JP4924936B2 - 複室容器 - Google Patents

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Description

この発明は排出口に薬剤排出阻止具を備えることで未開通時の穿刺を阻止するようにした複室容器に関するものである。
合成樹脂フィルムよりなる薬液バッグの外周にプラスチック成型品としての排出口を装着し、かつ薬液バッグを構成する合成樹脂フィルム上下層を剥離可能に溶着してなる弱シール部により薬液バッグ内部を複数の隔室に構成し、輸液時に弱シール部を開通させ、隔室間の薬剤を混合して排出口より排出させるようにした複室容器がある。この種の複室容器においては輸液前の弱シール部の開通操作は必須であり、弱シール部未開通で輸液すると一液のみの輸液となり誤作業となる。そこで、このような誤作業を未然に防止するため、排出口に薬剤排出阻止具を装着したものが公知である(特許文献1)。この技術では、薬剤排出阻止具は筒状体を半割りにして構成され、半割筒状体を排出口を挟んで合体させることにより排出口は被覆され、穿刺用のゴム栓に対するアクセスが阻止され、薬液バッグ未開通で一液のみで輸液が行われてしまうという誤作業を防止することができる。半割筒状体からは一対のフラップが延出され、フラップは排出口付近において薬剤バッグを構成する合成樹脂フィルム外面より弾性力下で挟着保持する。弱シール部の剥離開通は薬液バッグにおける薬液の部位を加圧することにより行われる。即ち、薬液バッグの加圧により薬液バッグは膨れ、弱シール部に剥離力が加わり、弱シールは開通される。弱シール開通時の薬液バッグ内に惹起される衝撃的な薬液の流れにより排出口の取り付け部位において薬液バッグは急拡開され、フラップは拡開付勢され、弾性拘束部材による一対の拘束状態は解除され、薬剤排出阻止具は薬液バッグから離脱せしめられる。そのため、排出口は露出され、輸液セットがアクセス可能となり、穿刺により混合薬液の輸液が可能となる。
その他、本発明に関連する先行技術として特許文献2及び3がある。
WO2005/097039号公報 実用新案登録公報第2600011号公報 実開昭58−161814号公報
薬剤排出阻止具の装着は薬剤バッグの夫々の隔室への薬液の収納密封を行い、薬剤バッグ外周部に排出口を装着及びシールを完了してから行われる。即ち、薬剤排出阻止具を構成する一対の半割筒状体は排出口を上下から挟着するように配置され、夫々の半割筒状体から延設されるフラップが薬剤バッグを上下から接触するように配置し、弾性拘束部材により半割筒状体の合体状態及び合成樹脂フィルム対向面に対するフラップの接触状態を保持するようにしている。そして、フラップは平坦な底面をなしており、そのため、フラップは実質的全面において合成樹脂フィルム対向面に当接せしめられる。薬剤バッグを構成する合成樹脂フィルムは排出口の上下直径部位では排出口の形状に準じて丸みを帯びているが排出口に直近した平坦なフラップ間で押しつぶされるため、排出口に対する付け根の部位で形状が丸から平に急変し皺が発生しやすい。そして、上下のフラップは全面において薬剤バッグ対向面に当接し、かつ上下から弾性力下で薬剤バッグを保持している。したがって、薬剤排出阻止具の装着時に合成樹脂フィルム面に生じた皺は固定されてしまい、輸送中に多数の製品が積み重ねられると、皺の部分に無理な力が加わり、ピンホールなどの欠陥の発生の恐れがあった。
この発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、薬剤バッグに対する薬剤排出阻止具の装着時において、薬液バッグの排出口に対する付け根の部位に発生した皺を解消し得るようにすることを目的とする。
この発明になる複室容器は、可撓性膜素材にて形成され、弱シールによりその内部が薬剤を個別に収容する複数の隔室に区画された薬剤バッグと、薬剤バッグ外周部に取り付けられ、複数の隔室の一つに開口する排出口と、薬剤バッグの外部に装着され、弱シール未開通時に排出口からの薬剤の排出を阻止する薬剤排出阻止具とを備え、前記薬剤排出阻止具は、薬剤バッグを挟着するように配置され、夫々が筒状体を半割にした形状をなす第1の半割本体及び第の第2の半割本体と、排出口を挟んで対向され、薬剤バッグの長さ方向における前記第1の半割本体及び第の第2の半割本体の夫々の一体延出部をなし、薬剤バッグの開通時の薬液バッグの膨れ変形に協働せしめる第1及び第2のフラップと、前記第1及び第2のフラップを通常状態において合体拘束し、排出口へのアクセスを阻止するが、第1及び第2のフラップが薬液バッグの膨れ変形と協働時に薬剤排出阻止具を薬液バッグから離脱せしめるべく拘束状態が解除される雄及び雌の係合部とから成り、前記第1及び第2のフラップの各々は両側部及び先端部を平坦とし、かつ先端部の底面は幅方向の両端部において平坦であるが中間部は凹面をなし、これにより第1及び第2のフラップは薬剤バッグと幅方向における両側では接触するも幅方向における中間部では薬剤バッグと非接触であり、これにより第1及び第2のフラップの対向面は排出口延長部位において薬剤バッグと非接触である形状をなす。第1及び第2のフラップは、対向可撓性膜素材面に当接し、薬剤バッグ上下から挟着している。そのため、弱シール剥離による薬剤バッグ開通時におけ薬剤バッグの膨れ変形はフラップにより薬剤排出阻止具に伝達せしめられる。第1及び第2のフラップは排出口の実質的延長部位おいて薬剤バッグと非接触、即ち、薬液バッグを実質的にフリーとする形状としている。その手段としてはフラップにおける薬剤バッグと対向する底面を凹面状としている。フラップは排出口の延長部位において薬剤バッグをフリーとする形状をなすが、更に、第1及び第2のフラップの各々において、薬剤バッグに対する前記先端部の接触部が薬剤バッグに対する前記両側部の接触部と比較して幅方向のより内側に延在され、これにより前記第1及び第2のフラップは前記先端部において幅方向に局部的に薬剤バッグをフリーとする。フラップは両側部及び先端部の両端部では薬剤バッグと当接しているため、薬剤バッグ開通時の薬剤バッグ拡開と連動させて第1及び第2のフラップを拡開させ、拘束部材による拘束は解除され、薬剤排出阻止具を離脱させ、輸液を開始せしめることができる。
薬剤排出阻止具の装着は排出口の装着及び薬剤バッグへの薬液の封入後に行われる。即ち、第1及び第2のフラップは上下から薬剤バッグを挟着するように装着せしめられ、弾性式等の雄及び雌の係合部によりフラップ合体保持され、薬剤排出阻止具により排出口がカバーされ、穿刺が阻止される。フラップにより上下から薬剤バッグを挟着することで、フラップとの当接部位で薬剤バッグは圧潰されるが、フラップ底面を凹面とすることにより排出口の延長部位若しくは幅方向における局部的部位では薬液バッグは実質的にフリーである。そのため、薬液バッグに対する薬剤排出阻止具装着時に排出口に対する薬液バッグの付け根の部位で皺が生じても、薬剤排出阻止具に対して薬剤バッグを相対的に変位させ、薬液バッグを緊張させることで皺を引き伸ばすことができる。このように薬剤排出阻止具を薬剤バッグに装着した状態で製品として出荷される。
フラップの底面を凹面状等とすることにより、排出口の実質的延長部位において薬剤バッグをフリーとしているため、薬剤バッグに対し薬剤排出阻止具を装着後に、排出口に対する薬液バッグの付け根の部位に皺の発生があっても、薬剤排出阻止具と薬剤バッグとの間で適当な緊張力を付与することにより、皺を引き伸ばすことができる。そのため、輸送などの取扱い中に皺を原因とするピンホールの発生の防止を図ることができる。
図1〜図7において、医療用混合型薬液封止体は平坦状の薬剤バッグ10と排出口12とから構成される。薬剤バッグ10は厚さ200ミクロンといったポリエチレンムなどの軟弱フィルム(本発明の可撓性素材)を素材とする。ポリエチレンフィルムの外周はその軟化温度より十分高い130℃といった高温にて加圧されることにより形成された強シール部14により封止され、矩形の袋状をなしている。強シール部14には懸垂孔16が穿設され、この懸垂孔16によって薬剤バッグ10を点滴台などに吊り下げ保持し、点滴や透析作業を行うことになる。
薬剤バッグ10の長さ方向における中間部位において全幅にわたって弱シール部18が延びており、弱シール部18によって薬剤バッグ10の表裏面が接着され、薬剤バッグ10の内部空洞は第1隔室20と第2隔室22とに区画される。第1隔室20に第1薬液が充填され、第2隔室22に第2薬液が充填される。弱シール部18は薬剤バッグ10を形成するポリエチレンフィルムの表裏面をその軟化温度よりやや高い120℃といった低温にて加圧することにより形成される。そのため、第1隔室20と第2隔室22にそれぞれの薬液を収容した状態で隔室20, 22の部位において薬剤バッグ10における薬液を外側より加圧することにより、強シール部14の溶着状態はそのままに(非剥離状態で)、弱シール部18を破壊・開通せしめ、第1薬液と第2薬液との混合を行うことができる。
排出口12は、その形態を維持しうる剛性を有した肉厚を有したポリエチレンなどのプラスチック(薬剤バッグ10との密着性を得るため薬剤バッグ10と類似、相溶性のプラスチック素材とする必要がある)の成形品である。図2に示すように、排出口12は上下で開口し、中間がテーパ部12-1をなし、上端にフランジ部12-2(図2)を有した筒状に形成される。フランジ部12-2にはポリエチレン製のキャップ12-3が突当溶着され、キャップ12-3の底面開口部にはゴム製内蓋23が装着される。点滴時には輸液セット(輸液具)の穿刺針24によりゴム製内蓋23を穿刺し、薬剤バッグ10の内部空洞を点滴チューブ26に連通させ、点滴を行うことになる。薬剤バッグ10の表裏面を形成するプラスチックフィルムは排出口12の筒状部を上下より挟みつつ加熱密着され、これにより排出口12に対する薬剤バッグ10の封止が行われている。
図1において、28はこの発明の薬剤排出阻止具を示しており、薬剤排出阻止具28は、薬剤バッグ10の弱シール部18が未開通の状態で、排出口12への輸液セットの穿刺針のアクセスを阻止するためのものである。薬剤排出阻止具28はポリエチレンのようなプラスチックの成形品により形成され、穿刺針による穿刺を防止するに十分な硬度及び/厚みを具備している。薬剤排出阻止具28は筒状体を半割にした形状の第1の半割本体28A(図1)及び第2の半割本体28B(図2)からなる。第1の半割本体及び第2の半割本体28A, 28Bは薬剤バッグ10を上下から挟着するように配置されており、この実施形態では完全同一形状のものであり、第1の半割本体及び第2の半割本体28A, 28Bからは矩形板状の第1フラップ30、第2フラップ32(係合部材)が夫々一体に延出す。図3は上下の半割本体28A, 28Bの合体状態が断面にて示されており、この半割本体28A, 28B間に排出口12を収容するための空洞34が形成される。空洞34は図1及び図2に示すように薬剤バッグ10側(図1及び図2の上端側)では排出口12の外径に対して比較的余裕があるが、薬剤バッグ10から離間側(図1及び図2の下端側)ではフランジ部12-2及びキャップ12-3と略相補的な形状をなしている。そして、図1及び図2に示すように半割本体28A, 28Bは下端側に幾分の拡径部28A-1, 28B-1を備え、拡径部28A-1, 28B-1には図1及び図3に示すように窓部29が形成され、この窓部29には排出口12のフランジ部12-2が延びて来ている。そのため、半割本体28A, 28Bを薬剤バッグ10を上下から挟むように合体させることにより薬剤排出阻止具28を実質的にガタなく排出口12に装着することができる。そして、半割本体28A, 28Bの合体時にその端面28A-2, 28B-2は一枚の円板状の穿刺阻止面を構成する。そのため、図2に示すように輸液セットの穿刺針24によって排出口12のゴム製内蓋23を穿刺しようとしても、薬剤排出阻止具28の穿刺阻止面(28A-2, 28B-2)により穿刺針24がブロックされ、穿刺針24の刺入を行うことはできない。尚、窓部29からは排出口12におけるゴム製内蓋23の上面に設けられるタンパシールの端部を延出せしめることができる。
図3に示すように薬剤排出阻止具28の上下の半割本体28A, 28Bその端面28A-2, 28B-2における当接部(直径縁部)36にて当接される。そのため、第1フラップ30と第2フラップ32とは当接部36を中心に図3の閉鎖状態と図4の開放状態との間で回動することができる。
この実施形態では以下説明するように雌雄の係合部の180度対称配置により上下の半割本体28A, 28Bは完全同一形状のものすることができ、一つの金型により成形することができ、成形コストの削減を実現することができる。次に、この雌雄の係合部の構成について説明すると、図5(イ)は上下の半割本体28A, 28Bの分離状態を示し、各半割本体28A, 28Bはその直径面における対称位置に雄係合部38及び雌係合部40を備えている。雄係合部38は半割本体28A, 28Bの半割面から直交方向に延出され、雄係合部38は図6に示すように下端に軸線方向に僅か突出する係合突起38Aを備える。雌係合部40は雄係合部38を収容するための矩形空洞部40-1を形成し、この空洞部40-1における薬剤排出阻止具軸線に直交する壁面40Aに図6に示すような係合片40-2が突出形成され、この係合片40-2は壁面40Aから最初は直交するように突出するが、自由端40-2'は幾分下向きに曲折される(背面側に傾斜面を形成する)。上下の半割本体28A, 28Bの合体時に、半割本体28A, 28Bは薬剤バッグを上下から挟むように配置され、排出口12を介して相互に向き合う方向(図6(イ)の矢印a)に相対移動される。半割本体28A, 28Bにおける雄係合部38及び雌係合部40の180度配置故に、図6(イ)に示すように上下の半割本体28A, 28B間で雄係合部38と雌係合部40とが対向している。そのため、雄係合部38は対向する雌係合部40に挿入され、挿入の過程で雄係合部38の係合突起38Aは雌係合部40の係合片40-2と当接するが、係合片40-2の自由端40-2'がやや下向きに傾斜しているため、雄係合部38が幾分弾性的に撓むことと相まって雄係合部38は係合片40-2を乗り越え、乗り越えた後は撓みは弾性により復帰され係合突起38Aが係合片40-2に裏面側にて係合する図6(ロ)の状態が得られる。そのため、図5(ロ)に示すように第1の半割本体28Aと第2の半割本体28Bとは雄雌の係合部38, 40により所定の弾性力にて合体保持される。
図1及び図2に示すように上下に位置した第1、第2のフラップ30, 32は上面より見ると実質的に矩形状であるが、図7に示すように先端部以外では湾曲形状をなしており、この湾曲形状部位では第1、第2のフラップ30, 32は薬液バッグ10とは完全非接触である。しかしながら、フラップ30, 32は両側30-1, 32-1及び先端部30-2, 32-2では平坦であり、上下より薬液バッグ10と係合し、薬液バッグ10を図7に示すようこの係合部位において実質的に平坦に潰し、薬液バッグ10を挟着保持することができる。更に、フラップ30, 32は湾曲形状部位から図3及び図8に示す平坦な先端部30-2, 32-2に接続しているが、この平坦な先端部30-2, 32-2において幅方向の両端部30-2', 32-2'は図8のように面も平坦で、薬液バッグ10の対向面と接触しているが、幅方向における中間部の面は30A, 30Bにて示すように凹面をなしており、薬液バッグ10の対向面とは実質的に非接触(若しくは軽微な接触状態)である。図1において、第1、第2のフラップ30, 32における薬液バッグ接触部と非接触部との境界線を 両側30-1, 32-1についてはB1にて、先端部30-2, 32-2についてはB2にて示す。これらの境界線B1, B2は図1に示すように薬剤バッグ平面における排出口12の直径の外側に位置しており、排出口12の軸線延長部位、即ち幅方向の局部、例えば中間部では第1、第2のフラップ30, 32は薬剤バッグ10の対向面と非接触である。即ち、排出口12の軸上延長部位では薬液バッグ10は第1、第2のフラップ30, 32に対して非拘束(フリー)である。
図3は薬剤バッグ10への薬剤排出阻止具28の装着状態を軸線に沿った断面にて示し、薬剤バッグ10はこの状態で出荷される。弱シール部18は未開通であり、各隔室20, 22にそれぞれの薬液が個別的に収容され、隔室20, 22に収容される薬液の分だけ薬剤バッグ10は膨れている。隔室22に開口するように薬剤バッグ10の強シール部14に設けられた排出口12は薬剤排出阻止具28によりカバーされている。即ち、薬剤バッグ10の片面側に第1フラップ30が当てがわれ(図1参照)、薬剤バッグ10を挟んで反対側には第2フラップ32が当てがわれ、第1フラップ30と第2フラップ32とは薬剤バッグ10を挟んで合体せしめられ、図7及び図8に示すように第1、第2のフラップ30, 32はその湾曲形状部位の平坦な両側部30-1, 32-1及び湾曲形状部位に連なる平坦先端部30-2, 32-2における内面平坦な両端部30-2', 32-2'にて薬液バッグを介して当接され、排出口12の軸線における両側部位において薬剤バッグ10は実質的に平坦に潰される。
この発明に従い第1、第2のフラップ30, 32を内面平坦な両側部30-1, 32-1以外は湾曲状としかつ先端30-2, 32-2の幅方向の中間部底面30A, 32Bを凹面(図7)としたことによるフリーの空間部の存在は薬液バッグ10への薬剤排出阻止具28の装着時に薬液バッグを構成する合成樹脂フィルムに生じた皺の引き伸ばしに役立てることができる。これを引用文献1における従来の対比において説明すると、図9(イ)は従来技術における排出口112に対する薬剤バッグ110の付け根の部分を模式化して示しており、薬剤排出阻止具128の装着時この付け根の部分においてフラップ130, 132により薬剤バッグ110は潰される。フラップ130, 132は全幅方向(図9の紙面直交方向)で平坦な底面をなしており、そのため、フラップ130, 132は実質的全幅において薬液バッグ110を構成する合成樹脂フィルム対向面に当接せしめられる。薬剤バッグ110を構成する合成樹脂フィルムは排出口112の上下直径部位では排出口の形状に準じて丸みを帯びているが排出口112に直近した平坦なフラップ130, 132間で圧潰されるため、排出口112に対する付け根部位110'で形状が丸から平に急変し皺が発生しやすい。そして、上下のフラップ130, 132は全幅において薬剤バッグ110対向面に当接し、かつ上下から弾性力下で薬剤バッグを保持している。したがって、薬剤排出阻止具の装着時に付け根110'の部位で合成樹脂フィルム面に生じた皺は固定されてしまい、薬液バッグ110を引っ張っても延びず、皺のまま出荷されることにより輸送等の取り扱い中にピンホールなどの欠陥発生の恐れがあった。
図9(ロ)はこの発明における排出口12に対する薬剤バッグ10の付け根の部分を図9(イ)との対比上模式化して示しており、フラップ30, 32は底面30A, 30Bを凹面(図7)としており、そのため、排出口12の軸上延長部位では薬液バッグと非接触(フリー)である。そのため、薬液バッグ10に対する薬剤排出阻止具装着時に排出口12に対する薬液バッグ10の付け根の部位10´に皺が発生しても、薬液バッグ10と排出口12とを相対的に矢印cの方向に相対変位させることにより薬剤バッグ10を構成する合成樹脂フィルムは緊張を受け、付け根の部位10´に皺の発生が仮にあったとしてもこれを引き延ばし、無皺の状態とすることができる。そのため、輸送中に皺の部位に無理な力が掛かって皺の部位からピンホールが発生してしまう、という懸念はない。
そして、このような薬剤排出阻止具28の装着状態では、第1及び第2の半割本体28A, 28B間に形成された空洞34(図3)に排出口12は収容され、プラスチックの薬剤排出阻止具28により穿刺針24がブロックされるため、排出口12のゴム製内蓋23を穿刺は行い得ない。そして、第1及び第2のフラップ30, 32間で対向する雄雌の係合38, 40が係合するため、第1フラップ30、第2フラップ32を当接部36の廻りで回動させようとしても、雄雌の係合38, 40の弾性はそれに抵抗し、薬剤排出阻止具を簡単には開けることはできない。
薬剤バッグ10の開通のため薬剤バッグ10は机などの上に図3のように平坦に載置され、薬剤バッグ10は上面より手のひらで矢印bのように加圧される(図3では隔室20側において薬剤バッグ10を加圧しているが隔室22の側を加圧しても両側を加圧してもよい)。薬剤バッグ10の加圧により弱シール部18に液圧が加わり、所定の圧力により弱シール部18は瞬時に破壊開通(若しくは剥離)するに至る。加圧により薬剤バッグ10の内圧は高められており、弱シール部18の開通によりこの高められた圧力が一気に放出されるため、衝撃的な薬液の流れが薬剤バッグ10内に惹起される。薬剤バッグ10内に惹起された衝撃的な薬液の流れを図4では矢印Fにより模式的に示す。弱シール部18の開通の際に薬剤バッグ10内に惹起された急激な薬液の流れFは、第1フラップ30及び第2フラップ32薬液バッグ10と湾曲形状部における両部30-1, 32-1及び先端30-2, 32-2における両端部30-2', 32-2'に当接していることから、薬剤バッグ10を拡開させ、拡開された薬剤バッグ10の対向面に当接した第1フラップ30及び第2フラップ32は雄雌の係合38, 40の係合による弾性拘束力に抗して当接部36の廻りで図4のように回動せしめられ雄雌の係合38, 40は図6(ロ)の係合状態から(イ)の離脱状態とされ、薬剤排出阻止具は排出口12から離脱・除去される。そのため、排出口12は剥き出しとなりゴム栓23に輸液セットの穿刺針を刺入することで点滴作業を開始することができる。
図1はこの発明の薬剤排出阻止具を備えた薬剤バッグの平面図(図3のI方向矢視図)である。 図2は図3の大略II−II線に沿った矢視図であり、薬剤排出阻止具の下側半分を示すものでである。 図3はこの発明の薬剤排出阻止具を備えた薬剤バッグの縦方向断面図(図1のIII−III線に沿って表される矢視断面図)である。 図4は薬剤バッグ開通時における図3の薬剤排出阻止具の解除状態を示す部分的断面図である。 図5は第1及び第2フラップを弾性下で合体拘束せしめる弾性拘束手段を示しており、図1のV−V線に沿って表される矢視断面図であり、(イ)は分離状態、(ロ)は係合状態を示すものである。 図6は弾性拘束手段の詳細構成図であり、図5のVI−VI線に沿って表される矢視断面図であり、(イ)は分離状態、(ロ)は係合状態を示すものである。 図7は薬液バッグに対する上下のフラップの湾曲部位の両端部の当接状態を示す図(図1のVII−VII線に沿った矢視断面図)である。 図8は薬液バッグに対する上下のフラップの先端平坦部の当接状態を示す図(図1のVIII−VIII線に沿った矢視断面図)である。 図9は排出口に対する薬液バッグの付け根の部分の拡大図であり、従来技術(イ)と本発明(ロ)とを対比して模式化して示す図である。
符号の説明
10…薬剤バッグ
10´…排出口に対する薬剤バッグの付根部分
12…排出口
18…弱シール部
20, 22…隔室
23…ゴム製内蓋
28…薬剤排出阻止具
28A, 28B…薬剤排出阻止具の上下の半割本体
30, 32…第1、第2のフラップ
30A, 32A…上下のフラップにおける凹状底面
38…雄係合部
40…雌係合部

Claims (2)

  1. 可撓性膜素材にて形成され、弱シールによりその内部が薬剤を個別に収容する複数の隔室に区画された薬剤バッグと、薬剤バッグ外周部に取り付けられ、複数の隔室の一つに開口する排出口と、薬剤バッグの外部に装着され、弱シール未開通時に排出口からの薬剤の排出を阻止する薬剤排出阻止具とを備え、前記薬剤排出阻止具は、薬剤バッグを挟着するように配置され、夫々が筒状体を半割にした形状をなす第1の半割本体(28A)及び第の第2の半割本体(28B)と、排出口を挟んで対向され、薬剤バッグの長さ方向における前記第1の半割本体(28A)及び第の第2の半割本体(28B)の夫々の一体延出部をなし、薬剤バッグの開通時の薬液バッグの膨れ変形に協働せしめる第1及び第2のフラップ(30, 32) と、第1及び第2のフラップ(30, 32) を通常状態において合体拘束し、排出口へのアクセスを阻止するが、第1及び第2のフラップ(30, 32) が薬液バッグの膨れ変形と協働時に薬剤排出阻止具を薬液バッグから離脱せしめるべく拘束状態が解除される雄及び雌の係合部(38, 40)とを具備し、前記第1及び第2のフラップ(30, 32)の各々は両側部(30-1, 32-1)及び先端部(30-2, 32-2)を平坦とし、かつ先端部(30-2, 32-2)の底面は幅方向の両端部(30-2', 32-2')において平坦であるが中間部は凹面をなし、これにより第1及び第2のフラップ(30, 32) は薬剤バッグと幅方向における両側では接触するも幅方向における中間では薬剤バッグと非接触であり、これにより前記第1及び第2のフラップ(30, 32) の対向面は排出口延長部位において薬剤バッグを実質的にフリーとする形状をなしており、更に前記第1及び第2のフラップ(30, 32)の各々において、薬剤バッグに対する前記先端部(30-2, 32-2)の接触部が薬剤バッグに対する前記両側部(30-1, 32-1)の接触部と比較して幅方向のより内側に延在され、これにより前記第1及び第2のフラップ(30, 32)の前記先端部(30-1, 30-2)は幅方向に対し局部的に薬剤バッグをフリーとする形状をなす複室容器。
  2. 請求項に記載の発明において、前記雄及び雌の係合部は弾性力により第1及び第2のフラップを合体拘束する複室容器。
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