本発明は薄膜トランジスタ(以下、TFTという)で構成された回路を有する半導体装置およびその作製方法に関する。
近年、薄膜トランジスタを用いた半導体装置は、携帯電話を始めとする携帯端末からテレビを始めとする大型の液晶表示装置にまで用途が拡大し、活発に研究が行われている。また、インクジェット法に代表される液滴吐出法は、フラットパネルディスプレイの分野に応用され、活発に研究が進められている。液滴吐出法は、直接描画するためにマスクが不要、基板の大面積化が容易、材料の利用効率が高い、または少ない設備投資と製造装置の小型化が可能である等の多くの利点を有する。そのため、カラーフィルターやプラズマディスプレイの電極等の作製に応用されている。
下層の配線と上層の配線が絶縁膜を介して接続された半導体装置の作製工程について、以下に簡単に説明する。まず、絶縁表面上に導電膜を形成し、導電膜上にスピンコート法を用いてレジストを形成する。続いて、導電膜に形成する所望の加工パターンを有するフォトマスクをステッパー等の露光機に設置し、露光機によってレジストを露光、さらに現像する。その後、レジストをマスクとして、導電膜をエッチングして、配線を形成する。
次に、配線上にCVD法やスパッタ法またはスピンコート法等で絶縁膜を形成し、絶縁膜上にレジストを形成する。続いて、先に配線を形成する際に用いたフォトマスクとは異なる加工パターンを有するフォトマスクを使用し、露光・現像処理を行い、レジストをマスクとして、下層の配線の一部が露出するように絶縁膜をエッチングして、絶縁膜に開口部を形成する。
次に、開口部を充填するように、導電膜を形成し、導電膜上にレジストを形成する。続いて、先に配線及び開口部を形成する際に用いたフォトマスクとは異なる加工パターンを有するフォトマスクを使用し、露光・現像処理を行い、レジストをマスクとして、導電膜をエッチングして、下層の配線と接続された上層の配線を形成する。
特開平10−151755号公報
現状、半導体装置作製のプロセスにおいては、薄膜を所望の形状に加工する方法として、背景技術で説明したようにフォトマスクとレジストを用いて所望の形状にエッチングするフォトリソグラフィー技術が用いられている。しかしながら、フォトマスクは微細な形状を有し、かつ形状の精度を高く要求されるために非常に高価である。さらに、半導体装置を作製するには高価なフォトマスクを複数枚用意する必要があり、コストの面で産業上、非常に大きな負担となる。
また、半導体装置の設計が変更になる際には、当然、変更になる加工パターンに合わせて新たにフォトマスクを用意する必要性が生じる。前述したように、フォトマスクは微細な形状を高精度で形成された造形物であるため、作製には相当の時間を要することになる。つまり、設計変更や設計不備に伴うフォトマスクの交換には、金銭的な負担だけでなく時間的な遅延リスクを背負うことにもなる。
また、レーザ発振器から射出されるレーザ光を光学系により一箇所もしくは複数箇所に集光し、レーザ光を照射することで開口部を形成する場合、レーザ発振器がもつポインティングスタビリティー等のばらつきの影響により、レーザ光が集光される位置が変動する問題がある。
そこで、本発明は、フォトマスクを使用することなく、微細な加工パターンを高い位置精度で形成する方法、代表的には半導体装置を製造する工程の中でのコンタクト開口に関する方法を提示する。
本発明が開示する半導体装置の作製方法は、基板上に薄膜を形成し、薄膜上に層間絶縁膜を形成し、層間絶縁膜及び薄膜に開口部を形成する位置と重なる領域に液滴吐出法(いわゆるインクジェット法)によりレンズ材料となる液状物質を着弾させマイクロレンズを形成し、レーザ光をマイクロレンズに照射し薄膜に集光することにより、薄膜及び層間絶縁膜の一部を除去して開口部を形成することを特徴とする。
液適吐出法によって形成されたマイクロレンズは、基板に着弾後そのままレンズとして使用してもよいし、レンズ材料に用いた物質の特性に合わせて、熱硬化や光硬化、紫外線硬化により硬化した後に使用してもよい。また、マイクロレンズは凸レンズとし、半球状や球状レンズ(ボールレンズ)であってもよい。
また、本発明が開示する半導体装置の作製方法は、上記構成において、液状物質を着弾させる膜表面に予め撥液処理を施すことを特徴とする。
また、本発明が開示する半導体装置の作製方法は、上記構成において、液状物質を着弾させる位置はレーザ光によって除去される薄膜及び層間絶縁膜の一部と重なる領域であることを特徴とする。
また、本発明が開示する半導体装置の作製方法は、上記構成において、液状物質を着弾させる位置はレーザ光によって除去される薄膜及び層間絶縁膜の一部が形成された基板の裏面側であることを特徴とする。
また、本発明が開示する半導体装置の作製方法は、薄膜は複数の膜による積層構造であることを特徴とする。
また、本発明が開示する半導体装置の作製方法は、上記構成において、レーザ光の波長は半導体装置において絶縁膜として使用される酸化シリコン膜もしくは窒化シリコン膜に吸収されることを特徴とする。
本発明が開示する半導体装置の作製方法の他の構成は、少なくとも開口部を形成する位置に光吸収層を形成し、光吸収層上に層間絶縁膜を形成し、層間絶縁膜上であって、且つ光吸収層と重なる領域に液滴吐出法によりレンズ材料となる液状物質を着弾させマイクロレンズを形成し、レーザ光をマイクロレンズに照射し光吸収層に集光することにより光吸収層及び層間絶縁膜の一部を除去して開口部を形成することを特徴とする。
また、本発明が開示する半導体装置の作製方法は、少なくとも開口部を形成する位置に光吸収層を形成し、光吸収層上に層間絶縁膜を形成し、層間絶縁膜上であって、且つ光吸収層と重なる領域に液滴吐出法によりレンズ材料となる液状物質を着弾させ、着弾した液状物質を硬化させマイクロレンズを形成し、レーザ光をマイクロレンズに照射し光吸収層に集光することにより光吸収層及び層間絶縁膜の一部を除去して開口部を形成することを特徴とする。
液適吐出法によって形成されたマイクロレンズは、基板に着弾後そのままレンズとして使用してもよいし、レンズ材料に用いた物質の特性に合わせて、熱硬化や光硬化、紫外線硬化により硬化した後に使用してもよい。また、マイクロレンズは凸レンズとし、半球状や球状レンズ(ボールレンズ)であってもよい。
また、本発明が開示する半導体装置の作製方法は、上記構成において、液状物質を着弾させる膜表面に予め撥液処理を施すことを特徴とする。
また、本発明が開示する半導体装置の作製方法は、上記構成において、マイクロレンズの焦点位置を光吸収層と一致させることを特徴とする。
また、本発明が開示する半導体装置の作製方法は、上記構成において、レーザ光の波長は光吸収層に吸収されることを特徴とする。
なお、コンタクト開口とは、例えば、不純物領域であるソース領域もしくはドレイン領域などの半導体膜に絶縁膜を介して導電膜を配線として接続するために、半導体膜上に形成された絶縁膜に開口部(コンタクトホール)を形成し半導体膜を露出させるプロセス技術である。また、絶縁膜を介して複数の配線を接続するために、第1の配線上に形成された絶縁膜に開口部を形成し、第1の配線を露出するプロセス技術である。
また、コンタクト開口は、上記に限定されるものではなく、TFT等の半導体装置(LCDやELディスプレイ等の表示装置に用いられるTFT等の半導体デバイスのみならず、LSI、メモリ、論理回路等の集積回路(IC)、RFIDに用いられるトランジスタも含む。)や、TFT等によって駆動される液晶表示装置、EL表示装置等の作製の中で、開口部を形成する必要があるすべての場合において、適宜本発明を実施することができる。
本発明は、開口部を形成する薄膜及び層間絶縁膜において、開口部を形成する層間絶縁膜または開口部を形成する領域と重なる基板にマイクロレンズを形成し、当該マイクロレンズにレーザビームを照射して、薄膜にレーザビームを集光させることにより、薄膜及び層間絶縁膜の一部を除去して開口部を形成することができる。
また、光を吸収しやすい材料で開口部を形成する薄膜を形成し、当該薄膜にレーザビームを集光させることにより、薄膜でのレーザビームの吸収エネルギーを高めることができるため、開口部の形成条件の範囲を広げることができる。また、容易に開口部を形成することができる。
さらに、マイクロレンズやレーザビームを集光させる薄膜を液滴吐出法を用いて形成することによって、液滴の吐出口と基板との相対的な位置を変化させることが可能であり、任意の場所に液滴を滴下できようになる。このため、基板の任意の位置にマイクロレンズを形成でき、基板上の任意の位置に開口部を形成することが可能となる。したがって、従来のフォトリソグラフィー技術を用いたプロセスと比較して、工程の大幅な簡略化及びコストの低減が可能である。またフォトマスクを使用しないため、フォトマスク交換に要していた時間的損失の低減を図ることが可能となり、多品種少量生産が可能になる。
また、同様にマイクロレンズやレーザビームを集光させる薄膜を液滴吐出法を用いて形成することにより、任意の位置に開口部を形成できるようになり、フォトマスクの製造精度に依存することなく、高い精度での加工が可能となる。また、一辺が1〜2m、さらには畳6畳分のサイズを越えるような大面積の半導体素子基板にも、容易にかつ低コストで歩留まり良く製造することができる。
このように、本発明を用いることによって、半導体装置におけるコンタクト開口プロセスを簡単な工程で精度良く行うことが可能である。また、低コストで、スループットや歩留まりの高い半導体装置の作製方法を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
まず、コンタクト開口に至るまでのプロセスを説明する。図1(a)にコンタクト開口直前のTFT基板を示す。基板101上に、下地膜として、ガラス基板からアルカリ金属などの不純物が半導体膜中へ拡散を防止するため絶縁膜102、ここでは酸化シリコン膜をプラズマCVD法やスパッタ法などの公知の手段にて形成する。次に、半導体膜としてアモルファスシリコン膜103をプラズマCVD法やスパッタ法などの公知の手段にて形成する。
半導体膜は、アモルファスの状態でTFTを形成してもよいし、半導体膜にレーザビームを照射し、多結晶シリコンを形成(レーザ結晶化)してもよい。なお、多結晶シリコンを形成する方法としては、ファーネスアニール炉を用いた熱アニール法や、瞬間熱アニール法(RTA法)などのように固相成長法を用いてもよく、また、アモルファスシリコン膜に結晶成長の触媒となる金属等の元素を微量に添加し、熱処理を施すことによって形成してもよい。なお、レーザ結晶化を行う際には、半導体膜のレーザに対する耐性を高めるために熱処理を施すことが望ましい。
以上のように得られた半導体膜を、フォトリソグラフィー法を用いてレジストマスクを形成し、当該マスクを用いて所望の形状にエッチングして、島状に形成する。次いで、パターン成形時に発生する不要物(レジスト残りやレジスト剥離液など)を除去する洗浄を行った後、半導体膜を覆うようにしてゲート絶縁膜105を形成する。ゲート絶縁膜105はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、シリコンを含む絶縁膜で形成する。ここでは、酸化シリコン膜とする。もちろん、ゲート絶縁膜は酸化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
次いで、ゲート絶縁膜105の表面を洗浄した後、ゲート絶縁膜105上に導電膜を形成し、所望の部分を残して導電膜を除去することによってゲート電極106を形成する。ゲート電極106としては、導電性を有するとともに、ヒロックの発生が少ない高融点金属を含む材料を用いることが好ましい。なお、ヒロックの発生が少ない高融点金属は、W、Mo、Ti、Ta、Coなどから選ばれる1種、またはこれらの合金を用いる。また、これらの高融点金属の窒化物(WN、MoN、TiN、TaNなど)を用いて2層以上の積層物としてもよい。
次いで、ゲート電極106を形成する際に用いたレジストをマスクとして用い、半導体膜にn型を付与する不純物元素(P、As等)、ここではリンを適宜添加して、ソース領域及びドレイン領域104を形成する。同様に、p型を付与する不純物元素を導入してもよい。この工程により、ソース領域及びドレイン領域、LDD(Light Doped Drain)領域などを形成する。また、同一基板上にある複数の半導体膜に、n型を付与する不純物元素とp型を付与する不純物元素を選択的に添加してもよい。
次に、保護膜として第1の絶縁膜107を形成する。この絶縁膜107は、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、窒化珪素膜または酸素を含む窒化珪素膜を、単層または積層構造で形成する。絶縁膜を設けることにより、酸素や空気中の水分をはじめ、各種イオン性の不純物の侵入を阻止するブロッキング作用を得ることができる。
次いで、第1の絶縁膜107上に第2の絶縁膜108を形成する。ここでは、SOG(Spin On Glass)法またはスピンコート法によって塗布されたポリイミド、ポリアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、アクリル、シロキサン(珪素と酸素との結合で骨格構造が構成され、珪素にフッ素、脂肪族炭化水素、または芳香族炭化水素のうち少なくとも一種が結合した構造を持つ物質)などの有機樹脂膜、無機層間絶縁膜(窒化珪素、酸化珪素などの珪素を含む絶縁膜)、low−k(低誘電率)材料などを用いることができる。第2の絶縁膜108は、ガラス基板上に形成されたTFTによる凹凸を緩和し、平坦化する意味合いが強いため、平坦性に優れた膜が好ましい。
以上が、コンタクト開口前までのソース領域及びドレイン領域104を有するTFT基板を形成するまでの工程である。
次に、本発明が開示するコンタクト開口に関して図1を用いて説明する。インクジェットノズル109にレンズ材料となる絶縁体を溶媒に溶解又は分散させたものを充填し、インクジェットノズルの吐出口からレンズ材料をTFT基板上の半導体膜のソースもしくはドレインとなる領域の直上に形成されている絶縁膜上に滴下、着弾させる。基板上に着弾したレンズ材料に、UV光硬化樹脂であれば、UV光を照射し、硬化させ凸型のマイクロレンズ111として成形する(図1(b))。
ここで、レンズ材料となる絶縁体としては、後に使用するレーザ光の波長に対して十分な透過性を有するものであればよく、また基板に着弾後にレンズ形状として硬化できるもの、例えば光(UV光等)硬化樹脂、熱硬化樹脂であればより好ましい。例えば、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、メタクリレ−ト樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂材料を用いることができる。なお、これらの樹脂材料を用いる場合、その粘度は、溶媒を用いて溶解又は分散することで調整するとよい。また、撥液性の材料としてフッ素原子が含まれた樹脂や炭化水素のみで構成された樹脂等を用いることができる。より詳しくは、分子内にフッ素原子を含有するモノマーを含む樹脂、或いは全て炭素と水素原子のみから構成されるモノマーを含む樹脂が挙げられる。他にも、アクリル、ベンゾシクロブテン、パリレン、フッ化アリーレンエーテル、透過性を有するポリイミドなどの有機材料、シロキサン系ポリマー等の重合によってできた化合物材料、水溶性ホモポリマーと水溶性共重合体を含む組成物等を用いることができる。
以上のように本発明では、液適吐出法によってレンズ材料を任意の吐出量で吐出することができるため、基板上の任意の位置に、必要な仕様のマイクロレンズを形成することが可能となる。すなわち、図1(a)でソース領域またはドレイン領域104の一方に相当する半導体膜の上方にレンズ材料を滴下した後、インクジェットノズルもしくは基板を搭載した走査ステージを移動させ、図1(b)で示すようにもう一方のソース領域またはドレイン領域104に相当する半導体膜の上方にレンズ材料を滴下することで、ソース領域及びドレイン領域両方の位置にマイクロレンズを形成することができる。
なお、液適吐出法によって滴下された液状物質は、着弾後に基板との接触角に応じて濡れ広がる場合がある。そこで、液状物質が濡れ広がるのを防止し、所望の形状つまりレンズ曲率に成形するため、着弾する膜(ここでは絶縁膜108)表面に撥液処理を施しておくことが望ましい。撥液処理としては撥液性の膜のコーティング処理や表面のフッ素プラズマ処理等が挙げられる。
次に、図1(c)に示すように、マイクロレンズ111にレーザ光112を照射し、レーザ光を集光させる。このとき、レーザ光の焦点位置をゲート絶縁膜105に合わせる。これによりレーザ光は、半導体膜上に形成されているゲート絶縁膜105を昇華するに十分なエネルギー密度に高められる。十分に高いエネルギー密度を持ったレーザ光がゲート絶縁膜105に吸収される。このとき、ゲート絶縁膜105は吸収したレーザ光のエネルギーによって局所的に急激に加熱され昇華する。この昇華に伴う体積膨張により、ゲート絶縁膜105の上に積層される第1の絶縁膜107及び第2の絶縁膜108を破壊する。以上により、図1(d)に示すように、半導体膜上に開口部113を形成することができる。
なお、ゲート絶縁膜105にレーザ光112を集光させ、昇華させる。このとき、ゲート絶縁膜105が残存する場合は、残存するゲート絶縁膜をエッチングし、半導体膜を露出することが好ましい。このようなエッチングとしては、ウエットエッチングやドライエッチング等を用いることができる。
また、第1の絶縁膜107または第2の絶縁膜108にレーザ光を集光させた場合、同様に、第1の絶縁膜107または第2の絶縁膜108が急激に加熱され昇華するとともに、第2の絶縁膜108を破壊する。この後、残存したゲート絶縁膜105、第1の絶縁膜、第2の絶縁膜等をウエットエッチング、ドライエッチング等で除去して、半導体膜を露出することが好ましい。
ここで、開口部113を形成するとき、図7(a)に示すように、ゲート絶縁膜105、第1の絶縁膜107及び第2の絶縁膜108それぞれの一部と同様に、マイクロレンズ111のすべてがレーザ光の照射により除去される場合がある。
また、図7(b)に示すように、開口部113を形成するとき、ゲート絶縁膜105、第1の絶縁膜107及び第2の絶縁膜108それぞれの一部と同様に、マイクロレンズ111の一部がレーザ光の照射により除去される場合がある。この場合は、第2の絶縁膜108上にマイクロレンズ111の残存物114が残存する。この残存物114は、ウエットエッチング等で除去してもよい。また、残存物114を残存したまま、後に形成される配線201を形成してもよい。
ここで、薄膜に用いるレーザとしては、液適吐出法によって形成されたマイクロレンズに十分な透過性を有し、かつマイクロレンズによって屈折されること、また、昇華の対象となる膜、つまり半導体膜上に形成される絶縁膜に吸収性を有する波長であれば、いかなるレーザを用いてもよく、以下に示すレーザから作業者が適宜決定すればよい。また、半導体膜やガラス基板等に必要以上のレーザ光が吸収され、ダメージが入ることを防止するため、パルスレーザを用いるのが望ましく、パルス幅が極めて短いピコ秒レーザやフェムト秒レーザを用いることがさらに望ましい。
例えば、紫外光であればF2レーザなどのエキシマレーザや、固体レーザであるYAGレーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、GdVO4レーザ、Y2O3レーザ、PbWO4レーザ、YVO4レーザ等高調波等が挙げられる。可視光であれば、ArレーザやKrレーザ、上記固体レーザの高調波等が挙げられる。赤外光であれば、上記固体レーザの基本波やCO2レーザ、ガラスレーザ、Tiサファイアレーザ、色素レーザ、アレキサンドライトレーザ等が挙げられる。ここでは、YAGレーザの基本波を照射する。
さらには、ゲート絶縁膜105、第1の絶縁膜107、第2の絶縁膜108の一部が飛散したものを効率よく回収するため、また開口部113を効率よく形成するため、レーザ光を照射する雰囲気を減圧することが好ましい。この結果、歩留まりを向上させることができる。
次に、開口部が形成されたTFT基板上にCVD法やスパッタ法により、導電性材料を用いて導電膜を形成し、導電膜をパターンニング加工し配線201を形成する。なお、ここでは、CVD法やスパッタ法を用いて配線膜を形成したが、フォトリソグラフィー技術を用いることなく液適吐出法を用いて形成してもよい。これにより、ソース領域またはドレイン領域104となる半導体膜と配線となる配線201の電気的コンタクトをとることができる。また、なお、後の工程で層間絶縁膜等を形成することを考慮して、配線201は図2(b)に示すように断面形状をテーパー形状(円錐状に先が細くなる形状)とすることが好ましい。
その後、図2(c)に示すように、保護膜として第3の絶縁膜202を形成すると、TFT(nチャネル型TFT)が完成する。なお、半導体膜にp型の不純物元素を添加した場合にはpチャネル型TFTが形成される。また、同一基板上にn型の不純物元素とp型の不純物元素を選択的に導入することによって、同一基板上にnチャネル型TFTとpチャネル型TFTを形成することもできる。
本実施形態ではトップゲート型TFTを例として説明したが、TFT構造に関係なく本発明を適用することが可能であり、例えばボトムゲート型(逆スタガ型)TFTや順スタガ型TFTに適用することが可能である。
本実施の形態により、開口部を形成する薄膜及び層間絶縁膜において、開口部を形成する層間絶縁膜にマイクロレンズを形成し、当該マイクロレンズにレーザビームを照射して、薄膜にレーザビームを集光させることにより、薄膜及び層間絶縁膜の一部を除去して開口部を形成することができる。
また、マイクロレンズを液滴吐出法を用いて形成することによって、液滴の吐出口と基板との相対的な位置を変化させることが可能であり、任意の場所に液滴を滴下できようになる。このため、基板の任意の位置にマイクロレンズを形成でき、基板上の任意の位置に開口部を形成することが可能となる。したがって、従来のフォトリソグラフィー技術を用いたプロセスと比較して、工程の大幅な簡略化及びコストの低減が可能である。またフォトマスクを使用しないため、フォトマスク交換に要していた時間的損失の低減を図ることが可能となり、多品種少量生産が可能になる。
本実施例において、大面積基板において開口部を形成するために適応可能なレーザ照射装置の例を示す。
エキシマレーザは一般的に可干渉距離が短く、干渉性が低いため光学系を用いて被照射面におけるビーム形状を線状などに加工して用いられることがあり、その用途の代表的な例が線状ビーム光学系からなるレーザ結晶化装置である。本実施例では、線状ビームを用いて開口部を形成する例を、図3を用いて説明する。
レーザ発振器301から射出されたレーザ光を、線状ビーム形成光学系302を用いて高アスペクト比を有する線状に成形する。線状に成形されたレーザ光を落射ミラー303により鉛直落下させ、シリンドリカルレンズ304によって線状ビームの短軸方向に集光する。以上により、被照射面においてアスペクト比の高い線状ビーム305を成形する。
次に、実施の形態で示したように半導体膜のソース及びドレインとなる領域の上方に液適吐出法によって形成されたマイクロレンズを有する基板を用意する。該基板を線状ビームを照射する走査ステージ上に設置し、線状ビームのビーム長軸方向に垂直な方向に走査ステージを走査させる。線状ビームをビーム長軸方向に垂直な方向に走査させることにより、ビーム長軸の線分の長さだけ一括にレーザ光を照射できるため、点状のビームを用いるよりもスループットを高めることができる。
マイクロレンズ111が形成された基板101に線状のビームを走査することにより、マイクロレンズが形成されている部分はレーザ光が集光されることでレーザ光のエネルギー密度が高められ集光位置で昇華され、昇華された薄膜及びその上に形成される層において開口部が形成される。一方、マイクロレンズが形成されていない部分はレーザ光をエネルギー密度が高められないため、レーザ光の照射による薄膜の昇華が生じない。
レーザ光の照射に用いるレーザ光の強度及び走査ステージの送り速度等は、マイクロレンズ有無によるレーザ光の照射の有無を考慮して、作業者が適宜決定すればよい。
以上、レーザ光の照射に線状ビームを用いることにより、レーザ発振器から射出されるレーザ光を光学系により一箇所もしくは複数箇所に集光し、レーザ光を照射することで開口部を形成する場合と比較して、スループットの大幅な上昇が可能であり、かつ、液適吐出法によって形成されたマイクロレンズ部分のみレーザ光を集光できるため、高い位置精度で開口部を形成することが可能となる。
本実施例では、線状ビームを基板に対してビーム長軸方向に垂直な方法に走査させることで、任意の位置に形成されたマイクロレンズ部分に開口部を形成する例を示したが、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。他の例としては、被照射面におけるビーム形状が点状のビームをガルバノミラーやポリゴンミラーとfθレンズとを組み合わせた光学系を用いる方法がある。
さらには、線状ビーム形成光学系302の代わりに、矩形ビーム形成光学系を用い、矩形状のレーザビームを基板101のマイクロレンズ111に照射してもよい。この場合も、開口部を形成する場合、スループットの大幅な上昇が可能である。
実施の形態においては、液適吐出法によるマイクロレンズを昇華する薄膜の上に形成する例を示したが、本実施例では、マイクロレンズを基板裏面側に形成する例を示す。
本実施例が示すコンタクト開口に関して図4を用いて説明する。開口部を形成するTFT基板は、実施の形態で示したのと同様のプロセスを経て作製すればよい。液適吐出法にてマイクロレンズを形成するため、図4(a)に示すように、基板裏面側を鉛直上向きに配置する。
インクジェットノズル109にレンズ材料となる絶縁体を溶媒に溶解又は分散させたものを充填し、インクジェットの吐出口からレンズ材料をTFT基板裏面側の半導体膜のソースもしくはドレインとなる領域の直上に滴下、着弾させる。基板上に着弾したレンズ材料に、UV光硬化樹脂であれば、UVを照射し、硬化させマイクロレンズ111として成形する(図4(b))。なお、レンズ材料としては、実施の形態で示したのと同様の材料を用いればよい。
以上のように本発明では、液適吐出法によってレンズ材料を任意の吐出量で吐出することができるため、基板上の任意の位置に、必要な仕様のマイクロレンズを形成することが可能となる。すなわち、図4(a)でソース領域またはドレイン領域104の一方に相当する半導体膜が位置する基板裏面側にレンズ材料を滴下した後、インクジェットノズルもしくは基板を搭載した走査ステージを移動させ、図4(b)で示すようにもう一方のソース領域またはドレイン領域104に相当する半導体膜が位置する基板裏側にレンズ材料を滴下することで、ソース領域及びドレイン領域両方の位置にマイクロレンズを形成することができる。
次に、図4(c)に示すように、マイクロレンズ111にレーザ光112を照射し、レーザ光を集光させる。このとき、レーザ光の焦点位置をゲート絶縁膜105に合わせる。これによりレーザ光は、半導体膜上に形成されているゲート絶縁膜105を昇華するに十分なエネルギー密度に高められる。十分に高いエネルギー密度を持ったレーザ光がゲート絶縁膜105に吸収される。このとき、ゲート絶縁膜105は吸収したレーザ光のエネルギーによって局所的に急激に加熱され昇華する。この昇華に伴う体積膨張により、ゲート絶縁膜105の上に積層される第1の絶縁膜107及び第2の絶縁膜108が破壊され飛散する。以上により、図4(d)に示すように、半導体膜上に開口部113を形成することができる。
なお、ゲート絶縁膜105にレーザ光112を集光させ、昇華させる。このとき、ゲート絶縁膜105が残存する場合は、残存するゲート絶縁膜をエッチングし、半導体膜を露出することが好ましい。このようなエッチングとしては、ウエットエッチングやドライエッチング等を用いることができる。
また、レーザ光を第1の絶縁膜107または第2の絶縁膜108に集光させた場合、同様に、第1の絶縁膜107または第2の絶縁膜108が急激に加熱され昇華するとともに、第2の絶縁膜108を破壊する。この後、残存したゲート絶縁膜105、第1の絶縁膜、第2の絶縁膜等をウエットエッチング、ドライエッチング等で除去して、半導体膜を露出することが好ましい。
ここで、薄膜の昇華に用いるレーザとしては、液適吐出法によって形成されたマイクロレンズに十分な透過性を有し、かつマイクロレンズによって屈折されること、また、昇華する薄膜、つまり半導体膜上に形成されるゲート絶縁膜105に吸収性を有し、且つ基板101、ゲート絶縁膜105、半導体膜で吸収されない波長であれば、いかなるレーザを用いてもよく、以下に示すレーザから作業者が適宜決定すればよい。また、半導体膜やガラス基板等に必要以上のレーザ光が吸収され、ダメージが入ることを防止するため、パルスレーザを用いるのが望ましく、パルス幅が極めて短いピコ秒レーザやフェムト秒レーザを用いることがさらに望ましい。
さらには、ゲート絶縁膜105、第1の絶縁膜107、第2の絶縁膜108の一部が飛散したものを効率よく回収するため、また開口部113を効率よく形成するため、レーザ光を照射する雰囲気を減圧することが好ましい。この結果、歩留まりを向上させることができる。
以降、実施の形態で示した方法と同様に、配線膜及び保護膜形成の工程を経ることでTFTの完成となる。なお、基板裏面側に形成したマイクロレンズは開口を形成した後にエッチング等により除去してもよい。
本実施例により、開口部を形成する薄膜及び層間絶縁膜において、開口部を形成する領域と重なる基板にマイクロレンズを形成し、当該マイクロレンズにレーザビームを照射して、薄膜にレーザビームを集光させることにより、薄膜及び層間絶縁膜の一部を除去して開口部を形成することができる。
また、マイクロレンズを液滴吐出法を用いて形成することによって、液滴の吐出口と基板との相対的な位置を変化させることが可能であり、基板の任意の場所に液滴を滴下できようになる。このため、基板の任意の位置にマイクロレンズを形成でき、基板上の任意の位置に開口部を形成することが可能となる。したがって、従来のフォトリソグラフィー技術を用いたプロセスと比較して、工程の大幅な簡略化及びコストの低減が可能である。またフォトマスクを使用しないため、フォトマスク交換に要していた時間的損失の低減を図ることが可能となり、多品種少量生産が可能になる。
本実施例においては、半導体膜上にレーザ光を照射するのに用いるレーザ光に対して吸収性を有する光吸収層を形成する例を図5及び図6を用いて説明する。
まず、実施の形態と同様の方法により半導体膜が形成された基板を作製する。次に、図5(a)に示すように、インクジェットノズル109に光吸収層の材料となる液状物質を充填し、インクジェットノズルの吐出口から液状物質501を、基板101上の半導体膜において後にソースもしくはドレインとなる領域の直上に滴下、着弾させ光吸収層502を形成する。
ここで光吸収層502とは、後にレーザ光を光吸収層に吸収させ、昇華させることを目的に形成するものである。したがって、光吸収層の材料としては、光吸収層の昇華に使用するレーザ光の波長に吸収性を有していれば特に限定されるものではなく、どのような物質を用いても良い。例えば、赤外光に吸収される物質としては、W、Mo、Ti、Al、Crなどの金属が挙げられる。ここでは、光吸収層502をCrを用いて形成する。
なお、本実施例では、光吸収層502を液適吐出法にて形成する例を示したが、CVD法やスパッタ法などの方法を用いて形成し、フォトリソグラフィー法により形成したレジストマスクを用いたエッチング加工を行って形成してもよい。なお、本実施例では光吸収層を半導体膜上に形成する例を示すが、光吸収層を形成する位置は特に限定されるものではなく、後に形成されるゲート絶縁膜105、第1の絶縁膜107上であって、且つソース領域及びドレイン領域である半導体膜と重なる領域に形成してもよい。
次に、図5(b)に示すように、半導体膜及び光吸収層502上に、実施の形態と同様に、ゲート絶縁膜105、ゲート電極106、第1の絶縁膜107を形成する。
次に、第1の絶縁膜107上に第2の絶縁膜108を形成する(図5(c))。ここでは、SOG(Spin On Glass)法またはスピンコート法によって塗布されたポリイミド、ポリアミド、BCB(ベンゾシクロブテン)、アクリル、シロキサン(珪素と酸素との結合で骨格構造が構成され、珪素にフッ素、脂肪族炭化水素、または芳香族炭化水素のうち少なくとも一種が結合した構造を持つ物質)などの有機樹脂膜、無機層間絶縁膜(窒化珪素、酸化珪素などの珪素を含む絶縁膜)、low−k(低誘電率)材料などを用いることができる。第2の絶縁膜108は、ガラス基板上に形成されたTFTによる凹凸を緩和し、平坦化する意味合いが強いため、平坦性に優れた膜が好ましい。
以上が、コンタクト開口前までのソース領域及びドレイン領域104を有するTFT基板を形成するまでの工程である。
次に、本発明が開示するコンタクト開口に関して図6を用いて説明する。インクジェットノズル109にレンズ材料となる絶縁体を溶媒に溶解又は分散させたものを充填し、インクジェットノズルの吐出口からレンズ材料をTFT基板上の半導体膜のソースもしくはドレインとなる領域の直上に形成されている第2の絶縁膜108上に滴下、着弾させる。基板上に着弾したレンズ材料に、UV光硬化樹脂であれば、UVを照射し、硬化させマイクロレンズ111として成形する(図6(b))。
ここで、レンズ材料となる絶縁体としては、後に使用するレーザ光の波長に対して十分な透過性を有するものであればよく、また基板に着弾後にレンズ形状として硬化できるもの、例えば光(UV光等)硬化樹脂、熱硬化樹脂であればより好ましい。例えば、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、メタクリレ−ト樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂材料を用いることができる。なお、これらの樹脂材料を用いる場合、その粘度は、溶媒を用いて溶解又は分散することで調整するとよい。また、撥液性の材料としてフッ素原子が含まれた樹脂や炭化水素のみで構成された樹脂等を用いることができる。より詳しくは、分子内にフッ素原子を含有するモノマーを含む樹脂、或いは全て炭素と水素原子のみから構成されるモノマーを含む樹脂が挙げられる。他にも、アクリル、ベンゾシクロブテン、パリレン、フッ化アリーレンエーテル、透過性を有するポリイミドなどの有機材料、シロキサン系ポリマー等の重合によってできた化合物材料、水溶性ホモポリマーと水溶性共重合体を含む組成物等を用いることができる。
以上のように本発明では、液適吐出法によってレンズ材料を任意の吐出量で吐出することができるため、基板上の任意の位置に、必要な仕様のマイクロレンズを形成することが可能となる。すなわち、図6(a)でソース領域またはドレイン領域の一方に相当する半導体膜の上方にレンズ材料を滴下した後、インクジェットノズルもしくは基板を搭載した走査ステージを移動させ、図6(b)で示すようにもう一方のソース領域またはドレイン領域に相当する半導体膜の上方にレンズ材料を滴下することで、ソース領域及びドレイン領域両方の位置にマイクロレンズを形成することができる。
次に、図6(c)に示すように、マイクロレンズ111にレーザ光601を照射し、レーザ光を光吸収層502の位置で集光させる。このとき、レーザ光の焦点位置を光吸収層502に合わせる。これによりレーザ光は、半導体膜上に形成されている光吸収層502を昇華するに十分なエネルギー密度に高められる。十分に高いエネルギー密度を持ったレーザ光が光吸収層に吸収される。このとき、光吸収層502は吸収したレーザ光のエネルギーによって局所的に急激に加熱され昇華する。この昇華に伴う体積膨張により、光吸収層502の上に積層される第1の絶縁膜107及び第2の絶縁膜108が破壊され飛散する。以上により、図6(d)に示すように、半導体膜上に開口部602を形成することができる。
なお、光吸収層502にレーザ光112を集光させ、昇華させる。このとき、光吸収層502が残存する場合は、残存する光吸収層をエッチングしてもよい。このようなエッチングとしては、ウエットエッチングやドライエッチング等を用いることができる。
ここで、光吸収層を用いたのは、以下の理由による。例えば、半導体膜上に絶縁膜のみが形成されている場合、絶縁膜の昇華に用いるレーザ光の波長やマイクロレンズの透過率や曲率等のレンズ性能次第では、レーザ光が絶縁膜を昇華するに必要なエネルギー密度にまで高められない条件があり得る。そこで、光吸収層を設けることで、吸収されるレーザ光が増大するよう助長する効果を付加することができ、様々な条件での開口部の形成が可能となる。また、本実施例のように所望の位置にのみ光吸収層を形成することで、開口部をより高い位置精度で形成することが可能となる。
ここで、光吸収層の昇華に用いるレーザとしては、液適吐出法によって形成されたマイクロレンズに十分な透過性を有し、かつマイクロレンズによって屈折されること、また、昇華する薄膜、つまり半導体膜上に形成される光吸収層に吸収性を有する波長であれば、いかなるレーザを用いてもよく、以下に示すレーザから作業者が適宜決定すればよい。また、半導体膜やガラス基板等に必要以上のレーザ光が吸収され、ダメージが入ることを防止するため、パルスレーザを用いるのが望ましく、パルス幅が極めて短いピコ秒レーザやフェムト秒レーザを用いることがさらに望ましい。
例えば、紫外光であればF2レーザなどのエキシマレーザや、固体レーザであるYAGレーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、GdVO4レーザ、Y2O3レーザ、PbWO4レーザ、YVO4レーザの高調波等が挙げられる。可視光であれば、ArレーザやKrレーザ、上記固体レーザの高調波等が挙げられる。赤外光であれば、上記固体レーザの基本波やCO2レーザ、ガラスレーザ、Tiサファイアレーザ、色素レーザ、アレキサンドライトレーザ等が挙げられる。
以降、実施の形態で示した方法と同様に、配線膜及び保護膜の形成工程を経ることでTFTの完成となる。
本実施例ではトップゲート型TFTを例として説明したが、TFT構造に関係なく本発明を適用することが可能であり、例えばボトムゲート型(逆スタガ型)TFTや順スタガ型TFTに適用することが可能である。
本発明は、開口部を形成する領域に光吸収層を形成し、開口部を形成する層間絶縁膜にマイクロレンズを形成し、当該マイクロレンズにレーザビームを照射して、光吸収層にレーザビームを集光させることにより、光吸収層及び層間絶縁膜の一部を除去して開口部を形成することができる。光吸収層を用いることにより、光吸収層でのレーザビームの吸収エネルギーを高めることができるため、開口部の形成条件の範囲を広げることができる。また、容易に開口部を形成することができる。
さらに、マイクロレンズやレーザビームを集光させる薄膜を液滴吐出法を用いて形成することによって、液滴の吐出口と基板との相対的な位置を変化させることが可能であり、任意の場所に液滴を滴下できようになる。このため、任意の位置にマイクロレンズを形成でき、基板上の任意の位置に開口部を形成することが可能となる。したがって、従来のフォトリソグラフィー技術を用いたプロセスと比較して、工程の大幅な簡略化及びコストの低減が可能である。またフォトマスクを使用しないため、フォトマスク交換に要していた時間的損失の低減を図ることが可能となり、多品種少量生産が可能になる。
本実施例では、半導体装置の一例である液晶表示装置について図8を用いて説明する。
図8(A)に示すように、基板101上に薄膜トランジスタ225〜227を形成する。なお、薄膜トランジスタ225〜227の配線234〜239及び半導体膜を接続させる開口部の形成方法は、上記実施の形態及び実施例を適宜用いることができる。本実施例においては、薄膜トランジスタ225〜227のゲート電極を2層構造として形成する。ここでは、ゲート絶縁膜上に、膜厚30nmmの窒化タンタル膜及び、膜厚370nmのタングステン膜をスパッタリング法により形成した後、フォトリソグラフィー工程により形成したレジストマスクを用いて窒化タンタル膜、及びタングステン膜を選択的にエッチングして、窒化タンタル膜の端部がタングステン膜の端部より外側に突き出した形状のゲート電極を形成する。薄膜トランジスタのその他の構成においては、上記実施の形態及び実施例を適宜適用する。
次に、図8(A)に示すように、薄膜トランジスタ225〜227のゲート電極及び配線を絶縁化する第1の層間絶縁膜を形成する。ここでは、第1の層間絶縁膜として酸化珪素膜231、窒化珪素膜232、及び酸化珪素膜233を積層して形成する。第1の層間絶縁膜に上記実施の形態または実施例を用いて開口部を形成した後、第1の層間絶縁膜の一部である酸化珪素膜233上に薄膜トランジスタ225〜227のソース領域及びドレイン領域に接続する配線234〜239、及び接続端子240を形成する。ここでは、スパッタリング法により、Ti膜100nm、Al膜333nm、Ti膜100nmを連続した後、フォトリソグラフィー工程によって形成したレジストマスクを用いて選択的にエッチングして、配線234〜239、及び接続端子240を形成する。その後、レジストマスクを除去する。
次いで、第1の層間絶縁膜、配線234〜239、及び接続端子240上に、第2の層間絶縁膜241を形成する。第2の層間絶縁膜241としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜または酸化窒化珪素膜などの無機絶縁膜を用いることができ、これらの絶縁膜を単層又は2以上の複数層で形成すればよい。また、無機絶縁膜を形成する方法としてはスパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等を用いればよい。ここでは、プラズマCVD法を用い、膜厚100nm〜150nmの酸素を含む窒化珪素膜を形成した後、フ上記実施の形態または実施例により形成したレジストマスクを用いて酸素を含む窒化珪素膜を選択的にエッチングして、薄膜トランジスタ306の配線313、及び接続端子314に達するコンタクトホールを形成するとともに、第2の層間絶縁膜241を形成する。
本実施例のように、第2の層間絶縁膜241を形成することで、駆動回路部のTFTや配線等の露出を防ぎ、汚染物質からTFTを保護することができる。
次に、薄膜トランジスタ306の配線239に接続する第1の画素電極242、及び接続端子240と接続する導電膜244を形成する。液晶表示装置が透光型液晶表示装置の場合は、第1の画素電極242を透光性を有する導電膜で形成する。また、液晶表示装置が反射型液晶表示装置の場合は、第1の画素電極242を反射性を有する導電膜で形成する。ここでは、第1の画素電極242及び導電膜244は、スパッタリング法により膜厚125nmの酸化珪素を含むITOを成膜した後、フォトリソグラフィー工程により形成したレジストマスクを用いて選択的にエッチングして形成する。
次に、配向膜として機能する絶縁膜243を形成する。絶縁膜243は、ポリイミドやポリビニルアルコール等の高分子化合物膜を印刷法、ロールコート法、印刷法等で形成した後、ラビングすることにより形成することができる。また、SiOを基板に対して斜めから蒸着して形成することができる。また、光反応型の高分子化合物に偏光したUV光を照射し光反応型の高分子化合物を重合させて形成することができる。ここでは、ポリイミドやポリビニルアルコール等の高分子化合物膜を印刷法により印刷し、焼成した後、ラビングすることで形成する。
次に、図8(B)に示すように、対向基板251に第2の画素電極253を形成し、第2の画素電極上に配向膜として機能する絶縁膜254を形成する。なお、対向基板251及び画素電極253の間に着色膜252を設けても良い。
対向基板251としては、基板101と同様のものを適宜選択することができる。また、第2の画素電極253は第1の画素電極242と同様に形成することができる。また、配向膜として機能する絶縁膜254は、絶縁膜243と同様に形成することができる。着色膜252としては、カラー表示を行う場合に必要な膜であり、RGB方式の場合は、赤、緑、青の各色に対応した染料や顔料が分散された着色膜を各画素に対応して形成する。
次に、基板101及び対向基板251をシール材257で貼り合わせる。また、基板101及び対向基板251の間に液晶層255を形成する。また、液晶層255は、毛細管現象を利用した真空注入法により、配向膜として機能する絶縁膜243、254、及びシール材257で囲まれた領域に液晶材料を注入することにより形成することができる。また、対向基板251の一方にシール材157を形成し、シール材に囲まれる領域に液晶材料を滴下した後、対向基板251及び基板101を減圧下においてシール材で圧着することで液晶層255を形成することができる。
シール材257としては、熱硬化型のエポキシ樹脂、UV硬化型のアクリル樹脂、熱可塑方のナイロン、ポリエステル等を、ディスペンサ法、印刷法、熱圧着法等を用いて形成することができる。なお、シール材257にフィラーを散布することにより、基板101及び対向基板251の間隔を保つことができる。ここでは、シール材257として熱硬化型のエポキシ樹脂を用いて形成する。
また、基板101及び対向基板251の間隔を保つために、配向膜として機能する絶縁膜243、254の間にスペーサ256を設けてもよい。スペーサとしては、有機樹脂を塗布し、該有機樹脂を所望の形状、代表的には柱状又は円柱状にエッチングして形成することができる。また、スペーサとしてビーズスペーサを用いてもよい。ここでは、スペーサ256としてビーズスペーサを用いる。
また、図示しないが、基板101、対向基板251の一方又は両方に偏光板を設ける。
次に、図8(C)に示すように、端子部263においては、薄膜トランジスタのゲート配線、ソース配線に接続される接続端子(図8(C)においては、ソース配線またはドレイン配線に接続される接続端子240を示す。)が形成されている。接続端子240に、導電膜244及び異方性導電膜261を介して部入力端子となるFPC(フレキシブルプリント配線)262を接続する。接続端子240は導電膜244及び異方性導電膜261を介してビデオ信号やクロック信号を受け取る。
駆動回路部264においては、ソースドライバやゲートドライバ等の画素を駆動する回路が形成される。ここでは、nチャネル型の薄膜トランジスタ226、pチャネル型の薄膜トランジスタ225が配置されている。なお、nチャネル型の薄膜トランジスタ226及びpチャネル型の薄膜トランジスタ225によりCMOS回路が形成されている。
画素部265には、複数の画素が形成されており、各画素には液晶素子258が形成されている。液晶素子258は、第1の画素電極242、第2の画素電極253及びその間に充填されている液晶層255が重なっている部分である。液晶素子258が有する第1の画素電極242は、薄膜トランジスタ227と電気的に接続されている。
以上の工程により液晶表示装置を作製することができる。
なお、図5ではTN型の液晶パネルについて示しているが、本発明の開口部の形成方法は他の方式の液晶パネルに対しても同様に適用することができる。例えば、ガラス基板と平行に電界を印加して液晶を配向させる横電界方式の液晶パネルに本実施例を適用することができる。また、VA(Vertical Alignment)方式の液晶パネルに本実施例を適用することができる。
図10及び図11は、VA型液晶パネルの画素構造を示している。図10は平面図であり、図中に示す切断線I−Jに対応する断面構造を図11に表している。以下の説明ではこの両図を参照して説明する。なお、図10〜12においては、薄膜トランジスタとして逆スタガ薄膜トランジスタを用いた例を用いて示す。
この画素構造は、一つの画素に複数の画素電極が有り、それぞれの画素電極にTFTが接続されている。各TFTは、異なるゲート信号で駆動されるように構成されている。すなわち、マルチドメイン設計された画素において、個々の画素電極に印加する信号を、独立して制御する構成を有している。
画素電極1624は開口部1623により、配線1618でTFT1628と接続している。また、画素電極1626は開口部1627により、配線1619でTFT1629と接続している。TFT1628のゲート配線1602と、TFT1629のゲート電極1603には、異なるゲート信号を与えることができるように分離されている。一方、データ線として機能する配線1616は、TFT1628とTFT1629で共通に用いられている。
画素電極1624と画素電極1626は、液滴吐出法を用いて形成する。画素電極1624と画素電極1626の形状は異なっており、スリット1625によって分離されている。V字型に広がる画素電極1624の外側を囲むように画素電極1626が形成されている。画素電極1624と画素電極1626に印加する電圧のタイミングを、TFT1628及びTFT1629により異ならせることで、液晶の配向を制御している。対向基板1601には、遮光膜1632、着色層1636、対向電極1640が形成されている。また、着色層1636と対向電極1640の間には平坦化膜1637が形成され、液晶の配向乱れを防いでいる。図12に対向基板側の構造を示す。対向電極1640は異なる画素間で共通化されている電極であるが、スリット1641が形成されている。このスリット1641と、画素電極1624及び画素電極1626側のスリット1625とを交互に咬み合うように配置することで、斜め電界が効果的に発生させて液晶の配向を制御することができる。これにより、液晶が配向する方向を場所によって異ならせることができ、視野角を広げている。
なお、静電破壊防止のための保護回路、代表的にはダイオードなどを、接続端子とソース配線(ゲート配線)の間または画素部に設けてもよい。この場合、上記したTFTと同様の工程で作製し、画素部のゲート配線とダイオードのドレイン又はソース配線とを接続することにより、静電破壊を防止することができる。
また、本実施例は、上記の実施例と適宜自由に組み合わせることができる。
本実施例により、半導体装置におけるコンタクト開口プロセスを簡単な工程で精度良く行うことができる。また、低コストで、スループットや歩留まり高く半導体装置を作製することができる。
本実施例では、半導体装置の一例である発光素子を有する発光装置の作製工程について説明する。
図9(A)に示すように、実施例4と同様に、基板101上に絶縁膜102を介して薄膜トランジスタ225〜227を形成する。また、薄膜トランジスタ225〜227のゲート電極及び配線を絶縁化する第1の層間絶縁膜として、酸化珪素膜231、窒化珪素膜232、及び酸化珪素膜233を積層して形成する。また、第1の層間絶縁膜に上記実施の形態または実施例により開口部を形成した後、第1の層間絶縁膜の一部の酸化珪素膜233上に薄膜トランジスタ225〜227の半導体膜に接続する配線308〜313、及び接続端子314を形成する。
次に、第1の層間絶縁膜、配線308〜313、及び接続端子314上に、第2の層間絶縁膜315を形成する。次に、薄膜トランジスタ227の配線313に接続する第1の電極316、及び接続端子314と接続する導電膜320を形成する。第1の電極316及び導電膜320は、スパッタリング法により膜厚125nmの酸化珪素を含むITOを成膜した後、フォトリソグラフィー工程により形成したレジストマスクを用いて選択的にエッチングして形成する。
本実施例のように、第2の層間絶縁膜315を形成することで、駆動回路部のTFTや配線等の露出を防ぎ、汚染物質からTFTを保護することができる。
次に、第1の電極316の端部を覆う有機絶縁物膜317を形成する。ここでは、感光性ポリイミドを塗布し焼成した後、露光及び現像を行って駆動回路、画素領域の第1の電極316、及び画素領域の周辺部における第2の層間絶縁膜315が露出されるように有機絶縁物膜317を形成する。
次に、第1の電極316及び有機絶縁物膜317の一部上に蒸着法により発光物質を含む層318を形成する。発光物質を含む層318は、発光性を有する有機化合物、または発光性を有する無機化合物で形成する。また、発光物質を含む層318を、発光性を有する有機化合物及び発光性を有する無機化合物で形成してもよい。また、発光物質を含む層318を赤色の発光性の発光物質、青色の発光性の発光物質、及び緑色の発光性の発光物質を用いて、それぞれ赤色の発光性の画素、青色の発光性の画素、及び緑色の発光性の画素を形成することができる。
ここでは、赤色の発光性の発光物質を含む層として、DNTPDを50nm、NPBを10nm、ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(アセチルアセトナト)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))が添加されたNPBを30nm、Alq3を60nm、及びLiFを1nm積層して形成する。
また、緑色の発光性の発光物質を含む層として、DNTPDを50nm、NPBを10nm、クマリン545T(C545T)が添加されたAlq3を40nm、Alq3を60nm、及びLiFを1nm積層して形成する。
また、青色の発光性の発光物質を含む層として、DNTPDを50nm、NPBを10nm、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)が添加された、9−[4−(N−カルバゾリル)]フェニル−10−フェニルアントラセン(略称:CzPA:)を30nm、Alq3を60nm、及びLiFを1nm積層して形成する。
さらには、色の発光性の画素、青色の発光性の画素、及び緑色の発光性の画素のほかに、白色の発光性の発光物質を用いて発光物質を含む層を形成することで、白色の発光性の画素を形成してもよい。白色の発光性の画素を設けることにより、消費電力を削減することが可能である。
次に、発光物質を含む層428、有機絶縁物膜317、及び有機絶縁物膜317上に第2の電極319を形成する。ここでは、膜厚200nmのAl膜を蒸着法により形成する。この結果第1の電極316、発光物質を含む層318、及び第2の電極319により発光素子321を構成する。
なお、ここでは有機化合物を用いて発光物質を含む層を形成するが、これに限定されるものではない。例えば、無機化合物を用いて発光物質を含む層を形成してもよい。さらには、有機化合物及び無機化合物を積層させて発光物質を含む層を形成してもよい。
次に、図9(B)に示すように、第2の電極319上に保護膜322を形成する。保護膜は、発光素子321や保護膜322に水分や酸素等が侵入することを防ぐためのものである。保護膜322は、プラズマCVD法又はスパッタリング法などの薄膜形成法を用い、窒化珪素、酸化珪素、窒化酸化珪素、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、または酸化アルミニウム、ダイアモンドライクカーボン(DLC)、窒素含有炭素(CN)、その他の絶縁性材料を用いて形成することが好ましい。
さらにシール材323で封止基板324を基板101上に形成される第2の層間絶縁膜315と貼り合わせることにより、基板101、封止基板324、およびシール材323で囲まれた空間325に発光素子321が備えられた構造になっている。なお、空間325には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材323で充填される場合もある。
なお、シール材323にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板324に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、マイラー、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
次に、図9(C)に示すように、実施例4と同様に異方性導電膜326を用いてFPC327を接続端子314に接する導電膜320と貼りつける。
以上の工程により、アクティブマトリクス型発光素子を有する半導体装置を形成することが出来る。
ここで、図6(C)で示す発光素子を有する発光表示パネルにおいて、基板101側に放射する場合、つまり下方放射を行う場合について、図13(A)を用いて説明する。この場合、薄膜トランジスタ188に電気的に接続するように、ソース電極又はドレイン電極187に接して、透光性を有する導電層484、発光物質を含む層485、遮光性または反射性を有する導電層486が順に積層される。光が透過する基板101は少なくとも可視領域の光に対して透光性を有する必要がある。
次に、基板101と反対側に放射する場合、つまり上方放射を行う場合について、図13(B)を用いて説明する。薄膜トランジスタ188は、前述した薄膜トランジスタの同様に形成することができる。薄膜トランジスタ188に電気的に接続するソース電極又はドレイン電極187が遮光性または反射性を有する導電層463と接し、電気的に接続する。遮光性または反射性を有する導電層463、発光物質を含む層464、透光性を有する導電層465が順に積層される。導電層463は遮光性または反射性を有する金属層であり、発光素子から放射される光を矢印の上面に反射する。なお、遮光性または反射性を有する導電層463上に透光性を有する導電層を形成してもよい。発光素子から放出する光は第2の導電層465を透過して放出されるので、透光性を有する導電層465は、少なくとも可視領域において透光性を有する材料で形成する。
次に、光が基板101側とその反対側の両側に放射する場合、つまり両方放射を行う場合について、図13(C)を用いて説明する。薄膜トランジスタ188の半導体膜に電気的に接続するソース電極又はドレイン電極187に、第1の透光性を有する導電層472が電気的に接続している。第1の透光性を有する導電層472、発光物質を含む層473、第2の透光性を有する導電層474が順に積層される。このとき、第1の透光性を有する導電層472と第2の透光性を有する導電層474のどちらも少なくとも可視領域において透光性を有する材料、又は光を透過できる厚さで形成すると、両方放射が実現する。この場合、光が透過する絶縁膜や基板101も少なくとも可視領域の光に対して透光性を有する必要がある。
また、上記発光装置において、画面表示の駆動方法は特に限定されず、例えば、点順次駆動方法や線順次駆動方法や面順次駆動方法などを用いればよい。代表的には、線順次駆動方法とし、時分割階調駆動方法や面積階調駆動方法を適宜用いればよい。また、発光装置のソース線に入力する映像信号は、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよく、適宜、映像信号に合わせて駆動回路などを設計すればよい。
なお、図13において、薄膜トランジスタ188として逆スタガ型薄膜トランジスタを用いて示したが、適宜トップゲート型薄膜トランジスタを用いることができる。
さらに、ビデオ信号がデジタルの発光装置において、画素に入力されるビデオ信号が定電圧(CV)のものと、定電流(CC)のものとがある。ビデオ信号が定電圧のもの(CV)には、発光素子に印加される信号の電圧が一定のもの(CVCV)と、発光素子に印加される信号の電流が一定のもの(CVCC)とがある。また、ビデオ信号が定電流のもの(CC)には、発光素子に印加される信号の電圧が一定のもの(CCCV)と、発光素子に印加される信号の電流が一定のもの(CCCC)とがある。
また、発光物質を含む層を無機化合物で形成する場合、直流駆動又は交流駆動のいずれかを用いて駆動させることができる。
また、発光装置において、静電破壊防止のための保護回路(保護ダイオードなど)を設けてもよい。
以上の工程によりアクティブマトリクス型発光素子を有する発光装置を作製することが出来る。本実施例で示す発光装置は、コンタクト開口プロセスを簡単な工程で精度良く行うことができる。また、低コストで、スループットや歩留まり高く半導体装置を作製することができる。
本実施例では、半導体装置の代表例を、図14及び15を用いて説明する。電気泳動素子とは、マイクロカプセルの中にプラスとマイナスに帯電した黒と白の粒子を閉じ込めた物を第1の導電層及び第2の導電層の間に配置し、第1の導電層及び第2の導電層に電位差を生じさせて黒と白の粒子を電極間で移動させて表示を行う素子である。
図14に示すように、基板101上に薄膜トランジスタ188、及び薄膜トランジスタ188を覆い、且つ開口部を有する絶縁膜191を形成する。なお、開口部は上記実施の形態または実施例を用いて形成する。
次に、薄膜トランジスタのソース配線またはドレイン配線に接続する第1の導電層1171を形成する。なお、第1の導電層1171は画素電極として機能する。ここでは、アルニウムを用いて第1の導電層1171を形成する。
また、基板1172上に第2の導電層1173を形成する。第2の導電層1173も平行に形成することが好ましい。ここでは、ITOを用いて第2の導電層1173を形成する。
次に、基板101及び基板1172をシール材で貼り合わせる。このとき、第1の導電層1171及び第2の導電層1173の間にマイクロカプセル1170を分散させて、基板101及び基板1172の間に電気泳動素子を形成する。基板101及び基板1172は、第1の導電層11711及び第2の導電層1173が交差するように、シール材を用いて貼りあわせる。また、電気泳動素子は、第1の導電層1171、マイクロカプセル1170、第2の導電層1173で構成される。また、マイクロカプセル1170はバインダにより第1の導電層1171及び第2の導電層1173の間に固定される。
次に、マイクロカプセルの構造について、図15を用いて示す。図15(A)及び(B)に示すように、マイクロカプセル1170は微細な透明容器1174内に透明の分散媒1176及び帯電した黒色粒子1175a及び白色粒子1175bが分散される。なお、黒色粒子1175aの代わりに、青色粒子、赤色粒子、緑色粒子、黄色粒子、青緑粒子、赤紫粒子等を用いても良い。さらには、図15(C)及び(D)に示すように、微細な透明容器1331内に着色した分散媒1333及び白色粒子1332が分散されるマイクロカプセル1330を用いてもよい。なお、着色した分散媒1333は、黒色、青色、赤色、緑色、黄色、青緑色、赤紫色等のいずれかに着色している。また、一画素に青色粒子、赤色粒子、緑色粒子が分散されるマイクロカプセルをそれぞれ設けることで、カラー表示することができる。また、黄色粒子、青緑粒子、赤紫粒子が分散されるマイクロカプセルをそれぞれ設けることで、カラー表示することができる。また、一画素に青色、赤色、緑色の分散媒を有するマイクロカプセルを配列して設けることで、カラー表示することができる。また、一画素に黄色、青緑色、赤紫色の分散媒を有するマイクロカプセルを配列して設けることで、カラー表示することができる。
次に、電気泳動素子を用いた表示方法を示す。具体的には、図15(A)及び(B)を用いて、二色の粒子を有するマイクロカプセル1170の表示方法について示す。ここでは、二色の粒子として白色粒子及び黒色粒子を用い、また透明な分散媒を有するマイクロカプセルについて示す。なお、二色の粒子の黒色粒子の代わりに他の色の粒子を用いてもよい。
マイクロカプセル1170において、黒色粒子1175aがプラスに帯電されているものとし、白色粒子1175bがマイナスに帯電されているものとし、第1の導電層1171及び第2の導電層1173に電界を印加する。ここでは、矢印で示すように、第2の導電層から第1の導電層の方向へ電界が印加されると、図15(A)に示すように、第2の導電層1173側に黒色粒子1175aが泳動し、第1の導電層1171側に白色粒子1175bが泳動する。この結果、マイクロカプセルを第1の導電層1171側から見た場合には、白色に観察され、第2の導電層1173側から見た場合には黒色に観察される。
一方、矢印で示すように、第1の導電層1171から第2の導電層1173の方向へ電界が印加されると、図15(B)に示すように、第1の導電層1171側に黒色粒子1175aが泳動し、第2の導電層1173側に白色粒子1175bが泳動する。この結果、マイクロカプセルを第1の導電層1171側から見た場合には、白色に観察され、第2の導電層1173側から見た場合には黒色に観察される。
次に、白色粒子を有し、且つ着色された分散媒を有するマイクロカプセル1330の表示方法について示す。ここでは、分散媒が黒色に着色された例を示すが、他の色に着色された分散媒を用いても同様である。
マイクロカプセル1330において、白色粒子1332がマイナスに帯電されているものとし、第1の導電層1171及び第2の導電層1173に電界を印加する。ここでは、矢印で示すように、第2の導電層から第1の導電層の方向へ電界が印加されると、図15(C)に示すように、第1の導電層1171側に白色粒子1175bが泳動する。この結果、マイクロカプセルを第1の導電層1171側から見た場合には、白色に観察され、第2の導電層1173側から見た場合には黒色に観察される。
一方、矢印で示すように、第1の導電層から第2の導電層の方向へ電界が印加されると、図15(D)に示すように、第2の導電層1173側に白色粒子1175bが泳動する、この結果、マイクロカプセルを第1の導電層1171側から見た場合には、白色に観察され、第2の導電層1173側から見た場合には黒色に観察される。
ここで、電気泳動素子を用いて説明したが、この代わりにツイストボール表示方式を用いた表示装置を用いてもよい。ツイストボール表示方式とは、白と黒に塗り分けられた球形粒子を第1の導電層及び第2の導電層の間に配置し、第1の導電層及び第2の導電層に電位差を生じさせての球形粒子の向きを制御することにより、表示を行う方法である。
また、薄膜トランジスタの代わりに、スイッチング素子としてMIM(Metal−Insulator−Metal)、ダイオード等を用いることもできる。
電気泳動素子を有する表示装置やツイストボール表示方式の表示装置は、電界効果トランジスタを取り去った後も長期にわたって、電界印加時と同様の状態を保持する。よって、電源を切っても表示状態を維持することが可能である。このため低消費電力が可能で有る。
以上の工程により、電気泳動素子を含む半導体装置を作製することができる。本実施例で示す半導体装置は、コンタクト開口プロセスを簡単な工程で精度良く行うことができる。また、低コストで、スループットや歩留まり高く半導体装置を作製することができる。
実施例4乃至6によって作製される表示パネル(EL表示パネル、液晶表示パネル、電気泳動表示パネル)において、半導体膜を非晶質半導体、又はセミアモルファスシリコン(SAS)で形成し、走査線側の駆動回路を基板上に形成する例を示す。
図16は、1〜15cm2/V・secの電界効果移動度が得られるSASを使ったnチャネル型のTFTで構成する走査線側駆動回路のブロック図を示している。
図16において8500で示すブロックが1段分のサンプリングパルスを出力するパルス出力回路に相当し、シフトレジスタはn個のパルス出力回路により構成される。8501はバッファ回路であり、その先に画素8502が接続される。
図17は、パルス出力回路8500の具体的な構成を示したものであり、nチャネル型のTFT8601〜8612で回路が構成されている。このとき、SASを使ったnチャネル型のTFTの動作特性を考慮して、TFTのサイズを決定すれば良い。例えば、チャネル長を8μmとすると、チャネル幅は10〜80μmの範囲で設定することができる。
また、バッファ回路8501の具体的な構成を図18に示す。バッファ回路も同様にnチャネル型のTFT8620〜8635で構成されている。このとき、SASを使ったnチャネル型のTFTの動作特性を考慮して、TFTのサイズを決定すれば良い。例えば、チャネル長を10μmとすると、チャネル幅は10〜1800μmの範囲で設定することとなる。
このような回路を実現するには、TFT相互を配線によって接続する必要がある。
以上のようにして、表示パネルに駆動回路を組み入れることができる。
次に、上記実施例で示される表示パネルを有するモジュールについて、図19を用いて説明する。図19は表示パネル9801と、回路基板9802を組み合わせたモジュールを示している。回路基板9802には、例えば、コントロール回路9804や信号分割回路9805などが形成されている。また、表示パネル9801と回路基板9802とは、接続配線9803で接続されている。表示パネル9801に実施例4乃至6で示すような、液晶表示パネル、発光表示パネル、電気泳動表示パネル等を適宜用いることができる。
この表示パネル9801は、発光素子が各画素に設けられた画素部9806と、走査線駆動回路9807、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路9808を備えている。画素部9806の構成は、実施例1乃至3と同様である。また、走査線駆動回路9807や信号線駆動回路9808は、異方性導電接着剤、及び異方性導電フィルムを用いた実装方法、COG方式、ワイヤボンディング方法、並びに半田バンプを用いたリフロー処理等の手法により、基板上にICチップで形成される走査線駆動回路9807、信号線駆動回路9808を実装する。
なお、信号線駆動回路9808の一部、例えばアナログスイッチを基板上に薄膜トランジスタで形成し、かつその他の部分を別途ICチップで実装してもよい。
本実施例により、歩留まり高く表示パネルを有するモジュールを形成することが可能である。
上記実施の形態や実施例で示される半導体装置を有する電子機器として、テレビジョン装置(単にテレビ、又はテレビジョン受信機ともよぶ)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話装置(単に携帯電話機、携帯電話ともよぶ)、PDA等の携帯情報端末、携帯型ゲーム機、コンピュータ用のモニター、コンピュータ、カーオーディオ等の音響再生装置、家庭用ゲーム機等の記録媒体を備えた画像再生装置等が挙げられる。その具体例について、図20を参照して説明する。
図20(A)に示す携帯情報端末は、本体9201、表示部9202等を含んでいる。表示部9202に、上記実施例に示すものを適用することにより、携帯情報端末を安価に提供することができる。
図20(B)に示すデジタルビデオカメラは、表示部9701、表示部9702等を含んでいる。表示部9701に、上記実施例に示すものを適用することにより、デジタルビデオカメラを安価に提供することができる。
図20(C)に示す携帯端末は、本体9101、表示部9102等を含んでいる。表示部9102に、上記実施例に示すものを適用することにより、携帯端末を安価に提供することができる。
図20(D)に示す携帯型のテレビジョン装置は、本体9301、表示部9302等を含んでいる。表示部9302に、上記実施例に示すものを適用することにより、携帯型のテレビジョン装置を安価に提供することができる。このようなテレビジョン装置は携帯電話などの携帯端末に搭載する小型のものから、持ち運びをすることができる中型のもの、また、大型のもの(例えば40インチ以上)まで、幅広く適用することができる。
図20(E)に示す携帯型のコンピュータは、本体9401、表示部9402等を含んでいる。表示部9402に、上記実施例に示すものを適用することにより携帯型のコンピュータを安価に提供することができる。
図20(F)に示すテレビジョン装置は、本体9501、表示部9502等を含んでいる。表示部9502に、上記実施例に示すものを適用することにより、テレビジョン装置を安価に提供することができる。
ここで、テレビジョン装置の構成について、図21を用いて説明する。
図21は、テレビジョン装置の主要な構成を示すブロック図である。チューナ9511は映像信号と音声信号を受信する。映像信号は、映像検波回路9512と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路9513と、その映像信号をドライバICの入力仕様に変換するためのコントロール回路9514により処理される。コントロール回路9514は、表示パネル9515の走査線駆動回路9516と信号線駆動回路9517にそれぞれ信号が出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路9518を設け、入力デジタル信号をm個に分割して供給する構成としても良い。
チューナ9511で受信した信号のうち、音声信号は音声検波回路9521に送られ、その出力は音声信号処理回路9522を経てスピーカー9523に供給される。制御回路9524は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部9525から受け、チューナ9511や音声信号処理回路9522に信号を送出する。
このテレビジョン装置は、表示パネル9515を含んで構成されることにより、テレビジョン装置の低消費電力を図ることが可能である。また、高精細な表示が可能なテレビジョン装置を作製することが可能である。
なお、本発明はテレビ受像機に限定されず、パーソナルコンピュータのモニターをはじめ、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など特に大面積の表示媒体として様々な用途に適用することができる。
本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
本発明に適用可能なレーザ照射装置の概要を示す図である。
本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
本発明の本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
本発明の本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
本発明の半導体装置の作製方法を説明する上面図である。
本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
本発明の半導体装置の作製方法を説明する上面図である。
本発明に適応可能な発光素子の断面構造を説明する図である。
本発明の半導体装置の作製方法を説明する断面図である。
本発明に適応可能な電気泳動素子の断面構造を説明する図である。
本発明の表示パネルにおいて走査線側駆動回路をTFTで形成する場合の回路構成を説明する図。
本発明の表示パネルにおいて走査線側駆動回路をTFTで形成する場合の回路構成を説明する図(シフトレジスタ回路)。
本発明の表示パネルにおいて走査線側駆動回路をTFTで形成する場合の回路構成を説明する図(バッファ回路)。
本発明の半導体装置を説明する上面図である。
本発明の半導体装置を用いた電子機器を説明する図である。
本発明の半導体装置を用いた電子機器を説明する図である。