JP4945015B2 - 文書検索システム、文書検索プログラム、および文書検索方法 - Google Patents
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Description
一般的に単語は多義的であるため、母語によって入力されたキーワードを他言語に翻訳する際には必ずしも最適な選択がなされるとは限らない。このため、検索結果の文書リストにおいて文書の優先順位を決定する際に、たとえば翻訳されたキーワードを含む文書について優先順位を適切に決定できない場合がある。
さらに、この発明は、そのような文書検索システムとしてコンピュータを機能させる文書検索プログラムを提供することを目的とする。
文書検索装置は、1つ以上のキーワードを入力キーワードとして受け取るキーワード受付手段と、入力キーワードのそれぞれに対応して、入力キーワードが他言語に翻訳された翻訳キーワードを、複数の他言語について取得するキーワード翻訳手段と、入力キーワードおよび翻訳キーワードのそれぞれについてキーワードスコアを決定するキーワードスコア決定手段と、入力キーワードおよび翻訳キーワードに基づいて文書を検索し、複数の検索結果文書を取得する文書検索手段と、検索結果文書のそれぞれについて、キーワードスコアに基づいて文書スコアを算出する文書スコア算出手段と、検索結果文書のそれぞれと、対応する文書スコアとを関連付けて出力する検索結果出力手段とを備え、翻訳サービス装置は、入力キーワードのそれぞれに対応して、順位を有する複数の翻訳キーワードを生成し、翻訳サービス装置は、翻訳キーワードの掲載順に基づいて翻訳キーワードの順位を表し、キーワードスコア決定手段は、入力キーワードのそれぞれと、翻訳キーワードのそれぞれとのすべての組合せについて、順位に基づいて翻訳スコアを決定し、キーワードスコア決定手段は、翻訳キーワードのそれぞれについて、関連する翻訳スコアのすべてに基づいてキーワードスコアを決定し、入力キーワードのキーワードスコアは、その入力キーワードに対応する翻訳キーワードのキーワードスコアのいずれよりも高い。
文書検索システムは、翻訳キーワードを用いるか否かの指定を受け付け、文書スコア算出手段は、指定に応じて、入力キーワードおよび翻訳キーワードに基づいて文書スコアを算出するか、または翻訳キーワードに関わらず入力キーワードのみに基づいて文書スコアを算出するかを切り替えてもよい。
文書スコア算出手段は、さらに、入力キーワードおよび翻訳キーワードのそれぞれが検索結果文書に出現する回数に基づいて文書スコアを算出してもよい。
文書スコア算出手段は、さらに、検索結果文書に対する文字認識処理における認識率に基づいて文書スコアを算出してもよい。
文書検索手段は、キーワード受付手段が2つ以上の入力キーワードを受け取った場合に、OR検索によって文書を検索する機能と、AND検索によって文書を検索する機能とを備え、文書検索手段は、OR検索において、入力キーワードのいずれかまたは翻訳キーワードのいずれかが出現する文書を検索し、文書検索手段は、AND検索において、すべての入力キーワードについて「その入力キーワードおよびその入力キーワードに対応する各翻訳キーワードのうち少なくとも一つが出現する」という条件を満たす文書を検索してもよい。
実施の形態1.
図1は、この発明に係る文書検索システム100の構成を示す。文書検索システム100は、キーワードを用いて文書を検索するために用いられるシステムである。
文書検索システム100は、キーワードを用いて文書を検索する文書検索装置10を含む。
文書検索装置10は、使用者がキーワードを入力するために用いる入力装置30を備える。この入力装置30は、たとえばマウスやキーボード等である。また、文書検索装置10は、検索処理の結果を使用者に対して表示する表示装置40を備える。表示装置40は、たとえばディスプレイやプリンタ等である。また、文書検索装置10は、演算を行う演算装置20を備える。演算装置20はたとえばCPU(中央処理装置)である。
また、図示しないが、文書検索装置10は、情報を格納する記憶手段としてメモリおよびHDD(ハードディスクドライブ)を含む。また、文書検索装置10は、他の情報処理装置との間で情報の送受信を行うためのネットワークインタフェースを備える。
また、演算装置20が文書検索プログラムまたは別のプログラムを実行することによって、コンピュータである文書検索装置10は、本明細書に記載するその他の機能を実現する。
翻訳サービス装置110は複数の言語への翻訳を行うものである。たとえば、日本語による入力キーワードに対して、英語による翻訳キーワードと、フランス語による翻訳キーワードとを生成して出力する。
翻訳サービス装置110の構成は周知のものを用いることができる。たとえば、翻訳サービス装置110は多数の語句に対してそれぞれ一つ以上の訳語を関連付ける辞書ファイルを格納しており、この辞書ファイルを参照して翻訳を行う。
文書データベース120は、1つ以上のキーワードの入力を受け取り、記憶している文書のうちから、キーワードのいずれかを含むものをすべて抽出し、抽出した文書またはそのリストを出力する。
図2は、文書検索システム100における文書検索装置10の動作を説明するフローチャートである。まずキーワード受付手段21は、検索に用いる1つ以上の入力キーワードを、入力装置30を介して使用者から受け取る(ステップS1、キーワード受付ステップ)。この例では、「先生」「教師」という2つの日本語による入力キーワードが受け取られたものとする。
なお、文書検索装置10は、入力キーワード、取得した翻訳キーワード、および図3に示す対応関係を、表等の形式によって記憶手段に記憶してもよい。
入力キーワードに対しては、常に一定である所定のスコア、たとえば100が与えられる(なお、このスコアは後述するように翻訳スコアとは一部扱いが異なるので、図4ではカッコを付して示す)。また、翻訳キーワードに対しては、その順位に応じて異なる翻訳スコアが与えられる。与えられるスコアは順位が1つ下がるごとに所定値ずつ、たとえば10ずつ低下し、順位1に対しては90、順位2に対しては80、順位3に対しては70となる。
なお、この順位と翻訳スコアとの関係は、図4に示すものに限らない。順位1に対する翻訳スコアは、入力キーワードに対するキーワードスコアより低い値であればよい。また、順位2以下に対する翻訳スコアは、順位の低下につれて(すなわち、この例では順位を表す数が大きくなるにつれて)単調に減少する関数によるものであればよい。
なお、翻訳サービス装置110は、各キーワードについて、厳密に統計的な分析によって使用頻度に応じた順位付けを行うものである必要はない。一般的な辞書等は、通常、訳語の使用頻度等をある程度考慮してその掲載順を決定しているので、一般的な辞書として周知のものを用いれば、検索結果の精度向上にある程度の効果を得ることができる。
キーワードスコア決定手段23は、入力キーワードに対しては、上述のように、常に100というキーワードスコアを与える。翻訳キーワードに対しては、まず、入力キーワードのそれぞれと、翻訳キーワードのそれぞれとのすべての組合せについて、順位に基づいて翻訳スコアを決定する。図5では、2つの入力キーワードと、5つの翻訳キーワードとの組合せ(合計10通り)のすべてについて、順位に基づく翻訳スコアが与えられている。
このように、キーワードスコア決定手段23は、翻訳キーワードのそれぞれについて、関連する翻訳スコアのすべてに基づいてキーワードスコアを決定する。
なお、文書検索装置10は、その記憶手段に、図5に示す対応関係を、表等の形式によって記憶してもよい。
母語による入力キーワードは、誤訳や不適切な訳のおそれがないので、入力キーワードを含む文書は、翻訳キーワードのみを含む文書よりも、使用者が望むものである可能性が高い。すなわち、入力キーワードはより確からしいキーワードということができる。このように、より確からしい入力キーワードのスコアを高く設定して重視し、相対的に翻訳キーワードのスコアを低く設定することによって、より的確な検索結果を得ることができる。
ここで、キーワードスコア決定手段23は、ある翻訳キーワードに関連する翻訳スコアのすべてに基づいてキーワードスコアを決定することにより、複数の入力キーワードに同時に対応している翻訳キーワードのキーワードスコアを上昇させることができる。たとえば、図5の翻訳キーワード「master」は、入力キーワード「先生」「教師」両方に対応するものであり、それぞれに対応して0でない翻訳スコアを有する。ところが、翻訳キーワード「instructor」は、入力キーワード「先生」には対応するが「教師」には対応せず、「教師」に対する翻訳スコアは0となる。この結果、翻訳キーワード「master」のキーワードスコアがより高くなる。このように、より確からしい翻訳キーワードのスコアを高く設定して重視し、相対的に翻訳キーワードのスコアを低く設定することによって、より的確な検索結果を得ることができる。
ここで、文書検索手段24は、母語による入力キーワードと、他言語による翻訳キーワードとを用いて検索を行うので、複数の言語による文書を含む文書データベース120からの検索でも、一度の検索で結果を得ることができる。
図6はこのような情報の例を示す。この例では、検索結果文書として文書A〜文書Jが抽出されている。たとえば文書Aには翻訳キーワード「teacher」が12回、翻訳キーワード「instructor」が10回、翻訳キーワード「master」が6回、それぞれ出現しており、文書Aについて全キーワードの出現回数を合計すると28回となることが表される。文書データベース120は、このように、検索結果文書のそれぞれについて、各入力キーワードおよび各翻訳キーワードが出現する回数を計測し、これを検索結果文書のそれぞれに関連付けて文書検索手段24に返す。なお、図6では、検索結果文書は各キーワードが出現する回数の順にソートされている。
なお、文書検索装置10は、その記憶手段に、図6に示す対応関係を、表等の形式によって記憶してもよい。
文書中の文字列が文字コードによって表される文書(テキストデータやワードプロセッサプログラム用のデータ等)では、文字コードの照合処理を用いてキーワードの出現回数を正確に数えることができる。これに対し、文字列が画像データによって表される文書の場合には、文字認識処理を行って画像を文字コードに変換する必要があるが、この文字認識処理の精度が高いとは限らない。そこで、文字認識処理の際に、その文書について所定の基準で文字認識を行うことができた度合を認識率として評価し、この認識率を加味してもよい。たとえば、認識率に応じてキーワードの出現回数を表す値を減少させてもよい。具体的には、認識率が100%である文書についてはキーワードの出現回数をそのまま用い、認識率が50%である文書についてはキーワードの出現回数を半分にして用いることができる。
ここで、認識率の算出方法は従来の文字認識処理において周知の方法であればどのようなものを用いてもよい。
このステップS5において、文書スコアは、たとえば、各キーワードのキーワードスコアと、そのキーワードがその検索結果文書に出現する回数とを乗算し、これをすべてのキーワードについて合計することによって算出される。この文書スコアは、その検索結果文書が、使用者が望むものである可能性(確からしさ)を表すものということができる。
なお、文書検索装置10は、その記憶手段に、図7に示す対応関係を、表等の形式によって記憶してもよい。
なお、文字列が画像データによって表される文書については、文書スコア算出手段25は、キーワードスコアおよび出現回数に加え、さらに検索結果文書に対する文字認識処理における認識率に基づいて文書スコアを算出してもよい。
このように、文書スコア算出手段25は、各検索結果文書の文書スコアを算出する際に各キーワードの質まで考慮するので、単にキーワードの出現回数によって文書スコアを算出するような方法と比較して、より的確な評価を行うことができる。
翻訳キーワードを表す言語は単一の言語(たとえば英語のみ)であってもよい。また、翻訳サービス装置110は入力キーワードに対して単一の翻訳キーワードを出力するものであってもよく、また、複数の翻訳キーワードを順位付けずに出力するものであってもよい。このような構成であっても、入力キーワードと翻訳キーワードとの間でキーワードスコアが異なるものであれば、従来の検索よりも的確な結果を得ることができる。
この場合、図2のステップS4において、文書検索手段24は、入力キーワードおよび翻訳キーワードを文書データベース120に渡し、AND検索を行うことを指示する。文書データベース120は、記憶している文書のうちから、次の条件iおよびiiを満たす文書をすべて抽出し、抽出した文書を検索結果文書として文書検索手段24に返す。
‐条件i:入力キーワード「先生」について、その入力キーワード自体およびこれに対応する翻訳キーワード「teacher」、「instructor」、「master」、「professeur」、「instructeur」のうち少なくとも一つが出現する
‐条件ii:入力キーワード「教師」について、その入力キーワード自体およびこれに対応する翻訳キーワード「teacher」、「master」、「professeur」のうち少なくとも一つが出現する
言い換えると、文書検索手段24および文書データベース120は、入力キーワードのそれぞれについて、当該入力キーワードおよびこれに対応する翻訳キーワードをOR条件によって連結することによって、入力キーワードごとのキーワードグループを作成し、このキーワードグループをすべてAND条件によって連結して最終的な検索条件を作成する。
なお、この例では、翻訳キーワード「teacher」、「master」および「professeur」は、2つの入力キーワード「先生」「教師」のどちらにも対応する翻訳キーワードとなっているので、これらの翻訳キーワードのいずれかが出現する文書は抽出されることになる。たとえば文書Eは翻訳キーワード「teacher」は含み、この翻訳キーワードは条件iおよび条件iiの両方を満たすので、文書Eは抽出される。
このようなAND検索の場合でも、ステップS5以降の処理はOR検索と同様に行うことができる。すなわち、実施の形態1と同様にして文書スコアが算出され検索結果が出力される。ただし、この例では文書Hおよび文書JはステップS4において抽出されないので、ステップS5以降の処理は文書Hおよび文書Jに対しては実行されない。
たとえば、日本語のあるキーワードを中国語に翻訳しても同一の表記(同一のキャラクターコードによって表される文字列)となる場合がある。このようなキーワードについては、日本語による文書に対しては入力キーワードのキーワードスコアを適用し、中国語による文書に対しては翻訳キーワードのキーワードスコアを適用することができる。すなわち、入力キーワードおよび翻訳キーワードのうち、異なる言語で同一の表記となるキーワードについては、検索結果文書の文書スコアを算出する際に、その検索結果文書と言語情報が一致するもののキーワードスコアを用いてもよい。
このようにすると、複数の言語で同一の表記となるキーワードが含まれていた場合であっても、各キーワードの確からしさを適切に評価することができる。
Claims (8)
- キーワードを用いて文書を検索する文書検索装置と、
翻訳サービス装置と、
検索の対象となる複数の前記文書を記憶する、文書データベースと
を含む、文書検索システムであって、
前記文書検索装置は、
1つ以上のキーワードを入力キーワードとして受け取るキーワード受付手段と、
前記入力キーワードのそれぞれに対応して、前記入力キーワードが他言語に翻訳された翻訳キーワードを、複数の他言語について取得するキーワード翻訳手段と、
前記入力キーワードおよび前記翻訳キーワードのそれぞれについてキーワードスコアを決定するキーワードスコア決定手段と、
前記入力キーワードおよび前記翻訳キーワードに基づいて文書を検索し、複数の検索結果文書を取得する文書検索手段と、
前記検索結果文書のそれぞれについて、前記キーワードスコアに基づいて文書スコアを算出する文書スコア算出手段と、
前記検索結果文書のそれぞれと、対応する前記文書スコアとを関連付けて出力する検索結果出力手段と
を備え、
前記翻訳サービス装置は、前記入力キーワードのそれぞれに対応して、順位を有する複数の前記翻訳キーワードを生成し、
前記翻訳サービス装置は、前記翻訳キーワードの掲載順に基づいて前記翻訳キーワードの順位を表し、
前記キーワードスコア決定手段は、前記入力キーワードのそれぞれと、前記翻訳キーワードのそれぞれとのすべての組合せについて、前記順位に基づいて翻訳スコアを決定し、
前記キーワードスコア決定手段は、前記翻訳キーワードのそれぞれについて、関連する前記翻訳スコアのすべてに基づいて前記キーワードスコアを決定し、
前記入力キーワードの前記キーワードスコアは、その入力キーワードに対応する前記翻訳キーワードの前記キーワードスコアのいずれよりも高い、
文書検索システム。 - 前記文書データベースは、前記文書のそれぞれについて、その文書がどの言語で表されたものかを示す言語情報を関連付けて記憶し、
前記翻訳サービス装置は、前記翻訳キーワードのそれぞれについて、その翻訳キーワードがどの言語で表されたものかを示す言語情報を関連付けて記憶し、
前記翻訳サービス装置は、前記入力キーワードに対応する所定の言語を表す言語情報を記憶し、
前記文書スコア算出手段は、前記文書の前記文書スコアを算出する際に、前記入力キーワードおよび前記翻訳キーワードのうち前記言語情報が当該文書の前記言語情報と一致するものの前記キーワードスコアを適用する、請求項1に記載の文書検索システム。 - 前記文書検索システムは、前記翻訳キーワードを用いるか否かの指定を受け付け、
前記文書スコア算出手段は、前記指定に応じて、
前記入力キーワードおよび前記翻訳キーワードに基づいて前記文書スコアを算出するか、または
前記翻訳キーワードに関わらず前記入力キーワードのみに基づいて前記文書スコアを算出するか
を切り替える、請求項1または2に記載の文書検索システム。 - 前記文書スコア算出手段は、さらに、前記入力キーワードおよび前記翻訳キーワードのそれぞれが前記検索結果文書に出現する回数に基づいて前記文書スコアを算出する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の文書検索システム。
- 前記文書スコア算出手段は、さらに、前記検索結果文書に対する文字認識処理における認識率に基づいて前記文書スコアを算出する、請求項4に記載の文書検索システム。
- 前記文書検索手段は、前記キーワード受付手段が2つ以上の前記入力キーワードを受け取った場合に、OR検索によって文書を検索する機能と、AND検索によって文書を検索する機能とを備え、
前記文書検索手段は、前記OR検索において、前記入力キーワードのいずれかまたは前記翻訳キーワードのいずれかが出現する文書を検索し、
前記文書検索手段は、前記AND検索において、すべての前記入力キーワードについて「その入力キーワードおよびその入力キーワードに対応する各翻訳キーワードのうち少なくとも一つが出現する」という条件を満たす文書を検索する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の文書検索システム。 - コンピュータを、請求項1〜6のいずれか一項に記載の文書検索システムとして機能させる文書検索プログラム。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の文書検索システムが文書を検索する文書検索方法。
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