JP4875611B2 - フォトニック結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フォトニック結晶の製造方法に関し、さらに詳細には、少なくともその一部に非線形光学材料を含むフォトニック結晶の製造方法に関する。
なお、本明細書において、「フォトニック結晶」とは、屈折率が異なる少なくとも2種の材料を含み、かつ、これら屈折率が異なる少なくとも2種の材料が周期的構造を備えた構造体を形成するようにしたものを意味するものとする。従って、少なくともその一部に上記した周期的構造を備えた構造体を含む限りは、当該周期的構造を備えた構造体以外の構造の有無や種類は問うことなく、全て本明細書における「フォトニック結晶」に含まれるものとする。換言すれば、本明細書における「フォトニック結晶」とは、上記した周期的構造を備えた構造体そのものを意味するとともに、また、上記した周期的構造を備えた構造体を含んで構成されるより大きな構造体をも意味するものとする。
近年、深紫外領域の波長(波長200nm〜300nm)や赤外領域の波長(2−10μm)のレーザー光を発生する小型かつ高性能のレーザー光源が、電子産業分野などにおける応用を目指して種々提案されている。
ところで、実用レベルにおいては、上記した深紫外領域や赤外領域の波長のレーザー光を発生する半導体発光素子は未だ実現されていないので、こうした深紫外領域や赤外領域の波長のレーザー光を得るためには、高集積化かつ低消費電力化された小型可視半導体レーザーダイオード(LD)からの出力光を、非線形光学効果により非常に高い効率で波長変換することが必要であった。
ここで、非線形光学効果により波長変換を行う波長変換素子としては、例えば、バルク非線形光学結晶の複屈折を利用した角度(または温度)位相整合法による波長変換素子や、非線形光学結晶に周期的分極反転を施した擬似位相整合法による波長変換素子などが知られている。
しかしながら、これら従来の波長変換素子は、位相整合は取れるものの問題点も多いことが指摘されていた。
即ち、角度(または温度)位相整合法による波長変換素子は、屈折率の波長分散が少なく、かつ、複屈折が大きい非線形光学結晶にその使用が限られ、また、入射光と変換光との進行方向の角度ずれ(ウォークオフ)や、集光する場合は入射光の整合角のずれがあり、また、非線形光学係数の高い対角成分を使用することできないため、変換効率に劣るという問題点があった。さらに、角度(または温度)位相整合法は、大きな角度精密調整機構や温度変調器などが原理上必要となり、その結果として全体の素子サイズを小さくすることができないという問題点もあった。
一方、擬似位相整合法による波長変換素子は、光導波路状に素子を加工できるため断面積を小さくすることができ、しかもそれほど入力パワーが高くなくても非常に強い光強度が得られ、また、結晶の全長にわたって高い光強度が保てるなどの優位点はあるが、理想的な位相整合と比較すると相互作用長に対する変換効率の増加率が小さく、また、短波長になると分極反転技術を精度良く行うことが困難であり、さらには使用する結晶が強誘電体で分極反転がし易い材料に限られるなどの問題点があった。また、その性能は、結晶の非線形光学係数に依存し、相互作用の強さそのものを増大させることはできないという問題点もあった。
即ち、上記したような従来の波長変化素子によれば、位相整合条件を満たすことはできるものの現段階以上の大幅な性能向上は望めず、大幅な性能向上にはより非線形光学定数の高い物質を創製するしかないものであるが、こうした大幅な性能向上を見込める物質は見当たらないというのが現状であった。
つまり、現状の波長変換素子開発の延長線上においては、画期的な性能向上を実現することは現実的に困難であり、新しい原理に基づく新規な素子の開発が強く望まれていた。

一方、現在、光波長程度の周期で屈折率の異なる少なくとも2種の物質を1次元、2次元あるいは3次元的に配列させた周期的構造を備えた構造体を有するフォトニック結晶が注目されている。
このフォトニック結晶は、光波長程度のスケールで周期的に屈折率を変化させた構造を持つ人工光ナノ構造体であり、真空中の光速と比較して数十分の一以下という極端に遅い光の群速度を実現することができることが知られていて(非特許文献1参照)、こうしたフォトニック結晶は非線形分野への応用が期待されており、フォトニック結晶を利用した各種技術の提案が強く望まれている。
Phys. Rev. B 69, 205109 1−6 (2004)
本発明は、従来の技術に対する上記したような種々の要望に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、非線形光学特性に優れたフォトニック結晶の製造方法を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、非線形光学材料を含んだフォトニック結晶を高精度で作製する製造方法を提供するものである。非線形光学材料を含むフォトニック結晶の作製が高精度に実現されれば、新しいタイプの位相整合が実現可能であり、またさらに従来の動作原理に比べ様々な非線形光学動作の効率を向上することが可能となる。
即ち、光の電場強度は群速度に反比例するので、フォトニック結晶に外部からレーザー光を入射することにより、入射したレーザー光の数十倍以上の大変大きな光の電場強度が実現できることになる。
ここで、非線形光学効果である第2高調波発生について検討すると、第2高調波発生の場合には、高調波への変換効率は電場振幅の自乗に比例して増大するため、本発明により上記した光の電場強度を増大するフォトニック結晶の作用を利用することによって、第2高調波発生について飛躍的な性能向上を図ることが期待できる。
さらに、波長変換素子においては、上記した光の電場強度の増大に加えて、入射レーザー光(基本波)と高調波との間の位相のマッチング(位相整合)をとることが重要であるが、フォトニック結晶では光の分散関係を自在に設計することができるため、本発明によれば従来とは全く異なる手法で位相整合を達成することができる。このフォトニック結晶による位相整合技術は、理想的な位相整合条件を満たすため、擬似位相整合のような変換効率の低下は起こらない。
従って、本発明によれば、位相整合と低群速度とを併せて実現することができ、非線形光学特性を著しく向上することができる。
また、本発明は、非線形光学特性を有するフォトニック結晶の製造方法において、クラッド層の上に、50nm〜10μmの厚さに無機非線形光学結晶を研磨して上記無機非線形光学結晶を薄膜形状に形成した無機非線形光学結晶層を形成する第1の工程と、上記無機非線形光学結晶層の上に1次元または2次元フォトニック結晶層を形成する第2の工程とを有するようにしたものである。
また、本発明は、上記した発明において、上記第1の工程は、固定砥粒により研磨を行う固定砥粒研磨工程と、ダイヤモンドスラリーにより粗研磨を行う粗研磨工程と、ダイヤモンドスラリーにより精密研磨を行う精密研磨工程と、SiO スラリーにより仕上げの研磨を行う仕上げ研磨工程とを順に行って、上記無機非線形光学結晶を50nm〜10μmの厚さに研磨して上記無機非線形光学結晶を形成するようにしたものである。
また、本発明は、上記した発明において、上記第1の工程は、上記無機非線形光学結晶層の厚さを200nm〜1μmに形成するようにしたものである。
また、本発明は、上記した発明において、上記第1の工程では、前記無機非線形光学結晶層の厚さを200〜600nmに形成するようにしたものである。
また、本発明は、上記した発明において、上記第2の工程は、上記1次元または2次元フォトニック結晶層を、SiO系材料、ガラス系材料またはポリマー材料により形成するようにしたものである。
また、本発明は、上記した発明において、上記第の工程では、上記無機非線形光学結晶としてLiNbO結晶を用いるようにしたものである。
また、本発明は、上記した発明において、上記第2の工程は、上記無機非線形光学結晶層の上に上記1次元または2次元フォトニック結晶層を形成するための材料を配置し、ナノインプリントリソグラフィーにより上記材料に対して周期的構造を形成して前記1次元または2次元フォトニック結晶層を形成するようにしたものである。
本発明によれば、非線形光学特性に優れたフォトニック結晶の製造方法を提供することができるという優れた効果が奏される。
図1(a)(b)(c)(d)(e)(f)(g)(h)(i)は、本発明によるフォトニック結晶の製造方法の処理手順を示す説明図である。 図2は、非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶の概念構成断面斜視説明図である。 図3は、図1(a)〜(i)に示す製造方法で作製した非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶の断面のSEM(走査電子顕微鏡)写真の状態を示す説明図である。 図4は、図1(a)〜(i)に示す製造方法で作製した非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶について求めた理論および実験によるフォトニックバンド構造を示すグラフである。 図5は、図1(a)〜(i)に示す製造方法で作製した非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶について、基本波長800nmの入射において、CCDを用いる方式により得られた第2高調波(400nm)の発生を観測した結果と、フォトニックバンドに共鳴する運動量(入射角度)において第2高調波の強度が大きく増大した結果とを示すグラフである。 図6は、図1(a)〜(i)に示す製造方法で作製した非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶について、650nmの基本励起OPAレーザーの入射による第2高調波(325nm)の発生を観測した結果を示すグラフである。 図7は、非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶により波長変換を行う際の構成例を示す説明図である。 図8(a)(b)(c)(d)(e)(f)(g)(h)(i)は、本発明による2次元フォトニック結晶層の微細周期構造の作製にナノインプリントリソグラフィー技術を適用した場合の本発明によるフォトニック結晶の製造方法の説明図である。 図9は、図8(a)〜(i)に示す製造方法で作製した非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶の電子顕微鏡写真の状態を示す説明図である。 図10は、(a)〜(i)に示す製造方法で作製した非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶の角度走査反射分光法による測定結果を示すグラフである。
符号の説明
10 フォトニック結晶
12 LiNbO単結晶ウエハー
12a 表面
12’ LiNbO薄膜
12’a 研磨面
14 SiO
16 基板
16’ LiNbO薄膜とSiO膜とよりなる基板
18 下地基板18
20 接着剤層
22 PMMA
24 ハードマスク材
26 レジスト材
28 2次元フォトニック結晶層
100 フォトニック結晶
114 Ag膜
122 DR1/PMMA
128 2次元フォトニック結晶層
130 Siモールド
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるフォトニック結晶の製造方法の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
なお、以下の実施の形態においては、フォトニック結晶として、最も代表的な無機非線形光学結晶であるLiNbO結晶を非線形光学材料として用いた2次元フォトニック結晶構造を備えた導波路(以下、「非線形2次元フォトニック結晶導波路」と適宜に称する。)の構造を有するフォトニック結晶を作製する場合について説明する。
ここで、本願発明者は、高い非線形光学特性をもつ材料を用いて非線形2次元フォトニック結晶導波路を作製する技術について、特開2004−133429号公報として既に提案している。本発明は、この特開2004−133429号公報に開示された技術をさらに発展させたものであるので、本発明の理解を容易にするために、まず、特開2004−133429号公報に開示された技術の概要について説明する。
即ち、特開2004−133429号公報には、主に非線形光学材料を用いた2次元フォトニック結晶導波路たる非線形2次元フォトニック結晶導波路を実現するための素子構造と作製方法とについて記載されている。より詳細には、特開2004−133429号公報には、非線形光学材料として有機非線形光学ポリマーを用い、下部クラッド材料として金属クラッド(具体的には銀である。)を用い、周期的構造よりなるフォトニック結晶構造を備えた層(フォトニック結晶層)として透明なポリマー材料であるPMMAを用いて形成された2次元フォトニック結晶層を備えた非線形2次元フォトニック結晶導波路の作製例と、作製された非線形2次元フォトニック結晶導波路の第2高調波発生(SHG)特性と、作製された非線形2次元フォトニック結晶導波路の光バンド構造特性とが示されている。
以下、図1(a)〜(i)を参照しながら、本発明によるフォトニック結晶の製造方法について説明すると、まず、0.5〜1mm程度のLiNbO単結晶ウエハー(この実施の形態においては、MgO:LiNbOの3インチウエハーを用いた。)12に対し(図1(a)参照)、クラッド層として利用するSiO膜14をプラズマCVD法により4μm程度の厚さで成膜した基板16を作製する(図1(b)参照)。
次に、その基板16のSiO膜14と下地基板18として用いるSiウエハーとを接着剤(具体的には、例えば、アクリル系ポリマーなどである。)により貼り合わせ(図1(c)参照)、アニールする(図1(d)参照)。なお、この際に、接着剤層20の厚さが、0.3〜0.5μm程度となるようにする。
次に、LiNbO単結晶ウエハー12の厚さが光の波長レベルの厚さ、例えば、50nm〜10μm程度の厚さとなるまで、基板16に形成されたSiO膜14側の反対側の面、即ち、LiNbO単結晶ウエハー12の表面12aを研磨機により研磨する(図1(e)参照)。なお、LiNbO単結晶ウエハー12の研磨により形成された無機非線形光学結晶層たるLiNbO薄膜を符号12’で示し、LiNbO薄膜12’とSiO膜14とよりなる基板を符号16’で示すこととする。
ここで、上記した研磨機による研磨工程は、以下の工程1〜4に示す手順に従って行われる。
工程1:固定砥粒による研削
0.5〜1mm程度の厚さのLiNbO単結晶ウエハー12を0.05mm程度の厚さになるまで研磨する。この工程1は、横型研削機により行われる。
工程2:ダイヤモンドスラリーによる粗研磨
LiNbO単結晶ウエハー12の厚さを50μmから5μm程度まで研磨する。この工程2は、高速ラップ研磨機により行われる。
工程3:ダイヤモンドスラリーによる精密研磨
LiNbO単結晶ウエハー12の厚さを5μmから2.0μm程度まで研磨する。この工程3は、高速ラップ研磨機により行われる。
工程4:SiOスラリーによる仕上げ研磨
LiNbO単結晶ウエハー12の厚さが波長レベルの厚さとなるように、2.0μmから0.5μm程度までの適宜の厚さに研磨して、無機非線形光学結晶層たるLiNbO薄膜12’を得る。この工程4は、オスカー研磨機により行われる。
次に、上記のようにしてLiNbO単結晶ウエハー12を研磨して形成したLiNbO薄膜12’の研磨面12’a上に、電子線リソグラフィーおよび反応性ガスを用いたICPドライエッチングにより高垂直性かつ高アスペクト比を持つ周期的構造よりなる2次元フォトニック結晶構造を作製して、2次元フォトニック結晶層28(図1(i)参照)を形成する。
具体的には、2次元フォトニック結晶層28を形成するためのPMMA22を300nm〜1μm程度の厚さにスピンコートして100〜180℃程度でベイクし、次に、ドライエッチング用のハードマスク材24としてSOG(SiO系塗布材)を100〜200nm程度の厚さにスピンコートして100〜180℃程度でベイクし、次に、電子ビーム露光用のレジスト材(ここではZEP520)26を100〜500nm程度の厚さにスピンコートして100〜180℃程度でベイクして積層する(図1(f)参照)。
それから、電子ビーム露光装置を用いた電子線リソグラフィーにより、所望の周期的構造よりなる2次元周期パターンを描画する(図1(g)参照)。なお、この実施の形態にいては、直径200nm程度のホールパターンを周期500nm程度の正方格子状にパターニングした。
次に、フッ素系反応ガスを用いたドライエッチングによりハードマスク材24にパターン転写し、ついでO/Ar反応ガスを用いたドライエッチングにより、PMMA22に対して高精度にフォトニック結晶構造の加工を行う(図1(h)参照)。
最後にハードマスク24の除去を行うことにより、波長変換部である無機非線形光学結晶層たるLiNbO薄膜12’と、2次元フォトニック結晶構造よりなるフォトニック結晶部である周期的屈折率変調層たる2次元フォトニック結晶層28とが互いに分離して形成されているとともに、両者を一体的に結合して構成した2層コア構造を有する非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶10を作製することができた(図1(i)参照)。
図2には、上記のようにして作製されたフォトニック結晶周期500nmであり正方格子構造を持つ非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶10の概念構成断面斜視説明図が示されている。
また、図3には、上記のようにして作製されたフォトニック結晶周期500nmであり正方格子構造を持つ非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶10の断面のSEM(走査電子顕微鏡)写真の状態を示す説明図が示されている。
この実施の形態によるフォトニック結晶10においては、接着剤層20の膜厚は約300nmであり、SiO膜の膜厚は約4μmであり、LiNbO薄膜12’の膜厚は約600nmであり、2次元フォトニック結晶層28の膜厚は約900nmである。
上記した本発明よるフォトニック結晶の製造方法によれば、難加工性材料であるLiNbO単結晶を使用して非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶を作製することができるものであり、非線形光学特性やその動作特性が良好ではあるが加工性に劣るため、従来はフォトニック結晶に利用することが困難であったLiNbO単結晶などの無機非線形光学結晶を、フォトニック結晶として利用することができるようになる。
なお、以下に説明するように、本発明よるフォトニック結晶の製造方法により作製された非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶は、従来の技術に比べて第2高調波発生の著しい増強を実証し、波長変換素子として極めて有効性であることが示された。
ここで、素子動作の設計および評価を正確に行うためには、作製された非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶10が、どのようなバンド構造を持つものであるのかを理論的にシミュレーションすると同時に、実験的に直接観測することが必要となる。
フォトニック結晶10に関する理論計算に関しては、平面波展開法に比べてより精度の高い、3次元FDTD法によるバンド計算法を用いて解析を行った。
また、実験的には、角度走査偏光反射率測定を行い、反射スペクトルにおいて鋭い極小として現れる共鳴ピーク位置からフォトニックバンド構造を決定した。具体的には、タングステンハロゲン白色光源を用いた各偏光平行ビームを、微小なサンプル(パターニング)部に対して集光入射し、分光器およびCCDを用いて反射スペクトルを測定し、さらにビーム入射角および結晶対称軸に対する面内ビーム進行角をそれぞれ走査し、スペクトルに現れる共鳴ピークの周波数シフトからフォトニックバンド分散曲線を追跡した。
上記したように理論および実験の両面からバンド構造を決定すれば、超低群速度ならびに位相整合を同時に満たし、波長変換効率が著しく増大される動作条件を正確に求め、かつ、素子性能を評価することができる。
図4には、上記のようにして作製されたフォトニック結晶周期500nmであり正方格子構造を持つ非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶10について、上記したようにして求めた理論および実験によるフォトニックバンド構造が示されている。
この図4から明らかなように、実験によるフォトニックバンドと理論によるフォトニックバンドとは非常に良く一致しており、上記したフォトニック結晶10が精度よく作製されたことが示されている。後述するように、上記したフォトニック結晶10において、光バンドに共鳴する条件で従来より300倍以上の大きなSHG強度増大が観測された。
なお、フォトニック結晶周期を変化すれば、図4の縦軸に示す光子エネルギーは自由に変更することができる。
次に、上記したフォトニック結晶10を用いて、実際に第2高調波発生過程の評価を行った実験について説明する。
第2高調波発生測定の際に入射光の波長および入射角度ならびにフォトニック結晶に対するビーム進行角度を走査することによって、フォトニックバンドの位置に共鳴するエネルギーおよび運動量において、出力される第2高調波の強度が増大することにより、バンドの位置の同定およびその強度の増大の度合いから、光バンドと関連した増大の定量的調査、確認および最も効率良くフォトニック結晶が動作する条件の調査、確認を行うことができる。
本実施の形態における実験では、入射光源として広範囲にわたり波長可変可能(0.3〜10μm)な短パルスOPA(短パルス光パラメトリック増幅器)を用いた。入射光学系は、上記した角度走査偏光反射率測定のものと同様のものを用いた。なお、励起光の高調波成分は、試料入射直前に干渉フィルターにより取り除いた。また、高調波の検知部は、ファイバーによって分光器やCCDに取り込むか、またはバンドパスフィルターを通して光電子増倍管に取り込む形式を用いればよいが、この実験においてはCCDを用いた。
図5には、基本波長800nmの入射において、CCDを用いる方式により得られた第2高調波(400nm)の発生を観測した結果と、フォトニックバンドに共鳴する運動量(入射角度)において第2高調波の強度が大きく増大した結果とが示されている。即ち、光バンドに共鳴する運動量において、バルク部に対して300倍以上の強度増大を観測した。
また、図6には、他の実験結果として、上記したフォトニック結晶10に650nmの基本励起OPAレーザーを入射した結果が示されている。この図6の実験結果に示されているように、フォトニック結晶10に650nmの基本励起OPAレーザーを入射したところ、強い第2高調波(波長325nm)の発生が観測された。

従って、上記したフォトニック結晶10によれば、通常媒質中に比べてはるかに高効率で高調波を実際に発生できるものである。

なお、上記した実験においては、外部から基本レーザー光を入射して、反射SHGを測定するようにしたが、例えば、図7に示すように、光学系レンズや、あるいは、光学系レンズ、導波路、プリズム、グレーティング、光ファイバー、レーザー素子などの直接接合あるいはそれらの組み合わせを通して基本レーザー光(基本波)を非線形2次元フォトニック結晶導波路構造の面内に導波させてやれば、より長い相互作用長が得られることになり、また非常に微小な領域に光を閉じ込めことができるため、より高い効率で波長変換を行うことができるようになる。このとき位相整合条件をフォトニックバンド構造により満たしてやれば、距離の2乗に比例してSHG強度は増加し、また、同時に低群速度バンドの電場増強効果により極めて強い変換効率の増大が得られるようになる。

以上において説明したように、本発明によれば、代表的な非線形光学結晶であるLiNbO結晶を用いて、非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶10を作製することができた。フォトニック結晶10は、クラッド層としてSiO膜14を予め成膜したLiNbO結晶ウエハー12を研磨過程を通して薄膜化し、その上に2次元フォトニック結晶層28を微細加工技術を用いて作製したものである。さらに、。フォトニック結晶10に対し、外部からレーザー光を入射し、第2高調波発生(SHG)を観測し、またフォトニック結晶10の効果によるSHG強度の増大を観測した。
これまでは、LiNbO結晶に代表される無機非線形光学結晶は、高い非線形光学性能とデバイス動作安定性を持ちながら、半導体材料や有機材料などに比べ、微細加工プロセスに対する加工性が悪いために、フォトニック結晶への応用が困難であった。
しかしながら、本発明によれば、非線形光学材料として用いる無機非線形光学結晶そのものは、微細な孔を空けるなどの加工を必要とせずに単に薄膜化するだけでよく、これにより非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶を作製することができるものであり、従って、難加工材料である無機非線形光学結晶を用いながら高精度なフォトニック結晶を実現することが可能となる。
即ち、本発明によるフォトニック結晶の製造方法は、無機非線形光学結晶が微細加工プロセスに対する加工性が悪いという欠点を解消するものである。また、無機非線形光学結晶に微細周期構造用の微細加工をしないで済むため、2次元フォトニック結晶層28に加工性の高い材料を選択すれば、非常に高精度な加工レベルのフォトニック結晶を作製することが可能になる。これにより、無駄な光散乱や光損失を避け、また、誤差や加工揺らぎの少ない理論設計に近いデバイスが得られるようになるため、結果として非常に高効率な波長変換効率が得られることになる。
また、無機非線形光学結晶に微細周期構造用の微細加工をしないで済むことは、2次元フォトニック結晶層28の材料として任意のものを用いることができるものであり、また、どのような加工法を用いてもよいということを意味する。この特徴により、加工精度を最大限に上げることができるということは勿論であるが、2次元フォトニック結晶層28に透明な有機材料やガラス材料のようなものを用いれば、微細周期構造の作製にナノインプリントリソグラフィー技術を適用することが可能となり。これによりフォトニック結晶の製造コストを著しく低減することができるようになる。
図8(a)〜(i)は、2次元フォトニック結晶層の微細周期構造の作製にナノインプリントリソグラフィー技術を適用した場合の本発明によるフォトニック結晶の製造方法の説明図である。なお、この図8(a)(b)(c)(d)(e)は、クラッド層としSiO膜14の代わりにAg膜114を用いている点を除いて、図1(a)(b)(c)(d)(e)とそれぞれ同一の処理を示すものであるので、その詳細な説明は省略する。
この図8に示す本発明によるフォトニック結晶の製造方法においては、図8(e)に示す処理を終了すると、LiNbO単結晶ウエハー12を研磨して形成したLiNbO薄膜12’の研磨面12’a上に、ナノインプリントリソグラフィー技術により高垂直性かつ高アスペクト比を持つ周期的構造たる2次元フォトニック結晶構造を作製して、2次元フォトニック結晶層128(図8(i)参照)を形成する。
具体的には、2次元フォトニック結晶層128を形成するためのDR1/PMMA122を300nm〜1μm程度の厚さにスピンコートして積層する(図8(f)参照)。
次に、所望のパターンを形成されたSiモールド130の表面に剥離剤(シラン系単分子膜)をコートする。
それから、Siモールド130をDR1/PMMA122上に載置して、加熱しながら加圧する(図8(g)参照)。なお、この実施の形態においては、直径200nm程度のホールパターンを周期600nmの正方格子状にパターニングした周期的構造を備えたSiモールド130を用いた。また、加熱する際の温度は、ガラス転位温度Tg前後の温度(50〜200℃)とし、この温度条件においてSiモールド130に形成されたパターンをDR1/PMMA122に直接転写した。
次に、Siモールド130の冷却を行ってから、PMMA122からSiモールド130を引き剥がすと(図8(h)参照)、波長変換部である非線形光学材料層たるLiNbO薄膜12’と、2次元フォトニック結晶構造よりなるフォトニック結晶部である周期的屈折率変調層たる2次元フォトニック結晶層128とが互いに分離して形成されているとともに、両者を一体的に結合して構成した2層コア構造を有する非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶100を作製することができた(図8(i)参照)。
図9には、上記のようにして作製した非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶100の電子顕微鏡写真の状態を示す説明図が示されており、また、図10には、角度走査反射分光法による測定結果を示すグラフが示されている。
これら図9に示す電子顕微鏡写真の状態を示す説明図や図10のグラフが示す明確に観測された光バンド共鳴ディップにより、素子の高精度加工が実証された。
この2次元フォトニック結晶層の微細周期構造の作製にナノインプリントリソグラフィー技術を適用した本発明によるフォトニック結晶の製造方法によれば、フォトニック結晶を画期的な低コストで作製することが可能になり、しかも高精度で大面積かつ大量かつ高スループットな生産性を実現性することが可能になる。
なお、本発明によれば、上記したように、従来の手法では不可能な電場の増強と位相整合とを同時に満たすことが可能であり、また、形成した2次元フォトニック結晶導波路構造は、導波路であるため光を非常に微小な領域に閉じ込めることによって非常に強い光強度で最も長い相互作用長を取れることから、波長変換過程の特性上において他の構造より断然有利である。
また、本発明によれば、クラッド層も基本波と高調波とに対して吸収の無い透明材料で作ることが可能であるので、長い相互作用長を取ってもまったく吸収の問題が無い。
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(13)に示すように変形することができるものである。
(1)上記した実施の形態においては、本発明によるフォトニック結晶の製造方法により製造されるフォトニック結晶として、非線形2次元フォトニック結晶導波路構造を備えたフォトニック結晶について説明したが、これに限られるものではなく、適宜の構造を備えるようにしてもよいことは勿論である。また、フォトニック結晶構造も2次元に限られるものではなく、各種のフォトニック結晶構造を備えてよいことは勿論である。さらに、無機非線形光学結晶は、層状に形成されていなくてもよい。
(2)上記した実施の形態においては、無機非線形光学結晶としてLiNbO結晶を用いたが、これに限られるものではないことは勿論であり、無機非線形光学結晶としては、例えば、LiTaO(LT)、KHPO(KDP)、KTiOPO(KTP)、BaB(BBO)、LiB(LBO)、BiB(BIBO)、CsLiB10(CLBO)、KNbO(KN)などを適宜に選択して用いることができる。
(3)上記した実施の形態においては、2次元フォトニック結晶層をPMMAにより形成したが、これに限られるものではないことは勿論である。2次元フォトニック結晶層は、使用する入射波、出射波の波長に対して光吸収が少なく、かつ、ある程度加工性が良いことが好ましいものであるが、これを満たせば如何なる材料も使用可能である。例えば、無機結晶材料、無機ガラス材料、半導体材料、有機材料(ポリマーを含む。)、それらの組み合わせ材料などを適宜に選択して用いることができる。また、さらに具体例をあげれば、例えば、SiO、ガラス材料、SiO系塗布膜、ガラス系塗布膜、TiO、AlN、AlGaN、CaF、Al、Gaなどがあげられる。
(4)上記した実施の形態においては、接着剤としてアクリル系ポリマーを用いたが、これに限られるものではないことは勿論であり、接着剤としては、有機系接着剤、無機系接着剤、その組み合わせなどを適宜に選択して用いることができ、さらに具体的な好ましいものとしては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂、低融点ガラス、水ガラスなどを適宜に選択して用いることができる。
(5)上記した実施の形態においては、下地基板としてSiウエハーを用いたが、これに限られるものではないことは勿論であり、下地基板としては、LiNbO単結晶ウエハー、GaAs単結晶基板、SiC単結晶基板、GaN単結晶基板、Al単結晶基板などを適宜に選択して用いることができる。また、これらに他の元素が添加されていてもよく、また他の材料などの膜が表面に形成されていてもよい。
(6)上記した実施の形態においては、クラッド層としてはSiO膜やAg膜を用いたが、これに限られるものではないことは勿論である。即ち、クラッド層は、予め非線形光学材料に成膜しておくだけでよいため、使用する入射波、出射波の波長に対して光吸収が少ないという条件を満たせば如何なる材料も使用可能である。例えば、無機結晶材料、無機ガラス材料、半導体材料、有機材料(ポリマーを含む。)、それらの組み合わせ材料などを用いることができ、さらに具体例をあげれば、例えば、SiO、ガラス材料、SiO系塗布膜、ガラス系塗布膜、透明ポリマー、TiO、AlN、AlGaN、CaF、Al、Gaなどがあげられる。また、後からこのクラッド層をエッチングなどにより取り除けば、より強い光閉じ込めが実現できる空気クラッドにすることも可能である。
(7)上記した実施の形態においては、2次元フォトニック結晶層を形成するための加工技術として、電子線リソグラフィーおよび反応性ガスを用いたICPドライエッチングによるドライエッチング技術やナノインプリントリソグラフィー技術を用いたが、これに限られるものではないことは勿論であり、他のドライエッチング技術、陽極酸化技術、化学エッチング技術、電子ビームリソグラフィー技術、集束イオンビームリソグラフィー技術、フォトンビームリソグラフィー技術、選択成長技術あるいはレーザー加工技術などを適宜に選択して用いることができる。
(8)上記した実施の形態においては、本発明によるフォトニック結晶の製造方法により製造されたフォトニック結晶を深紫外波長域や赤外波長領域に応用する場合について説明したが、これに限られるものではないことは勿論であり、可視波長域やX線波長域あるいは遠赤外波長域さらにはテラヘルツ波長領域などのような、他の波長域における波長変換技術として応用可能である。また、光パラメトリック増幅の原理を用いれば、同一の入射波長でも様々な波長へ変換できるため、本発明によるフォトニック結晶の製造方法により製造されたフォトニック結晶を用いて、波長可変レーザ素子も実現することができる。
(9)上記した実施の形態においては、本発明によるフォトニック結晶の製造方法により製造されたフォトニック結晶を非線形光学効果を利用した波長変換に適用した場合について説明したが、これに限られるものではないことは勿論であり、フォトニック結晶の電場増強効果や分散関係の制御性などの特徴を利用して、超高速光変調や光スイッチングなど非線形光学効果を利用した他の作用効果の効率も著しく向上することができる。
(10)本発明によるフォトニック結晶の製造方法により製造されたフォトニック結晶は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、フォトニック結晶内における無機非線形光学結晶層の上下関係や、フォトニック結晶層以外の薄いコア層を本構造体に挟む構造、フォトニック結晶層の上にまた何らかの層を積層する構造、クラッド層を入れない構造なども本発明によるフォトニック結晶の製造方法により製造されたフォトニック結晶の範囲に含まれるものである。例えば、無機非線形光学結晶表面にTiなどを拡散することにより表面に導波路を形成でき、無機非線形光学結晶の非ドープ層自体をクラッド層として使用することもできるものであり、その上にフォトニック結晶構造を積むようにしたものも本発明の範囲に含まれる。また、無機非線形光学結晶の上にこれより屈折率の高い材料(例えば、TiOなど)で導波路コア層(その上にさらにフォトニック結晶層を積む。)やフォトニック結晶層を作製すれば、無機非線形光学結晶がクラッド層として働くと同時に波長変換層として働くものであり、こうしたものも本発明の範囲に含まれる。
(12)上記した実施の形態においては、無機非線形光学結晶層を波長レベルの厚さ、例えば、50m〜10μm程度の厚さとしたが、好ましくは、200nm〜1μm程度であり、さらに好ましくは、200〜600nmである。
(13)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(12)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は、例えば、波長変換素子、高調波発生素子、和周波・差周波発生素子、光パラメトリック増幅素子、誘導ラマン散乱素子、四波混合素子、小型レーザー光源、光スイッチ素子、光双安定素子、光論理演算素子、光変調素子あるいは位相共役光発生素子などの各種の素子に利用することができるものであり、こうした素子を使用することによって、小型かつ高効率な深紫外レーザー光源や赤外レーザー光源などを実現することができるようになる。
そして、小型高性能な深紫外レーザー光源や赤外レーザー光源が実現されると、深紫外レーザー光源については、高集積度の次世代DVDや光メモリ用途向け光源、計測用He−Cdレーザーや殺菌・露光用水銀ランプを置換する光源、さらにはPCBなどの環境汚染物質の深紫外光触媒処理法の光源としてなどの利用が見込まれ、産業分野への多大な貢献、甚大な市場規模が期待できる。また、DNA切断、レーザ顕微鏡、生体分子蛍光認識用の光源としてなど、バイオ・医学への応用も強く期待される。
一方、赤外レーザー光源については、環境ガス、有害ガスなどのセンサー検知用のレーザー光源や通信用のレーザ光源として、産業応用が強く期待される。

Claims (7)

  1. 非線形光学特性を有するフォトニック結晶の製造方法において、
    クラッド層の上に、50nm〜10μmの厚さに無機非線形光学結晶を研磨して前記無機非線形光学結晶を薄膜形状に形成した無機非線形光学結晶層を形成する第1の工程と、
    前記無機非線形光学結晶層の上に1次元または2次元フォトニック結晶層を形成する第2の工程と
    を有することを特徴とするフォトニック結晶の製造方法。
  2. 請求項1に記載のフォトニック結晶の製造方法において、
    前記第1の工程は、固定砥粒により研磨を行う固定砥粒研磨工程と、ダイヤモンドスラリーにより粗研磨を行う粗研磨工程と、ダイヤモンドスラリーにより精密研磨を行う精密研磨工程と、SiO スラリーにより仕上げの研磨を行う仕上げ研磨工程とを順に行って、前記無機非線形光学結晶を50nm〜10μmの厚さに研磨して前記無機非線形光学結晶を形成する
    ことを特徴とするフォトニック結晶の製造方法。
  3. 請求項1または2のいずれか1項に記載のフォトニック結晶の製造方法において、
    前記第1の工程は、前記無機非線形光学結晶層の厚さを200nm〜1μmに形成する
    ことを特徴とするフォトニック結晶の製造方法。
  4. 請求項1または2のいずれか1項に記載のフォトニック結晶の製造方法において、
    前記第1の工程では、前記無機非線形光学結晶層の厚さを200〜600nmに形成する
    ことを特徴とするフォトニック結晶の製造方法。
  5. 請求項1、2、3またはのいずれか1項に記載のフォトニック結晶の製造方法において、
    前記第2の工程は、前記1次元または2次元フォトニック結晶層を、SiO系材料、ガラス系材料またはポリマー材料により形成する
    ことを特徴とするフォトニック結晶の製造方法。
  6. 請求項1、2、3、4またはのいずれか1項に記載のフォトニック結晶の製造方法において、
    前記第の工程では、前記無機非線形光学結晶としてLiNbO結晶を用いる
    ことを特徴とするフォトニック結晶の製造方法。
  7. 請求項1、2、3、4、5またはのいずれか1項に記載のフォトニック結晶の製造方法において、
    前記第2の工程は、前記無機非線形光学結晶層の上に前記1次元または2次元フォトニック結晶層を形成するための材料を配置し、ナノインプリントリソグラフィーにより前記材料に対して周期的構造を形成して前記1次元または2次元フォトニック結晶層を形成する
    ことを特徴とするフォトニック結晶の製造方法。
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