行った。この切開において、メチレンブルー染料が確認され、前方領域に位置するマイクロカニューレ近端部での注入により、脈絡膜上腔の後方領域へ注入が送給されることが確認された。
本発明による可撓性マイクロカニューレデバイスの図である。 本発明による補強部材を有するマイクロカニューレデバイスの図である。 本発明による遠位先端部に信号発信ビーコンを有するマイクロカニューレデバイスの図である。 眼の脈絡膜上腔内に位置決めされた、本発明によるマイクロカニューレデバイスの図である。 脈絡膜上腔内に位置決めされ、遠端部を介して眼の後方領域へ送給される薬物の投与を受領する、本発明によるマイクロカニューレデバイスの図である。
符号の説明
2…近接コネクタ
3…遠位先端部
4…連絡チャネル
5…補強要素
7…信号ビーコン
8…マイクロカニューレ遠位先端部
9、11、13…マクロカニューレ
10…光源
12…後極
12A…手術入口点
12B…強膜フラップ
14…脈絡膜上腔
15…遠端部
16…薬物
17…近接端部
18…注射器

Claims (23)

  1. 眼の脈絡膜上腔内でのアクセス及び挿入のために近端部及び遠端部を有する複合マイクロカニューレデバイスであって、
    無外傷性の遠位先端部を備え、1000μmまでの外径を有し、眼の脈絡膜上腔内に適合するように構成された可撓性管状鞘と、
    前記近端部を介した材料及びツールの導入及び除去用に構成された近接組立体と、
    眼の内部での前記遠端部の位置を示す前記端部の信号発生ビーコンと、を備え、
    前記信号発生ビーコンは、眼の外側から強膜組織を介して見ることによって、又は、脈絡膜組織を介して瞳孔径の中を見ることによって、脈絡膜上腔、脈絡膜上腔外側の介在強膜組織、及び脈絡膜上腔内側の介在脈絡膜組織において視覚的に直接検出可能である、デバイス。
  2. 前記管状鞘は、半径12乃至15mmの範囲で湾曲する、請求項1記載のデバイス。
  3. 前記管状鞘は、配置及び位置の判定を支援するために、視覚的に検出可能な、少なくとも一つの追加信号発生ビーコンに対応する、請求項1記載のデバイス。
  4. 前記管状鞘は、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はフルオロポリマを含む、請求項1記載のデバイス。
  5. 前記管状鞘は、滑らかな外部被覆を備える、請求項1記載のデバイス。
  6. 脈絡膜上腔への前部切開から眼の後方領域に達するために、20乃至30mmの範囲の最小長さを有する、請求項1記載のデバイス。
  7. さらに、前記端部において送給可能なインプラントを備える、請求項1記載のデバイス。
  8. 前記インプラントは、空間維持材料を備える、請求項7記載のデバイス。
  9. 前記インプラントは、薬物を備える、請求項7記載のデバイス。
  10. さらに、前記遠端部において送給可能な徐放性剤を備える、請求項1記載のデバイス。
  11. 前記徐放性剤は、微粒子を含む、請求項10記載のデバイス。
  12. 前記微粒子は、ヒアルロン酸溶液に懸濁される、請求項11記載のデバイス。
  13. さらに、近端部と遠端部とを有する内部材を備え、前記鞘及び前記内部材は、前記内部材が前記鞘内部に摺動して収まるようなサイズであり、前記鞘及び前記内部材の前記遠端部は、前記デバイスの前記遠端部の一つ以上の開口部を介して、眼に対して組織の治療を提供するのに適している、請求項1記載のデバイス。
  14. 前記内部材の前記遠端部は、組織の切開、切断、切除、又は除去に適する、請求項13記載のデバイス。
  15. 前記内部材は、半径12乃至15mmの範囲で湾曲する、請求項13記載のデバイス。
  16. 前記内部材は、マルチルーメンチューブを備える、請求項13記載のデバイス。
  17. 前記内部材は、スチール、ニッケルチタン合金、又はタングステンを含む、請求項13記載のデバイス。
  18. 前記内部材は、光ファイバを備える、請求項13記載のデバイス。
  19. 前記ビーコンは、意図した組織の治療の範囲と一致させるために、前記デバイスの軸線から45乃至135度の角度で、前記デバイスの前記遠端部から照明を提供する、請求項1又は13記載のデバイス。
  20. さらに、脈絡膜上腔内又は隣接する組織を画像化するために光ファイバを備える、請求項1記載のデバイス。
  21. 更に、脈絡膜上腔内又は隣接する血管を治療するためのエネルギ放出ソースを備える、請求項1記載のデバイス。
  22. 前記ソースは、レーザ光、熱エネルギ、超音波、又は電気エネルギを放出可能である、請求項21記載のデバイス。
  23. 前記ソースは、組織を狙うのを容易にするため、前記ビーコンの位置に整合させる、請求項21又は22記載のデバイス。
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