本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
なお、本明細書において、アンテナと、該アンテナが受信した電磁波により生ずる起電力をバッテリーに充電する回路と、該起電力を充電する媒体とを備えたものをRFバッテリー若しくは無線電池とも呼ぶ。
(実施の形態1)
本実施の形態では、ホワイトボード等の表示部に筆記された情報を電子データとして取り込むことのできる筆記具の構成について説明する。
本発明の筆記具を図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る筆記具として電子ペン101及び表示部102の実施形態を示す。電子ペン101は、第1のセンサ103、第2のセンサ104、制御回路105、メモリ106、バッテリー107、内部アンテナ回路111、整流回路112、充電回路113、充電制御回路114を有している。また、表示部102は、外部アンテナ回路115、送信機116を有している。
ここで、内部アンテナ回路111の出力端子が整流回路112の入力端子に電気的に接続され、整流回路112の出力端子が充電回路113の入力端子に電気的に接続され、充電回路113の出力端子がバッテリー107の入力端子に電気的に接続されている。また、バッテリー107の電源供給用端子は、第1のセンサ103、第2のセンサ104、制御回路105、メモリ106とそれぞれ接続されている。また、第1のセンサ103、第2のセンサ104、メモリ106はそれぞれ制御回路105と電気的に接続され、充電制御回路114と充電回路113とが電気的に接続されている。
なお、本明細書においてバッテリーとは、充電することで連続使用時間を回復することができる二次電池のことをいう。なおバッテリーとしては、その用途により異なるが、薄膜なシート状や径の小さい筒状に形成された電池を用いることが好ましく、例えばリチウム電池、好ましくはゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池や、リチウムイオン電池等を用いることで、小型化が可能である。勿論、充電可能な電池であればなんでもよく、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などの充電放電可能な電池であってもよいし、また大容量のコンデンサーなどを用いても良い。
本実施の形態のバッテリーとして用いることのできる大容量のコンデンサーとしては、電極の対向面積が大きいものであることが望ましい。活性炭、フラーレン、カーボンナノチューブなど比表面積の大きい電極用材料を用いた電気二重層コンデンサーを用いることが好適である。コンデンサーは電池に較べ構成が単純であり薄膜化や積層化も容易である。電気二重層コンデンサーは蓄電機能を有し、充放電の回数が増えても劣化が小さく、急速充電特性にも優れているため好適である。
第1のセンサ103、第2のセンサ104は、電子ペン101で表示部102に筆記された文字等の情報を検出して、制御回路105を介して文字等の情報のデータをメモリ106に入力する。
ここで、第1のセンサ103は、電子ペン101のペン先が表示部102表面に接触しているか否かを検出するセンサである。第1のセンサ103として、例えば光センサ、圧力センサ、又はRFIDチップを用いることができる。
また、第2のセンサ104は、電子ペン101のペン先の動きを検出するセンサである。第2のセンサ104として、例えばモーションセンサ等を用いることができる。なお、第2のセンサ104は、第1のセンサ103によってペン101が表示部102に接しているときのみ動作する構成にするとよい。
なお、圧力センサ又はモーションセンサとして、例えば、微小電子機械装置(MEMS(Micro Electro Mechanical System))を用いたものを用いることができる。MEMS技術により作製されたセンサを用いることにより小型で軽量な電子ペンを作製することができる。
本実施の形態において、メモリ106に記憶されたデータは表示部102に送信され、表示部102に設けられたCPUで解析される。なお、メモリに記憶されたデータを解析する機構は表示部以外に設けてもよい。また、メモリ106部分を着脱可能な構造とし、メモリ部分のみを持ち運び可能な形態とし、メモリ106を直接コンピュータ等と接続してデータを読み込んでもよい。
本実施の形態において、第1のセンサ103、第2のセンサ104、制御回路105、およびメモリ106はバッテリー107と電気的に接続しており、バッテリー107より電源供給を受ける。なお、バッテリー107は、表示部102に設けられた外部アンテナ回路115、送信機116から無線にて送信される電力によって充電される。
図1において、内部アンテナ回路111は外部アンテナ回路115によって発生した無線信号を受信する。内部アンテナ回路111によって受信した信号は整流回路112に入力され、直流に変換される。充電回路113は整流回路112の電力をもとに電流を発生させ、バッテリーに充電を行う。充電制御回路114はバッテリー107が過充電にならないように監視をおこない、充電量が増えた場合には充電回路113を制御し、充電量を抑える。なお、充電回路113は、例えば電圧制御回路(レギュレータとも言う)とスイッチ回路とにより構成することができる。なお、スイッチ回路をダイオードにすることにより、充電制御回路を省略する構成としてもよい。また、電圧制御回路は、電圧及び電流制御回路や定電流源回路であってもよい。
なお、内部アンテナ回路111と外部アンテナ回路115として、例えば図15(A)に示すようなアンテナ201、共振容量202によって構成されるアンテナ回路203を用いることができる。また、整流回路112は、内部アンテナ回路111及び外部アンテナ回路115が受信する電磁波により誘導される交流信号を直流信号に変換する回路であればよい。例えば、図15(B)に示すように、ダイオード204、ダイオード205、平滑容量206によって構成することができる。
図2に、使用形態の概略図を示す。図2(A)のように、電子ペン101を用いて表示部102に文字情報を書き込むことにより、電子ペン101に設けられたセンサで電子ペンの動きと接触が検知される。これらの情報から文字情報を得るためのプログラムを演算回路で実行してメモリに電子情報として記憶することができる。また、図2(B)のように、表示部102に設けられた送信機116は外部アンテナ回路115を介して無線電磁波を発生させる。電子ペン101はその無線電磁波を受信することにより、動作電力として使用することができる。なお、外部アンテナ及び送信回路を有する充電器は、書きながら電子ペンを充電できるように配置してもよいし、固定して充電できるように配置してもよい。例えば、表示部に設置されたペン置き場に組み込んでもよいし、充電器が組み込まれた持ち運びできるペン受け皿を別途用意してもよい。持ち運びできる形態の場合は、表示部にフックなどで固定できる構成とするとよい。
また、電子ペンに記憶されたデータを携帯電話等の情報端末に送信して情報を表示する構成としてもよい。例えば、まず図3(A)に示すように、表示部102に書き込まれた文字情報のデータを電子ペン101に記憶する。そして、電子ペン101に記憶されたデータを携帯電話に送信することにより、図3(B)に示すように、電子ペンに記憶されたデータを携帯電話の表示部2122に文字情報として表示することができる。また、電子ペンに搭載されているメモリは取り外し可能な形態であってもよく、図3(C)に取り外し可能なメモリを搭載した場合の形態を示す。図3(C)に示すように、電子ペン101に搭載されたメモリ2125を携帯電話に差し込むことにより、電子ペンで筆記された文字情報のデータを読み取り、携帯電話の表示部2122に表示することができる。なお、図3(B)、(C)に示す携帯電話は携帯情報端末の1つの代表例であり、筐体2121、表示部2122、操作キー2123などを備えている。
なお、本実施の形態において内部アンテナ回路111で受信する無線信号として、例えば、125kHz、13.56MHz、915MHz、2.45GHzなどの周波数帯の信号を用いることができる。勿論、内部アンテナ回路で受信される信号の周波数はこれに限定されず、例えば、サブミリ波である300GHz〜3THz、ミリ波である30GHz〜300GHz、マイクロ波である3GHz〜30GHz、極超短波である300MHz〜3GHz、超短波である30MHz〜300MHz、短波である3MHz〜30MHz、中波である300KHz〜3MHz、長波である30KHz〜300KHz、及び超長波である3KHz〜30KHzのいずれの周波数も用いることができる。また、内部アンテナ回路と外部アンテナ回路との間で送受信される信号は、搬送波を変調した信号である。搬送波の変調方式は、アナログ変調であってもデジタル変調であってよく、振幅変調、位相変調、周波数変調、及びスペクトラム拡散のいずれであってもよい。望ましくは、振幅変調、または、周波数変調にするとよい。また、無線信号として携帯電話の中継局の電波(800〜900MHz帯、1.5GHz、1.9〜2.1GHz帯等)、帯携帯電話から発振される電波、電波時計の電波(40kHz等)、家庭用の交流電源のノイズ(60Hz等)等の外部から無作為に受信される信号を利用することも可能である。また、内部アンテナ回路111として、それぞれ長さや形状の異なるアンテナを用いた複数のアンテナ回路を設けることによって、バッテリー107の充電に様々な無線信号を利用することができる。
また、内部アンテナ回路及び外部アンテナ回路に設けられるアンテナの形状は、これらの無線信号を受信しやすい長さや形状で設ける。また、アンテナの形状はペンとしての持ちやすさも考慮した形状で設ける。また、これらの電波を複数受信する場合には、長さや形状の異なるアンテナを含む複数のアンテナ回路を設けることが好ましい。
また、内部アンテナ回路111又は外部アンテナ回路115に設けられるアンテナの形状についても特に限定されない。つまり、内部アンテナ回路111又は外部アンテナ回路115に適用する信号の伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式又はマイクロ波方式等を用いることができる。伝送方式は、実施者が適宜使用用途を考慮して選択すればよく、伝送方式に伴って最適な長さや形状のアンテナを設ければよい。
例えば、伝送方式として、電磁結合方式又は電磁誘導方式(例えば、13.56MHz帯)を適用する場合には、電界密度の変化による電磁誘導を利用するため、アンテナとして機能する導電膜を輪状(例えば、ループアンテナ)、らせん状(例えば、スパイラルアンテナ、ヘリカルアンテナ)に形成する。
また、伝送方式としてマイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電膜の長さや形状を適宜設定すればよく、アンテナとして機能する導電膜を例えば、線状(例えば、ダイポールアンテナ)、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ)等に形成することができる。また、アンテナとして機能する導電膜の形状は線状に限られず、電磁波の波長を考慮して曲線状や蛇行形状またはこれらを組み合わせた形状で設けてもよい。
なお、アンテナの形状はペンとしての持ちやすさも考慮して決定する必要があるが、例えば、ペンの長さ方向に沿ってダイポールアンテナを配置する場合、ペンの長さ方向に平行な電波を送信すればよい。また、輪状又はらせん状のアンテナの場合にアンテナを形成するコイルをペンの軸に巻き付くような形で配置したとき、ペンの長さ方向に磁束が貫くように充電器からの信号が発生するようにすればよい。
ここで、内部アンテナ回路111又は外部アンテナ回路115に設けるアンテナの形状の一例を図16に示す。例えば、図16(A)に示すように回路等が設けられた基板302の周りに一面のアンテナ303を配した構造を取っても良い。また、図16(B)に示すように回路等が設けられた基板チップ302の周りに細いアンテナ303を基板302の周りを回るように配した構造をとってもよい。また、図16(C)に示すように回路等が設けられた基板302に対して、高周波数の電磁波を受信するためのアンテナ303の形状をとってもよい。また、図16(D)に示すように回路等が設けられた基板302に対して180度無指向性(どの方向からでも同じく受信可能)なアンテナ303での形状をとってもよい。また、図16(E)に示すように、回路等が設けられた基板302に対して、棒状に長く伸ばしたアンテナ303の形状をとってもよい。内部アンテナ回路111と外部アンテナ回路115はこれらの形状のアンテナを組み合わせて用いることができる。
また、図16において、回路等が設けられた基板302とアンテナ303との接続については特に限定されない。例えば、アンテナ303と回路等が設けられた基板302をワイヤボンディング接続やバンプ接続を用いて接続する、あるいは回路等が設けられた基板302の一部を電極にしてアンテナ303に貼り付けるという方法を取ってもよい。この方式ではACF(anisotropic conductive film;異方性導電性フィルム)を用いて回路等が設けられた基板302をアンテナ303に貼り付けることができる。また、アンテナに必要な長さは受信に用いる周波数によって異なる。例えば周波数が2.45GHzの場合は、半波長ダイポールアンテナを設けるなら約60mm(1/2波長)、モノポールアンテナを設けるなら約30mm(1/4波長)とすれば良い。
なお、電子ペンに設けられる内部アンテナ回路は複数の周波数帯の電磁波を受信可能なマルチバンドアンテナ構造であってもよい。例えば、図17に示すように内部アンテナ回路が複数のアンテナ回路によって形成されていてもよい。図17に示す構造において、基板1701上に、第1のアンテナ回路1705a、第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cと、制御回路を有するチップ1702と、バッテリー1703とを有している。なお、第1のアンテナ回路1705a、第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cとチップ1702に設けられた制御回路とは電気的に接続されている。なお、1706はバッテリーを充電するための電磁波を送信するための送信機であり、表示部等に設けられている。
第1のアンテナ回路1705a、第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cにより受信された電波は、チップ1702に形成された制御回路における整流回路を介してバッテリー1703に入力され、バッテリー1703が充電される。
ここでは、送信機1706から送信された電波を第1のアンテナ回路1705aで受信し、外部の無線信号1707を第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cで受信している例を示している。また、第1のアンテナ回路1705a、第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cの接続関係については特に限定されず、例えば、全てのアンテナが電気的に接続されていてもよいし、それぞれが電気的に接続せず独立に設けられていてもよい。
なお、バッテリー1703の充電に用いられる第1のアンテナ回路1705a、第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cのアンテナの長さや形状は図17に示した構造に限られない。ここでは、第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cのアンテナとして、長さの異なる線状のアンテナ(ダイポールアンテナ)を設けた例を示したが、例えば、ダイポールアンテナとコイル状のアンテナを組み合わせて用いてもよいし、ダイポールアンテナとパッチアンテナを組み合わせて用いてもよい。このように、バッテリー1703の充電に用いられるアンテナとして、長さや形状の異なるものを複数設けることによって、様々な無線信号を受信することができるため、充電効率を向上させることができる。特に、パッチアンテナとダイポールアンテナ等の形状の異なるアンテナを組み合わせて設けることによって(例えば、パッチアンテナの周囲に折り返しダイポールアンテナを設ける)、限られたスペースを有効に活用することが可能となる。本実施の形態で示す電子ペンは、3つのアンテナ回路1705a、1705b、1705cを設けた例を示したが、これに限られず、1つ、2つ、又は4つ以上のアンテナ回路を設けた構成としてもよい。
また、例えば、第1のアンテナ回路1705aと送信機1706間で送受信される信号として、125kHz、13.56MHz、915MHz、2.45GHzなどの周波数帯の信号を用いることができ、それぞれISO規格などが設定される。勿論、第1のアンテナ回路1705aと送信機1706間で送受信される信号の周波数はこれに限定されず、例えば、サブミリ波である300GHz〜3THz、ミリ波である30GHz〜300GHz、マイクロ波である3GHz〜30GHz、極超短波である300MHz〜3GHz、超短波である30MHz〜300MHz、短波である3MHz〜30MHz、中波である300KHz〜3MHz、長波である30KHz〜300KHz、及び超長波である3KHz〜30KHzのいずれの周波数も用いることができる。また、第1のアンテナ回路1705aと送信機1706間で送受信される信号は、搬送波を変調した信号である。搬送波の変調方式は、アナログ変調であってもデジタル変調であってよく、振幅変調、位相変調、周波数変調、及びスペクトラム拡散のいずれであってもよい。望ましくは、振幅変調、または、周波数変調にするとよい。
また、第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cのアンテナで受信する外部の無線信号1707として、例えば、携帯電話の中継局の電波(800〜900MHz帯、1.5GHz、1.9〜2.1GHz帯等)、帯携帯電話から発振される電波、電波時計の電波(40kHz等)、家庭用の交流電源のノイズ(60Hz等)、他のリーダ/ライタ等から無作為に生じている電波等を利用することができる。外部の無線信号を受信してバッテリーの充電を無線で行うことによって、バッテリーを充電するための充電器等を別途必要としないため、より低コストで電子ペンを作製することができる。また、図17に示すように、それぞれ長さや形状の異なるアンテナを用いた複数のアンテナ回路を設けることによって、バッテリー1703の充電用として様々な無線信号を利用することができる。また、第2のアンテナ回路1705b、第3のアンテナ回路1705cに設けられるアンテナの形状は、これらの無線信号を受信しやすい長さや形状で設けるとよい。また、図17では、第1のアンテナ回路1705aは送信機1706からの電磁波を受信する形態としたが、これに限定されず全てのアンテナ回路で外部の無線信号を受信してバッテリーを充電する形態としてもよい。
なお、図17では、同一の基板1701上に複数のアンテナ回路1705a、1705b、1705c、チップ1702及びバッテリー1703を設けた例を示したが、図17に示す構造に限られることはなく、それぞれを別々の基板上に設けてもよい。
本実施の形態に示す電子ペンは、イメージセンサを用いずに表示部に筆記された情報を正確に電子情報として読み取り、該電子情報を記憶することができる。また、本実施の形態に示す電子ペンは外部から無線で電力が供給され、バッテリーに蓄え、回路動作をおこなうため、電池交換が不要となる。また、無線で充電を行うため、ペンを使用中でも充電することが可能となり、大型の充電池が必要なく、小型で軽量な筆記具を提供することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態で示した電子ペンの構造について図面を用いて説明する。
本実施の形態において、電子ペンは筐体601、内部アンテナ603、バッテリー604、回路基板605、第1のセンサ606、第2のセンサ607、ペン先608、ペン軸609より構成される(図4)。なお、内部アンテナ603、バッテリー604、回路基板605、第1のセンサ606、第2のセンサ607は配線によって電気的に接続されている。本実施の形態の電子ペンは、無線によって電力を得るため、内部アンテナを電子ペンの内部に設ける場合、電子ペンの内部まで電磁波が到達する必要がある。その場合、筐体601は電磁波を通す絶縁体で構成されているとよい。例えば、樹脂によって構成することができる。なお、内部アンテナとして、ループアンテナを用いることで電磁波を受信しやすくすることができる。また、内部アンテナは必ずしも筐体601の内部に設置する必要はなく、筐体601の外側に貼り付けるように設置してもよい。その場合、筐体601の材料は特に限定されない。
内部アンテナ603は必要な電力を受信する為の大きさを有しており、その大きさは1平方cm以上であることが望ましい。バッテリー604は長期の信頼性が確保できるものが良く、リチウムイオン2次電池などが望ましい。ただし、リチウムイオン2次電池に限定されるものではない。回路基板605はメモリ、制御回路、整流回路、充電回路などを集積したLSIおよびその付属部品などが実装される。回路基板605はプリント基板からなり、エポキシ樹脂などから形成される。LSIはチップサイズパッケージ技術やマルチチップパッケージ技術をもちいてパッケージサイズを小さくし、実装面積を縮小することが望ましい。
なお、第1のセンサ606は、電子ペンの先が表示部に接触しているか否かを検出するセンサであり、図4は第1のセンサ606として光センサを用いた場合の例を示している。光センサを用いる場合、ペンの先に光センサが搭載されており、文字を書く際に光が遮られることによって書いていることを認識する。光センサを用いる場合、ペンの先端に光センサを設けると文字等が書けないため、先端ではなく、その周辺部分に複数の光センサを設け、そのうちの少なくとも1つが陰になったときに書いていると検知する。なお、光センサは1箇所のみに設けた場合、ペンの角度を正確に把握できず誤動作する可能性があるため、4箇所から20箇所程度に設けることにより、ペンの先が表示部に接触しているか否かを正確に検出することができる。
なお、第1のセンサ606は、光センサに限られず、例えば圧力センサ、RFIDチップを用いたセンサ等を用いてもよい。
例えば、第1のセンサ606として圧力センサを用いる場合、ペン先608とペン軸609との接続部分に圧力センサを搭載し、文字等を筆記することでペン先608に圧力がかかると、書いていることを検知する構造とすることができる。なお、圧力センサとして、MEMSの超小型圧力センサを用いることにより、小型で軽量な電子ペンを作製することができる。
また、第1のセンサ606としてRFIDチップを用いる場合、表示部の書き込み可能な面(ボードともいう)、及びペンにアンテナを搭載する。表示部側のアンテナが電磁波を発する場合、ボードとペン先のアンテナの距離が近づくほどペン内のアンテナに生じる誘導起電力が高くなり、ペンとボードの接触を検知することができる。
また、図4において第2のセンサ607はペン先の動きを検出するためのセンサである。第2のセンサ607として例えば、MEMSのモーションセンサである三軸加速度センサ、多軸加速度センサ、又は角速度センサを用いることができる。加速度センサは、慣性体の位置変化から1〜3方向の軸いずれかの加速度を測定するものであり、三軸加速度センサは、3方向の軸(X、Y、Z方向)のペン先の動きを直接検知することができる。
なお、加速度センサとして例えば、静電容量型加速度センサや、熱フロー型加速度センサ、ピエゾ型加速度センサ等の加速度センサを用いてもよい。静電容量型加速度センサは、静電容量の変化を検出して加速度を検出することができる。熱フロー型加速度センサは、基板上にヒーターと温度センサを作り、傾きによってヒーターで暖められた空気の流れが変わることで傾きを検出することができる。MEMSの技術を用いて基板から温度センサとヒーターを浮かせる事によって、Si基板に熱が拡散してしまうことなく、高精度に検出することができる。ピエゾ型加速度センサは、曲げると電気抵抗値が変化するSiの性質を利用した物で、ピエゾ抵抗素子のついたブリッジをおもりの四方からつり下げ、おもりが動くとピエゾ抵抗素子に負荷がかかって抵抗が変化し、加速度を検出することができる。また、角速度センサは、ジャイロともよばれ、例えば、静電引力で浮上・回転する輪が角速度を受けることにより生じる変化から受けた角速度を検出する。
MEMSのモーションセンサは、機械式のモーションセンサに比べて小型で軽く、小さな動きでも検出することができるため、本実施の形態の電子ペンに搭載することにより小型、軽量でかつ位置検出精度の高い電子ペンを作製することができる。
なお、ペンの位置情報は、例えば、一秒間に数回から数百回の割合で、加速度と時刻とペン先がボードに接しているか否かの情報を検出し、その加速度のデータを時間で2階積分することにより長さ(ベクトル)のデータに変換することで得ることができる。
なお、図4では、ペンの動きとボードとの接触を検知するセンサを電子ペン本体にのみ搭載する例について説明した。しかし、これらのセンサを電子ペンに設けることに加え、ペンの位置がボードのどの部分にあるか位置を検出するセンサを表示部側に搭載することもできる。例えば、表示部に圧力センサ、または静電容量センサを高密度に集積化しておき、ペン先が触れることで位置を検出することができる。例えば、表示部側に圧力センサを高密度に集積化して設けることにより、そのうちの一つまたは接して存在する複数が圧力を感知した場合、ペンがボードに何かを書いている状態であることを検知することができる。
また、表示部にRFIDチップを高密度に集積化する構成としてもよい。この場合、電子ペンに信号を受信する機構を設けておき、表示部とペンが近づくことにより電子ペンの表示部上での相対的な位置情報が表示部から電子ペンへ送信される構成とする。なお、RFIDチップに設けられるアンテナにはミリ単位の大きさに小型化可能で、指向性の強いスロットアンテナが好ましく、小型アンテナに対応して通信周波数が高くなる。
表示部側にも、電子ペンの位置情報を検出するセンサを設けることにより、電子ペンの表示部上での相対的な位置情報を得ることができる。従って、紙面上のどの位置にどの文字情報が筆記されているかをより正確に把握することが可能である。なお、表示部側に位置情報検出用のセンサを設けた場合、電子ペン側に必ずしも第1のセンサ又は第2のセンサを設ける必要はない。
本実施の形態に示す電子ペンは、イメージセンサを用いずに表示部に筆記された情報を正確に電子情報として読み取り、該電子情報を記憶することができる。また、本実施の形態に示す電子ペンは外部から無線で電力を供給し、バッテリーに蓄え、回路動作をおこなうため、電池交換が不要となる。また、無線で充電を行うため、ペンを使用中でも充電することが可能となり、大型の充電池が必要なく、小型で軽量な筆記具を提供することができる。
(実施の形態3)
次に、図5〜7を用いて図1とは異なる形態について説明する。図5に示す電子ペン101は、図1で示した実施形態の構成に加えて、残量検出回路402、変調回路401が追加された構成である。
図1に示すバッテリー107に蓄えられた電荷は電子ペンが動作し続けることによって、徐々に減衰していく。そしてバッテリー107の電圧も徐々に低下していく。従って、第1のセンサ103、第2のセンサ104、制御回路105、メモリ106の最低動作電圧をバッテリー107の電圧が下回った時点で、電子ペン101は動作不能になってしまい、メモリにデータを記憶することができなくなってしまう。そこで、電子ペン101の充電が不足したことを検出して、電子ペン101を充電する構成について説明する。
図6に、図5に示した残量検出回路402のブロック図を示す。本実施の形態に示す残量検出回路402はAD変換回路403、クロック発生回路404、論理回路405から成り立っている。尚、本発明の残量検出回路は図6に示すものには限定されずこれ以外のものでも良い。AD変換回路403はバッテリー107の出力電圧をデジタルに変換するものである。
図6において、デジタル化された電圧データは論理回路405に入力される。論理回路405はそのデジタル電圧データをエンコードする。エンコードの方式は、変形ミラー符号、NRZ−L符号などが使用可能であるが、これらに限定されるものではない。クロック発生回路404はAD変換回路403、論理回路405にクロックを供給するものである。論理回路405の出力は変調回路401へ送られ外部から入力される無線信号を変調する。
このようにして、バッテリー107の電圧はAD変換回路403、論理回路405、変調回路401、内部アンテナ回路111を介して、外部からモニターが可能となる。バッテリー107に蓄積される電荷が減衰し、バッテリー107の電圧が低下した場合、変調された信号をモニターすることによって、充電の必要性を確認することができる。
図7は上述したモニター機能を持った電子ペンに対応した送信機116の例である。送信機116は発振回路118、増幅回路119、120、復調回路121、論理回路122、CPU123から構成されている。発振回路118の出力信号は増幅回路119で増幅されたのち、外部アンテナ回路115より電子ペンに送信される。このとき、電子ペンがモニター状態であれば外部アンテナ回路115の信号はバッテリーの電圧データで変調される。増幅回路120はその信号を増幅し、復調回路121で電圧データを復調する。そして論理回路122でデコード作用をおこない、元のバッテリーのデジタル電圧データを取り出すことができる。このデータをCPU123に入力し、充電が必要かどうかの判断を行い、必要であれば自動で充電を行う。また、その結果を表示部102に表示し、利用者に目視で状況を知らせることができる。充電の必要があればそのまま充電を継続し、必要がなければ表示確認が終了した段階で、送信機からの送信を止めても構わない。
以上によって、本実施形態の電子ペンは外部からバッテリーの充電量をモニターし、充電量が不足したときは自動的に充電することができるため、使用中にバッテリー切れの心配をする必要がない。さらに、使用者が目視で充電量を確認することができる。
本実施の形態に示す電子ペンは、イメージセンサを用いずに表示部に筆記された情報を正確に電子情報として読み取り、該電子情報を記憶することができる。また、本実施の形態に示す電子ペンは外部から無線で電力が供給され、バッテリーに蓄え、回路動作をおこなうため、電池交換が不要となる。また、無線で充電を行うため、ペンを使用中でも充電することが可能となり、大型の充電池が必要なく、小型で軽量な筆記具を提供することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる形態の電子ペンの構成について説明する。
図8に示す電子ペンは、内部アンテナ回路111、整流回路112、電圧制御回路(レギュレータとも言う)701、バッテリー107、充電制御回路702、第1のスイッチ回路703、第2のスイッチ回路704、ロジック回路705、メモリ706、電圧制御回路707、充電制御回路708、第1のセンサ103、第2のセンサ104を有する。
図8において、内部アンテナ回路111の出力端子が整流回路112の入力端子に接続され、整流回路112の出力端子が電圧制御回路701の入力端子と接続される。そして、電圧制御回路701の出力端子は、第1のスイッチ回路703を介してバッテリー107の入力端子に接続される。また、充電制御回路702は、バッテリー107と接続してバッテリの充電状況をモニタし、それに応じて第1のスイッチ回路703のオン(ON)又はオフ(OFF)を制御する。
また、バッテリー107は第2のスイッチ回路704を介してロジック回路705と接続する。ここで、充電制御回路708によってバッテリー107の充電状況をモニタし、それに応じて第2のスイッチ回路704のオン(ON)又はオフ(OFF)を制御する。例えば、充電制御回路708は、バッテリーの電圧がある値V1以上になると第2のスイッチ回路704をオン(ON)し、バッテリの電力が消費されてある値V2(V1>V2)以下になると第2のスイッチ回路704をオフ(OFF)する構成とする。なお、V1はバッテリと接続する処理回路等を駆動させるに充分な電圧とし、V2は駆動させるに最低の電圧とする。
外部アンテナ回路115から発振された電波によりバッテリ117を充電する場合、例えば図9(A)に示すように、振幅が等しい電磁波501を用いて通信することができる。この時の充電方法を図10のフローチャートで示す。
まず、表示部に設けられた外部アンテナ回路から振幅の等しい電磁波を送信する。電子ペンに設けられた内部アンテナ回路がその電磁波を受信すると、第1のスイッチ回路をオン(ON)し、バッテリーへの充電を開始する。このとき、充電制御回路によってバッテリーへの充電状況を監視する。例えば、バッテリーの電圧Vをモニターして、バッテリの電圧Vが所定の電圧X以上になると、充電が終了したことを伝える信号を出す。その信号を受信した場合は電磁波の送信を停止する。
また、内部アンテナと外部アンテナとの間で図9(B)または図9(C)に示すような振幅が異なる電磁波502、503を用いて通信した場合について説明する。ここで、図9(B)は、電磁波の振幅が大きい時と小さい時がある場合である。また、図9(C)は、電磁波の振幅が大きい時と0の場合、すなわち、電磁波のオン(ON)とオフ(OFF)とがある場合を示す。このような場合の充電方法の例を図11のフローチャートで示す。なお、図面において、SW1は第1のスイッチ回路を示し、SW2は第2のスイッチ回路を示す。
まず、表示部に設けられた外部アンテナから電磁波を送信する。内部アンテナがその電磁波を受信すると、バッテリの電圧Vが所定の電圧X以上か否かを確認する。そして、バッテリの電圧Vが所定の電圧Xより低かった場合は、バッテリの電力を他の回路に供給しないため第2のスイッチ回路をオフ(OFF)にする。次に、外部アンテナから出力される電磁波の振幅Ampが所定の振幅Y以上か否かを確認する。所定の振幅Y以下なら第1のスイッチ回路をオフ(OFF)して充電を停止する。そして、外部アンテナからの電磁波の振幅Ampが所定の振幅Y以上になるのを待つ。
ここで、外部アンテナからの電磁波の振幅が所定の振幅以上であれば、第1のスイッチ回路をオン(ON)し、充電を開始する。また、充電中にバッテリーの充電状況を監視するため、バッテリの電圧が所定の電圧以上か否かを確認する。そして、バッテリの電圧が所定の電圧以上になれば、第1のスイッチ回路をオフ(OFF)して充電を停止する。そして、第2のスイッチ回路をオン(ON)してロジック回路への電力供給を開始する。
なお、本実施の形態において、外部アンテナから出力される電磁波の振幅が所定の振幅より小さいときは、第1のスイッチ回路をオフ(OFF)することで、バッテリから内部アンテナ方向へ電力が逆流するのを防止することができる。また、バッテリは一度充電されると、無線通信の信号処理を行う回路を駆動させる電力を十分有する。従って、ロジック部に電力の供給が開始されたときには第1のスイッチ回路をオフ(OFF)し、充電を停止してもよい。また、第1のスイッチ回路をオフ(OFF)せず、通信中に充電を続ける構成としてもよい。
本実施の形態に示す電子ペンは、イメージセンサを用いずに表示部に筆記された情報を正確に電子情報として読み取り、該電子情報を記憶することができる。また、本実施の形態に示す電子ペンは外部から無線で電力が供給され、バッテリーに蓄え、回路動作をおこなうため、電池交換が不要となる。また、無線で充電を行うため、ペンを使用中でも充電することが可能となり、大型の充電池が必要なく、小型で軽量な筆記具を提供することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態において、図1に示すバッテリーとして薄膜状のバッテリーの構成例について説明する。本実施の形態では、リチウムイオン電池を用いた場合のバッテリーの構成例を図12に示す。
図12は薄膜状のバッテリーの断面模式図である。まず、基板7101上に電極となる集電体薄膜7102を成膜する。集電体薄膜7102は負極活物質層7103と密着性がよく、抵抗が小さいことが求められ、アルミニウム、銅、ニッケル、バナジウムなどを用いることができる。次に集電体薄膜7102上に負極活物質層7103を成膜する。一般には酸化バナジウム(V2O5)などが用いられる。次に負極活物質層7103上に固体電解質層7104を成膜する。一般にはリン酸リチウム(Li3PO4)などが用いられる。次に固体電解質層7104上に正極活物質層7105を成膜する。一般にはマンガン酸リチウム(LiMn2O4)などが用いられる。コバルト酸リチウム(LiCoO2)やニッケル酸リチウム(LiNiO2)を用いても良い。次に正極活物質層7105上に電極となる集電体薄膜7106を成膜する。集電体薄膜7106は正極活物質層7105と密着性がよく、抵抗が小さいことが求められ、アルミニウム、銅、ニッケル、バナジウムなどを用いることができる。なお、リチウムイオン電池は、ニッカド電池、鉛電池などと比べて、メモリ効果がなく、電流量を大きく取ることができる。
また、上記集電体薄膜7102、負極活物質層7103、固体電解質層7104、正極活物質層7105、集電体薄膜7106の薄膜層は、スパッタ技術を用いて形成しても良いし、蒸着技術を用いても良い。また集電体薄膜7102、負極活物質層7103、固体電解質層7104、正極活物質層7105、集電体薄膜7106の厚さは0.1μm〜3μmが望ましい。
次に以下に充電時、放電時の動作を説明する。充電時には、正極活物質層7105からリチウムがイオンとなって離脱する。そのリチウムイオンは固体電解質層7104を介して負極活物質層7103に吸収される。このときに、正極活物質層7105から外部へ電子が放出される。
また放電時には、負極活物質層7103からリチウムがイオンとなって離脱する。そのリチウムイオンは固体電解質層7104を介して、正極活物質層7105に吸収される。このとき負極活物質層7103から外部に電子が放出される。この様にして薄膜二次電池は動作する。
なお、再度集電体薄膜7102、負極活物質層7103、固体電解質層7104、正極活物質層7105、集電体薄膜7106の薄膜層を重ねて形成することで、より大きい電力の充放電が可能になるため好適である。
本実施の形態のバッテリーは厚さ10μm以下程度の薄膜状であり、且つ充放電可能なバッテリーであるため、本実施の形態のバッテリーを用いることにより小型で軽量な電子ペンを作製することができる。
(実施の形態6)
バッテリーとして充電可能な電池を使用する場合、一般に、充放電の制御が必要である。つまり、充電をおこなう際に過充電にならないように、充電状況をモニターしながら充電を行う必要がある。本実施の形態において、充電制御をおこなうための回路について説明する。図13に、図1に示した充電回路113、充電制御回路114、バッテリー107のブロック図を示す。
図13に示す例では充電回路113は定電流源回路125、スイッチ回路126から構成され、充電制御回路114、バッテリー107と接続されている。なお、図13に示す充電回路は一例であり、この様な構成に限定されるものではなく、他の構成であっても良い。本実施の形態は定電流によって、バッテリーに充電をおこなっているが、定電流だけの充電ではなく、途中で定電圧充電に切り替えても良い。定電流を用いない別の方式であっても良い。また、以下の回路を構成するトランジスタは薄膜トランジスタであっても良いし、単結晶基板上のトランジスタや有機トランジスタであっても良い。
図14は図13の回路をさらに詳細にしたものである。以下に動作を説明する。定電流源回路125、スイッチ回路126、充電制御回路114は高電位電源線776、低電位電源線777を電源線として用いている。図13では低電位電源線777をGND線として用いているが、GND線には限定されず他の電位であっても良い。
定電流源回路125はトランジスタ752〜761、抵抗751、762によって構成されている。高電位電源線776より抵抗751を介してトランジスタ752、753に電流が流れ、トランジスタ752、753がオン(ON)する。
トランジスタ754、755、756、757、758は帰還型の差動アンプを構成し、トランジスタ757のゲート電位はトランジスタ752のゲート電位とほぼ同じとなる。トランジスタ761のドレイン電流はトランジスタ757のゲート電位と低電位電源線777の差電位を抵抗762の抵抗値で割った値となる。その電流をトランジスタ759、760によって構成されるカレントミラー回路に入力し、カレントミラー回路の出力電流をスイッチ回路126に供給する。定電流源回路125は本構成に限定されず他の構成を用いても良い。
スイッチ回路126はトランスミッションゲート765、インバータ763,764から構成され、インバータ764の入力信号によって定電流源回路125の電流をバッテリー107に供給するか、否かを制御する。スイッチ回路はこの構成に限定されず他の構成を用いても良い。
充電制御回路114はトランジスタ766〜774、抵抗775によって構成される。高電位電源線776より抵抗775を介してトランジスタ773、774に電流が流れ、トランジスタ773、774がオン(ON)する。トランジスタ768、769、770、771、772は差動型のコンパレーターを構成している。トランジスタ770のゲート電位がトランジスタ771のゲート電位より低い場合、トランジスタ768のドレイン電位はほぼ高電位電源線776の電位とほぼ等しくなり、トランジスタ770のゲート電位がトランジスタ771のゲート電位より高い場合、トランジスタ768のドレイン電位はトランジスタ770のソース電位とほぼ等しくなる。
トランジスタ768のドレイン電位が高電位電源線776とほぼ等しい場合、トランジスタ767、766で構成されるバッファを介して、充電制御回路114はロウを出力する。トランジスタ768のドレイン電位がトランジスタ770のソース電位とほぼ等しい場合、トランジスタ767、766で構成されるバッファを介して、充電制御回路114はハイを出力する。
充電制御回路114の出力がロウの場合、バッテリー107にはスイッチ回路126を介して電流が供給される。また、充電制御回路114の出力がハイの場合は、スイッチ回路126はオフ(OFF)して、バッテリー107に電流は供給されない。トランジスタ770のゲートはバッテリー107に接続されているため、バッテリー107が充電され、その電位が充電制御回路114のコンパレーターのしきい値を超えると、充電が停止する。本実施の形態ではコンパレーターのしきい値をトランジスタ773のゲート電位で設定しているが、この値に限定するものではなく、他の電位であっても良い。一般に設定電位は用途とバッテリーの性能によって適宜決められるものである。なお、バッテリーへの充電回路の構成は、この構成に限定されるものではない。
本実施の形態に示す回路が設けられた電子ペンは、イメージセンサを用いずに表示部に筆記された情報を正確に電子情報として読み取り、該電子情報を記憶することができる。また、本実施の形態に示す回路が設けられた電子ペンは外部から無線で電力が供給され、バッテリーに蓄え、回路動作をおこなうため、電池交換が不要となる。また、無線で充電を行うため、ペンを使用中でも充電することが可能となり、大型の充電池が必要なく、小型で軽量な筆記具を提供することができる。さらに、充電をおこなう際に充電制御をおこなうため、バッテリーが過充電になるのを防ぐことができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記実施の形態で使用する薄膜トランジスタを作製する方法について図18を用いて説明する。なお、本実施の形態では半導体素子としてnチャネル型薄膜トランジスタ(以下TFTと記す)、pチャネル型TFTを例に挙げて示すが、本発明において、半導体素子はこれに限定されない。また、この作製方法は一例であって、作製方法を限定するものではない。
まず、絶縁基板800上に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜などの絶縁膜から成る下地膜801及び802を形成する。例えば、下地膜801として酸化窒化シリコン膜を10nm〜200nm、下地膜802として酸化窒化水素化シリコン膜を50nm〜200nmの厚さに順に積層形成する。
島状半導体層803、島状半導体層804は、非晶質構造を有する半導体膜を公知のレーザー結晶化法や熱結晶化法を用いて作製した結晶質半導体膜で形成する。この島状半導体層803、島状半導体層804の厚さは25nm〜80nmの厚さで形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコン・ゲルマニウム(SiGe)合金などで形成すると良い。
次いで、島状半導体層803、島状半導体層804を覆うゲート絶縁膜805を形成する。ゲート絶縁膜805はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを10nm〜80nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。
そして、ゲート絶縁膜805上に第1の導電層806、第1の導電層807を形成する。続いて第2の導電層808、第2の導電層809を形成し、積層された第1の導電層806と第2の導電層808と積層された第1の導電層807と第2の導電層809を一括でエッチングを行い、TFTのゲート電極を形成する。
本実施の形態では、第1の導電層806、第1の導電層807を窒化タンタルで50nm〜100nmの厚さに形成し、第2の導電層808、第2の導電層809をWで100nm〜300nmの厚さに形成したが、導電層の材料は特に限定されず、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cuなどから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成しても良い。
次にpチャネル型TFTにp型を付与するドーピングを行い、第1の不純物領域810、811を形成する。続いてnチャネル型TFTのLDD領域を形成するために、n型を付与するドーピングを行い、第2の不純物領域812、813を形成する。その後、サイドウォール814、815を形成して、nチャネル型TFTにn型を付与するドーピングを行い第3の不純物領域816、817を形成する。これらのドーピング方法はイオンドープ法もしくはイオン注入法で行えば良い。以上までの工程でそれぞれの島状半導体層に不純物領域が形成される。
次に、それぞれの島状半導体層に添加された不純物元素を活性化する工程を行う。この工程はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法で行う。その他に、レーザアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することができる。さらに、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行い、島状半導体層を水素化する工程を行う。水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。
次いで、第1の層間絶縁膜818を酸化窒化シリコン膜で形成する。第1の層間絶縁膜818の膜厚は、ゲート絶縁膜と同程度の10nm〜80nmとする。続いてアクリルなどの有機絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜819を形成する。また、第2の層間絶縁膜819として有機絶縁物材料の代わりに無機材料を用いることもできる。無機材料としては無機SiO2やプラズマCVD法で作製したSiO2(PCVD‐SiO2)、SOG(Spin on Glass;塗布珪素酸化膜)等が用いられる。
次に、コンタクトホール820、821を開口する。そして、島状半導体層のソース領域、ドレイン領域とコンタクトをとる電極822〜824を形成する。
以上のようにして、LDD構造のnチャネル型TFTおよびシングルドレイン構造のpチャネル型TFTを基板上に形成することができる。
次に、回路部分を形成し、フレキシブル基板へ転写するまでの作製方法について図19、図20を用いて説明する。なお、本実施形態では半導体素子として、nチャネル型TFT、およびpチャネル型TFTを例に挙げて示すが、本発明において半導体素子はこれに限定されない。また、この作製方法は一例であって、絶縁基板上での作製方法を限定するものではない。
絶縁基板800上に剥離層900を形成する。剥離層900は、非晶質シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン、微結晶シリコン(セミアモルファスシリコンを含む)等、シリコンを主成分とする層を用いることができる。剥離層900は、スパッタ法、プラズマCVD法等を用いて形成することができる。本実施の形態では、膜厚500nm程度の非晶質シリコンをスパッタ法で形成し、剥離層900として用いる。続いて上記に示した作業工程に従い、図18に示すような回路部分を形成する。
次に、第2の層間絶縁膜819上に第3の層間絶縁膜901を形成し、パッド902、903を形成する。パッド902、903は、Ag、Au、Cu、Pd、Cr、Mo、Ti、Ta、W、Alなどの金属、金属化合物を1つまたは複数有する導電材料を用いることができる。
そしてパッド902、903を覆うように、第3の層間絶縁膜901上に保護層904を形成する。保護層904は、後に剥離層900をエッチングにより除去する際に、パッド902、903を保護することができる材料を用いる。例えば、水またはアルコール類に可溶なエポキシ系、アクリレート系、シリコン系の樹脂を全面に塗布することで保護層904を形成することができる(図19(A))。
次に、剥離層900を分離するための溝905を形成する(図19(B)参照)。溝905は、剥離層900が露出する程度であれば良い。溝905の形成は、エッチング、ダイシング、スクライビングなどを用いることができる。
次に、剥離層900をエッチングにより除去する(図20(A)参照)。本実施の形態では、エッチングガスとしてフッ化ハロゲンを用い、該ガスを溝905から導入する。本実施の形態では、例えばClF3(三フッ化塩素)を用い、温度:350℃、流量:300sccm、気圧:798Pa、時間:3hの条件で行う。また、ClF3ガスに窒素を混ぜたガスを用いても良い。ClF3等のフッ化ハロゲンを用いることで、剥離層900が選択的にエッチングされ、絶縁基板800を剥離することができる。なおフッ化ハロゲンは、気体であっても液体であってもどちらでも良い。
次に、剥離された回路部分を、接着剤906を用いて支持体907に貼り合わせる(図20(B)参照)。接着剤906は、支持体907と下地膜801とを貼り合わせることができる材料を用いる。接着剤906は、例えば反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。
支持体907として、フレキシブルな紙またはプラスチックなどの有機材料を用いることができる。または支持体907として、フレキシブル無機材料を用いていても良い。支持体907は集積回路において発生した熱を拡散させるために、2〜30W/mK程度の高い熱伝導率を有するのが望ましい。
なお回路部分を絶縁基板800から剥離する方法は、本実施の形態で示したように珪素膜のエッチングを用いる方法に限定されず、他の様々な方法を用いることができる。例えば、耐熱性の高い基板と集積回路の間に金属酸化膜を設け、該金属酸化膜を結晶化により脆弱化して集積回路を剥離することができる。また例えば、剥離層をレーザー光の照射により破壊し、集積回路を基板から剥離することもできる。また例えば、集積回路が形成された基板を機械的に削除または溶液やガスによるエッチングで除去することで、集積回路を基板から剥離することもできる。
本実施の形態に示すTFTを備えた電子ペンは、イメージセンサを用いずに表示部に筆記された情報を正確に電子情報として読み取り、該電子情報を記憶することができる。また、本実施の形態に示すTFTを備えた電子ペンは外部から無線で電力が供給され、バッテリーに蓄え、回路動作をおこなうため、電池交換が不要となる。また、無線で充電を行うため、ペンを使用中でも充電することが可能となり、大型の充電池が必要なく、小型で軽量な筆記具を提供することができる。