JP4879740B2 - モルヒナン化合物およびその中間体の合成法 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、アヘンアルカロイド、とりわけ、モルヒナン(morphinane)化合物の製造に有用な中間体に関する。本発明はまた、そのような中間体を製造するための方法およびそのような中間体をモルヒナン化合物の合成に利用する方法に関する。
ケシ科(Papaveraceae)のケシ植物から得られるアヘンアルカロイドとしては、中枢神経系の機能低下において最も強く作用し、臨床的に有用である薬物がいくつか挙げられる。典型的なアヘン剤としては、モルヒネ(1)、コデイン(2)、ヘロイン(3)、テバイン(4)およびオリパビン(5)が挙げられる。
Figure 0004879740
(1)R=R=H (4)R=R=CH
(2)R=Me,R=H (5)R=H,R=Me
(3)R=R=MeC(O)
これらの化合物それぞれに共通する基本環構造が式(A)で示されるモルヒナン骨格である。本明細書では、この骨格を含む化合物をまとめてモルヒナンと呼ぶ。
Figure 0004879740
モルヒネ、コデインおよびヘロインは、7位の二重結合を特徴とするもの(Δ−モルヒナン)であるが、一方、テバインおよびオリパビンは、6,8−ジエン系を有している(Δ,Δ−モルヒナン)。
モルヒネおよびコデインは、主として鎮痛薬として使用されているが、痛みの存在下で眠気を誘発するための薬剤、呼吸困難を緩和するための薬剤および鎮咳薬としての使用も認められる。モルヒネは、その有益な臨床的特性にもかかわらず、呼吸を抑制したり、胃腸管、胆道および尿路の平滑筋の活性および緊張を高め、便秘、胆嚢の痙攣および尿貯留を引き起こしたりするように数多くの負の側面を有している。さらに、長年にわたり患者に投与するならば、その患者は鎮痛作用に対する耐性を獲得するため、同程度の鎮痛効果を得るためには用量を増加しなければならない。
ヘロインは、血液脳関門を容易に通過できるモルヒネやコデインよりも優れた脂溶性を示す。ヘロインが英気回復薬(recreational drug)として強く求められている一番の理由がこの効果にある。静脈投与した場合、「使用者」は強い快感や痛覚の低下を感じる。しかしながら、ヘロイン、モルヒネおよび関連化合物に関する問題は、麻薬による陶酔感が組み合わさって身体的依存が現れる可能性があることである。
鎮痛性を有し、かつ望ましくない中毒性副作用を回避する第二世代モルヒネ様分子の半合成に多大な努力が注がれてきた。例えば、モルヒネのN−メチル基をN−アリル基で置き換えることで、モルヒネの望ましくない副作用の多くに拮抗する麻薬拮抗薬としての役割を果たすナロルフィンを提供している。また、メタリル、プロピル、イソブチル、プロパルギルまたはシクロプロパルギル、メチルシクロプロピルおよびメチルシクロブチルなどのその他の基で置換することでも麻薬拮抗薬である物質が生じる。
その他の第二世代天然アヘン剤誘導体としては、14−ヒドロキシアヘン剤拮抗薬、例えば、ナルトレキソン(6)、ナロキソン(7)および14−ヒドロキシノルモルヒノン(Norl4−OH)(8)が挙げられる。
ナロキソン(ナルカンの別名でも知られる)は、アヘン剤過剰摂取(例えば、ヘロイン過剰摂取)に苦しんでいる患者に定期的に投与され、オピオイド受容体部位での競合阻害により過剰摂取の影響を相殺する。ナロキソンは、他のオピオイドの不在下では薬理学的活性を本質的には示さない。ナルトレキソン(テカンの別名でも知られる)は、アヘン剤中毒者の解毒に用いられる。14−ヒドロキシノルモルヒノンは、ナロキソンおよびナルトレキソンの生産において合成的に有益な中間体である。
よって、14−ヒドロキシアヘン剤は薬理学的に重要な誘導体である。本発明は、14−ヒドロキシアヘン剤の製造において有用な方法および新規中間体に向けられる。
Figure 0004879740
(6)R=シクロプロピルメチル(式中、----は単結合である)
(7)R=アリル(式中、----は単結合である)
(8)R=H(式中、----は二重結合である)
これらの第二世代14−ヒドロキシ化合物の工業的合成では、いくつかの共通した困難な問題が提示される。これらの化合物の多くの合成に共通する1つの問題が、天然アヘン剤出発物質(モルヒネ、コデイン、テバインおよびオリパビンなど)に存在するN−メチル置換基の除去である。14−ヒドロキシアヘン剤のいずれの合成アプローチにも共通する2番目の問題が14−ヒドロキシ基の導入である。
3級アミンのN−脱メチル化は、従来、臭化シアンを用いるvon Braun反応(von Braun, J. Chem. Ber., 1900 ,33, 1438)により行われきた。この反応は、収量がわずかであることおよび臭化シアンに毒性があることが認められ、大部分がクロロギ酸エステル試薬に置き換えられてきた(Cooley, J. H.; Evain, E. J. Synthesis, 1989, 1)。特定のクロロギ酸エステル(例えば、クロロギ酸ビニル)は、一般に高収率でN−脱メチル化する試薬であり、得られたカルバミン酸エステルが直ちに開裂されてその対応する2級アミンが得られる。残念なことに、この試薬は非常に高価であるため、大規模製法へのその利用可能性は制限される。いくつかの光化学的手法がN−メチルアミンの開裂用に開発されてきた(Lindner, J. H. E.; Kuhn, H. J.; Gollnick, K. Tetrahedron Lett., 1972, 17, 1705, Santamaria, J.; Ouchabane, R.; Rigaudy, J. Tetrahedron Lett., 1989, 30, 2927, Lopez, D.; Quinoa, E.; Riguera, R., Tetrahedron Lett., 1994, 35, 5727)が、これらの方法は普及していない。
このことに加えて、WO02/16367では、Δ−モルヒナン化合物のΔ,Δ−モルヒナン化合物へのN−脱メチル化および酸化を含む、優れた多段階順序(sequence)が開示されている。報告された手順(procedure)では、最初にN−メチルモルヒナンを酸化してN−オキシドモルヒナンを形成し、その形成されたN−オキシドモルヒナンを、次いでFe(II)系還元剤で処理することによって脱メチル化が行われる。Δ−モルヒナンのジエンへの酸化は、別反応として報告されており、γ−MnOを使用することにより促進される。これらの手順はいずれも後処理手順を伴い、この後処理手順は大規模では非効率的である。これらの後処理工程は、N−脱メチル化工程においても酸化工程においても、それぞれの工程での反応が完了した後、Fe試薬またはMn試薬から所望のモルヒナンを分離するために必要である。
従来、14−ヒドロキシ基は、Δ,Δ−モルヒナンを酸化することによって導入してきた。例えば、GB939287では、14−ヒドロキシコデイノンを得るためのギ酸中テバイン(4)の40〜50℃における30%過酸化水素での酸化が記載されている。興味深いことに、一般的に使用される手順では、通常、保護された3−ヒドロキシ基を有するΔ,Δ−モルヒナンの酸化を行うだけであった。そのため、商業的に価値ある14−ヒドロキシアヘン剤(ナロキソンおよびナルトレキソンなど)を製造する際には、保護基を除去するためのさらなる工程が必要となるであろう。ケシ植物から低収量で抽出され、保護されていない3−ヒドロキシ基を有するオリパビンは、14−ヒドロキシアヘン剤の商業的生産用出発物質としてあまり広くは使用されていない。オリパビンは、本来、モルヒネおよびコデインよりも存在量が少ないが、その有用性が現在存在しないということから、この天然に存在するオピオイドの現実的な不足がないということになる。よって、オリパビンを14−ヒドロキシアヘン剤の生産用出発物質として使用できることが望ましいであろう。
一態様において、本発明は、6−オキソ−14−ヒドロキシΔ−モルヒナンを製造するための方法であって、6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドを形成するのに十分な時間および条件下で6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンを酸化すること、および形成されたN−オキシドを6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンに変換することを含んでなる方法を提供する。
もう1つの態様において、本発明は、6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドを6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンに変換する方法であって、N−オキシドを還元条件に付してN−メチル基と14−ヒドロキシ基とを閉環し、オキサゾリジン環を形成すること、および閉環したオキサゾリジン生成物を加水分解して6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンを形成することを含んでなる方法を提供する。
本発明のさらなる態様において、以下の修飾モルヒナン骨格:
Figure 0004879740
を有する化合物を提供する。
さらにもう1つの態様において、本発明は、修飾モルヒナン骨格(B)を有するモルヒナン化合物を製造する方法であって、N−メチル基と14−ヒドロキシ基とを閉環するのに十分な時間および条件下で6−オキソ−N−メチル−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナン−N−オキシドをFe(II)還元剤で処理することを含んでなる方法を提供する。
本発明のもう1つの態様において、N−アルキルまたはN−アルケニル 6−オキソ−14−ヒドロキシ−モルヒナンを製造するための方法であって、
6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドを形成するのに十分な時間および条件下で6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンを酸化すること、
形成されたN−オキシドを6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンに変換すること、
Δ二重結合を還元して6−オキソ−14−ヒドロキシモルヒナンを形成すること、および
6−オキソ−14−ヒドロキシ−モルヒナンをN−アルキル化に付してN−アルキルまたはN−アルケニル置換基を導入すること
を含んでなる方法を提供する。
本発明による方法は、出発物質として、オリパビン(4)およびテバイン(3)のような自然単離Δ,Δ−モルヒナンを使用して実施可能である。好ましくは、6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンが式I:
Figure 0004879740
(式中、RはH、C−Cアルキル、ベンジルまたはアシルである)
の化合物である。
本明細書において「C−Cアルキル」とは、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基を意味する。好適なアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびn−ブチルが挙げられる。
本明細書において「アシル」とは、式RNC(=O)−(式中、RNは一般にC−Cアルキル基である)の基を意味する。アシル基の一例がアセチル基である。
本発明の方法では、ヒドロキシ基の保護は必要ないが、Rがヒドロキシ保護基であることも可能である。
6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンの合成アプローチは多数報告されているが、本発明の方法では、合成化合物でも天然由来の化合物でも使用することができる。本発明の方法において使用することが好ましいΔ,Δ−モルヒナンはオリパビンおよびテバインである。しかしながら、オリパビンが最も好ましい出発物質である。
本発明の方法では、6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンの6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドへの変換が単一工程で可能である。すなわち、単一工程で、14−ヒドロキシ基が導入され、N−メチル基がその対応するN−メチルオキシドへと酸化され、6−メトキシが6−オキソ基へと変換され、Δ,Δ共役ジエンがΔ二重結合へと変換される。6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドは式II:
Figure 0004879740
(式中、RはH、C−Cアルキル、ベンジルまたはアシルである)
の化合物であり得る。
この酸化は、ギ酸またはその他の好適なカルボン酸(例えば、酢酸など)の存在下で、6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンを過酸化水素(H)で処理することによって行われ得る。酸化に使用する過酸化水素の好ましい濃度は水中、30〜50重量%である。より好ましくは、過酸化水素が水中、50重量%の濃度のものである。好ましくは、6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンをモル過剰(例えば、2〜5当量、より好ましくは、少なくとも3当量)の過酸化水素で処理する。
酸化工程は、好ましくは、ギ酸の存在下で実施する。好ましくは、ギ酸濃度が水中、30〜96重量%である。より好ましくは、濃度が35〜55%間であり、さらに好ましくは、40〜50%である。最も好ましくは、ギ酸が45%の濃度のものである。
酸化の反応温度を50℃より低い温度にすることが好ましい。反応は20〜40℃の温度で実施することが好ましいが、〜20℃の一定した反応温度が特に好ましい。
好ましい実施形態では、6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンの6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドへの酸化を溶媒の存在下で行う。好ましくは、溶媒が極性溶媒(極性溶媒はプロトン性であっても非プロトン性であってもよい)である。好ましくは、溶媒がアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)である。最も好ましくは、溶媒がエタノールである。
酸化工程のもう1つの好ましい実施形態では、6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンをギ酸と溶媒との混合物に溶解した後に過酸化水素を添加する。
反応は所望のN−オキシドが形成し得る時間で実施すべきである。この時間は、処理する物質の量、存在する酸化剤の量、性質および濃度ならびに反応を行う温度に応じて変動する。熟練した実施者は、クロマトグラフィー手段(薄層クロマトグラフィー(TLC)など)により反応をモニタリングすることにより、反応が完全に行われたかを確認することができる。より日常的には少なくとも1または2時間であるが、適切には、酸化反応を少なくとも30分間実施する。
6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンを6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドへと酸化した後、6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンへと変換する前に単離工程を行ってもよい。6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドの単離は、任意の好適な手段によって行ってよい。例えば、完了したらすぐに、未精製の反応混合物をpH約7に中和する。この中和は、好適な塩基(例えば、水酸化ナトリウムまたはカリウム、炭酸カリウムなど)を添加することによって達成できる。好ましい実施形態では、水酸化ナトリウム溶液を反応温度が確実に55℃に達する割合で用いて酸化反応混合物を中和する。好ましくは、この中和をある期間にわたって(例えば、2時間)行い、その時点で反応をさらに1〜2時間継続させた後、冷却する。この後、未精製のN−オキシド生成物(式IIの化合物)を固体として回収することができる。この未精製の固体をさらなる精製工程(例えば、水および/またはエタノールでの洗浄)に付してもよいし、または未精製形態で還元してもよい。
6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドを、この後、N−脱メチル化を行うことによって6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンに変換する。この変換は、一般に還元剤でそれを処理することによって行う。好適な還元条件については、引用することにより本明細書の一部とされるWO02/16367に概要が記載されている。典型的な還元剤としては、Fe(II)系還元剤(FeSO、FeClまたはFe−ポルフィリン錯体など)が挙げられる。好ましくは、プラント規模で還元を行う場合には、およそ10℃の温度で反応を実施する。反応をTLCによりモニタリングして還元(N−脱メチル化)が完全に行われたかを確認することができる。過剰のFe(II)種を除去するために、反応混合物を後処理工程(例えば、水酸化アンモニウムを添加し、その後、濾過する)に付してもよい。6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンは、一般に式III:
Figure 0004879740
(式中、RはH、C−Cアルキル、ベンジルまたはアシルである)
の化合物である。
現在、驚くべきことに、6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドをFe(II)系還元剤およびギ酸で処理すると、モルヒナン骨格
Figure 0004879740
を有する新規生成物が高収率で形成されるということが見出されている。このようなオキサゾリジンは、不溶性沈殿物としての未精製の反応混合物から容易に分離でき、それらを直ちに加水分解して6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンを製造することができる。オキサゾリジン化合物は、一般に式IV:
Figure 0004879740
(式中、RはH、C−Cアルキル、ベンジルまたはアシルである)
の化合物である。
2−D NMR(1H COSY、HMQCおよびHMBC)をはじめとする構造解明研究によりその中間体がこの構造を有していることが示されている。
本方法の好ましい実施形態では、6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドをメタノール中スラリーとしてFeSOで処理した後、ギ酸を添加することによって、式IVのオキサゾリジン化合物が酸不溶性沈殿物として形成される。
オキサゾリジン化合物の形成における特別な一つの利点は、それが酸不溶性であることから鉄還元剤および未精製の反応混合物からの分離が容易になることである。この分離は、一般に単純濾過工程により行う。次いで、未精製のオキサゾリジン中間体を直ちに加水分解するか、またはさらなる洗浄工程(例えば、メタノールでの洗浄)に付す。この方法は、一般に鉄還元剤を除去するために必要である面倒な後処理工程を回避するため、14−ヒドロキシアヘン剤のキログラム規模生産において極めて有用である。
加水分解によるオキサゾリジン化合物の6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンへの変換は、オキサゾリジン化合物を強酸で処理することにより行うことができる。好ましい強酸としては、塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸などが挙げられる。好ましくは、式IVの化合物を塩酸で加水分解する。より好ましくは、加水分解を高温下で実施する。好ましい実施形態では、加水分解を高温にて強酸、続いてアンモニアで実施する。
すでに記載したように、6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンは、14−ヒドロキシアヘン剤、特に、非メチルN−置換基を有するもの(例えば、ナルトレキソン(6)およびナロキソン(7))の製造に重要な中間体である。6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンを有用なその他のモルヒナン化合物に変換するための方法は、文献に記載されている。
式III(式中、R=H)の化合物は、それを使用することでさらなる脱保護工程の必要性が軽減されるため、化合物(6)および(7)の製造において特に重要である。
これらの化合物の生産は、式IIIの化合物から二工程で行うことができる。このような合成は、第1の還元工程(例えば、ジヒドロ誘導体(6−オキソ−14−ヒドロキシ−モルヒナン)を得るための接触水素化、続いて好適なアルキル化剤(例えば、L−RN(式中、Lは脱離基であり、およびRNはアルキル基またはアルキレン基である))でのN−アルキル化を用いる)を含む。このような方法を以下のスキーム1で示している。
スキーム1
Figure 0004879740
前述のとおり、7位の二重結合を還元する処理の例では、接触水素化を必要とする。GB939,287には、塩化白金を10%酢酸中、触媒として使用する上記の方法が記載されている。US5,112,975、US5,927,876およびUS5,922,876もまた、式IIIの化合物のΔ−二重結合を還元するのに好適な方法が開示されており、それらは引用することにより本明細書の一部とされる。
アルキル化処理の例は、N−脱メチル化化合物のR’−Brおよび塩基(KCOなど)との反応である。好適なN−アルキル化条件は、引用することにより本明細書の一部とされるUS3,254,088、US3,332,950およびUS5,922,876に開示されている。典型的なR’基としては、C2〜6アルキル(エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル(全異性体)、ヘキシル(全異性体)、シクロプロピルメチル(ナルトレキソン(5)に見られる)およびシクロブチルメチル(ナルブフィンおよびブトルファノールに見られる)の直鎖、分枝および環状異性体など)、C2〜6アルケニル残基(アルキル(ナロルフィンおよびナロキソン(6)に見られる)など)およびC2〜6アルキニル(プロパルギルなど)が挙げられる。
脱離基の例としては、ハロゲン(Br、ClおよびIなど)、メシレート、トシレートおよびトリフレートが挙げられる。
別の好ましい実施形態では、6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナンをまず水素化し、続いてそれを酸化してその対応するN−オキシドを形成する。Δ−二重結合を還元するための水素化は、上記のように標準的な水素化条件下、白金またはパラジウム触媒の存在下で実施する。この手順のN−オキシドをすでに記載したように還元してオキサゾリジン化合物を形成する。オキサゾリジン化合物は、一般に式V:
Figure 0004879740
(式中、RはH、C−Cアルキル、ベンジルまたはアシルである)。
の化合物である。
例えば、ナルトレキソン(6)およびナロキソン(7)を形成するためのオキサゾリジンの加水分解およびアルキル化は、すでに記載した合成経路に続いて行うことができる。
N−アルキルまたはN−アルケニル6−オキソ−14−ヒドロキシモルヒナンの製造後、その化合物を既知の技術を用いてさらに修飾してさらなるモルヒナン誘導体を製造することが可能である。例えば、Δ二重結合を還元しない場合には、さらなる化学をα、β不飽和ケト部分において実施してもよい。既知の技術を用いて3位の酸素原子をエステル化、エステル交換およびエーテル化反応に付してもよい。
本明細書における従来技術への言及が、その従来技術がオーストラリアにおいて共通した一般的な認識の一部を構成するということの承認または何らかの示唆とは考えられないし、または考えるべきではない。
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。それらの実施例は本発明の特定の実施形態を単に例示するものであり、上記の本発明の全般を制限するものではない。
実施例1
a)オリパビンの14−ヒドロキシモルヒノン−N−オキシド(14−NO)への酸化
エタノール(100L)にギ酸45%(100L)を添加する。この酸性エタノール(100kg/200L)にオリパビンを溶解させる。50%過酸化水素(70L)を添加し、冷却することによって温度を20℃に維持する。2時間後、23%NaOHを反応温度が確実に55℃に達する割合で添加して反応混合物をpH7に中和する。この中和は2時間かけて実施する。この温度に達したら、混合物をさらに1〜2時間反応させる。この後、反応混合物を15℃に冷却し、固体物質を濾過する。濾別したケークを水(100L/100kg)、次にエタノールで洗浄する(80%収率); LC-MS m/z 316(M+H)
b)(14−NO)のオキサゾリジン(式IVの化合物(式中、R=H))への還元
100Lのメタノールに14−ヒドロキシモルヒノン−N−オキシド(14−NO)(4kg)を添加する(>98%)。得られたスラリーを5分間攪拌する。そのスラリーに0.8kgのFeSO.7HOを添加し、得られた混合物を約5分間、激しく攪拌する。2分後、15Lの85%ギ酸を添加し、混合が完了した後、生じた沈殿物を直ちに濾別する。沈殿したオキサゾリジンをメタノールで洗浄する(55%収率); 13C NMR (DCO2D) δ 25.4 (C10), 29.5 (C15), 45.8 (C16), 48.1 (C13), 65.7 (C9), 78.8 (C14),84.0 (C17), 86.1 (C5), 120.4 (C1), 121.3 (C11), 122.0 (C2), 128.5 (C12), 136.6 (C9), 139.5 (C3), 142.6 (C8), 143.4 (C4), 196.6 (C6) ppm ; 1H NMR (DCO2D) δ 2.8 (m, 1H, H15), 3.5 (m, 1H, H15), 4.2 (m, 2H, H10, H16), 4.4 (m, 2H, H10, H16), 5.4 (d, 1H, H9), 5.7 (s, 1H, H5), 6.1 (dd, 2H, H17), 7.1 (d, 1H, H7), 7.45 (d, 1H, H1), 7.51 (d,1H, H2), 7.60 (d, 1H, H8) ppm.
c)オキサゾリジンの6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナン(式IIIの化合物(式中、RはHである))への加水分解
O(7.2L)中、25%水酸化アンモニウム(0.96L)溶液にオキサゾリジン(1kg)を添加する。次いで、30%塩酸(1.65L)を添加し、混合物を50℃まで加熱した後、活性炭(0.025kg)を添加する。30分後、活性炭を濾去し、濾液をさらに30分間攪拌する。次いで、pHを25%アンモニアでpH9.0に調整し、50℃にてさらに15時間攪拌する。この後、混合物を20℃より低い温度まで冷却し、沈殿物を濾過し、HO(5L)で洗浄する(85%収率); 13C NMR (D2O/DCl) δ 25.2 (C15), 26.7 (C10), 37.3 (C16), 46.3 (C13), 56.6 (C9), 66.6 (C14), 86.1 (C5), 118.9 (C1), 121.3 (C2), 122.4 (C11), 128.9 (C12), 133.0 (C7), 138.8 (C4), 142.7 (C3), 147.9 (C8), 196.9 (C6) ppm.
実施例2
a)14−ヒドロキシコデイノンの酒石酸14−ヒドロキシコデイノン−N−オキシドへの酸化
メタノール(100mL)に14−ヒドロキシコデイノン(20.0g)、続いてmCPBA(21.9g,50%湿潤)を添加した。40分間攪拌した後、L(+)−酒石酸をpH3.5まで添加し、酒石酸14−ヒドロキシコデイノン−N−オキシドを沈殿させ、その沈殿物を濾過により回収した(83%収率)。 LC-MS m/z 330 [M+H].
b)酒石酸14−ヒドロキシコデイノン−N−オキシドのオキサゾリジン(式IV(式中、R=CH)の化合物)への還元
酒石酸14−ヒドロキシコデイノン−N−オキシド(14.8g)をメタノール(200mL)でスラリーにした。次いで、FeSO.7HO(2.0g)を添加し、その溶液を40分間攪拌した。生成物を濾過により回収し、固体をメタノール(40mL)で洗浄し、14−ヒドロキシコデイノンとの混合物としてオキサゾリジンを得た(〜10%収率、ESI-MS m/z 312 [M+H])。
実施例3
a)14−ヒドロキシモルヒナン−N−オキシドのベンジル化
14−ヒドロキシモルヒノン−N−オキシド(100g)をエタノール(500mL)でスラリーにした。次いで、KCO(52.5g)、続いて臭化ベンジル(95.0g)を添加した。得られた混合物を室温にて16時間、次ぎに、50℃にて4時間攪拌した。溶液を室温まで冷却した後、濾過し、固体をエタノール(200mL)で洗浄した。固体を水(500mL)で30分間スラリーにした後、濾過により回収し、3−ベンジル−14−ヒドロキシモルヒノン−N−オキシドを得た(78%収率)。ESI-MS m/z 406 [M+H].
b)3−ベンジル−14−ヒドロキシモルヒノン−N−オキシドのオキサゾリジン(式IV(式中、R=ベンジル)の化合物)への還元
3−ベンジル−14−ヒドロキシモルヒノン−N−オキシド(5.0g)をメタノール(100mL)でスラリーにした。次いで、FeSO.7HO(0.5g)を添加し、その溶液を15分間攪拌した。生成物を濾過により回収し、固体をメタノール(20mL)で洗浄し、3−ベンジル−14−ヒドロキシモルヒノンとの混合物としてオキサゾリジンを得た(〜15%収率、ESI-MS m/z 388 [M+H])。
実施例4
a)オキシモルホンのオキシモルホン−N−オキシドへの酸化
メタノール(40mL)にオキシモルホン(4.0g)、続いてmCPBA(5.50g,50%湿潤)を添加した。5分間攪拌した後、オキシモルホン−N−オキシドを濾過により回収した(75%収率)。ESI-MS m/z 318 [M+H].
b)オキシモルホン−N−オキシドのオキサゾリジン(式V(式中、R=H)の化合物)への還元
オキシモルホン−N−オキシド(2.0g)をメタノール(40mL)でスラリーにした。次いで、FeSO.7HO(0.4g)を添加し、その溶液を15分間攪拌した。生成物を濾過により回収し、固体をメタノール(15mL)で洗浄し、オキシモルホンとの混合物としてオキサゾリジンを得た(〜50%収率、ESI-MS m/z 300 [M+H])。
当業者ならば、本明細書において記載される本発明が具体的に記載されたことの以外の変形および修飾も受け入れることができるということが分かるであろう。本発明はこのような総ての変形および修飾を含み、これらの変形および修飾は精神および範囲内に含まれると考えられる。本発明はまた、本明細書において、個々にまたは集合的に言及される、または示される総ての工程、特徴、組成物および化合物、ならびに任意の2以上の前記工程または特徴のいずれの組合せも含む。
本明細書および以下の特許請求の範囲を通じて、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」ならびに変形(「含む(comprises)」および「含む(comprising)」など)が、記載した整数または工程あるいは整数群または工程群を含めることを意味する語であって、他の整数または工程あるいは整数群または工程群を排除することを意味する語ではないことは明らかである。

Claims (39)

  1. 6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンを製造する方法であって、
    6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドを形成するのに十分な時間および条件下で6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンを酸化すること、および
    形成されたN−オキシドを6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンに変換すること
    を含んでなる、方法。
  2. 酸化がカルボン酸の存在下で、6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンを過酸化水素で処理することによって行われる、請求項1に記載の方法。
  3. カルボン酸がギ酸または酢酸である、請求項2に記載の方法。
  4. カルボン酸がギ酸である、請求項3に記載の方法。
  5. ギ酸の濃度が水中、45重量%ギ酸である、請求項4に記載の方法。
  6. 6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンが水中、50重量%濃度のモル過剰の過酸化水素で処理される、請求項2〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンが過酸化水素の添加前に、カルボン酸と溶媒の混合物に溶解される、請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 溶媒がエタノールである、請求項7に記載の方法。
  9. 酸化が50℃より低い温度で実施される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 温度が約20℃である、請求項9に記載の方法。
  11. 6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンへの変換前に、6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドを単離するさらなる工程を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 単離工程が、塩基を添加することにより酸化反応混合物を約pH7に中和すること、およびN−オキシドを固体として回収することを含んでなる、請求項11に記載の方法。
  13. 塩基が水酸化ナトリウムもしくはカリウムまたは炭酸カリウムから選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 塩基が水酸化ナトリウムである、請求項13に記載の方法。
  15. 水酸化ナトリウムが、反応温度が確実に55℃に達する割合で酸化反応混合物に添加される、請求項14に記載の方法。
  16. 形成されたN−オキシドが、N−オキシドを還元剤で処理することによって6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δモルヒナンに変換される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドを6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンに変換する方法であって、
    N−オキシドを還元条件に付してN−メチル基と14−ヒドロキシ基とを閉環し、オキサゾリジン環を形成すること、および
    閉環したオキサゾリジン生成物を加水分解して6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンを形成すること
    を含んでなる、方法。
  18. 還元条件が6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドをFe(II)系還元剤およびギ酸で処理することを含んでなる、請求項17に記載の方法。
  19. 加水分解工程が塩酸、硫酸、臭化水素酸またはリン酸から選択される強酸を使用して実施される、請求項17に記載の方法。
  20. 強酸が塩酸である、請求項19に記載の方法。
  21. 構造(B)
    Figure 0004879740
    の修飾モルヒナン骨格を有するモルヒナン化合物を製造する方法であって、N−メチル基と14−ヒドロキシ基とを閉環するのに十分な時間および条件下で、6−オキソ−N−メチル−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナン−N−オキシドをFe(II)還元剤で処理することを含んでなる、方法。
  22. 6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドが、Fe(II)系還元剤によりメタノール中スラリーとして処理され、ギ酸が添加される、請求項21に記載の方法。
  23. Fe(II)還元剤がFeSOである、請求項21または22に記載の方法。
  24. N−アルキルまたはN−アルケニル 6−オキソ−14−ヒドロキシ−モルヒナンを製造する方法であって、
    6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドを形成するのに十分な時間および条件下で、6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンを酸化すること、
    形成されたN−オキシドを6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンに変換すること、
    Δ二重結合を還元して6−オキソ−14−ヒドロキシモルヒナンを形成すること、および
    6−オキソ−14−ヒドロキシ−モルヒナンをN−アルキル化に付して、N−アルキルまたはN−アルケニル置換基を導入すること
    を含んでなる、方法。
  25. 6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンが式I:
    Figure 0004879740
    (式中、RはH、C−Cアルキル、ベンジルまたはアシルである)
    の化合物である、請求項1〜16および24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンが、RがHまたはCHである式Iの化合物である、請求項25に記載の方法。
  27. 6−メトキシ−N−メチル−Δ,Δ−モルヒナンが、RがHである式Iの化合物である、請求項25に記載の方法。
  28. 6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン−N−オキシドが式II:
    Figure 0004879740
    (式中、Rは独立にH、C−Cアルキル、ベンジルまたはアシルから選択される)の化合物である、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  29. 6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン N−オキシドが、RがHまたはCHである式IIの化合物である、請求項28に記載の方法。
  30. 6−オキソ−14−ヒドロキシ−N−メチル−Δ−モルヒナン N−オキシドが、RがHである式IIの化合物である、請求項29に記載の方法。
  31. 6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンが式III:
    Figure 0004879740
    (式中、RはH、C−Cアルキル、ベンジルまたはアシルである)
    の化合物である、請求項1〜20および24のいずれか一項に記載の方法。
  32. 6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンが、RがHまたはCHである式IIIの化合物である、請求項31に記載の方法。
  33. 6−オキソ−14−ヒドロキシ−Δ−モルヒナンが、RがHである式IIIの化合物である、請求項32に記載の方法。
  34. 式IV:
    Figure 0004879740
    (式中、RはH、C−Cアルキル、ベンジルまたはアシルである)
    のオキサゾリジン。
  35. RがH、CHまたはベンジルである、請求項34に記載の式IVのオキサゾリジン。
  36. RがHである、請求項35に記載の式IVのオキサゾリジン。
  37. 式V:
    Figure 0004879740
    (式中、RはH、C−Cアルキル、ベンジルまたはアシルである)
    のオキサゾリジン。
  38. RがHまたはCHである、請求項37に記載の式Vのオキサゾリジン。
  39. RがHである、請求項38に記載の式Vのオキサゾリジン。
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