JP4909067B2 - インスリン/IGF−1受容体のようなAKTを調節する化合物または上流調節因子を同定するための、RHEsod−3プロモーターに基づくスクリーニング分析 - Google Patents

インスリン/IGF−1受容体のようなAKTを調節する化合物または上流調節因子を同定するための、RHEsod−3プロモーターに基づくスクリーニング分析 Download PDF

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Description

インスリン/IGF−1受容体のようなAKTを調節する化合物または上流調節因子を同定するための、フォークヘッド型転写因子依存性sod−3プロモーターに基づくスクリーニング分析である。
本発明は、FOXOフォークヘッド型転写因子活性(「FOXO活性」)を直接的または間接的に調節する化合物のスクリーニングおよび同定プロセス、前記プロセスに適したトランスジェニックC.エレガンス、前記プロセスによって同定されたFOXO活性を調節する化合物、このような化合物の、疾患の治療および医薬品の製造のための使用に関する。
C.エレガンスは、えさが豊富だと、成虫になるまでの4つの別個の幼虫段階(L1〜L4)を経て発達する。しかしながら、条件が不都合になると、発達は止まり、その代わりに分散や長期間の生存に特殊化した第三段階の幼虫が形成され、これは、耐性幼虫と呼ばれる。耐性幼虫はえさを必要とせず、長命であり、ストレス耐性である。耐性幼虫は、薄く、より暗い色であり、収縮した咽頭を有する点で、成虫と形態学的に区別することができる。形態学的な変化は、耐性幼虫と成虫における遺伝子発現パターンにおける劇的な変更に関連する。(Riddle,1988年;RiddleおよびAlbert,1997年)。
これまでに、耐性幼虫において構成的な温度感受性を有する系統が同定されており、例えば、25℃の制限的な温度で、これらの系統は、えさの存在下でも耐性幼虫を形成する(Gems,1998年)。これらの系統(daf系という)の多くのが、線虫のインスリン/IGF−1シグナル伝達経路に関与する後天的な遺伝子の突然変異を有することがわかった。表現型の研究により、特定のdaf遺伝子を、DAF−2/IR、age−1/PI−3キナーゼ、pdk−1、akt−1、akt−2、および、FOXO転写因子DAF−16からなる遺伝経路と関連付けることができた(GottliebおよびRuvkun,1994年;Riddle,1977年;Riddle等,1981年,Kaestner等,2000年)。
ノーザンブロッティングとRT−PCRによって、sod−3遺伝子の発現は、DAF−2/インスリン受容体経路における突然変異によって調節されることが示された(HondaおよびHonda,1999年)。特定の突然変異体系統におけるDAF−2機能の不活性化により、sod−3発現の強いアップレギュレーションが起こる。HondaおよびHondaは、DAF−16は、sod−3遺伝子を活性化する転写因子であること、および、DAF−16は、DAF−2/IR経路によって阻害されることを示唆している。
その上、転写因子DAF−16に結合するコンセンサス配列が同定されており、この配列は、sod−3上流の調節領域に存在することが示された(Furuyama等,2000年)。このような最小限のプロモーターに融合した結合モチーフは、哺乳動物組織培養系においてインスリンで調節される発現を起こすには十分である。
DAF−2/インスリン受容体経路およびその構成要素はヒトにおいて極めてよく保存されているため、ヒトにおけるインスリン/IGF−1シグナル伝達のモジュレーターを同定するのに耐性幼虫の表現型を使用することが提唱されている(WO98/51351A1)。しかしながら、従来技術による分析システムでは、耐性幼虫の発達プログラムが完了するまで長いインキュベート時間が必要となる(通常3〜5日間)。このような長時間により、分析成分の分解が起こる。その上、耐性幼虫の不浸透性のクチクラ構造は、食物摂取の減少と共に、幼虫への化合物吸収を阻害する可能性がある。
それゆえに、本発明の根本的な問題は、C.エレガンス耐性幼虫に依存しておらず、上述の不利益を克服した、DAF−2/IR経路を調節する化合物を同定するプロセスを提供することである。本発明のプロセス(すなわち本発明の分析システム)は、DAF−2/IR経路に直接的に関連するデータ読み出しに依存しており、さらに、調査中の生物の発達段階の進行の影響を受けないシステムであり、ここで、上記生物は、好ましくは哺乳動物および線虫細胞、特に線虫細胞、例えばC.エレガンスである。その上、本分析は、調査しようとする化合物の存在下での短時間のインキュベート(好ましくは約8〜12時間以内)の後、定量的なデータ読み出しが提供されるものとする。従来技術の分析システムに比べて、本分析で用いられたレポーターに応じて、定量的なデータ読み出しを得ることができる。
本発明において、驚くべきことに、sod−3遺伝子のプロモーター要素の生物学的活性を有する核酸分子の使用は、DAF−2/IR経路、例えばsod−3プロモーターの活性を調節する遺伝子または化合物の同定に関して多大な利点を有することが発見され、このようなsod−3プロモーターとしては、Deutsche Sammlung fur Zellkulturen und Mikroorganismen(マシェローダーヴェーク(Mascheroder Weg)1b,D−38124ブラウンシュヴァイク,ドイツ)に、DSMZ番号14912で、2002年4月4日に寄託されたもの(HindIIIとBamHIでエンドヌクレアーゼ消化した後の、1098bpのフラグメント)があり、特に配列番号1に記載のsod−3プロモーターである。この調節DNAフラグメントは、akt−1を介してDAF−2/IR経路に機能的に連結した、FOXO DAF−16の結合部位を含む。現在のdaf2/IRシグナル伝達経路の情報にもかかわらず、C.エレガンスのシグナル伝達活性をモニターするのに適した敏感なプロモーター要素は当業界において既知ではない。sod−3プロモーターがレポーター遺伝子に融合している場合、DAF−2/IR活性の迅速な定量が達成できる。それによって、本発明は、DAF−2/IR活性の定量は、系統のバックグラウンド、または、C.エレガンスの発達段階(これらは従来技術では同時に起こる)に依存しないという大きな利点を提供する。
従って、本発明の一実施形態は、sod−3プロモーターの生物学的活性を示すプロモーターを含む単離された核酸分子である。好ましくは、本発明の核酸配列は、以下からなる群より選択される:(a)配列番号1の核酸配列を含む核酸配列;(b)sod−3プロモーター活性を有する(a)の核酸配列に対して80%、90%、95%またはそれ以上の配列同一性を有する核酸配列;(c)(a)または(b)の核酸配列の、sod−3プロモーター活性を有するフラグメント;および、(d)(a)、(b)または(c)の核酸配列の、sod−3プロモーター活性を有する誘導体であって、好ましくはDNAまたはRNA分子であり、より好ましくは配列番号1に対して80%、90%、95%またはそれ以上の配列同一性を有する誘導体である。本発明に係る核酸分子のさらにより好ましい実施形態は、線虫、好ましくはC.エレガンスにおいて、sod−3プロモーターの生物学的活性を示すプロモーターを含む。
本発明によれば、sod−3プロモーターの生物学的活性を示すプロモーターは、フォークヘッド型転写因子、好ましくはFOXOフォークヘッド型転写因子(以下「FOXO」)、特にDAF−16に反応性を有するあらゆるプロモーターを意味する。このようなプロモーターとしては、例えば、FOXO1a、FOXO3a、または、FOXO4反応性プロモーターが挙げられる(Kaestner等,2000年)。
本発明によれば、用語「フラグメント」は、sod−3プロモーターの生物学的活性を示すのに十分な長さを有する、本発明の核酸分子のあらゆる部分を意味する。
本発明によれば、用語「誘導体」は、その配列が、本発明の核酸分子の配列とは1またはそれ以上の位置で異なっていてもよいが、本発明の核酸分子の配列と高い相同性を示すことを意味する。従って、「相同体」は、少なくとも50%の配列同一性を有するものを意味し、特に少なくとも60%、好ましくは80%超、さらにより好ましくは90%超の配列同一性を有する。上述の核酸分子に関するかたより(deviation)は、欠失、置換、挿入または組換えによってによって生じたものと考えられる。その上、相同性は、機能的および/または構造的に等価であることを意味する。
本発明の他の実施形態は、本発明に係る、sod−3プロモーター活性を示す前記核酸配列、および、レポーター遺伝子の活性を付与する核酸配列を含む単離された核酸分子(「融合分子」);本発明に係る核酸分子を含むベクター(これはさらに、場合により、真核細胞においてレポーター遺伝子の翻訳可能なRNAの転写および合成を確実にする調節要素(regulatory element)モジュレーターに連結していてもよい)、または、本発明の核酸分子またはベクターで形質転換されたトランスジェニック宿主細胞である。
本発明のさらなる他の実施形態は、本発明の核酸分子またはベクターでトランスフェクトされたトランスジェニック宿主または宿主細胞であり、これらは好ましくは線虫由来であり、および、それらの製造方法であり、本方法において、本発明の核酸分子またはベクターの使用よってトランスジェニック宿主細胞(好ましくは線虫由来)を生成する工程を含む。
本発明のさらなる他の実施形態は、本発明に係る、前記トランスジェニック細胞またはトランスジェニック生物、好ましくは線虫(例えばC.エレガンス)を含む、DAF−2/IR経路、AKT経路のモジュレーター、および/または、1またはそれ以上のFOXOのキナーゼのリン酸化のモジュレーターを同定するプロセス(すなわち本発明に係る「スクリーニング分析」)である。
本発明の好ましい実施形態は、DAF−2/IR経路、AKT経路のモジュレーター、キナーゼのリン酸化、ホスファターゼの脱リン酸化、および/または、分子組成、安定性(すなわち半減期)、亜細胞の配置、または1もしくはそれ以上のFOXO活性を変更する他の活性(例えば酵素)を同定するプロセスであって、本プロセスは、以下を含む:
(a)トランスジェニックC.エレガンス(好ましくはL1幼虫)と、適切な条件下で、DAF−2/IR経路、AKT経路、キナーゼのリン酸化、ホスファターゼの脱リン酸化、および/または、分子組成、安定性(すなわち半減期)、亜細胞の配置、または1もしくはそれ以上のFOXO活性を変更する他の活性(例えば酵素)を調節する能力に関して試験しようとする1またはそれ以上の化合物(例えば酵素)とを接触させること(前記トランスジェニックC.エレガンス、好ましくはL1幼虫は、レポーター遺伝子に融合した本発明の核酸分子、または、前記融合分子を含む本発明のベクターを含む);
(b)試験しようとする1またはそれ以上の化合物の存在下で、前記レポーター遺伝子
活性を測定すること;
(c)試験しようとする1またはそれ以上の化合物の非存在下で、場合により、1またはそれ以上の適切な参照化合物の存在下で、前記レポーター遺伝子活性を測定すること;
(d)工程(b)および(c)のレポーター遺伝子活性を比較すること;および、
(d)DAF−2/IR経路、AKT経路の調節化合物、キナーゼのリン酸化、ホスファターゼの脱リン酸化、および/または、分子組成、安定性(すなわち半減期)、亜細胞の配置、または1もしくはそれ以上のFOXO活性を変更する他の活性(例えば酵素)を選択すること。
本発明の他の実施形態は、DAF−2/IR経路のモジュレーターを同定するプロセスであり、本プロセスは、以下を含む:
(a)トランスジェニックC.エレガンスのL1幼虫と、ストレス条件下でDAF−2/IR経路を調節する能力に関して試験しようとする1またはそれ以上の化合物とを接触させること(前記L1幼虫は、レポーター遺伝子に融合した本発明の核酸分子、または、前記融合分子を含む本発明のベクターを含む);
(b)試験しようとする1またはそれ以上の化合物の非存在下および存在下で、場合により1またはそれ以上の適切な参照化合物の存在下で、工程(a)の条件下で耐性幼虫状態になるL1幼虫の量を測定すること;
(c)工程(b)に従って耐性幼虫状態になったL1幼虫の量を比較すること;および、
(d)DAF−2/IR経路の調節化合物を選択すること。
本発明によれば、用語「モジュレーター」は、DAF−2/IR経路、AKT経路、キナーゼのリン酸化、ホスファターゼの脱リン酸化、および/または、分子組成、安定性(すなわち半減期)、亜細胞の配置、または1もしくはそれ以上のFOXO活性を変更する他の活性(例えば酵素)に対して阻害、活性化または調節作用を有するあらゆる化学分子または遺伝学的要素(例えは酵素)を意味する。
本発明によれば、用語「適切な参照化合物」は、バナジン酸塩、例えば、オルトバナジン酸ナトリウム、モノペルオキソ(ピコリン酸)オキソバナジン酸塩(V)、または、ビスペルオキソ(1,10−フェナントロリン)オキソバナジン酸カリウム(V)を意味する。
本発明によれば、用語「適切な条件」は、当業者既知のC.エレガンスに適したあらゆる培養条件を意味する(例えば、S.ulstonおよびHodgkin,1980年を参照)。
本発明によれば、用語「ストレス条件」は、C.エレガンスに適しているが、適切な条件と異なっており、実質的に幼虫を殺さないような部分的に適切な、当業者既知のあらゆる培養条件を意味し、好ましくは、耐性幼虫形成を誘導することがわかっている条件である(例えば、SulstonおよびHodgkin,1980年を参照)。
従来の分析(例えば、耐性幼虫状態からの脱出を利用した分析)と比較すると、本発明のスクリーニング分析は、本分析のパフォーマンス速度、定量の実行可能性、および、副作用(例えば発達上の副作用)の回避に関して多大な利点を示す。
本発明に係る分析システムを実施するのに適した定量可能なレポーター遺伝子は、酵素または蛍光特性によって検出することができるタンパク質をコードしていてもよく、このようなタンパク質としては、例えば、ルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−ラクタマーゼ、分泌されたアルカリホスファターゼ、緑色蛍光タンパク質、サンゴ礁蛍光タンパク質、または、当業者既知のその他のレポーターが挙げられる(例えば、Hill等,2001年)。レポーター活性は、生物の溶解産物で測定してもよいし、または、インサイチュで生きている細胞または動物で測定してもよい。
DAF−2/IRまたはAKT経路の阻害剤の同定においてレポーターの活性化が確認されれば、レポーター活性のダウンレギュレーションは、前記経路のアクチベーターを示す。このようなレポーターは、野生型C.エレガンスにおいて用いてもよいし、または、例えば耐性幼虫経路に関する遺伝子に突然変異を含む可能性のある特定の系統(好ましくはdaf−2突然変異体系統)と組合わせて用いてもよい。
DAF−2/IR経路の要素のシグナル伝達を阻害する同定された化合物は、腫瘍学と心臓肥大症の分野における治療剤として有望な候補であり、一方で、前記経路のアクチベーターは、糖尿病、脳/心臓の虚血、または、神経変性病の治療における治療剤として有望な候補である。
以下の実施例は本発明を限定するのではなく、単に本発明の概念を説明するものとする。
材料および方法
以前に説明された通りに、プロテイナーゼKとフェノール抽出を用いて野生型C.エレガンス(N2)からゲノムDNAを調製した(SulstonおよびHodgkin,1980年)。
Fire等(Methods in Cell Biology,第48巻,19章(C.MelloおよびA.Fire),アカデミック・プレス(Academic Press))に従って、C.エレガンスベクターpPD49.26、および、pPD95.75を用いた。
実施例1:sod−3プロモーターの単離
sod−3遺伝子の調節配列を単離するために、開始コドンの1266bp上流を、野生型C.エレガンス(N2,Bristol,Caenorhabditis Genetics Center,250 Biological Science Center,ミネソタ大学(University of Minnesota),1445ゴートナーアベニュー,セントポール,ミネソタ州55108−1095,米国)のゲノムDNAから、上流プライマーsod−5U(配列番号2)と、下流プライマーsod−3U(配列番号3)とを用いたポリメラーゼ連鎖反応によって増幅し、3’BamHI制限部位をPCR産物に付加した。用いられたオリゴヌクレオチドプライマーは以下の通りである:
フォワードsod−5U:5’−agttttaaagattttattcatagtcc−3’(配列番号2);
リバースsod−3D:5’−ggatcctttattcactgaaaattagaagatt−3’(配列番号3)。
それに続いて、得られた1266bpのPCR産物の同定を配列解析によって確認した。pPD49.26主鎖に、a)sod−3プロモーターの1098bpのBamHIとHindIIIとのフラグメント、および、b)pPD95.75(NheIおよびKpnIのフランキング制限部位を含む)から増幅した、GFPのPCRフラグメントをクローニングすることによって、GFP発現ベクターをアセンブルした。
得られたsod−3::GFP融合体を含むC.エレガンス発現ベクターを、pMGC2−24と命名した。
実施例2:トランスジェニックC.エレガンス
daf−2(e1368)動物およびトランスジェニック動物を標準的な手順に従って得た(MelloおよびFire,1995年)。MelloおよびFireの方法とは異なり、プラスミドpMGC2−24を、インジェクションマーカーttx−3::GFPと共に、前記動物の性腺に注入した。3種の独立した系がGFP陽性動物の単離によって単離された。
実施例3:DAF−2/インスリン受容体経路に特異的な読み出し
様々な温度でdaf−2(e1368)動物におけるsod−3::GFPの発現を比較することによって、sod−3プロモーターの調節が実証された。daf−2(e1368)系統は、DAF−2/IRのリガンド結合ドメインにおける温度感受性の突然変異を含み、25℃でDAF−2の不活性化を起こす。許容できる温度(15℃)で4日間L1幼虫を成長させた際、成虫動物の尾、頭部および陰門においてGFPの弱い発現を検出することができた。GFPの全体的な発現は極めて低かった。これは、25℃の制限的な温度でL1幼虫を成長させると、DAF−2の不活性化を伴って劇的に変化した。これらの条件下で、C.エレガンスは、耐性幼虫で停止し、GFP蛍光は、全動物で強くアップレギュレートされた。daf−16遺伝子にさらなる欠失を有するdaf−2(e1368)系では、sod−3::GFPのアップレギュレーションはなくなった。同様に、これらの実験条件下で、正常なDAF−2/IR機能を有する野生型N2の幼虫を25℃で維持すると、耐性幼虫を形成しなかっただけでなく、sod−3発現の増加に応答もしなかった。
それゆえに、sod−3::GFP発現の調節は、25℃でのdaf−2(e1368)系におけるDAF−2/IR経路の不活性化と関連していた。このデータは、DAF−2/IR経路が、転写因子DAF−16を阻害するように作用し、別な方法でsod−3遺伝子の転写を活性化するモデルと一致している。それゆえに、上記レポーターは、DAF−2/IR経路がスイッチオフされると活性化され、DAF−2/IR経路がスイッチオンされると不活性化される。
実施例4:sod−3::GFPレポーターは、発達段階とは無関係に調節される
sod−3::GFPレポーターを含むdaf−2(e1368)動物を、成虫への発達を終えるまで15℃に維持し、続いて、25℃(制限的な温度)で成虫に変化させ、DAF−2/IRを不活性化した。耐性幼虫で観察されるように、制限的な温度に晒された成虫もまた、許容できる温度(15℃)で維持された動物に比べてさらに多くのGFPを示した。比重走査により、GFPの平均が、2.6±1.7(許容できる温度)から、53.5±14.6(制限的な温度)へ増加したことが明らかになった。成虫におけるGFP発現の増加の規模は、25℃で即座に変化して耐性幼虫になるL1で観察される増加の規模と同じオーダーである(平均GFP:87.8±35.3)。この結果により、sod−3プロモーターの調節は、C.エレガンスの発達段階とは無関係であること、および、daf−2/IR遺伝子の不活性化の結果としてsod−3プロモーターのアップレギュレーションがあらゆる時点で誘導され得ることがが示される。その結果として、成虫C.エレガンスを用いたスクリーニングにsod−3C.エレガンス系を用いることができ、従って、化合物が線虫の発達を妨害することを防ぐことができる。加えて、本分析は発達プログラムの完了に無関係であるため、インキュベート時間を短くすることができる。
配列番号1(sod−3プロモーター(DSMZプラスミドpMGC2−24のHindIIIとBamHIとのフラグメント))。配列は、制限部位HindIIIで始まり、制限部位BamHIで終わっている:
Figure 0004909067
文献
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J. Sulston and J. Hodgkin in“The Nematode Caenorhabditiselegans”. (ed. W. B. Wood), pp 604-605,1988 Cold Spring Harbor Laboratory.

Claims (1)

  1. DAF−2/IR経路、AKT経路のモジュレーター、キナーゼのリン酸化、ホスファターゼの脱リン酸化、および/または、1またはそれ以上のFOXO活性を変更するその他の酵素活性のモジュレーターを同定する方法であって:
    (a)DAF−2/IR経路を不活化した成虫のdaf−2(e1368)系統のトランスジェニックC.エレガンスと、DAF−2/IR経路、AKT経路、キナーゼのリン酸化、ホスファターゼの脱リン酸化、および/または、1またはそれ以上のFOXO活性を変更するその他の酵素活性を調節する能力に関して試験しようとする1またはそれ以上の化合物とを接触させること(該トランスジェニックC.エレガンスは、
    (i)プロモーターの核酸配列が、
    (1)配列番号1の核酸配列を含む核酸配列;
    (2)(1)に記載の核酸配列と90%またはそれ以上の配列同一性を有する、sod−3プロモーター活性を有し、そして少なくとも1つのフォークヘッド型転写因子の結合部位を含む核酸配列;および、
    (3)(1)または(2)に記載の核酸配列の、sod−3プロモーター活性を有し、そして少なくとも1つのフォークヘッド型転写因子の結合部位を含むフラグメント、
    からなる群より選択される、sod−3プロモーターの生物学的活性を示すプロモーター、
    ならびに、
    (ii)レポーター遺伝子の活性を付与する核酸配列
    を含む核酸分子、を含む);
    (b)試験しようとする1またはそれ以上の化合物の非存在下および存在下で、場合により1またはそれ以上の適切な参照化合物の存在下で、レポーター遺伝子活性を測定すること;
    (c)工程(b)のレポーター遺伝子活性を比較すること;および、
    (d)調節化合物を選択すること、
    を含む、上記方法。
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