本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、効率的なチャネルのグループ化を行うことにより、端末から基地局に報告する受信品質情報(CQI)の情報量を削減し、スループットを向上させることができる通信システム、並びに、それに用いる基地局および端末を提供することにある。
本発明の通信システムは、上記の課題を解決するために、複数のチャネルを用いて無線にて互いに通信を行う基地局と複数の端末とを備え、上記端末の各々が、受信信号の受信品質情報を上記基地局に報告し、上記基地局が、上記端末の各々から報告された受信品質情報に基づいて、上記チャネルを用いた通信のスケジューリングを行う通信システムであって、上記端末の各々は、上記チャネルの受信信号の受信品質を測定する受信品質測定部と、チャネルをサブグループにまとめサブグループをグループにまとめる2段階グループ化方式と、上記受信品質測定部で測定された受信品質とに基づいて、上記サブグループごとに代表する受信品質情報を生成して上記基地局へ報告する受信品質情報決定部とを備え、上記2段階グループ化方式は、上記グループを上記端末に割り当てるようになっており、上記端末の受信品質情報決定部は、その端末に割り当てられたグループに属するサブグループのみについて、上記代表する受信品質情報を生成して報告することを特徴としている。
上記構成によれば、上記端末は、その端末に割り当てられたグループに属するサブグループのみについて、上記代表する受信品質情報をサブグループごとに生成して報告する。したがって、この端末は、全チャネルの受信品質情報を基地局に報告する場合や、隣接する複数のチャネルをグループ化してグループ毎の受信品質情報を基地局に報告する場合と比較して、基地局に報告する受信品質情報の情報量を削減できる。その結果、上りリンクのオーバヘッドを低減し、スループットを向上させることができる。
本発明の通信システムは、上記基地局が、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式を複数の2段階グループ化方式の中から選択するグループ化方式選択部と、上記グループ化方式選択部で選択された2段階グループ化方式の情報を端末に送信する送信部とを備え、上記端末が、上記送信部から送信された2段階グループ化方式の情報を受信する受信部を備える構成とすることができる。
上記構成によれば、基地局が、複数の端末に関する2段階グループ化方式の選択を一括して行うことができるので、2段階グループ化方式の選択を効率的に行うことができる。
本発明の通信システムは、上記端末が、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式を複数の2段階グループ化方式の中から選択するグループ化方式選択部と、上記グループ化方式選択部で選択された2段階グループ化方式の情報を基地局に送信する送信部とを備え、上記基地局が、上記送信部から送信された2段階グループ化方式の情報を受信する受信部を備える構成とすることができる。
上記構成によれば、端末が2段階グループ化方式情報の選択を行うので、2段階グループ化方式を選択するための手段を基地局に設ける必要がない。
上記グループ化方式選択部は、グループ数が異なり、かつ、グループ内のサブグループ数が同一である複数の2段階グループ化方式の中から、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式を選択する構成とすることができる。
上記構成によれば、2段階グループ化方式を切り替えてもグループ内のサブグループ数が変化しないので、端末から基地局に報告する受信品質情報の情報量を一定にすることができる。したがって、端末から基地局に報告する受信品質情報の情報量を一定量以下に削減できる。本発明を適用することが想定される携帯電話システムでは、制御情報の容量が一定量以下に制限されているので、これは特に有効である。
さらに、上記構成では、端末が基地局にグループ化方式に関する情報を通知し、通知された情報に基づいて基地局がグループ数およびサブグループ内のチャネル数を認識する場合に、端末が基地局に通知するグループ化方式に関する情報の情報量を抑えることができる。すなわち、グループ内のサブキャリア数が変化する場合、基地局がグループ数とサブグループ内のチャネル数とを識別するためには、端末がグループ数を識別するための情報とサブグループ内のチャネル数を識別するための情報とを基地局に通知することが必要である。これに対し、上記構成では、グループ内のサブグループ数を固定しているので、端末がグループ数を識別するための情報のみを基地局に通知すれば、基地局がグループ数とサブグループ内のチャネル数との両方を識別することができる。
さらに、上記構成では、グループ内のサブグループ数が固定であるので、各グループの受信品質情報量は一定となる。
さらに、上記構成では、グループ数を決定すれば、自動的にサブグループ内のチャネル数が決まるので、グループ数が異なる2段階グループ化方式の切り替えにより、サブグループ内のチャネル数を変更することができる。これにより、グループ数が異なる2段階グループ化方式の切り替えにより、サブグループ内のチャネル数を減少させて、サブグループ内におけるチャネル間での端末の受信品質の分散を低減できる。したがって、受信品質情報の精度が低下することを回避し、受信品質情報に基づくスケジューリングを最適化することができる。すなわち、上記構成によれば、スケジューリングを最適化しながら、端末から基地局に報告する受信品質情報の情報量を削減することができる。
上記グループ化方式選択部は、サブグループ内のチャネル数が異なる複数の2段階グループ化方式の中から、上記サブグループ内における端末の受信品質のチャネル間での分散に基づいて、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式を選択する構成とすることができる。
上記構成によれば、サブグループ内のチャネル数が異なる複数の2段階グループ化方式の中から、上記サブグループ内におけるチャネル間での端末の受信品質の分散に基づいて、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式を選択する。これにより、サブグループ内におけるチャネル間での端末の受信品質の分散が増大した場合には、サブグループ内のチャネル数を減少させて、サブグループ内における端末の受信品質の分散を低減できる。したがって、受信品質情報の精度が低下することを回避し、受信品質情報に基づくスケジューリングを最適化することができる。すなわち、上記構成によれば、スケジューリングを最適化しながら、端末から基地局に報告する受信品質情報の情報量を削減することができる。
上記グループ化方式選択部は、個々のグループを割り当てる端末の数が異なる複数の2段階グループ化方式の中から、上記基地局と通信を行う端末の数に基づいて、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式を選択する構成とすることができる。
上記構成によれば、上記基地局と通信を行う端末の数が少ない場合に、グループ内の端末の数がより多い2段階グループ化方式を選択することができる。これにより、マルチユーザダイバーシチ効果を向上させ、システムのスループットを向上させることができる。
上記グループ化方式選択部は、各端末に割り当てるグループの数が、基地局から端末へ送信するデータの優先度に応じて変化するように、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式を選択する構成とすることができる。
上記構成によれば、高優先度のデータを要求する端末に対して、低優先度のデータを要求する端末よりも多くのチャネルを割り当てることができる。それゆえ、高優先度のデータを、より速く、より確実に、基地局から端末へ送信することができる。
上記グループ化方式選択部は、各端末ごとに、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式を選択する構成とすることができる。
上記構成によれば、各端末ごとに2段階グループ化方式を最適化することができるので、端末から基地局に報告する受信品質情報の情報量をより一層削減することができる。
本発明の通信システムにおいて、上記2段階グループ化方式は、隣接する複数のチャネルをサブグループにまとめるようになっている構成とすることができる。
隣接するチャネルにおける受信品質は、高い相関を持つ可能性が高い。そのため、上記構成のように隣接するチャネルをサブグループにまとめると、サブグループ内におけるチャネル間での受信品質の分散が小さくなり、受信品質情報の精度が向上する。したがって、上記構成によれば、受信品質情報に基づくスケジューリングを最適化することができる。
本発明の基地局は、上記の課題を解決するために、複数のチャネルを用いて無線にて互いに通信を行う基地局と複数の端末とを備えた通信システムに用いる基地局であって、チャネルをサブグループにまとめサブグループをグループにまとめる2段階グループ化方式の一つを複数の2段階グループ化方式の中から選択するグループ化方式選択部と、上記グループ化方式選択部で選択された2段階グループ化方式の情報を端末に送信する送信部と、端末からその端末の属するグループのサブグループのみについて、チャネルの受信品質を代表する受信品質情報を受信する受信部とを備えることを特徴としている。
上記構成によれば、端末からその端末の属するグループのサブグループのみについて、チャネルの受信品質を代表する受信品質情報を受信する。したがって、全チャネルの受信品質情報を端末から受信する場合や、隣接する複数のチャネルをグループ化してグループ毎の受信品質情報を端末から受信する場合と比較して、端末から受信する受信品質情報の情報量を削減できる。その結果、上りリンクのオーバヘッドを低減し、スループットを向上させることができる。
さらに、上記構成によれば、複数の端末に関する2段階グループ化方式の選択を一括して行うことができるので、2段階グループ化方式の選択を効率的に行うことができる。
本発明の端末は、上記の課題を解決するために、複数のチャネルを用いて無線にて互いに通信を行う基地局と複数の端末とを備えた通信システムに用いる端末であって、受信品質を測定する受信品質測定部と、チャネルをサブグループにまとめサブグループをグループにまとめる2段階グループ化方式と、上記受信品質測定部で測定された受信品質とに基づいて、上記サブグループごとに代表する受信品質情報を生成して上記基地局へ報告する受信品質情報決定部とを備え、上記2段階グループ化方式は、上記端末にグループを割り当てるようになっており、上記受信品質情報決定部が、上記端末に割り当てられたグループに属するサブグループのみについて、上記代表する受信品質情報を生成して報告することを特徴としている。
上記構成によれば、上記端末に割り当てられたグループに属するサブグループのみについて、上記代表する受信品質情報をサブグループごとに生成して報告する。したがって、全チャネルの受信品質情報を基地局に報告する場合や、隣接する複数のチャネルをグループ化してグループ毎の受信品質情報を基地局に報告する場合と比較して、基地局に報告する受信品質情報の情報量を削減できる。その結果、上りリンクのオーバヘッドを低減し、スループットを向上させることができる。
本発明の通信システムは、上記の課題を解決するために、複数のチャネルを用いて互いに通信を行う基地局と複数の端末とを備え、上記端末の各々が、受信品質情報を上記基地局に報告し、上記基地局が、上記端末の各々から報告された受信品質情報に基づいて、上記チャネルを用いた通信のスケジューリングを行う通信システムであって、上記端末の各々は、受信品質を測定する受信品質測定部と、少なくとも1つのチャネルをサブグループにまとめ、少なくとも1つのサブグループをグループにまとめる2段階グループ化方式情報と、上記受信品質測定部で測定された受信品質とに基づいて、上記サブグループごとに受信品質情報を生成し、上記基地局へ報告する受信品質情報決定部とを備え、上記2段階グループ化方式情報は、上記各グループを上記端末の少なくとも1つに割り当てるようになっており、上記端末の少なくとも1つにおける受信品質情報決定部が、少なくとも一部の条件下で、その端末に全グループの一部が割り当てられるような2段階グループ化方式情報を用い、その端末に割り当てられたグループに属するサブグループのみについて、上記受信品質情報を生成および報告することを特徴としている。
上記構成によれば、上記端末の少なくとも1つは、少なくとも一部の条件下で、その端末に割り当てられたグループに属するサブグループのみについて、上記受信品質情報をサブグループごとに生成および報告する。したがって、この端末は、全チャネルの受信品質情報を基地局に報告する場合や、隣接する複数のチャネルをグループ化してグループ毎の受信品質情報を基地局に報告する場合と比較して、基地局に報告する受信品質情報の情報量を削減できる。その結果、上りリンクのオーバヘッドを低減し、スループットを向上させることができる。
なお、「少なくとも一部の条件下で・・・生成および報告する」とは、無条件で生成および報告する、すなわち常に生成および報告する構成、あるいは、一部の条件で生成および報告する、すなわち条件によって生成および報告する場合と生成および報告しない場合とがある構成であることを意味するものとする。
本発明の基地局は、上記の課題を解決するために、受信品質を測定する受信品質測定部、および、少なくとも1つのチャネルをサブグループにまとめ、少なくとも1つのサブグループをグループにまとめる2段階グループ化方式情報と、上記受信品質測定部で測定された受信品質とに基づいて、上記サブグループごとに受信品質情報を生成し、上記基地局へ報告する受信品質情報決定部を備える複数の端末との間で、複数のチャネルを用いて通信を行い、上記端末の各々から報告された受信品質情報に基づいて上記チャネルを用いた通信のスケジューリングを行う基地局であって、上記端末で用いる2段階グループ化方式情報を複数の2段階グループ化方式情報の中から選択する第1のグループ化方式選択部と、第1のグループ化方式選択部で選択された2段階グループ化方式情報を端末に送信する送信部とを備えることを特徴としている。
上記構成によれば、本発明の通信システムを実現できる。また、上記構成の基地局は、複数の端末に関する2段階グループ化方式の選択を一括して行うことができるので、2段階グループ化方式の選択を効率的に行うことができる。
本発明の端末は、上記の課題を解決するために、複数のチャネルを用いて互いに通信を行う基地局と複数の端末とを備え、上記端末の各々が、受信品質情報を上記基地局に報告し、上記基地局が、上記端末の各々から報告された受信品質情報に基づいて、上記チャネルを用いた通信のスケジューリングを行う通信システムに用いる端末であって、受信品質を測定する受信品質測定部と、少なくとも1つのチャネルをサブグループにまとめ、少なくとも1つのサブグループをグループにまとめる2段階グループ化方式情報と、上記受信品質測定部で測定された受信品質とに基づいて、上記サブグループごとに受信品質情報を生成し、上記基地局へ報告する受信品質情報決定部とを備え、上記2段階グループ化方式情報は、上記端末に全グループの一部を割り当てるようになっており、上記受信品質情報決定部が、少なくとも一部の条件下で、上記端末に割り当てられたグループに属するサブグループのみについて、上記受信品質情報を生成および報告することを特徴としている。
上記構成によれば、少なくとも一部の条件下で、その端末に割り当てられたグループに属するサブグループのみについて、上記受信品質情報をサブグループごとに生成および報告する。したがって、全チャネルの受信品質情報を基地局に報告する場合や、隣接する複数のチャネルをグループ化してグループ毎の受信品質情報を基地局に報告する場合と比較して、基地局に報告する受信品質情報の情報量を削減できる。その結果、上りリンクのオーバヘッドを低減し、スループットを向上させることができる。
本発明によれば、以上のように、効率的なチャネルのグループ化を行うことにより、端末から基地局に報告する受信品質情報の情報量を削減し、スループットを向上させることができる通信システム、並びに、それに用いる基地局および端末を提供できる。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について、図1および図4〜図6に基づいて以下に説明する。本実施形態では、2段階グループ化方式が予め設定されている場合について説明する。2段階グループ化方式は、基地局と移動局とで共通に予め設定されている。
以下で説明する「チャネル」という用語は、スケジューリングにより移動局を割り当てる際の、周波数方向における最小単位を示すものとする。ただし、時間方向にはチャネルを複数の移動局で分割多重することができる。これは、例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規格化が進められているEUTRA(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access)におけるchunk(チャンク)と同様の概念である。
また、以下の説明では、フレーム単位で、送信データ、制御情報、およびパイロット信号が配置される通信システムを想定する。
図1は、本実施形態に係る通信システムとしてのOFDMAシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係るOFDMAシステム100は、複数のチャネルを介して互いに通信する基地局10および移動局(端末)20を備えている。ただし、図1には基地局10と移動局20とがそれぞれ1つずつ示されているが、本実施形態に係るOFDMAシステムには、移動局20は複数存在しており、それら複数の移動局20のうちの1つのみが図1には示されている。
基地局10は、送信フレーム生成部1、スケジューラ部2、マッピング部3、IFFT(逆高速フーリエ変換)部4、無線送信部5、アンテナ6、無線受信部7、および判定部8を備えている。基地局10は、判定部8から受信データを受信すると共に、各移動局20へ送信すべきデータ(送信データ)を送信フレーム生成部1へ送信するデータ処理部(図示しない)を備えている。
各移動局20は、送信フレーム生成部11、受信品質情報決定部12、マッピング部13、FFT(高速フーリエ変換)部14、無線送信部15、アンテナ16、無線受信部17、判定部18、および受信品質測定部19を備えている。各移動局20は、判定部18から受信データを受信すると共に、送信フレーム生成部11へ送信データを送信するデータ処理部(図示しない)を備えている。
次に、図1の基地局10における下りリンク送信時の動作について説明する。
まず、各移動局20へ送信すべきデータ(送信データ)が、図示しないデータ処理部から送信フレーム生成部1へ送信される。次いで、送信フレーム生成部1が、スケジューラ部2から通知されたスケジューリング情報およびMCS(Modulation and channel Coding Scheme)情報(変調方式および符号化率など)に基づいて、各移動局20への送信データから送信フレームを生成する。また、送信フレーム生成部1は、スケジューラ部2から通知されたスケジューリング情報を移動局20に通知するための制御情報を生成し、送信フレーム内に多重する。
次いで、マッピング部3が、スケジューラ部22から通知されたスケジューリング情報に基づいて、送信フレームを各チャネルにマッピングすることにより、周波数方向にNc個(Ncは2以上の整数)、時間方向にNs個(Nsは自然数)の合計(Nc×Ns)個のシンボル列に変換する。なお、必要に応じて、これらシンボル列の一部として受信品質測定用のパイロットシンボル列(パイロット信号)を付加する。
次いで、IFFT部4が、各チャネルにマッピングされた合計(Nc×Ns)個のシンボル列をIFFT(逆高速フーリエ変換)することにより、時間方向にNs個のOFDMシンボル列(OFDM信号)に変換する。このとき、サンプリング点は、1個のOFDMシンボルあたりNc個のサンプリング点となる。IFFT部4は、変換後のOFDMシンボル列を無線送信部5に送る。無線送信部5は、IFFT部4から送られたOFDMシンボル列を、所定の周波数の搬送波に乗せてアンテナ6から各移動局40へ送信する。
次に、図1の移動局20における下りリンク受信時の動作について説明する。
まず、基地局10から送信されたOFDMシンボル列が、アンテナ16を介して無線受信部17で受信される。無線受信部17で基地局10から受信された受信信号(OFDMシンボル列)は、FFT部14でFFT(高速フーリエ変換)されて合計(Nc×Ns)個のシンボル列に変換される。このとき、FFT部14では、IFFT部4と逆の処理が行われる。その後、判定部18によって、制御情報および受信データ(およびパイロット信号)が合計(Nc×Ns)個のシンボル列(受信信号)から取り出される。取り出された受信データ(およびパイロット信号)は、判定部18から、受信品質測定部19および図示しないデータ処理部へ送られる。
次いで、受信品質測定部19が、判定部18から送られたパイロット信号あるいは受信データ列(受信信号)の各チャネルにおける受信品質を測定する。以下では、受信品質として、干渉信号(干渉雑音)の電力に対する希望波信号電力の比である、希望波信号電力対干渉信号電力比(SIR;Signal-to-Interference power Ratio)を用いる場合について説明する。ただし、受信品質として、受信信号強度表示信号(RSSI;Received Signal Strength Indicator)や搬送波対雑音比(CNR;Carrier to Noise Ratio)などのような、受信信号電力または受信搬送波電力に関連する他の指標;ビット誤り率(BER;Bit Error Rate)やパケット誤り率(PER;Packet Error Rate)などのフレーム受信の成否に関連する指標;などを用いることもできる。
次いで、受信品質情報決定部12が、予め設定されたグループ化方式情報に基づいて、SIR測定値からCQI(受信品質情報)を生成する。このとき、受信品質情報決定部12は、複数のチャネルをサブグループ化し、さらに複数のサブグループをグループ化することにより、移動局20が属するグループ内のサブグループ毎に、サブグループに属する複数のチャネルのCQIを代表するCQIを1つずつ生成する。グループ化の詳細については後述する。
次に、図1の移動局20における上りリンク送信時の動作について説明する。
まず、基地局10へ送信すべきデータ(送信データ)が、図示しないデータ処理部から送信フレーム生成部11へ送信される。次いで、送信フレーム生成部11が、基地局10への送信データ(デジタル信号)から送信フレームを生成する。このとき、送信フレーム生成部11は、受信品質情報決定部12から送られたCQIを送信フレーム内に多重する。
次いで、マッピング部13が、送信フレームを各チャネルにマッピングし、無線送信部15に送る。無線送信部15は、マッピング部13から送られた、マッピング済みの送信フレームをアンテナ16から基地局10に送信する。
次に、図1の基地局10における上りリンクの受信時の動作について説明する。
まず、移動局20から送信された送信フレームが、アンテナ6を介して無線受信部7で受信される。無線受信部7で移動局20から受信された受信信号(送信フレーム)から、判定部8によって、CQIを含む制御情報および受信データが取り出される。CQIは判定部8からスケジューラ部2に送られ、受信データは図示しないデータ処理部へ送られる。
次いで、スケジューラ部2が、判定部8から送られたCQIと、予め設定されて基地局10内に記憶されたグループ化方式情報とに基づいて、各移動局20に送信する送信データのスケジューリングを行う。スケジューラ部2は、スケジューリング情報およびMCS情報を送信フレーム生成部1に通知すると共に、スケジューリング情報をマッピング部3に通知する。スケジューリングの詳細については、後述する。
以上、グループ化方式情報が基地局10と移動局20とで共通に予め設定されている場合について説明した。しかしながら、2段階グループ化方式が基地局10にのみ設定されており、基地局10から移動局20への呼設定時に、基地局10から移動局20にグループ化方式情報を通知し、移動局20が、以降の通信において、そのグループ化方式情報を使用するようにしてもよい。
以下では、グループ化およびスケジューリングについて説明する。
複数の周波数チャネルをサブグループ化し、さらに複数のサブグループをグループ化する様子を図4に示す。
図4の例では、各グループに属するサブグループ数を互いに等しくし、かつ、各サブグループに属するチャネル数を互いに等しくしている。また、図4の例では、互いに隣接する複数のチャネルをサブグループにまとめている。さらに、図4の例では、サブグループ間でのチャネル番号の差(周波数の差)が全体として最も大きくなるように、複数のサブグループをグループにまとめている。図4は、各サブグループに含まれるチャネル数を2、各グループに含まれるサブグループ数を3とした場合のグループ化の例を示している。
この例では、図4に示すように、移動局20に割り当てられる全てのチャネル1〜18のうち、チャネル1および2がサブグループ1に、チャネル3および4がサブグループ2に、チャネル5および6がサブグループ3に、チャネル7および8がサブグループ4に、チャネル9および10がサブグループ5に、チャネル11および12がサブグループ6に、チャネル13および14がサブグループ7に、チャネル15および16がサブグループ8に、チャネル17および18がサブグループ9に、それぞれサブグループ化されている。また、この例では、図4に示すように、サブグループ1、4、および7がグループ1に、サブグループ2、5、および8がグループ2に、サブグループ3、6、および9がグループ3に、それぞれグループ化されている。
各移動局20は、1つあるいは複数のグループに属する。各移動局20は、それ自身が属するグループに含まれるサブグループの各々におけるCQIを基地局10に報告する。
1つの基地局10から9つの移動局20(以下、これらを、移動局UE1〜UE9と記す)にデータを送信する場合のグループ分けの一例を図5に示す。
図5の例では、移動局UE1〜UE9の各々が1つのグループのみに属するように、かつ、各グループに属する移動局数が互いに等しくなるように、移動局UE1〜UE9を各グループに割り当てている。
図5に示すように、グループ1には3つの移動局UE1、UE5、およびUE9が属し、グループ2には3つの移動局UE2、UE3、およびUE7が属し、グループ3には3つの移動局UE4、UE6、およびUE8が属している。図5の例では、各移動局UE1〜UE9は、それ自身が属するグループに含まれる3つのサブグループの各々におけるCQIを基地局10に報告する。例えば、移動局UE1は、グループ1に属しているため、グループ1に含まれるサブグループ1、サブグループ4、サブグループ7の3つのサブグループにおけるCQIを基地局10にフィードバックする。
その際、受信品質情報決定部12は、サブグループ1に含まれているチャネル1およびチャネル2の受信品質測定値(この場合、受信品質測定部19で測定されたSIRの値)の代表値を、サブグループ1におけるCQIとして算出する。同様にして、受信品質情報決定部12は、サブグループ4に含まれているチャネル7およびチャネル8の受信品質測定値の代表値をサブグループ4におけるCQIとして、サブグループ7に含まれているチャネル13およびチャネル14の受信品質測定値の代表値をサブグループ7におけるCQIとして、それぞれ算出する。受信品質情報決定部12は、算出したCQIを送信フレーム生成部11へ送る。
ここで、複数の受信品質測定値を代表する代表値の算出方法としては、母集合(サブグループ内の全チャネルの受信品質測定値)に含まれる各要素(各チャネルの受信品質測定値)の加重平均値を代表値として算出する方法であってもよいし、母集合の任意の要素(1番目のチャネルの受信品質測定値、最小の値を持つ受信品質測定値など)を代表値とする方法であってもよい。あるいは、移動局20は、受信品質測定部19にてサブグループごとにSIRを測定し、受信品質情報決定部12にて、測定されたサブグループごとのSIRからCQIを算出してもよい。
以上のように、本実施形態のOFDMAシステム100では、m個(mは2以上の整数;図4および図5の例ではm=2)のチャネルをサブグループ化し、移動局20が各サブグループ毎のCQIを基地局10に報告する。これにより、移動局20が基地局10に報告するCQIの情報量は、移動局20が各チャネル毎のCQIを基地局10に報告する場合と比較して、m分の1となる。
また、以上のように、本実施形態のOFDMAシステム100では、n個(nは自然数;図4および図5の例ではn=3)ずつのサブグループをそれぞれグループ化し、各移動局20に割り当てる全チャネルをp個のグループ(pは2以上の整数;図4および図5の例ではp=3)に分け、各移動局20を1つのグループのみに属するようにし、各移動局20が、それ自身の所属するグループに含まれるn個のサブグループのCQIのみを基地局10に報告するようにしている。そのため、移動局20が基地局10に報告するCQIの情報量は、移動局20が全てのサブグループのCQIを基地局10に報告する場合と比較して、さらにp分の1となる。
すなわち、本実施形態のOFDMAシステム100では、グループ化およびサブグループ化(2段階のグループ化)により、移動局20が全チャネル(m×n×p個)におけるCQIを基地局10に報告する場合に比べて、移動局20が基地局10に報告するCQIの情報量を(m×p)分の1(図4および図5の例では6分の1)に削減することができる。
スケジューラ部2は、それぞれのグループ内で、それぞれのグループに属する複数の移動局20のCQIを基に、それら複数の移動局20への送信データのスケジューリング(各移動局20への送信データを各チャネルに割り当てる処理)を行う。例えば、スケジューラ部2は、グループ1内で、グループ1に属する3つの移動局UE1、UE5、およびUE9のCQIを基に、それら移動局UE1、UE5、およびUE9への送信データのスケジューリングを行う。そのため、マルチユーザダイバーシチ効果を得ることができる。
図6に、1つのグループ1に属する3つの移動局UE1、UE5、およびUE9のCQIレベル分布の一例を示す。チャネル1およびチャネル2では、CQIレベルは、降順に移動局UE1、移動局UE9、移動局UE5である。チャネル7およびチャネル8では、CQIレベルは、降順に移動局UE5、移動局UE1、移動局UE9である。チャネル13およびチャネル14では、CQIレベルは降順に移動局UE9、移動局UE5、移動局UE1である。
スケジューラ部2は、これらのCQIに基づいて、各移動局20をチャネルに割り当てるスケジューリングを行う。これらのCQIに基づくスケジューリング方法としては、最大CIR法(CIRが最大となるようにする方法)、プロポーショナルフェアネス法(一定区間において測定した平均SIRに対する瞬時SIRの割合(瞬時SIR/平均SIR)が最大となるようにする方法)など様々な手法が提案されている。スケジューラ部2は、それらの手法を用いてスケジューリングを行うことができる。
図6の例においては、CQIレベルが最大となる送信先の移動局20は、チャネル1およびチャネル2では移動局UE1、チャネル7およびチャネル8では移動局UE5、チャネル13およびチャネル14では移動局UE9である。したがって、図6の例において、最大CIR法を用いる場合、チャネル1およびチャネル2は移動局UE1を送信先とする送信データに、チャネル7およびチャネル8は移動局UE5を送信先とする送信データに、チャネル13およびチャネル14は移動局UE9を送信先とする送信データに、それぞれ割り当てる。これにより、グループ1におけるスループットを最適化することができる。同様にして、他の全てのグループでスケジューリングを行うことにより、全てのグループにおけるスループットを最適化することができる。
ここで説明した例では、最大CIR法を用いていたため、サブグループ内の各チャネルには同一の移動局20を割り当てていたが、サブグループ内のそれぞれのチャネルに異なる移動局20を割り当てるようにスケジューリングすることも可能である。すなわち、サブグループは、必ずしも周波数方向のスケジューリングの最小単位ではなく、移動局20からのCQI報告の単位である。
なお、移動局20が、受信品質測定部19で測定したSIRに対応する伝送レートを量子化した値を示す情報をCQIとして基地局10に報告し、かつ、基地局10が、移動局20から報告されたCQIレベルに基づいて伝送レート(移動局20から報告されたCQIレベルに等しい伝送レートであってもよく、その伝送レートに基地局10が補正を加えた伝送レートであってもよい)を選択するようにしてもよく、移動局20が、受信品質測定部19で測定したSIRを量子化した値を示す情報をCQIとして基地局10に報告し、かつ、基地局10が、移動局20から報告されたCQIレベルに対応する伝送レートを選択するようにしてもよい。また、複数のチャネルをまとめたサブグループにおけるCQIは、そのサブグループに含まれる複数のチャネルのSIRの代表値を算出し、そのSIRの代表値に対応する伝送レートを量子化した値として決定してもよいし、サブグループ内の各チャネルのSIRに対応する伝送レートを量子化した値を算出し、その値の代表値としてもよい。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図2、図3、および図7(a)〜図10(b)に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
2段階グループ化方式を移動局から基地局に通知する場合、2段階グループ化方式を通知するための情報量が大きくなると、やはり上りリンクのオーバヘッドが大きくなってしまう恐れがある。本実施形態に係る発明の目的は、複数のサブキャリアを2段階グループ化方式を通知するための情報量を抑えながら、効率的なグループ化を行うことにより、制御情報量を抑えつつ、スループットが向上するグループ化制御を行うマルチキャリア無線通信システムを提供することにある。
本実施形態では、2段階グループ化方式が基地局により適応的に選択される場合について説明する。本実施形態における2段階グループ化方式の決定方式は、グループ数を決定すれば、自動的にサブグループ化するチャネル数が決定される方式である。
図2は、実施の形態2におけるOFDMAシステムの構成例を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係るOFDMAシステム200は、複数のチャネルを介して互いに通信する基地局30および移動局(端末)40を備えている。ただし、図2には基地局30と移動局40とがそれぞれ1つずつ示されているが、本実施形態に係るOFDMAシステムには、移動局40は複数存在しており、それら複数の移動局40のうちの1つのみが図2には示されている。
基地局30は、スケジューラ部2に代えてスケジューラ部22を備える点と、グループ化方式決定部(グループ化方式選択部)21をさらに備える点とを除いて、実施の形態1における基地局10と同一の構成を備えている。
各移動局40は、受信品質情報決定部12に代えて受信品質情報決定部23を備える点を除いて、実施の形態1における移動局20と同一の構成を備えている。
次に、図2の基地局30における下りリンク送信時の動作について説明する。
まず、各移動局40へ送信すべきデータ(送信データ)が、図示しないデータ処理部から送信フレーム生成部1へ送信される。次いで、送信フレーム生成部1が、スケジューラ部22から通知されたスケジューリング情報およびMCS情報に基づいて、各移動局40への送信データから送信フレームを生成する。また、送信フレーム生成部1は、スケジューラ部2から通知されたスケジューリング情報を移動局20に通知するための制御情報を生成し、送信フレーム内に多重する。
次いで、マッピング部3が、スケジューラ部22から通知されたスケジューリング情報に基づいて、送信フレームを各チャネルにマッピングすることにより、周波数方向にNc個(Ncは2以上の整数)、時間方向にNs個(Nsは自然数)の合計(Nc×Ns)個の並列シンボル列に変換する。
次いで、IFFT部4が、各チャネルにマッピングされた合計(Nc×Ns)個のシンボル列をIFFTすることにより、時間方向にNs個のOFDMシンボル列(OFDM信号)に変換する。このとき、サンプリング点は、1個のOFDMシンボルあたりNc個のサンプリング点となる。IFFT部4は、変換後のOFDMシンボル列を無線送信部5に送る。無線送信部5は、IFFT部4から送られたOFDMシンボル列を、所定の周波数の搬送波に乗せてアンテナ6から各移動局40へ送信する。
次に、図2の移動局40における下りリンク受信時の動作について説明する。
まず、基地局30から送信されたOFDMシンボル列が、アンテナ16を介して無線受信部17で受信される。無線受信部17で基地局30から受信された受信信号(OFDMシンボル列)は、FFT部14でFFTされて合計(Nc×Ns)個のシンボル列に変換される。このとき、FFT部14では、IFFT部4と逆の処理が行われる。その後、判定部18によって、グループ化方式情報を含む制御情報および受信データ(およびパイロット信号)が合計(Nc×Ns)個のシンボル列(受信信号)から取り出される。取り出されたグループ化方式情報を含む制御情報は、判定部18から受信品質情報決定部23へ送られる。取り出された受信データ(およびパイロット信号)は、判定部18から、受信品質測定部19および図示しないデータ処理部へ送られる。
次いで、受信品質測定部19が、パイロット信号あるいは受信データ列の各チャネルにおける受信品質を測定する。ここでは、受信品質測定部19は、受信品質としてSIRを測定する。
次いで、受信品質情報決定部23が、基地局30から通知され判定部18において取り出されたグループ化方式情報に基づいて、受信品質測定値からCQI(受信品質情報)を生成する。このとき、受信品質情報決定部23は、複数のチャネルをサブグループ化し、さらに複数のサブグループをグループ化することにより、移動局40が属するグループ内のサブグループ毎にCQI(受信品質情報)を生成し、送信フレーム生成部11へ送る。グループ化の詳細については後述する。
受信品質情報決定部23は、図3に示すように、グループ化方式情報に基づいてグループ化およびサブグループ化を行いながら受信品質測定値からCQI(受信品質情報)を生成する制御情報生成部24と、制御情報生成部24におけるグループ化(グループ化およびサブグループ化)方式を制御するグループ化制御部25とを有する。
次に、図2の移動局40における上りリンク送信時の動作について説明する。
まず、基地局10へ送信すべきデータ(送信データ)が、図示しないデータ処理部から送信フレーム生成部11へ送信される。次いで、送信フレーム生成部11が、基地局30への送信データから送信フレームを生成する。このとき、送信フレーム生成部11は、受信品質情報決定部23から送られたCQI(受信品質情報)を送信フレーム内に多重する。また、同様にして、送信フレーム生成部11は、受信品質情報決定部23から送られたグループ化方式情報を含む制御信号を送信フレーム内に多重する。
次いで、マッピング部13が、送信フレームを各チャネルにマッピングし、無線送信部15に送る。無線送信部15は、マッピング部13から送られた、マッピング済みの送信フレームをアンテナ16から基地局30に送信する。
なお、後述するようにしてグループ化方式決定部21によって生成されるグループ化方式情報を基地局30内に記憶しておくようにしてもよく、その場合には、移動局40がグループ化方式情報を基地局30に報告する必要はない。したがって、基地局30がグループ化方式情報を記憶しておく場合には、送信フレーム生成部1がグループ化方式情報を送信フレーム内に多重する必要はない。
次に、図2の基地局30における上りリンクの受信時の動作について説明する。
まず、基地局30から送信された送信フレームが、アンテナ6を介して無線受信部7で受信される。無線受信部7で移動局40から受信された受信信号(送信フレーム)から、判定部8によって、CQIおよびグループ化方式情報を含む制御情報および受信データが取り出される。CQIおよびグループ化方式情報を含む制御情報は、判定部8からスケジューラ部22およびグループ化方式決定部21に送られる。
グループ化方式決定部21は、判定部8から送られてきたCQIとサブグループ内におけるCQIレベルの分散(後述する)とに基づいて、2段階グループ化方式を決定し、グループ化方式情報を生成する。2段階グループ化方式の決定の詳細については、後述する。
スケジューラ部22は、判定部8から送られたCQIおよびグループ化方式情報に基づいて、各移動局40に送信する送信データのスケジューリングを行う。
以下では、本実施形態におけるグループ化方式決定部21が2段階グループ化方式を決定する方法の一例について説明する。
各移動局40がいずれか1つのグループに属している場合、基地局30に報告するCQIの情報量は、各グループに含まれるサブグループ数n(nは自然数)によって決まる。各移動局20に割り当てる全チャネル数Wが一定であるシステムにおいて、それぞれのサブグループに含まれるチャネル数m(mは自然数)が互いに同一であり、それぞれのグループに含まれるサブグループ数nが互いに同一であると仮定する。この仮定の下では、グループ数をp(pは自然数)とすれば、以下の式
m×n×p=W
が成り立つ。したがって、各グループに含まれるサブグループ数nを固定にすると、グループ数pを設定すれば、サブグループに含まれるチャネル数mが一意に決まる。
以下では、これを利用して2段階グループ化方式を決定する方法の例について説明する。
この方法では、各移動局20に割り当てる全チャネル数Wとグループ内のサブグループ数nとを固定し、各サブグループ内のチャネル数を互いに同一とし、グループ数pを制御する。これにより、グループ化方式情報の情報量を軽減しながら、グループ数pの制御によりCQIの精度(SIR報告値の精度)を向上させることができる。
図7に、隣接するチャネルをサブグループ化し、隣接するサブグループをグループ化し、各グループに含まれるサブグループ数nを4とした場合の2段階グループ化方式を示す。2段階グループ化方式の種類は、図7(a)(b)(c)に示す3種類が考えられる。各グループ化方式において、各グループへの移動局40の割り当ては、図5と同様である。
基地局30内のグループ化方式決定部21では、各移動局40から報告されたCQIに基づいて、これら2段階グループ化方式の中から1つの2段階グループ化方式を選択する。
2段階グループ化方式の各々では、m個のチャネルをサブグループ化し、移動局20が各サブグループ毎のCQIを基地局10に報告する。また、2段階グループ化方式の各々では、n個のサブグループをグループ化し、各移動局20に割り当てる全チャネルをp個のグループに分け、各移動局20を1つのグループのみに属するようにし、各移動局20が、それ自身の所属するグループに含まれるn個のサブグループのCQIのみを基地局10に報告するようにしている。
また、図7(a)(b)(c)に示す3種類の2段階グループ化方式では、各グループに含まれるサブグループの数nが4に固定されている。したがって、これら3種類の2段階グループ化方式では、各移動局20が基地局10に報告するCQIの数は、4個である。それゆえ、何れの2段階グループ化方式においても、移動局20が全チャネル(16チャネル)におけるCQIを基地局10に報告する場合に比べて、移動局20が基地局10に報告するCQIの情報量を、(m×p)分の1、すなわち4分の1に削減することができる。また、一部の2段階グループ化方式(図7(a)(b)に示す2段階グループ化方式)では、グループ数pが2以上に設定されているので、隣接する複数のチャネルをグループ化し、移動局20がグループ毎のCQIを基地局10に報告する場合と比較して、移動局20が基地局10に報告するCQIの情報量をp分の1に削減することができる。
また、図7(a)(b)(c)に示す3種類の2段階グループ化方式では、グループ数pが4、2、および1である。グループ化方式決定部21は、これら3種類の2段階グループ化方式を切り替えることで、グループ数pを4、2、1と変化させることができる。
また、この方法では、各グループに含まれるサブグループの数nが固定されているので、サブグループ内のチャネル数mは、グループ数pに反比例して変化する。図7(a)(b)(c)に示す例では、グループ数pが4、2、1と変化するのに伴って、サブグループ内のチャネル数mは、1、2、4と変化する。したがって、グループ化方式決定部21は、上記3種類の2段階グループ化方式を切り替えることで、グループ数pを変化させると同時に、サブグループ内のチャネル数mを1、2、4と変化させることができる。
以上のように、上記構成では、移動局20が基地局10にグループ化方式を通知するための情報量を抑えることができる。すなわち、グループ内のサブキャリア数nが不定の場合、移動局20はグループ数pを識別するための情報とサブグループ内のチャネル数mを識別するための情報とを基地局10に通知することが必要である。これに対し、上記構成では、グループ内のサブキャリア数nを固定しているので、移動局20がグループ数pを識別するための情報のみを基地局10に通知することで、基地局10がグループ数pとサブグループ内のチャネル数mとの両方を識別することができる。
さらに、グループ内のサブキャリア数nが固定であると、各グループの受信品質情報量は一定となる。本発明を適用することが想定される携帯電話システムでは、制御情報の容量が制限されているので、これは特に有効である。
次に、グループ化方式決定部21における2段階グループ化方式の制御方法のいくつかの例を示す。
図8に、サブグループ内のチャネル数mに対する各チャネルにおけるSIR報告値の精度の変化の一例を示す。この特性は、サブグループ化するチャネル数mが増加すると、サブグループ内の各チャネルにおけるSIR値の分散が大きくなるため、各チャネルにおけるSIR報告値の精度が低下し、伝送品質が劣化することを示している。
そこで、グループ化方式決定部21は、サブグループ内におけるCQIレベルの分散に応じてサブグループ内のチャネル数mを変化させる。具体的には、グループ化方式決定部21は、サブグループにおけるCQIレベルの分散が大きい場合には、グループ数を増加することで、サブグループ内のチャネル数mを減少させるように2段階グループ化方式を制御する。これにより、CQIレベルの分散を低減できるので、各チャネルにおけるSIR報告値の精度を向上させ、伝送品質を向上させることができる。
グループ化方式決定部21は、サブグループ内におけるCQIレベルの分散に関する情報を得ることができるようになっている。グループ化方式決定部21が、サブグループ内におけるCQIレベルの分散に関する情報を得るための方法、およびその情報に基づく2段階グループ化方式の制御方法としては、例えば、以下の方法が考えられる。
(1)移動局40が、基地局30に対して、CQIとは別にサブグループ内におけるCQIレベルの分散に関わる情報を報告する。より詳細には、例えば、まず、受信品質情報決定部23が、グループ化方式情報およびCQI(受信品質情報)レベルに基づいて、サブグループ内におけるCQIレベルの分散を求め、このサブグループ内におけるCQIレベルの分散に関わる情報を送信フレーム生成部11へ送る。このCQIレベルの分散に関わる情報は、CQIと共に送信フレーム生成部11によって送信フレーム内に多重され、無線送信部15およびアンテナ16を介して基地局30へ送信される。送信されたCQIレベルの分散に関わる情報は、アンテナ6を介して無線受信部7で受信され、判定部8にて取り出され、グループ化方式決定部21へ送られる。グループ化方式決定部21は、サブグループ内におけるCQIレベルの分散が大きい場合、例えばサブグループ内におけるCQIレベルの分散が閾値より大きい場合に、グループ数pを増加させるように2段階グループ化方式を変更する。
(2)一般的に、移動局は、データ受信の成否情報(いわゆるACKまたはNACK)を基地局に報告する。CQIレベルの分散が大きい場合には、データ受信に失敗する可能性が高い。そこで、移動局40が、データ受信の成否情報(いわゆるACK/NACK)を基地局30に報告し、基地局30のグループ化方式決定部21が、データ受信の成否情報に基づいてCQIレベルの分散の大小を判定する。より詳細には、グループ化方式決定部21が、データ受信失敗情報(いわゆるNACK情報)を受け取った場合、あるいは数フレームに渡ってデータ受信失敗情報(NACK情報)を受け取り続けた場合、CQIレベルの分散が大きいと判断し、グループ数pを増加させるように2段階グループ化方式を変更する。
(3)隣接するチャネルをサブグループ化する場合、下りリンクの遅延分散が大きくなると、サブグループ内におけるCQIレベルの分散が大きくなる傾向がある。従って、移動局40が、CQIとは別に、(1)におけるCQIレベルの分散に関わる情報の生成および報告と同様にして、下りリンクの遅延分散に関する情報を生成し、基地局30へ報告する。グループ化方式決定部21は、下りリンクの遅延分散が大きい場合、例えば下りリンクの遅延分散が閾値より大きい場合に、グループ数pを増加させるように2段階グループ化方式を変更する。
(4)上述の下りリンクの遅延分散は、上りリンクの遅延分散と相関が高いと考えられる。従って、グループ化方式決定部21は、上りリンクの遅延分散が大きいと、サブグループ内におけるCQIレベルの分散も大きいと判断することも可能である。グループ化方式決定部21は、上りリンクの遅延分散が大きい場合、例えば上りリンクの遅延分散が閾値より大きい場合に、グループ数pを増加させるように2段階グループ化方式を変更することが可能である。
また、図9に、グループ内の移動局40の数に対するマルチユーザダイバーシチ効果の変化を示す。この特性は、グループ内の移動局数が増加し、マルチユーザダイバーシチ効果が向上し、システムスループットが増大することを示している。基地局30が収容している移動局40の数(基地局30と通信する移動局40の数)が変化しない場合、グループ数pを減少させると、グループ内の移動局数が増加する。したがって、グループ数pを減少させると、マルチユーザダイバーシチ効果が向上し、システムスループットが増大する。
そこで、グループ化方式決定部21は、基地局30が収容している移動局40の数が少ない場合、例えば基地局30が収容している移動局40の数が閾値より小さい場合に、グループ数が減少し、グループ内の移動局40の数が増加するように、2段階グループ化方式を変更してもよい。また、グループ内の移動局40の数が一定数より多くなると、グループ内の移動局40の数が増加することによるマルチユーザダイバーシチの効果の増大量は小さくなる。そのため、グループ化方式決定部21は、グループ内の移動局40の数が閾値(上記の一定数)より多くなった場合に、グループ数が増加し、グループ内の移動局40の数が増加するように、2段階グループ化方式を変更してもよい。
また、本実施形態に係る通信システムでは、伝送レートが非常に低い移動局40を多く収容する基地局30において、周波数ダイバーシチ効果を得るために、複数のチャネルに同一の移動局40を割り当てるスケジューリングを行うことが可能である。グループ化方式決定部21は、そのようなスケジューリングを行う場合に、より多くのチャネルにおけるSIRを移動局40から基地局30に報告させるために、グループ数が減少するように2段階グループ化方式を変更してもよい。
以上では、隣接するチャネルをサブグループ化し、隣接するサブグループをグループ化する場合について説明した。
隣接するチャネルにおけるSIRは高相関である可能性が高いため、隣接するチャネルをサブグループ化すると、サブグループ内のチャネルにおけるSIRのばらつき(分散)が小さくなり、SIR報告値の精度が向上する、という利点がある。しかしながら、サブグループ化する複数のチャネルは、必ずしも隣接している必要はない。
また、隣接するサブグループをグループ化することには利点はなく、グループ化する複数のサブグループは隣接している必要はない。
各グループに含まれるサブグループ数を4とした場合の、隣接しないサブグループをグループ化した場合の2段階グループ化方式の一例を図10(a)に示す。また、隣接しないチャネルをサブグループ化した場合の2段階グループ化方式の他の一例を図10(b)に示す。グループ化方式決定部21にて、これら2段階グループ化方式を選択肢の1つとして2段階グループ化方式の選択を行ってもよい。なお、図10(a)(b)に示すグループ化方式において、各グループへの移動局40の割り当ては、図5と同様である。
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態2にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
実施の形態1および2では、各グループに含まれるサブグループ数を互いに等しい数(3または4)とする場合について説明した。本実施形態では、各グループに含まれるサブグループ数を互いに異ならせる場合について説明する。
本実施形態に係るOFDMAシステムは、実施の形態2に係るOFDMAシステム200とほぼ同一の構成を備えている。ただし、実施の形態2におけるグループ化方式決定部21はサブグループ内におけるCQIレベルの分散等に応じて、サブグループ内のチャネル数が異なる複数の2段階グループ化方式を切り替えるものであったが、本実施形態におけるグループ化方式決定部21は、移動局20をどのグループに配属させるかを、その移動局20の性能等のような不変的な基準に応じて決定するようになっている。
図11に、本実施形態における2段階グループ化方式の一例を示す。グループ1、グループ2、およびグループ3は、それぞれ、1個のサブグループ(サブグループ1)、2個のサブグループ(サブグループ2および3)、および8個のサブグループ(サブグループ4〜11)を含む。図11に示すグループ化方式において、各グループへの移動局40の割り当ては、図5と同様である。
本実施形態における2段階グループ化方式では、基地局30が、各移動局40が属するグループに含まれるサブグループの数を、移動局40の状況や性能等に応じて異ならせる。これにより、上りリンクで移動局40から基地局30に報告する情報量を、各移動局40に適した情報量に制御することが可能となる。
例えば、図11に示す2段階グループ化方式において、上りリンクのフィードバック情報によるオーバヘッドを抑えるべき移動局40を、サブグループ数のより少ないグループ1に配属する。また、上りリンクのフィードバック情報によるオーバヘッドを抑えなくてもよい移動局40(上りリンクのフィードバック情報量の増加が許される移動局40)を、サブグループ数のより多いグループ2または3に配属する。
また、例えば、図11に示す2段階グループ化方式において、各チャネル間のSIRのばらつきが小さい移動局40を、サブグループ数のより少ないグループ1に配属する。また、チャネル間のSIRの相関が小さい移動局40を、サブグループ数のより多いグループ2または3に配属する。
これらのグルーピング(各グループへの移動局40の振り分け)により、移動局40の状況や性能に合わせたグループ化が実現でき、精度の高いCQIを移動局40から基地局30に報告できる。
移動局40の各グループへの振り分けは、例えば実施の形態2のように基地局30が行う。すなわち、基地局30が、フィードバック情報によるオーバヘッドを抑えるべきかどうかの情報を取得し、その情報に基づいて移動局40を各グループへ振り分ける。
基地局30がフィードバック情報によるオーバヘッドを抑えるべきかどうかの情報を得る方法としては、以下の方法が考えられる。
(1)本実施形態に係る通信システムは、移動局が自身の性能(使用可能な帯域幅など)により、いくつかのカテゴリーに分類されている通信システムに適用できる。この通信システムでは、具体的には、予め各移動局(端末)の製造時に、各移動局がカテゴリー分けされ、カテゴリーが各移動局に記憶されており、呼設定時に、各移動局が自身のカテゴリーを基地局30に通知するようになっている。したがって、この通信システムに本実施形態に係る通信システムを適用した場合、基地局30は、このカテゴリーを参照して、フィードバック情報によるオーバヘッドを抑えるべき移動局40を判断することができる。例えば、基地局30は、使用可能な帯域幅が狭いカテゴリーの移動局40を、フィードバック情報によるオーバヘッドを抑えるべき移動局40と判断することができる。
(2)一般的なセルラーシステムでは、上りリンクのスケジューリングも基地局が行う。すなわち、一般的なセルラーシステムでは、上りリンクで各移動局が送信可能なデータ量は、基地局が決定する。したがって、一般的なセルラーシステムに本実施形態に係る通信システムを適用し、上りリンクの制御情報量が可変であることを許すシステムとした場合、基地局30が、各移動局40の上りリンクの伝送容量の上限を知っていることになる。この各移動局40の上りリンクの伝送容量の上限に関する情報に基づいて、基地局30が、フィードバック情報によるオーバヘッドを抑えるべき移動局40を判断することが考えられる。
(3)移動局40が、オーバヘッドを抑えたいという情報を基地局30に通知する方法が考えられる。例えば、移動局40が消費電力を低減したい状況(例えば、残り蓄電量の少ない電池で駆動されている状況)にある場合、移動局40が、フィードバック情報通知に要する電力を軽減するために、オーバヘッドを抑えたいという情報を基地局に通知し、基地局30に通知することが考えられる。
上記の説明では、本実施形態におけるグループ化方式決定部21は、移動局40をどのグループに配属させるかを、その移動局40の性能等のような不変的な基準に応じて決定するようになっていた。しかしながら、本実施形態におけるグループ化方式決定部21は、移動局40をどのグループに配属させるかを、その移動局40の状況等のような経時的に変化する基準に応じて決定してもよい。すなわち、本実施形態におけるグループ化方式決定部21は、移動局40をどのグループに配属させるかが異なる複数の2段階グループ化方式を、その移動局40の状況等のような経時的に変化する基準に応じて切り替える構成であってもよい。この場合、同一の移動局40が属するグループに含まれるサブグループの数を、その移動局40の状況等のような経時的に変化する基準に応じて変化させることができる。これにより、上りリンクで移動局40から基地局30に報告する情報量を適応的に変化させることが可能となる。また、複数の2段階グループ化方式を切り替える場合、切り替えられる複数のグループ方式の間で、グループ数やサブグループ数は同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、上記の説明では、各グループへの移動局40の振り分けを、基地局30が行っていたが、これに限られるものではない。呼設定時にあるいは周期的に基地局30が2段階グループ化方式を移動局40に通知し、移動局40がそれ自身が振り分けられるグループを要求してもよい。あるいは、基地局30が、不定期に、例えば、システムスループットが低下した時や、基地局30に収容されている移動局40の数が変化した時などに、2段階グループ化方式を移動局40へ通知し、移動局40がそれ自身が振り分けられるグループを要求してもよい。
また、基地局30がチャネル間のSIRの相関に関する情報を得る方法としては、実施の形態2で説明したグループ化方式決定部21がサブグループ内におけるCQIレベルの分散に関する情報を得る方法と同様の方法を用いることができる。
〔実施の形態4〕
本発明のさらに他の実施の形態について図12(a)(b)に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態2にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態では、移動局に送信するデータのQoS(Quality of Service)を考慮したグルーピングの一例について説明する。
簡単のため、本実施形態では、データのQoS属性として高優先度と低優先度との2種類が存在する場合について説明する。
本実施形態に係るOFDMAシステムは、実施の形態1に係るOFDMAシステム200とほぼ同一の構成を備えている。ただし、実施の形態2におけるグループ化方式決定部21はサブグループ内におけるCQIレベルの分散等に応じて、サブグループ内のチャネル数が異なる複数の2段階グループ化方式を切り替えるものであったが、本実施形態におけるグループ化方式決定部21は、移動局40をどのグループに配属させるかを、その移動局40へ送信するデータの優先度に応じて決定するようになっている。
すなわち、本実施形態におけるOFDMAシステムでは、移動局40が、データ送信要求と共に、送信を要求するデータの優先度を示す情報を基地局30に送信し、基地局30のグループ化方式決定部21が、この優先度を示す情報に応じて移動局40をどのグループに配属させるかを決定する。
図12(a)(b)に、本実施形態におけるグループへの移動局40の振り分けの例を示す。この例では、基地局30が6つの移動局UE1〜UE6と通信し、これら移動局UE1〜UE6のうち、3つの移動局UE1〜UE3が高優先度のデータを要求し、他の3つの移動局UE4〜UE6が低優先度のデータを要求している場合である。図12に示すグループ化方式において、各サブグループへのチャネルの割り当ては、図6(図4)と同様である。
図12(a)では、高優先度のデータを要求する移動局UE1〜UE3と低優先度のデータを要求する移動局UE4〜UE6とに、同数のグループを割り当てている。この振り分け方を用いると、高優先度の移動局数が特定のグループに集中することがなくなるため、高優先度の送信データへのリソースが不足する可能性が小さくなる。なお、図12(a)の例では、高優先度のデータを要求する移動局UE1〜UE3と、低優先度のデータを要求する移動局UE4〜UE6とに同数のグループを割り当てているので、結果的に、実施の形態1と同様のグループ化方式となっている。
図12(b)は、低優先度のデータを要求する移動局UE4〜UE6に対して、高優先度のデータを要求する移動局UE1〜UE3よりも多くのグループを割り当てた場合である。この振り分け方を用いると、高優先度のデータを要求する移動局UE1〜UE3に対して、低優先度のデータを要求する移動局UE4〜UE6に割り当てられるチャネル(2つ)よりも多く(4つ)のチャネル(多くのリソース)を割り当てることができる。それゆえ、高優先度のデータを、より速く、より確実に、移動局UE1〜UE3へ送信することができる。
〔実施の形態5〕
本発明のさらに他の実施の形態について図13に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態2にて示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
上記各実施形態では、全ての移動局に対して同一の2段階グループ化方式を用いる通信システムについて説明した。本実施形態では、移動局ごとに異なる2段階グループ化方式を用い、各移動局がCQIを基地局に報告する通信システムについて説明する。
本実施形態に係るOFDMAシステムは、実施の形態1に係るOFDMAシステム200とほぼ同一の構成を備えている。ただし、実施の形態2におけるグループ化方式決定部21はサブグループ内におけるCQIレベルの分散等に応じて、サブグループ内のチャネル数が異なる複数の2段階グループ化方式を切り替えるものであったが、本実施形態における基地局30のグループ化方式決定部21は、移動局40がCQIの通知に用いる2段階グループ化方式を、移動局40ごとに、基地局30からその移動局40への伝搬路のコヒーレント帯域幅に応じて決定するようになっている。
本実施形態に係るOFDMAシステムでは、例えば、基地局30のグループ化方式決定部21が、各移動局40ごとに、図7に示す3種類の2段階グループ化方式から1つの2段階グループ化方式を選択し、各移動局40が、選択された2段階グルーピング方式で基地局30にCQI(SIR)を通知するものとする。
また、例えば、移動局40として、基地局30からその移動局40への伝搬路のコヒーレント帯域幅がチャネル帯域幅の4倍以上である移動局40Aと、基地局30からその移動局40への伝搬路のコヒーレント帯域幅がチャネル帯域幅の2倍程度である移動局40Bと、基地局30からその移動局40への伝搬路のコヒーレント帯域幅がチャネル帯域幅と同程度である移動局40Cと、基地局30からその移動局40への伝搬路のコヒーレント帯域幅がチャネル帯域幅よりも狭い移動局40Dとが、それぞれ基地局30と通信を行っているものとする。
基地局30からその移動局40への伝搬路のコヒーレント帯域幅が広い移動局40ほど、複数のチャネルをサブグループ化したときに、サブグループ内の各チャネル間でのSIRのばらつきが小さい。そこで、基本的には、基地局30からその移動局40への伝搬路のコヒーレント帯域幅が広い移動局40ほど、サブグループ内のチャネル数を多くする。ただし、基地局30からその移動局40への伝搬路のコヒーレント帯域幅がチャネル帯域幅よりも狭い移動局40Dは、サブグループ化するチャネルの数を最大にする。
すなわち、基地局30からその移動局40への伝搬路のコヒーレント帯域幅が最も大きい移動局40Aは、4つのチャネルをサブグループ化しても、サブグループ内の各チャネル間でのSIRのばらつきが小さい。そこで、移動局40AのCQI報告に用いる2段階グループ化方式としては、より多くのチャネルに関するSIR情報を同一情報量のCQI情報で報告することができる図7(c)に示す2段階グループ化方式を選択する。
また、移動局40BのCQI報告に用いる2段階グループ化方式としては、サブグループ内の各チャネル間でのSIRのばらつきを抑えつつ、より多くのチャネルに関するSIR情報を報告することができる図7(b)の2段階グループ化方式を選択する。
また、移動局40Cは、図7(b)や図7(c)に示す2段階グループ化方式を適用すると、サブグループ内におけるチャネル間でのSIRのばらつきが大きくなる。そこで、移動局40CのCQI報告に用いる2段階グループ化方式としては、図7(a)に示す2段階グループ化方式を選択する。
移動局40Dは、いずれの2段階グループ化方式を選択しても、サブグループ内の各チャネル間でのSIRのばらつきは同程度に大きい。そこで、移動局40DのCQI報告に用いる2段階グループ化方式としては、サブグループ内の各チャネル間でのSIRのばらつきを考慮せず、より多くのチャネルに関するSIR情報を同一情報量のCQI情報で報告できる図7(c)に示す2段階グループ化方式を選択する。
以上のようにして、本実施形態に係るOFDMAシステムでは、図13に示すように、移動局40ごとに、2段階グループ化方式を異ならせる。
基地局30のスケジューラ部22は、チャネル毎に、そのチャネルに関するSIRを報告した移動局40の中から、そのチャネルを割り当てる移動局40を選択すればよい。
この例では、サブグループ内のチャネル数を少なくしてサブグループ内のSIRの分散を小さくする効果(SIR報告の精度の向上効果)と、サブグループ内のチャネル数を多くしてより多くのチャネルに関するSIRを同一情報量のCQI情報で報告するという効果(SIR報告の効率の向上効果)とを考慮して、移動局40ごとに、サブグループ内のチャネル数の異なる2段階グループ化方式を選択するようになっている。これにより、CQI報告の精度の向上と、CQI報告の効率の向上とを両立することができる。
このように、移動局40ごとに、異なる2段階グループ化方式を用いて、CQIを基地局30に報告することにより、移動局40ごとに最適な2段階グループ化方式を選択することができる。そのため、CQI報告の精度を保持しつつ、CQI報告の効率を向上することができる。
〔実施の形態6〕
本発明のさらに他の実施の形態について図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1〜5の何れかに示した各部材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態では、移動局が2段階グループ化方式を決定する場合について説明する。
実施の形態5の通信システムにおいては、基地局30が各移動局40から報告されたCQIに基づいて移動局40毎の2段階グループ化方式を決定する代わりに、移動局が2段階グループ化方式を決定することが考えられる。
図14に、本実施形態に係る、移動局が2段階グループ化方式を決定するOFDMAシステムのブロック構成例を示す。
図14に示すように、本実施形態に係るOFDMAシステム300は、複数のチャネルを介して互いに通信する基地局50および移動局(端末)60を備えている。ただし、図14には基地局50と移動局60とがそれぞれ1つずつ示されているが、本実施形態に係るOFDMAシステムには、移動局60は複数存在しており、それら複数の移動局60のうちの1つのみが図14には示されている。
移動局60は、グループ化方式決定部(グループ化方式選択部)61を備えている点以外は、実施の形態5における移動局40と同一の構成を備えている。移動局60のグループ化方式決定部61は、受信品質測定部19において測定されたSIRに基づいて2段階グループ化方式を決定する。2段階グループ化方式の決定方法としては、実施の形態5と同様の方法を用いることができる。グループ化方式決定部61で決定された2段階グループ化方式は、受信品質情報決定部23に送られる。受信品質情報決定部23は、送られた2段階グループ化方式に基づいて、受信品質測定部19で測定されたSIRを2段階グループ化して、CQI(受信品質情報)を生成する。また、送信フレーム生成部11は、2段階グループ化方式を基地局50に報告するための制御信号を生成し、送信フレームに多重する。この制御信号の生成及び多重は、周期的に行っても良いし、2段階グループ化方式を変更するときに行うようにしてもよい。
基地局50は、グループ化方式決定部21を備えていない点以外は、実施の形態5における基地局30と同一の構成を備えている。基地局30では、判定部8からCQIとともに2段階グループ化方式がスケジューラ部22に送られる。スケジューラ部22は、これらCQIおよび2段階グループ化方式に基づいて各チャネルにおけるスケジューリングを行う。
なお、上記の説明では、各移動局が1つのグループに所属していたが、一部の移動局が複数のグループに所属していてもよく、全ての移動局が複数のグループ(ただし全グループの一部)に所属していてもよい。
また、上記の説明では、通信システムは、全てのチャネルのCQIを基地局に報告する移動局を含んでいなかったが、本発明に係る通信システムは、全てのチャネルのCQIを基地局に報告する移動局を含んでいてもよい。例えば、高優先度のデータを要求する移動局が、全てのチャネルにおけるCQIを基地局に報告し、低優先度のデータを要求する移動局が、全てのチャネルではなく一部のチャネルにおけるCQIのみを報告するようにしてもよい。これによっても、移動局から基地局に報告するCQIの情報量を抑えることができる、という所望の効果が得られる。
また、複数の2段階グループ化方式を切り替えて用いる場合、2段階グループ化方式の選択肢の一つが「チャネルの1つずつをサブグループとし、全てのサブグループを1つのグループに分類する方式」であり、かつ、2段階グループ化方式の選択肢の他の1つが「(移動局から基地局に報告するCQIの情報量を抑えることができる)少なくとも1つの移動局が、その移動局が所属する一部の(1つでも複数でもよい)グループに含まれるサブグループのCQIのみを基地局に報告する方式」を選択可能であってもよい。例えば、フィードバック情報量をどの程度抑えたいかにより2段階グループ化方式の切り替えを行い、フィードバック情報量を抑える必要のない状況では、2段階グループ化方式として「チャネルの1つずつをサブグループとし、全てのサブグループを1つのグループに分類する方式」を選択するようにしてもよい。
また、本発明は、基地局と複数の移動局とからなるOFDMA移動体無線通信システムに限られるものではなく、基地局と複数の端末とが通信容量の異なる複数のチャネルを介してデータの送受信を行う通信システム全般に適用可能である。すなわち、上記の各実施形態では、上記「チャネル」として周波数チャネル(周波数により区別されるチャネル)を用いた通信システムに本発明を適用した場合について説明した。しかしながら、本発明は、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)通信システム(マルチキャリアとは限らない)のように、上記「チャネル」として、通信容量の異なる複数の空間チャネル(アンテナ位置や送信ビームの方向などの空間により区別されるチャネル)を用いる通信システムにも適用可能である。また、これらの通信システムを組み合わせた方式である、複数の空間−周波数チャネルを上記「チャネル」として用いる通信システムにも、本発明は適用可能である。さらに、拡散を行うような通信システムでは、拡散符号により区別されるチャネルを上記「チャネル」として用いる場合にも、本発明を適用することができる。また、本発明は、有線/無線に係わらず適用可能である。
本発明の通信システムは、以上のように、複数のチャネルを用いて互いに通信を行う基地局と複数の端末とを備え、上記端末の各々が、受信品質情報を上記基地局に報告し、上記基地局が、上記端末の各々から報告された受信品質情報に基づいて、上記チャネルを用いた通信のスケジューリングを行う通信システムであって、上記端末の各々は、受信品質を測定する受信品質測定部と、少なくとも1つのチャネルをサブグループにまとめ、少なくとも1つのサブグループをグループにまとめる2段階グループ化方式情報と、上記受信品質測定部で測定された受信品質とに基づいて、上記サブグループごとに受信品質情報を生成し、上記基地局へ報告する受信品質情報決定部とを備え、上記2段階グループ化方式情報は、上記各グループを上記端末の少なくとも1つに割り当てるようになっており、上記端末の少なくとも1つにおける受信品質情報決定部が、少なくとも一部の条件下で、その端末に全グループの一部が割り当てられるような2段階グループ化方式情報を用い、その端末に割り当てられたグループに属するサブグループのみについて、上記受信品質情報を生成および報告する構成である。
非特許文献1や非特許文献2の第一の方法では、移動局が全チャネルの受信品質情報を基地局に報告するのに対して、上記構成では、上記端末の少なくとも1つが、少なくとも一部の条件下で、その端末に割り当てられたグループに属するサブグループのみについて上記受信品質情報をサブグループごとに生成および報告する。
また、上記構成では、特許文献1の方法のようにサブキャリアの受信サブキャリアの受信電力によりブロックの大きさを制御する必要がなく、また、特許文献1の方法のように特定位置のサブキャリア番号を端末が基地局に通知する必要がない。
また、非特許文献2の第二の方法では単純なグループ化を行うだけであるのに対して、上記構成では、第一のグループ化(サブグループ化)と第二のグループ化(グループ化)を組み合わせた2段階のグループ化を行う。
以上のことから、上記構成では、非特許文献1、非特許文献2、および特許文献1と比較して、端末が基地局に報告する受信品質情報の情報量を削減でき、その結果、上りリンクのオーバヘッドを低減し、スループットを向上させることができる。
さらに、本発明の通信システムの好ましい形態は、以上のように、伝搬路/ユーザ数/誤り率などのパラメータに基づいて、サブグループ内のサブキャリア数とグループ内のサブグループ数とを適応的に制御する。
これにより、受信品質情報の精度が低下することを回避し、受信品質情報に基づくスケジューリングを最適化することができる。すなわち、上記構成によれば、スケジューリングを最適化しながら、端末から基地局に報告する受信品質情報の情報量をさらに削減し、スループットを向上させることができる。
本発明の通信システムは、上記構成の通信システムにおいて、上記基地局は、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式情報を複数の2段階グループ化方式情報の中から選択する第1のグループ化方式選択部と、第1のグループ化方式選択部で選択された2段階グループ化方式情報を端末に送信する送信部とを備え、上記端末は、上記送信部から送信された2段階グループ化方式情報を受信する受信部を備える構成であってもよい。
上記構成によれば、基地局が、複数の端末に関する2段階グループ化方式の選択を一括して行うことができるので、2段階グループ化方式の選択を効率的に行うことができる。
本発明の通信システムは、上記構成の通信システムにおいて、上記第1のグループ化方式選択部は、サブグループ内のチャネル数が異なる複数の2段階グループ化方式情報の中から、上記サブグループ内における端末の受信品質のチャネル間での分散に基づいて、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式情報を選択する構成であってもよい。
上記構成によれば、サブグループ内のチャネル数が異なる複数の2段階グループ化方式情報の中から、上記サブグループ内におけるチャネル間での端末の受信品質の分散に基づいて、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式情報を選択する。これにより、サブグループ内におけるチャネル間での端末の受信品質の分散が増大した場合には、サブグループ内のチャネル数を減少させて、サブグループ内における端末の受信品質の分散を低減できる。したがって、受信品質情報の精度が低下することを回避し、受信品質情報に基づくスケジューリングを最適化することができる。すなわち、上記構成によれば、スケジューリングを最適化しながら、端末から基地局に報告する受信品質情報の情報量を削減することができる。
本発明の通信システムは、上記構成の通信システムにおいて、上記端末は、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式情報を複数の2段階グループ化方式情報の中から選択する第2のグループ化方式選択部をさらに備える構成であってもよい。
上記構成によれば、端末が2段階グループ化方式情報の選択を行うので、基地局から端末へ2段階グループ化方式情報を送信することが不要となる。
本発明の通信システムは、上記構成の通信システムにおいて、上記第2のグループ化方式選択部は、サブグループ内のチャネル数が異なる複数の2段階グループ化方式情報の中から、上記受信品質測定部で測定された受信品質のサブグループ内におけるチャネル間での分散に応じて、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式情報を選択する構成であってもよい。
上記構成によれば、サブグループ内のチャネル数が異なる複数の2段階グループ化方式情報の中から、上記サブグループ内におけるチャネル間での端末の受信品質の分散に基づいて、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式情報を選択する。これにより、サブグループ内におけるチャネル間での端末の受信品質の分散が増大した場合には、サブグループ内のチャネル数を減少させて、サブグループ内における端末の受信品質の分散を低減できる。したがって、受信品質情報の精度が低下することを回避し、受信品質情報に基づくスケジューリングを最適化することができる。すなわち、上記構成によれば、スケジューリングを最適化しながら、端末から基地局に報告する受信品質情報の情報量を削減することができる。
本発明の通信システムは、上記構成の通信システムにおいて、上記第1または第2のグループ化方式選択部は、グループ数が異なり、かつ、グループ内のサブグループ数が同一である複数の2段階グループ化方式の中から、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式情報を選択する構成であってもよい。
上記構成によれば、グループ化方式を切り替えてもグループ内のサブグループ数が変化しないので、端末から基地局に報告する受信品質情報の情報量を一定にすることができる。したがって、端末から基地局に報告する受信品質情報の情報量を一定量以下に削減できる。本発明を適用することが想定される携帯電話システムでは、制御情報の容量が一定量以下に制限されているので、これは特に有効である。
また、上記構成では、端末が基地局にグループ化方式に関する情報を通知し、通知された情報に基づいて基地局がグループ数およびサブグループ内のチャネル数を認識する場合に、端末が基地局に通知するグループ化方式に関する情報の情報量を抑えることができる。すなわち、グループ内のサブキャリア数が変化する場合、基地局がグループ数とサブグループ内のチャネル数とを識別するためには、端末がグループ数を識別するための情報とサブグループ内のチャネル数を識別するための情報とを基地局に通知することが必要である。これに対し、上記構成では、グループ内のサブキャリア数を固定しているので、端末がグループ数を識別するための情報のみを基地局に通知すれば、基地局がグループ数とサブグループ内のチャネル数との両方を識別することができる。
さらに、上記構成では、グループ内のサブキャリア数が固定であるので、各グループの受信品質情報量は一定となる。
また、上記構成では、グループ数を決定すれば、自動的にサブグループ内のチャネル数が決まるので、グループ数が異なる2段階グループ化方式の切り替えにより、サブグループ内のチャネル数を変更することができる。これにより、グループ数が異なる2段階グループ化方式の切り替えにより、サブグループ内のチャネル数を減少させて、サブグループ内におけるチャネル間での端末の受信品質の分散を低減できる。したがって、受信品質情報の精度が低下することを回避し、受信品質情報に基づくスケジューリングを最適化することができる。すなわち、上記構成によれば、スケジューリングを最適化しながら、端末から基地局に報告する受信品質情報の情報量を削減することができる。
本発明の通信システムは、上記構成の通信システムにおいて、上記第1または第2のグループ化方式選択部は、個々のグループを割り当てる端末の数が異なる複数の2段階グループ化方式の中から、上記基地局と通信を行う端末の数に基づいて、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式情報を選択する構成であってもよい。
上記構成によれば、上記基地局と通信を行う端末の数が少ない場合に、グループ内の移動局数がより多い2段階グループ化方式を選択することができる。これにより、マルチユーザダイバーシチ効果を向上させ、システムのスループットを向上させることができる。
本発明の通信システムは、上記構成の通信システムにおいて、上記第1または第2のグループ化方式選択部は、各端末に割り当てるグループの数が、基地局から端末へ送信するデータの優先度に応じて変化するように、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式情報を選択する構成であってもよい。
上記構成によれば、高優先度のデータを要求する端末に対して、低優先度のデータを要求する端末よりも多くのチャネルを割り当てることができる。それゆえ、高優先度のデータを、より速く、より確実に、基地局から端末へ送信することができる。
本発明の通信システムは、上記構成の通信システムにおいて、上記第1または第2のグループ化方式選択部は、各端末ごとに、上記受信品質情報決定部で用いる2段階グループ化方式情報を選択する構成であってもよい。
上記構成によれば、各端末ごとに2段階グループ化方式情報を最適化することができるので、端末から基地局に報告する受信品質情報の情報量をより一層削減することができる。
本発明の通信システムは、上記構成の通信システムにおいて、上記2段階グループ化方式情報は、隣接する複数のチャネルをサブグループにまとめるようになっている構成であってもよい。
隣接するチャネルにおける受信品質は、高い相関を持つ可能性が高い。そのため、上記構成のように隣接するチャネルをサブグループにまとめると、サブグループ内におけるチャネル間での受信品質の分散が小さくなり、受信品質情報の精度が向上する。したがって、受信品質情報に基づくスケジューリングを最適化することができる。
なお、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する特許請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。