JP4917686B1 - ロータリー式スターリングエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】多サイクル化を実現するロータリー式スターリングエンジンを提供する。
【解決手段】気筒は内周面が米俵型に形成される筒状のロータハウジング4とその両側部に位置する側壁とで構成し、この気筒とその中央で回転可能に支持されるドラムロータ5との間に、流動する作動ガスが流出入する一対の作動室が形成され、ドラムロータ5に設けた3つの直溝に、回転及び摺動可能に配設され、相対側に窪んだ一対の湾曲側面から成るパワーロータ6が、ドラムロータ5の回転に同期して、直溝の内面とロータハウジング4の内周面の双方に繰り替え摺動接触し、その姿勢を変化させない。これにより、一対の作動室のいずれにも、膨張空間と圧縮空間とを、常に、併存させることから、全容量が最小と成る180°で対向する吐出空間と連通する一対の加熱器と、一対の作動室同士を連通する一対の熱交換器と、圧縮空間内に介在する作動ガス圧力を連係調節する一対の出力制御装置とを具備している。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロータリー式スターリングエンジンに関する。
近年のスターリングエンジンは、材料技術の進歩のもとに、ここ数十年の研究開発の結果、一部の用途では実用化が始まっている。しかし、自動車エンジンなどとして広く利用されるには、気筒当りの出力を向上させると共に、制御性と耐久性を高め、重量とコストを低減させるなど、未だ、多くの課題を抱えている状況にある。
従来のスターリングエンジンは、複数のピストンと3種類の熱交換器(ヒ一タ、クーラ、再生器)により構成され、これらの配置や駆動機構の形式によって分類される。具体的には、2ピストン形、ディスプレーサ形及びダブルアクティング形の三つに分類され、2ピストン形、ディスプレーサ形においては、1回路当たり二つのピストンにより構成されている。ディスプレーサ形では、シリンダとシリンダ内に摺動可能に配設されたディスプレーサと、ディスプレーサの作動に伴って、流動する作動ガスが流出入する膨張室及び作動室と、作動室内の作動ガスの圧力変化に対応して作動せしめられるパワーピストンと、ディスプレーサに連結され、ディスプレーサを所定のタイミングで作動する作動ロッドとを具備している。このようなディスプレーサ式のスターリングエンジンは、作動ガスが加熱・冷却されることによる膨張・収縮に伴う上記作動室内の圧力変化に対応して、パワーピストンを作動するようになっている。(例えば、特許文献1参照)
すなわち、スターリングエンジンとは、熱源により加熱される作動ガスの暖気容量と、熱源により冷却される作動ガスの冷気容量との比率を周期的に変化させながら、暖気容量を増大させる状態で、作動空間の全容量を増大させて、熱エネルギーを運動エネルギーに変換し、外部に仕事を行うエンジンである。暖気容量と冷気容量との比率を変化させるた めに、一般的には、ディスプレーサ一が用いられ、作動空間の全容量を変化させて、外部にエネルギーを出力するのに、メインピストンが用いられている。因みに、スターリングサイクルによるヒートポンプは、これとは逆に、作動空間の冷媒全容量を機械エネルギーにより減少させて得られる熱冷媒におるけ暖気容量と冷気容量との比率を変化させることで、熱交換し、外部に対して発熱、又は、外部から吸熱するようにしたものである。
また、従来のスターリングエンジンにおいて、出力を比較的に容易に制御するには、作動空間内の作動ガス圧力を変化させることで行う。すなわち、作動空間と作動ガス源とを加速機構及び減速機構を介して接続させる。そして、出力増大要求時には、加速機構を介して、作動ガス源から作動空間へと作動ガスを供給し、作動空間内の作動ガス圧力を増大させる。一方、出力減少要求時には、減速機構を介して作動空間から作動ガス源へと作動ガスを排出し、作動空間内の作動ガス圧力を減少させる。又は、出力制御幅を大きくするために、設定圧力の異なる複数の作動ガス源を作動空間と接続する事も行なわれている。(例えば、特許文献2、3参照)
上記の往復動式のピストン形の他、下記特許文献4−8に開示されているように、ロータリー式スターリングエンジンも知られている。これらのスターリングエンジンは、いずれも、2系統のロータリー式ピストンエンジンを有し、各系統において、膨張空間、圧縮空間の周期的変動を利用している。しかも、系統間で、周期的変動に所定の位相差を設けて、両系統間で、作動ガスを熱交換しながら、スターリングサイクルを構成させている。
特開平5−44576 特開昭51−5142 特開平3−117660 特開2002−513114 特開2005−98271 特開2006−38251 特開2008−38879 特開2006−183649
ところで、従来のスターリングエンジンは、内部に密封した非凝縮性気体を作動ガスとして、熱交換器を介して加熱・冷却することにより作動する密封式の往復動形外燃機関である。バルブがなく、圧力変化も滑らかなため、雑音や振動が低い。また、連続燃焼のため、燃焼制御が容易で排ガスをクリーンにできる等の特徴の他、低速トルクが良好なこと、潤滑油の劣化がほとんどない。しかし、気筒当りの出力の向上、熱交換器やガスシールの耐久性向上などの点で、技術的困難が生じている。そこで、課題の気筒当りの出力の向上を図るため、スターリングサイクルの多サイクル化を図り、熱交換器の性能向上と耐久性を高めて信頼性を向上させるとともに、重量およびコストの低減を図る必要がある。
また、従来においては、スターリングエンジンの出力を比較的に容易に制御するには、作動空間内の作動ガス圧力を変化させることから、作動空間と作動ガス源とを加速機構及び減速機構を介して接続させている。また、制御幅を大きくするために、設定圧力の異なる複数の作動ガス源を作動空間と接続させている。このことは、構成部品の点数が多くなり接続数も増加することになる。さらに、気筒の外部に配置する露出型の構造となるため、気体漏洩に対するガスシールの耐久性と信頼性が問われている。
本発明は、従来のロータリー式スターリングエンジンが、2系統、すなわち、2個のロータを必要とするため、構造が複雑となっていた。そこで、本願発明が、単気筒で多サイクルを実現させることを主目的とし、比出力の向上と省力化、高温の作動ガスの有効利用と、熱交換器の性能向上と耐久性とを高め、エンジンの出力制御に必要な構成部品の点数と接続数とを最小限に抑え、気体漏洩を防止して、制御幅を確保した上で、制御性を向上させると共に、スターリングエンジンの持つ特徴(外燃機関)を活用して、太陽光・バイオマス・廃熱・冷熱といった再生可能エネルギーの有効利用により、新たな回転動力を生み出すロータリー式スターリングエンジンが提供され、小規模電力発電・給湯・冷暖房等の機能付加により、地球環境に優しい快適な空間を創設することである。
本第1発明に記載されたロータリー式スターリングエンジンは、上記の目的を達成するために、内周面が米俵形に形成される筒状のロータハウジングとその両壁部に位置する側壁とで構成された気筒と、この気筒の中央で回転可能に支持され、円柱曲面に軸芯に平行して湾窟状に切欠いた直溝と、この直溝から反時計回転方向に向かう上記円柱曲面に至るバイパス路とが設けられた円柱体であって、この円柱体の両側面に側面板が接合するドラムロータと、ドラムロータの直溝に、回転及び摺動可能に配設され、直溝の軸芯に平行な支持軸を有した角柱体であって、その支持軸が係合する軸穴に向かって平行に相対する窪んだ一対の湾曲側面と、この一対の湾曲側面を両端で接続する一対の短直側面とから形成され、ドラムロータの回転に同期して、その姿勢が規制され、側壁及び側面板の内面との間に形成する隙間にサイドシールを介在させ、上記接続する4つの交点に付勢されたアペックスシールが、直溝の内面とロータハウジングの内周面の双方に繰り替え摺動接触するパワーロータと、このパワーロータの作動に伴って、気筒とドラムロータとの間に形成され、流動する作動ガスが流出入する一対の作動室と、直溝及びパワーロータは、ドラムロータに三等分割方向に配設され、120°の位相差が保たれて、3つのパワーロータの 姿勢を、常に、規制するパワーロータ作動機構とで構成されたロータリー式のスターリングサイクル機構と、内面がΩ字形をした筒状の外郭壁とこの外郭壁の両側に接合する側面壁とで形成され、パワーロータの先導側に生起する全容量が最小と成る180°で対向する吐出空間と連通する一対の加熱器と、一対の加熱器の夫々に、側面壁の中央部に形成され内方向に夫々突出する一対の加熱ドームと、内部に設けられ作動ガスが流出入する加熱通路及び高密度の作動ガスを加熱し、又は、吐出する加熱室と、一対の作動室同士を連通する一対の熱交換器と、一対の熱交換器中に夫々配設される加熱器に内装の再生器と冷却器と、一対の作動室に夫々生起した圧縮空間内に介在する作動ガス圧力を所定の範囲内に連係調節する一対の出力制御装置と、一対の出力制御装置中に夫々配設される送風機とガス流量調整弁及び冷却器とを具備したものである。
上記のロータハウジングの形状は、パワーロータの中心o2に対する4つの交点p1〜p4の変位ベクトルのx,y成分を中心座標とし、パワーロータの中心o2とドラムロータの回転中心oとの距離r3を半径とする4つの円b1〜b4の内、最も外側の軌跡と、
短軸付近のドラムロータの回転軌跡円a1と、長軸付近の円b1と円b2の短軸に平行な接線と、円b3と円b4の短軸に平行な接線との描く軌跡の内、最も外側の軌跡により決定されている。従い、筒状となる内周面の形状が米俵形(4節形状)に形成されることにより、静止公転運動(作動)するパワーロータの4つの交点p1〜p4の内、最も外側となる交点pが、ロータハウジングの内周面上に存在して、常に、摺動接触するものである。また、筒状となる縦幅と下述するドラムロータに形成する円柱曲面の縦幅とは、同一の長さで形成されている。
上記のドラムロータの形状は、円柱体であって、その回転軌跡は、パワーロータの対角線長であり、半径r1の円a1となる。また、円柱曲面の三等分割方向に、軸芯に平行して湾窟状に切欠いた直溝の内面は、半径r1の円a1の二分の一で形成され、半径r2の円a2の一部であり、パワーロータに支持軸が係合する軸穴の中心o2の軌跡は、円a2の中心o2と一致する。しかも、その中心o2の位置は、ドラムロータの回転と共に公転する。そして、三等分割方向に設けられた直溝から反時計回転方向に向かう上記円柱曲面に至るバイパス路が夫々設けられている。さらに、側壁他側側に、外輪の側面側が縮小する他側錐形面を形成する他側側面板が接合して、下述するパワーロータ作動機構から支承され、側壁一側側に、3つの直溝の底面と直立して平行する楕円形の導入孔が夫々開孔され、外輪の側面側が縮小する一側錐形面を形成する一側側面板が接合して、軸受に支承される出力軸が接続されている。従って、一側錐形面と相対する側壁一側の内面に形成の一側テーパリングと、他側錐形面と相対する側壁他側の内面に形成の他側テーパリングとの間 には、夫々微小ギャップが設けられ、封入された作動ガスが介在し、空気軸受け方式で回転荷重の一部を負担しつつ、ロータハウジングの中央で回転する。尚、ドラムロータは上記気筒との間に、短軸を挟んだ右側に、流動する作動ガスが流出入する一方の作動室が形成され、短軸を挟んだ左側に、流動する作動ガスが流出入する他方の作動室が形成されている。
上記のパワーロータの形状は、角柱体であって、対角線長が上記直溝の直径r1で形成され、支持軸が係合する軸穴の中心o2の軌跡は、半径r2の円a2の中心o2と一致する。しかも、その中心o2の位置は、ドラムロータの回転と共に公転するが、パワーロータの姿勢は、ドラムロータが回転しても、側壁他側に固定された静止座標系o−XYから見ると変化しない。また、直溝の軸心に平行な支持軸が係合する軸穴が設けられ、この軸穴に向かって、平行に相対する窪んだ一対の湾曲側面と、この一対の湾曲側面を両端で接続する一対の短直側面とから形成されている。さらに、支持軸が係合する側面一側と側面他側の双方に、4辺の稜線の内側に沿って形成する、断面の形状がU字状ループ形のサイドシール溝が設けられ、このサイドシール溝に枠型のサイドシールが夫々配設されている。また、上記接続する4つの交点p1〜p4に、軸穴に向かって平行に伸びた断面の形状が鍵穴状に切欠いたアペックスシール溝が夫々設けられ、このアペックスシール溝にアペックスシールが付勢されている。
上記のサイドシールの形状は、四角枠型であって、形成する4つのコーナーが、付勢されるアペックシールの裏側暖曲面の端部を包み込むように、パワーロータに設けているアペックシール溝の端部に、軸穴方向側が夫々拡大するサイドシール溝が形成され、このサイドシール溝にサイドシールが配設される。すると、その底部に上記サイドシール溝との間に小さな空間が設けられ、この空間と相通するように、パワーロータに形成する一対の湾曲側面の各稜線の内側に沿って、一定の間隔を有して開孔する複数の加圧孔が設けられている。これにより、このサイドシールの各摺動面が、膨張空間や圧縮空間又は変転空間に面する期間においては、加圧孔を通して、その底部が昇圧されるポンプ作用が加わり、パワーロータの範囲から外側の位置に置かれ、より外向きに配設されることで、側壁の内面及び側面板の内面との摺接圧を高めて摺動接触するものである。
上記のアペックシールの形状は、断面が鍵穴状に切欠かれたアペックスシール溝には、折り曲げ加工される許容最大の長幅を有した楕円筒に、表側暖曲面の中央部が縦に切り開かれて左と右に立ち上がる2枚の細巾短冊片を有し、楕円筒の内部空間に挿入される許容最大の直径を有した円柱棒に片側が接続される幅広の短冊片1枚が、2枚の細巾短冊片に、左右から挟まれて突き上がるアペックスシールが付勢される。すると、その底部にアペックスシール溝との間に小さな空間が設けられ、この空間と相通するように、パワーロータに形成する一対の湾曲側面の各稜線の内側に沿って、一定の間隔を有して開孔する複数の加圧孔が設けられている。これにより、このアペックスシールは、膨張空間や圧縮空間又は変転空間に面しない期間においては、短冊片の各摺動部分が、パワーロータの範囲から内部側に位置し、膨張空間や圧縮空間又は変転空間に面する期間においては、短冊片の各摺動部分が、パワーロータの範囲から外部側に位置するように、加圧孔を通して、その底部が昇圧されるポンプ作用が加わり、より外向きに付勢されることで、直溝の内面とロータハウジングの内周面の双方に繰り替え摺動接触するものである。
上記のパワーロータ作動機構の形状は、側壁他側に設けた姿勢制御室に内包され、その中央に突出された固定金座に基軸の親歯車が堅座され、その姿勢が固定された親歯車に3つの遊星歯車が歯合し、3つの遊星歯車の外側に、120°の位相差が保たれて、3つの孫歯車が歯合している。この親歯車と3つの孫歯車とは、同一径のねじれ山歯歯車で形成される等速歯車列で組み合わされることにより、ドラムロータが時計回転方向に回転すると、支持軸を介して3つの孫歯車と直結する3つのパワーロータが反時計回転方向に、ドラムロータの回転速度と等しい速度で、回転する。しかも、3つの遊星歯車の形状は、ドラムロータの他側側面板に回転自在に軸支される断面が角形(星型)のスプライン回転軸に支承され、右と左のねじれ斜歯歯車により構成されており、その合わせ隙間にコイルスプリングが夫々挿入されていることから、始動時においても離間圧力が強められ、回転による反スラスト運動の発生とが加わることにより、さらに、離間圧力が夫々増強され、遊星歯車対親歯車及び孫歯車との噛み合い部に発生するバックラッシュを減少させ、3つのパワーロータの姿勢が、より高度な静止公転状態に置かれるものである。
上記第1発明の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、120°の位相差が保たれて、ロータハウジングの内部に配設される3つのパワーロータが、ドラムロータの回転に同期して、静止公転運動(作動)することにより、一対の作動室のいずれにも、膨張空間と圧縮空間とを、常に、併存させることから、一対の作動室同士を連通する一対の熱交換器を設け、パワーロータの先導側に生起する全容量が最小となる180°で対向する吐出空間と連通する一対の加熱器を備えることで、一方(他方)の作動室から他方(一方)の作動室に流動する作動ガスを熱交換しながら、高温の作動ガスの容量を増大させる状態で、膨張空間の全容量を交互に6回増大させることができる。このことは、1つのパワーロータが、出力軸一回転中に、2回のスターリングサイクルを構成することから、他の2つのパワーロータにおいても、同様に、繰り返えすことができる。これにより、都合6回ものスターリングサイクルの多サイクル化が実現されるものである。
第2発明の課題解決手段は、請求項1に記載されたロータリー式スターリングエンジンにおいて、一対の加熱器は、内部に3つのパワーロータが配設されるロータハウジングの短軸方向両端に夫々接続され、ロータハウジングの内外を貫通して開口する一対の加熱開口を介して、上記のパワーロータの先導側に生起する全容量が最小と成る180°で対向する吐出空間と連通する第1加熱器と第2加熱器とを有し、第1加熱器は、他方の作動室の圧縮空間で生成された高密度の作動ガスを加熱し、又は、吐出することにより、一方の作動室に膨張空間の全容量を増大させる手段であり、第2加熱器は、一方の作動室の圧縮空間で生成された高密度の作動ガスを加熱し、又は、吐出することにより、他方の作動室に膨張空間の全容量を増大させる手段であり、双方に、一対の加熱ドームを加熱する一対の燃焼加熱装置と作動ガスが流出入する加熱通路に抵抗発熱体及び加熱器に内装される前記熱交換器中の再生器とを夫々設けたものである。尚、上記の第2加熱器においては、上記第1加熱器と対象関係に設けられており、実施形態の各構成部材と実質的に同一であるため、同一部材や同一機能を有する構造については、その説明を省略する。
上記の第1加熱器の形状は、内面がΩ字形をした筒状の第1外郭壁と、この第1外郭壁の両側に接合する一側第1側面壁と他側第1側面壁とから形成され、その内部に第1外郭壁の一端が開口する第1加熱通路を設けた第1加熱室が形成されている。この第1加熱室は、一側第1側面壁と他側第1側面壁との中央部から内方向に夫々突出する一側第1加熱ドームと他側第1加熱ドームとが向かい合わされ、その向かい合う合間に形成される空間であって、第1外郭壁の内面に沿って、また、一側第1側面壁と他側第1側面壁の双方の内面から挟み付けられて、並列4条7段列に組み付けられる第1熱交換器中の第1再生器が内装されている。
上記の一側第1加熱ドームの形状は、ドームの開口部に、下述する燃焼加熱装置が装備
される一側第1燃焼室蓋が嵌合し、その内側に、すり鉢状の一側第1燃焼室が形成されている。この一側第1燃焼室は、装備される燃焼加熱装置から放たれる火炎ならびに循環する高温燃焼気流からの対流伝熱により、加熱される。しかも、雰囲気温度と液滴表面温度とが平衡に達するまで加熱されるように、一側第1燃焼室蓋には風箱が設けられ、耐火材で形成された一側第1バーナタイルが内装され、この一側第1バーナタイルに、排煙を外部に排出する一側第1排気管の上流部が外巻き付け式に配管されて、風箱に導入される空気に対して、排煙熱が間接接触式に加熱する。しかも、その空気導入端に、燃料噴霧や昇温した空気噴流の速度分布及び流れのパターンを整え、噴霧流と空気流の適合が図られる一側第1保炎器が取付けられている。尚、上記の他側第1加熱ドームにおいては、上記一側第1加熱ドームと対象関係に設けられており、実施形態の各構成部材と実質的に同一であるため、同一部材や同一機能を有する構造については、その説明を省略する。
上記の燃焼加熱装置の形状は、嵌合する一側第1燃焼室蓋に装備され、主に、液体燃料を一側第1燃焼室の内部に噴霧する一側第1燃料噴射弁、燃焼負荷に応じて燃料供給量を調節する図示しない燃料供給装置及び燃料供給量に見合うように空気量を調節する制御装置、その近傍に火花放電により噴霧燃料への点火が行われる一側第1バーナ、燃焼用の空気を導入するためのブロワーが介設された一側第1吸気管と排煙のための一側第1排気管とにより構成される通風装置、運転の安全性を保つための図示しない安全制御装置から構成されるものである。尚、上記の一側第1燃料噴射弁、燃料供給装置、制御装置、一側第1バーナ、通風装置、安全制御装置については、既存の製品を使用するため、その説明を省略する。
上記の第1加熱通路の形状は、第1外郭壁の一端に開口する作動ガスが流出入する通路であって、ロータハウジングの内外を貫通して開口する第1加熱開口と接合するように、筒状の内周面に対し、垂直方向に開口され、4つのコーナーに開口部の中心に向かって平行する萎れる丸みが夫々設けられ、内部に形成する第1加熱室に繋がっている。この折箱の内面状に開口する第1加熱通路には、放射、伝導、対流により、間接的に被加熱物を加熱する間接抵抗加熱式であって、抵抗発熱体として、非金属の固有抵抗を利用した棒状の第1抵抗発熱体が、内周面に平行して、千鳥式に配設され、圧縮空間で生成された高密度の作動ガスが、流入する際に、間接接触式に且つ放射伝熱式に加熱される 。尚、第1加熱通路に配設される第1抵抗発熱体は、既存の製品から選定され、炭化けい素(SiC)質の非金属発熱体であり、その形状は棒状が使用される。そして、起動時においても通電され、流入する作動ガスに対し、常に、加熱状態に置かれている。この第1抵抗発熱体は金属発熱体と比べて耐熱性が高いので、高温度域で使用する。
上記第2発明の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、上記の第1加熱器は、圧縮空間で生成された高密度の作動ガスが、第1加熱通路に配設された第1抵抗発熱体から、間接接触式に且つ放射伝熱式に加熱され、装備された燃焼加熱装置から放たれる火炎ならびに循環する高温燃焼気流からの対流伝熱により、加熱されている一側第1加熱ドームと他側第1加熱ドームの両外壁面から、また、その内部に内装されている第1熱交換器中の第1再生器とから、間接接触式に且つ放射伝熱式に加熱され、更に、循環する高温加熱気流からの対流伝熱により、複合加熱される。これにより、スターリングサイクルの多サイクル化に対応するものである。
第3発明の課題解決手段は、請求項1に記載されたロータリー式スターリングエンジンにおいて、一対の熱交換器は、内部に3つのパワーロータが配設されるロータハウジングの長軸方向両端側に、ロータハウジングの内外を貫通して開口する第1循環開口と第2循環開口の双方に夫々接続され、一対の作動室同士を連通する第1熱交換器と第2熱交換器とを有し、第1熱交換器は、作動ガスが、一方の作動室に生起している膨張空間から導入され、第1循環開口を通り、熱交換の後、第2循環開口から、他方の作動室に生起した圧縮空間に供給される形態と、第2熱交換器は、作動ガスが、他方の作動室に生起している膨張空間から導入され、第2循環開口を通り、熱交換の後、第1循環開口から、一方の作動室に生起した圧縮空間に供給される形態とに制限する制御機構を夫々内蔵させたものである。尚、上記の第2熱交換器においては、上記第1熱交換器と対象関係に設けられており、実施形態の各構成部材と実質的に同一であるため、同一部材や同一機能を有する構造については、その説明を省略する。
上記の第1循環開口の形状は、一方の作動室の中央に面して設けられ、ロータハウジングの肉厚部分に開口されている。この第1循環開口に連通する作動ガスが供給される第2供給管の延長方向に、内装されている第1連通管の管口と向かい合っている。この第2供 給管と第1連通管とは同径であり、この向かい合う合間に形成される空間に、第1方向制御弁が内蔵されている。しかも、第1連通管は、その途中から曲げられ、ロータハウジングの内周面に沿って、肉厚部分に形成される第1循環洞道に繋がっている。また、第2供
給管と第1連通管とが向い合う状況は、第1連通管より大径の第1循環開口が、第2供給管の方向に向かって縮小する第1錐形テーパ壁が形成され、この第1錐形テーパ壁の縮小端と第2供給管の管端とが接合されている。尚、上記の第2循環開口においては、上記第1循環開口と対象関係に設けられており、実施形態の各構成部材と実質的に同一であるため、同一部材や同一機能を有する構造については、その説明を省略する。
上記の第1方向制御弁の形状は、球体状であって、作動ガスの流向の制限が容易に行われるように、赤道部に外側が縮小するテーパ形状の第1フランジが突設されており、この第1フランジは、第1連通管より大径の第1循環開口が、第2供給管の方向に向かって縮小する第1錐形テーパ壁面と重なり合うように設けられている。この第1方向制御弁は、一方の作動室に生起している膨張空間の高温の作動ガスが、第1循環開口を通して、第1熱交換器に導入される形態と、或は、第2熱交換器の第2供給管を通して、低温の作動ガスが、第1循環開口から、一方の作動室に生起した圧縮空間に供給される形態とに、相対する作動空間間の圧力差に応じて、上記の経路を選択するものである。
上記第3発明の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、第1循環開口が一方の作動室の膨張空間に開口している時、高温の作動ガスは、第1循環開口を通して、第1熱交換器に導入され、熱交換の後、低温の作動ガスが、第2循環開口から、他方の作動室に生起した圧縮空間の従動側に供給される。このタイミングは、膨張空間を引き継いだ圧縮空間内に介在する減圧状態の高温の作動ガスからの混入が抑えられることから、流体の密度を大きく低下させることなく、圧縮が加えられるものである。
第4発明の課題解決手段は、請求項3に記載されたロータリー式スターリングエンジン において、第1熱交換器は、一方の作動室に開口する第1循環開口と第1加熱器に開孔する第1流入孔口とを連通する第1循環洞道と、第1加熱器に内装され、第1流入孔端と第1流出孔口とを連通する第1再生器と、第1流出孔端と第1冷却器の流体入口とを連通す る第1送給管と、第1冷却器の流体出口と他方の作動室に開口する第2循環開口とを連通する第1供給管とが配設され、第2熱交換器は、他方の作動室に開口する第2循環開口と第2加熱器に開孔する第2流入孔口とを連通する第2循環洞道と、第2加熱器に内装され
、第2流入孔端と第2流出孔口とを連通する第2再生器と、第2流出孔端と第2冷却器の流体入口とを連通する第2送給管と、第2冷却器の流体出口と一方の作動室に開口する第1循環開口とを連通する第2供給管とが配設され、上記制御機構は、上記経路を選択するように、第1循環開口に内蔵され、作動ガスが、一方の作動室から第2熱交換器への流通が遮断されて第1熱交換器への流通が許容され、第2熱交換器から第1熱交換器への流通が遮断されて一方の作動室への流通が許容される第1方向制御弁と、第2循環開口に内蔵され、作動ガスが、他方の作動室から第1熱交換器への流通が遮断されて第2熱交換器への流通が許容され、第1熱交換器から第2熱交換器への流通が遮断されて他方の作動室への流通が許容される第2方向制御弁とを設けたものである。尚、上記の第2熱交換器においては、上記第1熱交換器と対象関係に設けられており、実施形態の各構成部材と実質的に同一であるため、同一部材や同一機能を有する構造については、その説明を省略する。
上記の第1熱交換器の形状は、第1循環開口が、一方の作動室に生起している膨張空間に開口している時、その空間の圧力は第2供給管側の圧力よりも高い。これにより、第1方向制御弁は、第2供給管の管端側に移動して、その管端に当座し、第2供給管を閉塞する。この結果、第1連通管の管口は開放状態となり、膨張空間の高温の作動ガスは、第1循環開口を通して、開放した第1連通管の管口から、第1熱交換器の第1循環洞道に流入する。この時の作動ガスは、閉塞された第2供給管側に流れることはない。さらに、上記第1循環洞道を流通した作動ガスは、第1加熱器に内装の第1再生器に導入され、第1冷却器に流入して、熱交換の後、他方の作動室に生起した圧縮空間の内部圧力は第1供給管側の圧力よりも低いことから、低温の作動ガスは、第2方向制御弁を第2連通管の管口側に移動させて、その管口に当座させ、第2連通管を閉塞する。この結果、第1供給管の管端は開放状態となり、開放された第1供給管の管端を経て、第2循環開口から、他方の作動室に生起した圧縮空間に供給される。この時の作動ガスは、閉塞された第2連通管側に流れることはない。
上記の第1循環洞道の形状は、第1循環開口と第1加熱器の第1外郭壁に開孔する第1流入孔口とを連通するように、ロータハウジングの内周面に沿って、曲り中空状に設けた空洞部が、ロータハウジングの肉厚部分に形成されている。この第1循環洞道は、第1循環開口が生起している膨張空間に開口している時、この第1循環開口を通して流入した高温の作動ガスが、第1加熱器において、高温の作動ガスが保有する熱量(エンタルピー)を放熱させるための、作動ガスを流通させる通路である。
上記の第1再生器の形状は、従来の冷・暖房機の熱交換器と同様に、並列4条に配列されたΩ字状の第1放熱パイプ列が、扇子状に形成する第1放熱フィン列の波板状千鳥屈曲部に設けた第1嵌め込み溝に、重複式に挿入されて7段列に組み付けられている。並列4条7段列の第1再生器は、第1加熱器の第1外郭壁の内面に沿って、また、第1外郭壁の両側に接合する一側第1側面壁と他側第1側面壁の双方から挟み付けられて内装されている。この第1放熱パイプ列の集合管口7段が、第1外郭壁に開孔する第1流入孔端に夫々連通し、第1放熱パイプ列の集合管端7段が、第1外郭壁711aに開孔する第1流出孔口に夫々連通している。従って、一方向流に第1放熱パイプ列群中に導入された高温の作動ガスの熱量(エンタルピー)が、第1加熱室内に放射伝熱されるとともに、第1放熱パイプ列群の表面と、伝熱された第1放熱フィン列群の表面とから、高密度の作動ガスに、間接接触式に加熱するものである。この第1再生器は、第1嵌め込み溝に挿入式で組み付けられることにより、第1放熱パイプ列の増設が容易であり、ろう付け等の特殊技能を必要とせず、性能向上と耐久性とを高め、省力化を図ることができる。
上記第4発明の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、作動ガスが、一方の作動室に生起している膨張空間から他方の作動室に生起した圧縮空間に向かって、一方向流に第1熱交換器内を流動することから、高温の作動ガスが有するエネルギーの有効利用が図られ、流体移動に係わるエネルギーの負担が不要となって、流体同士の摩擦抵抗も小さく、高速流通が可能と成り、高速回転を実現させることができる。これにより、気筒当りの出力の向上に加え、高速トルクをも良好にすという効果を発揮するものである。
第5発明の課題解決手段は、請求項1に記載されたロータリー式スターリングエンジンにおいて、一対の出力制御装置は、流動する作動ガスが流出入する一対の作動室に夫々生起した圧縮空間と、上記ドラムロータに設けた直溝の底面と直立して平行する一側側面板に開孔する楕円形の導入孔を介して、遅れ位相側に夫々生起し転移する閉じた変転空間とを連通する一次側出力制御装置と二次側出力制御装置とを有し、一次側出力制御装置は、作動ガスを、一方の作動室に生起した圧縮空間内から調節し、又は、熱交換の後、遅れ位相側に生起されようとする時期から生起初期の時期までの期間内の変転空間に排出する手段であり、二次側出力制御装置は、作動ガスを、他方の作動室に生起した圧縮空間内から調節し、又は、熱交換の後、遅れ位相側に生起されようとする時期から生起初期の時期までの期間内の変転空間に排出する手段であり、双方に、一対の加熱器が加熱する流体の総重量を連係調節する調整機構を夫々設けたものである。尚、上記の二次側出力制御装置においては、上記一次側出力制御装置と対象関係に設けられており、実施形態の各構成部材と実質的に同一であるため、同一部材や同一機能を有する構造については、その説明を省略する。
上記の一次側出力制御装置の形状は、上流端が、一方の作動室に生起した圧縮空間に臨んで、側壁一側及び他側との内外を貫通して開孔する一次吸引孔と一次補助吸引孔とに接続され、下流端が、遅れ位相側に生起し転移する閉じた変転空間に臨んで、側壁一側の内外を貫通して開孔する一次排出孔に接続されている。この一次吸引孔と一次補助吸引孔とが開孔される位置は、第1循環開口が開口する回転角θ=90°と第2加熱開口が開口する回転角θ=180°の中間付近の回転角θ=125°の位置に設けられ、一次排出孔が開孔される位置は、一次吸引孔が開孔する回転角θ=125°より、時計回転方向に15°程度進んだ回転角θ=140°付近に設けられている。
上記第5発明の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、一次側出力制御装置は、一方の作動室に生起した圧縮空間内に介在する高温の作動ガスが、圧縮初期の段階で、その従動側に、第2熱交換器から低温の作動ガスが供給され、さらに、その従動部に、他方の作動室から転移した変転空間から低温の作動ガスが偏在される。この供給と偏在された低温の作動ガスは、圧縮終盤に高温の作動ガスが混入状態となることから、混在する前に、圧縮空間内に介在する高温の作動ガスから調節されている。これにより、低温の作動ガスへの混入が抑制され、圧縮空間の流体の密度を大きく低下させることなく、第2加熱器が加熱する流体の総重量が直前に調節される出力の高速制御を実現させるものである。
第6発明の課題解決手段は、請求項5に記載されたロータリー式スターリングエンジンにおいて、一次側出力制御装置は、一方の作動室の圧縮空間に臨んで、側壁一側及び他側と の内外を貫通して開孔する一次吸引孔と一次補助吸引孔とに連通する一次独立吸引管と一次独立補助吸引管とは下流で一つに集合する一次吸引管集合部に集合され、一次吸引管集合部の出口と一次側送風機の流体入口とを連通する一次共通吸引管と、一次側送風機の流体出口と一次側ガス流量調整弁の流体入口とを連通する一次配送管Aと、一次側ガス流量調整弁の流体出口と第3冷却器の流体入口とを連通する一次配送管Bと、第3冷却器の流体出口と遅れ位相側に生起し転移する閉じた変転空間に臨んで、側壁一側の内外を貫通して開孔する一次排出孔とを連通する一次排出管とが配設され、二次側出力制御装置は、他方の作動室の圧縮空間に臨んで、側壁一側及び他側との内外を貫通して開孔する二次吸引孔とニ次補助吸引孔とに連通する二次独立吸引管と二次独立補助吸引管とは下流で一つに集合する二次吸引管集合部に集合され、二次吸引管集合部の出口と二次側送風機の流体入口とを連通する二次共通吸引管と、二次側送風機の流体出口と二次側ガス流量調整弁の流体入口とを連通する二次配送管Aと、二次側ガス流量調整弁の流体出口と第4冷却器の流体入口とを連通する二次配送管Bと、第4冷却器の流体出口と遅れ位相側に生起し転移する閉じた変転空間に臨んで、側壁一側の内外を貫通して開孔する二次排出孔とを連通する二次排出管とが配設され、調整機構は、一次側ガス流量調整弁体に取付けられ、出力増大要求時に、一方の作動室に生起した圧縮空間内に介在する作動ガス圧力を所定の高圧側に調節し、出力減少要求時に、一方の作動室に生起した圧縮空間内に介在する作動ガス圧力を所定の低圧側に調節する一次側絞り弁と、二次側ガス流量調整弁体に取付けられ、出力増大要求時に、他方の作動室に生起した圧縮空間内に介在する作動ガス圧力を所定の高圧側に調節し、出力減少要求時に、他方の作動室に生起した圧縮空間内に介在する作動ガス圧力を所定の低圧側に調節する二次側絞り弁とからなっており、双方に、入口と出口との圧力差の変化を補償する定差圧減圧弁が夫々組み合わされ、連係調節するものである。
尚、上記の二次側出力制御装置においては、上記一次側出力制御装置と対象関係に設けられており、実施形態の各構成部材と実質的に同一であるため、同一部材や同一機能を有する構造については、その説明を省略する。
上記の一次側出力制御装置の形状は、一次側送風機と一次側ガス流量調整弁及び第3冷却器とが配設されており、一方の作動室に生起した圧縮空間と遅れ位相側に生起し転移する閉じた変転空間とが連通され、出力増大要求時に、圧縮空間内に介在する作動ガス圧力を所定の高圧側に調節せしめ、又は、出力減少要求時に、圧縮空間内に介在する作動ガス圧力を所定の低圧側に調節せしめ、熱交換の後、低温の作動ガスが、ドラムロータの一側側面板に開孔する楕円形の導入孔を介して、下流端が連通する一次排出孔と遅れ位相側に生起し転移する閉じた変転空間とが回転軌跡上で重なり相通する期間、すなわち、遅れ位相側に生起されようとする時期から生起初期の時期までの期間内の変転空間に排出される。
上記の一次側ガス流量調整弁について、説明する。既存の製品が使用され、圧力補償機能により、入口圧力・出口圧力の変化にかかわりなく、流量を所定の値に保持することができる流量調整弁が用いられる。この一次側ガス流量調整弁体に、図示しない一次側絞り弁が取付けられ、二次側ガス流量調整弁体に取付けられた二次側絞り弁と連係調整するよう、図示しないコントロールユニットからの信号に従って、流量を所定の値に連係保持させている。また、入口と出口との圧力差の変化を補償する定差圧減圧弁が組み合わせてある。これにより、流体の密度が一定の時に、絞り前後の圧力差が一定に保たれ、一定の流量が補償されるものである。尚、上記の一次側ガス流量調整弁と同様に、上記一次送風機は、出力が電磁弁によるデューティ比制御により制御される既存の製品が使用され、上記第3冷却器についても、既存の遊動頭形(シェル・アンド・チューブ形)熱交換器が使用されることから、その説明を省略する。
上記第6発明の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、一次側出力制御装置は、調節された低温の作動ガスが、遅れ位相側に生起されようとするタイミングの転移する閉じた変転空間に排出が開始されており、この排出の期間は、生起初期の時期まで継続され、囲い込まれている高温の作動ガスにポンプ作用が加わり、変転空間のトレーリング部分からドラムロータに設けたバイパス路を通して、同位相側に生起している圧縮空間に高温の作動ガスから排除され、転移する閉じた変転空間に低温の作動ガスが充填される。これにより、偏在先の圧縮空間内の流体の密度を低下させないという効果を発揮するものである。
従来のロータリー式スターリングエンジンが、2系統のロータリー式ピストンエンジン
を要していた。本発明は、単気筒でドラムロータに3つのパワーロータの配設という、極めて簡単な構造で構成されるとともに、出力軸1回転当たり、6回ものスターリングサイクルの多サイクル化による比出力の向上に加え、従来と同様に、多種多様な燃料及び加熱方式が選択できるのは勿論、太陽光・バイオマス・廃熱・冷熱といった再生可能エネルギーの有効利用により、地球環境に優しい回転動力を生み出すロータリー式スターリンクエンジンを提供できる。
本発明の実施例を示すロータリー式スターリングエンジンを説明するための構 成図。 実施例に係るロータハウジングの形状を説明するための水平断面図。 30°毎の回転角におけるドラムロータとパワーロータの姿勢及び膨張空 間、圧縮空間、変転空間の生起状態を示す状態図。 30°毎の回転角におけるドラムロータとパワーロータの姿勢及び膨張空間、圧縮空間、変転空間の生起状態を示す、図3・Aに続く状態図。 30°毎の回転角におけるドラムロータとパワーロータの姿勢及び膨張空 間、圧縮空間、変転空間の生起状態を示す、図3・Bに続く状態図。 30°毎の回転角におけるドラムロータとパワーロータの姿勢及び膨張空 間、圧縮空間、変転空間の生起状態を示す、図3・Cに続く状態図。 出力軸回転角に対する3つのパワーロータA,B,Cの筒内圧力の変化を示す特性図。 側壁一側及び第1、第2加熱器の側面壁と、一次、二次出力制御装置の組み付け関係を示す分解斜視図。 ロータハウジング及び第1、第2加熱器と、第1、第2熱交換中の第1、第2 再生器と、第1、第2冷却器の組み付け関係を示す斜視図。 3つのパワーロータをドラムロータに回転自在に組み付けた斜視図。 姿勢制御室に内包されるパワーロータ作動機構と、第2加熱器の他側第2側面 壁の組付け関係を示す斜視図。 パワーロータと付勢又は配設されるシール機構の関係を示す斜視図。 ロータハウジングに付勢される仕切りシールの形状を示す斜視図。 上記の加熱器に内装される再生器の最下段列の構造を示す斜視図。 第1循環開口に内蔵される第1方向制御弁の短軸に平行な水平断面図。 第1循環開口に内蔵される第1方向制御弁の短軸に直交な垂直断面図。 本実施例のロータリー式スターリングエンジンの断面を示す図3Aの(a)の位相における矢視方向の断面図。 本実施例のロータリー式スターリングエンジンの断面を示す図3Aの(b)の位相における矢視方向の断面図。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。本発明は、本発明の趣旨の範囲内
において、公知技術を付加したもの、本発明から公知技術を除いたものも、本発明の範囲
に含まれる。また、本発明の範囲は、以下の具体的な実施例に限定されるものではない。
図6、7、8、9に示すように、内周面42が米俵形に形成される筒状のロータハウジング4の設置側に側壁他側41bが位置し、図5に示す出力軸55側に側壁一側41aが位置して気筒が構成されている。この気筒は、その中央に、円柱体であり、その円柱曲面56の三等分割方向に、軸心に平行して、湾窟状に切欠いた直溝53を設けたドラムロータ5が、回転可能に支持されている。しかも、この直溝53の軸心に支持軸61が係合する3つのパワーロータ6が、ドラムロータ5の回転に同期して、その姿勢が規制され、120°の位相差が保たれて、回転及び摺動可能に配設されている。この同期回転は、側壁他側41bに固定された静止系において、パワーロータ6の姿勢が変化しないように、側壁他側41bに設けられた姿勢制御室48に内包されるパワーロータ作動機構Qにより規制されている。これは、ドラムロータ5が時計回転方向に回転すると、パワーロータ6が反時計回転方向に、ドラムロータ5の回転速度と等しい速度で、公転するものである。
図2、8、9に示すように、上記気筒とその中央で回転可能に支持されるドラムロータ5 との間に、短軸Xを挟んだ一側に、流動する作動ガスが流出入する空間(以降一方の作動室Ra)が形成され、短軸Xを挟んだ他側に、流動する作動ガスが流出入する空間(以降他方の作動室Rb)が形成されている。そして、接続する4つの交点p1〜p4にアペックスシール631が付勢されたパワーロータ6が、パワーロータ作動機構Qからその姿勢が規制され、直溝53の内面54とロータハウジング4の内周面42の双方に繰り替え摺動接触することにより、一対の作動室Ra、Rbのいずれにも、全容量が増大する空間(以降膨張空間D)と全容量が減少する空間(以降圧縮空間E)とを、常に、併存させることができる。
そこで、上記ロータハウジング4の短軸X方向両端に接続され、パワーロータ6の先導側に生起する全容量が最小と成る180°で対向する空間(以降吐出空間H)と連通する一対の加熱器7a、7bを設け、他方の、一方の作動室Rb、Raの圧縮空間Eで生成された高密度の作動ガスに加熱し、又は、吐出することにより、一方の、他方の作動室Ra、Rbに膨張空間Dの全容量を増大させることができる。従い、第1加熱器7aの系統による120°一周期の変化サイクルと、第2加熱器7bの系統による120°一周期の変化サイクルとが、60°の位相差が保たれて、交互に繰り返えされることから、一対の作動室Ra、Rb同志を連通する一対の熱交換器8a、8bを介設させる。すると、一方の、他方の作動室Ra、Rbに生起している膨張空間Dの高温の作動ガは、第1、第2熱交換器8a、8bに導入され、熱交換の後、低温の作動ガスが、他方の、一方の作動室Rb、Raに生起した圧縮空間Eに供給される、複数のスターリングサイクルを構成することができる。
2.ロータリー式のスターリングサイクル機構の説明
初めに、ロータハウジングの形状について説明する。
図2において、4は内部に3つのパワーロータ6が配設されるロータハウジングで、その中央に回転可能に支持されるドラムロータ5の回転軌跡は、上記パワーロータ6の対角線長であり、半径r1の円a1となる。また、直溝53の内面54は、半径r1の円a1の二分の一で形成され、半径r2の円a2の一部である。各パワーロータ6に支持軸61が係合する軸穴65の中心o2の軌跡は、円a2の中心o2と一致する。しかも、その中心o2の位置は、ドラムロータ5の回転と共に公転するが、パワーロータ6の姿勢は、ドラムロータ5が回転しても、側壁他側41bに固定された静止座標系o−XYから見ると変化しない。各パワーロータ6に形成する湾曲側面(下面)621aと短直側面622a,622bとの接続点を、交点p3,p4と設定し、形成する湾曲側面(上面)621bと短直側面622a,622bとの接続点を、交点p1,p2と設定する。中心o2と各交点pとの距離は半径r2に等しい。従って、4つの交点p1〜p4は、円a2の円周上 に存在し、公転に伴って、最も外側と成る交点は、ドラムロータ5の軌跡である円a1の外に位置するよう、直溝53の円a2の中心o2と半径r2の大きさ、パワーロータ6の形状が定められている。
従って、上記のパワーロータ6の交点p1〜p4の内、ドラムロータ5の中心oからの距離が最長となる交点pは、常に、上記ロータハウジング4の内周面42上に存在する。また、ドラムロータ5の中心oと円a2の中心o2との距離をr3と仮定し、ドラムロータ5の時計回転方向にとった+短軸Xからの出力軸回転角(以降回転角)をθとすると、中心o2の座標においては(r3cosθ,r3sinsθ)となる。
また、0≦θ≦π/2の範囲においては、中心o2から、最も外にある交点p1へとったベクトルの成分を(dx,dy)とする。中心o2の位置は公転しても、パワーロータ6の姿勢は変化しないので、交点p1の座標は、(r3cosθ+dx,r3sinsθ+dy) となる。すなわち、交点p1の描く軌跡は、中心o3を(dx,dy)、半径をr3とする円b1の一部の円弧となる。θ=π/2においては、最も外に位置する交点は、p1とp3の2点となり、短直側面622aとロータハウジング4の内周面42とは最接近し、ロータハウジング4の長軸Y方向一側(回転角で示すとθ=90°)に位置するようになる。
次に、π/2≦θ≦πの範囲においては、パワーロータ6の最も外に位置する交点p3が描く軌跡は(-dx,dy) を中心とする半径r3の円b2の一部の円弧となる。また、π≦ θ≦3π/2の範囲においては、パワーロータ6の最も外に位置する交点p4が描く軌跡は(-dx,-dy)を中心とする半径r3の円b3の一部の円弧となる。次に、3π/2においては、パワーロータ6の最も外に位置する交点は、p4とp2の2点となり、その際、短直側面622bとロータハウジング4の内周面42とが最接近し、ロータハウジング4の長軸Y方向他側(回転角で示すとθ=270°)に位置するようになる。さらに、3π/2≦θ≦2πの範囲においては、パワーロータ6の最も外に位置する交点p2が描く軌跡は(dx,-dy) を中心とする半径r3の円b4の一部の円弧となる。
次に、上記ロータハウジング4の内周面42と、+短軸Xとの交点付近の形状について 考察する。図2の回転角θ=0°の状態から、ドラムロータ5が時計回転方向に回転する時に、パワーロータ6の交点p2の描く軌跡を考える。円b1とドラムロータ5の軌跡の円a1との2交点のうち、短軸Xに近い方の交点を稜線e1、円b4と円a1との2交点のうち短軸Xに近い方の交点を稜線e2とする。また、パワーロータ6の交点p2は、円b4上の点であるが、ドラムロータ5の回転に伴い、稜線e2を過ぎると、交点p2は円a1の内側に入る。逆に、回転角θ=0°の状態から、ドラムロータ5を反時計回転方向に回転させると、交点p1は、円b1上の点であるが、ドラムロータ5の反時計回転方向の回転に伴い、稜線e1を過ぎると、交点p1は円a1の内側に入る。従って、稜線e2から稜線e1の範囲の形状は、ドラムロータ5の回転軌跡円a1により決定される。すなわち、ドラムロータ5が、稜線e2から稜線e1の範囲においては、ドラムロータ5が形成する円柱曲面56との間に、小さな隙間を保って回転することになる。尚、−短軸Xとの交点付近の稜線e4から稜線e3の範囲の形状についても同様である。
このように、図2の上記ロータハウジング4の内周面42の形状は、パワーロータ6の中心o2に対する4つの交点p1〜p4の変位ベクトルのx,y成分を中心座標とし、パワーロータ6の中心o2とドラムロータ5の回転中心oとの距離r3を半径とする4つの円b1〜b4の内、最も外側の軌跡と、短軸X付近のドラムロータ5の回転軌跡円a1と、長軸Y付近の円b1と円b2の短軸Xに平行な接線と、円b3と円b4の短軸Xに平行な接線との描く軌跡の内、最も外側の軌跡により決定されている。
図7に示すように、上記気筒の中央で回転可能に支持されるドラムロータ5は、円柱体であって、その回転軌跡は、パワーロータ6の対角線長であり、半径r1の円a1となる。また、円柱曲面56の三等分割方向に、軸芯に平行して湾窟状に切欠いた直溝53の内面54は、半径r1の円a1の二分の一で形成され、半径r2の円a2の一部であり、パワーロータ6に支持軸61が係合する軸穴65の中心o2の軌跡は、円a2の中心o2と一致する。しかも、その中心o2の位置は、ドラムロータ5の回転と共に公転する。従い、水平の断面形状は3葉の銀杏葉形状をしている。そして、三等分割方向に設けられた直溝53から反時計回転方向に向かう上記円柱曲面56に至るバイパス路57が夫々設けられている。さらに、側壁他側41b側に、外輪の側面側が縮小する他側錐形面511bを形成する他側側面板51bが接合して、下述するパワーロータ作動機構Qから支承され、側壁一側41a側に、3つの直溝53の底面と直立して平行する楕円形の導入孔58が夫々開孔され、外輪の側面側が縮小する一側錐形面511aを形成する一側側面板51aが接合して、軸受45に支承される出力軸55が接続されている。
次に、パワーロータの形状について説明する。
図9に示すように、上記直溝53に回転及び摺動可能に配設されるパワーロータ6は、角柱体であって、対角線長が上記直溝53の直径r1で形成され、支持軸61が係合する軸穴65の中心o2の軌跡は、半径r2の円a2の中心o2と一致する。しかも、その中心o2の位置は、ドラムロータ5の回転と共に公転するが、パワーロータ6の姿勢は、ドラムロータ5が回転しても、側壁他側41aに固定された静止座標系o−XYから見ると変化しない。また、直溝53の軸心に平行な支持軸61が係合する軸穴65が設けられ、この軸穴65に向かって、平行に相対する窪んだ一対の湾曲側面621a、621bと、この一対の湾曲側面621a、621bを両端で接続する一対の短直側面622a、622bとから形成されている。さらに、支持軸61が係合する側面一側623aと側面他側623bの双方に、4辺の稜線の内側に沿って形成する、断面の形状がU字状ループ形のサイドシール溝641が設けられ、枠型のサイドシール632が夫々配設されている。また、接続する4つの交点p1〜p4に、軸穴65に向かって平行に伸びた断面の形状が鍵穴状に切欠いたアペックスシール溝642が夫々設けられ、アペックスシール631が付勢されている。
次に、パワーロータ作動機構の形状について説明する。
図8においては、Qは3つのパワーロータ6の姿勢を規制するパワーロータ作動機構であり、上記側壁他側41bに設けた姿勢制御室48に内包され、その中央に突出された固定金座94に基軸の親歯車91が堅座され、その姿勢が固定された親歯車91に3つの遊星歯車92が歯合し、3つの遊星歯車92の外側に、120°の位相差が保たれて、3つの孫歯車93が歯合している。この親歯車91と3つの孫歯車93とは、同一径のねじれ山歯歯車で形成される等速歯車列で組み合わされている。しかも、3つの遊星歯車92は、ドラムロータ5の他側側面板51bに回転自在に軸支される断面が角形(星型)のスプライン回転軸95に支承され、右と左のねじれ斜歯歯車により構成されており、その合わせ隙間にコイルスプリング96が夫々挿入されている。これらの組合せにより、本機関1の基幹部であるロータリー式のスターリングサイクル機構が構成されるものである。
3.パワーロータの動作説明
次に、実施例に基ずいて、パワーロータの動作について説明する。
図2においては、7a、7bは上記ロータハウジング4の短軸X方向両端(G1、G2の位置)に接続される第1、第2加熱器である。また、図6に示すように、ロータハウジング4の内外を貫通して第1、第2加熱開口43a、43bが開口されている。これにより、一対の作動室Ra,Rbのいずれにも、図3に示すパワーロータ6の従動側と先導側に、全容量が増大する膨張空間Dと全容量が減少する圧縮空間Eとを、常に、併存させることから、この圧縮空間Eは、パワーロータ6の先導側に全容量が最小と成る180°で対向する吐出空間Hを生起することにより、開口された第1加熱開口43aを介して、吐出空間Hと連通する第1加熱器7aは、他方の作動室Rbの圧縮空間Eで生成された高密度の作動ガスに加熱し、又は、吐出させることができる。すると、一方の作動室Raに、膨張空間Dの全容量を増大させるものである。同様に、開口させた第2加熱開口43bを介して、吐出空間Hと連通する第2加熱器7は、一方の作動室Raの圧縮空間Eで生成さ れた高密度の作動ガスに加熱し、又は、吐出させることができる。すると、他方の作動室Rbに、膨張空間Dの全容量を増大させるものである。
図3に示すように、上記パワーロータ6は、一方の作動室Raを作動する30°≦θ≦150°の範囲に生起する膨張空間D、圧縮空間Eと、他方の作動室Rbを作動する210°≦θ≦330°の範囲に生起する膨張空間D、圧縮空間Eとは、60°の位相差が保たれて、常に、併存させることから、熱交換を行うための循環経路は、低温の作動ガスが、生起初期の圧縮空間Eの従動側に供給されるように、上記ロータハウジング4の長軸Y方向両端側に、第1循環開口44aと第2循環開口44bとを開口させている。これにより、一方の作動室Raの中央に面して開口する第1循環開口44aが、生起している膨張空間Dに面すると、膨張空間Dの高温の作動ガスは、第1循環開口44aを通り、熱交換 の後、低温の作動ガスが、第2循環開口44bから、他方の作動室Rbに生起した圧縮空間Eに供給される。又は、他方の作動室Rbの中央に面して開口する第2循環開口44bが、生起している膨張空間Dに面すると、膨張空間Dの高温の作動ガスは、第2循環開口44bを通り、熱交換の後、低温の作動ガスが、第1循環開口44aから、一方の作動室Raに生起した圧縮空間Eに供給される。
図3に示す3つのパワーロータA,B,Cは、120°の位相差が保たれて、上記ドラ ムロータ5に設けた直溝53に、回転及び摺動可能に配設されているので、以下、注目し ているパワーロータ6をパワーロータA、このパワーロータAに対して120°遅れ位相の位置にあるパワーロータ6をパワーロータB、このパワーロータBに対して120°遅れ位相の位置にあるパワーロータ6をパワーロータCとする。このパワーロータ6に形成 される一対の湾曲側面621a,621bは、物理的には、同一の湾曲側面621であっ ても、0°≦θ≦180°の範囲では、先導側が湾曲側面621aに位置し、従動側が湾 曲側面621bに位置し、180°≦θ≦360°の範囲では、従動側が湾曲側面621aに位置し、先導側が湾曲側面621bに位置している。
図3において、注目のパワーロータAは、0°≦θ≦180°の範囲では、先導側が湾 曲側面621aに、従動側が湾曲側面621bに、180°≦θ≦360°の範囲では、 従動側が湾曲側面621aに、先導側が湾曲側面621bに定義され、膨張空間Dは、パワーロータAの従動側の湾曲側面621とロータハウジング4との間に生起して、ドラムロータ5の回転と共に全容量が増大する空間として定義され、圧縮空間Eは、パワーロータAの先導側の湾曲側面621とロータハウジング4との間に生起して、ドラムロータ5の回転と共に全容量が減少する空間として定義される。また、変転空間Fは、パワーロータAの従動側の湾曲側面621と直溝53との間に生起して、ドラムロータ5の回転と共に転移する閉じた空間として定義される。この3種類の空間が、一対の作動室Ra,Rbのいずれにも120°の位相差が保たれて、周期的に複数生起することになる。
図3において、注目のパワーロータAは、従動側や先導側に3つの空間(膨張空間D、圧縮空間E、変転空間F)を生起することから、生起している位置に記号D,E,Fが付されているが、他のパワーロータB,Cについても、3つの空間(D,E,F)が夫々生起しているのが分かる。これを、側壁他側41bに固定された座標系で見ると、パワーロータB、Cが生起する膨張空間Dは、同一角度範囲に生起し、圧縮空間E、変転空間Fにおいても、同様に、同一角度の範囲に生起する。ドラムロータ5の回転角をθで見ると、パワーロータB、Cが生起する膨張空間Dは、位相が120°づつ遅れて生起するのが分かる。圧縮空間E、変転空間Fについても、同様に、位相が120°づつ遅れて生起するのが分かる。
また、3つのパワーロータA,B,Cは、3つの直溝53と同様に、120°の位相差 が保たれて、上記ドラムロータ5に配設されている。また、一対の加熱器7a,7bが、ロータハウジング4の短軸X方向両端(回転角θ=0°,180°)に接続されている。図3・Aの(a)と、図3・Bの(e)とを比較すると明らかなように、膨張空間D、圧縮空間Eが生起する態様は、第1加熱器7aから見る場合と第2加熱器7bから見る場合とは60°の位相差を有した120°周期となる。また、図3・Aの(a)とAの(c)を比較すれば明らかなように、第1加熱器7aが、パワーロータAに面してから、第2加熱器7bが、パワーロータCと面するまで、ドラムロータ5は60°回転する。従って、全体として、第1加熱器7aの系統による120°一周期の膨張空間D、圧縮空間E、変 転空間Fの変化サイクルと、第2加熱器7bの系統による120°一周期の膨張空間D、 圧縮空間E、変転空間Fの変化サイクルとが、60°の位相差が保たれて、交互に繰り返されていることになる。上述の状態変化について、図3中には、3つのパワーロータA,B,Cの時計回転方向の、回転角θ=30°毎の回転状態が示されている。
次に、図3の状態図に基づいて、パワーロータの作用を説明する。
図2において、上記パワーロータ6の従動側、先導側とされるのは、参照図の図3の状態図に示す0°≦θ≦180°の範囲における、パワーロータ6の従動側(+X軸方向)を湾曲側面621bに、先導側(−X軸方向)を湾曲側面621aと定義される。また、180°≦θ≦360°の範囲における、パワーロータ6の従動側(−X軸方向)を湾曲側面621aに、先導側(+X軸方向)を湾曲側面621bとして定義される。図3の状態図のように、ドラムロータ5の回転と共に、パワーロータ6の従動側の湾曲側面621 が、ロータハウジング4の内周面42との間に、全容量が増大する膨張空間Dを生起し、パワーロータ6の先導側の湾曲側面621が、ロータハウジング4の内周面42との間に、全容量が減少する圧縮空間Eを生起する。また、パワーロータ6の従動側の湾曲側面621が、直溝53の内面54との間に、転移する閉じた変転空間Fを生起する。
詳細は、後述するように、図1、13・Bに示す側壁他側41bに固定された座標系における回転角θ=90°、270°の対向する位置に、上記ロータハウジング4の内外を貫通して第1循環開口44aと第2循環開口44bとが開口されている。図3・B(d)に示すパワーロータAが、第1循環開口44aを横切る空間を一方の作動室Raと仮定したその状態と、図3・B(f)に示すパワーロータCが、第2循環開口44bを横切る空間を他方の作動室Rbと仮定したその状態とは60°の位相差が保たれている。従い、第1循環開口44aが膨張空間Dに開口すれば、第2循環開口44bは圧縮空間Eに開口し、第2循環開口44bが膨張空間Dに開口すれば、第1循環開口44aは圧縮空間Eに開口することから、個々のパワーロータ6が、第1循環開口44a、第2循環開口44bを横切るごとに、圧縮空間Eから膨張空間Dに切り替わる。これにより、膨張空間Dの圧力は圧縮空間Eの圧力より高いので、第1循環開口44aが、一方の作動室Raに生起している膨張空間Dに開口すると、膨張空間Dの高温の作動ガスは、第1循環開口44aを通して、第1熱交換器8aに導入され、熱交換の後、低温の作動ガスが、第2循環開口44 bから、他方の作動室Rbに生起した圧縮空間Eに供給される。又は、第2循環開口44bが、他方の作動室Rbに生起している膨張空間Dに開口すると、膨張空間Dの高温の作動ガスは、第2循環開口44bを通して、第2熱交換器8bに導入され、熱交換の後、低温の作動ガスが、第1循環開口44aから、一方の作動室Raに生起した圧縮空間Eに供給される。
次に、実施例に基ずいて、パワーロータの作動を説明する。
図3、6、13・Aに示すように、注目のパワーロータAは、−30°≦θ≦30°の期間に、湾曲側面621b(先導側)に生起している吐出空間Hを介して、上記の第1加熱器7aと向い合っており、第1加熱器7aは、その内部に、作動ガスが流出入する第1加熱通路72aを設けた第1加熱室716aが形成され、圧縮空間Eで生成された高密度 の作動ガスが、第1加熱通路72aを流入する際に、配設された第1抵抗発熱体75aから、間接接触式に且つ放射伝熱式に加熱される。継いて、高密度の作動ガスは、第1加熱室716aにおいて、下述する燃焼加熱装置から加熱されている一側第1、他側第1加熱ドーム761a,762aの外壁面からと、内装された第1熱交換器8a中の第1再生器85aとから、間接接触式に且つ放射伝熱式に加熱され、更に、循環する高温加熱気流からの対流伝熱により、複合加熱される(図3・Dの(l)、Aの(a))。回転角θ=0°を過ぎると、パワーロータAの先導側は従動側へと引き継がれ、第1加熱器7aから、高温の作動ガスが吐出空間Hに吐出する(図3・Aの(a)(b))。
次に、図3に示すように、注目のパワーロータAが、一方の作動室Raを作動する30°≦θ≦90°の期間に、その従動側に吐出空間Hを引き継いだ膨張空間Dが生起し、上記第1加熱器7aから、ドラムロータ5に設けたバイパス路57を通して、高温の作動ガスの容量を増大させる状態で、膨張空間Dの全容量を増大させる膨張圧が加えられ、パワーロータAが静止公転運動(以降作動)する(図3・Aの(b)〜図3・Bの(f))。併行して、注目のパワーロータAは、回転角θ=30°を過ぎると、その先導側に、パ ワーロータCの従動側に生起していた膨張空間Dを引き継いだ圧縮空間Eが生起する。すると、他方の作動室Rbに生起している膨張空間Dの高温の作動ガスは、第2循環開口44bを通して、第2熱交換器8bに導入され、熱交換の後、低温の作動ガスが、第1循環 開口44aから、圧縮空間Eの従動側に供給されるとともに、他方の作動室Rbから転移した変転空間Fが開放され、内包される低温の作動ガスが、その圧縮空間Eの従動部に偏在される(図3・Aの(b)〜図3・Bの(d))。
さらに、注目のパワーロータAが、一方の作動室Raを作動する90°≦θ≦150°の期間に、回転角θ=90°を過ぎると、その従動側に生起している膨張空間Dの高温の作動ガスは、上記第1循環開口44aを通して、第1熱交換器8aに導入され、熱交換の後、低温の作動ガスが、第2循環開口44bから、他方の作動室Rbに生起した圧縮空間Eに供給される。継いて、パワーロータAの作動から、その従動側の膨張空間Dは、容積の拡大から、介在する高温の作動ガス圧力が減少する。併行して、パワーロータAは、その先導側の圧縮空間Eに供給と偏在された低温の作動ガスに対し、圧縮が加えられる(図3・Bの(d)〜(f))。継いて、パワーロータAは、回転角θ=150°において、その従動側の湾曲側面621bと直溝53の内面54との間に変転空間Fが生起し、減圧した膨張空間Dに介在する高温の作動ガスの一部が囲い込まれるとともに、その従動側に生起していた減圧状態の膨張空間Dを引き継いだ圧縮空間Eが、パワーロータBの先導側に生起する(図3・Bの(d)(f))。
継いて、図3、6に示すように、注目のパワーロータAが、150°≦θ≦210°の期間に、その従動側の湾曲側面621bに生起している変転空間Fが、他方の作動室Rbに向かって転移する。併行して、注目のパワーロータAは、その先導側の湾曲側面621aに生起した吐出空間Hを介し、上記第2加熱器7bと向い合っており、圧縮空間Eで生成された高密度の作動ガスが、第2加熱通路72bを流入する際に、配設された第2抵抗発熱体75bから、間接接触式に且つ放射伝熱式に加熱される。さらに、高密度の作動ガスは、第2加熱室716bにおいて、燃焼加熱装置から加熱されている両第2加熱ドーム761b、762bの外壁面からと、内装されている第2熱交換器8b中の第2再生器85bとから、間接接触式に且つ放射伝熱式に加熱され、更に、高温加熱気流からの対流伝熱により、複合加熱される。(図3・Bの(f)〜図3・Cの(h))。ここで、回転角θ=150°時のパワーロータAの先導側に生起している吐出空間Hに、向い合う第2加熱器7bから、ドラムロータ5により開かれた第2加熱開口43bを通して、高温の作動 ガスが混入する。しかし、パワーロータAが持つ回転力に加え、他のパワーロータB、Cからの駆動力とドラムロータ5の慣性力とが加わり、吐出空間Hの作動ガスは、混在される前に、第2加熱器7bに送り込まれることになる。これは、本機関1が主目的としている比出力の向上と高速回転の実現とに必要な現象であり、吐出空間Hの作動ガスに昇温準備が行われ、最大膨張圧点を上死点(TDC)直後、すなわち、吐出空間Hの全容量が最小となった直後に推移させるためである。
上記注目のパワーロータAは、図3・Cの(g)に示すように、回転角θ=180°の時点で、吐出空間Hを介し、図3・Aの(a)に示す始動時の状態(回転角θ=0°)と反面となり、先導側から従動側へと引き継がれたパワーロータAの湾曲側面621aに、向い合う第2加熱器7bから、高温の作動ガスが吐出する。このようにして、注目のパワ ーロータAが一方の作動室Raを作動する(1ストローク中の)一連の動作(スターリングサイクル)が行われる。
以上が、注目のパワーロータAが実行する1ストローク中の状態変化であり、作動ガスの供給から導入へ、或は、作動ガスの導入から供給への切り換えは、第1、第2循環開口44a,44bが、圧縮空間Eに面して開口している状態から、膨張空間Dに面して開口する状態へと切り換わるタイミングで制御される。つまり、3つのパワーロータ6をA,B,Cとして区別しなければ、本機関1全体としての状態変化は60°周期である。この状態変化が、3つのパワーロータA,B,Cの回転角θ=30°毎の筒内圧力の変化とし て、
図4に示され、出力軸55には、極めて滑らかで力強い回転力が付与される。
上記と同様に、パワーロータBの従動側の状態変化についても、パワーロータBがパワーロータAより120°位相が遅れており、注目のパワーロータAの従動側の状態変化を120°遅らせたものとなる。同様に、パワーロータCの従動側の状態変化についても、パワーロータCがパワーロータAより240°位相が遅れている。従って、注目のパワーロータAの従動側の状態変化を240°遅らせたものとなる。一方のパワーロータAの湾曲側面621a側が第2加熱器7bに面する位相は、パワーロータAの先導側の状態変化が、パワーロータAの従動側の状態変化を180°遅らせたものとなる。同様に、パワーロータBの先導側の状態変化が、パワーロータBの従動側の状態変化を180°遅らせたものとなり、パワーロータAの従動側の状態変化を300°遅らせたものとなる。同様に、パワーロータCの先導側の状態変化は、パワーロータCの従動側の状態変化を180°遅らせたもの、すなわち、パワーロータAの従動側の状態変化を60°遅らせたものとなる。尚、図3において、上記の説明の位相より、変転空間Fが開放される位相が、やや遅れた状態で、変転空間Fが生起する位相が、やや進んだ状態で、パワーロータ6と直溝5
3の内面54との関係が表現されている。このことは、パワーロータ6の交点p1・p4と直溝53の内面54とが、転移位相で重なるように表現されているが、正確には、変位位相で、パワーロータ6の交点p1・p4は、直溝53の内面54の端点に一致する。
4.パワーロータの原理説明
次に、実施例に基ずいて、パワーロータの原理を説明する。
パワーロータの作用で説明したように、高温の作動ガスの容量と低温の作動ガスの容量の比率を変化させつつ、全容量が増大する膨張過程で、膨張圧が加えられた3つのパワーロータA,B,Cが作動する。これにより、上記ドラムロータ5が回転駆動され、直結する出力軸55を介して、その回転力が外部に出力される。図3の状態図から明らかなように、注目のパワーロータAの湾曲側面621b側が、30°≦θ≦90°の範囲で、同じく湾曲側面621a側が、210°≦θ≦270°の範囲で膨張空間Dとなり、パワーロータBの湾曲側面621b側が、150°≦θ≦210°の範囲で、同じく湾曲側面621a側が、330°≦θ≦30°の範囲で膨張空間Dとなり、パワーロータCの湾曲側面621b側が、270°≦θ≦330°の範囲で、同じく湾曲側面621a側が、90°≦θ≦150°の範囲で膨張空間Dとなる。
また、膨張開始位相で見ると、回転角θ=30°(パワーロータAの湾曲側面621b 側)、回転角θ=90°(パワーロータCの湾曲側面621a側)、回転角θ=150°(パワーロータBの湾曲側面621b側)、回転角θ=210°(パワーロータAの湾曲側面621a側)、回転角θ=270°(パワーロータCの湾曲側面621b側)、回転 角θ=330°(パワーロータBの湾曲側面621a側)の60°毎の6位相となる。
以上の過程を、スターリングサイクルで考えると、本発明1は、次のようになる。図3に示す注目のパワーロータAが、一方の作動室Raを作動する30°≦θ≦90°の期間に、その従導側の湾曲側面621bに吐出空間Hを引き継いだ膨張空間Dが生起し、第1加熱器7aから高温の作動ガスの容量を増大させる状態で、膨張空間Dの全容量を増大させる膨張圧が加えられる(等温膨張過程)。同時期に、その先導側に、パワーロータCの従動側に生起していた膨張空間Dを引き継いだ圧縮空間Eが生起し、他方の作動室Rbの膨張空間Dの高温の作動ガスは、第2循環開口44bを通して、第2熱交換器8bに導入され、熱交換の後、低温の作動ガスが、第1循環開口44aから、生起した圧縮空間Eの従動側に供給されるとともに、他方の作動室Rbから転移した変転空間Fが開放され、内包されていた低温の作動ガスが、圧縮空間Eの従動部に偏在する。継いて、90°≦θ≦150°の期間に、パワーロータAの従動側に生起している膨張空間Dの高温の作動ガスは、第1循環開口44aを通して、第1熱交換器8aに導入され、熱交換の後、低温の作動ガスが、第2循環開口44bから、他方の作動室Rbに生起した圧縮空間Eに供給される(等容冷却過程)。併行して、パワーロータAは、先導側の湾曲側面621aに、供給された低温の作動ガス及び偏在された作動ガスに対し、圧縮が加えられる(等温圧縮過程)。継いて、150°≦θ≦210°の期間に、パワーロータAは、先導側の湾曲側面621aに生起した吐出空間Hから、第2加熱器7bに送り込まれた高密度の作動ガスが加熱され、回転角θ=180°を過ぎると、パワーロータAの先導側は従動側へと引き継がれ、第2加熱器7bから、高温の作動ガスが吐出空間Hに吐出する(等容加熱過程)。
以上、図3に示すように、注目のパワーロータAが、一方の作動室Raを作動する30°≦θ≦210°の期間に、スターリングサイクルが構成される。また、パワーロータAが、他方の作動室Rbを作動する210°≦θ≦30°の期間に、スターリングサイク
ルが構成され、パワーロータBは、パワーロータAが150°≦θ≦330°と330° ≦θ≦150°の期間に、スターリングサイクルが構成され、パワーロータCは、パワーロータAが270°≦θ≦90°と90°≦θ≦270°の期間に、スターリングサイクルが構成される。すなわち、120°の位相差が保たれて、出力軸55一回転中に、都合 6回ものスターリングサイクルが構成されるものである。
上述したように、上記の一対の加熱器7a、7bから、高密度の作動ガスに付与された熱エネルギーが、3つのパワーロータ6を作動させ、出力軸55が直結するドラムロータ5が回転駆動される。この出力軸55の回転速度は、第1加熱器7aに設けられた一側第1加熱ドーム761aと他側第1加熱ドーム762a、第2加熱器7bに設けられた一側第2加熱ドーム761bと他側第2加熱ドーム762bへの加熱温度、つまり、特許請求の範囲に記載された図13・Aに示す「燃焼加熱装置」から放たれる火炎の燃焼温度を液体燃料の供給量を制御する方法で可変してもよい。或は、図6に示す第1、第2加熱通路72a、72bには第1、第2抵抗発熱体75a、75bが配設され、外部電源、或は、図示しない発電装置から給電された電流を流してジュール熱が発生されており、この発熱量により、高密度の作動ガスが、第1、第2加熱通路72a、72bを流入する際に、間接接触式に且つ放射伝熱式に加熱されることから、特許請求の範囲に記載された「抵抗発 熱体」の発熱量、すなわち、給電量を制御する方法により可変される。しかしながら、出力制御の応答性を向上させるために、本実施例では、次の機構を採用することにする。
上記パワーロータ6の先導側が圧縮空間Eにおいて、次のように、出力制御のための作動ガスの移動操作が行われる。例えば、図5に示す一次側出力制御装置11aの場合、
一方の作動室Raにおいて、図3に示すように、パワーロータAの先導側が30°≦θ≦150°の範囲が圧縮空間Eとなり、30°≦θ≦90°の期間に、第2熱交換器8bから低温の作動ガスが、その従動側に供給され、転移した変転空間Fから、その従動部に低温の作動ガスが偏在される。継いて、90°≦θ≦150°の期間に、圧縮空間Eに供給と偏在された低温の作動ガスに対し、圧縮が加えられる。これらの期間に、圧縮空間E内に介在する高温の作動ガスから調節し、熱交換の後、低温の作動ガスが、遅れ位相側に生起されようとする時期から生起初期の時期までの期間内の変転空間Fに排出される(120°≦θ≦160°)。このように、一方の作動室Raに生起した圧縮空間E内に介在する作動ガス圧力を増減することにより、第2加熱器7bが加熱する流体の総重量を調整する、出力の高速制御が実現されることから、相対する他方の作動室Rbにおいても、二次側出力制御装置11bを設けることにする。
図5に示すように、上記一次側出力制御装置11aは、図3に示す回転角θ=125°付近の、側壁一側41aと側壁他側41bの双方の内外を貫通して開孔する一次吸引孔121aと一次補助吸引孔122aとから、一方の作動室Raを作動する3つのパワーロータA,B,Cの先導側に生起した圧縮空間E内に介在する高温の作動ガスから調節し、熱交換の後、低温の作動ガスが、回転角θ=140°付近の側壁一側41aの内外を貫通して開孔する一次排出孔13aから、ドラムロータ5の一側側面板51aに、直溝53の底面と直立して平行に開孔する楕円形の導入孔58を介して、回転軌跡上で重なり相通する期間内の変転空間Fに排出されるものである。
ここで、上記の一次側出力制御装置11aの作用を説明する。図3の状態図に示すように、一方の作動室Raを作動するパワーロータAは、30°≦θ≦150°の期間に、高温の作動ガスを、生起した圧縮空間E内から調節し、熱交換の後、低温の作動ガスが、1 20°≦θ≦160°の期間に、遅れ位相側に生起されようとする時期から生起初期の時期までの期間内の変転空間Fに排出される。これより、位相差が120°遅れたパワーロータBは、150°≦θ≦270°の期間に、高温の作動ガスを、生起した圧縮空間E内から調節し、熱交換の後、低温の作動ガスが、240°≦θ≦280°の期間に、遅れ位相側に生起されようとする時期から生起初期の時期までの期間内の変転空間Fに排出される。これよりさらに、位相差が120°遅れたパワーロータCは、270°≦θ≦30°の期間に、高温の作動ガスを、生起した圧縮空間E内から調節し、熱交換の後、低温の作動ガスが、0°≦θ≦40°の期間に、遅れ位相側に生起されようとする時期から生起初期の時期までの期間内の変転空間Fに排出されるものである。
図5に示すように、上記二次側出力制御装置11bは、上記一次側出力制御装置11aと対象関係に設けられ、図3に示す回転角θ=305°付近の、側壁一側41aと側壁他側41bの双方の内外を貫通して開孔する二次吸引孔121bと二次補助吸引孔122bとから、他方の作動室Rbを作動する各パワーロータ6の先導側に生起した圧縮空間E内に介在する高温の作動ガスから調節し、熱交換の後、低温の作動ガスが、回転角θ=320°付近に側壁一側41aの内外を貫通して開孔するニ次排出孔13bから、ドラムロータ5の一側側面板51aに、直溝53の底面と直立して平行に開孔する楕円形の導入孔58を介して、回転軌跡上で重なり相通する期間内の変転空間Fに排出されるものである。
ここで、上記ニ次側出力制御装置11bの作用を説明する。他方の作動室Rbを作動するパワーロータBが、−30°≦θ≦90°の期間に、高温の作動ガスを、生起した圧縮空間E内から調節し、熱交換の後、低温の作動ガスが、60≦θ≦100°の期間に、遅
れ位相側に生起されようとする時期から生起初期の時期までの期間内の変転空間Fに排出される。これより、位相差が120°遅れたパワーロータCは、90°≦θ≦210°の期間に、高温の作動ガスを、生起した圧縮空間E内から調節し、熱交換の後、低温の作動ガスが、180°≦θ≦220°の期間に、遅れ位相側に生起されようとする時期から生起初期の時期までの期間内の変転空間Fに排出される。これよりさらに、位相差が120°遅れたパワーロータAは、210°≦θ≦330°の期間に、高温の作動ガスを、生起した圧縮空間E内から調節し、熱交換の後、低温の作動ガスが、300°≦θ≦340°の期間に、遅れ位相側に生起されようとする時期から生起初期の時期までの期間内の変転空間Fに排出される。このように、一対の作動室Ra、Rbの双方に生起した圧縮空間E内に介在する作動ガス圧力を増減することにより、一対の加熱器7a、7bが加熱する流体の総重量が直前に連係調節される出力の高速制御が実現されるものである。
5.以下、ロータリー式のスターリングサイクル機構を構成するロータハウジングから、詳細な構成を説明する。
本実施例は、図1に、本機関であるロータリー式スターリングエンジン1を説明する構 成図が示され、4は内部に3つのパワーロータ6が配設されるロータハウジングであり、その形状について、説明する。図1、2、6に示すように、パワーロータ6の中心o2に対する4つの交点p1〜p4の変位ベクトルのx、y成分を中心座標とし、パワーロータ6の中心o2とドラムロータ5の回転中心oとの距離r3を半径とする4つの円b1〜b4の内、最も外側の軌跡と、短軸X付近のドラムロータ5の回転軌跡円a1と、長軸Y付近の円b1と円b2の短軸Xに平行な接線と、円b3と円b4の短軸Xに平行な接線との描く軌跡の内、最も外側の軌跡により決定されている。従い、筒状となる内周面42の形状が米俵形(4節形状)に形成されることにより、静止公転運動(作動)するパワーロータ6の4つの交点p1〜p4の内、最も外側となる交点pが、上記のロータハウジング4 の内周面42上に存在して、常に、摺動接触するものである。また、筒状となる縦幅と下 述するドラムロータ5に形成される円柱曲面56の縦幅とは、同一の長さで形成されている。尚、上記の4つの交点p1〜p4には、シール材が夫々付勢されて摺動接触する。
次に、上記ロータハウジング4は、筒状となる内周面42とロータハウジング4の短軸X方向一側との交点付近(短軸Xを挟んだ両側)に形成される稜線e1、e2及び上記の短軸X方向他側との交点付近(短軸Xを挟んだ両側)に形成される稜線e3、e4の4部位において、図3・Aの(a)に示すパワーロータAの先導側に生起している吐出空間Hに対して、時計回転方向であるパワーロータCの従動側に生起している膨張空間D、或は、反時計回転方向であるパワーロータBの先導側に生起している圧縮空間Eと隣接する関係から、相対する作動空間間において、高温の作動ガスの低圧空間への移動(漏出)を防止する必要がある。
従い、図2、6、10に示すように、上記の稜線e1,e2及びe3,e4の4部位において、ロータハウジング4の内周面42に対して、回転方向に15°程度に傾斜する仕切りシール溝462(a、b、c、d)が夫々形成されており、この4つの仕切りシール溝462に、厚板状の先行側シール部材(左側)と、その頂部摺接面に対し、併設する厚板状の遅行側シール部材(右側)の頂部摺接面が控える段差を設けた仕切りシール461が、夫々付勢されている。
上記の仕切りシール461について、説明する。仕切りシール溝462には、両側の内壁面に、内周面42に平行の深さを有するコの字状の右、左溝側挿入溝464a,464bが形成され、仕切りシール461には、両側の外壁面に、頂部摺動面に平行の深さを有するコの字状の右、左シール側挿入溝465a,465bが形成されている。この仕切りシール461が仕切りシール溝462に挿入された状態で、右シール側挿入溝465aと右溝側挿入溝464a、左溝側挿入溝464bと左シール側挿入溝465bとが拝み合わされて形成する右と左の角柱状の空間に、波形板バネ463が夫々挿入されている。これにより、仕切りシール461は、右と左の波形板バネ463からの支持を受けて、各仕切りシール溝462に夫々付勢されており、その可動の範囲において、先行側シール部材の 先頭部先端と遅行側シール部材の先頭部先端とが、上記のロータハウジング4の内周面4 2から、内部の空間側にはみ出すことがない状態に置かれている。この結果、ドラムロータ5の円柱曲面56が、上記仕切りシール461の先行側シール部材の頂部摺動面を押し下げつつ接触し、微小回転後、併設の遅行側シール部材の頂部摺動面中に摺動接触するものである。
また、上記の仕切りシール461は、下述するように、ドラムロータ5の円柱曲面56に三等分割方向に軸芯に平行して湾窟状に切欠いた3つの直溝53が設けられており、この3つの直溝53の内面54と上記の円柱曲面56との接続する先端点e10、e11の対が、3組が形成されているので、この仕切りシール461との関係を、一例を挙げて動作を詳述する。初めに、既に摺動接触している上記の円柱曲面56の先端点e10が、仕切りシール461(e1)から離れる際に、パワーロータ6に付勢されるアペックスシー ル631(p1)は、摺動接触している直溝53の内面54と上記(e1)の遅行側シール部材の頂部摺動面中とに接触し、三者同志の接触状態が保たれ、微小回転の後、直溝53の内面54から離れ、上記(e1)の遅行側シール部材の頂部摺動面を押し下げつつ接触し、図2中のロータハウジング4の右上内周面42に摺動接触する。継いて、上記の円柱曲面56の先端点e11は、仕切りシール461(e2)に接触する際に、アペックスシール631(p2)が、摺動接触している図2中のロータハウジング4の左上内周面42から離れ、上記(e2)の先行側シール部材の頂部摺動面と直溝53の内面54とに接触し、三者同志の接触状態が保たれ、微小回転の後、上記(e2)の先行側シール部材の頂部摺動面を押し下げつつ接触し、上記(e2)の遅行側シール部材の頂部摺動面中に摺動接触する。これにより、相対する作動空間間が、常に、分離状態に置かれ、高温の作動ガスの低圧空間への漏出が防止されるものである。
尚、上記の仕切りシール461は、仕切りシールとしての機能が容易に達成されるように、回転方向に15°程度傾斜する深さを有した4つの仕切りシール溝462に夫々付勢されている。これは、仕切りシール461が、ドラムロータ5の回転の円滑化を図るとともに、自身の姿勢の安定度を高めて、常に、気密性を保持させるためである。また、上記のロータハウジング4は、その全体が、アルミ合金によって形成され、内周面42や仕切りシール溝462には、クロームメッキや鉄板の鋳ぐるみが施されている。
上記の第1加熱開口43aについて、説明する。ロータハウジング4の短軸X方向一端側に設けられ、ロータハウジング4の内外を貫通して、肉厚部分に垂直方向に開口されており、この第1加熱開口43aを介して、上記の短軸X方向一端に接続される第1加熱器7aは、パワーロータ6の従動側の湾曲側面621bに生起する全容量が最小と成る吐出空間Hと連通することができる。尚、上記の第2加熱開口43bにおいては、上記第1加熱開口43aと対象関係に設けられており、実施形態の各構成部材と実質的に同一であるため、同一部材や同一機能を有する構造の符号については、同一数値の末尾にbの符号を付してその説明を省略する。
上記の第1循環開口44aについて、説明する。図12Aに示すように、一方の作動室Raの中央に面して設けられ、この第1循環開口44aに連通する作動ガスが供給される第2供給管87bの延長方向に、内装されている第1連通管83aの管口と向かい合っている。この第2供給管87bと第1連通管83aとは同径であり、この向かい合う合い間に形成される空間に、第1方向制御弁821aが内蔵されている。しかも、第1連通管83aは、その途中から曲げられ、ロータハウジング4の内周面42に沿って、肉厚部分に形成される第1循環洞道84aに継がっている。また、第2供給管87bと第1連通管83aとが向かい合う状況は、第1連通管83aより大径の第1循環開口44aが、第2供給管87bの方向に向かって縮小する第1錐形テーパ壁88aが形成され、この第1錐形テーパ壁88aの縮小端と第2供給管87bの管端とが接合されている。尚、上記の第2循環開口44bにおいては、上記第1循環開口44aと対象関係に設けられており、実施形態の各構成部材と実質的に同一であるため、同一部材や同一機能を有する構造の符号については、同一数値の末尾にbの符号を付してその説明を省略する。
上記の第1循環洞道84aについて、説明する。ロータハウジング4の内周面42に沿って肉厚部分に形成され、第1循環開口44aが膨張空間Dに開口している時、流出した高温の作動ガスが、第1加熱器7aにおいて、作動ガスが保有する熱量(エンタルピー)を放熱させるための、作動ガスを流通させる通路である。従って、上記第1循環開口44 aが、一方の作動室Raに生起している膨張空間Dに開口すると、膨張空間Dの高温の作 動ガスは、第1循環開口44aを通り、第1循環洞道84aを流通して、第1加熱器7aに内装された第1再生器85aに導入され、第1冷却器86aに流入して、熱交換の後、低温の作動ガスが、第2循環開口44bから、他方の作動室Rbに生起した圧縮空間Eの従動側に供給されるものである。尚、上記の第2循環洞道84bにおいては、上記第1循 環洞道84aと対象関係に設けられており、実施形態の各構成部材と実質的に同一であるため、同一部材や同一機能を有する構造の符号については、同一数値の末尾にbの符号を付してその説明を省略する。
図2を用いて説明したように、上記ドラムロータ5は、図7、13A,Bに示すように、円柱体であって、その回転軌跡は、パワーロータ6の対角線長であり、半径r1の円a1となる。また、円柱曲面56の三等分割方向に、軸心に平行して湾窟状に切欠いた直溝53の内面54は、半径r1の円a1の二分の一で形成され、半径r2の円a2の一部であり、パワーロータ6に支持軸61が係合する軸穴65の中心o2の軌跡は、円a2の中心o2と一致する。しかも、その中心o2の位置は、ドラムロータ5の回転と共に公転する。そして、三等分割方向に設けられた直溝53から反時計回転方向に向かう上記円柱曲面56に至るバイパス路57が夫々設けられている。さらに、側壁他側41b側に、外輪の側面側が縮小する他側錐形面511bを形成する他側側面板51bが接合して、下述するパワーロータ作動機構Qから支承され、側壁一側41a側に、3つの直溝53の底面と直立して平行する楕円形の導入孔58が夫々開孔され、外輪の側面側が縮小する一側錐形面511aを形成する一側側面板51aが接合して、軸受45に支承される出力軸55が接続されている。従って、一側錐形面511aと相対する側壁一側41aの内面に形成の一側テーパリング411aと、他側錐形面511bと相対する側壁他側41bの内面に形成の他側テーパリング411bとの間には、夫々微小ギャップが設けられ、封入された作動ガスが介在し、空気軸受け方式で回転荷重の一部を負担しつつ、ロータハウジング4の中央で回転する。尚、ドラムロータ5は上記気筒との間に、短軸Xを挟んだ右側に、流動する作動ガスが流出入する一方の作動室Raが形成され、短軸Xを挟んだ左側に、流動する作動ガスが流出入する他方の作動室Rbが形成されている。
また、上記ドラムロータ5は、封入の作動ガスに、水素やヘリウム等の非凝縮性気体が用いられた場合、気体との摩擦抵抗は非常に小さい。しかしながら、相対する側面板の錐形面や側壁のテーパリングの面には、更に、ドラムロータ5の回転抵抗を減少させるため、固定潤滑剤が付されている。
次に、上記ドラムロータ5は、円柱体に設けられたバイパス路57を通して、状態図に示す図3・Aの(b)を過ぎた時期から図3・Bの(d)の直前の時期までの期間内に、上記第1加熱器7aから、高温の作動ガスが、一方の作動室Raに生起した膨張空間Dに吐出することができる。この状態は、ドラムロータ5の円柱曲面56が、上記第1加熱開口43aを塞ぐ場合であっても、設けられたバイパス路57を通して、必要とする高温の作動ガスの吐出量を吐出させ継けることができる。
上記の出力軸55について、説明する。軸受45に回転可能に支承されており、剛性が高く高強度が必要であることから、特殊鋼で鍛造された中炭素綱が用いられる。この軸受45は、転がり軸受方式の油含浸シールド軸受であって、軸受材には、焼結合金や成長鋳鉄などの多孔質材料に潤滑油が含浸され、作動中に発生する摩擦熱による潤滑油の熱膨張と、回転する出力軸55のポンプ作用とから、摩擦面に潤滑油が循環することにより、回転の円滑化と、含浸された潤滑油が漏洩することなく、気密性を保持する機能を有している。しかも、筒内には、高圧状態の作動ガスが封入され、極めて高い気密性が要求されているため、軸受45の内部側に、図示しない接触式の内部シール及び回転軸用の軸シールが併設されている。
図2を用いて詳述したように、上記パワーロータ6は、図9に示すように、角柱体であって、対角線長が上記直溝53の直径r1で形成され、支持軸61が係合する軸穴65の中心o2の軌跡は、半径r2の円a2の中心o2と一致する。しかも、その中心o2の位置は、ドラムロータ5の回転と共に公転するが、パワーロータ6の姿勢は、ドラムロータ5が回転しても、側壁他側41bに固定された静止座標系o−XYから見ると変化しない。また、直溝53の軸心に平行な支持軸61が係合する軸穴65が設けられ、この軸穴65に向かって、平行に相対する窪んだ一対の湾曲側面621a、621bと、この一対の湾曲側面621a、621bを両端で接続する一対の短直側面622a、622bとから形成されている。さらに、支持軸61が係合する側面一側623aと側面他側623bの双方に、4辺の稜線の内側に沿って形成する、断面の形状がU字状ループ形のサイドシール溝641が設けられ、枠型のサイドシール632が夫々配設されている。また、接続する4つの交点p1〜p4に、軸穴65に向かって平行に伸びた断面の形状が鍵穴状に切欠いたアペックスシール溝642が夫々設けられ、アペックスシール631が付勢されている。
上記のサイドシール632について、説明する。図9に示すように、枠型であって、その4つのコーナーが、付勢されるアペックスシール631の裏側暖曲面の端部を包み込むように、パワーロータ6に設けているアペックスシール溝642の端部に、軸穴65方向側が夫々拡大するサイドシール溝641が形成され、サイドシール632が配設される。すると、その底部に上記サイドシール溝641との間に小さな空間が設けられ、この空間と相通するように、パワーロータ6に形成する一対の湾曲側面621a、621bの各稜線の内側に沿って、一定の間隔を有して開孔する複数の加圧孔66が設けられている。これにより、このサイドシール632は、各摺動面が、膨張空間Dや圧縮空間E又は変転空間Hに面する期間においては、加圧孔66を通して、その底部が昇圧されるポンプ作用が加わり、パワーロータ6の範囲から外側の位置に置かれ、より外向きに配設されることで、両側壁41a、41bの内面や両側面板51a、51bの内面との摺接圧を高めて摺動接触するものである。
上記アペックスシール631について、説明する。図9に示すように、断面が鍵穴状に切欠かれたアペックスシール溝642には、折り曲げ加工される許容最大の長幅を有した楕円筒に、表側暖曲面の中央部が縦に切り開かれて左と右に立ち上がる2枚の細巾短冊片を有し、楕円筒の内部空間に挿入される許容最大の直径を有した円柱棒に片側が接続される幅広の短冊片1枚が、2枚の細巾短冊片に、左右から挟まれて突き上がるアペックスシール631が付勢される。すると、その底部にアペックスシール溝642との間に小さな空間が設けられ、この空間と相通するように、パワーロータ6に形成する一対の湾曲側面21a、621bの各稜線の内側に沿って、一定の間隔を有して開孔する複数の加圧孔66が設けられている。これにより、このアペックスシール631は、膨張空間Dや圧縮空間E又は変転空間Hに面しない期間においては、短冊片の各摺動部分が、パワーロータ6の範囲から内部側に位置し、膨張空間Dや圧縮空間E又は変転空間Hに面する期間においては、短冊片の各摺動部分が、パワーロータ6の範囲から外部側に位置するように、加圧孔66を通して、その底部が昇圧されるポンプ作用が加わり、より外向きに付勢されることで、直溝53の内面54とロータハウジング4の内周面42の双方に繰り替え摺動接触するものである。
上記のアペックスシール631やサイドシール632及び仕切りシール461の材質は、充填材入りのPTFE(四フッ化エチレン樹脂)などを使用することができる。このPTFEは摩擦係数は低いものの、耐摩耗性に劣るPTFEの欠点を補うために、カーボンやガラス繊維 等の充填材が加えられている。また、上記パワーロータ6の材質等は、上述したように、上記の一対の加熱器7a、7bに次いで、高い耐熱性が要求されている。そのために、全体をセラミックス素材で形成する。又は、全体をニッケル系耐熱鋼で形成し、表面をセラミックコーティングする。或は、最も高い耐熱性が要求される一対の湾曲側面621a、621bの表面をセラミックスで形成の場合には、他の部分をアルミ合金等により、構成する必要がある。尚、パワーロータ6の表面に、セラミックコーティングが施された場合、夫々のシール溝や加圧孔66には、耐熱性を高めるため、球状黒鉛鋳鉄が組み込まれるものである。
8.次に、パワーロータ作動機構について、詳細な構成を説明する。
図8を用いて説明したように、上記のパワーロータ作動機構Qは、図13・A,Bに示すように、側壁他側41bに設けた姿勢制御室48に内包され、その中央に突出された固定金座94に基軸の親歯車91が堅座され、その姿勢が固定された親歯車91に3つの遊星歯車92が歯合し、3つの遊星歯車92の外側に、120°の位相差が保たれて、3つの孫歯車93が歯合している。この親歯車91と3つの孫歯車93とは、同一径のねじれ山歯歯車で形成される等速歯車列で組み合わされることにより、ドラムロータ5が時計回転方向に回転すると、支持軸61を介して3つの孫歯車93と直結する3つのパワーロータ6が反時計回転方向に、ドラムロータ5の回転速度と等しい速度で、回転する。しかも、3つの遊星歯車92は、ドラムロータ5の他側側面板51bに回転自在に軸支される断面が角形(星型)のスプライン回転軸95に支承され、右と左のねじれ斜歯歯車により構成されており、その合せ隙間にコイルスプリング96が夫々挿入されていることから、始動時においても離間圧力が強められ、回転による反スラスト運動の発生とが加わることにより、さらに、離間圧力が夫々増強され、遊星歯車92対親歯車91及び孫歯車93との噛み合い部に発生するバックラッシュを減少させ、3つのパワーロータ6の姿勢が、より高度な静止公転状態に置かれるものである。尚、3つの遊星歯車92は、図中は三方位であって、その中心は、上記親歯車91と孫歯車93とが成す中心間を結ぶ線上に位置しているが、線上に位置させる必要はない。
以下、上記構成の動作を説明する。本発明1は、120°の位相差が保たれて、ロータハウジング4の内部に配設される3つのパワーロータA、B、Cが、ドラムロータ5の回転に同期して、静止公転運動(作動)することにより、一対の作動室Ra、Rbのいずれにも、膨張空間Dと圧縮空間Eとを、常に、併存させることから、一対の作動室Ra、Rb同士を連通する一対の熱交換器8a、8bを設け、パワーロータ6の先導側に生起する全容量が最小となる180°で対向する吐出空間Hと連通する一対の加熱器7a、7bを備えることで、一方(他方)の作動室Ra(Rb)から他方(一方)の作動室Rb(Ra)に流動する作動ガスを熱交換しながら、高温の作動ガスの容量を増大させる状態で、膨張空間Dの全容量を交互に6回増大させることができる。これにより、1つのパワーロータAが、出力軸55一回転中に、2回のスターリングサイクルを構成することから、他の2つのパワーロータB、Cにおいても、同様に、繰り返えすことができる。以上のように、本実施形態によれば、都合6回ものスターリングサイクルの多サイクル化が実現されるものである。
尚、上記親歯車91や3つの遊星歯車92又は孫歯車93は、筒内に封入された作動ガスに曝されるために、無給油潤滑方式で歯合されることが望ましく、焼結結晶材料である部分安定化ジルコニア(ZrO2 )を用いて、全ての歯車の表面がセラミックコーティングされた構造とする。また、金属材料へのコーティングにはプラズマ溶射が使用され、コー ティングの厚さは0.3mm乃至0.4mm程度である。このジルコニアセラミックスは、4価のジ ルコニウムイオンと酸素イオンとから成るイオン性結晶であり、熱伝導率が低く、耐熱性 と耐食性が高く、高強度が確保され、イオン伝導性等の多くの機能を有している。
パワーロータの原理で説明したように、図6においては、7a、7bはパワーロータ6の先導側に生起する全容量が最小と成る180°で対向する吐出空間Hと連通する第1加熱器と第2加熱器である。この第1加熱器7aについて、説明する。内面がΩ字形をした筒状の第1外郭壁711aと、この第1外郭壁711aの両側に接合する一側第1側面壁712aと他側第1側面壁713aとから形成され、その内部に第1外郭壁711aの一端が開口する第1加熱通路72aを設けた第1加熱室716aが形成される。この第1加熱室716aは、一側第1側面壁712aと他側第1側面壁713aとの中央部から内方向に夫々突出するすり鉢状の一側第1加熱ドーム761aと他側第1加熱ドーム762aとが向かい合わされ、その向かい合う合間に形成される空間であって、第1外郭壁711aの内面の沿って、また、一側第1側面壁712aと他側第1側面壁713aの双方の内面から挟み付けられて、並列4条7段列に組み付けられた第1熱交換器8a中の第1再生器85aが内装されている。尚、上記の第2加熱器7bにおいては、上記第1加熱器7aと対象関係に設けられており、実施形態の各構成部材と実質的に同一であるため、同一部材や同一機能を有する構造の符号については、同一数値の末尾にbの符号を付してその説明を省略する。
上記の一側第1加熱ドーム761aについて、説明する。ドームの開口部に、下述する燃焼加熱装置が装備される一側第1燃焼室蓋714aが嵌合し、その内側に、すり鉢状の一側第1燃焼室771aが形成されている。この一側第1燃焼室771aは、装備される燃焼加熱装置から放たれる火炎ならびに循環する高温燃焼気流からの対流伝熱により、加熱される。しかも、雰囲気温度と液滴表面温度とが平衡に達するまで加熱されるように、一側第1燃焼室蓋714aには風箱が設けられ、耐火材で形成された一側第1バーナタイル775aが内装され、この一側第1バーナタイル775aに、排煙を外部に排出する一側第1排気管773aの上流部が外巻き付け式に配管されて、風箱に導入される空気に対して、排煙熱が間接接触式に加熱する。しかも、その空気導入端に、燃料噴霧や昇温した空気噴流の速度分布及び流れのパターンを整え、噴霧流と空気流の適合が図られる一側第1保炎器818aが取付けられている。尚、上記の他側第1加熱ドーム762aにおいて は、上記一側第1加熱ドーム761aと対象関係に設けられており、実施形態の各構成部材と実質的に同一であるため、同一部材や同一機能を有する構造の符号については、別の数値を付して、その説明を省略する。
上記の燃焼加熱装置について、説明する。嵌合する一側第1燃焼室蓋714aに装備され、主に、液体燃料を一側第1燃焼室771aの内部に噴霧する一側第1燃料噴射弁783a、燃焼負荷に応じて燃料供給量を調節する図示しない燃料供給装置及び燃料供給量に見合うように空気量を調節する制御装置、その近傍に火花放電により噴霧燃料への点火が行われる一側第1バーナ785a、燃焼用の空気を導入するためのブロワーが介設された一側第1吸気管781aと排煙のための一側第1排気管773aとにより構成される通風装置、運転の安全性を保つための図示しない安全制御装置から構成されるものである。このように、本請求は、特許請求の範囲として、液体燃料を使用する「燃焼加熱装置」を記載しましたが、気体燃料や固体燃料の使用の他、バイオマスから得られるエネルギーの利用、太陽光や廃熱又は冷熱の利用による動力変換は、省エネルギー効果が高い。尚、上記の一側第1燃料噴射弁783a、燃料供給装置、制御装置、一側第1バーナ785a、通風装置、安全制御装置については、既存の製品を使用するため、その説明を省略する。
上記の第1加熱通路72aについて、説明する。第1外郭壁711aの一端に開口する作動ガスが流出入する通路であって、ロータハウジング4の内外を貫通して開口する第1加熱開口43aと接合するように、筒状の内周面42に対し、垂直方向に開口され、4つのコーナーに開口部の中心に向かって平行する萎れる丸みが夫々設けられ、内部に形成する第1加熱室716aに繋がっている。この折箱の内面状に開口する第1加熱通路72aには、放射、伝導、対流により、間接的に被加熱物を加熱する間接抵抗加熱式であって、抵抗発熱体として、非金属の固有抵抗を利用した棒状の第1抵抗発熱体75aが、内周面42に平行して、千鳥式に配設され、圧縮空間Eで生成された高密度の作動ガスが、流入する際に、間接接触式に且つ放射伝熱式に加熱される。
以下、上記構成の動作を説明する。本発明の第1加熱器7aは、圧縮空間Eで生成され た高密度の作動ガスが、第1加熱通路72aに配設された第1抵抗発熱体75aから、間 接接触式に且つ放射伝熱式に加熱され、装備された燃焼加熱装置から放たれる火炎ならびに循環する高温燃焼気流からの対流伝熱により、加熱されている一側第1加熱ドーム761aと他側第1加熱ドーム762aの両外壁面から、また、その内部に内装される第1熱交換器8a中の第1再生器85aとから、間接接触式に且つ放射伝熱式に加熱され、更に、循環する高温加熱気流からの対流伝熱により、複合加熱される。以上のように、本実施形態によればスターリングサイクルの多サイクル化に対応するものである。
上記の第1抵抗発熱体75aについて、説明する。既存の製品から選ばれ、炭化けい素(SiC)質の非金属発熱体であり、その形状は棒状を使用し、起動時においても通電され、流入する作動ガスに対し、常に、加熱状態に置かれている。この第1抵抗発熱体75aは金属発熱体と比べて耐熱性が高いので、高温度域で使用する。現在、非金属発熱体と して使用されている主なものは、炭化けい素(SiC)質、二けい化モリブデン(MoSi2 )質、ランタンクロマイト(LaCrO3)質及び炭素(グラファイト)質がある。また、形状は、棒、プレート、チューブ、スパイラル、U形及びW形(三相)等があり、種類によりその性能に幅があるので、使用時の加熱条件、炉内雰囲気により使い分けることにする。尚、上記第1加熱器7aや第2加熱器7bは、その全体がセラミックス素材で形成される。又は、ニッケル系耐熱鋼で形成の場合、各構成部材の内面や外面にセラミックコーティングが施される。このセラミック材料については、Si3 N4 が用いられる。
10.以下、熱交換器について、詳細な構成を説明する。
パワーロータの作用で説明したように、上記の一対の熱交換器8a、8bは、図1、6、12・A、B、13・Bに示すように、一対の作動室Ra、Rb同士を連通する第1熱交換器8aと第2熱交換器8bとを有している。この第1熱交換器8aは、熱交換を行うための作動ガスの循環口が、一方の作動室Raの中央に面して第1循環開口44aが開口され、他方の作動室Rbの中央に面して第2循環開口44bが開口されており、その双方に接続されて設けられている。従い、第1循環開口44aが膨張空間Dに開口すると、膨張空間Dの高温の作動ガスは、第1循環開口44aを通して、一方向流に第1循環洞道84aを流通し、第1加熱器7aに内装の第1再生器85aに導入され、第1冷却器86cに流入して、熱交換の後、低温の作動ガスが、第2循環開口44bから、他方の作動室R bに生起した圧縮空間Eの従動側に供給されるものである。尚、上記の第2熱交換器8bにおいては、上記第1熱交換器8aと対象関係に設けられており、実施形態の各構成部材と実質的に同一であるため、同一部材や同一機能を有する構造の符号については、同一数値の末尾にbの符号を付してその説明を省略する。
上記の第1循環開口44aについて、説明する。図12・Aに示すように、一方の作動室Raの中央に面して開口され、ロータハウジング4の肉厚部分に設けられている。この第1循環開口44aに連通する作動ガスが供給される第2供給管87bの管端の延長方向に、内装されている第1連通管83aの管口と向かい合っている。この第2供給管87bと第1連通管83aとは同径であり、この向かい合う合間に形成される空間に、第1方向制御弁821aが内蔵されている。しかも、この第1連通管83aは、その途中から曲げ られ、ロータハウジング4の内周面に沿って、肉厚部分に形成される第1循環洞道84aに繋がっている。また、第2供給管87bと第1連通管83aとが向かい合う状況は、第1連通管83aより大径の第1循環開口44aが、第2供給管87bの方向に向かって縮小する第1錐形テーパ壁88aが形成され、この第1錐形テーパ壁88aの縮小端と第2供給管87bの管端とが接合されている。図12・Aには、上記第1循環開口44aが、短軸Xに対し、平行な水平断面図が示され、図12・Bには、第1循環開口44aが、短軸Xに対し、直交な垂直断面図が示されている。
上記の第1方向制御弁821aについて、説明する。球体状であって、作動ガスの流向の制限が容易に行われるように、赤道部に外側が縮小するテーパ形状の第1フランジ822aが突設されており、この第1フランジ822aは、第1連通管83aより大径の第1循環開口44aが、第2供給管87aの方向に向かって縮小する第1錐形テーパ壁88a面と重なり合うように設けられている。この第1方向制御弁821aは、一方の作動室Raに生起している膨張空間Dの高温の作動ガスが、第1循環開口44aを通して、第1熱交換器8aに導入される形態と、或は、第2熱交換器8bの第2供給管87bを通して、低温の作動ガスが、第1循環開口44aから、一方の作動室Raに生起した圧縮空間Eに供給される形態とに、相対する作動空間間の圧力差に応じて、上記の経路を選択するもの
である。
上記の第1熱交換器8aの形状は、第1循環開口44aが、一方の作動室Raに生起している膨張空間Dに開口している時、その空間の圧力は第2供給管87b側の圧力よりも高い。これにより、第1方向制御弁821aは、第2供給管87bの管端側に移動して、その管端に当座し、第2供給管87bを閉塞する。この結果、第1連通管83aの管口は開放状態となり、膨張空間Dの高温の作動ガスは、第1循環開口44aを通して、開放した第1連通管83aの管口から、第1熱交換器8aの第1循環洞道84aに流入する。この時の高温の作動ガスは、閉塞された第2供給管87b側に流れることはない。さらに、上記第1循環洞道84aを流通した作動ガスは、第1加熱器7aに内装の第1再生器85aに導入され、第1冷却器86aに流入して、熱交換の後、他方の作動室Rbに生起した圧縮空間Eの内部圧力は第1供給管87a側の圧力よりも低いことから、低温の作動ガスは、第2方向制御弁821bを第2連通管83bの管口側に移動させて、その管口に当座させ、第2連通管83bを閉塞する。この結果、第1供給管87aの管端は開放状態となり、開放された第1供給管87aの管端を経て、第2循環開口44bから、他方の作動室Rbに生起した圧縮空間Eに供給される。この時の低温の作動ガスは、閉塞された第2連通管83b側に流れることはない。
上記の第1循環洞道84aについて、説明する。第1循環開口44aと第1加熱器7aの第1外郭壁711aに開孔する第1流入孔73a口とを連通するように、ロータハウジング4の内周面42に沿って、曲り中空状に設けた空洞部が、ロータハウジング4の肉厚部分に形成されている。この第1循環洞道84aは、第1循環開口44aが生起している膨張空間Dに開口している時、この第1循環開口44aを通して流入した高温の作動ガスが、第1加熱器7aにおいて、高温の作動ガスが保有する熱量(エンタルピー)を放熱させるための、作動ガスを流通させる通路である。
上記の第1再生器85aについて、説明する。図11には、最下段列のみの詳細が示され、従来の冷・暖房機の熱交換器と同様に、並列4条に配列されたΩ字状に形成する第1放熱パイプ列851aが、扇子状に形成する第1放熱フィン列852aの波板状千鳥屈曲部に設けた第1嵌め込み溝853に、重複式に挿入されて7段列に組み付けられている。図6に示すように、並列4条7段列の第1再生器85aは、第1加熱器7aの第1外郭壁711aの内面に沿って、また、第1外郭壁711aの両側に接合する一側第1側面壁712aと他側第1側面壁713aの双方から挟み付けられて内装されている。この第1放熱パイプ列851aの集合管口7段が、第1外郭壁711aに開孔する第1流入孔73a端に夫々連通し、第1放熱パイプ列851aの集合管端7段が、第1外郭壁711aに開孔する第1流出孔74a口に夫々連通している。従って、一方向流に第1放熱パイプ列851a群中に導入された高温の作動ガスの熱量(エンタルピー)が、第1加熱室716a内に放射伝熱されるとともに、第1放熱パイプ列851a群の表面と、伝熱された第1放熱フィン列852a群の表面とから、高密度の作動ガスに、間接接触式に加熱するものである。この第1再生器85aは、第1嵌め込み溝853aに挿入式で組み付けられることにより、第1放熱パイプ列851aの増設が容易であり、ろう付け等の特殊技能を必要とせず、性能向上と耐久性とを高め、省力化を図ることができる。尚、上記第1放熱パイプ列851a群は、その管内に図示しない蓄熱材(マトリックス)が充填され、導入される高温の作動ガスが保有する熱量が蓄熱材に与えられている。
以下、上記構成の動作を説明する。本発明の第1熱交換器8aは、第1循環開口44aが一方の作動室Raの膨張空間Dに開口している時、高温の作動ガスは、第1循環開口44aを通して、第1熱交換器8aに導入され、熱交換の後、低温の作動ガスが、第2循環開口44bから、他方の作動室Rbに生起した圧縮空間Eの従動側に供給される。このタイミングは、膨張空間Dを引き継いだ圧縮空間E内に介在する減圧状態の高温の作動ガスからの混入が抑えられることから、流体の密度を大きく低下させることなく、圧縮が加えられるものである。また、作動ガスが、一方の作動室Raに生起している膨張空間Dから他方の作動室Rbに生起した圧縮空間Eに向かって、一方向流に第1熱交換器8a内を流動することから、高温の作動ガスが有するエネルギーの有効利用が図られ、流体移動に係わるエネルギーの負担が不要となって、流体同士の摩擦抵抗も小さく、高速流通が可能と成り、高速回転を実現させることができる。以上のように、本実施形態によれば気筒当りの出力の向上に加え、高速トルクをも良好にするものである。
上記の第1冷却器86aについて、説明する。この第1冷却器86aは、既存の製品が 使用され、耐圧容器構造であり、液−凝縮する流体の熱交換に用いられる多管円筒形(シェル・アンド・チューブ形)熱交換器が使用される。取扱う流体の種類、性状、圧力や温度、汚れの度合い、胴と伝熱管の熱膨張差の度合、これらの複合条件及びその他の条件を考慮して選定する。因みに、各種構造は、もっとも標準的なもので、遊動頭形熱交換器、U字管形熱交換器、固定管板形熱交換器、ケルト形熱交換器等がある。
パワーロータの原理で説明したように、上記の一対の出力制御装置11a、11bは、一対の作動室Ra、Rbに夫々生起した圧縮空間E内に介在する作動ガス圧力を所定の範囲内に連係調節する一次側出力制御装置11aと二次側出力制御装置11bとを備えている。この一次側出力制御装置11aについて、説明する。図1、5、7に示すように、上流端が、一方の作動室Raに生起した圧縮空間Eに臨んで、側壁一側41a及び他側41bとの内外を貫通して開孔する一次吸引孔121aと一次補助吸引孔122aとに接続され、下流端が、遅れ位相側に生起し転移する閉じた変転空間Fに臨んで、側壁一側41aの内外を貫通して開孔する一次排出孔13aに接続されている。この一次吸引孔121aと一次補助吸引孔122aとが開孔される位置は、第1循環開口44aが開口する回転角θ=90°と第2加熱開口43bが開口する回転角θ=180°の中間付近の回転角θ=125°の位置に設けられ、一次排出孔13aが開孔される位置は、一次吸引孔121aが開孔する回転角θ=125°より、時計回転方向に15°程度進んだ回転角θ=140°付近に設けられている。尚、上記の二次側出力制御装置11bにおいては、上記一次側出力制御装置11aと対象関係に設けられており、実施形態の各構成部材と実質的に同一であるため、同一部材や同一機能を有する構造の符号については、同一数値の末尾にbの符号を付して、その説明を省略する。
また、上記の一次側出力制御装置11aは、一次側送風機14aと一次側ガス流量調整弁15a及び第3冷却器86cとが配設されており、一方の作動室Raに生起した圧縮空間Eと遅れ位相側に生起し転移する閉じた変転空間Fとが連通され、出力増大要求時に、圧縮空間E内に介在する作動ガス圧力を所定の高圧側に調節せしめ、又は、出力減少要求時に、圧縮空間e内に介在する作動ガス圧力を所定の低圧側に調節せしめ、熱交換の後、低温の作動ガスが、ドラムロータ5の一側側面板51aに開孔する楕円形の導入孔58を介して、下流端が連通する一次排出孔13aと遅れ位相側に生起し転移する閉じた変転空間Fとが回転軌跡上で重なり相通する期間、すなわち、遅れ位相側に生起されようとする時期から生起初期の時期までの期間内の変転空間Fに排出される。
次に、上記一次側出力制御装置11aの作用を説明する。図3の状態図に示すように、一方の作動室Raを作動するパワーロータAは、30°≦θ≦150°の期間に、高温の作動ガスを、生起した圧縮空間E内から調節し、熱交換の後、低温の作動ガスが、120°≦θ≦160°の期間に、遅れ位相側に生起されようとする時期から生起初期の時期までの期間内の変転空間Fに排出される。これより、位相差が120°遅れたパワーロータBは、150°≦θ≦270°の期間に、高温の作動ガスを、生起した圧縮空間E内から調節し、熱交換の後、低温の作動ガスが、240°≦θ≦280°の期間に、遅れ位相側に生起されようとする時期から生起初期の時期までの期間内の変転空間Fに排出される。これよりさらに、位相差が120°遅れたパワーロータCは、270°≦θ≦30°の期間に、高温の作動ガスを、生起した圧縮空間E内から調節し、熱交換の後、低温の作動ガスが、0°≦θ≦40°の期間に、遅れ位相側に生起されようとする時期から生起初期の時期までの期間内の変転空間Fに排出される。
上記の一次側ガス流量調整弁15aについて、説明する。既存の製品が使用され、圧力補償機能により、入口圧力・出口圧力の変化にかかわりなく、流量を所定の値に保持することができる流量調整弁が用いられる。この一次側ガス流量調整弁15a体に、図示しない一次側絞り弁が取付けられ、二次側ガス流量調整弁15b体に取付けられた二次側絞り弁と連係調整するよう、図示しないコントロールユニットからの信号に従って、流量を所定の値に連係保持させている。また、入口と出口との圧力差の変化を補償する定差圧減圧弁が組み合わせてある。これにより、流体の密度が一定の時に、絞り前後の圧力差が一定に保たれ、一定の流量が補償されるものである。尚、上記の一次側ガス流量調整弁15aと同様に、上記一次側送風機14aは、出力が電磁弁によるデューティ比制御により制御される既存の製品が使用され、上記第3冷却器86cについても、既存の遊動頭形(シェル・アンド・チューブ形)熱交換器が使用されることから、その説明を省略する。
以下、上記構成の動作を説明する。本発明の一次側出力制御装置11aは、一方の作動室Raに生起した圧縮空間E内に介在する高温の作動ガスが、圧縮行程初期に、パワーロータ6の従動側に、第2熱交換器8bから低温の作動ガスが供給され、さらに、転移する閉じた変転空間Fから低温の作動ガスが偏在される。この供給と偏在された低温の作動ガスに、圧縮行程終盤に高温の作動ガスが混入状態となることから、混在する前に、圧縮空間E内に介在する高温の作動ガスから調節されている。これにより、低温の作動ガスへの混入が抑制され、圧縮空間E内の流体の密度を大きく低下させることなく、第2加熱器7bが加熱する流体の総重量が直前に調整される出力の高速制御を実現させるものである。また、一次側出力制御装置11aは、調節された低温の作動ガスが、遅れ位相側に生起されようとするタイミングの変転空間Fに排出が開始されており、この排出の期間は、生起初期の時期にも継続され、囲い込まれている高温の作動ガスにポンプ作用が加わり、変転空間Fのトレーリング部分からドラムロータ5に設けたバイパス路57を通して、同位相側に生起している圧縮空間Eに高温の作動ガスから排除され、転移する閉じた変転空間Fに低温の作動ガスが充填される。これにより、偏在先の圧縮空間E内の流体密度を低下させないという効果を発揮するものである。以上のように、本実施形態によれば出力の高速制御が実現されるものである。
本発明は、スターリングエンジンであり、冷凍機・ヒートポンプや気体燃料エンジン又はウィルミエ機関に対しても、本発明は適用可能であるのはもちろんである。
1…ロータリー式スターリングエンジン
X,Y…ロータハウジングの短軸、長軸
Ra,Rb…一方の,他方の作動室
D,E,F,H…膨張空間、圧縮空間、変転空間、吐出空間
Q…パワーロータ作動機構
4…ロータハウジング
41a,41b…側壁一側、側壁他側
43a,43b…第1、第2加熱開口
44a,44b…第1、第2循環開口
5…ドラムロータ
53…直溝
6…パワーロータ(A,B,C)
7a,7b…第1、第2加熱器
8a,8b…第1、第2熱交換器
85a、85b…第1、第2再生器
86a、86b…第1、第2冷却器
11a,11b…一次側、二次側出力制御装置
14a、14b…一次側、二次側送風機
15a、15b…一次側、二次側ガス流量調整弁
86c、86d…第3、第4冷却器

Claims (6)

  1. 内周面が米俵形に形成される筒状のロータハウジングとその両壁部に位置する側壁とで構成された気筒と、この気筒の中央で回転可能に支持され、円柱曲面に軸芯に平行して湾窟状に切欠いた直溝と、この直溝から反時計回転方向に向かう上記円柱曲面に至るバイパス路とが設けられた円柱体であって、この円柱体の両側面に側面板が接合するドラムロータと、該ドラムロータの該直溝に、回転及び摺動可能に配設され、該直溝の軸芯に平行な支持軸を有した角柱体であって、その支持軸が係合する軸穴に向かって平行に相対する窪んだ一対の湾曲側面と、この一対の湾曲側面を両端で接続する一対の短直側面とから形成され、該ドラムロータの回転に同期して、その姿勢が規制され、該側壁及び該側面板の内面との間に形成する隙間にサイドシールを介在させ、上記接続する4つの交点に付勢されたアペックスシールが、該直溝の内面と該ロータハウジングの内周面の双方に繰り替え摺動接触するパワーロータと、このパワーロータの作動に伴って、該気筒と該ドラムロータとの間に形成され、流動する作動ガスが流出入する一対の作動室と、該直溝及び該パワーロータは、該ドラムロータに三等分割方向に配設され、120°の位相差が保たれて、3つのパワーロータの姿勢を、常に、規制するパワーロータ作動機構とで構成されたロータリー式のスターリングサイクル機構と、
    内面がΩ字形をした筒状の外郭壁とこの外郭壁の両側に接合する側面壁とで形成され、該パワーロータの先導側に生起する全容量が最小と成る180°で対向する吐出空間と連通する一対の加熱器と
    該一対の加熱器の夫々に、該側面壁の中央部に形成され内方向に夫々突出する一対の加熱ドームと、内部に設けられ作動ガスが流出入する加熱通路及び高密度の作動ガスを加熱し、又は、吐出する加熱室と
    該一対の作動室同士を連通する一対の熱交換器と、
    該一対の熱交換器中に夫々配設される該加熱器に内装の再生器と冷却器と、
    該一対の作動室に夫々生起した圧縮空間内に介在する作動ガス圧力を所定の範囲内に連係調節する一対の出力制御装置と、
    該一対の出力制御装置中に夫々配設される送風機とガス流量調整弁及び冷却器とを具備したことを特徴とするロータリー式スターリングエンジン。
  2. 請求項1に記載されたロータリー式スターリングエンジンにおいて、
    該一対の加熱器は、内部に3つのパワーロータが配設されるロータハウジングの短軸方向両端に夫々接続され、該ロータハウジングの内外を貫通して開口する一対の加熱開口を介して、上記パワーロータの先導側に生起する全容量が最小と成る180°で対向する吐出空間と連通する第1加熱器と第2加熱器とを有し、
    該第1加熱器は、他方の作動室の圧縮空間で生成された高密度の作動ガスを加熱し、又は、吐出することにより、一方の作動室に膨張空間の全容量を増大させる手段であり
    該第2加熱器は、一方の作動室の圧縮空間で生成された高密度の作動ガスを加熱し、又は、吐出することにより、他方の作動室に膨張空間の全容量を増大させる手段であり
    双方に、該一対の加熱ドームを加熱する一対の燃焼加熱装置と作動ガスが流出入する該加熱通路に抵抗発熱体及び該加熱器に内装される前記熱交換器中の再生器とを夫々設けたことを特徴とするロータリー式スターリングエンジン。
  3. 請求項1に記載されたロータリー式スターリングエンジンにおいて、該一対の熱交換器は、内部に3つのパワーロータが配設されるロータハウジングの長軸方向両端側に、該ロータハウジングの内外を貫通して開口する第1循環開口と第2循環開口の双方に夫々接続され、一対の作動室同士を連通する第1熱交換器と第2熱交換器とを有し、該第1熱交換器は、作動ガスが、一方の作動室に生起している膨張空間から導入され、該第1循環開口を通り、熱交換の後、該第2循環開口から、他方の作動室に生起した圧縮空間に供給される形態と、該第2熱交換器は、作動ガスが、他方の作動室に生起している膨張空間から導入され、該第2循環開口を通り、熱交換の後、該第1循環開口から、一方の作動室に生起した圧縮空間に供給される形態とに制限する制御機構を夫々内蔵させたことを特徴とするロータリー式スターリングエンジン。
  4. 請求項3に記載されたロータリー式スターリングエンジンにおいて、
    該第1熱交換器は、一方の作動室に開口する第1循環開口と該第1加熱器に開孔する第1流入孔口とを連通する第1循環洞道と、該第1加熱器に内装され、第1流入孔端と第1流出孔口とを連通する第1再生器と、該第1流出孔端と第1冷却器の流体入口とを連通する第1送給管と、該第1冷却器の流体出口と他方の作動室に開口する第2循環開口とを連通する第1供給管とが配設され、該第2熱交換器は、他方の作動室に開口する該第2循環開口と該第2加熱器に開孔する第2流入孔口とを連通する第2循環洞道と、該第2加熱器に内装され、該第2流入孔端と第2流出孔口とを連通する第2再生器と、該第2流出孔端と第2冷却器の流体入口とを連通する第2送給管と、該第2冷却器の流体出口と一方の作動室に開口する該第1循環開口とを連通する第2供給管とが配設され、上記の制御機構は、上記経路を選択するように、該第1循環開口に内蔵され、作動ガスが、一方の作動室から該第2熱交換器への流通が遮断されて該第1熱交換器への流通が許容され、該第2熱交換器から該第1熱交換器への流通が遮断されて一方の作動室への流通が許容される第1方向制御弁と、該第2循環開口に内蔵され、作動ガスが、他方の作動室から該第1熱交換器への流通が遮断されて該第2熱交換器への流通が許容され、該第1熱交換器から該第2熱交換器への流通が遮断されて他方の作動室への流通が許容される第2方向制御弁とを設けたことを特徴とするロータリー式スターリングエンジン。
  5. 請求項1に記載されたロータリー式スターリングエンジンにおいて、
    該一対の出力制御装置は、流動する作動ガスが流出入する一対の作動室に夫々生起した圧縮空間と、上記ドラムロータに設けた該直溝の底面と直立して平行する一側側面板に開孔する楕円形の導入孔を介して、遅れ位相側に夫々生起し転移する閉じた変転空間とを連通する一次側出力制御装置と二次側出力制御装置とを有し、
    該一次側出力制御装置は、作動ガスを、一方の作動室に生起した圧縮空間内から調節し、又は、熱交換の後、遅れ位相側に生起されようとする時期から生起初期の時期までの期間内の変転空間に排出する手段であり、
    該二次側出力制御装置は、作動ガスを、他方の作動室に生起した圧縮空間内から調節し、又は、熱交換の後、遅れ位相側に生起されようとする時期から生起初期の時期までの期間内の変転空間に排出する手段であり、
    双方に、該一対の加熱器が加熱する流体の総重量を連係調節する調整機構を夫々設けたことを特徴とするロータリー式スターリングエンジン。
  6. 請求項5に記載されたロータリー式スターリングエンジンにおいて、
    該一次側出力制御装置は、一方の作動室の圧縮空間に臨んで、該側壁一側及び他側の内外を貫通して開孔する一次吸引孔と一次補助吸引孔とに連通する一次独立吸引管と一次独立補助吸引管とは下流で一つに集合する一次吸引管集合部に集合され、該一次吸引管集合部の出口と一次側送風機の流体入口とを連通する一次共通吸引管と、該一次側送風機の流体出口と一次側ガス流量調整弁の流体入口とを連通する一次配送管Aと、該一次側ガス流量調整弁の流体出口と第3冷却器の流体入口とを連通する一次配送管Bと、該第3冷却器の流体出口と遅れ位相側に生起し転移する閉じた変転空間に臨んで、該側壁一側の内外を貫通して開孔する一次排出孔とを連通する一次排出管とが配設され、
    該二次側出力制御装置は、他方の作動室の圧縮空間に臨んで、該側壁一側及び他側との内外を貫通して開孔する二次吸引孔とニ次補助吸引孔とに連通する二次独立吸引管と二次独立補助吸引管とは下流で一つに集合する二次吸引管集合部に集合され、該二次吸引管集合部の出口と二次側送風機の流体入口とを連通する二次共通吸引管と、該二次側送風機の流体出口と二次側ガス流量調整弁の流体入口とを連通する二次配送管Aと、該二次側ガス流量調整弁の流体出口と第4冷却器の流体入口とを連通する二次配送管Bと、該第4冷却器の流体出口と遅れ位相側に生起し転移する閉じた変転空間に臨んで、該側壁一側の内外を貫通して開孔する二次排出孔とを連通する二次排出管とが配設され、
    該調整機構は、該一次側ガス流量調整弁体に取付けられ、出力増大要求時に、一方の作動室に生起した圧縮空間内に介在する作動ガス圧力を所定の高圧側に調節し、出力減少要求時に、一方の作動室に生起した圧縮空間内に介在する作動ガス圧力を所定の低圧側に調節する一次側絞り弁と、該二次側ガス流量調整弁体に取付けられ、出力増大要求時に、他方の作動室に生起した圧縮空間内に介在する作動ガス圧力を所定の高圧側に調節し、出力減少要求時に、他方の作動室に生起した圧縮空間内に介在する作動ガス圧力を所定の低圧側に調節する二次側絞り弁とからなっており、双方に、入口と出口との圧力差の変化を補償する定差圧減圧弁が夫々組み合わされ、連係調節することを特徴とするロータリー式スターリングエンジン。
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