JP4942837B2 - Solid electrolytic capacitor - Google Patents
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Description
この発明は、固体電解コンデンサに関する。 The present invention relates to a solid electrolytic capacitor.
酸化ニオブは高い絶縁性を有するとともに、従来の固体電解コンデンサの材料である酸化タンタルに比べて誘電率が約1.8倍と大きいことから、次世代の高容量固体電解コンデンサの誘電体材料として注目されている。ここで、絶縁性の高い酸化ニオブは、ニオブからなる基体を陽極として陽極酸化することによって、容易に陽極上に形成することができる。なお、このとき形成される酸化ニオブの結晶性は、非晶質である。 Niobium oxide has high insulation properties, and its dielectric constant is about 1.8 times that of tantalum oxide, which is the material of conventional solid electrolytic capacitors. Therefore, niobium oxide is a dielectric material for next-generation high-capacity solid electrolytic capacitors. Attention has been paid. Here, niobium oxide having a high insulating property can be easily formed on the anode by anodizing with a niobium substrate as the anode. Note that the niobium oxide formed at this time is amorphous.
従来の酸化ニオブを用いる固体電解コンデンサでは、このように陽極酸化により形成された酸化ニオブを誘電体層として用いているが、この酸化ニオブからなる誘電体層は、リフロー工程などの熱処理の影響を受けやすく、静電容量の安定性が酸化タンタルなどの他の誘電体材料を用いる固体電解コンデンサに比べて劣っていた。そこで、静電容量の低下を抑制するために、誘電体層を構成する酸化ニオブ中にニオブ窒化物領域を形成した固体電解コンデンサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記のようにニオブ窒化物領域が形成された酸化ニオブを用いる固体電解コンデンサにおいても、リフロー工程などの熱処理後に陽極と陰極との間の漏れ電流が増加するという問題点があった。 However, even in a solid electrolytic capacitor using niobium oxide having a niobium nitride region formed as described above, there is a problem that leakage current between the anode and the cathode increases after heat treatment such as a reflow process.
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、
この発明の目的は、漏れ電流が小さい固体電解コンデンサを提供することである。
The present invention has been made to solve the above problems,
An object of the present invention is to provide a solid electrolytic capacitor with a small leakage current.
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による固体電解コンデンサは、ニオブからなる陽極と、陽極上に形成されたマグネシウムを含む酸化ニオブからなる誘電体層と、誘電体層上に形成された陰極とを備える。 To achieve the above object, a solid electrolytic capacitor according to a first aspect of the present invention includes an anode made of niobium, a dielectric layer made of niobium oxide containing magnesium formed on the anode, and a dielectric layer on the dielectric layer. And a formed cathode.
この第1の局面による固体電解コンデンサでは、上記のように、酸化ニオブからなる誘電体層中にマグネシウムを含んでいる。誘電体層中において、マグネシウムは、酸素と強く結合することができるので、酸素の拡散を抑制することができる。 In the solid electrolytic capacitor according to the first aspect, as described above, the dielectric layer made of niobium oxide contains magnesium. In the dielectric layer, magnesium can be strongly bonded to oxygen, so that diffusion of oxygen can be suppressed.
これにより、リフロー工程などの熱処理を行った場合においても、誘電体層から陽極などに酸素が拡散することを抑制できるので、誘電体層の厚みが減少しにくく、誘電体層の絶縁性も低下しにくい。したがって、この第1の局面の発明においては、漏れ電流の小さい固体電解コンデンサを得ることができる。 As a result, even when a heat treatment such as a reflow process is performed, the diffusion of oxygen from the dielectric layer to the anode or the like can be suppressed, so that the thickness of the dielectric layer is difficult to decrease and the insulation of the dielectric layer is also reduced. Hard to do. Therefore, in the invention of the first aspect, a solid electrolytic capacitor with a small leakage current can be obtained.
また、酸化ニオブからなる誘電体層中にマグネシウムを含むことにより、固体電解コンデンサの等価直列抵抗(ESR)の増加を抑制することができる。 Further, by including magnesium in the dielectric layer made of niobium oxide, an increase in equivalent series resistance (ESR) of the solid electrolytic capacitor can be suppressed.
上記第1の局面による固体電解コンデンサにおいて、好ましくは、誘電体層中のマグネシウム濃度は、0.2原子%〜0.6原子%の範囲である。このように構成することにより、固体電解コンデンサの静電容量を大きくすることができる。 In the solid electrolytic capacitor according to the first aspect, preferably, the magnesium concentration in the dielectric layer is in the range of 0.2 atomic% to 0.6 atomic%. By comprising in this way, the electrostatic capacitance of a solid electrolytic capacitor can be enlarged.
また、この発明の第2の局面による固体電解コンデンサの製造方法は、ニオブからなる陽極をマグネシウムイオンを含む水溶液中で陽極酸化することにより、該陽極上にマグネシウムを含む酸化ニオブからなる誘電体層を形成する工程と、誘電体層上に陰極を形成する工程とを備える。 A method for manufacturing a solid electrolytic capacitor according to a second aspect of the present invention includes a dielectric layer made of niobium oxide containing magnesium on the anode by anodizing an anode made of niobium in an aqueous solution containing magnesium ions. And a step of forming a cathode on the dielectric layer.
この第2の局面による固体電解コンデンサの製造方法では、上記のように、マグネシウムイオンを含む水溶液中で陽極酸化することにより、酸化ニオブ中にマグネシウムを含有させることができる。これにより、誘電体層中の酸素が拡散しにくくなるので、誘電体層の厚みが減少しにくく、誘電体層の絶縁性が低下することを抑制することができる。したがって、この第2の局面の発明においては、漏れ電流の小さい固体電解コンデンサを容易に製造することができる。 In the method for producing a solid electrolytic capacitor according to the second aspect, as described above, niobium oxide can contain magnesium by anodizing in an aqueous solution containing magnesium ions. This makes it difficult for oxygen in the dielectric layer to diffuse, so that it is difficult to reduce the thickness of the dielectric layer, and it is possible to suppress a decrease in the insulating properties of the dielectric layer. Therefore, in the invention of the second aspect, a solid electrolytic capacitor with a small leakage current can be easily manufactured.
さらに、上記の工程により、マグネシウムは酸化ニオブからなる誘電体層中に略均一に含有される。マグネシウム濃度が大きい領域では酸化マグネシウムが生じやすい。特に、陽極と誘電体層との界面のマグネシウム濃度が大きい場合は、この界面に酸化マグネシウムからなる層が形成されやすくなるので、陽極と誘電体層との界面における直列抵抗成分が増加しやすくなる。従って、マグネシウムが誘電体層中に略均一に含有されることにより、固体電解コンデンサのESRの増加を抑制することができる。 Furthermore, magnesium is contained substantially uniformly in the dielectric layer made of niobium oxide by the above process. Magnesium oxide is likely to occur in a region where the magnesium concentration is high. In particular, when the magnesium concentration at the interface between the anode and the dielectric layer is large, a layer made of magnesium oxide is likely to be formed at this interface, so that the series resistance component at the interface between the anode and the dielectric layer is likely to increase. . Therefore, increase in ESR of the solid electrolytic capacitor can be suppressed by containing magnesium substantially uniformly in the dielectric layer.
以下、本発明を実施の形態に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。 Hereinafter, the present invention will be described in more detail based on the embodiments. However, the present invention is not limited to the following embodiments, and can be appropriately modified and implemented without departing from the scope of the present invention. It is a thing.
図1は、本発明の一実施の形態による直方体状の固体電解コンデンサの断面構造図である。 FIG. 1 is a cross-sectional structure diagram of a rectangular parallelepiped solid electrolytic capacitor according to an embodiment of the present invention.
図1に示すように、固体電解コンデンサ100では、陽極1は、約1μmの粒径を有するニオブ粒子の多孔質焼結体からなる外形約3.3mm×約2.7mm×約1.7mmの直方体状の基体1aと、基体1aに一部が埋め込まれたニオブからなる線状の陽極リード1bとから構成されている。
As shown in FIG. 1, in the solid
基体1a上には、基体1aの周囲を覆うようにマグネシウムを含む酸化ニオブからなる誘電体層2が形成されている。また、誘電体層2上には、誘電体層2の周囲を覆うようにポリピロールなどからなる電解質層3が形成され、電解質層3上には、電解質層3の周囲を覆うように陰極4が形成されている。陰極4は、電解質層3の周囲を覆うように形成されたカーボンペーストからなる第1導電層4aと、第1導電層4aの周囲を覆うように形成された銀ペーストからなる第2導電層4bとから構成されている。
A
陰極4の周囲のうち上面には、導電性接着剤層5が形成され、さらに導電性接着剤層5上には、表面をニッケルめっきした約0.1mmの厚さを有する鉄箔からなる陰極端子6が形成されている。基体1aから露出した陽極リード1c上には、表面をニッケルめっきした約0.1mmの厚さを有する鉄箔からなる陽極端子7が溶接により接続されている。また、陰極端子6および陽極端子7の端部が外部に引き出されるように、第2導電層4b、陰極端子6および陽極端子7の周囲には、モールド外装樹脂8が形成されている。これにより、本発明の一実施の形態による固体電解コンデンサ100が構成されている。
A conductive
次に、図1に示す本発明の一実施の形態による固体電解コンデンサの製造方法について説明する。 Next, a method for manufacturing a solid electrolytic capacitor according to an embodiment of the present invention shown in FIG. 1 will be described.
まず、約1μmの粒径を有するニオブ粒子の粉体を焼結することにより、外形約3.3mm×約2.7mm×約1.7mmの多孔質焼結体からなる基体1aを形成する。このとき、ニオブからなる線状の陽極リード1bの一部を基体1aに埋め込む。これにより、基体1aと陽極リード1bとから構成される陽極1が作製される。
First, a niobium particle powder having a particle size of about 1 μm is sintered to form a base body 1a made of a porous sintered body having an outer shape of about 3.3 mm × about 2.7 mm × about 1.7 mm. At this time, a part of the linear anode lead 1b made of niobium is embedded in the substrate 1a. Thereby, the
次に、陽極1を約60℃に保持した塩化マグネシウム水溶液などのマグネシウムイオンを含む水溶液中において、約10Vの定電圧で陽極酸化することにより、基体1aの周囲を覆うように、基体1a上にホウ素を含む酸化ニオブからなる誘電体層2を形成する。
Next, the
誘電体層2を形成した後、誘電体層2の周囲を覆うように、誘電体層2上にポリピロールなどからなる電解質層3を重合などにより形成する。また、電解質層3の周囲を覆うように、電解質層3上にカーボンペーストを塗布し、約80℃で約30分間乾燥することによりカーボンペーストからなる第1導電層4aを形成する。また、第1導電層4a上に銀ペーストを塗布し、約170℃で約30分間乾燥することにより銀ペーストからなる第2導電層4bを形成する。これにより、カーボンペーストからなる第1導電層4aおよび銀ペーストからなる第2導電層4bが積層された陰極4を形成する。
After the
次に、表面をニッケルめっきした約0.1mmの厚さを有する鉄箔からなる陰極端子6上に導電性接着剤を約2mg塗布した後、この導電性接着剤を介して陰極4と陰極端子6とを接触させる。さらに、陰極4と陰極端子6とで導電性接着剤を押圧しながら約60℃の温度で約30分間乾燥を行うことにより、陰極4と陰極端子6とを接続する導電性接着剤層5を形成する。また、表面をニッケルめっきした約0.1mmの厚さを有する鉄箔からなる陽極端子7を陽極リード1c上に溶接する。さらに、陰極端子6および陽極端子7の端部が外部に引き出されるように、第2導電層4b、陰極端子6および陽極端子7の周囲にモールド外装樹脂8を形成する。このようにして、本発明の一実施の形態による固体電解コンデンサ100が作製される。
Next, about 2 mg of a conductive adhesive is applied on the
本実施の形態においては、酸化ニオブからなる誘電体層2中にマグネシウムを含んでいるので、リフロー工程などの熱処理を行う場合に、誘電体層2中の酸素が拡散しにくいので、誘電体層2の厚みが減少し、誘電体層2の絶縁性が低下することを抑制することができる。その結果、固体電解コンデンサの陽極1と陰極4との間の漏れ電流を小さくすることができる。
In the present embodiment, since the
また、本実施の形態においては、酸化ニオブからなる誘電体層2中にマグネシウムを含んでいるので、誘電体層2中の酸素の拡散を抑制することができる。これにより、リフロー工程などの熱処理を行った場合においても、誘電体層2から陽極1や電解質層3などに酸素が拡散することを抑制できるので、誘電体層2の厚みが減少しにくく、誘電体層2の絶縁性も低下しにくい。したがって、固体電解コンデンサの陽極1と陰極4との間の漏れ電流を小さくすることができる。
In the present embodiment, since magnesium is contained in
また、本実施の形態においては、塩化マグネシウム水溶液などのマグネシウムイオンを含む水溶液中で陽極酸化しているので、酸化ニオブからなる誘電体層2中にマグネシウムを容易に含有させることができる。これにより、リフロー工程などの熱処理を行った場合においても、誘電体層2中の酸素が拡散しにくく、絶縁性が低下しにくい誘電体層2を容易に形成することができる。その結果、陽極1と陰極4との間の漏れ電流の小さい固体電解コンデンサを容易に製造することができる。
In the present embodiment, since anodization is performed in an aqueous solution containing magnesium ions such as an aqueous magnesium chloride solution, magnesium can be easily contained in the
さらに、上記工程により、マグネシウムは酸化ニオブからなる誘電体層2中に略均一に含有されるので、特に、陽極1と誘電体層2との界面のマグネシウム濃度が増加することを抑制し、陽極1と誘電体層2との界面に酸化マグネシウムからなる層が形成されることを抑制することができる。これにより、陽極1と誘電体層2との界面における直列抵抗成分の増加を抑制することができるので、固体電解コンデンサのESRの増加を抑制することができる。
Furthermore, since the magnesium is contained substantially uniformly in the
また、本実施の形態においては、基体1aとして、ニオブの多孔質焼結体を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ニオブからなる金属箔を用いてもよい。また、陽極1aは、ニオブ単体だけでなく、例えば、タングステン、バナジウム、亜鉛、アルミニウム、モリブデン、ハフニウムおよびジルコニウムなどの元素を含むニオブ合金から構成されてもよい。 In this embodiment, a niobium porous sintered body is used as the substrate 1a. However, the present invention is not limited to this, and for example, a metal foil made of niobium may be used. In addition, the anode 1a may be composed of not only niobium alone but also a niobium alloy containing elements such as tungsten, vanadium, zinc, aluminum, molybdenum, hafnium, and zirconium.
また、本実施の形態においては、電解質層3として、ポリピロール以外にポリチオフェンなどの他の導電性高分子や二酸化マンガンなどの他の導電性材料を用いることができる。 In the present embodiment, other conductive polymer such as polythiophene or other conductive material such as manganese dioxide can be used as the electrolyte layer 3 in addition to polypyrrole.
また、本実施の形態においては、誘電体層2と陰極4と間には電解質層3が形成されているが、本発明はこれに限らず、電解質層3を形成することなく、陰極4を誘電体層2上に直接形成してもよい。
In the present embodiment, the electrolyte layer 3 is formed between the
また、本実施の形態においては、陰極4として第1導電層4aおよび第2導電層4bの積層構造を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1導電層4aまたは第2導電層4bのみからなる単層構造でもよい。
In the present embodiment, the stacked structure of the first conductive layer 4a and the second conductive layer 4b is used as the
次に、上記実施形態の固体電解コンデンサに用いる陽極および誘電体層の評価を行うために、以下のような試験用電解コンデンサを作製した。 Next, in order to evaluate the anode and dielectric layer used in the solid electrolytic capacitor of the above embodiment, the following test electrolytic capacitors were produced.
図2は、本発明の固体電解コンデンサに用いる陽極および誘電体層の評価を行うための試験用電解コンデンサの断面構造図である。 FIG. 2 is a cross-sectional structure diagram of a test electrolytic capacitor for evaluating an anode and a dielectric layer used in the solid electrolytic capacitor of the present invention.
図2に示すように、試験用電解コンデンサ200においては、ニオブ箔からなる陽極11上には、陽極11の周囲を覆うように酸化ニオブからなる誘電体層12が形成されている。ここで、ニオブ箔は、上記実施形態の陽極を構成する基体の一例である。また、陽極11および誘電体層12は、ステンレスなどの金属からなり、陰極として用いられるビーカー13内のアジピン酸水溶液などの電解液14中に浸漬されている。このとき、陽極11は、ビーカー13および電解液14と接触しないように保持されている。このように、試験用電解コンデンサ200が構成されている。
As shown in FIG. 2, in the test electrolytic capacitor 200, a dielectric layer 12 made of niobium oxide is formed on the anode 11 made of niobium foil so as to cover the periphery of the anode 11. Here, the niobium foil is an example of a substrate constituting the anode of the above embodiment. The anode 11 and the dielectric layer 12 are made of a metal such as stainless steel, and are immersed in an
また、誘電体層12は、次のように形成される。はじめに、ニオブ箔からなる陽極11を塩化マグネシウム水溶液中において陽極酸化する(第1工程)。これにより、陽極11の周囲を覆うように、陽極11上にマグネシウムを含む酸化ニオブからなる誘電体層12を形成する。ここで、塩化マグネシウム水溶液は、本発明の「マグネシウムイオンを含む水溶液」の一例である。 The dielectric layer 12 is formed as follows. First, the anode 11 made of niobium foil is anodized in a magnesium chloride aqueous solution (first step). Thereby, the dielectric layer 12 made of niobium oxide containing magnesium is formed on the anode 11 so as to cover the periphery of the anode 11. Here, the magnesium chloride aqueous solution is an example of the “aqueous solution containing magnesium ions” of the present invention.
次に、上記のように形成された陽極11および誘電体層12をリン酸水溶液中において陽極酸化を行う(第2工程)。これにより、酸化ニオブからなる誘電体層12の表面にさらにリンを含有させることができる。酸化ニオブからなる誘電体層12にリンを含有させることによって、酸化ニオブの結晶化を抑制することができるので、誘電体層12の表面の結晶化とひび割れの発生とを抑制することができる。その結果、陽極11および誘電体層12を電解液14中に浸漬した場合に、陽極12と電解液14とが短絡することを抑制することができる。
Next, the anode 11 and the dielectric layer 12 formed as described above are anodized in a phosphoric acid aqueous solution (second step). Thereby, phosphorus can be further contained in the surface of the dielectric layer 12 made of niobium oxide. By including phosphorus in the dielectric layer 12 made of niobium oxide, crystallization of niobium oxide can be suppressed, so that crystallization of the surface of the dielectric layer 12 and occurrence of cracks can be suppressed. As a result, when the anode 11 and the dielectric layer 12 are immersed in the
さらに、熱処理による誘電体層12の影響を評価するために、上記のように作製した陽極11および誘電体層12に対して約250℃の乾燥炉内で約10分間の熱処理を行う。 Further, in order to evaluate the influence of the dielectric layer 12 by the heat treatment, the anode 11 and the dielectric layer 12 produced as described above are subjected to a heat treatment for about 10 minutes in a drying furnace at about 250 ° C.
その後、陽極11をビーカー13内の電解液14中に浸漬し、陽極11をビーカー13および電解液14と接触しないように保持することにより、実験1で用いる試験用電解コンデンサ200が作製される。
Thereafter, the anode 11 is immersed in the
(実験1)
実験1では、誘電体層12の形成に対して、第1工程として、約60℃に保持した種々の濃度の塩化マグネシウム水溶液中で約10Vの定電圧で陽極酸化を行った後、第2工程として、約60℃に保持した約0.05wt%の濃度のリン酸水溶液中で約10Vの定電圧で約6時間の陽極酸化を行った。このようにして形成した誘電体層12を用いて、試験用電解コンデンサA1〜A5を作製した。表1に、試験用電解コンデンサA1〜A5の第1工程における誘電体層12の形成条件を示す。
(Experiment 1)
In
(実験2)
実験2では、誘電体層の形成を第2工程のみで行う以外は、実験1と同様に試験用電解コンデンサX1を作製した。即ち、実験2では、第2工程のみで陽極の陽極酸化を行うことにより、陽極の周囲を覆うように、陽極上にマグネシウムを含まない酸化ニオブからなる誘電体層を形成した。
(Experiment 2)
In
(実験3)
実験3では、次のように、陽極上に誘電体層を形成した。
(Experiment 3)
In Experiment 3, a dielectric layer was formed on the anode as follows.
まず、ニオブ箔からなる陽極の表面に真空スパッタ法により約50nmの厚みを有するマグネシウムからなる薄膜を形成した。次に、この陽極を10−5Torr以下の真空中で約600℃、約60分の熱処理を行うことにより、陽極内部にマグネシウムの拡散を行った。その後、実験2と同様の方法で、上記の陽極に対して第2工程のみの陽極酸化を行った。
First, a thin film made of magnesium having a thickness of about 50 nm was formed on the surface of an anode made of niobium foil by vacuum sputtering. Next, this anode was heat-treated at about 600 ° C. for about 60 minutes in a vacuum of 10 −5 Torr or less to diffuse magnesium inside the anode. Thereafter, in the same manner as in
このように形成した陽極および誘電体層を用いて、試験用電解コンデンサX2を作製した。 Using the anode and the dielectric layer thus formed, a test electrolytic capacitor X2 was produced.
(実験4)
実験4では、次のように、陽極上に誘電体層を形成した。
(Experiment 4)
In
まず、ニオブ箔からなる陽極を約300Torr(約4×10−4Pa)の窒素雰囲気中において、約600℃で約5分間熱処理することにより、陽極の周囲を覆うように、陽極上にニオブ窒化物層を形成した。 First, an anode made of niobium foil is heat-treated at about 600 ° C. for about 5 minutes in a nitrogen atmosphere of about 300 Torr (about 4 × 10 −4 Pa), so that niobium nitriding is performed on the anode so as to cover the periphery of the anode. A physical layer was formed.
次に、実験2と同様に、第2工程のみでこの陽極の陽極酸化を行った。これにより、陽極の周囲を覆うように、陽極上にニオブ窒化物領域を有する酸化ニオブからなる誘電体層を形成した。尚、このようにして形成した誘電体層は、特許文献1に記載されている固体電解コンデンサにおける酸化ニオブ中にニオブ窒化物領域を形成した誘電体層に相当するものである。
Next, as in
そして、このようにして形成した陽極および誘電体層を用いて、試験用電解コンデンサX3を作製した。 Then, using the anode and the dielectric layer thus formed, a test electrolytic capacitor X3 was produced.
(評価)
上記の試験用コンデンサA1〜A5およびX1〜X3に対して、陽極1およびビーカー13に約3Vの定電圧を印加し、約10秒後の漏れ電流を測定することで、各試験用電解コンデンサの陽極と陰極(ビーカー13)との間の漏れ電流を評価した。また、LCRメータを用いて、各試験用電解コンデンサの陽極と陰極(ビーカー13)との間に約120Hzの交流電圧を印加することにより、約120Hzの周波数における静電容量を測定するとともに、陽極と陰極(ビーカー13)との間に約100kHzの高周波電圧を印加することにより、約100kHzの周波数における等価直列抵抗(ESR)を測定した。さらに、各試験用電解コンデンサの誘電体層中のマグネシウム濃度をX線光電子分光分析(XPS)法により測定した。
(Evaluation)
By applying a constant voltage of about 3V to the
これらの結果を表2に示す。なお、漏れ電流、ESRおよび静電容量の測定値は、試験用電解コンデンサX1における各測定値をそれぞれ100とした指数で表示した。 These results are shown in Table 2. In addition, the measured values of leakage current, ESR, and capacitance were displayed as indices with each measured value in the test electrolytic capacitor X1 being 100, respectively.
尚、試験用電解コンデンサX1、X2の誘電体層からはマグネシウムは検出されなかった。 Magnesium was not detected from the dielectric layers of the test electrolytic capacitors X1 and X2.
表2より、試験用電解コンデンサX1と比べて、試験用電解コンデンサX2の漏れ電流およびESRは、ともに大きくなっている。このESRの増加の要因は、陽極と誘電体層との間に形成されているマグネシウム層の一部が酸化されることにより、陽極と誘電体層との間の直列抵抗成分が増加したためと考えられる。即ち、陽極と誘電体層との間の界面のマグネシウムの含有量が大きくなると、陽極と誘電体層との間の直列抵抗成分が増加し、ESRが増加しやすいことがわかった。 From Table 2, the leakage current and ESR of the test electrolytic capacitor X2 are both larger than those of the test electrolytic capacitor X1. The cause of this increase in ESR is thought to be that the series resistance component between the anode and the dielectric layer increased due to oxidation of a part of the magnesium layer formed between the anode and the dielectric layer. It is done. That is, it was found that when the magnesium content at the interface between the anode and the dielectric layer increases, the series resistance component between the anode and the dielectric layer increases and ESR tends to increase.
また、試験用電界コンデンサX3では、試験用電解コンデンサX1と比べて、漏れ電流は小さいが、ESRが増加し、また、静電容量も減少している。試験用電界コンデンサX3のESRの増加の要因についても、誘電体層中にニオブ窒化物領域が形成されたことにより、陽極と誘電体層との間の直列抵抗成分が増加したためと考えられる。 Further, in the test electric field capacitor X3, the leakage current is small as compared with the test electrolytic capacitor X1, but the ESR is increased and the capacitance is also decreased. The cause of the increase in ESR of the test electric field capacitor X3 is also considered that the series resistance component between the anode and the dielectric layer is increased due to the formation of the niobium nitride region in the dielectric layer.
これらの結果に対して、マグネシウムを含む酸化ニオブからなる誘電体層12を有する試験用電解コンデンサA1〜A5では、試験用電解コンデンサX1〜X3よりも漏れ電流およびESRが低減していることがわかった。また、誘電体層12中のマグネシウム濃度が約0.2原子%〜約0.4原子%の範囲では、特に、漏れ電流が小さくなっていることがわかった。これにより、酸化ニオブからなる誘電体層12中にマグネシウムを含有することにより、熱処理による漏れ電流およびESRの増加を抑制することができることがわかった。 In contrast to these results, it can be seen that the leakage current and ESR are reduced in the test electrolytic capacitors A1 to A5 having the dielectric layer 12 made of niobium oxide containing magnesium, compared to the test electrolytic capacitors X1 to X3. It was. Further, it was found that the leakage current was particularly small when the magnesium concentration in the dielectric layer 12 was in the range of about 0.2 atomic% to about 0.4 atomic%. Thus, it was found that the inclusion of magnesium in the dielectric layer 12 made of niobium oxide can suppress an increase in leakage current and ESR due to heat treatment.
さらに、誘電体層12中のマグネシウム濃度が約0.2原子%〜約0.6原子%の範囲である試験用電解コンデンサA2〜A4では、試験用電解コンデンサX1〜X3よりも静電容量が増加することがわかった。 Further, the test electrolytic capacitors A2 to A4 in which the magnesium concentration in the dielectric layer 12 is in the range of about 0.2 atomic% to about 0.6 atomic% have a capacitance higher than that of the test electrolytic capacitors X1 to X3. It turned out to increase.
1 陽極
1a 基体
1b 陽極リード
2 誘電体層
3 電解質層
4 陰極
4a 第1導電層
4b 第2導電層
5 導電性接着剤層
6 陰極端子
7 陽極端子
8 モールド外装樹脂
100 固体電解コンデンサ
DESCRIPTION OF
Claims (3)
前記陽極上に形成されたマグネシウムを含む酸化ニオブからなる誘電体層と、
前記誘電体層上に形成された陰極とを備え、
前記誘電体層の表面にリンが含有されている、固体電解コンデンサ。 An anode made of niobium,
A dielectric layer made of niobium oxide containing magnesium formed on the anode;
A cathode formed on the dielectric layer,
A solid electrolytic capacitor, wherein phosphorus is contained on a surface of the dielectric layer.
3. The solid electrolytic capacitor according to claim 1, wherein a magnesium concentration in the dielectric layer is in a range of 0.2 atomic% to 0.6 atomic%.
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