JP4888597B2 - 微粒子測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、環境ガスに含まれる微粒子数を測定する装置、例えば自動車排ガスに含まれる微粒子数をリアルタイムに広い粒径帯域を一括で測定し、かつ粒径分布も測定できる測定装置に関する。
測定対象エアロゾル中の微粒子は、帯電させることにより電場中での移動速度の違いを利用して分級することができる。エアロゾルとは、一般に分散媒体が気体で、分散質が液体又は固体のコロイドであり、例えば自動車排ガスに含まれる極微小粒子などのことである。そして、微粒子の電気移動度を測定し、その帯電率を補正することにより微粒子径を測定計算することができる。電気移動度と帯電率、微粒子径との間には一定の関係があるので、電気移動度を指定することで微粒子径を指定することができるからである。
電気移動度測定装置としては、特定の電気移動度及びそのごく近傍の電気移動度をもつ微粒子を選び出すことができる微分型電気移動度測定装置(DMA:Differential mobility analyzer)(特許文献1参照。)がよく知られている。DMAでは、分級部側壁面から帯電した試料ガスを導入し、同じく側壁面から所望の粒径に分離された粒子を含むガスを吸いだして検出器で荷電粒子を計数する。
DMAは試料ガス中の粒子の粒度分布を精度よく測定することができるが、広い粒径幅の粒子を一括で計数することはできない。しかし、粒子数規制の現場ではある帯域の粒径をもつ粒子を一括で計数することが必須になりつつある。DMAは粒度分布を測定することができるので、所定の粒径範囲について積分をすればその範囲の粒径をもつ粒子数を計数することにはなるが、粒径範囲を走査しながら測定するので、その粒径範囲の同時計測はできない。そのため、濃度が時間的に変化している試料では正確な計測はできない。
そこで、本発明者らはDMAの欠点を補完するために、広い粒径帯域の粒子数を一括で、リアルタイム計測する目的で積分型電気移動度測定装置(以下、B−DMAともいう。)を発明し提案している(特許文献2参照。)。そのB−DMAでは、分級電界が発生している中心電極と外側電極の間にシースガスが供給される分級領域に、一方の電極側から帯電エアロゾルを供給し、シースガス流の下流側に分級された帯電エアロゾル中の所定粒径以上の荷電微粒子をシースガスの一部とともに排出する大粒径側排出部を設ける。そして、分級領域を透過してきた荷電微粒子数を電気量として検出する。
特開2000−046720号公報 WO2007/072942号公報 高橋幹二「エアロゾル学の基礎(日本エアロゾル学会編)」第5章、森北出版、2003年 Kousaka,Y., Okuyama,K., and Adachi,M., Aerosol Sci. Technol., 4, p.209-235(1985)
試料ガスを分級領域に導入するためには帯電機構により試料ガス中の微粒子を荷電粒子としなければならない。その際、生成した荷電粒子には1価に帯電した荷電粒子のほかに、2価又は3価以上に多価帯電した荷電粒子も含まれることが知られている(非特許文献1参照。)。多価帯電の影響は、ある粒径の1価帯電粒子とその約1.4倍粒径の2価帯電粒子は同じ電気移動度をもつことによって、その粒径の粒子数を誤カウントしてしまう結果をもたらす。また、多価帯電の確率は粒径依存性をもつことから、粒径分布を測定する機能をもたないB−DMAは多価帯電の影響を排除できず、ある割合で粒子数を誤カウントしてしまうことになる。
B−DMAと通常の微分型DMAの2台を使用して測定すれば、この問題を解決することができる。しかし、DMAは高価な装置であり、しかも大きなスペースも必要とする。例えば、自動車排ガスを連続的に測定するような測定現場に2台のDMAを設置するのは、コストの面でも設置スペースの面でも現実的ではない。
そこで、本発明はB−DMAと通常の微分型DMAの両方の機能を1台のDMAで実現できるようにするとともに、B−DMA測定における多価帯電の影響を排除できるようにすることを目的とするものである。
DMAからなる微粒子測定装置の基本的な構成として、荷電微粒子を電気移動度により分級する電界を発生して分級領域を形成するために互いに対向して配置された一対の対向電極と、その対向電極に分級電界発生用電圧を印加するためにその対向電極に接続された電源装置と、分級領域の一端側から分級領域に非荷電ガスをシースガスとして供給するシースガス供給部と、対向電極の一方の電極又はその電極の近傍に導入口をもち、その導入口から帯電エアロゾルを供給するエアロゾル供給部が設けられている。
微分モードとしてDMAの機能を実現するために、エアロゾル供給部の導入口よりもシースガス流の下流側において対向電極の他方の電極又はその電極の近傍に取込み口をもち、分級された帯電エアロゾル中の荷電微粒子の特定の粒径部分をシースガスの一部とともに取り出す分級荷電微粒子取出し部が設けられている。
積分モードとしてB−DMAの機能を実現するために、エアロゾル供給部よりもシースガス流の下流側においてエアロゾル供給部設置側電極又はその電極の近傍に排出口をもち、分級された帯電エアロゾル中の荷電微粒子の所定粒径以上の部分をシースガスの一部とともに排出する大粒径側排出部と、分級領域の他端側に配置され、分級領域を透過した荷電微粒子をシースガスとともに取り出す帯域荷電微粒子取出し部が設けられている。
検出器として、分級荷電微粒子取出し部及び帯域荷電微粒子取出し部の下流に配置されてシースガスとともに送られてきた荷電微粒子の粒子数を検出する共通の荷電子検出器が設けられている。
微分モードと積分モードを切り替えて実現するために、流路切替え機構と制御装置が設けられている。流路切替え機構は分級荷電微粒子取出し部及び帯域荷電微粒子取出し部のうちの一方の取出し部を荷電子検出器に接続し、他方の取出し部を閉鎖するとともに、両取出し部の荷電子検出器への接続と閉鎖を切り替える構成をもつ。制御装置は、流路切替え機構が分級荷電微粒子取出し部を荷電子検出器に接続し、分級荷電微粒子取出し部用の取込み口に入る荷電微粒子の粒径が走査されるように対向電極間の電圧及び/又はシースガス流流速を変化させる微分モードと、流路切替え機構が帯域荷電微粒子取出し部を荷電子検出器に接続し、対向電極間の電圧を一定に保つ積分モードとの間で動作モードを切り替えるように流路切替え機構と電源装置及び/又は前記シースガス供給部を制御するものである。
さらに、多価帯電に基づく計数誤差を除くために、荷電微粒子の粒径に対する多価帯電に基づく計数誤差データを保持し、微分モードでの動作時に測定された試料の粒径分布と計数誤差データとから積分モードで測定される粒径帯域における計数値に対する平均誤差を算出し、積分モードでの動作時の計数値を補正するデータ処理装置が設けられている。
上述の「その電極の近傍」とはその電極と同じ側で電極に近い位置を意味している。すなわち、導入口の設置位置に関しては分級領域に帯電エアロゾルを供給する作用を果たすことのできる位置であることを意味し、大粒径側排出部の排出口の設置位置に関しては分級された帯電エアロゾル中の所定粒径以上の部分をシースガスの一部とともに排出する作用を果たすことのできる位置であることを意味している。
上述の「帯電エアロゾル」とは帯電器を経てこの分級装置に供給されるエアロゾル中で帯電微粒子となったものである。帯電器を経る前のエアロゾル微粒子のうち各電荷の荷電微粒子となったものの割合が帯電率である。
「帯電率」は、帯電前の全エアロゾル微粒子数と、帯電後の各電荷に帯電した荷電微粒子数との比率から求めることができる。
本発明の微粒子測定装置で最終的に求メータい物理量は、帯電される前のエアロゾル中の所定粒径範囲の微粒子数であり、検出器で得られる出力は帯電後の荷電微粒子数に各粒子の持つ電荷数を乗じた値に対応した電気量である。そのため、検出器による出力を帯電前のエアロゾル中の微粒子数に変換する処理が必要になる。この計算は測定対象となるエアロゾルについて、この測定装置の帯電器で帯電させたときの帯電率を予め求めておくことにより行なうことができる。その計算を自動的に行なわせるために、データ処理装置は、さらに測定対象となるエアロゾルについて予め求められた帯電率を保持し、積分モードでの動作時の補正された計数値に基づいて測定エアロゾルの微粒子数濃度を算出するものであることが好ましい。
データ処理装置が、帯電率を保持し、検出器で測定された電気量に基づいて測定されたエアロゾルの粒子数濃度を算出する機能を備えている場合には、エアロゾルの粒子数濃度を自動的にオンラインで求めることができるようになる。
シースガス供給部としては、新たな外部ガスのみを供給するようにすることもできる。他の方法として分級領域から排出されたガスの少なくとも一部から粒子部分を除去してシースガスの一部として再利用する方法もある。そのために、大粒径側排出部又は帯域荷電微粒子取出し部から排出されるガスから粒子を取り除いたガスを外部ガスとともにシースガスとして供給するシースガス供給流路と、積分モードでの動作時に大粒径側排出部をシースガス供給流路に接続し、微分モードでの動作時に大粒径側排出部を閉鎖し、帯域荷電微粒子取出し部をシースガス供給流路に接続する第2の流路切替え機構とを備えていることが好ましい。
積分モードでの動作時に帯域荷電微粒子取出し部から取り出される荷電微粒子の粒子分布幅を調整する粒子径選択手段を備えているのが好ましい。粒子径選択手段は大粒径側だけでなく、小粒径側も除去した所定の粒径範囲における微粒子を求められるものが好ましい。
そのような粒子径選択手段として、特許文献2に記載されているものを使用することができる。粒子径選択手段では、所定粒径範囲よりも大粒径側の微粒子は大粒径側排出部より除去され、小粒径側の微粒子は分級領域で分級され対向電極の他方の電極に吸引されて吸着されることにより除去される。大粒径側排出部から除去される大粒径側の粒径及び対向電極の他方の電極により除去される小粒径側の粒径は、分級領域に供給されるシースガス流量、エアロゾル供給部から導入口を経て分級領域に供給される帯電エアロゾルガス流量、大粒径側排出部から排出する流量及び対向電極に印加する電圧を調整することにより設定することができる。
粒子径選択手段の第1の例は、大粒径側排出部の下流に接続されたポンプの流量を制御して荷電微粒子の所定粒径以上の部分をシースガスの一部とともに排出するものである。この場合、ポンプの流量を大きくすると排出される粒径の範囲は粒径の大きい側で広くなり、帯域荷電子取出し部からは粒径の大きい側の荷電粒子が広い範囲で除去された状態で取り出される。また、ポンプの流量を小さくすると排出される粒径の範囲は大きい側で広くならず、帯域荷電子取出し部からは粒径の大きい側の荷電粒子が狭い範囲で除去された状態で取り出される。
粒子径選択手段の第2の例は、対向電極に接続された電源装置を制御して荷電微粒子の所定粒径以下の部分を電極に吸着させるものである。この場合、印加電圧を大きくすると電極に吸着される粒径の範囲が粒径の小さい側で広くなり、帯域荷電子取出し部からは粒径の小さい側の荷電微粒子が広い範囲で除去された状態で取り出される。また、印加電圧を小さくすると電極に吸着される粒径の範囲が小さい側で広くならないので、帯域荷電子取出し部からは粒径の小さい側の荷電微粒子が狭い範囲で除去された状態で取り出される。
第3の例は、第1の例と第2の例を組み合わせるものである。
検出器の好ましい一例として、荷電微粒子数を電気量として測定するファラデーカップエレクトロメータを挙げることができる。
本発明の微粒子測定装置は、一対の対向電極間に分級電界を発生させて分級領域を形成し、その分級領域にシースガスを供給しつつ分級領域に帯電エアロゾルを供給して分級するものであるが、1台のDMAで微分型DMAの機能を果たす微分モードとB−DMAの機能を果たす積分モードを切り替えて実現するために、流路切替え機構を設け、制御装置によりその流路切替え機構と電源装置を制御するようにし、さらにデータ処理装置において積分モードでの動作時の計数値を補正するようにしたので、1台のDMAでありながら、所望の粒径範囲の荷電微粒子を一括で測定しつつ、多価帯電に基づく計数誤差を除くことができる。
図1は一実施例をブロック図として表す概略図である。 図2Aは同実施例における分級装置本体を示す垂直断面図である。 図2Bは図2AのX−X’線位置での水平断面図である。 図3は分級装置本体におけるガスの流れを示す一部概略断面図である。 図4は積分モードで測定するときの荷電子の帯域を10nmから140nmとしたときの多価帯電に起因する理論誤差を示すグラフである。
符号の説明
1 分級装置本体の筐体
3 中心電極
4 外側電極
5 分級領域
7 シースガス供給部
11 エアロゾル供給部
11a 導入口
12 分級荷電微粒子取出し部
12a 取込み口←(図中に記載がありません)
13 大粒径側排出部
13a 排出口
31 電源装置
33 制御部
35 帯域荷電子取出し部
40 荷電子検出器
41 データ処理装置
42,44 第1の流路切替え機構の三方弁
46 第2の流路切替え機構の三方弁
50 シースガス供給流路
60 シースガス供給流路
以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は一実施例をブロック図として表す概略図である。図2A,2Bは同実施例における分級装置本体を示しており、図2Aは垂直断面図、図2Bは図2AのX−X’線位置での水平断面図である。図3は分級装置本体におけるガスの流れを示す一部概略断面図である。
分級装置本体の円筒状の筐体1の内部には、円柱状の中心電極3が筐体1の中心軸と一致するように設けられている。筐体1の内面は外側電極4となっており、中心電極3と外側電極4により対向電極を構成している。中心電極3と外側電極4は荷電微粒子を電気移動度により分級する電界を発生しており、両電極3,4間に形成される回転体状の空間が分級領域5となっている。両電極3,4は電源装置31に接続され、電源装置31は制御部33に接続されている。両電極3,4間に電圧を印加する電源装置31は制御部33により制御される。
筐体1の一端側である上部には非荷電ガスをシースガスとして一定流量で導入するためのシースガス供給部7が設けられている。また、分級領域5の上端にはシースガスを層流化するための整流子9が設けられており、整流子9を経たシースガスが分級領域5に供給される。
分級領域5で外側電極4側にはエアロゾル供給部11の導入口11aが設けられ、その導入口11aからはシースガス流を横切る方向に帯電エアロゾルが一定流量で供給される。エアロゾル供給部11には、供給されたエアロゾルを荷電して帯電エアロゾルとする帯電器12と、エアロゾルを一定流量で供給するフローメータ10とからなるエアロゾル供給部に接続されている。
微分モードとして微分型DMAの機能を実現するために、エアロゾル供給部の導入口11aよりもシースガス流の下流側には中心電極3に取込み口12aをもち、分級された帯電エアロゾル中の荷電微粒子の特定の粒径部分をシースガスの一部とともに取り出す分級荷電子取出し部12が設けられている。
積分モードとしてB−DMAの機能を実現するために、エアロゾル供給部よりもシースガス流の下流側に大粒径側排出部13と帯域荷電子取出し部35が設けられている。大粒径側排出部13は分級領域5の外側電極4側に排出口13aをもち、分級された帯電エアロゾル中の荷電微粒子の所定粒径以上の部分をシースガスの一部とともに排出する。大粒径側排出部13はフローメータ15と、フローメータ15による検出流量が所定の流量になるように排出流量を調整するソレノイドバルブ17とを備えている。帯域荷電子取出し部35は分級領域5の他端側である筐体1の下端に配置され、分級領域5を透過した荷電微粒子をシースガスとともに取り出す。
中心電極3の上端は絶縁部材10と絶縁体製の整流子9により筐体1に支持され、中心電極3の下端はシースガスの流れを層流化する整流子を兼ねる支持部材15により筐体1に支持されていることによって、中心電極3と外部電極4となる筐体1との間が電気的に絶縁されている。
中心電極3の直径は25mm、外側電極4の内側の直径は33mmであり、分級領域5の円柱状部分では中心電極3と外側電極4の間隔は約4mm程度で一定になっている。両電極3,4間には、制御装置33により制御された電源装置31から、微分モード時には1000〜1500V間で変化する分級電圧が印加され、積分モード時には1000〜1500Vの間の一定電圧の分級電圧が印加される。
導入口11aと排出口13aは幅が0.5mmで、外側電極4の内周面に沿って中心電極1を取り巻くリング状に形成されている。両口11a,13a間の距離は100mm程度である。また、導入口11a及び排出口13aはスリット状であってもよい。
分級荷電子取出し部12の取込み口12aは幅が0.5mmで、中心電極3の外周面に沿ってリング状に形成されている。取込み口12aは導入口11aと排出口13aの間の高さに配置されている。
分級荷電子取出し部12及び帯域荷電子取出し部35の下流には、共通の検出器として、シースガスとともに送られてきた荷電微粒子の粒子数を検出するためにファラデーカップエレクトロメータからなる荷電子検出器40が配置されている。荷電微粒子を含むシースガスを所定流量で検出器40に導くために、検出器40の下流にはフローメータ48とソレノイドバルブ49が接続されている。フローメータ48の検出流量が所定流量になるようにソレノイドバルブ49が調整される。検出器40を経たシースガスは後述のシースガス供給流路50に送られてシースガスとして再利用される。
検出器40の検出電気信号はデータ処理装置41に導かれて荷電子数が計数される。データ処理装置41は、多価帯電に基づく計数誤差を除くために、荷電子の粒径に対する多価帯電に基づく計数誤差データを保持しており、微分モードでの動作時に測定された試料の粒径分布と計数誤差データとから積分モードで測定される粒径帯域における計数値に対する平均誤差を算出し、積分モードでの動作時の計数値を補正するプログラムを備えている。
微分モードと積分モードを切り替えて実現するために、分級荷電子取出し部12及び帯域荷電子取出し部35の下流には流路切替え機構が設けられている。その流路切替え機構は三方弁42及び44からなる第1の流路切替え機構と、三方弁46からなる第2の流路切替え機構とからなる。
三方弁42は分級荷電子取出し部12と検出器40の間に接続され、三方弁44は帯域荷電子取出し部35の下流に接続され、三方弁42の1つのポートと三方弁44の1つのポートの間が接続されている。
三方弁46の1つのポートは大粒径側排出部13に接続され、他のポートが三方弁44の残りの1つのポートに接続され、三方弁46の残りの1つのポートがシースガス供給流路50を構成するポンプ52とエアロゾル流量調整流路60を構成する三方弁62の1つのポートに接続されている。
三方弁42,44は、分級荷電子取出し部12及び帯域荷電子取出し部35のうちの一方の取出し部を検出器40に接続し、他方の取出し部を閉鎖するとともに、両取出し部12,35の検出器40への接続と閉鎖を切り替えるように制御部33により制御されて切り替えられるものである。
シースガス供給部につながるシースガス供給流路50は、帯域荷電子取出し部35又は大粒径側排出部13から三方弁46を経て供給される荷電微粒子を含むシースガスと、検出器40を経て供給されるシースガスと、外部から補充される空気を吸引するためにポンプ52を備えている。ポンプ52の下流にはポンプ52により加熱されたシースガスを冷却する冷却器54、供給するシースガス流量を検出するフローメータ56及び粒子成分を除去するフィルタ58を備えている。フローメータ56の検出流量が所定の流量になるようにポンプ52の駆動が制御される。
シースガス供給流路50に外部から空気を補充したり、過剰になったシースガスを外部に排出したりするために、シースガス供給流路50には三方弁62を介してエアロゾル流量調整流路60が接続されている。この測定装置は半閉鎖系になっており、エアロゾル供給部11から供給されるエアロゾル流量と、ポンプ52及び他の配管部位からのリーク流量の大小によって装置外部から空気を取り込む場合と、空気を装置外に排出しなければならない場合がある。エアロゾル流量調整流路60は外部から空気を吸引、又は排出するためのポンプ66を備えている。ポンプ66の上流には、取入れ口としての三方弁68とポンプ保護のために粒子を除去するフィルタ70が設置され、ポンプ66の下流には粒子成分を除去するフィルタ73及び三方弁74が接続されている。三方弁74はエアロゾル流量調整流路60を三方弁62又は外部に切り替えて接続するためのものである。
装置外へ空気を排出する場合、つまり所望するエアロゾル流量がリーク流量より大きい場合は、エアロゾル流量調整流路60では三方弁62,68からポンプ66から三方弁74を経て外部に空気を排出する流路が形成される。ポンプ66はエアロゾル供給部のフローメータ10に応じて排出する空気流量が制御される。
装置外部から空気を吸引する場合、つまり所望するエアロゾル流量がリーク流量より小さい場合は、三方弁68が空気が吸引され、ポンプ66から三方弁74,62を経てシースガス供給流路50に空気を供給する流路が形成される。ポンプ66はエアロゾル供給部のフローメータ10に応じて吸引する空気流量が制御される。
ポンプ52,66としては、ダイヤフラムポンプ、ロータリーポンプ、ピストンポンプ、リングブロア、シロッコファン、ラインフォローファン、ターボファンなど一般的送風機構を使用することができる。
流路切替え機構は三方弁のみならず、四方弁や二方弁も組み合わせて構成することができる。それらの弁は手動、電動又は圧空により駆動できるものを使用する。
制御装置33は微分モード時と積分モード時で三方弁42,44,46を切り替えるとともに、電源装置31から対向電極3,4間に印加される電圧を制御する。
次に同実施例の動作を説明する。
(微分モード)
微分モード時には、分級荷電微粒子取出し部12が検出器40に接続され、大粒径側排出部13が閉鎖され、帯域荷電子取出し部35がシースガス供給流路50に接続され、対向電極3,4間の電圧は分級荷電微粒子取出し部用の取込み口12aに入る荷電子の粒径が走査されるように変化させられる。
分級部に導入された試料ガスに含まれる帯電粒子は分級部5に印加された電場によって静電気力を受け、中心電極3に吸引される。同時に分級部5に流れるシースガス流流速により静電気力と直交する方向に力を受ける。電場の強度とシースガス流流速により決まるある値より大きな電気移動度をもつ粒子は中心電極3の分級荷電子取出し部12の取込み口12aより上部に吸着される。また、ある値より小さな電気移動度をもつ粒子は取込み口12aより下部に吸着されるか、又は帯域荷電子取出し部35から排出される。その結果、ある時点ではその時の電場の強度とシースガス流流速で決まるある特定範囲の電気移動度を持つ粒子のみが検出器によって計数される。
分級部5に印加される電場を時間的に変化させることにより試料ガスに含まれる帯電粒子の粒径分布を得ることができる。
粒径分布を得るためには、分級部5に印加される電場を時間的に変化させるのに替えてシースガス流流速を時間的に変化させてもよい。又は分級部5に印加される電場とシースガス流流速の両方を時間的に変化させてもよい。
電気移動度と、試料導入口と分級荷電微粒子取り出し口間距離、シースガス流量、試料ガス流量及び電極間距離の間の一般に良く知られている以下の関係式(1)(非特許文献1参照。)から電圧、シースガス流量を変えることで取り出される粒子の電気移動度を変化させられることは明らかである。
Figure 0004888597
Zp:電気移動度、R2:外側電極径、R1:内側電極径、E:分級電圧、Qa:試料ガス流量、Qt:試料ガス流量+シースガス流量、L:試料導入口と分級荷電微粒子取り出し口間距離
(積分モード)
積分モード時には、帯域荷電子取出し部35が検出器40に接続され、分級荷電子取出し部12が閉鎖され、大粒径側排出部13がシースガス供給流路50に接続され、対向電極3,4間の電圧は帯域荷電子取出し部35に所定の粒径範囲の荷電子が取り出されるように一定に保たれる。
積分モード時でも分級部5に導入された試料ガスに含まれる帯電粒子は分級部に印加された電場によって静電気力を受け、中心電極3に吸引される。同時に分級部5に流れるシースガス流により静電気力と直交する方向に力を受ける。電場の強度及びシースガス流流速を調整することにより、ある値より大きな電気移動度をもつ粒子は対向電極に吸着される。また、その値より小さなある値より小さな電気移動度をもつ粒子は大粒径側排出部13より排出される。その結果、ある特定範囲の電気移動度をもつ粒子のみが帯域荷電子取出し部35を経て検出器40によって計数される。
検出器40に導入される粒子の電気移動度範囲は、先に粒子径選択手段として説明したように、分級領域に供給されるシースガス流量、エアロゾル供給部11から分級領域5に供給される帯電エアロゾルガス流量、大粒径側排出部13から排出する流量及び対向電極に印加する電圧を調整することにより設定することができる。
積分モードでは広い電気移動度帯域の粒子数を一括で、リアルタイムに計測することが可能であるが、多価帯電の影響により粒子数換算時に誤差を生じる。そこで、予め微分モードにて粒径分布を計測することにより積分モードで測定する電気移動度帯域での平均の帯電率を算出し、この誤差を回避する。帯電率の計算には例えば下記の奥山らの式(2)を用いることができる(非特許文献2参照。)。
Figure 0004888597
ここで、Dp'(単位はm)は、次のように定義される。
Dp'=exp(0.165+0.982lnDp−0.0132ln2Dp−0.0082ln3Dp)…(2)
Dpは粒径(単位はμm)である。また、pは帯電価数、eは電気素量、εoは真空の誘電率、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、nTは粒径Dpの粒子数、npは粒径Dpの粒子中でP個帯電した粒子数である。
図4は積分モードで測定するときの荷電子の帯域を10nmから140nmとしたときの多価帯電に起因する理論誤差を示すグラフである。本図は上記分級帯域の1価粒子を選択するよう分級条件を設定した時、そこに入ってくる140nm以上の2価以上の粒割合、及びそこから流出してしまう10nm以上の2価以上の粒子割合を(1)式を用いて算出したものである。

Claims (7)

  1. 荷電微粒子を電気移動度により分級する電界を発生して分級領域を形成するために互いに対向して配置された一対の対向電極と、
    前記一対の対向電極に分級電界発生用電圧を印加するために前記一対の対向電極に接続された電源装置と、
    前記分級領域の一端側から分級領域に非荷電ガスをシースガスとして供給するシースガス供給部と、
    前記対向電極の一方の電極又はその電極の近傍に導入口をもち、その導入口から帯電エアロゾルを供給するエアロゾル供給部と、
    前記エアロゾル供給部の導入口よりもシースガス流の下流側において前記対向電極の他方の電極又はその電極の近傍に取込み口をもち、分級された前記帯電エアロゾル中の荷電微粒子の特定の粒径部分をシースガスの一部とともに取り出す分級荷電子取出し部と、
    前記エアロゾル供給部よりもシースガス流の下流側において前記一方の電極又はその電極の近傍に排出口をもち、分級された前記帯電エアロゾル中の荷電微粒子の所定粒径以上の部分をシースガスの一部とともに排出する大粒径側排出部と、
    前記分級領域の他端側に配置され、分級領域を透過した荷電微粒子をシースガスとともに取り出す帯域荷電子取出し部と、
    前記分級荷電子取出し部及び帯域荷電子取出し部の下流に配置され、シースガスとともに送られてきた荷電微粒子の粒子数を検出する荷電子検出器と、
    前記分級荷電子取出し部及び帯域荷電子取出し部のうちの一方の取出し部を前記荷電子検出器に接続し、他方の取出し部を閉鎖するとともに、両取出し部の荷電子検出器への接続と閉鎖を切り替える流路切替え機構と、
    前記流路切替え機構が分級荷電子取出し部を前記荷電子検出器に接続し前記分級荷電子取出し部用の取込み口に入る荷電子の粒径が走査されるように前記対向電極間の電圧及び/又はシースガス流流速を変化させる微分モードと、前記流路切替え機構が帯域荷電子取出し部を前記荷電子検出器に接続し前記対向電極間の電圧を一定に保つ積分モードとの間で動作モードを切り替えるように前記流路切替え機構と前記電源装置及び/又は前記シースガス供給部を制御する制御装置と、
    荷電子の粒径に対する多価帯電に基づく計数誤差データを保持し、前記微分モードでの動作時に測定された試料の粒径分布と前記計数誤差データとから前記積分モードで測定される粒径帯域における計数値に対する平均誤差を算出し、前記積分モードでの動作時の計数値を補正するデータ処理装置と、
    を備えた微粒子測定装置。
  2. 前記データ処理装置は、さらに測定対象となるエアロゾルについて予め求められた帯電率を保持し、前記積分モードでの動作時の補正された計数値に基づいて測定エアロゾルの微粒子数濃度を算出するものである請求項1に記載の微粒子測定装置。
  3. シースガス供給部は、前記大粒径側排出部又は帯域荷電子取出し部から排出されるガスから粒子を取り除いたガスと外部から補充したガスをシースガスとして供給するシースガス供給流路と、
    前記積分モードでの動作時に前記大粒径側排出部を前記シースガス供給流路に接続し、前記微分モードでの動作時に前記大粒径側排出部を閉鎖し、前記帯域荷電子取出し部を前記シースガス供給流路に接続する第2の流路切替え機構と、を備えている請求項1又は2に記載の微粒子測定装置。
  4. 前記積分モードでの動作時に前記帯域荷電子取出し部から取り出される荷電微粒子の粒子分布幅を調整する粒子径選択手段を備えた請求項1から3のいずれか一項に記載の微粒子測定装置。
  5. 前記粒子径選択手段は前記大粒径側排出部から排出されるガス流量及び/又は前記対向電極に印加される電圧により粒子分布幅を調整するものである請求項4に記載の微粒子測定装置。
  6. 前記粒子径選択手段は前記大粒径側排出部の下流に接続されたポンプの流量を制御して荷電微粒子の所定粒径以上の部分をシースガスの一部とともに排出するものである請求項4に記載の微粒子測定装置。
  7. 前記粒子径選択手段は前記対向電極に接続された電源装置を制御して荷電微粒子の所定粒径以下の部分を電極に吸着させるものである請求項4に記載の微粒子測定装置。
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