続いて、本発明に係る画像処理装置と画像処理方法および画像処理プログラム、並びに再生情報生成装置と再生情報生成方法及び再生情報生成プログラムの一実施例について、図面を参照しながら説明をする。先ず、図1〜図14を参照して本発明に係る画像処理装置および画像処理方法についての一実施例を説明する。次に、図15〜図17を参照して本発明に係る画像処理プログラムについての一実施例を説明する。続いて図18〜図20を参照して本発明に係る再生情報生成装置と再生情報生成方法および再生情報生成プログラムについての一実施例を説明する。
図1は、本発明に係る画像処理装置を用いた画像表示システム100の構成例を示す概略図である。この画像表示システム100は、例えば3つのスクリーン10L,10C,10Rをユーザの前面と両側面に配置して、1つの画像表示領域を構成する。また、各スクリーン10L,10C,10Rに対応させてプロジェクタ12L,12C,12Rを設けている。プロジェクタ12L,12C,12Rは、画像処理装置20と接続されている。プロジェクタ12Lは、画像処理装置20からの出力信号SDLに基づいてスクリーン10Lに画像を投影する。同様に、プロジェクタ12C,12Rは、画像処理装置20からの出力信号SDC,SDRに基づいてスクリーン10C,10Rに画像を投影する。
画像処理装置20は、例えばテレビジョン放送番組や映画等の動画像における入力画像信号SDinに基づいて画像の動きベクトルやシーンチェンジを検出すると共に、検出した動きベクトルに応じて画像表示位置が移動するように3つの画像信号SDL,SDC,SDRを生成して、画像信号SDLをプロジェクタ12L、画像信号SDCをプロジェクタ12C、画像信号SDRをプロジェクタ12Rに供給する。また、シーンチェンジを検出したとき、画像処理装置20は、シーンチェンジ前の連続シーンとは関連性を有しない表示位置に新たなシーンの画像を表示するようにプロジェクタ12L,12C,12Rを制御する。
図2A及びBは、入力画像信号SDinの生成動作例を示す図である。この例で、画像処理装置20に供給する入力画像信号SDinは、図2Aに示すようにビデオカメラ40をパンニングさせて前方から左側に移動する被写体OBaを撮影し、その後シーンの切り替えを行い、図2Bに示す被写体OBbを撮影して得た画像信号である。
各スクリーンのサイズは例えばアスペクト比が「4:3」で表示サイズが「720画素×480画素」、入力画像信号SDinに基づく画像は、アスペクト比が「16:9」や映画等で用いられているワイド画像のアスペクト比で表示サイズが「720画素×270画素」の場合における画像表示の状態例を図3に示す。
図1に示した画像処理装置20は、入力画像信号SDinに基づき画像信号SDCを生成してプロジェクタ12Cに供給し、図3Aに示すように前方のスクリーン10Cの中央に入力画像信号SDinに基づく画像を表示させる。その後、画像処理装置20は、画像の動きベクトルに応じて入力画像信号SDinに基づき例えば画像信号SDC,SDLを生成してプロジェクタ12C,12Lに供給する。このとき、図3Bに示すように前方のスクリーン10Cと左側のスクリーン10Lを用いて、入力画像信号SDinに基づく画像を、被写体の動きに合わせて前方から左側に移動させた位置に表示させる。この際の画像の表示位置が、スクリーンの端を越えた場合は、例えば図3Cに示すように、スクリーン10Lを越えた部分を、表示されていない領域のスクリーン10Rに表示する。これにより、図3C及びDに示すように、画像表示領域(スクリーン10L、10C、10R)を超えた画像を、当該画像表示領域の表示されていない領域(スクリーン10R)に表示することができる。従って、画像の連続シーンが長い場合や大きな動きをした場合でも、画像の動きに応じて当該画像を表示することができる。これにより、途切れることなく画像を表示できるので、現実世界に忠実、かつ臨場感の高い画像を表示することができる。
また、画像処理装置20は、シーンチェンジを検出したとき、シーンチェンジ検出前の連続シーンと関連性を有しない表示位置に新たなシーンの画像を表示するよう入力画像信号SDinに基づいて画像信号SDL,SDC,SDRを生成する。例えば、シーンチェンジ検出前の連続シーンにおける動きが図3A、図3B、図3C、図3Dで示したように前方から左方向に移動する場合、新たなシーンの表示位置を連続シーンの表示位置と関連した位置、すなわち連続シーンの表示位置である図3Dの表示位置、あるいは図3Dの表示位置近傍では、新たなシーンに切り替えられたことを判別しにくい。このため、例えば入力画像信号SDinに基づき画像信号SDCを生成してプロジェクタ12Cに供給し、図3Eに示すように、シーンチェンジ検出前の連続シーンと関連性を有しない表示位置である例えばスクリーン10Cの中央に新たなシーンの画像を表示させる。
図4は、画像処理装置20の構成例を示している。画像処理装置20のシーンチェンジ検出部21、動き検出部22及び画像位置移動部23には、入力画像信号SDinが供給される。シーンチェンジ検出部21は、入力画像信号SDinに基づいてシーンチェンジ検出、すなわち連続シーンとこの連続シーンとは異なるシーンとの繋ぎ目部分である画像の不連続位置を検出する。
図5は、シーンチェンジ検出部21の構成例を示しており、例えば2フレーム分の画像信号を用いて連続するシーンであるか否かを検出するものである。シーンチェンジ検出部21の遅延回路211は、入力画像信号SDinを1フレーム遅延させて遅延画像信号SDaとして差分平均算出回路212に供給する。差分平均算出回路212は、入力画像信号SDinと遅延画像信号SDaに基づき、2フレーム間の差分平均値Davを算出して正規化回路214に供給する。この差分平均値Davの算出は、各画素における2フレーム間の輝度レベルの差分値を算出して、得られた差分値の平均値を差分平均値Davとして正規化回路214に供給する。なお、1フレームの画像の画素数が「N」で、入力画像信号SDinに基づく輝度レベルを「YC」、遅延画像信号SDaに基づく輝度レベルを「YP」としたとき、差分平均値Davは式(1)に基づいて算出できる。
ここで、差分平均値Davは、画像の輝度レベルによって大きく変化する。例えば明るい画像の場合、シーンの切り替えが行われなくとも画像の一部が暗い画像に変化するだけで差分平均値Davが大きくなってしまう。一方、暗い画像の場合、シーンの切り替えが行われても輝度レベルの変化が小さいことから差分平均値Davは大きくならない。このため、シーンチェンジ検出部21に正規化回路214を設けるものとして、画像の明るさに応じた差分平均値Davの正規化を行い、画像の明るさの影響を少なくして正しくシーンチェンジ検出を可能とする。
輝度平均算出回路213は、入力画像信号SDinに基づき、各画素の輝度レベルに基づき1フレームにおける輝度レベルの平均値を算出して輝度平均値Yavとして正規化回路214に供給する。なお、上述のように1フレームの画像の画素数が「N」で入力画像信号SDinに基づく画素の輝度レベルを「YC」としたとき、輝度平均値Yavは式(2)に基づいて算出できる。
正規化回路214は、画像の明るさに応じた差分平均値Davの正規化を行う。すなわち、式(3)に示すように、画像の明るさを示す輝度平均値Yavに応じて差分平均値Davを補正して差分平均正規化値(以下単に「正規化値」という)Eを生成する。
この正規化回路214で生成された正規化値Eは、判定回路215に供給される。判定回路215は、予め設定された閾値Lrを有しており、正規化値Eと閾値Lrを比較して、正規化値Eが閾値Lr以下でないときにはシーンチェンジと判定する。また、正規化値Eが閾値Lr以下であるときにはシーンチェンジでない連続シーンと判定する。さらに、判定回路215は、この判定結果を示すシーンチェンジ検出信号SCを生成して、図4の動き検出部22と画像位置移動部23に供給する。
このように、正規化回路214は画像の明るさに応じた差分平均値Davの正規化を行い、判定回路215は正規化値Eを用いてシーンチェンジであるか連続シーンであるかの判別を行うので、画像の明るさの影響を少なくして正しくシーンチェンジを検出できる。
図6は、フレーム位置と正規化値Eの関係を例示的に示したものである。ここで、閾値Lrが「0.4」に設定されている場合、正規化値Eが「0.4」を超えるフレーム位置をシーンチェンジ検出位置Pscとする。
ところで、上述のシーンチェンジ検出部21では、1フレーム内の全画素の信号を用いて、シーンチェンジ検出を行うものとしたが、全画素の信号を用いて差分平均値Davや輝度平均値Yavを算出すると、演算処理に時間を要してしまう。また、演算処理に要する時間を短くするために演算処理を高速化すると、演算処理コストが膨大となってしまう。このため、画素の間引き処理を例えば図7に示すように1フレームの画像を8×4画素の領域に区分して各領域から斜線で示すように1画素だけを選択することで画素の間引きを行い、選択された画素の信号を用いて差分平均値Davや輝度平均値Yavを算出する。このように、画素の間引きを行うものとすれば、演算量が少なくなるので演算処理を簡単に行うことができると共に、演算処理を高速に行う必要がなく演算処理コストが膨大となってしまうことも防止できる。
また、上述のシーンチェンジ検出部21では、正規化値Eを用いてシーンチェンジ検出を行うものとしたが、2フレーム間の画像の相関係数rを求めて、この相関係数rと閾値を比較することで、精度良くシーンチェンジ検出を行うこともできる。
図8は、相関係数rを用いる場合のシーンチェンジ検出部21’の構成例を示している。遅延回路211は、入力画像信号SDinを1フレーム遅延させて遅延画像信号SDaとして相関係数算出回路216に供給する。相関係数算出回路216は、入力画像信号SDinと遅延画像信号SDaに基づき、相関係数rの算出を行う。
ここで、1フレームの画像の画素数を「N」、最初のフレームの画像信号に基づく画素の輝度レベルを「YF」、次のフレームの画像信号に基づく画素の輝度レベルを「YS」、最初のフレームの画像信号に基づく画素の輝度レベル平均を「YFav」、次のフレームの画像信号に基づく画素の輝度レベル平均を「YSav」としたとき、相関係数rは式(4)を用いて算出できる。
この相関係数算出回路216で算出された相関係数rは、判定回路217に供給される。判定回路217は、予め設定された閾値Lrを有しており、相関係数rと閾値Lrを比較して、相関係数rが閾値Lr以下であるときにはシーンチェンジと判定する。また、相関係数rが閾値Lr以下でないときにはシーンチェンジでない連続シーンと判定する。さらに、判定回路217は、この判定結果を示すシーンチェンジ検出信号SCを生成して、図4の動き検出部22と画像位置移動部23に供給する。なお、図9は、フレーム位置と相関係数rの関係を例示的に示したものである。ここで、閾値Lrが例えば「0.4」に設定されている場合、相関係数rが「0.4」以下となるフレーム位置をシーンチェンジ検出位置Pscとする。
動き検出部22は、シーンチェンジ検出部21からのシーンチェンジ検出信号SCによって連続シーンであることが示されたフレームに関して動きベクトルの検出を行い、表示面積の広い部分の動きベクトル例えば背景部分の動きベクトルを検出する。図10は、動き検出部22の構成例を示しており、例えばブロックマッチング方法を用いて動きベクトルの検出を行う場合である。
動き検出部22の遅延回路221は、入力画像信号SDinを1フレーム遅延させて遅延画像信号SDbとして画像位置切替回路222に供給する。画像位置切替回路222は、遅延画像信号SDbに基づく画像の位置を、予め設定された動き探索範囲内で水平方向や垂直方向に順次変更して新たな画像信号SDcを順次生成する。この生成された画像信号SDcは、差分演算回路223に供給される。また、画像位置切替回路222は、画像の移動方向と移動量を示す動きベクトルMVを最小値判定回路224に供給する。差分演算回路223は、画像信号SDcと入力画像信号SDinとの差分値DMを順次算出して、最小値判定回路224に供給する。
最小値判定回路224は、差分値DMと、この差分値DMの算出に用いた画像信号SDcを生成する際の動きベクトルMVとを関係付けて保持する。また、画像位置切替回路222で動き探索範囲内での画像の移動を完了したとき、最小値判定回路224は、保持している差分値DMから最小値を判別して、この最小値となる差分値DMと関係付けて保持されている動きベクトルMVを、動き検出情報MVDとして図4の画像位置移動部23に供給する。
また、連続シーンでは画像の動きも連続していることが多い。このため、最小値判定回路224は、動き検出情報MVDを画像位置切替回路222にも供給するものとし、画像位置切替回路222は、次に画像の動きベクトルを判別する際の動き探索範囲の中心を、動き検出情報MVDに基づいて設定する。このように、画像の動きベクトルに応じて次に動きベクトルの検出を行う際での動き探索範囲を設定すれば、動き探索範囲をシーンチェンジ検出後の最初の動きベクトルの検出時に比べて狭くしても、正しく画像の動きベクトルを検出することが可能となり、動きベクトルの検出を効率よく速やかに行うことができる。
図4に示す画像位置移動部23は、画像の画像サイズよりも大きい画像表示領域を設定して、動き検出部22で検出された動きベクトルに応じて画像の表示位置を移動させると共に、シーンチェンジ検出部21でシーンチェンジが検出されたときには、画像の表示位置をシーンチェンジの検出前の画像と関連性を有しない表示位置とする。また、例えば上述のように画像表示領域が3つの領域(スクリーン10L,10C,10R)に区分されており、この3つの領域を使用して画像表示を行う場合、画像位置移動部23は、決定した表示位置に基づき画像表示領域に応じた画像信号SDL,SDC,SDRを生成し、画像信号SDLをプロジェクタ12L、画像信号SDCをプロジェクタ12C、画像信号SDRをプロジェクタ12Rに供給することで、スクリーン10L,10C,10Rを使用して画像表示を行う。
図11は画像位置移動部23の構成例を示している。画像位置移動部23の画像位置決定回路231は、シーンチェンジ検出信号SCと動き検出情報MVDに基づいて、画像表示領域に表示する画像の表示位置を決定して、この表示位置を示す位置情報PDを書込読出制御回路232に供給する。ここで、シーンチェンジ検出信号SCによって連続シーンであることが示されたとき、画像位置決定回路231は、前フレームの画像の表示位置に対して、動き検出情報MVDで示された動きベクトルとは逆方向に動き量分だけ表示位置を移動させる。このように、動き検出情報MVDで示された動きベクトルとは逆方向に動き量分だけ表示位置を移動させると、動き検出部22によって動きベクトルが検出された表示面積の広い部分例えば背景画像の位置が前フレームの画像と等しくなり、被写体の動きに合わせて画像の表示位置を移動させることができる。
画像位置決定回路231は、このようにして決定した表示位置を示す位置情報PDを書込読出制御回路232に供給する。また、シーンチェンジ検出信号SCによってシーンチェンジが検出されたことが示されたとき、画像位置決定回路231は、入力画像信号SDinに基づく画像を、シーンチェンジ検出前の連続シーンと関連性を有しない位置に表示するように表示位置を決定して、この表示位置を示す位置情報PDを書込読出制御回路232に供給する。また、画像位置決定回路231は、入力画像信号SDinに基づく画像を最初に表示する際に、最初の画像を例えば画像表示領域の中央に表示するよう表示位置を決定して、この表示位置を示す位置情報PDを書込読出制御回路232に供給する。
ここで、位置情報PDに基づいて画像の表示位置を切り換える場合、例えば上述のように画像表示領域が3つの領域(スクリーン10L,10C,10R)に区分されているときには、入力画像信号SDinと位置情報PDに基づき、各領域に対して画像表示を行うための画像信号SDL,SDC,SDRを生成しなければならない。このため、3つのスクリーン10L,10C,10Rで構成される領域を画像表示領域として設定して、例えば画像表示領域に対応した記憶領域を有する画像メモリ234を設けるものとする。また、書込読出制御回路232は、画像メモリ234に入力画像信号SDinを書き込む際の書込位置を、位置情報PDに基づいて表示位置に対応させる。このように入力画像信号SDinを書き込むものとすれば、スクリーンの領域に対応した画像メモリ234の記憶領域の画像信号を読み出して用いることで、画像信号SDL,SDC,SDRを容易に生成できる。
書込読出制御回路232は、画像メモリ234に画像信号を書き込むための書込制御信号WCと、画像メモリ234に書き込まれている画像信号を読み出すための読出制御信号RCを生成して、画像メモリ234に供給する。ここで、書込読出制御回路232は、上述したように画像位置決定回路231で決定された表示位置と対応する画像メモリ234の記憶領域の位置に画像信号を記憶させるため、位置情報PDに基づいて書込制御信号WCを生成する。
遅延回路233は、シーンチェンジ検出部21と動き検出部22と画像位置決定回路231および書込読出制御回路232での処理時間に応じて入力画像信号SDinを遅延させることにより、入力画像信号SDinに基づく画像とこの画像の位置情報PDに基づいて生成した書込制御信号WCとのタイミング調整を行う。この遅延回路233で遅延された入力画像信号SDinは、画像信号SDdとして画像メモリ234に供給される。
画像メモリ234は、書込制御信号WCに基づき、画像位置決定回路231で決定された表示位置に対応する記憶領域に画像信号SDdを記憶する。なお、画像信号SDdが記憶されていない領域には、例えば黒表示となる信号を記憶させる。また、画像メモリ234は、書込読出制御回路232からの読出制御信号RCに基づき、記憶領域に記憶されている画像信号を読み出して画像信号SDeとして画像分割回路235に供給する。
画像分割回路235は、画像信号SDeから例えばスクリーン10Lに対応する記憶領域の信号を用いて画像信号SDLを生成する。同様に、スクリーン10C,10Rに対応する記憶領域の信号を用いて画像信号SDC,SDRを生成する。このようにして生成した画像信号SDLをプロジェクタ12L、画像信号SDCをプロジェクタ12C、画像信号SDRをプロジェクタ12Rにそれぞれ供給することにより、複数のスクリーンを利用して1つ画像を表示できると共に、画像が複数のスクリーンに跨るときには、画像がスクリーン毎に分割されて表示される。また、画像信号SDdが記憶されていない領域に黒表示となる信号を記憶させたときには、入力画像信号SDinに基づく画像の周囲が黒表示となる。
なお、画像位置移動部23は、シーンチェンジ検出信号SCと動き検出情報MVDに基づき表示位置を決定して、この決定した表示位置に基づき画像表示領域に応じた画像信号を生成するものであれば良く、画像メモリ234に対する画像信号の書込位置を表示位置に応じて制御するものに限られるものではない。例えば、画像信号を所定の位置に記憶させると共に、記録されている信号の読出位置を表示位置に基づいて制御することでも、画像信号SDL,SDC,SDRを生成できる。
続いて、画像処理装置20の動作例(その1)について図12A〜Cを用いて説明する。なお、説明を簡単とするため動き検出情報MVDで示される動きベクトル方向の水平方向成分についてのみ説明する。図12Aに示す画像は入力画像信号SDinに基づく画像であり、フレームF(1)〜フレームF(k)が連続フレームで、フレームF(k+1)から新たなシーンとなる場合を示している。また、図12Cに示す記憶領域は画像メモリ234の記憶領域BAL、BAC、BARを示している。記憶領域BALには、画像表示領域のスクリーン10Lに写し出される画像が記憶され、記憶領域BACには、スクリーン10Cに写し出される画像が記憶され、記憶領域BARには、スクリーン10Rに写し出される画像が記憶される。
最初のフレームF(1)の場合、図11に示した画像位置決定回路231は、表示位置を画像表示領域の中央とするように位置情報PDを生成して書込読出制御回路232に供給する。書込読出制御回路232は、位置情報PDに基づき書込制御信号WCを生成して画像メモリ234に供給し、画像表示領域の中央と対応する画像メモリ234の記憶領域BACの領域AR1にフレームF(1)の画像信号を記憶させる。
次のフレームF(2)はフレームF(1)に連続するフレームであることから、シーンチェンジ検出部21から出力されるシーンチェンジ検出信号SCは、連続シーンであることを示すものとなる。このとき、動き検出部22は、フレームF(1)とフレームF(2)の画像信号を用いて全画面動き検出を行い、表示面積の広い部分である例えば背景画像の動きベクトルを検出して、この検出結果を示す動き検出情報MVDを画像位置決定回路231に供給する。この場合、動き検出情報MVDは、図12Bの矢印Maで示すように、表示面積の広い部分である背景画像の動きベクトルを示すものとなる。
画像位置決定回路231は、動き検出情報MVDに基づき、背景画像の表示位置が前フレームと等しくなるように位置情報PDを生成して書込読出制御回路232に供給する。書込読出制御回路232は、位置情報PDに基づき書込制御信号WCを生成して画像メモリ234に供給し、フレームF(2)に係る図12Cに示すように、前フレームの画像記憶位置から矢印Maと方向が逆であると共に同じ動き量である矢印Mbの動きベクトル分だけ移動させた画像メモリ234の記憶領域BAC、BALの領域AR2に、フレームF(2)の画像信号を記憶させる。以下同様にして連続シーンの画像信号は、動き検出部22での動き検出結果に基づいて移動された領域に記憶させる。
この例で、入力画像信号SDinがフレームF(k-1)となると、当該フレームの表示位置の一部が図1の画像表示領域(スクリーン10L、10C、10R)からはみ出すこととなる。このような場合、画像位置決定回路231は、画像表示領域の表示されていない領域に動きベクトルの方向に基づいてフレームの表示位置を移動する。例えば、画像位置決定回路231は、当該フレームの表示位置を当該画像表示領域の表示されていない領域に移動するための画像メモリ234の記憶領域BARに、フレームの一部Mdを書き込むように位置を決定して、この位置を示す位置情報PDを書込読出制御回路232に供給する。
書込読出制御回路232は、この位置情報PDに基づいて、当該フレームを画像メモリ234に書き込み、かつ、書き込まれた当該フレームを読み出す。例えば、フレームF(k-1)に係る図12Cに示すように、書込読出制御回路232は、画像メモリ234の記憶領域BALからはみ出したフレームF(k-1)の一部Mdを、画像メモリ234の記憶領域BARに書き込む。
次のフレームF(k)はフレームF(k-1)に連続するフレームであることから、画像メモリ234の記憶領域BALの左方向からはみ出した部分が、引き続き画像メモリ234の記憶領域BARに記憶される。フレームが完全に画像メモリ234の記憶領域BALの左方向からはみ出すと、フレームF(k)に係る図12Cに示すように、フレームは画像メモリ234の記憶領域BARに記憶される。
入力画像信号SDinがフレームF(k)からフレームF(k+1)となると、シーンチェンジ検出部21は、フレームF(k)とフレームF(k+1)と画像信号を用いて算出した正規化値Eや相関係数rに基づき、このシーンチェンジ位置を検出する。また、シーンチェンジ検出部21から出力されるシーンチェンジ検出信号SCは、シーンチェンジであることを示すものとなる。このとき、画像位置決定回路231は、シーンチェンジ検出前の連続シーンと関連を有しない位置に新たなシーンの画像を表示するように表示位置を設定する。
ここで、画像位置決定回路231は、シーンチェンジが検出されるまでの連続フレームに対して表示位置の決定を行っていることから、既に決定した表示位置を参考として、シーンチェンジ検出前の連続シーンと関連性を有しない位置を表示位置とする。例えば連続フレームの最終画像の表示位置から所定量離れた位置、あるいは最後の画像の表示位置が画像表示領域の中心から離れているときには、画像表示領域の中心に表示位置を設定する。また、連続フレームの画像の動き方向とは逆方向に所定量だけ離した位置を表示位置とすることもできる。このように、画像位置決定回路231は、シーンチェンジ検出前の連続シーンと関連性を有しない位置を表示位置とした位置情報PDを生成して、書込読出制御回路232に供給する。
書込読出制御回路232は、位置情報PDに基づき書込制御信号WCを生成して画像メモリ234に供給し、画像メモリ234の記憶領域における例えば画像表示領域の中央と対応する領域AR1にフレームF(k+1)の画像信号を記憶させる。
また、書込読出制御回路232は、読出制御信号RCを生成して画像メモリ234に供給すると共に、画像メモリ234はこの読出制御信号RCに基づいて画像信号を読み出して画像分割回路235に供給する。
画像分割回路235は、画像メモリ234の記憶領域が画像表示領域に対応して設けられていることから、スクリーン10Lと対応する記憶領域BALから読み出した信号に基づいて画像信号SDLを生成する。またスクリーン10Cと対応する記憶領域BACから読み出した信号に基づいて画像信号SDCを生成すると共に、スクリーン10Rと対応する記憶領域BARから読み出した信号に基づいて画像信号SDRを生成する。なお、画像の無い部分の信号レベルは上述のように黒表示として、画像表示領域には、入力画像信号SDinに基づく画像のみを表示させる。
このようにして生成した画像信号SDL,SDC,SDRをプロジェクタ12L,12C,12Rに供給することで、画像の表示位置が被写体の動きに応じて移動される。また、画像の表示位置が画像表示領域をはみ出した場合は、画像表示領域の別の箇所に表示させる。また、シーンチェンジが検出されたとき、シーンチェンジ検出前のシーンと関連性を有しない表示位置にシーンチェンジ検出後の画像が表示されるので、現実空間との不整合を少なくできると共に、シーンの切り替えが行われたことを容易に判別できる。
さらに、上述の遅延回路233での遅延量を更に1フレーム分以上多く遅延させるものとして、シーンチェンジ後の新たなシーンの動き検出情報MVDに基づいてシーンチェンジ後の表示位置を、新たなシーンの動き検出情報MVDに基づく表示位置の移動方向とは逆方向に移動させることにより画像表示領域を有効に活用できる。例えば、シーンチェンジと判別された図12AのフレームF(k+1)に対して次のフレームF(k+2)の背景画像が左方向に移動する場合、フレームF(k+2)の画像表示位置は右方向に移動する。このため、新たなシーンであるフレームF(k+1)の画像の表示位置は、新たなシーンの動き検出情報MVDに基づき、その後の表示位置の移動方向を考慮して調整する。すなわち、シーンチェンジ後の表示位置が設定されたとき、この表示位置を次に移動させる方向とは逆方向である左方向にオフセットさせる。例えば画像信号の記憶位置を、フレームF(k+1)に係る図12Cに示す領域AR1から破線で示す領域ARofの位置にオフセットさせる。このようにすれば、画像の移動方向の画像表示領域を広くできるので、シーンの切り替えを容易に判別できるだけでなく、画像表示領域を有効に活用してシーンチェンジ後の画像の表示を行うことができる。
図12では、フレームが画像表示領域からはみ出すと、はみ出した分を即座に画像表示領域の別の箇所に表示する場合を示したが、即座に表示しなくてもよい。図13A〜Cは、画像処理装置20の動作例(その2)の説明図であり、フレームが画像表示領域からはみ出した際に、はみ出した分を即座に表示しない場合の例である。図13Aは入力画像信号SDinに基づく画像であり、フレームF(1)〜フレームF(k)が連続フレームで、フレームF(k+1)から新たなシーンとなる場合を示している。また、図13Cは画像メモリ234の記憶領域を示している。
画像位置決定回路231により、最初のフレームF(1)が表示位置を左のスクリーンとなるように、位置情報PDが生成されて書込読出制御回路232に供給されたとする。書込読出制御回路232は、位置情報PDに基づき書込制御信号WCを生成して画像メモリ234に供給し、左のスクリーン10Lと対応する画像メモリ234の領域AR1にフレームF(1)の画像信号を記憶させる。
次のフレームF(2)はフレームF(1)に連続するフレームであることから、シーンチェンジ検出部21から出力されるシーンチェンジ検出信号SCは、連続シーンであることを示すものとなる。このとき、動き検出部22は、フレームF(1)とフレームF(2)の画像信号を用いて全画面動き検出を行い、表示面積の広い部分である例えば背景画像の動きベクトルを検出して、この検出結果を示す動き検出情報MVDを画像位置決定回路231に供給する。この場合、動き検出情報MVDは、図13Bの矢印Maで示すように、表示面積の広い部分である背景画像の動きベクトルを示すものとなる。
画像位置決定回路231は、動き検出情報MVDに基づき、背景画像の表示位置が前フレームと等しくなるように位置情報PDを生成して書込読出制御回路232に供給する。この例で、画像位置決定回路231は、フレームの表示位置が画像表示領域からはみ出した場合、当該画像表示領域からはみ出した部分を除く当該フレームのみ表示するように決定し、フレームの表示位置が画像表示領域から完全にはみ出し、更に、はみ出した方向にフレームの表示位置が進行した場合、進行した部分Mdに係るフレームの表示位置を、当該画像表示領域の表示されていない領域に移動するように決定して位置情報PDを生成して書込読出制御回路232に供給する。
書込読出制御回路232は、この位置情報PDに基づき書込制御信号WCを生成して画像メモリ234に供給し、フレームF(2)に係る図13Cに示すように、前フレームの画像記憶位置から矢印Maと方向が逆であると共に同じ動き量である矢印Mbの動きベクトル分だけ移動させた領域AR2に、フレームF(2)の画像信号を記憶させる。この際、画像表示領域からはみ出した部分は記憶させない。以下同様にして連続シーンの画像信号は、動き検出部22での動き検出結果に基づいて移動された領域に記憶させ、また画像表示領域からはみ出した部分は、フレームが完全にはみ出すまで記憶させない。
この例で、入力画像信号SDinがフレームF(k-1)となると、フレームが図1の画像表示領域(スクリーン10L、10C、10R)の左から完全にはみ出すこととなる。このような場合、書込読出制御回路232は、フレームF(k-1)に係る図13Cに示すように、フレームF(k-1)が完全にはみ出した状態から更に左方向に移動したフレームの部分Mdだけを画像メモリ234の記憶領域BARに記憶する。
次のフレームF(k)はフレームF(k-1)に連続するフレームであることから、画像メモリ234の左方向ではみ出した部分が、引き続き画像メモリ234の記憶領域BARに記憶される。フレームの部分Mdがフレームの横幅と同じになると、フレームが完全に記憶されていることとなり、ここから先のフレームでは、現在の表示位置を基準にフレームを記憶させていく。
入力画像信号SDinがフレームF(k)からフレームF(k+1)となると、シーンチェンジ検出部21は、フレームF(k)とフレームF(k+1)と画像信号を用いて算出した正規化値Eや相関係数rに基づき、このシーンチェンジ位置を検出する。また、シーンチェンジ検出部21から出力されるシーンチェンジ検出信号SCは、シーンチェンジであることを示すものとなる。このとき、画像位置決定回路231は、シーンチェンジ検出前の連続シーンと関連を有しない位置に新たなシーンの画像を表示するように表示位置を設定する。
ここで、画像位置決定回路231は、シーンチェンジが検出されるまでの連続フレームに対して表示位置の決定を行っていることから、既に決定した表示位置を参考として、シーンチェンジ検出前の連続シーンと関連性を有しない位置を表示位置とする。例えば連続フレームの最終画像の表示位置から所定量離れた位置、あるいは最後の画像の表示位置が画像表示領域の中心から離れているときには、画像表示領域の中心に表示位置を設定する。また、連続フレームの画像の動き方向とは逆方向に所定量だけ離した位置を表示位置とすることもできる。このように、画像位置決定回路231は、シーンチェンジ検出前の連続シーンと関連性を有しない位置を表示位置とした位置情報PDを生成して、書込読出制御回路232に供給する。
書込読出制御回路232は、位置情報PDに基づき書込制御信号WCを生成して画像メモリ234に供給し、画像メモリ234の記憶領域における例えば画像表示領域の中央と対応する領域AR3にフレームF(k+1)の画像信号を記憶させる。
また、書込読出制御回路232は、読出制御信号RCを生成して画像メモリ234に供給すると共に、画像メモリ234は、この読出制御信号RCに基づいて画像信号を読み出して画像分割回路235に供給する。画像分割回路235は、画像メモリ234の記憶領域が画像表示領域に対応して設けられていることから、スクリーン10Lと対応する記憶領域BALから読み出した信号に基づいて画像信号SDLを生成する。またスクリーン10Cと対応する記憶領域BACから読み出した信号に基づいて画像信号SDCを生成すると共に、スクリーン10Rと対応する記憶領域BARから読み出した信号に基づいて画像信号SDRを生成する。
なお、画像の無い部分の信号レベルは上述のように黒表示として、画像表示領域には、入力画像信号SDinに基づく画像のみを表示させる。なお図13の場合、フレームの一部が画像メモリに記憶されないため、元のフレームの一部が途切れることになる。なお、上述の説明は画像の動きベクトルが左右方向である場合を示したが、動きベクトル方向が上下方向の場合は、画像メモリ234に対する画像信号の書込位置を上下方向の画像の移動に合わせて変更することで対応する。図14に動きベクトルの方向が上下方向の場合の例を示す。説明を簡単とするため動き検出情報MVDで示される動きベクトル方向の上下方向成分についてのみ説明する。
図14A〜Cは画像処理装置20の動作例(その3)を示す説明図である。図14Aは、入力画像信号SDinに基づく画像であり、フレームF(1)〜フレームF(k)が連続フレームで、フレームF(k+1)から新たなシーンとなる場合を示している。また、図14Cは画像メモリ234の記憶領域を示している。
最初のフレームF(1)の場合、図11に示した画像位置決定回路231は、例えば表示位置を画像表示領域の中央とするように位置情報PDを生成して書込読出制御回路232に供給する。書込読出制御回路232は、位置情報PDに基づき書込制御信号WCを生成して画像メモリ234に供給し、画像表示領域の中央と対応する画像メモリ234の領域AR1にフレームF(1)の画像信号を記憶させる。
次のフレームF(2)はフレームF(1)に連続するフレームであることから、シーンチェンジ検出部21から出力されるシーンチェンジ検出信号SCは、連続シーンであることを示すものとなる。このとき、動き検出部22は、フレームF(1)とフレームF(2)の画像信号を用いて全画面動き検出を行い、表示面積の広い部分である例えば背景画像の動きベクトルを検出して、この検出結果を示す動き検出情報MVDを画像位置決定回路231に供給する。この場合、動き検出情報MVDは、図12Bの矢印Maで示すように、表示面積の広い部分である背景画像の動きベクトルを示すものとなる。
画像位置決定回路231は、動き検出情報MVDに基づき、背景画像の表示位置が前フレームと等しくなるように位置情報PDを生成して書込読出制御回路232に供給する。書込読出制御回路232は、位置情報PDに基づき書込制御信号WCを生成して画像メモリ234に供給し、フレームF(2)に係る図14Cに示すように、前フレームの画像記憶位置から矢印Maと方向が逆であると共に同じ動き量である矢印Mbの動きベクトル分だけ移動させた領域AR2に、フレームF(2)の画像信号を記憶させる。
入力画像信号SDinがフレームF(2)となると、当該フレームの表示位置の一部が図1の画像表示領域(スクリーン10L、10C、10R)からはみ出すこととなる。このような場合、画像位置決定回路231では、当該画像表示領域の表示されていない領域の所定位置にオフセットして当該フレームの表示位置を移動する。例えば、フレームF(2)に係る図14Cに示すように、フレームF(2)が上方向に動いてはみ出した場合、画像メモリ234の記憶領域BACから記憶領域BARにオフセットしてはみ出した部分を記憶する。これは、図13に示した左右方向の動きベクトルに基づいて画像が動く範囲に比べて、図14に示す上下方向の動きベクトルに基づいて画像が動く範囲は狭くなっているので、はみ出した部分の画像を同じ記憶領域BACに記憶するのではなく、はみ出した部分の画像を別の記憶領域BARなどに記憶する。これにより、フレームの分かれ目が明確になると共に連続シーンを視聴し易くなる。以下同様にして連続シーンの画像信号は、動き検出部22での動き検出結果に基づいて移動された領域に記憶させる。
フレームF(k)はフレームF(k-1)に連続するフレームであり、画像メモリ234の上方向ではみ出した部分が、引き続き画像メモリ234の記憶領域BARに記憶される。フレームが完全に上方向ではみ出すと、フレームは画像メモリ234の記憶領域BARに記憶されていることになる。
入力画像信号SDinがフレームF(k)からフレームF(k+1)となると、シーンチェンジ検出部21は、フレームF(k)とフレームF(k+1)と画像信号を用いて算出した正規化値Eや相関係数rに基づき、このシーンチェンジ位置を検出する。また、シーンチェンジ検出部21から出力されるシーンチェンジ検出信号SCは、シーンチェンジであることを示すものとなる。このとき、画像位置決定回路231は、シーンチェンジ検出前の連続シーンと関連を有しない位置に新たなシーンの画像を表示するように表示位置を設定する。
ここで、画像位置決定回路231は、シーンチェンジが検出されるまでの連続フレームに対して表示位置の決定を行っていることから、既に決定した表示位置を参考として、シーンチェンジ検出前の連続シーンと関連性を有しない位置を表示位置とする。例えば連続フレームの最終画像の表示位置から所定量離れた位置、あるいは最後の画像の表示位置が画像表示領域の中心から離れているときには、画像表示領域の中心に表示位置を設定する。また、連続フレームの画像の動き方向とは逆方向に所定量だけ離した位置を表示位置とすることもできる。このように、画像位置決定回路231は、シーンチェンジ検出前の連続シーンと関連性を有しない位置を表示位置とした位置情報PDを生成して、書込読出制御回路232に供給する。
書込読出制御回路232は、位置情報PDに基づき書込制御信号WCを生成して画像メモリ234に供給し、画像メモリ234の記憶領域における例えば画像表示領域の中央と対応する領域AR1にフレームF(k+1)の画像信号を記憶させる。
また、書込読出制御回路232は、読出制御信号RCを生成して画像メモリ234に供給すると共に、画像メモリ234は、この読出制御信号RCに基づいて画像信号を読み出して画像分割回路235に供給する。画像分割回路235は、画像メモリ234の記憶領域BAL、BAC及びBARが画像表示領域(スクリーン10L、10C、10R)に対応して設けられていることから、スクリーン10Lと対応する記憶領域BALから読み出した信号に基づいて画像信号SDLを生成する。またスクリーン10Cと対応する記憶領域BACから読み出した信号に基づいて画像信号SDCを生成すると共に、スクリーン10Rと対応する記憶領域BARから読み出した信号に基づいて画像信号SDRを生成する。なお、画像の無い部分の信号レベルは上述のように黒表示として、画像表示領域には、入力画像信号SDinに基づく画像のみを表示させる。
なお、図14では、フレームが画像メモリ234からはみ出すと、はみ出した分を即座に画像メモリ234の別の箇所に記憶する場合を示したが、図13の場合と同様に、即座に記憶しなくてもよい。また図14では、画像メモリ234から上方向にはみ出した部分を記憶領域BARから記憶したが、記憶領域BAL、もしくは同じ記憶領域BACの下側から記憶してもよい。
さらに、動きベクトルの方向が、左右方向、および上下方向の成分を含む場合(すなわち斜め方向)で、フレームが画像メモリ234からはみ出した場合は、図12や図14の例を組にし、斜め方向ではみ出した部分を、画像メモリ234の別の箇所で記憶する。
さらに、上述の処理はハードウェアだけでなくソフトウェアで実現するものとしても良い。図15〜図17を参照してコンピュータに実効させる画像処理プログラムについての一実施例を説明する。図15は、コンピュータを用いたときの構成例を示す図である。
コンピュータは、図15に示すようにCPU(Central Processing Unit)301を内蔵しており、このCPU301にはバス320を介してROM(Read Only Memory)302,RAM(Random Access Memory)303,HDD(Hard Disk Drive)304,入出力インタフェース305が接続されている。さらに、入出力インタフェース305には入力部311や記録媒体ドライブ312,通信部313,画像信号入力部314,画像信号出力部315が接続されている。
外部装置から命令が入力されたり、キーボードやマウス等の操作手段あるいはマイク等の音声入力手段等を用いて構成された入力部311から命令が入力されると、この命令が入出力インタフェース305を介してCPU301に供給される。
CPU301は、ROM302やRAM303あるいはHDD304に記憶されているプログラムを実行して、供給された命令に応じた処理を行う。さらに、ROM302やRAM303あるいはHDD304には、上述の画像処理装置20と同様な処理をコンピュータで実行させるための画像処理プログラムを予め記憶させて、画像信号入力部314に入力された入力画像信号SDinに基づき画像信号SDL,SDC,SDRを生成して、画像信号出力部315から出力する。また、記録媒体に画像処理プログラムを記録しておくものとし、記録媒体ドライブ312によって、画像処理プログラムを記録媒体に記録しあるいは記録媒体に記録されている画像処理プログラムを読み出してコンピュータで実行するものとしても良い。さらに、通信部313によって、伝送路を介した画像処理プログラムの送信あるいは受信を行うものとし、受信した画像処理プログラムをコンピュータで実行するものとしても良い。
図16は、画像処理プログラムの全体構成例を示すフローチャートである。図16に示すステップST1ではシーン判別を行う。図17は、このシーン判別動作例を示すフローチャートである。図17に示すステップST11では、フレーム間の差分平均値Davと1フレームの輝度平均値Yavを算出してステップST12に進む。
ステップST12では、輝度平均値Yavを用いて差分平均値Davの正規化を行い正規化値Eを算出する。ステップST13では、正規化値Eと閾値Lrを比較してシーンチェンジであるか否かを判別する。ここで、正規化値Eが閾値Lr以下であるときにはステップST14に進み、連続シーンと判別してシーン判別を終了する、また、正規化値Eが閾値Lrよりも大きいときにはステップST15に進み、シーンチェンジであると判別してシーン判別を終了する。
なお、シーン判別動作では、上述のように相関係数rを算出して、この相関係数rと閾値Lrを比較してシーンチェンジであるか否かを判別するものとしても良い。この場合、ステップST11とステップST12の処理に替えて、上述の式(4)で示した相関係数rの算出を行い、ステップST13では相関係数rが閾値よりも小さくないときにはステップST14に進み連続シーンと判別する。また相関係数rが閾値よりも小さいときにはステップST15にシーンチェンジであると判別する。
図16に戻り、ステップST2では、ステップST1のシーン判別でのシーン判別結果がシーンチェンジであるか否かを判別する。ここで、シーンチェンジと判別されたときにはステップST3に進み、シーンチェンジでない、すなわち連続シーンと判別されたときにはステップST4に進む。
ステップST3では、新たなシーンの表示位置設定を行う。この表示位置設定では、シーンチェンジ検出前の連続シーンと関連性を有しない位置に新たなシーンの画像を表示するように表示位置を設定してステップST6に進む。ステップST4では、動き検出を行う。この動き検出では、全画面動き検出を行い、表示面積の広い部分の動きベクトルを検出してステップST5に進む。
ステップST5では、ステップST4で検出された動きベクトルに基づき、画像表示領域に表示する画像の表示位置を移動させる。ここで、動きベクトルは表示面積の広い例えば背景部分の動き方向と動き量を示している。このため、背景部分の画像を固定して表示できるように、動きベクトルとは逆方向であると共に等しい動き量分だけ表示位置を移動させる。このとき、画像の表示位置が画像表示領域からはみ出した場合、当該画像の表示位置を当該画像表示領域の表示されていない領域に移動する。なお、画像表示領域は、画像の画像サイズよりも大きく設定されている。続いてステップST6に進む。
ステップST6では、出力画像の分割処理を行う。ここで、図1に示したように3つのスクリーン10L,10C,10Rを1つの画像表示領域として用いる場合、表示位置が移動されてフレームが複数のスクリーンに跨って表示される場合でも、正しく画像を表示できるように、画像の分割を行い、各スクリーンに応じた画像信号SDL,SDC,SDRを生成する。このように入力画像信号SDinをコンピュータで処理して画像信号SDL,SDC,SDRを生成するものとしても、同様の作用効果を得ることができる。
このように、本発明に係る画像処理装置20、画像処理方法および画像処理プログラムによれば、動画像の入力画像信号SDinを処理する場合であって、画像(フレーム)の表示位置が画像表示領域をはみ出したときに、当該画像の表示位置を当該画像表示領域の表示されていない領域に移動するものである。
従って、画像が画像表示領域からはみ出した場合でも、この画像表示領域に連続して画像を表示することができる。これにより、画像の連続移動シーンが長い場合や大きな動きをした場合であっても、画像の動きに応じて当該画像を連続して画像表示領域に表示することができる。従って、途切れることなく画像を表示できるので、現実世界に忠実、かつ臨場感の高い画像を表示することができる。
なお、上述の実施の形態におけるスクリーンやプロジェクタは例示的なものであり、フレームサイズよりも画像表示領域が大きければ、本発明のように現実世界に忠実で臨場感の高い画像表示が可能であると共にシーンの切り替えを容易に識別できる。
また、映画館などでは、大型な表示系を設備として導入することが可能であることから、臨場感を一層高めた画像表示を行うことが可能であるが、このような場合にも上述のようにシーンチェンジ検出後の画像表示位置を制御することでシーンの切り替えの識別を容易とすることができる。
続いて、図18〜図20を参照して本発明に係る再生情報生成装置と再生情報生成方法および再生情報生成プログラムについての一実施例を説明する。図18は、再生情報生成装置50の構成例を示し、図19は情報再生装置60の構成例を示している。この再生情報生成装置50及び情報再生装置60において、上述した画像処理装置20と同一の構成要素には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
再生情報生成装置50及び情報再生装置60は、画像処理装置20を分離して構成したものである。すなわち、再生情報生成装置50は、動画像の入力画像信号SDinを処理して当該動画像の再生情報の一例であるフレームの位置情報PDを生成する装置であって、シーンチェンジ検出部21、動き検出部22及び画像位置決定回路231から構成される。情報再生装置60は、この位置情報PDに基づいて、動画像の入力画像信号SDinを処理して当該動画像を再生する装置である。
図18に示す再生情報生成装置50のシーンチェンジ検出部21は入力画像信号SDinが供給され、この入力画像信号SDinに基づいてフレームにおけるシーンチェンジを検出してシーンチェンジ検出信号SCを出力する。動き検出部22はシーンチェンジ検出部21に接続され、シーンチェンジ検出信号SCを供給する。また、動き検出部22は入力画像信号SDinが供給される。動き検出部22は、シーンチェンジ検出信号SCによって連続シーンであることが示されたフレームに関して、入力画像信号SDinに基づくフレームの動きベクトルMVを検出して動き検出情報MVDを画像位置決定回路231に出力する。
画像位置決定回路231は、シーンチェンジ検出部21及び動き検出部22に接続される。画像位置決定回路231は、フレームの画像サイズよりも大きい画像表示領域(スクリーン10L、10C、10R)を設定する。画像位置決定回路231は、シーンチェンジ検出部21によりシーンチェンジが検出されてフレームのシーンが連続しない場合、フレームの表示位置をシーンチェンジの検出前のフレームと関連性を有しない表示位置に移動するための位置情報PDを出力する。
また、フレームのシーンが連続する場合、画像位置決定回路231は、動き検出部22により出力された動き検出情報MVDに基づいて、画像表示領域に表示するフレームの表示位置を決定する。このとき、フレームの表示位置が画像表示領域からはみ出した場合、画像位置決定回路231は、当該フレームの表示位置を当該画像表示領域の表示されていない領域に移動するための位置情報PD(再生情報)を生成して出力端子51に出力する。この出力端子51には、例えばUSBメモリなどの外部記憶媒体(図示せず)が接続される。これにより、フレームが画像表示領域からはみ出した場合でも、この画像表示領域に連続してフレームを表示できる位置情報PDを提供できるようになる。
図19に示す情報再生装置60は、この外部記憶媒体に保存された位置情報PDを読み出してこの位置情報PDに基づいて、動画像の入力画像信号SDinを処理して当該動画像を再生する。この情報再生装置60は、書込読出制御回路232、遅延回路233、画像メモリ234及び画像分割回路235から構成される。
この例で、情報再生装置60の画像メモリ234は遅延回路233に接続され、この遅延回路233で遅延された入力画像信号SDinが、画像信号SDdとして供給される。書込読出制御回路232は入力端子61に接続され、この入力端子61に接続された外部記憶媒体から位置情報PDが供給される。また、書込読出制御回路232は画像メモリ234に接続され、供給された位置情報PDに基づいて、この画像メモリ234に入力画像信号SDinを書き込むように制御する。
例えば、書込読出制御回路232は、画像メモリ234に画像信号の書き込むための書込制御信号WCと、画像メモリ234に書き込まれている画像信号を読み出すための読出制御信号RCを生成して、画像メモリ234に供給する。
画像メモリ234は、書込読出制御回路232からの読出制御信号RCに基づき、記憶領域に記憶されている画像信号を読み出して画像信号SDeとして画像分割回路235に供給する。
画像分割回路235は、画像信号SDeから例えばスクリーン10Lに対応する記憶領域BAL(図12参照)の信号を用いて画像信号SDLを生成する。同様に、スクリーン10C,10Rに対応する記憶領域BAC、BARの信号を用いて画像信号SDC,SDRを生成する。このようにして生成した画像信号SDLをプロジェクタ12L、画像信号SDCをプロジェクタ12C、画像信号SDRをプロジェクタ12Rにそれぞれ供給する。
この例で、プロジェクタ12Lは、例えばフレームの表示位置を当該画像表示領域の表示されていない領域に移動するための位置情報PDに基づいて生成された画像信号SDLに基づいて、スクリーン10L(図1参照)に画像を投影する。同様に、プロジェクタ12C、12Rは、この位置情報PDに基づいて生成された画像信号SDC、SDRに基づいて、スクリーン10C、10Rに画像を投影する。これにより、画像の連続移動シーンが長い場合や大きな動きをした場合であっても、画像の動きに応じて当該画像を連続してスクリーン10L、10C、10Rの枠内に表示することができる。
図20は、再生情報生プログラムの全体構成例を示すフローチャートである。図20に示す再生情報生プログラムは、例えば図15に示したコンピュータに動画像の入力画像信号SDinを再生するための再生情報(位置情報PD)を生成させるプログラムである。なお、図16に示した画像処理プログラムと同一の構成には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図20のステップST1ではシーン判別を行う。上述したように、このシーン判別の詳細な動作例を示した図17のフローチャートに進んでシーン判別を行ってステップST2に進む。
ステップST2では、ステップST1のシーン判別でのシーン判別結果がシーンチェンジであるか否かを判別する。ここで、シーンチェンジと判別されたときにはステップST3に進み、シーンチェンジでない、すなわち連続シーンと判別されたときにはステップST4に進む。
ステップST3では、新たなシーンの表示位置設定を行う。この表示位置設定では、シーンチェンジ検出前の連続シーンと関連性を有しない位置に新たなシーンの画像を表示するように表示位置を設定してステップST6’に進む。
ステップST4では、入力画像信号SDinに基づくフレームの動きベクトルを検出する。この動き検出では、全画面動き検出を行い、表示面積の広い部分の動きベクトルを検出する。また、フレームの画像サイズよりも大きい画像表示領域を設定してステップST5に進む。
ステップST5では、ステップST4で検出された動きベクトルに基づいて、上述の画像表示領域に表示するフレームの表示位置を決定して移動させる。この例で、動きベクトルは表示面積の広い例えば背景部分の動き方向と動き量を示している。このため、背景部分の画像を固定して表示できるように、動きベクトルとは逆方向であると共に等しい動き量分だけ表示位置を移動させる。このとき、フレームの表示位置が画像表示領域からはみ出した場合、当該フレームの表示位置を当該画像表示領域の表示されていない領域に移動させてステップST6’に進む。
ステップST6’では、フレームの表示位置を示す位置情報PDを生成して図18に示した出力端子51に出力する。この例で、シーンチェンジがあった場合、シーンチェンジ検出前の連続シーンと関連性を有しない位置に新たなシーンのフレームを表示するための位置情報PDを生成する。また、シーンチェンジがなかった場合、画像表示領域に表示するフレームを、動きベクトルに基づいて表示するための位置情報PDを生成する。
このように、本発明に係る再生情報生成装置50、再生情報生成方法および再生情報生成プログラムによれば、動画像の入力画像信号SDinを処理して当該動画像の位置情報PD(再生情報)を生成する場合であって、フレームの表示位置が画像表示領域(スクリーン10L、10C、10R)からはみ出した場合、当該フレームの表示位置を当該画像表示領域の表示されていない領域に移動するための位置情報PDを生成するものである。
従って、生成された位置情報PDに基づいて映像を再生することにより、フレームが画像表示領域からはみ出した場合でも、この画像表示領域に連続してフレームを表示できるようになる。これにより、画像の連続移動シーンが長い場合や大きな動きをした場合であっても、画像の動きに応じて当該画像を連続して画像表示領域に表示することができる。
10L,10C,10R・・・スクリーン、12L,12C,12R・・・プロジェクタ、20・・・画像処理装置、21・・・シーンチェンジ検出部、22・・・動き検出部、23・・・画像位置移動部、211,221,233・・・遅延回路、212・・・差分平均算出回路、213・・・輝度平均算出回路、214・・・正規化回路、215,217・・・判定回路、216・・・相関係数算出回路、222・・・画像位置切替回路、223・・・差分演算回路、224・・・最小値判定回路、231・・・画像位置決定回路、232・・・書込読出制御回路、234・・・画像メモリ、235・・・画像分割回路、301・・・CPU、302・・・ROM、303・・・RAM、314・・・画像信号入力部、315・・・画像信号出力部