JP4907461B2 - 重力式ブレンダ - Google Patents

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本発明は、タンク内に充填された複数種類の粉体を、重力によってタンクから排出して、タンクに戻す、という作業を、繰り返すことによって、混合する、重力式ブレンダに関するものである。
図6は、従来の重力式ブレンダの縦断面模式図、図7は、図6のブレンダの平面模式図である。このブレンダ1は、タンク2と、混合室3と、5本の外管41〜45と、を備えている。外管41〜45は、タンク2から外側に且つ下方に延びてタンク2と混合室3とを連通している。このブレンダ1においては、タンク2及び混合室3の内部に充填された複数種類の粉体を、重力によって混合室3の下端の排出口31から排出して、タンク2に戻す、という作業を、繰り返すことによって、タンク2内の粉体を、タンク2の下端の排出口21から混合室3内に流入させるとともに外管41〜45を通しても混合室3内へ流入させることを繰り返し、それによって、複数種類の粉体を混合するようになっている。
しかしながら、図6のブレンダ1では、タンク2内において、ファンネルフローが生じる。ファンネルフローとは、充填されている粉体が、横断面中央部が陥没するように、下方に流動することである。
したがって、図6のブレンダ1では、タンク2及び混合室3の内部の周辺部分に、粉体が滞留してしまい、それ故、粉体の混合が不十分であった。
そこで、ファンネルフローを防止すべく、図8のブレンダ1が提案されている。このブレンダ1では、図6のブレンダ1の構成に加えて、タンク2内の下部に円錐形の第1邪魔板51が設けられており、また、混合室3内の下部に円錐形の第2邪魔板52が設けられている。このブレンダ1によれば、ファンネルフローは防止される。
特開平5−4032号公報 特開平8−229375号公報
ところで、図8のブレンダ1においては、タンク2の排出口21から粉体が混合室3内に流入する際に、邪魔板51の下縁511の周囲の隙間201に位置している粉体が、隙間201の全周に渡って均等に下方に流動するのが、理想である。
しかしながら、図8のブレンダ1においては、隙間201に位置している粉体の一部が、流動しないまま、隙間201の上方に滞留する、という問題があった。それ故、粉体の混合が不十分であった。
本発明は、粉体が隙間201の上方に滞留するのを防止でき、したがって、粉体を確実に混合できる、重力式ブレンダを、提供することを目的としている。
本発明は、直立した円筒状のタンクと、タンクの下端の排出口に通じている直立した円筒状の混合室と、タンクから外側に且つ下方に延びてタンクと混合室とを連通している複数の外管と、を備えており、
タンク及び混合室の内部に充填された複数種類の粉体を、重力によって混合室の下端の排出口から排出して、タンクに戻す、という作業を、繰り返すことによって、タンク内の粉体を、タンクの下端の排出口から混合室内に流入させるとともに外管を通しても混合室内へ流入させることを繰り返し、それによって、複数種類の粉体を混合するようになっている、重力式ブレンダにおいて、
タンクが、円筒体からなる胴部と、上記排出口に向けて漸次絞られた形態を有する、漏斗状のコーン部と、で構成されており、
上記コーン部内に、円錐形の第1邪魔板が設けられており、
第1邪魔板は、その下縁から横方向に延びた2本以上のサポート部材によって、タンクに支持されており、
上記外管の内の2本以上の外管が、タンクの、第1邪魔板の下縁よりも下方の位置から且つサポート部材の直下の位置から、延びている、ことを特徴としている。
本発明は、更に、次の構成(1)を採用するのが好ましい。
(1)混合室内の下部に、円錐形の第2邪魔板が設けられている。
本発明においては、第1邪魔板が設けられているので、ファンネルフローの発生を防止できる。また、タンクの、第1邪魔板の下縁よりも下方の位置から、延びている、外管へ、粉体が流入するので、それが呼び水となって、第1邪魔板の下縁とタンクの内面との間の隙間に位置している粉体が、積極的に下方に流動する。しかも、粉体は、サポート部材の上方に滞留しやすいが、第1邪魔板の下縁よりも下方の位置から延びている外管が、サポート部材の直下の位置からも延びているので、上記隙間に位置しており且つサポート部材の上方に位置している粉体が、積極的に下方に流動する。したがって、本発明によれば、上記隙間に位置している粉体の一部が、上記隙間の上方に、特にサポート部材の上方に、滞留するのを、防止でき、よって、粉体を確実に混合できる。
上記構成(1)によれば、混合室における粉体の下方への流動をマスフローにすることができる。それ故、外管から混合室への粉体の流動を確実に行うことができる。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の重力式ブレンダの縦断面模式図、図2は、図1のブレンダの平面模式図である。このブレンダ1は、直立した円筒状のタンク2と、直立した円筒状の混合室3と、7本の外管41〜47と、を備えている。
タンク2は、円筒体からなる胴部2Aと、排出口21に向けて漸次絞られた形態を有する、漏斗状のコーン部2Bと、で構成されている。タンク2内の下部、すなわち、概ねコーン部2B内には、円錐形の第1邪魔板51が設けられている。第1邪魔板51の下縁511とコーン部2Bの内面との間には、平面視環状の隙間201が存在している。
混合室3は、排出口21に通じて、タンク2の下方に、位置している。混合室3も、円筒体からなる胴部3Aと、排出口31に向けて漸次絞られた形態を有する、漏斗状のコーン部3Bと、で構成されている。混合室3内の下部、すなわち、概ねコーン部3B内には、円錐形の第2邪魔板52が設けられている。
4本の外管44〜47は、タンク2の胴部2Aから、外側に且つ下方に延びて、胴部2Aと混合室3とを連通している。3本の外管41〜43は、タンク2のコーン部2Bから、外側に且つ下方に延びて、コーン部2Bと混合室3とを連通している。外管41〜47が混合室3に通じている高さ位置は、混合室3内に位置している排出口21の高さ位置と略同じである。外管41〜47の、タンク2における円周方向の配置関係は、図2に示すとおりである。図1には示されていないが、図2に示されているように、コーン部2Bからは、3本の外管41〜43が延びている。なお、外管44は、胴部2Aの下部位置から延びており、外管47は、胴部2Bの上部位置から延びており、外管45、46は、外管44から外管47へ均等に高くなるような高さ位置から延びている。
そして、本実施形態では、外管41〜43が、コーン部2Bの、第1邪魔板51の下縁511よりも下方の位置から、延びている。なお、第1邪魔板51は、図1のIII−III断面矢視図である図3に示すように、下縁511から横方向に延びた3本のサポート部材501、502、503によってコーン部2Bに支持されている。3本のサポート部材501、502、503は、円周方向に等間隔に配置されている。そして、3本の外管41〜43は、図3に示すように、それぞれ、サポート部材501、502、503の直下の位置から、延びている。
次に、上記構成のブレンダ1の作動について説明する。ここでは、2種類の粉体101、102を混合する場合について説明する。
まず、図4の(a)に示すように、粉体101を、外管46と外管47との間の高さ位置まで、タンク2及び混合室3の内部に充填し、次に、粉体102を、粉体101上に載せるように、タンク2の内部に充填する。このとき、粉体102は、外管47を通って混合室3の内部にも及ぶ。
次に、粉体101、102の充填量の例えば50%を、混合室3の排出口31から、重力によって「排出」する。このとき、タンク2内の粉体は、排出口21から混合室3内に流入するとともに、外管41〜47を通って混合室3内に流入する。これにより、粉体101と粉体102とは、混合室3にて混ざることとなる。そして、排出口31から排出した粉体を、タンク2の内部に「戻す」。図3(b)は、その状態を示している。
そして、上記のような排出及び戻しを繰り返し行う。例えば、50%ずつの排出及び戻しを4回繰り返す。
ところで、本実施形態では、外管41〜43が、コーン部2Bの、第1邪魔板51の下縁511よりも下方の位置から、延びている。このため、コーン部2Bにおいて、隙間201に位置している粉体は、第1邪魔板51の下方において外管41〜43へ粉体が流入すると、それが呼び水となって、積極的に下方に流動する。しかも、粉体は、第1邪魔板51を支持するためのサポート部材501、502、503の上方に滞留しやすいが、本実施形態では、3本の外管41〜43が3本のサポート部材501、502、503の直下に位置しているので、隙間201に位置しており且つサポート部材501、502、503の上方に位置している粉体は、積極的に下方に流動する。そのため、隙間201に位置している粉体は、全周に渡って略均等に下方に流動する。したがって、隙間201に位置している粉体の一部が、隙間201の上方に、特にサポート部材501、502、503の上方に、滞留することはない。
しかも、タンク2内においては、第1邪魔板51が設けられているので、粉体のファンネルフローは生じない。また、混合室3内においては、第2邪魔板52が設けられているので、混合室3における粉体の下方への流動がマスフローとなり、それ故、外管41〜47から混合室3への粉体の流動が確実に行われる。
したがって、本実施形態のブレンダ1によれば、粉体101、102を確実に混合することができる。
[別の実施形態]
コーン部2Bから延びる外管は、第1邪魔板51の下縁511よりも下方の位置から延びているならば、図5に示すように、2本でもよく、又は、4本以上でもよい。これによっても、第1実施形態と同様の効果を発揮できる。
本発明の重力式ブレンダは、粉体を確実に混合できるので、産業上の利用価値が大である。
本発明の第1実施形態の重力式ブレンダの縦断面模式図である。 図1のブレンダの平面模式図である。 図1のIII−III断面矢視図である。 第1実施形態の重力式ブレンダの作動を説明するための縦断面模式図である。 別の実施形態の図3に相当する図である。 従来の重力式ブレンダの縦断面模式図である。 図6のブレンダの平面模式図である。 従来の別の重力式ブレンダの縦断面模式図である。
符号の説明
1 重力式ブレンダ 2 タンク 201 隙間 21 排出口 3 混合室 31 排出口 41〜47 外管 51 第1邪魔板 511 下縁 52 第2邪魔板

Claims (2)

  1. 直立した円筒状のタンクと、タンクの下端の排出口に通じている直立した円筒状の混合室と、タンクから外側に且つ下方に延びてタンクと混合室とを連通している複数の外管と、を備えており、
    タンク及び混合室の内部に充填された複数種類の粉体を、重力によって混合室の下端の排出口から排出して、タンクに戻す、という作業を、繰り返すことによって、タンク内の粉体を、タンクの下端の排出口から混合室内に流入させるとともに外管を通しても混合室内へ流入させることを繰り返し、それによって、複数種類の粉体を混合するようになっている、重力式ブレンダにおいて、
    タンクが、円筒体からなる胴部と、上記排出口に向けて漸次絞られた形態を有する、漏斗状のコーン部と、で構成されており、
    上記コーン部内に、円錐形の第1邪魔板が設けられており、
    第1邪魔板は、その下縁から横方向に延びた2本以上のサポート部材によって、タンクに支持されており、
    上記外管の内の2本以上の外管が、タンクの、第1邪魔板の下縁よりも下方の位置から且つサポート部材の直下の位置から、延びている、ことを特徴とする重力式ブレンダ。
  2. 混合室内の下部に、円錐形の第2邪魔板が設けられている、請求項1記載の重力式ブレンダ。
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