JP4895080B2 - 心筋血流量の定量法、血流量定量プログラム及び血流量定量システム - Google Patents

心筋血流量の定量法、血流量定量プログラム及び血流量定量システム Download PDF

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本発明は、単光子放出型断層撮像(Single Photon Emission Computed Tomography)(以下、SPECTという)画像を用いて、心筋血流量を求める方法、該方法を実施するためのプログラム及びシステムに関する。
心筋梗塞等の虚血性心疾患を始めとする心臓病は死亡原因の上位を占めており、発見が遅れた場合の致死率が高いため、早期に診断することが重要である。心臓領域における画像診断方法としては、侵襲的な左室造影や冠動脈造影のほか、非侵襲的な画像診断方法として、心エコー検査、X線コンピュータ断層撮像(X線CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)、並びに、陽電子放出型断層撮像(PET)および単光子放出型断層撮像(SPECT)等の核医学診断が主に用いられている。
臨床応用されているSPECT検査用心筋血流診断剤の一つである塩化タリウム−201(日本メジフィジックス株式会社製)は、水溶液中で解離して一価の陽イオン(201Tl+)となり、カリウムイオンと同様の挙動を示して、心筋細胞内にナトリウム−カリウムポンプにより能動的に摂取されると考えられている。そのため、心筋への取込が高く、心筋の血流分布を反映したSPECT画像を与えるといった特徴を有している。さらに、初回循環抽出率(First Pass Extraction Fraction、以下、FPEFとする)が高いため、血流直線性が高く、診断精度が高いという優れた特徴も有している。
上記のような特徴により、塩化タリウム−201投与による胸部SPECT画像は、心筋血流量を反映した画像を与えるものと考えられている(非特許文献1)。狭窄や心筋梗塞等により、心筋血流量が低下することが知られている。塩化タリウム−201投与による胸部SPECT画像を用いることにより、一部に血流量の低下した部位が存在している場合において、血流の低下した部位を画像上で欠損部位として認識することが可能となった。
しかしこの画像は、心筋血流量の絶対定量値を反映したものではなく、相対的な信号強度を表示しているので、全体として血流量が低下している場合には、異常を認めることが困難な場合がある。また、画像表示の条件により、欠損部位の大きさ等が変化する場合があるという問題もあった。
このような理由から、心臓病の画像診断においては、心筋血流量の絶対定量値を反映した画像を用いることが望ましい。
心筋血流量の定量法としては、陽電子放出型断層撮像(Positron Emission Tomography)(以下、PETと称す)を用いた方法が確立されている。例えば、酸素−15標識水投与によるPET画像より求める方法や、窒素−13で標識したアンモニアの投与によるPET画像より求める方法が開示されている(非特許文献2)。しかし、この検査に用いる核種である酸素−15及び窒素−13は、その半減期がそれぞれ約10分及び約2分と極めて短いため、一部の施設を除き、実施することが困難である。従って、心筋血流定量法としては、より広い施設で実施可能な、SPECT画像を用いた方法を用いることが望ましい。
一方、脳血流量については、SPECT画像より求める方法が種々提案されており、臨床応用に向けて検討されている。例えば、塩酸N−イソプロピル−4−ヨード(123I)アンフェタミン(以下、123I-IMPという)投与によるSPECT画像を用い、マイクロスフィアモデルやコンパートメントモデルにより定量する方法が開示されている(非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6)。
H. Iida & Stefan Eberl, "Quantitative assessment of regional myocardial blood flow with thallium-201 and SPECT.", J. Nucl. Cardiol., (USA), The American Society of Nuclear Cardiology, 1998, May/June, p.313-331 Steven R. Bergmann, "Cardiac Positron Emission Tomography.", Seminars in Nuclear Medicine, (USA), W.B. Saunders Company, 1998, XXVIII, 4, p.320-340 米倉 義晴 他、「非侵襲的マイクロスフェア法によるIMP脳血流SPECTの定量化−動態イメージングによる入力関数積分値の推定−」、核医学、日本核医学会、1997、34、p.901-908 中野 正剛 他、「123I-IMPを用いた非侵襲的マイクロスフェア法による局所脳血流量測定−Fractional Uptake変法と持続動脈血法との比較−」、核医学、日本核医学会、1998、35、p.209-218 Iida H., et al., "Quantitative mapping of regional cerebral blood flow using [123I] N-isopropyl-p-iodoamphetamine (IMP) and single photon emission tomography.", J. Nucl. Med.,(USA), Society of Nuclear Medicine , 1994, 35,p.2019-2030 飯田 秀博 他、「123I-IMPを用いたSPECT 1回スキャンと1回採血による局所脳血流量の測定−統計的誤差要因の解析と最適なSPECTスキャン中心時刻に関する検討−」、核医学、1995、32、p.263-270
上述したように、脳血流量に関しては、SPECT画像より定量値を求めることが可能となっている。しかし、タリウム−201投与による胸部SPECT画像を用いてこの方法と同様の手順にて血流量を定量すると、得られた定量値は、マイクロスフィア法によって求めた値との相関は得られるものの、その傾きが1とは大きく異なっている(H. Iida & S. Eberl, J. Nucl. Cardiol., (USA), 1998, May/June, p.313-331)。この結果は、頭部SPECTにて脳血流量の定量法として確立された方法では、タリウム−201投与による胸部SPECT画像から正確な心筋血流量が定量できないことを示している。従って、タリウム−201を初めとする放射性医薬品投与による胸部SPECT画像より心筋血流の定量値を求めるためには、頭部SPECTにて確立された血流量の定量法とは別の方法を用いる必要があるが、そのような方法は現在までのところ開示されていなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、タリウム−201投与SPECT画像を用いて心筋血流量を定量する方法、その方法を実施するためのプログラム及びシステムを提供することを目的とした。
発明者等は鋭意検討を重ねた結果、動脈血血漿中の放射能量に対応する入力関数を用いて仮の流量の値を求め、その値をヘマトクリット値より導かれる補正項により補正することによって上記問題が克服され、胸部SPECT画像より心筋血流量の絶対定量値を求め得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一側面に係る心筋血流量の定量法は、被験者における胸部のSPECT画像を取得する第1のステップと、被験者の動脈血血漿中の放射能量に対応した入力関数を求める第2のステップと、求められた入力関数を用い、取得したSPECT画像中の関心部位における信号強度から、当該関心部位における仮の流量を求める第3のステップと、該仮の流量に下記式(1):
Figure 0004895080
(式中、Hmはヘマトクリット値を表す)で与えられる補正係数を乗じて血流量を求める第4のステップと、を含むことを特徴とする。
上記心筋血流量の定量法において、好ましくは、前記第1のステップは、放射性医薬品投与を行った被験者の胸部をSPECTカメラにて撮像して一連のSPECTデータを取得するステップを有し、前記第2のステップは、前記被験者由来の動脈血から血漿を分離し、該血漿における単位時間単位質量当りの放射能量を測定するステップと、前記複数の採血時刻における前記放射能量の測定値より、時刻tにおける血漿中の放射能量を表す入力関数Ca(t)を求めるステップとを有する。
上記心筋血流量の定量法において、好ましくは、前記第1のステップは、放射性医薬品投与を行った被験者の胸部をSPECTカメラにて撮像して一連のSPECTデータを取得するステップを有し、前記第2のステップは、前記被験者由来の動脈血から血漿を分離し単位時間単位質量当りの放射能量を測定するステップと、前記複数の採血時刻における前記放射能量の測定値についての近似曲線を求めることにより時刻tにおける血漿中の放射能量を表す入力関数Ca(t)を求めるステップとを有する。
上記心筋血流量の定量法において、好ましくは、前記第1のステップは、放射性医薬品投与を行った被験者の胸部をSPECTカメラにて撮像して一連のSPECTデータを取得するステップを有し、前記第2のステップは、標準入力関数の時刻t1における値に対する時刻t 1 における前記被験者由来の動脈血の単位時間単位質量当りの放射能量の測定値の比を前記標準入力関数に乗じ、さらに、下記式(2):
Figure 0004895080
(式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量を表す入力関数Ca(t)を求める。
上記心筋血流量の定量法において、好ましくは、前記第1のステップは、放射性医薬品投与を行った被験者の胸部をSPECTカメラにて撮像して一連のSPECTデータを取得するステップを有し、前記第2のステップは、前記被験者由来の動脈血における単位時間単位質量当りの放射能量を測定するステップと、前記複数の採血時刻における前記放射能量の測定値より、時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca’(t)を求めるステップと、前記求めた入力関数Ca’(t)に対し、下記式(2):
Figure 0004895080
(式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求めるステップとを有する。
上記心筋血流量の定量法において、好ましくは、前記第1のステップは、放射性医薬品投与を行った被験者の胸部をSPECTカメラにて撮像して一連のSPECTデータを取得するステップを有し、前記第2のステップは、前記被験者由来の動脈血の単位時間単位質量当りの放射能量を測定するステップと、前記複数の採血時刻における前記放射能量の測定値についての近似曲線を求めることにより時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca'(t)を求めるステップと、前記求めた入力関数Ca'(t)に対し、下記式(2):
Figure 0004895080
(式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求めるステップとを有する。
上記心筋血流量の定量法において、好ましくは、前記第1のステップは、放射性医薬品投与を行った被験者の胸部をSPECTカメラにて撮像して一連のSPECTデータを取得するステップを有し、前記第2のステップは、標準入力関数を求めるときに投与した放射性医薬品の投与量に対する前記被験者に投与した放射性医薬品の投与量の比と、前記標準入力関数を求めるときに利用した検体の体重に対する前記被験者の体重の比を前記標準入力関数に乗じることにより、時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca'(t)を求め、下記式(2):
Figure 0004895080
(式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求めるステップとを有する。
上記心筋血流量の定量法において、好ましくは、前記第3のステップは、前記一連のSPECTデータから異なる中心スキャン時刻t1及びt2での加算画像を作成し、両画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t1)及びCt(t2)を求めるステップと、前記測定したSPECTカウントCt(t1)及びCt(t2)と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを下記式(3):
Figure 0004895080
に代入し、テーブルルックアップによりk2の値を求めるステップと、前記求めたk2の値と前記測定したSPECTカウントCt(t1)又はCt(t2)と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを下記式(4):
Figure 0004895080
に代入することにより仮の流量fを求めるステップとを有する。
上記心筋血流量の定量法において、好ましくは、前記第3のステップは、前記一連のSPECTデータから中心スキャン時刻t1での加算画像を作成し、指定された関心部位のSPECTカウントCt(t1)を求めるステップと、予め与えられた分配係数Vdと前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)と前記測定したSPECTカウントCt(t1)とを下記式(5):
Figure 0004895080
に代入し、テーブルルックアップにより仮の流量fを求めるステップを有する。
上記心筋血流量の定量法において、好ましくは、前記第3のステップは、前記一連のSPECTデータから複数の中心スキャン時刻tにおける複数の画像を作成し、全画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t)を求めるステップと、求めたCt(t)と前記中心スキャン時刻tとの関係を表すタイムインテンシティーカーブを作成するステップと、下記式(5):
Figure 0004895080
に前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)を代入した上で前記タイムインテンシティーカーブとのフィッティングを行い、分配係数Vdとともに仮の流量fを求めるステップとを有する。
上記心筋血流量の定量法において、好ましくは、前記第3のステップは、前記一連のSPECTデータから複数の中心スキャン時刻tにおける複数の画像を作成し、全画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t)を求めるステップと、求めたCt(t)と前記中心スキャン時刻tとの関係を表すタイムインテンシティーカーブを作成するステップと、下記式(5):
Figure 0004895080
に予め与えられた分配係数Vdの値と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを代入した上で前記タイムインテンシティーカーブとのフィッティングを行い、仮の流量fを求めるステップとを有する。
本発明の別の一側面に係る心筋血流量を定量するためのプログラムは、被験者における動脈血血漿中の放射能量に対応した入力関数を求める入力関数作成処理と、被験者における胸部のSPECT画像データから関心部位の信号強度を抽出する信号強度抽出処理と、求められた入力関数及び抽出された関心部位における信号強度を用い、当該関心部位における仮の流量を求める仮の流量計算処理と、該仮の流量に下記式(1):
Figure 0004895080
(式中、Hmはヘマトクリット値を表す)で与えられる補正係数を乗じて血流量を求める血流量計算処理と、をコンピュータに順次実行させる機能を含む。
ここで、被験者における動脈血血漿中の放射能量に対応した入力関数を求める入力関数作成処理と、被験者における胸部のSPECT画像データから関心部位の信号強度を抽出する信号強度抽出処理とを実行させる順序は、互いに入れ替わっていても良い。
上記心筋血流量を定量するためのプログラムにおいて、好ましくは、前記入力関数作成処理は、前記コンピュータに記憶された複数の時刻における血漿中の放射能量の測定値についての近似曲線を求めることにより時刻tにおける血漿中の放射能量を表す入力関数Ca(t)を求める。
上記心筋血流量を定量するためのプログラムにおいて、好ましくは、前記入力関数作成処理は、標準入力関数の時刻t1における値に対する、前記コンピュータに記憶された時刻t1における動脈血の単位時間単位質量当りの放射能量の測定値の比を前記標準入力関数に乗じ、さらに、下記式(2):
Figure 0004895080
(式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量を表す入力関数Ca(t)を求める。
上記心筋血流量を定量するためのプログラムにおいて、好ましくは、前記入力関数作成処理は、前記コンピュータに記憶された複数の採血時刻における前記放射能量の測定値より時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca’(t)を求め、前記求めた入力関数Ca’(t)に対し、下記式(2):
Figure 0004895080
(式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求める。
上記心筋血流量を定量するためのプログラムにおいて、好ましくは、前記入力関数作成処理は、前記コンピュータに記憶された複数の採血時刻における前記放射能量の測定値についての近似曲線を求めることにより時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca'(t)を求め、前記求めた入力関数Ca'(t)に対し、下記式(2):
Figure 0004895080
(式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求める。
上記心筋血流量を定量するためのプログラムにおいて、好ましくは、前記入力関数作成処理は、標準入力関数を求めるときに投与した放射性医薬品の投与量に対する、前記コンピュータに記憶された前記被験者に投与した放射性医薬品の投与量の比と、前記標準入力関数を求めるときに利用した検体の体重に対する、前記コンピュータに記憶された前記被験者の体重の比を前記標準入力関数に乗じることにより、時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca'(t)を求め、下記式(2):
Figure 0004895080
(式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求める。
上記心筋血流量を定量するためのプログラムにおいて、好ましくは、前記信号強度抽出処理は、前記コンピュータに記憶された前記SPECT画像データを構成する一連のSPECTデータから異なる中心スキャン時刻t1及びt2での加算画像を作成し、両画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t1)及びCt(t2)を求め、前記仮の流量計算処理は、前記求めたSPECTカウントCt(t1)及びCt(t2)と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを下記式(3):
Figure 0004895080
に代入し、テーブルルックアップによりk2の値を求めるステップと、前記求めたk2の値と前記求めたSPECTカウントCt(t1)又はCt(t2)と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを下記式(4):
Figure 0004895080
に代入することにより仮の流量fを求める。
上記心筋血流量を定量するためのプログラムにおいて、好ましくは、前記信号強度抽出処理は、前記コンピュータに記憶された前記SPECT画像データを構成する一連のSPECTデータから中心スキャン時刻t1での加算画像を作成し、指定された関心部位のSPECTカウントCt(t1)を求め、前記仮の流量計算処理は、予め与えられた分配係数Vdと前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)と前記求めたSPECTカウントCt(t1)とを下記式(5):
Figure 0004895080
に代入し、テーブルルックアップにより仮の流量fを求める。
上記心筋血流量を定量するためのプログラムにおいて、好ましくは、前記信号強度抽出処理は、前記コンピュータに記憶された前記SPECT画像データを構成する一連のSPECTデータから複数の中心スキャン時刻tにおける複数の画像を作成し、全画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t)を求め、求めたCt(t)と前記中心スキャン時刻tとの関係を表すタイムインテンシティーカーブを作成し、前記仮の流量計算処理は、下記式(5):
Figure 0004895080
に前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)を代入した上で、前記タイムインテンシティーカーブとのフィッティングを行い、分配係数Vdとともに仮の流量fを求める。
上記心筋血流量を定量するためのプログラムにおいて、好ましくは、前記信号強度抽出処理は、前記コンピュータに記憶された前記SPECT画像データを構成する一連のSPECTデータから複数の中心スキャン時刻tにおける複数の画像を作成し、全画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t)を求め、求めたCt(t)と前記中心スキャン時刻tとの関係を表すタイムインテンシティーカーブを作成し、前記仮の流量計算処理は、下記式(5):
Figure 0004895080
に予め与えられた分配係数Vdの値と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを代入した上で前記タイムインテンシティーカーブとのフィッティングを行い、仮の流量fを求める。
本発明のまた別の一側面に係る血流量定量システムは、被験者における胸部のSPECT画像データから関心部位の信号強度を抽出する信号強度抽出手段と、被験者における動脈血血漿中の放射能量に対応した入力関数を求める入力関数作成手段と、求められた該入力関数及び該抽出された関心部位における信号強度を用い、当該関心部位における仮の流量を求める仮の流量計算手段と、該仮の流量に下記式(1):
Figure 0004895080
(式中、Hmはヘマトクリット値を表す)で与えられる補正係数を乗じることにより、被験者の当該関心部位における血流量を求める血流量計算手段と、を備える。
上記血流量定量システムにおいて、好ましくは、前記入力関数作成手段は、与えられた複数の時刻における血漿中の放射能量の測定値についての近似曲線を求めることにより時刻tにおける血漿中の放射能量を表す入力関数Ca(t)を求める。
上記血流量定量システムにおいて、好ましくは、前記入力関数作成手段は、標準入力関数の時刻t1における値に対する、与えられた時刻t1における動脈血の単位時間単位質量当りの放射能量の測定値の比を前記標準入力関数に乗じ、さらに、下記式(2):
Figure 0004895080
(式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量を表す入力関数Ca(t)を求める。
上記血流量定量システムにおいて、好ましくは、前記入力関数作成手段は、与えられた複数の採血時刻における前記放射能量の測定値より時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca’(t)を求め、前記求めた入力関数Ca’(t)に対し、下記式(2):
Figure 0004895080
(式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求める。
上記血流量定量システムにおいて、好ましくは、前記入力関数作成手段は、与えられた複数の採血時刻における前記放射能量の測定値についての近似曲線を求めることにより時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca'(t)を求め、前記求めた入力関数Ca'(t)に対し、下記式(2):
Figure 0004895080
(式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求める。
上記血流量定量システムにおいて、好ましくは、前記入力関数作成手段は、標準入力関数を求めるときに投与した放射性医薬品の投与量に対する、与えられた前記被験者に投与した放射性医薬品の投与量の比と、前記標準入力関数を求めるときに利用した検体の体重に対する、与えられた前記被験者の体重の比を前記標準入力関数に乗じることにより、時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca'(t)を求め、下記式(2):
Figure 0004895080
(式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求める。
上記血流量定量システムにおいて、好ましくは、前記信号強度抽出手段は、与えられた前記SPECT画像データを構成する一連のSPECTデータから異なる中心スキャン時刻t1及びt2での加算画像を作成し、両画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t1)及びCt(t2)を求め、前記仮の流量計算手段は、前記測定したSPECTカウントCt(t1)及びCt(t2)と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを下記式(3):
Figure 0004895080
に代入し、テーブルルックアップによりk2の値を求めるステップと、前記求めたk2の値と前記測定したSPECTカウントCt(t1)又はCt(t2)と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを下記式(4):
Figure 0004895080
に代入することにより仮の流量fを求める。
上記血流量定量システムにおいて、好ましくは、前記信号強度抽出手段は、与えられた前記SPECT画像データを構成する一連のSPECTデータから中心スキャン時刻t1での加算画像を作成し、指定された関心部位のSPECTカウントCt(t1)を求め、前記仮の流量計算手段は、予め与えられた分配係数Vdと前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)と前記求めたSPECTカウントCt(t1)とを下記式(5):
Figure 0004895080
に代入し、テーブルルックアップにより仮の流量fを求める。
上記血流量定量システムにおいて、好ましくは、前記信号強度抽出手段は、与えられた前記SPECT画像データを構成する一連のSPECTデータから複数の中心スキャン時刻tにおける複数の画像を作成し、全画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t)を求め、求めたCt(t)と前記中心スキャン時刻との関係を表すタイムインテンシティーカーブを作成し、前記仮の流量計算手段は、下記式(5):
Figure 0004895080
に前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)を代入した上で、前記タイムインテンシティーカーブとのフィッティングを行い、分配係数Vdとともに仮の流量fを求める。
上記血流量定量システムにおいて、好ましくは、前記信号強度抽出手段は、与えられた前記SPECT画像データを構成する一連のSPECTデータから複数の中心スキャン時刻tにおける複数の画像を作成し、全画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t)を求め、求めたCt(t)と前記中心スキャン時刻との関係を表すタイムインテンシティーカーブを作成し、前記仮の流量計算手段は、下記式(5):
Figure 0004895080
に予め与えられた分配係数Vdの値と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを代入した上で前記タイムインテンシティーカーブとのフィッティングを行い、仮の流量fを求める。
本発明に係る方法、プログラム及びシステムを用いることにより、胸部SPECT画像より、関心部位における心筋血流量を定量することが可能となった。
以下、本発明に係る心筋血流量の定量法における、好ましい実施形態につき、図面を参照して説明する。
本発明に係る心筋血流定量法を実行するための検査のプロトコールは、種々のものを用いることができる。図1に、本発明によって心筋血流量を定量するための、代表的なプロトコールを示す。
図1に示すように、本発明に係る心筋血流量の定量法においては、まず、胸部SPECT画像を取得する(ステップS01)。胸部SPECT画像は、被験者に放射性医薬品を投与し、汎用のSPECTカメラにて撮像するといった、公知の方法により得ることができる。
放射性医薬品は、胸部SPECT用のものである限りにおいて特に限定する必要はない。例えば、塩化タリウム−201や、テクネチウム−99m−ヘキサキス−2−メトキシ−2−イソブチル−イソニトリル(以下、MIBIとする)(カルディオライト、登録商標、第一ラジオアイソトープ研究所製)、テクネチウム−99m−テトロフォスミン(以下、テトロフォスミンとする)(マイオビュー、登録商標、日本メジフィジックス株式会社製)等を用いることができる。
胸部SPECT画像は種々の方法により取得可能であり、好ましくは、投与直後より一定時間(例えば10分間)にかけて、ダイナミックSPECTデータを収集する方法をとることができる。このとき、収集したデータを加算することによって、良好な画像データを得ることができるが、投与直後(例えば、投与直後から2.5分後)のデータは、組織内放射能濃度の時間変化が大きいため、このデータ加算には用いないことが望ましい。加算に用いたダイナミックSPECTデータの中心スキャン時刻(一般には、放射性医薬品投与からの経過時間を用いる)を、SPECT画像取得時刻として、後の計算に用いる。
次いで、動脈血血漿中の放射能濃度に対応した入力関数を作成する(ステップS02)。入力関数の作成方法は、種々の方法を用いることができる。図2から図4に、入力関数作成プロトコールの一例を示す。
なお、図3及び図4記載のプロトコールに従って入力関数を求めるためには、予め標準入力関数と補正項を求めておく必要がある。標準入力関数及び補正項の取得方法については、後述する。
図2に示す方法では、まず、放射性医薬品を投与後、複数の時刻で動脈血の採血を行う(ステップS11)。採血時刻は、後の計算で積分値の計算を可能とするために十分な時間間隔及び測定回数となるように選択する。例えば、血中放射能量の時間変化が大きい投与後2分までは15秒間隔で採血を行い、その後は徐々に採血間隔を広げながら、例えば投与後90分までにかけて断続的に採血を行う。ここで、採血量は、血中放射能量を測定するために十分な量(例えば、1.5 mL)とする。
次に、採取した動脈血につき、遠心分離機を用いて血漿を分離し(ステップS12)、血漿の放射能量を測定する(ステップS13)。
放射能量の測定は、公知の方法を用いることができる。例えば、市販のWell型シンチレーションカウンターにて測定された血液のカウント(放射能量に対応)を、下記式(6):
Figure 0004895080
(ここで、Countsはシンチレーションカウンターで計測したカウント数、Tはカウント収集時間、Wはカウントに用いた血液の質量)に従い、単位時間単位質量あたりの値に変換する。
得られた血漿カウントの値を動脈血の採取時刻に対してプロットし、近似曲線を求めることにより、入力関数を得ることができる(ステップS14)。近似曲線を求めるには、例えば非線形最小二乗法によるカーブフィッティングを行う。
一方、標準入力関数が予め得られている場合は、図3及び図4のプロトコールに示した方法によって求めることができる。図3に示す方法では、まず、被験者の動脈血における放射能量(ステップS21)を測定する。この動脈血は、放射性医薬品投与から一定時間経過後に、被験者より採取したものが用いられる。動脈血を採血する時刻は、血中放射能濃度の時間変化が十分に小さい時刻とすることが好ましい。この時刻は、標準入力関数の形状より決定することができ、例えば、ラットを対象とした場合においては、放射性医薬品投与の約10分後以降であれば良い。
動脈血の採取量は、採取した動脈血の放射能量を測定するのに十分な量であれば良く、通常は1.5 mLあれば十分である。
放射能量の測定は、公知の方法を用いることができる。例えば、市販のWell型シンチレーションカウンターにて測定された血液のカウント(放射能量に対応)を、下記式(7):
Figure 0004895080
(ここで、Countsはシンチレーションカウンターで計測したカウント数、Tはカウント収集時間、Wはカウントに用いた血液の質量)に従い、単位時間単位質量あたりの値に変換する。この単位時間単位質量あたりのカウント(放射能量に対応)を、放射性医薬品投与後の時刻t1における動脈血の放射能量の値Cp(t1)として用いる。
次に、上記で求めた動脈血の放射能量Cp(t1)を用いて標準入力関数を補正することにより全血の放射能量に対応した入力関数を求め(ステップS22)、この全血の放射能量に対応した入力関数につき補正項を乗じることにより、血漿中の放射能量に対応した入力関数への変換を行う(ステップS23)。
標準入力関数の補正、すなわち全血の放射能量に対応した入力関数の作成(ステップS22)は、以下の方法によって行うことができる。
まず、標準入力関数を構成するデータから、動脈血を被験者から採取した時刻と実質的に等しい時刻t1における放射能量Ca(t1)を抽出し、動脈血の放射能量の値Cp(t1)との比:
Figure 0004895080
を求める。この比の値を、標準入力関数を構成する各データに乗ずることにより、標準入力関数を補正することができる(ステップS22)。この補正された標準入力関数が、全血の放射能量に対応する入力関数となる。
この全血の放射能量に対応する入力関数につき、下記式(2):
Figure 0004895080
(式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)で与えられる補正係数を乗じることにより、動脈血血漿中の放射能量に対応した入力関数を得ることができる(ステップS23)。
なお、図2を参照して説明した入力関数の作成方法において、ステップS12における動脈血からの血漿の分離を行わず、この動脈血についてステップS13及びステップS14の処理を行って全血の放射能量に対応した入力関数を求めた後、上記のステップS23と同様に血漿中の放射能量に対応した入力関数を求めてもよい。
図4のプロトコールに示した方法は、被験者の動脈血における放射能量を用いずに、放射性医薬品の投与量及び被験者の体重より入力関数を推定する点で、図3のプロトコールに示す方法と異なっている。
本プロトコールにて入力関数を推定する場合には、まず、標準入力関数の作成に用いた放射線検出器の絶対感度を求める。これには標準的な放射能サンプルを利用する。一方、同様の感度較正を当該実験実施する各施設に設置される放射能検出器においても実施し、この検出器の相対的な感度を算出しておく。さらに、実験を行うSPECT装置と放射能検出器とのクロスキャリブレーションを実施する。これらの較正換算定数を用いて各実験における標準入力関数のキャリブレーションファクターを定める。
そして、入力関数を次のように求める。まず、被験者に投与した放射性医薬品の投与量及び被験者の体重を取得し(ステップS31)、標準入力関数を求めるときに投与した放射性医薬品の投与量に対する被験者に投与した放射性医薬品の投与量の比と、標準入力関数を求めるときに利用した検体の体重と被験者の体重比を、この標準入力関数に乗じて個々の被験者についての入力関数とする(ステップS32)。次に上記のステップS23と同様に血漿中の放射能量に対応した入力関数を求める(ステップS33)。
図1において、ステップS01、S02に示す胸部SPECTデータ取得及び動脈血血漿中の放射能量に対応した入力関数の作成が完了したら、SPECT画像上の関心部位における仮の流量を計算する(ステップS03)。
計算は、種々のモデルに基づいて行うことができ、例えば、3コンパートメントモデルや、2コンパートメントモデルに基づいて行うことができる。以下に、2コンパートメントモデルに基づく方法を例にとり、仮の流量の計算法につき説明する。
2コンパートメントモデルとは、投与した放射性医薬品が血中と組織とに分配されると仮定したモデルであり、下記の式(5)により表される。
Figure 0004895080
ここで、tはSPECT加算データにおける中心スキャン時刻、Ct(t)(cps/mL)は関心部位におけるSPECTカウント、Ca(t)は入力関数(cps/mL)、Vd(mL/g)は心筋組織と血液における放射性医薬品の分配係数、f(mL/mL/min)は仮の流量である。関心部位におけるSPECTカウントCt(t)(cps/mL)は、血流量を求めたい部分をSPECT画像上にて関心領域として指定し、その領域におけるカウントの平均値とすることもできるが、血流量を求める部分をピクセル単位で指定し、該ピクセルにおけるカウントとすることもできる。
Vdの値が未知の場合は、例えば以下の方法により仮の流量が求められる。
まず、一連のSPECTデータより、異なる中心スキャン時刻t1及びt2での加算画像を作成し、両画像に同一の関心部位を指定してCt(t1)及びCt(t2)を測定する。
この操作とは別に、上記式(5)に、それぞれt1及びt2を代入した二つの式を作成し、これらの式の両辺につき割り算を行う。この操作により、下記式(3)が得られる。
Figure 0004895080
Figure 0004895080
まず、次のようにテーブルルックアップによりk2の値を求める。この式(3)に任意のk2を代入することにより、Aの計算値が得られる。この操作を、k2を少しずつ変えながら繰り返すことにより、k2とAの関係を表す表を作成することができる。Aの値は上記Ct(t1)及びCt(t2)の実測値より計算できるので、実測値に基づいて計算されたAを用い、この表からk2の値を読み取ることができる。
この読み取ったk2の値、上記測定したCt(t1)又はCt(t2)、上記求めたCa(t)を、下記式(4):
Figure 0004895080
(tはSPECT加算データにおける中心スキャン時刻、Ct(t)(cps/mL)は関心部位におけるSPECTカウント、Ca(t)は入力関数(cps/mL)、f(mL/mL/min)は仮の流量である)に代入することにより、仮の流量fが求められる(ステップS03)。
一方、分配係数Vdの値が被験者ごとに大きく異ならなければ、分配係数Vdは事前の調査より蓄積された測定結果から推定した値、例えば、事前の調査より蓄積された測定結果の平均値を予め与えられたVdの値として用いることができる。
この場合、次のようにテーブルルックアップによりfの値を求める。上記のVd、上記で求められたCa(t)、及び加算データの中心スキャン時刻tを上記式(4)に代入し、任意のfを代入して式(4)からCt(t)の計算値を求めることができる。この操作を、fを少しずつ変えながら繰り返し、fとCt(t)の関係を表す表を作成しておけば、測定されたCt(t)から該表を用いて仮の流量であるfを読み取ることができる(ステップS03)。
得られた仮の流量に対し、下記式(1)
Figure 0004895080
(式中、Hmはヘマトクリット値を表す)で与えられる補正係数を乗じることにより、目的とする関心部位における心筋血流量が求められる(ステップS04)。
次に、図3及び図4のプロトコールに示した方法にて用いられた、標準入力関数及び補正項の取得方法につき、詳細に説明する。
標準入力関数とは、血中放射能量の標準的な値を時間の関数として表現したものであり、複数の検体における血中放射能量の平均値として求めることができる。
標準入力関数を求めるには、まず、複数の検体に対し、放射性医薬品を投与し、複数の時刻で動脈血の採血を行う。このとき、それぞれの検体につき、実質的に採血時刻をそろえる。
採血時刻は、後の計算で積分値の計算を可能とするために十分な時間間隔及び測定回数となるように選択する。例えば、血中放射能量の時間変化が大きい投与後2分までは15秒間隔で採血を行い、その後は徐々に採血間隔を広げながら、例えば投与後90分までにかけて断続的に採血を行う。ここで、採血量は、血中放射能量を測定するために十分な量(例えば、1.5 mL)とする。
次に、採取した動脈血を二分し、一方につき、上記と同様の方法にて、単位時間単位質量当りのカウントを測定する。得られた単位時間単位質量当りのカウント(放射能量に対応)につき、採血時刻ごとに検体間での平均値を計算する。この結果を採血時刻に対してプロットしたものが、標準入力関数となる。また、このプロットから、カーブフィッティング等により求めた近似曲線を、標準入力関数として用いても良い。
二分したもう一方の動脈血については、遠心分離機を用いて血球成分と血漿成分とに分離し、全血の場合と同様に、血漿中における単位時間単位質量あたりのカウントを求め、採血時刻ごとに検体間での平均値を計算する。
各採血時刻に対応したカウントにつき、血漿の放射能量と全血の放射能量との比を作成し、補正項:
Figure 0004895080
(式中、Cpla(t)は時刻tにおける血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける全血の放射能量)が求められる。
次に、本発明に係る定量プログラムにおける好ましい実施形態につき、図面を参照して説明する。図5は、本発明の実施の形態にかかる定量プログラムの構成を、記録媒体と共に示す図である。図6は、本発明に係るプログラムの最も好ましい実施態様における、処理の流れを示すフローチャートである。
最も好ましい実施態様において、図5に示す定量プログラム100は、記録媒体200に格納されて提供される。記録媒体200としては、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD、あるいはその他のROM等の記録媒体あるいは半導体メモリ等が例示される。
プログラム100が格納された記録媒体200をコンピュータに備えられた読取装置に挿入することにより、コンピュータがプログラム100にアクセス可能になり、当該定量プログラム100によって、定量システム300として動作することが可能となる。
図5に示すように、定量プログラム100は、処理を統括するメインモジュール10と、入力モジュール20と、入力関数作成モジュール30と、SPECTカウント抽出モジュール40と、血流量計算モジュール50と、出力モジュール60とを備えている。
メインモジュール10は、その他の各モジュールによる処理を順次コンピュータに実行させる。すなわち、入力モジュール20によるSPECT画像情報入力処理(ステップS41)、入力関数作成モジュール30による入力関数作成処理(ステップS42)、SPECTカウント抽出モジュール40によるSPECTカウント抽出処理、血流量計算モジュール50による仮の流量計算処理(ステップS43)及び血流量計算処理(ステップS44)、出力モジュール60による結果出力処理(ステップS45)の順にコンピュータに実行させる(図6参照)。以下、各モジュールによる処理を説明する。
入力モジュール20は、コンピュータに心筋血流量を定量するために必要なデータの入力操作を実行させる(ステップS41)。ここで、必要なデータは、定量に用いるモデルや、入力関数の作成方法に応じて種々選択されるが、被験者のSPECT画像データは必ず含まれる。SPECT画像データとしては、上述したステップS01にて取得されたデータが入力され、コンピュータの記憶装置に記憶される。SPECT画像データは、一連のSPECTデータから構成され、各SPECTデータはピクセル毎の信号強度を表す値から構成される。また、入力関数の作成を図2又は3に示すプロトコールに従って実施する場合は、血漿又は動脈血における放射能量の測定値及び動脈血の採取時刻に関するデータとして、上述したステップS13又はステップS21にて得られた値が入力され、コンピュータの記憶装置に記憶される。一方、入力関数の作成を図4に示すプロトコールに従って実施する場合は、被験者の体重及び放射性医薬品の投与量に関する情報として、上述したステップS31にて得られた値が入力され、コンピュータの記憶装置に記憶される。
入力関数作成モジュール30は、コンピュータに、動脈血血漿における放射能量に対応した入力関数の作成操作を実行させる(ステップS42)。具体的には、入力関数を作成するプロトコールが図2、図3、図4のいずれであるかに応じて、コンピュータに、ステップS14、又は、ステップS22〜ステップS23、又は、ステップS32〜ステップS33に係る処理を実行させる。ここで、入力関数作成モジュール30を含む定量プログラム100が格納される記録媒体200には、上記の各ステップにおいて用いられる標準入力関数、時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量Cpla(t)、時刻tにおける標準的な全血の放射能量Ctot(t)について、所定の範囲及び刻みで与えられた時刻tとこれに対応する標準入力関数の値、Cpla(t)の値、Ctot(t)の値からなるテーブルデータ、及び、標準入力関数を求めるときに投与した放射性医薬品の投与量及び検体の体重が予め格納されており、これらは処理内容に応じて読み出されコンピュータの記憶装置に記憶される。
ステップS14における入力関数を求める処理は、複数の採血時刻における放射能量の測定値をテーブルデータとしてコンピュータの記憶手段に記憶するか、あるいは、複数の採血時刻における放射能量の測定値についてカーブフィッティング等により近似曲線を求め、所定の範囲及び刻みで与えられた時刻について、対応する近似曲線の値をテーブルデータとしてコンピュータの記憶手段に記憶する。
ステップS22において時刻t1における標準入力関数の値を求めるときに、上記した所定の範囲及び刻みで与えられた時刻とこれに対応する標準入力関数の値のテーブルデータにおいて、時刻t1が所定の範囲及び刻みで与えられた時刻のいずれとも一致しない場合は、t1に最も近い時刻を特定し、これに対応する標準入力関数の値を用いる。また、比の値を標準入力関数を構成する各データに乗じるときには、上記のテーブルデータに存在する、所定の範囲及び刻みで与えられた時刻に対応する標準入力関数の各々の値に比の値を乗じる。
ステップS23の補正係数を乗じる処理は、上記のテーブルデータに存在する、所定の範囲及び刻みで与えられた時刻tについて、ステップS22で補正された標準入力関数の値に対して、Cpla(t)の値及びCtot(t)の値を用いて行う。
ステップS32の標準入力関数を補正する処理は、上記のテーブルデータに存在する、所定の範囲及び刻みで与えられた時刻に対応する標準入力関数の各々の値について、ステップS31で取得して入力されコンピュータの記憶装置に記憶された放射性医薬品の投与量及び被験者の体重、及び、記録媒体200に予め格納された標準入力関数を求めるときに投与した放射性医薬品の投与量及び検体の体重を用いて行う。ステップS33の処理は、上記のステップS23の処理と同様に行う。
なお、前述した、ステップS12における動脈血からの血漿の分離を行わず、この動脈血についてステップS13及びステップS14の処理を行って全血の放射能量に対応した入力関数を求めた後、ステップS23と同様に血漿中の放射能量に対応した入力関数を求める場合のステップS14及びステップS23の処理は上記と同様である。
SPECTカウント抽出モジュール40は、胸部SPCET画像上の関心部位におけるSPECTカウント数(信号強度)の抽出操作を、コンピュータに実行させる。関心部位は、任意に選択された領域として指定しても良いが、1ピクセル単位で選択された部位であっても良い。SPECTカウントは、関心部位を1ピクセル単位で選択した場合は、そのピクセルにおけるカウント数より求められる。関心部位を選択された領域として指定した場合は、指定された領域におけるカウント数の平均値とすることができる。
なお、関心部位の選択は、コンピュータに備えられた入力装置を用いて行われる。
SPECTカウント数は次のようにして求める。収集された一連のSPECTデータのうち指定した時刻の前後一定時間におけるSPECTデータを対応するピクセルごとに加算して加算画像を作成する。そして、この加算画像のうち上記のようにして選択された関心部位において、各ピクセルの信号強度に比例した値として得られる。
血流量定量モジュール50は、コンピュータに、心筋血流量の定量値の計算操作、すなわち、仮の流量計算操作(ステップS43)及び心筋血流計算操作(ステップS44)を実行させる。具体的には、上記ステップS03及びステップS04に係る処理を、コンピュータに実行させる。
ただし、上記ステップS03に係る処理のうち、式(3)、式(4)に含まれる積分の計算、すなわち下記式(10):
Figure 0004895080
の計算は、上記のテーブルデータにおける時刻の所定の刻みを△tとすると、t/△tを超えないこれに最も近い整数をnとおき、上記式(10)の近似式である下記式(11):
Figure 0004895080
を計算する。fを少しずつ変えながら式(5)における積分の計算を行う場合も、与えられたfに対してf/Vdの値を式(11)のk2に代入して同様に計算する。
出力モジュール60は、得られた心筋血流の定量値を、ディスプレイといった表示装置に出力させる(ステップS45)。好ましい実施態様において、心筋血流の定量値は、表示装置に表示された断層画像上の関心部位に、心筋血流量に応じた輝度又は色彩等によって行うことができる。この場合の断層画像は、被験者におけるSPECTデータを用いることもできるが、CT又はMRIといった他のモダリティによって得られた画像上に表示しても良い。もちろん、得られた心筋血流量の値を表形式等で数値により表示したものであっても良い。
なお、本発明に係る定量プログラム100は、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号としてネットワークを介して提供されるものであっても良い。この場合、定量プログラム100は、コンピュータに備えられた通信装置によって受信され、同じくコンピュータに備えられたメモリに格納されることにより、当該コンピュータにより実行される。
次に、本発明に係る定量システム300につき説明する。
図7は、本発明に係る画像処理装置の構成を示す図である。図7に示すように、定量システム300は、機能的に、入力部310、入力関数作成部320、SPECTカウント抽出部330、血流量計算部340、出力部350より構成されている。
入力部310は、上記ステップS41に係る処理を行う。入力関数作成部320は、上記ステップS42に係る処理を行う。SPECTカウント抽出部330は、上記ステップS43に係る処理を行う。血流量計算部340は、上記ステップS44に係る処理を行う。出力部350は、上記ステップS45に係る処理を行う。
以下に、実施例及び比較例を示して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその内容に限定されるものではない。
本発明にかかる心筋血流量定量法を検証する目的で、イヌを用いた以下の実験を行った。
実験方法:
(1)SPECT撮像及び放射能量の計測
20匹のビーグル犬を3つの群に分け、7匹については安静条件、4匹についてはベータブロッカー(投与量:2-6 mg ボーラス投与に引き続き2 or 4 mg/hrで連続静注、投与経路:静注)の注入による心筋血流量の低下条件、9匹についてはアデノシン(投与量:140 mg/kg/hr to 700 mg/kg/hr、静脈より持続投与)注入による心筋血流量の増加条件下での実験を行った。
各イヌにつき、141Ceを封入したマイクロスフィア(日本アイソトープ協会より購入)3 MBqを、カテーテルを用いて左心室に注入し、動脈血を大動脈より5 mL/minの速度で2分間採取した(以下、動脈血1という)。次いで、塩化タリウム−201(日本メジフィジックス株式会社製)を110Bq/kg静脈投与し、ダイナミックSPECT(使用SPECT装置: 7200A型2ヘッドガンマカメラ、株式会社東芝製)の撮像を、塩化タリウム−201の投与開始時より連続して1時間行った。撮像のフレーム収集時間(rotation rate) は、順に 10 x 1 min(1分間隔で10回) 、 6 x 2 min(2分間隔で6回) 、 3 x 4 min(4分間隔で3回) 、5 x 5 min(5分間隔で5回) とした。また、エネルギーウインドウは77keV中心に34%とした。
一連のダイナミックSPECTスキャン終了後、心筋血流量の変動を確認する目的で、51Crを封入したマイクロスフィア(日本アイソトープ協会より購入)3 MBqを、カテーテルを用いて左心室に注入した。
その後、各動物を塩化カリウム投与により屠殺し、心臓を取り出した。この心臓を分割し、自作のウェルカウンターにて201Tlの放射能カウントを測定し、以下の式(6)を用いて単位時間単位質量当りの放射能量を求めた。
Figure 0004895080
ここで、Countsはシンチレーションカウンターで計測したカウント数、Tはカウント収集時間、Wはカウントに用いた血液の質量である。
さらに、201Tl由来の放射能の減衰を待ち、この心臓組織及び動脈血1における141Ce及び51Crの放射能量を同様の要領にて求めた。
(2)入力関数の決定
ダイナミックSPECT撮像と平行し、以下の要領にて入力関数を求めた。
まず、塩化タリウム−201投与後6分までは20秒間隔、6〜10分までは60秒間隔、10〜20分までは2分間隔、20〜30分までは300秒間隔、30〜60分までは600秒間隔で動脈血を採取した。全20例中6例については、採取した動脈血のうち、一部の採取時間点のものについてその一部を直ちに遠心分離機にかけ、血漿を分離した。採取した動脈血及び分離した血漿につき上記のウェルカウンターを用いて放射能量の測定を行った。
次に、血漿分離を行ったサンプルについては、血漿と全血の放射能量の比を計算し、その比の値を動脈血の採取時刻に対してプロットした。プロットしたデータにつき、IDL data analysis package(Research Syatems, Inc.製)を用いたカーブフィッティングを行い、各時間点における血漿と全血の放射能量の比を見積もった(図8)。各時間点における血漿と全血の放射能量の比を全血の放射能量に乗じることにより、血漿中の放射能量を求めた。得られた血漿中の放射能量を採血時刻に対してプロットすることにより、血漿中の放射能量に対応した入力関数とした。
(3)マイクロフフィア法による心筋血流量
マイクロスフィア法による心筋血流量の値は、以下の方法にて求めた。
まず、上で測定した心臓組織及び動脈血1における141Ce及び51Crの放射能量より、下記式(11)を用いて心筋血流量(mL/分/g)をそれぞれ求めた。
Figure 0004895080
ここで、MBFMSはマイクロスフィア法による心筋血流量、Ctissは組織における放射能量、Cbloodは動脈血における放射能量である。
(4)SPECTデータに基づく心筋血流量
得られたダイナミックSPECT画像上において、心臓前方部、先端部、側面部、後部及び中隔部のそれぞれに円形の関心領域を設定し、各関心領域でのSPECTカウントを求めた。このSPECTカウントの値を各画像の中心スキャン時刻に対してプロットすることにより、各関心領域におけるタイムインテンシティーカーブを作成した。
安静条件にて行った実験結果に基づくタイムインテンシティーカーブにつき、下記式(5)を用いたフィッティングを行い、仮の血流量f及び分配係数Vdの値を求めた。
Figure 0004895080
ここで、tはSPECT加算データにおける中心スキャン時刻、Ct(t)(cps/mL)は関心部位におけるSPECTカウント、Ca(t)は入力関数(cps/mL)、Vd (mL/g)は心筋組織と血液における放射性医薬品の分配係数、f(mL/mL/min)は仮の流量である。
一方、ベータブロッカー及びアデノシン投与を行ったものについては、上記安静例のデータより求めたVdの平均値を上記式(5)に予め代入した上で、各実験結果に基づくタイムインテンシティーカーブへのフィッティングを行って、仮の流量fを求めた。
求めた仮の流量に対し、下記式(1)にて求められる係数を乗じ、心筋血流量を求めた。なおヘマトクリット値は、検体ごとに測定した値を用いた。
Figure 0004895080
結果:
求めた仮の流量の値を、マイクロスフィア法によって求めた心筋血流量の値(141Ceを封入したマイクロスフィア及び、51Crを封入したマイクロスフィアによって求められた値の平均値)に対してプロットしたグラフを、図9に示す。
この図より明らかなように、SPECTデータより求めた仮の流量の値は、マイクロスフィア法により求めた心筋血流量との間に良い相関は見られるものの、傾きを1とした直線からは大きく外れていた。この結果より、仮の流量の値は、心筋血流量の値を真に反映した値であるとはいえないことが示された。
図10に、仮の流量に式(1)による補正項を乗じることによって得られた心筋血流量の値を、マイクロスフィア法によって求めた心筋血流量の値に対してプロットしたグラフを示す。この図より明らかなように、仮の流量の値に式(1)によって求められる補正項を乗じることにより得られた心筋血流量の値は、マイクロスフィア法にて求めた心筋血流量との間に良い相関があり、傾き1の直線上に分布していることが示された。
この結果より、本発明に係る心筋血流量の定量法は、心筋血流量の値を反映した実測値を与え得る方法であることが示された。
本発明は、胸部SPECT画像による関心部位における心筋血流量の定量に用いられる。
本発明に係る定量方法におけるプロトコールの一例を示す図である。 本発明に係る定量方法における入力関数作成プロトコールの一例を示す図である。 本発明に係る定量方法における入力関数作成プロトコールの一例を示す図である。 本発明に係る定量方法における入力関数作成プロトコールの一例を示す図である。 本発明に係る定量プログラムの構成の一例を示す図である。 本発明に係るプログラムにおける処理の流れの一例を示す図である。 本発明に係る定量システムにおける機能ブロック図である。 血漿中の放射能量と全血の放射能量との比の時間変化及びフィッティング結果を示す図である。 仮の流量の値とマイクロスフィア法にて求めた心筋血流量との関係を示す図である。 本発明に係る方法にて求めた心筋血流量と、マイクロスフィア法にて求めた心筋血流量との関係を示す図である。
符号の説明
10…メインモジュール
20…入力モジュール
30…入力関数作成モジュール
40…SPECTカウント抽出モジュール
50…血流量計算モジュール
60…出力モジュール
100…定量プログラム
200…記録媒体
300…定量システム
310…入力部
320…入力関数作成部
330…SPECTカウント抽出部
340…血流量計算部
350…出力部

Claims (32)

  1. 被験者における胸部のSPECT画像を取得する第1のステップと、
    被験者の動脈血血漿中の放射能量に対応した入力関数を求める第2のステップと、
    求められた入力関数を用い、取得したSPECT画像中の関心部位における信号強度から、当該関心部位における仮の流量を求める第3のステップと、
    該仮の流量に下記式(1):
    Figure 0004895080
    (式中、Hmはヘマトクリット値を表す)
    で与えられる補正係数を乗じて血流量を求める第4のステップと、
    を含むことを特徴とする、心筋血流量の定量法。
  2. 前記第1のステップは、放射性医薬品投与を行った被験者の胸部をSPECTカメラにて撮像して一連のSPECTデータを取得するステップを有し、
    前記第2のステップは、前記被験者由来の動脈血から血漿を分離し、該血漿における単位時間単位質量当りの放射能量を測定するステップと、前記複数の採血時刻における前記放射能量の測定値より、時刻tにおける血漿中の放射能量を表す入力関数Ca(t)を求めるステップとを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の心筋血流量の定量法。
  3. 前記第1のステップは、放射性医薬品投与を行った被験者の胸部をSPECTカメラにて撮像して一連のSPECTデータを取得するステップを有し、
    前記第2のステップは、前記被験者由来の動脈血から血漿を分離し単位時間単位質量当りの放射能量を測定するステップと、前記複数の採血時刻における前記放射能量の測定値についての近似曲線を求めることにより時刻tにおける血漿中の放射能量を表す入力関数Ca(t)を求めるステップとを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の心筋血流量の定量法。
  4. 前記第1のステップは、放射性医薬品投与を行った被験者の胸部をSPECTカメラにて撮像して一連のSPECTデータを取得するステップを有し、
    前記第2のステップは、標準入力関数の時刻t1における値に対する時刻t 1 における前記被験者由来の動脈血の単位時間単位質量当りの放射能量の測定値の比を前記標準入力関数に乗じ、さらに、下記式(2):
    Figure 0004895080
    (式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)
    で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量を表す入力関数Ca(t)を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載の心筋血流量の定量法。
  5. 前記第1のステップは、放射性医薬品投与を行った被験者の胸部をSPECTカメラにて撮像して一連のSPECTデータを取得するステップを有し、
    前記第2のステップは、前記被験者由来の動脈血における単位時間単位質量当りの放射能量を測定するステップと、前記複数の採血時刻における前記放射能量の測定値より、時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca’(t)を求めるステップと、前記求めた入力関数Ca’(t)に対し、下記式(2):
    Figure 0004895080
    (式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)
    で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求めるステップとを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の心筋血流量の定量法。
  6. 前記第1のステップは、放射性医薬品投与を行った被験者の胸部をSPECTカメラにて撮像して一連のSPECTデータを取得するステップを有し、
    前記第2のステップは、前記被験者由来の動脈血の単位時間単位質量当りの放射能量を測定するステップと、前記複数の採血時刻における前記放射能量の測定値についての近似曲線を求めることにより時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca’(t)を求めるステップと、前記求めた入力関数Ca’(t)に対し、下記式(2):
    Figure 0004895080
    (式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)
    で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求めるステップとを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の心筋血流量の定量法。
  7. 前記第1のステップは、放射性医薬品投与を行った被験者の胸部をSPECTカメラにて撮像して一連のSPECTデータを取得するステップを有し、
    前記第2のステップは、標準入力関数を求めるときに投与した放射性医薬品の投与量に対する前記被験者に投与した放射性医薬品の投与量の比と、前記標準入力関数を求めるときに利用した検体の体重に対する前記被験者の体重の比を前記標準入力関数に乗じることにより、時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca’(t)を求め、下記式(2):
    Figure 0004895080
    (式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)
    で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求めるステップとを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の心筋血流量の定量法。
  8. 前記第3のステップは、前記一連のSPECTデータから異なる中心スキャン時刻t1及びt2での加算画像を作成し、両画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t1)及びCt(t2)を求めるステップと、前記測定したSPECTカウントCt(t1)及びCt(t2)と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを下記式(3):
    Figure 0004895080
    に代入し、テーブルルックアップによりk2の値を求めるステップと、前記求めたk2の値と前記測定したSPECTカウントCt(t1)又はCt(t2)と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを下記式(4):
    Figure 0004895080
    に代入することにより仮の流量fを求めるステップとを有する
    ことを特徴とする請求項2から7のいずれかの項に記載の心筋血流量の定量法。
  9. 前記第3のステップは、前記一連のSPECTデータから中心スキャン時刻t1での加算画像を作成し、指定された関心部位のSPECTカウントCt(t1)を求めるステップと、予め与えられた分配係数Vdと前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)と前記測定したSPECTカウントCt(t1)とを下記式(5):
    Figure 0004895080
    に代入し、テーブルルックアップにより仮の流量fを求めるステップを有する
    ことを特徴とする請求項2から7のいずれかの項に記載の心筋血流量の定量法。
  10. 前記第3のステップは、前記一連のSPECTデータから複数の中心スキャン時刻tにおける複数の画像を作成し、全画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t)を求めるステップと、求めたCt(t)と前記中心スキャン時刻tとの関係を表すタイムインテンシティーカーブを作成するステップと、下記式(5):
    Figure 0004895080
    に前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)を代入した上で前記タイムインテンシティーカーブとのフィッティングを行い、分配係数Vdとともに仮の流量fを求めるステップとを有する
    ことを特徴とする請求項2から7のいずれかの項に記載の心筋血流量の定量法。
  11. 前記第3のステップは、前記一連のSPECTデータから複数の中心スキャン時刻tにおける複数の画像を作成し、全画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t)を求めるステップと、求めたCt(t)と前記中心スキャン時刻tとの関係を表すタイムインテンシティーカーブを作成するステップと、下記式(5):
    Figure 0004895080
    に予め与えられた分配係数Vdの値と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを代入した上で前記タイムインテンシティーカーブとのフィッティングを行い、仮の流量fを求めるステップとを有する
    ことを特徴とする請求項2から7のいずれかの項に記載の心筋血流量の定量法。
  12. コンピュータに、
    被験者における動脈血血漿中の放射能量に対応した入力関数を求める入力関数作成処理と、
    被験者における胸部のSPECT画像データから関心部位の信号強度を抽出する信号強度抽出処理と、
    求められた入力関数及び抽出された関心部位における信号強度を用い、当該関心部位における仮の流量を求める仮の流量計算処理と、
    該仮の流量に下記式(1):
    Figure 0004895080
    (式中、Hmはヘマトクリット値を表す)
    で与えられる補正係数を乗じて血流量を求める血流量計算処理と、
    を順次実行させるための血流量定量プログラム。
  13. コンピュータに、
    被験者における胸部のSPECT画像データから関心部位の信号強度を抽出する信号強度抽出処理と、
    被験者における動脈血血漿中の放射能量に対応した入力関数を求める入力関数作成処理と、
    求められた入力関数及び抽出された関心部位における信号強度を用い、当該関心部位における仮の流量を求める仮の流量計算処理と、
    該仮の流量に下記式(1):
    Figure 0004895080
    (式中、Hmはヘマトクリット値を表す)
    で与えられる補正係数を乗じて血流量を求める血流量計算処理と、
    を順次実行させるための血流量定量プログラム。
  14. 前記入力関数作成処理は、前記コンピュータに記憶された複数の時刻における血漿中の放射能量の測定値についての近似曲線を求めることにより時刻tにおける血漿中の放射能量を表す入力関数Ca(t)を求める
    ことを特徴とする請求項12又は13に記載の血流量定量プログラム。
  15. 前記入力関数作成処理は、標準入力関数の時刻t1における値に対する、前記コンピュータに記憶された時刻t1における動脈血の単位時間単位質量当りの放射能量の測定値の比を前記標準入力関数に乗じ、さらに、下記式(2):
    Figure 0004895080
    (式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)
    で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量を表す入力関数Ca(t)を求める
    ことを特徴とする請求項12又は13に記載の血流量定量プログラム。
  16. 前記入力関数作成処理は、前記コンピュータに記憶された複数の採血時刻における前記放射能量の測定値より時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca’(t)を求め、前記求めた入力関数Ca’(t)に対し、下記式(2):
    Figure 0004895080
    (式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)
    で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求める
    ことを特徴とする請求項12又は13に記載の血流量定量プログラム。
  17. 前記入力関数作成処理は、前記コンピュータに記憶された複数の採血時刻における前記放射能量の測定値についての近似曲線を求めることにより時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca’(t)を求め、前記求めた入力関数Ca’(t)に対し、下記式(2):
    Figure 0004895080
    (式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)
    で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求める
    ことを特徴とする請求項12又は13に記載の血流量定量プログラム。
  18. 前記入力関数作成処理は、標準入力関数を求めるときに投与した放射性医薬品の投与量に対する、前記コンピュータに記憶された前記被験者に投与した放射性医薬品の投与量の比と、前記標準入力関数を求めるときに利用した検体の体重に対する、前記コンピュータに記憶された前記被験者の体重の比を前記標準入力関数に乗じることにより、時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca’(t)を求め、下記式(2):
    Figure 0004895080
    (式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)
    で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求める
    ことを特徴とする請求項12又は13に記載の血流量定量プログラム。
  19. 前記信号強度抽出処理は、前記コンピュータに記憶された前記SPECT画像データを構成する一連のSPECTデータから異なる中心スキャン時刻t1及びt2での加算画像を作成し、両画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t1)及びCt(t2)を求め、
    前記仮の流量計算処理は、前記求めたSPECTカウントCt(t1)及びCt(t2)と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを下記式(3):
    Figure 0004895080
    に代入し、テーブルルックアップによりk2の値を求めるステップと、前記求めたk2の値と前記求めたSPECTカウントCt(t1)又はCt(t2)と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを下記式(4):
    Figure 0004895080
    に代入することにより仮の流量fを求める
    ことを特徴とする請求項14から18のいずれかの項に記載の血流量定量プログラム。
  20. 前記信号強度抽出処理は、前記コンピュータに記憶された前記SPECT画像データを構成する一連のSPECTデータから中心スキャン時刻t1での加算画像を作成し、指定された関心部位のSPECTカウントCt(t1)を求め、
    前記仮の流量計算処理は、予め与えられた分配係数Vdと前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)と前記求めたSPECTカウントCt(t1)とを下記式(5):
    Figure 0004895080
    に代入し、テーブルルックアップにより仮の流量fを求める
    ことを特徴とする請求項14から18のいずれかの項に記載の血流量定量プログラム。
  21. 前記信号強度抽出処理は、前記コンピュータに記憶された前記SPECT画像データを構成する一連のSPECTデータから複数の中心スキャン時刻tにおける複数の画像を作成し、全画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t)を求め、求めたCt(t)と前記中心スキャン時刻tとの関係を表すタイムインテンシティーカーブを作成し、
    前記仮の流量計算処理は、下記式(5):
    Figure 0004895080
    に前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)を代入した上で、前記タイムインテンシティーカーブとのフィッティングを行い、分配係数Vdとともに仮の流量fを求める
    ことを特徴とする請求項14から18のいずれかの項に記載の血流量定量プログラム。
  22. 前記信号強度抽出処理は、前記コンピュータに記憶された前記SPECT画像データを構成する一連のSPECTデータから複数の中心スキャン時刻tにおける複数の画像を作成し、全画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t)を求め、求めたCt(t)と前記中心スキャン時刻tとの関係を表すタイムインテンシティーカーブを作成し、
    前記仮の流量計算処理は、下記式(5):
    Figure 0004895080
    に予め与えられた分配係数Vdの値と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを代入した上で前記タイムインテンシティーカーブとのフィッティングを行い、仮の流量fを求める
    ことを特徴とする請求項14から18のいずれかの項に記載の血流量定量プログラム。
  23. 被験者における胸部のSPECT画像データから関心部位の信号強度を抽出する信号強度抽出手段と、
    被験者における動脈血血漿中の放射能量に対応した入力関数を求める入力関数作成手段と、
    求められた該入力関数及び該抽出された関心部位における信号強度を用い、当該関心部位における仮の流量を求める仮の流量計算手段と、
    該仮の流量に下記式(1):
    Figure 0004895080
    (式中、Hmはヘマトクリット値を表す)
    で与えられる補正係数を乗じることにより、被験者の当該関心部位における血流量を求める血流量計算手段と、
    を備えることを特徴とする血流量定量システム。
  24. 前記入力関数作成手段は、与えられた複数の時刻における血漿中の放射能量の測定値についての近似曲線を求めることにより時刻tにおける血漿中の放射能量を表す入力関数Ca(t)を求める
    ことを特徴とする請求項23に記載の血流量定量システム。
  25. 前記入力関数作成手段は、標準入力関数の時刻t1における値に対する、与えられた時刻t1における動脈血の単位時間単位質量当りの放射能量の測定値の比を前記標準入力関数に乗じ、さらに、下記式(2):
    Figure 0004895080
    (式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)
    で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量を表す入力関数Ca(t)を求める
    ことを特徴とする請求項23に記載の血流量定量システム。
  26. 前記入力関数作成手段は、与えられた複数の採血時刻における前記放射能量の測定値より時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca’(t)を求め、前記求めた入力関数Ca’(t)に対し、下記式(2):
    Figure 0004895080
    (式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)
    で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求める
    ことを特徴とする請求項23に記載の血流量定量システム。
  27. 前記入力関数作成手段は、与えられた複数の採血時刻における前記放射能量の測定値についての近似曲線を求めることにより時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca’(t)を求め、前記求めた入力関数Ca’(t)に対し、下記式(2):
    Figure 0004895080
    (式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)
    で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求める
    ことを特徴とする請求項23に記載の血流量定量システム。
  28. 前記入力関数作成手段は、標準入力関数を求めるときに投与した放射性医薬品の投与量に対する、与えられた前記被験者に投与した放射性医薬品の投与量の比と、前記標準入力関数を求めるときに利用した検体の体重に対する、与えられた前記被験者の体重の比を前記標準入力関数に乗じることにより、時刻tにおける全血の放射能量を表す入力関数Ca’(t)を求め、下記式(2):
    Figure 0004895080
    (式中、Cpla(t)は時刻tにおける標準的な血漿中の放射能量、Ctot(t)は時刻tにおける標準的な全血の放射能量)
    で与えられる補正係数を乗じることにより、時刻tにおける血漿中の放射能量に対応した入力関数Ca(t)を求める
    ことを特徴とする請求項23に記載の血流量定量システム。
  29. 前記信号強度抽出手段は、与えられた前記SPECT画像データを構成する一連のSPECTデータから異なる中心スキャン時刻t1及びt2での加算画像を作成し、両画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t1)及びCt(t2)を求め、
    前記仮の流量計算手段は、前記測定したSPECTカウントCt(t1)及びCt(t2)と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを下記式(3):
    Figure 0004895080
    に代入し、テーブルルックアップによりk2の値を求めるステップと、前記求めたk2の値と前記測定したSPECTカウントCt(t1)又はCt(t2)と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを下記式(4):
    Figure 0004895080
    に代入することにより仮の流量fを求める
    ことを特徴とする請求項24から28のいずれかの項に記載の血流量定量システム。
  30. 前記信号強度抽出手段は、与えられた前記SPECT画像データを構成する一連のSPECTデータから中心スキャン時刻t1での加算画像を作成し、指定された関心部位のSPECTカウントCt(t1)を求め、
    前記仮の流量計算手段は、予め与えられた分配係数Vdと前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)と前記求めたSPECTカウントCt(t1)とを下記式(5):
    Figure 0004895080
    に代入し、テーブルルックアップにより仮の流量fを求める
    ことを特徴とする請求項24から28のいずれかの項に記載の血流量定量システム。
  31. 前記信号強度抽出手段は、与えられた前記SPECT画像データを構成する一連のSPECTデータから複数の中心スキャン時刻tにおける複数の画像を作成し、全画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t)を求め、求めたCt(t)と前記中心スキャン時刻との関係を表すタイムインテンシティーカーブを作成し、
    前記仮の流量計算手段は、下記式(5):
    Figure 0004895080
    に前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)を代入した上で、前記タイムインテンシティーカーブとのフィッティングを行い、分配係数Vdとともに仮の流量fを求める
    ことを特徴とする請求項24から28のいずれかの項に記載の血流量定量システム。
  32. 前記信号強度抽出手段は、与えられた前記SPECT画像データを構成する一連のSPECTデータから複数の中心スキャン時刻tにおける複数の画像を作成し、全画像について同一に指定された関心部位のSPECTカウントCt(t)を求め、求めたCt(t)と前記中心スキャン時刻との関係を表すタイムインテンシティーカーブを作成し、
    前記仮の流量計算手段は、下記式(5):
    Figure 0004895080
    に予め与えられた分配係数Vdの値と前記第2のステップで求めた入力関数Ca(t)とを代入した上で前記タイムインテンシティーカーブとのフィッティングを行い、仮の流量fを求める
    ことを特徴とする請求項24から28のいずれかの項に記載の血流量定量システム。
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