JP4951389B2 - Worm gear - Google Patents
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Description
本発明は、ウォーム歯車およびウォーム歯車を適用した電動パワーステアリング装置に関する。 The present invention relates to a worm gear and an electric power steering apparatus to which the worm gear is applied.
従来、特許文献1にはウォーム歯車を適用した電動パワーステアリング装置が開示されている。一般的にウォーム歯車における歯面のプロファイルはインボリュート曲線が用いられており、特許文献1には詳細に記載されてはいないがこのインボリュート曲線を用いていると考えられる。
近年、電動パワーステアリング装置を大型車両に適用するために高出力・高トルクに耐えうる強度を持ちつつ小型化を達成したウォーム歯車が望まれている。しかしながらインボリュート歯車を用いたウォーム歯車にあっては、高強度化を図るためにはウォーム歯車自体を大型化する必要があり、これに伴って電動パワーステアリング装置も大型化するという問題があった。 In recent years, in order to apply an electric power steering device to a large vehicle, there is a demand for a worm gear that achieves a reduction in size while having strength capable of withstanding high output and high torque. However, in the worm gear using the involute gear, it is necessary to increase the size of the worm gear itself in order to increase the strength, and accordingly, there is a problem that the electric power steering device is also increased in size.
本発明は上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、高強度化と小型化を両立したウォーム歯車を提供することにある。 The present invention has been made paying attention to the above problems, and an object thereof is to provide a worm gear that achieves both high strength and downsizing.
上記目的を達成するため、本発明では、歯の断面形状が凹円弧形状を有するウォームシャフトと、前記ウォームシャフトと噛合い、歯先面、歯元面およびこれら歯先面および歯元面との間に形成される歯面から構成され、ピッチ円と交差する歯面における法線が、前記歯元面よりも中心側を通るウォームホイールとを有することとした。 To achieve the above object, according to the present invention, a worm shaft having a concave arc shape in tooth cross-section, meshing with the worm shaft, a tooth tip surface, a tooth root surface, and a tooth tip surface and a tooth root surface. The normal line in the tooth surface, which is composed of the tooth surfaces formed therebetween and intersects the pitch circle, has a worm wheel that passes through the center side of the root surface.
よって、高強度化と小型化を両立したウォーム歯車を提供できる。 Therefore, it is possible to provide a worm gear that achieves both high strength and downsizing.
以下、本発明のウォーム歯車を実現する最良の形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
Hereinafter, the best mode for implementing the worm tooth wheel of the present invention will be described with reference to embodiments shown in the drawings.
図1は本願ウォーム歯車を適用した電動パワーステアリング装置のシステム構成図である。電動パワーステアリング装置は、モータ制御装置1、ステアリングホイールSW、ステアリングシャフトSS、トルクセンサTS、入力軸IN、ラック&ピニオン(操舵機構:ラックR、ピニオンP)、転舵輪FL,FRを有する。モータ制御装置1内にはモータMが設けられ、電源BATTにより駆動される。
FIG. 1 is a system configuration diagram of an electric power steering device to which the present worm gear is applied. The electric power steering device includes a
運転者によりステアリングホイールSWが操舵されると、ステアリングシャフトSSおよび入力軸INを介して操舵トルクがトルクセンサTSにより検出される。検出された操舵トルクに基づき、モータ制御装置1内の制御基板300(図2参照)はモータMに対し駆動信号を出力し、モータ制御装置1内のモータMが駆動されてピニオンPが回転し、ラックRを軸方向移動させて操舵アシストを行う。
When the steering wheel SW is steered by the driver, the steering torque is detected by the torque sensor TS via the steering shaft SS and the input shaft IN. Based on the detected steering torque, the control board 300 (see FIG. 2) in the
[軸方向断面図]
図2はモータ制御装置1の軸方向断面図、図3は径方向断面図である。モータ制御装置1は、トルクセンサTS、モータハウジング6、ウォームハウジング7、モータMを有する。入力軸INの軸方向をy軸とし、ピニオンPと反対方向を正とする。また、モータMから入力軸IN側をx軸正方向とする。
[Axial sectional view]
2 is an axial sectional view of the
なお、本願ではウォームホイール100の歯にかかる圧力を低減するため、ウォームホイール100およびウォームシャフト200は一般的なインボリュート歯形ではなく、歯面を曲面とするニーマン歯形とする。すなわち、ウォームシャフト200の歯面を凹曲面とし、ウォームホイール100の歯面はインボリュート歯面よりも外側に凸である曲面とする。
In this application, in order to reduce the pressure applied to the teeth of the
このため、ウォームホイール100およびウォームシャフト200の噛合いにおける圧力角は噛合い位置で変化し、ウォームホイール100の歯にかかる曲げ応力が低減される。
For this reason, the pressure angle in meshing of the
トルクセンサハウジング5内には入力軸INが設けられ、ウォームハウジング7内にはピニオンPが設けられている。モータハウジング6内には、ブラシレスタイプのモータMが収装され、入力軸IN及びピニオンPに対し径方向から組み付けられている。なお、モータMはブラシレスタイプでなくともよい。
An input shaft IN is provided in the
入力軸INとピニオンPはトーションバー3により一体とされ、ピニオンPにはウォームホイール100が組み付き、y軸正方向からウォームハウジング7に格納されている。また、ウォームハウジング7にはモータハウジング6が組み付けられている。
The input shaft IN and the pinion P are integrated by the
ウォームシャフト200はモータMの出力軸とジョイント9によって接続するとともに、ウォームホイール100と噛合う。入力軸INはトルクセンサハウジング5に支持されるとともに、ピニオンPの端部によって相対回転可能に支持される。
The
トルクセンサハウジング5の内周にはトルクセンサTSが格納され、運転者の操舵によりトーションバー3が捩れて入力軸INとピニオンPが相対回転すると、トルクセンサ信号を出力する構成となっている。
A torque sensor TS is housed in the inner periphery of the
ピニオンPはウォームハウジング7に支持され、外周にはウォームホイール100が設けられてモータMに接続されたウォームシャフト200と噛合う。
The pinion P is supported by the
制御基板300はマイクロコンピュータを有し、各種車両信号、トルクセンサTS、モータMの制御回路を一体とした回路基板であって、モータMの制御を行う。制御基板300にはモータMの回転を検出する回転位置センサ130が設けられている。
The control board 300 has a microcomputer and is a circuit board in which various vehicle signals, a torque sensor TS, and a control circuit for the motor M are integrated, and controls the motor M. The control board 300 is provided with a
[ウォームシャフトの詳細]
図4はウォームシャフト200の径方向正面図、図5はウォームシャフト200の歯部210におけるC−C断面図(歯部210に対する直角方向断面図)、図6は従来例(台形歯形)のウォームシャフトの歯部210'に対する直角方向断面図である。
[Details of worm shaft]
4 is a front view in the radial direction of the
上述のように本願ウォームシャフト200はニーマンウォームであり、歯部210の直角方向断面における歯面形状は半径Rの凹円弧形状である。一方、従来例は台形歯形であって歯部210'は直線形状である。したがって同一ピッチであれば、従来例よりも本願の歯部210のほうが歯元幅Sfは大きく、歯先幅Saは小さいこととなる。
As described above, the
[ウォームホイールの詳細]
(正面図及び断面図)
図7はウォームホイール100の径方向部分断面図、図8はウォームホイール100の軸方向断面図である。ウォームホイール100は金属歯車である芯金101に樹脂で形成された被覆部102を施した歯車であり、被覆部102は芯金101の歯部全周にわたって被覆されている。
[Details of worm wheel]
(Front view and sectional view)
FIG. 7 is a partial radial sectional view of the
芯金101を設けることでウォームホイール100全体としての高強度化と滑らかな噛合いを実現するものである。なお、芯金101は切削により形成してもよいし、焼結により形成してもよい。
By providing the
このウォームホイール100の歯部110はニーマン形状であるウォームシャフト歯部210の凹円弧形状に対応する凸円弧形状の歯型を有する。これにより、ウォームホイール100とウォームシャフト200とでニーマンウォームを形成する。また、被覆部102はガラス繊維等の強化繊維を含まない樹脂材料で形成される。
The
ウォームホイール100は樹脂材料で被覆されることにより、噛合い時において弾性変形するとともに熱膨張してバックラッシュが減少する。また、凸円弧形状とすることで歯部110の歯厚が大きくなるため、ウォームホイール100の強度が増す。そのため、被覆部102に強化繊維を混入させなくとも十分な強度を確保可能である。
When the
また、芯金101は、歯部110の歯底よりも歯先方向に延設された歯芯部101aを有する。歯部110の内部まで熱伝達性能に優れた金属材料で形成された歯芯部101aを延設することにより、被覆部102が強化繊維を含まない樹脂材料であっても充分な強度を確保するとともに、歯部110周辺に発生する熱を効率よく放熱するものである。
The
[ウォーム曲率半径]
図9は噛合い時におけるウォームシャフト軸方向拡大断面図である。ウォームシャフト200は切削加工により形成され、ウォームホイール100の歯型を形成する切削加工の範囲の曲率半径をR、ウォームシャフト200の歯部210の外径曲率半径をrとすると、ウォームホイール100とウォームシャフト200との噛合い領域Dの曲率半径は、ウォームシャフト200の外径曲率半径rとなる。
[Warm curvature radius]
FIG. 9 is an enlarged sectional view in the axial direction of the worm shaft during meshing. The
ここで、本願のウォームホイール100およびウォームシャフト200では、R>rの関係にある。したがって、曲率半径の大きいウォームホイール100には高度な加工精度を要求する必要がない。これにより、ウォームホイール100を低い加工精度で形成したとしても噛合い性能を満足させるものである。
Here, the
また、ウォームシャフト200には塑性加工による表面仕上げが施されている。塑性加工によってウォームシャフト200表面を滑らかにすることで、ウォームホイール100側を傷つけることがない。
Further, the
また、ウォームシャフト200とウォームホイール100とは、モータMによって操舵アシストされない状態において、互いに噛み合う噛合い面以外において干渉しないこととする。アシストが付与されない状態においては、ウォームホイール100に高負荷がかかり、同様に運転者の操舵負荷も増大する。この状態において噛合い面以外で干渉しないことにより、非アシスト時における運転者の操舵負荷を軽減する。
In addition, the
[歯面転移量の比較]
図10〜図12はウォーム歯車(ウォームホイールおよびウォームシャフト)の歯面断面形状を示す図である。図10は本願のニーマン歯形で形成されたウォーム歯車100,200、図11は従来例の一般的なインボリュート歯形のウォーム歯車100',200'、図12は比較例として本願とは異なる設計値のニーマン歯形のウォーム歯車100'',200''を示す。図10〜図12のいずれの図も同一スケールであって、数値(単位は省略)は互いに対応する。
[Comparison of tooth surface metastases]
10-12 is a figure which shows the tooth surface cross-sectional shape of a worm gear (worm wheel and worm shaft). 10 shows worm gears 100 and 200 formed with the Neiman tooth profile of the present application, FIG. 11 shows worm gears 100 ′ and 200 ′ of a general involute tooth profile of a conventional example, and FIG. 12 shows a design value different from that of the present application as a comparative example. Niemann tooth profile worm gears 100 ", 200" are shown. 10 to 12 have the same scale, and numerical values (units are omitted) correspond to each other.
本願のウォームホイール100はニーマン歯形であって、歯面111は凸形状である。また、本願のウォームホイール100の歯部110はプラス転位(図のスケールでは+0.5程度)とされており、従来例および比較例(転位量ゼロ)と比べて歯丈Cは短く、歯幅は大きく形成されている。プラス転位とすることにより、従来例および比較例と比べて歯丈が短く、歯幅が大きくなるため、高強度なウォームホイール100が得られる。
The
[歯面形状の詳細]
図13はウォームホイール100における歯部110の創成図である。また、図14はウォームホイール100とウォームシャフト200との噛合い面の変化を示す図である。また、図15は従来例における一般的なインボリュート歯形のウォームホイール100'の創成図であり、図16は比較例のニーマン歯形のウォームホイール100''の創成図を示す。
[Details of tooth surface shape]
FIG. 13 is a creation view of the
本願ウォームホイール100における歯面111の曲率は、ウォームホイール100のピッチ円Rpよりも歯先面112側の歯面111上の法線N1が、歯元面113よりもウォームホイール100の中心軸側を通るよう設けられている。
The curvature of the
ウォームシャフト200からのトルク伝達によりたわみが生じるのは主に歯先側であるため、本願ウォームホイール100においてはピッチ円Rpよりも歯先側の法線N1が歯元面113よりもウォームホイール100の中心軸側を通るようにウォームホイール100を設計する。
Since it is mainly on the tooth tip side that deflection occurs due to torque transmission from the
これにより、ウォームホイール100とウォームシャフト200歯部110,210の噛合い面において、ウォームホイール歯部110の歯先側にかかる圧力は歯元面113よりも中心軸側に作用する。よって、歯元面113にかかる応力が緩和され、歯部110のたわみを低減して高強度なウォームホイール100を得るものである。
Thereby, the pressure applied to the tooth tip side of the worm
同様に、ピッチ円Rpよりも歯元側の法線N2、およびピッチ円Rpと交差する歯面111における法線N3も歯元面113よりも中心軸側を通るよう設計され、さらに高強度化を図る。
Similarly, the normal line N2 on the tooth root side with respect to the pitch circle Rp and the normal line N3 on the
また、ウォームホイール100の歯面111における噛合い面111aの歯先幅をA、噛合い面111aの歯元幅をB、歯丈をC、モジュールをmとし、以下の(a)式で示される関係が成立するよう本願ウォームホイール100を設計する。
0.825≦(A/B)×(m/C)・・・(a)
このように各数値を決定することで、歯面111における歯先側、歯元側およびピッチ円Rpとの交点における法線N1,N2およびN3が、全て歯元面113よりもウォームホイール100の中心軸側を通ることとなる。これにより上記法線N1,N2,N3が確実に歯元面113よりも中心軸側を通るようなウォームホイール100を設計可能となる。
Further, the tooth tip width of the meshing surface 111a of the
0.825 ≦ (A / B) × (m / C) (a)
By determining each numerical value in this way, the normal lines N1, N2 and N3 at the intersections of the
従来例のインボリュート歯形では歯面111'における歯先側の法線N1が歯元面113の外径側を通るため、歯先側にかかる力が歯元面113'に作用して歯部110'のたわみが生じ、ウォームホイール100'の強度が落ちる。
In the involute tooth profile of the conventional example, the normal line N1 on the tooth tip side of the
一方、比較例(図12および図16参照)のように、ニーマン歯形であっても上記(a)式を満たさないもの((A/B)×(m/C)=0.75)は法線N1,N2,N3のいずれか(図16ではN1)が歯元面113''よりも外径側を通るため、歯面111''の歯先側にかかる力が歯元面113''に作用して歯部110''のたわみが生じ、ウォームホイールの強度が落ちることとなる。
On the other hand, as in the comparative example (see FIG. 12 and FIG. 16), a Neiman tooth profile that does not satisfy the above formula (a) ((A / B) × (m / C) = 0.75) is legal. Since one of the lines N1, N2 and N3 (N1 in FIG. 16) passes through the outer diameter side of the
したがって、強度を確保して操舵フィーリングを向上させるためには単にニーマン歯車とするだけでは不十分であり、上記(a)式を満たす設計が必要である。
なお、実施例1では
噛合い面歯先幅A=2.8
噛合い面歯元幅B=1.2
歯丈C=3.55
モジュールm=2.13
とするが、上記(a)式を満たす数値であればよく特に限定しない。
Therefore, in order to secure the strength and improve the steering feeling, it is not sufficient to simply use the Neiman gear, and a design that satisfies the above equation (a) is required.
In Example 1, the meshing surface tooth width A = 2.8.
Mating surface root width B = 1.2
Tooth length C = 3.55
Module m = 2.13
However, there is no particular limitation as long as the numerical value satisfies the above formula (a).
また比較例では転位量=0であるため、歯面創成時に歯元面113''の両側がアンダカットされてアンダカット部115''が形成され、歯面111''において歯先側のアンダカットされない部分とアンダカット部115''との間が不連続曲面となって周方向に凸形状の高面圧部114''が形成される。
Further, in the comparative example, since the dislocation amount is 0, both sides of the
この高面圧部114''は歯面111''上において他の部分よりも周方向に凸形状となっているため、歯部110''がウォームシャフト歯部210''と噛み合う際、歯面111''上の他の部分と比べ高面圧となり、この高面圧部114''と噛み合うたびに噛合い時の面圧が増大して面圧変動が大きくなり、噛合いが不安定となる。一方本願では、歯部110を転位させているためアンダカットは比較例よりも低く抑えられ、噛合い時の面圧変動も小さくなって噛合いは安定する(図20、図22参照)。
Since this high surface pressure portion 114 '' has a convex shape in the circumferential direction on the tooth surface 111 '' as compared with other portions, when the tooth portion 110 '' meshes with the worm shaft tooth portion 210 '', the teeth Compared with other parts on the surface 111 '', the surface pressure becomes higher, and each time it engages with this high surface pressure part 114 '', the surface pressure during engagement increases, the surface pressure fluctuation increases, and the engagement is unstable. It becomes. On the other hand, in the present application, since the
また、ウォームシャフト200とウォームホイール100の噛合率は、1より大きく1.5以下とする。噛合い率が2以上であればより高い強度が得られるが、その分ウォームホイール100が大径化する。したがって噛合い率を1より大きく1.5以下とすることで、ウォームホイール100の大径化を回避しつつ、必要充分な強度を得るものである。
Further, the meshing rate between the
[歯元応力および歯元たわみ変動の比較]
図17〜図19は、ウォーム歯車の回転に伴う歯元応力および歯元たわみの変動を示す図である。図17は本願ニーマン歯車、図18は従来例のインボリュート歯車、図19は比較例のニーマン歯車を示す。なお、図17〜図19のスケールは同一単位である。また、♯1、♯2はそれぞれn枚目、n+1枚目の歯面を示す(n:自然数)。
[Comparison of tooth root stress and tooth deflection fluctuation]
FIGS. 17-19 is a figure which shows the fluctuation | variation of the tooth root stress and tooth root deflection accompanying rotation of a worm gear. FIG. 17 shows a Neiman gear of the present application, FIG. 18 shows an involute gear of a conventional example, and FIG. 19 shows a Neiman gear of a comparative example. The scales in FIGS. 17 to 19 are the same unit. In addition, # 1 and # 2 indicate the nth and n + 1th tooth surfaces (n: natural number), respectively.
単にニーマン歯形とした比較例では歯元応力および歯元たわみの変動は従来例のインボリュート歯形と大きく変わらないが、本願では上記(a)式の関係を満たすことで噛合いが安定するため、歯元応力および歯元たわみは全体的に従来例および比較例よりも低く抑えられ、最大値も小さくなっている。 In the comparative example in which the Neiman tooth profile is simply used, the fluctuation of the root stress and the deflection of the tooth root is not significantly different from that of the involute tooth profile of the conventional example. The original stress and the tooth root deflection are generally kept lower than those of the conventional example and the comparative example, and the maximum values are also reduced.
[歯面圧変動の比較]
図20〜図22は、ウォーム歯車の回転に伴う歯面圧の変動を示す図である。図20は本願ニーマン歯車、図21は従来例のインボリュート歯車、図22は比較例のニーマン歯車を示す。歯元応力と同様に図20〜図22各図のスケールは同一単位であって、♯1、♯2はそれぞれn枚目、n+1枚目の歯面を示す(n:自然数)。
[Comparison of tooth surface pressure fluctuation]
20-22 is a figure which shows the fluctuation | variation of the tooth surface pressure accompanying rotation of a worm gear. 20 shows a Neiman gear of the present application, FIG. 21 shows an involute gear of a conventional example, and FIG. 22 shows a Neiman gear of a comparative example. Similar to the tooth root stress, the scales in FIGS. 20 to 22 are the same unit, and # 1 and # 2 indicate the nth and n + 1th tooth surfaces (n: natural number), respectively.
歯元応力および歯元たわみと同様、歯面圧変動においても本願は従来例および比較例に対し低く抑えられ、噛合い時の面圧変動も小さくなって歯部110のたわみ量が低減することで噛合いが安定し、操舵フィーリングが確保される。
Similar to the tooth root stress and the tooth root deflection, the present application is also kept low in the tooth surface pressure variation compared to the conventional example and the comparative example, and the surface pressure variation at the time of meshing is reduced, and the amount of deflection of the
また、比較例では歯面創成時のアンダカットにより歯面111''が不連続曲面となって周方向に凸形状の高面圧部114''が形成されるため、ウォームシャフト歯部210''が高面圧部114''と噛み合うたびに噛合い時の面圧が増大し、歯面圧の極大値は本願および従来例と比べて突出して大きくなる。すなわち、比較例のように単にニーマン歯形とするだけでは歯面圧変動を抑制できないばかりかかえって増大させる場合もあるため、歯面圧変動低減のためにも上記(a)式の条件を満たすことが重要となる。 Further, in the comparative example, the tooth surface 111 '' becomes a discontinuous curved surface due to the undercut at the time of tooth surface generation, and a high surface pressure portion 114 '' having a convex shape in the circumferential direction is formed. Therefore, the worm shaft tooth portion 210 ' Each time 'engages with the high surface pressure portion 114' ', the surface pressure at the time of engagement increases, and the maximum value of the tooth surface pressure protrudes and becomes larger than in the present application and the conventional example. That is, as shown in the comparative example, simply changing to the Neiman tooth profile may not only suppress the fluctuation of the tooth surface pressure, but may increase the tooth surface pressure. Is important.
[実施例1の効果]
(1)歯の断面形状が凹円弧形状を有するウォームシャフト200と、ウォームシャフト200と噛合い、歯先面112、歯元面113およびこれら歯先面112および歯元面113との間に形成される歯面111から構成され、ピッチ円と交差する歯面111における法線N3が、歯元面113よりも中心側を通るウォームホイール100とを有することとした。
[Effect of Example 1]
(1) The
歯面111においてピッチ円Rpと交差する領域はウォームシャフト200と噛み合う部分であり、ウォームシャフト200からのトルクはここからウォームホイール100へ伝達される。よって、このピッチ円Rpと交差する領域における法線N3を歯元面113よりもウォームホイール100の中心軸側を通るように設計することにより、ウォームホイール100の高強度化と小型化を両立することができる。
A region of the
(2)歯面111がインボリュート曲線よりも外に凸であって、歯先面112の幅Aとモジュールmの積を歯元面113の幅Bと歯丈Cで除した値が、0.825以上であることとした。これにより、従来のインボリュート歯車および単にニーマン歯車としただけの比較例と比べ、高い剛性を得ることができる。
(2) The
(3)転舵輪FL,FRに連係されたラックPおよびピニオンP(操舵機構)に操舵アシスト力を付与する電動モータMと、電動モータMを駆動制御する制御基板300(電動機制御手段)と、電動モータMの出力軸に設けられ、歯の断面形状が凹円弧形状を有するウォームシャフト200と、ラックPおよびピニオンPに設けられ、ウォームシャフト200と噛み合うことにより電動モータMの操舵アシスト力をこのラックPおよびピニオンPに伝達し、歯先面112、歯元面113、およびこれら歯先面112および歯元面113との間に形成される歯面111から構成され、この歯面111が樹脂で形成され、かつインボリュート曲線よりも外に凸であるウォームホイール100とを有することとした。
(3) an electric motor M that applies a steering assist force to the rack P and pinion P (steering mechanism) linked to the steered wheels FL and FR, a control board 300 (electric motor control means) that drives and controls the electric motor M, A
電動パワーステアリング装置の操舵フィーリングを滑らかにするために樹脂で被覆されたウォームホイールを用いる場合、ウォームホイールにたわみが生じる。このたわみ量が大きくなるとウォームの噛合い性能が低下するおそれがあるため、ウォームホイール100を上記のような形状とすることで剛性を向上させ、適切なウォーム歯車の噛合い性能を得ることができる。よって、電動パワーステアリング装置の操舵フィーリングを向上させることができる。
When a worm wheel coated with resin is used to smooth the steering feeling of the electric power steering apparatus, the worm wheel is deflected. If this amount of deflection increases, the meshing performance of the worm may be lowered. Therefore, the rigidity of the
(4)ウォームホイール100のピッチ円Rpよりも歯先面112側の歯面における法線N1が、歯元面113よりも中心側を通ることとした。
(4) The normal line N1 on the tooth surface on the
ウォームシャフト200からのトルク伝達によりたわみが生じるのは主に歯先側であるため、ピッチ円Rpよりも歯先面112側の法線N1が歯元面113よりも中心側を通るようにウォームホイール100を設計することにより、さらに高強度なウォームホイール100を得ることができる。
Since the deflection caused by the torque transmission from the
(5)ウォームホイール100の歯元面113における法線N2が、歯元面113よりも中心側を通ることとした。
(5) The normal line N2 on the
ピッチ円Rpよりも歯先面112側に加え、歯元面113側の法線N2も歯元面113より中心側を通るようにウォームホイール100を設計することにより、さらに高強度なウォームホイール100を得ることができる。
By designing the
(6)(13)ウォームシャフト200とウォームホイール100の噛合率は、1より大きく1.5以下であることとした。
(6) (13) The meshing rate between the
噛合い率が2以上であればより高い強度が得られるが、その分ウォームホイール100が大径化する。したがって噛合い率を1より大きく1.5以下とすることで、ウォームホイール100の大径化を回避しつつ、必要充分な強度を得ることができる。
If the meshing rate is 2 or more, higher strength can be obtained, but the
(7)(14)ウォームホイール100は、プラス転位された歯形形状であることとした。プラス転位とすることにより、歯丈Cが短くなり、歯幅が大きくなるため、高強度なウォームホイール100を得ることができる。
(7) (14) The
(8)(15)ウォームホイール100の歯面は合成樹脂で形成されることとした。
(8) (15) The tooth surface of the
ウォームシャフト200との滑らかな噛合いを得ることができる。また、ウォームホイール100の適度なたわみが生じるため、噛合い率が増加し、その結果ウォームホイール100の許容荷重を高めることができる。
Smooth engagement with the
(9)(16)ウォームホイール100は、歯面の内部に設けられ、金属材料で形成された歯芯部101aを有することとした。ウォームホイール100全体としての高強度化と滑らかな噛合いを実現することができる。
(9) (16) The
(10)(17)ウォームホイール100の歯面を構成する合成樹脂は、強化繊維を含まないこととした。ウォームホイール100の歯形を上記形状とすることにより、強化繊維を含まない樹脂材料であっても充分な強度を確保することができる。
(10) (17) The synthetic resin constituting the tooth surface of the
(11)(18)(20)ウォームホイール100は切削加工により形成され、この切削加工の範囲の曲率半径Rはウォームシャフト200との噛合い領域の曲率半径rよりも大きいこととした。
(11) (18) (20) The
ウォームホイール100の切削領域の曲率半径Rをウォームシャフト200とウォームホイール100との噛合い領域の曲率半径rよりも大きくすることによって、低い加工精度であっても噛合い性能を満足させた歯車を得ることができる。
By making the curvature radius R of the cutting area of the
(12)ウォームシャフト200は、塑性加工による表面仕上げが施されていることとした。ウォームシャフト200表面を滑らかにすることで、ウォームホイール100側を傷つけることがない。
(12) The
(19)ウォームシャフト200とウォームホイール100とは、電動モータによって操舵アシストされない状態において、互いに噛み合う噛合い面以外において干渉しないこととした。
(19) The
電動モータのアシストが付与されない状態においては、ウォームホイール100に高負荷がかかり、同様に運転者の操舵負荷も増大する。この状態において噛合い面以外で干渉しないことにより、非アシスト時における運転者の操舵負荷を軽減することができる。
In a state where the assist of the electric motor is not applied, a high load is applied to the
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
(Other examples)
The best mode for carrying out the present invention has been described based on the embodiments. However, the specific configuration of the present invention is not limited to the embodiments, and the design does not depart from the gist of the invention. Any changes and the like are included in the present invention.
例えば図23、図24に示すように、上記(a)式を満たすものであれば、A,B,Cおよびmは他の数値を用いてもよい。 For example, as shown in FIGS. 23 and 24, other numerical values may be used for A, B, C, and m as long as the above equation (a) is satisfied.
1 モータ制御装置
3 トーションバー
5 トルクセンサハウジング
6 モータハウジング
7 ウォームハウジング
100 ウォームホイール
101 芯金
101a 歯芯部
102 被覆部
110 歯部
111 歯面
111a 噛合い面
112 歯先面
113 歯元面
114 高面圧部
115 アンダカット部
200 ウォームシャフト
210 ウォームシャフト歯部
300 制御基板
A 噛合い面歯先幅
B 噛合い面歯元幅
C 歯丈
FL,FR 転舵輪
IN 入力軸
M モータ
m モジュール
N1,N2,N3 法線
P ピニオン
R ラック
Rp ピッチ円
DESCRIPTION OF
Claims (17)
前記ウォームシャフトと噛合い、歯先面、歯元面およびこれら歯先面および歯元面との間に形成される歯面から構成され、ピッチ円と交差する歯面における法線が、前記歯元面よりも中心側を通るウォームホイールと
を有することを特徴とするウォーム歯車。 A worm shaft in which the cross-sectional shape of the tooth has a concave arc shape;
The tooth surface is engaged with the worm shaft, the tooth tip surface, the tooth root surface, and the tooth surface formed between the tooth tip surface and the tooth root surface, and the normal line on the tooth surface intersecting the pitch circle is the tooth surface. And a worm wheel passing through the center side of the base surface.
前記ウォームシャフトと噛合い、歯先面、歯元面およびこれら歯先面および歯元面との間に形成される歯面から構成され、この歯面がインボリュート曲線よりも外に凸であって、前記歯先面の幅とモジュールの積を前記歯元面の幅と歯丈で除した値が、0.825以上であること
を特徴とするウォーム歯車。 A worm shaft in which the cross-sectional shape of the tooth has a concave arc shape;
The worm shaft is meshed with a tooth tip surface, a tooth root surface, and a tooth surface formed between the tooth tip surface and the tooth root surface, and the tooth surface is convex outward from the involute curve. A value obtained by dividing the product of the width of the tooth tip surface and the module by the width of the tooth base surface and the tooth height is 0.825 or more.
前記ウォームホイールの前記ピッチ円よりも前記歯先面側の前記歯面における法線が、前記歯元面よりも中心側を通ること
を特徴とするウォーム歯車。 The worm gear according to claim 1,
The worm gear , wherein a normal line on the tooth surface on the tooth tip surface side of the worm wheel passes through the center side of the tooth root surface .
前記ウォームホイールの前記歯面における法線が、前記歯元面よりも中心側を通ること
を特徴とするウォーム歯車。 The worm gear according to claim 1,
Worm gear the normal prior Kihamen of the worm wheel, characterized in that through the center side of the flank.
前記ウォームシャフトと前記ウォームホイールの噛合率は、1より大きく1.5以下であること
を特徴とするウォーム歯車。 The worm gear according to claim 1,
A mesh ratio between the worm shaft and the worm wheel is greater than 1 and 1.5 or less .
前記ウォームホイールは、プラス転位された歯形形状であること
を特徴とするウォーム歯車。 The worm gear according to claim 1,
The worm wheel has a tooth profile shape that is positively displaced .
前記ウォームホイールの歯面は合成樹脂で形成されること
を特徴とするウォーム歯車。 The worm gear according to claim 1,
The worm gear has a tooth surface formed of a synthetic resin .
前記ウォームホイールは、前記歯面の内部に設けられ、金属材料で形成された歯芯部を有すること
を特徴とするウォーム歯車。 The worm gear according to claim 7 ,
The worm wheel is provided inside the tooth surface and has a tooth core portion made of a metal material .
前記ウォームホイールの前記歯面を構成する合成樹脂は、強化繊維を含まないこと
を特徴とするウォーム歯車。 The worm gear according to claim 7 ,
A synthetic resin that constitutes the tooth surface of the worm wheel does not contain reinforcing fibers .
前記ウォームホイールは切削加工により形成され、この切削加工の範囲の曲率半径は前記ウォームシャフトとの噛合い領域の曲率半径よりも大きいこと
を特徴とするウォーム歯車。 The worm gear according to claim 1 ,
The worm wheel is formed by cutting, and a radius of curvature in a range of the cutting is larger than a radius of curvature of a meshing region with the worm shaft .
前記ウォームシャフトは、塑性加工による表面仕上げが施されていること
を特徴とするウォーム歯車。 The worm gear according to claim 1,
The worm gear is characterized in that a surface finish is applied by plastic working .
前記ウォームシャフトと前記ウォームホイールの噛合率は、1より大きく1.5以下であること
を特徴とするウォーム歯車。 The worm gear according to claim 2 ,
A mesh ratio between the worm shaft and the worm wheel is greater than 1 and 1.5 or less .
前記ウォームホイールは、プラス転位された歯形形状であること
を特徴とするウォーム歯車。 The worm gear according to claim 2,
The worm wheel has a tooth profile shape that is positively displaced .
前記ウォームホイールの歯面は合成樹脂で形成されること
を特徴とするウォーム歯車。 The worm gear according to claim 2,
The worm gear has a tooth surface formed of a synthetic resin .
前記ウォームホイールは、前記歯面の内部に設けられ、金属材料で形成された歯芯部を有すること
を特徴とするウォーム歯車。 The worm gear according to claim 14 ,
The worm wheel is provided inside the tooth surface and has a tooth core portion made of a metal material .
前記ウォームホイールの前記歯面を構成する合成樹脂は、強化繊維を含まないこと
を特徴とするウォーム歯車。 The worm gear according to claim 14 ,
A synthetic resin that constitutes the tooth surface of the worm wheel does not contain reinforcing fibers .
前記ウォームホイールは切削加工により形成され、この切削加工の範囲の曲率半径は前記ウォームシャフトとの噛合い領域の曲率半径よりも大きいこと
を特徴とするウォーム歯車。 The worm gear according to claim 2 ,
The worm wheel is formed by cutting, and a radius of curvature in a range of the cutting is larger than a radius of curvature of a meshing region with the worm shaft .
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