JP4964845B2 - ナノファイバーの合糸方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、芯糸の回りに電荷誘導紡糸法にて生成されたナノファイバーを巻き付けて糸条を製造するナノファイバーの合糸方法及び装置に関するものである。
従来、高分子物質から成るサブミクロンスケールの直径を有するナノファイバーを製造する方法として、電荷誘導紡糸法(エレクトロスピニング法とも称される)が知られている。従来の電荷誘導紡糸法は、高電圧を印加した針状のノズルに高分子溶液を供給し、この針状のノズルから線状に流出する高分子溶液に電荷を帯電させることで、この電荷を帯電された線状の高分子溶液中の溶媒が蒸発するのに伴って帯電電荷間の距離が小さくなり、帯電電荷間に作用するクーロン力が大きくなり、そのクーロン力が線状の高分子溶液の表面張力より勝った時点で線状の高分子溶液が爆発的に延伸される現象が生じ、この静電爆発と称する現象が、一次、二次、場合によっては三次等と繰り返されることで、サブミクロンの直径の高分子から成るナノファイバーが製造されるものである。
また、従来は、電荷誘導紡糸法にて生成されたナノファイバーにてウェブを製造し、人造皮革、フィルター、おむつ、生理用ナプキン、癒着紡糸剤、ワイピングクロス、人造血管、骨固定器具など多様に活用されているが、10MPa以上の力学物性を得るのが困難で広範囲な用途への利用に限界があること、このように製造されたナノファイバーのウエブを連続した糸条にして力学物性を高めようとすると、ウェブを一定長さに切断して短繊維を製造し、この短繊維から紡績糸を製造する別途の紡績工程を経なければならないという問題があることを指摘した上で、電荷誘導紡糸法にて製造されたナノファイバーのウエブを用いて連続的に糸条を製造する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、列をなして帯電されたノズルからナノファイバーを紡糸し、ノズルと逆極性に帯電されたコレクタ内の水または有機溶媒の静的な表面上にウェブをなすように堆積させ、この堆積するウェブを、ノズルの列方向で見た一方の末端側より1cm以上離れた地点から一定の線速度で回転する回転ローラによって引き上げて連続した糸条とし、圧搾、延伸、乾燥および巻取りを行って連続した糸条を得ている。また、連続した糸条は撚糸することもできるとしている。
また、電荷誘導紡糸法にてノズルから紡糸したナノファイバーをコレタタ上に堆積させてリボン形態のナノファイバーウェブを生成し、このリボン形態のウェブをエア撚糸装置に通して撚糸を製造する方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、医療用高分子のナノファイバーから成る不織布を少なくとも2層に積層した人工血管が知られ、その製造方法として、円柱状担体を回転させながら軸芯方向に移動させつつ、その径方向一側に軸芯方向に並列配置した複数のナノファイバー生成手段から円柱状担体の外周面に向けてナノファイバーを生成して付着させ、ナノファイバーの不織布が複数層に堆積されたものを製造する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、ガラス繊維コアの外周にシースストランドを巻回し、さらにその外周に1又は複数層にカバーストランドを巻回してなる複合糸が知られている(例えば、特許文献4参照)。
特表2006−507428号公報 特表2007−518891号公報 特開2004−321484号公報 特表2002−502469号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、各ノズルから真下にナノファイバーを生成してコレクタ上のノズルに対応した位置へ静的に堆積させながら、その堆積域の広がりにより各ノズルから生成されたナノファイバー同士を絡み合わせて細帯状のウェブを形成し、このウェブの一端からナノファイバー群を引出すことでウェブの他端側に連続しているナノファイバー群を順次引き出し、連続した糸条に集束させるものであり、そのため各ノズルから紡糸されたナノファイバーの堆積が静的でほぼ同等であるのに対し、引き出し作用が引き出し側に近い堆積域に集中しやすくなる関係から、引き出し側に近い堆積域と遠い堆積域とでナノファイバーの引出し量とに差が生じる恐れがあり、その場合引出し量の差が堆積量の差を来たし、堆積量に差を生じた状態で引き出されることで連続した糸条の太さや力学物性を適正に制御するのは困難で安定しないという問題がある。さらに、引出し作用が引き出し側から遠い側の堆積域にも均等に及ぶようにするのに引出し速度を抑える必要があり、生産性良く製造するのが困難であるという問題がある。
また、特許文献2に記載の技術は、エアによって撚りをかけ、撚糸を製造する点で特許文献1と異なっているが、特許文献1と基本的構成を共有していて同様の問題があり、形態や力学的物性の均一な糸を製造することができないという問題がある。また、エア撚糸装置を通過させて撚糸を製造するので、エア撚糸装置における作用の安定性も問題になる。
また、特許文献3に記載の技術では、骨格基材となる不織布層と生理活性物質層と細胞接着マトリックスを構成する不織布層とを積層して成る人口血管材料など、ナノファイバーから成る複合材の製造方法が記載されているが、ナノファイバーの不織布層を積層したもので、ナノファイバーを撚って成る強度の高い糸条を製造するものでない。また、特許文献4には、ガラス繊維コアの外周に各種ストランドを複数層に巻き付けてなる複合糸が記載されているが、それぞれ各別に巻き付け工程を行うものであり、高い生産性を確保することができないという問題がある。
このような問題を解消するため、本出願人は先に、芯糸を移動させ、移動する芯糸の周囲に配置した小穴から原料溶液を流出させて電荷誘導紡糸法にて第1のナノファイバーを生成するとともに、この第1のナノファイバーを芯糸の回りに巻き付けて一次複合糸を形成し、さらに形成されて移動する一次複合糸の周囲に配置した小穴から原料溶液を流出させて電荷誘導紡糸法にて第2のナノファイバーを生成するとともに、この第2のナノファイバーを一次複合糸の回りに巻き付けて二次複合糸を形成する合糸方法を提案している(特願2007−323794号参照)。
この先願の合糸方法では、芯糸に電荷誘導紡糸法により製造されたナノファイバーを1又は複数層に巻き付けることで、ナノファイバーを適用した糸条を生産性良く製造することができるが、芯糸にナノファイバーが強く巻き付かないことがあり、またナノファイバーを複数層に巻き付けた場合に、下層に巻き付けたナノファイバーと上層に巻き付けたナノファイバーとが強固に付着しないことがあるという問題があり、糸条に所望の強度を確保できなかったり、腰を持たせることができず、その糸条を適用した各種繊維製品などに所望の強度と形態安定性を確保するのが困難であるという問題がある。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、芯糸に電荷誘導紡糸法により製造されたナノファイバーを1又は複数層に巻き付けてなりかつナノファイバーの巻き付きが強く所望の強度と腰を有する糸条を生産性良く製造することができるナノファイバーの合糸方法と装置を提供することを目的とする。
本発明のナノファイバーの合糸方法は、芯糸を移動させる工程と、移動する芯糸の周囲に配置した小穴から芯糸の少なくとも表面層よりも融点の高い高分子樹脂を含む原料溶液を流出させ電荷誘導紡糸法にて生成したナノファイバーを芯糸の回りに巻き付けて糸条を形成する撚糸工程と、撚糸工程の後、形成された糸条を芯糸の少なくとも表面層の融点よりも高くナノファイバーを構成する高分子樹脂の融点よりも低い温度で熱処理する熱処理工程とを有するものである。
この構成によれば、芯糸を移動させつつ、芯糸の周囲に配置した小穴から原料溶液を流出させ電荷誘導紡糸法にて生成したナノファイバーを芯糸の回りに1又は複数層に巻き付けることで糸条を生産性良く形成でき、その後芯糸の少なくとも表面層の融点よりも高くナノファイバーを構成する高分子樹脂の融点よりも低い温度で熱処理することで、芯糸の少なくとも表面層の一部が溶融し、周囲に巻き付けられたナノファイバーと芯糸が融着して相互に固着された巻き付き状態となり、芯糸に対するナノファイバーの巻き付きが強く保持されて所望の強度と腰を有する糸条を生産性良く製造することができる。
また、芯糸の少なくとも表面層が、融点温度が180℃以下の熱可塑性樹脂で構成されていると、繊維材料に適用される高分子樹脂として融点温度が180℃より高いものが多いので、ナノファイバーを構成する高分子樹脂の選択幅が広く、所望の物性を有する糸条を容易に得ることができて好適である。
また、本発明の他のナノファイバーの合糸方法は、芯糸を移動させる工程と、移動する芯糸の周囲に配置した小穴から第1の高分子樹脂を含む第1の原料溶液を流出させ電荷誘導紡糸法にて生成した第1のナノファイバーを芯糸の回りに巻き付けて第1の糸条を形成する第1の撚糸工程と、第1の撚糸工程を経て移動する第1の糸条の周囲に配置した小穴から第1の高分子樹脂よりも融点の高い第2の高分子樹脂を含む第2の原料溶液を流出させて電荷誘導紡糸法にて生成した第2のナノファイバーを第1の糸条の回りに巻き付けて第2の糸条を形成する第2の撚糸工程と、第2の撚糸工程の後、形成された第2の糸条を少なくとも第1の高分子樹脂の融点よりも高く第2の高分子樹脂の融点よりも低い温度で熱処理する熱処理工程とを有するものである。
この構成によると、芯糸を移動させつつ、芯糸の周囲に配置した小穴から第1の高分子樹脂を含む第1の原料溶液を流出させ電荷誘導紡糸法にて生成した第1のナノファイバーを芯糸の回りに巻き付けることで第1の糸条を形成し、その第1の糸条の周囲に配置した小穴から第2の高分子樹脂を含む第2の原料溶液を流出させ電荷誘導紡糸法にて生成した第2のナノファイバーを第1の糸条の回りに巻き付けることで第2の糸条を生産性良く形成でき、その後第1の高分子樹脂の融点よりも高く第2の高分子樹脂の融点よりも低い温度で熱処理することで、第1のナノファイバーの一部が溶融し、周囲に巻き付けられた第2のナノファイバーと第1のナノファイバーが融着して相互に固着された巻き付き状態となり、第1と第2のナノファイバーの巻き付きが強く保持されて所望の強度と腰を有する糸条を生産性良く製造することができる。なお、この場合芯糸の溶融温度が第1の高分子樹脂の融点よりも低いと、芯糸も溶融して芯糸と第1のナノファイバーが融着して相互に固着され、逆に、芯糸の溶融温度が第1の高分子樹脂の融点よりも高くても、第1のナノファイバーの一部が溶融することで芯糸と第1のナノファイバーが融着して相互に固着される。
また、芯糸の表面を改質若しくは表面に凹凸を付与する表面処理工程を有すると、芯糸の回りにナノファイバーを巻き付けるときに、芯糸の表面の滑り抵抗を大きくすることができるので、より強い巻き付き状態が保持され、一層強度と腰のある糸条を得ることができる。
また、本発明のもう1つのナノファイバーの合糸方法は、芯糸の回りに1又は複数層にナノファイバーを巻き付けて1又は複数層のナノファイバー層を形成した糸条を製造するナノファイバーの合糸方法において、少なくとも最外層のナノファイバー層を含めて外側のナノファイバー層の内側に接するナノファイバー層若しくは芯糸を、外側のナノファイバー層を構成する高分子樹脂の融点よりも低い融点の高分子樹脂にて構成し、外側のナノファイバー層を形成した後、内側に接するナノファイバー層若しくは芯糸を構成する高分子樹脂の融点よりも高く外側のナノファイバー層を形成する高分子樹脂の融点よりも低い温度で熱処理するものである。
この構成によると、内側に接するナノファイバー層若しくは芯糸を構成する高分子樹脂の融点よりも高く外側のナノファイバー層を形成する高分子樹脂の融点よりも低い温度で熱処理することで、外側のナノファイバー層と内側のナノファイバー層若しくは芯糸とが融着して相互に固着された巻き付き状態となり、芯糸の回りに1又は複数層のナノファイバー層を形成した糸条の巻き付きが強く保持されるため、所望の強度と腰を有する糸条を生産性良く製造することができる。
また、外側のナノファイバー層の内側に接するナノファイバー層若しくは芯糸の表面を改質若しくは表面に凹凸を付与する表面処理工程を有すると、外側のナノファイバー層を形成するときに、内側のナノファイバー層若しくは芯糸の表面の改質や凹凸によって滑りがなく、より強い巻き付き状態が保持されるため、一層強度と腰のある糸条を得ることができる。
表面処理工程は、大気圧プラズマ処理と、レーザー照射処理と、芯糸の表面に接触して粗し処理する接触粗し処理の少なくとも何れか1つを適用するのが好適である。特に、大気圧プラズマ処理やレーザー照射処理、中でも大気圧プラズマ処理は、芯糸やナノファイバー層を形成する細い繊維の表面の改質や凹凸の形成を確実にかつ非接触で効率的にできるので好ましい。
また、本発明のナノファイバーの合糸装置は、芯糸を所定の移動経路に供給する芯糸供給手段と、少なくとも1つの小穴から芯糸の少なくとも表面層よりも融点の高い高分子樹脂を含む原料溶液を流出させるとともに流出する原料溶液に電荷を帯電させ、静電爆発にてナノファイバーを生成するナノファイバー生成手段と、ナノファイバー生成手段とは所定の距離離れて芯糸を囲むように配置され、ナノファイバーの帯電極性とは逆極性の電圧を印加され又は接地された電極と、ナノファイバー生成手段の小穴と電極とを芯糸回りに相対的に回転させる回転手段から成り、芯糸の回りにナノファイバーを巻き付けた糸条を製造する糸条製造手段と、製造された糸条を、芯糸の少なくとも表面層の融点よりも高く、ナノファイバーを構成する高分子樹脂の融点より低い所定の温度で熱処理する熱処理手段とを備えたものである。
この構成によると、芯糸供給手段にて供給される芯糸の周囲に、糸条製造手段にてナノファイバーを巻き付けることで糸条を生産性良く形成でき、その後芯糸の少なくとも表面層の融点よりも高くナノファイバーを構成する高分子樹脂の融点よりも低い温度で熱処理することで、芯糸の少なくとも表面層の一部が溶融し、周囲に巻き付けられたナノファイバーと芯糸が融着して相互に固着された巻き付き状態となり、芯糸に対するナノファイバーの巻き付きが強く保持されて所望の強度と腰を有する糸条を生産性良く製造することができる。
また、本発明の他のナノファイバーの合糸装置は、芯糸を所定の経路を通して供給する芯糸供給手段と、少なくとも1つの小穴から第1の高分子樹脂を含む原料溶液を流出させるとともに流出する原料溶液に電荷を帯電させ、静電爆発にて第1のナノファイバーを生成する第1のナノファイバー生成手段と、第1のナノファイバー生成手段とは所定の距離離れて芯糸を囲むように配置され、第1のナノファイバーの帯電極性とは逆極性の電圧を印加され又は接地された第1の電極と、第1のナノファイバー生成手段の小穴と第1の電極とを芯糸回りに相対的に回転させる第1の回転手段から成り、芯糸の回りに第1のナノファイバーを巻き付けた第1の糸条を製造する第1の糸条製造手段と、製造された第1の糸条の周囲に位置する少なくとも1つの小穴から第1の高分子樹脂の融点よりも融点の高い第2の高分子樹脂を含む原料溶液を流出させるとともに流出する原料溶液に電荷を帯電させ、静電爆発にて第2のナノファイバーを生成する第2のナノファイバー生成手段と、第2のナノファイバー生成手段とは所定の距離離れて芯糸を囲むように配置され、第2のナノファイバーの帯電極性とは逆極性の電圧を印加され又は接地された第2の電極と、第2のナノファイバー生成手段の小穴と第2の電極とを第1の糸条回りに相対的に回転させる第2の回転手段から成り、第1の糸条の回りに第2のナノファイバーを巻き付けた第2の糸条を製造する第2の糸条製造手段と、第2の糸条を、第1の高分子樹脂の融点よりも高く、第2の高分子樹脂の融点より低い所定の温度で熱処理する熱処理手段とを備えたものである。
この構成によると、芯糸供給手段にて供給される芯糸の周囲に、第1の糸条製造手段にて第1のナノファイバーを巻き付けることで第1の糸条を形成し、この第1の糸条の周囲に、第2の糸条製造手段にて第2のナノファイバーを巻き付けることで第2の糸条を生産性良く形成でき、その後第1の高分子樹脂の融点よりも高く、第2の高分子樹脂の融点より低い所定の温度で熱処理することで、第1のナノファイバーの一部が溶融し、周囲に巻き付けられた第2のナノファイバーと融着して相互に固着された巻き付き状態となり、第1と第2のナノファイバーの巻き付きが強く保持されて所望の強度と腰を有する糸条を生産性良く製造することができる。
また、芯糸の表面を改質若しくは表面に凹凸を付与する表面処理手段を設けると、芯糸の回りにナノファイバーを巻き付けるときに、芯糸の表面の滑り抵抗を大きくすることができ、より強い巻き付き状態が保持されるため、一層強度と腰のある糸条を得ることができる。
また、表面処理手段は、大気圧プラズマ処理手段と、レーザー照射処理手段と、芯糸の表面に接触して粗し処理する接触粗し処理手段の何れかから成るのが好適である。特に、大気圧プラズマ処理手段やレーザー照射処理手段、中でも大気圧プラズマ処理手段は、芯糸やナノファイバー層を形成する細い繊維の表面の改質や凹凸の形成によって滑り抵抗の大きい状態にすることが確実にかつ非接触で効率的にできるので好ましい。
本発明のナノファイバーの合糸方法及び装置によれば、芯糸を移動させつつ電荷誘導紡糸法にて生成したナノファイバーを芯糸の回りに1又は複数層に巻き付けることでナノファイバーの糸条を生産性良く形成でき、その後芯糸の少なくとも表面層又は内側のナノファイバーを構成する高分子樹脂の融点よりも高く外側のナノファイバーを構成する高分子樹脂の融点よりも低い温度で熱処理することで、芯糸又は内側のナノファアバーと外側のナノファイバーとが融着して相互に固着され、ナノファイバーの巻き付きが強く保持されて所望の強度と腰を有する糸条を生産性良く製造することができる。
以下、本発明のナノファイバーの合糸方法及び装置の各実施形態について、図1〜図7を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
本発明のナノファイバーの合糸方法及び装置の第1の実施形態について、図1〜図4と図7を参照して説明する。
まず、本実施形態におけるナノファイバーの合糸方法及び装置の全体構成を、図1を参照して説明する。図1において、芯糸1が芯糸供給手段3にて垂直な所定の移動経路2に向けて供給される。芯糸供給手段3は、芯糸1を繰り出して供給する供給リール3aと供給された芯糸1を垂直な移動経路2の上端にガイドするガイドローラ3bにて構成されている。移動経路2には、その上部から、芯糸1の表面を改質又は表面に凹凸を形成する表面処理手段としての第1の大気圧プラズマ処理手段4、芯糸1の回りに第1のナノファイバー11を巻き付けて第1の糸条12を形成する第1の糸条製造手段5、第1の糸条12を熱処理する第1の熱処理手段6が順に配設され、さらにその下部に、第1の糸条12の表面を改質又は表面に凹凸を形成する表面処理手段としての第2の大気圧プラズマ処理手段7、第1の糸条12の回りに第2のナノファイバー13を巻き付けて第2の糸条14を形成する第2の糸条製造手段8、第2の糸条14を熱処理する第2の熱処理手段9が順に配設されている。第2の熱処理手段9で熱処理された第2の糸条14は回収手段15にて回収される。
第1の糸条製造手段5は、第1のナノファイバー11を生成する第1のナノファイバー生成手段21と、第1のナノファイバー生成手段21とは所定の距離離れて移動経路2を囲むように配置された第1の電極22にて構成されている。同様に、第2の糸条製造手段8は、第2のナノファイバー13を生成する第2のナノファイバー生成手段31と、第2のナノファイバー生成手段31とは所定の距離離れて移動経路2を囲むように配置された第2の電極32にて構成されている。
第1と第2のナノファイバー生成手段21、31は、それぞれ外周面に複数の小穴24、34が配設され、内部に原料溶液が供給される回転容器23、33を備え、これら回転容器23、33を回転駆動手段25、35にて回転させることで発生する遠心力にて原料溶液を小穴24、34から流出させ、第1と第2のナノファイバー11、13を生成するように構成されている。回転容器23、33の回転速度は、数100〜10000rpmに設定される。また、回転容器23、33に対して、移動経路2の上手側位置に送風手段26、36が配設され、送風手段26、36にて下手側に向けて偏向気体流27、37を発生させることで、遠心力にて小穴24、34から放射状に原料溶液が流出して生成される第1と第2のナノファイバー11、13を移動経路2の下手側に向けて確実に偏向流動させるように構成されている。また、第1と第2の電極22、32は、回転駆動手段28、38にて絶縁筒体29、39を介して回転駆動するように構成されている。
本実施形態では、回転容器23の回転方向aと第1の電極22の回転方向bを逆方向にして芯糸1に第1のナノファイバー11が強く巻き付くように構成し、また、回転容器33の回転方向cと第2の電極32の回転方向dも逆方向にして第1の糸条12に第2のナノファイバー13が強く巻き付くように構成している。なお、回転方向aとb、及びcとdを同じ方向にして回転速度を異ならせても良い。また、回転容器23と第1の電極22のどちらか一方のみを回転させ、或いは回転容器33と第2の電極32のどちらか一方のみを回転させてもよい。また、芯糸1に対する第1のナノファイバー11の巻き付き方向と、第1の糸条12に対する第2のナノファイバー13の巻き付き方向が互いに逆になるように、回転方向aとcを逆方向にしても良い。すなわち、回転容器23上の小穴と第1の電極が芯糸1の周囲に相対的に回転すればよく、また、回転容器33上の小穴と第2の電極が第1の糸条12の周囲に相対的に回転すればよい。回転容器23と回転容器33を回転させない場合には、圧力を用いて小穴24、34から原料溶液を流出させることができる。
第1と第2の電極22、32には、第1と第2の高電圧発生手段30、40にて発生させた高電圧が印加されるとともに、回転容器23、33が接地されており、これによって回転容器23、33と電極22、32の間に電界が発生され、小穴24、34から流出する原料溶液に電荷が印加されて静電爆発にてナノファイバー11、13が生成されるように構成している。なお、静電爆発にてナノファイバーを生成するには、回転容器23、33と電極22、32の間に電界を発生させれば良いので、逆に回転容器23、33に高電圧を印加し、電極22、32を接地しても良く、また互いに逆極性の高電圧を印加しても良い。
第1、第2のナノファイバー11、13の原料溶液としては、高分子樹脂を溶媒に溶解したものが好適である。その高分子樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−m−フェニレンテレフタレート、ポリ−p−フェニレンイソフラテート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ナイロン、アラミド、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリペプチド等が好適なものとして例示でき、これらより選ばれる少なくとも一種が用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
また、使用できる溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジベンジルアルコール、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、フェノール、蟻酸、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、クロロホルム、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、酢酸、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジン、水等を例示でき、これらより選ばれる少なくとも一種が用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。原料溶液の中の溶媒の占める割合は、60%位から98%位が好適で、使用する高分子樹脂の材料、溶媒の種類、生成するナノファイバーの径等によって適切に決定される。
原料溶液における高分子樹脂と溶媒の具体的な組み合わせ例を示すと、1)ポリビニルアルコール(PVA)を10wt%の濃度で水に溶解したもの、2)ポリウレタン(PU)を20wt%の濃度でN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解したもの、3)ポリアクリルニトリル(PAN)を10wt%の濃度でDMFに溶解したもの、4)ポリフッ化ビニリデンを20wt%の濃度でジメチルアセトアミド(DMAC)に溶解したもの、5)ポリエチレングリコール(PEG)を5wt%の濃度で水に溶解したもの、6)ナイロンを30wt%の濃度で蟻酸に溶解したもの、7)ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を10wt%の濃度でメチルエチルケトン(MEK)に溶解したものなどを例示することができる。
また、芯糸1としては、ステープル、マルチフィラメント、モノフィラメント等の形態のものを使用することができる。また、その材料として、1)芯糸の全体が単一の熱可塑性樹脂で構成されたもの、2)芯部が耐薬品性や耐熱性が高いポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンなどからなり、鞘部が低融点の熱可塑性樹脂から成る芯鞘構成を有したもの、3)耐薬品性や耐熱性が高いポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンなどからなる芯糸に、溶融紡糸などでは繊維形状を形成しない分子量の小さい熱可塑性樹脂などの熱活性を有する樹脂を被覆したもの、4)芯糸に1液硬化性や2液混合硬化性の接着剤を被覆したものなどを適用することができる。
第1、第2の大気圧プラズマ処理装置4、7の具体的な構成を、図2を参照して説明すると、反応管41の外周に巻回されたコイル42に高周波電源43に高周波電力を供給し、反応管41内に不活性ガス44を供給することによって反応管41内で一次プラズマ45を発生させ、その一次プラズマ45を混合ガス容器46内に吹き出させ、混合ガス容器46内に供給された不活性ガスと反応性ガスの混合ガス47に一次プラズマ45を衝突させることで、混合ガス容器46内の混合ガス領域の全体にプラズマを一気に展開させて広範囲に均一で長寿命の二次プラズマ48を発生させ、この二次プラズマ48を、移動経路2上に同心状に配設した処理筒49に導入するように構成されている。かくして、移動経路2を移動する芯糸1や第1の糸条12の表面をプラズマ処理して、ナノファイバーに対して滑り抵抗の大きな性状に改質することができる。
第1、第2の電極22、32の好適な構成例を、図3を参照して説明すると、電極22、32は、回転容器23、33側の一端部に拡大頭部52を有しかつその軸芯部に移動経路2を通す貫通孔を有する回転体51からなり、少なくとも拡大頭部52の外表面が導電性を有するように構成されている。また、好適には、図示の如く、拡大頭部52の回転容器23、33に対向する面に1又は複数の突起部53を突設される。そうすることで、回転容器23、33と電極22、32の間の電界によって発生する電気力線が、回転容器23、33の小穴24、34が配設されている面から出て、電極22、32の拡大頭部52に配設された突起部53に収束するように形成され、それによって帯電して流出した原料溶液及び生成された第1、第2のナノファイバー11、13が電極22、32に向けて上記電気力線に沿って吸引され、第1、第2のナノファイバー11、13を確実に集束させて芯糸1や第1の糸条12に確実に巻き付けることができる。
なお、電極22、32を構成する回転体51の拡大頭部52の最大外径は、回転容器23、33と電極22、32間の距離の1/100〜1/10の範囲、好ましくは1/50〜1/15に設定するのが好適である。そうすることで、回転体3、13と電極32、42の間の電界によって発生する電気力線が、回転体23、33の小穴24、34が配設されている面から出て電極22、32の拡大頭部52の貫通孔の周囲の突起部53に収束するように形成され、それによって帯電して流出した原料溶液及び生成されたナノファイバー11、13が電極22、32に向けて上記電気力線に沿って吸引され、ナノファイバー11、13を確実に集束させて芯糸1や第1の糸条12により強く絡ませることができる。
第1、第2の熱処理手段6、9の具体構成としては、図4(a)に示すように、移動経路2の側方に熱風吹出し手段54又はヒータを配設したものや、図4(b)に示すように、移動経路2を挟んで一対の加熱ローラ55a、55bを配設し、移動経路2を移動する第1の糸条12や第2の糸条14を加熱するようにしたものなどが適用される。なお、一対の加熱ローラ55a、55bを適用した構成では、加熱ローラ55a、55bの回転速度を第1の糸条製造手段5や第2の糸条製造手段8における製造速度より速くして第1の糸条12や第2の糸条14を延伸するようにすることもできる。
なお、熱処理手段は、上記の実施形態に限定するものではなく、前記熱風吹出し手段の代わりに、加熱した水蒸気を吹きかける加熱水蒸気吹出し手段を用いてもよい。その他に、所定の温度の液体を有するウォーターバスやオイルバスなどの容器内に、前記糸条を直接浸漬させてもよい。
また、図4(b)には、一対の加熱ローラの実施例を示したが、これに限定するものではなく、一個の加熱したローラに前記糸条を所定時間の間、接触させたり、又は、前記糸条を所定の速度で移動させながら、前記加熱ローラに所定の巻き数で巻きつけることで、加熱することもできる。また、前記糸条の乾燥状態によっては、前記加熱ローラを複数配置することも可能である。
次に、以上の構成にて第2の糸条14を製造する工程を説明する。芯糸供給手段3から芯糸1を供給して移動経路2に沿って移動させるとともに、第1の大気圧プラズマ処理手段4にて芯糸1の表面をプラズマ処理することで滑り抵抗の大きい表面性状に改質する。その状態で第1のナノファイバー生成手段21にて第1の高分子樹脂を含む第1の原料溶液を流出させ電荷誘導紡糸法にて第1のナノファイバー11を生成するとともに、第1の電極22との協働によって第1のナノファイバー11が芯糸1の回りに巻き付けられて第1の糸条12を形成される。このとき、芯糸1の表面の滑り抵抗が大きいので、第1のナノファイバー11が芯糸1の表面に容易かつ確実に絡んで強く巻き付けられる。その後、形成された第1の糸条12を第1の熱処理手段6に通して、芯糸1の少なくとも表面層の融点よりも高く第1のナノファイバー11を構成する高分子樹脂の融点よりも低い温度で熱処理することで、芯糸1の少なくとも表面層の一部が溶融し、周囲に巻き付けられた第1のナノファイバー11と芯糸1が融着して相互に固着された巻き付き状態となり、芯糸1に対する第1のナノファイバー11の巻き付きが強く保持されて所望の強度と腰を有する第1の糸条12が形成される。この第1の糸条12を製品としても良いが、本実施形態では第2の糸条14を形成するため次の工程に供給される。
次に、第1の糸条12を移動経路2に沿って移動させるとともに、第2の大気圧プラズマ処理手段7にて第1の糸条12の表面をプラズマ処理することで滑り抵抗の大きい表面性状に改質する。なお、第1のナノファイバー11を巻き付けた状態で、第1の糸条12の表面が所要の凹凸を有し、十分に大きな滑り抵抗を有する性状である場合には第2の大気圧プラズマ処理手段7は配設しなくても良い。その状態で第2のナノファイバー生成手段31にて第2の高分子樹脂を含む第2の原料溶液を流出させ電荷誘導紡糸法にて第2のナノファイバー13を生成するとともに、第2の電極32との協働によって第2のナノファイバー13を第1の糸条12の回りに巻き付けて第2の糸条14を形成する。このとき、第1の糸条12の表面の滑り抵抗の大きい性状によって第2のナノファイバー13が第1の糸条12の表面に容易かつ確実に絡んで強く巻き付けられる。その後、形成された第2の糸条12を第2の熱処理手段9に通して、少なくとも第1のナノファイバー11を構成する第1の高分子樹脂の融点よりも高く第2のナノファイバー13を構成する第2の高分子樹脂の融点よりも低い温度で熱処理することで、第1のナノファイバーの一部が溶融し、周囲に巻き付けられた第2のナノファイバーと第1のナノファイバーが融着して相互に固着された巻き付き状態となり、第1の糸条12に対する第2のナノファイバーの巻き付きが強く保持されて所望の強度と腰を有する第2の糸条14が生産性良く製造される。かくして、図7に示すように、芯糸1の回りに第1のナノファイバー11が強く巻き付き、その回りに第2のナノファイバー13が強く巻き付いた構成の第2の糸条14を生産性良く製造することができる。
以上に説明した例では、芯糸1の融点より第1のナノファイバー11を構成する第1の高分子樹脂の融点の方が高く、さらに第1のナノファイバー11を構成する第1の高分子樹脂の融点より第2のナノファイバー13を構成する第2の高分子樹脂の融点の方が高く、芯糸1が溶融して第1のナノファイバー11が融着し、さらに第1のナノファイバー11が溶融して第2のナノファイバー11が融着する例を示したが、図7に示すような第2の糸条14を製造する場合においては、芯糸1の融点の高さについては問うことなくかつ第1の熱処理手段6を配設せず、第1のナノファイバー11を構成する第1の高分子樹脂の融点より第2のナノファイバー13を構成する第2の高分子樹脂の融点の方を高くして、第2の熱処理手段9にて第1のナノファイバー11を溶融させることで、第1のナノファイバー11を内周側の芯糸1と外周側の第2のナノファイバー13の両方に融着させるようにしても良い。
ここで、芯糸1と第1のナノファイバー11と第2のナノファイバー13に好適に適用できる高分子樹脂の例とその融点を、融点の低いものから順に示す。
1)ポリプロピレン(PP) − 160〜170℃
2)ナイロン12 − 176℃
3)ナイロン11 − 187℃
4)ナイロン6.10 − 210℃
5)ナイロン6 − 225℃
6)ポリエチレンテレフタレート(PET)− 260℃
7)ナイロン6.6 − 265℃
かくして、例えばポリプロピレン(PP)やナイロン(登録商標)12やナイロン11を芯糸1に適用し、ナイロン6.10やナイロン6を第1のナノファイバー11に適用し、ポリエチレンテレフタレート(PET)やナイロン6.6を第2のナノファイバー13に適用した場合には、第1の熱処理手段6では190〜200℃で熱処理し、第2の熱処理手段9では230〜250℃で熱処理するのが適当である。
芯糸1と第1のナノファイバー11から成る第1の糸条12を製品とする場合の具体実施例を示すと、芯糸1として融点が176℃のナイロン12を使用し、融点が225℃のナイロン6を30wt%の濃度で蟻酸にて溶解した原料溶液を、外径が60mmで、外周に孔径0.3mmの8個の小穴24が形成された回転容器23を回転数1800rpmで回転させて第1のナノファイバー11を生成して、100mm/分の速度で移動させている芯糸1に巻き付け、第1の熱処理手段6にて200℃で熱処理して第1の糸条12を製造した。
本実施形態によれば、芯糸1を移動させつつ、電荷誘導紡糸法にて生成した第1のナノファイバー11を芯糸1の回りに巻き付けることで第1の糸条12を形成し、その後芯糸1の融点よりも高く第1の第1のナノファイバー11を構成する高分子樹脂の融点よりも低い温度で熱処理することで、芯糸1の一部が溶融し、芯糸1と第1のナノファイバー11の一部が融着して相互に固着された巻き付き状態となり、次いでこの第1の糸条12の回りに電荷誘導紡糸法にて生成した第2のナノファイバー13を巻き付けることで第2の糸条14を生産性良く形成でき、その後第1のナノファイバー11を構成する高分子樹脂の融点よりも高く第2のナノファイバー13を構成する高分子樹脂の融点よりも低い温度で熱処理することで、第1のナノファイバーの一部が溶融し、第1のナノファイバーと第2のナノファイバーが融着して相互に固着された巻き付き状態となる。かくして、芯糸1に対して第1と第2のナノファイバー11、13の巻き付きが強く保持されて所望の強度と腰を有する第2の糸条14を生産性良く製造して回収手段15にて回収することができる。
また、第1、第2の大気圧プラズマ処理手段4、7にて芯糸1及び第1の糸条12の表面を滑り抵抗が大きくなる表面性状となるように改質しているので、芯糸1や第1の糸条12の回りに第1、第2のナノファイバー11、13を巻き付けたときに、より強い巻き付き状態が保持されるため、一層強度と腰のある第2の糸条14を得ることができる。
また、本実施形態によれば、回転容器23、33の外周の小穴24、34から遠心力にて原料溶液を流出させるので、電荷誘導紡糸法による延伸に先立って電荷を帯電した原料溶液が遠心力の作用で延伸され、かつそのため電荷の相互影響を受けないので、多数の小穴24、34を近接して配置しても円滑にかつ均一に原料溶液を流出・延伸することができ、その後電荷誘導紡糸法にて延伸することで、多量の第1、第2のナノファイバー11、13を効率的に生成することができ、第1、第2の糸条12、14の生産性を著しく向上できるという効果が得られる。
なお、上記実施形態では、表面処理手段として大気圧プラズマ処理手段4、7を適用した例を示したが、これに限定されるものではなく、レーザー照射処理手段にて表面に微細な凹凸を形成するようにしても、また芯糸1や第1の糸条の表面に接触して粗し処理する接触粗し処理手段を適用しても良い。
(第2の実施形態)
次に、本発明のナノファイバーの合糸方法及び装置の第2の実施形態について、図5を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明においては、先行する実施形態と共通の構成要素については同一の参照符号を付して説明を省略し、主として相違点についてのみ説明する。
本実施形態では、図5に示すように、第1、第2のナノファイバー生成手段21、31を、移動経路2を取り囲む環状の回転体61、71の下面に複数のノズル部材62、72を全周にわたって配設し、その先端の小穴63、73から第1、第2のナノファイバー11、13の原料溶液を流出させるように構成している。そして、この第1、第2のナノファイバー生成手段21、31と、回転体61、71の回転方向a、cに対してそれぞれ逆方向の回転方向b、d方向に回転駆動させるように構成された第1、第2の電極22、32とによって、第1、第2の糸条製造手段5、8を構成している。
本実施形態においても、上記実施形態と同様に芯糸1に対して第1と第2のナノファイバー11、13の巻き付きが強く保持されて所望の強度と腰を有する第2の糸条14を生産性良く製造することができる。
なお、本実施形態においても、上記実施形態と同様に、回転体61、71と、電極22、32を逆方向に回転させているが、同方向に回転させてもよく、回転体61、71と電極22、32の回転数が異なるように構成すれば、同様の効果が得られる。また、回転体61、71と電極22、32は、両方が同時に回転する必要はなく、少なくとも第1の糸条製造手段5と第2の糸条製造手段8のそれぞれにおいて、回転体61、71と電極22、32の内の一方が回転すれば、同様の効果が得られる。また、第1の糸条製造手段5において回転している回転体61と電極22の回転方向と、第2の糸条製造手段8において回転している回転体71と電極32の回転方向を、逆方向に構成すれば、第1の糸条12と第2の糸条14の撚り方向が交互に逆方向になるので、より強度の高い糸条を製造することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明のナノファイバーの合糸方法及び装置の第3の実施形態について、図6を参照して説明する。
本実施形態では、芯糸1の移動経路2の周囲を回転する回転体61、71に設けた1つの又は近接配置した複数の小穴63、73から原料溶液を流出させて電荷誘導紡糸法にてナノファイバー11、13を生成する第1と第2のナノファイバー生成手段21、31と、小穴63、73とは移動経路2を挟んで略反対側の位置で小穴63、73と同期して回転する電極65、75とによって第1の糸条製造手段5と第2の糸条製造手段8がそれぞれ構成されている。
具体的には、芯糸1が軸芯部を貫通する貫通孔を有するとともに、軸芯回りに矢印aの如く回転駆動可能な回転体61が配設されている。回転体61の回転速度は、数100〜10000rpmに設定される。回転体61には、先端に小穴63を有する1つのノズル部材62が設けられ、その小穴63からナノファイバーの原料溶液に電荷を帯電させて流出させるように構成されている。なお、ノズル部材62は、ノズル部材62と移動経路2の間の径方向に距離に比して小さい距離をあけた近接状態で複数配設しても良い。小穴63から電荷を帯電されて流出した原料溶液が電荷誘導紡糸法にて延伸されて第1のナノファイバー11が生成され、第1のナノファイバー生成手段21が構成されている。
回転体61から芯糸1の移動方向に適当な距離の位置に、生成された第1のナノファイバー11を収集する第1の電極65が配設されている。第1の電極65は、平面視で移動経路2を挟んで小穴63とは略反対側に位置した状態で小穴63と同期して回転するように、回転体61と同期して矢印bの如く回転するリング状ないし筒状の回転部材64上に配設されている。第1の電極65は、少なくとも頂部が、半径が数mm〜10mm程度の半球形又はそれに類似した形状で、尖った部分の無いものが好ましい。尖った部分があると、その部分からイオン風が発生し、異常放電の発生原因となるためである。
そして、小穴63から流出する原料溶液に電荷を帯電させ、第1の電極65にて第1のナノファイバー11を収集するため、本実施形態では、ノズル部材62を接地し、第1の電極65に第1の高電圧発生手段30にて1kV〜100kV、好適には10kV〜100kVの正(又は負、図示例は正)の高電圧を印加している。これにより、ノズル部材62と第1の電極65間に電界が発生し、小穴63から流出する原料溶液には負(又は正)の電荷が帯電し、負(又は正)に帯電した第1のナノファイバー11がそれとは逆極性の高電圧が印加されている第1の電極65に収集される。なお、ノズル部材62に高電圧発生手段(図示せず)にて負(又は正)の高電圧を印加して、流出する原料溶液及びナノファイバーに負(又は正)の電荷を帯電させるようにしても良く、その場合には第1の電極65を接地しても、若しくは第1の電極65に第1の高電圧発生手段30にて正(又は負)の高電圧を印加しても良い。
こうして、ノズル部材62と第1の電極65が芯糸1の回りに同期回転するのに伴って、第1の電極65にて収集された第1のナノファイバー11が移動する芯糸1の回りに絡まって巻き付けられ、芯糸1に第1のナノファイバー11が撚られた第1の糸条12が形成される。かくして、第1のナノファイバー生成手段21と第1の電極65にて第1の糸条製造手段5が構成されている。第1の糸条製造手段5と第2の糸条製造手段8の間に、第1の糸条12に上記第1の実施形態で説明した所要の熱処理を施す第1の熱処理手段6が配設されている。
以上の第1の糸条製造手段5から移動経路2の下手側に適当な距離の位置に、形成された第1の糸条12が軸芯部を貫通するとともに、軸芯回りに矢印cの如く回転駆動可能に構成され、かつ先端に小穴73を有するノズル部材72が1つ又は複数設けられた回転体71が配設されている。そして、小穴73から電荷を帯電されて流出した原料溶液が電荷誘導紡糸法にて延伸されて第2のナノファイバー13が生成され、第2のナノファイバー生成手段31が構成されている。
また、回転体71から移動経路2の下手側に適当な距離の位置に、生成された第2のナノファイバー13を収集する第2の電極75が配設されている。第2の電極75は、平面視で移動経路2を挟んで小穴73とは略反対側に位置した状態で小穴73と同期して回転するように、回転体71と同期して矢印dの如く回転するリング状ないし筒状の回転部材74上に配設されている。また、小穴73から流出する原料溶液に電荷を帯電させ、第2の電極75にて第2のナノファイバー13を吸引するため、本実施形態では、ノズル部材72を接地し、第2の電極75に第2の高電圧発生手段40にて正(又は負、図示例は正)の高電圧を印加している。これにより、ノズル部材72と第2の電極75間に電界が発生し、小穴73から流出する原料溶液には負(又は正)の電荷が帯電し、負(又は正)に帯電した第2のナノファイバー13がそれとは逆極性の高電圧が印加されている第2の電極75に吸引される。
第2の電極75にて収集された第2のナノファイバー13は、ノズル部材72と第2の電極75が第1の糸条12の回りに同期回転するのに伴って、移動する第1の糸条12の回りに絡まって巻き付けられ、第1の糸条12に第2のナノファイバー13が撚られた第2の糸条14が形成される。かくして、第2のナノファイバー生成手段21と第2の電極75にて、第1の糸条製造手段5とほぼ同様の構成の第2の糸条製造手段8が構成されている。この第2の糸条製造手段8の後段に、製造された第2の糸条14に上記第1の実施形態で説明した所要の熱処理を施す第2の熱処理手段9が配設されている。
本実施形態においては、所定の移動経路2に沿って芯糸1を移動させつつ、その移動経路2の周囲を回転する小穴63、73から原料溶液を流出させて電荷誘導紡糸法にてナノファイバー11、13を生成するとともに、生成したナノファイバー11、13を小穴63、73とは移動経路2を挟んで略反対側の位置で小穴63、73と同期して回転する電極65、75に向けて流動させるようにしているので、生成されたナノファイバー11、13が線状若しくはその周囲の小さな断面の空間内を殆ど乱れることなく電極63、73に向かって流動し、かつ小穴63、73と電極65、75の同期回転に伴って流動してきたナノファイバー11、13が芯糸1や第1の糸条12に絡んで規則正しく巻き付くことになり、それによって形態や物性の均一な第2の糸条14を安定的に製造することができる。
なお、本実施形態においては、第1の糸条製造手段5における回転体61と第1の電極65の回転方向a、bと、第2の糸条製造手段8における回転体71と第2の電極75の回転方向c、dが共に同じ方向であり、第1のナノファイバー11と第2のナノファイバー13が同一方向に巻き付けられるようにした例を示したが、第1の糸条製造手段5における回転体61と第1の電極65の回転方向a、bと、第2の糸条製造手段8における回転体71と第2の電極75の回転方向c、dを互いに逆方向にしても良く、そうすることで第1のナノファイバー11と第2のナノファイバー13の撚り方向が交互に逆方向になるので、より強度の高い糸条を製造することができる。なお、回転体と電極の回転方向については、他の実施形態と同様に、すなわち、回転体61上の小穴と第1の電極65が芯糸1の周囲に相対的に回転すればよく、また、回転体71上の小穴と第2の電極75が第1の糸条12の周囲に相対的に回転すればよい。回転体61と回転体71を回転させない場合には、圧力を用いて小穴63、73から原料溶液を流出させることができる。
なお、以上の各実施形態では、移動経路2に沿って第1の糸条製造手段5と第2の糸条製造手段8を配設した例を示したが、第3、第4・・・の糸条製造手段を配設することもでき、そうすることで芯糸1の外周にナノファイバーを多層に撚った糸条を製造することができる。
本発明のナノファイバーの合糸方法及び装置によれば、芯糸を移動させつつ電荷誘導紡糸法にて生成したナノファイバーを芯糸の回りに1又は複数層に巻き付けることでナノファイバーの糸条を生産性良く形成でき、その後芯糸の少なくとも表面層又は内側のナノファイバーを構成する高分子樹脂の融点よりも高く外側のナノファイバーを構成する高分子樹脂の融点よりも低い温度で熱処理することで、芯糸又は内側のナノファアバーと外側のナノファイバーとが融着してナノファイバーの巻き付きが強く保持されて所望の強度と腰を有する糸条を生産性良く製造することができ、芯糸に1又は複数層にナノファイバーを巻き付けて成る糸条の生産に好適に利用することができる。
本発明の第1の実施形態のナノファイバーの合糸方法及び装置の全体概略構成図。 同実施形態におけるプラズマ処理手段の構成例を示す縦断面図。 同実施形態における電極の他の構成例を示す斜視図。 (a)、(b)は同実施形態における熱処理手段の構成例の説明図。 本発明の第2の実施形態のナノファイバーの合糸方法及び装置の全体概略構成図。 本発明の第3の実施形態のナノファイバーの合糸方法及び装置の全体概略構成図。 本発明の各実施形態にて製造される糸条の一例の横断模式図。
符号の説明
1 芯糸
2 移動経路
3 芯糸供給手段
4 第1の大気圧プラズマ処理手段(表面処理手段)
5 第1の糸条製造手段
6 第1の熱処理手段
7 第2の大気圧プラズマ処理手段(表面処理手段)
8 第2の糸条製造手段
9 第2の熱処理手段
11 第1のナノファイバー
12 第1の糸条
13 第2のナノファイバー
14 第2の糸条
21 第1のナノファアイバー生成手段
22 第1の電極
23 回転容器
24 小穴
31 第2のナノファイバー生成手段
32 第2の電極
33 回転容器
61 回転体
63 小穴
65 第1の電極
71 回転体
73 小穴
75 第2の電極

Claims (11)

  1. 芯糸を移動させる工程と、
    移動する芯糸の周囲に配置した小穴から芯糸の少なくとも表面層よりも融点の高い高分子樹脂を含む原料溶液を流出させ電荷誘導紡糸法にて生成したナノファイバーを芯糸の回りに巻き付けて糸条を形成する撚糸工程と、
    撚糸工程の後、形成された糸条を芯糸の少なくとも表面層の融点よりも高くナノファイバーを構成する高分子樹脂の融点よりも低い温度で熱処理する熱処理工程とを
    有することを特徴とするナノファイバーの合糸方法。
  2. 芯糸の少なくとも表面層は、融点温度が180℃以下の熱可塑性樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1記載のナノファイバーの合糸方法。
  3. 芯糸を移動させる工程と、
    移動する芯糸の周囲に配置した小穴から第1の高分子樹脂を含む第1の原料溶液を流出させ電荷誘導紡糸法にて生成した第1のナノファイバーを芯糸の回りに巻き付けて第1の糸条を形成する第1の撚糸工程と、
    第1の撚糸工程を経て移動する第1の糸条の周囲に配置した小穴から第1の高分子樹脂よりも融点の高い第2の高分子樹脂を含む第2の原料溶液を流出させて電荷誘導紡糸法にて生成した第2のナノファイバーを第1の糸条の回りに巻き付けて第2の糸条を形成する第2の撚糸工程と、
    第2の撚糸工程の後、形成された第2の糸条を少なくとも第1の高分子樹脂の融点よりも高く第2の高分子樹脂の融点よりも低い温度で熱処理する熱処理工程とを
    有することを特徴とするナノファイバーの合糸方法。
  4. 芯糸の表面を改質若しくは表面に凹凸を付与する表面処理工程を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載のナノファイバーの合糸方法。
  5. 芯糸の回りに1又は複数層にナノファイバーを巻き付けて1又は複数層のナノファイバー層を形成した糸条を製造するナノファイバーの合糸方法において、少なくとも最外層のナノファイバー層を含めて外側のナノファイバー層の内側に接するナノファイバー層若しくは芯糸を、外側のナノファイバー層を構成する高分子樹脂の融点よりも低い融点の高分子樹脂にて構成し、外側のナノファイバー層を形成した後、内側に接するナノファイバー層若しくは芯糸を構成する高分子樹脂の融点よりも高く外側のナノファイバー層を形成する高分子樹脂の融点よりも低い温度で熱処理することを特徴とするナノファイバーの合糸方法。
  6. 外側のナノファイバー層の内側に接するナノファイバー層若しくは芯糸の表面を改質若しくは表面に凹凸を付与する表面処理工程を有することを特徴とする請求項5に記載のナノファイバーの合糸方法。
  7. 表面処理工程は、大気圧プラズマ処理と、レーザー照射処理と、芯糸の表面に接触して粗し処理する接触粗し処理の少なくとも何れか1つを適用することを特徴とする請求項4又は6に記載のナノファイバーの合糸方法。
  8. 芯糸を所定の移動経路に供給する芯糸供給手段と、
    少なくとも1つの小穴から芯糸の少なくとも表面層よりも融点の高い高分子樹脂を含む原料溶液を流出させるとともに流出する原料溶液に電荷を帯電させ、静電爆発にてナノファイバーを生成するナノファイバー生成手段と、ナノファイバー生成手段とは所定の距離離れて芯糸を囲むように配置され、ナノファイバーの帯電極性とは逆極性の電圧を印加され又は接地された電極と、ナノファイバー生成手段の小穴と電極とを芯糸回りに相対的に回転させる回転手段から成り、芯糸の回りにナノファイバーを巻き付けた糸条を製造する糸条製造手段と、
    製造された糸条を、芯糸の少なくとも表面層の融点よりも高く、ナノファイバーを構成する高分子樹脂の融点より低い所定の温度で熱処理する熱処理手段とを
    備えたことを特徴とするナノファイバーの合糸装置。
  9. 芯糸を所定の経路を通して供給する芯糸供給手段と、
    少なくとも1つの小穴から第1の高分子樹脂を含む原料溶液を流出させるとともに流出する原料溶液に電荷を帯電させ、静電爆発にて第1のナノファイバーを生成する第1のナノファイバー生成手段と、第1のナノファイバー生成手段とは所定の距離離れて芯糸を囲むように配置され、第1のナノファイバーの帯電極性とは逆極性の電圧を印加され又は接地された第1の電極と、第1のナノファイバー生成手段の小穴と第1の電極とを芯糸回りに相対的に回転させる第1の回転手段から成り、芯糸の回りに第1のナノファイバーを巻き付けた第1の糸条を製造する第1の糸条製造手段と、
    製造された第1の糸条の周囲に位置する少なくとも1つの小穴から第1の高分子樹脂の融点よりも融点の高い第2の高分子樹脂を含む原料溶液を流出させるとともに流出する原料溶液に電荷を帯電させ、静電爆発にて第2のナノファイバーを生成する第2のナノファイバー生成手段と、第2のナノファイバー生成手段とは所定の距離離れて芯糸を囲むように配置され、第2のナノファイバーの帯電極性とは逆極性の電圧を印加され又は接地された第2の電極と、第2のナノファイバー生成手段の小穴と第2の電極とを第1の糸条回りに相対的に回転させる第2の回転手段から成り、第1の糸条の回りに第2のナノファイバーを巻き付けた第2の糸条を製造する第2の糸条製造手段と、
    第2の糸条を、第1の高分子樹脂の融点よりも高く、第2の高分子樹脂の融点より低い所定の温度で熱処理する熱処理手段とを
    備えたことを特徴とするナノファイバーの合糸装置。
  10. 芯糸の表面を改質若しくは表面に凹凸を付与する表面処理手段を設けたことを特徴とする請求項8又は9記載のナノファイバーの合糸装置。
  11. 表面処理手段は、大気圧プラズマ処理手段と、レーザー照射処理手段と、芯糸の表面に接触して粗し処理する接触粗し処理手段の何れかから成ることを特徴とする請求項10記載のナノファイバーの合糸装置。
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