JP4899221B2 - 金属体用の溶断ノズル - Google Patents

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Description

本発明は、金属体用の溶断ノズルに関するものである。
従来の金属体用の切断ノズルは、層流に近い火炎流のみにて金属体を切断していた。
最近では、金属体用の溶断には、特願2007-335790のように噴射ガスに自己旋回流を与えて、ノズルより高速で旋回燃焼ガス流炎として噴射し、且つ炎の外側を一次空気幕流にて強制的に冷却するピンチ効果とコアンダ効果により、その層流に近い炎にて従来は切断していた。

そして、金属体の溶断は溶断ノズルからの一次側酸素ガス流とその圧力と炭化水素ガスとの燃焼反応炎で金属体母材をmax900°以上に加熱し、二次側酸素ガス圧にて、鉄との酸化反応にて溶解切断する。その為、切断母材の肉厚に応じた、燃焼ガスと酸素ガス流量及圧力の調整をする。これには長年の経験が必要であった。
母材の切断下部には二次酸素ガス圧で溶解された酸化鉄やノロ等が附着する為、除去工程も大変であった。
旋回の為、旋回角度右と左の2重組み合わせにて内圧を急上昇する事でmax600rpmの回転を得ていたが、圧損の為、炎の全長は伸びず又、特願2007-335790は内部に強磁石(30000G)を4個設置し、ベアリングに掛るスラスト荷重を軽減していたが、旋回流による切断母材の表面のスケールを粉砕する為、粉砕流が迷火炎と成った際吸い込まれる為、切断ノズル溝に添って磁力の為つまりを発生し、加熱溶解した。
本発明の課題は、省エネ的に高速強力火炎に絞り、金属体の切断幅の減少を計り、溶断速度を従来の30%以上に高速化し、合わせて溶断精度を格段に向上させると同時に、溶断ノズル単体でも切断内圧を向上させて、金属体への溶断屑とノロの付着率を激減させ、且つ安全で環境に優しい溶断作業を可能にする溶断ノズルを提供するものである。
即ち、本発明は、溶断ノズルからの燃料ガスの遅延しながらの完全燃焼とその火炎の長距離噴射と、金属体の表面に火炎が形成する円形の切断面積の点接触切断部を適切な小面積部にして3300〜3800℃の高温化と必要な溶断圧力を確保し、ノズル先端の火口径を不当に大きくすること無く、小厚物から極厚物まで溶断幅を均一僅少にしてその溶断速度と溶断精度を向上させると同時に溶断屑とノロの付着とバックファイヤー等を防止して安全な溶断作業と温暖化ガスの発生量を僅少にとどめる等、地球環境に優しく且つ作業環境を有利に改善する溶断ノズルを提供するものである。
本発明の特徴とする技術条件は、次の(1)〜(3)の通りである。
(1)、前記先端部円錐ノズルと旋回流形成ノズルを同時回転可能に接合したことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の金属体用の溶断ノズル。
ノズル軸芯部を二次側酸素ガスノズルとし、その周囲に燃料ガスノズルと一次側酸素ガスノズルを形成した三重ノズルの金属体用の溶断ノズルにおいて、
前記燃料ガスノズルの前部には、ガス入口を円錐状に広くした直進溝の流路を円周に沿って複数配列すると共にこの直進溝に連通し二次側酸素ガスノズル先端の内周に沿って斜めに噴射する旋回流形成穴を所定間隔で設け、直進溝の出口には外周に向けて広がる円錐状空間を形成した先端部円錐ノズルを設け、
前記一次側助然ガスノズルの前部には、ガス入口を広角にし出口にかけて斬減して細くした複数のソリット螺旋溝を円周に沿って設けた旋回流形成ノズルを設けたことを特徴とする金属体用の溶断ノズル。
(2)ノズル軸芯部を二次側酸素ガスノズルとし、その周囲に燃料ガスノズルと一次側酸素ガスノズルを形成した三重ノズルの金属体用の溶断ノズルにおいて、
前記燃料ガスノズルの前部には、ガス入口を広くした直進溝の流路を円周に沿って複数配列すると共にこの直進溝に連通し二次側酸素ガスノズル先端の内周に沿って斜めに噴射する旋回流形成穴を所定間隔で設け、直進溝の出口には外周に向けて広がる円錐状空間を形成した先端部円錐ノズルを設け、
前記一次側酸素ガスノズルの前部には、ガス入口を広角にし出口にかけて斬減して細くした複数のソリット螺旋溝を円周に沿って設けた旋回流形成ノズルを設け、
一次側酸素ガスノズルの外周に、外周に設けた流入口から周囲の外気を吸引し、先部の絞り口を溶断ノズ外管先端と狭い環状の間隙を置いて位置して、ここから二次側酸素ガスノズルからの火炎周囲に外気膜流を吐出形成するノズルスカート式エジェクターを螺合接続したことを特徴とする金属体用の溶断ノズル。
(3)、前記先端部円錐ノズルと旋回流形成ノズルを同時回転可能に接合したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属体用の溶断ノズル。
本発明は、前記構成により、溶断ノズルからの燃料ガス流の遅延繰り返ししながらの完全燃焼によるその火炎の長距離噴射と、金属体の表面に火炎が形成する円形の切断面積の点接触切断部を適切な小面積部にして3300〜3800℃の高温化と必要な溶断圧力を確保し、ノズル先端の火口径を不当に大きくすること無く、小厚物から極厚物まで溶断幅を均一僅少にしてその溶断速度と溶断精度を向上させると同時に溶断屑とノロの付着とバックファイヤー等を防止して安全な溶断作業と温暖化ガスの発生量を僅少にとどめる等、地球環境に優しく且つ作業環境を有利に改善する優れた効果を呈するものである。
以下に発明の切断ノズルを実施するための最良の形態とそれによる作用効果を実施例により詳細に説明する。
<切断ノズルの構造>
図1及び図5において、金属体用の溶断ノズルは、基本構成をノズルボディ100内に、ノズル軸芯部を還元酸素用の二次側酸素ガスノズル200とし、その周囲に燃料ガスノズル300と予熱酸素用の一次側酸素ガスノズル400を形成した三重構造ノズルにし、分岐ノズル500とノズルスカート式エジェクター600を備えてる。
分岐ノズル500は、ノズルボディ100と、二次側酸素ガスノズル200と燃料ガスノズル300と、一次側酸素ガスノズル400の各後端部に螺合接続し、当該ガス供給パイプに接続してある。
ノズルボディ200は、ベリリウム銅を使い、熱膨張の差にて圧着するようにしている。
前記燃料ガスノズル300は、ガス流路を噴出側に絞ったテーパ面334を設けて途中ベンチュリー管の原理にて絞り込み、流速増大させている。また前部に、二次側酸素ガスノズル200とベアリング302で回転可能に接続支持し、図3に展開図を示すように、ガス流入口331aを円錐状に広くした直進溝331の流路を円周に沿って複数配列すると共に直進溝331の噴出口331bには外周に向けて広がる円錐状空間332を形成した先端部円錐ノズル330を接合してある。円錐状空間332には、遅炎効果を出す為の旋回流形成穴333を開口してある、この旋回流形成穴333は直進溝331に連通し90°間隔で4個設け、5%のプロパンガスを直進溝331から途中分岐して流す。
前記二次側酸素ガスノズル200は、テーパー面203で絞り、先部に締付スリット付きノズル201を有し、ベアリング302に対する先端部円錐ノズル330の回転固定と解除を行う。
前記一次側酸素ガスノズル400は、予熱酸素用で、ガス流路を噴出側に絞ったテーパ面401を有し、図4に展開図と酸素ガス圧力関係を示すように、前部に、ガス流入口441aをテーパー面450を有する広角にし且つガス流入口441a間は図示の如く15度の鋭角の尖頭状態にし、噴出口441bにかけて斬減して細くした複数のソリット螺旋溝441を円周に沿って配列した旋回流形成ノズル440を設ける。
ノズルスカート式エジェクター600は、一次側酸素ガスノズル400の外周に螺合接続し、外周に空気流入口601を有し先部に空気吐出口602を有して、空気流入口601から周囲の外気を吸引し、先部の絞り口603を溶断ノズ外管先端と狭い環状の間隙を置いて位置して、二次側酸素ガスノズル200からの火炎周囲に空気吐出口602による外気膜流を吐出形成する。
旋回流形成ノズル440は一次側酸素ガスの高圧による縮径現象で先端部円錐ノズル330の外周面と緊密に接合して同時回転可能にしてある。
この構成により、一次側酸素ガスノズル400と燃料ガスノズル300用の供給バルブ開き、一次側酸素ガスノズル400から6〜7kg/cm2の酸素ガスを、 燃料ガスノズル300から0.3〜0.4kg/cm2のプロパンにガスを噴射し、切断板厚にてガス供給量を調整して、切断母材部を集中的に900℃〜1000℃にて加熱し、目的の温度に達した時、二次側酸素ガスノズル200への還元酸素ガス供給を開始し、二次側酸素ガスノズル200からの酸素ガス噴射をして金属体の切断を開始する。
酸素ガスを供給されている一次側酸素ガスノズル400は、旋回流形成ノズルが440が最大600rpmの回転をし、旋回流形成ノズル400がその先端に掛る圧縮応力が摩擦力で、先端部円錐ノズル330の外周面に圧接し、この先端部円錐ノズル330をベアリング302を経由して二次側酸素ガスノズル200本体に密着する事で、中空に保持され螺旋旋回ガス流を噴射する。
また、回転する先端部円錐ノズル330からは、遠心力と旋回流形成穴333により円錐状空間からの遅炎現象による保炎となったアフターバーナー効果炎を生成する。
更にノズルスカート式エジェクター600は、ベンチュリーの原理にて自動的に冷却エアーを吸い込み吐出して炎を冷却する。これにより3000℃以上の高温高圧ガスを噴射しての切断ガス流となりそのふく射熱も大きいがコアンダ現象とエゼクター現象にて冷却により、従来より迷炎が発生しにくい。
<切断ノズルの作用>
1.上記構成の切断ノズルは、図1と図2に示すように、炭化水素系ガス(C2H2)(C3H6)等を噴射し燃焼させる前記燃料ガスノズル300に前記先端部円錐ノズル330を設けることによって、先端部円錐ノズル330先端部に60°程度の円錐状空間332を作ることで未燃焼領域を作り、遅炎効果による保炎流を発生せて、火炎長を引き伸ばす結果、炎の全長が従来の同圧以下で30%伸びて、火炎の長さに切断長が比例する為、その分溶断長さが伸びる。
また、図5に示すように円錐型状室332に流入する前記旋回流形成穴333は中心より例えば4等分され、互いに平行と成って円錐面に添って炭化水素系ガスを流す為、これが二次側酸素ガスノズル301より出る二次酸素圧にて結果的に引張れるのであるが、圧力が降下しているので、旋回流形成穴333からの旋回流が円錐型状室332の傾斜面に添って流れるが遠心力により、傾斜面に密着して流れるため燃焼時間に遅れが出る。
これが保炎と成り、結果的に火炎全長が伸びている。このように火炎推力が永続的に続く為、一瞬にして100%燃焼させず遅炎と成る部分を順次造りながら完全燃焼させる所謂ラムジェットエンジンのアフターバーナー効果と同じ原理の作用とその効果が得られるのである。
2.上記構成の切断ノズルは、前記一次側酸素ガスノズル400に旋回流形成ノズル440を設置することにより、7kg〜10kgの圧力の一次純酸素のマッハ流が図4に示すように、ソリット螺旋溝441の広角部で衝撃波流と成って、互いに反射圧縮され振動して流れてその振動が旋回力と成り、結果的に旋回流形成ノズル440を回転させる。また広角部から次第に細く成るソリット螺旋溝441の下流に向かって高速高圧化すると共に螺旋流になり、旋回流形成ノズル440からの吐出ガス流は旋回流となって噴射される。
ソリット螺旋溝441については、前記の衝撃波が発生すると、反射される事で互いの反射波が超音速と成る。この時の角度は60°が最高と成る設計である。図6に流入マッハと衝撃角の関係を参考に紹介する。
旋回流形成ノズル440のソリット螺旋溝441では、図3に示すように衝撃波は流れの中で曲率を有した弓形衝撃と成って圧縮される事で、圧縮波と成り、60°に添ってスリップする為、旋回力と成る。その為特願2007-335790号にて上固定・下流回転の二段の旋回羽根をガス流路に設けて内圧を上昇させる事なく、単独で自立旋回させる事が可能でかつ、圧損も少なくする事が可能と成り、炎の延長が可能と成った。
3.上記構成の切断ノズルには、前記のノズルスカート式エゼクター600を設置するので、燃焼ガスノズル300の出口部をロケットノズルのように絞っている為、内圧が上昇しノズルを出る燃焼ガス流速によるエゼクターー効果により、ノズルスカート式エゼクター600から一次エアー(外気)を吸い込み、層流炎を冷しかつ、ノズルスカート式エゼクター600の前部から圧力が降下する切断ノズル本体の先端周囲に噴射するので、乱流と成り、遅炎部を作る。これで切断ノズル先端からの燃焼炎が未完成燃焼で噴射方向に引張られ(誘引させる)て燃える所謂ラムジェットエンジンと同じ原理の保炎流と成って再燃焼し、これを繰り返すことにより炎全長が30%以上伸びる。
この事が従来圧以下でも、旋回火炎流がピンチ効果にて細く絞られて、内圧が上昇し火炎温度も上昇する。それにより切断溝も従来より20%と細くし高速化したので炎の全長が30%伸びた。
例えばプロパンガス(1)対酸素ガス(25)の理論配合以上に酸素ガスを供給すれば、乱流燃焼炎を強制的に冷却し、炎のピンチ効果を出して炎を絞り込み、かつ未燃焼ガス「保炎」を計る、つまり100%酸素ガスに空気が入り酸素濃度が低下する為遅炎が保炎と成り、燃焼時間のズレが炎の延長と成る。
4.前記一次側酸素ガスノズル400の旋回流形成ノズル440は、固定せずに前記先端部円錐ノズル330を回転可能にベアリング302保持し、この先端部円錐ノズル330と一緒に回転するように結合すれば、旋回流形成ノズル440が一次側酸素ガスの螺旋旋回流による回転駆動し、先端部円錐ノズル330を同時に回転させるので、この回転により先端部円錐ノズル330は、図5に示すように遠心力により4本の旋回流形成穴から炭化水素ガスを円錐状空間332に噴射して円錐状空間332の60°傾斜面に添って遅れて流出させて一段と遅炎効果を引き出すものである。
<従来との比較>
1)一次側酸素ガスノズルの流路は前記の如くテパー面401とする事で次第に内圧が上昇する流路であり、内部抵抗を極力減少させている為、従来品と比較すると80%の圧損をカバーしている。かつソリット螺旋溝441のガス流入口441aで衝撃波が発生するよう矢字鋭角を作り、溝角15°〜60°を保持する事で衝撃波の反射をして、振動力が旋回力と成るのである。

2)燃料ガスノズル300のガス流路も同じくテパー面334付き流路とし、4個のベアリング302にて保持されて、中空に浮いている為、一次側酸素ガスノズル400の旋回流形成ノズル440と同期回転する機構であり、かつ、円錐状空間332を持ち、4個の90°違いの旋回流形成穴333が明けている為、5%の炭化水素ガスが二次酸素ガスノズル先部側に流入する構造である。
かつ旋回流形成ノズル440は、締付スリット付きノズル201で二次酸素ガスノズル200先部に取り付けてあるので、その締め加減で回転自在に中空に浮かして、乱流を作り中央の二次酸素ガスノズル200の酸素ガス圧によるエジクター原理にも敗けず、炭化水素ガスが円錐状空間332の円錐状傾斜面に添って流れる事で、乱流効果も重なって遅炎と成る。

3)上記構成の切断ノズルは、その出口をロケットノズルのように1対1にて絞っている為、燃焼圧力がアップし最大絞られた面にエジクターの原理でノズルスカート式エゼクター600から空気を吸い込む機構と成っている為、燃焼ガス炎が冷却され、ピンチ効果にて炎が中央に圧縮される、内圧が上がり高温高圧のガスと成って切断炎が細く絞られかつ全長が伸びるて、結果的に30%の板厚の切断能力が増し、かつスピードも向上してノロの附着が少なくなる。

4)中央の二次酸素ガスノズル200内のガス圧がノズルスカート式エゼクター600の原理で例えば20%スピード増とすると、全体流量不足と成るから、ノズルスカート式エゼクター600より取り入る空気量にて、プロパン(1)+酸素(25)の比率をカバーしている分だけ消費酸素が減っている。
かつ空気がノズルスカート式エゼクター600の原理にて、炎を冷却と乱流にする事で従来の層流切断に対して脈流による切断が起る為、炎の全長が伸びる。これは円錐室による遅炎燃焼が脈流保炎を作っている為であり、人工的に一瞬の時間差燃焼による高温高圧の切断ガスを生み出した。

5)ノズルスカート式エゼクター600の前端内周部の燃焼ガス通路は伝導とふく射熱にて高温に成り、迷火する恐れがあるが、その一番外側に冷却外筒本体を設置している為、強制的にノズルスカート部を冷却しており、焼ける事はない。
コアンダ効果とエゼクター効果であり、かつ不足する酸素カバーでもあり、理論燃焼のC3H6(1)対O2(25)の比率を守る事が可能である。

6)上記構成の切断ノズルは、ベアリング302の締め付け力の調整は、中央の二次側酸素ガスノズル200の先端部の締付スリット付きノズル201に切り込まれたスリッターのネジ込み力の調整にて行うため、同期旋回とその解除が自由に変える事が可能である。締付スリット付きノズル201の頭は前記円錐状空間332に添って延長する円錐形状に形成されてある。
<効果>
以上の発明の溶断ノズルは、ノズルスカート式エゼクター600が新に取付られて、急激に圧縮絞り込み、炎外側は一次空気にて冷却される為、炎は中心に絞られる為ピンチ効果にて高温高圧と成る。
その為燃焼反応でC3H6+O2が燃える事で、H2O、CO2、CO等の複数の分子ガスが生れる。これ等の分子の持つエネルギーは原子結合の状態で分類されるが、共有結合である。
結合に参加する電子の数にて単結合、2重結合、3重結合と分類される分子結合エネルギーが原子に分離されると解離エネルギーを放出し、これが又冷却されて分子エネルギーを吸収する。
H2→H+H+435.3KJ/mol
O2→O+O+138.5KJ/mol
H2O→H+OH+494KJ/mol
OH→O+H+419KJ/mol
CO→C+O+313.9KJ/mol

炎がピンチ効果にて3000℃以上に圧縮高温に成ると一瞬にて分子ガスに分類最終燃焼理論の1対25にて燃焼するのであるが、途中は上記ガスにも分解する為、切断上面に達した際、3000℃以下に冷却されると解離熱を放出する為、高温が保持される。
ノズルスカート式エゼクター600の強制冷却は結合エネルギーの放出効果を引き出す。空冷する事は空気中に入っている湿度は5%〜35%と1月〜12月迄一定ではないが、確実に入っている。
プロパンC3H6+O2+H2Oが従来にない技術として加わっている。
燃料と酸素の反応にて燃焼すると、反応物質を構成する原子や分子が互いに衝突、振動する事で分子の組み変えが起りエネルギーの変換もしている。
2H2+O2→2H2O
仮に2モルの水素と1モルの酸素が反応して上記の2モルの水が出来と仮定すると、1回の衝突で起る水素反応式は次のように変化する。

H2+O2→OH+OH
H2+O2→H2O+O
O+H2→OH+H
H+O2→O+OH
O+H2O→OH+OH

一瞬の反応にて化学平衡に達し、生成物質として上記の公式が連鎖的に生れ、火炎温度も変化する。
表1は水素/酸素の断熱火炎温度と生成物質のモル分率を示す。
Figure 0004899221
分子が原子に解離するだけ解離エネルギーの放出が見られるが、最大の発達量とは1対25の燃焼理論の為、二次側酸素ガスを絞った分だけ外側より空気を取り入れ冷し、乱流を発生させる事で加乗酸素濃度を保持する事で確実に1対25を守っている。
その為、酸素もプロパンも従来より減少し、かつ、切断全長も伸ばしている。
一次側の酸素ガス圧7kg〜10kg/cm2の圧力にて旋回流形成ノズル440を衝撃波エネルギーにて15°〜60°の反射溝式のソリット螺旋溝441に添ってスリップさせる事で回転エネルギーを得ている為、max60rpmの旋回をする。この事が一段と炎を絞り込み細く長い炎とする。
炎の冷却効果とこの相乗効果にて、従来の30%以上の省エネ効果が生れた。
特願2007-335790に記載の技術はここまでであったが、本発明では、前記燃料ガスノズル300は遅炎燃焼と保炎を作る為、円錐状空間332を形成した先端部円錐ノズル330を設けたので脈流燃焼を再現した。
ラムジェットエンジンと同じ原理を採用する事で、連続未燃焼ガスが供給され、アフターバーナー現象と同じ事を起し省エネルギーと切断能力アップを達成した。
一次側酸素ガスノズル400の旋回流形成ノズル440の旋回(max600rpm)がプロパン燃焼ノズル300も旋回させる(max600rpm)為、連続5%のプロパンガスが円錐状空間332に添って圧力低下も手伝って、遠心力の働きにて密着し、二次酸素ガス流に添って下流燃焼する。その為、図5に示す如く円錐状空間332には回転するように4個の旋回流形成穴333を90°直角方向に明き、回転+遠心力の強化を計った。
かつ二次酸素ガスノズル200の途中には、4個のベアリング302が設置されて、このベアリング302にて燃焼ノズル300、二次酸素ガスノズル200と連結されている為、同じ回転数と成る。
二次側酸素ガスノズル200の下部にはベアリング締付の為の締付スリット付きノズル201があり、これで又乱流の原因を作る為、保炎効果が出る。
この発明の最大の効果は、燃焼ノズル300の先端部円錐ノズル330によりラムジェット方式を採用した事であり、アフターバーナー効果を生み出す為、内部流体抵抗を減らし、かつ強力な回転力を得る為、衝撃波の生れる旋回流形成ノズル440を配置したことである。
旋回流形成ノズル440のソリット螺旋溝441における衝撃波の発生は金属ジェット音を生み出した。その為一次空気取入用のノズルスカート式エゼクター600は、マフラーの役目も兼用し、高温冷却以外の働きとして、防熱も兼用した3重の役目を持つ。その為、ベリリウム銅にて作られている。
S35C〜S45C。SCM-435〜440.WELLTEN60〜120等のスラブ切断は、軟鋼と比較すると、炭素、ケイ素、マンガン、チタン、窒素、リン等の不純物がある為、これ等の元素が融点と流動体を与える為、比較的切断後のスラブ裏面にはノロ等の附着物が出来にくいが、SS400のスラブは不純物が少ない為、温度も20〜30℃高く流動性も悪く、ノロ附着の原因を作っている。
その為、SS400系の厚板スラブにノロ附着防止の技術は切断ノズルだけでは不可能である。
だが、溶断幅を半分にすれば、ノロも半分と成る、かつ、流れに対する圧力切断は酸素消費とプロパン消費につながり、CO2↑の発生による地球温暖化につながる為、単時間で狭く切断する技術が必要であり、本発明者は、旋回炎流と強制冷却炎と保炎流のマッチにて始めて、30%以上の高能力切断ノズルを完成した。
その為にはこのような本発明の切断ノズルの金属体切断にさらに特開2007-287820号公報に記載の気化フラックスを混合噴射すればさらなる切断効果を一段と効発揮する。
本発明の溶断ノズルは発明の効果で記述した通り、溶断ノズルより出る燃焼ガスを遅炎させる事で、火炎の延長化を計った事で、厚板の切断が30%増した。3000℃以上の炎を強制的に冷却し乱流を発生させる事で、冷却と空気中の酸素も使う事で、酸素の消費も押えた。防熱も兼用し、かつマフラーの役目もする為、従来より静かに(10〜20ホーンの音減効果)なった。
かつ、狭幅の切断が可能と成った。
本発明の溶断ノズルの実施例を示す縦断面説明図である。 図1の溶断ノズルの要部を分離して示す説明図である。 本発明の溶断ノズルにおける一次側酸素ガスノズル400先端部円錐ノズル330の展開図である。 本発明の溶断ノズルにおける旋回流形成ノズル440のソリット螺旋溝441の展開図である。 本発明の溶断ノズルにおける燃料ガスノズル300の縦断面図を(1)にその図の矢視A−Aからの横断面説明図である。 一次側酸素ガスのソリット螺旋溝441における流入マッハと衝撃角の関係を参考に紹介するグラフである。
符号の説明
100 ノズルボディ
200 二次側酸素ガスノズル
300 燃料ガスノズル
330 先端部円錐ノズル
332 円錐状空間
400 一次側酸素ガスノズル
440 旋回流形成ノズル
441 ソリット螺旋溝
500 分岐ノズル
600 ノズルスカート式エジェクター

Claims (3)

  1. ノズル軸芯部に配置の二次側酸素ガスノズル(200)の周囲に、二次側酸素ガスノズル(200)の外周面との間を燃料ガスの流路とする燃料ガスノズル(300)と、燃料ガスノズル(300)の外周面との間を一次側酸素ガスの流路とする一次側酸素ガスノズル(400)とを順次設けた三重ノズルの金属体用の溶断ノズルにおいて、前記燃料ガスノズル(300)の燃料ガスの流路の前部には、ガス流入口(331a)を円錐状に広くした直進溝(331)の流路を円周に沿って複数配列すると共に、この直進溝(31)の噴出口(331b)に連通し二次側酸素ガスノズル(200)の噴出口の前方に噴射する旋回流形成穴(333)を所定間隔で有し、直進溝(331)の噴出口(331b)には外周に向けて広がる円錐状空間(332)を形成した先端部円錐ノズル(330)を配置し、前記一次側酸素ガスノズル(400)の一次側酸素ガスの流路の前には、ガス流入口(441a)を広角にしガスの噴出口(441b)かけて斬減して細くした複数のソリット螺旋溝(441)を円周に沿って設けた旋回流形成ノズル(440)を配置したことを特徴とする金属体用の溶断ノズル。
  2. ノズル軸芯部に配置の二次側酸素ガスノズル(200)の周囲に、二次側酸素ガスノズル(200)の外周面との間を燃料ガスの流路とする燃料ガスノズル(300)と、燃料ガスノズル(300)の外周面との間を一次側酸素ガスの流路とする一次側酸素ガスノズル(400)とを順次設けた三重ノズルの金属体用の溶断ノズルにおいて、前記燃料ガスノズル(300)の燃料ガスの流路の前部には、ガス流入口(331a)を円錐状に広くした直進溝(331)の流路を円周に沿って複数配列すると共に、この直進溝(31)の噴出口(331b)に連通し二次側酸素ガスノズル(200)の噴出口の前方に噴射する旋回流形成穴(333)を所定間隔で有し、直進溝(331)の噴出口(331b)には外周に向けて広がる円錐状空間(332)を形成した先端部円錐ノズル(330)を配置し、前記一次側酸素ガスノズル(400)の一次側酸素ガスの流路の前には、ガス流入口(441a)を広角にしガスの噴出口(441b)かけて斬減して細くした複数のソリット螺旋溝(441)を円周に沿って設けた旋回流形成ノズル(440)を配置し、前記一次側酸素ガスノズル(400)は外周部にノズルスカート式エジェクター(600)を設け、前部の内周部に二次側酸素ガスノズル(200)と燃料ガスノズル(300)と一次側酸素ガスノズル(400)の各ガス噴出口より前方の周囲に位置する絞り口(603)を形成すると共に同絞り口(603)に連通する空気吐出口(602)を設け、前記ノズルスカート式エジェクター(600)は、外周部に外気の流入口(601)を有し前端部に前記外気の流入口(601)から吸引した外気を、前記一次側酸素ガスノズル(400)の空気吐出口(602)から前記絞り口(603)内に吐出して二次側酸素ガスノズル(200)からの火炎周囲に外気膜流を形成することを特徴とする金属体用の溶断ノズル。
  3. 前記先端部円錐ノズル(330)は二次側酸素ガスノズル(200)の外周面の前部に回転可能に装着し、旋回流形成ノズル(440)は一次側酸素ガスノズル(400)の外周面の前部に回転可能に装着したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属体用の溶断ノズル。
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