JP4915758B1 - 酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、金属酸化物5〜95重量部と、残部として白金95〜5重量部と、を含み、白金は、金属酸化物の粒子の少なくとも一部を網目状に覆う形態を有し、白金の網目を構成する線の平均線径が5nm以下である金属酸化物・白金複合触媒である。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属酸化物に白金触媒を担持させた酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒およびその製造方法に関する。
白金は、その加工性、耐熱性、耐酸化性、耐食性や電気化学特性から、装飾品だけでなく、回路接点材料、排ガス浄化用触媒、燃料電池電極用触媒、ガス改質用触媒、光触媒、太陽電池等の多種の工業用材料に利用されている。例えば、触媒として用いられる際、白金は、その目的に応じた支持体に、粒子状に担持される。また、白金は、高価な貴金属であるため、例えば触媒として利用効率を上げるべく直径1〜10nm程度のナノ粒子の形態で用いて、活性な表面積を増加することが試みられ、担体に関しても高比表面積であることが望まれている。
このように、白金ナノ粒子は各種担体に担持させて用いられ、用いる担体や担持手法によって、白金触媒の有用性は大きく変わる。例えば、燃料電池用の触媒では、担体は、集電能が高く比表面積の大きい炭素粒子を用いるのが一般的であり、ナノ粒子化した白金を高分散で担持させた電極材料が用いられている。また、光触媒においても、酸化チタン上に白金を担持することで、触媒活性の向上が認められている。
しかし、例えば、炭素担体は、長期の稼動、電池の負荷変動や起動停止よる電圧の繰り返しの振幅により、酸化腐食する。加えて、高分散に担持した白金ナノ粒子は、凝集の繰り返しにより、その形態を肥大化させて、活性表面積の縮小化および初期効率の大幅な低下を引き起こす。そのため、例えば、耐食性の金属酸化物であるチタニア、アルミナ(特許文献1を参照)、シリカ(特許文献2を参照)あるいはタングステン(特許文献3を参照)のナノ粒子を炭素に複合化して担体として用いる手法が提案されている。
特開2008−181696 特開2004−363056 特開2005−174869
しかし、上記の従来技術では、酸化物粒子は、担体の酸化腐食を抑制するが、担体として炭素が用いられている限り、担体の酸化腐食は生じてしまうという問題がある。また、炭素担体に代えて耐食性の金属酸化物を担体として用いると、金属酸化物の導電率は、炭素の導電率と比較して低いため、担体間におけるネットワークが形成しにくく、酸素還元用活性が低下するという問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、担体として炭素を用いずに、高い酸素還元活性を有する白金担持触媒を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者らが鋭意努力した結果、腐食耐性の極めて高い金属酸化物のナノ粒子を担体として用いると共に、白金粒子の担持法として一般的に行われている含浸法ではなく、スプレー法を用いることにより、高い酸素還元活性を有する酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒を製造することに成功した。また、その酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒は、炭素を用いないため、担体の酸化腐食を生じない。具体的には、本発明は、以下の通りである。
本発明に係る酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒の一実施形態は、金属酸化物5〜95重量部と、残部として白金95〜5重量部と、を含み、白金は、金属酸化物の粒子の少なくとも一部を網目状に覆う形態を有し、白金の網目を構成する線の平均線径が5nm以下である。
また、本発明の別の実施の形態においては、金属酸化物の表面に、フルオロ基含有化合物またはアルキル基含有化合物を吸着あるいは当該化合物と金属酸化物との反応物が生成しているのがより好ましい。
また、本発明の別の実施の形態においては、金属酸化物がシリカ、ジルコニアまたはセリアから選択される1または2以上の金属酸化物であるのがより好ましい。
また、本発明の別の実施の形態においては、水に対する平均接触角が15°以上の表面を有する酸素還元用金属酸化物・白金触媒であるのがより好ましい。
また、本発明に係る酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒の製造方法の一実施形態は、金属酸化物5〜95重量部を分散媒に分散する分散工程と、金属酸化物に対して残部となる白金95〜5重量部を含むように、エチレンジアミンを含む溶媒に塩化白金酸を溶解する溶解工程と、分散工程により得られた金属酸化物分散溶液と、溶解工程により得られた塩化白金酸溶液とを混合して原料溶液を調製する原料溶液調製工程と、60〜200℃に加熱した基材に、原料溶液を噴霧する噴霧工程と、基材から金属酸化物と白金とを含む金属酸化物・白金複合物を回収する回収工程と、回収した金属酸化物・白金複合物を還元雰囲気下にて、噴霧工程時の基材の温度以上300℃以下の温度にて焼成する焼成工程と、を含む。
また、本発明の別の実施の形態においては、回収工程の後に、アルキルシラン化合物若しくはアルコキシシラン化合物を表面に吸着あるいは当該化合物と前記金属酸化物との反応物を生成させる疎水化工程を有するのがより好ましい。
また、本発明の別の実施の形態においては、疎水化工程では、フルオロ基含有またはアルキル基含有のアルキルシラン化合物若しくはアルコキシシラン化合物を用いるのがより好ましい。アルキルシラン化合物若しくはアルコキシシラン化合物は塩素若しくは窒素を含むものが好ましい。
上記の酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒は、酸素還元活性に優れており、その劣化耐性も非常に優れた材料であり、従来の含浸法で調製される触媒に比して、とりわけ、白金重量あたりの酸素還元活性が高い。特に、サイクリックボルタンメトリーにより得られる好適な酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒のボルタモグラムは、アノード、カソード電流共に0〜0.4V(vs.RHE)間で特異な形状(2本のピークを有する形状)を示すような材料である。
また、本発明の酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒の製造方法の噴霧工程により、白金触媒が金属酸化物において網目状に連接した状態で分散した形態を実現でき、もって、白金触媒の利用率を高め、また、その回収率の向上、プロセスコストの低減をも実現できる。
本発明によれば、担体として炭素を用いずに、高い酸素還元活性を有する白金担持触媒を提供できる。
本発明の実施の形態に係る金属酸化物・白金複合触媒の形態を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態に係る金属酸化物・白金複合触媒の製造方法を示すフローチャートである。 実施例1および実施例2のシリカ白金複合触媒の製造方法の流れを示すフローチャートである。 実施例2の条件で調製したシリカ白金複合触媒の倍率を変えたTEM写真である。 実施例2の条件で調製したシリカ白金複合触媒の白金鎖の線径分布を示すグラフである。 実施例1および実施例2の条件で調製した各シリカ白金複合触媒のCV評価結果を示すグラフである。 実施例1および実施例2の条件で調製した各シリカ白金複合触媒のLSV評価結果を示すグラフである。 比較例1の条件で調製した各シリカ白金複合触媒のCV評価結果を示すグラフである。 比較例1の条件で調製した各シリカ白金複合触媒のLSV評価結果を示すグラフである。 比較例2および比較例3のシリカ白金複合触媒の製造方法の流れを示すフローチャートである。 比較例3の条件で調製したシリカ白金複合触媒の倍率を変えたTEM写真である。 比較例3の条件で調製したシリカ白金複合触媒の白金鎖の線径分布を示すグラフである。 比較例2および比較例3の条件で調製した各シリカ白金複合触媒のCV評価結果を示すグラフである。 比較例2および比較例3の条件で調製した各シリカ白金複合触媒のLSV評価結果を示すグラフである。 実施例3〜5のシリカ白金複合触媒の製造方法の流れを示すフローチャートである。 実施例3の条件で調製したシリカ白金複合触媒の倍率を変えたTEM写真である。 実施例3の条件で調製したシリカ白金複合触媒の白金鎖の線径分布を示すグラフである。 実施例4の条件で調製したシリカ白金複合触媒の倍率を変えたTEM写真である。 実施例4の条件で調製したシリカ白金複合触媒の白金鎖の線径分布を示すグラフである。 実施例5の条件で調製したシリカ白金複合触媒の倍率を変えたTEM写真である。 実施例5の条件で調製したシリカ白金複合触媒の白金鎖の線径分布を示すグラフである。 実施例3〜5の条件で調製した各シリカ白金複合触媒のCV評価結果を示すグラフである。 実施例3〜5の条件で調製した各シリカ白金複合触媒のLSV評価結果を示すグラフである。 図24は、実施例6〜9のシリカ白金複合触媒の製造方法の流れを示すフローチャートである。 図25は、実施例6〜9の各条件で調製した各シリカ白金複合触媒のCV評価結果を示すグラフである。 図26は、実施例6〜9の各条件で調製した各シリカ白金複合触媒のLSV評価結果を示すグラフである。 図27は、実施例8のCV波形を示す。 図28は、実施例8の触媒を用いて回転電極によりLSV測定を行った場合に、リング電極にて検出した電流値を、評価した触媒重量に応じて測定した結果を示す。 図29は、実施例8の触媒を用いて回転電極によりLSV測定を行った場合に、ディスク電極にて検出した電流値を、評価した触媒重量に応じて測定した結果を示す。 図30は、実施例2のCV波形を示す。 図31は、実施例2の触媒を用いて回転電極によりLSV測定を行った場合に、リング電極にて検出した電流値を、評価した触媒重量に応じて測定した結果を示す。 図32は、実施例2の触媒を用いて回転電極によりLSV測定を行った場合に、ディスク電極にて検出した電流値を、評価した触媒重量に応じて測定した結果を示す。 図33は、実施例8、実施例2および市販のPt/C触媒の電極上の白金重量と電流値(i/mA)との関係を、それぞれ示す。 図34は、実施例10および比較例4の各条件で調製した各ジルコニア白金複合触媒のCV評価結果を示すグラフである。 図35は、実施例10および比較例4の各条件で調製した各ジルコニア白金複合触媒のLSV評価結果を示すグラフである。
次に、本発明の酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒およびその製造方法の各実施の形態について説明する。なお、以後、特に言及しない限り、酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒を、単に、「金属酸化物・白金複合触媒」と称する。
1.金属酸化物・白金複合触媒
図1は、本発明の実施の形態に係る金属酸化物・白金複合触媒1の形態を説明するための説明図である。
金属酸化物・白金複合触媒1は、担体としての金属酸化物2の少なくとも一部を覆うように白金3が担持された形態を有する触媒である。白金3は、金属酸化物2に網目状に担持されている。本実施の形態においては、白金3の一部は、鎖状であり、1つの金属酸化物2の上で複数の分岐を有する。また、白金3の網目状につながるネットワークは、2以上の金属酸化物2を繋ぐように形成されている。
また、白金3の網目を構成する線の好適な平均線径は、5nm以下である。本明細書において、白金3の平均線径とは、透過型顕微鏡により観察された写真(以後、TEM写真という。)により、白金が重なっている部分(TEM写真のうち、他の白金部分よりも濃い黒にて写っている部分)および分岐部分を除き、無作為に120箇所を選び、図1のrで示す線径を計測した平均値を意味する。
1.1 金属酸化物
金属酸化物2は、好適には、平均粒子径1〜1000nmの粒状物である。特に、その平均粒子径は、10〜500nmの範囲が好ましく、さらには20〜300nmが好ましい。ここで、金属酸化物の平均粒子径は、TEM写真により、500個の粒子直径を計測した平均値を意味する。金属酸化物の金属としては、Li、Al、Si、P、B、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Nb、Mo、Ru、Pb、Ag、Cd、In、Sn、Sb、W、Ce等を例示することができる。金属酸化物は、例えば、MxOz、AxMyOz、Mx(DO4)y、AxMy(DO4)z(ここで、M:金属元素、A:アルカリ金属又はランタノイド元素、D:Be,B,Si,P,Ge等)で表される酸化物であり、これらの固溶体とすることもできる。金属酸化物としては、カーボンよりも絶縁性に優れるものが好ましく、その中でもシリカ、ジルコニア、セリア、チタニア、酸化スズを好適に用いることができ、さらにその中でも、シリカ、ジルコニア、セリアをより好適に用いることができる。金属酸化物としてシリカを用いる場合には、特に、コロイダルシリカを好適に用いることができる。金属酸化物としてジルコニア、セリア、チタニア、酸化スズを用いる場合には、特に、これらの微粒子の分散液を好適に用いることができる。
1.2 白金
白金3は、好適には、活性比表面積2〜60m/gの網目状に連接した形態を有する。ここで、白金3の「活性比表面積(ECSA)」は、CVにおける水素脱離波から算出できる。具体的には、電圧値を0〜0.4VvsRHEの範囲にて正の方向へ掃引している間に、水素が脱離していると考えられるので、この面積(積分値)を水素の単分子吸着層脱離に要する電荷量Q(μC)とし、白金単位面積当たりにおける吸着水素の電荷量を210(μC/cm)として、Q/(210×白金担持量)から白金の活性比表面性を求めることができる。白金は、2〜60m/gの活性比表面積を有し、かつ結晶性が高いのが好ましい。
金属酸化物・白金複合触媒1中に占める白金3の重量は、5〜95wt%の範囲であり、製造コストの面からは、できるだけ少ないほうが好ましい。ただし、白金3の担持量は、その触媒としての酸素還元活性が高いこと、白金同士が接触してネットワークを形成することも要件とするため、白金3の担持量は、これら要件を満たした上でできるだけ少ないのが好ましい。金属酸化物2の平均粒子径が大きいほど、白金3の担持量が少量であっても、触媒として高い酸素還元活性を有する傾向がある。
1.3 金属酸化物・白金複合触媒の疎水性
金属酸化物・白金複合触媒1は、疎水性であるのがより好ましい。疎水化の度合いは、たとえば、金属酸化物・白金複合触媒1を錠剤成形機にて厚さ約1mm、直径約1cmの固形タブレットに成型し、イオン交換蒸留水2μlを用いて、接触角測定装置により測定した接触角により測定できる。金属酸化物・白金複合触媒1は、かかる方法で測定された接触角が15°以上であるのが好ましく、30°以上であるのがより好ましい。一般的に、金属酸化物2は、親水性であるため、その表面に吸着水が存在することがあるが、金属酸化物・白金複合触媒1を疎水性とすることにより、燃料電池用に金属酸化物・白金複合触媒1を用いる場合、燃料である酸素ガスの白金表面への拡散が、吸着水により妨げられにくい。金属酸化物・白金複合触媒1を疎水化するためには、シランカップリング剤、たとえば、アルキルシラン化合物あるいはアルコキシシラン化合物を用い、それを金属酸化物・白金複合触媒1の表面に吸着させるのが好ましい。特に、フルオロ基含有あるいはアルキル基含有のアルキルシラン化合物若しくはアルコキシシラン化合物が金属酸化物・白金複合触媒1の表面に吸着されているのが好ましい。また、吸着以外に、上記シランカップリング剤と金属酸化物との反応物が存在することで疎水化を実現しても良い。
上述の構成を有する金属酸化物・白金複合触媒1を用いることで、炭素を含まない触媒を実現できる。したがって、上述の金属酸化物・白金複合触媒1では、担体が酸化腐食しない。また、炭素間により導電性ネットワークを構築しなくても、白金3が網目状に金属酸化物2の粒子間を連結しているため、白金3が導電性のネットワークを構築できる。さらに、白金鎖の平均線径は、5nm以下と非常に細いため、高価な白金を効率よく用いることができる。したがって、上述の金属酸化物・白金複合触媒1は、高い酸素還元活性を有する。
さらに、上述の金属酸化物・白金複合触媒1の表面は、水に対する接触角が15°以上の場合には、その表面に吸着水が存在しにくい。上述の金属酸化物・白金複合触媒1は、吸着水により燃料ガスの拡散が妨げられることが少ないため、高い酸素還元活性を有する。
1.4 酸素還元活性能
酸素還元反応とは、O+4H+4e→6HOで示される反応であり、この反応が遅いことにより活性化過電圧を生じているとされる。したがって、酸素還元反応に対する活性能に優れている電極材料を用いれば、活性化過電圧が小さくなる。この実施の形態では、ポテンショスタット、回転ディスク電極、三極式セルを用いて、測定温度を40〜70℃の範囲内の所定温度(例えば、60℃)とし、電解液に硫酸水溶液を用いてサイクリックボルタンメトリー(CV)およびリニアスイープボルタンメトリー(LSV)を測定することにより、複合触媒の酸素還元活性を調べる。なお、作用極、参照極および対極には、それぞれ、触媒担持電極(金電極、グラッシーカーボン電極等)、標準水素電極および白金メッシュを用いるのが好ましい。
CVの測定条件は、例えば、走査速度20〜100mV/sec、走査範囲0.01〜1.5V(vs.RHE)、窒素ガスで脱気した硫酸電解液中にて5〜50サイクル安定化後とするのが好ましい。また、LSVの測定条件は、例えば、走査速度3〜8mV/sec、走査範囲1.5〜0.01V(vs.RHE)、酸素ガスで飽和した硫酸電解液中にて、回転数200〜5000rpmの範囲内の所定回転数にて3〜10点測定とするのが好ましい。なお、硫酸電解液に限らず、他の酸(過塩素酸等)を用いた電解液を使用しても良い。
この実施の形態に係る好適な金属酸化物・白金複合触媒1は、走査速度20〜100mV/sec、走査範囲0.01〜1.5V(vs.RHE)、窒素ガスで脱気した硫酸電解液中にて5〜50サイクル安定化後のCVにより評価されるサイクリックボルタモグラムにおいて、0〜0.4V間(特に、0〜0.3V間)のアノード電流、カソード電流の曲線に2本のピークを示す。
金属酸化物・白金複合触媒1の酸素還元活性能は、白金単位質量当たりの活性化支配電流値ik−mass(A/g)および白金単位表面積当たりの活性化支配電流値ik−s(mA/cm)により評価される。これらの具体的な算出方法は、次の通りである。
まず、LSVの測定(電圧:0.85V)における複数の回転数の条件で得られた電流値(i)を求める。次に、横軸(X軸)にω1/2を、縦軸(Y軸)にi−1をそれぞれとったω1/2―i−1座標系に、回転数から換算した回転速度(ω、単位:rad/sec)の1/2乗の値と電流値(i、単位:A)の逆数の座標をプロットして、最近似直線を引く(Koutecky−Levichプロット)。この結果、1/i=1/i+1/0.620・n・F・A・C・D2/3・v1/6・ω1/2という式を作成することができる。ここで、n:反応電子数、F:ファラデー定数9.65×10(C/mol)、A:電極の表面積(cm)、C:活量(mol/cm)、D:拡散係数(cm/sec)、v:溶液の動粘度(cm/sec)、ω:回転速度(rad/sec)である。
次に、上記式で特定される直線を外挿してY軸切片の値から、iを求める。このiを白金担持量(g)で除した値が白金単位質量当たりの活性化支配電流値ik−mass(A/g)である。また、iを白金の活性比表面積(cm/g)で除した値が白金単位表面積当たりの活性化支配電流値ik−s(mA/cm)である。ik−mass(A/g)およびik−s(mA/cm)が大きいほど、触媒の酸素還元活性能が高い。
2.金属酸化物・白金複合触媒の製造方法
金属酸化物・白金複合触媒1は、金属酸化物粒子と白金粒子とを混合して製造することもできるが、好適には、後述するように、金属酸化物を含むゾル若しくはゲル等の金属酸化物含有材料あるいは金属アルコキシドと、白金を含む化合物(例えば、白金塩)とを混合して乾燥、焼成して製造する。
図2は、本発明の実施の形態に係る金属酸化物・白金複合触媒1の製造方法の流れを示すフローチャートである。
2.1 分散工程
まず、金属酸化物粒子あるいは金属酸化物含有材料を分散媒に均一分散させる(ステップS101:分散工程)。分散工程では、金属酸化物粒子を分散媒に混合し、加熱しながら攪拌するのが好ましい。金属酸化物をシリカとする場合には、金属酸化物含有材料には、コロイダルシリカを好適に用いることができる。分散媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、あるいはアセトン等のケトン類に代表される有機溶剤を好適に用いることができ、その中でも、安価なイソプロピルアルコールを用いるのが好ましい。
2.2 溶解工程
次に、エチレンジアミンを含む溶媒に塩化白金酸(白金前駆体の一例)が均一に溶解するまで混合して白金前駆体溶液を調製する(ステップS102:溶解工程)。溶解工程においては、エチレンジアミンに塩化白金酸を溶解させてもよいし、エチレンジアミンを添加した溶媒に塩化白金酸を溶解させてもよい。溶解工程においては、超音波を用いる、あるいは、加熱しながら攪拌するのが好ましい。塩化白金酸は、金属酸化物・白金複合触媒1に占める白金の重量比率が5〜95wt%となるように、より好ましくは、10〜50wt%となるように、それらの割合を適宜変えることができる。
塩化白金酸としては、例えば、塩化白金酸六水和物を好適に用いることができる。塩化白金酸を用いることにより、活性の高い金属酸化物・白金複合触媒1を得ることができる。塩化白金酸を溶解するための有機溶媒としては、エタノール、プロパノール、アセトン等を用いることができる。その中でも、エチレンジアミンおよびイソプロピルアルコールを溶剤として用いることにより、金属酸化物・白金複合触媒1を安価に製造できる。特に、錯体を形成可能なエチレンジアミンを用いて、あるいはエチレンジアミンを添加した溶剤を用いて塩化白金酸を溶解することにより触媒の活性を向上できる。
2.3 原料溶液調整工程
分散工程および溶解工程にてそれぞれ調製した分散溶液および溶液を混合、および攪拌することにより、原料溶液を調製する(ステップS103:原料溶液調整工程)。
2.4 噴霧工程
前記工程で調製した白金前駆体溶液を噴霧容器に入れて、60〜200℃、好ましくは80〜120℃に加熱した状態の基板上に噴霧することにより、粒状あるいは塊状の金属酸化物・白金複合物を得る(ステップS104:噴霧工程)。白金前駆体溶液は、基板上にて固化し、金属酸化物・白金複合物となる。基板の加熱温度は、白金前駆体溶液を固化するに十分な温度であれば、上記温度範囲外であっても良い。なお、噴霧工程の後、60〜100℃で乾燥させる乾燥工程(ステップS105)を有してもよい。また、上記噴霧工程およびその後の乾燥工程に代えて、市販のスプレードライヤーを用いて白金前駆体溶液を乾燥する工程としても良い。
2.5 回収工程
次に、基板を室温まで冷却した後、基板上に堆積あるいは基板に堆積しなかった金属酸化物・白金複合物を回収する(ステップS106:回収工程)。基板上から堆積物を剥がす際には、好適には、シリコーン樹脂製スパチュラを用いることができる。
2.6 疎水化工程
次に、回収した堆積物を密閉したデシケータ内にて攪拌しながら、堆積物をアルキルシラン化合物若しくはアルコキシシラン化合物の蒸気雰囲気下に15〜200分間晒す(ステップS107:疎水化工程)攪拌は、20℃にて50〜150rpmにて攪拌するのが好ましい。かかる工程により、アルキルシラン化合物若しくはアルコキシシラン化合物は、堆積物表面に気相吸着する。アルキルシラン化合物若しくはアルコキシシラン化合物としては、どのようなものを用いてもよいが、特に、疎水性の高いフルオロ基含有あるいはアルキル基含有のシランカップリング剤を用いるのが好ましい。なお、疎水化した堆積物を乾燥させる乾燥工程(ステップS108)を有してもよい。
2.7 焼成工程
次に、回収した金属酸化物・白金複合物を、還元雰囲気下にて、噴霧工程時の基板の温度より高く、300℃以下の温度で加熱する(ステップS109:焼成工程)。還元ガスとして、窒素と水素の混合ガスを用いることができ、好ましくは、水素が10体積%含まれる水素/窒素混合ガスを用いる。なお、窒素ガスと水素ガスの混合ガスに代えて、アルゴンガスと水素ガスの混合ガスを用いても良い。焼成工程時の加熱温度は、金属酸化物・白金複合触媒1として触媒能を持つ状態になれば、上記温度範囲外であっても良い。焼成温度としては、白金の結晶度が多く、かつ微細な粒子形態を保持できる温度を選択するのが好ましい。
なお、上述の実施の形態では、疎水化工程を有するものとしたが、疎水化工程は、必須ではない。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
まず、実施例および比較例で使用した化合物とその略称、金属酸化物・白金複合触媒の評価方法、金属酸化物・白金複合触媒の製造方法および評価結果について説明する。
(1)使用した化合物とその略称
[シリカ粒子]
扶桑化学株式会社製、商品名「PL−7」、平均粒径75nm、比重1.14
[ジルコニア粒子]
Aldrich社製、BET値から換算の平均粒子径が50nm以下、比重1.0632
[白金前駆体]
塩化白金酸:塩化白金酸六水和物(和光純薬工業株式会社製)
白金塩:塩化テトラアンミン白金(II)水和物(田中貴金属工業株式会社製、比較として使用)
[分散媒および溶媒]
IPA:イソプロピルアルコール(和光純薬工業株式会社製)
EDA:エチレンジアミン(和光純薬工業株式会社製)
[疎水化処理用化合物]
トリメチルクロロシラン(東京化成工業株式会社)
トリフルオロプロピルトリクロロシラン(GELEST社製)
ヘキサメチルジシラザン(東京化成工業株式会社)
(2)評価方法
[形態観察]
金属酸化物・白金複合触媒の形態観察は、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JEM−2010、以後「TEM」という。)を用いて、加速電圧200kVの条件にて観察した。白金の線径は、10万倍で撮影したTEM写真から、白金が重なっている部分および分岐部分を除き、無作為に120箇所を選び計測した。
[酸素還元活性の測定]
金属酸化物・白金複合触媒の酸素還元活性は、サイクリックボルタンメトリー(以後、「CV」という。)およびリニアスイープボルタンメトリー(以後、「LSV」という)の2つの電気化学的性質の測定により評価した。
CVおよびLSVの測定には、北斗電工株式会社製のポテンショスタット(型式:HSV100)および日東計測株式会社製の三極式セルを用いた。測定温度は、60℃とし、電解液には硫酸0.5M(pH:0.38)を用いた。電解液のpH調整は、和光純薬工業株式会社製の硫酸を蒸留水で希釈することで行った。作用極および参照極には、それぞれ、触媒10μg担持Au電極(φ6mm、28.26mm)および株式会社ミクロ製の標準水素電極を用いた。また、対極には、株式会社ニラコ製のPtメッシュ(100メッシュ、20mm×30mm)を用いた。
また、CVおよびLSVの測定においては、以下の方法により作用電極を作製した。まず、円柱状のAu電極(底面直径:6mm)を#2000および#3000のエミリー紙(日本研紙株式会社製)を順に使用して研磨し、次に、平均粒径1μm、0.05μmのアルミナ研磨剤を順に使ってバフ研磨を5分行い鏡面に仕上げた。バフ研磨は、Engis社製の研磨機KENT3を用いて、耐水研磨紙にBuehler社製の研磨紙を使用して行った。鏡面研磨後、Au電極を蒸留水に入れて2分間の超音波洗浄を行い、さらにエタノール中にて2分間の超音波洗浄を行い、最後に、蒸留水に入れて2分間の超音波洗浄を行った。その後、80℃にて1時間の乾燥を行い、デシケータに保管した。
次に、ナフィオン(Aldrich社製の5wt%アルコール水混合溶液)0.1gとエタノール30gとを10分間の超音波処理にて十分に混合して、デシケータから取り出したAu電極の底面に10μl供給し、25℃で1時間乾燥した。一方、焼成後の金属酸化物・白金複合物10mgとエタノール水混合溶媒(エタノールと蒸留水を重量比にて9:1の割合で混合した溶媒)10mlとを30分間の超音波分散に供し、そこから10μlをとり出し、上記乾燥後のAu電極の底面に供給した。その後、25℃で1時間乾燥し、さらに、80℃で1時間乾燥し、試験用の電極とした。
CVの測定においては、走査速度:50mV/sec、走査範囲:0.02〜1.2V(vs.RHE)、雰囲気:窒素ガスで脱気した硫酸電解液中(以後、適宜、「窒素飽和雰囲気」という)とし、20サイクル安定化後に評価した。
LSVの測定においては、回転ディスク電極(RDE)により、電極の回転数を変えて測定した。LSVは、走査速度:5mV/sec、走査範囲:1.05〜0.05V(vs.RHE)、雰囲気:酸素ガスで飽和した硫酸電解液中(以後、適宜、「酸素飽和雰囲気」という)とし、回転数:500、1000、1500、2000、2500、3000rpmの6条件でそれぞれ評価した。
白金活性比表面積は、CVにおける水素脱離波から算出した。具体的には、0〜0.4VvsRHEの範囲における電圧値を正の方向へ掃引した場合の面積(積分値)を水素の単分子吸着層脱離に要する電荷量をQ(μC)とし、白金単位面積当たりにおける吸着水素の電荷量を210(μC/cm)として、白金活性比表面積=Q/(210×白金担持量)から求めた。
金属酸化物・白金複合触媒の過酸化水素発生に関する定量的な評価は、回転リングディスク電極(RRDE)を用いて行った。CV測定を行った後のLSV測定時に触媒から発生する過酸化水素を、周囲の白金リング電極(幅:1mm、ディスク電極との間隔:0.5mm)で捕捉した際に流れる電流値を随時記録した。評価する触媒は、作用極であるグラッシーカーボンディスク(φ6mm、28.26mm)に所定量担持した。これらの電気化学測定には、EcoChemie B.V.社製のデュアルポテンショスタット(型式:AUTOLAB)および北斗電工株式会社製の回転ディスク電極制御システムと、日東計測株式会社製の三極式セルとを用いた。測定温度は、60℃とし、電解液には過塩素酸水溶液0.1Mを用いた。電解液の温度調整は、和光純薬工業株式会社製の過塩素酸(精密分析用)を蒸留水で希釈することで行った。参照極には、ミクロ製の標準水素電極を用いた。また、対極には、株式会社ニラコ製のPtメッシュ(100メッシュ、20×30mm)を用いた。
金属酸化物・白金複合触媒の過酸化水素の発生に関する評価のためのCVは、走査速度:50mV/sec、走査範囲:0.02〜1.2V(vs.RHE)、雰囲気:窒素ガスで脱気した過塩素酸電解液中(以後、適宜、「窒素飽和雰囲気」という)とし、20サイクル安定化後に評価した。また、LSVは、走査速度:5mV/sec、走査範囲:1.05〜0.05V(vs.RHE)、雰囲気:酸素ガスで飽和した過塩素酸電解液中(以後、適宜、「酸素飽和雰囲気」という)とし、回転数:2000rpmで行った。この際、リング電極の電位を1.0V(vs.RHE)に調整し、この電極上での反応により流れる電流の数値を記録した。
(3)各試料の調製方法および評価結果
<シリカ白金複合触媒>
(実施例1)
図3は、実施例1および実施例2のシリカ白金複合触媒の製造方法の流れを示すフローチャートである。
コロイダルシリカとしてPL−7を0.559gと、IPAを3.57gと、を1.5時間の間、80℃に加熱しながら攪拌し、その後、25℃で攪拌した。別の容器に白金前駆体である塩化白金酸0.341gと、EDA0.9gとを入れ、0.5時間攪拌した。そこへ、1.95gのIPAを加えて80℃にて1時間攪拌した。続いて、先に用意したPL−7のIPA分散溶液を加えて、25℃で5分間攪拌することにより原料溶液を得た。次に、ハーダー&ステンベック社製の噴霧容器(コラーニ HA2400)に原料溶液を入れて、表面温度が105℃のガラス基板上に噴霧した。その後、80℃で18時間乾燥させた。得られた触媒粉末は、薄黄色だった。得られた堆積物を回収し、10%のHおよび90%のNの混合ガス雰囲気下にて270℃で焼成した。得られた触媒粉末は、黒色だった。
(実施例2)
実施例1の試料の製造方法のうち、塩化白金酸とEDAとの溶液の攪拌時間を、0.5時間から24時間に変えて得られた試料を実施例2とした。得られた触媒粉末は、黒色だった。図4(A)〜(C)は、実施例2の条件で作製したシリカ白金複合触媒の倍率を変えて撮影したTEM写真である。図5は、実施例2の条件で調製したシリカ白金複合触媒の白金鎖の線径分布を示すグラフである。図6は、実施例1および実施例2の条件で調製した各シリカ白金複合触媒のCV評価結果を示すグラフである。図7は、実施例1および実施例2の条件で調製した各シリカ白金複合触媒のLSV評価結果を示すグラフである。
(比較例1)
実施例1の試料の製造方法のうち、白金前駆体の調製方法を変えた。具体的には、塩化白金酸の代わりに塩化テトラアンミン白金(II)水和物0.232gを用いて、そこに純水2.5gおよびIPA1.95gを加えて超音波により溶解させ、PL−7のIPA分散液中に加えた。図8は、比較例1の条件で調製した各シリカ白金複合触媒のCV評価結果を示すグラフである。図9は、比較例1の条件で調製した各シリカ白金複合触媒のLSV評価結果を示すグラフである。図6〜9により得られた実施例1,2および比較例1のシリカ白金複合触媒の特性を、表1にまとめて示す。
実施例1,2においては、比較例1と異なり、水を添加しなかった。その結果、原料溶液中に含まれる水(PL−7および塩化白金酸に含まれる):IPAは、0.43:9.57だった。図6,8に示すように、実施例1,2および比較例1のシリカ白金複合触媒では、アノード、カソード電流が、共に、0〜0.3V(vs.RHE)間で2つのピークを持つ特異な形状を示した。このように、2つの大きなピークを持つということは、水素が脱離する主な電位が2つ存在し、かつ白金の表面積が大きいことを意味する。白金の結晶面により水素脱離エネルギーが異なることから、これらの実施例にて製造したシリカ白金複合触媒が担持する白金は、主に2つの結晶面が露出していると共に、白金全体の表面積のうち、それらが占める表面積の割合が大きいものであると考えられる。
図5に示すように、実施例2のシリカ白金複合触媒における白金鎖の平均線径は、4.4nmだった。また、表1に示すように、実施例1,2のシリカ白金複合触媒の白金活性比表面積は、比較例1のシリカ白金複合触媒の試料の白金活性比表面積の2倍近く大きかった。さらに、実施例1,2のシリカ白金複合触媒において、たとえば0.85Vにおけるik−massは、比較例1のシリカ白金複合触媒のik−massの1.5倍近く大きかった。
図10は、比較例2および比較例3のシリカ白金複合触媒の製造方法の流れを示すフローチャートである。
(比較例2)
PL−7を0.559g、塩化白金酸を0.341gおよびEDAを0.9g混合し、80℃で5分間攪拌した。そこへ、IPAを5.52g加え、25℃で3時間攪拌して原料溶液を得た。表面温度が105℃の基板表面にスプレーにて原料溶液を吹き付けた後、80℃で18時間乾燥させた。得られた触媒粉末は、薄橙色だった。得られた堆積物を回収し、10%のHおよび90%のNの混合ガス雰囲気下にて270℃で焼成した。得られた触媒粉末は、黒色だった。
(比較例3)
比較例2の製造方法のうち、PL−7、塩化白金酸およびEDAの混合溶液の攪拌時間を、5分から20分に変えた試料を比較例3とした。得られた触媒粉末は、黒色だった。図11(A)〜(C)は、比較例3の条件で調製したシリカ白金複合触媒の倍率を変えたTEM写真である。図12は、比較例3の条件で調製したシリカ白金複合触媒の白金鎖の線径分布を示すグラフである。図13は、比較例2および比較例3の条件で調製した各シリカ白金複合触媒のCV評価結果を示すグラフである。図14は、比較例2および比較例3の条件で調製した各シリカ白金複合触媒のLSV評価結果を示すグラフである。図13,14により得られた比較例2,3のシリカ白金複合触媒の特性を、表2にまとめて示す。
図12に示すように、比較例3のシリカ白金複合触媒における白金鎖の平均線径は、5.7nmだった。また、表2に示すように、比較例2,3のシリカ白金複合触媒の白金活性比表面積は、実施例1,2のそれの白金活性比表面積よりも小さかった。また、図12に示すように、実施例1,2の試料の線径分布と比較して、比較例2,3のシリカ白金複合触媒の線径分布は、広く、鎖の長さが短かった。図11に示すように、比較例3のシリカ白金複合触媒の白金鎖部分は、濃い黒に写っている部分が多いので、白金の凝集が多いと考えられる。
実施例1,2の結果と、比較例2,3の結果とを比較すると、シリカ粒子を分散する分散工程と、白金前駆体を溶解する溶解工程とを有し、それらを混合する原料溶液調製工程を有する実施例1,2のシリカ白金複合触媒の製造方法を採用することで、白金鎖がより細く、かつ、凝集が少なくなり、ik−massが大きくなることがわかった。
図15は、実施例3〜5のシリカ白金複合触媒の製造方法の流れを示すフローチャートである。
(実施例3〜5)
粉体を回収する工程までは、実施例2の試料の製造方法と同様である。回収ステップにより、堆積物を回収した後、20℃の密閉したデシケータ内にて、その堆積物を100rpmの回転数にて攪拌しながら、表3に示す化合物の蒸気雰囲気下に所定時間晒した。この工程により、堆積物の表面に疎水化処理を施した。80℃にて18時間乾燥させた後、10%のHおよび90%のNの混合ガス雰囲気下にて270℃で焼成した。図16は、実施例3の条件で調製したシリカ白金複合触媒の倍率を変えたTEM写真である。図17は、実施例3の条件で調製したシリカ白金複合触媒の白金鎖の線径分布を示すグラフである。図18は、実施例4の条件で調製したシリカ白金複合触媒の倍率を変えたTEM写真である。図19は、実施例4の条件で調製したシリカ白金複合触媒の白金鎖の線径分布を示すグラフである。図20は、実施例5の条件で調製したシリカ白金複合触媒の倍率を変えたTEM写真である。図21は、実施例5の条件で調製したシリカ白金複合触媒の白金鎖の線径分布を示すグラフである。
また、得られた実施例3〜5および実施例2(前述の結果を参考として示す)の各シリカ白金複合触媒の疎水化の度合いを評価するために、接触角を測定した。粉末試料を錠剤成形機にて厚さ約1mm、直径約1cmの固形タブレットに成型し、そのタブレットにイオン交換蒸留水2μlを滴下し、接触角測定装置(協和界面化学株式会社製、商品名「DropMaster300」)により接触角を測定した。接触角は、5点の測定値の平均値にして示した。図22は、実施例3〜5の条件で調製した各シリカ白金複合触媒のCV評価結果を示すグラフである。図23は、実施例3〜5の条件で調製した各シリカ白金複合触媒のLSV評価結果を示すグラフである。図22〜23および接触角測定により得られた実施例3〜5および実施例2の各シリカ白金複合触媒の特性を、表4にまとめて示す。
表4に示すように、実施例3〜5の各シリカ白金複合触媒のそれぞれの平均接触角は、実施例2の平均接触角よりも大きかった。このことから、疎水化工程により、実施例3〜5のシリカ白金複合触媒の粉体表面は疎水化されたことがわかった。また、図17,19,21に示すように、実施例3〜5のシリカ白金複合触媒における白金鎖の平均線径は、4.3nmだった。これは、実施例2の白金鎖の平均線径4.4nmとほぼ同一だった。しかし、実施例3〜5のシリカ白金複合触媒における白金鎖の平均線径の標準偏差は、実施例2(図5を参照)のそれよりも小さかった。したがって、実施例3〜5のシリカ白金複合触媒は、実施例2のそれと比較して、白金鎖の線径がより均一であることがわかった。
表4に示すように、実施例3〜5のシリカ白金複合触媒の白金活性比表面積は、比較例1のそれの白金活性比表面積の2倍近く大きかった。また、実施例1,2のシリカ白金複合触媒の白金活性比表面積は、比較例1のそれの白金活性比表面積の1.5倍近く大きかった。また、実施例3〜5のシリカ白金複合触媒は、実施例2のそれと比較して、大きな白金活性比表面積を有しており、特に、低電圧(たとえば0.75V)において、大きなik−massを有していた。これは、白金近傍の疎水化によって、白金への酸素の供給がスムーズになり、酸素供給律速が改善されたものと考えられる。
(実施例6〜9)
図24は、実施例6〜9のシリカ白金複合触媒の製造方法の流れを示すフローチャートである。
実施例2と同じ製法にて、原料溶液を、表面温度が105℃のガラス基板上に噴霧した。その後、80℃で18時間乾燥させた。次に、得られた堆積物を回収し、20℃の密閉したデシケータ内にて、その堆積物を100rpmの回転数にて攪拌しながら、ヘキサメチルジシラザン(約5℃)の蒸気雰囲気下に15分間(実施例6:サンプルA1とする)、30分間(実施例7:サンプルA2とする)、60分間(実施例8:サンプルA3とする)および120分間(実施例9:サンプルA4とする)という4種類の時間晒し、疎水化表面処理を行った。その後、各試料を、80℃にて18時間乾燥させた後、10%のHおよび90%のNの混合ガス雰囲気下にて270℃で焼成した。
図25は、実施例6〜9の各条件で調製した各シリカ白金複合触媒のCV評価結果を示すグラフである。図26は、実施例6〜9の各条件で調製した各シリカ白金複合触媒のLSV評価結果を示すグラフである。図25,26に示す特性を、表5にまとめて示す。
実施例6〜9と、前述の実施例2とを比較して明らかなように(表5と表4とを参照)、ヘキサメチルジシラザンを用いて疎水化した試料は、疎水化していないサンプルと比較して、0.85V付近の電流値は同程度であるが,0.8V以下の電流値は大きかった。白金近傍の疎水化によって、白金への酸素の供給がスムーズになり、酸素供給律速が改善されたものと考えられる。
次に、実施例8(疎水化処理)、実施例2(疎水化処理無し)および市販のPt/C触媒(カーボン粒子に白金を担持、Pt46.4wt%、田中貴金属工業株式会社製、品名:TEC10E50E)の過酸化水素の生成を比較評価した。評価は、各サンプルの触媒重量を1〜10μgに変化して行った。
図27は、実施例8のCV波形を示す。図28は、実施例8の触媒を用いて回転電極によりLSV測定を行った場合に、リング電極にて検出した電流値を、評価した触媒重量に応じて測定した結果を示す。図29は、実施例8の触媒を用いて回転電極によりLSV測定を行った場合に、ディスク電極にて検出した電流値を、評価した触媒重量に応じて測定した結果を示す。図30は、実施例2のCV波形を示す。図31および図32は、実施例2の図28および図29とそれぞれ同じ評価を行った結果を示す。図33は、実施例8、実施例2および市販のPt/C触媒の電極上の白金重量と電流値(i/mA)との関係を、それぞれ示す。
実施例8、実施例2、市販のPt/C触媒を比較すると、疎水化の有無にかかわらず過酸化水素の発生量は、市販のPt/C触媒のそれと比べて約4分の1であった。燃料電池では、酸素還元時の副生成物として過酸化水素の発生が確認されている。過酸化水素が発生すると、電解質膜(パーフルオロスルホン酸系膜等)が腐食あるいは破壊されるという問題がある。メンテナンスコストを低減し、あるいは装置寿命を向上するために、周辺部材の腐食あるいは破壊の原因となる過酸化水素の発生量を小さくできる白金触媒が求められる。この観点で、図33に示す評価結果を考察すると、シリカ白金複合触媒(実施例8、実施例2)は、市販のPt/C触媒よりも優れた触媒であると考えられる。
<ジルコニア白金複合触媒>
(実施例10、比較例4)
ジルコニアナノ粒子を1.286gと、IPAを3gとを1.5時間の間、80℃に加熱しながら攪拌し、その後、25℃で攪拌した。それ以外の条件を実施例8と同じ条件にて、ジルコニア白金複合触媒を作製した(実施例10:サンプルC2とする)。また、比較として、疎水化工程を行わずに、それ以外を実施例10と同じ条件にて、ジルコニア白金複合触媒を作製した(比較例4:サンプルC1とする)。
図34は、実施例10および比較例4の各条件で調製した各ジルコニア白金複合触媒のCV評価結果を示すグラフである。図35は、実施例10および比較例4の各条件で調製した各ジルコニア白金複合触媒のLSV評価結果を示すグラフである。図34,35に示す特性を、表6にまとめて示す。
シリカ以外の金属酸化物としてジルコニアを用いても、カーボン粒子に白金を担持した触媒と同レベルの活性を有する複合触媒を作製することができた。また、疎水化処理を行ったものの方(実施例10)が、疎水化処理を行わなかったもの(比較例4)に比べて、大きなik−massおよび比表面積を有していた。このような結果から、疎水化処理による触媒活性効果は、シリカ以外の金属酸化物でも認められることがわかった。
本発明は、例えば、触媒に利用可能である。

Claims (7)

  1. 金属酸化物5〜95重量部と、
    残部として白金95〜5重量部と、を含み、
    上記白金は、上記金属酸化物の粒子の少なくとも一部を網目状に覆う形態を有し、
    上記白金の網目を構成する線の平均線径が5nm以下であることを特徴とする酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒。
  2. 請求項1に記載の酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒において、
    前記金属酸化物の表面に、フルオロ基含有化合物またはアルキル基含有化合物が吸着あるいは当該化合物と前記金属酸化物との反応物が生成していることを特徴とする酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒。
  3. 請求項1または請求項2に記載の酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒において、
    前記金属酸化物は、シリカ、ジルコニアまたはセリアから選択される1または2以上の金属酸化物であることを特徴とする酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒において、
    水に対する平均接触角が15°以上の表面を有することを特徴とする酸素還元用金属酸化物・白金触媒。
  5. 金属酸化物5〜95重量部を分散媒に分散する分散工程と、
    上記金属酸化物に対して残部となる白金95〜5重量部を含むように、エチレンジアミンを含む溶媒に塩化白金酸を溶解する溶解工程と、
    上記分散工程により得られた金属酸化物分散溶液と、上記溶解工程により得られた塩化白金酸溶液とを混合して原料溶液を調製する原料溶液調製工程と、
    60〜200℃に加熱した基材に、上記原料溶液を噴霧する噴霧工程と、
    上記基材から上記金属酸化物と上記白金とを含む金属酸化物・白金複合物を回収する回収工程と、
    回収した上記金属酸化物・白金複合物を還元雰囲気下にて、上記噴霧工程時の上記基材の温度以上300℃以下の温度にて焼成する焼成工程と、
    を含むことを特徴とする酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒の製造方法。
  6. 請求項5に記載の酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒の製造方法において、
    前記回収工程の後に、アルキルシラン化合物若しくはアルコキシシラン化合物を表面に吸着あるいは当該化合物と前記金属酸化物との反応物を生成させる疎水化工程を有することを特徴とする酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒の製造方法。
  7. 請求項6に記載の酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒の製造方法において、
    前記疎水化工程では、フルオロ基含有またはアルキル基含有のアルキルシラン化合物若しくはアルコキシシラン化合物を用いることを特徴とする酸素還元用金属酸化物・白金複合触媒の製造方法。
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