JP4911600B2 - サンプル中の可溶性のtrem−1レベルを測定することによって伝染病を診断する方法 - Google Patents

サンプル中の可溶性のtrem−1レベルを測定することによって伝染病を診断する方法 Download PDF

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Description

本発明は、一般的に、免疫分野に関する。より詳細には、本発明は、炎症と、伝染病の発生源(例えば、細菌または真菌類)の迅速な診断及び薬理学的処理段階での感染した患者のその後の様子の追跡を可能にするマーカーの使用に関する。これらのマーカーは、肺炎及び敗血症の診断において特定の適用を有する。
人工換気患者での伝染性肺炎の診断及び治療は、臨床的に困難な状況が続いている。患者が熱、白血球増加症および化膿した気管分泌物と関連する新規なX線撮影浸潤物を有し、かつ、微生物が気道から分離される場合に、肺炎の推定的な臨床診断はしばしばなされる。不運にも、多くの非伝染性のプロセスは機械的人工換気患者の熱および新規な肺浸潤物の原因となっている可能性があり、臨床方法は肺炎の発病率の過大な予測に至る。さらに、選択される微生物学的な診断法が何であれ、それは、限定的な定量的微生物培養結果を得る前に、24時間から48時間の不可避の遅延を有する、更なる試験的な処理を必要とする。一方、臨床医はしばしば診断について不快感を覚え、多くの場合、研究結果を待つ間に、必要とされない抗生物質が投与される。したがって、多くの生物学的マーカーは、従来から、診断手順の迅速さ及び性能を高めるために研究されてきたが、結果は満足いくものではなかった。
本願明細書の実施例で、発明者は、正確に細菌又は真菌類の肺炎を診断するために、機械的人工換気患者の気管支肺胞液でのヒトのTREM-1レセプタ(sTREM−1)の可溶形態の迅速な検出試験を記載する。
多くの非伝染性のプロセスは機械的人工換気患者の熱および新規な肺浸潤物につながり、肺炎(特に、人工呼吸器関連肺炎)の診断を非常に挑戦的なものにする。感染(例えば熱、心搏急速および白血球増加症)の全身性徴候は、非特異性の所見であって、サイトカインを放出する、いかなる状態でも生じることがあり得る。プギン等(Am Rev Respir Dis 1991; 143:1121-9)は、体温、白血球数、気管分泌物の量及び外観、吸入した酸素の分画に対する動脈の酸素の分圧の比率(PaO2/FiO2)、胸部X線画像及び気管アスピレート(aspirate)培養組織を臨床肺感染症スコア(CPIS)と組み合わせ、スコアが6よりも高いと肺炎にかかる可能性が高いことを報告した。これは、臨床肺感染症の6より高いスコアが、2.98の確率比率を有する肺炎の最高の臨床予測因子であったために、発明者の研究によって確証された。
肺炎が疑われる患者の臨床意思決定に関して、未だに議論の対象である、選択される微生物学的な診断法に関する主要な課題は、サンプル培養組織(サンプリング後に少なくとも24時間乃至48時間待つことを意味する)を必要とする。この遅延の間、患者の診断に対する臨床医の不確定度は、しばしば必要とされない抗生物質の処方に至る。しかしながら、感染のない患者の経験的に幅広い範囲の抗生物質の使用は、潜在的に多耐性細菌の有害で容易な定着及び重複感染であり、病院滞在の延長した期間と相関していることを示し、したがって、病院でのコストが上昇した。加えて、このような非常に重篤な患者の抗生物質の濫用は、適当な診断、熱及び肺浸潤物の本当の原因の処置を遅らせる。
多くの生物学的マーカーは、診断手順の迅速さ及び性能を高める見込みにおいて研究された。特に、血清C活性タンパク質及びプロカルシトニンが非常に重篤な患者において失望した研究であった。同様の結果は、肺炎に感染した患者と感染していない患者との間に有意差がなく、発明者の研究において得られた。
微生物が肺胞に到達するのを防止する解剖学的で機械的な防御メカニズムが圧倒される場合に、複合ホストの反応は発達する。この反応は、微生物の産物によって、局所的に多数の内因性媒体を放出する肺大食細胞のアクチベーション(activation)を備えている。これらの媒体の中で、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、インターロイキン−1β(IL−1β)および他のサイトカインは、潜在的な予後のインプリケーション(implications)を含む肺感染性の様々なタイプで増加することが証明された。しかしながら、他の研究(例えば、Monton C et al. Crit Care Med 1999;91745-53)と一致して、発明者は肺炎の診断のためのこのような媒体の正確に識別するカットオフレベルを決定することができなかった。
発明者は、容易に実行する免疫ブロット技術を用いて、TREM−1(sTREM−1)の可溶形態が、少なくとも98パーセントの感度を有する肺炎を患っている患者から、気管支肺胞洗浄液において局所的に放出されることを実証した。対照中、sTREM−1は肺炎を患っていない64人の患者から、6人だけに検出された。sTREM−1の気管支肺胞洗浄液レベルは、試験される臨床または生物学的パラメータのいずれとも相関しておらず、高い特性の独立パラメータとして存在した。多数のロジスティックレグレッション分析において、気管支肺胞洗浄液中のsTREM−1の存在は、41.52と同じ程度の高い確率比率で肺炎の最高の予測因子であることを示した。いかなる臨床所見または研究が細菌または真菌類の肺炎の存在を識別して、TREM-1自体の存在はより正確だった。したがって、気管支肺胞洗浄液中のsTREM−1の迅速な検出は、細菌または真菌類の肺炎の診断法を確立するかまたは除外することに役立つ。
敗血症は、集中治療室(ICU)における病的状態及び死亡の一般的な原因である。非常に重篤な患者がしばしば感染のない全身性炎症反応症候群(SIRS)を提示するので、体温、心搏急速または白血球増加症の変化を含む全身性炎症の臨床的および検査上の徴候は感度が高くもなく十分に敗血症の診断に特有でもないので紛らわしい。この問題は、治療及び結果が敗血症を患う患者とそうでない患者との間で非常に異なるという事実のために、最も高い重要性がある。さらに、それらのすべての患者における抗生物質の広範囲の使用は、抗生物質の耐性、毒性及び費用を高める。したがって、これまで、SIRSと敗血症とを区別するために認められる臨床的または研究的ツールの満たされてない必要がある。敗血症の潜在的に有用なマーカーのなかでも、プロカルシトニン(PCT)は最も期待されるものとして提案されている。プロカルシトニンレベルは、臨床変数または一般的に用いられる検査(例えばC活性タンパク質レベルまたは白血球数)に対して優れ、微生物浸潤のひどさに相関すると仮定された。しかしながら、幾つかの調査は、ルーチンのPCT測定値の診断及び予後の精度を疑い、疾患のひどさ及び研究された患者集団の感染に依存して、矛盾し、多様な結果を報告している。敗血症は、集中治療で著しい割合を占め、集中治療室で常に存在する課題となっている。米国と欧州において、毎年400,000から500,000の患者が感染していると予測される。病的状態および死亡率は、支えとなる抗菌性治療の改善にもかかわらず高いままである。死亡率は、単純な敗血症のための40%から、感染性ショックおよび複数の臓器の機能不全が原因による80%まで変化する。現在、症状の病因は、より理解されている。免疫性、炎症性、へモトロジカル(haemotological)な媒体の複合のネットワークの多大な理解は、合理的で新規な治療法の開発を促す。
従来から敗血症の症状は、症状の複雑さおよび他の原因論に対して二次的な炎症性反応の類似性を反映する、多くの症状および命名法と関連している。敗血症の複合的な性質を例示するために、敗血症は、「経験豊かな医師が、患者は重い感染症にかかっているかもしれないと結論する臨床的および検査上の所見の一群」としてエドワードO.ウスマン医学博士によって定義された。文献の「敗血症」を定める試みは、多くの意見の相違および知識を混乱させたので、彼の定義ははっきりしておらず、主観的で、同語反復の定義として故意になされた。
1991年、診断およびこれらの病状の治療を明らかにする目的で、そして、この分野の研究解釈の援助に、the American College of Chest Physicians及びthe American Society of Critical Care Medicineは、全身性炎症反応症候群(SIRS)および敗血症における定義を公表した(表1参照)。
表1:全身性炎症反応症候群(SIRS)及び敗血症の定義
Figure 0004911600
生理的に変化するパターンは、外傷、熱傷、膵炎および感染を含む傷害の範囲に応答して、非常に重篤な患者に示される。これらは炎症反応、白血球増加症または高度の白血球減少症、高体温または低体温、心搏急速、頻呼吸を含み、全身性炎症反応症候群(SIRS)と集合的に呼ばれる。この定義は、感染の存在を問わず、これらの症状の炎症プロセスの重要性を強調する。用語、敗血症は、感染が疑われるかまたは証明されるSIRSにおいて存在される。
器官低循環(臓器機能不全(例えば、低酸素血症、乏尿、乳酸アシドーシスまたは変化した脳の機能)の徴候によって明白にされる)の証拠がある場合、敗血症は重度の敗血症に更に分類される。敗血症ショックは、十分なフルーイド・リサスシテーション(fluid resuscitation)にもかかわらず90mmHg未満の収縮期の血圧として定義される低血圧による複雑な重篤な敗血症である。敗血症およびSIRSは、2つ以上の臓器不全(器官循環および酸素化障害による、多臓器不全(MOF)と呼ばれる)によって複雑となるかもしれない。感染症の全身性の影響に加えて、全身炎症性の反応は、ひどい炎症性の状況(例えば膵炎および熱傷)で生じ得る。
炎症反応の徴候の出現は、外傷性傷害後でより明確でない。集中治療室において、グラム陰性バクテリアは、敗血症ケースの更に35乃至40%を占めているグラム陽性バクテリアを有する50乃至60%の敗血症ケースに関係する。残りのケースは、菌類、ウィルスおよび原生動物のそれほど一般的でない原因による。
非常に重症な患者の敗血症および全身性炎症反応症候群(SIRS)の早めの認識は、増加した罹患率、死亡率および多臓器不全を伴う期間の長さを回避することができる。しかしながら、敗血症の診断に関連する重大な課題があり、伝染性の要因(敗血症)によりSIRSを検出し、監視し、処理するために急速で、信頼性が高くて、感度が高い方法を明らかに必要とする。
本発明は、検出の正確で一貫した方法を提供するために、敗血症の診断と関係している既存の問題を回避することを導く。
本願明細書の実施例において、発明者は、敗血症が疑われる新しく認められた非常に重篤な患者のプラズマ・サンプルのTREM-1(sTREM-1)の可溶形態を検定することの価値を正確に感染プロセスの診断の新規な方法として記載する。
感染の早めの識別は、重篤患者の臨床経過、管理、及び結果に対して、多大な影響を及ぼす。重要な介護医師は、新しく認められた患者の非伝染性の状況からの感染を区別することにおける手引きとして、それらの処理で種々のインジケータを提供する。場合によっては、敗血症の診断は、新しく認められた患者の医学的経緯及び理学的検査を完了した後に明白になる(Bates DW, et al Ann Intern Med. 1990;113:495-500)。SIRS(例えば外傷、出血、熱傷、膵炎、その他)を引き起こしている非感染性傷害の他の状況において、敗血症の診断は、挑戦的なままである。効果は、このように、感染の信頼性が高いマーカーを識別するために実行された。しかしながら、現在まで、敗血症の一つの臨床または生物学的インジケータも、広範囲にわたり受け入れられなかった。潜在的に役立つ敗血症マーカーの中で、プロカルシトニンは最も有望なものであることが提案されたが、これは数人の著者によって疑問を呈された。
本願明細書の実施例3に記載されている研究において、プラズマのsTREM-1レベルは、敗血症で最も独立した予測因子であるように思える。600ng/mLの区分のレベルで、正および負の予測値は、それぞれ94および92%である。この研究は、臨床医への重要な示唆を有する。ICU入院に応じて敗血症を診断するために推定の新規な試験として、プラズマのsTREM-1レベル分析は、他の現在利用可能な候補よりも高い確実性の程度を提供する。この精度は、医師の臨床意思決定および非常に重篤な患者の複合の管理の段階を追ったアプローチを有用に導くことができる。血液培養の結果が戻るかなり以前に、ここで使用する免疫ブロット技術は3〜4時間以内で実行されることができて、有益な情報を提供することができる。さらに、低コストにあって、わずかな連続または個々のサンプルにさえ適用されることができる。
ここで報告される結果は、プラズマのsTREM-1レベルの迅速な測定が敗血症患者を非感染性が源の全身性炎症を有するそれらと区別するために臨床医の能力を高めることができることを証明する。これは、特に診断が臨床的に直接でない患者において役立たなければならない。記載されている免疫ブロック技術は、迅速で正確な低コストであって、わずかな連続または個々のサンプルにさえ適用されることができる。プラズマのsTREM-1レベルを評価するこの試験の使用は、感染の臨床的な疑いのある、ICUに入るのを許可される患者の敗血症のより正確な診断につながらなければならない。
骨髄細胞-1(TREM-1)に発現しているトリガーリングレセプタ(triggering receptor)は、Ig-スーパーファミリーの一員であり、その発現は、細菌または真菌類が存在する場合に食細胞でアップレギュレートされる(Bouchon A et al. Nature 2001;230:1103-7)。発明者は、TREM-1が及ぼされるかまたは活性化した食細胞の膜から隠されて、体液に可溶形態で見られ、したがって、有用な診断用マーカーであると決定した。機械的人工換気患者からの気管支肺胞洗浄(BAL)流体のTREM-1(sTREM-1)の可溶形態の存在は、伝染性肺炎の良好なインジケータであることを本願明細書において示す。
さらに、本願明細書において記載されているように、急性、高度の炎症の徴候によって認められる一団の重症の患者のプラズマのsTREM-1アッセイの使用は、敗血症と高度の全身性非感染性炎症を区別することができる。
したがって、本発明は、細菌または真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)の臨床スクリーニングおよび診断のための方法ならびに組成物を提供する。加えて、本発明は、細菌であるか真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)の治療の効果を監視し、細菌であるか真菌類を起とする疾患と関連している臨床試験の参加者を選択し、細菌であるか真菌類を源とする疾患の特定の治療的な処置に最も応じそうな患者を識別し、細菌であるか真菌類を源とする疾患の治療のための薬剤のスクリーニング及び開発のための方法ならびに組成物を提供する。
このように、第1の態様で、本発明は患者に細菌または真菌類を源とする疾患の診断の方法を提供し、その方法は、該患者から得られる生物学的サンプルのsTREM-1のレベルを測定するステップを含む。通常、疾患は炎症性の状態であり、その方法は炎症性の状態における微生物源を識別することができる。このような炎症の例は、細菌または真菌類を源とする肺炎及び敗血症をいう。
このように、この第1の実施態様で、本発明は患者の肺炎の診断の方法を提供し、その方法は、患者から得られる生物学的サンプルのsTREM-1のレベルを測定するステップを含む。
この第2の実施形態において、本発明は患者の細菌または真菌類を源とする敗血症を診断する方法を提供し、その方法は前記患者から得られる生物学的サンプルのsTREM-1のレベルを測定するステップを含む。
換言すると、本発明は細菌または真菌類を源とする疾患(例えば患者の肺炎または敗血症)を診断するかまたは監視する方法を提供し、その方法は、患者からのサンプルにおけるsTREM-1のレベルの測定を有し、そのレベルは、患者で細菌または真菌類を源とする疾患の存在または範囲のインジケータである。
上記したように、sTREM-1は、TREM-1レセプターに対して発現する抗体によって、特定の体液サンプルにおいて検出されることができるTREM-1レセプターの可溶形態である。
本明細書で定義されるように「肺炎」は、細菌性感染および非細菌性感染症(例えば、ブラストマイシス・ダーマチチディス(Blastomyces dermatitidis)、ヒストプラズマ・カプスラタム(Histoplasma capsulatum)、コシディオイディス(Coccidioides)、スポロスリックス・シェンキ(Sporothrix schenckii)、ニューモシスティス・カリニ(Pneumocystis carinii)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、アスペルギルス属またはケカビ属種による感染)原虫性感染症またはsTREM-1のさらなる発現が検出できる寄生性感染症(例えばトキソプラズマ・ゴンジ(Toxoplasma gondii)、ストロンギロイズ・ステルコラリス(Strongyloides stercoralis)、アスカリス(Ascaris)、鉤虫、ジロフィラリア(Dirofilaria)、パラゴニマス(Paragonimus)またはエンタモエバ・ヒストリティカ(Entamoeba histolytica)によって生じる)のような細胞外病原体による感染によって生じる肺の炎症を意味する。肺炎は、「ローバー・ニューモニア(Lobar Pneumonia)」(それは、肺の1つのローブに発生する)およびブランコニューモニア(Bronchopneumonia)(肺に不規則に局在する傾向がある)を含む。さらにまた、肺炎は、最有望な原因である生物を予測するのを助けることができる2つのカテゴリに、しばしば分類される。「市中感染性(病院外で接触する肺炎)肺炎」は、しばしばウィルス性呼吸感染症を生じる。それは、毎年、ほぼ400万人の成人に影響を及ぼし、肺炎連鎖球菌(最も一般の肺炎を引き起こしているバクテリア)によって発生している。クラミジア(Chlamydia)またはマイコプラズマ(Mycoplasma)肺炎と呼ばれている典型的ではないバクテリアのような他の生物は、さらに、市中感染性肺炎の一般的な原因である。病院内で接触される「院内感染性肺炎」は、院内肺炎としばしば呼ばれている。病院患者は、特にグラム陰性バクテリアおよびブドウ球菌に弱い。
本明細書で定義される「細菌又は真菌類の敗血症」は、細菌感染のような細胞外病原体による感染に伴うSIRS(全身性炎症反応症候群)を意味し、例えば、臓器不全の有無にかかわらない菌血(血液中のバクテリアの存在)および非細菌性感染症、例えばsTREM−1の増大した発現が検出されることができる真菌血症(例えば、カンジダ・アルビカンスによるイースト感染症)、原虫性感染症または血液寄生(例えば、フィラリア症、マラリアおよびトリパノソーマ症)である。理論によって制約されずに、本発明者は、sTREM−1発現が通常、細胞内病原体(例えばウイルス)によって生じる感染症および敗血症の発病率において増加しないと疑う。
この態様において、sTREM-1のレベルの測定値は、sTREM-1を結合することができる合成物を有する生物学的サンプルを接触するステップ(a);及び化合物とsTREM-1との間で結合するレベルを観察することによって、サンプルに存在するsTREM-1のレベルを検出するステップ(b)を有する。
サンプルに存在するsTREM-1のレベルのサンプルのアッセイ及び測定は、周知の標準プロトコルを使用して実行されてよい。例えば、sTREM-1とsTREM-1の結合が可能な化合物との間の結合の観察される際に、この観察は周知の方法論を使用して実行してよい。例えば、結合は、競合免疫測定、ウェスタンブロットなどの技術を用いる非競合アッセイシステム、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素がリンクした免疫吸着剤分析)、「サンドイッチ」免疫測定、免疫沈降分析、沈降反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散分析、接着分析、コンプレメントフィキシエーション(complementfixation)分析、免疫放射性分析、蛍光免疫測定、タンパク質A免疫測定、免疫沈降分析、免疫組織化学分析、競合またはサンドイッチELISA、ラジオイムノアッセイ、ウェスタンブロット分析、免疫組織学的分析、免疫細胞化学分析、ドットブロット分析、蛍光分極化分析、シンチレーションプロキシミティ分析、均一時間で分解された蛍光分析、IAsys分析およびBIAcore分析を用いることによって検出されてよい。
例えば、肺炎あるいは敗血症など(患者の症状あるいはサンプルのタイプに依存する)の細菌又は真菌類を源とする疾患の発病率の決定は、コントロールサンプルのデータ、一群のコントロールサンプル(例えば健常な個人からのサンプル)の平均レベル又は前の分析に由来するデータ(例えば、本発明の診断手段と関係しているコンピュータプログラムの範囲内で本発明またはデータの診断用キットで標準曲線または説明として提供される)と、サンプルに存在するsTREM−1レベルとを比較することによって行われることができる。細菌又は真菌類を源とする疾患の発生率の測定は、細菌又は真菌類の敗血症がないか、存在するか、又は緩解の患者のsTREM−1レベルの分析に由来する一組の参照データからの分配パラメータに基づく多変量解析を使用している可能性の比率を引き出すことを含む。
したがって、本発明はさらに、sTREM−1レベルを測定することができ、及び/又はこのレベルを敗血症の疾患状態を表す周知のレベルと比較することができる診断のための手段を提供する。このような診断のための手段は、スティック試験の形をとることができ、例えば、本発明の方法を実行して、例えば、カラーチャートに対して比較されることができる比色結果をもたらすために必要な試薬を保持する。また、上述したように、サンプル測定手段を含む他の診断のための手段および/またはサンプルからデータと前述のようなデータと比較するための関連するプログラムを有する標準データを含んでいるデータ処理手段がさらに想定される。
このように、前記した実施例において、本発明の第一態様による方法は、sTREM−1の検出レベルを例えば、肺炎あるいは敗血症など細菌又は真菌類を源とする疾患の有無に関連させる更なるステップ(c)を含むことができる。例えば、相互関係は、患者の細菌又は真菌類を源とする疾患の存在または範囲を示すように、細菌又は真菌類を源とする疾患を有しない個体の対照集団から得られるサンプルの平均レベルと、サンプルのsTREM−1の測定されたレベルを比較することによってなすことができる。
さらなる態様において、本発明の第一態様による方法が、細菌又は真菌類を源とする疾患の進行または緩解をモニタリングする際に、換言すれば、細菌又は真菌類を源とする疾患の進行または緩解を示すために用いられることができる。このような方法は、患者の治療の効果および/または進行をモニターするために用いることができる。本実施態様において、本方法は、患者からの第二または更なるサンプルのsTREM−1レベルを測定するステップをさらに含み、第一及び第二若しくは更なるサンプルが異なる時間に得られ、細菌又は真菌類を源とする疾患の進行または緩解を示すためにサンプルのレベルを比較する。
本発明による診断法は、ex vivoで実行される。本発明の方法による分析のための生物サンプルは、従来技術において様々なソース、特に、全血、血清、血漿、尿、気管支肺胞洗浄液から分離される好中球から公知の方法を使用して得られることができる。如何なるsTREM−1も分析以前に取り除かれないか、または検知されなくなるように、サンプルは処理されるサンプルでなければならない。
患者が疑わしい肺炎の兆候を有する場合、好ましい生物学的サンプルは気管支肺胞洗浄液のサンプルである。
患者がSIRSの兆候を有する場合、好ましい生物学的サンプルは血清である。
本発明の方法は、哺乳類に適用可能で、例えば、ヒト、ヒト以外の霊長類、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ヤギ、イヌ、ネコ並びに、例えば、マウスおよびネズミなどの齧歯動物である。一般的に、本発明の方法によって検査された生物サンプルは、ヒトのサンプルである。一般的に、生物サンプルは、試験患者のタンパク質分子を含むべきであり、サンプル中のたんぱく質は、それらを検出するために選ばれる合成物によって検知されなくならないように処理される。
本明細書において、「sTREM−1を結合可能な化合物」は、ポリペプチド、リガンド、抗体、又は、好ましくは、特にsTREM−1と主に結合する識別存在物を意味する。そのような結合化合物、又は「sTREM−1が結合するパートナー」は、sTREM−1結合分子を自然に生じることができ、例えば、TREM-1-レセプターまたはsTREM−1とその天然及び合成の変化したものにおけるリガンドである。さらに、結合化合物の例は、sTREM−1結合分子の化学的修飾又は遺伝的修飾の派生物、人工的(例えば、化学的に合成された)sTREM−1結合分子、あるいは組換えや遺伝子工学的に改変された可溶性sTREM−1結合分子である。
本発明の範囲内に含まれる抗体は、sTREM−1に対して、主に、好ましく特異的又は専有的に結合する抗体であり、下記に限定しないが、それらはモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体(例えば、sTREM−1に対して生じる)、双特異的抗体、多重特異的抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、単鎖抗体、ファージディスプレイ技術から派生する抗体、Fabフラグメント、F(ab’)2フラグメント、ジスルフィド結合Fvs、及びVL又はVHドメインを含むフラグメント、あるいはsTREM−1に対して特異的に結合する相補決定領域(CDR)である。
本発明の範囲内に含まれるそれ以外の修飾された免疫グロブリンはまた、可溶性および/または安定性の、例えばヒトのIgGまたはIgM Fc断片を与えるために、例えば、一つ以上の免疫グロブリンから派生したタンパク質領域に対するTREM−1レセプターの融合を含む。
加えて、TREM−1レセプターにおけるリガンドの三次元構造に擬態している物質または産物は、sTREM−1に特有の結合パートナーとして用いられることができる。コンピュータ・モデリングを基にしてそのようなものを設計することが可能である。産物は、化学的手段を使用して、合成的に生成することができる。さらに、化学的修飾のように、要求される構造を設計する組換えDNA技術の活用法が可能である。
さらにまた、単離されたTREM−1レセプター若しくはsTREM−1、又はTREM−1レセプター若しくはsTREM−1の構造を使用するコンピュータ・モデリングが、周知技術の方法を使用してsTREM−1に特有の結合パートナーを生成するために用いてもよいと想定される。
好ましい実施例において、sTREM-1を結合できる化合物は、sTREM-1を結合できて提供され、TREM-1レセプター、それの断片またはそれの異型に対して生じる抗体である。例えば、この種の抗体は、抗TREM-1ヒトFc(TREM-1-Fc)融合タンパク質(実施例1を参照)である。
本発明の第二実施態様によると、細菌または真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)の診断、予後、治療、または治療の監視で使用するための化合物および医薬品組成物が提供される。
この第2の態様の一つの実施例において、本発明は、細菌または真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)の診断、予後、治療、または監視で使用するためのsTREM-1を結合することができる化合物を提供する。
別の実施形態において、本発明は、細菌または真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)の治療または診断の方法でsTREM-1を結合することができる化合物の使用を提供する。
さらなる態様において、本発明は、細菌または真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)の診断、予後、治療、または治療の監視のための薬剤の製造でsTREM-1を結合することができる化合物の使用を提供する。
さらに、本願明細書に記載の方法が、細菌または真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)の患者または、発達する危険を識別するスクリーニングアッセイを用いることができる。このようなアッセイは、患者が細菌または真菌類を源とする疾患を治療するために薬剤(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチドミメティック(peptidomimetic)、タンパク質、ペプチド、核酸、小さい分子または他の候補薬)を投与することができるかどうか確定するために用いることができる。例えば、このような方法は、患者が特定の薬剤または薬剤のタイプ(例えば、抗細菌剤または抗真菌剤)で効果的に処置することができるかどうか決定するために用いることができる。このように、本発明は、患者が細菌または真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)のための薬剤で効果的に処置することができるかどうかについて決定するための方法を提供し、この方法で試験サンプルが得られ、TREM-1が検出される。
本発明の別の実施例は、細菌または真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)の診断または治療に用いられる薬学的に受け入れられる希釈剤、キャリア若しくは賦形剤を備え、sTREM-1を結合することができる化合物を含む医薬品組成物を提供する。
したがって、さらに、細菌または真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)の診断または治療方法において、sTREM−1を結合できる化合物の使用が提供される。換言すると、sTREM−1を結合できる化合物の細菌または真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)の診断または治療の使用である。本発明はまた、細菌または真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)の診断または治療方法における使用で、または使用されるsTREM−1を結合できる化合物を提供する。
本明細書で使用されるように、「薬学的に許容可能な希釈剤、キャリアまたは賦形剤」は、全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌性で抗真菌性薬品、等張性および吸収を遅延させる薬剤、薬学的な投与と互換性を有する同等のものなど、いずれも含むことを意図する。薬学的な活性物質におけるそのような媒体及び薬剤の使用は周知である。いかなる従来の媒体または薬剤が活性化合物と適合しないこと以外は、組成物におけるそれの用途は考察される。補助活性化合物はまた、組成物に組み込まれることができる。薬学的な組成物は、投与のための指示と共に、容器、パックまたはディスペンサに含まれることができる。
本発明の第三の態様は、sTREM−1のアゴニストまたはアンタゴニストを識別する方法を提供し、その方法は、試験される化合物の有無において、sTREM−1とsTREM−1を結合できる化合物を含有するサンプルで結合するレベルを比較することを含む。さらに、本発明のこの態様の方法により識別されるsTREM−1のアゴニスト又はアンタゴニストが提供される。さらに、細菌または真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)の治療で使用するための化合物のスクリーニング方法が提供され、その方法は、この化合物と接触するサンプルに存在するsTREM−1のレベルのその化合物の効果を決定することを含む。したがって、本発明はまた、患者で細菌または真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)を処置する方法を提供し、当該方法は、sTREM−1の発現または活性の阻害剤の有効量を必要とする個体に対する投与を含む。
第4の態様において、本発明は、キット、関連する試薬および接触手段を提供する。一実施例において、本発明はキットを提供し、そのキットは、sTREM-1に結合することができる少なくとも一つの化合物と、sTREM-1に対する当該化合物の結合を検出するための試薬を有する。
一実施例はキットを提供し、そのキットはsTREM-1に結合することができる少なくとも一つの化合物と、sTREM-1を含むサンプルに当該化合物を接触させるための手段を有する。
sTREM-1結合化合物に基づくキットにおいて、例えば、キットは、(1)sTREM-1と非常に結合する結合化合物(例えば、固体支持体に付属した);任意に、(2)第二の異なる結合化合物、例えば、抗体(sTREM-1又は第1の結合化合物と結合して、検出可能な薬剤とコンジュゲートする)を有する。
このようなキットは、また、例えば、バッファー剤、防腐剤またはタンパク質安定剤を含むことができる。キットは、また、検出可能な薬剤(例えば、酵素または基質)を検出するために必要な構成要素を含むことができる。キットは、また、コントロールサンプル、または検定されることができて、含まれる試験サンプルと比較することができる一連の制御サンプルを含むことができる。キットの各々の構成要素は、通常個々の容器内に含まれ、さまざまな容器の全ては単一のパッケージ内に含まれ、それらと共に、サンプルが由来する患者が、例えば、細菌または真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)を患っているか、危険な状態にあることを決定する手順書を含む。
上述したように、「TREM-1-レセプター、その断片またはそれらの異型に対して生じる抗体」は、sTREM-1を結合できる化合物として機能することができる。抗体は、好ましくは、cDNA配列が[SEQ ID NO:1]で示されるヒトTREM-1-レセプター(骨髄細胞に発現されるレセプターを引き起こす)に対して生じる。TREM-1-レセプターは、ヒトの骨髄細胞に発現されて、免疫グロブリン・スーパーファミリー(lg-SF)の膜貫通タンパク質である。TREM-1-レセプターは、血液好中球および単球のサブセットでは選択的に発現されるが、リンパ球および他の細胞タイプでは発現されない[SEQ ID NO:2]のアミノ酸配列を有する膜透過型糖たんぱく質である。
したがって、「TREM-1-レセプターから派生したポリペプチド」として本明細書に定義されるように、本発明は、単離若しくは組み換えて調製されたTREMタンパク質若しくはポリペプチドまたはそれらの断片、相同物、派生物あるいは異型に対して生じる抗体を含む。
「sTREM-1を結合することができる化合物」の定義と一致して、主に、好ましくは特に「TREM1-レセプターから派生するポリペプチド」に対して生じるこの種の抗体はsTREM-1を結合する。この種の抗体は、TREM-1レセプターを発現する細胞と、さらに好ましくは、細菌あるいは菌類を源とする肺炎または敗血症を患っている患者からのサンプルと結合するための試験をしてよい。
用語「相同物」、特に、ここで使用される「TREM−1レセプター相同物」は、sTREM−1を結合することができる抗体が生じる一連のペプチドの膜を意味する。TREM−1レセプター相同物は、同一種または異なる種の動物のいずれからの物でもよい。
ここで使用される用語「異型」は、与えられたペプチドの自然に生じるアレリックバリエーション又は与えられたペプチド若しくはタンパク質の組換え体として調製されたバリエーションのいずれかを意味し、それは、一つ以上のアミノ酸残基がアミノ酸の置換、付加、あるいは欠如によって修飾されている。
ヒトTREM-1-レセプターcDNAは884-ヌクレオチドの長さ(図1;[SEQ ID NO:1])があり、TREM-1-レセプターのオープンリーディングフレームは[SEQ ID NO:1]の48〜752のヌクレオチドであり、それは図2[SEQ ID NO:2]に示される234のアミノ酸配列からなる膜貫通タンパク質をコード化する。ヒトTREM-1-レセプターcDNAは、GenBankデータベースにおいて登録番号AF196329で見ることができる。推定の透過膜領域は、[SEQ ID NO:2]のアミノ酸残基の201〜229から開始し、217位での電荷したリジン残基を含む。その細胞質の尾部は、5つのアミノ酸残基から構成されて、シグナリング・モティーフ(signaling motifs)を含まないように見える。
特定で好適な実施例において、sTREM-1を結合するための抗体は、[SEQ ID NO:2]の17から200のまでアミノ酸残基を含む少なくとも細胞外領域を含むTREM-1-レセプターから派生したポリペプチドに対して生じる。
上述した抗体に加えて、本発明で使用するために適切な他の抗体は、動物の同じであるか異なる種から、好ましくは哺乳類から、より好ましくは、齧歯動物から、マウスおよびネズミのような、そして、最も好ましくは人間からのTREM-1-レセプターの相同物に対して生じるsTREM-1を結合する能力を有するそれらの抗体である。
TREM-1-レセプターの核酸分子の相同物(すなわち[SEQ ID NO:1])は、ハイブリダイゼーションプローブとして本発明のまたはそれの一部としてのヒトcDNAを使用して、本明細書で定義されるように、ストリンジェントまたは適度なストリンジェント条件の標準のハイブリダイゼーション技法によって、本願明細書に記載されるようなヒトの核酸分子に対して上記の相同物のヌクレオチド配列識別に基づいて分離されることができる。
本発明の態様はまた、患者の多数の診断のフレームワークにおいて適用できる。例えば、患者に対して疾患の罹病性のスクリーニングを行う方法において、その方法は複数の疾患において患者からの組織サンプルで複数の診断試験を実行することを有しており、本発明は、診断試験のうちの1つがsTREM-1のレベルを測定することを有する改善を提供する。
上述の本発明の様々な態様および本発明の実施例は、下記を適用する:細菌または真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)を検出するための診断用手段;この種の診断用手段から成る診断用キット;感染(個人を細菌または真菌類を源とする疾患(例えば肺炎または敗血症)をスクリーニングするステップを含み、その細菌または真菌類を源とする疾患は、該個人からのサンプルにおけるsTREM-1のレベルと相関しており、細菌または真菌類を源とする疾患が識別された場合、感染を防ぐか緩和するように個人を治療する)の治療方法、及びsTREM-1を結合することができる化合物の肺炎または敗血症などの細菌または真菌類を源とする疾患を検出するための手段の製造における用途。
明確にするため、上述した本発明の態様および実施例で、肺炎単独または敗血症単独の診断がsTREM-1の検出レベルと患者の兆候によって意味される点に留意する必要がある。
通常、肺関連の症状患者からの気管支肺胞洗浄サンプルは、sTREM-1の高いレベルに基づく肺炎を診断するために用いる。SIRSの症状を示している患者からの血清サンプルは、sTREM-1の高いレベルに基づく細菌または真菌類を源とする敗血症を診断するために用いる。
このように、本発明は患者に細菌または真菌類を源とする疾患を診断する方法を提供し、その方法は、sTREM-1のレベルを測定するステップと、患者から得られた一つ以上の生物学的サンプルのTREM-1リガンドのレベルを測定するステップを有する。
本願明細書の実施例4に記載されるように、本発明者は、可溶なTREM-1の検出のため免疫酵素(この場合、ELISA)に基づく方法を開発した。
このように、本発明は、患者に細菌または真菌類を源とする疾患を診断する方法を提供し、その方法は、患者から得られる生物学的サンプルのsTREM-1のレベルを測定するステップを含み、sTREM-1のレベルは免疫化学的な技術で測定される。この種の免疫化学的な技術の実施例は、間接的な免疫蛍光検査(IIF)、免疫過酸化酵素(POD)、ウェスタンブロッティング(WB)、放射性免疫沈降(RIPA)、酵素免疫吸着剤分析(ELISA)、標識免疫検定法(RIA)および接着分析である。好ましい実施例において、抗ヒトTrem-1抗体を使用するELISA方法は、sTREM-1のレベルを測定するために用いる。
WO2004081233は、TREM-1リガンドを結合することができる患者および化合物から得られる生物学的サンプルのTREM-1リガンドレベルを測定することによって患者の細菌または真菌類の敗血症を診断する方法を記載する。サンプルに存在するTREM-1リガンドのレベルは、これらの化合物とTREM-1リガンドとの間の結合レベルを観察することで測定される。本願明細書において実施例4にて説明したように、本発明者は、新しく認められた非常に重篤な患者の可溶性のTREM-1(本願明細書において記載されているように)および膜関連するTREM-1リガンド(WO2004081233にて説明したように)の測定が感染の迅速な識別させることを認識した。
必要な変更を加えて、本発明の各態様の好適な特徴は、それぞれ他の態様に適用できる。
本発明は、添付の図面を参照して、下記の制限されない実施例を参照して記載される。
図1はヒトTREM−1レセプターcDNA[SEQ ID NO:1]を示す。
図2はヒトTREM−1レセプターアミノ酸配列[SEQ ID NO:2]を示す。
図3は、診断により患者からの気管支肺胞洗浄液中のsTREM−1のレベルを示す。個々の値は点でバーはそれら値の平均であり、P<0.001はCAPとNP間、VAPとNP間であり、NPは肺炎を患っていない患者(n=64);CAは市中肺炎(n=38);VAPは人工呼吸器関連肺炎患者(n=46)である。
図4は、肺炎の有無の区別における気管支肺胞洗浄液中のsTREM-1、腫瘍壊死因子−α、インターロイキン−1βのさまざまなカットオフレベルにおける受信者動作特性曲線を示す。ROC曲線の下側の領域において、sTREM-1:0.93(95%の信頼区間、0.92〜0.95)、腫瘍壊死因子−α:0.64(95%の信頼区間、0.62〜0.69)、インターロイキン−1β:0.69(95%の信頼区間、0.67〜0.72)である。
図5は、抗TREM−1モノクローナル抗体(21C7)を用いるウェスタンブロット解析によって検査した気管支肺胞洗浄液(BAL)上清を示す。レーン1はポジティブコントロール(sTREM−1、50pg/mL)、レーン2は肺炎患者からの上清、レーン3は肺炎を患っていない患者からの上清である。
図6は、検査中にICUに入院した患者のフローチャートを示す。
図7は、診断によりC活性タンパク質、プロカルシトニン及びsTRM−1の認められたプラズマ・レベルを示す。個々の値は点で、バーはそれら値の平均であり、P<0.001はSIRSと敗血症間、SIRSと敗血症ショック間であり、SIRSは感染のない全身性炎症反応症候群の患者(n=29)、敗血症は敗血症又は重篤な敗血症の患者(n=22)、敗血症ショックは敗血症ショックの患者(n=25)である。
図8は、感染の有無の区別におけるプラズマC活性タンパク質、プロカルシトニン及びsTREM-1のさまざまなカットオフレベルにおける受信者動作特性曲線を示す。ROC曲線の下側の領域において、プラズマC活性タンパク質:0.77(95%の信頼区間、0.69〜0.85)、プロカルシトニン:0.85(95%の信頼区間、0.81〜0.89)、sTREM-1:0.97(95%の信頼区間、0.94〜1.0)である。
図9は、結果により、敗血症、重篤な敗血症及び敗血症ショックの患者のC活性タンパク質、プロカルシトニン及びsTRM−1の認められたプラズマ・レベルを示す。個々の値は点で、バーはそれら値の平均であり、P値は、C活性タンパク質、プロカルシトニン及びsTRM−1における生存者と非生存者との間でそれぞれ0.26、0.64及び0.05である。
図10は、敗血症の疑いのある患者の血清で可溶性のTREM−1を検出するための免疫酵素アッセイにおける標準曲線を示す図である。
図11は、感染がないSIRS患者(HSR34)及び敗血症患者(HSR37)での可溶性TREM−1(パネルA)とTREM−1リガンドのフローサイトメトリー分析(パネルB)を検出する免疫酵素アッセイの動態を示す図である。
図12は、一連の63人の患者(敗血症の患者(n=30)、敗血症ショックの患者(n=33))で生存する患者(正方形)及び非生存の患者(三角形)においてsTREM−1の中央値(四分位数間領域で)のプラズマ・レベルの時間の経緯を示す図である。
図13は、sTREM-1>180pg/mL(n=32)及びsTREM-1<180pg/mL(n=31)の患者のカプラン-マイヤー分析を示す。2曲線間の有意差がある(Log-Rank試験、p<0.01)。
図14は、敗血症患者(n=25)、敗血症を患っていない患者(n=15)、健常対照者(n=7)の単球におけるTREM−1の細胞膜発現の分析を示す。結果は平均蛍光強度(Mean Fluorescence Intensity)(MFI)として表され、それぞれのp値(スチューデントt検定)が各々の散乱プロット線より上に表される。
図15は、敗血症患者(n=25)、敗血症を患っていない患者(n=15)、健常対照者(n=7)の多形核細胞におけるTREM−1の細胞膜発現の分析を示す。結果は平均蛍光強度(Mean Fluorescence Intensity)(MFI)として表され、それぞれのp値(スチューデントt検定)が各々の散乱プロット線より上に表される。
図16は、結果により、敗血症ショックの間の単球上のTREM-1発現パターンを示す。結果は、平均蛍光強度(Mean Fluorescence Intensity)として表される。それぞれのp値は、時間位置より上に表される。‘基線’は、第1測定に対応し、‘最後の値’は集中治療室の退院前または死亡前のTREM-1の最後の測定に対応する。
実施例1:sTREM-1を結合可能なTREM-1レセプターに対する抗体の生成
ヒトIgGのFc領域を有するTREM-1レセプターの融合タンパク質に対する抗体が生じた。可溶なTREM-1-Fcを生じるために、TREM-1細胞外領域をコード化しているcDNA断片は、PCRによって増幅されて、ヒトIgG1ヒンジ、CH2およびCH3領域(Bouchon et aJ. The Journal of Immunology,2000, 164: 4991-4995参照)のためのエキソンを含んでいる発現ベクターにクローニングされる。簡潔には、760bpのTREM-1は、RT-PCRによって増幅されて、pCR2.1(Invitrogen, Carlsbad, CA)にクローニングされて、配列が解析された。使用したPCRプライマは、以下の通りであった。
5'-GCTGGTGCACAGGMGGATG [SEQ ID NO:3]
3'-GGGTGGMGTGAGAGGAGATT [SEQ ID NO:4]
このキメラ遺伝子はマウス骨髄腫細胞系J558Lにトランスフェクションされ、培養上清液をスクリーニングし、TREM-1-Fcの精製は、前述したように実行された(Traunecker, et a/., 1991, Trends Biotechnol. 9: 109)。
抗TREM-1モノクローナル抗体(mAbs)がTREM-1-Fcを有するBALB/cマウスに接種することで生じた。簡潔には、10週歳の雌のBALB/cマウス(lffa-Gredo、L'Arbresle、フランス)は、TREM-1-Fc融合タンパク質(TREM-1-Fc)の100μgの初期の注入を受け、首の後で、Alu-Gel-S(Serva Biochemicals、パラマス、NJ)を1:1(vol/vol)で混合された。4週後に、それらは同じ免疫源でブースタ免疫が施され、続いて2週間後、精製されたTREM-1-Fcの100μgの最終的な注射が実施された。3日後に、マウスは犠牲にされて、ドレイン(draining)し、リンパ節細胞は分離されて、ポリエチレングリコール4000を使用して骨髄腫フュージョンパートナー,Ag8.653と融和した。ハイブリドーマの上清は、2ステップでスクリーニングされた。第一に、ELISAは、コーティング・ステップでのTREM-1-Fc及び第2の抗体としてヒト−吸着型アルカリホスファターゼ標識のヤギの抗マウスIgGを使用して実行された。次いで、ELISAで陽性だったクローンからの上澄みは、フローサイトメトリーによって細胞を染色するためのFAGS(登録商標)分析によって試験された。
実施例2:肺炎の診断におけるTREM−1(sTREM)の可溶性形態の迅速な検出
材料及び方法
研究集団
治験委員会の承認及び患者又は患者らの親族からのインフォームドコンセントは、組み入れ(inclusion)の前に得られた。本発明者の病院のICUで18歳以上の入院した全ての患者は、以下の基準を満たす場合、研究において前向きに記載された:1)機械呼吸の必要;2)少なくとも一つの以下を伴う胸部X線撮影上の新しく発達して持続的な浸潤物によって定義される感染性肺炎の臨床的な疑い:化膿した気管分泌物、少なくとも38.3℃の体温、白血球増加症(>10000/mm3)または白血球減少症(<4000/mm3)。人工呼吸器関連肺炎は、48時間の機械呼吸後の疾患の感染によって定義された。集中治療室への入院時に、以下の要件が各患者において記録された:年齢;性別;マケイブおよびジャクソンの基準に従ってなされた基本の医学的状態の厳しさ(McCabe WR, Jackson GG. Arch Intern Med 1982;110:847-64マケイブWR(ジャクソンGG);SAPS IIスコア;
敗血症関連の臓器障害アセスメントスコア(Sepsis-related Organ Failure Assessment(SOFA)score)([通常]の0から[最悪]の4まで各器官系[呼吸、凝固、肝臓、心血管、中心神経系および腎臓]のスコアで0から24の範囲);及びICUへ入院するための理由。また、以下の基線変数は、組み入れで記録された:SAPS IIスコア;SOFAスコア;体温;白血球数;吸入酸素の分画に対する動脈の酸素の分圧の比率(PaO2/FiO2);C活性タンパク質とプロカルシトニンの血清レベル;ショック(周縁低潅流の徴候または昇圧剤または変力因子の持続性点滴の必要を有する90mm Hgより低い収縮期の動脈の圧力として定義される)の存在;従来の機械呼吸の継続;以前の抗微生物治療法の活用。臨床肺感染症スコア(CPIS)が、Pugin J, et at.Am Rev Respir Dis 1991 ;143:1121-9に従来から記載のように算出された。また、人工呼吸の継続、集中治療室での滞在期間及び集中治療室での死亡率が記録された。
診断の確認
ミニ気管支肺胞洗浄(BAL)および微生物の標本処理は、Papazian L et al. Am J Respir Crit Care Med 1995;152:1982-91 and Duflo F et al . Anesthesiology 2002;1:74-9に詳細に記載されるように実行された。要約すると、ミニ気管支肺胞洗浄はコンビカス(Combicath)の単一のシート(a single-sheathed)の50cmの無菌の栓をされた望遠のカテーテル(Plastimed, St Leu La Foret, France)を使用して実行された。回収されたBAL流体(20mLの点滴された食塩血清からの13±3mL)は、2つのサンプルに分けられた:1つは直接的な顕微鏡検査および定量的培養組織のために使われた;もう一方のサンプルは、30分間において毎分10000回転の遠心分離がなされ、上澄みはsTREM-1およびサイトカイン測定値のために使われるまで、−80℃で凍結された。肺炎の潜在的な診断において重要だと考慮される微生物濃度は、103cfu/mLより多いBAL流体であった。肺炎の事後の診断は、微生物感染症の微生物学的な所見において既に言及された臨床基準の組合せからなされた。これらの基準は、Pugin J et al. Am Rev Respir Dis 1991;143:1121-9に記載されている人工呼吸器関連肺炎のために使用する基準と類似していた。
肺浸潤物の他の原因が定められるときに肺炎ではないと考慮され、BALの培養組織の重要でない細菌増殖が抗微生物治療を伴わない熱、浸潤物および白血球増加症からの完全な回復に関連した。2つのインテンシビツ(intensivists)は、患者に関連する全ての医療記録をチェックして、市中感染性肺炎、人工呼吸器関連肺炎または肺炎ではないとそれぞれに診断を分類した。診断に関するコンセンサスは、全てのケースにおいて成し遂げられた。両方のインテンシビツは、sTREM-1およびサイトカインレベルの結果に対して盲目にされた。
sTREM-1およびサイトカイン分析
BAL流体サンプルのsTREM-1レベルの評価は21C7を有する免疫ブロット技術を使用して実行され、モノクローナル・ネズミIgG1を実施例1にて記載のように調製されたヒトTREM-1に対して導かれた。簡潔には、各々のBAL流体上澄みの100μLは、ニトロセルロース膜に点在されて、乾燥して、3%のウシ血清アルブミンで補充されるリン酸塩緩衝食塩水(PBS)でのオーバーコートを行った。次いで、ニトロセルロースシートは、1:2000に希釈された21C7の存在下で60分間インキュベーションされた。洗浄後、シートは、1:1000に希釈されたヤギの抗マウス免疫グロブリン(Dako, Glostrup, Denmark)でさらに60分間インキュベーションされて、20%のジメチルスルホキシドで補充されたPBSで洗浄されて、1:1000に希釈されたホースラディッシュパーオキシターゼと接合したストレプトアビジン(Bio-Rad, Cergy, France)で30分間インキュベーションされた。次いで、酵素基板クロモゲン・Opti-4CN(バイオラド)は添加されて、膜に結合されるsTREM-1の量に比例して色が着色した。また、各シートは、sTREM-1(0〜200pg/mL)の既知濃度の較正サンプルを含んだ。比色判定は反射率スキャナおよびクオンティティ・ワン・クオンティテイション・ソフトウェア(Quantity One Quantitation Software)(バイオラド)によって成し遂げられた。各サンプルからのsTREM-1濃度は、サンプルの光学濃度を標準曲線と比較することによって決定された。全ての測定は複製して実行されて、結果はプラズマのミリリットル当りにつきピコグラムの平均濃度として表された。この技術の感度は5pg/mLの低さのsTREM-1レベルの検出を可能にし、全手順にかかる時間は3時間未満である。分析の変異係数は、5パーセントより低かった。腫瘍壊死因子-αおよびインターロイキン-1βは、製造業者(BD Biosciences、Le Pont de Cia ix、フランス)の推奨に従って、固体の位相ELISA方法によってBAL流体で決定された。技術の感度は、腫瘍壊死因子-αにおける2pg/mLおよびインターロイキン1βにおける3.9pg/mLくらい低いレベル検出を可能にする。
統計的な分析
連続変数のディスクリプティブな結果は平均(±SD)として表された。BAL sTREM-1およびサイトカインレベルの結果は平均(±SD)として表された。変数は、カテゴリカルなデータに対するピアソンX2検査および数のデータのためのマン-ホウィットニーU検定を使用して診断とのそれらの関連を検査された。異なるグループの間の比較は、数のデータのためのマン-ホウィットニーU検定(または、適当な場合、非母数Kruskall-Wallis試験)およびカテゴリカルなデータのためのピアソンX2検査を使用することによって実行された。sTREM-1と臨床または生物学的特徴との関係は、スピアマンの相互関係試験を使用して評価された。BAL流体のsTREM-1の存在の値を評価するために、発明者は、モデルへのエントリーのため、0.05またはそれより少ないp値を用いて多数のステップを経るロジスティックレグレッションモデル(a multiple stepwise logistic regression model)を使用した。予測因子は、BAL流体のsTREM-1の存在に関する情報に加えて、臨床的および検査上の所見を含んだ。受信者動作特性(Receiver-operating-characteristic)(ROC)カーブは、sTREM-1、腫瘍壊死因子-αおよびインターロイキン-1βのさまざまなカットオフ値を例示するために構成された。分析はスタットビュー・ソフトウェア(Statview software)(Abacus Concepts、バークレー、CA)によって完遂され、2テイル(two-tailed)のP<0.05は重要であるとみなされた。
結果
患者の特徴
1097人の患者は、集中治療室に入るのを許可された。組み入れ基準を満たす148人の全ての患者が登録された。全体の研究グループの基線特徴(baseline characteristics)は表2に示される。
表2:研究された集団の特徴
Figure 0004911600
大部分の患者は関連する共存症があり、38人(26パーセント)は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病歴を有した。平均(±SD)SAPSIIおよびSOFAのスコアは、それぞれ、52(±17)および7.8(±3.9)であった。34パーセントのICUでの死亡率は、SAPSIIスコアに基づいて、死の前兆となる危険度と一致していた(Le Gall JR et al. JAMA 1993;270:2957-63)。診断は、38人の患者(26パーセント)の市中感染性肺炎(CAP)、46人の患者(31パーセント)の人工呼吸器関連肺炎(VAP)および64人の患者(43パーセント)の肺炎ではない(NP)として確立された。NPグループにおいて、診断法は、以下の通りに決められた:COPD(n=11)の急性悪化;肺外源の急性呼吸障害症候群(ARDS)(腹部であるか尿生殖器敗血症:n=19;膵炎:n=6;他:n=4);肺が源であるARDS(ニヤードラウンイング(near-drowning):n=1;ファイヤー・スモーク・インハレーション(fire smoke inhalation):n=1);心臓性ショック(n=12)および未知(n=10)。3群の臨床的特徴は、著しく相違するものを含んでいなかった(表1)。市中感染性肺炎患者は、他(P=0.002)よりも急性呼吸不全でICUを、より頻繁に参照した。予想通り、機械呼吸の継続およびICU滞在期間は、人工呼吸器関連肺炎患者(P<0.001)において、より高かった。死亡率は、3群間で異なっていなかった。臨床肺感染症スコア(CPIS)>6は、肺炎を患っていない患者(P=0.02)よりも市中感染性および人工呼吸器関連肺炎患者において、頻度が高かった。体温、白血球数、吸入酸素(Pao2/Fio2)の分画に対する動脈の酸素の分圧の比率、血清Cの活性タンパク質(CRP)およびプロカルシトニンレベルが3群間で異なる(表3)。
微生物種は、レジオネラ・ニューモフィラ菌に感染した2つの市中感染性肺炎患者以外の全て及び表4で示す全ての人工呼吸器関連肺炎患者のBAL(>103のCFU/mL)から、有意な濃度で成長した。
表3:組み入れで3グループの患者の特徴
Figure 0004911600
表4:肺炎に関連する特徴と生物
Figure 0004911600
*示される生物は、気管支肺胞洗浄液の定量的培養から有意な濃度で分離されたものである(>103コロニー形成ユニット/mL)。レジオネラ・ニューモフィラ感染は、可溶な尿抗原の検出で診断された。
sTREM-1、腫瘍壊死因子-α及びインターロイキン-1βのレベル
sTREM-1のレベルは、肺炎を患っていない患者(P<O.OO1)よりも市中感染性及び人工呼吸器関連肺炎患者からのBAL流体において高かったが、市中感染性と人工呼吸器関連肺炎患者との間では有意に異ならなかった(図3)。腫瘍壊死因子-α及びインターロイキン-1βのレベルは、値の大きい重なりを有する以外は、同じ傾向(P<O.OO1)を示した。肺炎患者の中で、それぞれ、31.2±5.7pg/mLおよび24.9±3.0pg/mLの生存者よりも非生存者で高いsTREM-1レベルに向かう傾向(P=O.O7)があった。sTREM-1レベルと、慢性閉塞性肺疾患の病歴(BAL流体での炎症細胞の量、微生物種または他のいかなる臨床で生物学的特徴)との間の相互関係はなかった。
sTREM−1アッセイの診断価値
気管支肺胞洗浄液のsTREM-1の存在が肺炎の存在および欠如を区別することができ得るかどうか発明者は決定した。以下の分析において、市中感染性肺炎患者と人工呼吸器関連肺炎患者の違いがなかったので、プールされたデータが示される。5pg/mLまたはそれより上のレベルであれば、sTREM-1は、38人の市中感染性肺炎患者の36人(感度:95パーセント、2つの偽陰性)、46人の人工呼吸器関連肺炎患者の46人(感度:100パーセント)、64人の肺炎を患っていない患者の6人(6つの誤ったポジティブ)のBAL流体において検出された。このように、患者の全構成で、BAL流体のsTREM-1の存在は、10.38の可能性比率と関係している。肺炎と非肺炎とを区別するsTREM-1の能力は、ROC曲線分析によって評価された(図4)。sTREM-1が肺炎を非肺炎と区別するために用いたROC曲線より下の領域は、0.93(95パーセントのCl、0.92乃至0.95、P<0.001)であった。5pg/mLのsTREM-1カットオフ値(検出の技術の閾値を表す)は、98パーセントの感度(95パーセントのCI、95〜100)、90パーセントの特異度(95パーセントのCI、84〜96)を有する。多数のロジスティックレグレッション分析において、発明者は、BAL流体のsTREM-1の存在が41.52の確率比率を有する肺炎で最も強い独立予測因子であると決定した(表5)。肺炎で最高の臨床予測因子は、臨床肺感染症スコア>6(確率比率:2.98)であった。
表5:患者と肺炎を患っていない患者とを区別するために使用される因子の多数のロジスティックレグレッション分析
Figure 0004911600
これらの結果は、気管支肺胞洗浄液のsTREM-1の迅速な検出が細菌又は真菌類の肺炎患者を、肺炎を患っていない患者と区別するために臨床医の能力を高めることを証明する。これは、特に診断が臨床的に直接でない患者において役立たなければならない。免疫ブロット技術は、非常に安いコストで、迅速で、正確であって、わずかな連続または個々のサンプルにさえ適用されることができる。気管支肺胞洗浄液のsTREM-1の存在を検出するこの試験の使用は、機械的に肺換気を行われた患者の肺炎のより正確な診断につながる。微生物学的なドキュメンテーション(documentation)は、市中感染性および人工呼吸器関連肺炎の全ての症例において得られた。肺炎を患っていないと考慮されるときに、肺浸潤物の非感染性の他の理由は定められたか、または、患者は完全に抗微生物治療をせずに熱、浸潤物および白血球増加症から回復した。しかしながら、発明者は、本当の人工呼吸器関連肺炎患者の幾人か肺炎を患っていないグループと自発的に回復したグループに間違って分類されたことを除外することができなかった。これは、試験の特性を人工的に低下させることができて、肺炎を患っていないグループで6つの偽陽性の原因となり得る。
最終的に、理論に束縛されることを望まずに、最後に、試験された患者の誰も、ウィルス性肺炎を呈しておらず、このように、結果は、ウィルス感染に対してジェネラライサブル(generalisable)されない。
実施例3:敗血症が疑われる非常に重篤な患者における骨髄細胞(TREM)-1に発現した発生しているレセプターの可溶形態のプラズマのレベルの診断値
材料及び方法
研究集団
フランスの教育研究病院の医療ICUに新しく入院する全ての連続的な患者は、彼らが臨床的に疑わしい感染症にかかっていて、SIRSの少なくとも2つの基準を満たす場合、研究において前向きに記載された(Bone RC, et al. Chest. 1992;101:1644-55.)。臨床的に疑わしい感染症は、感染および抗微生物治療の処方を識別するかまたは除外するために診断の開始と組み合わせて、進行中の感染症の疑いを示して、主治医師によって明確な記載として定義された。患者が80歳より老いているかまたは免疫力が低下している(コルチコステロイド、骨髄または臓器移植レシピエント、白血球減少症[白血球数<1G/L]または好中球減少[多形核顆粒白血球数<0.5G/L]、血液学的な悪性または後天性免疫不全症候群での処置)場合、患者は記載されなかった。さらに、早死に又は退院(入院後12時間以内で)あるいは耐微生物処理の完全な欠如を呈した患者は除外された。患者は、救急室、一般病棟、または手術室から集まった。治験委員会の承認および患者または患者の親族からのインフォームドコンセントは、組み入れの前に得られた。
データの収集
ICUへの入院に応じて、以下の要件は、各患者において記録された:年齢、性別、マケイブおよびジャクソンの基準に従ってなされた基本の医学的状態の厳しさ(Arch Intern Med 1982;110:847-64);簡素化された急性生理学的スコアII(SAPS IIスコア)(Le Gall JR et al. JAMA. 1993;270:2957-63);敗血症関連の臓器障害アセスメント(Sepsis-related Organ Failure Assessment)(SOFA)スコア([通常]の0から[最悪]の4まで各器官系[呼吸、凝固、肝臓、心血管、中心神経系および腎臓]のスコアで0から24の範囲)(Vincent JL et al. Intensive Care Med.1996;22:707-10);及びICUへ入院するための理由、主要な診断;ウィルスの存在;呼吸パラメータ;定期的な血液検査および微生物学的な培養結果。ICUの生存または死は、続く28日間の長期で評価された。微生物学的な試験および抗微生物治療は、調査チームによって干渉されないICUの通常の実行に従って、主治の医師によって定められた。確立したコンセンサス定義によれば、2つのインテンシビツ(intensivists)は、過去に遡って各々の患者に関連する全ての医療記録をチェックして、入院時にSIRS、敗血症、高度の敗血症または感染性ショックとして、それぞれ、診断を分類した(Bone RC,et al. Chest. 1992;101 :1644-55.)。診断に関する合意は、全てのケースにおいて成された。両方のインテンシビツは、プラズマのsTREM-1値の結果に対して盲目にされた。
プロカルシトニン及びsTREM−1のプラズマレベルの測定
研究の入院および登録の12時間後以内に、5mLの全部のヘパリンで凝血防止された血液は、PCTおよびsTREM-1判定のための動脈を経て導かれた。プラズマは、4℃の遠心分離によって収集されて、アリコートされて、アッセイの日まで−80℃で保存された。製造業者のプロトコルによれば、プラズマのPCT濃度は、サンドイッチ技術および化学発光検出システムを有する免疫測定を使用して測定された(LumiTest; Brahms Diagnostica, Berlin, Germany)。プラズマのsTREM-1レベルの評価は、実施例2にて説明したように実行された。簡潔には、各プラズマサンプルの100μLは、ニトロセルロース膜に点在されて、乾燥して、3%のウシ血清アルブミンで補充されるリン酸塩緩衝食塩水(PBS)でオーバーコートされた。次いで、ニトロセルロースのシートは、モノクローナルの抗TREM-1抗体21C7、ヒトTREM-1に対して導かれるネズミIgG1が存在する場合に60分間インキュベーションされて、実施例1にて説明したように調製された。
洗浄後、シートはさらに1:1000に希釈されたヤギの抗マウス免疫グロブリン(ダコ、Glostrup、デンマーク)で60分間インキュベーションされて、20%のジメチルスルホキシドで補充されたPBSで洗浄されて、1:1000に希釈されたホースラディッシュ・パーオキシダーゼと接合したストレプトアビジン(バイオラド、Cergy、フランス)で30分間インキュベーションされた。次いで、酵素基質クロモゲン・Opti-4CN(バイオラド)が添加されて、色は膜に結合されるsTREM-1の量に比例して着色した。また、各シートは、sTREM-1(0〜5000ng/mL)の既知濃度の較正サンプルを含んだ。比色判定は、反射スキャナおよびクオンティティ・ワン・クオンティティテイション・ソフトウェア(Quantity One Quantitation Software)(バイオラド)によって実施された。各サンプルからのsTREM-1濃度は、サンプルの光濃度を標準曲線にプロットすることによって決定された。全ての測定は複製して実行されて、結果がプラズマのmL当りナノグラムの平均濃度として表された。この技術の感度は、5ng/mLの低さのsTREM-1レベルの検出を可能にして、全手順にかかる時間は3時間未満である。分析の変異係数は、5パーセントより低かった。
統計分析
連続変数のディスクリプティブな結果は平均(±SD)として表された。プラズマのsTREM-1およびPCTレベルの結果は平均(±SD)として表された。変数は、カテゴリカルなデータに対するピアソンX2検査および数のデータのためのマン-ホウィットニーU検定を使用して診断とのそれらの関連を検査された。異なるグループの間の比較は、数のデータのためのマン-ホウィットニーU検定(または、適当な場合、非母数Kruskall-Wallis試験)およびカテゴリカルなデータのためのピアソンX2検査を使用することによって実行された。sTREM-1と臨床または生物学的特徴との関係は、スピアマンの相互関係試験を使用して評価された。sTREM-1のプラズマレベルのアッセイの値を評価するために、発明者は、多数のステップを経るロジスティックレグレッションモデルを使用した。予測因子は、プラズマのsTREM-1の情報に加えて、臨床的および検査上の所見を含んだ。バイナリー結果を必要とするロジスティックレグレッション分析の目的のために、慢性敗血症、高度の敗血症または感染性ショック(敗血症症候群)として分類される患者は、SIRS患者および初期感染の疑いと比較された。受信者動作特性(ROC)曲線は、sTREM-1、PCTおよびCRPのさまざまなカットオフ値を例示するために構成された。各パラメータの感度、特異度、ポジティブおよびネガティブの予測値は、標準の方法に従って算出された。これらの値は、ROC曲線の下側の領域から導かれるように、最高の区別を表したカットオフにおいて間算出された。分析はスタットビュー・ソフトウェア(Statview software)(Abacus Concepts、バークレー、CA)によって完遂され、2テイルのP<0.05は重要であるとみなされた。
結果
研究集団の特質
98人の患者は感染の臨床的な疑いでICUに入るのを許可された。そのうち、22人は早死、免疫不全状態、80歳以上の年齢、同意の欠如またはプロトコル違反を原因として研究に含まれなかった(図6)。全体の研究グループの基線特徴は、表6に示される。平均(±SD)SAPSII及びSOFAスコアは、それぞれ50.0(±22.6)及び8.3(±4.5)であった。26.3%のICU死亡率は、SAPSIIスコアに基づいて死の前兆となる危険度と一致していた。診断は、29人の患者のSIRS(38%)、22人の患者の敗血症または高度の敗血症((『敗血症』として分類)(29%)、25人の患者の感染症ショック(33%)として確立された。SIRSの原因となる条件は、次のごとくであった:心臓手術(n=6);心臓性ショック(n=5);慢性閉塞性肺疾患の急性悪化(n=5);急性膵炎(n=3);熱射病(n=3);胃腸出血(n=2);外傷(n=1)および未知(n=4)。臨床的特徴は、敗血症と非敗血症の患者との間の組み入れで、有意な違いはなかった(表6)。感染症は、49人の感染した55%のグラム陰性、42%のグラム陽性細菌および3%の真菌の感染患者のうちの40人(82%)において、微生物学的に証明された。感染の主な源は、気道(55%)および腹部(22%)であった。24パーセントの感染した患者は、証明された血流感染症にかかっていた。感染も微生物菌株のいずれの部位も、生存する患者と非生存患者の間で異ならなかった(表7)。
表6.患者の入院並びに退院における臨床及び生物学的データ。
Figure 0004911600
表7.敗血症患者:結果に従って敗血症の発症で診断される感染症および菌の部位。
Figure 0004911600
CRP、PCT及びsTREM−1の基線プラズマのレベル
CRP、PCT及びsTREM−1の基線プラズマのレベルは、SIRSだけの患者よりも敗血症患者において高かった(表6、図7)。プラズマのsTREM-1レベルは、敗血症患者をSIRS患者と区別するのに最も有効であった。入院時の平均のプラズマのsTREM−1レベルは、SIRSにおいて229ng/mLであり;敗血症において1836ng/mLであり、感染性ショックにおいて1413ng/mLであった(P<O.OO1)。SIRS患者と敗血症の症状を有する患者を区別する候補パラメータの正確さは、非常に可変的であった(表8)。図8に示すように、プラズマのsTREM-1レベルが、PCT(AUC(0.85; CI)0.81〜0.89)及びCRP(AUC(0.77); CI(0.69〜0.85); p<0.001)によって続く0.97(95%の信頼区間(CI)、0.94〜1.0)のROC曲線(AUC)の下側の領域によって最も高い判別可能な値を得た。600ng/mLの区分で、sTREM-1は、SIRS患者を敗血症または感染性ショックの患者と区別するために、96%(95%のCI、0.92〜100%)の感度および89%(CI、82〜95%)の特異度を産生した。sTREM-1レベルとCRPまたはPCTレベル、微生物種または他のいかなる臨床及び生物学的特徴との間において相互関係はなかった。
表8.異なる敗血症予測因子の診断性能
Figure 0004911600
*感度、特異度及び予測値は、受信者動作特性曲線から派生されるような最高区分を表す、カットオフにおいて計算された。
プラズマのsTREM−1レベルの臨床の重要性
臨床的見地からプラズマのsTREM-1レベルの診断性能を調査するために、発明者は、CRP、PCTおよびsTREM-1レベルを含む多数の段階的な分析を行った。プラズマのsTREM-1レベルが、9.58(95%のCI、2.31〜38.90、P=0.002)の補正された確率比(AOR)によって感染の最も強い独立予測因子であると分かった(表9)。
表9.多変量ロジスティックレグレッション分析*
Figure 0004911600
*段階的な選択手順の結果。モデルに入力する他の変数は、Simplified Acute Physiology Score II, Sepsis-related ,Organ Failure Assessment score,白血球数及び体温である。NAは適用不能を示す。
敗血症の厳しさ及び結果
更に、発明者は、患者の予後に関してプラズマのsTREM-1レベルを評価した。入院時の感染した患者のプラズマのCRP、PCTおよびsTREM-1レベルの値は、結果に関して、図9に示される。入院時に感染した患者の死を予測する最も判別可能なパラメータは、1500ng/mL(確率比率、6.6;95パーセントのCI 4.5〜20.0、P=0.03)以下のプラズマのsTREM-1レベルであった。研究集団は多大であり、感染性および非感染性の状況(研究所見の一般化を可能にした)のさまざまな段階の医療ICUに入るのを許可される多様な群の非常に重篤な成人の患者からなる。診断は、プラズマのsTREM-1レベルの知識なしで、盲目の調査者によって測定されて、患者は、他の全ての利用できる臨床的および検査上のデータを組み込んだ後、非感染性の源のSIRSを有するように分類された(Bone RC, et al. Chest. 1992;101:1644-55.)。最後に、発明者の研究は、実生活の研究として設計され、疑わしい感染症のない対照患者を含まないが、敗血症の予備試験の高い可能性をもつ患者だけを含み、この試験の将来の使用において遭遇し得る患者の範囲をカバーした。
実施例4:敗血症が疑わしい患者の血清で可溶性TREM−1を検出するための免疫酵素アッセイの活用
細菌又は真菌類の感染症の診断の適用で可溶性のヒトTREM-1の検出のためのELISAに基づく方法は、特に敗血症において、発明者によって開発された。
一実施例において、方法は下記である。
材料:
プレート:ヌンク・マキシソープ(Nunc Maxisorp)96ウェル
コーティングバッファー:カーボネートpH9.6:0.015M Na2CO3(500mlのH2Oに0.794g)、0.035M NaHCO3(500mlのH2Oに1.47g)
洗浄バッファー:PBSに0.1%のTween20、pH7.4
アッセイバッファー:PBS+0.2%BSA
ブロッキング溶液:PBS+3%BSA
基質溶液:30mM クエン酸カリウム,pH 4.1を使用の直前に添加、10mlのバッファーにおいて3,3',5,5'-Tetramethylbenzidine(シグマ# T-3405)の1つの錠剤を加えて、2.5μlの30%のH2O2を加える。
方法
a)コーティング:100μl/ウェルの抗ヒトTrem−1抗体(Polyclonal R&D
5 Systems Inc., Minneapolis, MN, USA#AF1278) (1:1000), [Cmother]:100μg/ml-[Cfinal]: 100ng/ml)をコーティングバッファー、pH9.6に希釈する。
b)プレートを密封して+4℃にてオーバーナイトでインキュベーションする。
c)洗浄バッファーで3回洗浄する。
d)200μlのブロッキング溶液を添加することによってプレートをブロックする。
e)室温で1時間または2時間において37℃でインキュベーションする。
f)上澄みを捨て、100μlのスタンダードとアッセイバッファーで希釈したサンプルをプレートに播く。
g)プレートを密封し、+4℃でオーバーナイトまたは37℃で2時間インキュベーションを行う。
h)洗浄バッファーで6回洗浄する。
i)アッセイバッファーに希釈した100μlの抗ヒトTrem−1抗体(クローン21C7)を添加する。1:1000, [Cmother]100mg/ml-[Cfinal] 100μg/ml
j)室温で2時間インキュベーションを行う。
k)洗浄バッファーで6回洗浄する。
l)アッセイバッファーに対して1:5000で希釈したヤギの抗マウスIgG HRP(Pierce #31430)の100μlを添加する。
m)プレートを密封して室温で2時間インキュベーションを行う。
n)洗浄バッファーで6回洗浄する。
o)各ウェルに100μlの基質溶液を添加する。
p)室温でインキュベーションを行う。
q)1M H2SO4の50μl/ウェルで反応を終了させる。
r)450nmのマイクロタイターリーダーを用いて各ウェルの光学濃度(optical density)を決定する。
結果
上記の方法を用いてアッセイされた研究中の2患者からのサンプルの結果は表10に示される。
Figure 0004911600
敗血症が疑われる患者は、異なる時間位置(/0、/7)で分析された。時間0は、集中治療室へ入院した日にちを表す。サンプルは、15日目まで48時間毎に得られた。この実施例は、敗血症(HSR37)患者で、可溶性のTREM-1がICUへの入院時に低レベル(3.96ng/ml)で検出されて、T2(4日目)とT3(6日目)の間にその最大レベル(26ng/ml)に達したことを証明する。可溶性のTREM-1は、関連する敗血症がないSIRS患者で検出されなかった。膜に関連したTREM-1リガンド(それの検出は、WO2004081233に記載されている)のレベルは、ICUへの入院時に敗血症(HSR37)患者において検出可能でなくて、T4(8日目)で、最大の発現に達した。これらの結果は、可溶性のTREM-1及び膜と関連するTREM-1リガンドが敗血症の状況を伴うことを示し、それらの発現は疾患の臨床経過と相関する。新しく認められた非常に重篤な患者における可溶性のTREM-1及び膜と関連するTREM-1リガンドの測定は、感染した患者を迅速に識別することを支援できる。
実施例5:敗血症患者のプラズマのsTREM−1アッセイ
他の一連の63人の患者において、患者は敗血症の患者(n=30)、敗血症ショックの患者(n=33)であり、sTREM-1のプラズマ濃度が検定された。図12は、生存する患者(正方形)及び非生存患者(三角形)のsTREM-1の中央値(四分位数間領域で)のプラズマ・レベルの時間の経緯を示す。図13は、ICUへの入院時におけるsTREM-1>180pg/mL(n=32)及びsTREM-1<180pg/mL(n=31)の患者のカプラン-マイヤー分析を示す。2曲線間に有意差があった(Log-Rank試験、p<0.01)。このように、疾患の進化を評価するための有用な方法として、非常に重篤な敗血症の患者のプラズマ・サンプルのTREM-1の可溶形態を検定することの価値を強調した。
実施例6:PMNs及び単球でのTREM−1発現
別の一連の患者において、TREM−1の単球(図14参照)及び多形核球(図15参照)の細胞表面の発現は、PE標識の抗ヒトTREM−1マウスのモノクローナル抗体(clone 193015, R&D, Abingdon, UK)で標識した後フローサイトメトリーで分析された。結果は、平均蛍光強度(Mean Fluorescence Intensity)(MFI)として表された。患者の3グループが試験され、敗血症患者(n=25)、敗血症を患っていない患者(n=15)、健常対照者(n=7)である。それぞれのp値(スチューデントt検定)は、各々の散乱プロット線より上に表される。3群の患者からの好中球での膜のTREM-1発現を発現するための有意差は観察されなかった。感染性ショック患者からの単球でのMFIは、非敗血症の患者または健常対照者からのMFIよりもかなり高い。
図16は、結果による感染性ショックの間の単球でのTREM-1発現パターンを示す。結果は、平均蛍光強度(Mean Fluorescence Intensity)として表される。それぞれのp値は、時間位置より上に表される。‘基線’は、第1測定に対応し、‘最後の値’は集中治療室の退院前または死の前のTREM-1の最後の測定に対応する。これらの結果は、敗血症患者の中でも、好中球以外に単球上に低いレベルのTREM-1発現の患者は、陽性結果があることを予測できることを実証する。
ヒトTREM−1レセプターcDNA[SEQ ID NO:1]を示す図である。 ヒトTREM−1レセプターアミノ酸配列[SEQ ID NO:2]を示す図である。 診断により患者からの気管支肺胞洗浄液中のsTREM−1のレベルを示す図である。 肺炎の有無の区別における気管支肺胞洗浄液中のsTREM-1、腫瘍壊死因子−α、インターロイキン−1βのさまざまなカットオフレベルにおける受信者動作特性曲線を示す図である。 抗TREM−1モノクローナル抗体(21C7)を用いるウェスタンブロット解析によって検査した気管支肺胞洗浄液(BAL)上清を示す図である。 検査中にICUに入院した患者のフローチャートを示す図である。 診断によりC活性タンパク質、プロカルシトニン及びsTRM−1の認められたプラズマ・レベルを示す図である。 感染の有無の区別におけるプラズマC活性タンパク質、プロカルシトニン及びsTREM-1のさまざまなカットオフレベルにおける受信者動作特性曲線を示す図である。 結果により、敗血症、重篤な敗血症及び敗血症ショックの患者のC活性タンパク質、プロカルシトニン及びsTRM−1の認められたプラズマ・レベルを示す図である。 敗血症の疑いのある患者の血清で可溶性のTREM−1を検出するための免疫酵素アッセイにおける標準曲線を示す図である。 感染がないSIRS患者(HSR34)及び敗血症患者(HSR37)での可溶性TREM−1(パネルA)とTREM−1リガンドのフローサイトメトリー分析(パネルB)を検出する免疫酵素アッセイの動態を示す図である。 一連の63人の患者(敗血症の患者(n=30)、敗血症ショックの患者(n=33))で生存する患者(正方形)及び非生存の患者(三角形)においてsTREM−1の中央値(四分位数間領域で)のプラズマ・レベルの時間の経緯を示す図である。 sTREM-1>180pg/mL(n=32)及びsTREM-1<180pg/mL(n=31)の患者のカプラン-マイヤー分析を示す図である。 敗血症患者(n=25)、敗血症を患っていない患者(n=15)、健常対照者(n=7)の単球におけるTREM−1の細胞膜発現の分析を示す図である。 敗血症患者(n=25)、敗血症を患っていない患者(n=15)、健常対照者(n=7)の多形核細胞におけるTREM−1の細胞膜発現の分析を示す図である。 結果により、敗血症ショックの間の単球上のTREM-1発現パターンを示す図である。

Claims (8)

  1. 患者における細菌又は真菌類を源とする疾患の指標として可溶型のヒトTREM−1レセプターを使用する方法であって、前記疾患は肺炎又は敗血症であり、当該方法は、
    )前記患者から得られた、体液を含む生物学的サンプルにおける可溶型のヒトTREM−1レセプターのレベルを測定するステップ、
    ii)測定された前記サンプルにおける可溶型のヒトTREM−1レセプターのレベルを、細菌又は真菌類を源とする疾患を有しない個人の対照集団での平均レベルと比較するステップ、
    iii前記可溶型のヒトTREM−1レセプターの上昇したレベルを、前記細菌又は真菌類を源とする疾患の存在又は程度に関連させるステップ、
    を含み、
    前記可溶型のヒトTREM−1レセプターのレベルを測定するステップは、
    (a)前記生物学的サンプルを、前記可溶型のヒトTREM−1レセプターに特異的に結合できる抗体に接触させるステップと、
    (b)前記抗体と前記可溶型のヒトTREM−1レセプターとの結合レベルを観察することによって、該サンプルに存在する前記可溶型のヒトTREM−1レセプターのレベルを検出するステップと
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記患者からの第二又はさらなるサンプルにおいて可溶型のヒトTREM−1レセプターのレベルを測定するステップであって、第一及び第二若しくはさらなるサンプルは異なる時間に得られるステップ、並びに、細菌又は真菌類を源とする肺炎又は敗血症の進行又は緩解を示すように該サンプルでの該レベルを比較するステップをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記サンプルは、全血、血清、血漿、尿及び気管支肺胞洗浄液から構成される群から選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記サンプルは気管支肺胞洗浄液であることを特徴とする請求項に記載の方法。
  5. 前記サンプルは血清または血漿であることを特徴とする請求項に記載の方法。
  6. 前記サンプルはヒトのサンプルであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記可溶型のヒトTREM−1レセプターのレベルは免疫化学技術によって測定されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記患者から得られた一つ以上の生物学的サンプルにおいてTREM−1リガンドのレベルを測定する追加ステップを含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の方法。
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