JP4941877B2 - 遠心分離機用ロータ及び遠心分離機 - Google Patents

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Description

本発明は、医学、薬学、遺伝子工学等の分野において各種試料の分離処理に使用されている遠心分離機とこれに備えられるロータに関するものであって、特にロータの軽量化と空気抵抗(風損)の低減及びそれに伴う高性能化に関するものである。
冷却遠心機と呼ばれる遠心分離機は、遠心分離される液体試料が注入された試験管を保持したロータを冷却しながら大気圧下又は低真空下で高速回転させることによって液体試料を遠心分離するものであって、最高回転数が5,000〜30,000rpm程度まで様々なロータが用途に応じて準備されている。
ところで、液体試料としては、血液成分や培養液或はDNAやRNAを含む液体等があり、これらの液体試料を用いた様々な実験が盛んに行われるようになり、製造、検査、実験等の工程で必要となる遠心分離工程の効率向上、或は低コスト化が求められている。
遠心分離工程は、ロータの回転数を上昇させることによって液体試料に与える遠心加速度を大きくして分離速度を上げ、目的物の回収率を向上させるとともに、一度に処理することができる試料量を増やすことによって効率の向上を図ることができる。又、低コスト化は、ロータが安価であることはもとより、遠心分離機本体も安価であることが必要であり、そのためには、基本的に構成部材が少ないことが肝要である。
本発明の対象は、高速冷却遠心機とこれに使用されるロータであるが、ロータとしは特に大容量アングルロータを対象とする。
冷却遠心機に使用される最も一般的なロータは、アングルロータと呼ばれ、試験管の容量が2ml/本程度〜1,000ml/本程度、保持する本数は4本/ロータ〜20本/ロータ程度まで各種のものがあり、一般的には軽量で高強度なアルミニウム合金で構成されている。これらのロータの中で、例えば300ml×6本、500ml×6本或は1,000ml×6本等の大容量アングルロータは、ロータボディの最大直径が概ねφ300mmを超える大型となり、アルミニウム合金の中実体に試験管挿入穴や駆動軸穴を機械加工によって穿孔して製造されるため、重量が15gを超え、最も重いものは25kg程度に達するものまである。このアングルロータの従来例を図5に示す。
図5は従来のアングルロータの破断側面図であり、図示のロータ101には、複数の試料挿入凹部102(図5には1つのみ図示)が円周に沿って等角度ピッチで形成されており、各試料挿入凹部102には、液体試料106が注入された試料容器105が挿入保持されている。そして、ロータ101の上面開口部にはロータカバー103が被せられており、このロータカバー103がハンドル104によってロータボディ108に固定されることによってロータ101内が密閉されている。又、ロータボディ108の中心軸下部には駆動軸穴107が形成されており、この駆動軸穴107には遠心分離機の不図示の駆動軸が挿入嵌合され、ロータ101は、駆動軸によって所定速度で回転駆動される。
ところで、ロータの材質には、通常はアルミニウム合金やチタン合金等の軽量で高強度な材料が使用されるが、試料容器の大型化に伴ってサンプルホルダやロータも大型化せざるを得ず、これらに軽量な材料を用いても20kg前後と重い場合が多く、持ち運びが容易でない等、ユーザーに大きな負担を強いる結果となっていた。このため、ロータに軽量化が望まれていた。
上記要求に応える製品として、本出願人が平成8年〜平成14年まで販売した大容量カーボンファイバー製アングルロータがある。この製品は、特許文献1に記載されたような構成を有し、ロータの主素材にカーボンファイバーとエポキシ樹脂の複合材料を使用することによって軽量化を図り、更にロータ外周部をアルミニウム合金製のシェル部材で覆い、回転時の空気抵抗(風損)の低減を図る工夫がなされたもので、300ml×6本、500ml×4本、1,000ml×4本及び1,000ml×6本の4種類が販売されていた。これらのロータは、重量が8〜12kgであり、アルミニウム合金の密度が約2.8g/cm3
に対して、カーボンファイバー複合材のそれは1.6g/cm3 と小さいために約40〜60%の軽量化が図られていた。
しかしながら、カーボンファイバー製ロータは、高価なカーボンファイバーを使用し、成形や加工にアルミニウム合金製のものよりも多くの手間が掛かるため、製造原価が高く、従って、販売価格もアルミニウム合金製のものに対して1.5〜2.5倍と高く、ユーザーにとって大きな経済的負担となっていた。
そこで、コスト的に有利なアルミニウム合金を多用してロータの軽量化るための提案もなされている(特許文献2参照)。
ここで、この種のロータの一例を図6及び図7に基づいて説明する。
図6は従来のアングルロータの破断側面図、図7(a),(b)は図6のB部拡大詳細図である。
図6に示すロータ201は、アルミニウム合金製のロータボディ212に複数の貫通孔214(図6には1つのみ図示)が周方向に等角度ピッチで形成されており、各貫通孔214には、内部に不図示の試料容器を保持するためのサンプルホルダ213が挿入されている。そして、ロータボディ212の軸中心下部には駆動軸穴220が形成されており、この駆動軸穴220には遠心分離機の不図示の駆動軸が挿入嵌合される。
そして、ロータ201は、遠心分離中の空気との摩擦による発熱と空気抵抗による回転抵抗を低く抑えるために、そのロータボディ212の下半部には椀状のシェル215が被着され、上半部には着脱可能な鍋蓋状のロータカバー216が被着されており、ロータカバー216は、これの中心部を貫通してロータボディ212の上部中心に螺着されたハンドル217によってロータボディ212の上半部に固定されている。
特許第2902116号公報 特表平7−500284号公報
ところが、図6に示した従来のロータ201は、軽量化という面では優れているが、ロータボディ212の外表面を覆うための上下に分割されたロータカバー216とシェル215は、図7(a)に示すように、上下に単に突き当てて接合されていたため、製造誤差等によっては接合部に上下方向の隙間ΔSが発生していた。このため、ロータ201を高速で回転駆動すると、薄肉大径のロータカバー216とシェル215が遠心力によって変形して図7(b)に示すように外側に膨らみ、両者の接合部に上下方向の大きな隙間ΔS’が発生し、この隙間ΔS’のために風損が大きくなってロータ201の性能が低下したり、騒音が発生するという問題があった。
従って、本発明の第1の目的は、軽量化とコストダウンを図りつつ、風損と騒音を低く抑えて性能向上を図ることができる遠心分離機用ロータとこれを備えた遠心分離機を提供することにある。
又、図6に示した従来のロータ201においては、ロータカバー216の外周面が下方に向かって一様に広がる平坦面を成していたため、該ロータカバー216の剛性が低くてロータカバー216が変形し易いという問題の他、ロータカバー216の空気との接触面積が大きいために発熱量と風損も大きくなるという問題もあった。
従って、本発明の第2の目的は、ロータカバーの剛性を高めてその変形を小さく抑えるとともに、発熱量と風損を小さく抑えて性能向上を図ることができる遠心分離機用ロータとこれを備えた遠心分離機を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、試料容器が着脱可能に挿入されるサンプルホルダを有するロータボディと、該ロータボディの下半部の周囲を覆うように設けられた椀状のシェルと、前記ロータボディの上半部の周囲を覆うように着脱可能に設けられた鍋蓋状のロータカバーとを有する遠心分離機用ロータにおいて、前記ロータカバーの下端部は、下方にいくに従って内周面が外側に開くテーパ面を有し、前記シェルの上端部は、上方にいくに従って外周面が縮径するテーパ面を有し、上記2つのテーパ面を上下方向にオーバーラップするように、前記シェルと前記ロータカバーの接合部を形成したことに一つの特徴を有する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ロータカバーの外周面に段部を形成し、該段部を境としてこれより上の部分を下の部分よりも小径としたことを特徴とする。
請求項3記載発明は、試料容器が着脱可能に挿入されるサンプルホルダを有するロータボディと、該ロータボディの下半部の周囲を覆うように設けられた椀状のシェルと、前記ロータボディの上半部の周囲を覆うように着脱可能に設けられた鍋蓋状のロータカバーとを有するロータと、該ロータをロータ室内で回転駆動する駆動手段と、を備え、前記ロータに保持された試料用容器内の試料を遠心分離する遠心分離機において、前記ロータカバーの下端部は、下方にいくに従って内周面が外側に開くテーパ面を有し、前記シェルの上端部は、上方にいくに従って外周面が縮径するテーパ面を有し、上記2つのテーパ面を上下方向にオーバーラップするように、前記シェルと前記ロータカバーの接合部を形成したことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記ロータカバーの外周面に段部を形成し、該段部を境としてこれより上の部分を下の部分よりも小径としたことを特徴とする。
請求項1及び3記載の発明によれば、ロータのシェルとロータカバーとの接合部において、両者の端縁同士を上下方向にオーバーラップさせたため、遠心分離中にシェルとロータカバーが遠心力を受けて変形して外側に膨んでも、両者の端縁部同士は接合部において依然として上下方向にオーバーラップし、接合部に上下方向の隙間が発生せず、隙間による風損や騒音が低く抑えられてロータの性能低下が防がれる。
請求項2及び4記載の発明によれば、ロータのロータカバーの外周面に段部を形成したため、該ロータカバーの形状変化による剛性向上に加えて、段部の加工による加工硬化によって強度向上を図ることができ、これによってロータカバーの変形が小さく抑えられる。又、ロータカバーの外周面の段部よりも上の部分を下の部分よりも小径としたため、この上の部分の空気との接触面積が小さく抑えられ、空気との摩擦に伴う発熱と風損が小さく抑えられてロータの性能向上が図られる。
尚、請求項1〜4記載の発明によれば、ロータは、ロータボディがシェルとロータカバーによって覆われるため、該ロータボディの形状に制限を受けず、減肉部を設けて無駄肉を可能な限り除去することによって軽量化とこれに伴うコストダウンを図ることができる。又、ロータを構成するロータボディやシェル、ロータカバー等の材質として、安価で加工性に富むアルミニウム合金を使用することができるため、ロータ、延ては遠心分離機のコストダウンを図ることができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
先ず、本発明に係る遠心分離機の基本構成を図1に基づいて説明する。
図1は本発明に係る遠心分離機の縦断面図であり、図示の遠心分離機1は、冷却遠心機と呼ばれるものであって、矩形箱形の筐体22を備えている。そして、この筐体22の内部は水平な仕切板23によって上下2段の空間に仕切られており、上段の空間には、上面が開口するチャンバ2が収容され、その周囲には冷却パイプ6が巻装されるとともに、断熱部24が配置されている。又、筐体22の前記チャンバ2の横には、操作・表示部を含む制御装置4が配置されている。尚、前記冷却パイプ6は、不図示の冷凍装置に接続されている。
又、上記チャンバ2の上面には、開閉可能なドア5が設けられ、チャンバ2内には該チャンバ2とドア5によって密閉されるロータ室25が形成されており、このロータ室25内には本発明に係るロータ11が回転可能に収容されている。
他方、筐体22内の前記仕切板23によって仕切られた下段の空間には、仕切板23に取り付けられた駆動装置3が収容されており、この駆動装置3に内蔵された不図示のモータから垂直上方へと延びる駆動軸26は、前記チャンバ2の底部を貫通して前記ロータ室25内に臨み、その上端部には本発明に係るロータ11が着脱可能に装着されている。
次に、本発明に係る前記ロータ11の構成の詳細を図2〜図4に基づいて説明する。
図2は本発明に係るロータのロータカバーを取り外した状態の平面図、図3は同ロータの破断側面図、図4は図3のA部拡大詳細図であり、(a)は停止中の状態、(b)は運転中の状態をそれぞれ示す。
本発明に係るロータ11のロータボディ12には、4つの円筒状貫通孔14が周方向に等角度ピッチ(90°ピッチ)で形成されており、図2に示すように、該ロータボディ12の周方向に隣接する貫通孔14の間の外周部には、軽量化と応力低減を図るための減肉部21が形成されている。ここで、図3に示すように、各貫通孔14は、下方に向かって広がるよう垂直に対して所定角度だけ傾斜して形成されており、これらの貫通孔14内には、上面が開口する有底筒状のサンプルホルダ13それぞれ挿入されている。
そして、上記サンプルホルダ13の内部には、図1に示すように、内部に試料19を収容して成る試料容器18が着脱可能に挿入保持されており、ロータ11のロータボディ12の回転軸下部には駆動軸穴20が形成されており、この駆動軸穴20には前記駆動軸26(図1参照)が挿入嵌合される。
ところで、ロータ11は、遠心分離中の空気との摩擦による発熱と空気抵抗による風損を低く抑えるために、そのロータボディ12の下半部の周囲には、椀状に成形された薄肉大径のシェル15が複数のネジ28(図3には1本のみ図示)によって被着され、同ロータボディ12の上半部の周囲には、鍋蓋状に成形された着脱可能な薄肉大径のロータカバー16が被着されている。そして、ロータカバー16は、これの中心を貫通してロータボディ12の上部中心に螺着されたハンドル17によってロータボディ12の上半部に取り付けられている。
尚、ロータ11のロータボディ12やサンプルホルダ13、シェル15及びロータカバー16の材質には、軽量で加工製に富み且つ比較的安価なアルミニウム合金が使用されている。特に、ロータボディ12やサンプルホルダ16にはアルミニウム合金の厚板や丸棒材料を使用するのが原価的に有利であり、加工性も良いために容易に所望形状を得ることができる。
ロータボディ12の隣接する貫通孔14間の減肉部21は、貫通孔14に対してできるだけ均一に肉が付くように減肉するのが軽量化の効果を高める上で重要である。このような減肉加工においては、現在の数値制御式加工機械を用い、加工制御用プログラムを作成することによって自動加工が可能であるため、加工費の上昇を低く抑えることができる。又、シェル15とロータカバー16は、アルミニウム合金の薄板をプレス成形や絞り加工することによって所望の形状に容易に成形されるため、それらの製作費を低く抑えることができるとともに、加工することによる加工硬化でによって強度アップを期待することができる。
ここで、本発明の要旨について説明する。
前記構成を有するロータ11においては、図3に示すように、前記ロータカバー16の外周面の中間高さ位置には段部16Aが全周に亘って形成されており、該ロータカバー16の前記段部16Aを境としてこれより上の部分は絞られて下の部分よりも小径に成形され、2段構造なっている。尚、前述のように、ロータカバー16をロータボディ12の上半部に被せ、これをハンドル17によってロータボディ12に固定した状態では、図3に示すように、ロータカバー16の外周に形成された段部16Aがロータボディ12の外周部上面に当接して該ロータカバー16の位置決めがなされる。
又、図4(a)に詳細に示すように、シェル15とロータカバー16との接合部は、両者の端縁同士が上下方向にオーバーラップするよう構成されている。より具体的には、ロータカバー16の下端縁内周部には下方に向かって開くテーパ面16aが形成され、シェル15の上端縁には上方に向かって縮径するテーパ面15aが形成されており、シェル15の上方に向かって尖った上端縁がロータカバー16の下端縁とロータボディ12との間に形成される隙間に挿入されることによって、前述のように、シェル15とロータカバー16との接合部において、両者の端縁同士が両者の板厚の範囲内で上下方向にオーバーラップしている。尚、このとき、シェル15の上端縁とロータカバー16の下端縁との間には微小な径方向隙間が形成されている。本来はシェル15とロータカバー16の接合部には径方向隙間が存在しない方が風損や騒音の点で有利であるが、加工精度の点で余裕を持たせるため、実際にはシェル15とロータカバー16の接合部に僅かな径方向隙間が形成されるよう設計される。更に、シェル15とロータカバー16の接合部には径方向隙間が存在しなくても良く、径方向隙間を無くせば風損や騒音の点で一層有利となる。
而して、図1に示す遠心分離機1において、ドア5を開け、ロータ11のロータボディ12に形成された貫通孔14に挿入されたサンプルホルダ13内に試料容器18を収容し、ロータカバー16をロータボディ12にセットした後、ドア5を閉めてロータ室25を密閉した状態で、駆動装置3を駆動すれば、該駆動装置3に内蔵されたモータによって駆動軸26が駆動され、その回転はロータ11に伝達されて該ロータ11がロータ室25内で回転駆動される。尚、このとき、ロータ室25内は、チャンバ2の外周に巻装された冷却パイプ6を流れる冷媒の蒸発によって所定温度に冷却されている。
上述のように、ロータ11がロータ室25内で回転駆動されると、これと共に回転する試料容器18内の試料19が遠心分離処理される。
ところで、ロータ11が高速で回転する遠心分離中においては、薄肉大径のシェル15とロータカバー16が遠心力を受けて変形して図4(b)に示すように外側に膨むが、本発明に係るロータ11においては、前述のようにシェル15とロータカバー16は接合部において両者の端縁同士が上下方向にオーバーラップしているため、両者の端縁部同士は接合部において依然として上下方向にオーバーラップしている。このため、シェル15とロータカバー16との接合部に上下方向の隙間が発生せず、隙間からロータ11内部の空間に入る空気を殆ど無くすことができ、この結果、風損や騒音が低く抑えられてロータ11の性能低下が防がれる。更に、シェル15とロータカバー16の接合部に径方向隙間が全く無ければ、ロータ11内部の空間に空気が全く入り込まなくなるため、風損や騒音が更に低く抑えられる。
又、本発明に係るロータ11においては、ロータカバー16の外周面に段部16Aを形成したため、該ロータカバー16の形状変化による剛性アップに加えて、段部16Aの加工による加工硬化によって強度向上を図ることができ、これによってロータカバー16の変形が小さく抑えられる。
更に、ロータカバー16の外周面の段部16Aよりも上の部分を絞って下の部分よりも小径とした(つまり2段構造とした)ため、この上の部分の空気との接触面積が小さく抑えられ、空気との摩擦に伴う発熱と風損が小さく抑えられてロータ11の性能向上が図られる。
尚、本実施の形態においても、図6に示した従来のロータ201と同様に、ロータ11は、ロータボディ12がシェル15とロータカバー16によって覆われるため、該ロータボディ12の形状に制限を受けず、ロータボディ12に減肉部21を設けて無駄肉を可能な限り除去することによって軽量化とこれに伴うコストダウンを図ることができる。
又、ロータ11を構成するロータボディ12やシェル15、ロータカバー15等の材質として、比較的安価で加工性に富むアルミニウム合金を使用することができるため、ロータ11、延ては遠心分離機1のコストダウンを図ることができる。
本実施の形態では、ロータ11として1,00ml×4本のアングルロータに適用して試作したところ、最高使用可能回転数は従来の中実アルミニウム合金製ロータ(500ml×6本)と同等の遠心加速度を得ることができる9,000rpmに達し、重量の軽量化効果として、従来のロータの重量が24kgであるのに対して約13gまで軽量化することができ、45%の重量低減効果を得ることができた。
又、本発明に係るロータ11の製造原価に関しては、カーボンファイバーを使用した同等の性能を有する従来のロータに対して製造原価を50%程度に抑えることができた。
本発明に係る遠心分離機の縦断面図である。 本発明に係る遠心分離機用ロータのロータカバーを取り外した状態の平面図である。 本発明に係る遠心分離機用ロータの破断側面図である。 図3のA部拡大詳細図であり、(a)は停止中の状態、(b)は運転中の状態を示す。 従来例1に係る遠心分離機用ロータの破断側面図である。 従来例2に係る遠心分離機用ロータの破断側面図である。 図6のB部拡大詳細図であり、(a)は停止中の状態、(b)は運転中の状態を示す。
符号の説明
1 遠心分離機
2 チャンバ
3 駆動装置(駆動手段)
4 制御装置
5 ドア
6 冷却パイプ
11 ロータ
12 ロータボディ
13 サンプルホルダ
14 貫通孔
15 シェル
16 ロータカバー
16A ロータカバー段部
17 ハンドル
18 試料容器
19 試料
20 駆動軸穴
21 減肉部
22 筐体
23 仕切板
24 断熱部
25 ロータ室
26 駆動軸
28 ネジ

Claims (4)

  1. 試料容器が着脱可能に挿入されるサンプルホルダを有するロータボディと、
    該ロータボディの下半部の周囲を覆うように設けられた椀状のシェルと、
    前記ロータボディの上半部の周囲を覆うように着脱可能に設けられた鍋蓋状のロータカバーとを有する遠心分離機用ロータにおいて、
    前記ロータカバーの下端部は、下方にいくに従って内周面が外側に開くテーパ面を有し、
    前記シェルの上端部は、上方にいくに従って外周面が縮径するテーパ面を有し、
    上記2つのテーパ面を上下方向にオーバーラップするように、前記シェルと前記ロータカバーの接合部を形成したことを特徴とする遠心分離機用ロータ。
  2. 前記ロータカバーの外周面に段部を形成し、該段部を境としてこれより上の部分を下の部分よりも小径としたことを特徴とする請求項1記載の遠心分離機用ロータ。
  3. 試料容器が着脱可能に挿入されるサンプルホルダを有するロータボディと、
    該ロータボディの下半部の周囲を覆うように設けられた椀状のシェルと、
    前記ロータボディの上半部の周囲を覆うように着脱可能に設けられた鍋蓋状のロータカバーとを有するロータと、
    該ロータをロータ室内で回転駆動する駆動手段と、
    を備え、前記ロータに保持された試料用容器内の試料を遠心分離する遠心分離機において、
    前記ロータカバーの下端部は、下方にいくに従って内周面が外側に開くテーパ面を有し、
    前記シェルの上端部は、上方にいくに従って外周面が縮径するテーパ面を有し、
    上記2つのテーパ面を上下方向にオーバーラップするように、前記シェルと前記ロータカバーの接合部を形成したことを特徴とする遠心分離機。
  4. 前記ロータカバーの外周面に段部を形成し、該段部を境としてこれより上の部分を下の部分よりも小径としたことを特徴とする請求項3記載の遠心分離機。
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