JP4902834B2 - 脱硝方法、および脱硝装置 - Google Patents

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本発明は船舶や発電用の比較的大型のディーゼルエンジン等から排出される排ガス中の窒素酸化物を処理する脱硝技術に関する。
排ガス中の窒素酸化物の処理方法として、アンモニアおよびその化合物とバナジウム−チタニア系触媒による選択還元脱硝(SCR)法が確立されている。この選択還元脱硝は、排ガス温度が300℃以下の場合、アンモニアと排ガス中の硫黄酸化物が反応し、硫酸アンモニウム(硫安)を生成して触媒上に析出する結果、触媒活性が低下するため、高温域(350℃以上)もしくは硫黄酸化物濃度の低い(10ppm以下)排ガスに対して採用されている。
硫黄酸化物と反応しない炭化水素類を用いる触媒脱硝方法では、硫黄酸化物存在下での脱硝も可能であるが、反応性が低く排ガス温度が400℃以上の高温での運転が条件になる。
一方、無触媒脱硝方法として、排ガス中にアンモニアを吹き込み、パルス放電やプラズマを与えてアミンラジカル化して窒素酸化物と反応させる方法も開発されているが、この方法では多大な電力を必要とする為、経済性のあるプロセスにはなっていない。
また、無触媒脱硝方法の別の例として、窒素酸化物含有ガス中にアンモニアと過酸化水素を添加して窒素酸化物を還元する際に、過酸化水素の添加をアンモニアの添加と同時またはその後に行う方法が提案されている(例えば、特許文献1)。しかし、この方法の反応温度は400℃以上(好ましくは500〜1200℃)と高く、脱硝率も低いため、300℃を下回る低温のディーゼルエンジン排ガスには適用できない。
さらに、アンモニアなどの還元剤を熱分解したものを用いて排ガス中の窒素酸化物を還元分解する方法も提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3)。しかし、この方法では、熱分解に用いるバーナーの燃料ガス中にアンモニア等の還元剤を混合して燃焼させるため、アンモニアが燃焼したり、アミンラジカルの消失が進行したりして脱硝率が低いという問題があった。
特開昭54−56976号公報 特開昭54−99076号公報 特開昭54−119370号公報
従って、高い濃度の硫黄分を含有し、比較的低温のディーゼルエンジン等からの排ガスに対しても、優れた脱硝率が得られる脱硝技術の提供が求められていた。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、排ガス中の窒素酸化物を還元的に除去する脱硝方法であって、排ガス煙道または該煙道に連通する部屋内の加熱領域に向けて、窒素化合物と炭化水素類とをそれぞれ別々に、または混合して吹き込むようにしたことを特徴とする、脱硝方法である。
この第1の態様によれば、排ガス煙道や煙道に連通する部屋内に加熱領域を形成せしめ、この加熱領域に向けて窒素化合物と炭化水素類を吹き込むことにより、炭化水素類の燃焼で生成したヒドロキシラジカルと、窒素化合物との反応によってアミンラジカルを生成させ、生成したアミンラジカルにより排ガス中の窒素酸化物を効率良く脱硝できる。
また、無触媒脱硝が可能な方法であるため、排ガス中の硫黄酸化物の影響を受けず、船舶や発電所などから排出されるディーゼルエンジン排ガスのように500〜1000ppmあるいはそれ以上の硫黄酸化物を含有する排ガスに対しても有効であり、かつ硫安を生成させずに脱硝を行うことが可能になる。さらに、200〜500℃の比較的低い排ガス温度での脱硝が可能なため、排ガスの再加熱が不要であり、消費エネルギーが少なくてよい。
また、本発明の第2の態様は、排ガス中の窒素酸化物を還元的に除去する脱硝方法であって、排ガス煙道または該煙道に連通する部屋内にバーナーを設置し、該バーナーによる加熱領域に向けて、窒素化合物と炭化水素類とを吹き込むようにしたことを特徴とする、脱硝方法である。
この第2の態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、排ガス煙道等に簡単なバーナーを設け、窒素化合物と炭化水素類を吹き込むことにより、炭化水素類の燃焼で生成したヒドロキシラジカルと、窒素化合物との反応によってアミンラジカルを生成させ、生成したアミンラジカルにより排ガス中の窒素酸化物を効率良く脱硝できる。ここで、窒素化合物及び炭化水素類を火炎加熱することによって、アミンラジカルを最小限のエネルギーで生成させることができる。
また、本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様において、前記加熱領域の温度が、700〜1000℃であることを特徴とする、脱硝方法である。温度700〜1000℃の加熱領域では、プロパンの燃焼と、アンモニアの熱分解が速やかに進行するため、この領域にプロパンおよびアンモニアを吹き込むことによって、ヒドロキシラジカルおよびアミンラジカルを効率良く生成させ、脱硝効率を向上させることができる。
また、本発明の第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記排ガス煙道中の排ガス温度が、200〜500℃であることを特徴とする、脱硝方法である。本発明では、バーナーの火炎近傍の局所的な加熱領域(好ましくは800〜900℃の領域)に向けて、窒素化合物および炭化水素類を供給するので、排ガス全体の温度が200〜500℃程度の比較的低温であっても十分な脱硝性能が得られる。従って、排ガス全体を再加熱する必要がなく、消費エネルギーや運転コストを低く抑えることができる。
また、本発明の第5の態様は、第1から第4の態様のいずれかにおいて、前記窒素化合物が、アンモニアガスまたは尿素水であり、前記炭化水素類がメタン、プロパン、ブタンまたは軽油であることを特徴とする、脱硝方法である。この第5の態様によれば、特定の窒素化合物と炭化水素類を組合せて使用することによって、優れた脱硝効果が得られる。
また、本発明の第6の態様は、排ガス中の窒素酸化物を還元的に除去する脱硝装置であって、排ガス煙道または該煙道に連通する部屋内に、少なくとも局所的な加熱領域を作る加熱手段と、前記加熱領域に向けて、窒素化合物と炭化水素類とをそれぞれ別々に、または混合して吹き込む一つないし複数の吹き込みノズルと、を配備したことを特徴とする、脱硝装置である。この第6の態様の脱硝装置は、第1の態様の脱硝方法の実施に適した装置であり、第1の態様と同様の作用効果が得られる。
また、本発明の第7の態様は、排ガス中の窒素酸化物を還元的に除去する脱硝装置であって、排ガス煙道または該煙道に連通する部屋内に設置したバーナーと、該バーナーの火炎による加熱領域に向けて、窒素化合物と炭化水素類とをそれぞれ別々に、または混合して吹き込む一つないし複数の吹き込みノズルと、を配備したことを特徴とする、脱硝装置である。この第7の態様の脱硝装置は、第2の態様の脱硝方法の実施に適した装置であり、第2の態様と同様の作用効果が得られる。
本発明によれば、窒素化合物及び炭化水素類を加熱することによって、アミンラジカルを少ないエネルギーで生成させ脱硝反応を効率的に進行させることができる。
また、触媒を用いずに脱硝可能なため、高硫黄含燃料を原料としたディーゼルエンジン等からの排ガス(高濃度の硫黄酸化物を含有する)についても処理できる。
さらに、バーナーなどによる局所的な加熱領域(好ましくは800〜900℃の領域)に向けて、窒素化合物および炭化水素類を供給するので、温度が200〜500℃程度の比較的低温の排ガスに対しても、全体を再加熱することなく、十分な脱硝性能が得られ、特に温度が200〜300℃程度の低温の排ガスに対して極めて有利である。
次に、図面に基き本発明の実施の形態をさらに詳しく説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態に係る無触媒脱硝装置10の概要を示す原理図であり、図2は、図1におけるラジカル生成部51の要部拡大図である。本実施形態の無触媒脱硝装置10は、主要な構成として、排ガスの煙道50に対し、略直角に形成され、かつ連通する「部屋」としてのラジカル生成部51と、バーナー13と、窒素化合物を吹き込む第1の吹き込みノズルとしてのノズル20と、炭化水素類を吹き込む第2の吹き込みノズルとしてのノズル30とを備えており、これらが煙道50の途中に一体に設けられている。
本実施形態において、「部屋」としてのラジカル生成部51は、図1のように煙道50に連通する管部11により構成されており、外筒方式が採用されている。部屋を設けず、煙道に直接加熱領域を形成することも可能であるが、外筒方式では、排ガスの流速などの影響を受けずにラジカルの生成が可能になるので好ましい。なお、煙道50の一部が無触媒脱硝装置10の一部を構成してもよい。
本発明の無触媒脱硝装置10の処理対象となる排ガスは、特に限定されないが、例えば船舶や発電などに使用される比較的大型のディーゼルエンジン等から排出される排ガスを対象にすることができる。船舶用あるいは発電用ディーゼルエンジンには、一般に硫黄化合物を多く含有する高硫黄含燃料を使用することが多いので、排出される排ガス中には窒素酸化物(NO)だけでなく、高濃度の硫黄酸化物(SO)が含まれることが多い。かかる排ガスの場合、硫黄酸化物が触媒毒となるため、触媒を使用しての脱硝は困難であり、触媒を使用しない無触媒脱硝の方が有利である。
対象とする排ガス温度は、500℃を超える温度でもよいが、本発明では200〜500℃程度であれば十分な脱硝効果が得られるので、脱硝効率を上げる目的で排ガス全体を再加熱することは必ずしも要しない。従って、ディーゼルエンジン等から排出される比較的低温の排ガスでもそのまま処理できる。
本発明において使用する窒素化合物としては、アミンラジカルを生成し得るものであれば特に限定されないが、例えばアンモニアガスのほか、加水分解によってアンモニアを生成する尿素水等を挙げることができる。また、炭化水素類としては、例えばメタン、プロパン、ブタン、軽油等を挙げることができる。本実施形態では、バーナー13の火炎による加熱領域に向けて、窒素化合物と炭化水素類とをそれぞれ別々に吹き込む。窒素化合物と、炭化水素類とを、高温の反応場(加熱領域)へ向けて注入することによって、後記実施例に示すように、これらを混合してバーナー13で燃焼させた場合に比べ、優れた脱硝性能が得られる。
ラジカル生成部51は、煙道50を形成する管と同様の材質の分岐管により形成することができる。本実施形態において、ラジカル生成部51の最奥部(煙道50に対して最も遠い部分)には、小型のバーナー13が配備されている。
バーナー13は、少なくとも局所的な加熱領域を作る「加熱手段」として機能する。加熱手段としては、バーナー以外に、例えば電気ヒーター、熱交換器等を用いることが可能である。また、ラジカル生成部51全体を加熱する構成とすることも可能であるが、バーナー13の場合は、簡易な構成で容易に局所的な加熱領域を作り出せるため有利である。バーナー13には、燃焼ガス(例えばプロパンと空気との混合ガス)が供給され、燃焼を行う。
ラジカル生成部51には、炭化水素類およびバーナー13の燃焼を促す目的で、「酸素を含有するガス」を導入することも可能である。酸素を含有するガスとしては、酸素、窒素および水蒸気を含有するガスが好ましく、例えば空気などを用いることができる。図2に例示するように、必要に応じてバーナー13の近傍位置に空気導入部15a,15bを設け、ここから別途空気を導入するように構成してもよい。
窒素化合物を吹き込む第1の吹き込みノズルとしてのノズル20と、炭化水素類を吹き込む第2の吹き込みノズルとしてのノズル30は、ラジカル生成部51に突出するように配置されている。本実施形態においては、ノズル20とノズル30とは、ラジカル生成部51を間にして、対向する位置に、かつ煙道50の方向に向けて所定の角度で斜めに吹き込み可能に設けられている。
本実施形態において、ノズル20およびノズル30は、ともに煙道50の壁を基準に、ラジカル生成部51の最奥部側(バーナー13側)に等距離となる位置に設けられているが、ノズル20とノズル30の配置は、必ずしも煙道50に対して等位置である必要はない。例えば、ヒドロキシラジカルの生成を先行させることを考えれば、B30>B20とすることが可能である。
また、本実施形態においては、ノズル20の吹き込み角度θ20、およびノズル30の吹き込み角度θ30を等しく設定しているが、θ20とθ30とを変化させることも可能である。
ノズル20およびノズル30の設置位置(距離B20、B30)と吹き込み角度(θ20とθ30)は、バーナーの火炎に対する距離に応じて調整することが好ましい。すなわち、吹き込まれた窒素化合物および炭化水素類が、それぞれ前記火炎による加熱領域において衝突し、煙道50内に侵入しやすい角度でノズル20とノズル30を配備することが好ましい。
また、バーナーの火炎による加熱領域中、温度700〜1000℃(好ましくは800〜900℃)の加熱領域に対して、窒素化合物および炭化水素類を吹き込むことができるようにノズル20、ノズル30の位置と角度を決定することが望ましい。温度700〜1000℃の加熱領域では、ノズル30より供給された炭化水素類の燃焼と、ノズル20より供給された窒素化合物の熱分解がアンモニアをバーナーで燃焼させた場合よりも速やかに安定して進行するため、ヒドロキシラジカルおよびアミンラジカルを効率良く生成させることが可能になる。従って、この領域に炭化水素類および窒素化合物を吹き込み可能なように、ノズル20とノズル30とを配備することにより、脱硝効率を高めることができる。
また、ノズル20およびノズル30から吹き込まれた窒素化合物と炭化水素類は、ノズル20とノズル30との吹き込み方向の延長線上の交点において、ラジカル生成部51内で衝突する。煙道50の壁面から、この交点までの距離Aは、生成したアミンラジカルが煙道50に至るまでに消失しない程度の距離に設定することが好ましく、窒素化合物の吹き込み速度やラジカル生成部51の径にもよるが、数cm〜十数cm程度に設定することが好ましい。
以上の構成の無触媒脱硝装置10において、排ガスは煙道50中を図1の白矢印で示す方向に向けて通過していく。ラジカル生成部51では、バーナー13の火炎先端付近の加熱領域に、ノズル20からは窒素化合物が、またノズル30からは炭化水素類が吹き込まれ、後述する反応機構に従い、ヒドロキシラジカルとアミンラジカルが生成する。煙道50を通過途中の排ガスには、ラジカル生成部51から、アミンラジカルが混合され、排ガス内の窒素酸化物の脱硝反応が起こる。脱硝された浄化ガスは、煙道50を大気側の排出口(図示せず)へ向けて流れていき、排出される。
<作用>
本発明では、ラジカル生成部51を排ガス煙道50の途中に設け、高温の反応場(加熱領域)へ向けて窒素化合物及び炭化水素類を吹き込むことによりアミンラジカルを発生させる。発生したアミンラジカルは、即座に排ガス中に混合され、窒素酸化物と反応を起こし、還元的脱硝反応によって窒素を生成させて無害化する。バーナー13による火炎付近では、例えば以下のような反応が起こり、アミンラジカルが生成し、生成したアミンラジカルが窒素酸化物(NOなど)の還元に利用される。
(1)炭化水素類の燃焼反応(HC+O)の際、ヒドロキシラジカル(OH*)が生成する。
(2)ヒドロキシラジカルは、アンモニアに作用してアミンラジカルを生成させる。
NH+OH*→NH *+H
(3)アミンラジカルと窒素酸化物(NO)との反応が起こり、窒素が生成する。
NO+NH *→N+H
つまり、本発明においては、窒素化合物に加え、炭化水素類を積極的に添加し、ヒドロキシラジカルを生成させることによって、アミンラジカルの生成を促進し、高い脱硝性能を得ることが可能になる。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれにより何ら制約されるものではない。
図3に示す試験装置100を用いて、バーナー用プロパンにアンモニアを混合して混焼させた場合(比較例1)、アンモニアと窒素を別々に吹き込んだ場合(比較例2)、アンモニアとプロパンガスを別々に吹き込んだ場合(実施例1)の3通りの条件で脱硝試験を行った。なお、アンモニア、プロパンについては、流速を増加させる目的でほぼ同量の窒素を混入した。
使用した配管のサイズ、管内のガス流速は、表1に示すとおりである。
Figure 0004902834
試験装置100は、ディーゼルエンジン70の排ガス煙道50からバイパスライン53を引き出し、このバイパスライン53に、無触媒脱硝装置10を配備した。この無触媒脱硝装置10の構成は、図1および図2と同様である。無触媒脱硝装置10が間に入るように、ガス流れ方向上流側と下流側に計測点aおよび計測点bを設け、NOx計、SOx計および温度計を設置した。また、煙道50からバイパスライン53への分岐点近傍にはSOx注入部55を設け、排ガス中のSOxの濃度を所定レベルに調整できるようにした。
この試験では、ラジカル生成部51において、アンモニア用のノズル20およびプロパン用のノズル30を、バイパスライン53の煙道54から共に同じ距離だけ離れた位置にそれぞれ設置し、角度θ20、θ30はいずれも45度とした。バイパスライン53の煙道54から両ノズルの延長線上の交点(噴射されたアンモニアガスとプロパンガスとの衝突点)までの距離Aは、10cmになるように設定した。また、バーナー13の位置と炎の強さを調整し、交点付近の温度が800〜900℃となるようにした。図3のaの位置において計測した脱硝前の排ガスの条件を表2に示す。
Figure 0004902834
図3のbの位置において、排ガスのNOx濃度を測定した結果を表3に示す。
Figure 0004902834
表3より、バーナー13の燃料ガスであるプロパンにアンモニアを混入した比較例1は脱硝率が非常に低いが、これは混焼を行うことにより火炎中でアンモニアの燃焼およびアミンラジカルの消失が進んでしまうためであると考えられる。また、アンモニアと窒素を別々に吹き込んだ場合の比較例2においても、ラジカルの生成が十分に行われない結果、低い脱硝率になったものと考えられる。
一方、アンモニアとプロパンを別々に高温の反応場へ供給した実施例1では、高い脱硝率が得られた。これは、800℃〜900℃域にアンモニアとプロパンを直接吹き込むことにより、ヒドロキシラジカルが生成し、アンモニアからのアミンラジカルの生成が効率良く進行した結果と考えられる。
以上、本発明を種々の実施形態に関して述べたが、本発明は上記実施形態に制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の実施形態についても適用可能である。
例えば、図1および図2に示す実施形態では、排ガスの煙道50の途中に、該煙道50に連通する部屋としてのラジカル生成部51を設けたが、これに限るものではなく、例えば、直接煙道50内にバーナー13、ノズル20およびノズル30を設置し、窒素化合物および炭化水素類を導入する構成としてもよい。
また、図2に示す態様では、窒素化合物とアンモニア化合物をそれぞれ別々のノズル(別々の吹き込み位置)から吹き込む構成としたが、例えば図4に示すように、1本の吹き込みノズル40から、バーナー13による加熱領域へ向けて、混合した窒素化合物と炭化水素類を吹き込むように構成することも可能である。
本発明は、船舶や発電設備などのディーゼルエンジン等からの排ガスの脱硝に利用できる。
本発明の一実施形態に係る無触媒脱硝装置の概要を示す原理図である。 図1の要部拡大図である。 試験装置の概要を説明する図面である。 別の実施形態に係る無触媒脱硝装置の要部拡大図である。
符号の説明
10 無触媒脱硝装置
11 管部
13 バーナー
15(15a,15b) 空気導入部
20 ノズル
30 ノズル
40 ノズル
50 煙道
51 ラジカル生成部
53 バイパスライン
54 バイパスラインの煙道
55 SOx注入部
60 火炎
70 ディーゼルエンジン
100 試験装置

Claims (5)

  1. 排ガス中の窒素酸化物を還元的に除去する脱硝方法であって、
    排ガス煙道に連通する部屋内にバーナーを設置し、
    前記バーナーの火炎先端位置の加熱領域に向けて、別々に吹き込む複数の吹き込みノズルから、窒素化合物と炭化水素類とを供給し、
    前記窒素化合物と前記炭化水素類は、それぞれ前記吹き込みノズルから前記排ガス煙道に連通する部屋内の前記加熱領域に対して、前記排ガス煙道に連通する部屋内のガス流速より速い流速で吹き込まれ、前記加熱領域で衝突して、アミンラジカルを生成し
    前記排ガス煙道に連通する部屋内の前記加熱領域で生成された前記アミンラジカルは、前記排ガス煙道内の排ガスの流速より速い流速で前記排ガス煙道に導入され、前記排ガス中の窒素酸化物を還元する、
    ことを特徴とする、脱硝方法。
  2. 請求項1に記載の脱硝方法において、前記加熱領域の温度が、700〜1000℃であることを特徴とする、脱硝方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の脱硝方法において、前記排ガス煙道中の排ガス温度が、200〜500℃であることを特徴とする、脱硝方法。
  4. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の脱硝方法において、前記窒素化合物が、アンモニアガスまたは尿素水であり、前記炭化水素類がメタン、プロパン、ブタンまたは軽油であることを特徴とする、脱硝方法。
  5. 排ガス中の窒素酸化物を還元的に除去する脱硝装置であって、
    排ガス煙道に連通する部屋内に設置したバーナーと、
    該バーナーの火炎先端位置の加熱領域に向けて、窒素化合物と炭化水素類とをそれぞれ別々に吹き込む複数の吹き込みノズルと、を配備し、
    前記複数の吹き込みノズルのガス流速は、それぞれ前記煙道に連通する部屋内のガス流速より速く、且つ前記煙道に連通する部屋内のガス流速は、前記煙道内の排ガスの流速より速い、
    ことを特徴とする、脱硝装置。
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