JP4948440B2 - ポリ乳酸解重合用触媒及び解重合方法 - Google Patents

ポリ乳酸解重合用触媒及び解重合方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリ乳酸解重合用触媒及び該触媒を用いたポリ乳酸の解重合方法に関するものである。
近年におけるプラスチック使用量の増大に伴うプラスチック廃棄物の異常な増大を解決する手段として、バクテリヤや真菌類が体外に放出する酵素の作用で崩壊する生分解性プラスチックが注目されている。このような生分解性プラスチックの中でも、工業的に量産されて入手が容易であり、環境にも優しい脂肪族ポリエステル、特にポリ乳酸が注目されており、各種の分野での使用が種々提案されている。
ポリ乳酸(PLLA)は、トウモロコシなどの穀物でんぷんを原料とする樹脂であり、でんぷんの乳酸発酵物、L−乳酸をモノマーとする重合体であり、一般にそのダイマーであるラクタイドの開環重合法、及び直接重縮合法により製造される。この重合体は、自然界に存在する微生物により、水と炭酸ガスに分解され、完全リサイクルシステム型の樹脂としても着目されている。
ポリ乳酸のリサイクルシステムとしては、ポリ乳酸を分解して再利用し得るケミカルリサイクル法が最も注目を浴びている。この方法は、ポリ乳酸を所定の触媒の存在下で、溶媒中で加熱することにより解重合を行い、得られたオリゴマーを再度重合に供して再利用するというものである。
このようなケミカルリサイクルに適用するポリ乳酸の解重合については、用いる触媒等に関して種々の提案がなされており、例えば特許文献1には、固体酸触媒を用いてポリ乳酸の解重合を行なうことが提案されており、また、固体酸触媒として、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を酸処理して得られる活性白土に相当するモンモリロナイトK10(ジュートヒェミー アクチェンゲゼルシャフト製活性白土)を用いることも特許文献1には記載されている。
WO2005/105908
ところで、ポリ乳酸を解重合し、再度重合を行なってポリ乳酸を再合成する場合には、解重合に際してはモノマー単位まで分解されるよりも乳酸分子の数個が重合したオリゴマー形態で分解の程度が止まることが、次の再重合を効率よく行なう上で好適であることが知られている。また、解重合は、比較的マイルドな条件でしかもローコストで行い得ることが要求される。
特許文献1で提案されているポリ乳酸の解重合方法では、固体酸触媒を解重合触媒として使用することにより、低温での反応により所定のオリゴマーレベルまで解重合を行なうことができ、しかも、固体酸触媒としてモンモリロナイトK10を使用する場合には、該触媒が天然の粘土を原料として得られるものであり、安価であるため、ローコストで解重合を行なうことができるという利点を有している。
しかしながら、本発明者等の研究によると、特許文献1に開示されている活性白土を固体酸触媒として用いた場合には、所定の重合度レベルまでのオリゴマーにまで分解する時間が比較的長く、解重合時間の短縮化の点でも改良の余地がある。さらには、得られたオリゴマーを触媒と分離するのが困難であり、再重合に利用し得るオリゴマーの回収率が低いという問題もあった。
従って、本発明の目的は、安定してポリ乳酸の解重合触媒としての機能が発揮され、しかも短時間での解重合により所定の重合度のオリゴマーを得ることが可能であるばかりか、解重合により得られるオリゴマーと容易に分離することができ、高い回収率でポリ乳酸のオリゴマーを回収することが可能なポリ乳酸の解重合触媒を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の解重合触媒を用いてのポリ乳酸の解重合方法を提供することにある。
本発明者等は、活性白土に着目し、ポリ乳酸の解重合触媒として機能を種々検討した結果、一般の活性白土を用いた場合には、前述した課題を解決することはできず、種々の用途に使用されている活性白土と呼ばれる領域までの酸処理を行わず、それよりも弱いレベルでのジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土の酸処理により得られる酸処理物が、解重合触媒として高い活性を示し、しかもオリゴマーとの分離も容易であり、乳酸のオリゴマーを高い回収率で回収することが可能であり、さらに、かかる酸処理物が一定の保有水分量を有する状態で使用することにより、安定して高い触媒活性を示すことを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土の酸処理物からなるポリ乳酸解重合用触媒であって、
前記酸処理物は、絶乾状態で測定した固体酸量(A)が0.28乃至0.63mmol/gの範囲にあり、窒素吸着法による細孔容積の測定において、17〜3000Åでの細孔径における細孔容積(B)が0.25乃至0.40cc/gの範囲にあり、且つBET比表面積(C)が150乃至400m/gの範囲にあることを特徴とするポリ乳酸解重合用触媒が提供される。
本発明のポリ乳酸解重合用触媒においては、
(1)前記酸処理物は、前記固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/Bが、0.8乃至1.8の範囲にあり、且つ前記固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/Cが、0.0013乃至0.0030の範囲にあること、
(2)前記酸処理物は、レーザ回折散乱法による体積基準での平均粒径(D50)が9乃至30μmの範囲にあり、5重量%濃度の水性懸濁液で測定したpH(25℃)が2.5乃至4.5の範囲にあること、
が好適である。
また、本発明によれば、ポリ乳酸解重合用触媒の存在下、有機溶媒中でポリ乳酸を加熱するポリ乳酸の解重合方法において、該ポリ乳酸解重合用触媒として、保有水分量が8.0重量%以上の範囲に保持されている上記触媒を使用することを特徴とするポリ乳酸の解重合方法が提供される。
本発明のポリ乳酸解重合用触媒は、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土の酸処理物からなるものであるが、一般的に活性白土と称されるものに比して弱い酸処理によって得られ、半活性白土というべきものである。従って、以下、ポリ乳酸解重合用触媒として使用される酸処理物を「半活性白土」と呼ぶことがある。
本発明において、ポリ乳酸解重合用触媒として使用される半活性白土は、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土の酸処理レベルが低いため、絶乾状態で測定した固体酸量(A)が0.28乃至0.63mmol/g、好ましくは0.29乃至0.60mmol/gの範囲にあり、窒素吸着法による細孔容積の測定において、17〜3000Åでの細孔径における細孔容積(B)が0.25乃至0.40cc/g、特に0.27乃至0.40cc/gの範囲にあり、且つBET比表面積が150乃至400m/g、特に150乃至350m/gの範囲にある。本発明で用いる半活性白土は、このような物性を有しているため、ポリ乳酸解重合用触媒として高い触媒活性を示し、例えば1時間程度の解重合時間で再重合が容易な重合度レベル(2乃至6量体)の乳酸オリゴマーを多量に得ることができ、さらには、生成したオリゴマーからの触媒の分離も容易に行うことができ、再重合可能な乳酸オリゴマーの回収率も極めて高い。例えば、固体酸量が上記範囲よりも低い場合には、触媒活性が低く、1時間程度の解重合では、目的とする重合度レベルの乳酸オリゴマーを得ることができない。また、固体酸量が上記範囲よりも高い場合には、高い触媒活性を示し、1時間程度の解重合により、目的とする重合度レベルの乳酸オリゴマーを多量に得ることができるものの、触媒とオリゴマーとの親和性が高く、これを分離するのが容易でない。この結果、目的とする重合度レベルの乳酸オリゴマーの回収率が低下してしまう。また、一般の活性白土においては、高い触媒活性は得られず、1時間程度の解重合では、目的とする重合度レベルの乳酸オリゴマーを得ることができない(後述の実験例を参照)。
また、本発明においては、前記半活性白土は、前記固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/Bが、0.8乃至1.8の範囲にあり、且つ前記固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/Cが、0.0013乃至0.0030の範囲にあることが最適である。即ち、この半活性白土は、比較的弱い酸処理によって生成する高い触媒活性を示す固体酸量が保持されていながら、強い酸処理を行ったときに得られるような大きな細孔容積と大きな比表面積を有している。このため、単位面積当りに存在する固体酸量が適度な範囲に維持されているばかりか、ポリ乳酸分子の細孔内への取り込みがスムーズに行われることとなる結果、著しく高い触媒活性を示し、さらに、解重合により生成したオリゴマーの細孔内からの脱離が容易に行われ、その回収率も著しく増大することとなる。
本発明において、上記のような半活性白土は、保有水分量が8.0重量%以上、特に8.0乃至25.0重量%の範囲に調整された状態で解重合触媒として使用することも重要である。即ち、半活性白土が解重合触媒としての機能を発揮するためには、これがプロトンと水分子の供給源として機能し、ポリ乳酸の加水分解が進行していなければならない。保有水分量が上記範囲よりも少ない場合には、加水分解が有効に進行せず、前述した触媒活性が発現しなくなってしまい、この結果、著しく多量の半活性白土を使用しなければならなくなってしまい、実用性が損なわれてしまうからである。
<半活性白土>
本発明において用いる半活性白土は、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を使用し、これを粗砕、混練して所定濃度の酸水溶液を用いて、所定の条件で酸処理することにより製造される。即ち、この半活性白土は、活性白土と同様にして得られるが、活性白土に比してマイルドな条件での酸処理によって得られるものである。
原料粘土として用いるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土は、火山岩や溶岩等が海水の影響下で変成したものと考えられており、主要成分であるジオクタヘドラル型スメクタイトはSiO四面体層−AlO八面体層−SiO四面体層からなり、且つこれらの四面体層と八面体層が部分的に異種金属で同形置換された三層構造を基本構造(単位層)としており、このような三層構造の積層層間には、Ca,K,Na等の陽イオンや水素イオンとそれに配位している水分子が存在している。また、基本三層構造の八面体層中のAlの一部にMgやFe(II)が置換し、四面体層中のSiの一部にAlが置換しているため、結晶格子はマイナスの電荷を有しており、このマイナスの電荷が基本層間に存在する金属陽イオンや水素イオンにより中和されている。このようなスメクタイト系粘土には、酸性白土、ベントナイト、フラーズアースなどがあり、基本層間に存在する金属陽イオンの種類や量、及び水素イオン量などによってそれぞれ異なる特性を示す。例えば、ベントナイトでは、基本層間に存在するNaイオン量が多く、このため、水に懸濁分散させた分散液のpHが高く、一般に高アルカリサイドにあり、また、水に対して高い膨潤性を示し、さらにはゲル化して固結するという性質を示す。一方、酸性白土では、基本層間に存在する水素イオン量が多く、このため、水に懸濁分散させた分散液のpHが低く、一般に酸性サイドにあり、また、水に対して膨潤性を示すものの、ベントナイトと比較すると、その膨潤性は総じて低く、ゲル化には至らない。
本発明において、半活性白土の製造に用いるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土は、特に限定されるものではなく、上述した各種の何れをも使用することができる。また、かかる原料粘土は、粘土の成因、産地及び同じ産地でも埋蔵場所(切羽)等によっても相違するが、一般的には、酸化物換算で以下のような組成を有している。
SiO;50乃至75重量%
Al;11乃至25重量%
Fe;2乃至20重量%
MgO;2乃至7重量%
CaO;0.1乃至3重量%
NaO;0.1乃至3重量%
O;0.1乃至3重量%
その他の酸化物(TiOなど);2重量%以下
Ig−loss(1050℃);5乃至11重量%
また、原料粘土は、産地等によっては、石英などの不純物を多く含んでいることもある。従って、上記のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を、必要により石砂分離、浮力選鉱、磁力選鉱、水簸、風簸等の精製操作に賦して不純物をできるだけ除去した後に酸処理を行うのがよい。このような処理を行った後に、以下に述べるマイルドな条件での酸処理を行うことにより、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/B及び固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/Cが所定の範囲にある好適な半活性白土を得ることができる。不純物量の多い原料粘土を用いた場合には、固体酸量が少なく、細孔容積や比表面積も小さい半活性白土しか得られず、その触媒活性が低く或いは解重合により生成したオリゴマーの回収率が低下する傾向にある。
上記精製操作後の酸処理は、硫酸、硝酸、塩酸等の鉱酸水溶液を用いて行われるが、コスト、環境への影響などの観点から硫酸水溶液が一般に使用され、このような酸水溶液中に原料粘土を投入し、混合攪拌することにより行われる。
また、かかる酸処理は、既に述べたように、従来公知の活性白土を製造する際の酸処理に比してマイルドな条件下で行われ、例えば硫酸水溶液を使用する場合には、原料粘土中に含まれる水分も硫酸水溶液を構成するものとして算出した硫酸水溶液量が、原料粘土100重量部(105℃乾燥物として)当り250乃至600重量部、その時の硫酸水溶液の濃度が5乃至14重量%程度になるような条件で酸処理を行えばよい。酸処理にあたっては、必要により70乃至95℃程度に加熱することもできる。このようにして、原料の組成、用いる酸水溶液の酸濃度、処理温度等によって、固体酸量が所定の範囲となる程度の時間(一般的には15乃至24時間程度)、酸処理を行えばよい。
本発明においては、上記のような酸処理により、原料粘土中のアルミニウム成分等が溶出し、固体酸量が増大し、細孔容積やBET比表面積の増大ももたらされ、ポリ乳酸の解重合触媒として好適な触媒活性を有する半活性白土が得られる。
即ち、かかる半活性白土は、絶乾状態で測定した固体酸量(A)が0.28乃至0.63mmol/g、好ましくは0.29乃至0.60mmol/gの範囲にある。即ち、この固体酸量は、150℃で乾燥し、層間の水分や吸着水分が除去された状態で後述する実験例で示すように、n−ブチルアミン滴定法を用いて算出される。このような量の固体酸を有しているため、この半活性白土は、ポリ乳酸の解重合触媒として優れた触媒活性を示す。例えば、必要以上に高濃度の酸を使用したり、あまり長時間酸処理を行うと、固体酸量が本発明の範囲よりも少なくなり、この結果、ポリ乳酸の解重合触媒としての触媒特性は低くなる。また、必要以上に低濃度の酸水溶液を使用したり、酸処理時間が短いと、固体酸量が本発明の範囲よりも多くなる一方、細孔容積やBET比表面積は低いままであり、その結果、所定の重合度のオリゴマーを得るための解重合時間が必要以上に長くなってしまったり、場合によっては、所定の重合度の乳酸オリゴマーを得ることができなくなってしまう。且つ、オリゴマーの回収率が低下してしまう。
また、この半活性白土は、上記のような固体酸量を有する程度に酸処理が行われているため、窒素吸着法による細孔容積の測定において、17〜3000Åでの細孔径における細孔容積(B)が0.25乃至0.40cc/g、特に0.27乃至0.40cc/gの範囲にあり、且つ150乃至400m/g、特に150乃至350m/gの範囲のBET比表面積を有する。即ち、このような細孔容積及びBET比表面積を有しているため、解重合に際して、固体酸量がさほど多くないにも関わらず、ポリ乳酸と半活性白土との接触点が多くなり、固体酸が有効に解重合触媒として機能し、ポリ乳酸の加水分解が迅速且つ均一に進行し、所定の重合度のオリゴマーを短時間で得ることが可能となるものである。
さらに、上記のような半活性白土の中でも、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/Bが、0.8乃至1.8の範囲にあり、且つ前記固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/Cが、0.0013乃至0.0030の範囲にあるものは、特に高い触媒活性を示し、しかも、解重合により生成したオリゴマーの細孔内からの脱離を容易に行うことが可能となる。既に述べたように、この半活性白土は、高い触媒活性を示す程度の量の固体酸を有していると同時に、大きな細孔容積と大きな比表面積を有しているため、単位面積当りに存在する固体酸量が適度な範囲に維持されている。従って、ポリ乳酸分子の細孔内への取り込みがスムーズに行われることとなり、触媒活性が一層向上しており、さらに、オリゴマーの細孔内からの脱離が容易に行われるため、その回収率も著しく増大するのである。
さらに、上記の半活性白土は、上記のような物性が得られる程度の酸処理が行われているため、一般に、5重量%濃度の水性懸濁液で測定したpH(25℃)が2.5乃至4.5の範囲にある。また、以下に述べるポリ乳酸の解重合触媒として使用するためには、レーザ回折散乱法による体積基準での平均粒径(D50)が9乃至30μmの範囲となる程度に粒度調整されていることが好適である。即ち、平均粒径があまり小さいと、粉塵飛散などを生じ易く、取り扱いが困難となるばかりか、粒子の凝集などを生じ易く、触媒機能を効果的に発現させることが困難となり、また、平均粒径があまり大きいと、半活性白土とポリ乳酸との接触点が少なくなり、触媒効率が低下するおそれがあるからである。尚、この半活性白土の粒度は、レーザ回折散乱法により測定することができる。また、上記のような粒度調整は、得られた半活性白土を粉砕し、ボールミル等により微粉砕し、篩により分級することにより行うことができる。
また、上述した酸処理によって得られる半活性白土は、一般に、酸化物換算で、下記の化学組成を有している。
SiO;60乃至85重量%
Al;8乃至18重量%
Fe;1乃至10重量%以下
MgO;1乃至5重量%以下
CaO;0.1乃至2重量%以下
NaO;0.1乃至1重量%
O;0.1乃至1重量%
その他の酸化物(TiOなど);2重量%以下
Ig−loss(1050℃);4乃至9重量%
<ポリ乳酸の解重合>
本発明において、ポリ乳酸の解重合は、上記の半活性白土を触媒として使用し、この半活性白土の存在下、有機溶媒中で加熱することにより行われる。
かかる解重合において、上記の半活性白土は、その保有水分量が8.0重量%以上に調整された状態で触媒として使用することが重要である。即ち、ポリ乳酸の解重合は、加水分解反応であるため、水が必要となるが、半活性白土の保有水分が加水分解のための水として機能するため、上記のような保有水分量を有していることが必要となるわけである。換言すると、本発明で用いる上記半活性白土は、解重合触媒として機能すると同時に、加水分解のための水供給源としても機能するわけである。
ところで、本発明で用いる半活性白土は、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土に由来する基本三層構造を有しており、層間水(基本三層同士の層間の水分)を有すると同時に、細孔内に吸着水分を有している。保有水分量が本発明の範囲よりも低い状態で半活性白土を用いた場合には、触媒効果が有効に発揮されない。このことから理解されるように、加水分解に必要な水は、層間水からのみ供給されるのではなく、半活性白土の細孔内の吸着水分からも供給されるのである。従って、本発明においては、半活性白土の細孔内(層間を含む)にポリ乳酸が取り込まれ、この細孔内に分布する固体酸が触媒として機能し、しかも細孔内の吸着水分が加水分解に必要な水として機能し且つ固体酸からのプロトン供給源として機能するものと考えられ、この結果、優れた触媒機能が発揮され、所定の重合度レベルまでの解重合が短時間で進行するものと思われる。
さらに、本発明において、解重合のための有機溶媒(トルエン等)として水と混合したものを使用したとしても、この溶媒中の水は加水分解に寄与しない。即ち、このような系では、水が有機溶媒相中に分子レベルまで溶解せず、この結果、解重合が効果的に進行しないのである。本発明においては、半活性白土の細孔中に吸着水分が存在しているために、優れた触媒効果が発揮するのである。
尚、用いる半活性白土に上記のような保有水分量を確保するためには、高湿度雰囲気中に半活性白土を保持しておけばよい。
本発明において、解重合触媒として機能する半活性白土は、その保有水分量がポリ乳酸の加水分解に必要な水分量に対して過剰となる量で使用される。例えば、重合度が1000のポリ乳酸を重合度が4のオリゴマーに加水分解するには、約250分子の水が必要であるため、保有水分量がそれよりも過剰、特に大過剰となるような量で半活性白土が使用される。重合度が1500前後のポリ乳酸100重量部の解重合に必要とされる水は6重量部程度であるが、一般的には、30乃至100重量部の保有水分が存在するような量で半活性白土を使用するのがよい。
また、解重合に供するポリ乳酸としては、特に制限されず、ポリ−L−乳酸或いはポリ−D−乳酸の何れであってもよく、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の溶融ブレンド物でもよく、また、これらの共重合体であってもよい。さらには、グリコール酸やカプロラクトンなどとの共重合体であってもよい。その他、上記以外のポリマー主鎖中にエステル結合を有するポリマーでもよい。
さらに、有機溶媒としては、加水分解反応を阻害せずにポリ乳酸の溶媒として機能するものであれば特に制限されないが、一般的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒やクロルベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒が好適であり、トルエン、o−キシレン、クロルベンゼンが最も好適である。
解重合反応は、それ自体公知の条件で行えばよく、具体的には、ポリ乳酸及び半活性白土を適当量の有機溶媒中に添加し、80乃至150℃程度の温度に加熱攪拌下で行われる。
本発明においては、半活性白土が解重合触媒として極めて効果的に機能するため、例えば数平均分子量が10万程度のポリ乳酸を、再重合に好適な重合度が6以下、特に平均重合度が2乃至4程度のオリゴマーまで加水分解するのに1時間程度の反応時間でよい。
本発明において、反応終了後は、ろ過及び有機溶媒による洗浄を繰り返し行うことにより、ろ液中にオリゴマーを半活性白土と分離して回収することができ、オリゴマーは、再重合に供され、回収された半活性白土は、水洗及び乾燥し、必要により適当な雰囲気中に保持せしめ、所定の保有水分量に維持せしめた後、繰り返し、解重合触媒として使用される。かかる方法によれば、特定の半活性白土を解重合触媒として使用しているため、高い回収率で再重合に好適なオリゴマーを触媒(半活性白土)と分離して回収することができる。例えば、後述する実験例に示されているように、解重合により生成したオリゴマー当りの回収率は90%以上である。
本発明を、以下の実験例で説明する。なお、実験例における測定方法は、以下の通りである。
(1)固体酸量(A)
n-ブチルアミン滴定法[参考文献:「触媒」Vol.11,No6,P210-216(1969)]にてH≦−3.0の固体酸量を測定した。試料は予め150℃で3時間乾燥して絶乾状態にしたものについて測定を行った。
(2)細孔容積(B)
Micromeritics社製Tri Star3000を用いて窒素吸着法により測定を行い、脱離データから、BJH法により細孔径17〜3000Åまでの細孔容積を求めた。
(3)BET比表面積(C)
Micromeritics社製Tri Star3000を用いて窒素吸着法により測定を行い、BET法により解析した。
(4)平均粒径(D50
Malvern社製Mastersizer2000を使用し、溶媒に水を用いてレーザ回折散乱法で体積基準での平均粒径を測定した。
(5)pH
JIS K 5101−17−1:2004に準拠して調製した5重量%サス
ペンジョンのpH値を測定した。
(6)保有水分量
JIS K 5101−15−1:2004に準拠して測定した105℃の加熱減量より保有水分量を求めた。
(7)ポリ乳酸分解性能試験1(オリゴマーの数平均分子量)
ポリ乳酸(PLLA)50mgを10mlナスフラスコに取り、触媒200mgとトルエン1mlを添加し、100℃のオイルバス中でマグネットスターラーにて一時間撹拌を行った。ついでろ紙でろ過し、ろ液を濃縮後、H−NMRにより乳酸オリゴマー(OLLA)の数平均分子量を求めた。
H−NMRは、日本電子(株)製JEOL JNM−LA300またはVARIAN.Inc.製VARIAN NMR300のNMR装置を用いて、観測核の共鳴周波数300MHz、溶媒に重クロロホルムを用いて測定を行った。
得られた結果から、OLLAの数平均分子量Mは、H−NMRにおけるヒドロキシル基末端(δ=4.38ppm)の積分値をX、主鎖(δ=5.12〜5.28ppm)のメチンピークの積分値をYとして、以下の式より求めた。
={(X+Y)/X}×72+18
(8)ポリ乳酸分解性能試験2(オリゴマーの回収率)
ポリ乳酸(PLLA)50mgを10mlナスフラスコに取り、触媒200mgとトルエン1mlを添加し、100℃中のオイルバス中でマグネットスターラーにて1時間攪拌を行った。ついでアセトニトリル5mlを加え手で振盪後、触媒をろ紙でろ過し、ろ液を濃縮後、オリゴマーの回収量を求め、回収率を計算した。なお回収率は、理論回収量を54.15mgとし計算した。これはn=1500(重量平均分子量Mw=108018)のPLLAをn=3のOLLAまで分解した場合、末端につくプロトンと水酸基の重量を考慮した値である。
(実験例1)
新潟県新発田市産のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を粗砕、乾燥、粉砕、分級して粘土粉末を得た。各種物性、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/B、固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/C、及びポリ乳酸の分解性能を測定し、その結果を表1に示す。
(実験例2)
新潟県新発田市産のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を原料として用い、この原料を粗砕、混練して5mm径に造粒した(得られた造粒物の水分は34.8%であった)。ビーカーに5.0重量%硫酸水溶液800mlを採り、この造粒物600gを攪拌下で分散させ(この時、原料粘土中に含まれる水分も硫酸水溶液を構成するものとして算出した硫酸水溶液量は原料粘土105℃乾燥物として100重量部当り264重量部、硫酸濃度は4.0重量%に相当する)、ヒーター上で攪拌しながら85℃で24時間酸処理を行った。酸処理終了後、酸処理物に水を加えてデカンテーション法により洗浄した後ろ過し、ろ過ケーキを110℃で乾燥、粉砕、分級して半活性白土粉末を得た。この半活性白土粉末を室温に放置し吸湿させて試験サンプルとした。各種物性、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/B、固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/C、及びポリ乳酸の分解性能を測定し、その結果を表1に示す。
(実験例3)
実験例2と同様の造粒物を用いた。ビーカーに14.0重量%硫酸水溶液800mlを採り、この造粒物600gを攪拌下で分散させ(この時、原料粘土中に含まれる水分も硫酸水溶液を構成するものとして算出した硫酸水溶液量は原料粘土105℃乾燥物として100重量部当り276重量部、硫酸濃度は11.3重量%に相当する)、ヒーター上で攪拌しながら85℃で24時間酸処理を行った。以下、実験例2と同様にして半活性白土粉末を得た。この半活性白土粉末を室温に放置し吸湿させて試験サンプルとした。各種物性、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/B、固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/C、及びポリ乳酸の分解性能を測定し、その結果を表1に示す。
(実験例4)
実験例2と同様の造粒物を用いた。ビーカーに17.0重量%硫酸水溶液800mlを採り、この造粒物600gを攪拌下で分散させ(この時、原料粘土中に含まれる水分も硫酸水溶液を構成するものとして算出した硫酸水溶液量は原料粘土105℃乾燥物として100重量部当り280重量部、硫酸濃度は13.8重量%に相当する)、ヒーター上で攪拌しながら85℃で24時間酸処理を行った。以下、実験例2と同様にして半活性白土粉末を得た。この半活性白土粉末を室温に放置し吸湿させて試験サンプルとした。各種物性、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/B、固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/C、及びポリ乳酸の分解性能を測定し、その結果を表1に示す。
(実験例5)
新潟県胎内市産のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を原料として用い、この原料を粗砕、混練して5mm径に造粒した(得られた造粒物の水分は38.2%であった)。この造粒物1500gを処理槽に充填し、そこに30重量%硫酸水溶液2000mlを加え(この時、原料粘土中に含まれる水分も硫酸水溶液を構成するものとして算出した硫酸水溶液量は原料粘土105℃乾燥物として100重量部当り324重量部、硫酸濃度は24.3重量%に相当する)、それを循環させて酸処理を行った。その時の処理温度は90℃、処理時間は5時間であった。酸処理終了後、酸処理物に洗浄水を循環して水洗を行った後110℃で乾燥、粉砕、分級して活性白土粉末を得た。この活性白土粉末を室温に放置し吸湿させて試験サンプルとした。各種物性、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/B、固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/C、及びポリ乳酸の分解性能を測定し、その結果を表1に示す。
(実験例6)
実験例5と同様の造粒物1500gを処理槽に充填し、そこに12.5重量%硫酸水溶液2000mlを加え(この時、原料粘土中に含まれる水分も硫酸水溶液を構成するものとして算出した硫酸水溶液量は原料粘土105℃乾燥物として100重量部当り295重量部、硫酸濃度は9.9重量%に相当する)、それを循環させて酸処理を行った。その時の処理温度は85℃、処理時間は15時間であった。酸処理終了後、酸処理物に洗浄水を循環して水洗を行った後110℃で乾燥、粉砕、分級して半活性白土粉末を得た。この半活性白土粉末を室温に放置し吸湿させて試験サンプルとした。各種物性、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/B、固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/C、及びポリ乳酸の分解性能を測定し、その結果を表1に示す。
(実験例7)
新潟県胎内市産のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を原料として用い、この原料を粗砕、混練して5mm径に造粒した(得られた造粒物の水分は35.5%であった)。ビーカーに6.5重量%硫酸水溶液1400mlを採り、この造粒物600gを攪拌下で分散させ(この時、原料粘土中に含まれる水分も硫酸水溶液を構成するものとして算出した硫酸水溶液量は原料粘土105℃乾燥物として100重量部当り432重量部、硫酸濃度は5.7重量%に相当する)、ヒーター上で攪拌しながら85℃で24時間酸処理を行った。酸処理終了後、酸処理物に水を加えてデカンテーション法により洗浄した後ろ過し、ろ過ケーキを110℃で乾燥、粉砕、分級して半活性白土粉末を得た。この半活性白土粉末を室温に放置し吸湿させて試験サンプルとした。各種物性、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/B、固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/C、及びポリ乳酸の分解性能を測定し、その結果を表1に示す。
(実験例8)
実験例7と同様の造粒物を用いた。ビーカーに8.3重量%硫酸水溶液1400mlを採り、この造粒物600gを攪拌下で分散させ(この時、原料粘土中に含まれる水分も硫酸水溶液を構成するものとして算出した硫酸水溶液量は原料粘土105℃乾燥物として100重量部当り436重量部、硫酸濃度は7.3重量%に相当する)、ヒーター上で攪拌しながら85℃で24時間酸処理を行った。以下、実験例7と同様にして半活性白土粉末を得た。この半活性白土粉末を室温に放置し吸湿させて試験サンプルとした。各種物性、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/B、固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/C、及びポリ乳酸の分解性能を測定し、その結果を表1に示す。
(実験例9)
実験例7と同様の造粒物を用いた。ビーカーに7.2重量%硫酸水溶液2000mlを採り、この造粒物600gを攪拌下で分散させ(この時、原料粘土中に含まれる水分も硫酸水溶液を構成するものとして算出した硫酸水溶液量は原料粘土105℃乾燥物として100重量部当り595重量部、硫酸濃度は6.5重量%に相当する)、ヒーター上で攪拌しながら85℃で24時間酸処理を行った。以下、実験例7と同様にして半活性白土粉末を得た。この半活性白土粉末を室温に放置し吸湿させて試験サンプルとした。各種物性、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/B、固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/C、及びポリ乳酸の分解性能を測定し、その結果を表1に示す。
(実験例10)
山形県鶴岡市産のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を原料として用い、この原料を粗砕、混練して5mm径に造粒した(得られた造粒物の水分は42.8%であった)。ビーカーに17.0重量%硫酸水溶液800mlを採り、この造粒物600gを攪拌下で分散させ(この時、原料粘土中に含まれる水分も硫酸水溶液を構成するものとして算出した硫酸水溶液量は原料粘土105℃乾燥物として100重量部当り334重量部、硫酸濃度は13.2重量%に相当する)、ヒーター上で攪拌しながら85℃で24時間酸処理を行った。酸処理終了後、酸処理物に水を加えてデカンテーション法により洗浄した後ろ過し、ろ過ケーキを110℃で乾燥、粉砕、分級して半活性白土粉末を得た。この半活性白土粉末を室温に放置し吸湿させて試験サンプルとした。各種物性、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/B、固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/C、及びポリ乳酸の分解性能を測定し、その結果を表1に示す。
(実験例11)
市販のモンモリロナイトK10を用いた。各種物性、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/B、固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/C、及びポリ乳酸の分解性能を測定し、その結果を表1に示す。
(実験例12)
市販のモンモリロナイトK5を用いた。各種物性、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/B、固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/C、及びポリ乳酸の分解性能を測定し、その結果を表1に示す。
(実験例13)
実験例2と同様の粘土造粒物を乾燥、粉砕して、風簸により微粒部分を回収した(回収した微粉末粘土の水分は7.8%であった)。ビーカーに5.8重量%硫酸水溶液1569mlを採り、この微粉末粘土424gを攪拌下で分散させ(この時、原料粘土中に含まれる水分も硫酸水溶液を構成するものとして算出した硫酸水溶液量は原料粘土105℃乾燥物として100重量部当り425重量部、硫酸濃度は5.7重量%に相当する)、ヒーター上で攪拌しながら85℃で24時間酸処理を行った。酸処理終了後、酸処理物に水を加えてデカンテーション法により洗浄した後ろ過し、ろ過ケーキを110℃で乾燥、粉砕、分級して半活性白土粉末を得た。この半活性白土粉末を室温に放置し吸湿させて試験サンプルとした。各種物性、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/B、固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/C、及びポリ乳酸の分解性能を測定し、その結果を表1に示す。
(実験例14)
実験例13と同様の微粉末粘土を用いた。ビーカーに10.8重量%硫酸水溶液1579mlを採り、この微粉末粘土424gを攪拌下で分散させ(この時、原料粘土中に含まれる水分も硫酸水溶液を構成するものとして算出した硫酸水溶液量は原料粘土105℃乾燥物として100重量部当り440重量部、硫酸濃度は10.6重量%に相当する)、ヒーター上で攪拌しながら85℃で24時間酸処理を行った。以下、実験例13と同様にして半活性白土粉末を得た。この半活性白土粉末を室温に放置し吸湿させて試験サンプルとした。各種物性、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/B、固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/C、及びポリ乳酸の分解性能を測定し、その結果を表1に示す。
(実験例15)
実験例13と同様の微粉末粘土を水に分散させ、水簸により浮遊部分を回収し、乾燥、粉砕して粘土粉末を得た(得られた粘土粉末の水分は6.5%であった)。ビーカーに10.3重量%硫酸水溶液1373mlを採り、この粘土粉末418gを攪拌下で分散させ(この時、原料粘土中に含まれる水分も硫酸水溶液を構成するものとして算出した硫酸水溶液量は原料粘土105℃乾燥物として100重量部当り383重量部、硫酸濃度は10.1重量%に相当する)、ヒーター上で攪拌しながら85℃で24時間酸処理を行った。以下、実験例13と同様にして半活性白土粉末を得た。この半活性白土粉末を室温に放置し吸湿させて試験サンプルとした。各種物性、固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/B、固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/C、及びポリ乳酸の分解性能を測定し、その結果を表1に示す。
Figure 0004948440

Claims (4)

  1. ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土の酸処理物からなるポリ乳酸解重合用触媒であって、
    前記酸処理物は、絶乾状態で測定した固体酸量(A)が0.28乃至0.63mmol/gの範囲にあり、窒素吸着法による細孔容積の測定において、17〜3000Åでの細孔径における細孔容積(B)が0.25乃至0.40cc/gの範囲にあり、且つBET比表面積(C)が150乃至400m/gの範囲にあることを特徴とするポリ乳酸解重合用触媒。
  2. 前記酸処理物は、前記固体酸量(A)と細孔容積(B)との比A/Bが、0.8乃至1.8の範囲にあり、且つ前記固体酸量(A)とBET比表面積(C)との比A/Cが、0.0013乃至0.0030の範囲にある請求項1に記載のポリ乳酸解重合用触媒。
  3. 前記酸処理物は、レーザ回折散乱法による体積基準での平均粒径(D50)が9乃至30μmの範囲にあり、5重量%濃度の水性懸濁液で測定したpH(25℃)が2.5乃至4.5の範囲にある請求項1または2に記載のポリ乳酸解重合用触媒。
  4. ポリ乳酸解重合用触媒の存在下、有機溶媒中でポリ乳酸を加熱するポリ乳酸の解重合方法において、該ポリ乳酸解重合用触媒として、保有水分量が8.0重量%以上の範囲に保持されている請求項1乃至3の何れかに記載の触媒を使用することを特徴とするポリ乳酸の解重合方法。
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