JP4942900B2 - エクチナサイジン化合物の製造のための合成方法 - Google Patents

エクチナサイジン化合物の製造のための合成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は合成方法に関し、特に本発明は、エクチナサイジン化合物を生産するための合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
欧州特許309,477は、エクチナサイジン729、743、745、759A、759B及び770に関する。エクチナサイジン化合物は、抗菌特性及び他の有用な特性を有することが開示されている。エクチナサイジン743は、抗腫瘍剤として臨床試験を現在受けている。
【0003】
エクチナサイジン743は、以下の式(I)の複雑なトリス(テトラヒドロイソキノリンフェノール)構造を有する:
【化6】
Figure 0004942900
【0004】
それは現在、海洋尾索類Ecteinascidin turbinataの抽出物からの単離によって調製されている。収率は低く、代替的な調製方法が求められている。
【0005】
エクチナサイジン化合物を生産するための合成方法は、米国特許第5,721,362号に記載されており、またWO 9812198を参照し、それは全体として参考としてここに取り込まれる。記載された方法は長く複雑であり、エクチナサイジン743に到達するために、合成系列において一つ以上の工程をそれぞれ記載する38の実施例が存在する。
【0006】
周知の合成方法では、1-ラビル、10-ヒドロキシ、18-保護化ヒドロキシ、ジ-6,8-エン-5-オン融合環化合物を使用して、1,4架橋が形成される。実施例33に示されるように、化合物(13)が化合物(14)に変換される:
【化7】
Figure 0004942900
【0007】
周知の合成方法に従って、実施例34から36の工程によって、スピロキノリンが1,4架橋において形成され、18-MOM保護基が除去されて、エクチナサイジン770が形成され、次いでそれがエクチナサイジン743に変換できる。
【0008】
米国特許第7,721,362号の請求項25は、所定の式(11)の中間体フェノール化合物に向けられ、我々はそれを中間体11またはInt-11とも称する。それは、以下のビス(テトラヒドロイソキノリンフェノール)構造(II)を有する:
【化8】
Figure 0004942900
[式中、MOMはメトキシメチル置換基であり、TBDPSはtert-ブチルジフェニルシリル置換基である]。
【0009】
中間体11から、別の興味ある抗腫瘍剤、フタラシジン(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96, 3496-3501, 1999参照)を合成することが可能である。フタラシジンは、式(III)のビス(テトラヒドロイソキノリンフェノール)誘導体である:
【化9】
Figure 0004942900
【0010】
エクチナサイジン743及び770では、1,4架橋は、式(IV)の構造を有する:
【化10】
Figure 0004942900
【0011】
他の周知のエクチナサイジンは、式(V)の構造を有する架橋を有する:エクチナサイジン722及び736:
【化11】
Figure 0004942900
式(VI)の構造を有する架橋を有するエクチナサイジン583及び597:
【化12】
Figure 0004942900
式(VII)の構造を有する架橋を有するエクチナサイジン594及び596:
【化13】
Figure 0004942900
で存在するような、異なる架橋化環状環システムを有する化合物を含む。
【0012】
これらの及び関連する化合物についての完全な構造は、J. Am. Chem. Soc. (1996) 118, 9017-9023に与えられている。この文献は、参考として取り込まれる。)
【0013】
エクチナサイジン化合物についての他の文献は、以下のものを含む:Corey, E. J., J. Am. Chem. Soc., 1996, 118 pp. 9202-9203; Rinehart等, Jounal of Natural Products, 1990, "Bioactive Compounds from Aquatic and Terrestrial Sources", vol. 53, pp. 771-792; Rinehart等, Pure and Appl. Chem., 1990, "Biologically active natural products", vol 62, pp. 1277-1280; Rinehart等, J. Org. Chem., 1990, "Ecteinascidine 729, 743, 745, 759A, 759B, and 770: potent Antitumour Agents from the Caribbean Tunicate Ecteinascidine turninata", vol. 55, pp. 4512-4515; Wright等, J. Org. Chem., 1990, "Antitumour Tetrahydroisoquinoline Alkanoids from the Colonial ascidian Ecteinascidia turbinata", vol. 55, pp. 4508-4512; Sakai等, Proc. Natl. Scad. Sci. USA 1992, "Additional antitumor ecteinascidins from Caribbean tunicate: Crystal structures and activities in vivo", vol. 89, 11456-11460; Science 1994, "Chemical Prospectors Scour the Seas for Promising Drugs", vol. 266, pp. 1324; Koenig, K. E., "Asymmetric Synthesis", Morrison編, Academic Press, Inc., Orlando, FL, vol. 5, 1985, p. 71: Barton等, J. Chem. Soc. Perkin Trans., 1, 1982, "Synthesis and Properties of a Series of Sterically Hindered Guanidine bases", pp. 2085; Fukuyama等, J. Am. Chem. Soc., 1982, "Stereocontrolled Total Synthesis of (+)-Saframycin B", vol. 104, pp. 4957; Fukuyama等, J. Am. Chem. Soc., 1990, "Total Synthesis of (+)-Saframycin A", vol. 112, p. 3712; Saito等, J. Org. Chem., 1989, "Synthesis of Saframycins. Preparation of a Key tricyclic Lactam Inermediate to Saframycin A", vol. 54, 5391; Still等, J Org. Chem., 1978, "Rapid Chromatographic Technique for Preparative Separations with Moderate Resolution", vol. 43, p. 2923; Kofron, W. G.; Baclawski, L. M., J. Org. Chem., 1976, vol. 41, 1879; Guan等, J. Biomolec. Struc. & Dynam., vo. 10, pp. 793-817 (1993); Shamma等, "Carbon-13 NMR Shift Assignments of Amines and Alkanoids", p. 206 (1979); Lown等, Biochemistry, 21, 419-428 (1982); Zmijewski等, Chem. Biol. Interactions, 52, 361-375 (1985); Ito, CRC Crit. Rev. Anal. Chem., 17, 65-143 (1986); Rinehart等, "Topics in Pharmaceutical Sciences 1989", pp. 613-626, D. D. Breimer, F. J. A. Cromwelin, K. K. Midha編, Amsterdam Medical Press B. V., Noordwijk, The Netherlands (1989); Rinehart等, "Biological Mass Spectrometry", 233-258, Burlingame等編, Elsevier Amsterdam (1990); Guan等, Jour. Biomolec. Struct. & Dynam., vol. 10 pp. 793-817 (1993); Nakagawa等, J. Am. Chem. Soc., 111: 2721-2722 (1989);; Lichter等, "Food and Drugs fom the Sea Proceedings" (1972), Marine Technology Society, Washington, D.C. 1973, 117-127; Sakai等, J. Am. Chem. Soc., 1996, 118, 9017; Garcia-Rocha等, Brit. J. Cancer, 1996, 73: 875-883;及びPrommier等, Biochemistry, 1996, 35: 1330-13309。
【0014】
架橋化環状環システムを欠いたさらなる化合物が知られている。それらは、ビス(テトラヒドロキノリンキノン)抗腫瘍−抗微生物抗生物質サフラシン及びサフラマイシン、並びに海洋天然産物レニエラマイシン及び培養微生物または海綿から単離されるゼストマイシンを含む。それらは全て、共通のダイマー状テトラヒドロイソキノリン炭素骨格を有する。これらの化合物は、芳香環の酸化パターンに関して、タイプIからIVの四種のタイプに分類できる。
【0015】
タイプIのダイマー状イソキノリンキノンは、このクラスの化合物に最も一般的に存在する式(VIII)のシステムであり、以下の表Iに参照される。
【表1】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0016】
タイプIの芳香環は、サフラマイシンA、B及びC;G及びH;並びにマイナー成分としてStreptomyces lavendulaeから単離されるSで観察されている。シアノキノンアミンと称されるサフラマイシンAのシアノ誘導体は、日本国公開特許公報第59/225189及び60/084288から知られている。サフラマイシンY3、Yd1、Ad1及びYd2は、培養培地を適切に補ったもので、指向的生合成によりS. Lavendulaeによって生産された。一つのユニットのC-14に対して別のユニットのC-25での窒素を結合することによって形成されたサフラマイシンY2b及びY2b-dダイマーもまた、S. lavendulaeの補った培養培地で生産されている。Rhodococcus amidophilusによって生産されるC-25でのサフラマイシンAの微生物還元産物であるサフラマイシンAR1(=AH2)も、エピマーの1:1混合物としてホウ化水素ナトリウムによるサフラマイシンAの非立体選択的化学還元、引き続きクロマトグラフィーでの分離によって調製される[他のアイソマーAH1はあまり極性でない]。さらなる還元産物サフラマイシンAR3、21-デシアノ-25-ジヒドロ-サフラマイシンA(=25-ジヒドロサフラマイシンB)は、同じ微生物変換によって生産された。Nocardia種を使用するサフラマイシンAの別のタイプの微生物変換はサフラマイシンBを生産し、Mycobacterium種によるさらなる還元はサフラマイシンAH1Acを生産した。サフラマイシンAH2及びAH1の25-O-アセタートもまた、生物学的研究のため化学的に調製されている。
【0017】
式(X)のタイプI化合物は、海洋海綿から単離されている、表II参照。
【表2】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0018】
レニエラマイシンA-Dは、生物遺伝学的に関連するモノマー状イソキノリンと関連化合物と共に、メキシコで回収された海綿、Reniera種の抗微生物学的抽出物から単離された。レニエラマイシンAの構造は、最初にC-3、C-11及びC-13での逆の立体化学で認定された。しかしながら、パラウで回収された同じ海綿から単離された新規な関連化合物レニエラマイシンE及びFについての1H NMRデータの注意深い観察により、レニエラマイシンの環接合部はサフラマイシンのものと同じであることが明らかにされた。この結果は、以前に認定されたレニエラマイシンAからDの立体化学が、サフラマイシンのものと同じでなければならないという結論を導いた。
【0019】
ゼストマイシンは、スリランカ水から回収されたXestospongia種である海綿で見出された。
【0020】
還元ヒドロキノン環を有する式(XI)のタイプIIの化合物は、S. lavendulaeから単離されたサフラマイシンD及びF、並びにMyxococcus xanthusから単離されたサフラマイシンMx-1及びMx-2を含む。表III参照。
【表3】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0021】
タイプIIIの骨格は、培養Pseudomonas fluorescensから単離された抗生物質サフラシンA及びBで見出される。式(XII)のこれらの抗生物質は、テトラヒドロイソキノリン−キノンサブユニットとテトラヒドロイソキノリンフェノールサブユニットからなる。
【化14】
Figure 0004942900
[式中、R21は、サフラシンAでは-H、サフラシンBでは-OHである]。
【0022】
タイプIV骨格として分類される唯一の化合物であるサフラマイシンRは、S. lavendulaeから単離された。フェノール生酸素の一つでグリコール酸エステル側鎖を有するヒドロキノン環からなる式(XIII)のこの化合物は、その穏やかな毒性のため、サフラマイシンAのプロドラッグであると考えられる。
【化15】
Figure 0004942900
【0023】
全てのこれらの知られている化合物は、以下の式(XIV)の構造において示されるような五つの環(A)から(E)の融合システムを有する:
【化16】
Figure 0004942900
【0024】
環A及びEはエクチナサイジンにおいてフェノール性であり、いくつかの他の化合物、他の化合物の中では特にサフラマイシンでは、環A及びEはキノール性である。知られている化合物では、環B及びDはテトラヒドロであり、環Cはパーヒドロである。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
エクチナサイジン化合物及び関連化合物に対する代替的合成経路についての必要性が存在する。そのような合成経路は、知られている抗腫瘍剤に対するより経済的な路を提供し、並びに新規な活性化合物の調製を可能にするであろう。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エクチナサイジンまたは他のテトラヒドロイソキノリンフェノール化合物の中間体、誘導体及び関連構造の形成のための合成方法に関する。
【0027】
一つの特徴点では、本発明は、スピロアミン-1,4-架橋を有するエクチナサイジン産物を調製するための方法を提供する。この方法は、1-ラビル、10-ヒドロキシ、18-保護化ヒドロキシ、ジ-6,8-エン-5-オン融合環化合物を使用する1,4架橋の形成を含み、ここで融合環は式(XIV)である。本発明では、C-18保護が、スピロアミン導入の前に除去される。
【0028】
新規な合成方法のための適切な開始材料は、天然のビス(テトラヒドロイソキノリン)アルカノイドに関する化合物を含む。そのような開始材料は、WO 0069862に記載されたような各種の培養ブロスから入手可能なサフラマイシン及びサフラシンの各種のクラスから、または他の合成若しくは生化学的方法によってのいずれかで調製されても良い。この点で、WO 0069862は、参考として完全にここに取り込まれる。このPCT出願は、WO 0069862として出版された出願PCT/GB 00/01852から優先権を主張する。我々は、この明細書に存在しないそこでの開示が存在する範囲で、参考としてその明細書を取り込む。
【0029】
【発明の実施の形態】
一つの特定の特徴点では、本発明は、エクチナサイジン743及び関連化合物の調製のための数多くの新規な合成方法における、中間体21の使用に関する:
【化17】
Figure 0004942900
【0030】
中間体21は5-アリルオキシ基を有し、そこでアリル基は5-ヒドロキシ基を保護するように機能する。他の保護基が容易に使用でき、本発明は、他のそのような5-保護化ヒドロキシ化合物の使用に一般的に拡張されると解されよう。
【0031】
エクチナサイジン743及び関連化合物の形成
一般的に、中間体21または関連化合物の、エクチナサイジン産物への変換は、以下の鍵となる変換を含む:
(a)例えば酢酸中の亜硝酸ナトリウムでの反応によるNH2のOHへの変換;
(b)E環フェノール保護;
(c)保護化システイン側鎖で一次1-ヒドロキシ官能基を保護することに夜エステル化;
(d)アリル機の脱保護と酸化;
(e)環状化反応による架橋化環の作製;
(f)E環フェノールとシステイン部分の脱保護;
(g)トランスアミノ化とPetter Spengler反応によるキノリンの導入。
【0032】
中間化合物の高い官能性は、非所望の副反応を避けるために、E環フェノールとシステイン側鎖に対する保護基の使用を必要とする。
【0033】
それ自体、数多くの代替的中間体が、保護基の特定の選択に依存して、生産できる。
【0034】
別の考え得る系列は、フェノール環とシステイン側鎖のアミンに対して選択される保護基に主に依存して、これらの変換を組み合わせることについて可能である。
【0035】
全ての合成変換の数は、選択される保護基の官能でもある。
【0036】
説明のために、保護基の異なる組み合わせの使用が、ここでSF21とも称される中間体21からのET-743の調製のための6の典型的な経路について以下に記載される。
経路 フェノール保護 システイン保護 工程の数
1 MOM Moc 12
2 MEM Boc 10
3 MEM Cbz 11
4 MOM Alloc 13
5 MEM Alloc 13
6 MOM Cbz 15
【0037】
当業者が容易に予測できるであろうように、ここに記載される反応スキームは、各種の態様で修正及び/または組み合わせられても良く、工程の代替的な系列及びそこから生産される化合物は、本発明の一部である。
【0038】
さらに、詳細に記載されない他の保護基のストラテジーの使用もまた、本発明の一部である。
【0039】
6の典型的な合成経路の方法の詳細。
各経路についての完全な反応スキームは、以下のスキーム1から6に存在する。
スキーム1−ET-743:半合成代替的経路1
【化18】
Figure 0004942900
スキーム2−ET-743:半合成代替的経路2
【化19】
Figure 0004942900
スキーム3−ET-743:半合成代替的経路3
【化20】
Figure 0004942900
スキーム4−ET-743:半合成代替的経路4
【化21】
Figure 0004942900
スキーム5−ET-743:半合成代替的経路5
【化22】
Figure 0004942900
スキーム6−ET-743:半合成代替的経路6
【化23】
Figure 0004942900
【0040】
経路1では、E環フェノールの保護は、TrocでのSF21のアミンの保護/脱保護を含む三つの工程で達成される。
【0041】
経路1及び2については、Bocでのシステイン側鎖の保護は、フェノールとシステイン基が、二つの別個の工程よりもむしろ単一の工程で脱保護されることを可能にする。経路の残部では、さらなる脱保護工程が必要とされる。
【0042】
経路2については、中間体25が、直接的なエステル化方法体系と、後のMEM基でのフェノールの保護の使用を通じて避けられる。
【0043】
経路2及び3について、E環フェノールの保護は、ジアゾ化とエステル化工程の後に、それによってフェノールが経路1の三つの工程の連続によるよりもむしろ単一の工程で保護されるまで遅延される。
【0044】
経路1、2および3については、システイン誘導体での第一級アルコールの直接的エステル化は、シリル基での第一級アルコールの非生産的な保護/脱保護工程を除去し(経路4及び5)、それによって二つの工程によって系列を短くする。
【0045】
経路6のみが、中間体161から最後の工程をここで企図し、それは中間体21から容易に得ることができる。
【0046】
経路4及び5では、初期ジアゾ化工程によって生産される第一級アルコールは、ケイ素で保護され、E環フェノールの選択的な保護を可能にし、中間体25を避けることが可能である。A環の修飾に引き続き(脱保護/酸化)、ケイ素基が除去され、第一級アルコールがシステイン誘導体でエステル化される。
【0047】
これらの変化は、WO 0069862に示された経路のスケールアップで見出される問題の直接的な結果である。これらの変化の結果として、経路2全体は、3の工程で短くなり、それ故より安定で及び/またはより安価なルーチンの製造が可能であろう。
【0048】
方法の概観
かくして、経路1から6に関して、本発明は、スピロアミン-1,4-架橋を有するエクチナサイジン産物を調製するための方法に拡大され、この方法は、1-ラビル、10-ヒドロキシ、18-保護化ヒドロキシ、ジ-6,8-エン-5-オン融合環化合物を使用する1,4架橋の形成を含み、ここでC-18保護が、スピロアミン導入の前に除去される。
【0049】
この方法の一つのバージョンは、エクチナサイジン産物が21-ヒドロキシ基を有し、この方法は、21-シアノ基の21-ヒドロキシ基への変換を含む。
【0050】
典型的にスピロアミンはスピロキノリン、特にエクチナサイジン743のスピロキノリンである。
【0051】
好ましい方法では、1-ラビル、10-ヒドロキシ、18-保護化ヒドロキシ、ジ-6,8-エン-5-オン融合環化合物の18-保護化基は、MOM:メトキシメチル;またはMEM:メトキシエトキシメチル基で保護される。
【0052】
適切な1-ラビル基は、以下の式のN-保護化システニルオキシメチレン基である:
-CH2-O-CO-CNHProt1-CH2-S-H
【0053】
この式では、Prot1は典型的に、Boc:t-ブチルオキシカルボニル;Troc:2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル;Cbz:ベンジルオキシカルボニル;またはAlloc:アリルオキシカルボニルである。
【0054】
この方法のいくつかの実施態様では、Prot1はC-18保護と同じ工程で除去される。
【0055】
1-ラビル基は、以下の式の1-置換体から精製できる:
-CH2-O-CO-CNHProt1-CH2-S-Prot2
【0056】
この式では、Prot2は典型的に、Fm:9-フルオロメチルである。
【0057】
以下の式:
-CH2-O-CO-CNHProt1-CH2-S-Prot2
の1-置換体は、-CH2-O-H置換基のエステル化によって形成できる。
【0058】
前記エステル化は、10-ヒドロキシ、ジ-6,8-エン-5-オン構造の形成の前後で実施できる。
【0059】
一つのバージョンでは、本発明の方法は、1-アミノメチレン、5-保護化ヒドロキシ、7,8-ジオキシメチレン、18-ヒドロキシ、21-シアノ融合環化合物から開始される。
【0060】
1-アミノメチレン基は、18-ヒドロキシ基での保護を可能にするように一時的に保護でき、一時的な保護は除去される。
【0061】
別法として、C-18ヒドロキシ基は、1-エステル官能基の形成の後に保護できる。
【0062】
別のバージョンでは、1-アミノメチレン基は、1-ヒドロキシメチレン基に変換され、1-ヒドロキシメチレン基は一時的に保護されて、18-ヒドロキシ基での保護を可能にし、一時的保護は除去される。
【0063】
融合環構造は、適切には以下の式である:
【化24】
Figure 0004942900
特に、R15はHである。一つ以上または全ての残余の置換基は、エクチナサイジン743のものであることができる。
【0064】
半合成
本発明は、半合成的合成において知られている化合物、キノンアミンとも称されるサフラシンBの使用を可能にする。
【0065】
より一般的には、本発明は、天然ビス(テトラヒドロイソキノリン)アルカノイドから開始されるエクチナサイジンまたは他のテトラヒドロイソキノリンフェノール化合物の中間体、誘導体、及び関連構造体の形成のための半合成方法に関する。この半合成方法のための適切な開始材料は、各種の培養ブラスから入手可能なサフラマイシン及びサフラシン抗生物質のクラス、並びに海洋海綿から入手可能なレイネラマイシン及びゼストマイシン化合物のクラスを含む。
【0066】
開始化合物についての一般式(XV)は、以下の通りである:
【化25】
Figure 0004942900
[式中、
R1は-CH2-NH-CO-CR25aR25bR25cのようなアミドメチレン基であり、R25a及びR25bはケト基を形成し、または一方は-OH、-NH2または-OCOCH3で、他方は-CH2COCH3、-H、-OHまたは-OCOCH3であり、但しR25aが-OHまたは-NH2である場合、R25bは-OHではなく、R25cは-H、-CH3または-CH2-CH3であり、またはR1は-CH2-O-CO-Rのようなアシルオキシメチレン基であり、ここでRは-C(CH3)=CH-CH3または-CH3であり;
R5及びR6は独立に、-H、-OHまたは-OCOCH2OHから選択され、またはR5及びR8は両者ともケトであり、環Aはp-ベンゾキノン環であり;
R14a及びR14bは両者とも-Hであり、または一方は-Hで他方は-OH、-OCH3または-OCH2CH3であり、あるいはR14a及びR14bは共にケト基を形成し;
R15及びR18は独立に、-Hまたは-OHから選択され、またはR5及びR8は両者ともケトであり、環Aはp-ベンゾキノン環であり;並びに
R21は-OHまたは-CNである]。
【0067】
これらのクラスの化合物のより一般的な式は、以下に提供される:
【化26】
Figure 0004942900
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10によって定義される置換基は、それぞれ独立にH、OH、OCH3、CN、=O、CH3からなる群から選択され;
式中、Xは前述の天然産物に含まれる異なるアミドまたはエステル官能性であり;
式中、各点線の円は、1,2または3の任意の二重結合を表す]。
【0068】
かくして、本発明によれば、中間体11または21を含む中間体の生産のための半合成経路、並びにエクチナサイジン化合物、さらにはフタラシジン及びさらなる化合物の生産のための半合成経路が提供される。本発明の半合成経路はそれぞれ、所望の産物に到達するために数多くの変換工程を含む。各工程自体が、本発明に係る方法である。本発明は例示された経路に制限されず、代替的な経路が、例えば適切なように変換工程の順序を変えることによって、または使用される保護基を変えることによって提供されるであろう。
【0069】
特に本発明は、一般式(XVI)の21-シアノ開始材料の提供を含む:
【化27】
Figure 0004942900
[式中、R1、R5、R8、R14a、R15及びR18は前述の通りである]。
【0070】
21位で異なる置換基を有する式(XVI)の他の化合物もまた、考慮される開始材料を表して良い。一般的に、候補としてR21がヒドロキシ基である式(XV)の化合物の21-ヒドロキシ基の求核置換によって生産できるいずれかの誘導体が挙げられる。適切な21-置換基の例は、以下のものを制限することなく含む:
メルカプト基;
アルキルチオ基(アルキル基は1から6の炭素原子を有する);
アリールチオ基(アリール基は6から10の炭素原子を有し、例えば1から6の炭素原子を有するアルキル基、1から6の炭素原子を有するアルコキシ基、ハロゲン原子、メルカプト基、及びニトロ基から選択される1から5の置換基によって置換または非置換されている);
アミノ基;
モノ−またはジアルキルアミノ(そのまたはそれぞれのアルキル基は1から6の炭素原子を有する);
モノーまたはジアリールアミノ基(そのまたはそれぞれのアリール基はアリールチオ基に関して前述のように定義される);
式-C(Ra)(Rb)-C(=O)Rcのα-カルボニルアルキル基(式中、RaおよびRbは水素原子、1から20の炭素原子を有するアルキル基、アリール基(アリールチオ基に関して前述のような)及びアラルキル基(ここで1から4の炭素原子を有するアルキル基が、アリールチオ基に関して前述のようなアリール基によって置換されている)、但し、Ra及びRbの一方は水素原子である;Rcは、水素原子、1から20の炭素原子を有するアルキル基、アリール基(アリールチオ基に関して前述のような)、アラルキル基(式中、ここで1から4の炭素原子を有するアルキル基が、アリールチオ基に関して前述のようなアリール基によって置換されている)、1から6の炭素原子を有するアルコキシ基、アミノ基、または前述のようなモノ−またはジアルキルアミノ基から選択される)。
【0071】
かくして、より一般的な特徴点では、本発明は、第一の工程が求核試薬を使用して21-誘導体を形成するものである方法に関する。そのような化合物を21-Nuc化合物と称する。
【0072】
21-シアノ基の存在は、いくつかの最終産物、特にエクチナサイジン770及びフタラシジンについて必要である一方、他の最終産物では、それはエクチナサイジン743または21-ヒドロキシフタラシジンの21-ヒドロキシ基のような、別の置換基に容易に変換できる保護基として機能する。開始材料としての21-シアノ化合物の採用は、任意に除去されるまで、次の合成工程の間で分子を有効に安定化する。他の21-Nuc化合物は、この及び他の利点を提供できる。
【0073】
一つの重要な特徴点として、本発明は、ビス−またはトリス−(テトラヒドロイソキノリンフェノール)化合物の調製における一般式(XVI)の21-シアノ化合物の使用に関する。調製されるであろう産物は、中間体11または21のような中間体、及びエクチナサイジン、並びに新規な及び知られている関連構造体の化合物を含む。
【0074】
好ましい開始材料は、R14a及びR14bが両方水素である式(XV)または(XVI)の化合物を含む。好ましい開始材料はまた、R15が水素である式(XV)または(XVI)の化合物を含む。さらに、好ましい開始材料は、Eがフェノール環である式(XV)または(XVI)の化合物を含む。好ましい開始材料はさらに、R5、R8、R15及びR18の少なくとも一つ、より好ましくは二つ若しくは三つが水素ではない式(XV)または(XVI)の化合物を含む。
【0075】
本発明についての適切な開始材料の例は、サフラマイシンA、サフラマイシンB、サフラマイシンC、サフラマイシンG、サフラマイシンH、サフラマイシンS、サフラマイシンY3、サフラマイシンYd1、サフラマイシンAd1、サフラマイシンYd2、サフラマイシンAH2、サフラマイシンAH2Ac、サフラマイシンAH1、サフラマイシンAH1Ac、サフラマイシンAR3、レニエラマイシンA、レニエラマイシンB、レニエラマイシンC、レニエラマイシンD、レニエラマイシンE、レニエラマイシンF、ゼストマイシン、サフラマイシンD、サフラマイシンF、サフラマイシンMx-1、サフラマイシンMx-2、サフラシンA、サフラシンB、及びサフラマイシンRを含む。好ましい開始材料は、21位、つまりR21についてシアノ基を有する。
【0076】
特に好ましい特徴点では、本発明は、変換工程がサフラシンBに適用される半合成方法を含む:
【化28】
Figure 0004942900
【0077】
サフラシンBは、エクチナサイジンに緊密に関連する環システムを表す。この化合物は、右旋性芳香環、環Eにおいて同じ五員環構造と同じ置換基パターンを有する。また、サフラシンBは、ET-743の全合成における合成中間体、特に中間体11または21のいくつかと非常に類似性を提供する。そのような中間体は、十分に確立された方法を使用して、Et-743に変換できる。それ故、サフラシンBの中間体11または21への合成変換は、ET-743を得るための半合成方法を提供するであろう。
【0078】
かくして、この化合物サフラシンB、及び中間体11または21、特にエクチナサイジン化合物から誘導される化合物から作製される中間体11または21が提供される。さらに、サフラシンBから作製されるフタラシジンが提供される。本発明はまた、中間体11または21、エクチナサイジン化合物、及び本発明の他の中間体の生産におけるサフラシンBの使用にも関する。本発明はまた、他の示唆される開始材料から誘導されるここに記載される化合物、及びそのような化合物の生産における当該化合物の使用に関する。
【0079】
本発明のより好ましい開始材料は、21-シアノ基を有する。本発明の現在最も好ましい化合物は、式2の化合物である。この化合物は、サフラシンBから直接得られ、この半合成方法における鍵となる中間体と考慮される。
【化29】
Figure 0004942900
【0080】
関連する特徴点では、PSurdomonas FluorescensのサフラシンB生産株の発酵と、シアン化物イオンを使用する培養ブロスの操作によって、シアノサフラシンBが提供される。Pseudomonas fluorescensの好ましい株は、A2-2株、FERM BP-14であり、それはEP 055,299の方法で使用される。シアン化物イオンの適切なソースは、シアン化カリウムである。適切な操作では、ブロスは濾過され、過剰なシアン化物イオンが添加される。1時間のような適切な間隔の攪拌の後、pHがアルカリ、つまりpH9.5にされ、有機抽出により、粗抽出物が得られ、それをさらに精製してシアノサフラシンBが得られる。
【0081】
疑念を避けるために、この明細書で指摘される立体化学は、天然産物の正確な立体化学の我々の理解に基づく。挙げられた立体化学において誤りが発見される範囲で、適切な訂正が、この明細書を通じて与えられた式においてなされる必要がある。さらに、合成が修正できる範囲で、本発明は立体異性体に及ぶ。
【0082】
本発明の産物は、典型的に式(XVIIb)を有し:
【化30】
Figure 0004942900
[式中、R1及びR4は共に式(IV)、(V)、(VI)または(VII)の基を形成し:
【化31】
Figure 0004942900
R5は-Hまたは-OHであり;
R7及びR8は共に-O-CH2-O-基を形成し;
R14a及びR14bは両者とも-Hであり、または一方は-Hで他方は-OH、-OCH3または-OCH2CH3であり、またはR14a及びR14bは共にケト基を形成し;並びに
R15は-Hまたは-OHであり;
R21は-H、-OHまたは-CNである]
及び特にR5がアセチルオキシまたは4までの炭素原子の他のアシルオキシ基であるそのアシル誘導体を含む誘導体である。
【0083】
式(XVIIb)では、典型的にR4を有するR1は、(IV)または(V)基を形成する。R18基は、通常保護されている。通常R21はシアノである。
【0084】
好ましくはR14a及びR14bは水素である。好ましくはR15は水素である。O-アシル誘導体は、適切には脂肪族O-アシル誘導体、特に1から4の炭素原子のアシル誘導体、典型的には特に5位でのO-アセチル基である。
【0085】
フェノール及びヒドロキシ基についての適切な保護基は、エーテル及びエステル、例えばアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アルコキシアルコキシアルキル、アルキルシリルアルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、アリールチオアルキル、アジドアルキル、シアノアルキル、クロロアルキル、複素環、アリールアシル、ハロアリールアシル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アルキルアリールアルキル、アルコキシアリールアルキル、ニトロアリールアルキル、ハロアリールアルキル、アルキルアミノカルボニルアリールアルキル、アルキルスルフィニルアリールアルキル、アルキルシリル、及び他のエーテル、並びにアリールアシル、アリールアルキルカルボナート、脂肪族カルボナート、アルキルスルフィニルアリールアルキルカルボナート、アルキルカルボナート、アリールハロアルキルカルボナート、アリールアルケニルカルボナート、アリールカルボナート、アルキルホスフィニル、アルキルホスフィノチオニル、アリールホスフィノチオニル、アリールアルキルスルホナート、及び他のエステルを含む。そのような基は、R1における前述の基で任意に置換されて良い。
【0086】
アミンについての適切な保護基は、カルバマート、アミド、及び他の保護基、例えばアルキル、アリールアルキル、スルホ−またはハロ−アリールアルキル、ハロアルキル、アルキルシリルアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキルアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキル、ニトロアリールアルキル、アシルアミノアルキル、ニトロアリールジチオアリールアルキル、ジシクロアルキルカルボキサミドアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリールアルケニル、ニトロアリールアルケニル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリル、ヒドロキシヘテロシクリル、アルキルジチオ、アルコキシ−またはハローまたはアルキルスルフィニル、アリールアルキル、ヘテロシクリルアシル、及び他のカルバマート、並びにアルカノイル、ハロアルカノイル、アリールアルカノイル、アルケノイル、ヘテロシクリルアシル、アロイル、アリールアロイル、ハロアロイル、ニトロアロイル、及び他のアミド、並びにアルキル、アルケニル、アルキルシリルアルコキシアルキル、アルコキシアルキル、シアノアルキル、ヘテロシクリル、アルコキシアリールアルキル、シクロアルキル、ニトロアリール、アリールアルキル、アルコキシ−またはヒドロキシ−アリールアルキル、及び多くの他の基を含む。そのような基は、R1における前述の基で任意に置換されて良い。
【0087】
そのような保護基の例は、以下の表に挙げられる。
【0088】
-OH基についての保護
エーテル 略称
メチル
メトキシメチル MOM
ベンジルオキシメチル BOM
メトキシエトキシメチル MEM
2-(トリメチルシリル)エトキシメチル SEM
メチルチオメチル MTM
フェニルチオメチル PTM
アジドメチル
シアノメチル
2,2-ジクロロ-1,1-ジフルオロエチル
2-クロロエチル
2-ブロモエチル
テトラヒドロピラニル THP
1-エトキシエチル EE
フェナシル
4-ブロモフェナシル
シクロプロピルメチル
アリル
プロパルギル
イソプロピル
シクロヘキシル
t-ブチル
ベンジル
2,6-ジメチルベンジル
4-メトキシベンジル MPMまたはPMB
o-ニトロベンジル
2,6-ジクロロベンジル
3,4-ジクロロベンジル
4-(ジメチルアミノ)カルボニルベンジル
4-メチルスルフィニルベンジル Msib
9-アンスリルメチル
4-ピコリル
ヘプタフルオロ-p-トリル
テトラフルオロ-4-ピリジル
トリメチルシリル TMS
t-ブチルジメチルシリル TBDMS
t-ブチルジフェニルシリル TBDPS
トリイソプロピルシリル TIPS
エステル
アリールホルマート
アリールアセタート
アリールレブリナート
アリールピバロナート ArOPv
アリールベンゾアート
アリール9-フルオロカルボキシラート
アリールメチルカルボナート
1-アダマンチルカルボナート
t-ブチルカルボナート BOC-OAr
4-メチルスルフィニルベンジルカルボナート Msz-Oar
2,4-ジメチルペント-3-イルカルボナート Doc-Oar
アリール2,2,2-トリクロロエチルカルボナート
アリールビニルカルボナート
アリールベンジルカルボナート
アリールカルバマート
ジメチルホスフィニル Dmp-OAr
ジメチルホスフィノチオニル Mpt-OAr
ジフェニルホスフィノチオニル Dpt-Oar
アリールメタンスルホナート
アリールトルエンスルホナート
アリール2-ホルミルベンゼンスルホナート
【0089】
-NH2基についての保護
カルバマート 略称
メチル
エチル
9-フルオレニルメチル Fmoc
9-(2-スルホ)フルオレニルメチル
9-(2,7-ジブロモ)フルオレニルメチル
17-テトラベンゾ[a,c,g,i]フルオレニルメチル Tbfmoc
2-クロロ-3-インデニルメチル Climoc
ベンズ[f]インデン-3-イルメチル Bimoc
2,7-ジ-t-ブチル[9-(10,10-ジオキソ-10,10,10,10-
テトラヒドロチオキサンチル)]メチル DBD-Tmoc
2,2,2-トリクロロエチル Troc
2-トリメチルシリルエチル Teoc
2-フェニルエチル hZ
1-(1-アダマンチル)-1-メチルエチル Adpoc
2-クロロエチル
1,1-ジメチル-2-クロロエチル
1,1-ジメチル-2-ブロモエチル
1,1-ジメチル-2,2-ジブロモエチル DB-t-BOC
1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエチル TCBOC
1-メチル-1-(4-ビフェニル)エチル Bpoc
1-(3,5-ジ-t-ブチルフェニル)-1-1-メチルエチル t-Burmeoc
2-(2'-及び4'-ピリジル)エチル Pyoc
2,2-ビス(4'-ニトロフェニル)エチル Bnpeoc
n-(2-ピバロイルアミノ)-1,1-ジメチルエチル
2-[(2-ニトロフェニル)ジチオ]-1-フェニルエチル NpSSPeoc
2-(n,n-ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチル
t-ブチル BOC
1-アダマンチル 1-Adoc
2-アダマンチル 2-Adoc
ビニル Voc
アリル AlocまたはAlloc
1-イソプロピルアリル Ipaoc
シンナミル Coc
4-ニトロシンナミル Noc
3-(3'-ピリジル)プロプ-2-エニル Paloc
8-キノリル
n-ヒドロキシピペリジニル
アルキルジチオ
ベンジル CbzまたはZ
p-メトキシベンジル Moz
p-ニトロベンジル PNS
p-ブロモベンジル
p-クロロベンジル
2,4-ジクロロベンジル
4-メチルスルフィニルベンジル Msz
9-アンスリルメチル
ジフェニルメチル
フェノチアジニル-(10)-カルボニル
n'-p-トルエンスルホニルアミノカルボニル
n'-フェニルアミノチオカルボニル
アミド
ホルムアミド
アセタミド
クロロアセタミド
トリフルオロアセタミド TFA
フェニルアセタミド
3-フェニルプロパンアミド
ペント-4-エンアミド
ピコリンアミド
3-ピリジルカルボキサミド
ベンズアミド
p-フェニルベンズアミド
n-テトラクロロフタルイミド TCP
4-ニトロ-n-フタルイミド
n-ジチアスクシンイミド Dts
n-2,3-ジフェニルマレイミド
n-2,5-ジメチルピロール
n-2,5-ビス(トリイソプロピルシロキシ)ピロール BIPSOP
n-1,1,4,4- STABASE
テトラメチルジシリアザシクロペンタンテアダクト
1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ジシライソイインドリン BSB
特別な-NH保護基
n-メチルアミン
n-t-ブチルアミン
n-アリルアミン
n-[2-トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン SEM
n-3-アセトキシプロピルアミン
n-シアノメチルアミン
n-(1-イソプロピル-4-ニトロ-2-オキソ-3-ピロリン-3-
イル)アミン
n-2,4-ジメトキシベンジルアミン Dmb
2-アザノルボルネン
n-2,4-ジニトロフェニルアミン
n-ベンジルアミン Bn
n-4-メトキシベンジルアミン MPM
n-2,4-ジメトキシベンジルアミン DMPM
n-2-ヒドロキシベンジルアミン Hbn
n-(ジフェニルメチル)アミノ DPM
n-ビス(4-メトキシフェニル)メチルアミン
n-5-ジベンゾスベリルアミン DBS
n-トリフェニルメチルアミン Tr
n-[(4- MMTr
メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミノ
n-9-フェニルフルレニルアミン Pf
n-フェロセニルメチルアミン Fcm
n-2-ピコリルアミンn'-オキシド
n-1,1-ジメチルチオメチレンアミン
n-ベンジリデンアミン
n-p-メトキシベンジリデンアミン
n-ジフェニルメチレンアミン
n-(5,5-ジメチル-3-オキソ-1-
シクロヘキセニル)アミン
n-ニトロアミン
n-ニトロソアミン
ジフェニルホスフィンアミド Dpp
ジメチルチオホスフィンアミド Mpt
ジフェニルチオホスフィンアミド Ppt
ジベンジルホスホルアミダート
2-ニトロベンゼンスルフェンアミド Nps
n-1-(2,2,2-トリフルオロ-1,1- TDE
ジフェニル)エチルスルフェンアミド
3-ニトロ-2-ピリジンスルフェンアミド Npys
p-トルエンスルホアミド Ts
ベンゼンスルホアミド
【0090】
本発明の特定のエクチナサイジン産物は、式(XVIII)の化合物:
【化32】
Figure 0004942900
[式中、R1及びR4は、式(IV)、(V)、(VI)、または(VII):
【化33】
Figure 0004942900
の基を形成し;
より特には(IV)または(V)基を形成し;
R21は-H、-OHまたは-CNであり、とりわけ-OHまたは-CNである]
及びそのアシル誘導体、とりわけ5-アセチル誘導体を含む5-アシル誘導体を含む。
【0091】
一般的に、21-シアノ開始化合物の、例えば式(XVIII)のエクチナサイジン産物への変換は、以下の工程を含む:
a)もし必要であれば、環Eについてのキノンシステムのフェノールシステムへの変換;
b)もし必要であれば、環Aについてのキノンシステムのフェノールシステムへの変換;
c)環Aについてのフェノールシステムのメチレンジオキシフェノール環への変換;
d)環Bにおける1位及び4位を結ぶ、式(IV)、(VI)または(VII)の架橋スピロ環システムの形成;並びに
e)アシル化のような適当な誘導化。
工程(a)の、もし必要であれば、環Eについてのキノンシステムのフェノールシステムへの変換は、従来の還元法によって達成できる。適切な試薬系は、パラジウム炭素を有する水素であるが、他の還元システムも使用できる。
工程(b)の、もし必要であれば、環Aについてのキノンシステムのフェノールシステムへの変換は、工程(a)と同様であり、さらなる詳細は必要でない。
工程(c)の、環Aについてのフェノールシステムのメチレンジオキシフェノール環への変換は、おそらく工程(b)と同様に、いくつかの方法で達成できる。例えば、キノン環Aは、7位でメトキシ置換基に置いて脱メチル化でき、ジヒドロキノンに還元でき、そしてCH2Br2、BrCH2Cl、またはメチレンジオキシ環システムを直接生産する同様な二価試薬といった適切な求電子試薬で、あるいは所望の環に変換できる置換化メチレンジオキシ環システムを生産するチオカルボニルジイミダゾールのような二価試薬でトラップできる。
工程(d)は典型的に、所望の架橋の形成を補助できる架橋剤で1位での適切な置換によって影響され、4位でエクセンドキノンメチドを形成し、そのメチドが1-置換基と反応を生じて、架橋化構造を生じる。好ましい架橋剤は、式(XIX)のものである:
【化34】
Figure 0004942900
[式中、Fuは-NHProt4aのような保護化官能基を示し、Prot3は保護基であり、点線は任意に二重結合を示す]。
【0092】
適切には、メチドは、環A及びBの接合部で10位でヒドロキシ基を最初に導入することによって形成され、式(XX)の部分構造を与える:
【化35】
Figure 0004942900
またはより好ましくは式(XXI)の部分構造を与える:
【化36】
Figure 0004942900
[式中、R"基は式(IV)、(V)、(VI)または(VII)の所望の基について選択される。最初の二つのそのような基については、R”基は典型的に、-CHFu-CH2-SProt3の形態を取る。次いで保護基が除去でき、適切なように修飾されて、所望の化合物を与える]。
【0093】
工程(d)についての典型的な方法は、米国特許第5,721,362号に提供され、それは参考として取り込まれる。特定の参考文献として、この米国特許のカラム8、工程(I)の部分及び実施例33、並びに関連する部分が上げられる。
【0094】
工程(e)における誘導体化は、例えばRa-CO-基でのアシル化を含むことができ、ここでRaは、アルキル、アルコキシ、アルキレン、アリールアルキル、アリールアルキレン、アミノ酸アシル、またはヘテロシクリルのような各種の基であることができ、それぞれは任意に、ハロ、シアノ、ニトロ、カルボキシアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、アルキル、アミノ、または置換アミノで置換されて良い。他のアシル化剤は、イソチオシアナート、例えばアリールイソチオシアナート、特にフェニルイソシアナートを含む。Raのアルキル、アルコキシ、またはアルキレン基は適宜1から6または12の炭素原子を有し、直鎖状、分枝状、または環状であることができる。アリール基は典型的に、フェニル、ビフェニル、またはナフチルである。ヘテロシクリル基は、芳香族または部分的若しくは完全に非置換であることができ、適宜4から8の環原子、より好ましくは5または6の環原子を有し、窒素、硫黄及び酸素から選択される一つ以上のヘテロ原子を有しても良い。
【0095】
網羅的にではないが、典型的なRa基は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、アリールアルキレン、ハロアルキルアリールアルキレン、アシル、ハロアシル、アリールアルキル、アルケニル、及びアミノ酸を含む。例えば、Ra-CO-は、アセチル、トリフルオロアセチル、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル、イソバレリルカルボニル、trans-3-(トリフルオロメチル)シンナモイルカルボニル、ヘプタフルオロブチリルカルボニル、デカノイルカルボニル、trans-シンナモイルカルボニル、ブチリルカルボニル、3-クロロプロピルカルボニル、シンナモイルカルボニル、4-メチルシンナモイルカルボニル、ヒドロシンナモイルカルボニル、またはtrans-ヘキセノイルカルボニル、またはアラニル、アルギニル、アスパルチル、アスパラギル、シスチル、グルタミル、グルタミニル、グリシル、ヒスチジル、ヒドロキシプロリル、イソロイシル、ロイシル、リシル、メチオニル、フェニルアラニル、プロリル、セリル、トレオニル、チロニル、トリプトフィル、チロシル、バリル、並びに他のあまり一般的でないアミノ酸アシル基、並びにフタルイミド及び他の環状アミドであることができる。他の例は、挙げられた保護基の中で見出されても良い。-CO-Raがアミノ酸から由来し、アミノ基を含む化合物は、それ自体アシル誘導体を形成できる。適切なN-アシル化合物は、次々にN-アシル誘導体を形成できるジペプチドを含む。
【0096】
説明のために、従来記載された方法より、短く直接的にET-743を調製する方法を生じる、式2のシアノサフラシンB化合物をET-743に変換することが可能である。
【0097】
化合物29を使用するET-743の調製のためのレトロ合成分析は、スキームIに表される。
スキームI
【化37】
Figure 0004942900
【0098】
前述のスキームIに引き続き、21の連続した工程でET-743を得ることが可能である。この方法は、(1)環Aに配置されたメトキシ基の除去、(2)環Aの還元と一つのポットでのメチレン−ジオキシ基の形成、(3)炭素1に配置されたアミド官能基の加水分解、(4)生成したアミン基のヒドロキシル基への変換を必須に含む反応の系列を通じて、シアノサフラシンBを中間体25に変換する。さらにこの方法は、中間体27を形成するためにシステイン残基29を直接的に使用して、化合物25の環Bにおける1位での第一級アルコール官能基の保護と脱保護を避ける。システイン誘導体29は、存在するアリル基とMOM基との適合性を有するために、β-β-β-トリクロロエトキシカルボニル保護基でアミン基において保護される。中間体27は直接的に酸化されて環状化される。合成の後の工程での異なる脱保護ストラテジーと共にこれらの環境は、前記経路を、新規で、米国特許第5,721,362号の方法よりも産業上の開発に適したものとする。
【0099】
2-シアノ化合物の中間体25への変換は通常、以下の工程を含む(スキームII参照):
2をtert-ブトキシカルボニル無水物と反応させることによる、式14の保護化化合物の形成;
アセトニトリルにおいてブロモメチルメチルエーテルとジイソプロピルエチルアミンでの反応による、14の式15のジ保護化化合物への変換;
水酸化ナトリウムのメタノールセイヨウ液との反応によって式16の化合物を得るための、15におけるキノンシステムのメトキシ基の選択的除去;
次の好ましい系列を使用することによる、16の式18のメチレン−ジオキシ化合物への変換:(1)化合物16のキノン基を水素雰囲気下で10%Pd/Cで還元する;(2)水素雰囲気下でブロモクロロメタンと炭酸セシウムでの反応により、ヒドロキノン中間体を式17のメチレンジオキシ化合物に変換する;(3)OCH2R基として遊離ヒドロキシル基を保護することにより、17を式18の化合物に変換する。この反応は、BrCH2Rと炭酸セシウムで実施され、ここでRはアリール、CH=CH2、OR'等であることができる;
ジオキサンにおけるHClの溶液との反応により式19の化合物を得るために、18のtert-ブトキシカルボニルとメチルオキシメチル保護基の除去。この反応は、ジクロロメタンにおけるトリフルオロ酢酸の溶液と18を混合することによっても達成される;
フェニルイソチオシアナートと19を反応させることによる、式20のチオウレア化合物の形成;
ジオキサンにおける塩化水素の溶液と反応させることによる、式20の化合物の式21のアミン化合物への変換;
トリクロロエチルクロロホルマートとピリジンとの反応による、式21の化合物のN-Troc誘導体22への変換;
ブロモメチルメチルエーテルとジイソプロピルエチルアミンとの22の反応による、式23の保護化ヒドロキシ化合物の形成;
酢酸と亜鉛との反応による、式23の化合物のN-H誘導体24への変換;
酢酸における亜硝酸ナトリウムとの反応による、式24の化合物の式25のヒドロキシ化合物への変換。別法として、酢酸とアセトニトリルの混合物において四酸化窒素を使用し、引き続き水酸化ナトリウムで処理することもできる。また、無水酢酸−酢酸の混合物において亜硝酸ナトリウムを使用し、引き続き水酸化ナトリウムで処理することもできる。
スキームII
【化38】
Figure 0004942900
【化39】
Figure 0004942900
【0100】
システイン誘導体29を使用する中間体25のET-743への変換は通常、以下の工程を含む(スキームIII参照):
スキームIII
【化40】
Figure 0004942900
【化41】
Figure 0004942900
(S)-N-2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル-S-(9H-フルオレン-9-イルメチル)システイン29で、第一級ヒドロキシル官能基を保護することによる、式24の化合物の誘導体30への変換;
トリブチルチンヒドリドとジクロロパラジウム-ビス(トリフェニルホスフィン)でのアリール基の切断による、式30の保護化化合物のフェノール誘導体31への変換;
低温でのベンゼンセレニニックアンヒドリドでの酸化による、式31のフェノール化合物の式32の化合物への変換;
以下の系列による、式32のヒドロキシ化合物のラクトン33への変換:(1)2当量のトリフリックアンヒドリドと5当量のDMSOと、式32の化合物を反応させること;(2)引き続き8当量のジイソプロピルエチルアミンと反応させること;(3)引き続き4当量のt-ブチルアルコールと反応させること;引き続き10当量の酢酸無水物と反応させること;
TMSでのMOM保護基の除去による、ラクトン化合物33のヒドロキシル化合物34への変換;
Zn/AcOHでの反応による、式34の化合物のN-トリクロロエトキシカルボニル基の化合物35への切断;
N-メチルピリジニウムカルボキサルデヒドクロリド、引き続きDBUでの反応による、アミノ化合物35の対応するα-ケトラクトン化合物36への変換;
式36の化合物を3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニルエチルアミンでの反応による、ET-770の形成;
AcN/H2Oの混合物中の硝酸銀での反応による、ET-770のET-743への変換。
【0101】
中間体11及び関連中間体の形成
レトロ合成分析は、以下の系列において記載される。
【化42】
Figure 0004942900
【0102】
本発明では、鍵となるクラスの中間体は中間体11を含み、以下の一般式(XXI)を有する:
【化43】
Figure 0004942900
[式中、Prot1及びProt2は、ヒドロキシ保護基であり、好ましくは異なる;中間体11自体では、Prot1基はメトキシメチル基であり、Prot2基はt-ブチルジフェニルシリル基である]。
【0103】
21-シアノ化合物の中間体11または式(XXI)の関連中間体への変換は、通常以下の工程を含む:
a)もし必要であれば、環Eについてのキノンシステムのフェノールシステムへの変換;
b)環Eにおける18位での-OProt1基の形成;
c)環Bにおける1位での-CH2-OProt2基の形成;及び
d)もし必要であれば、環Aについてのキノンシステムのフェノールシステムへの変換;
e)環Aについてのフェノールシステムのメチレンジオキシフェノール環への変換。
【0104】
工程(b)の環Eにおける18位での-OProt1基の形成は、フェノール基に対する典型的な保護反応であり、特別なコメントを記す必要はない。適当な条件は、保護基の性質に依存して選択される。他の工程は、他の反応と同様である。
【0105】
工程(c)の環Bにおける1位での-CH2-OProt2基の形成は、1位で-CH2NH2基を形成し、次いでアミン官能基をヒドロキシ官能基に変換して保護することによって通常実施される。かくして、開始材料が、-CH2-NH-CO-CR25aR25bR25cであるR1基を有する場合、それはN-アシル基を除去することを意味する。開始材料が、-CH2-O-CO-CRであるR1基を有する場合、R1置換基が同じものであるエクチナサイジン産物のために変化は必要ないであろう。他の産物については、O-アシル基を除去することを意味する。各種の方法が、そのような脱アシル化に対して利用可能である。一つの変形例では、脱アシル化及びヒドロキシ官能基への変換は、一工程で実施される。その後、ヒドロキシ基はアシル化され、さもなければ適用なR1基を与えるように変換できる。
【0106】
米国特許第5,721,362号は、長い複数の工程の合成を通じてET-743を作製する合成方法を記載する。この合成の中間体の一つが中間体11である。開始材料としてシアノサフラシンBを使用することで、そのような中間体を作製するためにずっとより短い方法を提供して中間体11に到達し、それ故ET-743の作成方法を改良することが可能である。
【0107】
シアノサフラシンBは、前述の方法により中間体25に変換できる。中間体25から、スキームVIIの以下の工程を使用して中間体11に到達することが可能である:
塩基の存在下でtert-ブチルジフェニルシリルクロリドと25を反応させることによる、式26の保護化ヒドロキシ化合物の形成;
26におけるアリール基を、トリブチルチンヒドリドをジクロロパラジウム−ビス(トリフェニルホスフィン)で最終切断し、中間体11の形成を導く。
スキームVII
【化44】
Figure 0004942900
【0108】
サフラシンBを中間体11に変換するための本発明の合成方法の一つの実施態様は、スキームVIIIの改変と伸長であり、以下の連続する工程を含む:
酸性媒体中のKCNと反応させることにより、OHの選択的な置換によって、化合物サフラシンBの式2の化合物への立体特異的変換;
フェニルイソチオシアナートと式2の化合物を反応させることによる、式3のチオウレア化合物の形成;
酸性媒体中の加水分解、引き続き酢酸無水物の添加による、式3のチオウレア化合物の式5のアセタミドへの変換;式4の中間体アミン化合物は、二炭酸ナトリウムでの酸性媒体中の加水分解の停止によって単離できるが、この中間体は非常に不安定であり、化合物6と称される5員環アミンに迅速に変換される;
ジクロロメタン中のブロモメチルメチルエーテルとジイソプロピルエチルアミンとの反応による、式7の保護化化合物の形成;水酸化ナトリウムのメタノール性溶液との反応による、式7の化合物のキノンシステムのメトキシ基の式8の化合物への選択的脱メチル化;
好ましい以下の系列による、式8の化合物の式9のメチレンジオキシ化合物への変換:(1)化合物8のキノン基を、水素雰囲気下で10%Pd/Cで還元する;(2)水素雰囲気下でブロモクロロメタンと炭酸セシウムとで反応させることによって、ヒドロキノン中間体を式9のメチレン−ジオキシ化合物へ変換する;(3)BrCH2R(式中、Rはアリール、CH=CH2、OR'等である)と炭酸セシウムとで反応させることによって、OCH2R基として遊離ヒドロキシル基を保護することにより、式9の化合物を式10の化合物へ変換する;
酢酸と酢酸無水物の混合物中の四酸化窒素での反応、引き続き水酸化ナトリウムでの処理による、式10の化合物のアセタミド基の式25の対応するヒドロキシル基への変換;別法として、酢酸無水物と酢酸の混合物中の亜硝酸ナトリウムの使用、引き続き水酸化ナトリウムでの処理によっても達成できる;別法として、式10の化合物のアセタミド基を、ヒドラジン、またはBoc2O、DMAP、引き続きヒドラジンと反応させることによって、第一級アミン基に変換できる;4-ホルミル-1-メチルピリジニウムベンゼンスルホナートまたは他のピリジニウムイオンでの、第一級アミンの対応するアルデヒドへの酸化的変換、引き続きDBUまたは他の塩基での処理及びさらなる加水分解、さらに引き続きリチウムアルミニウムヒドリドまたは他の還元剤での、アルデヒドの対応するヒドロキシル基への還元によって、そのような第一級アミンを対応するヒドロキシル基に変換できる;
ジクロロメタン中のt-ブチルジフェニルシリルクロリドとジメチルアミノピリジンとで反応させることによる、式26の保護化化合物の形成(スキームVII);
還元条件または酸性条件下での反応によってOCH2R保護基を脱保護することによる、式26のシリル化化合物の中間体11への変換。典型的な方法は、水素雰囲気下または水性TFAでパラジウムブラックを使用し、またはトリブチリルヒドリドとジクロロビス(トリフェニルホスフィンパラジウム)を使用する。
スキームVIII
【化45】
Figure 0004942900
【0109】
また別の実施態様では、式2のシアノ化合物は、以下のさらなる工程を含むスキームIIの伸長を使用して、中間体11に変換できる:
塩基の存在下でtert-ブチルジフェニルシリルクロリドと25を反応させることによる、式26の保護化ヒドロキシ化合物の形成;
26中のアルキルの、トリブチリルヒドリド及びジクロロパラジウム−ビス(トリフェニルホスフィン)での最終切断により、中間体11の形成を導く。
【0110】
かくして、これら及び他の経路によって、潜在的な抗腫瘍治療活性を有する数多くの中間体及び誘導体に、シアノサフラシンBを変換することが可能である。これらの中間体は、前述の化合物から開始して、または別の経路を使用して作製できる。
【0111】
新規な中間体化合物
前述の説明に照らし、本発明は新規な中間体化合物を提供することが理解できる。環Aに依存して、中間体は、式(XXIIa):
【化46】
Figure 0004942900
または式(XXIIb):
【化47】
Figure 0004942900
[式中、R1は-CH2NH2または-CH2OH、あるいはそのような基の保護化若しくは誘導化バージョンであり、R4は-Hであり;
またはR1aとR4は共に以下の式(IV)、(V)、(VI)若しくは(VII):
【化48】
Figure 0004942900
であり;
R5は-OHまたはそのような基の保護化若しくは誘導化バージョンであり;
R14aとR14bは両者-Hであり、または一方は-Hで他方は-OH、またはそのような基の保護化若しくは誘導化バージョン、-OCH3若しくは-OCH2CH3であり、またはR14aとR14bは共にケト基を形成し;
R12は-H-、-CH3-または-CH2CH3-であり;
R15は-H、-OHまたはそのような基の保護化若しくは誘導化バージョンであり;並びに
R18は-OHまたはそのような基の保護化若しくは誘導化バージョンである]
を有する。
【0112】
一つの実施態様では、好ましくはR1、R5、R14a、R14b、R15またはR18の少なくとも一つは、保護化または誘導化基である。
【0113】
本発明の一つの変形例では、R1基はtert-ブチルジフェニルシリル置換基ではなく、及び/又はR18基はメトキシメチル基ではない。
【0114】
好ましくは、R1は-CH2NH2または-CH2OH、またはそのような基の保護化若しくは誘導化バージョンであり、R4は-Hであり;
またはR1aとR4は共に以下の基:
【化49】
Figure 0004942900
を形成する。
【0115】
好ましくはR14aとR14bは両方-Hである。
【0116】
中間体の一つの好ましいクラスは、以下の式:
【化50】
Figure 0004942900
の化合物25と同定される化合物を含む。
【0117】
それ故この好ましいクラスは、MOM基がいずれかの他の保護基によって置換されている一般式を有する。
【0118】
他の好ましい中間体は、化合物45及び43として同定される化合物を含む(スキームIX)。
【化51】
Figure 0004942900
【0119】
他のN-アシル誘導体は、化合物45から容易に調製され、本発明の重要な一部である。適切なアシル基は、前述のものを含む。対応する21-ヒドロキシ化合物もまた有用であり、見出された活性な化合物の中にある。
【0120】
新規な活性化合物
我々は、中間体として最初に調製された本発明の特定の化合物が、白血病、肺ガン、大腸ガン、腎臓ガン、及びメラノーマ等のガンの治療において格別に活性を有することをさらに見出した。
【0121】
かくして本発明は、治療上の有効量の本発明の化合物、またはその製薬組成物を、罹患した患者に投与することを含む、ガンに罹患したいずれかの哺乳動物、特にヒトの治療方法を提供する。
【0122】
本発明はまた、活性成分として本発明の化合物を含む製薬調製物、並びにその調製方法に関する。
【0123】
製薬組成物の例は、適切な組成を有し、経口、局所的または非経口投与のためのいずれかの固体(錠剤、丸薬、カプセル、顆粒等)または液体(溶液、懸濁液またはエマルション)を含み、それらは純粋な化合物またはいずれかの担体若しくは薬理学的活性化合物と組み合わせて含んでもよい。これらの組成物は、非経口で投与される場合滅菌されている必要があるであろう。
【0124】
本発明の化合物または組成物の投与は、静脈点滴、経口調製物、腹膜内及び静脈内投与のようないずれかの適切な方法によって良い。24時間、より好ましくは2-12時間、最も好ましくは2-6時間の点滴時間を使用することが好ましい。病院での一晩の治療を実施する必要のない短い点滴時間が特に望ましい。しかしながら、点滴は12から24時間であっても良く、必要であればさらに長くても良い。点滴はまた、2から4週間の適切な間隔で実施されても良い。本発明の化合物を含む製薬組成物は、持続放出製剤としてリポソームまたはナノスフェアによって、あるいは他の標準的な輸送手段によって輸送されても良い。
【0125】
化合物の正確な投与量は、特定の処方、適用の態様、及び特定の状態、ホスト、及び治療される腫瘍に従って変化するであろう。年齢、体重、性別、食事、投与時間、排泄速度、ホストの状態、薬剤の組み合わせ、反応感度、及び疾患のひどさのような他の因子も考慮されるであろう。投与は、最大の耐性投与量で連続的にまたは断続的に実施できる。
【0126】
本発明の化合物及び組成物は、混み合わせ治療を提供するために他の薬剤と共に使用されても良い。他の薬剤は同じ組成物の一部を形成しても良く、または同時若しくは異時に投与される別個の組成物として提供されても良い。他の薬剤の同定は特異に制限されず、適切な候補は以下のものを含む:
a)抗細胞分裂効果を有する薬剤、特に微小管調節剤を含む細胞骨格エレメントを標的とするもの、例えばタクサン薬剤(例えばタクソール、パクリタクセル、タクソテレ、ドセタクセル)、ポドフィロトキシン、またはビンカアルカノイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン);
b)代謝拮抗剤、例えば5-フルオロウラシル、シタラビン、ゲンシタラビン、ペントスタチンのようなプリン類似体、メトトレキセート;
c)アルキル化剤、例えばナイトロジェンマスタード(例えばシクロホスファミドまたはイソファミド);
d)DNAを標的とする薬剤、例えばアントラサイクリン薬剤アドリアマイシン、ドクソルビシン、ファルモルビシン、またはエピルビシン;
e)エトポシドのようなトポイソメラーゼを標的とする薬剤;
f)ホルモン及びホルモンアゴニストまたはアンタゴニスト、例えばエストロゲン、アンチエストロゲン(タモキシフェン及び関連化合物)、及びアンドロゲン、フルタミド、ロイプロレリン、ゴセレリン、シプロトロン、またはオクトレオチド;
g)ヘルセプチンのような抗体誘導体を含む腫瘍細胞におけるシグナル伝達を標的とする薬剤;
h)アルキル化剤、例えば白金薬剤(シスプラチン、カルボンプラチン、オキサリプラチン、パラプラチン)、またはニトロソウレア;
i)マトリックスメタロプロテイナーゼインヒビターのような腫瘍の転移に強力に影響する薬剤;
j)遺伝子治療薬及びアンチセンス薬;
k)抗体治療剤;
l)海洋起源の他の生体活性化合物、特にアプリジンのようなジデミン;
m)ステロイド類似体、特にデキサメタゾン;
n)抗炎症剤、特にデキサメタゾン;並びに
o)抗嘔吐剤、特にデキサメタゾン。
【0127】
本発明はまた、治療方法での使用のための本発明の化合物、及びガンの治療のための組成物の調製における化合物の使用に及ぶ。
【0128】
細胞毒性活性
細胞培養物:Earle's Balanced Salts、2.0mM L-グルタミン、非必須アミノ酸を補い、二炭酸ナトリウム(EMEM/neaa)を有さないイーグルス最小必須培地に、10%胎児ウシ血清(FCS)、10-2M二炭酸ナトリウム、0.1g/lペニシリン-g+硫酸ストレプトマイシンを補ったもので、対数増殖期に細胞を維持した。
【0129】
単純なスクリーニング法を実施して、Bergeron等(1984)によって記載された方法の応用形態を使用して、これらの化合物の抗腫瘍活性を測定して比較した。使用された腫瘍細胞系は、P-388(DBA/2マウス由来いのリンパ新生物の懸濁培養物)、A-549(ヒト肺カルシノーマの単一層培養物)、HT-29(ヒト大腸カルシノーマの単一層培養物)、及びMEL-28(ヒトメラノーマの単一層培養物)であった。
【0130】
P-388細胞を、示された濃度の薬剤を含むMEM 5FCSの1ml等量物中で、ウェルあたり1×104細胞で16mmウェルに接種した。薬剤を含まない別のセットの培養物をコントロール増殖として接種し、細胞が対数増殖期に維持されていることを確認した。全ての測定を二重で実施した。98%湿度環境で37℃、10%CO2でのインキュベーションの3日後、およそのIC50を、コントロールウェル中の増殖に対する薬剤を有するウェル中の増殖を比較することによって測定した。
【0131】
A-549、HT-29及びMEL-28を、示された濃度の薬剤を含むMEM 10FCSの1ml等量物中で、ウェルあたり2×104細胞で16mmウェル内に接種した。薬剤を含まない別個のセットの培養物をコントロール増殖として接種し、細胞が対数増殖期に維持されていることを確認した。全ての測定を二重で実施した。98%湿度環境で37℃、10%CO2でのインキュベーションの3日後、細胞を0.1%Crystal Violetで染色した。およそのIC50を、コントロールウェルにおける増殖に対する薬剤を有するウェルにおける増殖を比較することによって測定した。
【0132】
1. Raymond J. Bergeron, Paul F. Cavanaugh, Jr., Steven J. Kline. Robert G. Hughes, Jr., Gary T. Elliot及びCarl W. Potter. Antineoplastic and antiherpetic activity of spermidine catecholamide iron chelators. Biochem. Bioph. Res. Comm. 1984, 121(3), 848-854
【0133】
2. Alan C. Schroeder, Robert G. Hughes, Jr.及びAlexander Bloch. Effects of Acyclic Pyrimidine Nucleoside Analoges. J. Med. Chem. 1981, 24 1078-1083
【0134】
細胞毒性活性
【表4】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
Figure 0004942900
Figure 0004942900
Figure 0004942900
Figure 0004942900
Figure 0004942900
Figure 0004942900
Figure 0004942900
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0135】
かくして、本発明の活性化合物は、10-ヒドロキシ基と1-ラビル基を有する化合物を含む。
【0136】
本発明の重要な方法は、以下の反応を含む:
【化52】
Figure 0004942900
【0137】
本発明の別の重要な方法は、以下の反応を含む:
【化53】
Figure 0004942900
【0138】
本発明の別の重要な方法は、R1基がアミノメチレン基であり、ヒドロキシメチレン基に変換される反応を含む。
【0139】
本発明の別の重要な方法は、R1基がヒドロキシメチレン基であり、式(XIX):
【化54】
Figure 0004942900
[式中、Fuは保護化官能基を示し、Prot3は保護基をであり、点線は任意の二重結合を示す]
の試薬と反応させる反応を含む。
【0140】
本発明の別の重要な方法は、式(XV):
【化55】
Figure 0004942900
[式中、R1、R5、R8、R14a、R14b、R15及びR18は記載された通りであり、R21はヒドロキシ基であり、シアニドイオンの供給源で所望の21-シアノ化合物を生ずる]の化合物を反応させることを含む、式(XVI)の21-シアノ化合物の調製のための反応を含む。
【0141】
さらに、21位が別の求核基、21-Nuc基によって保護された式(XVI)の同様な化合物を生産するための、別の求核原子含有化合物を使用する方法も考慮されて良い。例えば、21-位でアルキルアミノ置換基を有する式(XVI)の21-Nuc化合物が、R21がヒドロキシ基である式(XV)の化合物を適切なアルキルアミドと反応させることによって生産できる。別法として、21-位でカルボニルアルキル置換基を有する式(XVI)の21-Nuc化合物が、R21がヒドロキシル基である式(XV)の化合物を、適切なカルボニル化合物と典型的に塩基の存在下で反応させることによって生産できる。他の合成経路は、他の21-Nuc化合物について利用可能である。
【0142】
本発明の別の重要な反応は、21-ヒドロキシ化合物を形成するための本発明の21-シアノ産物の処理を含む。そのような化合物は、興味深いin vivoの特性を有する。
【0143】
【実施例】
本発明は、以下の実施例によって説明される。
【0144】
実施例1
【化56】
Figure 0004942900
エタノール(200ml)中の2(21.53g, 39.17mmol)の溶液に対して、tert-ブトキシカルボニルアンヒドリド(7.7g, 35.25mmol)を加え、混合物を23℃で7時間攪拌した。次いで反応物を真空下で濃縮し、残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:酢酸エチル6:4)によって精製し、黄色の固体として14(20.6g, 81%)を得た。
【数1】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0145】
実施例2
【化57】
Figure 0004942900
CH3CN(159ml)中の14(20.6g, 31.75mmol)の攪拌溶液に対して、ジイソプロピルエチルアミン(82.96ml, 476.2mmol)、メトキシメチレンブロミド(25.9ml, 317.5mmol)及びジメチルアミノピリジン(155mg, 1.27mmol)を0℃で加えた。混合物を23℃で24時間攪拌した。反応を水性0.1N HCl(750ml)(pH=5)で0℃で停止し、CH2Cl2(2×400ml)で抽出した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:酢酸エチル4:1からヘキサン:酢酸エチル3:2の勾配)によって精製し、黄色の固体として15(17.6g, 83%)を得た。
【数2】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0146】
実施例3
【化58】
Figure 0004942900
メタノール(1.6l)中に15(8g, 1.5ml)を含むフラスコに、1M水酸化ナトリウムの水溶液(3.2l)を0℃で加えた。反応物をこの温度で2時管攪拌し、次いで6M HClで停止してpH=5にした。この混合物を酢酸エチルで抽出し(3×1l)、結合した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3からCHCl3:酢酸エチル2:1の勾配)によって精製し、
16(5.3mg, 68%)を得た。
【数3】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0147】
実施例4
【化59】
Figure 0004942900
DMF(221ml)中の化合物16(1.8g, 2.64mmol)の脱気溶液に対して、10%Pd/C(360mg)を加え、45分間H2(雰囲気圧力)の下で攪拌した。反応物を、無水Cs2CO3(2.58g, 7.92mmol)を含むフラスコに対して、アルゴンの下でセライトで濾過した。次いで、ブロモクロロメタン(3.40ml, 52.8mmol)を加え、チューブを密封し、2時間100℃で攪拌した。反応物を冷却し、セライトのパッドで濾過し、CH2Cl2で洗浄した。有機層を濃縮して乾燥し(硫酸ナトリウム)、褐色のオイルとして17を得、それをさらに精製することなく次の工程で使用した。
【数4】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0148】
実施例5
【化60】
Figure 0004942900
DMF(13ml)中に17(1.83g, 2.65mmol)の溶液を含むフラスコに対して、Cs2CO3(2.6g, 7.97mmol)及びアルキルブロミド(1.15ml, 13.28mmol)を0℃で加えた。
生成した混合物を23℃で1時間攪拌した。反応物をセライトのパッドで濾過し、CH2Cl2で洗浄した。有機層を乾燥して乾燥した(硫酸ナトリウム)。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:酢酸エチル1:4)によって精製し、白色の固体として18(1.08mg, 56%)を得た。
【数5】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0149】
実施例6
【化61】
Figure 0004942900
ジオキサン(2ml)中の18(0.1g, 0.137mmol)の溶液に対して、4.2M HCl/ジオキサン(1.46ml)を加え、混合物を23℃で1.2時間攪拌した。反応を飽和水性二炭酸ナトリウム(60ml)で0℃で停止し、酢酸エチル(2×70ml)で抽出した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、真空下で濃縮して、白色の固体として19(267mg, 95%)を得、それをさらに精製することなく後の反応で使用した。
【数6】
Figure 0004942900
【0150】
実施例7
【化62】
Figure 0004942900
CH2Cl2(1.5mmol)中の19(250mg, 0.42mmolの溶液に対して、フェニルイソチオシアナート(0.3ml, 2.51mmol)を加え、混合物を23℃で1時間攪拌した。反応物を真空下で濃縮し、残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサンからヘキサン:酢酸エチル5:1の勾配)によって精製し、白色の固体として20(270mg, 87%)を得た。
【数7】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0151】
実施例8
【化63】
Figure 0004942900
ジオキサン(1ml)中の20(270mg, 0.37mmol)の溶液に対して、4.2N HCl/ジオキサン(3.5ml)を加え、反応物を23℃で30分攪拌した。次いで、酢酸エチル(20ml)とH2O(20ml)を加え、有機層を捨てた。水性相を飽和水性二炭酸ナトリウム(60ml)(pH=8)で0℃で塩基化し、次いでCH2Cl2(2×50ml)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を乾燥し(硫酸ナトリウム)真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、酢酸エチル:メタノール5:1)によって精製し、白色の固体として化合物21(158mg, 82%)を得た。
【数8】
Figure 0004942900
【0152】
実施例9
【化64】
Figure 0004942900
CH2Cl2(6.13ml)中の21(0.64g, 1.22mmol)の溶液に対して、ピリジン(0.104ml, 1.28mmol)と2,2,2-トリクロロエチルクロロホルマート(0.177ml, 1.28mmol)を-10℃で加えた。混合物をこの温度で1時間攪拌し、次いで反応を0.1N HCl(10ml)の添加により停止し、CH2Cl2(2×10ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:酢酸エチル2:1)によって精製し、白色の泡状の固体として22(0.84g, 98%)を得た。
【数9】
Figure 0004942900
【0153】
実施例10
【化65】
Figure 0004942900
CH3CN(2.33ml)中の22(0.32g, 0.46mmol)の溶液に対して、ジイソプロピルエチルアミン(1.62ml, 9.34mmol)、ブロモメチルエーテル(0.57ml, 7.0mmol)、及びジメチルアミノピリジン(6mg, 0.046mmol)を0℃で加えた。混合物を30℃で10時間加熱した。次いで反応物をジクロロメタン(30ml)で希釈し、pH=5(10ml)でHClの水溶液に注いだ。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去して残余物を得、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:酢酸エチル2:1)によって精製し、白色の泡状の固体として23(0.304g, 88%)を得た。
【数10】
Figure 0004942900
【0154】
実施例11
【化66】
Figure 0004942900
90%水性酢酸(4ml)中の23(0.304g, 0.41mmol)の懸濁液に対して、粉状亜鉛(0.2g, 6.17mmol)を加え、反応物を23℃で7時間攪拌した。混合物をセライトのパッドで濾過し、それをCH2Cl2で洗浄した。有機層を、二炭酸ナトリウムの水性飽和溶液(pH=9)(15ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、白色の固体として24(0.191g, 83%)を得た。
【数11】
Figure 0004942900
【0155】
実施例12
【化67】
Figure 0004942900
H2O(0.7mmol)とTHF(0.7mmol)中の24(20mg, 0.035mmol)の溶液に対して、NaNO2(12mg, 0.17mmol)と90%水性AcOH(0.06ml)を0℃で加え、混合物を0℃で3時間攪拌した。CH2Cl2(5ml)で希釈した後、有機層を水(1ml)デセン上司、硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:酢酸エチル2:1)によって精製し、白色の固体として25(9.8mg, 50%)を得た。
【数12】
Figure 0004942900
【0156】
実施例13
【化68】
Figure 0004942900
開始材料(2.0g, 5.90mmol)を、23℃でTHF(40ml)中の水酸化ナトリウム(354mg, 8.86mmol)の懸濁液に加え、引き続き懸濁物を23℃でアリルクロロホルマート(1.135ml, 8.25mmol)で処理し、次いで3時間還流した。懸濁物を冷却し、濾過し、固体を酢酸エチル(100ml)で洗浄し、濾過物を濃縮した。油性の粗物をヘキサン(100ml)でのばし、4℃で一晩維持した。その後溶媒を捨て、明黄色のスラリーをCH2Cl2(20ml)で処理し、ヘキサン(100ml)で沈降した。10分後、溶媒を再び捨てた。白色の固体が現れるまで操作を繰り返した。白色の固体を濾過し、乾燥して、白色の固体として化合物29(1.80g, 65%)を得た。
【数13】
Figure 0004942900
【0157】
実施例14
【化69】
Figure 0004942900
化合物25(585mg, 1.03mmol)と化合物29(1.47mg, 3.11mmol)の混合物を、無水トルエン(3×10ml)で共沸した。無水CH2Cl2(40ml)中の25と29の溶液に対して、23度でDMAP(633mg, 5.18mmol)とEDC・HCl(994mg, 5.18mmol)を加えた。反応混合物を23℃で3時間攪拌した。混合物を二炭酸ナトリウム(50ml)の飽和水溶液で分配し、層を分離した。水性相をCH2Cl2(50ml)で洗浄した。組み合わされた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン1:3)によって精製し、パール状のクリーム黄色の固体として30(1.00g, 95%)を得た。
【数14】
Figure 0004942900
【0158】
実施例15
【化70】
Figure 0004942900
30(845mg, 0.82mmol)の溶液に対して、無水CH2Cl2(20ml)中の酢酸(500mg, 8.28mmol)と(PPh3)2PdCl2(29mg, 0.04mmol)を23℃で加え、滴下してBu3SnH(650mg, 2.23mmol)を加えた。反応混合物をこの温度で15分攪拌し、気泡を生じさせた。粗物を水(50ml)で停止し、CH2Cl2(3×50ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮した。粗物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサンで1:5から1:3の勾配)によって精製し、パール状のクリーム黄色固体として化合物31(730mg, 90%)を得た。
【数15】
Figure 0004942900
【0159】
実施例16
【化71】
Figure 0004942900
-10℃で無水CH2Cl2(15ml)中の31(310mg, 0.32mmol)の溶液に対して、カニューレを介して無水CH2Cl2(7ml)中のベンゼンセレニニックアンヒドリド70%(165mg, 0.32mmol)の溶液を加え、温度を-10℃に維持した。反応混合物を-10℃で5分攪拌した。二炭酸ナトリウムの飽和溶液(30ml)をこの温度で加えた。水性相をさらなるCH2Cl2(40ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮した。粗物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサンで1:5から1:1の勾配)によって精製し、パール状のクリーム黄色の固体として、且つ二つのアイソマーの混合物(65:35)として32(287mg, 91%, HPLC:91.3%)を得、それを次の工程で使用した。
【数16】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0160】
実施例17
【化72】
Figure 0004942900
反応フラスコを二回熱処理し、数回真空/アルゴンパージ処理し、反応のためアルゴン雰囲気に維持した。無水CH2Cl2(4.5ml)中のDMSO(39.1ml, 0.55mmol, 5当量)の溶液に対して、-78℃でトリフリックアンヒドリド(37.3ml, 0.22mmol, 2当量)を滴下して加えた。反応混合物を-78℃で20分攪拌し、次いで-78℃で無水CH2Cl2(主な添加のため1ml, 及び洗浄のため0.5ml)中の32(110mg, 0.11mmol, HPLC:91.3%)の溶液をカニューレを介して加えた。添加の間、温度を両フラスコで-78℃に維持し、発色が黄色から褐色に変化した。反応混合物を-40℃で35分攪拌した。この期間の間、溶液は黄色から暗緑色になった。この後、iPr2NEt(153ml, 0.88mmol, 8当量)を滴下して加え、反応混合物を0℃で45分維持し、溶液の発色はこの間で褐色となった。次いで、t-ブタノール(41.6ml, 0.44mmol, 4当量)と2-tブチル-1,1,3,3-テトラメチルグアニジン(132.8ml, 0.77mmol, 7当量)を滴下して加え、反応混合物を23℃で40分攪拌した。この後、酢酸無水物(104.3ml, 1.10mmol, 10当量)を滴下して加え、反応混合物を23℃でさらに1時間維持した。次いで反応混合物をCH2Cl2(20ml)で希釈し、NH4Clの水性飽和溶液(50ml)、二炭酸ナトリウム(50ml)及び塩化ナトリウム(50ml)で洗浄した。組み合わされた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサンで1:3から1:2の勾配)によって精製し、パール状の黄色の固体として化合物33(54mg, 58%)を得た。
【数17】
Figure 0004942900
【0161】
実施例18
【化73】
Figure 0004942900
無水ジクロロメタン(1.2ml)とHPLCグレードのアセトニトリル(1.2ml)中の33(12mg, 0.014mmol)の溶液に対して23℃で、ヨウ化ナトリウム(21mg, 0.14mmol)と新たに蒸留された(大気圧で水酸化カルシウムで)トリメチルシリルクロリド(15.4mg, 0.14mmol)を加えた。反応混合物をオレンジ色となった。15分後、溶液をジクロロメタン(10ml)で希釈し、新しいNa2S2O4(3×10ml)の水性飽和溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮した。パール状の黄色の固体として化合物34(13mg, 定量的)を得、それをさらに精製することなく使用した。
【数18】
Figure 0004942900
【0162】
実施例19
【化74】
Figure 0004942900
酢酸/H2Oの混合物(90:10, 1ml)中の34(13mg, 0.016mmol)の溶液に対して、23℃で粉状亜鉛(5.3mg, 0.08mmol)を加えた。反応混合物を70℃で6時間加熱した。この後、23℃に冷却し、CH2Cl2(20ml)で希釈し、二炭酸ナトリウムの水性飽和溶液(15ml)とEt3Nの水溶液(15ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮した。残余物をシリカ-NH2でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:酢酸エチル/ヘキサンの0:100から50:50の勾配)によって精製し、パール状の黄色の固体として化合物35(6.8mg, 二工程について77%)を得た。
【数19】
Figure 0004942900
【0163】
実施例20
【化75】
Figure 0004942900
無水DMF(5.8mL)中のN-メチルピリジン-4-カルボキサルデヒドイオダイド(378mg, 1.5mmol)の溶液を無水トルエンで処理し、トルエンとの共沸除去により水の量を除去した。無水CH2Cl2(CaH2, 7.2mLで蒸留)中の無水トルエン(210mL)で事前に処理された35(134mg, 0.21mmol)の溶液を、このオレンジ色の溶液に対してカニューレで23℃で加えた。反応混合物を23℃で4時間攪拌した。この後、DBU(32.2m
L, 0.21mmol)を23℃で滴下して加え、それを23℃で15分攪拌した。シュウ酸(5.8mL)の新たな水性飽和溶液を反応混合物に加え、23℃で30分攪拌した。次いで反応混合物を0℃に冷却し、NaHCO3を少しずつ加え、引き続きNaHCO3の水性飽和溶液を加えた。混合物をEt2Oで抽出した。K2CO3を水性相に加え、それをEt2Oで抽出した。組み合わされた有機層をMgSO4で乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。粗物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(AcOEt/ヘキサンの1/3から1/1の勾配)によって精製し、パール状の黄色の固体として化合物36(77mg, 57%)を得た。
【数20】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0164】
実施例21
【化76】
Figure 0004942900
エタノール(2.5ml)中の36(49mg, 0.08mmol)と2-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)エチルアミン(46.2mg, 0.27mmol)の溶液に対して、23℃でシリカゲルを加えた。反応混合物を23℃で14時間攪拌した。それをヘキサンで希釈し、クロマトグラフィーのカラムに注ぎ(酢酸エチル/ヘキサンの1/3から1/1の勾配)、パール状の黄色の固体としてEt-770(55mg, 90%)を得た。
【数21】
Figure 0004942900
【0165】
実施例22
【化77】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.8ml)中の21(22mg, 0.042mmol)の溶液に対して、フタル酸無水物(6.44mg, 0.042mmol)を加え、反応混合物を23℃で2時間攪拌した。次いでカルボニルジイミダゾール(1mg, 0.006mmol)を加え、混合物を23℃で7時間攪拌した。次いでカルボニルジイミダゾール(5.86mg, 0.035ml)を加え、反応物を23℃でさらに17時間攪拌した。溶液をCH2Cl2(15ml)で希釈し、0.1N HCl(15ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン/酢酸エチル2:1)によって精製し、白色の固体として27(26.4mg, 96%)を得た。
【数22】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0166】
実施例23
【化78】
Figure 0004942900
CH2Cl2(11ml)中の27(26mg, 0.041mmol)の溶液に対して、酢酸(11ml)、(PPh3)2PdCl2(2.36ng)、及びBu3SnH(28ml, 0.10mmol)を23℃で加えた。この温度で2時間攪拌した後、反応物をフラッシュカラム(SiO2、ヘキサンからヘキサン:酢酸エチル2:1の勾配)のパッドに注ぎ、白色の固体として28(24.7mg, 99%)を得た。
【数23】
Figure 0004942900
【0167】
実施例24
【化79】
Figure 0004942900
CH2Cl2中の28(357mg, 0.058mmol)の溶液に対して、アセチルクロリド(41.58ml, 0.58mmol)とピリジン(47.3ml, 0.58ml)を0℃で加えた。反応混合物を1時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(15ml)で希釈し、0.1N HCl(15ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(RP-18、CH3CN:H2O60:40)によって精製し、白色の固体としてフタラシジン(354mg, 94%)を得た。
【数24】
Figure 0004942900
【0168】
実施例25
【化80】
Figure 0004942900
CH2Cl2(2ml)中の17(300mg, 0.432mmol)の溶液に対して、アセチルクロリド(30.7ml, 0.432mmol)とピリジン(34.9ml, 0.432mmol)を0℃で加えた。反応混合物をこの温度で2時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(15ml)で希釈し、0.1N HCl(15ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、白色の固体として42(318mg, 100%)を得、それをさらに精製することなく後の反応で使用した。
【数25】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0169】
実施例26
【化81】
Figure 0004942900
CH2Cl2(2.16mmol)中の42(318mg, 0.432mmol)の溶液に対して、トリフルオロ酢酸(1.33ml, 17.30mmol)を加え、反応混合物を23℃で3.5時間攪拌した。反応を飽和水性二炭酸ナトリウム(60ml)で停止し、CH2Cl2(2×70ml)で停止した。組み合わされた有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、酢酸エチル:メタノール20:1)によって精製し、白色の固体として43(154mg, 60%)を得た。
【数26】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0170】
実施例27
【化82】
Figure 0004942900
CH2Cl2(1.3ml)中の43(154mg, 0.26mmol)の溶液に対して、フェニルイソチオシアナート(186ml, 1.56mmol)を加え、混合物を23℃で2時間攪拌した。反応物を真空下で濃縮し、残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサンからヘキサン/酢酸エチル1:1の勾配)によって精製し、白色の固体として44(120mg, 63%)を得た。
【数27】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0171】
実施例28
【化83】
Figure 0004942900
ジオキサン(0.9ml)中の44(120mg, 0.165mmol)の溶液に対して、5.3N HCl/ジオキサン(1.8ml)を加え、反応物を23℃で2.5時間攪拌した。次いでCH2Cl2(10ml)とH2O(5ml)をこの反応物に加え、有機層を捨てた。水性相を飽和水性二炭酸ナトリウム(20ml)(pH=8)で0℃で塩基化し、次いでCH2Cl2(2×15ml)で抽出した。組み合わされた有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、真空下で濃縮し、白色の固体として45(75mg, 87%)を得、それをさらに精製することなく次の反応で使用した。
【数28】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0172】
実施例29
【化84】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.4ml)中の45(10mg, 0.02mmol)の溶液に対して、フタル酸無水物(2.84mg, 0.02mmol)を加え、反応混合物を23℃で2時間攪拌した。次いでカルボニルジイミダゾール(0.5mg, 0.003mmol)を加え、混合物を23℃で7時間攪拌した。次いでカルボニルジイミダゾール(2.61mg, 0.016mmol)を加え、反応物を23℃でさらに7時間攪拌した。溶液をCH2Cl2(10ml)で希釈し、0.1N HCl(5ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(RP-18、CH3CN:H2O60:40)によって精製し、白色の固体としてフタラシジン(11.7mg, 93%)を得た。
【数29】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0173】
実施例30
【化85】
Figure 0004942900
DMF(0.05ml)中の25(18mg, 0.032mmol)の溶液に対して、cat. DMAP(0.5mg, 0.004mmol)、イミダゾール(5mg, 0.08mmol)及びtert-ブチルジフェニルシリルクロリド(12.5ml, 0.048mmolを0℃で加え、反応混合物を23℃で6時管攪拌した。水(10ml)を0℃で加え、水性層をヘキサン:酢酸エチル1:10(2×10mmol)で抽出した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:酢酸エチル3:1)によって精製し、白色の固体として26(27mg, 88%)を得た。
【数30】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0174】
実施例31
【化86】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.15ml)中の26(7mg, 0.0087mmol)の溶液に対して、酢酸(2.5ml, 0.044mmol)、(PPh3)2PdCl2(0.5mg, 6.96×10-4mmol)とBu3SnH(3.5ml, 0.013mmol)を23℃で加えた。反応混合物をこの温度で1時間攪拌した。溶液をヘキサン:酢酸エチル5:1の混合物で希釈し、フラッシュカラム(SiO2、ヘキサン:酢酸エチルの5:1から1:1の勾配)のパッドに注ぎ、白色の固体としてET-11(5mg, 75%)を得た。
【数31】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0175】
実施例32
【化87】
Figure 0004942900
CH2Cl2(27ml)中の2(3.0g, 5.46mmol)とフェニルイソチオシアナート(3.92mL, 32.76mmol)の溶液を、23℃で1.5時間攪拌した。反応混合物をCH2Cl2(10ml)とH2O(5ml)の間で分画した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサンからヘキサン:酢酸エチル2:3の勾配)によって精製し、黄色の固体として3(3.29g, 88%)を得た。
【数32】
Figure 0004942900
【0176】
実施例33
【化88】
Figure 0004942900
6.5M HCl/ジオキサン(150ml)中の3(0.143g, 0.208mmol)の溶液を23℃で6時間攪拌した。次いでこの溶液にトルエン(3ml)を加え、有機層を捨てた。残余物を、飽和水性二炭酸ナトリウム(3ml)とCHCl3(3×3ml)の間で分画した。有機層を乾燥し、濃縮して、4と6(4:6 90:10)の混合物として表題の化合物を得、それをゆっくりと環状化して目的の6を得た。
【数33】
Figure 0004942900
【0177】
実施例34
【化89】
Figure 0004942900
6.5M HCl/ジオキサン(150ml)中の3(0.143g, 0.208mmol)の溶液を23℃で1時間攪拌した。溶媒の蒸発により残余物を得、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール:トリエチルアミン100:25:0.1)によって精製し、黄色の固体として6(80mg 83%)を得た。
【数34】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0178】
実施例35
【化90】
Figure 0004942900
ジオキサン(5ml)中の3(2.38g, 3.47mmol)の溶液に対して、ジオキサン(34ml)中の5.3M HClを加え、反応物を23℃で45分攪拌した。次いでAc2O(51ml, 539.5mmol)を加え、混合物を4時間攪拌した。反応物を0℃に冷却し、水性飽和Na2CO3(300ml)と酢酸エチル(300ml)の間でこの温度で分画した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2からCH2Cl2:酢酸エチル1:2の勾配)によって精製し、黄色の固体として5(1.75g, 97%)を得た。
【数35】
Figure 0004942900
【0179】
実施例36
【化91】
Figure 0004942900
CH2Cl2(17ml)中の5(1.75g, 3.36mmol)の溶液に対して、ジイソプロピルエチルアミン(11.71ml, 67.23mmol)、DMAP(20mg, 0.17mmol)及びブロモメチルメチルエーテル(4.11ml, 50.42mmol)を0℃で加えた。23℃で6時間後、反応物をCH2Cl2(50ml)と水性飽和二炭酸ナトリウム(25ml)の間で分画した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。粗物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(RP-18、CH3CN/H2O1/1)によって精製し、黄色の固体として7(1.32g, 70%)を得た。
【数36】
Figure 0004942900
【0180】
実施例37
【化92】
Figure 0004942900
0℃でメタノール(74ml)中の7(0.37g, 0.65mmol)の溶液に対して、1M水酸化ナトリウム(130ml)を加えた。反応物を15分攪拌し、次いで6M HClで0℃でpH=5に停止した。混合物を酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、組み合わされた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(RP-C18、CH3CN:H2O1/1)によって精製し、黄色の固体として8(232mg, 65%)を得た。
【数37】
Figure 0004942900
【0181】
実施例38
【化93】
Figure 0004942900
DMF(30ml)中の化合物8(240mg, 0.435mmol)の脱気溶液に対して、10% Pd/C(48mg)を加え、反応物を水素(大気圧)下で1時間攪拌した。反応物を、アルゴン下でSchlenkチューブにセライトのパッドで濾過し、無水Cs2CO3(240mg, 0.739mmol)を含む無色の溶液として得た。次いでブロモクロロメタン(0.566ml, 8.71mmol)を加えた。チューブを密封し、90℃で3時間攪拌した。反応物を冷却し、セライトで濾過し、CH2Cl2で洗浄した。有機層を濃縮して乾燥し(硫酸ナトリウム)、褐色のオイルとして9を得、それをさらに精製することなく次の工程で使用した。
【数38】
Figure 0004942900
【0182】
実施例39
【化94】
Figure 0004942900
DMF(4ml)中の9(245mg, 0.435mmol)を含むフラスコに対して、炭酸セシウム(425mg, 1.30mmol)とアリルブロミド(376ml, 4.35mmol)を0℃で加え、混合物を23℃で1時間攪拌した。反応物をセライトのパッドで濾過し、CH2Cl2(25ml)とH2O(10ml)の間で分画した。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、減圧下で濃縮し、残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、CHCl3:酢酸エチル1:2)によって精製し、黄色のオイルとして10(113mg, 43%)を得た。
【数39】
Figure 0004942900
【0183】
実施例40
【化95】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.2ml)中の9(22mg, 0.039mmol)の溶液に対して、アセチルクロリド(2.79ml, 0.039mmol)とピリジン(3.2ml, 0.039mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(10ml)で希釈し、0.1N HCl(5ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、白色の固体として46(22mg, 93%)を得た。
【数40】
Figure 0004942900
【0184】
実施例41
【化96】
Figure 0004942900
ジオキサン(0.1ml)中の46(8mg, 0.013mmol)の溶液に対して、5.3N HCl/ジオキサン(0.5ml)を加え、反応物を23℃で1時間攪拌した。次いで溶液をCH2Cl2(5ml)で希釈し、0.1N HCl(3ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、白色の固体として47(5mg, 70%)を得た。
【数41】
Figure 0004942900
【0185】
実施例42
【化97】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.3ml)中の45(10mg, 0.0192mmol)の溶液に対して、イソバレリルクロリド(2.34ml, 0.0192mmol)とピリジン(1.55ml, 0.0192mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(5ml)で希釈し、0.1N HCl(3ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:酢酸エチル1:2)によって精製し、白色の固体として48(11mg, 95%)を得た。
【数42】
Figure 0004942900
【0186】
実施例43
【化98】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.3ml)中の45(10mg, 0.0192mmol)の溶液に対して、イソバレリルクロリド(3.98ml, 0.0192mmol)とピリジン(1.55ml, 0.0192mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(5ml)で希釈し、0.1N HCl(3ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:酢酸エチル1:2)によって精製し、白色の固体として49(12.4mg, 96%)を得た。
【数43】
Figure 0004942900
【0187】
実施例44
【化99】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.3ml)中の45(14.5mg, 0.0278mmol)の溶液に対して、trans-3-トリフルオロメチルシンナモイルクロリド(4.76ml, 0.0278mmol)とピリジン(2.25ml, 0.0278mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(5ml)で希釈し、0.1N HCl(3ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:酢酸エチル1:1)によって精製し、白色の固体として50(18.7mg, 94%)を得た。
【数44】
Figure 0004942900
【0188】
実施例45
【化100】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.4ml)中の43(33mg, 0.0557mmol)の溶液に対して、イソバレリルクロリド(6.79ml, 0.0557mmol)とピリジン(4.5ml, 0.0557mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(5ml)で希釈し、0.1N HCl(3ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:酢酸エチル1:2)によって精製し、白色の固体として51(34mg, 91%)を得た。
【数45】
Figure 0004942900
【0189】
実施例46
【化101】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.4ml)中の43(33mg, 0.0557mmol)の溶液に対して、trans-3-トリフルオロメチルシンナモイルクロリド(9.52ml, 0.0557mmol)とピリジン(4.5ml, 0.0557mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(5ml)で希釈し、0.1N HCl(3ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:酢酸エチル1:2)によって精製し、白色の固体として52(40mg, 92%)を得た。
【数46】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0190】
実施例47
【化102】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.2ml)中の43(10mg, 0.0169mmol)の溶液に対して、トリフルオロ酢酸無水物(2.38μl, 0.0169mmol)を23℃で加えた。反応混合物を5時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(5ml)で希釈し、0.1N HCl(3ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:酢酸エチル3:2)によって精製し、白色の固体として53(10.7mg, 93%)を得た。
【数47】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0191】
実施例48
【化103】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.2ml)中の19(11mg, 0.0169mmol)の溶液に対して、トリフルオロ酢酸無水物(2.38ml, 0.0169mmol)を23℃で加えた。反応混合物を5時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(5ml)で希釈し、0.1N HCl(3ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサン:酢酸エチル3:2)によって精製し、白色の固体として54(10.7mg, 93%)を得た。
【数48】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0192】
実施例49
【化104】
Figure 0004942900
CH2Cl2(4ml)中の54(100mg, 0.415mmol)の溶液に対して、酢酸(40ml)、(PPh3)2PdCl2(8.4mg, 0.012mmol)及びBu3SnH(157ml, 0.56mmol)を23℃で加えた。この温度で2時間攪拌した後、反応物をフラッシュカラム(SiO2、ヘキサンからヘキサン:酢酸エチル2:1の勾配)のパッドに注ぎ、白色の固体として55(90mg, 96%)を得た。
【数49】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0193】
実施例50
【化105】
Figure 0004942900
CH2Cl2(1.44ml)中の17(200mg, 0.288mmol)の溶液に対して、トリフルオロ酢酸(888ml, 11.53mmol)を加え、反応混合物を23℃で4時間攪拌した。反応を0℃で飽和水性二炭酸ナトリウム(60ml)で停止し、酢酸エチル(2×70ml)で抽出した。組み合わされた有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、真空下で濃縮し、白色の固体として56(147mg, 93%)を得、それをさらに精製することなく後の反応で使用した
【数50】
Figure 0004942900
【0194】
実施例51
【化106】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.4ml)中の56(10mg, 0.018mmol)の溶液に対して、フェニルイソチオシアナート(13ml, 0.109mmol)を加え、反応物を23℃で1.5時間攪拌した。混合物を真空下で濃縮し、残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、ヘキサンからヘキサン:酢酸エチル1.1の勾配)によって精製し、白色の固体として57(8mg, 65%)を得た。
【数51】
Figure 0004942900
【0195】
実施例52
【化107】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.5ml)中の57(45mg, 0.065mmol)の溶液に対して、アセチルクロリド(4.67ml, 0.065mmol)とピリジン(5.3ml, 0.065mmol)を0℃で加えた。反応混合物を3時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(10ml)で希釈し、0.1N HCl(5ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(RP-18、CH3CN:H2O40:60)によって精製し、白色の固体として58(14mg, 28%)を得た。
【数52】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0196】
実施例53
【化108】
Figure 0004942900
ジオキサン(1ml)中の57(130mg, 0.189mmol)の溶液に対して、5.3N HCl/ジオキサン(1.87ml)を加え、反応物を23℃で4時間攪拌した。次いでCH2Cl2(15ml)とH2O(10ml)をこの溶液に加え、有機層を捨てた。水性相を0℃で飽和水性二炭酸ナトリウム(60ml)(pH=8)で塩基化し、次いで酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を乾燥し(硫酸ナトリウム)、真空下で濃縮し、白色の固体として59(63mg, 70%)を得た。
【数53】
Figure 0004942900
【0197】
実施例54
【化109】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.3ml)中の43(20mg, 0.0338mmol)の溶液に対して、シンナモイルクロリド(5.63ml, 0.0338mmol)とピリジン(2.73ml, 0.0338mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(10ml)で希釈し、0.1N HCl(5ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:MeOH20:1)によって精製し、白色の固体として60(22mg, 90%)を得た。
【数54】
Figure 0004942900
【0198】
実施例55
【化110】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.3ml)中の45(19mg, 0.0364mmol)の溶液に対して、ヘプタフルオロブチリルクロリド(5.44ml, 0.0364mmol)とピリジン(2.95ml, 0.0364mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(10ml)で希釈し、0.1N HCl(5ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:MeOH20:1)によって精製し、白色の固体として61(11.7mg, 45%)を得た。
【数55】
Figure 0004942900
【0199】
実施例56
【化111】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.3ml)中の43(24mg, 0.04mmol)の溶液に対して、ブチリルクロリド(4.15ml, 0.04mmol)とピリジン(3.28ml, 0.04mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(10ml)で希釈し、0.1N HCl(5ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:MeOH20:1)によって精製し、白色の固体として62(24mg, 90%)を得た。
【数56】
Figure 0004942900
【0200】
実施例57
【化112】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.3ml)中の43(19mg, 0.0364mmol)の溶液に対して、シンナモイルクロリド(6.06ml, 0.0364mmol)とピリジン(2.95ml, 0.0364mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(10ml)で希釈し、0.1N HCl(5ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:MeOH20:1)によって精製し、白色の固体として63(20.1mg, 85%)を得た。
【数57】
Figure 0004942900
【0201】
実施例58
【化113】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.3ml)中の43(20mg, 0.0338mmol)の溶液に対して、3-クロロプロピオニルクロリド(3.22ml, 0.0338mmol)とピリジン(2.73ml, 0.0338mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(10ml)で希釈し、0.1N HCl(5ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:MeOH20:1)によって精製し、白色の固体として64(20.5mg, 89%)を得た。
【数58】
Figure 0004942900
【0202】
実施例59
【化114】
Figure 0004942900
CH2Cl2(0.3ml)中の43(19mg, 0.0364mmol)の溶液に対して、ブチリルクロリド(3.78ml, 0.0364mmol)とピリジン(2.95ml, 0.0364mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間攪拌し、次いで溶液をCH2Cl2(10ml)で希釈し、0.1N HCl(5ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:MeOH20:1)によって精製し、白色の固体として64(19mg, 87%)を得た。
【数59】
Figure 0004942900
【0203】
実施例60
【化115】
Figure 0004942900
CH2CN/H2O(1.5ml/0.5ml)中の50(31.7mg, 0.044mmol)の溶液に対して、AgNO3(225mg, 1.32mmol)を加え、反応物を23℃で17時間攪拌した。塩水(10ml)と水性飽和NaHCO3(10ml)を0℃で加え、混合物を15分攪拌し、セライトのパッドで濾過し、CH2Cl2(20ml)で洗浄した。溶液を捨てて有機層を乾燥し、真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:MeOH5:1)によって精製し、白色の固体として66(16mg, 51%)を得た。
【数60】
Figure 0004942900
【0204】
実施例61
【化116】
Figure 0004942900
CH2CN/H2O(1.5ml/0.5ml)中の53(57mg, 0.0828mmol)の溶液に対して、AgNO3(650mg, 3.81mmol)を加え、反応物を23℃で24時間攪拌した。塩水(10ml)と水性飽和NaHCO3(10ml)を0℃で加え、混合物を15分攪拌し、セライトのパッドで濾過し、CH2Cl2(20ml)で洗浄した。溶液を捨てて有機層を乾燥し、真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:MeOH5:1)によって精製し、白色の固体として67(28mg, 50%)を得た。
【数61】
Figure 0004942900
【0205】
実施例62
【化117】
Figure 0004942900
CH2CN/H2O(1.5ml/0.5ml)中の48(32mg, 0.0529mmol)の溶液に対して、AgNO3(270mg, 1.58mmol)を加え、反応物を23℃で24時間攪拌した。塩水(10ml)と水性飽和NaHCO3(10ml)を0℃で加え、混合物を15分攪拌し、セライトのパッドで濾過し、CH2Cl2(20ml)で洗浄した。溶液を捨てて有機層を乾燥し、真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:MeOH5:1)によって精製し、白色の固体として68(18mg, 56%)を得た。
【数62】
Figure 0004942900
【0206】
実施例63
【化118】
Figure 0004942900
CH2CN/H2O(1.5ml/0.5ml)中の51(27mg, 0.04mmol)の溶液に対して、AgNO3(204mg, 1.19mmol)を加え、反応物を23℃で24時間攪拌した。塩水(10ml)と水性飽和NaHCO3(10ml)を0℃で加え、混合物を15分攪拌し、セライトのパッドで濾過し、CH2Cl2(20ml)で洗浄した。溶液を捨てて有機層を乾燥し、真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:MeOH5:1)によって精製し、白色の固体として69(10mg, 38%)を得た。
【数63】
Figure 0004942900
【0207】
実施例64
【化119】
Figure 0004942900
CH2CN/H2O(1.5ml/0.5ml)中の63(15mg, 0.023mmol)の溶液に対して、AgNO3(118mg, 0.691mmol)を加え、反応物を23℃で24時間攪拌した。塩水(10ml)と水性飽和NaHCO3(10ml)を0℃で加え、混合物を15分攪拌し、セライトのパッドで濾過し、CH2Cl2(20ml)で洗浄した。溶液を捨てて有機層を乾燥し、真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:MeOH5:1)によって精製し、白色の固体として70(20.1mg, 85%)を得た。
【数64】
Figure 0004942900
【0208】
実施例65
【化120】
Figure 0004942900
CH2CN/H2O(1.5ml/0.5ml)中の65(25mg, 0.042mol)の溶液に対して、AgNO3(215.56mg, 1.269mmol)を加え、反応物を23℃で24時間攪拌した。塩水(10ml)と水性飽和NaHCO3(10ml)を0℃で加え、混合物を15分攪拌し、セライトのパッドで濾過し、CH2Cl2(20ml)で洗浄した。溶液を捨てて有機層を乾燥し、真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:MeOH5:2)によって精製し、白色の固体として71(16mg, 65%)を得た。
【数65】
Figure 0004942900
【0209】
発酵方法
実施例A
1%グルコース;0.25%ウシ抽出物;0.5%バクトペプトン;0.25% NaCl;0.8% CaCO3含む接種培地YMP3に、0.1%微生物の凍結増殖ストック、Pseudomanas fluorescensのA2-2株を接種し、27℃でロータリーシェイカー(250rpm)でインキュベートした。30時間のインキュベーションの後、2%デキストロース;4%マンニトール;2%乾燥パン酵母(Vitalevor(登録商標)Biolux, Belgium);1% (NH4)2SO4;0.04% K2HPO4;0.8% KCl;0.001% FeCl3;0.1% L-Tyr;0.8% CO3Ca;0.05% PPG-2000;0.2% 抗起泡性シリコーン(ASSAF-100, RHODIA UK)からなる生産培地と共に、シード培養物を攪拌容器発酵糟に加えた。滅菌を122℃で30分実施した。接種された容量は2%(v/v)であった。温度は0から16時間まで27℃、16時間から最終工程(41時間)まで24℃であった。pHを希釈硫酸で28時間から最終工程まで6.0に調節した。加圧は0.5バールであった。1%マンニトールまたはソルビトールを16時間から最終工程で加え(2日間の稼働時間)、2%を3日間の発酵工程で加えた。41または64時間後に、発酵ブロスを抽出して、サフラシンBを回収し、浄化ブロスにKCN処理して、サフラシンB-シアノを回収しなければならない。
【0210】
実施例B
粗抽出物からのサフラシンBシアノの取得
pH6の発酵ブロスからの浄化物または濾過物から固体を除去した。浄化ブロスを希釈水酸化ナトリウムでpH9.5に調節し、2:1(v/v)の酢酸エチル、メチレンクロリドまたは酢酸ブチルで二度抽出した。抽出を20分間攪拌容器中で実施し、混合物を温度を8から10℃に維持した。二つの相を液体−液体遠心分離によって分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、または凍結し、次いで濾過して氷を除去した。この有機相(酢酸エチル層)を油性粗抽出物が得られるまで蒸発させた。
【0211】
実施例C
浄化ブロスからのサフラシンBシアノの取得
pH6の発酵ブロスからの浄化物または濾過物から固体を除去した。浄化ブロスを濃縮酢酸でpH3.9に調節した。0.5g/lのKCNを浄化ブロスに加え、攪拌しながら1時間20℃でインキュベートした。次いで温度を15℃に下げ、pHを希釈水酸化ナトリウムで9.5に調節し、2:1.5(v/v)の酢酸エチルで抽出した。抽出を攪拌容器中で20分間実施し、混合物を温度を8から10℃に維持した。二つの相を液体−液体遠心分離によって分離した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。この有機相(酢酸エチル層)を油性粗抽出物が得られるまで蒸発させた。この抽出物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、酢酸エチル:メタノールの20:1から10:1から5:1の勾配)によって精製し、明黄色の固体として定量的な化合物2を得た。
【数66】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0212】
実施例D
デキストロース(2%)、マンニトール(4%)、無水ブリューワー酵母(2%)、硫酸アンモニウム(1%)、第二リン酸カリウム(0.04%)、塩化カリウム(0.8%)、塩化鉄(III)6水和物(0.001%)、L-チロシン(0.1%)、炭酸カルシウム(0.8%)、ポリ(ポリエチレングリコール)2000(0.05%)、及び抗起泡性ASSAF(0.2%)からなる培地を、75lの全容量を有するジャー発酵糟に注ぎ、滅菌後、A2-2株(FERM BP-14)のシード培養物(2%)で接種し、攪拌しながら好気的培養を実施し、64時間27から24℃とした(1分間で75lの通気、350から500rpmの攪拌)。pHを27時間から最終工程まで希釈硫酸の自動供給によって制御した。16時間から最終工程まで2%マンニトールを加えた。かくして得られた培養培地(45l)を、遠心分離によって細胞を除去した後、希釈水酸化ナトリウムでpH9.5に調節し、25リットルの酢酸エチルで二回抽出した。混合を8℃で20分間攪拌容器中で実施した。二つの相を液体−液体遠心分離によって分離した。有機相を-20℃で凍結し、氷を除去するため濾過し、氷を蒸発し、40gの油性暗抽出物が得られるまで蒸発させた。シアニド基の導入と精製の後、3.0gのサフラシンBシアノが得られた。
【0213】
実施例E
デキストロース(2%)、マンニトール(4%)、無水ブリューワー酵母(2%)、硫酸アンモニウム(1%)、第二リン酸カリウム(0.02%)、塩化カリウム(0.2%)、塩化鉄(III)6水和物(0.001%)、L-チロシン(0.1%)、炭酸カルシウム(0.8%)、ポリ(ポリエチレングリコール)2000(0.05%)、及び抗起泡性ASSAF(0.2%)からなる培地を、75lの全容量を有するジャー発酵糟に注ぎ、滅菌後、A2-2株(FERM BP-14)のシード培養物(2%)で接種し、攪拌しながら好気的培養を実施し、41時間27から24℃とした(1分間で75lの通気、350から500rpmの攪拌)。pHを28時間から最終工程まで希釈硫酸の自動供給によって制御した。16時間から最終工程まで1%マンニトールを加えた。かくして得られた培養培地(45l)を、遠心分離によって細胞を除去した後、200mlの濃縮酢酸でpH3.9に調節した。25グラムのカリウムシアニド97%を加え、20℃で1時間攪拌した後、pHを1500mlの10%水酸化ナトリウム溶液で9.5に調節した。次いで、35リットルの酢酸エチルで抽出した。混合を8℃で20分間攪拌容器中で実施した。二つの相を液体−液体遠心分離によって分離した。有機相を無水硫酸ナトリウムによって乾燥し、蒸発させて、60gの油性暗粗抽出物を得た。
クロマトグラフィーの後、4.9グラムのサフラシンBシアノが得られた。
【0214】
実施例66
【化121】
Figure 0004942900
アルゴン下でジクロロメタン(535mL)中の25(7.83g, 0.0139mol)と市販のBoc-Cys(Fm)誘導体(Bachem)(8.33g, 35.04mmol)の攪拌溶液に対して、ジメチルアミノピリジン(4.28g, 35.04mmol)と1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミドヒドロクロリド(6.66g, 35.04mmol)を23℃で加えた。次いで混合物を2.5時間23℃で攪拌した。飽和水性二炭酸ナトリウム(500mL)の添加により反応を停止し、有機相を分離し、水性相をジクロロメタン(250mL)で逆抽出した。組み合わされた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で乾燥状態に蒸発させた。粗産物を、1:4から2:1の勾配の様式で酢酸エチルとヘキサンの混合物で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、明黄色の固体として142(12.21g, 93%)を得た。Rf=0.35Hex:EtOAc1:1
【数67】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0215】
実施例67
【化122】
Figure 0004942900
ジクロロメタン(318mL)中の142(12.01g, 0.0127mol)の攪拌溶液に対して、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.71g, 1.015mmol)と酢酸(3.6mL, 0.176mol)を、アルゴン下で23℃で加えた。次いでトリブチルスズヒドリド(10.27mL, 0.037mol)を滴下して加えた。混合物を10分23℃で攪拌した。次いで反応物をヘキサンを圧縮したシリカゲルカラムで濾過した。1:4、1:1から7:3の勾配の様式で酢酸エチルとヘキサンの混合物で後に溶出することによって、黄色の固体として143(10.89g, 95%)を得た。Rf=0.25Hex:EtOAc2:1
【数68】
Figure 0004942900
【0216】
実施例68
【化123】
Figure 0004942900
-10℃(バス温度-15℃)で無水ジクロロメタン(185mL)中の143(10g, 0.011mol)の溶液に対して、ベンゼンセレニニックアンヒドリド(5.7g, 0.011mol)の溶液を無水ジクロロメタン(185mL)に加え、溶液中に存在する白色の固体を捨てた。混合物を同じ温度で10分攪拌した。反応物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、飽和水性二炭酸ナトリウム溶液(500mL)を-10℃で加えた。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で乾燥状態に濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、1:1、3:2、7:3から4:1の勾配の様式で酢酸エチルとヘキサンの混合物で溶出し、黄色の固体として144(9.34g, 92%)を得た。クロマトグラフィーからの精製固体をジクロロメタン(250mL)中に溶解し、チャーコール(3.3g)を加え、懸濁物を23℃で1時間攪拌した。混合物をセライトで濾過し、セライトをジクロロメタン(80mL)で洗浄した。溶媒を25-30℃の温度に維持して減圧下で蒸発させ、黄色の固体として144(8.96g, 88%)を得た。Rf=0.30及び0.25(アイソマーの混合物)Hex:EtOAc1:1
【数69】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0217】
実施例69
【化124】
Figure 0004942900
無水ジクロロメタン(396mL)中のDMSO(3.44mL)の溶液に対して、トリフリックアンヒドリド(3.27mL, 19.45mmol)を-78℃でアルゴン下で加え、混合物をこの温度で20分攪拌した。次いで-78℃で無水ジクロロメタン(124mL)中の144(8.92g, 9.6mmol)の溶液を加え、混合物を-40℃で35分アルゴン下で攪拌した。ジイソプロピルエチルアミン(13.5mL, 73.43mmol)を加え、混合物を0℃で45分アルゴン下で攪拌した。tert-ブタノール(3.65mL, 38.6mmol)とtert-ブチルテトラメチルグアニジン(11.6mL, 67.46mmol)を加え、混合物を23℃で40分アルゴン下で攪拌した。次いで無水酢酸(9.15mL, 96.78mmol)を加え、反応物を23℃でさらに1時間攪拌した。反応物をジクロロメタン(250mL)で希釈し、飽和水性塩化アンモニウム溶液(500mL)を加えた。有機相を分離し、飽和水性二炭酸ナトリウム溶液(500mL)と飽和水性塩化ナトリウム溶液(500mL)で連続的に洗浄した。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、25-30℃の温度で維持して減圧下で乾燥状態に濃縮した。次いで粗固体をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、1:4から2:3の溶媒の様式で酢酸エチルとヘキサンの混合物で溶出し、黄色の固体として145(4.99g, 68%)を得た。Rf=0.44、Hex:EtOAc3:2
【数70】
Figure 0004942900
【0218】
実施例70
【化125】
Figure 0004942900
アセトニトリル(50mL)とジクロロメタン(25mL)中の145(1.0g, 1.3mmol)の溶液に対して、ヨウ化ナトリウム(1.52g, 10.01mmol)を23℃で加えた。次いで混合物を0℃に冷却し、三塩化アルミニウム(1.33g, 10.01mmol)を、温度を0℃に維持しながら少しずつ加えた。次いで混合物を0℃で2.5時間攪拌した。反応物をジクロロメタン(25mL)で希釈し、ナトリウムカリウムタートラート(100mL)の飽和水溶液を加えた。水相を分離し、ジクロロメタン(2×75mL)で抽出した。次いで飽和水性二炭酸ナトリウム溶液(50mL)を水相に加え、それをさらにジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、温度を25℃に維持したまま減圧下で乾燥状態に蒸発させた。次いで粗固体をアミノシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製し、勾配の様式で酢酸エチルとヘキサンの混合物で溶出した。黄色の固体として35(487mg, 60%)DMSOを得た。35の実験データは、PCT/GB00/01852に以前に記載された。
36、ET-770及びET743を、PCT/GB00/01852に以前に記載されたものと同じ方法で調製した。
【0219】
経路2
実施例71
【化126】
Figure 0004942900
THF(569mL)とH2O(285mL)中の21(9.84g, 18.97mmol)の溶液をアイスバスで0℃に冷却した。次いでNaNO2(1.96g, 28.45mmol)と90%水性AcOH(18.97mL, 0.33mol)を0℃で加え、混合物を23℃で18時間攪拌した。反応物を0℃に冷却した後、飽和水性二炭酸ナトリウム溶液(300mL, 塩基性pH)とジクロロメタン(500mL)を加えた。抽出後、水相をジクロロメタン(2×300mL)でさらに抽出した。組み合わされた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で乾燥状態に蒸発させた。次いで粗固体をMeOH(379mL)中に溶解し、1M NaOH(38mL)を0℃で加えた。混合物を23℃で4時間攪拌した。0℃でEtOAc(600mL)で希釈した後、有機相を水(400mL)と飽和水性二炭酸ナトリウム溶液(100mL, 塩基性pH)の混合物で洗浄した。抽出後、水相をEtOAc(3×300mL)でさらに抽出した。組み合わされた有機抽出物をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、Hex:EtOAcの3:1から2:1の勾配)によって精製し、白色の固体として146(4.55g, 46%)を得た。Rf:0.33(Hex:EtOAc 1:1)。
【数71】
Figure 0004942900
【0220】
実施例72
【化127】
Figure 0004942900
アルゴン下でジクロロメタン(2.8L)中の146(47.35g, 0.091mol)と市販のBoc-Cys(Fm)誘導体(54.6g, 0.137molの攪拌溶液に対して、ジメチルアミノピリジン(5.6g, 0.046mol)と1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミドヒドロクロリド(43.6g, 0.227mol)を、23℃で1.5時間の間滴下して加えた。反応物を23℃でさらに1時間攪拌した。反応を飽和水性二炭酸ナトリウム溶液(1L)の添加によって停止し、有機相を分離した。水相をジクロロメタン(2×500mL)で逆抽出した。組み合わされた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で乾燥状態に蒸発した。粗産物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、1:4から3:1の勾配の様式で酢酸エチルとヘキサンの混合物で溶出し、白色の固体として147(74.3g, 93%)を得た。Rf=0.5、Hex:EtOAc 1:1
【数72】
Figure 0004942900
【0221】
実施例73
【化128】
Figure 0004942900
CH3CN(3.12mL)中の147(0.562g, 0.624mol)の溶液に対して、MEMCl(1.07mL, 9.36mmol)、DIPEA(2.17mL, 12.48mmol)及びDMAP(0.0076g, 0.06mmol)を0℃で加えた。混合物を23℃で5.5時間攪拌した。反応物をCH2Cl2(50mL)で希釈し、0.1N HCl(50mL)で抽出した。水相をCH2Cl2(50mL)で再び抽出した。組み合わされた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して残余物を得、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2:EtOAc 10:1, 5:1)によって精製し、白色の固体として148(539mg, 87%)を得た。
【数73】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0222】
実施例74
【化129】
Figure 0004942900
ジクロロメタン(1L)中の148(38.32g, 0.039mol)の攪拌溶液に対して、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(2.17g, 0.0031mol)と酢酸(11.1mL, 0.195mol)をアルゴン下で23℃で加えた。次いでトリブチルスズヒドリド(36.5mL, 0.136mol)を滴下して加えた。混合物を23℃で15分攪拌した。次いで反応物をヘキサンで圧縮したシリカゲルカラムで濾過した。その後の0:100, 1:4, 1:3, 2:5, 2:3, 1:1, 2:1, 3:1から100:0の勾配の様式の酢酸エチルとヘキサンの混合物での溶出により、白色の固体として149(35.07g, 95%)を得た。Rf=0.25 Hex:EtOAc 2:1
【数74】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0223】
実施例75
【化130】
Figure 0004942900
-10℃(バス温度-15℃)で無水ジクロロメタン(185mL)中の149(15g, 0.0158mol)の溶液に対して、無水ジクロロメタン(265mL)中のベンゼンセレニニックアンヒドリド(7.4g, 0.0143mol)の溶液を30分間滴下して加えた。混合物を同じ温度でさらに10分攪拌した。反応物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、飽和水性二炭酸ナトリウム溶液(500mL)を-10℃で加えた。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で乾燥状態に濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、1:2から100:0の勾配の様式で酢酸エチルとヘキサンの混合物で溶出し、黄色の固体として150(14.20g, 89%)を得た。クロマトグラフィーからの精製固体をジクロロメタン(250mL)中に溶解し、チャーコール(4.95g)を加えた。次いで懸濁物を23℃で1時間攪拌した。混合物をセライトのパッドで濾過し、セライトをジクロロメタン(80mL)で洗浄した。溶媒を減圧下で蒸発させ、白色の固体として150(13.72g, 86%)を得た。Rf=0.37 Hex:EtOAc1:2
【数75】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0224】
実施例76
【化131】
Figure 0004942900
反応フラスコを二回熱処理し、数回真空/アルゴンパージ処理し、反応のためアルゴン雰囲気に維持した。無水CH2Cl2(42ml)中のDMSO(385.0μL)の溶液に対して、-78℃でトリフリックアンヒドリド(366.5μl, 2.16mmol)を滴下して加えた。反応混合物を-78℃で20分攪拌し、次いで-78℃で無水CH2Cl2(主な添加のため10ml, 及び洗浄のため5ml)中の150(1g, 1.03mmol)の溶液をカニューレを介して加えた。添加の間、温度を両フラスコで-78℃に維持し、発色が黄色から褐色に変化した。反応混合物を-40℃で35分攪拌した。この期間の間、溶液は黄色から暗緑色になった。この後、iPr2NEt(1.51ml, 9.55mmol)を滴下して加え、反応混合物を0℃で45分維持し、溶液の発色はこの間で褐色となった。次いで、t-ブタノール(409.5μl, 4.33mmol)とtert-ブチルテトラメチルグアニジン(1.31ml, 7.61mmol)を滴下して加え、反応混合物を23℃で40分攪拌した。この後、酢酸無水物(1.03ml, 10.89mmol)を滴下して加え、反応混合物を23℃でさらに1時間維持した。次いで反応混合物をCH2Cl2(25ml)で希釈し、NH4Clの水性飽和溶液(50ml)、NaHCO3(50ml)及びNaCl(50ml)で洗浄した。組み合わされた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(内径:2.0cm、シリカの高さ:9cm、溶出液:酢酸エチル/ヘキサンで20:80、30:70から40:60の勾配)によって精製し、白色の固体として化合物151(832.6mg, 99%)を得た。RF=0.48 Hex:EtOAc 3:2
【数76】
Figure 0004942900
【0225】
実施例77
【化132】
Figure 0004942900
CH2Cl2(120mL)中の151(2.9g, 3.57mmol)の溶液に対して、MeSO3H(1.4mL, 21.46mmol)を23℃で加えた。23℃で30分反応物を攪拌した後、飽和水性二炭酸ナトリウム溶液(200mL)を0℃で加えた。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して減圧下で乾燥状態に濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、0:1から1:0の勾配の様式で酢酸エチルとヘキサンの混合物で溶出し、パール状の黄色の固体として35(1.43g, 64%)を得た。35の実験データはPCT/GB00/01852に以前に記載された。
36、ET-770及びET-743を、PCT/GB00/01852に以前に記載されたものと同じ方法に従って調製した。
【0226】
経路3
この経路の最初の工程(21から146への変換)は実施例71に前述されたものであった。
【化133】
Figure 0004942900
アセトン(500mL)と水(500mL)中の市販のHO.Cys(Fm)-H.HCl(Bachem)(40g, 0.119mol)の溶液に対して、1M Na2CO3溶液(238mL)とBnCO2Cl(18.7mL, 0.131mol)を0℃で加えた。60℃で30分反応物を攪拌した後、混合物を1N HCl(pH0 1)でて縊死し、エーテル(3×400mL)で抽出した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で乾燥状態に濃縮した。粗固体をEtOAc/CH2Cl2 1:1の混合物に溶解し、ヘキサンで沈降し、4℃で一晩維持した。次いで懸濁物を濾過し、固体をヘキサン(200mL)で洗浄し、濾過物を真空下で乾燥し、白色の固体として152(50.16g, 97%)を得た。
【数77】
Figure 0004942900
【0227】
実施例79
【化134】
Figure 0004942900
アルゴン下で146(10g, 19.2mmol)と152(12.5g, 28.8mmolの攪拌溶液に対して、ジメチルアミノピリジン(705mg, 5.77mmol)、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミドヒドロクロリド(9.2g, 48.1mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(7.4mL, 42.3mmol)を0℃で1時間で滴下して加えた。反応物を飽和水性二炭酸ナトリウム溶液(600mL)の添加により停止した。有機相を分離し、再び飽和水性塩化アンモニウム溶液(500mL)と飽和水性塩化ナトリウム溶液(500mL)で洗浄した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で乾燥状態に蒸発させた。粗産物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(RP18, CH3CN;H2O 4:1)によって精製し、パール状の黄色の固体として153(13.89g, 77%)を得た。
【数78】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0228】
実施例80
【化135】
Figure 0004942900
CH3CN(74.3mL)中の153(13.89g, 14.85mmol)の溶液に対して、MEMCl(25.4mL, 223mmol)、DIPEA(52mL, 297mmol)及びDMAP(0.181g, 0.15mmol)を0℃で加えた。混合物を23℃で5.5時間攪拌した。反応物をCH2Cl2(400mL)で希釈し、0.1N HCl(300mL)と3N HCl(pH=3)で抽出した。水相をCH2Cl2(2×50mL)で再び抽出した。組み合わされた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して残余物を得、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2:EtOAc 10:1, 5:1)によって精製し、白色の固体として154(13.47g, 88%)を得た。Rf=0.27 CH2Cl2:AcOEt 6:1
【数79】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0229】
実施例81
【化136】
Figure 0004942900
ジクロロメタン(530mL)中の154(20.84g, 0.02mol)の攪拌溶液に対して、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(1.14g, 1.63mmol)と酢酸(11.64mL, 0.2mol)をアルゴン下で23℃で加えた。次いでトリブチルスズヒドリド(27.44mL, 0.1mol)を滴下して加えた。混合物を23℃で15分攪拌した。次いで反応物をヘキサンで圧縮したシリカゲルカラムで濾過した。その後の1:4, 1:1, 3:2から7:3の勾配の様式の酢酸エチルとヘキサンの混合物での溶出により、パール状の黄色の固体として155(18.78g, 94%)を得た。
【数80】
Figure 0004942900
【0230】
実施例82
【化137】
Figure 0004942900
-10℃(バス温度-15℃)で無水ジクロロメタン(530mL)中の155(18.5g, 18.82mmol)の溶液に対して、無水ジクロロメタン(290mL)中のベンゼンセレニニックアンヒドリド(9.68g, 18.82mmol)の溶液を滴下して加え、溶液中に存在する白色の固体を捨てた。混合物を同じ温度でさらに10分攪拌した。反応物を飽和水性二炭酸ナトリウム溶液(600mL)で停止した。有機相を分離し、水相をCH2Cl2(2×300mL)で抽出した。組み合わされた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で乾燥状態に濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、1:1、3:2、7:3から4:1の勾配の様式で酢酸エチルとヘキサンの混合物で溶出し、パール状の黄色の固体として156(17.62g, 88%)を得た。
【数81】
Figure 0004942900
【0231】
実施例83
【化138】
Figure 0004942900
反応フラスコを二回熱処理し、数回真空/アルゴンパージ処理し、反応のためアルゴン雰囲気に維持した。無水CH2Cl2(20ml)中のDMSO(178μL)の溶液に対して、-78℃でトリフリックアンヒドリド(169μl, 1mmol)を滴下して加えた。反応混合物を-78℃で20分攪拌し、次いで-78℃で無水CH2Cl2(主な添加のため4ml, 及び洗浄のため1.5ml)中の156(0.5g, 0.5mmol)の溶液をカニューレを介して加えた。添加の間、温度を両フラスコで-78℃に維持し、発色が黄色から褐色に変化した。反応混合物を-40℃で35分攪拌した。この期間の間、溶液は黄色から暗緑色になった。この後、iPr2NEt(0.7ml, 4.42mmol)を滴下して加え、反応混合物を0℃で45分維持し、溶液の発色はこの間で褐色となった。次いで、t-ブタノール(189μl, 2mmol)とtert-ブチルテトラメチルグアニジン(0.6ml, 3.49mmol)を滴下して加え、反応混合物を23℃で40分攪拌した。この後、酢酸無水物(0.47ml, 4.97mmol)を滴下して加え、反応混合物を23℃でさらに1時間維持した。次いで反応混合物をCH2Cl2(15ml)で希釈し、NH4Clの水性飽和溶液(25ml)、NaHCO3(25ml)及びNaCl(25ml)で洗浄した。組み合わされた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(内径:2.0cm、シリカの高さ:9cm、溶出液:酢酸エチル/ヘキサンで1:4、1:3、1:2から1:1の勾配)によって精製し、明黄色の固体として化合物157(128mg, 30%)を得た。RF=0.37 Hex:EtOAc 3:2
【数82】
Figure 0004942900
【0232】
実施例84
【化139】
Figure 0004942900
CH2Cl2(2mL)とCH3CN(2mL)中の157(100mg, 0.118mmol)の溶液に対して、NaI(71mg, 0.472mmol)とTMSCI(60mL, 0.472mmol)を0℃で加えた。23℃で50分反応物を攪拌した後、混合物を水(30mL)で停止し、CH2Cl2(2×20mL)で抽出した。組み合わされた有機相をNaCl(20mL)の飽和溶液とナトリウムジチオナイト(20mL)の飽和溶液で連続的に洗浄し、Na2SO3で乾燥し、濾過して真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出液:)酢酸エチル/ヘキサンの1:4、1:2から1:1の勾配)によって精製し、白色の固体として158(62mg, 70%)を得た。Rf=0.21 Hex:EtOAc 1:1
【数83】
Figure 0004942900
【0233】
実施例85
【化140】
Figure 0004942900
MeOH(6.8mL)中の158(100mg, 0.132mmol)の溶液に対して、HCO2H(360μL)と10%Pd/C(140mg, 0.132mmol)を23℃で加え、混合物を15分攪拌した。次いでトルエン(7mL)を反応物に加え、溶媒を減圧下で蒸発させた。トルエンとの共沸蒸留を3回繰り返した。次いで残余物をジクロロメタン(15mL)で希釈し、二炭酸ナトリウム(15mL)の飽和水溶液を加えた。水相を分離し、ジクロロメタン(2×10mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で乾燥状態に蒸発させた。次いで残余物をアミノ−シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、1:2、1:1から2:1の勾配の様式で酢酸エチルとヘキサンの混合物で溶出し、黄色の固体として35(57mg, 70%)を得た。35の実験データは、PCT/GB00/10852に以前に記載された。
36、ET-770及びET-743を、PCT/GB00/01852に以前に記載されたものと同じ方法に従って調製した。
【0234】
経路4
この経路の最初の工程(21から146への変換)は、実施例71に前述された通りであった。
実施例86
【化141】
Figure 0004942900
0℃でDMF(0.05mL)中の146(18mg, 0.032mmol)、触媒量のDMAP及びイミダゾール(5mg, 0.08mmolの溶液に対して、tert-ブチルジフェニルシリルクロリド(12.5μL, 0.048mmol)を加え、反応物を23℃で4時間攪拌した。次いで水(30mL)を0℃で加え、混合物をHex:EtOAc 1:10(2×40mL)で抽出した。組み合わされた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、Hex:EtOAc 3:1)により精製し、白色の固体として159(27mg, 88%)を得た。Rf=0.29 Hex:EtOAc 3:1
【数84】
Figure 0004942900
【0235】
実施例87
【化142】
Figure 0004942900
CH3CN(16mL)中の159(2.4g, 3.17mmol)の溶液に対して、MOMBr(2.6mL, 31.75mmol)、DIPEA(8.3mL, 47.6mmol)及びDMAP(16mg, 0.127mmol)を0℃で加えた。混合物を23℃で6時間攪拌した。反応物をCH2Cl2(50mL)で希釈し、0.1N HCl(50mL)で抽出した。水相をCH2Cl2(50mL)で再び抽出した。組み合わされた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空下で濃縮して残余物を得、それをフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、CH2Cl2:EtOAc 15:1、5:1)により精製し、白色の固体として26(1.78g, 70%)を得た。26の実験データは、PCT/GB00/01852に以前に記載された。
Int. 11、160、161、162及び163についての実験方法は、米国特許第5,721,362に以前に記載されたものであった。
【0236】
実施例88
【化143】
Figure 0004942900
無水CH2Cl2(250mL)とアセトニトリル(300mL)中の163(15.8g, 0.02mol)の溶液に対して、NaI(31.5g, 0.21mol)とCITMS(CaH2で新たに希釈された、26.7mL, 0.21mol)を23℃でアルゴン雰囲気下で加えた。反応混合物を40分攪拌した。次いで反応物をCH2Cl2(200mL)と水(300mL)の間で分画した。有機相をNaClの飽和水溶液(2×300mL)で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗物を、溶出液として酢酸エチル/ヘキサン2:3を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、パール状の黄色の固体として164(10.74g, 76%)を得た。Rf=0.25 Hex:EtOAc 3:2
【数85】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0237】
実施例89
【化144】
Figure 0004942900
ジクロロメタン(142mL)中の164(2g, 2.85mmol)の攪拌溶液に対して、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.2g, 0.28mmol)と酢酸(0.65mL, 11.4mmol)をアルゴン下で23℃で加えた。次いでトリブチルスズヒドリド(4.51mL, 17.02mmol)を25分で滴下して加えた。HsnBu3の添加の後、混合物を23℃でさらに20分攪拌した。反応物をヘキサンで圧縮したシリカゲルカラムで濾過した。その後の1:2から15:1の勾配の様式の酢酸エチルとヘキサンの混合物での溶出により、35(1.38g, 78%)を得た。35の実験データは、PCT/GB00/01852に以前に記載された。
36、ET-770及びET-743を、PCT/GB00/01852に以前に記載されたのと同じ方法に従って調製した。
【0238】
経路5
この経路の最初の工程(21から146への変換)は、実施例71に前述された通りであった。
実施例90
【化145】
Figure 0004942900
DMF(20.1mL)中の146(8.372g, 16.78mmol)の溶液に対して、イミダゾール(3.43g, 50.34mmol)、tert-ブチルジメチルクロロシラン(7.58mL, 50.34mmol)及びDMAP(0.2g, 1.7mmol)を0℃で加えた。23℃で3.5時間攪拌した後、反応混合物を水(100mL)で停止し、EtOAc/Hex 1:3(2×75mL)で抽出した。組み合わされた有機相を0.1M HCl(50mL)で洗浄し、水相をEtOAc/Hex 1:3(40mL)で再び抽出した。組み合わされた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(Hex:EtOAc 10:1, 3:1)によって精製し、白色の固体として165(9.85g, 93%)を得た。Rf=0.39 Hex:AtOEc 2:1
【数86】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0239】
実施例91
【化146】
Figure 0004942900
THF(87.46mL)と水(0.24mL)中の165(7.62g, 12.02mmol)の溶液に対して、MEMCl(2.33mL, 20.43mmol)を-6℃で加えた。45分間で少しずつ60% NaH(0.72g, 18.03mmol)を添加した後、混合物をこの温度で1.5時間攪拌した。反応物を水(150mL)で停止し、CH2Cl2(2×100mL)で抽出した。組み合わされた有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過して真空下で濃縮し、白色の固体として166(8.69g, 100%)を得、それをさらに精製することなく以下の工程で使用した。Rf=0.24 Hex:AcOEt 2:1
【数87】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0240】
実施例92
【化147】
Figure 0004942900
無水CH2Cl2(275mL)中の166(10.76g, 14.90mmol)の溶液に対して、Pd(PPh3P)2Cl2(837mg, 1.19mmol)、酢酸(4.26mL, 74.5mmol)及びトリブチルチンヒドリド(11.85mL, 44.7mmol)を23℃でアルゴン雰囲気下で加えた。反応混合物を23℃で15分攪拌した。(TLC AcOEt/ヘキサン1:1は開始材料を示さなかった)。ヘキサン(100mL)を加え、混合物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、0:100、1:4、2:3から1:1の勾配の様式でEtOAc:ヘキサン)に注ぎ、黄色の固体として167(9.95g, 98%)を得た。Rf=0.42 Hex:EtOAc 3:7
【数88】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0241】
実施例93
【化148】
Figure 0004942900
無水CH2Cl2(300mL)中の167(9.95g, 14.6mmol)の溶液に対して、無水CH2Cl2(120mL)中のベンゼンセレニニックアンヒドリド(7.51g, 14.6mmol, 試薬純度70%)の溶液を、-15℃でアルゴン雰囲気下で滴下して加えた(残余の白色の固体を捨てた)。次いで溶液を-15℃で15分攪拌した(TLC EtOAc/ヘキサン2:3は開始材料を示さなかった)。二炭酸ナトリウムの飽和水溶液(500mL)を、この温度で反応混合物に加えた。有機相を分離し、水相をCH2Cl2(500mL)で抽出した。組み合わされた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。反応物の粗物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:ヘキサンの2:3から3:1の勾配の様式で)により精製し、黄色の固体として168(9.86g, 97%)を得た。Rf=0.33 Hex:EtOAc 3:7
【数89】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0242】
実施例94
【化149】
Figure 0004942900
無水THF(727mL, 0.03M)中の168(16.38g, 23.47mmol)の溶液に対して、1M THF中のTBAFの溶液(59mL, 59mmol)を23℃で滴下して加えた。反応混合物を23℃で45分攪拌した。次いで混合物を、飽和水性NaCl溶液(850mL)とCH2Cl2(950mL)の間で分画した。両者の相を分離し、有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過して減圧下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:ヘキサンの40:60、50:50、70:30、90:10から100:0の勾配の様式で)により精製し、明黄色の固体として169(12.17g, 89%)を得た。Rf=0.1 Hex:EtOAc 3:7
【数90】
Figure 0004942900
Figure 0004942900
【0243】
実施例95
【化150】
Figure 0004942900
無水CH2Cl2(688mL)中の169(11.49g, 19.69mmol)とAlloc-Cys-(Fm)(11.32g, 29.53mmol)(調製のため、Kruse, C.H.; Holden, K.G., J. Org. Chem., 2985, 50, pp. 2792-2794を参照)の溶液に対して、DMAP(2.4g, 19.69mmol)とEDC・HCl(9.44g, 49.22mmol)を23℃で加えた。次いでDIPEA(5.14mL, 29.53mmol)を0℃で加え、反応物を23℃で3時間攪拌した。混合物を、NaHCO3の飽和水溶液(500mL)、NaCl(400mL)、及びNH4Cl(2×300mL)で連続して洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過して減圧下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:ヘキサンの1:1、6:4から7:3の勾配の様式で)により精製し、パール状の黄色の固体として170(14.76g, 79%)を得た。Rf=0.31及び0.40 Hex:EtOAc 3:7(アイソマーの混合物)
【数91】
Figure 0004942900
【0244】
実施例96
【化151】
Figure 0004942900
反応フラスコを二回熱処理し、数回真空/アルゴンパージ処理し、反応のためアルゴン雰囲気に維持した。無水CH2Cl2(554ml)中のDMSO(5.4mL)の溶液に対して、-78℃でトリフリックアンヒドリド(5.11ml, 30.4mmol)を滴下して加えた。反応混合物を-78℃で20分攪拌し、次いで-78℃で無水CH2Cl2(188ml)中の170(14.43g, 15.2mmol)の溶液をカニューレを介して加えた。添加の間、温度を両フラスコで-78℃に維持し、反応物の発色は黄色であった。反応混合物を-40℃で35分攪拌した。この期間の間、溶液は黄色から暗緑色になった。この後、iPr2NEt(21.1ml, 121.6mmol)を滴下して加え、反応混合物を0℃で45分維持し、溶液の発色はこの間でパール状の褐色となった。次いで、t-ブタノール(5.8mL, 60.8mmol)とtert-ブチルテトラメチルグアニジン(18.3ml, 106.4mmol)を滴下して加え、反応混合物を23℃で40分攪拌した。この後、酢酸無水物(14.34ml, 152mmol)を滴下して加え、反応混合物を23℃でさらに1時間維持した。次いで反応混合物をCH2Cl2(38ml)で希釈し、NH4Clの飽和水溶液(500ml)、NaHCO3(500ml)及びNaCl(500ml)で洗浄した。組み合わされた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:ヘキサンで3:7から4:6の勾配の様式で)によって精製し、パール状の黄色の固体として171(6.24g, 52%)を得た。Rf=0.38 Hex:EtOAc 1:1
【数92】
Figure 0004942900
【0245】
実施例97
【化152】
Figure 0004942900
無水CH2Cl2(74mL)とアセトニトリル(74mL)中の171(2.26g, 2.85mmol)の溶液に対して、NaI(3.42g, 22.8mmol)とTMSCl(CaH2で新たに希釈された)(2.6mL, 22.8mmol)を23℃で加え、反応物を35分攪拌した。二炭酸ナトリウムの飽和水溶液(150mL)をこの温度で反応混合物に加えた。有機相を分離し、水相をCH2Cl2(2×100mL)で抽出した。組み合わされた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去し、パール状の黄色の固体として164(2.4g, 100%)を得、それをさらに精製することなく後の反応で使用した。164の実験データは、実施例88で前述の通りであった。
164から35への変換は、実施例89で前述の通りであった。
中間体36、ET-770及びET-743を、PCT/GB00/01852に以前に記載されたのと同じ方法に従って調製した。
【0246】
経路6
実施例98
【化153】
Figure 0004942900
MeOH(140mL)中の144(7g, 7.6mmol)の溶液に対して、1M NaOH(15.1mL)を加え、反応物を23℃で10分攪拌した。NH4Cl(100ml)の飽和水溶液を反応混合物に加えた。有機相を分離し、発色が黄色になるまで5% HClで洗浄した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:ヘキサンの0:1、1:3、1:2、1:1、1:1から3:1の勾配の様式で)により精製し、161(3.76g, 85%)を得た。161の実験データは、米国特許第5,721,362号に以前に記載された。
【0247】
実施例99
【化154】
Figure 0004942900
無水CH2Cl2(20mL)中の161(200mg, 0.37mmol)とシステイン152(240mg, 0.55mmol)の溶液に対して、DMAP(110mg, 0.925mmol)とEDC・HCl(170mg, 0.925mmol)を23℃で加え、反応物をこの温度で1.5時間攪拌した。次いで混合物を、NaHCO3の飽和水溶液(15mL)、NaCl(15mL)、及びNH4Cl(2×10mL)で連続して洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、濾過して減圧下で濃縮した。残余物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(SiO2、AcOEt/ヘキサンの1:4から1:2の勾配の様式で)により精製し、白色の固体として172(285mg, 80%)を得た。Rf=0.3 Hex:EtOAc 2:1
【数93】
Figure 0004942900
【0248】
実施例100
【化155】
Figure 0004942900
反応フラスコを二回熱処理し、数回真空/アルゴンパージ処理し、反応のためアルゴン雰囲気に維持した。無水CH2Cl2(118ml)中のDMSO(977μL)の溶液に対して、-78℃でトリフリックアンヒドリド(930μl, 5.5mmol)を滴下して加えた。反応混合物を-78℃で20分攪拌し、次いで-78℃で無水CH2Cl2(主な添加のため26mL、洗浄のため13mL)中の172(2.63g, 2.75mmol)の溶液をカニューレを介して加えた(添加時間:5分)。添加の間、温度を両フラスコで-78℃に維持し、発色は黄色から褐色に変化した。反応混合物を-40℃で35分攪拌した。この期間の間、溶液は黄色から暗緑色になった。この後、iPr2NEt(3.48ml, 22mmol)を滴下して加え、反応混合物を0℃で45分維持し、溶液の発色はこの間で褐色となった。次いで、t-ブタノール(1.04mL, 11mmol)とtert-ブチルテトラメチルグアニジン(3.31ml, 19.25mmol)を滴下して加え、反応混合物を23℃で40分攪拌した。この後、酢酸無水物(2.6ml, 27.5mmol)を滴下して加え、反応混合物を23℃でさらに1時間維持した。次いで反応混合物をCH2Cl2(70ml)で希釈し、NH4Clの飽和水溶液(180ml)、NaHCO3(180ml)及びNaCl(180ml)で連続して洗浄した。組み合わされた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して減圧下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、Hex:EtOAcで4:1、3:1から2:1の勾配の様式で)によって精製し、白色の固体として173(1.145g, 52%)を得た。Rf=0.31 Hex:EtOAc 3:2
【数94】
Figure 0004942900
【0249】
実施例101
【化156】
Figure 0004942900
CH2Cl2(2mL)とCH3CN(2mL)中の173(100mg, 0.125mmol)の溶液に対して、NaI(75mg, 0.5mmol)とTMSCl(63mL, 0.5mmol)を0℃で加えた。反応物を23℃で50分攪拌した後、混合物を水(30mL)で停止し、CH2Cl2(2×20mL)で抽出した。組み合わされた有機相をNaClの飽和水溶液(20mL)とナトリウムジチオナイト(20mL)で連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過して真空下で濃縮した。残余物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、EtOAc:Hexで1:4、1:2から1:1の勾配の様式で)によって精製し、白色の固体として158(66mg, 70%)を得た。Rf=0.21 Hex:EtOAc 1:1。158の実験データは実施例19で前述の通りであった。
158から35への変換は、実施例85で前述の通りであった。
中間体36、ET-770及びET-743は、PCT/GB00/01852に以前に記載されたのと同じ方法に従って調製された。
【0250】
【参考文献】
Figure 0004942900
Figure 0004942900

Claims (7)

  1. 以下のスキーム:
    Figure 0004942900
    [式中、ProtNHt-ブチルオキシカルボニルであり、ProtOHメトキシメチルまたはメトキシエトキシメチルである]
    に従って、単一の工程で両者の保護基を除去することによって、式(A)の化合物を脱保護して式(35)のα-アミンラクトンを得る工程を含む、エクチナサイジン化合物の製造方法
  2. ProtOHがメトキシエトキシメチルである、請求項1記載の方法。
  3. 式(35)のα-アミンラクトンを、下式:
    Figure 0004942900
    のアミノ基転移によって、式(36)の対応するα-ケトラクトンに酸化する更なる工程を含む、請求項1記載の方法。
  4. 式(36)のα-ケトラクトンから、下式:
    Figure 0004942900
    のPictet-Spengler反応によって、スピロテトラヒドロイソキノリン化合物Et770を立体特異的に形成する更なる工程を含む、請求項記載の方法。
  5. 下式:
    Figure 0004942900
    のEt770のC-21でのニトリルのヒドロキシによる置換によりEt743を得る更なる工程を含む、請求項に記載の方法。
  6. 中間体が式(35):
    Figure 0004942900
    である、エクチナサイジン化合物の合成のための中間体。
  7. 中間体が式(36):
    Figure 0004942900
    である、エクチナサイジン化合物の合成のための中間体。
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