しかしながら、特許文献1に開示される装置によると、各電子メールに対応して1コマの漫画の添付ファイルが作成される。このため、複数の電子メールの記録を残す際に1コマ毎に1ページに印刷されるため、読みにくさを十分解消することができない問題があった。また、電子メール毎に用紙が必要となり、不経済となる問題もあった。
本発明は、複数の電子メールを経済的に読みやすくまとめることのできる電子メールフォーマット変換装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の電子メールフォーマット変換装置は、送受信された電子メールを保存するメール保存部と、電子メールの送信者に関連付けられる送信者画像を保存する画像保存部と、を備え、複数の電子メール内のメール文と各電子メールに関連付けられた前記送信者画像とを合成して時系列に並ぶ複数のコマが1ページ内に配置される漫画を形成し、形成された漫画の電子データを出力することを特徴とする。
この構成によると、メール保存部には送受信された電子メールが保存される。画像保存部にはアドレス帳等に登録されているメンバーに関連する送信者画像や、ユーザ本人に関連する送信者画像が予め記憶される。メール保存部に保存された電子メールに含まれる文は電子メールの送信者に関連付けられた送信者画像と合成して1コマの漫画が形成される。そして、複数の電子メールから複数のコマの漫画が形成され、複数のコマから成る漫画の電子データが出力される。出力された電子データに基づいて漫画の印刷や画面表示等が行われる。
また本発明は、上記構成の電子メールフォーマット変換装置において、送受信された連続する2つ以上の電子メールから漫画の1コマを形成することを特徴とする。この構成によると、送受信された連続する2つ以上の電子メールを用いることにより、漫画の1コマを形成される。
また本発明は、上記構成の電子メールフォーマット変換装置において、漫画の1コマを形成する電子メールを選別することを特徴とする。この構成によると、不要な電子メールを排し、漫画の1コマを形成するために必要な電子メールが選別される。
また本発明は、上記構成の電子メールフォーマット変換装置において、前記送信者画像が前記画像保存部に含まれない場合に、送信者情報に基づいて前記送信者画像を形成することを特徴とする。この構成によると、アドレス帳等に予め登録された送信者画像に関連付けられている送信者画像が画像保存部に保存されていない場合に、性別や年齢等の送信者情報に基づいて送信者に関連した送信者画像が形成される。
また本発明は、上記構成の電子メールフォーマット変換装置において、送信者情報に基づいて通信ネットワークを介して取得した画像によって前記送信者画像を形成したことを特徴とする。この構成によると、送信者情報に基いて、インターネット等の通信ネットワークを介して取得した画像によって、送信者に関連した送信者画像が形成される。
また本発明は、上記構成の電子メールフォーマット変換装置において、電子メールに添付された添付画像を漫画のコマに更に合成したことを特徴とする。この構成によると、電子メールに添付された添付画像が送信者画像を有する漫画のコマに更に合成される。
また本発明は、上記構成の電子メールフォーマット変換装置において、前記添付画像が動画である場合において、動画から変換した静止画を漫画に合成したことを特徴とする。この構成によると、動画から成る添付画像が静止画へと変換され、漫画のコマに合成される。
また本発明は、上記構成の電子メールフォーマット変換装置において、予め特定の語句と関連付けられる語句関連画像を前記画像保存部に保存し、電子メール内のメール文に前記語句を含む場合に前記語句関連画像を漫画の背景にしたことを特徴とする。この構成によると、「東京」等の予め特定の語句に関連付けられる画像が画像保存部に保存され、電子メール内のメール文に特定の語句が含まれるとこの語句に関連する語句関連画像が合成される。
また本発明は、上記構成の電子メールフォーマット変換装置において、ユーザが任意に漫画の画像を修正できることを特徴とする。この構成によると、ユーザは任意に漫画の画像を修正する。
また本発明は、上記構成の電子メールフォーマット変換装置において、電子メール内の経緯度情報に関連する経緯度関連画像を漫画のコマに更に合成することを特徴とする。この構成によると、電子メールに含まれた経緯度情報から取得される地域の画像や施設の画像等の経緯度画像が漫画のコマにさらに合成される。経緯度関連画像は予め画像保存部に保存してもよく、通信ネットワークを介して外部から取得してもよい。
また本発明は、上記構成の電子メールフォーマット変換装置において、前記経緯度関連画像を通信ネットワークにより取得したことを特徴とする。
また本発明は、上記構成の電子メールフォーマット変換装置において、前記電子データの形式はパーソナルコンピュータ、プリンタ、ファクシミリ装置又はコピー装置上のソフトウェアで読み出し可能なファイル形式であることを特徴とする。
また本発明は、上記構成の電子メールフォーマット変換装置において、利用時には課金もしくはユーザの認証を必要とすることを特徴とする。この構成によると、電子メールフォーマット変換装置の起動時に例えば予め登録されたユーザIDの入力が求められる。ユーザIDの入力によって電話回線やインターネット回線を介してユーザ認証が行われる。
また、電子メールフォーマット変換装置の起動時に例えば移動端末装置の暗証番号の入力が求められる。入力された暗証番号は電話回線等を通じて連絡され、課金して電話料金とともに決済される。クレジットカードのナンバーの入力等によって課金してもよい。
また本発明は、上記構成の電子メールフォーマット変換装置において、上記電子データに広告を挿入することにより、課金が軽減または免除されることを特徴とする。この構成によると、例えば、電子メールのフォーマット変換装置によって形成した電子データを出力する際に広告の有無が検知される。所定の広告が漫画に挿入されていると通信ネットワークを介して電子メールフォーマット変換装置の提供者に連絡され、課金が軽減又は免除される。
また本発明は、上記構成の電子メールフォーマット変換装置において、利用時には前記電子データに前記広告の挿入を必須とすることを特徴とする。この構成によると、例えば、電子メールフォーマット変換装置によって形成した漫画を出力する際に広告の有無がチェックされる。所定の広告が漫画に挿入されていない場合は電子データの出力が制限される。
また本発明は、上記構成の電子メールフォーマット変換装置において、前記広告の内容が電子メール内のメール文、電子メールの添付ファイル、もしくは電子メールのヘッダ情報の少なくとも一つに関連付けられたものであることを特徴とする。
また本発明は、GPS衛星からの信号を受信して現在の位置を取得し、前記経緯度関連画像は電子メール内の経緯度情報及び電子メールの受信者の現在位置に関連することを特徴とする。この構成によると、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信するGPS受信部によって得られるユーザの現在位置と、経緯度情報による送信者の発信位置に関連した地図等の経緯度関連情報が漫画のコマに合成される。
また本発明の移動通信端末は、上記各構成の電子メールフォーマット変換装置を備えたことを特徴とする。
また本発明の画像形成装置は、上記各構成の電子メールフォーマット変換装置が予め蓄積された電子メールのデータを受け取って前記メール保存部に保存するデータ入力部と、前記電子データを出力して印刷用紙に印刷する印刷部とを有することを特徴とする。この構成によると、データ入力部で電子メール等の電子データを受け取り、電子データを電子メールフォーマット変換装置で漫画の電子データへ形成する。そして、漫画の電子データは印刷部から印刷用紙へ印刷する。
また本発明の電子メールフォーマット変換プログラムは、送受信された複数の電子メール内のメール文と各電子メールの送信者に関連付けられた送信者画像とを合成して時系列に並ぶ複数のコマが1ページ内に配置される漫画を形成し、形成された漫画の電子データを出力することを特徴とする。
また本発明の電子メールフォーマット変換方法は、送受信された電子メールを保存するメール保存部と、電子メールの送信者に関連付けられる送信者画像を保存する画像保存部と、を備え、複数の電子メール内のメール文と各電子メールに関連付けられた前記送信者画像とを合成して時系列に並ぶ複数のコマが1ページ内に配置される漫画を形成し、形成された漫画の電子データを出力することを特徴とする。
本発明によると、複数の電子メール内の文と各電子メールに関連付けられた送信者画像を合成して時系列に並ぶ複数のコマから成る漫画を形成し、形成された漫画の電子データを出力するので、電子メールのやり取りした際の記録を電子データの印刷や画面表示によって、ユーザが視覚的、直感的に分かりやすい形で把握できる。従って、複数の電子メールを経済的で読みやすくまとめることができる。
また本発明によると、送受信された連続する2つ以上の電子メールから漫画の1コマを形成するので、対話形式で漫画の一コマを形成することができる。従って、電子メールをより分かりやすくまとめることができる。さらに、漫画のコマ数を減らすことができる。これにより、保存ファイルの容量を小さくできるとともに、まとめた電子メールを短時間で容易に読むことができる。
また本発明によると、漫画の1コマを形成する電子メールを選別することができるので、ユーザが意図していない電子メールを排することで、電子メールの内容をより分かりやすくすることができ、また保存ファイルの容量を小さくできる。
また本発明によると、送信者画像が画像保存部に含まれない場合に、送信者情報に基づいて送信者画像が形成できるため、送信者画像が電子メールフォーマット変換装置に格納されなくてもよく、電子メールフォーマット変換装置の利便性を向上できる。
また本発明によると、送信者情報に基づいて通信ネットワークを介して取得した画像によって送信者画像が形成できるため、送信者画像が電子メールフォーマット変換装置に格納されなくてもよく、電子メールフォーマット変換装置の利便性を向上できる。
また本発明によると、電子メールに添付された添付画像を漫画のコマに更に合成するので、電子メールの内容をより分かりやすくすることができる。
また本発明によると、電子メールに添付された動画を静止画へ変換するので、添付画像が動画であっても容易に漫画に合成することができる。
また本発明によると、語句関連画像を漫画の背景に合成するので、電子メールの内容をより分りやすくすることができる。
また本発明によると、ユーザが任意に漫画の画像を修正できるので、ユーザが所望の漫画の画像に変更して、電子メールの内容をより分かりやすくすることができる。
また本発明によると、電子メールに含まれた経緯度情報に関連する画像を漫画のコマへと合成するので、電子メールの内容をより分かりやすくができる。
また本発明によると、経緯度情報から関連した情報を通信ネットワークより取得できるので、経緯度情報関連画像が電子メールフォーマット変換装置内に格納する必要がなく、電子メールフォーマット変換装置の利便性を向上できる。
また本発明によると、上記電子データの形式をパーソナルコンピュータ、プリンタ、ファクシミリ装置又はコピー装置上のソフトウェアで読み出し可能になり、当該装置にて容易に閲覧や印刷をすることができる。
また本発明によると、利用時には課金もしくはユーザの認証することで、課金収入を得ることや、ユーザの選別をすることができる。
また本発明によると、漫画の電子データに広告を挿入すると、課金が軽減又は免除されるので、ユーザの負担を軽減して容易に利用することができる。
また本発明によると、利用時に電子データに広告の挿入を必要とするため、広告宣伝効果を得ることができる。
また本発明によると、広告の内容が電子メール内のメール文、電子メールの添付ファイル、もしくは電子メールのヘッダ情報の少なくとも一つに関連付けられたものであるため、当該関連情報を活用した広告宣伝効果を得ることができる。
また本発明によると、経緯度関連画像がGPS受信部により取得したユーザの現在位置と、経緯度情報による電子メールの送信者の発信位置とに関連するので、両地点間を結ぶ地図上のルート等の画像を漫画に追加して電子メールの内容をより分かりやすくすることができる。
また本発明によると、電子メールフォーマット変換装置が移動通信端末に含まれるため、移動通信端末のメール機能を利用して容易に電子メールフォーマット変換装置を実現できる。
また本発明によると、電子メールフォーマット変換装置が画像形成装置に含まれ、電子メールフォーマット変換装置から出された漫画の電子データを印刷するので、漫画の電子データを印刷して、容易に閲覧することができる。
また本発明によると、電子メールフォーマット変換をプログラムにより実現できる。プログラムには無体物としての流通性があるため、当該プログラムを他の装置で容易に動作できる。そうすると、電子メールのやり取りした際の記録を電子データの印刷や画面表示によって、ユーザが視覚的、直感的に分かりやすい形で把握できる。従って、複数の電子メールを経済的で読みやすくまとめることができる。
また本発明の電子メールフォーマット変換方法を使用すれば、電子メールのやり取りした際の記録を電子データの印刷や画面表示によって、ユーザが視覚的、直感的に分かりやすい形で把握できる。従って、複数の電子メールを経済的で読みやすくまとめることができる。
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1実施形態の電子メールフォーマット変換装置を備えた移動通信端末である携帯電話機1の内部構造を表すブロック図である。携帯電話機1は複数のメールを纏めて漫画の電子データを形成する。
携帯電話機1は、全体を制御する制御部2を有している。制御部2には、メール送受信部3、メール保存部4、画像保存部5、データ通信部6、GPS受信部7、電子コンパス部8、表示部9、操作部10、出力部15が接続されている。
メール送受信部3は携帯電話機1で作成された電子メールを相手へ送信したり、相手からの電子メールを受信する。
メール保存部4はメール送受信部3で送受信された電子メールを保存する。保存された電子メール内のメール文の例として、図4(a)〜(f)や図5がある。メール保存部4の保存方法は携帯電話機1に内蔵のメモリやハードディスクであってもよい。また外部から携帯電話機器1に接続される外部メモリであってもよい。保存データもユーザがよく利用するように便宜を図った保存方法を採用してもよい。例えば、キャッシュ機能を利用してもよい。
画像保存部5は電子メールの送信者に関連付けられる電子データとしての送信者画像を保存する。送信者画像は例えば、図6や図7のように電子メールの送信者としての送信者画像が保存されている。画像保存部5に保存されている送信者画像は、ユーザが独自に設定したアバター等であってもよい。また送信者画像以外にも、一例として図18(a)〜(e)の吹き出しからなる吹き出し画像、図19(a)〜(e)の背景画像、図20(a)〜(g)の送信者画像の表情を表現する表情画像等が保存されている。
また、画像保存部5には語句関連画像が保存されている。例えば、図22に示すように「東京」や「東京タワー」等の特定の語句に関連付けられる画像が保存されている。図22に示すように語句関連画像と特定の語句の関連性は、操作部10により追加、編集が可能である。また、画像保存部5には観光名所や地図等の経緯度関連画像も保存されている。
画像保存部5の保存方法は携帯電話機1内蔵のメモリやハードディスクであってもよい。また外部から携帯電話機器1に接続される外部メモリであってもよい。保存データもユーザがよく利用するように便宜を図った保存方法を採用してもよい。例えば、キャッシュ機能を利用してもよい。メール保存部4と同じ保存方法を使用してもよい。また、画像保存部5に保存される画像は二次元でも三次元の形式であってもよい。画像保存部5の画像はネットワークを介して取得してもよい。
データ通信部6は外部との間でデータの送受信を行い、大量データ通信のための大量データ通信部と少量データ通信のため少量データ通信部とを有する。大量データ通信部のインターフェースは、USB(Universal Serial Bus)等が用いられる。大量データ通信によりパソコンやメモリ等から大量のデータをダウンロードできる。少量データ通信部はインターネットや電話回線等の回線を介してデータ通信する。少量データ通信部は専用回線でも公衆回線でも良く、有線で接続しても無線で接続しても良い。回線としてはパケット通信、回線交換方式、PIAFS(Personal Handyphone System Internet Access Forum Standard)等を利用することができる。
GPS受信部7はGPS衛星からの信号を受信する。電子コンパス部8は、電子コンパス機能により方角情報を取得する。表示部9は電子メール内のメール文や電子メールの添付ファイル等の画像を表示する。表示部9は静止画や動画も表示する。操作部10は電子メールの送信等を携帯電話機1の操作を行う。外部の機器を用いて操作部10を代用してもよい。
出力部15は制御部2により合成された電子データを出力する。電子データが静止画の場合は、出力部15によりプリンタ等の機器へそのまま出力される。電子データが動画を含む場合は、出力部15からプロジェクタ等へ動画情報を保持した形で出力される。
図2および図3は、携帯電話機1の動作を示すフローチャートである。携帯電話機1は、メモリ(不図示)に保存されたプログラムによって、メール送受信部3で送受信された電子メールをまとめて漫画を形成して出力する。即ち、携帯電話機1は電子メールのフォーマットを変換して出力する電子メールフォーマット変換装置を構成する。
ステップS1において、ユーザの認証が行われる。ユーザIDの入力によって電話回線やインターネット回線を介して認証が行われる。セキュリティを保持するために、通信経路をSSLやIPSEC等の技術によって暗号化してもよい。
ユーザの認証として、パスワード認証、IPアドレス認証、LDAP認証、ダイジェスト認証等いずれでもよい。ステップS1によるユーザの認証を省いてもよい。
また、電子メールフォーマット変換装置を利用する際に認証と共に課金してもよい。例えば電子メールフォーマット変換装置の起動時にユーザ認証後、携帯電話機1の暗証番号の入力が求められる。入力された暗証番号は電話回線等を通じて連絡され、課金して電話料金とともに決済される。クレジットカードのナンバーの入力等によって課金してもよい。ユーザの認証によって、ユーザIDと暗証番号を関連付けて次回から暗証番号の入力を省略してもよい。
ステップS2では漫画の電子データを作成する電子メールの範囲を指定する。メール保存部4には電子メールの一連のやり取りが保存されている。表示部9にはメール保存部4から読み出した電子メールが図4(a)〜(f)の各表示画面に示すように表示される。ユーザは表示部9の画面を順に送って確認し、漫画を作成する電子メールの開始位置(例えば、図4(a))と終了位置(例えば図4(f))とを操作部10から指定する。また、電子メールのタイトルや送信日時等からメールの開始位置と終了位置を自動判定してもよい。表示部9に電子メールの内のタイトルやメール文の最初の部分を一覧表示してもよい。
さらにステップS2では、漫画の1コマを形成する電子メールを選別する。電子メールの一連のやり取りとして、漫画の電子データを作成する電子メールの範囲を指定する際、その中に電子メールのヘッダ情報等から、広告メールや無関係の第三者からの電子メール等があれば、一連のやり取りと無関係として広告メール等を排除する。選別の一例としては指定した送信者の電子メールアドレスに限ることや、電子メールのIn-reply-toヘッダに記載されたMessage-IDが送信履歴に存在するメールに限り、一連のやり取りに関係があると選別する。
例えば電子メールとして図4(a)〜(f)の中の間に「[●●ショップお得情報]
●●●●●が明日まで980円!タイムバーゲン開催中!」という内容の業者からの電子メールのメール文があれば(不図示)、業者の電子メールアドレスは一連の送信者の電子メールアドレスとは関係がないため、該電子メールは漫画の1コマを形成する電子メールではないとして排される。またこのような業者の電子メールのヘッダにはIn-reply-toヘッダに記載されたMessage-IDが送信履歴には存在しないため、該電子メールは排されることになる。電子メールのヘッダとしては、電子メールのFromヘッダ、Message-IDヘッダ、In-Reply-Toヘッダ、Referencesヘッダ等をもとに関連性の有無を推測してもよい。また、選別の判断をユーザに確認を求めてもよい。
ステップS3では、範囲指定した電子メールがメール保存部4から読み込まれる。電子メールが読み込まれると、送信日時、タイトル、経緯度情報、メール文、使用しているメール端末機情報、メールアドレス、送信者名、電子メールのヘッダ情報、添付ファイルの有無やファイルサイズ等が特定される。
ステップS4では、ステップS3で取得したメールアドレス等と予め登録されたアドレス帳が対比される。例えば図21に示すようなアドレス帳は携帯電話機1に内蔵のメモリやハードディスクに保存されているが、メール保存部4や画像保存部5に保存されてもよい。また、ユーザが操作部10からアドレス帳の内容を追加や削除等の編集ができる。
ステップS5では、メールアドレスの対応した送信者に関連する送信者画像が登録されているか否かが判断される。送信者画像が登録されていない場合はステップS6に移行する。送信者画像が登録されている場合は該当する送信者画像が画像保存部5から取得され、ステップS7に移行する。図6、図7は送信者画像の一例を示しており、例えば図4(a)、(b)の電子メールの送信者にそれぞれ対応している。
ステップS6では、所定の生成規則により送信者画像を形成する。画像保存部5にサンプル画像を予め保存し、サンプル画像から生成規則に適合した画像を選択して送信者画像を形成してもよい。生成規則としては、図21に示すようなアドレス帳の登録情報を活用して、男性であれば男性の画像を生成し、女性であれば女性の画像を生成してもよい。
さらに、趣味、年齢、職業、性格、出身地、職業等によって生成してよい。生成する画像は人物に限られず、風景や犬や猫や魚等の生き物等でもよい。また、電子メールの内タイトルやメール文の文脈等に関連して形成してもよい。通信ネットワークを介して取得した情報によって、送信者画像を形成してもよい。
ステップS7では、電子メールに添付された添付ファイルの有無を判断する。添付ファイルがあればステップS8へ移行する。添付ファイルがない場合は、ステップS10へ移行する。
ステップS8では、電子メールに添付された添付画像が動画であるか否かを判断する。動画である場合はステップS9へ移行し、静止画の場合はステップS12へ移行する。
ステップS9では、動画を静止画へと変換する。動画の形式の一例として、mpeg形式、RealMediaファイル形式、ASFファイル形式、AVIファイル形式、MOVファイル形式等を用いることができる。また添付ファイルが圧縮されていてもよいし、複数のファイルを1つのファイルとした書庫ファイルであってもよい。
動画を静止画へ変換する一例として、図11の(a)〜(c)のような動画がある場合、図12のように重ね合わせて一つの静止画として表示してもよい。また、図13のような動作を示す線によって静止画へ変換してもよい。静止画へ変換する他のアプリケーションやモジュールを使用してもよい。
ステップS10では、特定の語句が電子メール内のメール文に含まれるか判断される。電子メール内のメール文に特定の語句が含まれる場合はステップS11へ移行し、含まれない場合はステップS12へ移行する。
ステップS11では、特定の語句に関連付けられた語句関連画像が取得される。
ステップS12では、電子メールの送受信間隔が所定範囲内か否かを判断する。所定範囲内であればステップS15へ移行し、所定の範囲外であればステップS13へ移行する。
ステップS13では、漫画の1コマの画像を形成する。即ち、ステップS5で読み込まれた送信者画像またはステップS6で形成された送信者画像と、電子メール内のメール文とが合成される。また、ステップS7で取得した添付ファイルまたはステップS11で取得した語句関連画像が漫画のコマに更に追加して合成される。
例えば、図5に示す電子メール内のメール文と図6に示す送信者画像とを合成して図8に示すように漫画の1コマが形成される。この時、コマ枠内の一端に送信者画像が配され、送信者画像と反対側に設けた矩形や円形の吹き出し内にメール文が配される。吹き出しは前述の図18(a)〜(e)に示す吹き出し画像を画像保存部5からランダムに取得して用いられる。
また、図4(c)に示す電子メール内のメール文と図6に示す送信者画像とを合成して図10のコマ102に示すように漫画の1コマが形成される。同様に図4(d)に示す電子メール内のメール文と図7に示す送信者画像とを合成して図10のコマ103に示すように漫画の1コマが形成される。
また、ステップS7またはステップS9で取得した添付ファイルの静止画が背景として追加して合成される。例えば、図4(e)に示す電子メールの添付ファイルの画像を合成して図10のコマ104に示すように漫画の1コマが形成される。
更に、添付ファイルの画像がない場合はステップS11で取得した語句関連画像が背景として合成される。例えば、図4(a)に示す電子メールに含まれる「東京」の語句に関連した東京タワーの画像からなる語句関連画像を合成して図10のコマ101に示すように漫画の1コマが形成される。添付ファイル及び語句関連画像がない場合は、図5に示すような電子メールの背景画像や背景色を用いて図9に示すように漫画のコマの背景を形成してもよい。また、図5に示す電子メールがHTMLメールである場合、その電子メール内のタグで指定している情報、例えば<BODY bgcolor=”red”>とタグで背景色を赤色と指定していれば、図8及び図9の背景色を赤色としてもよい。
また、予め決められた絵文字に対応する表情画像が漫画のコマに合成される。例えば、図4(c)に示すように電子メールのメール文にハート型の絵文字が含まれると、図20(c)のハート型の表情画像が取得される。そして、図10のコマ102に示すように送信者画像の目の部分にハート型の表情画像が合成される。また、図4(f)に示すように電子メールのメール文に汗の絵文字が含まれると図20(d)の表情画像が取得される。そして、図10のコマ104に示すように、送信者画像の額部分に汗の形をした表情画像が合成される。また、絵文字だけでなく所定の記号や語句に表情画像を対応づけてもよい。
また、感情を表す特定の語句を含む画像からなる絵文字に対応して、さらに漫画のコマが合成される。例えば、図4(d)に示す電子メール内のメール文の「ええっ!?」等の感情を表す特定の語句を含む画像からなる絵文字に対応して、図10のコマ103に示すように目立つように背景に合成される。さらに、該絵文字が大きく使用されていたり感嘆符が使用されていたりする等、効果的に使用されている場合は、図10のコマ103に示すように送信者画像が目立つような画像効果が付加される。また、絵文字だけでなく所定の記号や語句に表情画像を対応づけてもよい。
ステップS14では、形成された画像を一時的に保管する。保管する際は他の画像とファイル名が重複しないように該処理が終了するまでにファイル名が一意になる必要がある。例えば、ファイル名に連番を付すようにしてもよい。保存先としては電子メールフォーマット変換装置の内部メモリやハードディスク以外にも、メール保存部4や画像保存部5を使用することができる。
ステップS16では、ステップ2で指定した範囲の最後の電子メールかどうかを判断する。範囲指定した最後のメールの場合は、ステップS17へ移行する。範囲指定した最後のメールではない場合はステップS3へ移行する。そしてステップS3〜S16が繰り返される。
ステップS12の判断で送受信者間隔が所定の範囲内の場合は、ステップ15で電子メールと送信者画像とが前のコマの画像に合成される。即ち、連続した電子メールの送受信間隔が所定の範囲内にあると、互いに関連性が深いと判断して2つ以上の電子メールから漫画の1コマが形成される。以下、2つの電子メールから漫画の1コマが形成される一例について説明する。
例えば、図4(a)に示す電子メール内のメール文と図6に示す送信者画像とを合成した画像に、図4(b)に示す電子メール内のメール文と図7に示す送信者画像とが合成される。これにより、図10のコマ101に示すように2つの電子メールを含む漫画の1コマが形成される。
この時、前の電子メールによる画像のレイアウトを修正し、2つの電子メールによる画像をコマの左右に均等に振り分けて配置する。一般に漫画は右から左へ読まれるため、前の電子メールによる画像を右に配置して後の電子メールによる画像を左に配置するとよい。
同様に、図4(e)に示す電子メール内のメール文と図6に示す送信者画像とを合成した画像に、図4(f)に示す電子メール内のメール文と図7に示す送信者画像とが合成される。これにより、図10のコマ104に示すように2つの電子メールを含む漫画の1コマが形成される。また、例えば図6に示す送信者画像が会話に沿って向きを変更できる場合には、図10のコマ104に示す右側の送信画像のように変更してもよい。
尚、ステップS12において連続した電子メールの送受信者間隔が所定範囲内にあると互いに関連性が深いと判断しているが、他の事項により関連性を判断してもよい。例えば、電子メールのタイトルが同じ語句を含む場合、後の電子メール内のメール文が前の電子メール内のメール文を引用している場合、後の電子メールが前の電子メールの返信メールである場合等に互いに関連性が深いと判断することができる。また、送信者の位置が電子メールのヘッダ等に含まれる場合は両電子メールの送信者の距離が近い場合に互いに関連性が深いと判断してもよい。
尚、ステップS15で合成されたファイルは前のファイルと合わせて1つのファイルとして保管される。ファイル名は前のファイル名を使用して一意性を確保し、合成したフラグをたててもよい。これにより無駄なファイルを無くし、不要なメモリやハードディスクの消費を少なくすることができる。
ステップS17では、ステップS3〜ステップS16を繰り返して形成された複数の画像をレイアウトし、図10に示すように1ページ内に複数のコマを有した漫画が形成される。
ステップS18では、形成された漫画の電子データに広告を挿入する。例えば、メール本文等に含まれた語句に関連する広告、添付ファイル名に関連する広告、電子メールのヘッダ情報によって取得されるサーバやソフトウェアに関連する広告、経緯度情報に関連付けられたエリア付近に存在する商店の広告等が挿入される。また、広告を挿入することで、課金を軽減または免除してもよい。この時、広告挿入を選択できるようにしてもよい。広告を挿入することで宣伝広告効果を得ることができる。
ステップS19では、ステップS17でレイアウトした複数のコマからなる漫画を表示部9からプレビュー表示する。
ステップS20では、ユーザから漫画の画像の修正を行う指示があったか否かを判断する。修正が不要であれば、ステップS24へ移行する。修正が必要であれば、ステップS21へ移行する。
ステップS21では、漫画の画像を修正する。ユーザが表示部9に表示されているプレビューを見て、操作部10から修正する。修正する例として、図18(a)〜(e)に示す吹き出し画像や図19(a)〜(e)の背景画像を入れ替える。
ステップS22では、ユーザが修正した方法をルール化するか否かを判断する。ルールとして保存する場合はステップS23へ移行し、保存しない場合はステップ24へ移行する。
ステップS23では、ユーザが修正した方法をルールとして保存する。修正した方法は、ユーザに適したルールとして判断され、次回から自動でこのルールが反映される。例えば、図18(b)で示すような吹き出し画像を選択すると、当該画像が次回から優先される。
また、フォントサイズの大きさや送信者画像の位置等をHTMLやXMLのタグ情報を用いて、ルールを指定してもよい。ルールは電子メールフォーマット変換装置のユーザごとに保存することができる。また他のルールも参照し、追加変更も可能である。これにより、ユーザが所望しわかりやすい漫画の画像を生成することができる。
修正ルールの保存先は電子メールフォーマット変換装置の内部メモリやハードディスク以外にも、メール保存部4や画像保存部5を使用することができる。
ステップ24では、ステップS18又はステップS21で形成された漫画の電子データを出力する。電子データを印刷紙に印刷するため静止画で出力することになる。
電子データの形式は、パーソナルコンピュータ、プリンタ、ファクシミリ装置又はコピー装置上のソフトウェアで読み出し可能なファイル形式であればよい。例えば、PDF形式、HTML形式、XML形式、Microsoft(登録商標) WORD形式、SGML形式、ビットマップファイル形式、JPEG形式、PNG形式、GIF形式、TIFF形式、PSD形式、PS(Post Script)形式、EPS形式、INDD形式、PICT形式、Adobe Illustrator(登録商標)ファイル形式、metafile形式のいずれかに該当すればよく、またこれらに限定されるものではない。これにより各形式に対応するソフトウェアによって容易に閲覧や印刷を行うことができる。
尚、電子メールに含まれた経緯度情報に関連した経緯度関連画像を形成し、漫画のコマの背景画像としてもよい。ユーザが受信した電子メールの送信者の通信機器にGPS装置が設けられている場合は電子メールのヘッダ、メール本文、もしくは添付ファイルのフォーマットに経緯度情報が含まれる。画像保存部5は経緯度に関連する経緯度関連画像が保存され、送信者の経緯度情報に基づいて経緯度関連画像が取得される。
例えば、図14に示すような送信者が送信した位置付近の観光名所等の画像を経緯度関連画像として用いてもよい。また、図15に示すような送信者が送信した位置付近の地図を経緯度関連情報として用いてもよい。
また、GPS受信部7によって利用者が電子メールを受信した際の現在位置を取得することができる。これにより、図16に示すように、送信者が送信した位置付近の地図から成る経緯度画像にユーザの受信した際の位置からルートを表示させてもよい。
さらに、図17のように電子コンパスで得られる方角情報に基づいてコンパスの画像Nを表示し、地図の向きを可変してもよい。これにより地図上のルートを分かりやすくして、電子メールの内容をより分かりやすくすることができる。
また、ユーザが送信した電子メールにも同様にGPS受信部7で受信した経緯度情報が含まれる。これにより、ユーザが送信した位置の経緯度情報に基づいて経緯度関連画像を取得できる。この時、電子コンパス8で取得された方角を電子メールのヘッダ情報等に含め、ユーザが送信した位置から電子コンパス8で取得された方角にある観光名所等の画像を取得してもよい。
また、送信者の立つ方向を計算し、送信者の背後にある建造物等の画像を取得しても良い。ここで建造物等の画像とは、例えば○○銀行と△△銀行が道路を挟んで建っているとき、送信者が○○銀行に背を向けて立っている場合は○○銀行の画像、○○銀行を向いて立っている場合は向いの側の△△銀行のあるビルの画像が該当する。また、送信者がユーザ(受信者)の逆の場合であってもよい。
尚、経緯度関連画像は通信ネットワークを介して取得してもよい。
本実施形態によると図4(a)〜(f)に示す複数の電子メール内のメール文と図6や図7に示す各電子メールに関連付けられた送信者画像とを合成して時系列に並ぶ複数のコマが1ページ内に配置される漫画の電子データを出力するので、電子メールをやり取りした際の記録を電子データの印刷や画面表示によって、ユーザが視覚的、直感的に分かりやすい形で把握できる。
また、図4(a)、(b)に示す連続する2つの電子メールから図10のコマ101に示すように漫画の1コマを形成するため、電子メールをより分かりやすくまとめることができる。さらに、漫画のコマ数を減らすことができる。これにより、保存ファイルの容量を小さくできるとともに、まとめた電子メールを短時間で容易に読むことができる。また3つ以上の電子メールから漫画の1コマに形成してもよい。
本実施形態において、動画が添付ファイルに添付されている場合は、漫画の電子データに漫画のコマに対応する漫画のデータを含めてもよい。これにより、テレビ受像機等のディスプレイに漫画の電子データを出力した際に動画として閲覧することができる。さらに、出力装置がブラウザ等で用いられるタグに対応していれば、電子メール内のメール文に含まれるタグを活用して表示させても良い。
次に、図23は第2実施形態の電子メールフォーマット変換装置を含む画像形成装置を示すブロック図である。図1のブロック図と比較するとメール送受信部3に替えてデータ入力部22を有し、印刷部23が設けられている。また、画像形成装置は通常持ち運ばないため、GPS受信部7及び電子コンパス部8が省かれている。
データ入力部22は外部から携帯電話機等に保管された複数の電子メールのデータや画像データの電子データが入力される。電子データの入力方法の一例としては、USBメモリやLAN等のネットワークから入力される。データ入力部22から入力され電子メールはメール保存部4に保存される。データ入力部22から入力された画像データは画像保存部5に保存される。
印刷部23は、出力部15から出力された電子データを印刷紙へ印刷する。
電子メール等の電子データが受け取られ、メール保存部4に保存される。そして、第1実施形態と同様にメール保存部4に保存された電子データを電子メールフォーマット変換装置で変換して漫画の電子データを形成して、印刷部23に出力する。漫画の電子データは印刷部23から印刷用紙へ印刷される。
また、本実施形態によると、第1実施形態と同様の効果がある。また、電子メールの電子データを入力するだけで、印刷用紙に直接電子メール内のメール文を視覚的に、直感的に分かりやすい形で印刷することができる。また、紙に直接印刷されるので機器の故障のため閲覧できなくなることはなく、いつでも容易に閲覧可能となる。出力する際に各コマや1ページ毎に日付を入れることにより、電子メールのメール文を漫画のアルバムのような形で合成可能となり、よりわかりやすい形で閲覧し、保存できる。
第1、第2実施形態において、メールフォーマット変換装置は、移動通信端末としての携帯電話機や画像形成装置に搭載されるが、本発明はこれに限られず、他の装置に搭載してもよい。