JP4953121B2 - 物質中の電子密度を双極子状に分布させることで誘電体特性を実現する方法および材料 - Google Patents
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Description
(1) 誘電体は、電圧を加え、その直後にその電圧を取り去っても、表面に現れた電荷がそのまま残るため、電気信号の記憶素子として使われる。
(2) 電気配線回路の中で、交流電圧と交流電流のタイミングを調整するコンデンサーの能力向上をさせるため(超小型高性能なコンデンサーを実現するため)に誘電体が使われる。
(3)現代のICなど極微な電子回路では、非常に狭い空間領域での電気配線において電流が漏れないようにするため、高性能な電気絶縁体領域を形成する。
これのために誘電体を使用する。
(1)誘電体特性を必要とする動作環境に於いて、イオンの変位に制限が加わる場合、誘電体特性が充分に発現しない。たとえば誘電体薄膜が基盤の上に成長作成しても、基盤の持つ格子定数と誘電体の持つ格子定数がわずかに異なるだけで、誘電体性能が低下する。
(2)誘電体の特性を用い、電場印加後の分極の向きを電気信号の記録に用いる場合、信号反転過程では、必然的にイオン変位にその位置を変える運動が生じる。このイオン位置の移り変わり過程(分極の反転過程)が繰り返されると、結晶の中にイオンが動きにくくなる部位が生じ、分極の反転が充分に行われず、電気信号記憶特性の劣化が起こる。
(3)誘電体の特性を用いて蓄電体を構成する場合、電荷の充電や放電に伴う分極の反転過程では、必然的にイオン変位にその位置を変える運動が生じる。このイオン位置の移り変わり過程(分極の反転過程)が繰り返されると、結晶の中にイオンが動きにくくなる部位が生じ、分極の反転が充分に行われず、蓄電体性能の劣化が起こる。
(1)電気分極の反転がイオン間の電子の移動で起こる。
(2)電気分極反転に伴うイオン変位の変動がない。
(3)電子密度に起源を持つ誘電体が磁気を帯びた場合、電気双極子を発現する電子のスピンが磁気秩序を形成する。このため磁気秩序が誘電体としての性能を支配する。同時にこの逆過程も存在し、誘電性能の変化が磁気特性に影響を及ぼす。これを磁気特性と誘電体特性が結合すると言う。
1)高い誘電率を持つ機能を、イオン変位と関係しないまま実現できる。このため薄膜誘電体を作成しても、基盤との格子定数の整合性を気にせずに誘電体薄膜を作成できる。
2)分極反転を行ってもイオン変位を伴わず、電子移動だけで分極の反転ができる。このため、電荷を貯めることを目的とした装置において、充放電特性の劣化が起こらない
3)分極反転を行ってもイオン変位を伴わず、電子移動だけで分極の反転ができる。このため、分極反転による電気信号の記録装置では、記録の繰り返しを行っても記録性能の劣化が起こらない。
4)磁気秩序と誘電体特性が結合するため、誘電体に電圧を加えることで磁気特性を変化させる電子回路素子を作成できる。
5)磁気秩序と誘電体特性が結合するため、誘電体に磁場を加えることで、誘電特性を変化させる電子回路素子を作成できる。
本原理による誘電性を示す物質の例である、遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;Zn,Ga;M’’=Mn,Fe,CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)のうち、LuFe2 O 4の作成方法を例として述べる。
得られた結晶は、図23のような結晶となる。図23(a)は、結晶の立体図である。結晶の説明はLuの代わりにYを用いる。このようにYを代用しても、結晶の構造に違いはない。この結晶は、YとFeとOにより構成される三角格子層がc軸方向に層状に積み重なった積層構造をしている。YとFeに注目すると、Yには上下二層のOが八面体型に配位しており(この層をU層と呼ぶ)、FeにはFe層とほとんど同一平面上にあるO層とその上下にある二層のOが三方両錐型に配位ししている(この層をT層と呼ぶ)。すると、全体としてはU層の間に2枚のT層が挟まれた構造となっている。2枚のT層をそれぞれT1層、T2層と呼ぶ。以下、U層に挟まれた2枚のT層(T1およびT2層)をW層と呼ぶ。
図23(b)にU層とT1層、T2層を六方晶のb軸方向から見た図を示す。U層はYとその上下のOの層(530と540)を含む層である。T2層は、Yのc軸上方向にあるFeと、Feとほぼ同一平面状にあるO(520)とそのc軸上下方向のOの層(510と530)からなる。T1層は、T2層のc軸上方向にあるFeと、Feとほぼ同一平面状にあるO(510)とそのc軸上下方向のOの層(500と520)からなる。従って、U層、T1層、T2層の上下の酸素は隣接する層と共有することになる。
このような層状構造が、強い二次元性を示す物性の起源となっている。また、W層に存在する2枚のFeの三角格子層は、三角形の持つ幾何的特徴のため、後述するLuFe2O4の特異な物性の発現機構の主役を担っている。なお、ここでの説明ではT1層とT2層にはどちらもFeが入るとして説明したが、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Gaから選ばれる他の元素であってもよいし、T1及びT2層にはそれぞれ別の元素が入ってもよい。そこで、T1層に入る元素をM1(若しくはM’)とし、T2層に入る元素をM2(若しくはM’’)とする。また、Yで説明したサイトには、Y以外にDy、Lu、Er、Yb、Tm、Ho、In、Scから選ばれる元素であってもよい。
図23(b)はb軸方向から図23(a)を見た図であり、図23(c)は図23(b)をc軸上方から見た図である。積みあがる三角格子層には、A、B、Cの指標をつけてある。これらの3層はc軸方向にA、B、Cの位相が回りながら積みあがるため、c軸上方から見ると図23(c)のように見える。
電気双極子を発生する電荷分布が形成されているか否かという点は、[1−10]方向から電子回折図形を調べることで確認することができる。図24にYFe2O4の場合の電子線回折図を例示する。図24(a)は、電気双極子を発生する電荷分布が形成されていない場合であり、(b)は電気双極子を発生する電荷分布が形成されている場合を示す。Xの部分に明瞭なスポットが観測されているのがわかる。
電気双極子を発生する電荷分布が形成されているか否かは、作製されたサンプルがRFe2O4−δであるとすると、わずかな酸素欠損量δがあることが必要である。酸素欠損量δは、Fe2+とFe3+の存在比率によって求める。図25にはFe2+とFe3+の存在比率をメスバウアーによって測定した測定例を示す。実際にこのメスバウアーの測定結果からδを求めるのは、計算式によりモデルを立てて、実験結果を再現することで、Fe2+とFe3+の存在比率を求め、そこからδを求めることとなる。
この酸素欠損量δは、サンプル作成時のCOガスとCO 2ガスの混合比を変えることによって調整することができる。酸素欠損量δの量がどの程度であれば電気双極子を発生する電荷分布が形成される構造ができるかについては、δが0.005以下であればよいことがわかった。
本発明で示す一連の物質は、誘電体となっているために高い誘電率を示す。以下では、この誘電率の測定方法を述べる。この測定は、市販のインピーダンスアナライザーと呼ばれる測定器(アジレントテクノロジー社製)を用いて、試料をコンデンサー状に整形したうえで、コンデンサーとしての特性である静電容量を測定し、その後試料の幾何形状を考慮し逆算することで、比誘電率を求める。この過程は通常行われる誘電率測定と同じである。
1)誘電体試料への信号配線電気炉で焼成した試料の誘電率測定を行うために、図20に示されるように、試料を円筒状に整形する。円筒の直径は7mm、厚さは0.7mmにする。表と裏の円盤面に、銀ペースト、金ペースト、あるいはカーボンペーストといった導電性接着剤を用いて電極面を形成し、同時に細い導線を接着する。試料からは二本の導線が出ることになる。
2)インピーダンスアナライザーを用いた静電容量と誘電率の測定
試料から出る2本の導線を、図21のように、インピーダンスアナライザーの4本の測定端子(同軸ケーブル)に配線する。この4本の同軸線は、試料付近に来る様に配置する。同軸線の芯線は、それぞれ、交流電流供給のための2本と、交流電圧測定のための2本が存在する。以下ではこの配線をそれぞれ電流H、電流L、電圧H、電圧Lと呼ぶ。図21の様に、試料から出た2本の導線のうち片側を、電流Hと電圧Hの端子に接続する。更に、試料のもう一方を導線を、電流Lと電圧Lの端子に接続する。これにより、インピーダンスアナライザーに、試料のもつ静電容量が表示される。読み取った静電容量について、試料の幾何形状を考慮し、電極の持つ真空中の誘電率との比率から、試料の非誘電率を決定する。
3)誘電率の温度変化測定
実際の誘電率測定では、上記の測定を20Kから300Kの温度範囲で行う。この低温環境を実現するために、図22に示される低温冷凍機(イワタニ社製)を用いた。冷凍機の低温環境部分に、へリウムガスを導入した試料室を設ける。冷凍機外側の室温部分にインピーダンスアナライザーを設置し、この試料室まで、インピーダンスアナラィザーからの同軸線4組を導入配線する。試料室に導入された4本の同軸線は、上記と同様に試料へ配線する。試料への熱伝導を良くするために、試料室にはへリウムガスが満たされている。冷凍機の試料室近傍には温度計とヒーターが取り付けられており、温度調節器に繋がっている。冷凍機の運転時にこの温度調節器を稼働させ、試料室と試料を目的の温度に調整する。冷凍機を運転しながら温度調節機を動作させることで、20K付近から300Kまでの範囲で試料室の温度を変化させ、誘電率の温度変化を測定する。
図1(a)に価数の異なるイオンが電気双極子を持つ様に配置した例を示す。ここでは遷移金属酸素化合物
RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例として、LuFe2O4の電荷単位格子を示す。下層は、負電荷(Fe2+)が多く、平均電荷から見て負電荷の役割を持つ。上層は、正電荷(Fe3+)が多く、平均電荷から見て正電荷の役割を持つ。この正電荷と負電荷の重心が一致せず電気双極子が現れている。電気双極子の向きは矢印で示してある。細い実線は結晶単位格子の大きさである。電子密度が双極子状に配置するため電荷の単位格子は点線で示す大きさに広がり、超格子構造をとっている。又、図1(b)に、RFe2O4の結晶構造を示す。ここでは、三角格子を形成する鉄イオンが2層になって存在することが示されている。
図2は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを実証するために配置された測定回路の例の図である。試料をペレット状に整形し、ペレット上端面と下端面に電極を形成する。誘電率測定にインピーダンスアナライザーを用い、標準的なキャパシタンス測定を行う。キャパシタンス側定は、交流電圧を印加し流れる電流を測定するAB端子と、交流電圧が一定になるようするためのフィードバック用の電圧測定端子CDとで構成される。この構成図は、広く知られている標準的なインピーダンス側定の物である。
図3は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、強誘電体となり、発生した自発分極の温度変化を示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてLuFe2O 4 の自発分極の温度変化を示す。自発分極は330K以下から現れる。また自発分極の温度変化は、磁気転移温度である240Kで変化を示し磁気秩序と強誘電秩序が結合していることを示す。
図4は、価数の異なるイオンが双極子配置成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてLuFe2O4の誘電率を示す。
図 5 は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてErFe2O4の誘電率を示す。
図6は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてYFe2O4の誘電率を示す。
図7は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてYbFe2O4の誘電率を示す。
図8は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてTmFe2O4の誘電率を示す。
図9は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてInFe2O4の誘電率を示す。
図10は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてInFeCuO4の誘電率を示す。
図11は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてLuCuFeO4の誘電率を示す。
図12は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてYbFe1.6Mn0.4O4の誘電率を示す。
図13は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてYbFe1.6Ga0.4O4の誘電率を示す。
図14は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてHoBaCo2O5.2の誘電率を示す
図15は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてLu0.5Ca0.5MnO3の誘電率を示す。
図16は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてYbCoFeO4の誘電率を示す。
図17は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてYbCuFeO4の誘電率を示す。
図18は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてLuCoFeO4の誘電率を示す。
(実施例19)
図26は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてInCuGaO4の誘電率を示す。
(実施例20)
図27は、価数の異なるイオンが双極子配置を成すことで、高い誘電率を示す物質となることを示す図である。ここでは遷移金属酸素化合物RM’1+xM’’1−xO4(R=Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Y,In,Sc;M’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;M’’=Mn、Fe、CO、Cu、Zn、Ga;添字xは混合比を表しxの範囲は0から1までの範囲である。)の例としてInGaZnO4の誘電率を示す。
2.ニクロム線
3.吊りモリブデン線
4.ルツボ
5.電気炉発熱体
6.水冷気密フランジ上部
7.水冷気密フランジ下部
8.石英ウール
9.混合ガス気流入口
10.酸素分圧計側計
11.混合ガス出ロ
Claims (2)
- 一般式がRM11+XM21−XO4−δで表され、RとM1、M2とOがそれぞれ三角格子面層で積層され、δが0.005以下であり、Xは0から1の実数であり、RはY、Dy、Yb、Tm、Ho、Inから選ばれた元素であり、M1、M2は、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Ga、のうちから重複を許して選ばれた元素である酸化物誘電体の製造方法であって、
Rの酸化物とM1の酸化物とM2の酸化物を粉砕混合し混合材料を得る工程と、
前記混合材料を700℃〜900℃の間で空気中で仮焼成する工程と、
酸素分圧を10 −9 気圧に調整しながら前記混合材料を1200℃で焼成した後、焼成体を冷却部に落下させて急冷する工程と
を含む酸化物誘電体の製造方法。 - 前記焼成する工程は、H2ガスとCO2ガスの混合気流又はCOガスとCO2ガスの混合気流を流す請求項1に記載の酸化物誘電体の製造方法。
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