JP4922772B2 - タービン軸とターボ機械圧縮機軸スタブアクスル間の、半径方向に小型の組み立て体 - Google Patents

Description

本発明は、低圧スプールの軸が圧縮機軸のスタブアクスルに組み立てられたタービン軸を備える、ターボ機械の全般的な分野に関する。さらに正確には、本発明は半径方向に小型の、この型式の組み立て体に関する。

ターボ機械において、空気／燃料の混合物の燃焼から来るガスは回転している低圧タービンを駆動する。このタービンはターボ機械の低圧圧縮機を回転させるために低圧圧縮機の軸に結合された低圧タービン軸を有する。この目的のために、高圧タービン軸は、それに縦溝によって結合された低圧圧縮軸のスタブアクスル内部に収容される。低圧タービン軸の上流端部にナットが固定され、この結合を互いに軸方向に保持する働きをする。さらに正確には、低圧圧縮機軸のスタブアクスルは、高圧圧縮タービン軸に対して半径方向に接して、締め付けナットに対して軸方向に接する、内部環状カラーを提供する。

この型式の組み立て体は、半径方向のサイズが比較的大きいという欠点を有する。このサイズはナットを低圧タービン軸に締め付けるために必要な厚さ、および低圧タービン軸と低圧圧縮機軸のスタブアクスルの間に十分な支持面を得るために必要な厚さの両方からもたらされる。それらの半径方向のサイズは特に対向翼式ターボ機械のための低圧タービン軸の寸法を決定するとき（すなわち、２個の逆回転翼が前部に搭載されるとき）有害である。

したがって、本発明の主目的は、半径方向に小型の組み立て体を提供することによって、それらの欠点を低減することである。

この目的は、タービン軸とターボ機械圧縮機軸のスタブアクスル間の組み立て体によって達成され、組み立て体は、実質的に円筒状の圧縮機軸スタブアクスルと、圧縮機軸スタブアクスル内に同軸に設置された実質的に円筒状のタービン軸と、タービン軸と圧縮機軸スタブアクスル間のトルクを伝達する手段と、タービン軸の上流端部を圧縮機軸スタブアクスルに締め付ける締め付け手段とを備え、本発明によれば、圧縮機軸スタブアクスルはその内部面から半径方向に延在する複数の歯を有し、タービン軸にはその上流端部に複数の軸方向スロットが設けられ、スタブアクスルの歯はタービン軸のスロットと協働する。

それらの組み立て体は、タービン軸と圧縮機軸スタブアクスル間の支持面に必要なゾーンだけでなく、軸方向保持に必要なゾーンも、所与の共通厚さに一まとめにすることを可能にする。これは従来の組み立て体に比べて小さな半径方向サイズ（半径方向のサイズは約５ミリメートル（ｍｍ）節約される）をもたらす。さらに、対向翼式ターボ機械への応用において、この組み立て体は外部低圧タービン軸の搭載と取り外し作業を容易にすることができる。

本発明の有利な特徴によれば、締め付け手段はタービン軸の上流端部に形成されたネジ上に固定されたナットを備え、このナットは各々２個の隣接する舌部の間に形成された複数の軸方向スロットを有し、圧縮機軸スタブアクスルの歯と協働する。

締め付け手段は、ナットを固定し複数の開口部を有するブロッキングリングをさらに備え、締め付けナット中のスロットと協働して上記ナットが回転することを防止することが好ましい。それらの環境下で、締め付け手段はブロッキングリングを軸方向に保持するための保持リングをさらに備える。

タービン軸のネジを付けた上流端部の各ネジは、半径方向の中間面に対して非対称であり、それによってタービン軸の上流端部の曲げ力を低減することが有利である。

また、組み立て体は軸方向調節スペーサを形成するリングを備えることができ、このリングは、タービン軸中のスロットの端部に受容されて圧縮機軸スタブアクスルの歯にも軸方向に接する、複数の歯を有する。

また本発明は、上述したように、低圧タービン軸と低圧圧縮機軸のスタブアクスル間に、組み立て体を含むターボ機械を提供する。

本発明の他の特徴および利点は、制限されない特徴を有する実施形態を示す添付図面を参照して、以下の説明から明らかになる。

図１を参照すれば、本発明の組み立て体はターボ機械の長手軸Ｘ−Ｘに中心合わせされた実質的に円筒状のタービン軸２を備える。また、組み立て体は圧縮機軸スタブアクスル４を備え、これも実質的に円筒状である。

対向翼式のターボ機械に応用するために、タービン軸２は、例えば、外部低圧タービン軸（図１の参照符号６で与えられる内部低圧タービン軸と対向して）とすることができ、スタブアクスル４は低圧圧縮機軸のそれとすることができる。

本発明は対向翼式のターボ機械への応用に制限されず、この型式の組み立て体を有する任意のターボ機械に展開されることは、いうまでもない。

タービン軸２は圧縮機軸スタブアクスル４の内部に同軸状に設置される。周知の方法で、トルクは縦溝８によってタービン軸２とスタブアクスル４の間に伝達される。

本発明によれば、圧縮機軸スタブアクスル４はその内部表面から半径方向に延在する複数の歯１０を有し、タービン軸２にはその上流端部に複数の軸方向スロット１２が設けられ、スタブアクスル４の歯１０はタービン軸のスロット１２と協働する。

さらに正確には、図２に示すように、タービン軸２中の各スロット１２はタービン軸の上流端部に延在する２個の隣接する舌部１４（または爪）の間に形成される。これらの舌部１４はタービン軸の周縁全体に規則的に分配される。

さらに、図３に示すように、スロット１２の各々は圧縮機軸スタブアクスル４の１個の歯１０を受容する寸法である。

スロット１２を形成するためにタービン軸２の上流端部に実施される切断は、軸全体の厚さを貫通することは必須ではないことに留意すべきであり、図１から図３に示す図とは異なって、スロットはタービン軸の上流端部を強化するために所定の厚さを保持できる（この端部はしたがって、軸の周縁全体に連続的な厚さを有する）。

また、本発明の組み立て体は、タービン軸２の上流端部を圧縮機軸スタブアクスル４に締め付ける手段を含む。

それらの締め付け手段は、タービン軸２の上流端部に形成されたネジ１８（すなわち、その舌部１４上に形成される）に固定されるナット１６の形である。

ナット１６は規則的に離間された複数の軸方向スロット２０を有し、ナットの上流端部に延在する２個の隣接する舌部２２の間に、各々延在する。

締め付け手段は、ナット１６の回転を防止するためのリング２４をさらに含むことが好ましい。このリングはその周縁に規則的に離間された複数の開口部２６を有し、締め付けナットの舌部２２と協働する（すなわち、それらはその各々がこの舌部の１つを受容するような寸法である）。

締め付けナット１６は、タービン軸２を圧縮機軸スタブアクスル４上に軸方向に保持することを可能にし、リング２４はナットの回転を防止する。図１に示すように、締め付けナット１６の上流端部に形成された溝（図示せず）中に受容された保持リング２８は、有利にブロッキングリング２４を軸方向の位置を保持する働きをする。

本発明の特に有利な特徴によれば、タービン軸２のネジを切られた上流端部の各ネジ１８ａは、半径方向中間面Ｐに対して非対称である。図４に示すように、面Ｐは、各ネジ１８ａに対する中間面であり、組み立て体の実質的な円筒形状に対して半径方向である。この特徴は、タービン軸の上流端部の舌部１４上の曲げ力を低減する働きをする。

また、組み立て体は軸方向調節スペーサを形成するリング３０を含んでよい。それらのリングは、タービン軸２中の刻み目１２の端部に受容されて、かつ圧縮機軸スタブアクスル４の内部表面に形成された歯１０に対して軸方向に接する複数の歯３２を有する。このリング３０の存在は、圧縮機軸スタブアクスル４に対するタービン軸２の軸方向の位置（すなわち、軸Ｘ−Ｘに沿って）を調節する働きをする。

また、本発明の組み立て体は、組み立て体から下流に設置されたベアリングを潤滑するシステムを含むことができる（それらのベアリングは図中に示されない）。

これを行うために、圧縮機軸スタブアクスル４は油を通す複数の孔３４を有し、タービン軸２に搭載された環状板３６は、この油を潤滑すべきベアリングに向かって案内する働きをする（図１）。それらの組み立て体を可能にするために、案内板３６はタービン軸２のスロット１２中に受容するのに適した寸法の複数の歯３８を有する（図３）。ブラシガスケット４０は組み立て体締め付け手段に対して封止を提供する（図１）。

本発明の組み立て体は多くの利点を提供する。特に、半径方向に小型である点である。図１に示すように、穿孔されたタービン軸２は、タービン軸２と圧縮機軸のスタブアクスル４間に必要な支持ゾーンだけでなく、軸方向保持に必要なゾーンも、半径方向の面中で共通厚さに一まとめにすることを可能にする。

さらに、本発明の組み立て体は、特に対向翼式のターボ機械について、タービン軸２の組み立てと分解作業をより容易にする。

この型式のターボ機械では、組み立ては、外部低圧タービン軸２、軸方向調節スペーサを形成するリング３０、低圧圧縮機軸スタブアクスル４、案内板３６、締め付けナット１６、ブロッキングリング２４、および保持リング２８を、連続して取り付けることによって行われる。

分解は、ブロッキングリング２４を解放するために、保持リング２８を圧縮してそれを締め付けナット１６の他の溝へ動かすことによって行われ、それによってナットを緩めることが可能になる。次いで、外部低圧タービン軸２はターボ機械から、締め付けナット１６、ブロッキングリング２４、案内板３６、または保持リング２８を離す必要なく、分解することができる。その結果、外部低圧タービン軸２は、低圧圧縮機軸スタブアクスル４を分解する必要なく分解することができる。

本発明の組み立て体の部分長手方向断面図である。 図１の組み立て体の展開斜視図である。 図１の組み立て体の一部切断斜視図である。 図１の組み立て体の詳細を拡大して示す図である。

２ タービン軸
４ 圧縮機軸スタブアクスル
６ 内部低圧タービン軸
８ 縦溝
１０、３２、３８ 歯
１２、２０ 軸方向スロット
１４、２２ 舌部
１６ 締め付けナット
１８ ネジ
２４ ブロッキングリング
２６ 開口部
２８ 保持リング
３０ 軸方向調節スペーサを形成するリング
３４ 孔
３６ 案内板
４０ ブラシガスケット

Claims (5)

1. 実質的に円筒状の圧縮機軸スタブアクスル（４）と、圧縮機軸スタブアクスル内に同軸に設置された実質的に円筒状のタービン軸（２）と、タービン軸と圧縮機軸スタブアクスル間のトルクを伝達する手段（８）と、タービン軸の上流端部を圧縮機軸スタブアクスルに締め付ける締め付け手段（１６、１８、２４、２８）とを備える、タービン軸とターボ機械圧縮機軸のスタブアクスル間の組み立て体であって、
   圧縮機軸スタブアクスル（４）がその内部面から半径方向に延在する複数の歯（１０）を有し、タービン軸（２）にはその上流端部に各々２個の隣接する舌部（１４）の間に形成された複数の軸方向スロット（１２）が設けられ、スタブアクスル（４）の歯（１０）がタービン軸（２）のスロット（１２）と協働し、締め付け手段が、
   各々２個の隣接する舌部（２２）の間に形成された複数の軸方向スロット（２０）を有し、タービン軸（２）の上流端部に形成されたネジ（１８）上に固定されるナット（１６）と、
   締め付けナット（１６）の複数の舌部（２２）およびタービン軸（２）の複数の舌部（１４）と夫々協働して該ナットの回転を防止する複数の開口部（２６）を有する、ナットを固定するためのブロッキングリング（２４）とを備えていることを特徴とする、組み立て体。
2. 締め付け手段が、ブロッキングリング（２４）を軸方向に保持するための保持リング（２８）をさらに備えることを特徴とする、請求項１に記載の組み立て体。
3. タービン軸（２）のネジを付けた上流端部の各ネジ（１８ａ）が半径方向の中間面（Ｐ）に対して非対称であることを特徴とする、請求項１または２に記載の組み立て体。
4. 組み立て体が軸方向調節スペーサを形成するリング（３０）をさらに備え、前記リングが、タービン軸（２）中のスロット（１２）の両端部に受容されて圧縮機軸スタブアクスル（４）の歯（１０）にも軸方向に接する複数の歯（３２）を有することを特徴とする、請求項１から３のいずれか一項に記載の組み立て体。
5. 請求項１から４のいずれか一項に記載の組み立て体を、低圧タービン軸（２）と低圧圧縮機軸のスタブアクスル（４）との間に含む、ターボ機械。
   

Images