以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、後述する外枠11と支持枠部としての内枠12とに対して、前面扉としての前面枠セット14を開放し、下皿ユニット13を取り外した状態を示す斜視図である。図3は、パチンコ機10より前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である。但し、図2,3では便宜上、後述する遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。内枠12の開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びるように設定されており、この開閉軸線を軸心にして内枠12が前方側に開放できるようになっている。
内枠12には、その最下部に下皿ユニット13が取り付けられると共に、下皿ユニット13を除く範囲に対応して前面枠セット14が取り付けられている。また、前面枠セット14は、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
下皿ユニット13には、ほぼ中央部に球受皿としての下皿15が設けられ、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。なお、符号24はスピーカ249(図2参照)からの音出力口であり、符号25は下皿15内から遊技球を下方へと排出するための球抜きレバーである。
下皿15よりも右方には、手前側に突出して遊技球発射ハンドル(以下単に「ハンドル」という)18が配設されている。また、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。
一方、下皿15の上方において球受皿としての上皿19が設けられている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら発射手段としての遊技球発射装置の方へ導出する球受皿である。なお、上皿19は、前面枠セット14において、ガラス137を支持するガラス枠部と一体的に形成されている。
また、図3において、内枠12は、外形が矩形状の樹脂ベース20を主体に構成されており、樹脂ベース20の中央部には略円形状の窓孔21が形成されている。樹脂ベース20の後側には遊技盤30(図4参照)が着脱可能に装着されている。遊技盤30は四角形状の合板よりなり、その周縁部が樹脂ベース20(内枠12)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース20の窓孔21を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。なお、樹脂ベース20には、前面枠セット14の開放を検知する開放検知センサ22が設けられている。また、図示しないが内枠12の開放を検知する開放検知スイッチも設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を用いて説明する。遊技盤30には、一般入賞口31a,31b、第1契機対応口33、第2契機対応口34、可変入賞装置ユニット37等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。なお、本実施形態では、可変入賞装置ユニット37が可変入球手段に相当する。また、第1契機対応口33、第2契機対応口34が始動入球手段(始動口)に相当する。
ここで、一般入賞口31a,31b等の配設位置について説明する。遊技盤30の略中央部において可変入賞装置ユニット37が配設され、この可変入賞装置ユニット37の下方において第2契機対応口34が配設され、第2契機対応口34の左右側方においてそれぞれ第1契機対応口33が配設され、各第1契機対応口33の左及び右外方において一般入賞口31a,31bが配設されている。周知の通り前記一般入賞口31a,31b、第1契機対応口33、第2契機対応口34、可変入賞装置ユニット37に遊技球が入球すると、後述する検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入球部に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車27等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで可変入賞装置ユニット37について図5〜図7を参照してより詳しく説明する。可変入賞装置ユニット37は、図示しない電気配線を通じて後述する主制御装置261(主基板)に接続されており、主制御装置261により制御される。
図5は、可変入賞装置ユニット37の正面図である。可変入賞装置ユニット37は、略中空形状の本体部401と、該本体部401の下部に設けられた遊技球振分け機構402と、該遊技球振分け機構402の上方において上下動を行う移動体403と、本体部401の上部に設けられた遊技球転動部404と、該遊技球転動部404の左右両側部において開閉可能に軸支された一対の羽根405a,405bと、遊技球転動部404の奥側から遊技球振分け機構402へと遊技球を導く誘導通路406とを備えている。なお、誘導通路406の中途位置において後述するカウントスイッチ223bが設けられている。また、上記可変入賞装置ユニット37には、図9に示すように、移動体403を上下動するための移動体用モータD1と、羽根405a,405bを開閉するための羽根用ソレノイドD2,D3とが設けられている。
図6は遊技球振分け機構402の斜視図であり、図7は遊技球振分け機構402の一部を示す分解斜視図である。遊技球振分け機構402は、ベース部411と、該ベース部411の上部に取着された囲枠部412と、ベース部411に固定されたモータ413と、囲枠部412の凹部412aに嵌め込まれ、かつモータ413の回転軸413aに回転可能に軸支された回転体414とを備えている。
回転体414は、その周縁に沿って複数(本実施の形態では10個)の収容部を有している。複数の収容部は、複数(本実施の形態では8個)の第1収容部421、1つの第2収容部422、及び1つの第3収容部423によって構成されている。前記第1収容部421は、遊技球が回転体414の半径外方向に転出可能なように下面が傾斜した略U字状に構成されている。第2収容部422は、回転体414の円周方向に沿って架け渡された架橋下面を有し、遊技球が前記架橋下面から回転体414の中心方向に向けて転出可能なように図示しない落下口を備えた構成となっている。第3収容部423は、遊技球が回転体414の半径外方向に転出しないように遊技球を抱えることができるよう構成されている。なお、本実施の形態では、回転体414は、通常時(通常遊技状態)や大当たり状態(特別遊技状態)において常時回転を継続するよう構成されている。
一方、上記囲枠部412の凹部412aには、その側壁部において第1通過口425が形成され、その底部において第2通過口426及び第3通過口427が形成されている。便宜上、符号は省略するが、もちろんベース部411にも第2通過口426及び第3通過口427に対応して孔部が設けられている。
第1通過口425は、前記第1収容部421に収容された遊技球を図示しない球排出部に排出するためのものである。つまり、回転体414が回転して、遊技球を収容した第1収容部421の位置が第1通過口425の位置と一致したとき、第1収容部421から遊技球が排出されるようになっている。
第2通過口426は、回転体414の中心軸寄りに形成されており、前記第2収容部422に収容された遊技球を図示しない球排出部に排出するためのものである。つまり、回転体414が回転して、遊技球を収容した第2収容部422の落下口の位置が第2通過口426の位置と一致したとき、第2収容部422から遊技球が排出されるようになっている。
第3通過口427は、回転体414の周縁寄りに形成されており、前記第3収容部423に収容された遊技球を図示しない球排出部に排出するためのものである。つまり、回転体414が回転して、遊技球を収容した第3収容部423の位置が第3通過口427の位置と一致したとき、第3収容部423から遊技球が排出されるようになっている。
また、詳しくは後述するが、第3通過口427に入球した遊技球を検出可能な位置に特定領域スイッチ223aが設けられ、第1通過口425及び第2通過口426に入球した遊技球を検出可能な位置に残存球処理スイッチ225が設けられている(図9参照)。そして、可変入賞装置ユニット37の内部領域に入球した遊技球のうち、第3通過口427に入球した遊技球が特定領域スイッチ223aに検出され、第1通過口425及び第2通過口426に入球した遊技球が残存球処理スイッチ225に検出されるようになっている。尚、本実施形態では、第1通過口425及び第2通過口426が非特定入球部に相当し、第3通過口427が特定入球部に相当する。また、これに限定されることなく、第1収容部421及び第2収容部422を非特定入球部、第3収容部423を特定入球部として捉えることもできる。つまり、羽根405a,405bが開くことで遊技球が入球できる領域であって、該領域に入球した遊技球が第1収容部421、第2収容部422、第3収容部423のいずれかに振分けられるまでの領域が内部領域であると定義することができる。
また、第1通過口425の近傍において当該第1通過口425を遮蔽する第1遮蔽機構431が設けられ、第3通過口427の近傍において当該第3通過口427を遮蔽する第2遮蔽機構432が設けられている。
第1遮蔽機構431は、ベース部411と囲枠部412との間に回動可能に軸支された作動部435と、該作動部435を駆動する第1ソレノイド436とを備えている。作動部435には第1通過口425を閉鎖する第1シャッタ437が設けられている。そして、通常時、つまり第1ソレノイド436の非励磁状態において第1シャッタ437は第1通過口425を開状態とする位置にあり(図7の状態)、第1ソレノイド436が励磁されると、作動部435が回動し、第1シャッタ437は第1通過口425を閉状態とする位置(図6の状態)に移動する。従って、第1シャッタ437により第1通過口425が閉鎖され、遊技球が第1通過口425を通過できなくなる。
第2遮蔽機構432は、ベース部411と囲枠部412との間に回動可能に軸支された作動部441と、該作動部441を駆動する第2ソレノイド442とを備えている。作動部441には第3通過口427を閉鎖する第2シャッタ443が設けられている。そして、通常時、つまり第2ソレノイド442の非励磁状態において第2シャッタ443は第3通過口427を開状態とする位置にあり、第2ソレノイド442が励磁されると、作動部441が回動し、第2シャッタ443は第3通過口427を閉状態とする位置に移動する。従って、第2シャッタ443により第3通過口427が閉鎖され、遊技球が第3通過口427を通過できなくなる。
なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、大当たり状態のラウンド中において第1ソレノイド436及び第2ソレノイド442が励磁状態とされ、第1シャッタ437及び第2シャッタ443が閉鎖されるようになっている。また、ラウンド終了時に第1ソレノイド436及び第2ソレノイド442が非励磁状態に戻され、第1シャッタ437及び第2シャッタ443が開放されるようになっている。
また、本実施形態では、可変入賞装置ユニット37の下部に、入球無効報知ランプ43(図5参照)が設けられている。詳しくは後述するが、入球無効報知ランプ43は、遊技球の第1及び第2契機対応口33、34への入球が可変入賞装置ユニット37の開放の契機として有効である場合に消灯状態とされ、無効である場合に点灯状態とされる。
図4の説明に戻り、遊技盤30には、遊技球発射装置から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール部材としてのレールユニット50が取り付けられており、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレールユニット50を通じて所定の遊技領域に案内されるようになっている。レールユニット50はリング状をなす樹脂成形品にて構成されており、内外二重に一体形成された内レール構成部(内レール部)51と外レール構成部(外レール取付け部)52とを有する。内レール構成部51は上方の約1/4ほどを除いて略円環状に形成されている。また、一部(主に左側部)が内レール構成部51に向かい合うようにして外レール構成部52が形成されている。かかる場合、内レール構成部51と外レール構成部52とにより主として誘導レールが構成され、これら各レール構成部51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路が形成されている。
次に、遊技領域について説明する。遊技領域は、レールユニット50の内周部(内外レール構成部51,52)により略円形状に区画形成されている。本実施の形態では、遊技領域を、パチンコ機10の正面から見て、内レール構成部51及び外レール構成部52によって囲まれる領域のうち、内外レール構成部51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。
図3の説明に戻り、前記樹脂ベース20において、窓孔21(遊技盤30)の下方には、遊技球発射装置より発射された直後に遊技球を案内する発射レール61が取り付けられている。発射レール61は、その後方の金属板62と一体的に樹脂ベース20に取付固定されており、所定の発射角度(打ち出し角度)にて直線的に延びるよう構成されている。従って、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は、まずは発射レール61に沿って斜め上方に打ち出され、その後前述した通りレールユニット50の球案内通路を通じて遊技領域に案内されるようになっている。
また、発射レール61とレールユニット50(誘導レール)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路63が形成されている。従って、仮に、遊技球発射装置から発射された遊技球が遊技領域まで至らずファール球として誘導レール内を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路63を介して下皿15に排出される。また、遊技球発射装置には打球槌が設けられ、軸部を中心とする打球槌の回動に伴い遊技球が発射される。
なお、図3中の符号67は上皿19に通ずる排出口であり、この排出口67を介して遊技球が上皿19に排出される。排出口67には開閉式のシャッタ68が取り付けられている。詳しい図面の開示は省略するが、シャッタ68は、その下辺部に沿って設けられた軸部を軸心として回動可能となるとともに、前面枠セット14を開放した状態(図3の状態)ではバネ等の付勢力によりシャッタ68が排出口67をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉鎖した状態では、当該前面枠セット14の裏面に設けられた球通路樋69(図2参照)によりシャッタ68が押し開けられるようになっている。なお、前面枠セット14の開放状態においては、遊技球は下皿15へ排出されるようになっている。
ファール球通路63の途中には、下皿15が球で満タンになっていることを検出するための図示しない下皿満タンスイッチが通路底面の一部を形成するように設けられている。球が短期間で多量に払い出されると、上皿19が一杯となった後には下皿15に球が溜まり始める。その後、球が払い出され続けても下皿15の球を抜かないとファール球通路63の途中に球が溜まり始めるが、下皿満タンスイッチの設置箇所まで球が溜まるとそれ以降の払出しは後述する払出制御装置311により停止される。
次に、前面枠セット14について図1を参照しつつ説明する。前面枠セット14には前記遊技領域のほとんどを外部から視認することができるよう略楕円形状の窓部101が形成されている。前面枠セット14には矩形状をなす一対のガラス137が前後に所定間隔を隔てて取着されている。加えて、前面枠セット14にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と、返却ボタン122と、度数表示部123とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部123はカード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。
また、前面枠セット14の施錠機構は、内枠12の施錠機構と一体的となっており、当該一体となった施錠機構G1(図8等参照)の本体部は内枠12の背面側に設けられている。
次に、パチンコ機10の背面の構成を詳しく説明する。図8はパチンコ機10の背面図であり、図9は内枠12に遊技盤30を組み付けた状態でその構成を示す背面図である。
まず、パチンコ機10の背面構成について全体の概要を説明する。パチンコ機10にはその背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、主基板と音声ランプ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
後述するように略L字状をなす第1制御基板ユニット201はパチンコ機10のほぼ中央に配置され、その下方に第2制御基板ユニット202が配置されている。また、第1制御基板ユニット201に一部重なる領域に、裏パックユニット203が配置されている。
また、遊技盤30の裏面には、可変入賞装置ユニット37を取り囲むようにして裏枠セット215が取り付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品(例えばABS製)であって、各種入賞部に入賞した遊技球を回収する遊技球回収機構が形成されている。詳しくは、裏枠セット215の下方には、一般入賞口31a,31b、第1契機対応口33、第2契機対応口34、可変入賞装置ユニット37(それぞれ図4参照)の遊技盤開口部に対応し、且つ下流側で1カ所に集合する回収通路216が形成されている。また、遊技盤30の下方には、内枠12にやはり樹脂製(例えばポリカーボネイト樹脂製)の排出通路盤217が取り付けられており、該排出通路盤217には、排出球をパチンコ機10外部へ案内するための排出通路218が形成されている。従って、図9に仮想線で例示するように、一般入賞口31a,31b等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の回収通路216を介して集合し、さらに排出通路盤217の排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36(図4参照)も同様に排出通路218に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出通路218を介してパチンコ機10外部に排出される。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出する入賞感知機構(入球検出手段)などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31a,31bに対応する位置にはそれぞれ入賞口スイッチ221が設けられている。
また、可変入賞装置ユニット37には、特定検出手段としての特定領域スイッチ223a、入球検出手段としてのカウントスイッチ223b、及び残存球処理スイッチ225が設けられている。上述したように、特定領域スイッチ223aは、可変入賞装置ユニット37の内部領域に入球した遊技球が第3通過口427に入球したことを検出するスイッチであり、カウントスイッチ223bは入賞球を検出するスイッチである。また、残存球処理スイッチ225は、可変入賞装置ユニット37に入球した遊技球のうち、第3通過口427に入球しなかった遊技球(第1通過口425及び第2通過口426に入球した遊技球)を検出するスイッチである。なお、本実施形態では、残存球処理スイッチ225及び特定領域スイッチ223aが排出検出手段を構成する。
また、第1契機対応口33に対応する位置にはそれぞれ第1契機対応口スイッチ224aが設けられ、第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口スイッチ224bが設けられている。本実施形態では、第1契機対応口スイッチ224a及び第2契機対応口スイッチ224bが始動入球検出手段に相当する。
特定領域スイッチ223a及びカウントスイッチ223bは図示しない電気配線を通じて盤面中継基板226に接続され、さらにこの盤面中継基板226が後述する主基板(主制御装置261)に接続されている。また、入賞口スイッチ221は電気配線を介して入賞口中継基板227に接続され、さらにこの入賞口中継基板227が電気配線を介して主基板(主制御装置261)に接続されている。これに対し、第2契機対応口スイッチ224b、第1契機対応口スイッチ224aは中継基板を経ることなく電気配線を介して直接主基板(主制御装置261)に接続されている。
なお、図8,9において符号228は打球槌等を備えるセットハンドルであり、符号229は発射モータである。これらセットハンドル228や発射モータ229等により上記遊技球発射装置が構成されている。
上記入賞感知機構(検出手段)にて各々検出された検出結果は、後述する主基板(主制御装置261)に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の賞球(遊技球)の払出しが実施される。なお、賞球(遊技球)の払出個数は、各入賞部(一般入賞口31a,31b等)に対応している。例えば、本実施の形態では、一般入賞口31a,31b、第1契機対応口33及び第2契機対応口34に対応する払出個数は4個、可変入賞装置ユニット37に対応する払出個数は15個と設定されている。
次に、第1制御基板ユニット201を、図10を用いて説明する。図10は同ユニット201の斜視図である。
第1制御基板ユニット201は略L字状をなす取付台251を有し、この取付台251に主制御装置261及び初期化装置543(基板ボックス263)と、音声ランプ制御装置262(基板ボックス265)とが搭載されている。
主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備している。本実施形態では、主制御装置261が遊技状態制御手段に相当する。
また、初期化装置543は、RAM消去スイッチ323が電気的に接続されており、RAM消去スイッチ323が押されたかを検出するとともに、その検出結果を主制御装置261へ送信するRAM消去スイッチ回路543a(図13参照)を具備している。
そして、前記主基板とRAM消去スイッチ回路543aとが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて、主制御装置261及び初期化装置543が構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニット264(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
初期化装置543に電気的に接続されるRAM消去スイッチ323は、パチンコ機10を電源投入時の初期状態へ戻す場合に操作されるスイッチである。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
封印手段としての封印ユニット264はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に連結する構成であれば任意の構成が適用できるが、ここでは5つの封印部材が連結された構成となっており、この封印部材の長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に連結されるようになっている。封印ユニット264による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度開封・封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、封印ユニット264を構成する5つの封印部材のうち、少なくとも一つの封印部材の長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主基板の不具合などにより基板ボックス263を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部材と他の封印部材との連結を切断する。その後、再度封印処理する場合は他の封印部材の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス263の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス263に残しておけば、基板ボックス263を見ることで不正な開封が行われた旨を容易に発見できる。
また、音声ランプ制御装置262は、例えば主制御装置261(主基板)からの指示に従い音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む音声ランプ制御基板を具備しており、この音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス265に収容されて構成されている。音声ランプ制御装置262上には電源中継基板266が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板266を介して音声ランプ制御装置262に出力されるようになっている。
そして、一方の基板搭載面上に主制御装置261(主基板)と初期化装置543とが収容された基板ボックス263が横長の向きに配置されると共に、他方の基板搭載面上に音声ランプ制御装置262(音声ランプ制御基板)が収容された基板ボックス265が縦長の向きに配置されるようになっている。特に、主制御装置261(基板ボックス263)は、パチンコ機10裏面から見て手前側に配置され、音声ランプ制御装置262(基板ボックス265)はその奥側に配置される。
次に、第2制御基板ユニット202を、図11を用いて説明する。図11は同ユニット202の斜視図である。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台301を有し、この取付台301に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射モータ229の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス315,316,317,318にそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス315(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット319(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス315が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものであり、パチンコ機10の背面から見た背面図を図12に示す。
裏パック351は、略平坦状のベース部353と、パチンコ機後方に突出し横長の略直方体形状をなす保護カバー部354とを有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変入賞装置ユニット37を囲むのに十分な大きさを有する。
また、ベース部353には、保護カバー部354を迂回するようにして払出機構部352が配設されている。すなわち、裏パック351の最上部には上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列(2条)の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は前記上皿19に供給される。
タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するバイブレータ360が取り付けられている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源オン又は電源OFFとされるようになっている。
また、裏パックユニット203のベース部353には、外部中継端子板230用の開口部391が設けられており、裏パックユニット203の固定された状態でも、外部中継端子板230の取外し及び操作が可能となっている。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図13は、本パチンコ機10の電気的構造を示したブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ(後述する大当たり中フラグ等)及びカウンタ(後述する残存球監視カウンタ等)、I/O等の値等が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア503aへの書き込みは、通常処理(図15参照)によって電源遮断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)のメイン処理(図14参照)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、初期化装置543、払出制御装置311、第2契機対応口34、可変入賞装置ユニット37、その他図示しないスイッチ等が接続されている。なお、本実施形態では、詳しくは後述する入球エラー復帰スイッチ324(図8参照)についても、この入出力ポート505に接続されている。
初期化装置543には、RAM消去スイッチ回路543aが設けられており、そのRAM消去スイッチ回路543aには、RAM消去スイッチ323が電気的に接続されている。RAM消去スイッチ回路543aはRAM消去スイッチ323が押下された場合に、主制御装置261へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SK2を出力する回路である。パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去スイッチ323が押下されると、主制御装置261と払出制御装置311のRAM503,513(バックアップエリア503a,513a)のデータがそれぞれクリアされる。なお、上述したように、初期化装置543と主制御装置261とは、基板ボックス263に収納されている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグ513bと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグ513cと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファ513dとが設けられている。RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値、コマンドバッファ513dにおける記憶ポインタ及び読出ポインタなどを記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてパチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き込みはメイン処理(図29参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
払出許可フラグ513bは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグ513cは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグ513bと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、後述するコマンド判定処理(図32参照)により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファ513dは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファ513dにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
払出制御装置311のCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射モータ229による遊技機の発射を許可又は禁止するものであり、発射モータ229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射モータ229が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される(図8,9参照)。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理(NMI割込み処理)の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理(NMI割込み処理)を正常に実行し完了することができる。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。主として主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャート図を参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図16は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。本実施形態におけるタイマ割込み処理では、主制御装置261に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して入賞検知情報を保存する処理が行われる。なお、本実施形態では、RAM503(の作業領域)に、各種フラグ(後述する契機対応口無効フラグ、開放フラグ、大当たり開放動作中フラグ、大当たり中フラグ、特定領域有効フラグ、有効時入球フラグ、入球エラーフラグ、特定領域通過フラグ、残存球監視フラグ、通過済判定フラグ、最終開放済フラグ、入球待機フラグ、復帰時作動中フラグ等)、各種カウンタ(後述する第1及び第2賞球カウンタ、開閉制御カウンタ、残存球監視カウンタ、入球カウンタ、ラウンドカウンタ、大当たり時入球カウンタ等)、各種タイマ(後述する入球エラータイマ、開閉制御用タイマ、大当たり制御タイマ等)が記憶されている。
図16に示すように、タイマ割り込み処理は、ステップS301の入賞口スイッチ処理、ステップS302の契機対応口スイッチ処理、ステップS303のカウントスイッチ処理、ステップS304の特定領域スイッチ処理、ステップS305の残存球処理スイッチ処理といった一連の処理からなる。
入賞口スイッチ処理では、まず、入賞口スイッチ221からの検出信号の入力の有無を判定する。そして、検出信号の入力がなされたと判定された場合には、第1賞球カウンタの値を1加算して、本処理を終了する。一方、検出信号の入力がなされていないと判定された場合には、そのまま本処理を終了する。なお、後述する通常処理の外部出力処理において、第1賞球カウンタの値に基づき、一般入賞口31a、31bへの入球に対応した賞球数(本例では4個)の賞球コマンドが払出制御装置311へ出力される。また、この賞球コマンドの出力に際して、第1賞球カウンタの値がリセットされる。
ステップS302の契機対応口スイッチ処理について、図17を参照しつつ説明する。同図に示すように、まず、ステップS401では、第1契機対応口スイッチ224a又は第2契機対応口スイッチ224b(図9参照)からの検出信号の入力があったか否かを判定する。すなわち、ここでは、遊技球の第1契機対応口33又は第2契機対応口34(図4参照)への入球があったか否かを判断する。ここで否定判定された場合にはそのまま本処理を終了する。
一方、ステップS401で肯定判定された場合、ステップS402において、払出制御装置311へ出力される賞球コマンドの設定に際して参酌される第1賞球カウンタの値を1加算する。なお、後述する通常処理の外部出力処理において、第1賞球カウンタの値に基づき、第1契機対応口33及び第2契機対応口34への入球に対応した賞球数(本例では4個)の賞球コマンドが払出制御装置311へ出力される。
続いて、ステップS403において、契機対応口無効フラグがオンの状態であるか否かを判定する。この契機対応口無効フラグは、遊技球の第1契機対応口スイッチ224a及び第2契機対応口スイッチ224bへの入球が、可変入賞装置ユニット37の開放(羽根用ソレノイドD2,D3が励磁され、羽根405a,405bが開かれる)の契機として有効な状態(始動契機有効状態)である場合にはオフの状態であり、一方、無効な状態(始動契機無効状態)である場合にはオンの状態である。ここで契機対応口無効フラグがオンの状態であると判定された場合(ステップS403:YES)には、そのまま本処理を終了する。すなわち、可変入賞装置ユニット37の開放が行われない。
一方、ステップS403で契機対応口無効フラグがオンの状態ではないと判定された場合(ステップS403:NO)には、ステップS404に進み、契機対応口無効フラグをオンにする。なお、この契機対応口無効フラグは後述する残存球監視処理(図31:ステップS1304)にてオフされる。すなわち、残存球監視処理において契機対応口無効フラグがオフされるまでは、第1契機対応口33及び第2契機対応口34に入球があっても、当該入球に起因する可変入賞装置ユニット37の開放が行われないようになっている。なお、本実施形態では、ステップS403の契機対応口無効フラグがオンの状態であるか否かの判定処理、ステップS403において否定判定された場合にステップS404において契機対応口無効フラグをオンする処理、ステップS404の後に行われるステップS406、ステップS407において開閉制御処理を行わせるべく開閉制御カウンタに数値を設定する処理、残存球監視カウンタの値が0である場合に行われる後述するステップS1304の契機対応口無効フラグをオフする処理が開放許可制御手段、始動契機状態切替手段に相当する。
続いて、ステップS405に進み、上記ステップS401で入力が確認された検出信号が、第1契機対応口スイッチ224aからの検出信号であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、ステップS406において、後述する可変入賞装置ユニット37の開閉制御処理に際して用いられる開閉制御カウンタJCの値を、第1契機対応口33に入球があったことを示す「1」に設定し、本処理を終了する。なお、詳しくは後述するが、開閉制御カウンタJCは、「0」乃至「9」のいずれかの値をとり、可変入賞装置ユニット37の開閉制御処理に際しては、かかる値に基づいて処理内容が決定される。
一方、ステップS405で否定判定された場合、すなわち上記ステップS401で入力が確認された検出信号が、第2契機対応口スイッチ224bからの検出信号である場合には、ステップS407において開閉制御カウンタJCの値を、第2契機対応口34に入球があったことを示す「3」に設定し、本処理を終了する。
次に、ステップS303のカウントスイッチ処理について、図18を参照しつつ説明する。尚、上記したことではあるが、可変入賞装置ユニット37が開放状態であるとき(羽根405a,405bが開状態のとき)に、遊技球が可変入賞装置ユニット37の内部領域に入球すると、遊技球は遊技球転動部404から誘導通路406を介して遊技球振分け機構402へ導かれる。このとき、カウントスイッチ223bによって遊技球が検出されるようになっている。
同図に示すように、まずステップS501では、カウントスイッチ223b(図9参照)からの検出信号の入力があったか否かを判定する。すなわち、ここでは、可変入賞装置ユニット37の内部領域に遊技球が入球したか否かの判断がなされる。ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS501で肯定判定された場合、ステップS502において、賞球コマンドの設定に際して参酌される第2賞球カウンタの値を1加算する。なお、後述する通常処理の外部出力処理において、第2賞球カウンタの値に基づき、可変入賞装置ユニット37への入球に対応した賞球数(本例では15個)の賞球コマンドが払出制御装置311へ出力される。また、この賞球コマンドの出力に際して、第2賞球カウンタの値がリセットされる。
続いて、ステップS503において、後述する残存球監視処理に際して参酌される残存球監視カウンタの値を1加算する。なお、残存球監視カウンタは、RAM消去スイッチ323が押下された状態で電源が投入された場合、そのカウンタ値が0にリセットされる。すなわち、本実施形態における初期値は0である。その後、ステップS504において、可変入賞装置ユニット37が開放状態(羽根405a、405bが開状態)であるか否かを示す開放フラグがオンの状態であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合、すなわち可変入賞装置ユニット37が開放状態ではない場合には、ステップS505において、大当たりラウンド中である(ラウンド間のインターバルではない)ことを示す大当たり開放動作中フラグがオンの状態であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合、すなわち大当たりラウンド中でない場合には、ステップS508に移行する。
一方、ステップS504又はステップS505で肯定判定された場合、ステップS506に進み、可変入賞装置ユニット37の内部領域への入球数をカウントする入球カウンタの値が10以上であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、ステップS507において入球カウンタの値を1加算した後、ステップS508へ移行する。また、ステップS506で肯定判定された場合には、入球カウンタの値を加算することなくステップS508へ移行する。
ステップS508では、大当たり中であることを示す大当たり中フラグがオンの状態であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合、すなわち大当たり中でない場合には、ステップS509において、特定領域有効フラグがオンの状態であるか否かを判定する。この特定領域有効フラグは、大当たり中以外のときには、遊技球の第3通過口427への入球(特定領域スイッチ223aの検出)が大当たり状態開始の契機として有効な状態であるか否かを示し、大当たり中のときには、遊技球の第3通過口427への入球が大当たり中のラウンド継続の契機として有効な状態であるか否かを示している。
そして、ステップS509で否定判定された場合、すなわち、遊技球が第3通過口427に入球しても大当たりとならない状態である場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判定された場合には、ステップS510において、遊技球の第3通過口427への入球が大当たり状態の発生又はラウンド継続の契機として有効な状態であるときに、可変入賞装置ユニット37の内部領域に入球(カウントスイッチ223bの検出)があったことを示す有効時入球フラグをオンする。その後、ステップS511において可変入賞装置37の内部領域への入球に対応するカウント音を発生させるためのカウント音コマンドを設定してから、本処理を終了する。
一方、前記ステップS508で肯定判定された場合、すなわち大当たり中である場合には、ステップS512に進み、大当たり中のラウンド数をカウントするためのラウンドカウンタが0であるか否かを判定する。すなわち、ここでは、初回ラウンド(これから大当たりが開始される状態)であるか否かが判断される。ここで、肯定判定された場合にはそのまま本処理を終了する。一方、否定判定された場合には、ステップS513に進み、大当たり中における可変入賞装置ユニット37の内部領域への入球をカウントするための大当たり時入球カウンタの値が10以上であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、否定判定された場合には、ステップS514において大当たり時入球カウンタの値を1加算する。続いて、ステップS515に進み、可変入賞装置37の内部領域への入球に対応するランプの点灯態様及びスピーカ249(図2参照)の音声態様を導出させるためのカウントコマンドを設定した後、本処理を終了する。なお、このカウントコマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(図15:ステップS201参照)において音声ランプ制御装置262へ出力される。そして、カウントコマンドを受信した音声ランプ制御装置262は、当該カウントコマンドに基づいてランプを点灯・点滅・消灯させたり、スピーカ249から音声を出力させたりする。
続いて、ステップS304の特定領域スイッチ処理について、図19を参照しつつ説明する。なお、上記したことではあるが、可変入賞装置ユニット37の内部領域に入球した遊技球が遊技球振分け機構402へ導かれると、遊技球は回転体414のいずれかの収容部に収容される。ここで、遊技球が第3収容部423に収容された場合には、第3通過口427への入球に入球し、特定領域スイッチ223aによって検出されるようになっている。
同図に示すように、まず、ステップS601では、第3通過口427への不正入球等によるエラー状態であることを示す入球エラーフラグがオンの状態であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、ステップS602に進み、特定領域スイッチ223aからの検出信号の入力があったか否かを判定する。すなわち、ここでは、遊技球が第3通過口427に入球したか否かが判断される。ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS602で肯定判定された場合には、ステップS603に進み、残存球監視カウンタの値が0であるか否かを判定する。なお、上記したことではあるが、残存球監視カウンタは、カウントスイッチ223bによる遊技球の検出(可変入賞装置ユニット37の内部領域への入球)があった場合にカウントアップされる(図18:ステップS503参照)。また、残存球監視カウンタは、カウントスイッチ223bによる検出がなく、かつ、特定領域スイッチ223a、残存球処理スイッチ225による検出もない状態(例えば電源立上げ時の初期状態)においては、その値が0である。ここで否定判定された場合には、ステップS604において残存球監視カウンタの値を1減算する。尚、本実施形態では、残存球監視カウンタがカウント記憶手段に相当し、ステップS503の残存球監視カウンタの値を加算する処理が第1更新手段に相当し、ステップS604及び後述するステップS703の残存球監視カウンタの値を減算する処理が第2更新手段に相当する。また、ステップS603の残存球監視カウンタの値が0であるか否かを判定する処理が特定検出手段による検出があった場合に行われる特定残存球監視手段に相当する。
続いて、ステップS605において特定領域有効フラグがオンの状態であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合、すなわち、遊技球が第3通過口427に入球しても大当たりとならない状態である場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS605において肯定判定された場合には、ステップS606に進み、遊技球の第3通過口427への入球が可変入賞装置ユニット37の開放の契機として有効な状態であるときに、遊技球が第3通過口427に入球したこと(特定領域スイッチ223aの検出)を示す特定領域通過フラグをオンする。続いて、ステップS607において、遊技球の第3通過口427への入球に対応するランプの点灯態様及びスピーカ249(図2参照)の音声態様を導出させるための特定領域通過コマンドを設定する。なお、この特定領域通過コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(図15:ステップS201参照)において音声ランプ制御装置262へ出力される。
一方、前記ステップS603において肯定判定された場合、すなわち、残存球監視カウンタの値が0である場合には、ステップS608において入球エラーフラグをオンする。なお、本実施形態では、可変入賞装置ユニット37の内部領域に入球した遊技球は、まず、カウントスイッチ223bによって検出され、その後、特定領域スイッチ223a又は残存球処理スイッチ225に検出される。このため、通常、特定領域スイッチ223aが遊技球を検出する段階にあっては、残存球監視カウンタの値が0であるはずがない。すなわち、このタイミングで残存球監視カウンタの値が0である場合には、不正に遊技球を第3通過口427に入球させる等して特定領域スイッチ223aに不正検出させるといった不正行為が実行された可能性が高い。このため、当ステップS603で、不正行為等によって特定領域スイッチ223aによる検出を行わせたことを示す入球エラーフラグがオンされる。さらに、ステップS609において入球エラータイマに遊技停止時間(例えば31秒)をセットする。なお、入球エラータイマには、便宜上、時間をセットするといった記載をするが、実際には、時間を割出すための数値がセットされる。例えば、タイマ割込み処理において31秒の経過を把握したい場合、本例ではタイマ割込み処理が2msec毎に行われるため、入球エラータイマに15500といった値をセットする。そして、タイマ割込み処理が行われる毎に(2msec毎に)入球エラータイマの値を1減算していき、入球エラータイマの値が0になることで31秒の経過が把握できるといった具合である。
続いて、ステップS610において、第3通過口427への不正入球によるエラーに対応するランプの点灯態様及びスピーカ249(図2参照)の音声態様を導出させるための入球エラーコマンドを設定した後、本処理を終了する。なお、この入球エラーコマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(図15:ステップS201参照)において音声ランプ制御装置262へ出力される。尚、本実施形態では、ステップS603で否定判定された場合に行われるステップS606の特定領域通過フラグをオンする処理、ステップS1002の特定領域通過フラグをオフする処理が特別遊技状態発生判断手段に相当する。
また、前記ステップS601で肯定判定された場合、すなわち、入球エラーフラグがオンの状態である場合には、ステップS611において、入球エラータイマが0であるか否かを判定する。すなわち、ここでは、遊技停止時間(本例では31秒)が経過したか否かが判断される。ここで否定判定された場合には、ステップS615において入球エラータイマの値を1減算してから、本処理を終了する。一方、ステップS611で肯定判定された場合にはステップS612において入球エラーフラグをオフし、ステップS613において残存球監視カウンタの値をリセット(0にする)し、ステップS614において入球エラー解除コマンドを設定して、本処理を終了する。すなわち、ホール関係者等が後述する入球エラー復帰スイッチ324を操作しなくても、遊技停止時間(例えば31秒)経過後に、不正入球に起因するエラー状態が解除されるようになっている。なお、この入球エラー解除コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(図15:ステップS201参照)において音声ランプ制御装置262へ出力される。
次に、ステップS305の残存球処理スイッチ処理について、図20を参照しつつ説明する。同図に示すように、まずステップS701では、残存球処理スイッチ225(図9参照)からの検出信号の入力があったか否かを判定する。なお、上記したことではあるが、第1通過口425及び第2通過口426に入球した遊技球を検出する残存球処理スイッチ225により、可変入賞装置ユニット37の内部領域に入球した遊技球のうち、第3通過口427に入球しなかった遊技球(特定領域スイッチ223aに検出されない遊技球)が検出される。ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS701で肯定判定された場合には、ステップS702において残存球監視カウンタの値が0であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、ステップS703において残存球監視カウンタの値を1減算し、本処理を終了する。
一方、前記ステップS702で肯定判定された場合、すなわち、カウントスイッチ223bによる遊技球の検出がない状態において、残存球処理スイッチ225による遊技球の検出があった場合には、ステップS704において入球エラーフラグをオンするとともに、ステップS705において入球エラータイマに遊技停止時間(本例では31秒)をセットして、本処理を終了する。
図21は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みが行われることにより、後述する通常処理において電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS801において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図21のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
また、図14は、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の一例を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ずはじめに、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、RAM消去スイッチ323が押下(オン)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS115へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS115へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS115へ移行する。
ステップS115の処理では、サブ側の制御装置となる払出制御装置311(及び音声ランプ制御装置262等)を初期化するために、払出初期化コマンド(及び音声初期化コマンド等)を送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS116等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。なお、本実施形態では、ステップS116のRAMの初期化処理が初期値設定手段に相当する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がオンされていれば、RAMの初期化処理(ステップS116等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS116等)に移行する。つまり、ステップS116ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS117ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS114で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。
より詳しくは、ステップS107において、大当たり中であることを示す大当たり中フラグ(後述する図24のステップS1005参照)がオンの状態であるか否かを判定する。すなわち、大当たり状態中(詳しくは後述する大当たり制御処理中)に電源断があったか否かの判断が行われる。
ここで否定判定された場合には、ステップS108において、可変入賞装置ユニット37の開閉制御処理中であることを示す開放制御カウンタJC(後述する図22のステップS901参照)の値が「0」以外であるか否かを判定する。すなわち、契機対応口33、34への入球を契機とした可変入賞装置ユニット37の開放制御中に電源断があったか否かの判断が行われる。
ステップS107で肯定判定された場合、又は、ステップS108で肯定判定された場合には、ステップS109において復帰動作中フラグをオンした後、ステップS110に移行する。一方、ステップS107及びステップS108でともに否定判定された場合(大当たり中フラグがオフの状態、かつ、開放制御カウンタJCの値が「0」の場合)には、そのままステップS110に移行する。
尚、本実施形態では、ステップS107の大当たり中フラグがオンの状態であるか否かを判定する処理、及びステップS108の開閉制御カウンタJCの値が「0」以外であるか否かを判定する処理が、起動時判断手段に相当する。また、本実施形態では、復帰動作中フラグが判断結果記憶手段に相当する。ちなみに、フラグは「0」、「1」のどちらかの数値を記憶する記憶領域である。本実施形態では、便宜上、フラグの値が「0」のときをオフ、フラグの値が「1」のときをオンと称している。本実施形態では、大当たり中フラグがオンの状態であることが、開閉状態記憶手段(経過記憶手段)にて記憶された値が特定の値であることを意味し、大当たり中フラグがオフの状態であることが、開閉状態記憶手段(経過記憶手段)にて記憶された値が特定の値以外の値であることを意味する。また、開放制御カウンタJCの値が「0」以外の値(「1」〜「9」)であることが、開閉状態記憶手段(経過記憶手段)にて記憶された値が特定の値であることを意味し、開放制御カウンタJCの値が「0」であることが、開閉状態記憶手段(経過記憶手段)にて記憶された値が特定の値以外の値であることを意味する。
ステップS110では、電源断前のスタックポインタを復帰させる。続くステップS111では、電源断の発生情報をクリアする。続くステップS112では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信する。続くステップS113では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。以上のように、復電時の処理が実行されることにより、電源断時に行われていた処理の続きが実行されることとなる。その後、ステップS114で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図15のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S208の処理が4msec周期の定期処理として実行される。
図15において、先ずステップS201では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。例えば、入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置311に対して獲得賞球に対応する賞球払出コマンドを送信する。また、ここで可変入賞装置ユニット37等の各種アクチュエータを駆動させるための制御信号も出力される。
ステップS202では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS203では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。その後、ステップS204で可変入賞装置ユニット37の開閉制御処理を行い、ステップS205で大当たり制御処理を行い、ステップS206で残存球監視処理を行う。なお、ステップS204〜S206の処理の詳細については後述する。
その後は、ステップS207において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS208で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまで本ステップを繰り返し実行する。
また、ステップS207において、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS209以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS209において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS210において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS211において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS212において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する。そして、ステップS213でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS214でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS207の処理は、ステップS201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間の終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS211)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
尚、詳しくは後述する可変入賞装置ユニット37の開閉制御処理中に停電が発生した場合には、開閉制御処理に際して使用される開閉制御カウンタJCの値、開閉制御用タイマSTの値、及び残存球監視カウンタの値等がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。そして、復電に際しては、バックアップエリア503aに記憶されている開閉制御カウンタJCの値及び開閉制御用タイマSTの値等に基づいて、電源断時に行われていた開閉制御処理の続きが実行されることとなる(図14のステップS103等参照)。
また、詳しくは後述する大当たり制御処理中に停電が発生した場合には、大当たり制御処理に際して使用されるラウンドカウンタの値、開放回数カウンタの値、大当たり制御タイマの値、及び残存球監視カウンタの値等がバックアップエリア503aに記憶される。そして、復電に際しては、バックアップエリア503aに記憶されているラウンドカウンタの値、開放回数カウンタの値、及び大当たり制御タイマの値等に基づいて、電源断時に行われていた大当たり制御処理の続きが実行されることとなる。
なお、停電が発生した場合、開閉制御カウンタJCの値、開閉制御用タイマSTの値、及び残存球監視カウンタの値等をバックアップエリア503に記憶(退避)するのではなく、開閉制御カウンタJC、開閉制御用タイマST、及び残存球監視カウンタ等が、停電前に記憶していた値を停電後においてもそのまま記憶(維持)することのできる構成としてもよい。また、本実施形態では、RAM503のバックアップエリア503aが開閉状態記憶手段、経過記憶手段、断時記憶手段に相当する。より詳しくは、バックアップエリア503aのうち、開閉制御カウンタJCの値や大当たり制御タイマの値等を記憶する領域が開閉状態記憶手段(経過記憶手段)に相当し、大当たり中フラグのオン・オフの状態を記憶する領域が断時記憶手段に相当する。
ここで、上記ステップS204の可変入賞装置ユニットの開閉制御処理について図22及び図23を参照して説明する。なお、当該開閉制御処理は、上記契機対応口処理(図17参照)にて第1契機対応口33又は第2契機対応口34への遊技球の入球が検出された場合に、可変入賞装置ユニット37の羽根405a,405bを開放する処理である。本実施形態では、第1契機対応口33に入球があった場合には羽根405a,405bが1回開放され、第2契機対応口34に入球があった場合には羽根405a,405bが2回開放される。また、本実施形態における羽根405a,405bの開放時間は1回あたり0.6秒に設定されている。
図22に示すように、まず、ステップS901では、開閉制御カウンタJCの値が0以外であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。すなわち、開閉制御カウンタJCの値が「0」であるということは、当該開閉制御処理を行う状態ではないことを示している。なお、上記したことではあるが、第1契機対応口33又は第2契機対応口34への入球があった場合に、開閉制御カウンタJCの値が「1」又は「3」に設定される(図17:ステップS406、ステップS407参照)。
ここで、開閉制御カウンタJCについて説明する。上記のように開閉制御カウンタJCは、「0」〜「9」のいずれかの値をとるのであるが、開閉制御カウンタJCの値が「1」、「3」のときには可変入賞装置ユニット37の開放前の段階であり、「2」、「4」、「6」のときには可変入賞装置ユニット37の開放開始段階である。「5」のときには可変入賞装置ユニット37が2回開放されるときの1回目の閉鎖段階(1回目の開放と2回目の開放とのインターバルの段階)であり、「7」のときには可変入賞装置ユニット37の閉鎖段階である。「8」のときには可変入賞装置ユニット37が閉鎖された後の、第3通過口427への入球が大当たり状態の発生の契機として有効である期間の経過段階であり、「9」のときには開閉制御処理の終了段階である。
一方、ステップS901で肯定判定された場合、ステップS902において可変入賞装置ユニット37が開放状態であるか否かを示す開放フラグがオンの状態であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、ステップS903において、入球カウンタの値が10以上であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、ステップS904に進み、開閉制御カウンタJCの値を「7」に設定する。それから、ステップS905に進み、当該開閉制御処理において次のステップに進む時期が到来したか否かを判定するための開閉制御用タイマSTの値をリセットしてから(0にセットしてから)、ステップS941(図23参照)に移行する。
なお、開閉制御用タイマSTには、便宜上、時間をセットするといった記載をするが、実際には、時間を割出すための数値がセットされる。例えば、0.6秒の経過を把握したい場合、本例では通常処理が4msec毎に行われるため、開閉制御用タイマSTに150といった値をセットする。そして、通常処理(開閉制御処理)が行われる毎に(4msec毎に)開閉制御用タイマSTの値を1減算していき、開閉制御用タイマSTの値が0になることで0.6秒の経過が把握できるといった具合である。
一方、前記ステップS902又はステップS903で否定判定された場合には、ステップS906において開閉制御カウンタJCの値が「9」であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、後述するステップS910に移行する。
一方、ステップS906で肯定判定された場合(JC=「9」の場合)には、ステップS907において、残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、ステップS908において開閉制御用タイマSTの値をリセット(開閉制御用タイマSTの値に0をセット)してから、ステップS912に移行する。なお、本実施形態では、ステップS907の残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かを判定する処理が、早期残存球監視処理に相当する。
一方、ステップS907で否定判定された場合(残存球監視カウンタの値が「0」でない場合)には、ステップS909において、復帰動作中フラグ(図14:ステップS109参照)がオンの状態であるか否かを判定する。すなわち、開閉制御処理中に電源断があったか否かの判断が行われる。ここで肯定判定された場合(開閉制御処理中に電源断された場合)には、ステップS910に移行する。一方、ステップS909で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。なお、本実施形態では、ステップS909の復帰動作中フラグがオンの状態であるか否かを判定する処理が、早期経緯判断手段に相当する。
ステップS910では、開閉制御用タイマSTの値が「0」であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、ステップS911において開閉制御用タイマSTの値を1減算して、本処理を終了する。一方、ステップS910で肯定判定された場合には、ステップS912に進む。尚、上記のようにステップS907において肯定判定された場合には、ステップS910を跳ばして、ステップS912に移行する。これにより、開閉制御用タイマSTの値が「0」でなくても、その先の処理(ステップS912以降)を実行させることができる。なお、ステップS907において肯定判定された場合には、ステップS908において開閉制御用タイマSTの値がリセットされるため、その後、ステップS910に移行したとしても同じ作用が奏される。
ステップS912では、開閉制御カウンタJCの値が「1」又は「3」であるか否かを判定する。なお、この判定によって、可変入賞装置ユニット37を開放(羽根用ソレノイドD2,D3を励磁)させる前の待機時間をセットする段階であるか否かが判断される。ここで肯定判定された場合には、ステップS913において開閉制御用タイマSTに待機時間(本例では0.6秒)をセットしてから、ステップS947(図23参照)に移行する。
一方、ステップS912で否定判定された場合、ステップS914に進み、開閉制御カウンタJCの値が「6」であるか否かを判定する。なお、この判定によって、可変入賞装置ユニット37を開放する段階であるか否かが判断される。ここで肯定判定された場合、ステップS915において、大当たり中フラグがオンの状態であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、ステップS916において開放制御カウンタJCの値を「9」に設定してから、ステップS947(図23参照)に移行する。一方、ステップS915で否定判定された場合にはステップS918に移行する。
また、前記ステップS914で否定判定された場合には、ステップS917に進み、開閉制御カウンタJCの値が「2」又は「4」であるか否かを判定する。なお、この判定によって、可変入賞装置ユニット37を開放する段階であるか否かが判断される。ここで肯定判定された場合には、ステップS918に移行する。
ステップS918では、開閉制御用タイマSTに開放時間(本例では0.6秒)をセットする。続いて、ステップS919において可変入賞装置ユニット37が開放状態であることを示す開放フラグをオンし、ステップS920において、遊技球の第3通過口427への入球(特定領域スイッチ223aの検出)が大当たり状態開始の契機として有効な状態であることを示す特定領域有効フラグをオンする。その後、ステップS921において羽根用ソレノイドD2,D3(図9参照)を励磁状態(オン)とする。すなわち、ここでは、可変入賞装置ユニット37を開放状態とする。そして、ステップS921の後、ステップS947(図23参照)に移行する。
また、前記ステップS917で否定判定された場合(開閉制御カウンタJCの値が「2」、「4」以外である場合、すなわち「5」、「7」、「8」、「9」のいずれかである場合)には、ステップS922に移行する。
ステップS922では、開閉制御カウンタJCの値が「8」であるか否かを判定する。なお、この判定によって、可変入賞装置ユニット37を閉鎖した後、さらに後述する有効時間(図23:ステップS944参照)が経過した段階であるか否かが判断される。ここで否定判定された場合には、後述するステップS925に移行する。一方、ステップS922で肯定判定された場合には、ステップS923に進み、遊技球の第3通過口427への入球が有効な状態であるとき(特定領域有効フラグがオンのとき)に、可変入賞装置ユニット37の内部領域に入球があったことを示す有効時入球フラグ(図18:ステップS510参照)がオンの状態であるか否かを判定する。ここで否定された場合、ステップS924において開閉制御カウンタJCの値を1加算する。すなわち、ここでは、開閉制御カウンタJCの値が「8」であるところに1加算されるので、開閉制御カウンタJCの値が「9」に設定される。そして、ステップS924の後、ステップS925に移行する。
ステップS925では、開閉制御カウンタJCの値が「9」であるか否かを判定する。なお、この判定によって、契機対応口33、34への入球に基づく一連の開閉制御処理が終了する段階であるか否かが判断される。ここで否定判定された場合には、そのままステップS941(図23参照)に移行する。一方、ステップS925において肯定判定された場合には、ステップS926において、大当たり中であることを示す大当たり中フラグがオンの状態であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合、すなわち、大当たり中である場合には、そのままステップS941(図23参照)に移行する。
一方、ステップS926で否定判定された場合には、ステップS927において特定領域有効フラグをオフし、ステップS928において、詳しくは後述する残存球監視処理を実行することを示す残存球監視フラグをオンする。ステップS928の後、ステップS929において開放終了コマンドを設定してから、ステップS941(図23参照)に移行する。
一方、前記ステップS923で肯定判定された場合(有効時入球フラグがオンの状態であった場合)には、ステップS930において有効時入球フラグをオフするとともに、ステップS931において開閉制御用タイマSTに延長時間(本例では2.5秒)をセットする。その後、ステップS941(図23参照)に移行する。
図23の説明に移り、ステップS941では、開閉制御カウンタJCの値が「5」であるか否かを判定する。なお、この判定によって、第2契機対応口34への入球に基づく2回開放のうち1回目の開放期間が終わる段階であるか否かが判断される。ここで肯定判定された場合には、ステップS942において、開閉制御用タイマSTに待機時間(本例では0.6秒)をセットしてから、ステップS945に移行する。
一方、ステップS941で否定判定された場合には、ステップS943において開閉制御カウンタJCの値が「7」であるか否かを判定する。なお、この判定によって、可変入賞装置ユニット37の開放期間が終わる段階であるか否かが判断される。ここで肯定判定された場合には、ステップS944において開閉制御用タイマSTに有効時間(本例では2秒)をセットしてからステップS945に移行する。一方、ステップS943で否定判定された場合には、ステップS947に移行する。
ステップS945では、羽根用ソレノイドD2,D3を非励磁状態(オフ)とする。すなわち、ここでは、可変入賞装置ユニット37を閉鎖状態とする。続いて、ステップS946で、可変入賞装置ユニット37が開放状態であることを示す開放フラグをオフした後、ステップS947に移行する。
ステップS947では、開閉制御カウンタJCの値が「2」であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、ステップS948において開閉制御カウンタの値を「7」に設定し、本処理を終了する。一方、ステップS947で否定判定された場合には、ステップS949において、開閉制御カウンタJCの値が「9」であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、ステップS950において開閉制御カウンタJCの値を「0」に設定してから、本処理を終了する。一方、ステップS949で否定判定された場合、ステップS951において、開閉制御カウンタJCの値を1加算してから、本処理を終了する。
尚、本実施形態では、上記のように開閉制御カウンタJCの値が「0」以外である場合に行われる処理(特に、開閉制御カウンタJCの値が「1」〜「7」であるときに行われる処理)が開閉制御手段を構成する。また、本実施形態では、ステップS944で開閉制御用タイマSTに有効時間がセットされてから当該開閉制御用タイマSTの値が「0」になるまでの期間が第1有効期間に相当し、ステップS944の処理が第1有効期間設定手段に相当する。また、ステップS931で開閉制御用タイマSTに延長時間がセットされてから当該開閉制御用タイマSTの値が「0」になるまでの期間が第2有効期間に相当し、当該ステップS931の処理が第2有効期間設定処理に相当する。
以上のようにして可変入賞装置ユニットの開閉制御処理が行われるのであるが、ここで、例えば、遊技球が第1契機対応口33(第2契機対応口34)へ入球してから、可変入賞装置ユニット37(羽根405a,405b)が開放状態を経て閉鎖状態とされるまでの流れを説明する。
まず、遊技球が第1契機対応口33に入球すると、第1契機対応口スイッチ224aの検出情報に基づいて、開閉制御カウンタJCの値に「1」が設定される(図17参照)。
その後の開閉制御処理では、開閉制御カウンタJCの値が「0」ではないので(「1」であるので)ステップS901において肯定判定されて、ステップS902に進む。ステップS902においては、まだ可変入賞装置ユニット37が開放されていないので、ステップS906(NO判定)を経て、ステップS910に進む。ステップS910においては、まだ開閉制御用タイマSTに時間設定がなされておらず、開閉制御用タイマSTの値が0なのでステップS912に進む。ステップS912においては、開閉制御カウンタJCの値が「1」なので、ステップS913に進む。そして、ステップS913で開閉制御用タイマSTに、可変入賞装置ユニット37を開放状態とするまでの待機時間(例えば0.6秒)をセットする。その後、ステップS947(NO判定)、ステップS949(NO判定)と進み、ステップS951において開閉制御カウンタJCの値を1加算して(ここで開閉制御カウンタJCの値が「2」になる)、本処理を終了する。
その後、開閉制御カウンタJCの値が「2」である状態で可変入賞装置ユニット開閉制御処理を行っていくのであるが、開閉制御用タイマSTに待機時間(例えば0.6秒)がセットされているため、当該待機時間が経過するまで、ステップS901(YES判定)、ステップS902(NO判定)、ステップS906(NO判定)と進んだ後のステップS910において否定判定され続ける。そして、待機時間が経過した場合(ST=0)には、開閉制御カウンタJCの値が「2」なのでステップS912及びステップS914において否定判定された後、ステップS917で肯定判定され、ステップS918以降の可変入賞装置ユニット37を開放状態とする処理へと進む。
すなわち、ステップS918において開閉制御用タイマSTに開放時間(例えば0.6秒)をセットし、ステップS919において開放フラグをオンし、ステップS920において特定領域有効フラグをオンし、ステップS921において羽根用ソレノイドD2,D3を励磁状態としてから、ステップS947(図23参照)へと移行する。
ステップS947では、開閉制御カウンタJCの値が「2」であるために肯定判定され、ステップS948に進む。そして、ステップS948において、開閉制御カウンタJCの値を「7」に設定してから本処理を終了する。
その後、開閉制御カウンタJCの値が「7」である状態で可変入賞装置ユニット開閉制御処理を行っていくのであるが、開閉制御用タイマSTに開放時間(例えば0.6秒)がセットされているため、当該開放時間が経過するまで、ステップS901(YES判定)、ステップS902(YES判定)、ステップS903(NO判定)、ステップS906(NO判定)と進んだ後のステップS910において否定判定され続ける。そして、開放時間が経過した場合(ST=0)には、ステップS912、ステップS914、ステップS917、ステップS922、ステップS925のいずれにおいても否定判定され、ステップS941に進む。ただし、開放時間が経過する前であっても、ステップS903において可変入賞装置ユニット37への入球が10個以上であると判定された場合には、ステップS941に移行する。なお、この場合、ステップS905において開閉制御用タイマSTの値がリセットされ(0に設定され)、開放時間の経過前であっても、可変入賞装置ユニット37を閉鎖する処理へと移行する。
ステップS941においては開閉制御カウンタJCの値が「5」ではないので否定判定されてステップS943に進み、ステップS943においては開閉制御カウンタJCの値が「7」なので肯定判定されてステップS944に進み、ステップS944において、開閉制御用タイマSTに有効時間(例えば2秒)をセットしてから、可変入賞装置ユニット37を閉鎖する処理へと移行する。すなわち、ステップS945において羽根用ソレノイドD2,D3を非励磁状態とし、ステップS946において開放フラグをオフする。
ステップS946の後、ステップS947(NO判定)、ステップS949(NO判定)と進み、ステップS951において開閉制御カウンタJCの値を1加算して(開閉制御カウンタJCの値が「8」になる)、本処理を終了する。
その後、開閉制御カウンタJCの値が「8」である状態で可変入賞装置ユニット開閉制御処理を行っていくのであるが、開閉制御用タイマSTに有効時間(例えば2秒)がセットされているため、当該有効時間が経過するまで、ステップS901(YES判定)、ステップS902(NO判定)、ステップS906(NO判定)の後のステップS910において否定判定され続ける。
そして、有効時間が経過した場合(ステップS910:YES)には、ステップS912(NO判定)、ステップS914(NO判定)、ステップS917(NO判定)を経て、ステップS922に進む。ステップS922では、JC=「8」なので肯定判定され、ステップS923に進む。そして、ステップS923において、有効時入球フラグがオン状態であると判定された場合には、ステップS930にて有効時入球フラグをオフし、ステップS931にて開閉制御用タイマSTに延長時間(本例では2.5秒)をセットしてからステップS941に移行する。すなわち、ステップS944で設定された有効時間が経過するまでに、遊技球が可変入賞装置ユニット37の内部領域に入球した場合には、まだ第3通過口427への入球に遊技球が入球する可能性があるので、遊技球の第3通過口427への入球が大当たり状態の発生の契機として有効である期間(有効時間)が延長されるのである。
尚、ステップS943にてセットされる有効時間(例えば2秒)は、可変入賞装置ユニット37が閉鎖される直前に内部領域に入球した遊技球が、カウントスイッチ223bに検出されるに足りる時間的猶予を見込んで設定されている。つまり、有効時間経過後において、残存球監視カウンタの値が増えることはない。また、有効時間と延長時間(例えば2.5秒)とを合わせた時間(例えば4.5秒)は、可変入賞装置ユニット37が閉鎖される直前に内部領域に入球した遊技球が、同内部領域から排出されるに足りる時間的猶予を見込んで設定されている。つまり、延長時間経過後において、球詰まりでも発生しない限り内部領域に遊技球が存在することがない。
一方、ステップS923で否定判定された場合には、ステップS924において開閉制御カウンタJCの値に1加算されて当該開閉制御カウンタの値が「9」になる。そして、ステップS925(YES判定)の後、ステップS926において大当たり中であるか否かが判断される。なお、大当たり中フラグは、後述する大当たり制御処理にてオンされる。ここで、否定判定された場合にはステップS927において特定領域有効フラグをオフする(これ以降の遊技球の第3通過口427への入球への通過は無効となり、入球があった場合にも大当たりとならない)。それから、ステップS928において残存球監視フラグをオンする。つまり、当該開閉制御処理の終了時において残存球監視処理が行われるようになっている。ステップS928の後、ステップS929で開放終了コマンドを設定してからステップS941に移行する。
一方、ステップS926で肯定判定された場合、すなわち大当たり中の場合には、そのままステップS941に移行する。つまり、大当たり状態が付与された場合には、当該開閉制御処理の終了時において残存球監視処理が行われないようになっている(大当たり状態終了後に行う)。
その後、ステップS941(NO判定)、ステップS943(NO判定)、ステップS947(NO判定)と進み、ステップS949において、開閉制御カウンタJCの値が「9」であるか否かの判断が行われる。ここで上記ステップS924において開閉制御カウンタJCの値に「9」が設定されている場合には、肯定判定されてステップS950に進む。ステップS950では開閉制御カウンタJCの値を「0」に設定し、本処理を終了する。これにて、一連の開閉制御処理が完了する。
また、上記ステップS924を経由していない場合、すなわち、可変入賞装置ユニット37の開放中又は有効時間内に内部領域に入球があり、延長時間が設定された場合には、開閉制御カウンタJCの値が「8」のままであるので、ステップS949(NO判定)の後のステップS951において、開閉制御カウンタJCの値を1加算して(開閉制御カウンタJCの値が「9」になる)、本処理を終了する。
その後、開閉制御カウンタJCの値が「9」である状態で開閉制御処理を行っていく。すなわち、ステップS901(YES判定)、ステップS902(NO判定)の後、ステップS906において開閉制御カウンタJCの値が「9」なので肯定判定される。
それから、ステップS907に進み、残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かの判断が行われる。ここで肯定判定された場合には、ステップS908において開閉制御用タイマSTの値をリセットしてから、ステップS912に移行する。ステップS912(NO判定)の後、ステップS914(NO判定)、ステップS917(NO判定)、ステップS922(NO判定)を経て、ステップS925へ移行する。その後のステップ移行及び処理内容は上記の通りである。
上記のように、開閉制御カウンタJCの値が「9」である状態で開閉制御処理を行っていく場合には、開閉制御用タイマSTに延長時間(例えば2.5秒)がセットされている。しかしながら、本実施形態では、開閉制御用タイマSTの値が「0」であるか否かの判断(ステップS910)に先立って、残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かの判断(ステップS907)が行われる。そして、残存球監視カウンタの値が「0」である(遊技球が存在しない)と判断された場合には、この延長時間の経過を待たずして、開閉制御カウンタJCの値を「0」とし、開閉制御処理を完了させるのである。つまり、可変入賞装置ユニット37の内部領域から全ての遊技球が排出されたならば、以降の延長時間内において第3通過口427への入球がないはずである。このため、内部領域に遊技球がないと判断された時点で延長時間(遊技球の第3通過口427への入球が大当たり状態の発生の契機として有効である期間)を終了させるのである。
一方、上記ステップS907で否定判定された場合には、ステップS909において復帰動作中フラグがオンの状態であるか否かを判定する。すなわち、開閉制御処理中に電源断されたか否かが判断される。ここで肯定判定された場合には、ステップS910に移行する。ところが、上記のように開閉制御用タイマSTに延長時間がセットされているので否定判定され、ステップS911で開閉制御用タイマSTの値を1減算した後、本処理を終了する。その後、当該延長時間が経過するまで、ステップS901(YES判定)、ステップS902(NO判定)、ステップS906(YES判定)、ステップS907(NO判定)、ステップS909(YES判定)の後のステップS910において否定判定され続ける(但し、延長時間が経過するまでの間にステップS907で肯定判定されなかった場合に限る)。延長時間が経過した場合には、上記した開閉制御カウンタJCの値が「9」である状態のステップ移行を経て、開閉制御処理を完了させる。
また、上記ステップS909で否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。この場合、ステップS907で肯定判定されなければ、ステップS910以降の処理に移行することができなくなる。このため、開閉制御カウンタJCの値を「0」とすることができず、開閉制御処理が完了しないことになる。尚、残存球監視フラグもオンの状態とされないため、残存球監視処理も行われないことになる。
なお、第2契機対応口34への入球に基づく開閉制御処理についても、開閉制御カウンタJCの値こそ異なる数値が用いられるが、ほぼ同じような処理の流れとなっている。異なる点を挙げるならば、可変入賞装置ユニット37を2回開放させるために同じような処理を2回通り行う(開閉制御カウンタJCの値が「4」,「6」のときに開放、開閉制御カウンタJCの値が「5」,「7」のときに閉鎖)こと、1回目の開放と2回目の開放とのインターバルの時間を開閉制御用タイマSTにセットする(ステップS942)こと、1回目の開放のときに遊技球が第3通過口427に入球した場合、又は1回目の開放のときに可変入賞装置ユニット37への入球が10個以上あった場合には、2回目の開放を行わないこと(ステップS914:YES、ステップS915:YES、ステップS916)である。尚、本実施形態では、上記した開閉制御処理、及び、後述する大当たり状態において可変入賞装置ユニット37の羽根405a,405bを開閉する一連の処理が開閉制御手段を構成する。
次に、ステップS205の大当たり制御処理について、図24を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、大当たり制御処理が特別遊技処理に相当する。
同図に示すように、まず、ステップ1001では、特定領域通過フラグ(図19:ステップS606参照)がオンの状態であるか否かを判定する。この特定領域通過フラグは、遊技球の第3通過口427への入球が可変入賞装置ユニット37の開放の契機として有効な状態であるときに遊技球が第3通過口427に入球したか否かを示す。ここで否定判定された場合には、後述するステップS1009へ移行する。
一方、ステップS1001において肯定判定された場合、ステップS1002において特定領域通過フラグをオフする。続いて、ステップS1003において、大当たり中であることを示す大当たり中フラグがオンの状態であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合、すなわち、未だ大当たり中でないと判定された場合には、大当たり状態を開始するときの処理を行う。すなわち、ステップS1004において、開閉制御処理のステップS920(図22参照)でオンされた特定領域有効フラグをオフし、ステップS1005において大当たり中であることを示す大当たり中フラグをオンする。その後、ステップS1006において大当たりの開始を告知するランプの点灯態様及びスピーカ249(図2参照)の音声態様を導出させるための大当たりオープニングコマンドを設定する。なお、この大当たりオープニングコマンドは、通常処理の外部出力処理(図15:ステップS201参照)において音声ランプ制御装置262へ出力される。そして、大当たりオープニングコマンドを受信した音声ランプ制御装置262は、当該大当たりオープニングコマンドに基づいてランプを点灯・点滅・消灯させたり、スピーカ249から音声を出力させたりする。ステップS1006の後、ステップS1007において、詳しくは後述する大当たり制御タイマにオープニング時間(大当たりオープニングコマンドに基づいて行われる演出等が終了するまでの時間)をセットしてから本処理を終了する。
一方、前記ステップS1003で肯定判定された場合には、ステップS1008に進み、大当たりラウンド中において遊技球が第3通過口427に入球したことを示す通過済判定フラグをオンして、ステップS1009へ移行する。なお、この通過済判定フラグは、ラウンドを継続させるか否か(大当たり状態を終了させるか否か)の判断に際して参酌される。
ステップS1009では、大当たり中フラグがオンの状態であるか否かを判定し、ここで否定判定された場合には、そのまま本処理を終了する。つまり、遊技球が第3通過口427に入球するでもなく、大当たり中でもないといった通常の遊技状態においては、ステップS1001及びステップS1009においてともに否定判定され、当該大当たり制御処理を抜けていく。
一方、ステップS1009で肯定判定された場合には、ステップS1010において、大当たりラウンド中であることを示す大当たり開放動作中フラグがオンの状態であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、ステップS1011において、詳しくは後述する大当たり閉鎖中処理を実行した後、本処理を終了する。一方、ステップS1010で肯定判定された場合には、ステップS1012において、詳しくは後述する大当たり開放中処理を実行した後、本処理を終了する。
ここで、ステップS1011の大当たり閉鎖中処理について、図25を参照しつつ説明する。なお、この大当たり閉鎖中処理は、主として初回ラウンドの開始直前、ラウンド間のインターバル、及び、最終ラウンド終了直後において行われる処理である。
まず、ステップS1101では、大当たり制御タイマが「0」であるか否かを判定する。なお、大当たり制御タイマは、当該大当たり閉鎖中処理及び後述する大当たり開放中処理において用いられるタイマであり、羽根用ソレノイドD2,D3(羽根405a,405b)を開放又は閉鎖する時期が到来したか否か、又は、大当たりラウンドを開始させる時期が到来したか否かを判断するために用いられる。また、大当たり制御タイマには、便宜上、時間をセットするといった記載をするが、実際には、時間を割出すための数値がセットされる。例えば、1秒の経過を把握したい場合、本例では通常処理が4msec毎に行われるため、大当たり制御タイマに250といった値をセットする。そして、通常処理が行われる毎に(4msec毎に)開閉制御用タイマSTの値を1減算していき、大当たり制御タイマの値が0になることで1秒の経過が把握できるといった具合である。
ステップS1101で否定判定された場合には、ステップS1102において、大当たり制御タイマの値を1減算し、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS1101において肯定判定された場合には、ステップS1103に進み、大当たり中のラウンド数をカウントするラウンドカウンタの値が0であるか否かを判定する。すなわち、初回ラウンドであるか否かが判断される。ここで肯定判定された場合には、ステップS1106において特定領域有効フラグ(ここでは遊技球の第3通過口427への入球が大当たり中のラウンド継続の契機として有効な状態であるか否かを示す)をオンした後、(初回)ラウンドを開始させるための処理を行うべく、後述するステップS1107に移行する。
一方、前記ステップS1103で否定判定された場合には、ステップS1104に進み、最終ラウンドであること(この時点では最終ラウンドを終えたこと)を示す最終開放済フラグがオンの状態であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、ステップS1105に進み、大当たり中(大当たりラウンド中)に遊技球が第3通過口427に入球したことを示す通過済判定フラグ(図24:ステップS1008参照)がオンの状態であるか否かを判定する。ここで肯定判定されると、(次回の)ラウンドを開始させるための処理を行うべく、ステップS1107に移行する。
ステップS1107では、ラウンドカウンタの値を1加算する。続いて、ステップS1108において、ラウンドカウンタの値が15であるか否かを判定する。なお、本実施形態では、大当たり状態は最大で15ラウンド行われるように設定されているため、ここでは、最終ラウンドであるか否か(最終ラウンドが開始されるか否か)が判断される。ここで否定判定された場合、ステップS1109に進み、大当たりラウンド中であることを示す大当たり開放動作中フラグをオンする。なお、当該ステップS1109(又は後述するステップS1115)にて大当たり開放動作中フラグがオンされることで、上記した大当たり制御処理(図24参照)のステップS1010において肯定判定され、後述する大当たり開放中処理(図26参照)へと移行するのである。
続いて、ステップS1110に進み、大当たり制御処理(図24参照)のステップS1008でオンされた通過済判定フラグをオフし、ステップS1111において大当たり制御タイマに開放時間(本例では1秒)をセットする。その後、ステップS1112において羽根用ソレノイドD2,D3を励磁状態とする(羽根405a,405bを開放し、可変入賞装置37を開放状態とする)。続くステップS1113において、第1ソレノイド436及び第2ソレノイド442を励磁状態(オン)とする。これにより、第1通過口425及び第3通過口427が閉鎖され、第1収容部421又は第3収容部423に収容された遊技球は、通過口425,427から排出されず、各収容部に停留することになる。ステップS1113の後、ステップS1114において、大当たりラウンド中における羽根用ソレノイドD2、D3の励磁回数(羽根405a,405bの開放回数)をカウントするための開放回数カウンタの値を1加算してから、本処理を終了する。
一方、前記ステップS1108において肯定判定された場合、すなわち、最終ラウンドが開始される場合には、ステップS1115に進み、大当たり開放動作中フラグをオンする。続いて、ステップS1116において通過済判定フラグをオフし、ステップS1117において最終ラウンドであることを示す最終開放済フラグをオンする。その後、ステップS1118において大当たり制御タイマに開放時間(本例では1秒)をセットし、ステップS1119において羽根用ソレノイドD2,D3を励磁状態とし、ステップS1120において、開放回数カウンタの値を1加算してから、本処理を終了する。
また、前記ステップS1104で肯定判定された場合には、ステップS1121に進み、最終ラウンドが開始されるときにオンされた最終開放済フラグ(前記ステップS1117参照)をオフした後、ステップS1122に移行する。また、前記ステップS1105において否定判定された場合、すなわち、大当たりラウンド中に、遊技球が第3通過口427に入球しなかった場合においても、ステップS1122に移行する。
ステップS1122以降は、大当たり状態を終了させるための処理である。すなわち、ステップS1122では、大当たりを開始する際に、大当たり制御処理(図24参照)のステップS1005においてオンされた大当たり中フラグをオフする。その後、ステップS1123において通過済判定フラグをオフする(ステップS1105において否定判定されている場合には既に通過済判定フラグがオフの状態であるので、ステップS1121を経由した場合にのみオフされる)。続いて、ステップS1124に進み、初回ラウンドが開始されるときに、前記ステップS1106においてオンされた特定領域有効フラグをオフする。それから、ステップS1125においてラウンドカウンタをリセット(0にする)し、ステップS1126において後述する残存球監視処理を実行することを示す残存球監視フラグをオンし、ステップS1127においてエンディング終了コマンドを設定してから、本処理を終了する。
次に、ステップS1012の大当たり開放中処理について、図26を参照しつつ説明する。この大当たり開放中処理は、大当たりラウンド中に行われる処理である。なお、本実施形態では、大当たり状態においては、羽根405a,405bの18回の開放又は可変入賞装置ユニット37への10個の入球を1ラウンドとして、最大で15ラウンドが実行される。
まず、ステップS1201では、詳しくは後述する入球待機フラグ(ステップS1218参照)がオンの状態であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合には、ステップS1202において大当たり制御タイマの値が0であるか否かを判定する。なお、ここでは、後述する入球待機時間(ステップS1217参照)が経過したか否かが判断される。当該ステップS1202で否定判定された場合には、ステップS1203において大当たり制御タイマの値を1減算してから本処理を終了する。一方、ステップS1202において肯定判定された場合には、後述するステップS1214に移行する。
一方、前記ステップS1201で否定判定された場合には、ステップS1204において、入球カウンタの値が10以上であるか否かを判定する。すなわち、ここでは、ラウンドの終了時期が到来したか否かが判断される。ここで肯定判定された場合(入賞カウンタの値が「10」以上である場合)には、ラウンドを終了させる処理を行うべく、後述するステップS1214に移行する。
一方、ステップS1204において否定判定された場合には、羽根405a,405bを開閉させる処理に移行する。すなわちステップS1205では、大当たり制御タイマの値が0であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合、すなわち、未だ羽根405a,405bの開閉を切換える時期が到来していない場合には、ステップS1210において大当たり制御タイマの値を1減算して、本処理を終了する。
一方、前記ステップS1205において肯定判定された場合には、ステップS1206において羽根用ソレノイドD2、D3が励磁状態であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、羽根405a,405bを開くための処理を行う。まず、ステップS1207において、大当たりラウンド中における羽根用ソレノイドD2、D3の励磁回数をカウントするための開放回数カウンタの値を1加算する。続いて、ステップS1208において羽根用ソレノイドD2、D3を励磁状態とし、ステップS1209において大当たり制御タイマに開放時間(本例では1秒)をセットして本処理を終了する。なお、上記したように、大当たりラウンドの初めの開放制御だけは大当たり閉鎖中処理(図25:ステップS1111、ステップS1112、ステップS1118、ステップS1119参照)にて行われるため、大当たり開放中処理にて行われる開放制御は、大当たりラウンド中の2回目の開放からとなる。
また、前記ステップS1206において肯定判定された場合(羽根用ソレノイドD2、D3が励磁状態である場合)には、ステップS1211に進み、開放回数カウンタの値が「18」以上であるか否かを判定する。すなわち、ここでは、ラウンドの終了時期が到来したか否かが判断される。
ここで否定判定された場合、すなわち、未だラウンドの終了時期が到来していない場合には、ステップS1212において羽根用ソレノイドD2、D3を非励磁状態として羽根405a,405bを閉鎖し、ステップS1213において大当たり制御タイマに閉鎖中時間(開放間のインターバルの長さ:本例では0.6秒)を設定し、本処理を終了する。なお、これ以降、可変入球装置ユニット37の内部領域に10個の入球があるか、羽根用ソレノイドD2,D3が18回開放されるまで、羽根405a,405bの開閉が繰り返される。一方、前記ステップS1211で肯定判定された場合(開放回数カウンタの値が「18」以上である場合)には、ラウンドを終了させる処理を行うべく、ステップS1214に移行する。
ステップS1214では、羽根用ソレノイドD2、D3を非励磁状態とする。続くステップS1215では、第1ソレノイド436及び第2ソレノイド442が非励磁状態(オフの状態)であるか否かを判定する。なお、第1ソレノイド436及び第2ソレノイド442は、ラウンドの開始時において励磁状態とされる(図25:ステップS1113参照)。但し、最終ラウンドにおいては、第1及び第2ソレノイド436、442は非励磁状態のままである。
ここで否定判定された場合には、ステップS1216に進み、第1ソレノイド436及び第2ソレノイド442を非励磁状態に戻す。これにより、第1通過口425及び第3通過口427が開放され、第1収容部421又は第3収容部423に収容された遊技球が、通過口425,427から排出される。そして、遊技球が第3通過口427に入球することを条件に次回のラウンド動作が実行されることとなる。なお、本実施の形態では、通常、遊技球振分け機構402へ導かれた遊技球が第3収容部423に収容される確率は少なくとも見かけ上1/10である。しかし、ラウンド(最終ラウンドを除く)中においては、第1ソレノイド436及び第2ソレノイド442が励磁状態とされるため(図25:ステップ1113参照)、初めに導かれてきた遊技球が第1収容部421に収容され停留した場合には、次に導かれてきた遊技球が第3収容部423に収容される確率は1/9となる。このように、第3収容部423に遊技球が収容されないまま、遊技球振分け機構402へ次々に遊技球が導かれ、第1収容部423に収容され停留されていったとすると、第3収容部423に遊技球が収容される確率は、第1収容部421に停留している遊技球の数に応じて高くなる。なお、第2収容部422には遊技球が停留されないため、第3収容部423に収容される確率は最大で1/2となる。
ステップS1216の後、ステップS1217に進み、大当たり制御タイマに入球待機時間をセットする。なお、ステップS1217でセットされる入球待機時間内に遊技球が第3通過口427に入球することで、次回のラウンドが行われることになる。この入球待機時間は、回転体414が1回転する時間と、第3収容部423から排出された遊技球が第3通過口427に入球するまでの時間とを合計した時間よりも若干長く設定されている。このため、ラウンド終了の時点で第3収容部423に遊技球が収容されていれば、入球待機時間内に遊技球が第3通過口427に入球することになる。また、前記ステップS1204において肯定判定されたことで当ステップが行われる場合には、この時点での大当たり制御タイマの値は0ではないが、ここでは、入球待機時間が上乗せされるのではなく、大当たり制御タイマの値に入球待機時間が上書きされる。ステップS1217の後、ステップS1218において、待機状態であることを示す入球待機フラグをオンしてから、本処理を終了する。
一方、前記ステップS1215において肯定判定された場合には、ステップS1219において、最終ラウンドが開始されるときに、大当たり閉鎖中処理(図25参照)のステップS1117においてオンされる最終開放済フラグがオンの状態であるか否かを判定する。ここで肯定判定された場合、ステップS1220に進み、大当たり制御タイマにインターバル時間(次回のラウンドが開始されるまでのインターバルの時間)をセットする。その後、ステップS1221に進み、次回のラウンドが開始されるまでのインターバルにおいて、当該インターバルに対応したランプの点灯態様及びスピーカ249(図2参照)の音声態様を導出させるためのラウンドオープニングコマンドを設定してから、ステップS1224に移行する。なお、このラウンドオープニングコマンドは、通常処理の外部出力処理(図15:ステップS201参照)において音声ランプ制御装置262へ出力される。
一方、ステップS1219において肯定判定された場合、すなわち最終ラウンドが終了した場合には、ステップS1222において大当たり制御タイマにエンディング時間(通常遊技状態が開始されるまでのインターバルの時間)をセット(上書き)する。その後、ステップS1223において、通常遊技状態が開始されるまでのインターバルにおいて、当該インターバルに対応したランプの点灯態様及びスピーカ249(図2参照)の音声態様を導出させるための大当たりエンディングコマンドを設定してから、ステップS1224に移行する。なお、このエンディングコマンドは、通常処理の外部出力処理(図15:ステップS201参照)において音声ランプ制御装置262へ出力される。また、エンディング時間は、可変入賞装置ユニット37が閉鎖される直前に内部領域に入球した遊技球が、同内部領域から排出されるに足りる時間的猶予を見込んで設定されている。つまり、エンディング時間経過後において、球詰まりでも発生しない限り内部領域に遊技球が存在することがない。
ステップS1224では、大当たり開放動作中フラグをオフする。なお、当該ステップS1224にて大当たり開放動作中フラグがオフされることで、大当たり制御処理(図24参照)のステップS1010において否定判定され、図25の大当たり閉鎖中処理へと移行する。その後、ステップS1225において開放回数カウンタをリセットし、ステップS1226において入球カウンタをリセットし、ステップS1227において大当たり時入球カウンタをリセットし、ステップS1228において入球待機フラグ(ステップS1219参照)をオフしてから本処理を終了する。
次に、上記ステップS206の残存球監視処理について図27を参照して説明する。
まず、ステップS1301では残存球監視フラグがオンの状態であるか否かを判断する。なお、残存球監視フラグは、上記の通り、大当たり状態の終了時(図25:ステップS1126参照)及び開閉制御処理の終了時(図22:ステップS928参照)にオンされる。ここで否定判定された場合にはそのまま本処理を終了し、一方、肯定判定された場合には、ステップS1302に進む。
ステップS1302では、復帰動作中フラグ(図14:ステップS109参照)がオンの状態であるか否かを判断する。すなわち、可変入賞装置ユニット37の開閉制御処理中、又は、大当たり制御処理中において電源断があったかか否かの判断を行っている。ここで否定判定された場合には、ステップS1303において、残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。すなわち、本実施形態では、規定値(初期値)は「0」である。なお、上記したことではあるが、残存球監視カウンタは、遊技球の可変入賞装置ユニット37の内部領域への入球があり、カウントスイッチ223bの検出があった場合に1加算される(図18:ステップS503参照)。また、遊技球が第3通過口427に入球し、特定領域スイッチ223aの検出があった場合(図19:ステップS604参照)、又は、遊技球が第1通過口425又は第2通過口426に入球し、残存球処理スイッチ225の検出があった場合(図19:ステップS703参照)に1減算される。
ステップS1302で肯定判定された場合、又は、ステップS1303で肯定判定された場合には、ステップS1304に進み、契機対応口スイッチ処理(図17:ステップS404参照)においてオンされた契機対応口無効フラグをオフする。これにより、第1及び第2契機対応口33、34への入球が可変入賞装置ユニット37の開放の契機として有効化される始動契機有効状態に切替わる。
続いて、ステップS1305において残存球監視フラグをオフし、ステップS1306で復帰動作中フラグをオフし、ステップS1307で残存球監視カウンタの値をリセットする(残存球監視カウンタの値を0にする)。その後、ステップS1308において、通常時(大当たり中でなく、かつ、可変入賞装置ユニット37が開放されていない状態)に対応するランプの点灯態様及びスピーカ249(図2参照)の音声態様を導出させるための通常時コマンドを設定し、本処理を終了する。なお、この通常時コマンドは、通常処理の外部出力処理(図15:ステップS201参照)において音声ランプ制御装置262へ出力される。尚、本実施形態では、ステップS1303の残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かを判定する処理が、可変入球手段が閉状態とされた後に行われる残存球監視手段に相当する。ステップS1302の復帰動作中フラグがオンの状態であるか否かを判定する処理が経緯判断手段に相当する。ステップS1307の残存球監視カウンタの値をリセットする処理が初期値設定手段に相当する。
一方、ステップS1303で否定判定された場合にはそのまま本処理を終了する。すなわち、残存球監視カウンタの値が「0」でない場合には、可変入賞装置ユニット37に入球した遊技球が、当該可変入賞装置ユニット37から正常に排出されていないこととなる。つまり、可変入賞装置ユニット37内において球詰まりが発生していたり、不正が行われていたりする正常ではない状態であるので、この場合には、依然として、第1契機対応口33及び第2契機対応口34への遊技球があっても、羽根405a,405bを開放しない始動契機無効状態が維持される。
ここで、可変入賞装置ユニット37の開閉制御処理中又は大当たり制御処理中に停電が発生した場合の流れを説明する。尚、詳細は上述した通りであるので、ここでは途中のステップ等を省略しつつ簡単に説明する。
停電の発生により電源断された場合、停電処理が行われ、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値がバックアップエリア503aに記憶される(ステップS210、ステップS211)。特に、開閉制御処理中に停電が発生した場合には、開閉制御処理に際して使用される開閉制御カウンタJCの値、開閉制御用タイマSTの値、及び残存球監視カウンタの値等がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。また、大当たり制御処理中に停電が発生した場合には、大当たり制御処理に際して使用されるラウンドカウンタの値、開放回数カウンタの値、大当たり制御タイマの値、及び残存球監視カウンタの値等がバックアップエリア503aに記憶される。
そして、電源復帰時において、RAM消去スイッチ323が押されていない場合には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理を実行する。ここで、本実施形態では、バックアップエリア503aに記憶(バックアップ)されている大当たり中フラグの状態及び開閉制御カウンタJCの値を確認する(ステップS107、ステップS108)。大当たり中フラグがオンの状態であることが記憶されている場合には、大当たり制御処理中に電源断があったと判断することができる。また、開閉制御カウンタJCの値が「0」以外であることが記憶されている場合には、開閉制御処理中に電源断があったと判断することができる。このように、大当たり制御処理中又は開閉制御処理中に電源断があった場合には、復帰動作中フラグをオンする(ステップS109)。
また、復電時の処理では、バックアップエリア503aの情報に基づいてパチンコ機10を電源遮断前の状態に復帰させる。これにより、電源断前に行われていた大当たり制御処理又は開閉制御処理の続きが行われる。尚、スタックポインタや使用レジスタを電源断前の状態に復帰させた後(ステップS110及びステップS113の後)に、大当たり中フラグがオンの状態であるか否かの判断、及び、開閉制御カウンタJCの値が「0」以外であるか否かの判断を行い、このいずれかの判断で肯定判定された場合に、復帰動作中フラグをオンするといった構成を採用しても同様の作用が奏される。
その後、大当たり制御処理又は開閉制御処理が終了した後に残存球監視処理が行われる。当該残存球監視処理では、復帰動作中フラグがオンの状態であるか否かの判断が行われる(ステップS1302)。ここでオンの状態であると判断された場合には、残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かの判断(ステップS1303)を行うことなく、契機対応口無効フラグをオフ(ステップS1304)し、残存球監視フラグをオフ(ステップS1305)し、復帰動作中フラグをオフ(ステップS1306)し、残存球監視カウンタをリセット(ステップS1307)し、通常時コマンドを設定(ステップS1308)する。つまり、大当たり制御処理中又は開閉制御処理中に電源断した場合には、残存球監視カウンタの値に関係なく、始動契機有効状態に切替わることとなる。
次に、音声ランプ制御装置262にて行われるエラー報知制御処理について図28を参照しつつ説明する。このエラー報知制御処理は、遊技球の可変入賞装置ユニット37の内部領域への入球、及び、遊技球の可変入賞装置ユニット37からの排出が正常に行われているか否かを判断して、対応するランプの点灯態様及びスピーカ249の音声態様を導出するための処理である。尚、音声ランプ制御装置262は、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に、そのコマンドを当該音声ランプ制御装置262のRAM(コマンドバッファ)に記憶し、主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンする受信割込み処理を行う。コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。エラー報知制御処理は、音声ランプ制御装置262にて4msec毎に行われる通常の処理において、コマンド受信フラグがオンされていると判断された場合に実行される。また、詳細は省略するが、エラー報知制御処理においては、受信したコマンドをコマンドバッファから読み出し、その後、コマンド受信フラグをオフする処理が行われる。なお、エラー報知制御処理が、残球報知手段、特定入球無効報知手段を構成する。また、主制御装置261の通常時コマンドの出力及びエンディング終了コマンドの出力、入球エラーコマンドの出力についても残球報知手段、特定入球無効報知手段を構成する。
同図に示すように、まず、ステップS1401では、通常時コマンドを受信したか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、ステップS1402においてエンディング終了コマンド(図25:ステップS1127参照)を受信したか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、ステップS1403において、開放終了コマンド(図23:ステップS929参照)を受信したか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、ステップS1404において、入球エラーコマンド(図19:ステップS610参照)を受信したか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、ステップS1405において、入球エラー解除コマンド(図19:ステップS614参照)を受信したか否かを判定する。ここで否定判定された場合には、本処理を終了する。
上記ステップS1402又はステップS1403で肯定判定された場合には、ステップS1406に進み、入球無効報知ランプ43(図5参照)を点灯させてから本処理を終了する。なお、報知としては、遊技球が契機対応口33、34に入球しても可変入賞装置ユニット37が開放されない状態であることが分かるようになっていればよく、例えば、入球無効ランプ43等の点等態様による報知の他、スピーカ249等の音声態様、本実施形態では設けられていないが液晶装置等の表示装置における表示態様等により報知が行われる構成としてもよい。また、入出力ポート505の出力側に、ホールが管理するホールコンピュータに繋がるケーブルを接続し、球詰まりや不正行為等が発生した旨の信号をホールコンピュータに出力することで報知(通報)が行われてもよい。
また、上記ステップS1404で肯定判定された場合、すなわち、カウントスイッチ223bによる検出がなく、可変入賞装置ユニット37の内部領域への入球がないはずなのに、特定領域スイッチ223a又は残存球処理スイッチ225による検出があったことを示す入球エラーコマンドを受信した場合には、ステップS1407において入球無効報知ランプ43を点滅させてから本処理を終了する。
上記ステップS1401で肯定判定された場合、すなわち、通常遊技が正常に再開された場合、又は、上記ステップS1405で肯定判定された場合(入球エラー解除コマンドを受信した場合)には、ステップS1408において入球無効報知ランプ43を消灯してから本処理を終了する。
なお、図8に示すように、本実施形態では、主制御装置261(入出力ポート505)に接続された入球エラー復帰スイッチ324が設けられている。そして、上記のようなエラーの発生時において入球エラー復帰スイッチ324が押下されると、残存球監視カウンタの値がリセットされる(「0」に設定される)。これにより、主制御装置261から音声ランプ制御装置262に対して通常時コマンドが出力され、通常時コマンドを受信した音声ランプ制御装置262は入球無効報知ランプ43を消灯することになる。また、図22の開閉制御処理において、球詰まり等の不具合の発生に起因してステップS909で否定判定され続けている状態にあっては、残存球監視カウンタがリセットされることでステップS907において肯定判定され、開閉制御処理を完了させることができる。そして、その後の残存球監視処理において契機対応口33、34への入球が有効な始動契機有効状態へと切替わることとなる。加えて、入球エラー復帰スイッチ324が押下されることで、入球エラータイマの値がリセットされ、主制御装置261から音声ランプ制御装置262に対して入球エラー解除コマンドが出力される構成としてもよい。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図30を参照して受信割込み処理を説明し、その後図29を参照してメイン処理を説明する。
図30は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS2101において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファ513dに記憶し、ステップS2102において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグ513cをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファ513dに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図31に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS2201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファ513dへ記憶してコマンド受信フラグ513cをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポート515のコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理を、図29を参照して説明する。図29は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS2001では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS2002でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS2003で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS2004では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS2005でRAM判定値を算出し、続くステップS2006で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS2004で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS2006でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS2013以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS2013ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS2014ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS2015ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS2012へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS2004で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS2006でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS2007で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS2008で電源断の発生情報をクリアし、ステップS2009で賞球の払出を許可する払出許可フラグ513bをクリアする。また、ステップS2010では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS2011では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS2012では、割込みを許可する。
ステップS2012で割込みが許可された後は、ステップS2016の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS2017以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS2017において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS2018において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS2019でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS2020でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS2021でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS2022でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS2016の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図31のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施の形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS2201)。このコマンド判定処理について図32を参照して以下に説明する。
図32は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS2018,S2201)では、まず、ステップS2301においてコマンド受信フラグ513cがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグ513cは、上述した受信割込み処理(図30参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS2301においてコマンド受信フラグ513cがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS2301でコマンド受信フラグ513cがオンと判別されれば、ステップS2302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS2303においてコマンド受信フラグ513cをオフする。ステップS2303においてコマンド受信フラグ513cをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS2302〜ステップS2311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS2304〜ステップS2306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS2304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS2305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS2306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS2307で既に払出許可フラグ513bがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグ513bがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS2308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS2309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS2311で払出許可フラグ513bをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグ513bをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS2307で既に払出許可フラグ513bがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS2307の処理は、払出許可フラグ513bが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグ513bがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグ513bがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS2308)と、RAM513の初期値設定(ステップS2309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグ513bがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS2304:NO、ステップS2305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS2311で払出許可フラグ513bをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS2311の処理において払出許可フラグ513bがオンされると、コマンドバッファ513dの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS2305:NO、ステップS2306:YES)、ステップS2310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS2311で払出許可フラグ513bをオンする。すなわち、主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS2311の処理において払出許可フラグ513bがオンされると、コマンドバッファ513dの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS2304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS2305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS2306:NO)、払出許可フラグ513bをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図31のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS2202において、コマンド判定処理で払出許可フラグ513bがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグ513bがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS2202で肯定判定されれば、ステップS2203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS2204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS2205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、上記下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS2206では、上記タンク355のタンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する。すなわち、球無し検出スイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS2207では、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には払出制御装置311に設けた図示しない状態表示部(7セグメントLED)により報知する。
ステップS2208〜S2210では、賞球払出の処理を実行する。この場合、賞球の払出不可状態でなく、且つ前記ステップS2201で記憶した総賞球個数が0でなければ(ステップS2208,S2209が共にNO)、ステップS2210に進み、賞球制御処理(後述する図33)を開始する。また、賞球の払出不可状態、又は総賞球個数が0であれば(ステップS2208、S2209の何れかがYES)、貸球払出の処理に移行する。
その後、ステップS2211〜S2213では、貸球払出の処理を実行する。この場合、貸球の払出不可状態でなく、且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(ステップS2211がNO、S2212がYES)、ステップS2213に進み、貸球制御処理(後述する図34)を開始する。また、貸球の払出不可状態、又は貸球払出要求を受信していなければ(ステップS2211がYES又はS2212がNO)、後続の球抜きの処理を実行する。
ステップS2214では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS2215では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本払出制御処理の先頭に戻る。
ここで、図33に示す賞球制御処理において、ステップS2401では、払出モータ358aを駆動させて賞球の払出を実行する。続くステップS2402では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS2403に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図31のタイマ割込み処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS2404に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS2405に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図31のタイマ割込み処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS2406に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が総賞球個数に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS2407で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図31のタイマ割込み処理に戻る。
また、図34に示す貸球制御処理において、ステップS2501では、払出モータ358aを駆動させて貸球の払出を実行する。続くステップS2502では、払出モータ358aの回転が正常であるかを払出回転センサの検出結果により判別する。払出モータ358aの回転が正常でなければ、ステップS2503に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図31のタイマ割込み処理に戻る。
また、払出モータ358aの回転が正常であれば、ステップS2504に進み、遊技球のカウントが正常に行われているか否かを払出カウントスイッチの検出結果により判別する。遊技球のカウントが正常でなければ、ステップS2505に進み、払出モータ358aを駆動させてリトライ処理を実行すると共に払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図31のタイマ割込み処理に戻る。
さらに、遊技球のカウントが正常であれば、ステップS2506に進み、払出カウントスイッチによる遊技球のカウント数が所定の貸球個数(25個)に達して払出が完了したか否かを判別する。払出が完了していれば、ステップS2507で払出モータ358aの停止処理を実行し、その後、図31のタイマ割込み処理に戻る。
以上詳述したように、本実施形態では、可変入賞装置ユニット37の内部領域に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ223b、第3通過口427に入球した遊技球を検出する特定領域スイッチ223aの他に、可変入賞装置ユニット37に入賞した遊技球のうち、第3通過口427に入球しなかった遊技球(第1通過口425又は第2通過口426に入球した遊技球)を検出する残存球処理スイッチ225が設けられている。そして、カウントスイッチ223bによる検出があった場合に、残存球監視カウンタの値を1加算し、特定領域スイッチ223aによる検出及び残存球処理スイッチ225による検出があった場合に、残存球監視カウンタの値を1減算するようになっている。このため、残存球監視カウンタの値を確認することで、可変入賞装置ユニット37の内部領域に遊技球が存在するか否かを把握することができる。従って、可変入賞装置ユニット37の内部領域に入球した遊技球が同内部領域から排出されていないこと、すなわち、内部領域における球詰まりの発生や、特定領域スイッチ223a、残存球処理スイッチ225の故障といった不具合が発生していることを検知することができる。
また、大当たり制御処理の終了時と開閉制御処理の終了時において、可変入賞装置ユニット37の内部領域に遊技球が存在していることを検知した場合(残存球監視カウンタの値≠0の場合)には、入球無効報知ランプ43(図5参照)を点灯したりすることで、その旨が報知される。これにより、球詰まり等の不具合にいち早く対処することができ、迅速に球詰まり等の不具合を解消することができる。さらには、第1契機対応口33及び第2契機対応口34への入球があっても羽根405a,405bを開放しない始動契機無効状態(本実施形態では、第1契機対応口33及び第2契機対応口34への入球があった場合には、ステップS404において第1及び第2契機対応口33、34への入球が可変入賞装置ユニット37の開放の契機とならない状態に切替わる)が維持される。このため、球詰まりに起因して遊技球が第3通過口427に入球する確率が不当に高くなったり低くなったりした状態で遊技が行われることで、ホール側又は遊技者側が不利益を被ってしまうといったおそれを抑止することができる。
また、本実施形態によれば、カウントスイッチ223b、特定領域スイッチ223a、及び残存球処理スイッチ225による検出に基づいて可変入賞装置ユニット37の内部領域に存在する遊技球を把握している。このため、例えば、可変入賞装置ユニット37の内部領域において遊技球が一時的に視認不可能な構成を採用し、当該視認不可能な箇所において球詰まりが発生した場合においても、当該球詰まりの発生を確実に検知することができる。従って、球詰まりが発生していることを視認できないことに起因して、球詰まりがそのまま放置されてしまうといった事態を回避することができる。結果として、可変入賞装置ユニット37の内部領域の構成の設計上の制約を緩和させることができる。
さて、上記のように、カウントスイッチ223b、特定領域スイッチ223a、及び残存球処理スイッチ225による検出に基づいて更新される残存球監視カウンタの値は、可変入賞装置ユニット37の内部領域に存在する遊技球の数を示している。しかしながら、可変入賞装置ユニット37の開閉制御処理中又は大当たり制御処理中において電源断があった場合(停電が発生した場合)には、実際に可変入賞装置ユニット37の内部領域に存在する遊技球の数と、残存球監視カウンタの値とが一致しないといった事態が起こり得る。
すなわち、電源断の状態(停電中)においては、もちろんカウントスイッチ223b、特定領域スイッチ223a、及び残存球処理スイッチ225による検出は行われない。しかしながら、内部領域における遊技球は停電中においても移動する。このため、停電中において、遊技球が第1通過口425、第2通過口426、第3通過口427に入球したり、カウントスイッチ223bによる検出地点を通過したりすることが起こり得る。これに起因して、同遊技球を検出することができないといったおそれがある。この場合、内部領域に入球した遊技球が同内部領域から全て排出されたにもかかわらず、復電後、残存球監視処理において、内部領域に遊技球が存在する(球詰まり発生)と誤った判断を下してしまい、始動契機無効状態が維持されてしまうおそれがある。
この点、本実施形態によれば、開閉制御処理中又は大当たり制御処理中において電源断があった場合には、電源立上後及び電源復帰後において、残存球監視カウンタの値が「0」でなくとも、強制的に始動契機有効状態に切替えられる。すなわち、上記のように、停電が発生した場合には、残存球監視カウンタの値が内部領域に存在する遊技球の数と一致しているとは必ずしも言えないので、この場合は、残存球カウンタの値が「0」ではないといった理由で始動契機無効状態を維持するのではなく、強制的に始動契機有効状態に切替えるのである。このため、内部領域に遊技球が存在しないにもかかわらず、始動契機無効状態が維持されてしまうといった事態を回避することができる。また、ホール関係者が始動契機無効状態を解消させる作業に追われてしまうおそれを回避することができる。
また、上記のように、大当たり制御処理中又は開閉制御処理中に電源断があった場合には、強制的に始動契機有効状態に切替えるのであるが、依然として残存球監視カウンタの値が「0」以外の値となっていると、その後の残存球監視処理において内部領域に遊技球が存在すると判断されて、結局始動契機無効状態が維持されることになってしまう。この点、本実施形態によれば、残存球監視処理において、復帰動作中フラグがオンの状態であれば(強制的に始動契機有効状態に切替える際に)、残存球監視カウンタの値がリセット(ステップS1307)される。これにより、上記のような事態を回避することができる。
また、復電時においては、バックアップエリア503aにバックアップされた情報(値)に基づいてパチンコ機10を電源遮断前の状態に復帰させる。これにより、電源断前に行われていた大当たり制御処理又は開閉制御処理の続きが行われる。結果として、内部領域に遊技球を入球させる機会が失われてしまうといった遊技者の不利益を抑止することができる。
また、上記構成の他にも、可変入賞装置ユニット37の内部領域における遊技球の存在を確認するための構成として、例えば、可変入賞装置ユニット37の内部領域への入球数をカウントする第1カウンタと、同内部領域から排出された遊技球数をカウントする第2カウンタとを設け、第1カウンタの値から第2カウンタの値を減算するような構成が考えられる。しかしながら、この場合には、2つのカウンタをそれぞれカウントする処理の他に、一方のカウンタの値から他方のカウンタの値を減算するといった演算処理が必要になってしまう。この点、本実施形態によれば、1つのカウンタ(残存球監視カウンタ)の値を加算したり減算したりしているため上記のような演算処理を行う必要がなく、処理の簡素化を図ることができる。
本実施形態では、残存球監視フラグがオンの状態であるときに残存球監視処理が行われるのであるが、この残存球監視フラグは、大当たり状態の終了時及び開閉制御処理の終了時においてオンされた後(ステップS1126、ステップS928参照)、残存球監視処理において、残存球監視カウンタの値が0であると判断された場合にオフされるようになっている。このため、残存球監視処理は、可変入賞装置ユニット37の内部領域に遊技球が存在しなくなるまで繰り返し行われることとなる。従って、例えば、球詰まりが自然と解除された場合には、人為的な操作を必要とすることなく、第1及び第2契機対応口33、34への入球が可変入賞装置ユニット37の開放の契機として有効な通常の遊技状態に復帰させることができる。また、球詰まりをホール関係者が解消する場合においても、球詰まりしていた遊技球を例えば第1通過口425や第2通過口426に入球させるだけで通常の遊技状態に復帰させることができる。なお、上記のように、入球エラー復帰スイッチ324を押下操作することでも、通常の遊技状態に復帰させることができる。
加えて、残存球監視処理は、開閉制御処理又は大当たり状態における羽根405a,405bの閉鎖直後に行われるのではなく、羽根405a,405bが閉鎖されてから所定時間経過後に行われるようになっている。すなわち、開閉制御処理において羽根405a,405bが閉鎖されてから有効時間(ステップS944参照)が経過した時点、或いは、前記有効時間が経過するまでに遊技球が可変入賞装置ユニット37の内部領域に入球した場合には、該有効時間が経過してからさらに延長時間(ステップS931参照)が経過した時点で残存球監視処理が行われる。または、大当たり状態において羽根405a,405bが閉鎖されてから大当たりのエンディング表示が終了した時点で残存球監視処理が行われる。これにより、可変入賞装置ユニット37の内部領域における球詰まり等の不具合の発生と入球無効報知ランプ43の点灯との対応関係を一致させることができ、球詰まり等の不具合の発生のより確かな検知が可能になる。また、開閉制御処理において羽根405a,405bが閉鎖されてから有効時間が経過するまでに遊技球が内部領域に入球した場合にのみ有効時間が延長され(延長時間が設定され)、遊技球が内部領域に入球しなかった場合には、有効時間が経過した時点で開閉制御処理が終了するとともに残存球監視処理が行われる。このため、開閉制御処理において羽根405a,405bが閉鎖されてから有効時間が経過するまでに遊技球が内部領域に入球しなかった場合には、早い段階で契機対応口33、34への入球が有効となる状態に復帰させることができる。従って、可変入賞装置ユニット37を開状態とすることができないといった遊技者に不利な状態を極力短くすることができる。
また、本実施形態では、大当たり状態の終了時及び開閉制御処理の終了時以外にも、遊技球が第3通過口427に入球した場合に、残存球監視カウンタの値を確認するようになっている。そして、残存球監視カウンタの値が0以外であれば、特定領域スイッチ223aの検出を大当たり状態を発生させたり、大当たりラウンドを継続させたりする。一方、残存球監視カウンタの値が0である場合、すなわち、可変入賞装置ユニット37の内部領域への入球がないはずなのに遊技球が第3通過口427に入球したと判断された場合には、当該特定領域スイッチ223aの検出を無効にして、入球無効報知ランプ43を点灯させるようになっている。このように、遊技球が第3通過口427に入球したという条件だけで大当たり状態を発生させるのではなく、さらに、遊技球が第3通過口427に入球したときの残存球監視カウンタの値に基づいて大当たり状態を発生可能になっている。このため、例えば、可変入賞装置ユニット37の内部領域への入球がないにもかかわらず、セルや電波等で特定領域スイッチ223aに誤検出させて大当たり状態を発生させてしまうといった不正行為等を抑止することができる。なお、このような構成を採用することで、可変入賞装置ユニット37が閉鎖されている状態だけではなく、可変入賞装置ユニット37が開放されている状態においての不正入球も検出することができる。
また、特定領域スイッチ223aの検出があった場合、当該検出に基づいて残存球監視カウンタの値を1減算する前に、残存球監視カウンタの値を確認するようになっている。このため、当該特定領域スイッチ223aの検出があった場合に行われる残存球監視カウンタの値を確認して判断する処理(ステップS603)と、開閉制御処理や大当たり制御処理の終了後に行われる残存球監視カウンタの値を確認して判断する処理(ステップS1303)とを同じ処理内容(残存球監視カウンタの値が0か否か)とすることができる。従って、処理の簡素化を図ることができる。
また、球詰まり(又は特定領域スイッチ223a、残存球処理スイッチ225の故障)が発生した場合には入球無効報知ランプ43が点灯し、不正入球があった場合には入球無効報知ランプ43が点滅する構成のため、入球無効報知ランプ43の点灯状態を確認することで球詰まりが発生したのか、不正入球があったのかを判断することができる。
また、本実施形態では、開閉制御処理中において、可変入賞装置ユニット37が開状態とされてから閉状態とされるまでの間、有効時間がセットされてから当該有効時間が経過するまでの間、及び延長時間がセットされてから当該延長時間が経過するまでの間においては、特定領域有効フラグがオンの状態であり、このときに第3通過口427に入球があると大当たり状態が発生する。
例えば、可変入賞装置ユニット37が閉状態とされたと同時に、特定領域有効フラグをオフしてしまうと、可変入賞装置ユニット37が閉状態とされる直前に内部領域に入球した遊技球が第3通過口427に入球したとしても大当たり状態が発生しないことになってしまう。この点、本実施形態によれば、可変入賞装置ユニット37が閉状態とされた後もしばらくは(少なくとも有効時間が経過するまでは)特定領域有効フラグがオンの状態であるため、上記おそれを回避することができる。
また、開閉制御処理においては、必ず有効時間がセットされる。このため、可変入賞装置ユニット37が閉鎖される直前に内部領域に入球した遊技球がカウントスイッチ223bに検出される前に、内部領域に遊技球が存在しないと判断され、その時点で特定領域有効フラグがオフされてしまうといった事態を回避することができる。
さらに、可変入賞装置ユニット37が開状態とされてから閉状態とされるまでの間、及び有効時間がセットされてから当該有効時間が経過するまでの間のいずれかにおいて内部領域に入球があった場合にのみ、有効時間経過後において延長期間がセットされる。つまり、有効時間が経過するまでに内部領域への入球が確認されなければ、特定領域有効フラグがオンの状態である期間をそれ以上延長させたとしても第3通過口427に遊技球が入球する可能性がないため、延長時間をセットしないのである。従って、延長時間が必ず設定されるような場合に比べて、有効時間が経過するまでに内部領域への入球が確認されないときには、早い段階で残存球監視処理を行うことができる。結果として、可変入賞装置ユニット37を開状態とすることができないといった遊技者にとって不利な状態を極力短くすることができる。
また、本実施形態によれば、延長時間がセットされてから経過するまでの間において内部領域に遊技球が存在するか否かの判断を行い(ステップS907)、内部領域に遊技球が存在しないと判断された時点で延長時間を終了させる。つまり、内部領域から全ての遊技球が排出されたならば、以降の延長時間内において第3通過口427への入球があるはずがない。このため、内部領域に遊技球がないと判断された時点で特定領域有効フラグをオフしたとしても遊技者が不利益を被ることがないのである。このような場合、延長時間としてセットされた時間(2.5秒)が経過する前であっても、開閉制御処理を終了し、その後の残存球監視処理で契機対応口無効フラグをオフ(ステップS1304)するのである。結果として、可変入賞装置ユニット37を開状態とすることができないといった遊技者にとって不利な状態を極力短くすることができる。
加えて、開閉制御処理中に大当たり状態の発生が決定された場合、残存球監視処理は、開閉制御処理の終了直後に行わず、大当たり状態終了後に行う構成となっている。例えば、大当たり状態が発生する場合においても、開閉制御処理の終了直後に残存球監視処理を行う場合、大当たり状態の発生に基づいて可変入賞装置ユニット37が開放された状態中に当該残存球監視処理が実行される場合がある。この場合、もちろん内部領域に遊技球が存在していてもよい状態なのであるが、前記残存球監視処理が行われることで、例えば、球詰まりが発生していないにも関わらず遊技が中断されたり、また、球詰まりの発生を報知可能に構成する場合には、かかる報知が行なわれたりするおそれがある。この点、上記構成を採用することで、上記不具合の発生を回避することができる。
また、本実施形態では、延長時間がセットされてから当該延長時間が経過するまでの間において、内部領域に遊技球が存在すると判断された場合に、復帰動作中フラグがオンの状態であるか否かを判断している(ステップS909)。上記のように、開閉制御処理中に電源断があった場合には、上記のように内部領域に遊技球が存在するか否かの判断を誤る可能性がある。一方、開閉制御処理中において電源断がなかった場合は、内部領域に遊技球が存在するか否かの判断が正確に行われる。つまり、ステップS909では、ステップS907において内部領域に遊技球が存在すると判断されたが、果たしてその判断が信憑性を有するものであるか否かの判断が行われる。これにより、内部領域に遊技球が存在するといった判断が正確である場合と、誤っている可能性がある場合とで区別して、異なる制御を行うことができる。
つまり、内部領域に遊技球が存在するといった判断が正確である場合、延長時間経過後において内部領域に遊技球が存在すると判断されるようであれば、球詰まりの発生や、特定領域スイッチ223a、残存球処理スイッチ225の故障等の不具合が発生しているおれがある。このため、本実施形態では、球詰まり等の不具合が解消されるまで残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かの判断処理を繰り返し行う構成としている。また、この場合には、残存球監視カウンタの値が「0」になるまで特定領域有効フラグがオフされない。このため、例えば、延長時間経過後において球詰まりが自然と解消され、当該遊技球が第3通過口427に入球した場合であっても、当該入球を契機として大当たり状態を発生させることができる。
一方、内部領域に遊技球が存在するといった判断が誤っている可能性がある場合、延長時間経過後において内部領域に遊技球が存在すると判断されたとしても、球詰まりが発生しているとは断定できない。このため、内部領域に遊技球が存在しないと判断されるまで残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かの判断処理を繰り返し行うといったことはせず、延長時間経過後には、特定領域有効フラグをオフしてから開閉制御処理を完了して、残存球監視処理(ステップS1302)を行い、始動契機有効状態に切替える構成としている。従って、内部領域に遊技球が存在しないにもかかわらず、内部領域に遊技球が存在すると誤判断されて、大当たり制御処理や開閉制御処理の終了後においても始動契機無効状態が維持されてしまうといったおそれを回避することができる。
また、本実施形態では、電源断時に残存球監視カウンタの値がバックアップエリア503aに記憶されるため、復電時における残存球監視カウンタの値と、電源断前における残存球監視カウンタの値とを一致させることができる。このため、例えば、開閉制御処理中に電源断があった場合であって、電源断前に可変入賞装置ユニット37の内部領域に存在していた遊技球が同内部領域から排出される前に復電した場合には、電源断がなかった場合と同じ処理を実行することができる。
以上、本発明は、上記実施の形態には何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の形態で実施できることは言うまでもない。
(a)上記実施形態では、残存球処理スイッチ225が、可変入賞装置ユニット37に入賞した遊技球のうち、第3通過口427に入球しなかった遊技球のみを検出するよう構成されているが、当該残存球処理スイッチ225を、第3通過口427に入球した遊技球と第1通過口425及び第2通過口426に入球した遊技球とが合流する合流部又はその下流部に設けて、第3通過口427に入球した遊技球についても検出するよう構成してもよい。この場合にも、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。
(b)上記実施形態では、カウントスイッチ223bによる検出があった場合に、残存球監視カウンタの値を1加算し、特定領域スイッチ223aによる検出及び残存球処理スイッチ225による検出があった場合に、残存球監視カウンタの値を1減算しているが、カウントスイッチ223bによる検出があった場合に、残存球監視カウンタの値を1減算し、特定領域スイッチ223aによる検出及び残存球処理スイッチ225による検出があった場合に、残存球監視カウンタの値を1加算してもよい。この場合にも、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。
(c)上記実施形態では、大当たり状態、又は開閉制御処理において羽根405a,405bが閉鎖されてからエンディング時間(ステップS1222参照)経過後、又は有効時間(延長時間)経過後に残存球監視処理が行われるようになっているが、羽根405a,405bの閉鎖直後に残存球監視処理を行ってもよい。このような構成を採用した場合、可変入賞装置ユニット37の内部領域に入球した全ての遊技球が排出されたら直ぐに第1及び第2契機対応口33、34への入球が可変入賞装置ユニット37の開放の契機となる状態(通常の遊技状態)に復帰させることができる。従って、可変入賞装置ユニット37を開状態とすることができないといった遊技者に不利な状態を極力短くすることができる。但し、また報知については、球詰まり等のエラー発生していることが確実となる上記実施形態に記載のような所定時間経過後のタイミングで行われることとする。
(d)上記実施形態では、残存球監視処理において残存球監視カウンタの値が0でないと判定された場合、繰り返し残存球監視処理を行っているが、繰り返し行わなくともよい(上記(c)の構成を採用する場合は除く)。この場合、入球エラー復帰スイッチ324が押下操作されることでのみ、通常の遊技状態に復帰させることができる。
(e)上記実施形態における可変入賞装置ユニット37の構成は特に限定されるものではなく、様々な構成を採用することができる。例えば、カウントスイッチ223bと特定領域スイッチ223aとの間に、内部領域に入球した遊技球が通過可能な遊技球通路と、該遊技球通路の前方を覆う不透明な壁部材とを設け、内部領域に入球した遊技球が一時的に視認不可能となるように構成してもよい。このような構成を採用した場合、壁部材の裏側で球詰まりが発生してしまうと前方から該球詰まりが視認できないため、球詰まりの確認に時間を要してしまったり、発見できなかったりするおそれがあるが、上記実施形態の構成を採用することで、球詰まりの発生を確実に検出することができ、上記おそれを払拭することができる。
(f)上記実施形態では、開閉制御処理(図22参照)において、可変入賞装置ユニット37が開放される時点で特定領域有効フラグがオンされているが、遊技球が可変入球装置ユニット37に入球してから第3通過口427に入球するまでの猶予時間を予め想定して、可変入賞装置ユニット37の開放後、さらに猶予時間が経過した時点で特定領域有効フラグをオンする構成としてもよい。この場合、第3通過口427に遊技球を不正入球させて、特別遊技状態を発生させてしまうといった不正行為が一層困難なものとなり、該不正行為を抑制することができる。
(g)上記実施形態では、1つのカウンタ(残存球監視カウンタ)を用いて可変入賞装置ユニット37の内部領域に存在する遊技球の数を把握しているが、2つのカウンタを用いて内部領域に存在する遊技球の数を把握する構成としてもよい。例えば、カウントスイッチ223bによる検出があった場合にカウンタ値が1ずつ加算される第1残存球監視カウンタと、特定領域スイッチ223aによる検出及び残存球処理スイッチ225による検出があった場合にカウンタ値が1ずつ加算される第2残存球監視カウンタとを設け、残存球監視処理に際して、第1残存球監視カウンタのカウンタ値から第2残存球監視カウンタのカウンタ値を引いて、その値が0であるか否かを判断する構成としてもよい。
(h)上記実施形態では、特定領域スイッチ223aの検出に基づいて行われる残存球監視カウンタの値を確認して判断する処理(ステップS603)を、特定領域スイッチ223aの検出に基づいた残存球監視カウンタを1減算する処理(ステップS604)の前に行っているが、その後に行ってもよい。かかる構成を採用する場合、特定領域スイッチ223aの検出に基づいて行われる残存球監視カウンタの値を確認して判断する処理は、残存球監視カウンタの値が0以上か否かを判別する処理となり、ここで肯定判定されれば特定領域通過フラグをオンする処理等を行い、否定判定されれば入球エラーコマンドを設定する処理等を行う。なお、この場合の残存球監視カウンタは、マイナスの値をとり得る構成とする。
(i)上記実施形態では、球詰まりが発生した場合に入球無効報知ランプ43が点灯する構成となっているが、例えば、ステップS404の契機対応口無効フラグをオンする処理が行われる時点で入球無効報知ランプ43を点灯させてもよい。この場合、契機対応口33、34への入球が無効である状態のときには入球無効報知ランプ43が点灯状態となる。また、このような構成を採用する場合、上記実施形態の入球無効報知ランプ43が点灯するタイミングで、入球無効報知ランプ43を点灯状態から(不正入球があった場合の点滅状態とは異なる、例えば点滅間隔の短い)点滅状態に変えてもよい。この場合、球詰まりの発生を確実に把握することができる。
(j)上記実施形態では、ステップS909で否定判定された場合にそのまま開閉制御処理を終了させていたが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、ステップS909で否定判定された場合、開閉制御用タイマSTの値を1減算した後、開閉制御用タイマSTの値が「0」であるか否かを判定する。ここで、「0」以外であると判定された場合にはそのまま処理を終了し、「0」であると判定された場合には球詰まりの発生を示す球詰まり発生時コマンドを設定する。そして、音声ランプ制御装置262が、球詰まり発生時コマンドを受信することで、入球無効報知ランプ43(図5参照)を点灯させる構成としてもよい。この場合、球詰まりが発生しているために始動契機無効状態となっていることを容易に把握することができる。
(k)上記実施形態におけるステップS909を省略し、ステップS907で否定判定された場合には、ステップS910に移行する構成としてもよい。また、ステップS906〜ステップS909を省略し、ステップS902又はステップS903で否定判定された場合にステップS910に移行する構成としてもよい。
(l)上記実施形態において、第2ソレノイド442が非励磁状態の時には第3通過口427が開放された状態とし、第2ソレノイド442を励磁することで、第2シャッタ443が移動して第3通過口427を閉鎖する構成としてもよい。この場合、電源断時においては、第3通過口427が閉鎖され、遊技球が第3収容部423に収容(停留)された状態となる。このため、停電中に遊技球が第3通過口427を通過した場合には大当たり状態が発生しなくなってしまうといった事態を回避することができる。尚、電源断の状態においては、もちろん可変入賞装置ユニット37は閉状態である。
(m)上記実施形態において、開閉制御処理中に停電が発生した場合には、少なくとも有効時間及び延長時間が経過するまでの間、バックアップ電源によって、少なくとも特定領域スイッチ223aの検出、及び当該特定領域スイッチ223aによる検出情報の記憶が行われるよう構成してもよい。この場合、停電中に遊技球が第3通過口427を通過した場合には大当たり状態発生が発生しなくなってしまうといった事態を回避することができる。
(n)上記実施形態において、復電後、遊技者の所定の操作に基づいて遊技が再開されることとしてもよい。例えば、復電時の処理が行われる場合(例えばステップS112の後)にオンの状態とされる待機フラグを設ける。そして、通常処理のステップS201に先立って、待機フラグがオンの状態であるか否かを判定する。ここで否定判定された場合にはステップS201へと移行し、一方、肯定判定された場合には、例えば、ハンドル18が操作されたか否かを判断する。ここで否定判定された場合には、そのまま通常処理を終了し、一方、肯定判定された場合には、ステップS201へと移行する。このような構成を採用する場合、復電後、例えば、ハンドル18の操作があった場合に初めて、遊技が再開されることとなる。この場合、復電後、いきなり遊技が再開されてしまい、例えば、折角可変入賞装置ユニット37が開放された状態で再開されたにもかかわらず、遊技者がその機会を逃してしまうといった事態を抑制することができる。尚、例えば、「ハンドル18を触ると遊技が再開します」といったアナウンスが行われる構成としてもよい。また、遊技再開の契機としては、ハンドル18の操作に限定されることなく、例えば、遊技者が操作可能なボタンを設け、当該ボタン操作を契機として遊技が再開される構成としてもよい。
(o)上記実施形態では、開閉制御カウンタJCの値が「1」、「3」のときに停電が発生した場合においても復帰動作中フラグをオンしているが、オンしなくてもよい。つまり、開閉制御カウンタJCの値が「1」、「3」のときには、一連の切替制御における1回目の開放前なので、可変入賞装置ユニット37の内部領域に遊技球が入球している可能性はないことから、開閉制御処理中における遊技球の内部領域への入球及び排出が正確に検出される。従って、当該開閉制御処理の終了後、又は開閉制御処理中に行われる残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かの判断は正確なものであると言えるため、開閉制御カウンタJCの値が「1」、「3」のときに停電が発生した場合には復帰動作中フラグをオンしなくてもよいのである。尚、大当たり制御処理中においても、ラウンドカウンタの値が「0」のときには、上記のような理由から復帰動作中フラグをオンしなくてもよい。
但し、ただ単に可変入賞装置ユニット37が閉状態であるからといって、復帰動作中フラグをオンしなくてもよいというものではない。例えば、可変入賞装置ユニット37が複数回連続して開放される場合には、可変入賞装置ユニット37が閉状態であっても、前回の開放の際に既に内部領域に遊技球が入球して存在している場合がある。つまり、可変入賞装置ユニット37が閉状態であるときに停電が発生した場合、既に内部領域に入球している遊技球が停電中に同内部領域から排出されている可能性がある。このため、実際に内部領域に存在する遊技球の数と、残存球監視カウンタの値とが違っている可能性がある。従って、可変入賞装置ユニット37が複数回連続して開放される場合、既に一度でも可変入賞装置ユニット37が開放された後に停電が発生した場合には、復帰動作中フラグを必ずオンすることとする。
(p)上記実施形態において、可変入賞装置ユニット37の開閉制御処理中に大当たり状態が発生した場合には、直ちに当該開閉制御処理を終了させる構成としてもよい。例えば、ステップS902で否定判定された場合又はステップS903で否定判定された場合において、大当たり中フラグがオンの状態であるか否かを判定し、ここで肯定判定された場合には、開閉制御カウンタJCの値を「9」に設定してから、その後の処理を行う構成としてもよい。或いは、ステップS1003において否定判定された場合に、開閉制御カウンタJCの値を「9」に設定するとともに、開閉制御用タイマSTの値をリセットする構成としてもよい。尚、上記のように、大当たり状態中において第3通過口427に入球があったとしても、当該入球に起因して大当たり状態が発生することはない(ステップS1004参照)。つまり、大当たり状態が発生した時点で開閉制御処理を終了させても遊技者の損失にはならない。また、このような構成を採用する場合、ステップS914、ステップS915、ステップS916を省略するとともに、ステップS917の処理を、開閉制御カウンタJCの値が「2」、「4」、「6」のいずれかであるか否かを判断する処理に変更することが望ましい。
(q)上記実施形態では、残存球監視処理において、復帰動作中フラグがオンの状態であるか否かを判断することで、開閉制御処理中又は大当たり制御処理中に電源断があったか否かの判断を行っている。ちなみに、復帰動作中フラグは、電源投入時(復電時)において、バックアップエリア503aに大当たり中フラグがオンの状態であることが記憶されている場合、又は、バックアップエリア503aに記憶されている開閉制御カウンタJCの値が「0」以外である場合にオンされる。
ただし、開閉制御処理中又は大当たり制御処理中に電源断があったか否かの判断を行うための構成は特に限定されるものではなく、例えば、残存球監視処理において、バックアップエリア503aに大当たり中フラグがオンの状態であることが記憶されているか否かの判断、及び、バックアップエリア503aに記憶されている開閉制御カウンタJCの値が「0」以外であるか否かの判断を行うこととしてもよい。
また、例えば、電源断時において開閉制御処理中である場合に「1」の値を記憶し(オンの状態となり)、開閉制御処理中でない場合に「0」の値を記憶する(オフの状態となる)開閉制御フラグを設ける。そして、電源断時において、開閉制御フラグの値(オン・オフの状態)をバックアップエリア503aに記憶する。復電後の残存球監視処理において開閉制御フラグの値が「1」であるか否かを判断し、肯定判定された場合には、上記ステップS1304以降の処理を行い、「0」の場合には、残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かの判断を行う構成としてもよい。
(r)上記実施形態では、図27の残存球監視処理において、残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かの判定処理(ステップS1303)に先立って、復帰動作中フラグがオンの状態であるか否かの判定処理(ステップS1302)を行っているが、復帰動作中フラグがオンの状態であるか否かの判定処理に先立って、残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かの判定処理を行ってもよい。この場合、例えば、ステップS1301で肯定判定された場合に、残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かの判定処理を行う。ここで肯定判定された場合には、ステップS1304に移行し、否定判定された場合には、復帰動作中フラグがオンの状態であるか否かの判定処理を行う。ここで肯定判定された場合にはステップS1304に移行し、否定判定された場合には、そのまま残存球監視処理を終了する構成としてもよい。このような構成を採用しても、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。
また、上記実施形態では、復帰動作中フラグがオンの状態であるか否かの判定処理(ステップS1302)において肯定判定された場合であっても、復帰動作中フラグがオンの状態であるか否かの判定処理(ステップS1302)において否定判定された後に、残存球監視カウンタの値が「0」であるか否かの判定処理(ステップS1303)で肯定判定された場合であっても、ともにステップS1304〜ステップS1308の処理を行う構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、残存球監視処理のステップS1302で肯定判定された場合には、復帰動作中フラグをオフするとともに、残存球監視カウンタの値をリセットして残存球監視処理を終了する。一方、ステップS1302で否定判定された場合にはステップS1303に移行し、ここで肯定判定された場合には、契機対応口無効フラグ及び残存球監視フラグをオフし、通常時コマンドを設定して残存球監視処理を終了する。一方、ステップS1303で否定判定された場合には、そのまま残存球監視処理を終了する。このような構成を採用しても、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。
(s)上記実施形態では、可変入賞装置ユニット37内の第3通過口427に入球することにより、大当たり状態が発生するタイプのパチンコ機として実施されている。これに限らず、他のタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。
例えば、始動入球手段へ遊技球が入球することに基づき所定の当落抽選処理を行い、当該当落抽選処理により当選結果が得られた場合において、複数ラウンドよりなる大当たり状態が発生するパチンコ機として実施してもよい。この場合、複数ラウンドのうちの最終ラウンドにおいてのみ開状態となる可変入球手段を備え、当該可変入球手段への遊技球の入球に基づき次回の大当たり状態を発生しやすくする遊技者に有利な特定処理が実行される。次回の大当たり状態を発生しやすくする遊技者に有利な特定処理としては、例えば、次回の大当たり状態を発生させるか否かの当落抽選処理や、始動入球手段へ遊技球が入球しやすくする処理等が一例として挙げられる。
10…遊技機としてのパチンコ機、33…始動入球手段としての第1契機対応口、34…始動入球手段としての第2契機対応口、37…可変入球手段としての可変入賞装置ユニット、223a…特定検出手段、排出検出手段を構成する特定領域スイッチ、223b…入球検出手段としてのカウントスイッチ、224a…始動入球検出手段を構成する第1契機対応口スイッチ、224b…始動入球検出手段を構成する第2契機対応口スイッチ、225…排出検出手段を構成する残存球処理スイッチ、261…遊技状態制御手段としての主制御装置、425…非特定入球部としての第1通過口、426…非特定入球部としての第2通過口、427…特定入球部としての第3通過口、503a…開閉状態記憶手段、経過記憶手段、断時記憶手段としてのバックアップエリア。