JP4897137B2 - Polarizer - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)の構成要素などとして好適に使用される偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近において、液晶ディスプレイの構成要素として偏光板(偏光フィルム)が使用されている。
図1は、液晶ディスプレイ用の偏光板の具体的構成を示す模式図である。この偏光板は、偏光膜1と、その両面に接着層(図示省略)を介して積層形成された保護フィルム2A,2Bとにより構成され、一方の保護フィルム2Aの表面(液晶基板への貼付面)には、粘着剤層3を介して離型フィルム4が設けられている。
【0003】
偏光板を構成する偏光膜1は、例えば、透明な高分子フィルムを一定方向に分子配列し、ミセルの間隙に二色性物質を吸着させることにより形成される。偏光膜を構成する高分子フィルムとしては、通常、ポリビニルアルコール系のフィルム(以下、「PVA系フィルム」ともいう。)が使用されている。
【0004】
偏光板を構成する保護フィルム2A,2Bは、偏光膜1を保護することにより、その耐久性および機械的強度を担保するものであり、かかる保護フィルム2A,2Bとしては、従来、セルローストリアセテートの溶液流延フィルム(以下、「TACフィルム」という。)が使用されている。
【0005】
然るに、TACフィルムを保護フィルムとして使用する偏光板においては下記のような問題がある。
(1)TACフィルムは防湿性が不十分であるため、これを保護フィルムとする偏光板は、高温高湿環境下に曝されることにより、偏光性能が急激に低下する。
(2)TACフィルムは、ガスバリヤー性が不十分であるため、これを透過して偏光膜に達した酸素によってヨウ素や二色性色素が変質しやすい。
(3)TACフィルムは、製膜性を確保するために添加された可塑剤に起因して、十分な耐熱性を有するものではない。
(4)TACフィルムは、十分な機械的強度を有するものではない。
(5)TACフィルムは、光弾性係数が大きいため、成形時の残留応力や外力の付加によって複屈折が大きくなりやすい。
(6)TACフィルムは、粘着剤に対する密着性が不十分である。
(7)TACフィルムは、アクリル系の粘着剤によって浸食されやすい。
【0006】
上記のような問題を解決する手段として、PVA系フィルムからなる偏光膜の少なくとも一面に、アクリル酸エステル系重合体を有機溶媒に溶解してなるアクリル系粘着剤による接着層を介して、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートが積層形成された複合フィルム(偏光板)が紹介されている(特開平5−212828号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載のものを含めて従来公知の偏光板は、高温高湿環境下に長時間にわたり曝されることにより寸法が大きく変化してしまうという問題がある。
また、従来公知の偏光板は、高温高湿環境下に長時間にわたり曝されることにより、偏光膜(PVA系フィルム)と、保護フィルムとの間の接着強度が大きく低下するという問題もある。
このように、従来公知の偏光板は、高温高湿環境下における耐久性が十分ではない。
【0008】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、透明性、耐久性、耐熱性、機械的強度などの諸特性に優れ、特に、高温高湿環境下における寸法安定性および接着強度(偏光膜と保護フィルムとの間の接着強度)の安定性に優れた偏光板を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の偏光板は、偏光膜の一面および/または他面に、極性基を有する粘着剤もしくは極性基を有する接着剤を介して、下記一般式(I)で表される単量体を重合して得られる環状ポリオレフィン系樹脂(以下、「特定の環状ポリオレフィン系樹脂」ともいう。)からなるフィルムが積層形成されてなり、
前記極性基を有する粘着剤もしくは極性基を有する接着剤が、アクリル酸エステルと、極性基含有単量体とを含む単量体組成物を重合処理して得られるアクリル酸エステル系重合体の水系分散体からなる水系粘着剤もしくは水系接着剤であり、
下記一般式(I)において、R2 およびR4 で示される基の少なくとも一方が極性基であって、当該極性基が、式:−(CH2 n COOR5 (式中、R5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、nは0〜5である。)で示される基であることを特徴とする。
【0010】
【化2】

Figure 0004897137
【0011】
〔式中、R1 〜R4 は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、またはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R1 とR2 またはR3 とR4 は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R1 またはR2 とR3 またはR4 とは互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。〕
【0012】
本発明の偏光板においては、下記の形態が好ましい。
(1)前記偏光膜が、ポリビニルアルコール系のフィルムからなること。
(2)前記アクリル酸エステル系重合体が、アクリル酸エステルと、極性基含有単量体と、ジエン系単量体とを含む組成物を重合処理して得られること。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の偏光板について説明する。
<偏光膜>
本発明の偏光板を構成する偏光膜は、高分子フィルムに、ヨウ素または二色性染料を吸着・配向させることにより形成することができる。
本発明の偏光板を構成する偏光膜(高分子フィルム)としては、PVA系フィルムからなることが好ましい。
【0014】
PVA系フィルムからなる偏光膜としては、偏光子としての機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、PVAフィルムにヨウ素を吸着させた後、ホウ酸浴中で一軸延伸して得られるPVA・ヨウ素系偏光膜;PVAフィルムに二色性の高い直接染料を拡散吸着させた後、一軸延伸して得られるPVA・染料系偏光膜;PVAフィルムにヨウ素を吸着させ延伸してポリビニレン構造としたPVA・ポリビニレン系偏光膜;PVAフィルムに金、銀、水銀、鉄などの金属を吸着させたPVA・金属系偏光膜;ヨウ化カリウムとチオ硫酸ナトリウムとを含むホウ酸溶液でPVAフィルムを処理した近紫外偏光膜;分子内にカチオン基を含有する変成PVAからなるPVA系フィルムの表面および/または内部に二色性染料を有する偏光膜などを挙げることができる。
【0015】
PVA系フィルムからなる偏光膜の製造方法についても特に限定されるものではなく、例えば、PVA系フィルムを延伸後ヨウ素イオンを吸着させる方法;PVA系フィルムを二色性染料により染色後、延伸する方法;PVA系フィルムを延伸後、二色性染料で染色する方法;二色性染料をPVA系フィルムに印刷後、延伸する方法;PVA系フィルムを延伸後、二色性染料を印刷する方法などが挙げられる。より具体的には、ヨウ素をヨウ素カリウム溶液に溶解して、高次のヨウ素イオンを調製し、このヨウ素イオンをPVAフィルムに吸着させて延伸し、次いで1〜4%ホウ酸水溶液に浴温度30〜40℃で浸漬して偏光膜を製造する方法、あるいはPVAフィルムを同様にホウ酸処理して一軸方向に3〜7倍程度延伸し、0.05〜5%の二色性染料水溶液に浴温度30〜40℃で浸漬して染料を吸着し、80〜100℃で乾燥して熱固定して偏光膜を製造する方法などを挙げることができる。
【0016】
<特定の環状ポリオレフィン系樹脂>
本発明においては、偏光膜の一面および/または他面に、特定の環状ポリオレフィン系樹脂からなるフィルム(以下、「特定の樹脂フィルム」ともいう。)が積層形成されて偏光板が構成される。
【0017】
特定の環状ポリオレフィン系樹脂としては、下記(1)〜(6)に示す重合体を挙げることができる。
(1)上記一般式(I)で表される単量体(以下、「特定単量体」という。)の開環重合体。
(2)特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体。
(3)前記(1)または(2)の開環(共)重合体の水素添加重合体。
(4)前記(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化した後、水素添加した(共)重合体。
(5)特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体。
(6)特定単量体と、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体との付加型重合体、並びに、その水素添加重合体。
【0018】
<特定単量体>
特定の環状ポリオレフィン系樹脂を得るために好適に使用される特定単量体としては、上記一般式(I)中、R1 およびR3 が、それぞれ、水素原子または炭素数1〜10、好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2の炭化水素基であり、R2 およびR4 が、それぞれ、水素原子または一価の有機基であって、R2 およびR4 の少なくとも一方が極性基であり、mが0〜3の整数、pが0〜3の整数であり、m+pが0〜4であることが好ましく、更に好ましくは0〜2、特に好ましくは1であるものを挙げることができる。
【0019】
上記の特定単量体の有する極性基としては、ハロゲン原子およびハロゲン原子含有基、カルボキシル基、水酸基、アルキルエステル基や芳香族エステル基などのエステル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、エーテル基、アシル基、シリルエーテル基、チオエーテル基などが挙げられる。これらの中では、カルボキシル基、エステル基が好ましく、特にアルキルエステル基が好ましい。
【0020】
また、極性基を有する特定単量体のうち、式:−(CH2 n COOR5 (式中、R5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、nは0〜5である。)で示される極性基(以下、「特定の極性基」という。)を有する特定単量体は、得られる環状ポリオレフィン系樹脂が、比較的に高いガラス転移温度と低い吸湿性とを有するものとなるとともに、偏光膜を構成する各種材料に対して優れた密着性を有するものとなる点で好ましい。特定の極性基を示す式において、R5 は炭素原子数1〜12、好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜2の炭化水素基であり、この炭化水素基がアルキル基であることが好ましい。また、nは通常0〜5であるが、nの値が小さいものほど、得られる環状ポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くなるので好ましく、特にnが0である特定単量体は、その合成が容易である点で好ましい。
【0021】
上記一般式(I)において、R1 またはR3 がアルキル基であることが好ましい。このアルキル基の炭素数は1〜4であることが好ましく、更に好ましくは1〜2、特に好ましくは1である。また、R1 またはR3 で示されるアルキル基は、特定の極性基が結合している炭素原子と同一の炭素原子に結合されていることが特に好ましい。
また、上記一般式(I)において、mが1である特定単量体は、ガラス転移温度の高い環状ポリオレフィン系樹脂が得られる点で好ましい。
【0022】
上記一般式(I)で表わされる特定単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられる。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]−8−デセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタデセン、
ペンタシクロ[7.4.0.12,5 .19,12.08,13]−3−ペンタデセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0023】
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
【0024】
ジメタノオクタヒドロナフタレン、
エチルテトラシクロドデセン、
6−エチリデン−2−テトラシクロドデセン、
トリメタノオクタヒドロナフタレン、
【0025】
ペンタシクロ[8.4.0.12,5 .19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、
ヘプタシクロ[8.7.0.13,6 .110,17 .112,15 .02,7 .011,16 ]−4−エイコセン、
ヘプタシクロ[8.8.0.14,7 .111,18 .113,16 .03,8 .012,17 ]−5−ヘンエイコセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0026】
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
【0027】
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセンなどを挙げることができる。
【0028】
これらの特定単量体のうち、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン、ペンタシクロ〔7.4.0.12,5 .19,12.08,13〕−3−ペンタデセンは、得られる特定の環状ポリオレフィン系樹脂および特定の樹脂フィルムの光学特性、成形加工性および耐熱性が一段と優れたものとなる点で好ましい。
【0029】
<共重合性単量体>
特定の環状ポリオレフィン系樹脂を得るための開環重合工程においては、上記の特定単量体を単独で開環重合させてもよいが、当該特定単量体と共重合性単量体とを開環共重合させてもよい。
この場合に使用される共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]−3−デセン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素数としては、4〜20が好ましく、更に好ましくは5〜12である。
更にポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特定単量体を開環重合させてもよい。そして、この場合に得られる開環共重合体は、そのままでも用いられるが、これをさらに水素添加して得られた水素添加物は、耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有用である。
これらの共重合性単量体は、「特定単量体/共重合性単量体(重量比)」が、100/0〜50/50であることが好ましく、更に好ましくは100/0〜60/40となる割合で用いられる。
そして、この場合に得られる開環重合体の水素添加物は、耐衝撃性の大きい樹脂の原料として有用である。
【0030】
<飽和共重合体を構成する不飽和二重結合含有化合物>
飽和共重合体よりなる特定の環状ポリオレフィン系樹脂を得るために、前記特定単量体と共に使用される不飽和二重結合含有化合物としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテンなど好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは2〜8のオレフィン系化合物を挙げることができる。
これらの不飽和二重結合含有化合物は、「特定単量体/不飽和二重結合含有化合物(重量比)」が、90/10〜40/60が好ましく、更に好ましくは85/15〜50/50となる割合で用いられる。
【0031】
<シクロペンタジエン系単量体>
付加型重合体よりなる特定の環状ポリオレフィン系樹脂を得るために、前記特定単量体と共に使用されるシクロペンタジエン系単量体としては、例えばシクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−メチルシクロペンタジエンなどが挙げられる。
【0032】
<ビニル化環状炭化水素系単量体>
付加型重合体よりなる特定の環状ポリオレフィン系樹脂を得るために、前記特定単量体と共に使用されるビニル化環状炭化水素系単量体としては例えば、4−ビニルシクロペンテン、2−メチルー4−イソプロペニルシクロペンテンなどのビニルシクロペンテン系単量体、4−ビニルシクロペンタン、4−イソプロペニルシクロペンタンなどのビニルシクロペンタン系単量体などのビニル化5員環炭化水素系単量体、4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−
メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン系単量体、4−ビニルシクロヘキサン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系単量体、スチレン、α―メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、p−メトキシスチレン等のスチレン系単量体、d−テルペン、1−テルペン、ジテルペン、d−リモネン、1−リモネン、ジペンテン等のテルペン系単量体、4−ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニルシクロヘプテン等のビニルシクロヘプテン系単量体、4−ビニルシクロヘプタン、4−イソプロペニルシクロヘプタン等のビニルシクロヘプタン系単量体などが挙げられる。
【0033】
<固有粘度>
特定の環状ポリオレフィン系樹脂について、30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh )は、0.2〜5dl/gであることが好ましく、さらに好ましくは0.3〜3dl/g、特に好ましくは0.4〜2dl/g、最も好ましくは0.4〜1.5dl/gである。固有粘度(ηinh )を本範囲内とすることで、靭性、成形性、レターデーション特性が一段と良好な環状ポリオレフィン系樹脂となる。
【0034】
<分子量>
特定の環状ポリオレフィン系樹脂の分子量としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析により測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が10,000〜50,000であることが好ましく、更に好ましくは12,000〜30,000、特に好ましくは15,000〜25,000とされる。また、重量平均分子量(Mw)が20,000〜250,000であることが好ましく、更に好ましくは24,000〜150,000、特に好ましくは30,000〜125,000とされる。分子量分布(Mw/Mn)は2.0〜5.0であることが好ましく、更に好ましくは2.5〜5.0、特に好ましくは2.5を超え4.0以下である。また、分子量5,000以下の割合が15%以下であることが好ましく、更に好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下である。また、分子量300,000以上の割合が15%以下であることが好ましく、更に好ましくは10%以下、特に好ましくは5%以下である。ここで各割合は、GPC測定チャートにおいて横軸を分子量としたときのチャートエリア面積(積分値)に相当する。
【0035】
数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を上記範囲とすることで、靭性が強く十分な強度を有する樹脂フィルムを構成することができるとともに、当該樹脂フィルム(特定の樹脂フィルム)の複屈折(レターデーション)が小さくなり良好な光学特性を発揮することができる。
また、分子量分布(Mw/Mn)を上記範囲内とすることで、靭性が強く十分な強度を有する樹脂フィルムを構成することができるとともに、当該樹脂フィルム(特定の樹脂フィルム)の複屈折(レターデーション)が一段と小さくなり良好な光学特性を発揮することができる。
さらに、分子量5,000以下の成分の割合が15%を超える場合には、得られる樹脂フィルムの靭性が低いものとなるとともに、連続成形中に該成分が金型内に析出して樹脂フィルムの特性を低下させる傾向があり、一方、分子量300,000以上の成分の割合が15%を超える場合には、樹脂フィルムの複屈折が大きくなることから好ましくない。
【0036】
<ガラス転移温度(Tg)>
特定の環状ポリオレフィン系樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、100℃以上200℃以下であることが好ましく、更に好ましくは120℃以上180℃以下、特に好ましくは130℃以上175℃以下である。ガラス転移温度(Tg)が100℃未満であると十分な耐熱性が得られず、一方、ガラス転移温度(Tg)が200℃を超えると成形加工性が著しく低下してしまう。
【0037】
さらに、特定の環状ポリオレフィン系樹脂のゲル含有量は0.1重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.05重量%以下、特に好ましくは0.01重量%以下、最も好ましくは0.001重量%以下である。ゲル含有量を0.1重量%以下とすることで成形時のシルバーストリークの発生を抑えることができ、高歩留まりで樹脂フィルムを得ることが可能となる。
【0038】
また、特定の環状ポリオレフィン系樹脂の加熱による揮発成分の割合としては、例えば360℃に加熱した場合の前後の重量変化が、0.3重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.1重量%以下、特に好ましくは0.05重量%以下とされる。当該重量変化を0.3重量%以下とすることによりシルバーストリークの抑制効果をより一層発揮することができる。
【0039】
<他の樹脂成分>
本発明の偏光板を構成する特定の樹脂フィルムは、特定の環状ポリオレフィン系樹脂のみからなるものであってもよいが、炭化水素樹脂、ポリスチレンオリゴマー、ロジン樹脂などの他の樹脂成分が含有されて構成されていてもよい。
このとき、他の樹脂成分の含有量としては、特定の環状ポリオレフィン系樹脂100重量部あたり、60重量部以下とされ、好ましくは30重量部以下とされる。
【0040】
これらの他の樹脂成分は、常温で固体のものであって、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)が20,000以下、好ましくは200〜20,000ものであることが好ましい。
ここで、これらのポリスチレン換算重量平均分子量が過大であると、特定の環状ポリオレフィン系樹脂との相溶性が悪くなり、得られる樹脂混合物の透明性が低減するので好ましくない。また、常温で液状の炭化水素樹脂を用いると、得られる樹脂混合物の機械的強度が低下し、しかも、当該炭化水素樹脂が樹脂フィルムの表面にブリードするので好ましくない。
【0041】
かかる炭化水素樹脂としては、C5 系樹脂、C9 系樹脂、C5 系/C9 系混合樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、ビニル置換芳香族系化合物の重合体系樹脂、オレフィン/ビニル置換芳香族系化合物の共重合体系樹脂、シクロペンタジエン系化合物/ビニル置換芳香族系化合物の共重合体系樹脂、前記樹脂の水素添加物水素添加物などを挙げることができる。
【0042】
ロジン樹脂としては、例えばアピエチン酸、ピマル酸などと、その誘導体としての水添体、不均化体、重合体、エステル化体などが挙げられる。
【0043】
<充填剤および添加剤>
特定の環状ポリオレフィン系樹脂には、機械的性質を向上させる目的で、充填剤を添加することができる。かかる充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、金属フレーク、ガラスビーズ、ワラストナイト、ロックフィラー、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、マイカ、ガラスフレーク、ミルドファイバー、カオリン、硫酸バリウム、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛ウィスカー、チタン酸カリウムウィスカーなどを挙げることができ、これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0044】
また、特定の環状ポリオレフィン系樹脂には、公知の難燃剤、抗菌剤、木粉、カップリング剤、酸化防止剤、老化防止剤、熱劣化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、着色剤、滑剤、シリコーンオイル、発泡剤、紫外線吸収剤、レベリング剤などの各種添加剤を配合することもできる。
ここに、紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリルニトリル系紫外線吸収剤などを例示することができる。また、レベリング剤としては、フッ素系ノニオン界面活性剤、特殊アクリル樹脂系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤など塗料用レベリング剤を例示することができる。
【0045】
<他の樹脂成分、充填剤および添加剤の添加方法>
上記の他の樹脂成分、充填剤、添加剤等を特定の環状ポリオレフィン系樹脂に配合する方法としては特に限定されるものではなく、公知の方法、例えば、
(i)二軸押出機、ロール混練機などを用いて混合することによりペレット状の樹脂組成物を得る方法、
(ii)溶液の状態にして混合し、溶媒を除去することにより樹脂組成物を得る方法を挙げることができる。
【0046】
前記(i)の製造方法においては、例えばバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、フィーダールーダーなどの溶融混練機を用いることができる。
混練温度は、好ましくは200〜350℃、更に好ましくは240〜320℃である。また、各成分を混練りするに際しては、各成分を一括して混練りしても数回に分けて添加しながら混練りしてもよい。
【0047】
<水素添加率>
特定の環状ポリオレフィン系樹脂が上記(3)、(4)、(6)に示した水素添加重合体である場合において、その水素添加率は、通常90重量%以上とされ、好ましくは95重量%以上、更に好ましくは99重量%以上とされる。水素添加率を90重量%以上とすることにより、最終的に得られる偏光板の耐熱劣化性、耐光劣化性などを向上させることができる。
【0048】
特定の環状ポリオレフィン系樹脂は、透明性、耐熱性、耐湿性、機械的強度、粘着剤に対する耐蝕性などに優れている。
そして、特定の環状ポリオレフィン系樹脂から得られる特定の樹脂フィルム(厚さ25μm)は、その吸湿性が通常0.1〜5%とされ、好ましくは0.15〜3%とされる。
また、常温高湿(25℃、相対湿度90%)の環境下における当該特定の樹脂フィルムの水蒸気透過度は20〜200g/(m2 ・24Hr)と低いものである。
さらに、当該特定の樹脂フィルムの光弾性係数は、1×10-7〜7×10-7cm2 /dyneと小さいため、成形時の残留応力や外力の付加によっても複屈折(レターデーション)が変化しにくく、光学的な均一性にも優れている。
【0049】
<特定の樹脂フィルムの形成方法>
本発明の偏光板を構成する特定の樹脂フィルムは、溶液流延法により形成してもよいが、特定の環状ポリオレフィン系樹脂が光弾性係数の小さい樹脂であるため、溶融成形法で形成しても、複屈折が十分に小さいフィルムを得ることができる。
【0050】
<溶液流延法>
溶液流延法によって特定の樹脂フィルムを形成する場合において、特定の環状ポリオレフィン系樹脂を溶解させるために使用する溶媒としては、沸点が100℃以上のものであることが好ましく、更に好ましくは120℃以上とされる。特に、25℃において固型分濃度10重量%以上としても、特定の環状ポリオレフィン系樹脂を均一に溶解できる溶媒が好ましい。
【0051】
このような溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、トリメチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、クロロベンゼン等が挙げられ、その中でも、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼンが好ましい。また、特定の環状ポリオレフィン系樹脂を溶解する限りにおいて、これらの溶媒に、ジクロヘキサン、クロロホルム、ベンゼン、テトラヒドロフランやジオキサン等の環状エーテル、あるいはn−ヘキサンやn−オクタン等の直鎖の炭化水素等を含有させてもよい。これらの条件を良好に満たすものとしては、沸点が100℃以上のキシレン、エチルベンゼン等の芳香族系溶剤を50%以上含有するものがある。
【0052】
溶液流延法において使用する溶液(樹脂溶液)中の樹脂濃度は、通常5〜60重量%とされ、好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは20〜45重量%とされる。溶液中の樹脂濃度が低過ぎる場合には、当該溶液の粘度が低くなって、フィルムの厚さの調整が困難となる。一方、溶液中の樹脂濃度が高過ぎる場合には、当該溶液の粘度が高くなって製膜性が低下し、また、外観の良好なフィルムを形成することができない。
【0053】
樹脂溶液を流延する方法は、特に限定されず、一般の溶液流延法を用いることができる。具体的には、樹脂溶液をバーコーター、Tダイ、バー付きTダイ、ドクターナイフ、メイア・バー、ロール・コート、ダイ・コートなどを用いて、ポリエチレンテレフタレートなどの耐熱材料、スチールベルト、金属箔などの平板またはロール上に流延する方法を挙げることができる。
【0054】
溶液流延法により形成されたフィルムは、残留溶媒濃度が2重量%以下となるまで乾燥する。残留溶媒濃度が高すぎる場合には、得られるフィルムが耐熱性の良好なものとならず、また、高温環境下に曝されたときに、残留溶媒が蒸発して周囲に悪影響を与えたり、変形の原因となったりする。
【0055】
溶液流延法により形成されたフィルムの乾燥処理は、2段階に分けて実施することが好ましい。まず、第1段階の乾燥として、平板またはロール上のフィルムを30〜100℃、好ましくは40〜80℃の温度で残留溶媒温度が10重量%以下、好ましくは5重量%以下になるまで乾燥する。この場合、乾燥温度が高すぎると、溶媒の揮発に際してフィルムが発泡することがある。次いで、平板またはロールからフィルムを剥離し、第2段階の乾燥として、室温から60℃以上、好ましくは70℃から樹脂のガラス転移温度(Tg)までの温度に昇温させ、残留溶媒濃度が2重量%以下、好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下になるまで乾燥する。この乾燥温度が低すぎると乾燥が進まず、温度が高すぎると発泡する。
【0056】
第1段階の乾燥終了後にフィルムを平板またはロールから剥離し、第2段階の乾燥を行ってもよいし、第1段階の乾燥終了後、一旦冷却してフィルムを平板またはロールから剥離し、第2段階の乾燥を行ってもよい。
【0057】
<溶融成形法>
溶融成形法によって特定の樹脂フィルムを形成する具体的方法としては、Tダイを用いる溶融押出法、インフレーション法などの溶融押出法、カレンダー法、熱プレス法、射出成形法などを挙げることができる。
これらのうち、形成されるフィルムの厚さのバラツキが小さく、10〜500μm程度の厚さのフィルムを容易に加工することができ、かつ、レターデーションの絶対値およびそのバラツキを小さくすることができる点から、Tダイを用いる溶融押出法が好ましい。
【0058】
溶融成形法の条件としては、特定の環状ポリオレフィン系樹脂と同程度のガラス転移温度(Tg)を有する光学材料に適用される一般的な条件と同様であり、例えば、Tダイを用いる溶融押出法では、樹脂温度240〜300℃程度とし、引き取りロールの温度を100〜150℃程度の比較的高温として、樹脂フィルムを徐冷できる条件を選択することが好ましい。また、ダイライン等の表面の欠陥を小さくするためには、ダイには滞留部が極力少なくなるような構造が必要であり、ダイの内部やリップにキズ等が極力ないものを用いることが好ましい。
【0059】
<特定の樹脂フィルムの厚さ>
以上のようにして形成される特定の樹脂フィルムの厚さは、通常5〜500μmとされ、好ましくは10〜200μm、更に好ましくは20〜100μmとされる。樹脂フィルムの厚さが5μm未満である場合には、十分な強度を有するものとならない。一方、樹脂フィルムの厚さが500μmを超える樹脂フィルムは、良好な外観を有するものとならない。さらに溶液流延法でフィルムを形成する場合に、乾燥処理が困難となる。
【0060】
ここに、TACフィルムによって所期の性能(耐湿性、耐熱性および強度)を達成するためには、通常80μm以上の厚みを必要とするのに対し、特定の樹脂フィルムによれば50μm程度の厚みによって同等程度の性能を発揮することができる。このように、特定の樹脂フィルムは、薄肉であっても、偏光膜の保護フィルムとして機能を十分に有するものであり、これにより、液晶ディスプレイの視覚依存性の改良にも寄与することができる。
【0061】
特定の樹脂フィルムの厚さのバラツキとしては、平均厚さの±5%以内とされ、好ましくは±3%以内、更に好ましくは±3%以内とされる。厚さのバラツキが大きいと、レターデーションのバラツキなどの原因となり、偏光膜の保護フィルムとして好ましくない。
【0062】
特定の樹脂フィルムの光線透過率は、通常80%以上とされ、好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上とされる。
【0063】
特定の樹脂フィルムの耐熱性は、これを構成する特定の環状ポリオレフィン系樹脂の種類(ガラス転移温度(Tg))により決定され、また、当該特定の樹脂フィルムが溶液流延法により形成される場合には、残留溶媒濃度にも依存する。
【0064】
<極性基を有する粘着剤もしくは接着剤>
特定の樹脂フィルムは、極性基を有する粘着剤もしくは極性基を有する接着剤(以下、これらをまとめて「極性基含有粘接着剤」ともいう。)による層、例えば、極性基含有粘接着剤の塗膜から形成される層を介して、偏光膜の一面および/または他面に積層形成される。
極性基含有粘接着剤の有する極性基としては、ハロゲン原子およびハロゲン原子含有基、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、アルキルエステル基や芳香族エステル基などのエステル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、エーテル基、アシル基、シリルエーテル基、チオエーテル基などが挙げられる。これらの中では、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、エステル基が好ましい。
また、極性基含有粘接着剤は、水系粘着剤もしくは水系接着剤であることが好ましい。
特定の樹脂フィルムを貼り付けるために使用する好適な極性基含有粘接着剤としては、アクリル酸エステル系重合体の水系分散体を挙げることができる。
【0065】
極性基含有粘接着剤を構成するアクリル酸エステル系重合体は、アクリル酸エステルと、極性基含有単量体とを含む単量体組成物を重合処理することにより得ることができる。
ここに、アクリル酸エステルとしては、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどを挙げることができる。
また、極性基含有単量体の有する極性基としては、ハロゲン原子およびハロゲン原子含有基、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、アルキルエステル基や芳香族エステル基などのエステル基、アミノ基、アミド基、シアノ基、エーテル基、アシル基、シリルエーテル基、チオエーテル基などを挙げることができ、これらのうち、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、エステル基が好ましく、水酸基およびカルボキシル基が特に好ましい。好ましい極性基含有単量体の具体例としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸などを挙げることができる。
アクリル酸エステル系重合体の合成に供されるアクリル酸エステルと、極性基含有単量体との比率としては、アクリル酸エステル系重合体100重量部に対して、極性基含有単量体が0.5〜15重量部とされる。
【0066】
さらに、アクリル酸エステル系重合体の合成に供される単量体として、ジビニルベンゼンなどのジエン系単量体を使用することが好ましい。アクリル酸エステルと、極性基含有単量体と、ジエン系単量体とを含む組成物を重合処理して得られるアクリル酸エステル系重合体は、高い強度の接着層を形成することができる。ここに、ジエン系単量体の使用量としては、アクリル酸エステル系重合体100重量部に対して0〜10重量部とされる。ジエン系単量体の使用量が10重量部を超えると、粘着剤層もしくは接着剤層が硬くなる。
【0067】
アクリル酸エステル系重合体を得るための重合法としては、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法などを挙げることができる。
なお、重合溶媒に、トルエン、キシレンなどの非極性溶媒を用いると、得られる粘着剤を使用する際に、被粘着体である偏光膜と樹脂フィルムとの間にずれ等を生じやすく、好ましくない。
【0068】
極性基含有粘接着剤を構成するアクリル酸エステル系重合体の分子量としては、GPC分析により測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が5,000〜500,000であることが好ましく、更に好ましくは10,000〜200,000とされ、重量平均分子量(Mw)が15,000〜1,000,000であることが好ましく、更に好ましくは20,000〜500,000とされ、その分子量分布(Mw/Mn)は1.2〜5であることが好ましく、更に好ましくは1.4〜3.6とされる。
【0069】
本発明で使用する極性基含有粘接着剤には、イソシアネートやブチル化メラミンなどの架橋剤、紫外線吸収剤などを添加することができる。ここに、極性基含有粘接着剤への架橋剤の添加は、通常、当該極性基含有粘接着剤を塗布する直前に行われる。
【0070】
<偏光板の製造方法>
本発明の偏光板は、PVA系フィルムなどからなる偏光膜の一面および/または他面に、特定の樹脂フィルムを極性基含有粘接着剤を使用して貼り合わせ、これを加熱し圧着することにより、偏光膜と特定の樹脂フィルムとを接着(複合化)させることにより製造することができる。
【0071】
本発明で使用する極性基含有粘接着剤は、通常、特定の樹脂フィルムの表面に塗布される。特定の樹脂フィルムの表面に極性基含有粘接着剤を塗布する方法としては、平滑性の良好な離型フィルム(セパレーター)の表面に極性基含有粘接着剤を塗布し、塗膜を乾燥した後、当該塗膜を特定の樹脂フィルムの表面に転写する転写法を挙げることができる。
【0072】
離型フィルムの表面への極性基含有粘接着剤の塗布方法としては、刷毛を用いる方法、ガンスプレーを用いる方法、スピンコーターを用いる方法、バーコーターを用いる方法などを例示することができる。これらのうち、均一な厚みの塗膜を容易に形成することができる観点からバーコーターを用いる方法が好ましい。
極性基含有粘接着剤の塗膜の厚さは、通常0.1〜50μmとされ、好ましくは0.5〜10μmとされる。
塗膜の乾燥条件としては、40〜90℃で1〜100分間とされ、好ましくは50〜80℃で2〜30分間とされる。
【0073】
なお、本発明で使用する極性基含有粘接着剤は、有機溶媒系のアクリル系の粘着剤とは異なり、特定の環状ポリオレフィン系樹脂を浸食するものではないため、特定の樹脂フィルムの表面に直接塗布しても、当該特定の樹脂フィルムに光学的バラツキなどを発生させることはない。
【0074】
偏光膜と特定の樹脂フィルムとを接着させるための加熱・圧着処理としては、例えば、50〜120℃(好ましくは80〜100℃)で1〜5分間(好ましくは1.5〜3分間)加熱し、次いで、1〜10kg/cm2 (好ましくは4〜7kg/cm2 )の圧力で加圧する処理を挙げることができる。これにより、接着強度に優れた複合フィルム(本発明の偏光板)を得ることができる。
【0075】
本発明の偏光板は、(1)偏光膜の保護フィルムとして特定の樹脂フィルムを使用していること、(2)偏光膜と、特定の樹脂フィルムとの間に極性基含有粘接着剤が介在していることにより、低複屈折性、透明性、耐久性、耐熱性、機械的強度などの諸特性に優れており、しかも、高温高湿環境下における寸法安定性および接着強度(偏光膜と保護フィルムとの間の接着強度)の安定性に優れている。
【0076】
本発明の偏光板を構成する特定の樹脂フィルムは、偏光膜の片面(一面または他面)のみに積層形成されていてもよいが、偏光膜の両面(一面および他面)に積層形成されていることが好ましい。また、偏光膜の一面のみに特定の樹脂フィルムを積層形成する場合には、当該偏光膜の他面に、従来公知の樹脂フィルムを積層形成していてもよい。
【0077】
本発明の偏光板(特定の樹脂フィルム−偏光膜−特定の樹脂フィルム)の一面または他面(例えば液晶基板への貼付面)には、粘着剤層を介して、離型紙または離型フィルムが設けられていることが好ましい。
【0078】
本発明の偏光板は、液晶ディスプレイ(LCD)の構成要素として特に好適に用いることができるが、サングラス、カメラ用フィルター、スポーツゴーグル、照明用グローブ、自動車ヘッドライトの防眩被覆、室内透視防止、光量調整フィルター、蛍光表示コントラスター、透光度連続変化板、顕微鏡用偏光フィルムなどの分野にも利用することができる。
【0079】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下において、「部」および「%」は、特に断りのない限り「重量部」および「重量%」を意味する。
【0080】
<合成例1>
8−メチル−8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 ,17.10]−3−ドデセン(特定単量体)250部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部と、トルエン750部とを窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒としてトリエチルアルミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液0.62部と、t−ブタノールおよびメタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/l)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であり、得られた開環重合体について、30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh )は0.65dl/gであった。
【0081】
このようにして得られた開環重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6 5 3 3 0.48部を添加し、水素ガス圧100kg/cm2 、反応温度165℃の条件下で、3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加重合体(特定の環状ポリオレフィン系樹脂)を得た。
【0082】
このようにして得られた水素添加重合体(以下、「樹脂(a)」という。)について 1H−NMRを用いて水素添加率を測定したところ99.9%であった。また、当該樹脂(a)についてDSC法によりガラス転移温度(Tg)を測定したところ170℃であった。また、当該樹脂(a)について、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は39,000、重量平均分子量(Mw)は116,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.97であった。また、当該樹脂(a)について、23℃における飽和吸水率を測定したところ0.4%であった。また、当該樹脂(a)について、30℃のクロロホルム中で固有粘度(ηinh )を測定したところ0.67dl/gであった。
【0083】
<合成例2>
6−メチル−1,4,5,8−ジメタノ―1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレンに、重合触媒としてトリエチルアルミニウムの15%シクロヘキサン溶液10部と、トリエチルアミン5部と、4塩化チタンの20%シクロヘキサン溶液10部とを添加して、シクロヘキサン中で開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。
このようにして得られた開環重合体溶液をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液にニッケル触媒を添加し、水素ガス圧40kg/cm2 、反応温度165℃の条件下で、4時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、粉末状の水素添加重合体を得た。
【0084】
このようにして得られた水素添加重合体(以下、「樹脂(b)」という。)について 1H−NMRを用いて水素添加率を測定したところ99.9%であった。また、当該樹脂(b)についてDSC法によりガラス転移温度(Tg)を測定したところ142℃であった。また、当該樹脂(b)について、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は40,000、重量平均分子量(Mw)は118,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.95であった。また、当該樹脂(b)について、23℃における飽和吸水率を測定したところ0.05%であった。また、当該樹脂(b)について、30℃のクロロホルム中で固有粘度(ηinh )を測定したところ0.69dl/gであった。
【0085】
<調製例1>
反応容器に蒸留水250部を仕込み、当該反応容器に、アクリル酸ブチル90部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート8部と、ジビニルベンゼン2部と、オレイン酸カリウム0.1部とを添加し、これをテフロン製の攪拌羽根により攪拌して分散処理した。
当該反応容器内を窒素置換した後、この系を50℃まで昇温し、過硫酸カリウムを0.2部を添加して重合を開始した。2時間経過後、過硫酸カリウム0.1部を更に添加し、この系を80℃まで昇温し、1時間にわたり重合反応を継続させて重合体分散液を得た。
次いで、エバポレーターを用いて、固形分濃度が70%になるまでこの重合体分散液を濃縮することにより、アクリル酸エステル系重合体の水系分散体からなる水系粘着剤(極性基を有する粘着剤)を得た。
【0086】
このようにして得られた水系粘着剤(以下、「水系粘着剤(A−1)」という。)を構成するアクリル酸エステル系重合体について、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は69,000、重量平均分子量(Mw)は135,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.96であった。また、水系粘着剤(A−1)について、30℃のクロロホルム中で固有粘度(ηinh )を測定したところ1.2dl/gであった。
【0087】
<調製例2>
2−ヒドロキシエチルメタクリレートに代えて、メタクリル酸8部を使用したこと以外は調製例1と同様にして、アクリル酸エステル系重合体の水系分散体からなる水系粘着剤(極性基を有する粘着剤)を得た。
このようにして得られた水系粘着剤(以下、「水系粘着剤(A−2)」という。)を構成するアクリル酸エステル系重合体について、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は65,000、重量平均分子量(Mw)は140,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.15であった。また、水系粘着剤(A−2)について、30℃のクロロホルム中で固有粘度(ηinh )を測定したところ1.1dl/gであった。
【0088】
<比較調製例1>
オートクレーブにトルエン180部を仕込み、当該オートクレーブに、アクリル酸ブチル90部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10部とを添加した。当該オートクレーブ内を窒素置換した後、この系を80℃まで昇温し、ラウロイルパーオキサイド0.2部を添加し、更にこの系を110℃まで昇温して重合を開始した。2時間経過後、この系を135℃まで昇温し、2時間にわたり重合反応を継続させて重合体溶液を得た。
次いで、エバポレーターを用いて、固形分濃度が70%になるまでこの重合体溶液を濃縮することにより、アクリル酸エステル系重合体のトルエン溶液からなる有機溶媒系の粘着剤を得た。
【0089】
このようにして得られた粘着剤(以下、「溶液型粘着剤(B−1)」という。)を構成するアクリル酸エステル系重合体について、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、数平均分子量(Mn)は39,000、重量平均分子量(Mw)は94,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.41であった。また、溶液型粘着剤(B−1)について、30℃のクロロホルム中で固有粘度(ηinh )を測定したところ0.55dl/gであった。
【0090】
<作製例1>
合成例1で得られた樹脂(a)を、Tダイを備えた押出機による溶融押出法により、厚さ0.1mmの樹脂フィルム(特定の樹脂フィルム)を作製した。
ここに、溶融温度を300℃とし、引取ロールの温度を150℃とした。
このようにして得られた樹脂フィルム(以下、「樹脂フィルム(a−1)」という。)について、ダイヤル式厚さゲージを使用して厚さのバラツキを測定したところ、平均厚さ(0.1mm)の±2%以内であった。
【0091】
<作製例2>
合成例1で得られた樹脂(a)を、Tダイを備えた押出機による溶融押出法により、厚さ0.05mmの樹脂フィルム(特定の樹脂フィルム)を作製した。
ここに、溶融温度を300℃とし、引取ロールの温度を150℃とした。
このようにして得られた樹脂フィルム(以下、「樹脂フィルム(a−2)」という。)について、ダイヤル式厚さゲージを使用して厚さのバラツキを測定したところ、平均厚さ(0.05mm)の±5%以内であった。
【0092】
<比較作製例1>
ポリメチルメタクリレート樹脂「アクリペットVH」(三菱レーヨン(株)製)を、Tダイを備えた押出機による溶融押出法により、厚さ0.05mmの樹脂フィルム(比較用の樹脂フィルム)を作製した。
ここに、溶融温度を230℃とし、引取ロールの温度を80℃とした。
このようにして得られた樹脂フィルム(以下、「樹脂フィルム(PMMA)」という。)について、ダイヤル式厚さゲージを使用して厚さのバラツキを測定したところ、平均厚さ(0.05mm)の±5%以内であった。
【0093】
<比較作製例2>
合成例2で得られた樹脂(b)を、Tダイを備えた押出機による溶融押出法により、厚さ0.05mmの樹脂フィルム(比較用の樹脂フィルム)を作製した。
ここに、溶融温度を270℃とし、引取ロールの温度を130℃とした。
このようにして得られた樹脂フィルム(以下、「樹脂フィルム(b−1)」という。)について、ダイヤル式厚さゲージを使用して厚さのバラツキを測定したところ、平均厚さ(0.05mm)の±5%以内であった。
【0094】
<実施例1>
調製例1で得られた水系粘着剤(A−1)を、離型フィルム「バイナシート」(藤森工業社製)の表面に、バーコーターを用いて塗布し、厚さ0.02mmの塗膜を形成し、この塗膜を80℃で2分間乾燥することにより、転写フィルムを作製した。次いで、当該転写フィルムの乾燥塗膜〔水系粘着剤(A−1)〕を、作製例1で得られた厚さ0.1mmの樹脂フィルム(a−1)の表面に転写した。
このようにして水系粘着剤(A−1)の乾燥塗膜が転写形成された樹脂フィルム(a−1)を2枚用意し、これらの樹脂フィルム(a−1)の各々を、水系粘着剤(A−1)の乾燥塗膜を介して、ヨウ素を吸着させて一軸延伸して得られたPVA・ヨウ素系の偏光膜の一面および他面に貼り付けることにより、樹脂フィルム(a−1)と、乾燥塗膜と、偏光膜と、乾燥塗膜と、樹脂フィルム(a−1)との積層体を作製した。
次いで、この積層体を、90℃で2分間加熱し、5kg/cm2 の条件で加圧することにより、本発明の偏光板を製造した。
【0095】
<実施例2>
水系粘着剤(A−1)に代えて、調製例2で得られた水系粘着剤(A−2)を使用したこと以外は実施例1と同様にして本発明の偏光板を製造した。
【0096】
<実施例3>
樹脂フィルム(a−1)に代えて、作製例2で得られた厚さが0.05mmの樹脂フィルム(a−2)を使用したこと以外は実施例1と同様にして本発明の偏光板を製造した。
【0097】
<比較例1>
樹脂フィルム(a−1)に代えて、比較作製例1で得られた厚さ0.05mmの樹脂フィルム(PMMA)を使用したこと以外は実施例1と同様にして比較用の偏光板を製造した。
【0098】
<比較例2>
樹脂フィルム(a−1)に代えて、比較作製例2で得られた厚さ0.05mmの樹脂フィルム(b−1)を使用したこと以外は実施例1と同様にして比較用の偏光板を製造した。
【0099】
<比較例3>
水系粘着剤(A−1)に代えて、比較調製例1で得られた溶液型粘着剤(B−1)を使用したこと以外は実施例1と同様にして比較用の偏光板を製造した。
【0100】
<比較例4>
樹脂フィルム(a−1)に代えて樹脂フィルム(b−1)を使用し、水系粘着剤(A−1)に代えて溶液型粘着剤(B−1)を使用したこと以外は実施例1と同様にして比較用の偏光板を製造した。
【0101】
<偏光板の評価>
実施例1〜3および比較例1〜4により得られた偏光板の各々について、(1)偏光膜と樹脂フィルムとの間の初期接着強度(C0 )、(2)高温高湿環境に曝された後の接着強度(C)、(3)高温高湿環境に曝されたことによる寸法変化率を測定した。ここに、「高温高湿環境」としては、恒温恒湿試験機(タバイエスペック社)により、温度85℃、相対湿度80%の環境を実現し、この環境下に、偏光板の各々を300時間放置した。
また、「接着強度」は、ピール剥離試験機(JIS Z−0237)を用いて測定し、「寸法変化率」は、偏光板を短冊状(100mm×30mm)に裁断し、高温高湿環境に放置した前後の寸法(長手方向および幅方向)をノギスを用いて測定することにより求めた。
以上の評価結果を表1に示す。
【0102】
【表1】
Figure 0004897137
【0103】
【発明の効果】
本発明の偏光板は、透明性、耐久性、耐熱性、機械的強度などの諸特性に優れており、特に、高温高湿環境下における寸法安定性および接着強度の安定性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶ディスプレイ用の偏光板の具体的構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 偏光膜
2A,2B 保護フィルム
3 粘着剤層
4 離型フィルム[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polarizing plate suitably used as a component of a liquid crystal display (LCD).
[0002]
[Prior art]
Recently, a polarizing plate (polarizing film) has been used as a component of a liquid crystal display.
FIG. 1 is a schematic diagram showing a specific configuration of a polarizing plate for a liquid crystal display. This polarizing plate is composed of a polarizing film 1 and protective films 2A and 2B laminated on both surfaces via adhesive layers (not shown). The surface of one protective film 2A (the surface to be attached to a liquid crystal substrate) ) Is provided with a release film 4 through an adhesive layer 3.
[0003]
The polarizing film 1 constituting the polarizing plate is formed by, for example, arranging a transparent polymer film in a certain direction and adsorbing a dichroic substance in a gap between micelles. As the polymer film constituting the polarizing film, a polyvinyl alcohol film (hereinafter also referred to as “PVA film”) is usually used.
[0004]
The protective films 2A and 2B constituting the polarizing plate secure the durability and mechanical strength by protecting the polarizing film 1. As such protective films 2A and 2B, conventionally, a solution of cellulose triacetate is used. A cast film (hereinafter referred to as “TAC film”) is used.
[0005]
However, a polarizing plate using a TAC film as a protective film has the following problems.
(1) Since the TAC film has insufficient moisture resistance, the polarizing performance of a polarizing plate using the TAC film as a protective film rapidly deteriorates when exposed to a high temperature and high humidity environment.
(2) Since the TAC film has insufficient gas barrier properties, iodine and dichroic dyes are likely to be altered by oxygen that has passed through the TAC film and reached the polarizing film.
(3) The TAC film does not have sufficient heat resistance due to the plasticizer added to ensure film forming properties.
(4) The TAC film does not have sufficient mechanical strength.
(5) Since the TAC film has a large photoelastic coefficient, birefringence tends to increase due to the addition of residual stress and external force during molding.
(6) The TAC film has insufficient adhesion to the adhesive.
(7) The TAC film is easily eroded by the acrylic adhesive.
[0006]
As a means for solving the above problems, at least one surface of a polarizing film made of a PVA film is thermoplastic through an adhesive layer made of an acrylic pressure-sensitive adhesive prepared by dissolving an acrylate polymer in an organic solvent. A composite film (polarizing plate) in which a saturated norbornene-based resin sheet is laminated is introduced (see JP-A-5-212828).
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, conventionally known polarizing plates including those described in the above publication have a problem that their dimensions change greatly when exposed to a high temperature and high humidity environment for a long time.
Moreover, a conventionally well-known polarizing plate also has the problem that the adhesive strength between a polarizing film (PVA-type film) and a protective film falls significantly when exposed to a high-temperature, high-humidity environment for a long time.
Thus, the conventionally known polarizing plate is not sufficiently durable in a high temperature and high humidity environment.
[0008]
The present invention has been made based on the above situation.
The object of the present invention is excellent in various properties such as transparency, durability, heat resistance and mechanical strength, and in particular, dimensional stability and adhesive strength in a high temperature and high humidity environment (adhesion between a polarizing film and a protective film). An object of the present invention is to provide a polarizing plate having excellent strength.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The polarizing plate of the present invention polymerizes a monomer represented by the following general formula (I) on one side and / or the other side of a polarizing film via a pressure-sensitive adhesive having a polar group or an adhesive having a polar group. A film made of a cyclic polyolefin-based resin (hereinafter, also referred to as “specific cyclic polyolefin-based resin”) obtained by lamination,
The pressure-sensitive adhesive having the polar group or the adhesive having the polar group is It consists of an aqueous dispersion of an acrylic ester polymer obtained by polymerizing a monomer composition containing an acrylic ester and a polar group-containing monomer. Water-based adhesive or water-based adhesive,
In the following general formula (I), R 2 And R Four Wherein at least one of the groups represented by the formula is a polar group, the polar group is represented by the formula:-(CH 2 ) n COOR Five (Wherein R Five Is a hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms, and n is 0 to 5. ).
[0010]
[Chemical 2]
Figure 0004897137
[0011]
[In the formula, R 1 ~ R Four Are a hydrogen atom, a halogen atom, a hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, or other monovalent organic group, which may be the same or different. R 1 And R 2 Or R Three And R Four May be integrated to form a divalent hydrocarbon group, R 1 Or R 2 And R Three Or R Four And may combine with each other to form a monocyclic or polycyclic structure. m is 0 or a positive integer, and p is 0 or a positive integer. ]
[0012]
In the polarizing plate of the present invention, the following forms are preferable.
(1) The polarizing film is made of a polyvinyl alcohol film.
(2) The acrylic ester polymer is obtained by polymerizing a composition containing an acrylic ester, a polar group-containing monomer, and a diene monomer.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the polarizing plate of the present invention will be described.
<Polarizing film>
The polarizing film constituting the polarizing plate of the present invention can be formed by adsorbing and orienting iodine or a dichroic dye on a polymer film.
The polarizing film (polymer film) constituting the polarizing plate of the present invention is preferably composed of a PVA film.
[0014]
The polarizing film made of a PVA film is not particularly limited as long as it has a function as a polarizer. For example, iodine is adsorbed on a PVA film, and then uniaxially stretched in a boric acid bath. PVA / iodine polarizing film obtained; PVA film obtained by diffusing and adsorbing a direct dye having high dichroism and then uniaxially stretching; PVA film adsorbing iodine and stretching to polyvinylene PVA / polyvinylene polarizing film with structure; PVA / metal polarizing film with gold, silver, mercury, iron, etc. adsorbed on PVA film; PVA film with boric acid solution containing potassium iodide and sodium thiosulfate A near-ultraviolet polarizing film treated with a dichroic dye on the surface and / or inside of a PVA-based film comprising a modified PVA containing a cationic group in the molecule Such as the polarizing film can be given to.
[0015]
The method for producing a polarizing film comprising a PVA film is not particularly limited, for example, a method of adsorbing iodine ions after stretching a PVA film; a method of stretching a PVA film after dyeing with a dichroic dye A method in which a PVA film is stretched and dyed with a dichroic dye; a method in which a dichroic dye is printed on a PVA film and then stretched; a method in which a PVA film is stretched and then a dichroic dye is printed. Can be mentioned. More specifically, iodine is dissolved in an iodine potassium solution to prepare higher-order iodine ions, the iodine ions are adsorbed on a PVA film and stretched, and then a 1 to 4% boric acid aqueous solution has a bath temperature of 30. A method for producing a polarizing film by immersing at ~ 40 ° C, or treating a PVA film with boric acid in the same manner and stretching it about 3 to 7 times in a uniaxial direction, and bathing in a 0.05 to 5% dichroic dye aqueous solution Examples include a method of producing a polarizing film by immersing at a temperature of 30 to 40 ° C. to adsorb a dye, drying at 80 to 100 ° C., and heat fixing.
[0016]
<Specific cyclic polyolefin resin>
In the present invention, a polarizing plate is formed by laminating and forming a film made of a specific cyclic polyolefin resin (hereinafter also referred to as “specific resin film”) on one surface and / or the other surface of the polarizing film.
[0017]
As specific cyclic polyolefin-type resin, the polymer shown to following (1)-(6) can be mentioned.
(1) A ring-opening polymer of the monomer represented by the general formula (I) (hereinafter referred to as “specific monomer”).
(2) A ring-opening copolymer of a specific monomer and a copolymerizable monomer.
(3) A hydrogenated polymer of the ring-opening (co) polymer of (1) or (2).
(4) A (co) polymer obtained by cyclization of the ring-opening (co) polymer of (1) or (2) by Friedel-Craft reaction and then hydrogenation.
(5) A saturated copolymer of a specific monomer and an unsaturated double bond-containing compound.
(6) Addition polymers of specific monomers with one or more monomers selected from vinyl-based cyclic hydrocarbon monomers and cyclopentadiene monomers, and hydrogenated polymers thereof.
[0018]
<Specific monomer>
As the specific monomer suitably used for obtaining the specific cyclic polyolefin-based resin, R in the general formula (I) is used. 1 And R Three Are each a hydrogen atom or a hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms, more preferably 1 to 2 carbon atoms, and R 2 And R Four Are each a hydrogen atom or a monovalent organic group, 2 And R Four At least one is a polar group, m is an integer of 0 to 3, p is an integer of 0 to 3, m + p is preferably 0 to 4, more preferably 0 to 2, particularly preferably 1. Some can be mentioned.
[0019]
The polar group of the specific monomer includes halogen atoms and halogen atom-containing groups, carboxyl groups, hydroxyl groups, ester groups such as alkyl ester groups and aromatic ester groups, amino groups, amide groups, cyano groups, ether groups. An acyl group, a silyl ether group, a thioether group, and the like. Among these, a carboxyl group and an ester group are preferable, and an alkyl ester group is particularly preferable.
[0020]
Among the specific monomers having a polar group, the formula:-(CH 2 ) n COOR Five (Wherein R Five Is a hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms, and n is 0 to 5. ) Is a specific monomer having a polar group (hereinafter referred to as “specific polar group”), and the obtained cyclic polyolefin resin has a relatively high glass transition temperature and low hygroscopicity. Moreover, it is preferable at the point which has the outstanding adhesiveness with respect to the various materials which comprise a polarizing film. In formulas representing specific polar groups, R Five Is a hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms, more preferably 1 to 2 carbon atoms, and this hydrocarbon group is preferably an alkyl group. Further, n is usually 0 to 5, but the smaller the value of n, the higher the glass transition temperature of the resulting cyclic polyolefin resin, which is preferable. In particular, a specific monomer having n of 0 is synthesized. Is preferable in that it is easy.
[0021]
In the above general formula (I), R 1 Or R Three Is preferably an alkyl group. The alkyl group preferably has 1 to 4 carbon atoms, more preferably 1 to 2, and particularly preferably 1. R 1 Or R Three The alkyl group represented by is particularly preferably bonded to the same carbon atom to which the specific polar group is bonded.
Moreover, in the said general formula (I), the specific monomer whose m is 1 is preferable at the point from which cyclic polyolefin resin with a high glass transition temperature is obtained.
[0022]
Specific examples of the specific monomer represented by the general formula (I) include the following compounds.
Bicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
Tricyclo [5.2.1.0 2,6 ] -8-decene,
Tetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
Pentacyclo [6.5.1.1 3,6 . 0 2,7 . 0 9,13 ] -4-pentadecene,
Pentacyclo [7.4.0.1 2,5 . 1 9,12 . 0 8,13 ] -3-pentadecene,
Tricyclo [4.4.0.1 2,5 -3-Undecene,
5-methylbicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5-ethylbicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5-methoxycarbonylbicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5-methyl-5-methoxycarbonylbicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5-cyanobicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
[0023]
8-Methoxycarbonyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-Ethoxycarbonyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-n-propoxycarbonyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-Isopropoxycarbonyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-n-butoxycarbonyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-Methyl-8-methoxycarbonyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-Methyl-8-ethoxycarbonyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-Methyl-8-n-propoxycarbonyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-methyl-8-isopropoxycarbonyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-Methyl-8-n-butoxycarbonyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
[0024]
Dimethanooctahydronaphthalene,
Ethyltetracyclododecene,
6-ethylidene-2-tetracyclododecene,
Trimethanooctahydronaphthalene,
[0025]
Pentacyclo [8.4.0.1 2,5 . 1 9,12 . 0 8,13 ] -3-hexadecene,
Heptacyclo [8.7.0.1 3,6 . 1 10,17 . 1 12,15 . 0 2,7 . 0 11,16 -4-Eicosen,
Heptacyclo [8.8.0.1 4,7 . 1 11,18 . 1 13,16 . 0 3,8 . 0 12,17 ] -5 Haneikosen,
5-ethylidenebicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
8-ethylidenetetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
5-phenylbicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
8-phenyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
5-fluorobicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5-fluoromethylbicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5-trifluoromethylbicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5-pentafluoroethylbicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5,5-difluorobicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5,6-difluorobicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
[0026]
5,5-bis (trifluoromethyl) bicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5,6-bis (trifluoromethyl) bicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5-methyl-5-trifluoromethylbicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5,5,6-trifluorobicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5,5,6-tris (fluoromethyl) bicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5,5,6,6-tetrafluorobicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5,5,6,6-tetrakis (trifluoromethyl) bicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5,5-difluoro-6,6-bis (trifluoromethyl) bicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5,6-difluoro-5,6-bis (trifluoromethyl) bicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5,5,6-trifluoro-5-trifluoromethylbicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5-fluoro-5-pentafluoroethyl-6,6-bis (trifluoromethyl) bicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5,6-difluoro-5-heptafluoro-iso-propyl-6-trifluoromethylbicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5-chloro-5,6,6-trifluorobicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5,6-dichloro-5,6-bis (trifluoromethyl) bicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5,5,6-trifluoro-6-trifluoromethoxybicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
5,5,6-trifluoro-6-heptafluoropropoxybicyclo [2.2.1] hept-2-ene,
[0027]
8-Fluorotetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-Fluoromethyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-difluoromethyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-trifluoromethyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-Pentafluoroethyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8,8-difluorotetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8,9-difluorotetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8,8-bis (trifluoromethyl) tetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8,9-bis (trifluoromethyl) tetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-methyl-8-trifluoromethyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8,8,9-trifluorotetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8,8,9-Tris (trifluoromethyl) tetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8,8,9,9-tetrafluorotetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8,8,9,9-tetrakis (trifluoromethyl) tetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8,8-difluoro-9,9-bis (trifluoromethyl) tetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8,9-Difluoro-8,9-bis (trifluoromethyl) tetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8,8,9-trifluoro-9-trifluoromethyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8,8,9-trifluoro-9-trifluoromethoxytetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8,8,9-trifluoro-9-pentafluoropropoxytetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-Fluoro-8-pentafluoroethyl-9,9-bis (trifluoromethyl) tetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8,9-Difluoro-8-heptafluoroiso-propyl-9-trifluoromethyltetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-chloro-8,9,9-trifluorotetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8,9-Dichloro-8,9-bis (trifluoromethyl) tetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8- (2,2,2-trifluoroethoxycarbonyl) tetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene,
8-methyl-8- (2,2,2-trifluoroethoxycarbonyl) tetracyclo [4.4.0.1 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene.
[0028]
Of these specific monomers, 8-methyl-8-methoxycarbonyltetracyclo [4.4.0.1]. 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene, 8-ethylidenetetracyclo [4.4.0.1] 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene, 8-ethyltetracyclo [4.4.0.1] 2,5 . 1 7,10 ] -3-dodecene, pentacyclo [7.4.0.1] 2,5 . 1 9,12 . 0 8,13 ] -3-Pentadecene is preferable in that the optical properties, molding processability and heat resistance of the specific cyclic polyolefin-based resin and the specific resin film obtained are further improved.
[0029]
<Copolymerizable monomer>
In the ring-opening polymerization step for obtaining a specific cyclic polyolefin-based resin, the specific monomer may be ring-opened by itself, but the specific monomer and the copolymerizable monomer are opened. Ring copolymerization may be performed.
Specific examples of the copolymerizable monomer used in this case include cyclobutene, cyclopentene, cycloheptene, cyclooctene, and tricyclo [5.2.1.0. 2,6 And cycloolefin such as 3-decene, 5-ethylidene-2-norbornene, and dicyclopentadiene. As carbon number of a cycloolefin, 4-20 are preferable, More preferably, it is 5-12.
Further specified in the presence of unsaturated hydrocarbon-based polymers containing carbon-carbon double bonds in the main chain such as polybutadiene, polyisoprene, styrene-butadiene copolymer, ethylene-nonconjugated diene copolymer, polynorbornene, etc. The monomer may be subjected to ring-opening polymerization. The ring-opening copolymer obtained in this case can be used as it is, but a hydrogenated product obtained by further hydrogenation of this is useful as a raw material for a resin having high impact resistance.
These copolymerizable monomers preferably have a “specific monomer / copolymerizable monomer (weight ratio)” of 100/0 to 50/50, more preferably 100/0 to 60. Used at a ratio of / 40.
The hydrogenated ring-opened polymer obtained in this case is useful as a raw material for resins having high impact resistance.
[0030]
<Unsaturated double bond-containing compound constituting a saturated copolymer>
In order to obtain a specific cyclic polyolefin resin composed of a saturated copolymer, the unsaturated double bond-containing compound used together with the specific monomer is preferably ethylene, propylene, butene, etc., preferably having 2 to 12 carbon atoms. More preferable examples include 2 to 8 olefinic compounds.
Of these unsaturated double bond-containing compounds, the “specific monomer / unsaturated double bond-containing compound (weight ratio)” is preferably 90/10 to 40/60, more preferably 85/15 to 50 /. Used at a rate of 50.
[0031]
<Cyclopentadiene monomer>
In order to obtain a specific cyclic polyolefin resin comprising an addition type polymer, examples of the cyclopentadiene monomer used together with the specific monomer include cyclopentadiene, 1-methylcyclopentadiene, and 2-methylcyclopentadiene. , 2-ethylcyclopentadiene, 5-methylcyclopentadiene, 5,5-methylcyclopentadiene, and the like.
[0032]
<Vinylated cyclic hydrocarbon monomer>
In order to obtain a specific cyclic polyolefin resin comprising an addition type polymer, examples of the vinylated cyclic hydrocarbon monomer used together with the specific monomer include 4-vinylcyclopentene, 2-methyl-4-iso Vinylated 5-membered hydrocarbon monomers such as vinylcyclopentene monomers such as propenylcyclopentene, vinylcyclopentane monomers such as 4-vinylcyclopentane and 4-isopropenylcyclopentane, 4-vinylcyclohexene 4-isopropenylcyclohexene, 1-methyl-4-isopropenylcyclohexene, 2-
Vinylcyclohexene monomers such as methyl-4-vinylcyclohexene and 2-methyl-4-isopropenylcyclohexene, vinylcyclohexane monomers such as 4-vinylcyclohexane and 2-methyl-4-isopropenylcyclohexane, styrene, Styrene monomers such as α-methylstyrene, 2-methylstyrene, 3-methylstyrene, 4-methylstyrene, 1-vinylnaphthalene, 2-vinylnaphthalene, 4-phenylstyrene, p-methoxystyrene, d-terpene Terpene monomers such as 1-terpene, diterpene, d-limonene, 1-limonene and dipentene, vinylcycloheptene monomers such as 4-vinylcycloheptene and 4-isopropenylcycloheptene, 4 -Vinylcycloheptane, 4-isopropenylcyclohepta Vinyl cycloheptane-based monomer and the like.
[0033]
<Intrinsic viscosity>
For a specific cyclic polyolefin resin, the intrinsic viscosity (η inh ) Is preferably 0.2 to 5 dl / g, more preferably 0.3 to 3 dl / g, particularly preferably 0.4 to 2 dl / g, and most preferably 0.4 to 1.5 dl / g. It is. Intrinsic viscosity (η inh ) Within this range, the toughness, moldability, and retardation characteristics are further improved.
[0034]
<Molecular weight>
As the molecular weight of the specific cyclic polyolefin-based resin, the number average molecular weight (Mn) in terms of polystyrene measured by gel permeation chromatography (GPC) analysis is preferably 10,000 to 50,000, and more preferably 12 5,000 to 30,000, particularly preferably 15,000 to 25,000. The weight average molecular weight (Mw) is preferably 20,000 to 250,000, more preferably 24,000 to 150,000, and particularly preferably 30,000 to 125,000. The molecular weight distribution (Mw / Mn) is preferably 2.0 to 5.0, more preferably 2.5 to 5.0, particularly preferably more than 2.5 and 4.0 or less. Moreover, it is preferable that the ratio of molecular weight 5,000 or less is 15% or less, More preferably, it is 10% or less, Most preferably, it is 5% or less. Further, the ratio of the molecular weight of 300,000 or more is preferably 15% or less, more preferably 10% or less, and particularly preferably 5% or less. Here, each ratio corresponds to a chart area area (integral value) when the horizontal axis is the molecular weight in the GPC measurement chart.
[0035]
By setting the number average molecular weight (Mn) and the weight average molecular weight (Mw) within the above ranges, a resin film having strong toughness and sufficient strength can be formed, and a composite of the resin film (specific resin film) can be formed. Refraction (retardation) is reduced and good optical properties can be exhibited.
In addition, by setting the molecular weight distribution (Mw / Mn) within the above range, a resin film having strong toughness and sufficient strength can be formed, and birefringence (letter) of the resin film (specific resin film) can be formed. And the optical properties can be improved.
Furthermore, when the proportion of the component having a molecular weight of 5,000 or less exceeds 15%, the resin film obtained has low toughness, and the component is precipitated in the mold during continuous molding, and the resin film On the other hand, when the ratio of the component having a molecular weight of 300,000 or more is more than 15%, the birefringence of the resin film is increased, which is not preferable.
[0036]
<Glass transition temperature (Tg)>
The glass transition temperature (Tg) of the specific cyclic polyolefin resin is preferably 100 ° C. or higher and 200 ° C. or lower, more preferably 120 ° C. or higher and 180 ° C. or lower, and particularly preferably 130 ° C. or higher and 175 ° C. or lower. When the glass transition temperature (Tg) is less than 100 ° C., sufficient heat resistance cannot be obtained. On the other hand, when the glass transition temperature (Tg) exceeds 200 ° C., the moldability is remarkably lowered.
[0037]
Further, the gel content of the specific cyclic polyolefin resin is preferably 0.1% by weight or less, more preferably 0.05% by weight or less, particularly preferably 0.01% by weight or less, and most preferably 0.00%. 001% by weight or less. By setting the gel content to 0.1% by weight or less, the occurrence of silver streaks during molding can be suppressed, and a resin film can be obtained with a high yield.
[0038]
Moreover, as a ratio of the volatile component by heating of the specific cyclic polyolefin resin, for example, the weight change before and after heating to 360 ° C. is preferably 0.3% by weight or less, and more preferably 0.1% or less. % By weight or less, particularly preferably 0.05% by weight or less. By controlling the weight change to 0.3% by weight or less, the silver streak suppressing effect can be further exhibited.
[0039]
<Other resin components>
The specific resin film constituting the polarizing plate of the present invention may be composed only of a specific cyclic polyolefin resin, but contains other resin components such as a hydrocarbon resin, a polystyrene oligomer, and a rosin resin. It may be configured.
At this time, the content of the other resin components is 60 parts by weight or less, preferably 30 parts by weight or less, per 100 parts by weight of the specific cyclic polyolefin resin.
[0040]
These other resin components are solid at normal temperature and have a polystyrene equivalent weight average molecular weight (Mw) of 20,000 or less, preferably 200 to 20,000.
Here, if the weight average molecular weight in terms of polystyrene is excessive, the compatibility with a specific cyclic polyolefin resin is deteriorated, and the transparency of the resulting resin mixture is reduced. In addition, when a hydrocarbon resin that is liquid at room temperature is used, the mechanical strength of the resulting resin mixture decreases, and the hydrocarbon resin bleeds on the surface of the resin film, which is not preferable.
[0041]
Such hydrocarbon resins include C Five Resin, C 9 Resin, C Five Series / C 9 Mixed resin, cyclopentadiene resin, polymer resin of vinyl-substituted aromatic compound, copolymer resin of olefin / vinyl-substituted aromatic compound, copolymer resin of cyclopentadiene compound / vinyl-substituted aromatic compound And hydrogenated product of the resin.
[0042]
Examples of the rosin resin include apietic acid, pimaric acid and the like, and hydrogenated products, disproportionated products, polymers, esterified products and the like as derivatives thereof.
[0043]
<Fillers and additives>
A filler can be added to the specific cyclic polyolefin-based resin for the purpose of improving mechanical properties. Examples of the filler include glass fiber, carbon fiber, metal fiber, metal flake, glass bead, wollastonite, rock filler, calcium carbonate, talc, silica, mica, glass flake, milled fiber, kaolin, barium sulfate, graphite, Examples thereof include molybdenum disulfide, magnesium oxide, zinc oxide whisker, potassium titanate whisker, and the like, and these can be used alone or in combination of two or more.
[0044]
Specific cyclic polyolefin resins include known flame retardants, antibacterial agents, wood flour, coupling agents, antioxidants, anti-aging agents, anti-aging agents, antistatic agents, plasticizers, colorants, and lubricants. Various additives such as silicone oil, foaming agent, ultraviolet absorber, and leveling agent can also be blended.
Examples of the UV absorber include benzophenone UV absorbers, benzotriazole UV absorbers, and acrylonitrile UV absorbers. Examples of the leveling agent include paint leveling agents such as a fluorine-based nonionic surfactant, a special acrylic resin leveling agent, and a silicone leveling agent.
[0045]
<Addition method of other resin component, filler and additive>
The method of blending the above other resin components, fillers, additives and the like into a specific cyclic polyolefin-based resin is not particularly limited, and a known method, for example,
(I) a method of obtaining a pellet-shaped resin composition by mixing using a twin-screw extruder, a roll kneader or the like,
(Ii) A method of obtaining a resin composition by mixing in a solution state and removing the solvent can be mentioned.
[0046]
In the production method (i), for example, a melt kneader such as a Banbury mixer, a kneader, a roll, or a feeder ruder can be used.
The kneading temperature is preferably 200 to 350 ° C, more preferably 240 to 320 ° C. In addition, when kneading each component, each component may be kneaded in a lump or may be kneaded while being added in several portions.
[0047]
<Hydrogen addition rate>
In the case where the specific cyclic polyolefin resin is the hydrogenated polymer shown in the above (3), (4), (6), the hydrogenation rate is usually 90% by weight or more, preferably 95% by weight. Above, more preferably 99% by weight or more. By setting the hydrogenation rate to 90% by weight or more, it is possible to improve the heat deterioration resistance, light deterioration resistance, and the like of the finally obtained polarizing plate.
[0048]
The specific cyclic polyolefin resin is excellent in transparency, heat resistance, moisture resistance, mechanical strength, corrosion resistance to the adhesive, and the like.
And the specific resin film (thickness 25 micrometers) obtained from a specific cyclic polyolefin resin has the hygroscopicity normally 0.1 to 5%, Preferably it is 0.15 to 3%.
Moreover, the water vapor permeability of the specific resin film in an environment of normal temperature and high humidity (25 ° C., relative humidity 90%) is 20 to 200 g / (m 2 -24Hr) and low.
Furthermore, the photoelastic coefficient of the specific resin film is 1 × 10 -7 ~ 7 × 10 -7 cm 2 Since it is as small as / dyne, birefringence (retardation) hardly changes even when residual stress or external force is applied during molding, and the optical uniformity is excellent.
[0049]
<Method for forming specific resin film>
The specific resin film constituting the polarizing plate of the present invention may be formed by a solution casting method, but since the specific cyclic polyolefin resin is a resin having a small photoelastic coefficient, it is formed by a melt molding method. However, a film having sufficiently small birefringence can be obtained.
[0050]
<Solution casting method>
In the case of forming a specific resin film by the solution casting method, the solvent used for dissolving the specific cyclic polyolefin-based resin is preferably a solvent having a boiling point of 100 ° C. or higher, more preferably 120 ° C. It is said above. In particular, a solvent capable of uniformly dissolving a specific cyclic polyolefin-based resin is preferable even when the solid content concentration is 10% by weight or more at 25 ° C.
[0051]
Examples of such a solvent include toluene, xylene, ethylbenzene, chlorobenzene, trimethylbenzene, diethylbenzene, isopropylbenzene, chlorobenzene and the like, among which xylene, ethylbenzene, and chlorobenzene are preferable. In addition, as long as a specific cyclic polyolefin resin is dissolved, these solvents include cyclic ethers such as dichlorohexane, chloroform, benzene, tetrahydrofuran and dioxane, and linear hydrocarbons such as n-hexane and n-octane. May be included. Those satisfying these conditions satisfactorily include those containing 50% or more of an aromatic solvent such as xylene or ethylbenzene having a boiling point of 100 ° C. or higher.
[0052]
The resin concentration in the solution (resin solution) used in the solution casting method is usually 5 to 60% by weight, preferably 10 to 50% by weight, and more preferably 20 to 45% by weight. When the resin concentration in the solution is too low, the viscosity of the solution becomes low, and it becomes difficult to adjust the thickness of the film. On the other hand, when the resin concentration in the solution is too high, the viscosity of the solution becomes high, the film-forming property is lowered, and a film having a good appearance cannot be formed.
[0053]
The method for casting the resin solution is not particularly limited, and a general solution casting method can be used. Specifically, the resin solution is made of bar coater, T die, T die with bar, doctor knife, Meir bar, roll coat, die coat, etc., heat resistant material such as polyethylene terephthalate, steel belt, metal foil And a method of casting on a flat plate or a roll.
[0054]
The film formed by the solution casting method is dried until the residual solvent concentration is 2% by weight or less. If the residual solvent concentration is too high, the resulting film will not have good heat resistance, and when exposed to a high temperature environment, the residual solvent will evaporate and adversely affect the surroundings, It may cause.
[0055]
The film formed by the solution casting method is preferably dried in two stages. First, as the first stage of drying, the film on the flat plate or roll is dried at a temperature of 30 to 100 ° C., preferably 40 to 80 ° C. until the residual solvent temperature is 10 wt% or less, preferably 5 wt% or less. . In this case, if the drying temperature is too high, the film may foam when the solvent volatilizes. Next, the film is peeled off from the flat plate or roll, and as the second stage drying, the temperature is raised from room temperature to 60 ° C. or higher, preferably from 70 ° C. to the glass transition temperature (Tg) of the resin, and the residual solvent concentration is 2. It is dried until it becomes less than wt%, preferably less than 1 wt%, more preferably less than 0.5 wt%. If the drying temperature is too low, drying does not proceed, and if the temperature is too high, foaming occurs.
[0056]
After completion of the first stage of drying, the film may be peeled off from the flat plate or the roll, and the second stage of drying may be performed. After the completion of the first stage of drying, the film is once cooled to peel off the film from the flat plate or the roll. Two-stage drying may be performed.
[0057]
<Melt molding method>
Specific methods for forming a specific resin film by a melt molding method include a melt extrusion method using a T die, a melt extrusion method such as an inflation method, a calendar method, a hot press method, and an injection molding method.
Among these, the variation in the thickness of the film to be formed is small, a film having a thickness of about 10 to 500 μm can be easily processed, and the absolute value of the retardation and its variation can be reduced. In view of this, a melt extrusion method using a T die is preferable.
[0058]
The conditions of the melt molding method are the same as the general conditions applied to an optical material having a glass transition temperature (Tg) comparable to that of a specific cyclic polyolefin resin. For example, a melt extrusion method using a T die Then, it is preferable that the resin temperature is about 240 to 300 ° C., the temperature of the take-up roll is a relatively high temperature of about 100 to 150 ° C., and conditions under which the resin film can be gradually cooled are selected. Further, in order to reduce surface defects such as die lines, the die needs to have a structure with as few stagnant portions as possible, and it is preferable to use a die that has as few scratches as possible in the die and lip.
[0059]
<Specific resin film thickness>
The thickness of the specific resin film formed as described above is usually 5 to 500 μm, preferably 10 to 200 μm, and more preferably 20 to 100 μm. When the thickness of the resin film is less than 5 μm, it does not have sufficient strength. On the other hand, a resin film having a resin film thickness exceeding 500 μm does not have a good appearance. Furthermore, when forming a film by the solution casting method, the drying process becomes difficult.
[0060]
Here, in order to achieve the desired performance (humidity resistance, heat resistance and strength) with the TAC film, a thickness of 80 μm or more is usually required, whereas with a specific resin film, a thickness of about 50 μm is required. Can exhibit the same level of performance. Thus, even if the specific resin film is thin, it has a sufficient function as a protective film for the polarizing film, thereby contributing to improvement of the visual dependency of the liquid crystal display.
[0061]
The variation in the thickness of the specific resin film is within ± 5% of the average thickness, preferably within ± 3%, and more preferably within ± 3%. If the variation in thickness is large, it may cause variations in retardation and the like, which is not preferable as a protective film for a polarizing film.
[0062]
The light transmittance of the specific resin film is usually 80% or more, preferably 85% or more, and more preferably 90% or more.
[0063]
The heat resistance of a specific resin film is determined by the type of the specific cyclic polyolefin resin (glass transition temperature (Tg)) constituting the specific resin film, and when the specific resin film is formed by a solution casting method Depends on the residual solvent concentration.
[0064]
<Pressure-sensitive adhesive or adhesive having a polar group>
The specific resin film is a layer made of a pressure-sensitive adhesive having a polar group or an adhesive having a polar group (hereinafter collectively referred to as “polar group-containing adhesive”), for example, a polar group-containing adhesive. It is laminated on one side and / or the other side of the polarizing film through a layer formed from the coating film of the agent.
Examples of polar groups possessed by the polar group-containing adhesive include halogen atoms and halogen atom-containing groups, carboxyl groups, carbonyl groups, hydroxyl groups, ester groups such as alkyl ester groups and aromatic ester groups, amino groups, amide groups, cyano groups. Group, ether group, acyl group, silyl ether group, thioether group and the like. Among these, a carboxyl group, a carbonyl group, a hydroxyl group, and an ester group are preferable.
Moreover, it is preferable that a polar group containing adhesive is an aqueous adhesive or an aqueous adhesive.
As a suitable polar group-containing adhesive used for attaching a specific resin film, an aqueous dispersion of an acrylate-based polymer can be exemplified.
[0065]
The acrylic ester polymer constituting the polar group-containing adhesive can be obtained by polymerizing a monomer composition containing an acrylic ester and a polar group-containing monomer.
Examples of the acrylate ester include ethyl acrylate, propyl acrylate, cyclohexyl acrylate, butyl acrylate, and 2-ethylhexyl acrylate.
The polar group-containing monomer has polar groups such as halogen atoms and halogen atom-containing groups, carboxyl groups, carbonyl groups, hydroxyl groups, ester groups such as alkyl ester groups and aromatic ester groups, amino groups, amide groups, A cyano group, an ether group, an acyl group, a silyl ether group, a thioether group, and the like can be mentioned. Of these, a carboxyl group, a carbonyl group, a hydroxyl group, and an ester group are preferable, and a hydroxyl group and a carboxyl group are particularly preferable. Specific examples of preferable polar group-containing monomers include 2-hydroxyethyl acrylate, 2-hydroxyethyl methacrylate, acrylic acid, and methacrylic acid.
The ratio of the acrylate ester used for the synthesis of the acrylate ester polymer to the polar group-containing monomer is 0% with respect to 100 parts by weight of the acrylate ester polymer. .5 to 15 parts by weight.
[0066]
Furthermore, it is preferable to use a diene monomer such as divinylbenzene as the monomer used for the synthesis of the acrylate polymer. An acrylic ester polymer obtained by polymerizing a composition containing an acrylic ester, a polar group-containing monomer, and a diene monomer can form a high-strength adhesive layer. Here, the amount of the diene monomer used is 0 to 10 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the acrylate polymer. When the usage-amount of a diene monomer exceeds 10 weight part, an adhesive layer or an adhesive bond layer will become hard.
[0067]
Examples of the polymerization method for obtaining the acrylic ester polymer include an emulsion polymerization method, a suspension polymerization method, and a solution polymerization method.
In addition, when a nonpolar solvent such as toluene or xylene is used as the polymerization solvent, it is not preferable because a deviation or the like is likely to occur between the polarizing film as the adherend and the resin film when the resulting adhesive is used. .
[0068]
As the molecular weight of the acrylate ester-based polymer constituting the polar group-containing adhesive, the number average molecular weight (Mn) in terms of polystyrene measured by GPC analysis is preferably 5,000 to 500,000. The molecular weight distribution is preferably 10,000 to 200,000, and the weight average molecular weight (Mw) is preferably 15,000 to 1,000,000, more preferably 20,000 to 500,000. (Mw / Mn) is preferably 1.2 to 5, and more preferably 1.4 to 3.6.
[0069]
To the polar group-containing adhesive used in the present invention, a crosslinking agent such as isocyanate and butylated melamine, an ultraviolet absorber and the like can be added. Here, the addition of the crosslinking agent to the polar group-containing adhesive is usually performed immediately before the polar group-containing adhesive is applied.
[0070]
<Production method of polarizing plate>
In the polarizing plate of the present invention, a specific resin film is bonded to one side and / or the other side of a polarizing film made of a PVA-based film using a polar group-containing adhesive, and this is heated and pressure-bonded. Thus, the polarizing film and the specific resin film can be bonded (composited).
[0071]
The polar group-containing adhesive used in the present invention is usually applied to the surface of a specific resin film. As a method of applying a polar group-containing adhesive on the surface of a specific resin film, apply a polar group-containing adhesive on the surface of a release film (separator) with good smoothness and dry the coating film. Then, a transfer method for transferring the coating film onto the surface of a specific resin film can be mentioned.
[0072]
Examples of the method for applying the polar group-containing adhesive to the surface of the release film include a method using a brush, a method using a gun spray, a method using a spin coater, and a method using a bar coater. Among these, a method using a bar coater is preferable from the viewpoint of easily forming a coating film having a uniform thickness.
The thickness of the coating film of the polar group-containing adhesive is usually 0.1 to 50 μm, preferably 0.5 to 10 μm.
As drying conditions of a coating film, it is set as 1 to 100 minutes at 40-90 degreeC, Preferably it is set as 2-30 minutes at 50-80 degreeC.
[0073]
Note that the polar group-containing adhesive used in the present invention does not erode a specific cyclic polyolefin-based resin, unlike an organic solvent-based acrylic pressure-sensitive adhesive. Even if applied directly, no optical variation or the like occurs in the specific resin film.
[0074]
As heating and pressure-bonding treatment for bonding the polarizing film and the specific resin film, for example, heating at 50 to 120 ° C. (preferably 80 to 100 ° C.) for 1 to 5 minutes (preferably 1.5 to 3 minutes). Then 1-10 kg / cm 2 (Preferably 4-7 kg / cm 2 ) Can be mentioned. Thereby, the composite film (polarizing plate of this invention) excellent in adhesive strength can be obtained.
[0075]
In the polarizing plate of the present invention, (1) a specific resin film is used as a protective film for the polarizing film, and (2) a polar group-containing adhesive is provided between the polarizing film and the specific resin film. By interposing, it is excellent in various properties such as low birefringence, transparency, durability, heat resistance, mechanical strength, and dimensional stability and adhesive strength in a high temperature and high humidity environment (polarizing film). Excellent adhesion strength between the protective film and the protective film.
[0076]
The specific resin film constituting the polarizing plate of the present invention may be laminated only on one side (one side or the other side) of the polarizing film, but is laminated on both sides (one side and the other side) of the polarizing film. Preferably it is. When a specific resin film is laminated on only one surface of the polarizing film, a conventionally known resin film may be laminated on the other surface of the polarizing film.
[0077]
On one side or the other side of the polarizing plate (specific resin film-polarizing film-specific resin film) of the present invention (for example, a bonding surface to a liquid crystal substrate), a release paper or a release film is interposed via an adhesive layer. It is preferable to be provided.
[0078]
The polarizing plate of the present invention can be particularly suitably used as a component of a liquid crystal display (LCD), but sunglasses, camera filters, sports goggles, lighting gloves, anti-glare coating for automobile headlights, prevention of indoor fluoroscopy, It can also be used in fields such as a light amount adjusting filter, a fluorescent display contraster, a translucent continuous change plate, a polarizing film for a microscope.
[0079]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example and a comparative example are given and this invention is demonstrated further in detail, this invention is not limited to a following example, unless the summary is exceeded.
In the following, “parts” and “%” mean “parts by weight” and “% by weight” unless otherwise specified.
[0080]
<Synthesis Example 1>
8-methyl-8-carboxymethyltetracyclo [4.4.0.1 2.5 , 1 7.10 ] 250 parts of 3-dodecene (specific monomer), 18 parts of 1-hexene (molecular weight regulator) and 750 parts of toluene were charged into a nitrogen-substituted reaction vessel, and this solution was heated to 60 ° C. Next, 0.62 parts of a toluene solution of triethylaluminum (1.5 mol / l) as a polymerization catalyst and tungsten hexachloride modified with t-butanol and methanol (t-butanol: methanol: tungsten) were added to the solution in the reaction vessel. = 0.35 mol: 0.3 mol: 1 mol) of a toluene solution (concentration 0.05 mol / l) 3.7 parts was added, and the system was heated and stirred at 80 ° C. for 3 hours to open the ring. Polymerization reaction was performed to obtain a ring-opening polymer solution. The polymerization conversion rate in this polymerization reaction was 97%, and the obtained ring-opening polymer was measured with respect to the intrinsic viscosity (η inh ) Was 0.65 dl / g.
[0081]
The autoclave was charged with 4,000 parts of the ring-opening polymer solution thus obtained, and RuCl (CO) [P (C 6 H Five ) Three ] Three 0.48 part is added and hydrogen gas pressure is 100 kg / cm. 2 Then, hydrogenation reaction was performed by heating and stirring for 3 hours under the reaction temperature of 165 ° C.
After cooling the obtained reaction solution (hydrogenated polymer solution), the hydrogen gas was released. This reaction solution was poured into a large amount of methanol to separate and recover a coagulated product, which was dried to obtain a hydrogenated polymer (specific cyclic polyolefin resin).
[0082]
About the hydrogenated polymer (hereinafter referred to as “resin (a)”) thus obtained. 1 When the hydrogenation rate was measured using 1 H-NMR, it was 99.9%. Moreover, it was 170 degreeC when the glass transition temperature (Tg) was measured by the DSC method about the said resin (a). Moreover, when the number average molecular weight (Mn) and weight average molecular weight (Mw) in terms of polystyrene were measured by the GPC method (solvent: tetrahydrofuran) for the resin (a), the number average molecular weight (Mn) was 39,000. The weight average molecular weight (Mw) was 116,000, and the molecular weight distribution (Mw / Mn) was 2.97. Moreover, when the saturated water absorption rate at 23 ° C. was measured for the resin (a), it was 0.4%. Further, with respect to the resin (a), the intrinsic viscosity (η inh ) Was 0.67 dl / g.
[0083]
<Synthesis Example 2>
6-methyl-1,4,5,8-dimethano-1,4,4a, 5,6,7,8,8a-octahydronaphthalene, 10 parts of a 15% cyclohexane solution of triethylaluminum as a polymerization catalyst, and triethylamine 5 parts and 10 parts of a 20% cyclohexane solution of titanium tetrachloride were added and subjected to a ring-opening polymerization reaction in cyclohexane to obtain a ring-opening polymer solution.
The ring-opening polymer solution thus obtained was charged into an autoclave, a nickel catalyst was added to the ring-opening polymer solution, and the hydrogen gas pressure was 40 kg / cm. 2 The hydrogenation reaction was carried out by heating and stirring for 4 hours under the reaction temperature of 165 ° C.
After cooling the obtained reaction solution (hydrogenated polymer solution), the hydrogen gas was released. The reaction solution was poured into a large amount of methanol to separate and recover the coagulated product, and dried to obtain a powdered hydrogenated polymer.
[0084]
About the hydrogenated polymer thus obtained (hereinafter referred to as “resin (b)”). 1 When the hydrogenation rate was measured using 1 H-NMR, it was 99.9%. Moreover, it was 142 degreeC when the glass transition temperature (Tg) was measured by the DSC method about the said resin (b). The resin (b) was measured for polystyrene-equivalent number average molecular weight (Mn) and weight average molecular weight (Mw) by the GPC method (solvent: tetrahydrofuran). The number average molecular weight (Mn) was 40,000, The weight average molecular weight (Mw) was 118,000, and the molecular weight distribution (Mw / Mn) was 2.95. Moreover, when the saturated water absorption rate at 23 ° C. was measured for the resin (b), it was 0.05%. Further, with respect to the resin (b), the intrinsic viscosity (η inh ) Was 0.69 dl / g.
[0085]
<Preparation Example 1>
A reaction vessel was charged with 250 parts of distilled water, and 90 parts of butyl acrylate, 8 parts of 2-hydroxyethyl methacrylate, 2 parts of divinylbenzene, and 0.1 part of potassium oleate were added to the reaction vessel. The mixture was stirred with a Teflon stirring blade and dispersed.
After the inside of the reaction vessel was purged with nitrogen, the temperature of the system was raised to 50 ° C., and 0.2 part of potassium persulfate was added to initiate polymerization. After 2 hours, 0.1 part of potassium persulfate was further added, the system was heated to 80 ° C., and the polymerization reaction was continued for 1 hour to obtain a polymer dispersion.
Next, an aqueous pressure-sensitive adhesive (pressure-sensitive adhesive having a polar group) composed of an aqueous dispersion of an acrylic acid ester-based polymer is obtained by concentrating the polymer dispersion liquid until the solid content concentration becomes 70% using an evaporator. Got.
[0086]
The acrylic acid ester polymer constituting the water-based pressure-sensitive adhesive thus obtained (hereinafter referred to as “water-based pressure-sensitive adhesive (A-1)”) is converted into polystyrene by the GPC method (solvent: tetrahydrofuran). When the average molecular weight (Mn) and the weight average molecular weight (Mw) were measured, the number average molecular weight (Mn) was 69,000, the weight average molecular weight (Mw) was 135,000, and the molecular weight distribution (Mw / Mn) was 1.96. Met. Moreover, about an aqueous adhesive (A-1), intrinsic viscosity ((eta) in 30 degreeC chloroform). inh ) Was 1.2 dl / g.
[0087]
<Preparation Example 2>
An aqueous adhesive (adhesive having a polar group) composed of an aqueous dispersion of an acrylic ester polymer in the same manner as in Preparation Example 1 except that 8 parts of methacrylic acid was used instead of 2-hydroxyethyl methacrylate. Got.
The acrylic acid ester polymer constituting the water-based pressure-sensitive adhesive thus obtained (hereinafter referred to as “water-based pressure-sensitive adhesive (A-2)”) is converted into polystyrene by the GPC method (solvent: tetrahydrofuran). When the average molecular weight (Mn) and the weight average molecular weight (Mw) were measured, the number average molecular weight (Mn) was 65,000, the weight average molecular weight (Mw) was 140,000, and the molecular weight distribution (Mw / Mn) was 2.15. Met. In addition, with respect to the water-based pressure-sensitive adhesive (A-2), the intrinsic viscosity (η inh ) Was 1.1 dl / g.
[0088]
<Comparative Preparation Example 1>
The autoclave was charged with 180 parts of toluene, and 90 parts of butyl acrylate and 10 parts of 2-hydroxyethyl methacrylate were added to the autoclave. After the inside of the autoclave was purged with nitrogen, the system was heated to 80 ° C., 0.2 part of lauroyl peroxide was added, and the system was further heated to 110 ° C. to initiate polymerization. After 2 hours, the system was heated to 135 ° C. and the polymerization reaction was continued for 2 hours to obtain a polymer solution.
Subsequently, this polymer solution was concentrated using an evaporator until the solid content concentration reached 70%, whereby an organic solvent-based pressure-sensitive adhesive composed of a toluene solution of an acrylate-based polymer was obtained.
[0089]
The acrylic acid ester-based polymer constituting the pressure-sensitive adhesive thus obtained (hereinafter referred to as “solution-type pressure-sensitive adhesive (B-1)”) is converted into polystyrene by the GPC method (solvent: tetrahydrofuran). When the average molecular weight (Mn) and the weight average molecular weight (Mw) were measured, the number average molecular weight (Mn) was 39,000, the weight average molecular weight (Mw) was 94,000, and the molecular weight distribution (Mw / Mn) was 2.41. Met. Further, the solution type pressure-sensitive adhesive (B-1) was subjected to intrinsic viscosity (η inh ) Was 0.55 dl / g.
[0090]
<Production Example 1>
A resin film (specific resin film) having a thickness of 0.1 mm was produced from the resin (a) obtained in Synthesis Example 1 by a melt extrusion method using an extruder equipped with a T die.
Here, the melting temperature was 300 ° C., and the temperature of the take-up roll was 150 ° C.
The thickness variation of the resin film thus obtained (hereinafter referred to as “resin film (a-1)”) was measured using a dial thickness gauge, and the average thickness (0. 1 mm) within ± 2%.
[0091]
<Production Example 2>
A resin film (specific resin film) having a thickness of 0.05 mm was produced from the resin (a) obtained in Synthesis Example 1 by a melt extrusion method using an extruder equipped with a T die.
Here, the melting temperature was 300 ° C., and the temperature of the take-up roll was 150 ° C.
The thickness variation of the resin film thus obtained (hereinafter referred to as “resin film (a-2)”) was measured using a dial thickness gauge, and the average thickness (0. 05 mm) within ± 5%.
[0092]
<Comparative Production Example 1>
A polymethyl methacrylate resin “Acrypet VH” (manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd.) was used to produce a 0.05 mm thick resin film (comparative resin film) by melt extrusion using an extruder equipped with a T die. .
Here, the melting temperature was 230 ° C., and the temperature of the take-up roll was 80 ° C.
The thickness variation of the resin film thus obtained (hereinafter referred to as “resin film (PMMA)”) was measured using a dial thickness gauge, and the average thickness (0.05 mm) was measured. Was within ± 5% of.
[0093]
<Comparative Production Example 2>
A resin film (comparative resin film) having a thickness of 0.05 mm was produced from the resin (b) obtained in Synthesis Example 2 by a melt extrusion method using an extruder equipped with a T die.
Here, the melting temperature was 270 ° C., and the temperature of the take-up roll was 130 ° C.
The thickness variation of the resin film thus obtained (hereinafter referred to as “resin film (b-1)”) was measured using a dial thickness gauge, and the average thickness (0. 05 mm) within ± 5%.
[0094]
<Example 1>
The water-based pressure-sensitive adhesive (A-1) obtained in Preparation Example 1 was applied to the surface of a release film “Bina sheet” (manufactured by Fujimori Kogyo Co., Ltd.) using a bar coater to form a coating film having a thickness of 0.02 mm. The transfer film was produced by forming and drying this coating film at 80 ° C. for 2 minutes. Subsequently, the dry coating film [aqueous adhesive (A-1)] of the transfer film was transferred to the surface of the resin film (a-1) having a thickness of 0.1 mm obtained in Production Example 1.
In this way, two resin films (a-1) on which the dry coating film of the water-based pressure-sensitive adhesive (A-1) is transferred and prepared are prepared, and each of these resin films (a-1) is water-based pressure-sensitive adhesive. The resin film (a-1) is bonded to one side and the other side of the PVA / iodine polarizing film obtained by adsorbing iodine through the dry coating film (A-1) and uniaxially stretching. And the laminated body of a dry coating film, a polarizing film, a dry coating film, and the resin film (a-1) was produced.
Next, this laminate was heated at 90 ° C. for 2 minutes, and 5 kg / cm. 2 The polarizing plate of this invention was manufactured by pressurizing on these conditions.
[0095]
<Example 2>
A polarizing plate of the present invention was produced in the same manner as in Example 1 except that the aqueous adhesive (A-2) obtained in Preparation Example 2 was used instead of the aqueous adhesive (A-1).
[0096]
<Example 3>
Instead of the resin film (a-1), the polarizing plate of the present invention was used in the same manner as in Example 1 except that the resin film (a-2) having a thickness of 0.05 mm obtained in Production Example 2 was used. Manufactured.
[0097]
<Comparative Example 1>
Instead of the resin film (a-1), a comparative polarizing plate was produced in the same manner as in Example 1 except that the 0.05 mm thick resin film (PMMA) obtained in Comparative Production Example 1 was used. did.
[0098]
<Comparative example 2>
A polarizing plate for comparison in the same manner as in Example 1 except that the resin film (b-1) having a thickness of 0.05 mm obtained in Comparative Production Example 2 was used instead of the resin film (a-1). Manufactured.
[0099]
<Comparative Example 3>
A comparative polarizing plate was produced in the same manner as in Example 1 except that the solution-type pressure-sensitive adhesive (B-1) obtained in Comparative Preparation Example 1 was used in place of the water-based pressure-sensitive adhesive (A-1). .
[0100]
<Comparative example 4>
Example 1 except that the resin film (b-1) was used instead of the resin film (a-1), and the solution-type adhesive (B-1) was used instead of the water-based adhesive (A-1). In the same manner as described above, a comparative polarizing plate was produced.
[0101]
<Evaluation of polarizing plate>
About each of the polarizing plate obtained by Examples 1-3 and Comparative Examples 1-4, (1) Initial adhesive strength (C) between a polarizing film and a resin film 0 ), (2) Adhesive strength after exposure to high temperature and high humidity environment (C), (3) Dimensional change rate due to exposure to high temperature and high humidity environment was measured. Here, as a “high temperature and high humidity environment”, a constant temperature and humidity tester (Tabaye Spec Co., Ltd.) is used to realize an environment of a temperature of 85 ° C. and a relative humidity of 80%. I left it alone.
The “adhesion strength” is measured using a peel peel tester (JIS Z-0237), and the “dimensional change rate” is obtained by cutting the polarizing plate into strips (100 mm × 30 mm), and in a high temperature and high humidity environment. The dimensions before and after being allowed to stand (longitudinal direction and width direction) were determined by measuring with calipers.
The above evaluation results are shown in Table 1.
[0102]
[Table 1]
Figure 0004897137
[0103]
【Effect of the invention】
The polarizing plate of the present invention is excellent in various properties such as transparency, durability, heat resistance, and mechanical strength, and is particularly excellent in dimensional stability and adhesive strength stability in a high temperature and high humidity environment.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing a specific configuration of a polarizing plate for a liquid crystal display.
[Explanation of symbols]
1 Polarizing film
2A, 2B protective film
3 Adhesive layer
4 Release film

Claims (3)

偏光膜の一面および/または他面に、極性基を有する粘着剤もしくは極性基を有する接着剤を介して、下記一般式(I)で表される単量体を重合して得られる環状ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムが積層形成されてなり、
前記極性基を有する粘着剤もしくは極性基を有する接着剤が、アクリル酸エステルと、極性基含有単量体とを含む単量体組成物を重合処理して得られるアクリル酸エステル系重合体の水系分散体からなる水系粘着剤もしくは水系接着剤であり、
下記一般式(I)において、R2 およびR4 で示される基の少なくとも一方が極性基であって、当該極性基が、式:−(CH2 n COOR5 (式中、R5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、nは0〜5である。)で示される基であることを特徴とする偏光板。
Figure 0004897137
〔式中、R1 〜R4 は、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10の炭化水素基、またはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。R1 とR2 またはR3 とR4 は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R1 またはR2 とR3 またはR4 とは互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。〕
A cyclic polyolefin system obtained by polymerizing a monomer represented by the following general formula (I) on one surface and / or the other surface of a polarizing film via a pressure-sensitive adhesive having a polar group or an adhesive having a polar group A film made of resin is laminated,
Aqueous system of an acrylic ester polymer obtained by polymerizing a monomer composition containing an acrylic ester and a polar group-containing monomer, the pressure-sensitive adhesive having a polar group or the polar group-containing adhesive. A water-based pressure-sensitive adhesive or water-based adhesive comprising a dispersion ,
In the following general formula (I), at least one of the groups represented by R 2 and R 4 is a polar group, and the polar group is represented by the formula: — (CH 2 ) n COOR 5 (wherein R 5 represents carbon A polarizing plate, which is a hydrocarbon group having 1 to 12 atoms and n is 0 to 5.
Figure 0004897137
[In formula, R < 1 > -R < 4 > is a hydrogen atom, a halogen atom, a C1-C10 hydrocarbon group, or another monovalent organic group, respectively, and may be same or different, respectively. . R 1 and R 2 or R 3 and R 4 may be combined to form a divalent hydrocarbon group, and R 1 or R 2 and R 3 or R 4 are bonded to each other to form a single ring or A polycyclic structure may be formed. m is 0 or a positive integer, and p is 0 or a positive integer. ]
前記偏光膜が、ポリビニルアルコール系のフィルムからなることを特徴とする請求項1に記載の偏光板。  The polarizing plate according to claim 1, wherein the polarizing film is made of a polyvinyl alcohol film. 前記アクリル酸エステル系重合体が、アクリル酸エステルと、極性基含有単量体と、ジエン系単量体とを含む組成物を重合処理して得られることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偏光板。 The said acrylate polymer is obtained by polymerizing a composition comprising an acrylate, a polar group-containing monomer, and a diene monomer. 2. The polarizing plate according to 2.
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