JP4974874B2 - 可変分散補償器 - Google Patents

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本発明は、波長分散を任意の設定可能な可変分散補償器に関する。
近年急速な発展を見せる大容量の光通信ネットワークの構築は、従来主流であったPoint−to−Point型からリング・メッシュ型へと移行しつつある。リング・メッシュ型ネットワーク方式の特徴として、波長パスの動的切替により、新規パスの開通ならびに廃止に伴う現地作業量の大幅な減少が可能という利点を有する。しかしながら、このような利点の裏返しとして、波長パスの切替に付随してパスの長さも変化することから、必然的に波長分散も変化してしまう。このため、従来用いられてきた分散補償ファイバや分散補償量固定型の分散補償器による対応は困難であり、波長分散補償量を任意に設定可能な可変型の分散補償器の開発および導入が急務である。
従来の可変分散補償器の方式としては、VIPA+3次元ミラー型(非特許文献1参照)、ファイバブラッググレーティング型(非特許文献2参照)などによる可変分散補償器が挙げられる。
特許第3516165号公報 M. Shirasaki, S. Cao, OFC2001(2001)TuS1-1−TuS1-3. R.-L. Lachance, M. Morin, Y. Painchaud, Electron. Lett., 38,2002, pp. 1505-1507.
従来の可変分散補償器の場合、例えば非特許文献1に示したVIPA+3次元ミラー型では、波長分波素子としてVIPAと、二次曲線の曲率が連続的に変化している構造の3次元ミラーと、VIPAからの出力光を3次元ミラー上に集光させるためのレンズとを基本構成要素とする。この方式のキーデバイスである3次元ミラーの作製にあたっては高い精度を必要とするため、作製が非常に困難である。さらにこれら基本構成要素以外にも、信号光をVIPAに入力するためのレンズ群が必要となるため、部品点数の増加に伴うコストの増加、およびVIPA、3次元ミラー、複数のレンズなどを精密にアライメントする必要がある。
また非特許文献2に示したファイバブラッググレーティング型は、小型かつ低コストの可変分散補償器を実現しているが、ファイバにグレーティングを書き込む際の精度に起因して発生する位相エラーが分散補償特性にリップルをもたらすことが問題となっている。さらに外部ヒータを用いてファイバに温度分布を形成することで任意の分散量に設定することが可能としているが、大きい分散値を設定するためには、ファイバブラッググレーティングにおける最高温度/最低温度の温度分布コントラストを高くする必要があることから莫大な消費電力が必要となり、大きな分散量を得ることは困難である。
以上に示したとおり、今後求められる可変分散補償器の特徴としては、1)できるだけ簡易で低コストな構成でありながら、2)大きな波長分散を補償することができ、3)さらに分散補償特性におけるリップルが低いといった点が重要であるが、これらを同時に解決できる先行報告はない。この点を解決できる可能性を秘めた先例としては、特許文献に示されているような、波長分波素子としてVIPA、集光レンズ、平面ミラーを基本構成要素とし、VIPAと集光レンズとの間の距離を制御することによって可変分散補償を行う方式が検討されている。複雑な構造の部品や消費電力の高くなるヒータを用いずとも可変分散補償が実現できる、また分散補償特性にリップルを非常に生じにくいという点から、上述の課題に対応可能な有効性の高い方式であることが伺える。
しかしながら、この方式では波長分波素子としてVIPAを用いるため、長波側ほど強度が高い歪んだ出力フィールドを形成することに起因して原理的な損失が大きくなってしまう。さらに前述したようにVIPAに信号光を入力するための光学レンズ群が必要であり、結果的にコストの増加に繋がってしまっている。さらに特許文献にはこの方式によって可変分散補償が実現できる旨が簡単に述べられているに留まり、実際の構成についての言及はほぼ皆無である。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、1)できるだけ簡易で低コストな構成でありながら、2)大きな波長分散を補償することができ、3)さらに分散補償特性におけるリップルが低い可変分散補償器を提供することにある。
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、可変分散補償器であって、入力側光導波路、スラブ導波路、および複数のアレイ導波路が順に接続された入力用アレイ導波路格子と、前記入力用アレイ導波路格子の前記アレイ導波路から出射された複数の光信号を集光する少なくとも1つのレンズと、波長ごとに分波された前記複数の光信号を反射する光反射器と、前記入力用アレイ導波路格子と同様の構造からなり、前記光反射器で反射された複数の光信号を前記レンズを介して入力し、合波して出力する出力用アレイ導波路格子とを備え、前記入力用アレイ導波路格子から前記レンズまでの光路長と前記レンズから前記出力用アレイ導波路格子までの光路長は等しく、前記入力用アレイ導波路格子から前記レンズまでの光路長を変化させることにより、前記入力用アレイ導波路格子から前記レンズまでの光路長と前記レンズの焦点距離との差を変化させることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記レンズから入力された光が前記光反射器で反射され、再び前記レンズに出力される間の光路長を前記レンズの焦点距離の2倍に保ちながら、前記入力用アレイ導波路格子と前記レンズとの間の光路長および前記レンズと前記出力用アレイ導波路格子との間の光路長を変化させる光路長調整手段を用いることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記光路長調整手段として、前記入力用アレイ導波路格子と前記レンズとの間の空間的な距離を光軸方向に変化させることで光路長を制御する機構を有することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記入力用アレイ導波路格子と前記レンズとの間の距離を光軸方向に変化させることで空間的な距離を制御する機構として、光軸方向に可動する光遅延回路を用いることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項3において、前記入力用アレイ導波路格子と前記レンズとの間の距離を光軸方向に変化させることで空間的な距離を制御する機構として、前記入力用および出力用アレイ導波路格子の両者を固定した基板を光軸方向に可動させる機構を有することを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項3において、前記入力用アレイ導波路格子と前記レンズとの間の距離を光軸方向に変化させることで空間的な距離を制御する機構として、前記レンズおよび前記光反射器の両者を固定した冶具を光軸方向に可動させる機構を有することを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項2において、前記入力用アレイ導波路格子と前記レンズとの間の光路長を変化させる光路長調整手段として、光軸方向に対する厚さが位置によって異なる部材を用い、前記部材に入射する光の位置を調整することにより光路長を制御することを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7において、光路長を制御する前記部材は、光軸方向に対する厚さが連続的または離散的に変化している形状の部材であることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項2において、前記出力用アレイ導波路格子は、前記入力用アレイ導波路格子と並列に配置されており、サーキュレータを有しないことを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項2において、前記入力用アレイ導波路格子と前記レンズとの間の光路長を制御する手段として、屈折率変調素子を用いて光路長を制御することを特徴とする。
本出願に明らかなように、波長分波素子と集光レンズとの間の光路長を制御する手法によって、高い作製精度を要求する部材を必要とせず、簡易な構成であり、かつ良好な分散補償特性を得ることが可能な可変分散補償器が実現できる。加えてアレイ導波路格子を分光素子として用いることによって、VIPAなどの従来の分光素子を用いた場合に比べて優れた光学特性を実現できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。これら実施形態は、本発明を理解するための説明であり、本発明を限定する意図ではないことに留意されたい。また全図を通して、同一の符号は、同一または相当部分を示すものとする。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る可変分散補償器の構成を示す図である。図1(a)は上面図であり、図1(b)は側面図である。
図1に示すように、実施形態1に係る可変分散補償器は、入力ファイバ106、接続ファイバ108、および出力ファイバ109が接続されたサーキュレータ107と、接続ファイバ108に接続されたアレイ導波路格子101と、焦点距離がfYの第1のYシリンドリカルレンズ102と、Z軸に平行な方向に可動する可動板105上に配置された焦点距離がfXの集光レンズ103および平面ミラー104とがこの順に配置されている。またここでは、アレイ導波路格子101の基板における信号光の出射端面と水平な方向をX、垂直な方向をYとし、光波の進行方向すなわち光軸をZとする。
本実施形態における説明では、レンズ系としてYシリンドリカルレンズ102および集光レンズ103をこの順番に用いているが、同様の光学特性を有する構成であれば何枚のレンズを用いても構わず、またどのような配置を用いても問題はない。また集光レンズ103および平面ミラー104は同一の可動板105の上に固定された構造を用いたが、集光レンズ103と平面ミラー104との間の光路長を一定に保ちつつ、光軸方向に集光レンズ103および平面ミラーを稼働させる機構であればどのような構造でもよい。さらに、実施形態1では集光レンズ103および平面ミラー104が可動板105上に配置されているが、代わりにアレイ導波路格子101およびYシリンドリカルレンズ102を可動板上に配置して、アレイ導波路格子101と集光レンズ103との間の空間的距離を制御する構造であってもよい。
図2は、長分波器および波長合波器としてのアレイ導波路格子の詳細を示す図である。図2に示すように、アレイ導波路格子101は、入力側光導波路201に接続された第1のスラブ導波路202と、第1のスラブ導波路202に接続されたアレイ導波路203と、アレイ導波路203に接続された第2のスラブ導波路204とを備える。第2のスラブ導波路204は、備えていても備えていなくてもよい。
本発明の可変分散補償器の動作は以下の通りである。まず、入力ファイバ106に入力された信号光が、サーキュレータ107を介してアレイ導波路格子101に入力される。入力された信号光は、入力側光導波路201、第1のスラブ導波路202、アレイ導波路203および第2のスラブ導波路204をこの順に通過する。アレイ導波路格子101は、動作中心波長λ0、自由スペクトルレンジFSRの分波特性を有するように設計される。アレイ導波路格子101より出力された光信号は、基板出射直後には基板垂直方向に発散するが、アレイ導波路格子端面よりfYの位置に配置されたYシリンドリカルレンズ102によりY方向に平行光に変換される。Yシリンドリカルレンズ102を通過した光信号は、アレイ導波路格子101の端面からZ軸方向に距離Lだけ離れた位置に配置されている集光レンズ103を通過することで、波長ごとに分波され、集光レンズの主面からfXの位置に配置された平面ミラー104上に集光する。詳しくは後述するが、アレイ導波路格子101と集光レンズ103との間の距離Lが集光レンズ103の焦点距離fXと異なる場合、平面ミラー104位置において、各波長の主光線におけるアレイ導波路格子101から平面ミラー104までの光路長が等しい点を結んだ面は球面となる。このため、平面ミラー104上で波長軸、すなわちX軸に対して2次の依存性を有する位相差を付与することができ、これが波長分散を与える主な原理である。位相変化を与えられた信号光は平面ミラー104により反射され、同一のアレイ導波路格子101を介して接続ファイバ108およびサーキュレータ107に導かれ、出力ファイバ109より出力される。
本発明においては、平面ミラー104上で生じる波長依存の光路差、すなわち位相分布を生じさせことによって分散補償器として動作する。アレイ導波路格子101から集光レンズ103までの距離がfXとなるような可動板105の位置を基準として、Z軸方向に可動板105を移動させた距離をΔzとすると、アレイ導波路格子101と集光レンズ103との距離LはL=fX−Δz、で表すことができる。さらにアレイ導波路格子101と集光レンズ103との間の距離がLのとき、集光レンズ103の後方に結ばれ焦点から平面ミラー104までの距離をrとすれば、ガウスのレンズの公式から下式が成立する。
Figure 0004974874
(1)式の関係を用いて、前記したLの定義からrを求めれば、
Figure 0004974874
と表現することが可能となる。上式によれば、Δz=0、すなわち、L=fXが成立する場合にはrは無限大となり、アレイ導波路格子101によって分波された各波長の光はいずれも光軸方向に平行な角度で入射し、平面ミラー104の反射面上に集光するため、平面ミラー104の反射面と各波長の主光線におけるアレイ導波路格子101から平面ミラー104までの光路長が等しい点の集合は一致する。しかしΔz=0が成立しない場合には平面ミラー104の位置において各波長の集光位置こそ不変であるものの、アレイ導波路格子101における設計中心波長λ0以外の波長の光は光軸方向に平行な角度から若干X軸方向に関して傾いた角度で入射する。また各波長のアレイ導波路格子101から平面ミラー104までの光路長は設計中心波長λ0における光路長からわずかに変化することとなる。この各波長の光路長が等しい点の集合は半径がrの球面となり、平面ミラー104で反射させることにより波長軸に対して二次の依存性を有する位相差が与えられる。すなわちΔzを制御することで各波長に与えられる位相差を制御することができるため、この性質を利用して任意の波長分散を付与することが本発明の主たる原理である。
図3に実施形態1による可変分散補償器の特性例を示す。図3は、具体的な数値として、アレイ導波路格子101のFSRを100GHz、中心波長を1.55μm、Δz=0のときに平面ミラー上に集光する最短波と最長波の位置の差をΔx=2560umと設計し、集光レンズ103の焦点距離fXを10mm、集光レンズ103による焦点距離fXからの移動量Δzを最大±500μmまで変位させたときの群遅延特性である。この結果によれば、Δz=−500μmであるとき、分散補償量527.65ps/nmを達成することができることがわかる。また、本実施例における光学損失は、中心波長以外では原理的に結合光の角度ずれによる損失が発生するものの、Δzが±500μm以内の本特性例の場合ではおよそ1dB以下であり、非常に広い帯域において分散補償を行うことが可能である。帯域に関しても前記|Δz|およびΔxの最適化により、ほとんど帯域狭窄の起こらない分散補償器を実現可能である。
さらに大きな分散補償量を設定するには、|Δz|およびΔxをさらに大きく与えることで達成可能である。本発明による分散補償器の分散補償量は前記|Δz|に比例し、Δxの二乗に比例するため、具体的には、Δz=−1000μm、Δx=5120μmに設定することで分散補償量4221.22ps/nm、1dB帯域92.8GHzほどの特性改善が可能である。
本実施形態の特徴として、波長分波素子としてアレイ導波路格子を用いているため、光ファイバとの直接接続が可能であり、可変分散補償に必要な基本構成要素以外の光学系を極力排除することができ、低コストである。また本実施形態では、用いる部材のいずれも汎用品を用いて構成することが可能である。非特許文献1における3次元ミラーは反射面形状が複雑であり作製は非常に困難であるが、本実施形態においては平面ミラーを用いるため、さらなる低コスト化を実現することができる。さらに非特許文献文献1および特許文献における波長分波素子であるVIPAは、原理的に波長軸に対する強度分布は中心波長に対し非対称となり、これは長波長ほど強度が高くなる。従って反射型の分散補償器に用いようとするとモードの不整合が生じるために損失が大きくなってしまう。本実施形態におけるアレイ導波路格子では出力モードが中心波長に対して対称なガウス分布となり、挿入損失を非常に小さく抑えることができる。原理的には、損失は発生しない。加えて、非特許文献2においては、作製プロセス誤差によりわずかに位相誤差が発生すると分散補償特性におけるリップルが発現することが知られているが、本実施形態では高精度を要求する部材が少なく、リップルの発生率は非常に低い。加えて、可動板105の移動手段として、例えばステッピングモータを用いた場合では、分散変動後に自己保持が可能であり、低消費電力なデバイスを実現できる点を優位な点として挙げることができる。加えてアレイ導波路格子では回路の設計自由度が非常に高く、単なる波長分波手段としての利用のみならず、特許文献ならびに非特許文献1および2における可変分散補償器では必須であったサーキュレータの省略が、追加コストの発生なしに実現できる。以上に述べた本実施形態の特長は、本発明の基本的な部分であり、本実施形態におけるメリットは、大部分を後述する他の実施形態でも有することができる旨を付記しておく。
(実施形態2)
図4は、実施形態2に係る可変分散補償器の構成を示している。図4(a)は上面図であり、図4(b)は側面図である。
図4に示すように、実施形態2に係る可変分散補償器は、入力ファイバ106、接続ファイバ108、出力ファイバ109が接続されたサーキュレータ107と、接続ファイバ108に接続されたアレイ導波路格子101と、焦点距離がfYのYシリンドリカルレンズ102と、Z軸に平行な方向に可動である光遅延回路401と、焦点距離がfXの集光レンズ103と、平面ミラー104とが光軸に沿ってこの順に配置されている。アレイ導波路格子101から光遅延回路401までの距離をL1、光遅延回路401において信号光がY軸方向に移動する距離をL2、光遅延回路401から集光レンズ103までの距離をL3とすると、アレイ導波路格子101から集光レンズ103までの光学的距離LはL=L1+L2+L3の関係にある。本実施形態における説明ではレンズ系としてYシリンドリカルレンズ102および集光レンズ103をこの順番に用いているが、同様の光学特性を有するならば何枚のレンズを用いても構わず、またどのような配置を用いても問題はない。また光遅延回路401としては、2枚のミラーをお互いのなす角度を直角に配置したレトロリフレクタを用い、これをZ軸方向に可動としているが、同様の機能を有する機構ならば何枚のミラーを用いても構わず、またどのように配置しても構わない。本実施形態においてはアレイ導波路格子101から出射された信号光の光軸上に光遅延回路401を1組配置しているが、光遅延回路を何組配置しても当然ながら問題はない。さらに同様の機能を有するならば光遅延回路401をレトロリフレクタに限定するものではなく、例えばプリズムを用いてもよい。さらに本実施形態では光遅延回路401にて反射された光はアレイ導波路格子101の下面に導かれているが、上面に光を導く構成をとっても同様の効果を得ることができることは自明である。
本実施形態における基本的な原理は、実施形態1における動作原理と同じであるため実施形態1のメリット(分散補償量が大きい、リップルが非常に小さいなど)の大部分を有しながら、さらに光遅延回路をΔz/2だけ移動させると光路長はΔz変化する点が特徴的である。このため実施形態1と同様に光遅延回路401をΔz移動させることによる光路長変化は実施形態1の2倍となり、モジュールが小型化するという利点を有しながら大きな分散補償を行うことができる。
また、光遅延回路401により信号光をアレイ導波路格子101の上面または下面に導く反射型構成であるため、モジュールの小面積化がより一層促進される。さらに図4に示す2枚の平面ミラーを組み合わせた光遅延回路を用いる場合、Y軸方向に角度ずれが生じても同一の光路をたどり、光軸がずれないため、光遅延回路401移動時の機械的振動やガタに対するトレランスが強いという利点がある。さらには、本実施形態における基本構成要素であるアレイ導波路格子、集光レンズ、平面ミラーを稼働させる必要がなく、光遅延回路401移動時の分散補償特性は安定性が高く、分散変動時の信頼性は非常に高い。
(実施形態3)
図5は、実施形態3に係る可変分散補償器の構成を示している。図5(a)は上面図であり、図5(b)は側面図である。
図5に示すように、実施形態3に係る可変分散補償器は、入力ファイバ106、接続ファイバ108、出力ファイバ109が接続されたサーキュレータ107と、接続ファイバ108に接続されたアレイ導波路格子101と、焦点距離がfYのYシリンドリカルレンズ102と、Y軸に平行な方向に可動である光路調整部材501と、焦点距離がfXの集光レンズ103と、平面ミラー104とが光軸に沿ってこの順に配置されている。光路調整部材501としては、屈折率がnの楔形のガラスウェッジ板を用いることができる。アレイ導波路格子101から光路調整部材501までの距離をL1、光路調整部材501において信号光が通過する部分の厚さをL2、光路調整部材501からの出射端面より集光レンズ103までの距離をL3とすると、アレイ導波路格子101から集光レンズ103までの光学的距離LはL=L1+nL2+L3の関係にある。本実施形態における説明ではレンズ系としてYシリンドリカルレンズ102および集光レンズ103をこの順番に用いているが、同様の光学特性を有するならば何枚のレンズを用いても構わず、またどのような配置を用いても問題はない。また光路調整部材501に関し、Y軸方向に可動であり、さらに任意の位置にて固定できる機構であれば、どのような手段を用いてもよい。さらに光路調整部材としては、図6に示すようにY軸に垂直な方向に厚さが連続的に変化しているガラスウェッジ板を用いているが、後述するように、例えば図7に示すような円盤のある同一円周上において厚さが連続的に変化している円盤型光路調整部材を用いても同様の効果を得ることが可能であり、形状に関して制限を与えるものではない。
図6は、アレイ導波路格子と集光レンズとの間の光学距離Lの調整に用いる光路調整部材の詳細図である。光路調整部材501としては、1.5μm帯における屈折率が1.45の石英ガラスのウェッジ板を用いた。図6に示すように、Z軸方向の厚さが連続的に変化しており、最も薄い部分の厚さをd1、最も厚い部分の厚さをd2とし、また光路調整部材501の高さはhであるとする。なお、X軸方向の厚さに関してはどの位置においても一様である。図6において光路調整部材501はY軸に対して対称な形状であるが、Z軸方向の厚さが連続的に変化しているならばどのような形状でもよい。またZ軸に対するアレイ導波路格子101およびYシリンドリカルレンズ102の成す角度θ1、Z軸に対する集光レンズ103および平面ミラー104の成す角度θ2とするときθ=θ1=θ2として実施形態3を説明するが、平面ミラー104にて反射された光が往路と同様の経路を通過してアレイ導波路格子101に結合するという条件を満たす限り、どのようなθ1もしくはθ2をとっても問題ない。またウェッジ板の材質として石英ガラスを用いているが、同様の機能を備えるものであればどのような材質のウェッジ板を用いても問題ない。
本実施形態においては、光路調整部材501をY軸方向に平行移動させ、アレイ導波路格子101と集光レンズ103間の光路長を制御し、実施形態1と同様に位相差を形成することで分散補償を行う。従って実施形態3において可変分散補償器としての動作を決定する要因は光路調整部材501の特性が寄与する部分が大きい。自由空間で±500μmの範囲でΔzを調整していた実施形態1における特性例と同様な分散補償量を得るためには、光路調整部材501の屈折率をnとして
Figure 0004974874
が必要である。石英ガラスによるウェッジ板を光路調整部材501として用いる場合、n=1.45であるので、例えばθが20°のときは、最低でも2592μmほど厚さの差が必要となる。
また、本実施形態3においては、Z軸に対するアレイ導波路格子101およびYシリンドリカルレンズ102の成す角度θ1、Z軸に対する集光レンズ103および平面ミラー104の成す角度θ2とし、θ1=θ2が成り立つ構成としているが、このθ1=θ2に関しては
Figure 0004974874
上式より求めることができる。
また図7に円盤型光路調整部材の詳細を示す。円盤型光路調整部材は、円盤のある同一円周上においてZ軸方向、すなわち光軸方向の厚さが連続的に変化している構造であり、もっとも薄い部分をd1、もっとも厚い部分をd2としている。円盤型光路調整部材を用いた場合もウェッジ板と同様にY軸方向に対する角度を(4)式に基づいて決定する必要がある。この円盤型を用いることの利点として、ウェッジ板では部材そのものの体積の他に、稼働させための空間的マージンを考慮した設計を行わなければならないため、全体的にデバイスが大きくなってしまう傾向にあったが、円盤型光路調整部材では回転を行うだけで光路調整を行うことができるため、部材の配置スペース以外にマージンが不必要となり、デバイスの小型化を実現することが可能となる。
加えて、前述した実施形態1では、可動板105の可動方向と平面ミラー104への入射光軸が完全に一致しないと平面ミラー104にて反射された後に再度アレイ導波路格子101に結合する際の損失が増加してしまう。よって平面ミラー104および可動板105に関するX軸方向、Y軸方向の角度トレランスはいずれも厳しく、非常に精確に実装を行わなければならない。この点を鑑みると、本実施形態3では特にY方向に関して角度トレランスを比較的広くとることができ、損失を小さく抑えることができる点が優位な点として挙げることができる。
本実施形態は、実施形態1において図3を参照して説明したのと同様に、分散補償量が大きく、またリップルが非常に小さい。
(実施形態4)
図8は、実施形態4に係る可変分散補償器の構成を示している。図8(a)は上面図であり、図8(b)は側面図である。実施形態4では、屈折率変調素子を用いることにより、アレイ導波路格子101と集光レンズ103との間の光路長を可変として、分散補償器を実現する。
また、ここでは屈折率変調素子として電気光学効果を有するニオブ酸リチウム結晶を用いる例を示すが、同様の特性を示す電気光学結晶であればKTa1-xNbxO3、(Pb,La)(Zr,Tr)O3、K1-yLiyTa1-xNbxO3(0<x<1、0<y<1)、LiTaO3、LiIO3、KNbO3、KTiOPO4、BaTiO3、SrTiO3、Ba1-xSrxTiO3(0<x<1)、Ba1-xSrxNb2O6(0<x<1)、Sr0.75Ba0.25Nb2O6、Pb1-yLayTi1-xZrxO3(0<x<1、0<y<1)、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3、KH2PO4、KD2PO4、(NH4)H2PO4、BaB204、LiB3O5、CsLiB6O10、GaAs、CdTe、GaP、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、ZnOのいずれの電気光学結晶を用いてもかまわず、また同様の機能を備えている屈折率変調素子であればどのような素子を用いてもよい。当然ながら、ガラスやポリマー材料などによる熱光学効果でも同様の特性を得ることができることを付記しておく。
図8に示すように、実施形態4に係る可変分散補償器は、入力ファイバ106、接続ファイバ108、出力ファイバ109が接続されたサーキュレータ107と、接続ファイバ108に接続されたアレイ導波路格子101と、焦点距離がfYのYシリンドリカルレンズ102と、電気光学結晶素子801と、焦点距離がfXの集光レンズ103と、平面ミラー104とが光軸に沿ってこの順に配置されている。本実施形態においては、アレイ導波路格子101と電気光学結晶素子801が独立な構成であるが、アレイ導波路格子101と電気光学結晶素子801が同様の材料で構成されていても構わず、またアレイ導波路格子101の基板に電気光学結晶素子801を配置する、アレイ導波路格子101の第2スラブ導波路204に同様の機能を持たせる、などの構成を用いても当然ならが問題ない。アレイ導波路格子101から電気光学結晶素子801までの距離をL1、電気光学結晶素子801において信号光が通過する部分の距離をL2、電気光学結晶素子801からの出射端面より集光レンズ103までの距離をL3とし、電気光学結晶素子801の屈折率がneoのとき、アレイ導波路格子101から集光レンズ103までの光学的距離LはL=L1+neoL2+L3の関係にある。本実施形態における説明ではレンズ系としてYシリンドリカルレンズ102および集光レンズ103をこの順番に用いているが、同様の光学特性を有するならば何枚のレンズを用いても構わず、またどのような配置を用いても問題はない。
図9は、電気光学結晶素子の詳細図である。図9に示すように、電気光学結晶903の上下面それぞれに電極901および902が配置されており、この電極に電圧を印加することで、電気光学結晶903内ではポッケルス効果もしくはカー効果の発現により電界印加領域において一様な屈折率上昇が起きる。本実施形態におけるニオブ酸リチウムでは、ポッケルス効果が発現するため、その屈折率変化量Δnに関しては下式が成立する。
Figure 0004974874
ここでr33は1次の電気光学定数であり、ポッケルス定数とも呼ばれる値である。またEは印加電界量である。電気光学結晶903にニオブ酸リチウム結晶を用いる場合、10V/μmの電界が印加によって、Δn=1.70×10-3の屈折率変化を得ることができる。集光レンズ103としてfX=10mmのものを用い、電気光学結晶903の光軸方向、すなわちZ軸方向の厚さが10mmであるとき、実質的にΔz=17μmの光路長を制御することが可能となる。この場合、実施形態1と同様の条件では18.83ps/nmの分散補償に相当し、非常に高精度に分散補償を行うことができる。
本実施形態の特徴として、構成要素に可動部が存在しないため分散補償器インストール時の信頼性向上を図ることができる。さらに、実施形態1〜3においては、信号光が通過する領域以外にも光路調整部材501などに代表されように可動部そのものが大きく、さらに可動させるためのマージンをとらねばならないためにデバイスサイズは大きくなりがちであるが、本実施形態においては、電気光学結晶素子801の配置以外に必要なスペースは不要であり、さらに可動部がないため空間マージンを確保する必要がないことから、非常に小型な可変分散補償器が実現できる。加えて、電気光学結晶の駆動はマイクロ秒オーダーであるため、非常に高速に動作する可変分散補償器が実現可能である。
本実施形態は、実施形態1において図3を参照して説明したのと同様に、分散補償量が大きく、またリップルが非常に小さい。
(実施形態5)
図10は、実施形態5に係る可変分散補償器の構成を示している。図10(a)は上面図であり、図10(b)は側面図である。
図10に示すように、実施形態5に係る可変分散補償器は、入力ファイバ106、接続ファイバ108、出力ファイバ109が接続されたサーキュレータ107と、接続ファイバ108に接続されたアレイ導波路格子101と、焦点距離がfYのYシリンドリカルレンズ102と、屈折率を変調可能な液晶素子1001と、Y軸に平行な方向に可動である光路調整部材1002と、焦点距離がfXの第1集光レンズ103と、平面ミラー104とが光軸に沿ってこの順に配置されている。アレイ導波路格子101から液晶素子1001までの距離をL1、液晶素子1001の光軸方向の厚さをL2、液晶素子1001から光路調整部材1002の間の距離をL3、信号光が光路調整部材1002を通過する部分の厚さをL4、光路調整部材1002からの出射端面より集光レンズ103までの距離をL5とする。光路調整部材1002の屈折率がnであり、ある条件のときの液晶素子1001が屈折率neoであるならば、アレイ導波路格子101から集光レンズ103までの光学的距離LはL=L1+neoL2+L3+nL4+L5の関係にある。本実施形態における説明ではレンズ系としてYシリンドリカルレンズ102および集光レンズ103をこの順番に用いているが、同様の光学特性を有するならば何枚のレンズを用いても構わず、またどのような配置を用いていても問題はない。また光路調整部材1002はY軸方向に可動であるが、任意の位置にて固定できる機構であれば、どのような手段を用いても問題ない。本実施形態では液晶素子と光路調整部材の組み合わせを用いて可変分散補償器を構成しているが、前述のいずれの空間的距離調整手法、光路調整部材挿入手法、屈折率変調素子挿入手法を、少なくとも2つ以上の手法を組み合わせことによっても同様の特性を得ることができる点に留意されたい。さらに本実施形態ではアレイ導波路格子101に近い方から液晶素子1001、光路調整部材1002の順に配置しているが、同様の特性を示す限りどのような順番で配置しても構わない。
図11に液晶素子の詳細を示す。図11に示すように、垂直配向液晶1103の前後面それぞれに電極1101および1102が配置されており、この電極に電圧を印加することにより垂直配向液晶1103内で液晶分子の再配列が起こり、屈折率変調を起こす。本実施形態においては屈折率変調素子として垂直配向液晶を用いたが、同様の機能を有する素子であればそのような液晶を用いても構わず、また液晶でなくても問題はない。垂直配向液晶1103の前後に配置した電極1101および1102としては酸化インジウムスズ(ITO)を材料としたITO透明電極を用いているが、信号光を透過し、かつ垂直配向液晶1103に十分に電界を印加することが可能な電極ならばどのような材料を用いても問題はない。
図12に光路調整部材の詳細を示す。実施形態3にて示した光路調整部材501は楔形をしており、Y軸方向に対して部材の厚さが連続的に変化していたが、本実施形態にて示す光路調整部材1002は段階的に厚さが変化しており、階段状となっている。段階ごとの厚さの差は2gで表すことができ、各々の段の高さはpである。本実施形態では各段階ともpおよびgの値は一定であるが、一定でなくとも問題はない。この部材を用いて分散補償を行った場合、部材通過前後の信号光の光軸をいずれもZ軸方向と一致させることが可能であるため、実施形態3のようにアレイ導波路格子101と集光レンズ103および平面ミラー104が傾いた形態をとる必要がなく、実装が容易になる。本実施形態においては補償可能な分散量は離散値をとることになるため、光路調整部材1002における制御では粗動調整を行い、液晶素子1001にて微動調整を行っている。光路調整を行う機構を複数組み合わせることにより、大きい分散補償量を得ると同時に、非常に高精度な分散補償が可能となる。また本実施形態においては同時に複数の光路調整機構の制御を行う必要があるため、消費電力は他の実施形態と比較して大きくなる傾向にあるが、本実施形態で用いた液晶素子は低消費電力にて駆動が可能であり、デバイスの低消費電力化に大きく寄与する。さらに前述のように光軸方向が一様であるため、実装が容易かつ作製におけるトレランスが広く、簡易な構成をもつ本発明による分散補償器の利点がより明確となる。
本実施形態は、実施形態1において図3を参照して説明したのと同様に、分散補償量が大きく、またリップルが非常に小さい。
(実施形態6)
図13は、実施形態6に係る可変分散補償器の構成を示している。図13(a)は上面図であり、図13(b)は側面図である。
図13に示すように、実施形態6に係る可変分散補償器は、入力接続ファイバ1305および出力接続ファイバ1306に接続されたアレイ導波路格子群1301と、焦点距離がfYのYシリンドリカルレンズ群1302と、Z軸に平行な方向に可動する可動板1304上に配置された焦点距離がfXの集光レンズ1303と、平面ミラー104とがこの順に配置されている。本実施形態における説明ではレンズ系としてYシリンドリカルレンズ1302および集光レンズ1303をこの順番に用いているが、同様の光学特性を有する構成であれば何枚のレンズを用いても構わず、またどのような配置を用いても問題はない。また集光レンズ1303と平面ミラー104は同一の可動板1304の上に固定された構造を用いたが、集光レンズ1303と平面ミラー104の間の光路長を一定に保ちつつ、光軸方向に集光レンズ1303と平面ミラーを稼働させる機構であればどのような構造でも問題はない。さらに、本実施形態では集光レンズ1303と平面ミラー104が可動板1304上に配置しているが、代わりにアレイ導波路格子群1301とYシリンドリカルレンズ群1302を可動板1304上に配置して、アレイ導波路格子群1301と集光レンズ1303の間の空間的距離を制御する構造であっても問題はない。
図14は、波長分波器および波長合波器としてのアレイ導波路格子群の詳細図である。図14に示すように、アレイ導波路格子群1301は、入力側光導波路1401に接続された入力側の第1のスラブ導波路1402と、入力側の第1のスラブ導波路1402に接続された入力側のアレイ導波路1403と、入力側のアレイ導波路1403に接続された入力側の第2のスラブ導波路1404とを備え、加えて出力側光導波路1408に接続された出力側の第1のスラブ導波路1407と、出力側の第1のスラブ導波路1407に接続された出力側のアレイ導波路1406と、出力側のアレイ導波路1406に接続された出力側の第2スラブ導波路1405とを備える。第2のスラブ導波路1404および1405は備えていても、備えていなくともよい。
本実施形態における基本的な原理は実施形態1における原理と同じであるが、本実施形態ではアレイ導波路格子群1301、Yシリンドリカルレンズ群1302および集光レンズ1303を用いることにより、サーキュレータを省略した構成である。
本発明の可変分散補償器の動作は以下の通りである。まず入力接続ファイバ1305に入力された信号光は、入力側光導波路1401、第1のスラブ導波路1402、アレイ導波路1403および第2のスラブ導波路1404をこの順に通過する。入力側アレイ導波路格子から出力された光は実施形態1と同様に空間を伝播するが、このとき集光レンズ1303のX軸座標は、入力側の第2のスラブ導波路1404と出力側の第2のスラブ導波路1405との中点に相当する点に配置されている。この集光レンズ1303を通過した信号光は波長ごとに分波され、集光レンズの主面からfXの位置に配置された平面ミラー104上にそれぞれ集光し、Z軸に対して逆の方向に反射される。ここで信号光は完全に元の光路に戻らず、集光レンズ1303のX座標に関してX軸に対称な方向に進行する。そして集光レンズ1303の異なる位置を通過した後、出力側アレイ導波路格子を介して出力接続ファイバ1306より出力される。なお、本実施形態においては入力側アレイ導波路格子から出射された光は波長軸で考えれば正立で出力側アレイ導波路格子に返光する。このため図14に示すように、二つのアレイ導波路格子は同一の形状で配置されなければならない。
本実施形態における可変分散補償器では、特許文献ならびに非特許文献1および2のいずれにおいても用いることを避けられなかったサーキュレータを排除することが可能となった点が特徴である。一般的にサーキュレータは高価であり、この部材の省略により低コスト化に大きく寄与することができる。さらに特筆すべき点としては、この構成がアレイ導波路格子群1301への回路変更のみで実現でき、追加のコスト・部材が発生していない点である。このため、本実施例では他の実施形態と同様にアレイ導波路格子群1301の端面から集光レンズ1303までの光路長Lを制御することにより可変分散補償器を実現しているが、光路調整手段は本実施形態における可動板1304を光軸方向に移動する手段に限定するものではなく、これまでに述べた各光路調整手段のいずれを用いても構わず、またどのような組み合わせを用いても問題はない。
本実施形態は、実施形態1において図3を参照して説明したのと同様に、分散補償量が大きく、またリップルが非常に小さい。
(実施形態7)
図15は、実施形態7に係る可変分散補償器の構成を示している。図15(a)は上面図であり、図15(b)は側面図である。本実施形態では、実施形態6におけるサーキュレータ省略構成に関する第2の構成を実現する。
図15に示すように、実施形態7に係る可変分散補償器は、入力接続ファイバ1506および出力接続ファイバ1507に接続されたアレイ導波路格子群1501と、焦点距離がfYのYシリンドリカルレンズ群1502と、Z軸に平行な方向に可動する可動板1505上に配置された焦点距離がfXの集光レンズ群1503と、二面ミラー1504とがこの順に配置されている。本実施形態における説明ではレンズ系としてYシリンドリカルレンズ1502群および集光レンズ群1503をこの順番に用いているが、同様の光学特性を有する構成であれば何枚のレンズを用いても構わず、またどのような配置を用いても問題はない。また集光レンズ群1503と二面ミラー1504は同一の可動板1505の上に固定された構造を用いたが、集光レンズ群1503と二面ミラー1504の間の光路長を一定に保ちつつ、光軸方向に集光レンズ1503と二面ミラーを稼働させる機構であればどのような構造でも問題はない。さらに、本実施形態では集光レンズ群1503と二面ミラー1504が可動板1505上に配置しているが、代わりにアレイ導波路格子群1501とYシリンドリカルレンズ群1502を可動板1505上に配置して、アレイ導波路格子群1501と集光レンズ群1503の間の空間的距離を制御する構造であっても問題はない。
図16は、波長分波器および波長合波器としてのアレイ導波路格子群の詳細図である。図16に示すように、アレイ導波路格子群1501は、入力側光導波路1601に接続された入力側の第1のスラブ導波路1602と、入力側の第1のスラブ導波路1602に接続された入力側のアレイ導波路1603と、入力側アレイ導波路1603に接続された入力側第2スラブ導波路1604とを備え、加えて出力側光導波路1607に接続された出力側の第1のスラブ導波路1602と、出力側の第1のスラブ導波路1602に接続された出力側のアレイ導波路1606と、出力側のアレイ導波路1606に接続された出力側の第2のスラブ導波路1605とを備える。第2のスラブ導波路1604および1605は備えていても、備えていなくともよい。
本発明の可変分散補償器の動作は以下の通りである。まず入力接続ファイバ1506に入力された信号光は、入力側光導波路1601、第1のスラブ導波路群1602、アレイ導波路1603および第2のスラブ導波路1604をこの順に通過する。入力側アレイ導波路格子から出力された光は実施形態1と同様に空間を伝播し、集光レンズ1503によって波長ごとに分波され二面ミラーに入射する。二面ミラー1504における二枚のミラーの成す角は45°であるため、この二面ミラー1504に集光した光は入射光軸方向、すなわちZ軸に関して逆の方向に反射される。ここで信号光は完全に元の光路に戻らず、集光レンズ群1503のある一つのレンズを通過した後、出力側アレイ導波路格子を介して出力接続ファイバ1607より出力される。なお、本実施形態においては入力側アレイ導波路格子から出射された光は波長軸で考えれば倒立で出力側アレイ導波路格子に返光する。このため図16に示すように、二つのアレイ導波路格子はZ軸に対して対称な形状で配置されなければならない。また、図16においては入力側導波路1601からの光が出力側のアレイ導波路1606および出力側光導波路1607に結合しないという条件下で入力側の第1のスラブ導波路と出力側の第1のスラブ導波路を重ね合わせて配置しているが、設計したアレイ導波路格子のレイアウトによっては、図17に示すように入力側の第1のスラブ導波路1701および出力側の第1のスラブ導波路1702を独立に設けてもX軸方向に対して並列であれば全く問題はない。
本実施形態に係る可変分散補償器では、実施形態6と同様にサーキュレータを省略可能な構成の第二の形態である。よって光路調整手段は本実施形態における可動板1505を光軸方向に移動する手段に限定するものではなく、これまでに述べた各光路調整手段のいずれを用いても構わず、またどのような組み合わせを用いても問題はない。さらに本実施形態におけるメリットおよび特徴は実施形態6のものに準じるが、アレイ導波路格子群1501の配置が図16に示すような配置である場合、アレイ導波路格子が占有する面積を小さくすることが可能である。アレイ導波路格子は、一般的に設計されたFSRが小さいほど大きな面積を必要とする傾向にあるため、例えばFSRが100GHzなど狭いアレイ導波路格子が必要となった場合に図16のような配置が可能であれば小面積化に非常に効果的である。
本実施形態は、実施形態1において図3を参照して説明したのと同様に、分散補償量が大きく、またリップルが非常に小さい。
(実施形態8)
図18は、実施形態8に係る可変分散補償器の構成を示している。図18(a)は上面図であり、図18(b)は側面図である。本実施形態では、焦点距離が可変なレンズを集光レンズとして用いることで可変分散補償を行う。前述の実施形態においては、アレイ導波路格子および集光レンズの間の光路長Lを制御することにより可変分散補償を実現していたが、本実施形態ではLをfXに固定したまま、可変焦点レンズ1801の焦点を変更することで可変分散補償を実現する。例えば実施形態1において、光路長Lが集光レンズ103の焦点距離fXに等しいとき分散は発生しないが、LをfX以外の光路長に設定することで平面ミラー104上の波面が球面になるために分散が発生していた。すなわちLを集光レンズの焦点距離fX以外に設定することが本発明における分散補償のメカニズムである。つまりLを固定のままレンズの焦点距離を変更することでも可変分散補償は可能である。前述の実施形態では原理的にアレイ導波路格子の中心波長に関する損失は発生しながったが、本実施形態においては中心波長においても損失が発生する。このため、本実施形態ではこの損失が許容される範囲内で用いられることが望ましい。
図18に示すように、実施形態8に係る可変分散補償器は、入力ファイバ106、接続ファイバ108、出力ファイバ109が接続されたサーキュレータ107と、接続ファイバ108に接続されたアレイ導波路格子101と、焦点距離がfYのYシリンドリカルレンズ102と、基準となる焦点距離がfXの可変焦点レンズ1801と、平面ミラー104が光軸に沿ってこの順に配置されている。アレイ導波路格子101から可変焦点レンズ1801までの距離および、可変焦点レンズ1801から平面ミラー104までの距離はいずれもfXの距離にて配置されている。
本実施形態においては、可変焦点レンズ1801を用いることを特徴とする。可変焦点レンズ1801として代表的なものとして屈折率変調により焦点距離を変える液晶レンズ、レンズの曲率を変更することにより焦点距離を変える液体レンズなどが挙げられるが、同様の機能を有している限り、どのようなレンズを用いても問題はなく、さらに単一のレンズである必要はない。
本実施形態の特徴として、非常に少ない部品点数で可変分散補償器を実現することが可能である。このため、実装が非常に容易となり、さらに余分なスペースを排除することで小型化を促進することができる。さらに液体レンズなど、可動部の存在しないレンズを可変焦点レンズ1801に用いることで高い信頼性を確保することも可能である。
本実施形態は、実施形態1において図3を参照して説明したのと同様に、分散補償量が大きく、またリップルが非常に小さい。
実施形態1に係る可変分散補償器の構成を示す図である。 波長分波器および波長合波器としてのアレイ導波路格子の詳細を示す図である。 実施形態1による可変分散補償器の特性例を示す図である。 実施形態2に係る可変分散補償器の構成を示す図である。 実施形態3に係る可変分散補償器の構成を示す図である。 アレイ導波路格子と集光レンズとの間の光学距離Lの調整に用いる光路調整部材の詳細図である。 円盤型光路調整部材の詳細を示す図である。 実施形態4に係る可変分散補償器の構成を示す図である。 電気光学結晶素子の詳細図である。 実施形態5に係る可変分散補償器の構成を示す図である。 液晶素子の詳細を示す図である。 光路調整部材の詳細を示す図である。 実施形態6に係る可変分散補償器の構成を示す図である。 波長分波器および波長合波器としてのアレイ導波路格子群の詳細図である。 実施形態7に係る可変分散補償器の構成を示す図である。 波長分波器および波長合波器としてのアレイ導波路格子群の詳細図である。 実施形態7に係る可変分散補償器の変形形態を示す図である。 実施形態8に係る可変分散補償器の構成を示す図である。
符号の説明
101 アレイ導波路格子
102 Yシリンドリカルレンズ
103 集光レンズ
104 平面ミラー(光反射器に対応)
105 可動板(光路長調整手段に対応)
201 入力側光導波路
202 第1のスラブ導波路
203 アレイ導波路
204 第2のスラブ導波路

Claims (10)

  1. 入力側光導波路、スラブ導波路、および複数のアレイ導波路が順に接続された入力用アレイ導波路格子と、
    前記入力用アレイ導波路格子の前記アレイ導波路から出力された複数の光信号を集光する少なくとも1つのレンズと、
    波長ごとに分波された前記複数の光信号を反射する光反射器と、
    前記入力用アレイ導波路格子と同様の構造からなり、前記光反射器で反射された複数の光信号を前記レンズを介して入力し、合波して出力する出力用アレイ導波路格子と
    を備え、
    前記入力用アレイ導波路格子から前記レンズまでの光路長と前記レンズから前記出力用アレイ導波路格子までの光路長は等しく、前記入力用アレイ導波路格子から前記レンズまでの光路長を変化させることにより、前記入力用アレイ導波路格子から前記レンズまでの光路長と前記レンズの焦点距離との差を変化させることを特徴とする可変分散補償器。
  2. 前記レンズから入力された光が前記光反射器で反射され、再び前記レンズに出力される間の光路長を前記レンズの焦点距離の2倍に保ちながら、前記入力用アレイ導波路格子と前記レンズとの間の光路長および前記レンズと前記出力用アレイ導波路格子との間の光路長を変化させる光路長調整手段を用いることを特徴とする請求項1に記載の可変分散補償器。
  3. 前記光路長調整手段として、前記入力用アレイ導波路格子と前記レンズとの間の空間的な距離を光軸方向に変化させることで光路長を制御する機構を有することを特徴とする請求項2に記載の可変分散補償器。
  4. 前記入力用アレイ導波路格子と前記レンズとの間の距離を光軸方向に変化させることで空間的な距離を制御する機構として、光軸方向に可動する光遅延回路を用いることを特徴とする請求項3に記載の可変分散補償器。
  5. 前記入力用アレイ導波路格子と前記レンズとの間の距離を光軸方向に変化させることで空間的な距離を制御する機構として、前記入力用および出力用アレイ導波路格子の両者を固定した基板を光軸方向に可動させる機構を有することを特徴とする請求項3に記載の可変分散補償器。
  6. 前記入力用アレイ導波路格子と前記レンズとの間の距離を光軸方向に変化させることで空間的な距離を制御する機構として、前記レンズおよび前記光反射器の両者を固定した冶具を光軸方向に可動させる機構を有することを特徴とする請求項3に記載の可変分散補償器。
  7. 前記入力用アレイ導波路格子と前記レンズとの間の光路長を変化させる光路長調整手段として、光軸方向に対する厚さが位置によって異なる部材を用い、前記部材に入射する光の位置を調整することにより光路長を制御することを特徴とする請求項2に記載の可変分散補償器。
  8. 光路長を制御する前記部材は、光軸方向に対する厚さが連続的または離散的に変化している形状の部材であることを特徴とする請求項7に記載の可変分散補償器。
  9. 前記出力用アレイ導波路格子は、前記入力用アレイ導波路格子と並列に配置されており、
    サーキュレータを有しないことを特徴とする請求項2に記載の可変分散補償器。
  10. 前記入力用アレイ導波路格子と前記レンズとの間の光路長を制御する手段として、屈折率変調素子を用いて光路長を制御することを特徴とする請求項2に記載の可変分散補償器。
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