JP4898726B2 - 圧電アクチュエータ内の応力勾配を減少する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃エンジンの燃料噴射システムで使用されるアクチュエータ等の圧電アクチュエータ内の応力勾配を減少する方法に関する。
多層圧電アクチュエータには広範な様々な構造があるが、一方の極性の全ての内部電極を共通の電極を介して互いに接続し、一方の極性の内部電極を逆の極性の共通の電極から分離することが、これらのアクチュエータに共通して必要とされている。この極性分離は、一般的には、各内部電極層に、非電極領域を、逆の極性の共通の電極と隣接して設けることによって行われる。
代表的な周知の圧電アクチュエータの一例を図1に示す。アクチュエータ1は、内部電極3a、3bによって分離された強誘電性で圧電性のジルコン酸チタン酸鉛(PZT)等の材料で形成された層2の積み重ね即ちスタックの形態をなしている。電極のうちの第1電極群3aは、第1側電極4aに電気的に接続されており、第2電極群3壁は、第2側電極4bに電気的に接続されている。第1群3aの電極は、スタック内で第2群3bの電極と交互になっている。使用では、側電極4a、4b間に電位差を加え、スタック内の隣接した圧電材料層2に逆方向の電界を加える。材料の圧電性により、加えられた電界によって各層2の厚さが変化し、その結果、これと対応して、アクチュエータ1の長さが変化する。実際には、アクチュエータ1のこの長さの変化を使用し、内燃エンジンのシリンダ内への燃料の流れを制御する。
このような構成の一つの問題点は、各電極3a、3bが、強誘電体材料製の対応する隣接した層2間の全界面に亘って延びていないことにより生じる。この理由は、各群の電極、例えば3aと、他方の群の側電極、例えば4bとの間に、「分離マージン」と呼ぶ物理的分離を提供することによって、これらの間で電気的接触が生じないようにすることである。これにより、電極間に電位差を加えたとき、電界は層全体に亘って延びていない。かくして、電界が加わる各強誘電体層2の領域は厚さが変化するけれども、電界が加わらない分離マージンに内の各層の小さな領域は厚さが変化せず、そのため、電極の縁部の領域で各層内に望ましからぬ応力勾配が加わり、これによりアクチュエータ内で割れが生じる場合がある。
このような圧電性セラミックエレメントは、強誘電的に印加されると、上文中に言及したように長さが増大する。この印加応力(S1)は、図2に示すように、永久的部分及び一時的部分の両方を含む。永久的部分(Aで示す)は、残留歪と呼ばれ、この部分は、電界をなくした後に残留する。一時的部分(Bで示す)は、賦勢歪と呼ばれ、この部分は、電界を加える度毎に発生する。図2でわかるように、保持電界(Ec)より下の電界強度では、巨視的歪は観察されない。保持電界を越える電界強度では、永久歪及び一時的歪の組み合わせである延びが生じる。
印加中、及び続く賦勢中に生じる長さの増大は、逆の極性の電極間の強誘電体材料の部分でしか起らない。そのため、印加中及びその結果としての延長中、不作動セラミックマージン領域に張力が加わる。これにより、図3に示すように、不作動領域に亘って電極の離層及びセラミックの割れが生じる。割れは、曲げ及び横方向圧縮の組み合わせが加わる分離マージン11及び端キャップ13に亘って割れが延びる。このような割れにより、パシベーション材料及び燃料等の材料が圧電エレメントに侵入する。
この問題点に対する様々な解決策が提案されてきたが、満足のいくものは一つとしてなかった。
本発明の目的は、上記問題点を解決するか或いは緩和する改良された方法を提供することである。
本発明の発明者は、長さ方向引張応力を加えることによって、即ち圧電材料の第1端部層から他端層まで延びる方向に沿った引張応力を加えることによって、圧電アクチュエータ内で双極子の軸線(軸線に沿った双極子の方向ではない)を整合できるということに気付いた。応力が保持応力として周知の臨界値を越えたとき、引張応力を取り除いた後に残る残留歪が生じる。保持応力を越える長さ方向引張応力を圧電材料に加えることによって、残留歪が材料全体に亘って均等になる。
かくして、本発明の第1の特徴によれば、交互の圧電材料層及び電極のスタックを含む種類の圧電アクチュエータ内の応力勾配を低減するための方法が提供される。各電極は、夫々の隣接した圧電材料層間の界面の全体でなく一部に亘って延びている。本方法は、スタックの一端から他端まで延びる軸線に沿って、圧電アクチュエータに、圧電層の材料の保持応力と等しいか或いはそれ以上の引張応力を加えることによって、アクチュエータ全体に亘って延びる軸線方向に差し向けられた歪を発生する工程を含む。アクチュエータは、隣接した圧電材料層間に電極がない界面領域を含む。
本発明の第2の特徴によれば、交互の圧電材料層及び電極のスタックを含む種類の圧電アクチュエータ内の応力勾配を低減するための方法が提供される。各電極は、夫々の隣接した圧電材料層間の界面の全体でなく一部に亘って延びている。この方法は、圧電アクチュエータに多方向圧縮応力を加える工程と、スタックの一端から他端まで延びる軸線に沿って加えられた圧縮応力を、アクチュエータ全体に亘って延びる軸線方向に差し向けられた歪を発生するのに十分な量だけ減少する工程を含む。アクチュエータは、隣接した圧電材料層間に電極がない界面領域を含む。
このような構成では、これに続いて行われるアクチュエータとしての作動中、圧電材料は、永久的残留歪を示し、これに続いてアクチュエータ内の層即ち圧電層に電界を断続的に加えると、追加の歪を発生するということは理解されよう。これらの追加の歪は、永久的残留歪がない場合に発生する歪よりもかなり小さく、これによって、内部電極の縁部の領域で発生する応力勾配を減少する。
このような多方向圧縮応力は、液圧流体が入ったハウジング内に材料を配置することによって加えることができ、圧縮応力は、ハウジング内に形成された凹所に沿って移動するように配置されたピストンに圧電アクチュエータの一端を取り付け、凹所内の圧力を減少することによっても低減できる。
しかしながら、場合によっては、圧電アクチュエータに割れを生じることなく所望の引張応力を加えることができるようにする上で圧電材料の引張強度が不十分である場合がある。
引張強度が最小の温度よりも高い温度では、圧電材料の引張強度とその保持応力との差が大きくなることがわかっている。
従って、本方法は、好ましくは、更に、圧電アクチュエータの温度を、圧電材料の引張強度が最小の温度よりも高いレベルまで上昇することによって、材料の引張応力とその保持応力との間の差を増大する工程を含む。
次いで、圧電アクチュエータに必要な交互の双極子方向が、強誘電体印加工程によって、逆の極性の電極間に形成される。しかしながら、多方向圧縮応力を圧電アクチュエータに同時に加えるのが望ましいということがわかっている。
かくして、本方法は、好ましくは、第1電極群に第1電圧を加え且つ第2電極群に第2電圧を加えることによって圧電アクチュエータを印加し、これによって圧電材料層を分極する工程を含み、この工程中、圧電アクチュエータに多方向圧縮応力を加え、これによって、アクチュエータに実質的に均等な永久的結晶再整合及び双極子配向を加える。
上文中で図1、図2、及び図3を参照した。
次に、本発明の好ましい実施例を、添付図面のうち、図4乃至図13を参照して説明する。
本発明では、双極子を機械的に整合するのに十分な長さ方向引張応力を加えることによって、上文中に説明した残留応力の差によって生じる損傷をなくす。上文中に言及したように、一軸引張保持荷重は、双極子の軸線方向整合を生じるのであって、双極子の方向整合を生じるのではない。しかし、残留歪はこれらの両方で等しい。これにより、マージンに残留張力が加わらないようにし、電極チップの不連続性を改善する。
その後、強誘電体印加工程によって、圧電賦勢に必要な交互の双極子方向を逆の極性の電極間に形成する。
プロセス全体が、完成したアクチュエータで実施される。適当な温度条件及び荷重条件では、マージンに引張による割れが生じず、電極チップの不連続性が減少する。
ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)等の強誘電性セラミックは、電界の作用により、双極子及びドメインが再配向する。再配向は、歪として現れる。強誘電性セラミックが印加されていない状態では、この歪は、図2でわかるように、保持電界(Ec)よりも下に現れない。図4でわかるように、PZT等の強誘電性セラミックでは、双極子がランダムに配置されているため、圧電効果は巨視的スケールでは現れない。保持電界(Ec)を越える電界強度(E)に露呈すると、双極子は整合し、圧電効果が明らかになる。かくして、印加されていない多晶質強誘電体材料では、双極子及びドメインの配置は、正味の分極方向を与えず、そのため正味の圧電性がない(図4a参照)。保持電界よりも高いと、ドメイン及び双極子が再構成される(図4b参照)。これにより、正味の分極方向が生じ、電界をなくした後に残る残留歪が生じる(図2及び図4c参照)。
PZT等の強誘電体材料内の双極子は、保持電界よりも大きい電界を加えた任意の配向で再整合できる。図5は、加えられた電界とその結果生じる機械的歪との間の関係を例示し、保持電界よりも大きいが逆の方向の電界を加えることによってこれを逆にできることを示す。
強誘電性セラミックは、フェロエラスティック(ferroelastic)でもある。フェロエラスティシティ(ferroelasticity) は、応力の作用による双極子及びドメインの再構成によって生じる。図6は、一軸応力を繰り返し加えた場合のフェロエラスティック多晶体の歪応答を示す。τ0は、非線形剪断の開始時の剪断応力を表し、γ0は非線形応力−歪関係が始まるときの一軸応力を表す。強誘電性が、閾値保持電界Ecを必要とするのと同様に、フェロエラスティシティは、同様に、双極子を再配向するための閾値応力を必要とする。これは、図7に示すように、保持応力Xcとして周知である。図7は、保持応力よりも高いフェロエラスティックドメイン再構成により、応力を除去したとき、残留歪を生じることが示してある。参照番号18を付した領域には、高レベルのドメイン再配向が生じる。
一軸圧縮では、180°ドメインが、図8aに示すように、インライン荷重に応答する。この応答は、90°配向に切り換え、負の残留歪を発生することによって行われる。図8aは、分極軸を、Xcよりも大きい圧縮応力(σ)と一直線上に置いてPZT等の鉄質材料(ferroic material)製のユニットセルが、そのz軸を90°に亘って切り換える態様を例示する。かくして、切り換えは、好ましい平面を形成する圧縮荷重の方向と直交する方向で生じる。この平面内には、主双極子方向(dominant dipole direction) はない。
一軸引張では、90°ドメインは、図8bに示すように、90°ドメインが180°に切り換わることによってインライン力に応答する。図8bは、分極軸が、Xcよりも大きい加えられた引張応力(σ)の方向に対して90°の角度をなした状態でユニットセルを共通の軸線に対して切り換える態様を例示する。この場合も、この切り換えに対して主分極方向(dominant polarization direction)はない。これは、整合が機械的に行われ、双極子整合が保持電界を必要とするためである。それにも関わらず、双極子軸線は、荷重軸線と優先的に整合し、強誘電性セラミックが強誘電性印加によるのと同様の正の残留歪を生じる。
双極子を機械的に整合するために加えられる引張荷重についての唯一の制限は、セラミックの引張強度である。これを越えると、セラミックが壊れる。
室温のPZTの双極子をフェロエラスティックに再整合するのに必要な保持応力は、約30MPaである。室温でのPZTの引張強度は、三点曲げで計測した場合、約90MPaである。実際に計測した強度は、表面仕上げ、傷群、及び粒界相等の要因に左右される。
更に、計測された強度は、セラミックの試験方法に左右される。PZTの真の一軸引張強度は、多くの場合に引用される三点強度の半分であるということが明らかであり、このことは、室温での真の引張強度が約45MPaであるということを意味する。この場合、双極子を一軸でフェロエラスティックに整合するのに必要な保持応力は、真の引張破壊強度に、気がもめるほど近い。
こうした情況でフェロエラスティック歪を発生させようとする試みは、セラミックに多数の引張破壊をもたらす。
PZT等の強誘電体材料をフェロエラスティックに印加するのに必要な保持電界は、図9に示すように、温度上昇に従って減少する。図9は、PZT強誘電性セラミックの印加及び再印加に必要な保持電界が、閾値温度以上の温度に関してほぼ線型に減少することを示す。図10に示すように、フェロエラスティシティにおける保持応力についても同じことがいえる。双極子及びドメイン壁の移動が両方で容易であることは明らかである。
キュリー温度に達すると全体に緩和し、この温度を越えると、PZT等の材料が鉄質であることを停止する。
PZTの最終的な引張強度もまた、ドメイン壁の移動度の上昇の影響を受ける。しかしながらゼロにまで減少することはない。最終的な引張強度は、同様の態様で減少し、90°ドメイン壁の非弾性緩和により230℃で最小値に達するが、図11に示す、温度に対する曲げ強度(σf)に示すように、その後再び上昇する。
温度が保持応力及び引張強度に及ぼす周知の全ての効果を考慮する場合、図12に示す、温度に対する保持応力Xc及び引張強度σcで示すように、二つの重要な応力を比較する。保持引張強度と機械的引張強度との間に大きな有利な差がある領域が、引張強度の最小値よりも上にあることが明らかである。この上温度領域では、PZTを、引張破壊を生じることなく、フェロエラスティックに延ばすことができる。
完成したアクチュエータに、双極子を再整合させるのに十分であるが、スタックを破壊するのは不十分な温度で、張力を軸線方向に加える。
後にアクチュエータに電気的に印加する。この印加工程で、一軸圧縮荷重を加えない。これは、分離マージンに、有害なドメインの再配向を生じるためである。その代りに、印加工程中、例えば、2005年9月16日に出願された、本出願人の現在継続中の欧州特許出願第EP05255753.5号に記載されているように、静水圧を使用し、多方向圧縮応力を加える。これによって、残りの作動応力を機械的に閉じ込める。
静水圧印加工程は、アクチュエータをインジェクター本体に装着した状態で実施できる。
PZT等の圧電セラミックの圧縮強度は、代表的には、張力強度の10倍以上である。静水圧荷重が加わった状態で圧電スタックを作動すると、アクチュエータの作動に大きな影響を及ぼすことなく、非常に高い静水圧荷重(少なくとも200MPa)を加えることができることが示される。このことは、静水圧荷重が、ドメイン壁の移動にほとんど影響を及ぼさないということを示す。静水圧を加えると、アクチュエータ材料に三つの方向全てで圧縮が加わり、及び従って、これらの三つの軸線方向のうちの任意の軸線方向に張力が加わった場合よりも遥かに強い。この効果は、高温を必要とせずにアクチュエータに張力を加えるのに使用できる。
かくして、本発明の変形例では、アクチュエータを静水圧で圧縮し、アクチュエータをフェロエラスティックに印加するため、荷重の軸線方向成分を減少する。例えば、100MPaの静水圧荷重を加えた後、荷重の軸線方向成分を60MPaまで減少する。これにより応力の差が40MPaになる。これは、アクチュエータに高温を加えることを必要とせずに双極子をフェロエラスティックに整合するのに十分である。エレクトロセラミックの有効強度は、80MPa以上に向上させてあり、そのため、亀裂は発生しない。アクチュエータは、この場合、静水圧によって閉じ込められており、電界を使用し、多層活性領域内の双極子を強誘電的に再配向する。
図13は、これらの作動を行うのに使用できる装置を概略に示す。圧電アクチュエータ5には、液圧流体7が入ったハウジング6内にアクチュエータ5を配置することによって、多方向圧縮応力が加わる。ハウジング内に形成された凹所9に沿って移動するように配置されたピストン8にアクチュエータの一端を取り付け、ベントバルブ15を介して凹所9内の圧力を制御することによって、アクチュエータ5の一端から他端への方向に沿って圧縮応力を減少する。
上文中に説明したように、アクチュエータを電気的に印加することにより、分離マージンに張力を発生する。本発明の第3実施例によれば、この応力、高温、及び静水圧応力の組み合わせを使用し、マージン及び作動的材料の両方を同時に印加する。この場合、アクチュエータを150℃の温度のオイル内で静水圧で加圧し、図12に示すように保持応力を約18MPaまで減少する。次いで、アクチュエータを電気的に賦勢する。これにより、50MPaを越える軸線方向荷重を分離マージンに発生できる。上文中に示したように、静水圧は材料の有効強度を高めることができ、そのため、この圧力レベルに耐えることができる。これらのマージンは、その場合、この荷重が、例えば18MPaの保持応力まで低下するまで、フェロエラスティックに延伸する。これは、通常加わる張力レベルの半分よりも小さく、−40℃乃至+150℃の通常の作動温度範囲に亘って、材料の引張強度よりも遥かに低い。
この手順は、保持応力を無視できる場合には、キュリー温度よりも僅かに低い温度で実施でき、不作動マージンに最大程度のフェロエラスティック軸線方向成長を与える。しかしながら本発明者は、続く作動時に遭遇する圧縮応力及び引張応力の作用でマージンを再印加する傾向を等しくする温度及び印加電圧を選択するのが好ましいということを発見した。これは、マージンでの最大引張応力及び最大圧縮応力をほぼ等しくするが、理想的には、印加状態を変化するのに時間がかかるため、これらの状態の各々での相対的時間について余裕がなければならない。
図1は、従来の種類の圧電アクチュエータの断面図である。 図2は、印加した電界と強誘電体材料の歪との間の関係を示すグラフである。 図3は、本発明が低減を図る、圧電アクチュエータ内の望ましからぬ応力を示す概略図である。 図4は、強誘電体材料内での電気双極子の配向を、(a)分極前、(b)分極中、(c)分極後の夫々で示す概略図である。 図5は、電界強度と機械的歪との間の関係を示すグラフである。 図6は、繰り返し一軸応力が作用した状態でのフェロエラスティック多晶体の歪応答を示すグラフである。 図7は、フェロエラスティックドメイン再構成中の応力と歪との間の関係を示すグラフである。 図8は、圧縮応力及び引張応力を加えた後の結晶軸の変化を示す概略図である。 図9は、PZTの保持電界と温度との間の関係を示すグラフである。 図10は、保持応力と温度との間の関係を示すグラフである。 図11は、曲げ応力と温度との間の関係を示すグラフである。 図12は、保持応力及びPZTの引張強度の温度に関する変化を示すグラフである。 図13は、本発明の好ましい実施例による装置の構成を示す概略図である。
符号の説明
1 圧電アクチュエータ
2 層
3a、3b 内部電極
4a 第1側電極
4b 第2側電極

Claims (6)

  1. 交互の圧電材料層及び電極のスタックを含み、各電極が、夫々の隣接した圧電材料層間の界面の全体でなく一部に亘って延びる種類の圧電アクチュエータ内の応力勾配を低減するための方法において、
    前記スタックの一端から他端まで延びる軸線に沿って、前記圧電アクチュエータに、前記圧電層の材料の保持応力と等しいか或いはそれ以上の引張応力を加えることによって、前記アクチュエータ全体に亘って延びる軸線方向に差し向けられた残留歪を発生する工程を備え、前記アクチュエータは、前記隣接した圧電材料層間に電極がない界面領域を含
    前記方法は、また、前記圧電アクチュエータに強誘電体印加工程を施す工程を備えた、方法。
  2. 交互の圧電材料層及び電極のスタックを含み、各電極が、夫々の隣接した圧電材料層間の界面の全体でなく一部に亘って延びる種類の圧電アクチュエータ内の応力勾配を低減するための方法において、
    前記圧電アクチュエータに多方向圧縮応力を加える工程と、
    前記スタックの一端から他端まで延びる軸線に沿って加えられた圧縮応力を、前記アクチュエータ全体に亘って延びる軸線方向に差し向けられた残留歪を発生するのに十分な量だけ減少する工程であって、前記アクチュエータは、隣接した圧電材料層間に電極がない界面領域を含む工程と
    前記圧電アクチュエータに強誘電体印加工程を施す工程とを含む、方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、
    前記圧電アクチュエータに多方向圧縮応力を加える前記工程は、前記圧電アクチュエータを、液圧流体が入ったハウジング内に配置する工程を含む、方法。
  4. 請求項3に記載の方法において、
    前記圧縮応力を減少する工程は、前記圧電アクチュエータの一端を、前記ハウジング内に形成された凹所に沿って移動するように配置されたピストンに取り付ける工程と、前記凹所内の圧力を低減する工程とを含む、方法。
  5. 請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の方法において、更に、
    前記圧電アクチュエータの温度を、前記圧電材料の引張強度が最小の温度よりも高いレベルまで上昇することによって、前記圧電材料の引張強度とその保持応力との間の差を増大する工程を含む、方法。
  6. 請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の方法において
    前記圧電アクチュエータに強誘電体印加工程を施す工程は、
    第1電極群に第1電圧を加え且つ第2電極群に第2電圧を加えることによって前記圧電アクチュエータを印加し、これによって圧電材料層を分極する工程を含み、この工程中、前記圧電アクチュエータに多方向圧縮応力を加え、これによって、前記圧電アクチュエータに実質的に均等な永久的結晶再整合及び双極子配向を加える、方法。
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