JP4895846B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

この発明は、インバータ回路に接続されたスナバコンデンサの切離し機能を有する誘導加熱調理器に関するものである。
従来の複数の加熱口を有する誘導加熱調理器においては、例えば「交流電源を整流して直流電源を生成する整流回路と、この整流回路によって生成される直流電源が供給される正側及び負側直流母線と、この正側及び負側直流母線間に直列に接続される第1及び第2のスイッチング素子と、これら第1及び第2のスイッチング素子の何れか一方の両端子間に接続され、調理容器を誘導加熱するための加熱コイル及び共振コンデンサで構成される共振回路と、前記一方のスイッチング素子の両端子間に接続され、スナバコンデンサ及び第3のスイッチング素子で構成されるスナバ回路と、設定値に応じて前記第1,第2及び第3のスイッチング素子に制御信号を出力して導通制御を行うと共に、前記設定値が所定値以下である場合は、前記第3のスイッチング素子を遮断することにより前記スナバコンデンサを前記共振回路から実質的に切り離す切り離し制御を行う制御手段とを備え、…」(例えば、特許文献1参照)、火力設定値が所定値以下である場合にはスナバコンデンサを切り離してインバータ回路のスイッチング素子の損失の低減を図るものがあった。
特開平11−87042号公報(請求項1、図1)
従来のスナバコンデンサの切離し手段を有する誘導加熱調理器においては、火力設定値が所定値以下の場合にスナバコンデンサを切り離すことにより、スイッチング素子をターンオンするときにスナバコンデンサの充電あるいは放電が未完了のためにスナバコンデンサを経由して短絡電流が流れてスイッチング素子に大きな損失が発生することを防止している。しかし、火力設定値が所定値以下の場合であっても加熱する鍋が非磁性材質である場合等では加熱コイルに流れる出力電流はかなり大きくなってインバータ回路のスイッチング素子をターンオフする際に比較的大きな電流が流れている場合があり、その場合にはスイッチング素子のターンオフ時のコレクタ・エミッタ間電圧(Vce)の増大が急激になり、大きな損失が発生するという問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高入力から低入力までインバータ回路のスイッチング素子の損失の低減を可能にした誘導加熱調理器を得ることにある。
本発明に係る誘導加熱調理器は、交流電力を直流電力に変換する直流電源回路と、前記直流電源回路の出力に接続され高周波交流電力に変換するインバータ回路と、複数段の火力設定が可能な操作入力部と、調理器全体を制御する制御回路とを備え、前記インバータ回路は、前記直流電源回路の出力に2個直列に接続されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子とそれぞれ逆並列に接続されたダイオードと、前記スイッチング素子の1つに並列に接続された加熱コイルと共振コンデンサの直列回路及び切離し可能なスナバコンデンサとを有し、前記制御回路は、周波数又は通電比率を変化させながら前記2個のスイッチング素子を交互に導通させるインバータ駆動回路と、入力電力を検出する入力検出部と、加熱コイル等に流れる出力電流を検出する出力電流検出部と、前記スナバコンデンサの接続・切離しを切り換えるスナバ接続駆動回路と、前記出力電流検出部で検出する出力電流が所定の保護電流レベルを超えないように制御するとともに前記入力検出部で検出する入力電力が前記操作入力部から設定された火力の入力電力となるように前記インバータ駆動回路を制御する駆動出力制御手段とを有し、前記制御回路は、設定火力又は入力電流が所定値以上のときには前記スナバ接続駆動回路を制御して前記スナバコンデンサを接続し、設定火力又は出力電流若しくは入力電流が所定値未満のときには前記スナバ接続駆動回路を制御して前記スナバコンデンサの切離しを行わせ、前記スナバコンデンサを切り離した状態の出力電流許容範囲を、その上限値(A2)が前記スナバコンデンサを接続している状態の出力電流許容範囲の上限値(A1)より低く、且つ、その下限値(B2)が前記スナバコンデンサを接続している状態の出力電流許容範囲の下限値(B1)より低くなるように設定し、前記上限値(A2)>前記下限値(B1)である。
本発明においては、制御回路がスナバコンデンサを切り離した場合には、インバータ回路の動作を許容する出力電流の上限値を低くしたので、インバータ回路のスイッチング素子がターンオフする時にスイッチング素子に流れる電流レベルを抑え、ターンオフ時に発生するスイッチング素子の損失が過大になるのを防止することができる。また、制御回路がスナバコンデンサを接続した場合には、インバータ回路の動作を許容する出力電流の下限値を高くしたので、インバータ回路のスイッチング素子がターンオンする時にスナバコンデンサを充電又は放電するためにスイッチング素子に流れる突入電流(短絡電流)を抑えることができ、ターンオン時に発生するスイッチング素子の損失が過大になるのを防止することができる。したがって、高入力から低入力までインバータ回路のスイッチング素子の損失が低減されている。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器の回路構成を示すものである。この誘導加熱調理器は、図に示されるように、商用電源1からの交流電力を直流電力に変換する直流電源回路2と、直流電力を高周波電力に変換するインバータ回路3と、火力設定等を入力する操作入力部4と、全体の制御を行う制御部5とから構成されている。直流電源回路2は、ダイオードブリッジ6と、チョークコイル7及びフィルタコンデンサ8を有する。インバータ回路3は、直流電源回路2の出力に2個直列に接続された第1及び第2のスイッチング素子9、10と、そのそれぞれに逆並列に接続されたダイオード11、12と、前記スイッチング素子の1つ(この例ではスイッチング素子10)と並列に接続された加熱コイル13と共振コンデンサ14の直列回路と、スナバコンデンサ15、そのスナバコンデンサ15を切り離し可能とする第3のスイッチング素子16及びその逆並列ダイオード17とから構成されている。また、制御部5は、入力電力を検出するための入力電流検出回路18及び入力電圧検出回路19と、前記第1及び第2のスイッチング素子9、10を高周波で交互にオンオフするインバータ駆動回路20と、前記加熱コイル13及び共振コンデンサ14に流れる電流を検出する出力電流検出回路21と、前記第3のスイッチング素子16を駆動してスナバコンデンサ15の接続・切離し状態を切り換えるスナバ接続駆動回路22と、前記操作入力部4、入力電流検出回路18、入力電圧検出回路19、出力電流検出回路21からの入力に基づきインバータ駆動回路20とスナバ接続駆動回路22に制御信号を出力する制御回路23とから構成されている。なお、この制御回路23は本発明の駆動出力制御手段に相当する。インバータ回路3に流れる電流が大き過ぎたり小さ過ぎたりすると、インバータ回路3のスイッチング素子9、10に発生する損失が大きくなるので、制御回路23は出力電流検出回路21で検出した電流が所定の範囲内の場合にインバータ回路3の動作を許容し、範囲外の場合はインバータ回路3の動作を制限する。
次にインバータ回路3に流れる電流とスイッチング素子の損失について、図2と図3を用いて説明する。図2は、出力電流が大きい場合のインバータ回路の第1及び第2のスイッチング素子9、10におけるターンオフ時の損失について説明する図であり、スイッチング素子9、10に流れる電流Icと、スイッチング素子9、10に印加される電圧Vce、及びスイッチング素子9、10で発生する損失lossを示しており、(a)は出力電流が大きくスナバコンデンサ15が切り離されている場合、(b)は出力電流が大きくスナバコンデンサ15が接続されている場合、(c)は出力電流が抑制されスナバコンデンサ15が切り離された場合である。出力電流が大きい場合、インバータ回路3の第1、第2のスイッチング素子9、10をターンオフした際にスイッチング素子に印加される電圧Vceの上昇速度が速くなり、ターンオフ損失が大きくなる(図2(a))。スナバコンデンサ15を接続するとスイッチング素子9、10に印加される電圧(Vce1)の上昇速度が遅くなるのでターンオフ損失(loss1)が抑制される(図2(b))。このスナバコンデンサ15を接続している場合に流すことが可能な出力電流の上限値をA1とする。一方、スナバコンデンサ15を切り離している場合(図2(c))にはスイッチング素子9、10に印加される電圧の上昇速度が大きいためスイッチング素子9、10のターンオフ損失が過大になり易い。したがって、スイッチング素子9、10で生じる損失を所定値以下に抑制するためには、スナバコンデンサ15を切り離している状態の出力電流(Ic2)はスナバコンデンサ15を接続している状態の出力電流制限値A1より小さい制限値A2以下に抑える必要がある。
図3は、出力電流が小さい場合のターンオン損失を説明する図であり、(a)は出力電流が微小でスナバコンデンサ15が接続されている場合、(b)は出力電流が微小でスナバコンデンサ15が切り離されている場合、(c)は出力電流が所定値以上でスナバコンデンサ15が接続されている場合において、第1あるいは第2のスイッチング素子9、10がターンオンする前後のコレクタ・エミッタ間電圧(Vce)とコレクタ電流(Ic)を示している。図3(a)において、一方のスイッチング素子(9又は10)が導通中は他方のスイッチング素子(10又は9)のVceは直流電源回路2の出力電圧とほぼ同じになり、導通していたスイッチング素子をターンオフすると、加熱コイル13等に流れる出力電流によりスナバコンデンサ15が充電あるいは放電されて、他方のスイッチング素子のVceが低下していくが、出力電流が微小であるためVceの低下速度が遅くなり、他方のスイッチング素子をターンオンする際にスナバコンデンサ15の放電あるいは充電が未完了となって、他方のスイッチング素子に電圧が印加されている(Vce>0V)。その時点で他方のスイッチング素子をターンオンするとスナバコンデンサ15を放電あるいは充電する大きな電流が他方のスイッチング素子に流れて大きなターンオン損失を生じる。
出力電流が微小であるがスナバコンデンサ15が切り離されている場合(図3(b))は、導通していたスイッチング素子をターンオフした際に他方のスイッチング素子に印加されている電圧Vceの低下速度は出力電流が小さくても比較的速く、また、印加電圧が残っていた場合であってもスナバコンデンサ15への突入電流は生じ得ず、大きなターンオン損失を生じない。したがって、スナバコンデンサ15を接続している場合よりもより低い出力電流の範囲までインバータ回路3を動作させることができる。
スナバコンデンサ15が接続されている場合にターンオン時のスナバコンデンサ15への突入電流を防止するためには図3(c)に示すように、出力電流として所定値以上の電流を流し、導通していたスイッチング素子をターンオフした際に他方のスイッチング素子に印加されている電圧Vceの低下速度を速くする必要がある。したがって、スイッチング素子の損失を所定値以下に抑えるために、スナバコンデンサ15を接続している場合の出力電流の下限値をスナバコンデンサ15を切り離している場合の出力電流の下限値よりも大きくする。
図4はスナバコンデンサ15を接続した場合と切り離した場合の出力電流の許容範囲を示す図である。上記に示したように、スナバコンデンサ15が接続されている場合には、インバータ回路3の出力電流が小さいときにスイッチング素子のターンオン損失が増大し易く、スナバコンデンサ15が切り離されている場合には、インバータ回路3の出力電流が大きいときにターンオフ損失が増大し易い。したがって、図4に示されるように、スナバコンデンサ15を切り離した状態の出力電流許容範囲の上限値A2はスナバコンデンサ15を接続した状態の出力電流許容範囲の上限値A1より小さく設定し、スナバコンデンサ15を接続した状態の出力電流許容範囲の下限値B1はスナバコンデンサ15を切り離した状態の出力電流許容範囲の下限値B2より大きく設定する(A2<A1、B2<B1)。
次に制御回路23で行う制御処理について、図5〜図7を用いて説明する。本実施の形態ではインバータ回路3を駆動する周波数を可変することにより出力制御するものとし、図5は所定の鍋を使用した場合のインバータ回路3の駆動周波数と出力電流の関係を示す図、図6は所定の鍋を使用した場合のインバータ回路3の駆動周波数と入力電力の関係を示す図、図7は制御回路23における制御処理のフローチャートを示す図である。
入力電力の調整はインバータ回路3の駆動周波数を制御することにより行うが、この駆動周波数は、加熱コイル13と共振コンデンサ14の直列回路に流れる出力電流が、その直列回路に印加される電圧よりも遅れ位相で流れるように、加熱コイル13と共振コンデンサ14の共振周波数よりも高い周波数範囲で調整する。したがって、図5及び図6に示すように、駆動周波数が加熱コイル13と共振コンデンサ14の負荷回路の共振周波数から離れた高周波数では出力電流や入力電力が小さく抑制され、共振周波数に近い低周波数では出力電流や入力電力は大きくなる。したがって出力電流や入力電流を抑制したい場合には駆動周波数を高く制御し、出力電流や入力電流を増加させたい場合には駆動周波数を低く制御する。
図7のフローチャートにおいて、操作入力部4から火力が設定されると、その設定火力を所定値と比較し(ステップ1)、所定値以上であればスナバ接続駆動回路22に指示して第3のスイッチング素子16をオンしてスナバコンデンサ15を接続し(ステップ2)、設定火力が所定値未満であれば第3のスイッチング素子16をオフしてスナバコンデンサ15を切り離す(ステップ3)。次いで、出力電流検出回路21により加熱コイル13と共振コンデンサ14に流れる出力電流の大きさを検出し(ステップ4)、スナバ制御信号を判断して(オン又オフ状態のいずれかを判断)スナバコンデンサ15の接続状態で場合分けをし(ステップ5)、接続状態に応じて図4の出力電流許容範囲に入っているかどうかを判断する。スナバコンデンサ15が接続されている場合には検出した出力電流が所定の上限値A1を超えていないかどうかを判断し(ステップ6)、超えている場合にはインバータ回路3の駆動周波数を高くして出力電流を抑制する(ステップ7)。上限値A1以下の場合には、下限値B1未満かどうかを判断し(ステップ8)、下限値B1未満である場合にはインバータ回路の駆動周波数を低くして出力電流を増加させる(ステップ9)。
ステップ5でスナバコンデンサ15が切り離されていた場合には、検出した出力電流が所定の上限値A2(<A1)を超えているかどうかを判断し(ステップ10)、超えている場合にはインバータ回路の駆動周波数を高くして出力電流を抑制する(ステップ11)。上限値A2以下の場合には、下限値B2(<B1)未満かどうかを判断し(ステップ12)、下限値B2未満である場合にはインバータ回路3の駆動周波数を低くして出力電流を増加させる(ステップ13)。
出力電流がインバータ回路3の動作の許容範囲である場合(スナバコンデンサ接続時はB1以上A1以下、スナバコンデンサ切離し時はB2以上A2以下)には、入力電流検出回路18及び入力電圧検出回路19で検出した入力電流と入力電圧から入力電力を求め(ステップ14)、操作入力部4から設定された火力に対応する設定電力と入力電力を比較する(ステップ15)。出力の入力電力が設定電力より小さい場合にはインバータ駆動回路20の駆動周波数を低くして入力電力を増加させ(ステップ16)、入力電力が設定電力より大きい場合には駆動周波数を高くして入力電流を減少させる(ステップ17)。
以上のように、本実施の形態1では、スナバコンデンサ15を切り離している場合にはスナバコンデンサ15を接続している場合よりもインバータ回路3の動作を許容する出力電流の上限値を低くするとともに、スナバコンデンサ15を接続している場合にはスナバコンデンサ15を切り離している場合よりもインバータ回路3の動作を許容する出力電流の下限値を高くすることによってインバータ回路3のスイッチング素子9、10で生じる損失を抑制して、インバータ回路3に過大な損失が発生するのを防止することができる。
なお、上記の説明では、スナバコンデンサ15の接続・切離しは設定火力が大きい場合にスナバコンデンサ15を接続し、設定火力が小さい場合にスナバコンデンサ15を切り離すこととしたが、検出した入力電流が大きい場合にスナバコンデンサ15を接続し、検出した入力電流が小さい場合にスナバコンデンサ15を切り離すこととしてもよい。
実施の形態2.
上記実施の形態1の入力電力調整は、インバータ回路3の駆動周波数を制御して行う例を示したが、インバータ回路3の第1及び第2のスイッチング素子9、10を一定の駆動周波数において、通電比率を制御して行うこととしてもよい。図8と図9は、所定の鍋を載置してインバータ回路3を通電比率制御した場合の出力電流と入力電力を示している。図8及び図9に示すように、2つのスイッチング素子9、10の通電比率(2つのスイッチング素子9、10が導通していないデッドタイム期間を除く通電比率)が50%・50%で最も出力電流や入力電力が大きく、0%・100%で最も小さくなる(以下、第1のスイッチング素子9(高電位側スイッチング素子)の通電比率を0〜50%の範囲で制御するものとする)。
図10は、所定の鍋を載置してインバータ回路3を通電比率制御で駆動した場合の第1及び第2のスイッチング素子9、10への駆動信号と、インバータ回路3の出力電流及び出力電圧(スナバコンデンサ15の電圧)を示しており、(a)は第1のスイッチング素子9の通電比率が大きい(約50%)の場合、(b)は第1のスイッチング素子9の通電比率が小さく(第2のスイッチング素子10の通電比率が大きく)なって、第2のスイッチング素子10のターンオフ時の出力電流が微小になっている場合、(c)は第1のスイッチング素子9の通電比率がさらに小さく(第2スイッチング素子の通電比率がさらに大きく)なって、第2のスイッチング素子10のターンオフ時には既に出力電流が転流している場合である。インバータ回路3の2つのスイッチング素子9、10に対して通電比率を制御する場合には、駆動周波数は加熱コイル13と共振コンデンサ14の共振周波数より高く、かつ、共振周波数から大きく離れていない周波数にする。共振周波数より低い周波数で駆動すると、インバータ回路3の出力電圧よりも出力電流の方が進相となり、スイッチング素子9、10をターンオンする際の損失が大きくなるからである。また、駆動周波数が共振周波数から大きく離れた高い周波数とすると、2つのスイッチング素子9、10の通電比率を50%・50%にしても小さい入力電力しか得られないからである。
図10(a)に示した第1のスイッチング素子9の通電比率が大きく、出力電流が大きい状態では、第1あるいは第2のスイッチング素子9、10をターンオフした際のコレクタ・エミッタ間電圧Vceの上昇速度が大きくなり、ターンオフ時のコレクタ電流Icと重なって大きなスイッチング損失が生じる。特にスナバコンデンサ15を切り離した状態ではスナバコンデンサ15を接続した状態よりターンオフ時のVceの上昇速度が大きくなるので、出力電流を抑える必要がある。図10(b)に示した第1のスイッチング素子9の通電比率が小さく、出力電流も小さい場合には、スナバコンデンサ15が接続されている状態では第2のスイッチング素子10をターンオフした際のVceの上昇速度が小さくスナバコンデンサ15を充電しきれない。そのため、第1のスイッチング素子9をターンオンした時にスナバコンデンサ15を充電する突入電流(短絡電流)が流れて大きなスイッチング損失が生じる。一方、スナバコンデンサ15が切り離し状態ではVceの上昇速度がスナバコンデンサ接続状態よりも大きくなり、また、スナバコンデンサ15を充電する突入電流(短絡電流)も流れ得ないので、第1のスイッチング素子9のスイッチング損失は小さくなる。さらに、第1のスイッチング素子9の通電比率が小さく、出力電流も小さい図10(c)の場合には、第2のスイッチング素子10をターンオフする時に、既にインバータ回路3の出力電流が転流してダイオード12に電流が流れている。したがって、スナバコンデンサ15が接続された状態において第2のスイッチング素子10をターンオフしてもスナバコンデンサ15の充電は全く行われないので、第1のスイッチング素子9のターンオン時に、第1のスイッチング素子9には加熱コイル13等に流れている電流に加えてスナバコンデンサ15を充電する短絡電流が流れ、大きなスイッチング損失を生じる。スナバコンデンサ15が切り離されている状態においても、第1のスイッチング素子9のターンオン時に加熱コイル13等に流れている電流が第1のスイッチング素子9に流れるためスイッチング損失は生じるが、スナバコンデンサ15を充電する短絡電流が流れ得ないため、スナバコンデンサ15が接続されている状態と比較してスイッチング損失は小さくなる。
以上のように、本実施の形態2においては、インバータ回路3を通電比率制御で駆動する場合においても、スナバコンデンサを切り離した状態の通電比率調整範囲(本発明の駆動信号調整範囲に相当する)を、その上限値がスナバコンデンサ15を接続している状態の通電比率調整範囲の上限値より低くし、且つその下限値がスナバコンデンサ15を接続している状態の通電比率調整範囲の下限値より低くなるように設定している。このため、スナバコンデンサ15を切り離した状態ではスナバコンデンサ15を接続した状態よりも出力電流の上限値が抑えられ、スナバコンデンサ15を接続した状態ではスナバコンデンサ15を切り離した状態よりも出力電流の下限値を高くすることにより、スイッチング損失をスナバコンデンサ15の接続状態によらず所定値以下に抑制することができる。
実施の形態3.
図11は、この発明の実施の形態3に係る誘導加熱調理器の回路構成を示す図である。上記の実施の形態1の回路構成を示す図1と同一あるいは相当部分については同一符号を付し、説明を省略する。上記の実施の形態1及び2においては、インバータ回路3の出力電流の上限値をスナバコンデンサ15の接続状態により変更する例を示したが、本実施の形態3では、共振コンデンサ14に発生する共振電圧を検出する共振電圧検出手段24を設け、スナバコンデンサ15の接続状態に応じてインバータ回路3の動作を許容する共振電圧の上限値及び下限値を変更することにしたものであり、インバータ回路3の入力電力の調整を実施の形態2と同様に、一定の駆動周波数でインバータ回路3における2つのスイッチング素子9、10の通電比率を制御することにより行うものとする。
共振コンデンサ14に発生する共振電圧は、出力電流の大きさや駆動周波数により変動し、出力電流が大きくなるほど共振電圧が高くなり、また、インバータ回路3の駆動周波数が低くなるほど共振電圧は高くなる。本実施の形態では駆動周波数が一定であるので、共振電圧が高いほど出力電流が大きく、共振電圧が低いほど出力電流が小さい。また、スイッチング素子9、10のターンオフ時及びターンオン時に生じる損失は実施の形態1と同様に生じる。したがって出力電流が大きい場合には、スナバコンデンサ15を切り離した状態ではスナバコンデンサ15を接続した状態よりもターンオフ時の損失が増大しやすいので、共振電圧の上限値を低く抑える必要がある。出力電流が小さい場合には、スナバコンデンサ15を接続した状態でスナバコンデンサ15を切り離した状態よりもターンオン時にスナバコンデンサ15を経由して流れる短絡電流により大きな損失が生じる可能性があるので、共振電圧の下限値を高くする必要がある。図12にスナバコンデンサ15を接続した場合と切り離した場合の共振電圧の許容範囲を示す。スナバコンデンサ15を切り離した状態においてインバータ回路の動作を許容する共振電圧の上限値C2は、スナバコンデンサ15を接続した状態における上限値C1より低く、スナバコンデンサ15を接続した状態におけるインバータ回路の動作を許容する共振電圧の下限値D1は、スナバコンデンサ15を切り離した状態における下限値D2より高い(C1>C2、D1>D2)。
次に、図13の出力制御処理のフローチャートを用いて動作を説明する。前記実施の形態1の図7と同一処理については同じステップ番号を付している。まず、操作入力部4から設定された火力が所定値以上であればスナバコンデンサ15を接続状態とし、所定値未満であればスナバコンデンサ15を切離し状態とする(ステップ1〜3)。次いで、共振電圧検出手段24で共振コンデンサに発生する電圧を検出し(ステップ4a)、スナバ制御信号を判断してスナバコンデンサの接続状態で場合分けをし(ステップ5)、接続状態に応じて図12の共振電圧許容範囲に入っているかどうかを判断する。スナバコンデンサ15が接続されている場合には検出した共振電圧が所定の上限値C1を超えていないかどうかを判断し(ステップ6a)、超えている場合には第1のスイッチング素子9の通電比率を小さくして共振電圧を抑制する(ステップ7a)。上限値C1以下の場合には、下限値D1未満かどうかを判断し(ステップ8a)、下限値D1未満である場合には第1のスイッチング素子9の通電比率を大きくして共振電圧を増加させる(ステップ9a)。
ステップ5でスナバコンデンサ15が切り離されていた場合には、検出した共振電圧が所定の上限値C2(<C1)を超えていないかどうかを判断し(ステップ10a)、超えている場合には第1のスイッチング素子9の通電比率を小さくして共振電圧を抑制する(ステップ11a)。上限値C2以下の場合には、下限値D2(<D1)未満かどうかを判断し(ステップ12a)、下限値D2未満である場合には第1のスイッチング素子9の通電比率を大きくして共振電圧を増加させる(ステップ13a)。
共振電圧がインバータ回路動作の許容範囲である場合(スナバコンデンサ接続時はD1以上C1以下、スナバコンデンサ切離し時はD2以上C2以下)には、入力電流検出回路18及び入力電圧検出回路19で検出した入力電流と入力電圧から入力電力を求め、設定された火力に対応する設定電力と比較する(ステップ14〜15)。入力電力が設定電力より小さい場合には第1のスイッチング素子9の通電比率を大きくして入力電力を増加させ(ステップ16a)、入力電力が設定電力より大きい場合には第1のスイッチング素子9の通電比率を小さくして入力電流を減少させる(ステップ17a)。
なお、入力電力の調整を実施の形態1のようにインバータ回路3の駆動周波数を可変して行う場合には、共振電圧検出手段24で検出した共振電圧を駆動周波数で補正した値(例えば駆動周波数/基準駆動周波数を乗じた値)を用いて、インバータ回路3の動作を許容する上限値及び下限値と比較すればよい。この場合もスナバコンデンサ15を切り離した場合の上限値を、スナバコンデンサ15を接続した場合の上限値より低くしてターンオフ時の損失を抑制し、スナバコンデンサ15を接続した場合の下限値を、スナバコンデンサ15を切り離した場合の下限値より高くしてターンオン時の短絡電流による損失を抑制して、インバータ回路3のスイッチング素子9、10の損失が過大になるのを防止する。
以上のように、本実施の形態3では、スナバコンデンサ15を切り離している場合にはスナバコンデンサ15を接続している場合よりもインバータ回路3の動作を許容する共振電圧の上限値を低くするとともに、スナバコンデンサ15を接続している場合にはスナバコンデンサ15を切り離している場合よりも、インバータ回路3の動作を許容する共振電圧の下限値を高くすることによってインバータ回路3のスイッチング素子9、10で生じる損失を抑制しており、インバータ回路3に過大な損失が発生するのを防止することができる。
実施の形態4.
本実施の形態4における回路構成については実施の形態1の図1と同様であり、説明を省略する。図14に示した制御回路23における出力制御処理のフローチャートに基づき、以下、動作を説明する。なお、入力電力の調整はインバータ回路3の駆動周波数を制御することにより行い、所定の鍋を使用した場合のインバータ回路3の駆動周波数と出力電流や入力電力との関係は、上記の実施の形態1の図5、図6と同等であるものとする。
図14において、まず、操作入力部4から設定された火力と所定値とを比較し(ステップ2−1)、所定値以上であればスナバ接続駆動回路22に指示して第3のスイッチング素子16をオンしてスナバコンデンサ15を接続し(ステップ2−2)、設定火力が所定値未満であれば第3のスイッチング素子16をオフしてスナバコンデンサ15を切り離す(ステップ2−3)。次いで、入力電流検出回路18及び入力電圧検出回路19で検出した入力電流と入力電圧から入力電力を求め(ステップ2−4)、操作入力部4から設定された火力に対応する設定電力と入力電力を比較する(ステップ2−5)。入力電力が設定電力より小さい場合にはインバータ駆動回路20の駆動周波数を低くして入力電力を増加させ(ステップ2−6)、入力電力が設定電力より大きい場合には駆動周波数を高くして入力電力を減少させる(ステップ2−7)。
次に、スナバ制御信号を判断してスナバコンデンサの接続状態で場合分けをする(ステップ2−8)。スナバコンデンサ15が切り離されている状態ではスナバコンデンサ15が接続されている状態よりも、駆動周波数が低く出力電流が大きい場合には、スイッチング素子のターンオフ時にエミッタ・コレクタ間電圧(Vce)の上昇速度が速くなって損失が過大になりやすい。また、スナバコンデンサ15が接続されている状態では駆動周波数が高く出力電流が小さい場合に、スイッチング素子のターンオン時にスナバコンデンサ15を充電あるいは放電する電流が流れ、スイッチング素子に大きな損失が生じることがある。そこで、図15に示すように、スナバコンデンサ15の接続・切離し状態に応じて、インバータ回路3の駆動周波数の上限値・下限値を設定し、スイッチング素子9、10に大きな損失が生じるのを防止する。すなわち、スナバコンデンサ15の接続状態ではインバータ回路3の駆動周波数の上限値E1をスナバコンデンサ15の切離し状態の上限値E2よりも低く設定し、スナバコンデンサ15の切離し状態ではインバータ回路3の駆動周波数の下限値F2をスナバコンデンサ接続状態の下限値F1よりも高く設定している(E1<E2、F1<F2)。
ステップ2−8でスナバコンデンサ15が接続された状態の場合には、インバータ回路3の駆動周波数が所定の上限値E1(<E2)を超えていないかどうかを判断し(ステップ2−9)、超えている場合には駆動周波数をその上限値E1として出力電流が大きくなり過ぎないようにする(ステップ2−10)。また、上限値E1以下の場合には、下限値F1(<F2)未満かどうかを判断し(ステップ2−11)、下限値F1未満である場合には駆動周波数をその下限値F1として出力電流が小さくなり過ぎないようにする(ステップ2−12)。
ステップ2−8でスナバコンデンサ15が切り離された状態の場合には、インバータ回路3の駆動周波数が所定の上限値E2(>E1)を超えていないかどうかを判断し(ステップ2−13)、超えている場合には駆動周波数をその上限値E2として出力電流が大きくなり過ぎないようにする(ステップ2−14)。上限値E2以下の場合には、下限値F2(>F1)未満かどうかを判断し(ステップ2−15)、下限値F2未満である場合には駆動周波数をその下限値F2として出力電流が小さくなり過ぎないようにする(ステップ2−16)。
以上のように、本実施の形態4では、スナバコンデンサ15を切り離している場合にはスナバコンデンサ15を接続している場合よりもインバータ回路3の駆動周波数の下限値を高くして出力電流の上限値を抑えるとともに、スナバコンデンサ15を接続している場合にはスナバコンデンサ15を切り離している場合よりもインバータ回路3の駆動周波数の上限値を低くして出力電流の下限値を高めに保持することによって、インバータ回路3のスイッチング素子9、10で生じる損失を抑制して、インバータ回路3に過大な損失が発生するのを防止することができる。
なお、本発明において駆動信号調整範囲の上限値は出力電流の上限値を規定する意義をもつものであり、また、その下限値は出力電流の下限値を規定する意義をもつものであり、そのような観点から相対的な大小を規定する必要がある。本実施の形態4においては駆動信号として周波数の例について説明したが、周波数の場合には高くすることにより出力電流が小さくなり、低くすることにより出力電流が大きくなるから、上記の下限値F1、F2が本発明の駆動信号調整範囲の上限値に該当し、上記の上限値E1、E2が本発明の駆動信号調整範囲の下限値に該当することになり、数値の大小の関係が上記の通電比率の場合とは逆になる。
また、本実施の形態4では、インバータ回路3の駆動周波数を制御して入力電力を調整する誘導加熱調理器において、スナバコンデンサ15の接続・切離し状態に応じて駆動周波数の上限値・下限値を設定し、スイッチング素子9、10に大きな損失が生じるのを防止したが、実施の形態2に示したようにインバータ回路3の第1及び第2のスイッチング素子9、10の通電比率を制御することにより入力電力を調整する誘導加熱調理器において、スナバコンデンサ15の接続・切離し状態に応じて通電比率の上限値・下限値を設定することによりスイッチング素子9、10のターンオフ時の損失やターンオン時の短絡電流による損失を抑制し、スイッチング損失を所定値以下に抑えることとしてもよい。
実施の形態5.
本実施の形態5における回路構成についても実施の形態1の図1と同様であり、説明を省略する。入力電力の調整はインバータ回路3の第1及び第2のスイッチング素子9、10の通電比率を制御する(第1のスイッチング素子9の通電比率を50%以下の範囲で制御する)ことにより行い、所定の鍋を使用した場合の通電比率と出力電流や入力電力との関係は、実施の形態2の図8、図9と同等であるものとする。図16に制御回路23における出力制御処理のフローチャートを示し、図17はスナバコンデンサ15を接続した状態と切り離した状態におけるインバータ回路3の出力電流の上限値と、インバータ回路3における第1のスイッチング素子9の通電比率の下限値を示す。以下、図16及び図17にしたがって動作を説明する。
図16において、まず、操作入力部4から設定された火力と所定値とを比較し(ステップ3−1)、所定値以上であればスナバ接続駆動回路22に指示して第3のスイッチング素子16をオンしてスナバコンデンサ15を接続し(ステップ3−2)、設定火力が所定値未満であれば第3のスイッチング素子16をオフしてスナバコンデンサ15を切り離す(ステップ3−3)。次いで、入力電流検出回路18及び入力電圧検出回路19で検出した入力電流と入力電圧から入力電力を求め(ステップ3−4)、操作入力部4から設定された火力に対応する設定電力と入力電力を比較する(ステップ3−5)。入力電力が設定電力より小さい場合には第1のスイッチング素子9の通電比率を増やして入力電力を増加させ(ステップ3−6)、入力電力が設定電力より大きい場合には第1のスイッチング素子9の通電比率を減らして入力電力を減少させる(ステップ3−7)。
次いで、出力電流検出回路21により加熱コイル13と共振コンデンサ14に流れる出力電流の大きさを検出し(ステップ3−8)、スナバ制御信号を判断してスナバコンデンサ15の接続状態で場合分けをする(ステップ3−9)。スナバコンデンサ15が切り離されている状態ではスナバコンデンサ15が接続されている状態よりも、インバータ回路3の出力電流が大きい場合に、スイッチング素子のターンオフ時にエミッタ・コレクタ間電圧(Vce)の上昇速度が速くなって損失が過大になりやすいので、図17に示すようにインバータ回路の動作を許容する出力電流の上限値をスナバコンデンサ15の接続状態の上限値より低くする。また、スナバコンデンサ15が接続されている状態では第1のスイッチング素子9の通電比率が小さくて出力電流が小さい場合に、第1のスイッチング素子9のターンオン時にスナバコンデンサ15を充電する電流が流れ、スイッチング素子9に大きな損失が生じる場合がある。そこで、図17に示すように、スナバコンデンサ15の接続・切離し状態に応じて、第1のスイッチング素子9の通電比率の下限値を設定し、スイッチング素子9に大きな損失が生じるのを防止する。
ステップ3−9でスナバコンデンサ15が接続された状態の場合には、検出した出力電流が所定の上限値G1(>G2)を超えていないかどうかを判断し(ステップ3−10)、超えている場合には第1のスイッチング素子9の通電比率を減らして出力電流を抑える(ステップ3−11)。また、出力電流が上限値G1以下の場合には、第1のスイッチング素子9の通電比率の下限値H1(>H2)未満かどうかを判断し(ステップ3−12)、下限値H1未満である場合には通電比率をその下限値H1として出力電流が小さくなり過ぎないようにする(ステップ3−13)。
ステップ3−9でスナバコンデンサが切り離された状態の場合には、検出した出力電流が所定の上限値G2(<G1)を超えていないかどうかを判断し(ステップ3−14)、超えている場合には第1のスイッチング素子9の通電比率を減らして出力電流が大きくなり過ぎないようにする(ステップ3−15)。出力電流が上限値G2以下の場合には、第1のスイッチング素子9の通電比率を下限値H2(<H1)未満かどうかを判断し(ステップ3−16)、下限値H2未満である場合には通電比率をその下限値F2として出力電流が小さくなり過ぎないようにする(ステップ3−17)。
以上のように、本実施の形態5では、スナバコンデンサ15を切り離している場合にはスナバコンデンサ15を接続している場合よりもインバータ回路3の出力電流の上限値を低くして大きなターンオフ時の損失が生じるのを防止するとともに、スナバコンデンサ15を接続している場合にはスナバコンデンサ15を切り離している場合よりも、インバータ回路3の第1のスイッチング素子9の通電比率調整範囲(駆動信号調整範囲)の下限値を高く保持することにより、第1のスイッチング素子9をターンオンする際にスナバコンデンサ15を充電する短絡電流により大きな損失が生じるのを防止することができる。
実施の形態1に係る誘導加熱調理器の回路の構成を示す図である。 実施の形態1におけるスイッチング素子のターンオフ時の損失を説明する図である。 実施の形態1におけるスイッチング素子のターンオン時の損失を説明する図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器において、スナバコンデンサの接続状態及び切離し状態でのインバータ回路の出力電流の許容範囲を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器におけるインバータ回路の駆動周波数と出力電流の関係を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器におけるインバータ回路の駆動周波数と入力電力の関係を示す図である。 実施の形態1に係る誘導加熱調理器の出力制御処理のフローチャートである。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器におけるインバータ回路の第1及び第2のスイッチング素子の通電比率と出力電流との関係を示す図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器におけるインバータ回路の第1及び第2のスイッチング素子の通電比率と入力電流との関係を示す図である。 実施の形態2に係る誘導加熱調理器において、インバータ回路の駆動信号と出力電流、出力電圧との関係を示す図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の回路の構成を示す図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の共振コンデンサにおける共振電圧の許容範囲を示す図である。 実施の形態3に係る誘導加熱調理器の出力制御処理のフローチャートである。 実施の形態4に係る誘導加熱調理器の出力制御処理のフローチャートである。 実施の形態4に係る誘導加熱調理器において、スナバコンデンサの接続状態及び切離し状態でのインバータ回路の駆動周波数の許容範囲を示す図である。 実施の形態5に係る誘導加熱調理器の出力制御処理のフローチャートである。 実施の形態5に係る誘導加熱調理器において、スナバコンデンサの接続状態及び切離し状態でのインバータ回路の出力電流の上限値と、第1のスイッチング素子の通電比率の下限値を示す図である。
符号の説明
1 商用電源、2 直流電源回路、3 インバータ回路、4 操作入力部、5 制御部、9 第1のスイッチング素子、10 第2のスイッチング素子、13 加熱コイル、14 共振コンデンサ、15 スナバコンデンサ、18 入力電流検出回路、 21 出力電流検出回路、22 スナバ接続駆動回路、23 制御回路。

Claims (5)

  1. 交流電力を直流電力に変換する直流電源回路と、
    前記直流電源回路の出力に接続され高周波交流電力に変換するインバータ回路と、
    複数段の火力設定が可能な操作入力部と、
    調理器全体を制御する制御回路とを備え、
    前記インバータ回路は、
    前記直流電源回路の出力に2個直列に接続されたスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子とそれぞれ逆並列に接続されたダイオードと、
    前記スイッチング素子の1つに並列に接続された加熱コイルと共振コンデンサの直列回路及び切離し可能なスナバコンデンサとを有し、
    前記制御回路は、
    周波数又は通電比率を変化させながら前記2個のスイッチング素子を交互に導通させるインバータ駆動回路と、
    入力電力を検出する入力検出部と、
    加熱コイル等に流れる出力電流を検出する出力電流検出部と、
    前記スナバコンデンサの接続・切離しを切り換えるスナバ接続駆動回路と、
    前記出力電流検出部で検出する出力電流が所定の保護電流レベルを超えないように制御するとともに前記入力検出部で検出する入力電力が前記操作入力部から設定された火力の入力電力となるように前記インバータ駆動回路を制御する駆動出力制御手段と
    を有し、
    前記制御回路は、設定火力又は入力電流が所定値以上のときには前記スナバ接続駆動回路を制御して前記スナバコンデンサを接続し、設定火力又は出力電流若しくは入力電流が所定値未満のときには前記スナバ接続駆動回路を制御して前記スナバコンデンサの切離しを行わせ
    前記スナバコンデンサを切り離した状態の出力電流許容範囲を、その上限値(A2)が前記スナバコンデンサを接続している状態の出力電流許容範囲の上限値(A1)より低く、且つその下限値(B2)が前記スナバコンデンサを接続している状態の出力電流許容範囲の下限値(B1)より低くなるように設定し、前記上限値(A2)>前記下限値(B1)であることを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 交流電力を直流電力に変換する直流電源回路と、
    前記直流電源回路の出力に接続され高周波交流電力に変換するインバータ回路と、
    複数段の火力設定が可能な操作入力部と、
    調理器全体を制御する制御回路とを備え、
    前記インバータ回路は、
    前記直流電源回路の出力に2個直列に接続されたスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子とそれぞれ逆並列に接続されたダイオードと、
    前記スイッチング素子の1つに並列に接続された加熱コイルと共振コンデンサの直列回路及び切離し可能なスナバコンデンサとを有し、
    前記制御回路は、
    周波数又は通電比率を変化させながら前記2個のスイッチング素子を交互に導通させるインバータ駆動回路と、
    入力電力を検出する入力検出部と、
    前記共振コンデンサに発生する出力電圧を検出する出力電圧検出部と、
    前記スナバコンデンサの接続・切離しを切り換えるスナバ接続駆動回路と、
    前記出力電圧検出部で検出する出力電圧が所定の保護電圧レベルを超えないように制御するとともに前記入力検出部で検出する入力電力が操作入力部から設定された火力の入力電力となるように前記インバータ駆動回路を制御する駆動出力制御手段とを有し、
    前記制御回路は、設定火力又は入力電流が所定値以上のときには前記スナバ接続駆動回路を制御して前記スナバコンデンサを接続し、設定火力又は出力電流若しくは入力電流が所定値未満のときには前記スナバ接続駆動回路を制御して前記スナバコンデンサの切離しを行わせ
    前記スナバ接続駆動回路で前記スナバコンデンサを切り離した状態の出力電圧許容範囲を、その上限値(C2)が前記スナバコンデンサを接続している状態の出力電圧許容範囲の上限値(C1)より低くし、且つその下限値(D2)が前記スナバコンデンサを接続している状態の出力電圧許容範囲の下限値(C1)より低くなるように設定し、前記上限値(C2)>前記下限値(D1)であることを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 交流電力を直流電力に変換する直流電源回路と、
    前記直流電源回路の出力に接続され高周波交流電力に変換するインバータ回路と、
    複数段の火力設定が可能な操作入力部と、
    調理器全体を制御する制御回路とを備え、
    前記インバータ回路は、
    前記直流電源回路の出力に2個直列に接続されたスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子とそれぞれ逆並列に接続されたダイオードと、
    前記スイッチング素子の1つに並列に接続された加熱コイルと共振コンデンサの直列回路及び切り離し可能なスナバコンデンサとを有し、
    前記制御回路は、
    通電比率を変化させながら前記2個のスイッチング素子を交互に導通させるインバータ駆動回路と、
    入力電力を検出する入力検出部と、
    前記スナバコンデンサの接続・切離しを切り換えるスナバ接続駆動回路と、
    前記入力検出部で検出する入力電力が操作入力部から設定された火力の入力電力となるように所定の調整範囲で制御した駆動信号を前記インバータ駆動回路に出力する駆動制御手段とを備え、
    前記制御回路は、設定火力又は入力電流が所定値以上のときには前記スナバ接続駆動回路を制御して前記スナバコンデンサを接続し、設定火力又は出力電流若しくは入力電流が所定値未満のときには前記スナバ接続駆動回路を制御して前記スナバコンデンサの切離しを行わせ
    前記スナバ接続駆動回路で前記スナバコンデンサを切り離した状態の前記インバータ回路の通電比率の調整範囲を、その上限値が前記スナバコンデンサを接続している状態の通電比率の調整範囲の上限値より低くし、且つその下限値が前記スナバコンデンサを接続している状態の通電比率の調整範囲の下限値より低く設定し、前記スナバコンデンサを切り離した状態の通電比率の調整範囲の上限値>前記スナバコンデンサを接続している状態の通電比率の調整範囲の下限値であることを特徴とする誘導加熱調理器。
  4. 交流電力を直流電力に変換する直流電源回路と、
    前記直流電源回路の出力に接続され高周波交流電力に変換するインバータ回路と、
    複数段の火力設定が可能な操作入力部と、
    調理器全体を制御する制御回路とを備え、
    前記インバータ回路は、
    前記直流電源回路の出力に2個直列に接続されたスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子とそれぞれ逆並列に接続されたダイオードと、
    前記スイッチング素子の1つに並列に接続された加熱コイルと共振コンデンサの直列回路及び切り離し可能なスナバコンデンサとを有し、
    前記制御回路は、
    周波数変化させながら前記2個のスイッチング素子を交互に導通させるインバータ駆動回路と、
    入力電力を検出する入力検出部と、
    前記スナバコンデンサの接続・切離しを切り換えるスナバ接続駆動回路と、
    前記入力検出部で検出する入力電力が操作入力部から設定された火力の入力電力となるように所定の調整範囲で制御した駆動信号を前記インバータ駆動回路に出力する駆動制御手段とを備え、
    前記制御回路は、設定火力又は入力電流が所定値以上のときには前記スナバ接続駆動回路を制御して前記スナバコンデンサを接続し、設定火力又は出力電流若しくは入力電流が所定値未満のときには前記スナバ接続駆動回路を制御して前記スナバコンデンサの切離しを行わせ
    前記スナバ接続駆動回路で前記スナバコンデンサを切り離した状態の駆動周波数の調整範囲を、その上限値(E2)が前記スナバコンデンサを接続している状態の駆動周波数の調整範囲の上限値(E1)より高く、且つその下限値(F2)が前記スナバコンデンサを接続している状態の駆動周波数の調整範囲の下限値(F1)より高くなるように設定し、前記下限値(F2)<前記上限値(E1)であることを特徴とする誘導加熱調理器。
  5. 交流電力を直流電力に変換する直流電源回路と、
    前記直流電源回路の出力に接続され高周波交流電力に変換するインバータ回路と、
    複数段の火力設定が可能な操作入力部と、
    調理器全体を制御する制御回路とを備え、
    前記インバータ回路は、
    前記直流電源回路の出力に2個直列に接続されたスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子とそれぞれ逆並列に接続されたダイオードと、
    前記スイッチング素子の1つに並列に接続された加熱コイルと共振コンデンサの直列回路及び切離し可能なスナバコンデンサとを有し、
    前記制御回路は、
    通電比率を変化させながら前記2個のスイッチング素子を交互に導通させるインバータ駆動回路と、
    入力電力を検出する入力検出部と、
    前記加熱コイル等に流れる出力電流を検出する出力電流検出部と、
    前記スナバコンデンサの接続・切離しを切り換えるスナバ接続駆動回路と、
    前記出力電流検出部で検出する出力電流が所定の保護電流レベルを超えないように制御するとともに前記入力検出部で検出する入力電力が操作入力部から設定された火力の入力電力となるように前記インバータ駆動回路を制御する駆動出力制御手段と
    を有し、
    前記制御回路は、設定火力又は入力電流が所定値以上のときには前記スナバ接続駆動回路を制御して前記スナバコンデンサを接続し、設定火力又は出力電流若しくは入力電流が所定値未満のときには前記スナバ接続駆動回路を制御して前記スナバコンデンサの切離しを行わせ
    前記スナバコンデンサを切り離した状態の出力電流許容範囲の上限値(G2)を前記スナバコンデンサを接続している状態の出力電流許容範囲の上限値(G1)より低く設定し、
    前記スナバコンデンサを切り離した状態の前記インバータ回路の通電比率の調整範囲の下限値(H2)を、前記スナバコンデンサを接続した状態の前記インバータ回路の通電比率の調整範囲の下限値(H1)より低く設定したことを特徴とする誘導加熱調理器。
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