JP4888503B2 - Hモードドリフトチューブ線形加速器用の加速空胴 - Google Patents

Hモードドリフトチューブ線形加速器用の加速空胴 Download PDF

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この発明は、加速空胴内にTE波の電磁場を発生させ、加速空胴内のドリフトチューブと呼ばれる電極の隣り合う電極間(ギャップ)に発生する電場を用いて荷電粒子を加速するHモードドリフトチューブ線形加速器に関するものである。
Hモードドリフトチューブ線形加速器においては、通常、加速空胴内に上下方向、または水平2方向から交互にステムと呼ばれる棒に交互に片持ち支持されたドリフトチューブ電極が、直線状に複数個配置されている。このドリフトチューブは通常円筒形状の導体で作られており、円筒中心軸に沿って中空部を有している。空胴内に入射されてきた荷電粒子はこの中空部内を走行していく。この円筒中心軸は、通常、加速空胴の中心軸と一致させている。
この加速空胴に高周波加速電圧を入力すると、隣り合うドリフトチューブ間に高周波電場が発生し、この高周波電場により、上記ドリフトチューブの中空部を通過して走行する荷電粒子を加速する。従って、ドリフトチューブの円筒中心軸は荷電粒子加速軸とも一致する。
加速空胴には、更に排気口と、この排気口に接続された真空排気用ダクトとが設けられる。真空排気用ダクトには真空排気ポンプが接続され、この真空排気ポンプにより真空排気ダクトと排気口とを介して空胴内を真空に保つことができるようになっている。
また、加速空胴内に発生する電場分布はTEモードで発生する磁場分布によって決定される。一般的に電場分布は空胴の入り口部から出口部まで出来るだけ平坦な分布になるように設計される。それは、放電を抑えつつ、効率よく粒子を加速するためである。電場分布を平坦化するために、ステムと加速空胴壁面との間にはリッジと呼ばれる導体(通常、棒状導体)でできた土台をドリフトチューブ配置方向、すなわち空胴中心軸方向に沿って設置している。これにより、ドリフトチューブ配置方向、すなわち荷電粒子の走行方向全域に磁場が発生するため、この磁場により生じる各ドリフトチューブ間の電場は、リッジがない場合に比べてその強度がより均一化される。(特許文献1)
ドリフトチューブは通常空胴中心軸方向全長に渡って配置され、またリッジは空胴中心軸方向に、空胴のほぼ全長に渡りその内壁面に設置される。このようにリッジが設置されている場合、排気口は真空排気能力を十分に担保するために、このリッジの設置位置と干渉しない位置に設けられていた。例えば排気口を空胴下方に配置する場合、この排気口位置とリッジ位置との干渉を避けるために、リッジは上下方向ではなく、例えばこれを空胴中心軸周りに90度回転させた位置に設置していた。また、リッジが空胴内壁面の上下方向に設置されていた場合はリッジ位置との干渉を避けて、下方に設置したリッジ位置を基準に、空胴中心軸周りに、例えば所定角回転した斜め下方位置または真横に排気口を設けていた。
特開2006-351233
ドリフトチューブを支えるステムを水平方向に配置した場合、すなわちステムが接続されているリッジが上下方向ではなく、これに対して空胴中心軸の周りに90度回転した位置である水平方向に設置されている場合、ドリフトチューブはステムによる片持ち支持のためドリフトチューブの自重でステムにたわみが発生し、複数個配置したドリフトチューブの中心軸が相互にずれてしまうという問題があった。このようなズレが発生すると荷電粒子の加速効率が低下してしまう。
ドリフトチューブの位置ずれという問題を改善するためには、リッジを空胴内壁面の上下位置にそれぞれ設置し、下面のリッジからは上方に、上面リッジからは下方に向けてそれぞれステムを取り付け、その先端にドリフトチューブを取り付ければよい。しかし、この場合は、排気口をリッジの真下に設置すると加速空胴内壁面とリッジとの間に非接触面ができQ値が低下するという問題がある。Q値が低下すると、空胴中心軸方向にドリフトチューブ間の電場強度の不均一性が大きくなり加速効率の低下につながってしまう。これを避けるためには、排気口はリッジ位置を避けて斜め下もしくは真横などの位置に設置する必要があり、その分、空胴中心軸に直交する方向に真空排気系を構成する機器が張り出すことになるため、加速器の大型化につながるという問題があった。
本願発明にかかるHモードドリフトチューブ線形加速器用の加速空胴は、円筒状の導体であるドリフトチューブを、当該円筒中心軸を相互に一致させ、且つ隣り合うドリフトチューブ間を所定距離離して直線状に配置したドリフトチューブ群と、前記ドリフトチューブごとに取り付け、当該ドリフトチューブを支えるとともにドリフトチューブに電気的に接続された棒状導体であるステムと、前記中心軸方向に所定の長さを有する導体で、前記複数個のステムに対して、前記ドリフトチューブ取り付け端部とは異なる端部を固定すると共に前記ステムと電気的に接続された少なくとも1個のリッジと、円筒形状の内壁面を有し、その円筒形状の中心軸が前記ドリフトチューブ群の円筒中心軸と平行となるように、前記ドリフトチューブ群、前記リッジおよび上記ステムを収納するとともに、前記内壁面に真空排気用の排気口を有する容器とを備えたHモードドリフトチューブ線形加速器用の加速空胴であって、前記少なくとも1個のリッジは、前記容器の内壁面下部に、当該リッジの長さ方向全長に渡り前記内壁面と電気的に接続するように設置され、前記排気口は、前記容器下部内壁面に設置されたリッジに対して、前記容器の内壁面周方向に分割されたものである。
この発明によれば、リッジ及びドリフトチューブを加速空胴内壁面の上下方向に設置したHモードドリフトチューブ線形加速器においても、真空排気ポンプと真空排気ダクトを加速空胴の下方に設置することが可能となり、加速器の小型化を達成することが可能となる。
実施の形態1に係るHモードドリフトチューブ線形加速器の加速空胴断面図。 実施の形態1に係る排気口近傍の拡大図。 実施の形態2に係るHモードドリフトチューブ線形加速器の加速空胴断面図。 実施の形態3に係るHモードドリフトチューブ線形加速器の加速空胴断面図。 実施の形態4に係るHモードドリフトチューブ線形加速器の加速空胴断面図。
実施の形態1.
本実施の形態に係るHモードドリフトチューブ線形加速器の加速空胴を図1と図2に示す。図1は本実施の形態1に係る加速空胴の断面を示している。図1(a)は加速空胴の中心軸を含む上下方向の断面を示し、図1(b)は加速空胴中心軸に直交する方向の断面を示す。図1(a)の上部に記載されている「A−A’断面」とは、右側の図中A−A’と記載された一点鎖線での断面であることを示し、図1(b)の上部に記載されている「B−B’断面」とは、図1(a)中B−B’と記載された一点鎖線での断面であることを示している。
図1において、1は加速空胴、2は加速空胴1を構成する容器でその内壁面は導体である。3は加速空胴1の中心軸方向に伸びて空胴内壁面の上下方向にそれぞれ設置された棒状導体であるリッジ、4はリッジ3から上方または下方に延びた棒状導体であるステム、5はドリフトチューブと呼ばれる中空円筒導体の電極で、ステム4を介して上下リッジ3に交互に支持されている。6は加速空胴1を構成する容器2の下方内壁面に設けられた排気口である。排気口6は図1(b)に示すとおり、容器2の周方向、リッジ3の両側に配置されている。このように排気口6を容器2の周方向において分割したのは排気口6の設置位置で、容器2の内壁面とリッジ3との間の電気的接触を確保するためである。7は排気口6に連結された真空排気ダクトで、後述するように、リッジ3の両側に配置されている排気口6全体を包含する形で設置されている。8は真空排気ダクト7の他端に接続された真空排気ポンプで、真空排気ダクト7、排気口6を介して容器2の内部を真空排気する。なお、図1(a)に示す例では、加速空胴1の中心軸方向長さの中央付近に排気口6が設けられているが、この位置は変えてもよい。また容器2に取り付ける真空排気ダクトは必ずしも1箇所でなくてもよく、加速空胴1の中心軸方向に沿って複数設置してもよい。
9は荷電粒子加速軸で、通常は加速空胴中心軸と一致する。10は加速空胴1を構成する容器2の内壁とこれと対向するリッジ3の表面との電気的接触面で、図1(b)で示すように、通常はリッジ3の、容器2に対向する面の周方向両端部に形成され、この面が空胴1の中心軸方向に伸びている。11は加速空胴1の内壁面に流れる内壁面電流を示す。この電流は、加速空胴1に供給される高周波電圧により空胴1内に発生するTE波の電磁場により発生する。電流11の矢印はある時点での電流の向きを示すが、この電流の向きは共給された高周波電圧の周期に対応して変化する。12は、上記内壁電流11によりドリフトチューブ5間のギャップに形成される電場を示しており、電場12の矢印は電場の向きを示す。13は加速空胴1内を走行する荷電粒子である。荷電粒子13は例えば加速空胴1の左方向から入射し、右方向に走行する。内壁電流11の向きは、上述の通り時間と共に変化し、それに伴い電場12の向きも変化する。しかし、ギャップ部を走行中の荷電粒子13に対しては常に加速する方向に電場12が形成され、この電場12で荷電粒子13は加速される。高周波電圧は容器2の円筒側面から入力されるが、図1ではこの入力部については省略している。
なお、図1(a)では見やすいようにドリフトチューブ5の長さとドリフトチューブ5間のギャップ長とが強調して描かれており、そのために、ドリフトチューブ数も実際の設置数よりも少なく描かれ、更に、排気口6の径はドリフトチューブ5の長さもしくはドリフトチューブ5間のギャップ長と同程度の大きさになっている。しかし、実際は容器2の下方内壁面に設けられたリッジ3についてだけみても、真空排気ダクトの内径の範囲内に通常は複数個のドリフトチューブ5が含まれている。
図2は、リッジ3と排気口6との配置関係をより詳細に示す図で、図1(b)の図中C−C’と記載された一点鎖線位置での断面の一部を示している。具体的には、容器2の円筒下方側面に設けられている真空排気ダクト7を中心としてその近傍の容器2の下面に取り付けられたリッジ3と、ドリフトチューブ5と、排気口6の配置を示している。ドリフトチューブ5は、実線と破線とで示されているが、実線で示されたドリフトチューブ5は、容器2の下方に設置されているリッジ3にステム4を介して取り付けられたものを示し、破線で示されたドリフトチューブ5は容器2の上方に設置されているリッジ3にステム4を介して取り付けられたものを示している。
真空排気ダクト7については、破線で示す円でその内径境界位置が示されている。真空排気ダクト7の内径は、通常、ドリフトチューブ5の長さよりも大きく、図示するように下方のリッジ3に取り付けたドリフトチューブ5の数だけでも複数個がこの内径の範囲内に収まる程度の大きさを有している。この図の例では、真空排気ダクト7の内径範囲内に、容器2の内壁下方に取り付けられているリッジ3にステム4を介して取り付けられているドリフトチューブ5の数は2個強となっている。図1では真空排気ダクト7の内径範囲内に、ドリフトチューブ5が1個しか示されていないが、これは既に説明したとおり、図1は簡略化した図であるということによる。
排気口6について、図2を使って、もう少し詳しく説明する。
排気口6は真空排気ダクト7の破線で示す内径範囲内に、且つ容器2の周方向で、リッジ3の両側にそれぞれ分割して設けられている。また、リッジ3の両側に設けられた排気口6はそれぞれ、空胴1の中心軸方向に更に複数の排気口に分割されており、排気口6の上記中心軸方向に隣り合う上記分割された排気口6間には容器2の内周方向に沿って、容器2の内壁面が残されている。この残された内壁面は、容器2の内壁面を流れる電流11の電流通路14を形成する。さらにリッジ3の下部は長さ方向全長にわたり容器2の内壁面と電気的接触面10を有するように取り付けてある。このリッジ3と排気口6との間にも容器2の内壁が空胴1の軸方向に沿って残されており、図2では、この部分を電流経路15として示している。この分割された排気口6は、真空排気ダクト6の内径範囲内に配置する必要があることから、その位置により異なる形状にしてある。図2の例では四角形と三角形にしたが、この形状に限定する必要はない。電流通路14が確保できれば、分割された排気口6の形状は自由である。なお、電流通路14の形状は、リッジ3への最短の電流通路となるように、容器2の周方向に沿った形状とするのが望ましい。
図中の矢印11はある時点での容器2の内壁を流れる内壁面電流11を示している。この電流の方向は、既に説明したとおり時間によって変化する。加速空胴1内の隣り合うドリフトチューブ5間で発生する加速電場は、加速空胴1の内壁面に流れる電流が、リッジ3、およびステム4を経由してドリフトチューブ5に流れることにより発生し、電流値により変化すると共に図1に示した加速空胴1の荷電粒子加速軸9に直交する面での断面積の大きさによっても変化する。通常、加速空胴1内にリッジ3を設置し、設計段階でリッジ3の大きさを調整することで、加速電場が全てのドリフトチューブ5間において略等しくなるよう調整を行なう。これは、ドリフトチューブ5での放電を抑え、且つ加速効率を向上させるためである。加速空胴1に設置された排気口6によって加速空胴1内を真空にすることで、加速空胴1内での放電と荷電粒子の気体との衝突による粒子の発散とを抑えつつ、上記ドリフトチューブ5間の電場により粒子が加速される。
このドリフトチューブ5への電流を出来るだけ均一にすることにより、ドリフトチューブ5間のギャップ部の電場を加速空胴1の中心軸方向に対して均一化することが出来る。
排気口6の存在により、従来はリッジ3は排気口6の範囲内で容器2の内壁面と電気的に非接触の状態になっていた。しかし、上記の通りリッジ3の両側に排気口6を分割したことによりリッジ3はその全長にわたり空胴1の容器2内壁面との間で電気的接触面10確保することが出来るようになった。これにより、全長にわたる電気的接触が確保できていない場合に比べて、内壁面電流11が、非接触部に配置されているドリフトチューブ5に至るまでの電流通路の抵抗値が減少する。これによりドリフトチューブ間の電場の不均一性が改善される。
また、内壁面電流11はリッジ3に至る前に排気口6を迂回する必要があるが、迂回するとその分、電流通路の抵抗値が大きくなり、ドリフトチューブに流れる電流値が迂回の分だけ変化するため電場が変化する。この迂回の程度を小さくするために、上記の通り、空胴1の中心軸方向に排気口6を更に複数に分割し、分割された排気口6の間に電流通路14を設けた。この電流通路14は空胴容器2の内壁面で構成される。この電流通路14よっても各ドリフトチューブ5への電流通路の抵抗値の差異が改善され、各ギャップでの電場強度が均一化される。また、上記電流路15も電流通路の抵抗値の差異を改善するために効果があるため、電場の均一化に効果がある。
なお、電流通路14は、容器2の内壁面円周方向に沿った形状であることが望ましい。リッジ3、ステム4を介してドリフトチューブ5への電流通路を考えた場合に通路長がより小さくなり、排気口6から離れた位置にあるドリフトチューブ5に対して電流通路の抵抗値の差異が小さくなるからである。これにより、各ギャップでの電場強度がより均一化される。
また、上記の通り、容器2内壁面とリッジ3の全長での電気的接触を図ることと、上記の意味で分割された排気口6を採用することにより、加速空胴1の品質を表すために用いるQ値も下記の通り改善されることがわかる。
Q値は次の式(1)で定義される。
Q=ωW/P (1)
式(1)においてω0は共振角周波数、Wは空胴内に蓄積される電磁場のエネルギー、Pは空胴への供給電力である。分子は、容器2の内壁面での消費エネルギーが小さいほど大きくなる。すなわち、Q値が大きいほど、加速空胴壁面での消費電力が小さく、加速器として質のよいものといえる。上記の通り、本発明においては、リッジ3は、加速空胴の容器2内壁面と全面に渡り接しており、更に排気口6を空胴1の中心軸方向に複数に分割することにより、排気口6の存在による経路の迂回を従来よりも小さく抑えた。そのため電流通路抵抗が低減し、加速空胴壁面での消費電力が小さくなる。従って、Q値も改善される。このように、Q値の低下を抑えながら排気口を加速空胴の下面に設置することが可能となる。
実施の形態2
本実施の形態に係る発明を図3に示す。
図3は加速空胴1の中心軸に直交する断面図である。図中、14はRFシール、その他は
図1、2と同様である。RFシール14は真空ダクト内の空胴1の外壁に設置し、空胴1の容器2内壁面と電気的に接続させておく(図ではこの電気的接続については省略した。)。このようにRFシールを設置することにより排気口6による電磁場の漏れを低減することが出来るのでQ値の低下を防ぐ同様の効果があると共に、高周波の真空ダクト内への流入を阻止する事ができるという効果もある。
更に、RFシールはリッジ3とも電気的に接続されることになるため、排気口6の範囲内に設定された電流通路にもなる。そのため、排気口6の存在による別途の電流の迂回路が不要となり、Q値の改善に資する。また、同様の理由でギャップ部の電場強度の均一性も改善される。
なお、上記のようにRFシールを採用する場合は、このシール部が電流通路となるため、排気口6を空胴1の中心軸方向に分割する必要はない。
実施の形態3
本実施の形態に係る発明を図4に示す。
図4は加速空胴1の中心軸に直交する断面図である。図中、14はRFシール、その他は
図1、2と同様である。実施の形態2と異なる点は、RFシール14を2分割し、容器2の周方向で、リッジ3の両側にそれぞれ配置した排気口6に対応して容器2内壁面上にそれぞれRFシールを設置したことである。このような配置により、排気口6による電磁場の漏れを低減することが出来るのでQ値の低下を防ぐ同様の効果があると共に、高周波の真空ダクト内への流入を阻止する事ができるという効果もある。
更に、RFシールは排気口6の範囲内に設定された電流通路にもなる。そのため、排気口6の存在による別途の電流の迂回路が不要となり、Q値の改善に資する。また、同様の理由でギャップ部の電場強度の均一性も改善される。
なお、上記のようにRFシールを採用する場合は、このシール部が電流通路となるため、排気口6を空胴1の中心軸方向に分割する必要はない。
実施の形態4
本実施の形態に係る発明を図5に示す。
図5は、加速空胴1の中心軸に直交する断面図である。図中、71は真空排気ダクト7に接続した拡大ポートであり、その他は図1,2と同様である。拡大ポート71は、真空排気ポンプ8の排気効率を上げるために容器2と真空排気ダクト7との間に挿入したもので、真空排気ダクト7の径よりも大きい径を持つ。
また、拡大ポート71の採用に伴って、この拡大ポートの内径に合わせて排気口を大きくしてもよい。これにより、空胴下面に真空排気系を設置して加速器全体としての小型化を測りつつ、従来より、空胴内の真空度を改善することができ、真空度の劣化による荷電粒子の損失を低減することができる。これに実施の形態2で説明したRFシールを採用しても実施の形態2で説明した効果と同様の効果を奏することができる。
1 加速空胴、 2 容器、 3 リッジ、 4 ステム、 5 ドリフトチューブ、6 排気口、7 真空排気ダクト、8 真空排気ポンプ、 9 荷電粒子加速軸、 10電気的接触面、 11 内壁電流、 12 電場、13 荷電粒子、14 RFシール、71 拡大ポート

Claims (6)

  1. 円筒状の導体であるドリフトチューブを、当該円筒中心軸を相互に一致させ、且つ隣り合うドリフトチューブ間を所定距離離して直線状に配置したドリフトチューブ群と、前記ドリフトチューブごとに取り付け、当該ドリフトチューブを支えるとともにドリフトチューブに電気的に接続された棒状導体であるステムと、前記中心軸方向に所定の長さを有する導体で、前記複数個のステムに対して、前記ドリフトチューブ取り付け端部とは異なる端部を固定すると共に前記ステムと電気的に接続された少なくとも1個のリッジと、円筒形状の内壁面を有し、その円筒形状の中心軸が前記ドリフトチューブ群の円筒中心軸と平行となるように、前記ドリフトチューブ群、前記リッジおよび上記ステムを収納するとともに、前記内壁面に真空排気用の排気口を有する容器とを備えたHモードドリフトチューブ線形加速器用の加速空胴であって、
    前記少なくとも1個のリッジは、前記容器の内壁面下部に、当該リッジの長さ方向全長に渡り前記内壁面と電気的に接続するように設置され、
    前記排気口は、前記容器下部内壁面に設置されたリッジに対して、前記容器の内壁面周方向に分割されたものであるHモードドリフトチューブ線形加速器用の加速空胴。
  2. 前記分割された排気口はそれぞれ前記ドリフトチューブの円筒中心軸方向に、更に複数に分割して配置されたものであることを特徴とする請求項1に記載のHモードドリフトチューブ線形加速器用の加速空胴。
  3. 前記ドリフトチューブの円筒中心軸方向に複数に分割された排気口の、隣り合う排気口の間に残存する前記容器内壁面形状は、当該円筒形状内壁面の円周方向に沿った形状を有するものであることを特徴とする請求項2に記載のHモードドリフトチューブ線形加速器用の加速空胴。
  4. 前記排気口と前記リッジとの間には、前記リッジの長さ方向に沿って前記容器内壁面を残したものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のHモードドリフトチューブ線形加速器用の加速空胴。
  5. 前記排気口位置で、前記加速空胴容器外壁面に、RFシールを設置するとともに、前記容器内壁面と前記RFシールとを電気的に接続したことを特徴とする上記1乃至4のいずれか1項に記載のHモードドリフトチューブ線形加速器用の加速空胴。
  6. 前記排気口の位置で、前記加速器空胴容器内壁面に、RFシールを設置するとともに、当該容器内壁面と前記RFシールとを電気的に接続したことを特徴とする上記1乃至4のいずれか1項に記載のHモードドリフトチューブ線形加速器用の加速空胴。
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