JP4913086B2 - 容器入り即席麺の製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、生分解性の容器はその構造や材質等により、内面が傷ついたものにお湯を注いで調理すると傷からお湯が浸入し、容器の成分が調理された即席麺に溶出する恐れがある。また、傷から比較的多量のお湯が侵入すると容器が軟化する恐れもある。
しかし、生分解性容器の成分が調理された即席麺に溶出する可能性がある以上、内部に収容した乾燥した麺塊で容器の内面が傷つくことを防止することが望まれる。
また、この発明は、生分解性を有する基材層と基材層の表面を覆う生分解性および耐水性を有する表層とからなる生分解性の容器に、乾燥した具材を収容した具材袋とスープの素を収容したスープ袋との少なくとも一方を装填した後、装填された具材袋またはスープ袋の上に乾燥した麺塊を装填する工程を含み、具材袋とスープ袋は一体に繋げられ、スープ袋または具材袋は麺塊の上に載せられる容器入り即席麺の製造方法を提供するものでもある。
このため、輸送中または保管中に外部から衝撃を受けても、具材袋とスープ袋との少なくとも一方が緩衝材となって容器内で麺塊が暴れることを抑止でき、乾燥した麺塊で生分解性容器の内面が傷つくことを防止できる。
これにより、生分解性の基材層が傷から侵入するお湯で軟化、溶出することを防止でき、生分解性の容器を即席麺の容器として何ら不都合なく用いることが可能となり、ゴミの減量、ひいては資源循環型社会の実現に貢献することが可能となる。
さらに、上記の修飾されていないデンプンと上記のデンプンの誘導体とを混合した混合物が用いられても構わない。
このような構成によれば、具材またはスープの素とともに密封された空気によって具材袋またはスープ袋が弾性的に膨らんだ状態となり、外部からの衝撃を効率よく吸収できるようになる。
これにより、具材袋またはスープ袋の緩衝効果を高めることができ、容器内で麺塊が暴れることをより一層効果的に抑止できる。このため、容器の内面が乾燥した麺塊で傷つくことをより一層効果的に防止できるようになる。
このような構成によれば、容器の下方へ向かうほど容器の容積が小さくなるので、収容した麺塊の移動が制限され衝撃を受けても麺塊が暴れにくくなる。
これにより、乾燥した麺塊で容器の内面が傷つくことをより一層効果的に防止できる。
このような構成によれば、逆円錐台状の容器の底に同じく逆円錐台状の麺塊が嵌まるような状態で収容されるので、麺塊の横方向の移動がより一層制限され衝撃を受けても麺塊が暴れにくくなる。これにより、乾燥した麺塊で容器の内面が傷つくことをより一層効果的に防止できる。
このような構成によれば、麺塊とともに密封された空気によって麺袋が弾性的に膨らんだ状態となり、外部からの衝撃により麺塊が容器内で暴れても麺塊から容器の内面に伝わる衝撃が緩和され、容器の内面が傷つくことをより一層効果的に防止できる。
このような構成によれば、具材袋またはスープ袋の周縁から延びる舌片が麺塊の上に載せられるので、消費者が麺塊の下に配置された具材袋またはスープ袋の存在に気付き易くなり、具材袋の取り出し忘れを防止できるようになる。
このような構成によれば、一体に繋げられた具材袋とスープ袋のいずれか一方が麺塊の上に載せられるので、消費者がスープ袋または具材袋を取り出せばそれに繋がった具材袋またはスープ袋も自ずと取り出されることとなり、具材袋または具材袋の取り出し忘れを防止できるようになる。
図1は、実施形態1に係る容器入り即席麺の製造方法によって製造された容器入り即席麺の斜視図、図2は図1に示される容器入り即席麺から蓋を取り外した状態を示す斜視図、図3は図2の断面図、図4は図3の要部拡大図である。
容器1は上縁開口1cから底面1aへ向かうにしたがって徐々に内径が小さくなるように側面1bが底面1aに対して傾斜し、全体としてほぼ逆円錐台状の外観を呈している。
このため、容器1内で麺塊3は具材袋2の上に載せられた状態となり、輸送中または保管中に衝撃を受けても、具材袋2が緩衝材の役割を果たし、衝撃が直接麺塊3に伝わらなくなる。
これにより、容器1内で麺塊3が暴れることが抑止され、乾燥した麺塊3によって容器1の内面が傷つくことを防止している。
具材とともに密封される空気の量は、具材袋2内で具材の体積に対して空気の体積がある程度の割合を占め、かつ、具材袋2の最大容積に対して少な過ぎず多すぎない、一定の条件の範囲内であることが好ましい。
このため、外部から容器1に衝撃が加わっても麺塊3が容器1内で大きく移動することが制限され、上述の具材袋2の緩衝効果と相俟って容器1内で麺塊3が暴れ、容器1の内面が傷つくことを防止している。
基材層6はデンプンを主成分とする成形用材料を発泡・焼成して成形したものである。また被覆フィルム7は変性ポリエステルを主成分とする厚さ20μm以上の厚みのフィルムであり、上記の成形用材料の焼成成形と同時、または、焼成成形後に基材層6の表面に貼り付けられる。
(1)容器
形状:略逆円錐台状
上縁径:140mm
上縁開口径:123mm
底面径:80mm
高さ:75mm
平均厚さ:約1.5mm
重量:約20g
基材層(主成分):デンプン
被覆フィルム(主成分):変性ポリエステル
(2)麺塊
形状:略逆円錐台状
最大径:約95mm
最小径:約70mm
高さ:約45mm
体積:約200cm3
重量:約60g
(3)具材袋
形状(平面):略正方形(90×95mm)
重量(内容物含む):約6g
(4)スープ袋
形状(平面):略正方形(80×90mm)
重量(内容物含む):約10g
(5)蓋
形状(平面):円形
重量:約7g
(2)梱包済みの段ボール箱を、重力方向に対して蓋5が上、容器1の底面が下となる向き(以下の表1ではこの方向を「水平方向」と表記している)で、1.5mの高さから落下させる。
(3)段ボール箱から即席麺入り容器を取り出し、麺塊3、スープ袋4および具材袋2を取り除く。
(4)容器1に割れ等が生じていないか目視確認する。
(5)容器1に界面活性剤と染色剤入りのお湯を注ぎ、約7分間放置後お湯を捨て、染色された傷の有無を確認する。
これは容器1の底面1aと麺塊3との間に緩衝材となる具材袋2が介在しないため、落下時の衝撃が直接麺塊3に伝わり、麺塊3が容器1内で暴れたためと考えられる。
一方、容器1の底面1aと麺塊3との間に具材袋2が介在する実施例1および2では、染色された傷の発生は著しく減少した。
よって、実施形態1による容器入り即席麺の製造方法は、生分解性の基材層6を有する生分解性の容器1を即席麺の容器として利用する場合に、好適な製造方法であると言える。
なお、麺塊3と具材袋2又はスープ袋4との接触面積をより大きく設定すれば、緩衝効果がより一層高くなることは言うまでもない。
この発明の実施形態2による容器入り即席麺の製造方法について図5に基づいて説明する。図5は実施形態2に係る容器入り即席麺の製造方法によって製造された容器入り即席麺を示す図3対応図である。
麺袋21は、麺塊3を空気とともに密封し、麺塊3の体積の1.1倍以上に膨らんでいる。
その他の構成は上述の実施形態1と同様である。
試験結果は次の表2に示すとおりである。
一方、実施例3および4では、傷ついたものが発見されなかった。これは弾性的に膨らんだ麺袋21が具材袋2の緩衝効果と相俟ってより良い結果をもたらしたものと考えられる。
よって、麺塊3を空気とともに麺袋21で密封した本実施形態2は、容器1の内面が傷つくことを防止するうえでより好ましい実施形態であると言える。
この発明の実施形態3に係る容器入り即席麺の製造方法について図6に基づいて説明する。図6は実施形態3に係る容器入り即席麺の製造方法によって製造された容器入り即席麺を示す図3対応図である。
図5に示される上述の実施形態2では、調理するにあたって麺袋21から麺塊3を取り出す必要があるので、消費者は必ず容器1から麺袋21を取り出すことになる。
このため、消費者は容器1から麺袋21を取り出した際に麺袋21の下に配置されていた具材袋2の存在に必ず気付き、具材袋2が容器1内に取り残される恐れはない。
しかし、上述の実施形態1のように麺塊3が麺袋で包装されることなく裸で容器1内に収容されていると、消費者によっては麺塊3の下に配置された具材袋2の存在に気付かず、具材袋2を容器1内に残したままお湯を注いで調理を始める恐れもある。
この発明の実施形態4に係る容器入り即席麺の製造方法について図7に基づいて説明する。図7は実施形態4に係る容器入り即席麺の製造方法によって製造された容器入り即席麺を示す図3対応図である。
このため、仮に消費者が麺塊3の下に配置された具材袋42の存在に気付いていない場合でも、スープ袋44を容器1から取り出すと自ずと具材袋42もスープ袋44に引っ張られて取り出される。これにより、具材袋44の取り出し忘れが防止される。
なお、図示しないが、スープ袋44を麺塊3の下に位置させ、具材袋42を麺塊3の上に載せる形態としてもよい。
1a・・・底面
1b・・・側面
1c・・・上縁開口
2,32,42・・・具材袋
3・・・麺塊
4,44・・・スープ袋
5・・・蓋
6・・・発泡基材
7・・・被覆フィルム
10,20,30,40・・・容器入り即席麺
21・・・麺袋
32a・・・舌片
Claims (6)
- 生分解性を有する基材層と基材層の表面を覆う生分解性および耐水性を有する表層とからなる生分解性の容器に、乾燥した具材を収容した具材袋とスープの素を収容したスープ袋との少なくとも一方を装填した後、装填された具材袋またはスープ袋の上に乾燥した麺塊を装填する工程を含み、具材袋またはスープ袋はその周縁から延び麺塊の上に載せられる着色または非着色の舌片を有する容器入り即席麺の製造方法。
- 生分解性を有する基材層と基材層の表面を覆う生分解性および耐水性を有する表層とからなる生分解性の容器に、乾燥した具材を収容した具材袋とスープの素を収容したスープ袋との少なくとも一方を装填した後、装填された具材袋またはスープ袋の上に乾燥した麺塊を装填する工程を含み、具材袋とスープ袋は一体に繋げられ、スープ袋または具材袋は麺塊の上に載せられる容器入り即席麺の製造方法。
- 具材袋またはスープ袋は、具材またはスープの素を空気とともに密封している請求項1または2に記載の容器入り即席麺の製造方法。
- 容器は、底面と、底面の縁から立ち上がるように延びた側面と、側面の端縁によって規定された上縁開口とを有し、側面は容器が上縁開口から底面へ向かって先細となるように底面に対して傾斜している請求項1〜3のいずれか1つに記載の容器入り即席麺の製造方法。
- 容器は、円形の底面および上縁開口を有するほぼ逆円錐台状であり、麺塊は最小径が容器の底面の直径とほぼ等しくなる逆円錐台状である請求項4に記載の容器入り即席麺の製造方法。
- 麺塊は空気とともに麺袋に密封されている請求項1〜5のいずれか1つに記載の容器入り即席麺の製造方法。
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