JP4878438B2 - プローブ針及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、プローブ針及びその製造方法に関し、更に詳しくは、先端部を被測定体の電極と接触させてその被測定体の電気的特性を安定して測定するためのプローブ針及びその製造方法に関するものである。
近年では、携帯電話等に使用される高密度実装基板、又は、パソコン等に組み込まれるBGA(Ball Grid Array)やCSP(Chip Size Package)等のICパッケージ基板等、様々な回路基板が多く用いられている。このような回路基板は、実装の前後の工程において、例えば直流抵抗値の測定や導通検査が行われ、その電気的特性の良否が検査されている。電気的特性の良否の検査は、電気的特性を測定する検査装置に接続された検査装置用治具(以下、「プローブユニット」という。)を用いて行われ、例えば、プローブユニットに装着されたプローブ針の先端部を、その回路基板(以下、「被測定体」という。)の電極に接触させることにより行われている。
ところで、被測定体の電極はその表面に酸化膜等の絶縁膜が形成され易く、プローブ針を電極に単に接触させただけでは両者間の抵抗値(以下、「接触抵抗値」という。)が高過ぎて、正確な検査ができないことがある。しかし、先端部を鋭利な針状に加工したプローブ針を用いることにより、被測定体の電極表面に形成された絶縁膜を突き破ることができる。その結果、プローブ針と電極とが確実に接触するので、接触抵抗値が低下し、検査の正確性を向上させることができる。
なお、下記特許文献1には、プローブ針と電極との接触抵抗値を維持するための技術的手段として、プローブ針本体を構成する金属体の表面に密着性に優れた非酸化性めっき層を設けることが報告されているが、この先行技術文献は本発明には直接関係しない。
特開2002−131334号公報
しかしながら、プローブ針先端部を鋭利な針状にした場合には、プローブ針の先端部が被測定体の電極に突き刺さってしまうために、電極に大きな傷が付き易いと共に電極が変形し易いという難点がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、被測定体の電極に大きな傷を付けたり変形を生じさせたりすることなく、電極表面に形成される絶縁膜を突き破り、電極との間の接触抵抗値を低下させて測定精度を維持することができるプローブ針を提供すること、及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明のプローブ針は、先端部を被測定体の電極に接触させて該被測定体の電気的特性を測定するプローブ針において、被測定体の電極に接触させるプローブ針の先端部に、亀裂を有するめっき層が形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、プローブ針先端部に亀裂を有するめっき層を形成したので、プローブ針の先端を被測定体の電極に接触させたときに、めっき層表面の亀裂が、電極表面に形成された酸化膜等の絶縁膜を容易に突き破って電極に接触する。その結果、このプローブ針を用いることにより、被測定体の電極に大きな傷を付けたり変形を生じさせたりすることなく、電極との間の接触抵抗値を低下させて測定精度を維持することができる。
本発明のプローブ針においては、前記プローブ針先端部のめっき層が、クロムを含む鉄系合金めっき層であることが好ましい。
クロムを含む鉄系合金めっき層は、その表面に容易に亀裂を形成することができる。この発明によれば、プローブ針先端部のめっき層として、クロムを含む鉄系合金めっき層を設けたので、プローブ針先端部のめっき層に容易に亀裂を生じさせることができる。また、クロムを含む鉄系合金めっき層は硬度が高いので、被測定体の電極に接触させた際のプローブ針先端部の摩耗を減少させることができる。
本発明のプローブ針においては、前記めっき層上及び/又は前記亀裂内に、当該めっき層よりも導電性のよいめっき層が形成されていることが好ましい。
この発明によれば、亀裂を有するめっき層上及び/又はその亀裂内に、そのめっき層よりも導電性のよいめっき層(例えば、金、銀、銅等のめっき層)を形成したので、プローブ針と電極との接触時の接触抵抗をより低減させることができ、より長い連続使用に好ましく適用できる。
上記課題を解決するための本発明のプローブ針の製造方法は、先端部を被測定体の電極に接触させて該被測定体の電気的特性を測定するプローブ針の製造方法であって、被測定体の電極に接触させるプローブ針の基部をなす金属導体の先端部に、亀裂を有するめっき層を形成する工程を含むことを特徴とする。
この発明によれば、先端に細かい亀裂を有するプローブ針を容易に製造することができる。得られたプローブ針の先端を被測定体の電極に接触させると、プローブ針先端部の亀裂が、電極表面に形成された酸化膜等の絶縁膜を容易に突き破って電極に接触する。本発明により製造されたプローブ針を用いることにより、被測定体の電極に大きな傷を付けたり変形を生じさせたりすることなく、電極との間の接触抵抗値を低下させて測定精度を維持することができる。
本発明のプローブ針の製造方法においては、前記の亀裂を有するめっき層が、クロムを含む鉄系合金めっき層であることが好ましい。
クロムを含む鉄系合金めっき層はその表面に容易に亀裂を形成することができるので、プローブ針先端に、亀裂を有するめっき層を容易に形成することができる。また、クロムを含む鉄系合金めっき層のめっき条件(液組成を含む)を調整することにより、高硬度のめっき層とすることができるので、被測定体の電極に接触させた際のプローブ針先端部の摩耗を減少させることができるプローブ針を容易に製造することができる。
本発明のプローブ針によれば、プローブ針の先端を被測定体の電極に接触させたときに、めっき層表面の亀裂が、電極表面に形成された酸化膜等の絶縁膜を容易に突き破って電極に接触するので、被測定体の電極に大きな傷を付けたり変形を生じさせたりすることなく、電極との間の接触抵抗値を低下させて測定精度を維持させることができる。
また、本発明のプローブ針によれば、先端部に形成するめっき層を、クロムを含む鉄系合金めっき層とすることにより、その表面に容易に亀裂を形成することができると共に、被測定体の電極に接触させた際のプローブ針先端部の摩耗を減少させることができる。また、亀裂を有するめっき層上及び/又はその亀裂内に、そのめっき層よりも導電性のよいめっき層(例えば、金、銀、銅等のめっき層)を形成することにより、より長い連続使用に好ましく適用できる。
本発明のプローブ針の製造方法によれば、先端に細かい亀裂を有するプローブ針を容易に製造することができる。そうして製造されたプローブ針を用いることにより、被測定体の電極に大きな傷を付けたり変形を生じさせたりすることなく、電極との間の接触抵抗値を低下させて測定精度を維持することができる。
また、本発明のプローブ針の製造方法によれば、プローブ針先端に、亀裂を有するクロム含有鉄系めっき層を容易に形成することができる。また、クロムを含む鉄系合金めっき層のめっき条件(液組成を含む)を調整することにより、高硬度のめっき層とすることができるので、被測定体の電極に接触させた際のプローブ針先端部の摩耗を減少させることができるプローブ針を容易に製造することができる。
以下、本発明のプローブ針及びその製造方法について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(プローブ針)
図1は、本発明のプローブ針1の一例を示す模式的な側面図であり、図2は、本発明のプローブ針の先端部に形成された鉄クロム合金めっき層の表面の電子顕微鏡写真の模写図(A)及び実際の写真(B)であり、図3は、鉄クロム合金めっき層の破断面の電子顕微鏡写真の模写図(A)及び実際の写真(B)である。
本発明のプローブ針1は、その先端部を被測定体の電極に接触させて被測定体の電気的特性を測定する検査に用いられるものであり、図1及び図2に示すように、金属導体2と、その金属導体2に必要に応じて設けられた絶縁被膜5とを有している。本発明の特徴は、被測定体の電極に接触させるプローブ針の先端部に、亀裂4を有するめっき層(以下、亀裂めっき層3という。)が形成されていることにある。以下、構成毎に詳しく説明する。
金属導体2としては、高い導電性と高い弾性率を有するピン状の金属線(「金属ばね線」ともいう。)が用いられ、例えばベリリウム銅等の銅合金、タングステン、レニウムタングステン、高速度鋼(SKH)等の鋼、等々を好ましく用いることができる。なお、亀裂めっき層3が形成される金属導体2の先端部の形状としては、半球状、コーン状又はフラット状等が挙げられる。
金属導体2は、通常、上記の金属が所定の径の線状導体となるまで冷間又は熱間伸線等の塑性加工が施される。金属導体2の外径は、プローブユニット(図示しない)において隣り合う各プローブ針1の間隔に応じて25〜500μmの範囲内から任意に選択することができる。また、プローブユニットへのプローブ針の装着性及びプローブユニット内でのプローブ針の摺動性の観点からは、金属導体2の真直度が高いことが好ましく、具体的には真直度が曲率半径Rで1000mm以上であることが好ましい。真直度の高い金属導体2は、絶縁被膜5が設けられる前に予め直線矯正処理しておくか、後述のように絶縁被膜5が設けられた長尺の金属導体2を直線矯正処理することにより得ることができる。
絶縁被膜5は、金属導体2の外周上に必要に応じて設けられる。従って、絶縁被膜が設けられていないプローブ針であってもよいし、図1に示すように、絶縁被膜5が設けられたプローブ針1であってもよい。こうした絶縁被膜5は、被測定体の電気的特性を検査する際に隣接するプローブ針同士が接触することにより生じる短絡を防止するように作用し、通常、両端部以外の部分に設けられているが、絶縁被膜5を形成する領域については特に限定されない。
絶縁被膜5は、絶縁性を有する被膜であれば特に限定されないが、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂からなる群より選ばれた少なくとも一種の樹脂で形成されていることが好ましい。絶縁被膜5の平均膜厚は、絶縁被膜5の電気絶縁性を確保できる程度の厚さであればよく、金属導体2の直径との関係を考慮して、1μm以上50μm以下の範囲内で適宜設定される。
本発明のプローブ針1は、その先端部に、図2及び図3に示すような亀裂めっき層3が形成されていることに特徴がある。こうしたプローブ針1は、その先端を被測定体の電極に接触させたときに、亀裂めっき層3表面の亀裂4が、電極表面に形成された酸化膜等の絶縁膜を容易に突き破って電極に接触する。その結果、被測定体の電極に大きな傷を付けたり変形を生じさせたりすることなく、電極との間の接触抵抗値を低下させて測定精度を維持することができる。なお、本発明で言う「先端部」又は「先端」とは、プローブ針の両端のうち、被測定体の電極に接触する側のことである。
本発明においては、亀裂4を有するめっき層であれば各種のものを形成可能であるが、クロムを含む鉄系合金めっき層を形成することが好ましい。クロムを含む鉄系合金めっき層はその表面に容易に亀裂が形成され、プローブ針先端部にめっき層として形成すれば、プローブ針先端部に容易に亀裂めっき層3を設けることができる。また、亀裂めっき層3の厚さについては特に限定されないが、通常は、プローブ針の直径との関係を考慮した観点から、1〜10μmの範囲内である。また、亀裂4の幅についても特に限定されないが、図3に示す実験例では図中に示した幅が測定されている。
クロムを含む鉄系合金めっき層としては、代表的には、鉄クロム合金めっき層を挙げることができる。この鉄クロム合金めっき層は、鉄塩とクロム塩とを有するめっき液中で電気めっきすることにより、金属導体2上に容易に亀裂めっき層として形成することができると共に、その液組成やめっき条件を調整することにより、亀裂の数やめっき層の硬さを容易に変化させることができるという利点がある。例えば、鉄クロム合金めっき層の亀裂4は、めっき液中のクロム含有量を増す方向に変化させたり、電流密度を増す方向に変化させたりすることにより、亀裂を多く形成することができる。特に、クロムを5〜25%含む鉄クロム合金からなる亀裂めっき層3は、硬度が高いので、被測定体の電極との接触による摩耗が少ないという利点がある。
こうした亀裂めっき層3は、プローブ針の少なくとも先端部に形成されていることが必要であるが、プローブ針を構成する金属導体2の全周に亘って形成されていても構わない。また、亀裂めっき層3は、絶縁被膜5を設ける前に形成しても、絶縁被膜5を設けた後に形成してもよい。なお、図1には、ストレートタイプのプローブ針を例に挙げて説明したが、折れ曲がった形状のプローブ針であってもよい。折れ曲がった形状のプローブ針においても、少なくともその先端部に亀裂めっき層3を形成することによって、上記同様の作用効果を奏することができる。
本発明においては、亀裂めっき層上及び/又は亀裂内にその亀裂めっき層よりも導電性のよいめっき層がさらに形成された態様としてもよい。こうした態様からなるプローブ針は、導電性のよいめっき層が先端部又は亀裂内に設けられているので、プローブ針と電極との接触時の接触抵抗をより低減させることができ、より長い連続使用に好ましく適用できる。導電性のよいめっき層としては、例えば、金、銀、銅等のめっき層を挙げることができる。
導電性のよいめっき層が先端部の表面にそのまま残る場合には、電極に対する接触抵抗を下げるのに有効である。一方、接触が繰り返されることによって摩耗が生じた場合であっても、亀裂の少なくとも層表面近傍に埋め込まれることにより、電極に対する接触抵抗を下げることができる。
以上説明したように、本発明のプローブ針は、プローブ針を被測定体の電気的特性の検査に用いた場合、電極上に形成された絶縁膜を突き破ってプローブ針と電極との間の接触抵抗値を低下させることができるので、検査をより正確に行うことができる。
(プローブ針の製造方法)
本発明のプローブ針の製造方法は、上述した本発明のプローブ針の製造方法であって、被測定体の電極に接触させるプローブ針の基部をなす金属導体の先端部に、亀裂を有するめっき層を形成する工程を含むことに特徴がある。
先ず、亀裂めっき層3を形成する被めっき材として、金属導体2、又は絶縁被膜5が予め形成された金属導体2を準備する。金属導体2は、例えば、長尺の金属線を所定の長さに切断し、その後その先端部を所定形状(例えば、コーン状、ドーム状、フラット状等)に研削加工して作製される。また、絶縁被膜5が予め形成された金属導体2は、例えば、(1)金属線を切断・研磨した後に、金属導体の所定の領域に絶縁被膜5を塗布することにより、又は、(2)長尺の金属線上に一様に絶縁被膜を形成した後、切断し、さらにその後に、必要以外の領域の絶縁被膜を剥離し、最後に先端部を研磨加工することにより、作製される。
次に、作製された金属導体2の先端部、又は絶縁被膜5が予め形成された金属導体2の先端部に、亀裂めっき層を形成する。なお、本願では主に湿式の電気めっきでの形成を前提にして説明しているが、湿式の電気めっき法に限らず、亀裂めっき層となりうるものであれば、無電解めっきであっても、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等のドライプロセスを用いたものであっても構わない。
前処理として、例えば、金属導体を脱脂処理、水洗、活性化処理、水洗等の一般的な前処理工程を行い、その後、亀裂めっき層が形成される。なお、前処理工程は、めっき層の種類に応じて種々のものから選定される。めっき液及びめっき条件としては、亀裂めっき層を形成できるめっき液及びめっき条件であれば特に限定されないが、上述したように、クロムを含む鉄系合金めっき液、より具体的には、鉄クロム合金めっき液を挙げることができる。
鉄クロム合金めっき液の組成は、好ましくは、クロムが5〜25重量%含まれる鉄クロム合金めっき層を形成することができる組成のめっき液が好ましく用いられる。そうした鉄クロム合金めっき液としては、後述の実施例でも用いた、塩化クロムと塩化鉄を主成分とするめっき液が好ましく用いられる。亀裂の発生量は、めっき液中の組成比やめっき条件を調整してコントロールすることができ、例えば、めっき液中のクロム塩の含有量を多くしたり、電流密度を高くしたりすることにより、亀裂の数を増すことができる。
本発明においては、亀裂めっき層上及び/又は亀裂内に、その亀裂めっき層よりも導電性のよいめっき層を形成してもよく、その方法としては、通常は、湿式の電気めっき法を挙げることができるが、その他の無電解めっきやドライプロセスであっても構わない。導電性のよい金属としては、金、銀、銅等のめっき層を挙げることができる。こうして作製されたプローブ針は、導電性のよいめっき層が先端部又は亀裂内に設けられているので、プローブ針と電極との接触時の接触抵抗をより低減させることができ、より長い連続使用に好ましく適用できる。なお、金めっき層を形成する場合には、シアン系のアルカリ性金めっきを用いるとよい。金や銀等の柔軟な金属は、めっき時に、又はプローブ針を予め空打ちすることにより、亀裂内に充填される。こうした態様のプローブ針は、電極との間の接触抵抗値の変動を防止することができ、その結果、プローブ針の長寿命化と被測定体の電気的特性の測定精度向上を期待することができる。
以上、本発明のプローブ針の製造方法は、亀裂めっき層を容易に形成して、先端に細かい亀裂を有するプローブ針を容易に製造することができる。また、めっき液組成やめっき条件を調整することにより、亀裂の数をコントロールすることができると共に、高硬度のめっき層とすることもができるので、被測定体の電極に接触させた際のプローブ針先端部の摩耗を減少させることができるプローブ針を容易に製造することができる。こうして製造されたプローブ針を用いることにより、被測定体の電極に大きな傷を付けたり変形を生じさせたりすることなく、電極との間の接触抵抗値を低下させて測定精度を維持することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、先端部を凸曲面状に研磨加工した長さ30mm、直径0.20mmのピン状の金属導体を準備した。この実施例ではタングステンからなる金属導体を用いた。この金属導体に対して、脱脂、水洗、酸活性、水洗等の前処理を行った後に、その金属導体の先端部に厚さ10μmの鉄クロム合金めっき層を下記めっき条件で形成した。なお、陽極には、白金めっきしたチタン電極(白金被覆チタン電極ともいう)を用いた。
<めっき液組成>:塩化クロム六水和物80g/L、塩化鉄四水和物60g/L、グリシン75g/L、塩化アンモニウム48g/L、ホウ酸15g/L
<めっき条件>:めっき液温度30℃、陰極電流密度10A/dm2、電気量500クーロン
上記条件でプローブ針の先端部に形成された鉄クロム合金めっき層は、クロムを13%含んでおり、ビッカース硬さは約650Hvであった。走査型電子顕微鏡でめっき層表面を観察したところ、図2に示すように、多くの亀裂が観察された。図2に示すめっき層には結晶粒と粒界が観察され、亀裂は、結晶粒内又は粒界を問わず生じており、その幅は約0.1〜0.5μm程度であった。なお、金属導体の先端部には電流が集中し易いので、鉄クロム合金めっき層中のクロム含有量は、電流集中が起こる先端部がより多くなる。クロム含有量の多いめっき層は硬くなり、応力により割れるので、一定の電流密度でめっきしても、結果として金属導体の先端部に亀裂が多くする。
(実施例2)
めっき条件を下記のように変更した他は実施例1と同様にして、実施例2のプローブ針を作製した。めっき条件として、電気量50C/dm2、陰極電流密度5A/dm2又は20A/dm2の条件で鉄クロム合金めっき層を形成した。図3は、得られた鉄クロム合金めっき層の断面図であり、図4は、亀裂の算出法の説明図である。なお、図3中の符号7は、鉄クロム合金めっき層の表面を指している。
図3に示すように、金属導体2の表面に形成された鉄クロム合金めっき層の厚さは約8μmであり、亀裂は金属導体にまで生じているのが確認され、その幅は0.2〜0.5μm程度であった。
図4は、亀裂めっき層に形成された亀裂密度の算出例を示す図であり、(A)は電流密度5A/dmの場合の鉄クロム合金めっき層表面であり、(B)は電流密度20A/dmの場合の鉄クロム合金めっき層表面である。亀裂は所定の領域に存在する亀裂の数をカウントし、測定面積で割って亀裂密度として算出した。この実施例では、図4に示すように、めっき層表面の電子顕微鏡写真(500倍)を撮影し、その写真に200μm×264μm=0.0492mm2の測定領域を画定し、その領域内に20μm間隔で水平方向の直線を引き、その直線と亀裂との交点の合計数をカウントすることにより亀裂数を求めた。例えば、陰極電流密度5A/dm2の条件で形成した鉄クロム合金めっき層は、図4(A)に示すようにして測定した結果、交点の合計数は35個であった。なお、このときの亀裂密度を算出すると、35個/0.0492mm2≒711(個/mm2)と算出される。一方、陰極電流密度20A/dm2の条件で形成した鉄クロム合金めっき層は、図4(B)に示すようにして測定した結果、交点の合計数は83個であった。なお、このときの亀裂密度を算出すると、83個/0.0492mm2≒1687(個/mm2)と算出される。
本発明の所期の目的を達成できる亀裂密度の閾値は、プローブ針と電極との間の接触条件にも依存するが、種々の検討の結果、およそ1600(個/mm2)程度と推測された。
本発明のプローブ針1の一例を示す模式的な側面図である。 本発明のプローブ針の先端部に形成された鉄クロム合金めっき層の表面の電子顕微鏡写真の模写図(A)及び実際の写真(B)である。 鉄クロム合金めっき層の破断面の電子顕微鏡写真の模写図(A)及び実際の写真(B)である。 亀裂めっき層に形成された亀裂密度の算出例を示す図であり、(A)は電流密度5A/dmの場合の鉄クロム合金めっき層表面であり、(B)は電流密度20A/dmの場合の鉄クロム合金めっき層表面である。
符号の説明
1 プローブ針
2 金属導体
3 亀裂めっき層
4 亀裂
5 絶縁被膜
7 亀裂めっき層の表面

Claims (3)

  1. 先端部を被測定体の電極に接触させて該被測定体の電気的特性を測定するプローブ針において、ストレートタイプのピン状の金属導体と、該金属導体の外周上に設けられた絶縁被膜とを有し、前記被測定体の電極に接触させるプローブ針の先端部に、亀裂を有する、クロムを5〜25重量%含む鉄系合金めっき層が形成されていることを特徴とするプローブ針。
  2. 前記めっき層上及び/又は前記亀裂内に、当該めっき層よりも導電性のよいめっき層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプローブ針。
  3. 先端部を被測定体の電極に接触させて該被測定体の電気的特性を測定するプローブ針の製造方法であって、ストレートタイプのピン状の金属導体と、該金属導体の外周上に設けられた絶縁被膜とを有し、前記被測定体の電極に接触させるプローブ針の基部をなす金属導体の先端部に、亀裂を有する、クロムを5〜25重量%含む鉄系合金めっき層を形成する工程を含むことを特徴とするプローブ針の製造方法。
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