JP4923972B2 - ショーケース - Google Patents

Description

本発明は、庫内に上下多段の商品陳列棚を備えた冷気循環式のショーケースに関する。

頭記の冷気循環式ショーケースとして、ケース本体の内箱と外箱との間に画成した冷気循環ダクトに備えた冷却器（フィン・チューブ形のエバポレータ）を内箱の背面パネルとの間に導風間隔を隔ててパネル下部域の背後に配置した上で、庫内下部域に並ぶ商品陳列棚に対応して背面パネルに冷気吹出孔を分散開口しておき、保冷運転時には冷気循環ダクトの上部端から庫内前面に吹き出す冷気流と併せて、冷却器の吐出側から分流した一部の冷気を背面パネルの冷気吹出孔を通じて庫内に吹き出し、これにより庫内の上下全域を均温に保冷するようにした構成のものが知られている（例えば、特許文献１参照）。
次に上記したショーケースの従来構造を図３，図４に示す。まず、図３（ａ），（ｂ）において、１は前面開放形の断熱筐体になるケース本体の外箱、２は内箱、３は内箱２を囲んでケース本体の外箱１との間に画成した冷気循環ダクト、４は冷却器（冷凍機のエバポレータ）、５は外箱１の底部（舟底部）に配置した送風プレナムチャンバー、６はプレナムチャンバー５に設置した冷気循環用の庫内ファン、７は上下多段に並べて庫内に配置した商品陳列棚、８は庫内底部に布設したデッキパンである。

ここで、各段の商品陳列棚７は支持ブラケットを介して内箱２の背面パネル２ａに立設した左右の支柱（不図示）に架設されている。また、冷却器４は図４（ａ），（ｂ）で示すように、蛇行状に配管した冷媒チューブ４ａにフィン４ｂを組合せ、かつその前端面をカバー４ｃで覆ったフィン・チューブ形の熱交換器であり、内箱２の背面パネル２ａとの間に冷気分流通路となる導風間隔３ａを隔ててパネル下部域の背後に配置されている。さらに、庫内の下部域に並ぶ商品陳列棚７（図示例では下側の３段）と個々対応して背面パネル２ａには多数の冷気吹出孔２ｂが上下段に分けて分散開口している。なお、前記冷却器４の前面カバー４ｃの下端側には前方に張り出す遮風板９を設け、該遮風板９で背面パネル２ａとの間に画成された導風間隔３ａの下端を閉塞するようにしている。
上記の構成で、ショーケースの保冷運転時には冷却器４と熱交換した低温の冷気流が図３（ａ）に表した点線矢印のように庫内を循環通風し、商品陳列棚７に並べた商品を保冷する。すなわち、庫内ファン６を経てプレナム５から冷却器４に押込み送風された空気流Ａは冷却器４と熱交換して低温冷気となる。そして、冷却器４から上方に吐出した大半の冷気流Ｂはそのまま冷気循環ダクト３に沿って流れ、内箱２の上部前縁に開口する冷気吹出口を通じて庫内前面に冷気エアカーテンＤを吹き出し形成する。また、冷却器４から上方に吐出した冷気流の一部は冷気循環ダクト３から分流して前記の導風間隔３ｂに流入し（冷気流Ｃ）し、背面パネルａに開口した冷気吹出孔２ｂより庫内に吹き出して庫内下部域に並ぶ商品陳列棚７に陳列した商品の保冷を助勢する。
特開平７−２３４０５９号公報（図１−図３）

ところで、前記した従来構造では、特に背面パネルの冷気吹出孔２ｂを通じて背後の導風間隔３ａから庫内下部域に並ぶ商品陳列棚７に向けて吹き出す冷気流Ｃの風量が冷気吹出孔２ｂの高さ位置によって著しく異なり、このために庫内下部域における保冷温度に大きなバラツキが生じる問題がある。
すなわち、内箱２の背面パネルに開口した冷気吹出孔２ｂを通じて背後の導風間隔３ａから庫内に向けて吹き出す冷気は、庫内ファン６の押込み送風により冷却器４を経由して導風間隔３ａに流入する空気圧と庫内側の空気圧との圧力差によって吹き出す。一方、冷却器４の吐出側から分流（Ｕターン）して導風間隔３ａに流入する冷気は庫内側の空気よりも温度が低くて比重が大きいことから、庫内側との相対的な圧力差は導風間隔３ａの通路上部より下部に行く程大きくなる。

このために、上下に並ぶ商品陳列棚７と個々に対応して背面パネル２ａの異なる高さに開口した冷気吹出孔２ｂについて見ると、下位側の冷気吹出孔からより多くの冷気が吹き出すのに対して、上位側の冷気吹出孔からの冷気吹出量は逆に少なくなり、その結果として、庫内温度，陳列商品の保冷温度にバラツキが生じるようになる。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、その目的は前記課題を解決し、庫内下部域に並ぶ商品陳列棚と個々に対応して背面パネルに開口した冷気吹出孔を通じて庫内に吹き出す冷気を平均化して庫内の温度ムラを抑えるようにした保冷性に優れた冷気循環式のショーケースを提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明によれば、庫内に上下段に並ぶ商品陳列棚を備え、ケース本体の内箱／外箱間に画成した冷気循環ダクトに配置の冷却器を通じて庫内に冷気を循環させて陳列商品を保冷する冷気循環式のショーケースであり、前記冷却器を内箱の背面パネルとの間に導風間隔を隔ててパネル下部域の背後に配置するとともに、庫内下部域に並ぶ商品陳列棚に対応して背面パネルには冷気吹出孔を上下に分けて開口し、該冷気吹出孔を通じて冷却器の吐出側から前記導風間隔に分流流下する冷気を庫内に向けて吹き出すようにしたものにおいて、前記冷却器とその前方に対峙する背面パネルとの間に画成した導風間隔の中段位置に平板の板面に多数の通気孔を開口したパンチング板からなる導風抵抗板を布設するとともに、前記の導風間隔には複数枚のパンチング板を上下に分けて布設し、かつ上位のパンチング板の開孔率を下位のパンチング板の開孔率よりも小に設定して、その上位側および下位側に開口する背面パネルの冷気吹出孔から庫内に吹き出す冷気を平均化させるようにする。
（１）前記の導風抵抗板を導風間隔の中で上下方向へ移動可能に取付ける。
（２）前記の導風抵抗板を着脱可能に取付ける。

上記構成のように、開口位置を上下に分けて背面パネルに開口した冷気吹出孔と背面パネルの背後に対峙して配置した冷却器との間に画成した冷気導風間隔（冷気通風路）に対し、その中段位置に導風抵抗板（パンチング板）を布設することにより、該導風抵抗板に生じる圧力損失で上流側の圧力が高まり、下流側は逆に圧力が降下する。そのために、導風抵抗板のない従来構造と比べて導風抵抗板より上位側に開口した背面パネルの冷気吹出孔を通じて庫内に吹き出す冷気の風量が増え、逆に導風抵抗板の下位側（分流通路の下流側）に開口した冷気吹出孔から吹き出す冷気風量は減少するようになる。
したがって、導風抵抗板としてのパンチング板の開孔率を最適化することにより、背面パネルに開口した上位，下位の冷気吹出孔を通じて庫内に吹き出す冷気の風量が平均化される。その結果、従来のショーケースで問題となっていた庫内の温度ムラ発生を抑えて、上下段に並ぶ商品陳列棚の陳列商品を均等な温度で保冷することができる。

また、背面パネルに開口する冷気吹出孔を、上下３段以上の商品陳列棚と個々に対応するよう上下に高さを変えて開口する場合には、その冷気吹出孔の開口高さ位置に対応して複数枚の導風抵抗板（パンチング板）を上下に分けて布設した上で、上位側のパンチング板の開孔率を下位のパンチング板の開孔率よりも小に設定することにより、各冷気吹出孔からの冷気吹き出し風量をきめ細かにバランス調整することができる。
さらに、導風抵抗板を導風間隔の中で上下移動，および着脱可能に取付けることにより、庫内側に架設した商品陳列棚の段数，高さ位置、およびその変更に合わせて必要な枚数の導風抵抗板を最適な位置にセットすることができる。

以下、本発明の実施の形態を図１，図２に示す実施例に基づいて説明する。なお、実施例の図中で図３，図４に対応する部材には同じ符号を付してその説明は省略する。

まず、本発明の第１の実施例を図１（ａ），（ｂ）に示す。この実施例は基本的に従来構造と同じであるが、冷却器４の前端面に配したカバー４ｃの中段位置には、導風抵抗板としてのパンチング板１０が内箱２の背面パネルとの間の導風間隔３ａへ突き出すように布設されている。このパンチング板１０は平板の板面に多数の導風孔を分散開口したもので、庫内下部域に並ぶ商品陳列棚７の位置に対応して上位の冷気吹出孔２ｂとその下位側の冷気吹出孔２ｂとの中間位置に配置されている。
上記の構成により、冷却器４の吐出側で冷気循環ダクト３から分流して導風間隔３ａを通風する冷気流（図３の冷気流Ｃ）に対してパンチング板１０が通風抵抗板として作用する。これにより、パンチング板１０を境にその上流側通風路の圧力が上がって背面パネル２ａに開口した上位の冷気吹出孔２ｂ（図２参照）を通じて庫内に吹き出す冷気の風量が従来構造よりも多くなる。これに対して、下流側では逆にパンチング板１０の圧力損失により通風路の圧力が降下し、ここから背面パネル２ａに開口した下位の冷気吹出孔２ｂを通じて庫内に吹き出す冷気風量が従来構造よりも少なくなる。

したがって、パンチング板１０の開孔率を適正に設定することにより、背面パネル２ａに開口した上位，下位の冷気吹出孔２ｂを通じて庫内に吹き出す冷気風量が平均化され、これにより温度ムラを低く抑えて庫内を均温に保冷することができる。
なお、パンチング板１０は冷却器４のカバー４ｃにねじ締結して着脱可能に固定支持するものとし、その設置位置を庫内側に架設した各段の商品陳列棚７の設置高さに合わせて可変調節できるようにするために、例えばカバー４ｃの左右両端に上下方向に沿って複数箇所にねじ孔を形成して置き、パンチング板１０の取付け高さ位置を上下方向へ変更できるようにする。あるいは、カバー４ｃの左右に上下方向の長孔を形成し、この長孔に沿ってパンチング板１０をスライド式に移動調節するようにしても良い。

次に、本発明の第２の実施例を図２（ａ），（ｂ）に示す。この実施例では、先記実施例１で述べたパンチング板（導風抵抗板）１０を複数枚（図示例では２枚）使用し、このパンチング板１０を庫内の下部域に配置した商品陳列棚７の上下配列に合わせて導風間隔３ａの通路中に布設している。また、このパンチング板１０の開孔率に関して、上位に布設したパンチング板１０の開孔率を下位側のパンチング板１０の開孔率よりも小さく設定している。
これにより、導風間隔３ａから背面パネル２ａの異なる高さ位置に開口した冷気吹出孔を通じて庫内に吹き出す冷気をきめ細かにバランス調整して庫内温度の均温化が図れる。

本発明の第１の実施例に係わるショーケースの要部構成図で、（ａ）はケース本体から内箱を外した状態での外観斜視図、（ｂ）は（ａ）における冷却器周辺の拡大側面図 本発明の第２の実施例に係わるショーケースの要部構成図で、（ａ）はケース本体から内箱を外した状態での外観斜視図、（ｂ）は（ａ）における冷却器周辺の拡大側面図 冷気循環式ショーケースの従来構成図で、（ａ）は縦断側面図、（ｂ）は正面図 図３の補足説明図で、（ａ）はケース本体から内箱を外した状態での外観斜視図、（ｂ）は冷却器の拡大側面図

符号の説明

１ ケース本体の外箱
２ 内箱
２ａ 背面パネル
２ｂ 冷気吹出孔
３ 冷気循環ダクト
３ａ 導風間隔
４ 冷却器
４ｃ カバー
６ 庫内ファン
７ 商品陳列棚
１０ パンチング板（導風抵抗板）

Claims (3)

1. 庫内に上下段に並ぶ商品陳列棚を備え、本体ケースの内箱／外箱間に画成した冷気循環ダクトに配置の冷却器を通じて庫内に冷気を循環させて陳列商品を保冷する冷気循環式のショーケースであり、前記冷却器を内箱の背面パネルとの間に導風間隔を隔ててパネル下部域の背後に配置するとともに、庫内下部域に並ぶ商品陳列棚に対応して背面パネルには冷気吹出孔を上下に分けて開口し、該冷気吹出孔を通じて冷却器の吐出側から前記導風間隔に分流流下する冷気を庫内に向けて吹き出すようにしたものにおいて、前記冷却器とその前方に対峙する背面パネルとの間に画成した導風間隔の中段位置にパンチング板からなる導風抵抗板を布設するとともに、導風間隔には複数枚のパンチング板を上下に分けて布設し、かつ上位のパンチング板の開孔率を下位のパンチング板の開孔率よりも小に設定したことを特徴とするショーケース。
2. 請求項１に記載のショーケースにおいて、導風抵抗板が導風間隔の中で上下方向へ移動可能に取付けられていることを特徴とするショーケース。
3. 請求項１または２に記載のショーケースにおいて、導風抵抗板が着脱可能に取付けられていることを特徴とするショーケース。

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